説明

ナビゲーション装置、経路探索方法及び経路探索プログラム

【課題】切替条件に基づいて経路探索をサーバで実行したほうが良いと判定した場合に、自動的にサーバへ経路探索を要求することが可能な経路探索方法を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置において、ナビ経路探索手段は、経路計算用情報を用いてナビ経路を探索する。続いて、第1判定手段は、切替条件情報に基づいて、探索したナビ経路が切替条件を満たしているか否かを判定する。切替条件を満たしていると判定された場合、探索要求情報送信手段は、出発地及び目的地を含み、サーバに経路探索を要求する探索要求情報を送信する。これによれば、ユーザ判断に頼ることなく、サーバが経路を探索することによる利点を享受できる可能性が高い場合に限り、サーバに経路探索を要求することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置を利用した経路検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信機能を備えたカーナビゲーション装置による経路探索において、渋滞情報配信エリアが限られているため、遠距離への経路探索時は渋滞情報を加味することが不可能であるという問題が発生していた。また、通信機能により取得する渋滞情報も、通信容量やカーナビゲーション装置の主記憶容量の関係上、渋滞情報取得可能エリアが限られるという問題も発生していた。
【0003】
そこで、通信機能を備えたカーナビゲーション装置による経路探索において、自車位置検出手段により求めた現在地と、カーナビゲーション装置上もしくはサーバ上で検索を行った目的地・経由地とをサーバに送信し、サーバ上で渋滞情報等を加味した経路探索を行うことが知られている。このようなシステムの場合、カーナビゲーション装置は、サーバによる経路探索結果を取得し、サーバが探索した経路により車両の誘導案内を行う(例えば、特許文献1)。これによれば、全探索経路上で渋滞等の状態を考慮することができる。また、サーバ配下のカーナビゲーション装置の走行情報を収集することにより、当該走行情報を別のナビゲーション装置の経路探索に反映させることが可能となる。
【0004】
しかし、このようなシステムでは、サーバ上での経路探索時間はカーナビゲーション装置上での経路探索時間と比較して高速なものの、通信接続時間や通信送受信時間を加味すると誘導案内までに時間がかかるという新たな問題が発生する。さらに、カーナビゲーション装置が通信圏外の場合に経路探索を行うことができないという問題や、ユーザがサーバ上で探索した経路から走行中に逸脱した場合に再度サーバ上にて経路再探索を行う必要があるという問題が発生している。これらの問題を解消するため、カーナビゲーション装置による経路探索もサーバによる経路探索も可能なカーナビゲーション装置が求められているが、この場合、経路探索を「カーナビゲーション装置により行う」か「サーバにより行うか」をユーザ判断に委ねることとなり、それぞれのメリットを享受しにくくなる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−101649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、切替条件に基づいて経路探索をサーバで実行したほうが良いと判定した場合に、自動的にサーバへ経路探索を要求することが可能な経路探索方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、道路の渋滞及び交通規制のいずれか1つ以上に関する道路交通情報を保有するサーバと通信可能なナビゲーション装置であって、経路を探索するために必要な前記道路に関する情報である経路計算用情報を記憶する経路計算用情報記憶手段と、前記サーバに経路探索を要求する切替条件に関する情報であって、前記ナビゲーション装置が探索した経路であるナビ経路に関する条件を含む切替条件情報を記憶する切替条件情報記憶手段と、前記経路計算用情報を用いて、出発地から目的地までのナビ経路を探索するナビ経路探索手段と、前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記目的地及び前記出発地を含み、前記サーバに前記道路交通情報に基づく経路探索を要求する探索要求情報を作成する探索要求情報作成手段と、前記探索要求情報を前記サーバへ送信する探索要求情報送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項13に記載の発明は、道路の渋滞及び交通規制のいずれか1つ以上に関する道路交通情報を保有するサーバと通信可能なナビゲーション装置によって実行される経路探索方法であって、経路を探索するために必要な前記道路に関する情報である経路計算用情報を記憶する経路計算用情報記憶工程と、前記サーバに経路探索を要求する切替条件に関する情報であって、前記ナビゲーション装置が探索した経路であるナビ経路に関する条件を含む切替条件情報を記憶する切替条件情報記憶工程と、前記経路計算用情報を用いて、出発地から目的地までのナビ経路を探索するナビ経路探索工程と、前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第1判定