説明

デジタル制御発振器及びこれを用いた位相同期回路

【課題】発振周波数を線形に近くかつきめ細やかに制御可能なデジタル制御発振器を提供する。
【解決手段】正相発振信号を出力する正端子213と、逆相発振信号を出力する負端子214と、センタータップ210とを有し、正端子とセンタータップとの間の任意の位置に第1の接点211を備え、負端子とセンタータップとの間の第1の接点に対応する位置に第2の接点212を備える差動インダクタ200と、正端子と負端子との間に接続され、第1のデジタル制御コードによってキャパシタンスを2値に変化させる第1の可変キャパシタを複数含む第1の可変キャパシタバンク220と、第1の接点と第2の接点との間に接続され、第2のデジタル制御コードによってキャパシタンスを2値に変化させる第2の可変キャパシタを複数含む第2の可変キャパシタバンク240と、正端子と負端子との間に接続される負性抵抗230とを具備する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル制御発振器及びこれを用いた位相同期回路における周波数分解能の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機に代表される無線送受信機は、(a)送信ベースバンド信号に対してローカル信号を用いたアップコンバートを行い、無線信号をアンテナによって送信し、また、(b)アンテナによって受信した無線信号に対して上記ローカル信号を用いたダウンコンバートを行い、受信ベースバンド信号を得る。アップコンバート及びダウンコンバートには、周波数変換を行う周波数変換器と、ローカル信号を生成する局部発振器が必要とされる。
【0003】
近年、発振周波数をデジタル制御コード(デジタル制御信号)によって離散的に制御可能なデジタル制御発振器(DCO;Digitally Controlled Oscillator)が、局部発振器として提案されている。DCOは、デジタル制御コードによって発振周波数を離散的に切り替えるため、発振周波数に量子化誤差が発生する。量子化誤差が大きくなるほど、発振周波数と所望周波数との間の誤差が拡大し、CNR(Carrier to Noise Ratio)が劣化する。発振周波数の量子化誤差を小さくするためには、DCOの周波数分解能を向上させる必要がある。即ち、デジタル制御コードによるDCOの発振周波数の制御を、よりきめ細やかに実現する必要がある。通常、DCOはインダクタまたは伝送線路に対して並列に接続される可変キャパシタを有し、デジタル制御コードによって当該可変キャパシタのキャパシタンスを変化させることにより、発振周波数の制御が実現される。従って、可変キャパシタのキャパシタンス分解能によって、DCOの周波数分解能が決まる。
【0004】
非特許文献1記載のDCOは、伝送線路上の複数の位置において可変キャパシタを当該伝送線路に対し並列に接続している。非特許文献1記載のDCOは、伝送線路における可変キャパシタの接続位置によって、当該可変キャパシタのキャパシタンスがDCOの発振周波数に与える影響が異なる。従って、非特許文献1記載のDCOによれば、一部の可変キャパシタのキャパシタンスがDCOの発振周波数に与える影響を抑えられるため、インダクタまたは伝送線路と可変キャパシタとを単純に並列に接続する構成に比べて高い周波数分解能を実現できる。
【非特許文献1】"Fine and Wide Frequency Tuning Digital Controlled Oscillators Utilizing Capacitance Position Sensitivity in Distributed Resonators", ASSCC 2007, pp.424-427
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1記載のDCOは、可変キャパシタの接続位置を互いに異ならせているため、各々の可変キャパシタが発振周波数に与える影響は一定でない。即ち、デジタル制御コードに対してDCOの発振周波数を線形に変化させることは困難である。
【0006】
従って、本発明は、発振周波数を線形に近くかつきめ細やかに制御可能なデジタル制御発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るデジタル制御発振器は、正相発振信号を出力する正端子と、逆相発振信号を出力する負端子と、センタータップとを有し、前記正端子と前記センタータップとの間の任意の位置に第1の接点を備え、前記負端子と前記センタータップとの間の前記第1の接点に対応する位置に第2の接点を備える差動インダクタと、前記正端子と前記負端子との間に接続され、第1のデジタル制御コードによってキャパシタンスを2値に変化させる第1の可変キャパシタを複数含む第1の可変キャパシタバンクと、前記第1の接点と前記第2の接点との間に接続され、第2のデジタル制御コードによってキャパシタンスを2値に変化させる第2の可変キャパシタを複数含む第2の可変キャパシタバンクと、前記正端子と前記負端子との間に接続される負性抵抗とを具備する。
【0008】
本発明の他の態様に係るデジタル制御発振器は、第1のインダクタの一端及び第2のインダクタの一端を短絡して構成され、前記第1のインダクタの他端から正相発振信号を出力し、前記第2のインダクタの他端から逆相発振信号を出力し、前記第1のインダクタの任意の位置に第1の接点を備え、前記第2のインダクタの前記第1の接点と対応する位置に第2の接点を備えるインダクタ対と、前記第1のインダクタの他端と前記第2のインダクタの他端との間に接続され、第1のデジタル制御コードによってキャパシタンスを2値に変化させる第1の可変キャパシタを複数含む第1の可変キャパシタバンクと、前記第1の接点と前記第2の接点との間に接続され、第2の制御コードによってキャパシタンスを2値に変化させる第2の可変キャパシタを複数含む第2の可変キャパシタバンクと、前記第1のインダクタの他端と前記第2のインダクタの他端との間に接続される負性抵抗とを具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発振周波数を線形に近くかつきめ細やかに制御可能なデジタル制御発振器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るデジタル制御発振器は、インダクタ100、粗調用可変キャパシタバンク120、負性抵抗130及び微調用可変キャパシタバンク140を有する。
【0011】
インダクタ100は、一端が出力端子Voutに接続され、他端111がグラウンドに接地される。また、インダクタ100の一端には、粗調用可変キャパシタバンク120の一端と、負性抵抗130の一端とが共通に接続される。インダクタ100は、一端と他端111との間に接点110を有し、微調用キャパシタバンク140の一端は当該接点110に接続される。インダクタ100の他端111には、粗調用可変キャパシタバンク120の他端と、負性抵抗130の他端と、微調用可変キャパシタバンク140の他端とが共通に接続される。
【0012】
粗調用可変キャパシタバンク120は、図1のDCOの発振周波数を粗調するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。粗調用可変キャパシタバンク120及び後述する微調用可変キャパシタバンク140は、例えばスイッチに接続されたキャパシタで構成される可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記スイッチの各々のON/OFFを制御して各可変キャパシタのキャパシタンスを2値(ON/OFF)に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。また、粗調用可変キャパシタバンク120及び微調用可変キャパシタバンク140は、例えばMOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記可変キャパシタの各々のキャパシタンスを2値に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させるようにしてもよい。
