説明

ナビゲーションシステム

【課題】車両の走行により受信できる放送局が変わる場合であっても、放送を受信する放送局を予約することができるナビゲーションシステムを
提供する。
【解決手段】開始時刻ボタン61a〜61hを押圧することにより、放送の受信を開始する開始時刻を指定する。開始時刻ボタン61a〜61hが押圧されると、車両が推奨経路にしたがって走行している場合、押圧された開始時刻ボタン61a〜61hに表示された時刻に受信可能な放送局の放送局ボタン64a〜64hが表示される。放送局ボタン64a〜64hを押圧することによって、指定した開始時刻に受信を開始する放送局を選択する。予約ボタン62を押圧することにより、予約の設定が完了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ装置により受信する放送の放送局を予約できるナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自車の走行予定経路に対応して予約可能なチャンネルを絞り込んで、番組予約を行うことができる車載用受信器が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−200797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来の車載用受信器では、経路上で受信可能な放送局であっても、予約した時刻までにその放送局の受信エリアに車両が到達していない場合、その放送局の放送を受信できず、予約した番組を視聴できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明のナビゲーションシステムは、目的地までの推奨経路を探索する探索手段と、放送局における受信エリアの情報に基づいて、推奨経路が通過する受信エリアを検出する受信エリア検出手段と、ユーザにより指示された予約時刻を入力する予約時刻入力手段と、車両が推奨経路にしたがって走行した場合の通過時刻を予測する通過時刻予測手段と、通過時刻予測手段により予測した通過時刻および受信エリア検出手段により検出した受信エリアに基づいて、予約時刻に受信可能な放送局を表示モニタに表示する放送局表示手段と、放送局表示手段により表示された放送局の中からユーザにより選択された予約放送局を入力する放送局入力手段と、予約時刻に予約放送局の放送の受信を開始する受信制御手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、受信制御手段は、通過時刻予測手段により予測した通過時刻に比べて、実際の通過時刻が早い場合、予約放送局の放送の受信を開始する時刻を予約時刻に比べて早くし、通過時刻予測手段により予測した通過時刻に比べて、実際の通過時刻が遅い場合、予約放送局の放送の受信を開始する時刻を予約時刻に比べて遅くすることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、車両の現在地を検出する現在地検出手段を備え、通過時刻予測手段により予測した通過時刻と実際の通過時刻とが異なる場合、放送局表示手段は、車両の現在地および受信エリアの情報に基づいて、受信可能な放送局を表示モニタに表示し、放送局入力手段は、放送局表示手段により表示された放送局の中からユーザにより選択された選択放送局を入力し、受信制御手段は、選択放送局の放送を受信することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムにおいて、探索手段は、過去の交通情報を収集し、その情報を統計処理した交通統計情報を利用して推奨経路を探索することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムにおいて、通過時刻予測手段により予測した通過時刻および受信エリア検出手段により検出した受信エリアに基づいて、予約放送局の放送における予約時刻からの受信可能時間を表示モニタに表示する受信可能時間表示手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明のナビゲーションシステムによれば、受信する放送局を予約するとき、時刻を選択すると、車両が推奨経路上を走行する場合に、その時刻に受信可能な放送局を提示し、その放送局の中から受信する放送局を選択できるようにした。したがって、車両の走行により受信できる放送局が変わる場合であっても、放送を受信する放送局を予約することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーションシステムを示す。このナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置1と、オーディオ装置2とを含む。このナビゲーションシステムは、車両が移動して受信できる放送局が変わる場合であっても、オーディオ装置2が放送を受信する放送局を予約することができる。
【0007】
ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19、タッチパネルコントロール部110およびディスクドライブ111を有している。ディスクドライブ111には、地図データが記憶されたDVD−ROM112が装填されている。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。また、制御回路11には、タイマ11aが内蔵されており、現在の時刻を計測できる。
【0009】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0011】
ディスクドライブ111は、DVD−ROM112から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。リンク情報には、各リンクの旅行時間(以下、リンク旅行時間)の情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM112以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0012】
DVD−ROM112には、地図データのほかに交通統計情報、受信エリアデータも記憶されている。交通統計情報とは、過去の交通情報を収集し、その情報を統計処理したものである。交通統計情報の例を図2に示す。交通統計情報30には、日の種類31と、リンクID32と、各時間帯におけるリンク旅行時間の統計値33とが含まれている。ここで、各時間帯におけるリンク旅行時間の統計値33とは、VICS(登録商標)センタなどが過去に収集した車両の平均速度の情報からリンク旅行時間を算出し、日の種類別、リンクID別、時間帯別に分類し、統計処理(たとえば、平均化)して算出した値である。
【0013】
受信エリアデータとは、それぞれの受信エリアで受信することができる放送局をまとめたデータである。受信エリアデータの例として、ラジオ放送の受信エリアデータ40を図3に示す。受信エリアデータ40では、都道府県単位で受信エリア41が設定され、それぞれの受信エリア、つまりそれぞれの都道府県で受信することのできる放送局42の情報が含まれている。
【0014】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。また、表示モニタ16は、受信している電波の周波数などといったオーディオ装置2の動作状況を表示する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。また、スピーカ17は、オーディオ装置2から出力された音声信号を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、操作パネルやリモコンなどによって実現される。また、入力装置18の操作により、オーディオ装置2を操作することができる。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を操作することにより、目的地を設定する。
【0015】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1はGPSセンサ14cにより検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。たとえば、出発地から目的地までの間の旅行時間(リンク旅行時間の合計)が最小になるような経路を演算するアルゴリズムで経路演算が行われる。このとき使用するリンク旅行時間には、交通統計情報30のリンク旅行時間の統計値33が使用される。このような経路演算を以下、経路探索と呼ぶ。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0016】
タッチパネル19は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル19を通して表示される。したがって、表示モニタ16の表示画面を押圧しようとするとタッチパネル19が押圧される。タッチパネル19は、タッチパネル19上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出し、タッチパネルコントロール部110はタッチパネル19の押圧位置を算出する。表示モニタ16に表示された各種ボタンや表示メニューなどを指などで押圧しようとするとタッチパネル19が押圧され、各種ボタンや表示メニューに定義された処理が実行される。
【0017】
次に、オーディオ装置2について説明する。オーディオ装置2は、制御回路21、AMチューナ22およびFMチューナ23を有する。制御回路21は、オーディオ装置2を制御する制御回路である。たとえば、制御回路21は、AMチューナ22とFMチューナ23との間で放送を受信するチューナを切り替えたり、AMチューナ22またはFMチューナ23が受信する放送局を指示したりする。また、制御回路21は、AMチューナ22またはFMチューナ23から出力された音声信号をナビゲーション装置1に出力する。AMチューナ22は、AM放送を受信するチューナであり、FMチューナ23は、FM放送を受信するチューナである。
【0018】