工程と、前記第1判定工程が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記目的地及び前記出発地を含み、前記サーバに前記道路交通情報に基づく経路探索を要求する探索要求情報を作成する探索要求情報作成工程と、前記探索要求情報を前記サーバへ送信する探索要求情報送信工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項14に記載の発明は、道路の渋滞及び交通規制のいずれか1つ以上に関する道路交通情報を保有するサーバと通信可能なコンピュータにより実行される経路探索プログラムであって、経路を探索するために必要な前記道路に関する情報である経路計算用情報を記憶する経路計算用情報記憶手段、前記サーバに経路探索を要求する切替条件に関する情報であって、前記コンピュータが探索した経路であるナビ経路に関する条件を含む切替条件情報を記憶する切替条件情報記憶手段、前記経路計算用情報を用いて、出発地から目的地までのナビ経路を探索するナビ経路探索手段、前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第1判定手段、前記第1判定手段が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記目的地及び前記出発地を含み、前記サーバに前記道路交通情報に基づく経路探索を要求する探索要求情報を作成する探索要求情報作成手段、前記探索要求情報を前記サーバへ送信する探索要求情報送信手段と、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の1つの観点では、道路の渋滞及び交通規制のいずれか1つ以上に関する道路交通情報を保有するサーバと通信可能なナビゲーション装置であって、経路を探索するために必要な前記道路に関する情報である経路計算用情報を記憶する経路計算用情報記憶手段と、前記サーバに経路探索を要求する切替条件に関する情報であって、前記ナビゲーション装置が探索した経路であるナビ経路に関する条件を含む切替条件情報を記憶する切替条件情報記憶手段と、前記経路計算用情報を用いて、出発地から目的地までのナビ経路を探索するナビ経路探索手段と、前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記目的地及び前記出発地を含み、前記サーバに前記道路交通情報に基づく経路探索を要求する探索要求情報を作成する探索要求情報作成手段と、前記探索要求情報を前記サーバへ送信する探索要求情報送信手段と、を備える。
【0011】
上記のように構成されたナビゲーション装置において、切替条件情報記憶手段は、道路交通情報を保有しており、現況及び予測される渋滞や交通規制を考慮することができるサーバに経路探索を要求するための条件に関する切替条件情報を記憶している。また、経路計算用情報記憶手段は、出発地から目的地までの経路を探索するために必要な道路に関する経路計算用情報を記憶している。ユーザは、出発地から目的地までの誘導を希望する場合、所定の操作により出発地及び目的地を入力する。ナビ経路探索手段は、経路計算用情報記憶手段により記憶された経路計算用情報を用いて、出発地から目的地までの経路であるナビ経路を探索する。続いて、第1判定手段は、切替条件情報に基づいて、ナビ経路が切替条件を満たしているか否かを判定する。そして、探索要求情報作成手段は、第1判定手段が切替条件を満たしていると判定した場合、出発地及び目的地を含み、サーバに経路探索を要求する探索要求情報を作成する。そして、探索要求情報送信手段は、作成した探索要求情報をサーバへ送信する。これによれば、ユーザ判断に頼ることなく、サーバが経路を探索することによる利点を享受できる可能性が高い場合に限り、サーバに経路探索を要求することが可能となる。よって、ユーザ判断の煩雑さが解消されると共に、不必要なサーバ経路取得による通信量や通信コストの増大を防止することができる。
【0012】
上記ナビゲーション装置の一態様では、前記道路交通情報に基づいて前記サーバが探索した前記出発地から前記目的地までの経路であるサーバ経路に関するサーバ経路情報を取得するサーバ経路情報取得手段と、前記サーバ経路情報に基づいて特定したサーバ経路により車両を誘導するサーバ経路誘導手段と、をさらに備える。これによれば、サーバ経路誘導手段は、探索要求情報に基づいてサーバが探索したサーバ経路を使用して誘導を行うことができる。よって、道路交通情報に基づいて現況及び予測される渋滞や交通規制を考慮した最適な経路で誘導を行うことが可能となる。
【0013】
上記ナビゲーション装置の他の一態様では、探索する経路の出発地を特定する出発地特定手段と、前記経路の目的地を特定する目的地特定手段と、前記切替条件情報は探索する経路の前記出発地及び前記目的地に関する条件を含んでおり、当該切替条件情報に基づいて、前記出発地及び前記目的地が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第2判定手段と、前記探索要求情報作成手段は、前記第1判定手段及び前記第2判定手段のいずれか1つ以上が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記探索要求情報を作成する。
【0014】