【0013】
粗調用可変キャパシタバンク120及び微調用可変キャパシタバンク140のキャパシタンス分解能は、当該粗調用可変キャパシタバンク120及び微調用可変キャパシタバンク140を構成する各可変キャパシタのキャパシタンス変化量によって決まる。通常、スイッチに接続されたキャパシタで構成される可変キャパシタに比べ、MOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタの方が、上記キャパシタンス変化量を小さくできる。
【0014】
また、粗調用可変キャパシタバンク120及び微調用可変キャパシタバンク140の全体のキャパシタンス変化範囲は、デジタル制御コードのビット長とキャパシタンス分解能によって決まる。即ち、デジタル制御コードのビット長が長いほど、粗調用可変キャパシタバンク120及び微調用可変キャパシタバンク140の全体のキャパシタンス変化範囲は広くなる。
【0015】
負性抵抗130は、LC回路によって生じる損失、即ちインダクタ100、粗調用可変キャパシタバンク120及び微調用可変キャパシタバンク140によって生じる損失を補償し、図1のDCOの発振を継続させる。負性抵抗130は、例えば正帰還増幅器で構成される。
【0016】
微調用可変キャパシタバンク140は、前述したように、インダクタ100の一端と他端111との間に設けられた接点110と、インダクタ100の他端111との間に接続される。微調用可変キャパシタバンク140は、図1のDCOの発振周波数を微調するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。ここで、微調とは、粗調用キャパシタバンク120に比べ、微調用キャパシタバンク140による図1の発振周波数の調整範囲が狭いことを意味している。従って、微調用可変キャパシタバンク140のキャパシタンス分解能は、粗調用可変キャパシタバンク120に比べて高いことが望ましい。
【0017】
以下、微調用可変キャパシタバンク140の一端が、インダクタ100の一端ではなく、当該インダクタ100の一端と他端111との間に設けられた接点110に接続されることの技術的意義を説明する。
インダクタ100の一端と他端111との間に生じるインダクタンスをL1とすると、接点110と他端111との間に生じるインダクタンスはa×L1で表現できる。aは、接点110のインダクタ100における位置によって決まる定数(0<a<1)であって、上記位置が他端111に近づくほど小さな値になる。粗調用可変キャパシタバンク120及び微調用可変キャパシタバンク140のキャパシタンスを夫々C1及びC2とすると、図1のDCOの発振周波数foutは、以下に示す数式(1)で表される。
【数1】

【0018】
一方、微調用可変キャパシタバンク140の一端がインダクタ100の一端に接続される場合、DCOの発振周波数fout'は、以下に示す数式(2)で表される。
【数2】

【0019】
数式(1)及び数式(2)の比較から明らかなように、微調用可変キャパシタバンク140の一端をインダクタ100の接点110に接続することにより、キャパシタンスC2が発振周波数foutに与える影響が相対的に小さくなる。前述したように、定数aは接点110の位置をインダクタ110の他端に近づけるほど小さくなり、上記キャパシタンスC2が発振周波数foutに与える影響も小さくなる。
【0020】
ここで、粗調用可変キャパシタバンク120に与えられるデジタル制御コードに応じた制御信号値をN1、粗調用可変キャパシタバンク120のキャパシタンス分解能をΔC1、粗調用可変キャパシタバンク120を構成する全ての可変キャパシタがOFFの場合における当該粗調用可変キャパシタバンク120のキャパシタンスをC01とすると、キャパシタンスC1は以下の数式(3)で表される。
【数3】

【0021】
また、微調用可変キャパシタバンク140に与えられるデジタル制御コードに応じた制御信号値をN2、微調用可変キャパシタバンク140のキャパシタンス分解能をΔC2、微調用可変キャパシタバンク140を構成する全ての可変キャパシタバンクがOFFの場合における当該微調用可変キャパシタバンク140のキャパシタンスをC02とすると、キャパシタンスC2は以下の数式(4)で表される
【数4】

【0022】
数式(3)及び(4)を、数式(1)に代入すると、以下の数式(5)が導出される。
【数5】

【0023】
仮に、数式(5)において粗調用可変キャパシタバンク120のキャパシタンス分解能ΔC1と、微調用可変キャパシタバンク140のキャパシタンス分解能ΔC2とが同値であったとしても、キャパシタンス分解能ΔC2には定数aが乗じられているため、キャパシタンス分解能ΔC1に比べてキャパシタンス分解能ΔC2の方が発振周波数foutに与える影響が小さい。即ち、キャパシタンス分解能ΔC1に比べ、キャパシタンス分解能ΔC2が高い。また、キャパシタンスC1及びキャパシタンスC2は、夫々制御信号値N1及びN2に対して線形に変化しており、キャパシタンス分解能ΔC1、ΔC2及び定数aを適切に定めれば、粗調用可変キャパシタバンク120及び微調用可変キャパシタバンク140の発振周波数foutに対する影響を、デジタル制御コードに対して線形に近く変化させることが可能である。
【0024】
前述した図1のDCOは、差動DCOとして構成することも可能である。本実施形態に係る差動DCOは、図2に示すように、インダクタ対200、粗調用キャパシタバンク220、負性抵抗230、微調用キャパシタバンク240及び固定キャパシタ250を有する。
【0025】
差動(対称型)インダクタ200は、正端子213及び負端子214を有し、正端子213及び負端子214の略中央にセンタータップ210を有する。ここで、略中央とは、差動インダクタ200においてセンタータップ210から正端子213までの2次元的な(高さを考慮しない)距離と、センタータップ210から負端子214までの2次元的な距離とが等しいことを示す。換言すれば、正端子213とセンタータップ210との間に生じるインダクタンスと、負端子214とセンタータップ210との間に生じるインダクタンスとが等しい。実際には、差動インダクタ200は3次元的な交差を含むため、センタータップ210から正端子213までの3次元的な距離と、センタータップ210から負端子214までの3次元的な距離は必ずしも一致しない。
【0026】
更に、差動インダクタ200は、センタータップ210と正端子213との間に接点211、センタータップ210と負端子214との間に接点212を夫々有する。接点211及び接点212の差動インダクタ200上の位置は、センタータップ210に関して対称であることが望ましい。即ち、差動インダクタ200において、センタータップ210から接点211までの2次元的な距離と、センタータップ210から接点212までの2次元的な距離とが一致していることが望ましい。換言すれば、接点211とセンタータップ210との間に生じるインダクタンスと、接点212とセンタータップ210との間に生じるインダクタンスとが一致していることが望ましい。
【0027】
差動インダクタ200の正端子213は正相出力端子Voutpに接続され、負端子214は逆相出力端子Voutmに接続される。また、差動インダクタ200の正端子213及び負端子214には、粗調用可変キャパシタバンク220、負性抵抗230及び固定キャパシタ250が並列に接続される。差動インダクタ200中の接点211及び接点212の間には、後述する微調用可変キャパシタバンク220が接続される。差動インダクタ200中のセンタータップ210は、例えばグラウンド、電源またはバイアス回路に接続される。