図4および図5を参照して、本発明の一実施形態におけるナビゲーションシステムで受信する放送局の予約操作について説明する。ナビゲーション装置1は目的地である富山市までの推奨経路を探索し、車両は推奨経路にしたがって走行するものとして説明する。そして、車両は午前10時に目的地へ出発し、推奨経路の各地点における所要時間から、午前11時には埼玉県を通過し、午後12時30分には長野県を通過し、午後16時30分に目的地に到着すると予測されるものとして説明する。
【0019】
ナビゲーション装置1で、推奨経路を探索した後、表示モニタ16の表示画面には、図4(a)に示すように、オーディオの予約を問い合わす問い合わせ画面50がポップアップ画面として表示される。問い合わせ画面50には、「オーディオを予約しますか?」という問い合わせ文とともに、「はい」ボタン51および「いいえ」ボタン52が表示される。オーディオの予約を行う場合、ユーザは「はい」ボタン51を押圧し、オーディオの予約を行わない場合、ユーザは「いいえ」ボタン52を押圧する。
【0020】
ユーザが「はい」ボタン51を押圧すると、図4(b)に示すように、オーディオ予約画面60が表示モニタ16に表示される。オーディオ予約画面60には、放送の受信を開始する開始時刻を予約するための開始時刻ボタン61a〜61h、予約を確定する予約ボタン62および予約操作を完了する完了ボタン63が表示される。
【0021】
受信する放送局を予約する場合、最初にユーザは開始時刻を指定する。開始時刻の指定は、開始時刻ボタン61a〜61hを押圧することにより行う。たとえば、午前11時から放送の受信を開始する場合、開始時刻ボタン61bを押圧する。その結果、図4(c)に示すように、車両が午前11時に通過する予定である埼玉県で受信可能な放送局の放送局ボタン64a〜64hがオーディオ予約画面60に表示される。
【0022】
ユーザは、オーディオ予約画面60に表示された放送局ボタン64a〜64hを押圧することによって、放送を受信する放送局を選択することができる。たとえば、「TBSラジオ」放送局を選択する場合、放送局ボタン64fを押圧する。その後、予約ボタン62を押圧することにより、午前11時受信開始で「TBSラジオ」放送局の予約を設定することができる。
【0023】
予約の設定が終わると、図5(a)に示すように、受信開始を予約した受信開始ボタン61bの下に、予約した放送局の放送局マーク65aが表示される。また、放送局マーク65aの下には、受信を開始してからの受信可能な時間を示す受信可能時間指標66aが表示される。
【0024】
さらに、12時30分からの放送の受信を予約する場合、以下のような操作を行う。
【0025】
開始時刻ボタン61a〜61hのいずれかのボタン(以下、ボタン61a〜61hをまとめてボタンNとする。)を1回押圧すると、押圧されている開始時刻ボタン61Nに表示されている時刻が開始時刻として指定される。もう一度、開始時刻ボタン61Nを押圧すると、開始時刻の指定が解除され、表示されていた時刻に30分加算した時刻が開始時刻ボタン61Nに表示される。さらに開始時刻ボタン61Nを押圧すると、押圧されている開始時刻ボタン61Nに表示されている時刻(表示されていた時刻に30分加えた時間)が開始時刻として指定される。開始時刻ボタン61Nをもう一度押圧すると、開始時刻の指定が解除され、表示されていた時刻に30分引き算した時間、つまり、元の時刻が開始時刻ボタン61Nに表示される。このように、開始時刻ボタン61Nのいずれかのボタンの押圧を繰り返すと、「開始時刻Aの指定」→「開始時刻A+30分の表示」→「開始時刻A+30分の指定」→「開始時刻Aの表示」(Aは所定の時刻)を繰り返すことになる。
【0026】
したがって、午後12時30分から放送の受信を開始する場合、開始時刻ボタン61cを3回押圧する。その結果、図5(b)に示すように、午後12時30分が開始時刻として指定されるとともに、車両が午後12時30分に通過する予定である長野県で受信可能な放送局の放送局ボタン64i〜64mがオーディオ予約画面60に表示される。
【0027】
ユーザは、たとえば、「FM長野」放送局を選択する場合、放送局ボタン64jを押圧する。その後、予約ボタン62を押圧することにより、午後12時30分受信開始で「FM長野」放送局の予約を設定することができる。
【0028】
予約の設定が終わると、図5(c)に示すように、受信開始を予約した受信開始ボタン61cの下に、予約した放送局の放送局マーク65bが表示される。また、放送局マーク65bの下には、放送を受信してから受信可能な時間を示す受信可能時間指標66bが表示される。受信する放送局の予約操作を終了する場合、完了ボタン63を押圧する。
【0029】
現在の時刻が予約した開始時刻になると、予約した放送局の放送の受信が開始される。たとえば、午後12時30分になると、図6に示すように、「FM長野」放送局の放送が受信され、ユーザにその放送が提供される。また、現在の時刻が受信可能時間指標66bで示す経過時間を経過すると、「FM長野」放送局の放送の受信が終了される。
【0030】
図7および図8のフローチャートを参照して、本発明の一実施形態におけるナビゲーションシステムの受信する放送局の予約処理について説明する。図7および図8の処理は、問い合わせ画面50に表示された「はい」ボタン51が押圧されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0031】