上記のように構成されたナビゲーション装置において、出発地特定手段はユーザにより入力された出発地を特定し、目的地特定手段はユーザにより入力された目的地を特定する。続いて、第2判定手段は、切替条件情報に基づいて、特定した出発地及び目的地が切替条件を満たしているか否かを判定する。これによれば、第2判定手段は、特定した出発地及び目的地に基づいて切替条件を満たしているか否かを判定する。そして、探索要求情報送信手段は、第1判定手段及び第2判定手段のいずれか1つ以上が切替条件を満たしていると判定した場合に、作成した探索要求情報をサーバへ送信する。即ち、サーバに経路探索を要求する。つまり、ナビゲーション装置は、出発地及び目的地に応じて自動的に、サーバに経路探索を要求するか否かを判定することができる。
【0015】
上記ナビゲーション装置の他の一態様では、現在日時を示す日時情報を取得する日時情報取得手段と、前記切替条件情報は前記現在日時に関する条件を含んでおり、当該切替条件情報及び前記日時情報に基づいて、前記現在日時が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第3判定手段と、をさらに備え、前記探索要求情報作成手段は、前記第1判定手段、前記第2判定手段及び前記第3判定手段のいずれか1つ以上が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記探索要求情報を作成する。これによれば、第3判定手段は、日時情報取得手段が取得した日時情報及び切替条件情報に基づいて、現在日時が切替条件を満たしているか否かを判定する。そして、探索要求情報送信手段は、第1判定手段乃至第3判定手段のいずれか1つ以上が切替条件を満たしていると判定した場合に、作成した探索要求情報をサーバへ送信する。即ち、サーバに経路探索を要求する。現在日時に関する切替条件は、ユーザが任意に設定することができる。つまり、ナビゲーション装置は、車両を誘導する日時に応じて自動的に、サーバに経路探索を要求するか否かを判定することができる。
【0016】
上記ナビゲーション装置の他の一態様では、前記第1判定手段、前記第2判定手段及び前記第3判定手段のいずれもが前記切替条件を満たしていないと判定した場合に、前記ナビ経路により前記車両を誘導するナビ経路誘導手段をさらに備える。これによれば、ナビゲーション装置は、第1判定手段乃至第3判定手段のいずれもが切替条件を満たしていないと判定した場合に、自身が探索したナビ経路を使用して迅速に誘導を行うことができる。
【0017】
上記ナビゲーション装置の他の一態様では、前記ナビゲーション装置は、地図上の位置座標と、前記地図を分割したエリアとを対応付けた地図情報を記憶する地図情報記憶手段をさらに備え、前記第2判定手段は、前記出発地の位置座標及び前記目的地の位置座標に基づいて、前記地図情報を参照することで、前記出発地及び前記目的地のそれぞれが位置するエリアを特定する第1エリア特定手段をさらに備え、前記切替条件情報に基づいて、前記出発地及び前記目的地のそれぞれが位置するエリアが異なる場合に、前記出発地及び前記目的地が前記切替条件を満たしていると判定する。
【0018】
上記のように構成されたナビゲーション装置において、地図情報記憶手段は、地図上の位置座標と、地図を分割したエリアとを対応付けた地図情報を記憶している。地図を分割したエリアとは、任意の形状のエリアであって、例えば矩形状のエリアであってもよいし、都道府県を基準としたエリアであってもよい。位置座標は、例えば緯度及び経度である。第1エリア特定手段は、出発地の位置座標及び目的地の位置座標に基づいて、地図情報記憶手段により記憶された地図情報を参照することで、出発地が位置するエリア及び目的地が位置するエリアをそれぞれ特定する。第2判定手段は、切替条件情報に基づいて、第1エリア特定手段が特定した、出発地が位置するエリアと目的地が位置するエリアが異なる場合に、切替条件を満たしていると判定する。つまり、所定のエリアに分けられた地図において、出発地と目的地が各エリアを分割する境界線を越える場合に、切替条件を満たしていると判定し、サーバに経路探索を要求する。これによれば、ナビゲーション装置は、出発地と目的地のそれぞれが位置するエリアが異なる遠距離の経路であっても、サーバに経路探索を要求することで、全ての経路の渋滞や交通規制を考慮したサーバ経路による誘導を行うことができる。
【0019】
上記ナビゲーション装置の他の一態様では、前記第2判定手段は、前記出発地の位置座標及び前記目的地の位置座標に基づいて、前記出発地から前記目的地までの直線距離を算出する直線距離算出手段をさらに備え、前記切替条件情報に基づいて、前記直線距離が予め設定された閾値以上である場合に、前記出発地及び前記目的地が前記切替条件を満たしていると判定する。これによれば、直線距離算出手段は、出発地の位置座標及び目的地の位置座標に基づいて、出発地から目的地までの直線距離を算出する。第2判定手段は、切替条件情報に基づいて、直線距離算出手段が算出した出発地から目的地までの直線距離が予め任意に設定された閾値以上である場合に、切替条件を満たしていると判定する。即ち、サーバに経路探索を要求する。これによれば、ナビゲーション装置は、出発地から目的地の直線距離が閾値以上である遠距離の経路であっても、サーバに経路探索を要求することで、全ての経路の渋滞や交通規制を考慮したサーバ経路による誘導を行うことができる。