【0028】
粗調用可変キャパシタバンク220は、図2のDCOの発振周波数を粗調するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。粗調用可変キャパシタバンク220及び微調用可変キャパシタバンク240は、例えば図13Bに示すように、スイッチに接続されたキャパシタで構成される可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記スイッチの各々のON/OFFを制御して各可変キャパシタのキャパシタンスを2値(ON/OFF)に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。また、粗調用可変キャパシタバンク220及び微調用可変キャパシタバンク240は、例えば図13Aに示すように、MOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記可変キャパシタの各々のキャパシタンスを2値に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させるようにしてもよい。
【0029】
負性抵抗230は、LC回路によって生じる損失、即ちインダクタ対200、粗調用可変キャパシタバンク220及び微調用可変キャパシタバンク240によって生じる損失を補償し、図2のDCOによる発振を継続させる。負性抵抗230は、例えばN型MOSトランジスタ対またはP型MOSトランジスタ対で構成される。具体的には、ソース接地のMOSトランジスタ対において、一方のドレイン端子を他方のゲート端子に短絡することにより負性抵抗230が実現される。固定キャパシタ250は、図2のDCOの発振周波数に強い影響を与える。
【0030】
微調用可変キャパシタバンク240は、前述したように、インダクタ対200の正端子213とセンタータップ210との間に設けられた接点211と、負端子214とセンタータップ210との間に設けられた接点212との間に接続される。微調用可変キャパシタバンク240は、図2のDCOの発振周波数を微調するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。図2のDCOは、インダクタ対200の正端子213と負端子214との間ではなく、接点211と接点212との間に微調用可変キャパシタバンク240を接続することにより、前述した図1のDCOと同様に、微調用可変キャパシタバンク240が発振周波数に与える影響を相対的に小さくし、当該微調用可変キャパシタバンク240のキャパシタンス分解能を実質的に向上させている。
【0031】
図2の差動DCOの実現例を図3に示す。図3の差動DCOは、差動インダクタ300、粗調用可変キャパシタバンク320、負性抵抗330、微調用可変キャパシタバンク340、固定キャパシタ350、中間可変キャパシタバンク360及びバイアス電流源370を有する。
【0032】
差動インダクタ300は、1.75巻きである。差動インダクタ300は、正端子313及び負端子314を有し、正端子313及び負端子314の略中央にセンタータップ310を有する。更に、差動インダクタ300は、センタータップ310及び正端子313を略3:4に内分する位置に接点311、センタータップ310及び負端子314を略3:4に内分する位置に接点312を夫々有する。
【0033】
差動インダクタ300の正端子313は正相出力端子Voutpに接続され、負端子314は逆相出力端子Voutmに接続される。また、差動インダクタ300の正端子313及び負端子314には、粗調用可変キャパシタバンク320、負性抵抗330、固定キャパシタ350及び中間可変キャパシタバンク360が並列に接続される。差動インダクタ300中の接点311及び接点312の間には、後述する微調用可変キャパシタバンク340が接続される。差動インダクタ300中のセンタータップ310は、バイアス電流源370に接続される。
【0034】
粗調用キャパシタバンク320は、図3のDCOの発振周波数を粗調するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。粗調用可変キャパシタバンク320は、例えば図13Bに示すように、スイッチに接続されたキャパシタで構成される可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記スイッチの各々のON/OFFを制御して各可変キャパシタのキャパシタンスを2値(ON/OFF)に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0035】
負性抵抗330は、LC回路によって生じる損失、即ち差動インダクタ300、粗調用可変キャパシタバンク320、微調用可変キャパシタバンク340及び中間可変キャパシタバンク360によって生じる損失を補償し、図3のDCOの発振を継続させる。負性抵抗330は、例えばN型MOSトランジスタ対またはP型MOSトランジスタ対で構成される。具体的には、ソース接地のMOSトランジスタ対において、一方のドレイン端子を他方のゲート端子に短絡することにより負性抵抗330が実現される。固定キャパシタ350は、図3のDCOの発振周波数に強い影響を与える。
【0036】
微調用可変キャパシタバンク340は、前述したように、差動インダクタ300の正端子313とセンタータップ310との間に設けられた接点311と、負端子314とセンタータップ310との間に設けられた接点312との間に接続される。微調用可変キャパシタバンク340は、図3のDCOの発振周波数を微調するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。図3のDCOは、差動インダクタ300の正端子313と負端子314との間ではなく、接点311と接点312との間に微調用可変キャパシタバンク340を接続することにより、微調用可変キャパシタバンク340が発振周波数に与える影響を相対的に小さくし、当該微調用可変キャパシタバンク340のキャパシタンス分解能を実質的に向上させている。微調用可変キャパシタバンク340は、例えば図13Aに示すように、MOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記可変キャパシタの各々のキャパシタンスを2値に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0037】
差動インダクタ300と微調用キャパシタバンク340を接続する配線に生じる寄生素子による影響を最小現に抑えるためには、配線の長さをできるだけ短くすることが望ましい。従って、図3に示すように、微調用可変キャパシタバンク340と、中間可変キャパシタバンク360との間に差動インダクタ300が挟まれて配置される。更に、微調用可変キャパシタバンク340の一端と差動インダクタ300の接点311との間の配線形状と、微調用可変キャパシタ340の他端と差動インダクタ300の接点312との間の配線形状とが対称関係にあることが望ましい。
【0038】
中間可変キャパシタバンク360は、図3のDCOの発振周波数を調整するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。中間可変キャパシタバンク360のキャパシタンス分解能は、粗調用可変キャパシタバンク320よりも高く、微調用可変キャパシタバンク340よりも低い。即ち、中間可変キャパシタバンク360は、粗調用可変キャパシタバンク320及び微調用可変キャパシタバンク340による発振周波数の調整範囲の隔たりを補完するために設けられる。中間可変キャパシタバンク360は、例えば図13Aに示すように、MOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記可変キャパシタの各々のキャパシタンスを2値に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0039】