ステップS701では、推奨経路を受信エリアデータ40と照合し、図9(a)に示すように、推奨経路が通過する受信エリアを検出する。ステップS702では、図9(b)に示すように、各受信エリアの進入・退出時刻を算出する。算出方法としては、まず、推奨経路を構成するノードの中で、各受信エリアの境界線に最も近いものを抽出する。この境界は、たとえば、都道府県の境界であり、または、受信エリアデータに格納さえている受信エリアの境界である。そして、出発地から抽出したノードまでリンクのリンク旅行時間を加算し、さらに出発時間を加算することにより、各受信エリアについて車両の進入・退出時刻を算出することができる。ステップS703では、オーディオ予約画面60を表示モニタの表示画面に表示する。
【0032】
ステップS704では、開始時刻ボタン61Nが押圧されることにより、予約の開始時刻が選択されたか否かを判定する。開始時刻が選択された場合はステップS704が肯定判定され、ステップS705へ進む。開始時刻が選択されていない場合はステップS704を繰り返す。ステップS705では、ステップS701で検出した受信エリアおよびステップS702で算出した各エリアの車両の進入・退出時刻に基づいて、選択された開始時刻に車両が走行していると予測される位置の受信エリアを検出する。
【0033】
ステップS706では、受信エリアデータ40に基づいて、検出した受信エリアの放送局を抽出し、放送局ボタン64a〜64lとして、抽出した放送局を表示モニタ16の表示画面に表示する。ステップS707では、放送局ボタン64a〜64mが押圧されることにより放送局が選択されたか否かを判定する。放送局が選択された場合はステップS707が肯定判定され、ステップS708へ進む。放送局が選択されない場合はステップS707を繰り返す。ステップS708では、ステップS705で検出した受信エリアを車両が退出する時刻を抽出する。そして、図8のステップS801へ進む。
【0034】
図8のステップS801では、予約ボタン62が押圧されたか否かを判定する。予約ボタン62が押圧された場合はステップS801が肯定判定され、ステップS802へ進む。予約ボタン62が押圧されない場合はステップS801を繰り返す。ステップS802では、ステップS704で選択された開始時刻を、受信を開始する時刻に、ステップS708で抽出した時刻を、受信を終了する時刻に、ステップS707で選択された放送局を、受信する放送局に設定する。ステップS803では、オーディオ予約画面60に、放送局マーク65a,65bおよび受信可能時間指標66a,66bを表示する。
【0035】
ステップS804では、完了ボタン63が押圧されたか否かを判定する。完了ボタン63が押圧された場合はステップS804が肯定判定され、ステップS805へ進む。完了ボタン63が押圧されない場合はステップS804が否定判定され、図7のステップS704に戻る。ステップS805では、自車位置周辺の地図を表示モニタ16の表示画面に表示する。そして、処理を終了する。
【0036】
現在の時刻が、ステップS802で設定された受信開始時刻になると、ステップS802で設定した放送局の放送の受信を開始し、受信した放送がスピーカ17から出力される。また、現在の時刻がステップS802で設定された受信終了時刻になると、ステップS802で設定した放送局の放送の受信を終了する。
【0037】
以上の実施形態によるナビゲーションシステムは次のような作用効果を奏する。
(1)受信する放送局を予約するとき、受信開始時刻を選択すると、車両が推奨経路上を走行する場合に、その時刻に受信可能な放送局を提示し、その放送局の中から受信をする放送局を選択できるようにした。したがって、車両の走行により受信できる放送局が変わる場合であっても、放送を受信する放送局を予約することができる。
【0038】
(2)受信する放送局が予約されると、受信可能時間が表示されるようにした。したがって、受信可能時間が途切れないように放送局を予約することによって、継続してラジオ放送を聞き続けることができる。
【0039】
(3)交通統計情報を利用して推奨経路を探索するようにしたので、推奨経路にしたがって走行している車両の位置を精度よく予測することができる。したがって、車両が予約した時刻において予約した放送局の受信エリアに到達していないため、予約した放送局の放送を視聴できないことを防止することができる。
【0040】
以上の実施の形態のナビゲーションシステムを次のように変形することができる。
(1)予約する放送は、車両の移動により受信エリアが変わってしまう放送であればラジオ放送に限定されない。たとえば、地上デジタル放送でもよい。
【0041】
(2)図10に示すように、オーディオ予約画面60に推奨経路の主な通過地点の地名71a〜71dを表示するようにしてもよい。この場合、開始時刻ボタン61a〜61hとして表示されている時刻に通過地点の予測通過時刻を対応させて通過地点の地名71a〜71dを表示する。通過地点に合わせて放送局を選択することができるので、利便性が向上する。通過地点の地名71a〜71dについては、ユーザが推奨経路の通過地域を認識できるものであれば限定されず、通過予想都市名でもよい。
【0042】