【0020】
上記ナビゲーション装置の他の一態様では、前記第3判定手段は、前記切替条件情報に基づいて、前記現在日時が予め設定された特定日時である場合に、前記現在日時が前記切替条件を満たしていると判定する。ここで、特定日時とは、平日、休日、長期連休、五十日、通勤ラッシュである7時から9時までの時間帯等であって任意に設定することができる。第3判定手段は、切替条件情報に基づいて、現在日時が特定日時である場合に、切替条件を満たしていると判定する。即ち、サーバに経路探索を要求する。これによれば、例えば休日はイベント(祭・マラソン大会等)によって一部地域で通行止めとなる可能性があるが、このようなイベントを考慮したサーバ経路による車両の誘導を行うことができる。
【0021】
上記ナビゲーション装置の他の一態様では、前記経路計算用情報は、前記道路上の位置座標と、地図を分割したエリアとを対応付けた情報を含んでおり、前記第1判定手段は、前記ナビ経路を構成する道路の位置座標に基づいて前記経路計算用情報を参照することで、前記ナビ経路が通るエリアを特定する第2エリア特定手段をさらに備え、前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が通るエリアが2つ以上である場合に、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしていると判定する。これによれば、第2エリア特定手段は、ナビ経路探索手段により探索されたナビ経路の位置座標に基づいて、経路計算用情報記憶手段により記憶された経路計算用情報を参照することで、ナビ経路が通るエリアを特定する。第1判定手段は、切替条件情報に基づいて、第2エリア特定手段により特定されたナビ経路が通るエリアが2つ以上である場合に、切替条件を満たしていると判定する。即ち、サーバに経路探索を要求する。つまり、ナビゲーション装置は、ナビ経路が複数のエリアに跨るような遠距離の経路の場合に、自動的にサーバに経路探索を要求することで、全ての経路の渋滞や交通規制を考慮した最適なサーバ経路による誘導を行うことができる。
【0022】
上記ナビゲーション装置の他の一態様では、前記第1判定手段は、前記経路計算用情報を用いて、前記ナビ経路の経路距離を算出する経路距離算出手段をさらに備え、前記切替条件情報に基づいて、前記経路距離が予め設定された閾値以上である場合に、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしていると判定する。これによれば、経路距離算出手段は、経路計算用情報記憶手段により記憶された経路計算用情報を参照することで、ナビ経路探索手段により探索されたナビ経路の経路距離を算出する。第1判定手段は、切替条件情報に基づいて、経路距離算出手段により算出された経路距離が予め任意に設定された閾値以上である場合に、切替条件を満たしていると判定する。即ち、サーバに経路探索を要求する。つまり、ナビゲーション装置は、ナビ経路が予め設定された閾値以上である遠距離の経路の場合に、自動的にサーバに経路探索を要求することで、全ての経路の渋滞や交通規制を考慮した最適なサーバ経路による誘導を行うことができる。
【0023】
上記ナビゲーション装置の他の一態様では、前記経路計算用情報は、前記道路が有料道路であるか否かを示す情報を含んでおり、前記第1判定手段は、前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路を構成する道路に前記有料道路が含まれている場合に、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしていると判定する。これによれば、第1判定手段は、経路計算用情報に基づいてナビ経路探索手段により探索されたナビ経路を構成する道路に有料道路が含まれているか否かを確認し、切替条件情報に基づいて有料道路が含まれている場合に切替条件を満たしていると判定する。即ち、サーバに経路探索を要求する。これは、有料道路とは例えば高速道路であるが、高速道路を使うメリットがあるか否かは、遠方までの渋滞や交通規制を考慮する必要があり、ナビゲーション装置による経路探索では不十分であるからである。つまり、有料道路を使うメリットがあるか否かを考慮した上で、ユーザにとって最適なサーバ経路により誘導を行うことができる。
【0024】
上記ナビゲーション装置のさらに他の一態様では、前記第1判定手段は、前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が予め設定された特定地域を通る場合に、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしていると判定する。ここで、特定地域とは、首都圏や山手線内等であって任意に設定することができる。第1判定手段は、切替条件情報に基づいて、ナビ経路探索手段により探索されたナビ経路が予め任意に設定された特定地域を通る場合に、切替条件を満たしていると判定する。即ち、サーバに経路探索を要求する。これによれば、例えば、ナビ経路が首都圏内又は首都圏通過経路である場合、サーバによる経路探索を行うことで幅広い経路候補から最適な経路を選択する可能性が高くなる。よって、ナビゲーション装置は、ユーザにとって最適なサーバ経路により誘導を行うことができる。
【0025】