以下、図4に示すグラフを用いて、図3のDCOの周波数分解能を説明する。図4において、図3のDCOを提案例1、図3のDCOにおいて微調用可変キャパシタバンク340の接続位置を差動インダクタ300の接点311及び接点312の間から、正端子313及び負端子314の間へと変更し、その余は同様に構成したDCOを比較例1と称している。提案例1及び比較例1のDCOを構成する各可変キャパシタバンクは、6ビット(0〜63)のデジタル制御コードによって制御される。図4は、デジタル制御コードの変化に対する提案例1及び比較例1のDCOの発振周波数foutの3.5GHzを基準とした周波数変化を表している。図4において、提案例1のDCOの発振周波数foutの周波数変化は破線、比較例1のDCOの発振周波数foutの周波数変化は実線で夫々表される。
【0040】
図4から明らかなように、提案例1のDCOは、比較例1のDCOに比べ周波数分解能Δfが高い。具体的には、比較例1のDCOの周波数分解能Δfは45kHzであるのに対し、提案例1のDCOの周波数分解能Δfは15kHzである。尚、比較例1のDCOの発振周波数の周波数変化範囲は約2.9MHz(=64×45kHz)であり、提案例1のDCOの発振周波数の周波数変化範囲は約1.0MHz(=64×15kHz)である。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係るDCOは、微調用可変キャパシタバンクを差動インダクタの正端子−負端子間でなく、正端子及び負端子とセンタータップとの間に設けた接点間に接続している。従って、本実施形態に係るDCOによれば、微調用可変キャパシタバンクのキャパシタンス変化が発振周波数に与える影響を相対的に小さく抑えることができるので、当該発振周波数の周波数分解能が向上する。また、本実施形態に係るDCOにおいて、各可変キャパシタバンクを構成する可変キャパシタはインダクタに対して同一位置で接続されるため、デジタル制御コードに対する発振周波数の変化を線形に近づけることが可能である。
【0042】
(第2の実施形態)
図5に示すように、本発明の第2の実施形態に係るデジタル制御発振器は、前述した図3に示すデジタル制御発振器において、差動インダクタ300を差動インダクタ400、微調用可変キャパシタバンク340を微調用可変キャパシタバンク440に夫々置き換えている。以下の説明では、図5において図3と同一部分には同一符号を付して示し、異なる部分を中心に述べる。
【0043】
差動インダクタ400は、2.75巻きである。差動インダクタ400は、正端子313及び負端子314を有し、正端子313及び負端子314の略中央にセンタータップ310を有する。更に、差動インダクタ400は、センタータップ310及び正端子313を略5:6に内分する位置に接点411、センタータップ310及び負端子314を略5:6に内分する位置に接点412を夫々有する。
【0044】
差動インダクタ400の正端子313は正相出力端子Voutpに接続され、負端子314は逆相出力端子Voutmに接続される。また、差動インダクタ400の正端子313及び負端子314には、粗調用可変キャパシタバンク320、負性抵抗330、固定キャパシタ350及び中間可変キャパシタバンク360が並列に接続される。差動インダクタ400中の接点411及び接点412の間には、後述する微調用可変キャパシタバンク440が接続される。差動インダクタ400中のセンタータップ310は、バイアス電流源370に接続される。
【0045】
微調用可変キャパシタバンク440は、前述したように、差動インダクタ400の正端子313とセンタータップ310との間に設けられた接点411と、負端子314とセンタータップ310との間に設けられた接点412との間に接続される。微調用可変キャパシタバンク440は、図5のDCOの発振周波数を微調するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。図5のDCOは、差動インダクタ400の正端子313と負端子314との間ではなく、接点411と接点412との間に微調用可変キャパシタバンク440を接続することにより、微調用可変キャパシタバンク440が発振周波数に与える影響を相対的に小さくし、当該微調用可変キャパシタバンク440のキャパシタンス分解能を実質的に向上させている。微調用可変キャパシタバンク440は、例えば図13Aに示すように、MOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記可変キャパシタの各々のキャパシタンスを2値に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0046】
差動インダクタ400と微調用キャパシタバンク440を接続する配線に生じる寄生素子による影響を最小現に抑えるためには、配線の長さをできるだけ短くすることが望ましい。従って、図5に示すように、差動インダクタ400と、中間可変キャパシタバンク360との間に微調用可変キャパシタバンク440が挟まれて配置される。更に、微調用可変キャパシタバンク440の一端と差動インダクタ400の接点411との間の配線形状と、微調用可変キャパシタ440の他端と差動インダクタ400の接点412との間の配線形状とが対称関係にあることが望ましい。
【0047】
以下、図6に示すグラフを用いて、図5のDCOの周波数分解能を説明する。図6において、図5のDCOを提案例2、図5のDCOにおいて微調用可変キャパシタバンク440の接続位置を差動インダクタ400の接点411及び接点412の間から、正端子313及び負端子314の間へと変更し、その余は同様に構成したDCOを比較例2と称している。提案例2及び比較例2のDCOを構成する各可変キャパシタバンクは、6ビット(0〜63)のデジタル制御コードによって制御される。図6は、デジタル制御コードの変化に対する提案例2及び比較例2のDCOの発振周波数foutの3.5GHzを基準とした周波数変化を表している。図6において、提案例2のDCOの発振周波数foutの周波数変化は破線、比較例2のDCOの発振周波数foutの周波数変化は実線で夫々表される。
【0048】
図6から明らかなように、提案例2のDCOは、比較例2のDCOに比べ周波数分解能Δfが高い。具体的には、比較例2のDCOの周波数分解能Δfは45kHzであるのに対し、提案例2のDCOの周波数分解能Δfは5kHzである。尚、比較例2のDCOの発振周波数の周波数変化範囲は約2.9MHz(=64×45kHz)であり、提案例2のDCOの発振周波数の周波数変化範囲は約0.3MHz(=64×5kHz)である。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係るDCOは、差動インダクタと、中間可変キャパシタバンクとの間に微調用可変キャパシタバンクが挟まれて配置される。従って、本実施形態に係るDCOによれば、微調用可変キャパシタバンクと差動インダクタの間の配線を短く構成することができるので、当該配線に生じる寄生素子による微調用可変キャパシタバンクへの影響を抑えられる。
【0050】
(第3の実施形態)
図7に示すように、本発明の第3の実施形態に係るデジタル制御発振器は、インダクタ対500、粗調用可変キャパシタバンク520、負性抵抗530、微調用可変キャパシタバンク540、固定キャパシタ550、中間可変キャパシタバンク560及びバイアス電流源570を有する。
【0051】