(3)車両が予約した時刻において予約した放送局の受信エリアに到達した場合であっても、予約した放送局の電波状態が悪く、放送が聞きづらい場合がある。この場合、受信する放送局を、予約した時刻の前に受信していた放送局に戻すようにしてもよい。予約した時刻の前に受信していた放送局の方が、電波状態が良く聞きやすい場合があるからである。
【0043】
また、このような場合、図11に示すように、電波状態の良い放送局の放送局ボタン81a〜81cを表示し、ユーザが受信する放送局を選択できるようにしてもよい。予約した放送局の放送の電波状態が悪い場合であっても、電波状態の良い放送局に簡単に切り替えることができるので、便利である。受信エリアの放送局を全て受信し、電波の電界強度が高い放送局を電波状態の良い放送局として表示する。
【0044】
予約した放送局の電波状態が悪く放送が聞きづらい場合、そのまま受信し続けるか、予約した時刻の前に受信していた放送局に変更するか、電波状態の良い放送局を選択するかをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0045】
(4)交通統計情報30を利用して推奨経路を探索した場合であっても、事故などによって、実際の通過時刻が予測より遅れる場合がある。このような場合、通過時刻の遅れに合わせて、予約された開始時刻を変更するようにしてもよい。たとえば、図12(a)に示すように、推奨経路上を走行する車両の通過時刻が予測されたものとする。12時30分において車両が走行している受信エリアは長野県であるので、図12(b)に示すように、12時30分から「FM長野」が受信される予定である。
【0046】
図13(a)は、推奨経路上を走行する車両の実際の通過時刻を示す図である。埼玉県に進入する時刻が12時であり、図12(a)に示す予測時刻11時と1時間遅れている。したがって、12時30分に長野放送を受信しようとしても、車両は埼玉県内を走行しているため、「FM長野」を受信することはできない。そこで、図13(b)に示すように、「FM長野」の受信開始時刻を12時30分から、遅滞時間である1時間程繰り下げて、13時30分とするようにしてもよい。これにより、予約した時刻に受信できない放送局を受信しようとして、雑音しか聞こえない、または何も聞こえないのを防止することができる。
【0047】
また、図14に示すように、予約時間である午後12時30分になると、受信可能な放送局の放送局ボタン64a〜64hをオーディオ予約画面60に表示して、受信する放送局をユーザが選択できるようにしてもよい。予約した放送局を受信できない場合であっても、受信可能な放送局に簡単に切り替えることができるので、便利である。受信可能な放送局の放送局は、現在地検出装置14により検出した車両の現在地を受信エリアデータ40と照合して検出される。
【0048】
(5)実際の通過時刻が予測より早い場合、通過時刻の早さに合わせて、予約された開始時刻を変更するようにしてもよい。たとえば、実際の通過時刻が予測より1時間早い場合、予約された開始時刻を1時間早くするようにしてもよい。この場合も、予約した時刻に受信できない放送局を受信しようとして、雑音しか聞こえない、または何も聞こえないのを防止することができる。
【0049】
(6)推奨経路を探索した後、表示モニタ16の表示画面にオーディオの予約を問い合わす問い合わせ画面50を表示するようにした。しかし、図15に示すように、車両が休憩などでしばらく停車しているときに、問い合わせ画面50を表示し、放送局の予約ができるようにしてもよい。出発地を出発してから、放送局の予約を行いたくなる場合もあり、利便性が向上する。
【0050】
(7)受信エリアデータ40は、DVD−ROM112から読み出して取得したが、不図示の情報センタから無線装置などを利用して取得するようにしてもよい。
【0051】
(8)放送局ボタン64a〜64m,81a〜81cには、放送局名を表示したが、周波数を表示するようにしてもよい。
【0052】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0053】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0054】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本願発明の探索手段は制御回路11に対応する。受信エリア検出手段は制御回路11、ディスクドライブ111およびDVD−ROM112に対応し、予約時刻入力手段は制御回路11、タッチパネル19およびタッチパネルコントロール部110に対応する。通過時刻予測手段および放送局表示手段は制御回路11に対応し、放送局入力手段は制御回路11、タッチパネル19およびタッチパネルコントロール部110に対応する。受信制御手段は制御回路11,21、AMチューナ22およびFMチューナ23に対応し、現在地検出手段は現在地検出装置14に対応する。受信可能時間表示手段は制御回路11に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態のナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】交通統計情報を説明するための図である。