本発明の別の観点では、道路の渋滞及び交通規制のいずれか1つ以上に関する道路交通情報を保有するサーバと通信可能なナビゲーション装置によって実行される経路探索方法であって、経路を探索するために必要な前記道路に関する情報である経路計算用情報を記憶する経路計算用情報記憶工程と、前記サーバに経路探索を要求する切替条件に関する情報であって、前記ナビゲーション装置が探索した経路であるナビ経路に関する条件を含む切替条件情報を記憶する切替条件情報記憶工程と、前記経路計算用情報を用いて、出発地から目的地までのナビ経路を探索するナビ経路探索工程と、前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第1判定工程と、前記第1判定工程が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記目的地及び前記出発地を含み、前記サーバに前記道路交通情報に基づく経路探索を要求する探索要求情報を作成する探索要求情報作成工程と、前記探索要求情報を前記サーバへ送信する探索要求情報送信工程と、を備える。このような経路探索方法によっても、ユーザ判断に頼ることなく、サーバが経路を探索することによる利点を享受できる可能性が高い場合に限り、サーバに経路探索を要求することが可能となる。
【0026】
本発明のさらに別の観点では、道路の渋滞及び交通規制のいずれか1つ以上に関する道路交通情報を保有するサーバと通信可能なコンピュータにより実行される経路探索プログラムであって、経路を探索するために必要な前記道路に関する情報である経路計算用情報を記憶する経路計算用情報記憶手段、前記サーバに経路探索を要求する切替条件に関する情報であって、前記コンピュータが探索した経路であるナビ経路に関する条件を含む切替条件情報を記憶する切替条件情報記憶手段、前記経路計算用情報を用いて、出発地から目的地までのナビ経路を探索するナビ経路探索手段、前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第1判定手段、前記第1判定手段が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記目的地及び前記出発地を含み、前記サーバに前記道路交通情報に基づく経路探索を要求する探索要求情報を作成する探索要求情報作成手段、前記探索要求情報を前記サーバへ送信する探索要求情報送信手段と、として前記コンピュータを機能させる。このような経路探索プログラムをコンピュータ上で実行させることによっても、ユーザ判断に頼ることなく、サーバが経路を探索することによる利点を享受できる可能性が高い場合に限り、サーバに経路探索を要求することが可能となる。なお、この経路探索プログラムは、記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。
【実施例】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。なお、以下の説明は、本発明を車両に搭載されるナビゲーション装置に適用した例を示す。
【0028】
[ナビゲーション装置]
図1に、本発明の実施例に係るナビゲーション装置100の構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置100は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0029】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0030】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【0031】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU22、ROM23及びRAM24を含んでおり、ナビゲーション装置100全体の制御を行う。
【0032】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0033】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0034】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
【0035】
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図情報などのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶する。
【0036】
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース37を介して、VICS(Vehicle Information Communication System)センター(登録商標)から配信される渋滞や交通情報などの道路交通情報、その他の情報を受信する。