インダクタ対500は、2つの1.5巻きの単相インダクタの一端同士が短絡されて共通端子510を構成する。また、上記2つの単相インダクタの他端がインダクタ対500の一端513及び他端514を夫々構成する。尚、上記2つの単相インダクタは、実質的に同様の特性を有するものとする。インダクタ対500は、共通端子510及び一端513を略2等分する位置に接点511、共通端子510及び他端514を略2等分する位置に接点512を夫々有する。
【0052】
インダクタ対500の一端513は正相出力端子Voutpに接続され、他端514は逆相出力端子Voutmに接続される。また、インダクタ対500の一端513及び他端514には、粗調用可変キャパシタバンク520、負性抵抗530、固定キャパシタ550及び中間可変キャパシタバンク560が並列に接続される。インダクタ対500中の接点511及び接点512の間には、後述する微調用可変キャパシタバンク540が接続される。インダクタ対500中の共通端子510は、バイアス電流源570に接続される。
【0053】
粗調用可変キャパシタバンク520は、図5のDCOの発振周波数を粗調するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。粗調用可変キャパシタバンク520は、例えば図13Bに示すように、スイッチに接続されたキャパシタで構成される可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記スイッチの各々のON/OFFを制御して各可変キャパシタのキャパシタンスを2値(ON/OFF)に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0054】
負性抵抗530は、LC回路によって生じる損失、即ちインダクタ対500、粗調用可変キャパシタバンク520、微調用可変キャパシタバンク540及び中間可変キャパシタバンク560によって生じる損失を補償し、図7のDCOの発振を継続させる。負性抵抗530は、例えばN型MOSトランジスタ対またはP型MOSトランジスタ対で構成される。具体的には、ソース接地のMOSトランジスタ対において、一方のドレイン端子を他方のゲート端子に短絡することにより負性抵抗530が実現される。固定キャパシタ550は、図7のDCOの発振周波数に強い影響を与える。
【0055】
微調用可変キャパシタバンク540は、前述したように、インダクタ対500の一端513と共通端子510との間に設けられた接点511と、他端514と共通端子510との間に設けられた接点512との間に接続される。微調用可変キャパシタバンク540は、図7のDCOの発振周波数を微調するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。図7のDCOは、インダクタ対500の一端513と他端514との間ではなく、接点511と接点512との間に微調用可変キャパシタバンク540を接続することにより、微調用可変キャパシタバンク540が発振周波数に与える影響を相対的に小さくし、当該微調用可変キャパシタバンク540のキャパシタンス分解能を実質的に向上させている。微調用可変キャパシタバンク540は、例えば図13Aに示すように、MOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記可変キャパシタの各々のキャパシタンスを2値に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0056】
インダクタ対500と微調用キャパシタバンク540を接続する配線に生じる寄生素子による影響を最小現に抑えるためには、配線の長さをできるだけ短くすることが望ましい。従って、図7に示すように、インダクタ対500と、中間可変キャパシタバンク560との間に微調用可変キャパシタバンク540が挟まれて配置される。更に、微調用可変キャパシタバンク540の一端とインダクタ対500の接点511との間の配線形状と、微調用可変キャパシタ540の他端とインダクタ対500の接点512との間の配線形状とが対称関係にあることが望ましい。
【0057】
中間可変キャパシタバンク560は、図7のDCOの発振周波数を調整するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。中間可変キャパシタバンク560のキャパシタンス分解能は、粗調用可変キャパシタバンク520よりも高く、微調用可変キャパシタバンク540よりも低い。即ち、中間可変キャパシタバンク560は、粗調用可変キャパシタバンク520及び微調用可変キャパシタバンク540による発振周波数の調整範囲の隔たりを補完するために設けられる。中間可変キャパシタバンク560は、例えば図13Aに示すように、MOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記可変キャパシタの各々のキャパシタンスを2値に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0058】
以下、図8に示すグラフを用いて、図7のDCOの周波数分解能を説明する。図8において、図7のDCOを提案例3、図7のDCOにおいて微調用可変キャパシタバンク540の接続位置をインダクタ対500の接点511及び接点512の間から、一端513及び他端514の間へと変更し、その余は同様に構成したDCOを比較例3と称している。提案例3及び比較例3のDCOを構成する各可変キャパシタバンクは、6ビット(0〜63)のデジタル制御コードによって制御される。図8は、デジタル制御コードの変化に対する提案例3及び比較例3のDCOの発振周波数foutの3.5GHzを基準とした周波数変化を表している。図8において、提案例3のDCOの発振周波数foutの周波数変化は破線、比較例3のDCOの発振周波数foutの周波数変化は実線で夫々表される。
【0059】
図8から明らかなように、提案例3のDCOは、比較例3のDCOに比べ周波数分解能Δfが高い。具体的には、比較例3のDCOの周波数分解能Δfは74kHzであるのに対し、提案例3のDCOの周波数分解能Δfは43kHzである。尚、比較例3のDCOの発振周波数の周波数変化範囲は約4.7MHz(=64×74kHz)であり、提案例3のDCOの発振周波数の周波数変化範囲は約2.8MHz(=64×43kHz)である。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係るDCOは、インダクタ対と、中間可変キャパシタバンクとの間に微調用可変キャパシタバンクが挟まれて配置される。従って、本実施形態に係るDCOによれば、微調用可変キャパシタバンクとインダクタ対の間の配線を短く構成することができるので、当該配線に生じる寄生素子による微調用可変キャパシタバンクへの影響を抑えられる。
【0061】
(第4の実施形態)
図9に示すように、本発明の第4の実施形態に係るデジタル制御発振器は、前述した図7に示すデジタル制御発振器において、インダクタ対500をインダクタ対600、微調用可変キャパシタバンク540を微調用可変キャパシタバンク640に夫々置き換えている。以下の説明では、図9において図7と同一部分には同一符号を付して示し、異なる部分を中心に述べる。
【0062】
インダクタ対600は、2つの1.5巻きの単相インダクタの一端同士が短絡されて共通端子510を構成する。また、上記2つの単相インダクタの他端がインダクタ対600の一端513及び他端514を夫々構成する。尚、上記2つの単相インダクタは、実質的に同様の特性を有するものとする。インダクタ対600は、共通端子510及び一端513を略1:5に内分する位置に接点611、共通端子510及び他端514を略1:5に内分する位置に接点612を夫々有する。
【0063】