【図3】受信エリアデータを説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるナビゲーションシステムの受信する放送局の予約操作を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるナビゲーションシステムの受信する放送局の予約操作を説明するための図である。
【図6】予約された放送局の受信の実施を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態におけるナビゲーションシステムの受信する放送局の予約処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態におけるナビゲーションシステムの受信する放送局の予約処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】推奨経路が通過する受信エリアの検出と、検出した受信エリアの進入・退出時刻の算出を説明するための図である。
【図10】主な通過地点を表示したオーディオ予約画面を説明するための図である。
【図11】予約した放送局の電波状態が悪い場合に表示されるオーディオ予約画面を説明するための図である。
【図12】最初のオーディオ予約画面を説明するための図である。
【図13】車両の実際の通過時刻が予測された通過時刻に比べて遅れた場合に表示されるオーディオ予約画面を説明するための図である。
【図14】車両の実際の通過時刻が予測された通過時刻に比べて遅れた場合、予約時間に表示されるオーディオ予約画面を説明するための図である。
【図15】車両が停車しているときに表示される問い合わせ画面を説明するための図である。
【符号の説明】
【0056】
1 ナビゲーション装置
2 オーディオ装置
11 制御回路
11a タイマ
16 表示モニタ
19 タッチパネル
22 AMチューナ
23 FMチューナ
30 交通統計情報
40 受信エリアデータ
50 問い合わせ画面
60 オーディオ予約画面
61a〜61h 開始時刻ボタン
64a〜64m,81a〜81c 放送局ボタン
65a,65b 放送局マーク
66a,66b 受信可能時間指標
110 タッチパネルコントロール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの推奨経路を探索する探索手段と、
放送局における受信エリアの情報に基づいて、前記推奨経路が通過する受信エリアを検出する受信エリア検出手段と、
ユーザにより指示された予約時刻を入力する予約時刻入力手段と、
車両が前記推奨経路にしたがって走行した場合の通過時刻を予測する通過時刻予測手段と、
前記通過時刻予測手段により予測した通過時刻および前記受信エリア検出手段により検出した受信エリアに基づいて、前記予約時刻に受信可能な放送局を表示モニタに表示する放送局表示手段と、
前記放送局表示手段により表示された放送局の中からユーザにより選択された予約放送局を入力する放送局入力手段と、
前記予約時刻に前記予約放送局の放送の受信を開始する受信制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記受信制御手段は、前記通過時刻予測手段により予測した通過時刻に比べて、実際の通過時刻が早い場合、前記予約放送局の放送の受信を開始する時刻を前記予約時刻に比べて早くし、前記通過時刻予測手段により予測した通過時刻に比べて、実際の通過時刻が遅い場合、前記予約放送局の放送の受信を開始する時刻を前記予約時刻に比べて遅くすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記車両の現在地を検出する現在地検出手段を備え、
前記通過時刻予測手段により予測した通過時刻と実際の通過時刻とが異なる場合、
前記放送局表示手段は、前記車両の現在地および前記受信エリアの情報に基づいて、受信可能な放送局を表示モニタに表示し、
前記放送局入力手段は、前記放送局表示手段により表示された放送局の中からユーザにより選択された選択放送局を入力し、
前記受信制御手段は、前記選択放送局の放送を受信することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記探索手段は、過去の交通情報を収集し、その情報を統計処理した交通統計情報を利用して前記推奨経路を探索することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記通過時刻予測手段により予測した通過時刻および前記受信エリア検出手段により検出した受信エリアに基づいて、前記予約放送局の放送における前記予約時刻からの受信可能時間を前記表示モニタに表示する受信可能時間表示手段を備えることを特徴とするナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−253587(P2009−253587A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98046(P2008−98046)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】