インダクタ対600の一端513は正相出力端子Voutpに接続され、他端514は逆相出力端子Voutmに接続される。また、インダクタ対600の一端513及び他端514には、粗調用可変キャパシタバンク520、負性抵抗530、固定キャパシタ550及び中間可変キャパシタバンク560が並列に接続される。インダクタ対600中の接点611及び接点612の間には、後述する微調用可変キャパシタバンク640が接続される。インダクタ対600中の共通端子510は、バイアス電流源570に接続される。
【0064】
微調用可変キャパシタバンク640は、前述したように、インダクタ対600の一端513と共通端子510との間に設けられた接点611と、他端514と共通端子510との間に設けられた接点612との間に接続される。微調用可変キャパシタバンク640は、図9のDCOの発振周波数を微調するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。図9のDCOは、インダクタ対600の一端513と他端514との間ではなく、接点611と接点612との間に微調用可変キャパシタバンク640を接続することにより、微調用可変キャパシタバンク640が発振周波数に与える影響を相対的に小さくし、当該微調用可変キャパシタバンク640のキャパシタンス分解能を実質的に向上させている。微調用可変キャパシタバンク640は、例えば図13Aに示すように、MOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記可変キャパシタの各々のキャパシタンスを2値に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0065】
インダクタ対600と微調用キャパシタバンク640を接続する配線に生じる寄生素子による影響を最小現に抑えるためには、配線の長さをできるだけ短くすることが望ましい。従って、図9に示すように、微調用可変キャパシタバンク640と、中間可変キャパシタバンク560との間にインダクタ対600が挟まれて配置される。更に、微調用可変キャパシタバンク640の一端とインダクタ対600の接点611との間の配線形状と、微調用可変キャパシタ640の他端とインダクタ対600の接点612との間の配線形状とが対称関係にあることが望ましい。
【0066】
以下、図10に示すグラフを用いて、図9のDCOの周波数分解能を説明する。図10において、図9のDCOを提案例4、図9のDCOにおいて微調用可変キャパシタバンク640の接続位置をインダクタ対600の接点611及び接点612の間から、一端513及び他端514の間へと変更し、その余は同様に構成したDCOを比較例4と称している。提案例4及び比較例4のDCOを構成する各可変キャパシタバンクは、6ビット(0〜63)のデジタル制御コードによって制御される。図10は、デジタル制御コードの変化に対する提案例4及び比較例4のDCOの発振周波数foutの3.5GHzを基準とした周波数変化を表している。図10において、提案例4のDCOの発振周波数foutの周波数変化は破線、比較例4のDCOの発振周波数foutの周波数変化は実線で夫々表される。
【0067】
図10から明らかなように、提案例4のDCOは、比較例4のDCOに比べ周波数分解能Δfが高い。具体的には、比較例4のDCOの周波数分解能Δfは74kHzであるのに対し、提案例4のDCOの周波数分解能Δfは26kHzである。尚、比較例4のDCOの発振周波数の周波数変化範囲は約4.7MHz(=64×74kHz)であり、提案例3のDCOの発振周波数の周波数変化範囲は約1.7MHz(=64×26kHz)である。
【0068】
以上説明したように、本実施形態に係るDCOは、微調用可変キャパシタバンクと、中間可変キャパシタバンクとの間にインダクタ対が挟まれて配置される。従って、本実施形態に係るDCOによれば、微調用可変キャパシタバンクとインダクタ対の間の配線を短く構成することができるので、当該配線に生じる寄生素子による微調用可変キャパシタバンクへの影響を抑えられる。
【0069】
(第5の実施形態)
図11に示すように、本発明の第5の実施形態に係るデジタル制御発振器は、前述した図7に示すデジタル制御発振器において、微調用可変キャパシタバンク540の配置のみを変更している。以下の説明では、図11において図7と同一部分には同一符号を付して示し、異なる部分を中心に述べる。
【0070】
前述したように、微調用可変キャパシタバンク540は、粗調用可変キャパシタバンク520及び中間可変キャパシタバンク560に比べて、インダクタ対500に近い位置に配置されることが望ましい。従って、図11に示すように、インダクタ対500を構成する2つの単相インダクタの間に微調用可変キャパシタバンク540が挟まれて配置される。更に、微調用可変キャパシタバンク540の一端とインダクタ対500の接点511との間の配線の形状と、微調用可変キャパシタ540の他端とインダクタ対500の接点512との間の配線の形状とは対称関係にあることが望ましい。
【0071】
尚、図11のDCOは、微調用可変キャパシタバンク540の両端の接続位置が図7のDCOと同じであるため、当該微調用可変キャパシタバンク540の両端とインダクタ対500の接点511及び512との間に生じる寄生素子による影響を考慮しなければ、図7のDCOと同一の周波数分解能を示す。
【0072】
以上説明したように、本実施形態に係るDCOは、インダクタ対に微調用可変キャパシタバンクが挟まれて配置される。従って、本実施形態に係るDCOによれば、微調用可変キャパシタバンクとインダクタ対の間の配線を短く構成することができるので、当該配線に生じる寄生素子による微調用可変キャパシタバンクへの影響を抑えられる。
【0073】
(第6の実施形態)
図12に示すように、本発明の第6の実施形態に係るデジタル制御発振器は、前述した図3に示すデジタル制御発振器において、差動インダクタ300を差動インダクタ800、微調用可変キャパシタバンク340を微調用可変キャパシタバンク840、中間可変キャパシタバンク360を中間可変キャパシタバンク860に夫々置き換えている。以下の説明では、図12において図3と同一部分には同一符号を付して示し、異なる部分を中心に述べる。
【0074】
差動インダクタ800は、2.75巻きである。差動インダクタ800は、正端子313及び負端子314を有し、正端子313及び負端子314の略中央にセンタータップ310を有する。更に、差動インダクタ800は、センタータップ310及び正端子313を略5:6に内分する位置に接点811、センタータップ310及び負端子314を略5:6に内分する位置に接点812を夫々有する。また、差動インダクタ800は、センタータップ310及び正端子313を略9:2に内分する位置に接点815、センタータップ310及び負端子314を略9:2に内分する位置に接点816を夫々有する。
【0075】
差動インダクタ800の正端子313は正相出力端子Voutpに接続され、負端子314は逆相出力端子Voutmに接続される。また、差動インダク800の正端子313及び負端子314には、粗調用可変キャパシタバンク320、負性抵抗330及び固定キャパシタ350が並列に接続される。差動インダクタ800中の接点811及び接点812の間には、後述する微調用可変キャパシタバンク840が接続される。差動インダクタ800中の接点815及び接点816の間には、後述する中間可変キャパシタバンク860が接続される。尚、接点811及び接点812は、接点815及び接点816に比べセンタータップ310に近づけて設けられることが望ましい。差動インダクタ800中のセンタータップ310は、バイアス電流源370に接続される。
【0076】
微調用可変キャパシタバンク840は、前述したように、差動インダクタ800の正端子313とセンタータップ310との間に設けられた接点811と、負端子314とセンタータップ310との間に設けられた接点812との間に接続される。微調用可変キャパシタバンク840は、図12のDCOの発振周波数を微調するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。図12のDCOは、差動インダクタ800の正端子313と負端子314との間ではなく、接点811と接点812との間に微調用可変キャパシタバンク840を接続することにより、微調用可変キャパシタバンク840が発振周波数に与える影響を相対的に小さくし、当該微調用可変キャパシタバンク840のキャパシタンス分解能を実質的に向上させている。微調用可変キャパシタバンク840は、例えば図13Aに示すように、MOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記可変キャパシタの各々のキャパシタンスを2値に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0077】
中間可変キャパシタバンク860は、前述したように、差動インダクタ800の正端子313とセンタータップ310との間に設けられた接点815と、負端子314とセンタータップ310との間に設けられた接点816との間に接続される。中間可変キャパシタバンク860は、図12のDCOの発振周波数を調整するために設けられ、デジタル制御コードによってキャパシタンスが制御される。中間可変キャパシタバンク860のキャパシタンス分解能は、粗調用可変キャパシタバンク320よりも高く、微調用可変キャパシタバンク840よりも低い。即ち、中間可変キャパシタバンク860は、粗調用可変キャパシタバンク320及び微調用可変キャパシタバンク840による発振周波数の調整範囲の隔たりを補完するために設けられる。図12のDCOは、差動インダクタ800の正端子313と負端子314との間ではなく、接点815と接点816との間に中間可変キャパシタバンク860を接続することにより、中間可変キャパシタバンク860が発振周波数に与える影響を相対的に小さくし、当該中間可変キャパシタバンク860のキャパシタンス分解能を実質的に向上させている。中間可変キャパシタバンク860は、例えば図13Aに示すように、MOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタを複数並列に接続して実現され、デジタル制御コードによって上記可変キャパシタの各々のキャパシタンスを2値に切り替えることにより、全体のキャパシタンスを変化させる。
【0078】
差動インダクタ800と微調用キャパシタバンク840および中間可変キャパシタバンク860を接続する配線に生じる寄生素子による影響を最小現に抑えるためには、配線の長さをできるだけ短くすることが望ましい。従って、図12に示すように、微調用可変キャパシタバンク840と、中間可変キャパシタバンク860との間に差動インダクタ800が挟まれて配置される。更に、微調用可変キャパシタバンク840の一端と差動インダクタ800の接点811との間の配線形状と、微調用可変キャパシタ840の他端と差動インダクタ800の接点812との間の配線形状とが対称関係にあることが望ましい。また、中間可変キャパシタバンク860の一端と差動インダクタ800の接点815との間の配線形状と、中間可変キャパシタバンク860の他端と差動インダクタ800の接点816との間の配線形状とが対称関係にあることが望ましい。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係るデジタル制御発振器は、中間可変キャパシタバンクを差動インダクタの正端子−負端子間でなく、正端子及び負端子とセンタータップとの間に設けた2つの接点間に接続することを許容している。従って、本実施形態に係るDCOによれば、中間用可変キャパシタバンクのキャパシタンス分解能を設定する際の自由度が向上する。
【0080】
(第7の実施形態)
図14に示すように、本発明の第7の実施形態に係るデジタル位相同期回路は、DCO900、分周器901、基準信号生成器902、カウンタ903、デジタル位相検出器904、微分器905、デジタル位相比較器906、デジタルループフィルタ907、可変利得回路908及び制御回路909を有する。
【0081】
DCO900は、前述した第1乃至第6の実施形態のいずれかに係るDCOである。DCO900は、微調用可変キャパシタバンク、中間可変キャパシタバンク及び粗調用可変キャパシタバンクを含む。微調用可変キャパシタバンク、中間可変キャパシタバンク及び粗調用可変キャパシタバンクは制御コードCont1、Cont2及びCont3によってキャパシタンスが夫々制御される。
【0082】
分周器901は、DCO900からの出力信号の周波数(発振周波数)を所定の分周比(例えば1/2)で分周し、分周信号をカウンタ903及びデジタル位相検出器904に入力する。基準信号生成器902は、図14の位相同期回路が位相同期の対象とする基準信号を生成し、カウンタ903及びデジタル位相検出器904に入力する。
【0083】
カウンタ903は、基準信号の1周期内における分周信号の周期数をカウントし、カウント値をデジタル位相比較器906に入力する。デジタル位相検出器904は、分周信号と基準信号との間の位相差を示すデジタル値を微分器905に入力する。微分器905は
、デジタル位相検出器904からのデジタル値に対して微分処理を行って、デジタル制御比較器906に入力する。
【0084】
カウンタ903の出力デジタル値を整数部、微分器905の出力デジタル値を小数部とすると、基準信号に対する分周信号の周波数比率を表すデジタルコードが得られる。デジタル位相比較器906は、周波数制御コードと上記周波数比率を表すデジタルコードとを比較する。ディジタル位相同期回路が動作を始めると、ディジタル位相比較器906の出力は制御回路909に入力され、出力周波数の粗調整が行われる(粗調モード)。粗調モードの後、ディジタル位相比較器906の出力はループフィルタ907に入力され、出力周波数の微調整が行われる(微調モード)。
【0085】
デジタルループフィルタ907は、デジタル位相比較器907から入力されたデジタルコードにフィルタ処理を行って、可変利得回路908に入力する。可変利得回路908は、デジタルループフィルタ907から入力されたデジタルコードの利得を調整し、デジタル制御コードCont1としてDCO900に入力する。制御回路909は、デジタル位相比較器907から入力されたデジタルコードからデジタル制御コードCont2及びCont3を生成し、DCO900に入力する。
【0086】
以上説明したように、本実施形態に係る位相同期回路は、前述した第1乃至第6の実施形態のいずれかに係るDCOを用いている。従って、本実施形態に係る位相同期回路によれば、DCOの発振周波数を線形に近くかつきめ細やかに制御し、所望の出力信号が得られる。
【0087】
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、各実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0088】
例えば、上記各実施形態に係るDCOの可変キャパシタバンクを構成する可変キャパシタとして、MOSトランジスタのゲートキャパシタを利用した可変キャパシタを挙げたが、バイポーラトランジスタのベースキャパシタを利用した可変キャパシタに置き換えてもよい。また、負性抵抗をMOSトランジスタ対で構成したが、バイポーラトランジスタ対で構成してもよい。また、電源側でなくグラウンド側からインダクタにバイアスを与えてもよい。更に、DCO中のインダクタを例えば伝送線路などのインダクタンスを有する他の素子に置き換えてもよい。
【0089】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】第1の実施形態に係るデジタル制御発振器を示すブロック図。
【図2】図1に対応する差動デジタル制御発振器を示すブロック図。
【図3】図2の差動デジタル制御発振器の実現例を示すブロック図。
【図4】図3の差動デジタル制御発振器の周波数分解能を示すグラフ図。
【図5】第2の実施形態に係る差動デジタル制御発振器を示すブロック図。
【図6】図5の差動デジタル制御発振器の周波数分解能を示すグラフ図。
【図7】第3の実施形態に係る差動デジタル制御発振器を示すブロック図。
【図8】図7の差動デジタル制御発振器の周波数分解能を示すグラフ図。
【図9】第4の実施形態に係る差動デジタル制御発振器を示すブロック図。
【図10】図9の差動デジタル制御発振器の周波数分解能を示すグラフ図。
【図11】第5の実施形態に係る差動デジタル制御発振器を示すブロック図。
【図12】第6の実施形態に係る差動デジタル制御発振器を示すブロック図。
【図13A】可変キャパシタバンクの一例を示すブロック図。
【図13B】図13Aの別の例を示すブロック図。
【図14】第7の実施形態に係るデジタル位相同期回路を示すブロック図。
【符号の説明】
【0091】
100・・・インダクタ
120・・・粗調用可変キャパシタバンク
130・・・負性抵抗
140・・・微調用可変キャパシタバンク
200・・・差動インダクタ
220・・・粗調用可変キャパシタバンク
230・・・負性抵抗
240・・・微調用可変キャパシタバンク
250・・・固定キャパシタ
300・・・差動インダクタ
320・・・粗調用可変キャパシタバンク
330・・・負性抵抗
340・・・微調用可変キャパシタバンク
350・・・固定キャパシタ
360・・・中間可変キャパシタバンク
370・・・バイアス電流源
400・・・差動インダクタ
440・・・微調用可変キャパシタバンク
500・・・インダクタ対
520・・・粗調用可変キャパシタバンク
530・・・負性抵抗
540・・・微調用可変キャパシタバンク
550・・・固定キャパシタ
560・・・中間可変キャパシタバンク
570・・・バイアス電流源
600・・・インダクタ対
640・・・微調用可変キャパシタバンク
800・・・差動インダクタ
840・・・微調用可変キャパシタバンク
860・・・中間可変キャパシタバンク
900・・・DCO
901・・・分周器
902・・・基準信号生成器
903・・・カウンタ
904・・・デジタル位相検出器
905・・・微分器
906・・・デジタル位相比較器
907・・・デジタルループフィルタ
908・・・可変利得回路
909・・・制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正相発振信号を出力する正端子と、逆相発振信号を出力する負端子と、センタータップとを有し、前記正端子と前記センタータップとの間の任意の位置に第1の接点を備え、前記負端子と前記センタータップとの間の前記第1の接点に対応する位置に第2の接点を備える差動インダクタと、
前記正端子と前記負端子との間に接続され、第1のデジタル制御コードによってキャパシタンスを2値に変化させる第1の可変キャパシタを複数含む第1の可変キャパシタバンクと、
前記第1の接点と前記第2の接点との間に接続され、第2のデジタル制御コードによってキャパシタンスを2値に変化させる第2の可変キャパシタを複数含む第2の可変キャパシタバンクと、
前記正端子と前記負端子との間に接続される負性抵抗と
を具備することを特徴とするデジタル制御発振器。
【請求項2】
前記第2の可変キャパシタバンクの一端と前記第1の接点との間を接続する第1の配線の形状と、前記第2の可変キャパシタバンクの他端と前記第2の接点との間を接続する第2の配線の形状とが略対称であって、
前記差動インダクタは、前記第1の可変キャパシタバンクと前記第2の可変キャパシタバンクとに挟まれて配置されることを特徴とする請求項1記載のデジタル制御発振器。
【請求項3】
前記第2の可変キャパシタバンクの一端と前記第1の接点との間を接続する第1の配線の形状と、前記第2の可変キャパシタバンクの他端と前記第2の接点との間を接続する第2の配線の形状とが略対称であって、
前記第2の可変キャパシタバンクは、前記差動インダクタと前記第1の可変キャパシタバンクとに挟まれて配置されることを特徴とする請求項1記載のデジタル制御発振器。
【請求項4】
前記複数の第2の可変キャパシタの各々のキャパシタンス変化範囲は、前記複数の第1の可変キャパシタの各々のキャパシタンス変化範囲に比べて小さいことを特徴とする請求項1記載のデジタル制御発振器。
【請求項5】
第1のインダクタの一端及び第2のインダクタの一端を短絡して構成され、前記第1のインダクタの他端から正相発振信号を出力し、前記第2のインダクタの他端から逆相発振信号を出力し、前記第1のインダクタの任意の位置に第1の接点を備え、前記第2のインダクタの前記第1の接点と対応する位置に第2の接点を備えるインダクタ対と、
前記第1のインダクタの他端と前記第2のインダクタの他端との間に接続され、第1のデジタル制御コードによってキャパシタンスを2値に変化させる第1の可変キャパシタを複数含む第1の可変キャパシタバンクと、
前記第1の接点と前記第2の接点との間に接続され、第2の制御コードによってキャパシタンスを2値に変化させる第2の可変キャパシタを複数含む第2の可変キャパシタバンクと、
前記第1のインダクタの他端と前記第2のインダクタの他端との間に接続される負性抵抗と
を具備することを特徴とするデジタル制御発振器。
【請求項6】
前記第2の可変キャパシタバンクの一端と前記第1の接点との間を接続する第1の配線の形状と、前記第2の可変キャパシタバンクの他端と前記第2の接点との間を接続する第2の配線の形状とが略対称であって、
前記第2の可変キャパシタバンクは、前記第1の可変キャパシタバンクと前記インダクタ対とに挟まれて配置されることを特徴とする請求項5記載のデジタル制御発振器。
【請求項7】
前記第2の可変キャパシタバンクの一端と前記第1の接点との間を接続する第1の配線の形状と、前記第2の可変キャパシタバンクの他端と前記第2の接点との間を接続する第2の配線の形状とが略対称であって、
前記インダクタ対は、前記第1の可変キャパシタバンクと前記第2の可変キャパシタバンクとに挟まれて配置されることを特徴とする請求項5記載のデジタル制御発振器。
【請求項8】
前記第2の可変キャパシタバンクの一端と前記第1の接点との間を接続する第1の配線の形状と、前記第2の可変キャパシタバンクの他端と前記第2の接点との間を接続する第2の配線の形状とが略対称であって、
前記第2の可変キャパシタバンクは、前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとに挟まれて配置されることを特徴とする請求項5記載のデジタル制御発振器。
【請求項9】
前記複数の第2の可変キャパシタの各々のキャパシタンス変化範囲は、前記複数の第1の可変キャパシタの各々のキャパシタンス変化範囲に比べて小さいことを特徴とする請求項5記載のデジタル制御発振器。
【請求項10】
請求項1記載のデジタル制御発振器と、
前記デジタル制御発振器の出力信号の周波数を分周して分周信号を得る分周器と、
前記分周信号と所望信号との間の周波数差が減少するように、前記第1のデジタル制御コードを生成する第1の生成部と、
前記分周信号と前記所望信号との間の位相差が減少するように、前記第2のデジタル制御コードを生成する第2の生成部と
を具備することを特徴とする位相同期回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−296375(P2009−296375A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148435(P2008−148435)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】