【0037】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図情報を読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図情報を、ディスプレイなどの表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0038】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0039】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0040】
[システム構成]
図2は、経路探索システム1の構成を示す概略図である。経路探索システム1は、図1に示すナビゲーション装置100及びサーバ150を有しており、ナビゲーション装置100とサーバ150は通信可能となっている。
【0041】
サーバ150は、CPU、RAM、ROM等を備え、全道路を網羅する渋滞や交通規制などの道路交通情報と、詳細は後述するが経路計算用情報とを記憶しており、出発地、目的地及び探索条件に基づいて、出発地から目的地までの経路を探索することが可能なサーバである。道路交通情報は、例えばVICSセンターから取得する各道路の渋滞度を「渋滞」、「混雑」及び「順調」の三段階で分類した情報や、過去に取得した情報に基づいて算出した渋滞の予測情報を含むものとする。
【0042】
なお、図1に示すナビゲーション装置100は、予めデータ記憶ユニット36に道路交通情報、地図情報、経路計算用情報及び切替条件情報を記憶している。道路交通情報は、通信装置38により受信した渋滞や交通規制に関する情報であるが、サーバ150が記憶している道路交通情報と異なり、全道路を網羅する情報ではなく都道府県、通信容量、主記憶容量などによって制限された情報である。地図情報は、ユーザに対して地図画像を表示するために使用される情報であり、主として地図に対応する画像データである。経路計算用情報は、サーバ150と同一の情報であり、詳細は後述する。切替条件情報は、サーバ150に経路探索を要求する条件に関する情報であり、詳細は後述する。
【0043】
また、本実施例において経路探索システム1を構成するナビゲーション装置100は、車両に搭載されているナビゲーション装置としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ナビゲーション機能を有する携帯電話等の端末装置であってもよい。
【0044】
[経路探索ユニット]
図3は、切替条件に基づいて経路探索をサーバ150で実行したほうが良いと判定した場合に、自動的にサーバ150へ探索要求情報を送信して誘導を行う経路探索ユニット200のブロック図である。経路探索ユニット200は、実体的には、ナビゲーション装置100の構成要素により構成される。図3に示すように、経路探索ユニット200は、情報記憶部210、出発地特定部211、目的地特定部212、現在日時特定部213、切替条件判定部214、探索要求情報送信部215、ナビ経路探索部216、サーバ経路情報取得部217及び誘導部218を備える。
【0045】
情報記憶部210は、道路交通情報、地図情報、経路計算用情報及び切替条件情報を記憶する。道路交通情報は、全道路、即ち全探索経路を網羅する渋滞や交通規制に関する情報であって、例えばVICSセンター等から取得する。地図情報は、ユーザに対して地図画像を表示するために使用される情報であり、主として地図に対応する画像データである。経路計算用情報は、出発地から目的地までの経路を探索する際の経路計算に使用される情報である。切替条件情報は、サーバ150に経路探索を要求する条件に関する情報である。情報記憶部210は、本発明における切替条件情報記憶手段、経路計算用情報記憶手段及び地図情報記憶手段として機能する。
【0046】
ここで、図4乃至図6を参照し、経路計算用情報について説明する。図4は経路計算用情報のデータ構成を示す図であり、図5はノードデータのデータ構成を示す図である。図6は、ノード及びリンクの例である。
【0047】
図4に示すように経路計算用情報124は、ノードデータ125及びリンクデータ126を含む。ノードは道路上の交差点などの所定の地点に対応し、ノードデータ125はノード及びそのノードを含むリンクを示すデータである。一方、リンクは交差点などにより区切られた道路の1区画に対応し、リンクデータ126はリンクを示すデータである。本実施例において、リンクの端点はノードであるものとする。
【0048】
ノード及びリンクの例を図6(a)及び(b)に示す。図6(a)に示す複数の道路111を含む地図は、図5(b)に示すように複数のノード及びリンクにより構成される。なお、図5(b)においては、各ノードをノードID(N001など)で示し、各リンクをリンクID(L101など)で示している。図5にノードデータ125の構成を示す。ノードデータ125は、各ノードを識別するノードID毎に地理的な位置座標(緯度及び経度)と、対応するノードを端点として含むリンクを識別するリンクIDとを有している。リンクデータ126は、例えばリンクの距離、リンク上の地理的な位置座標、リンク上の位置座標と都道府県とを対応付けた情報、リンクに対応する道路が有料道路であるか否かを示す情報などを有している。
【0049】
また、図7を参照し、切替条件情報について説明する。図7は、切替条件情報の構成を模式的に示す図である。図示のように、切替条件情報は、適用及び切替条件に関する項目から構成されている。切替条件は、大きく分けて「現在日時に関する条件」、「出発地及び目的地に関する条件」、「ナビ経路に関する条件」の3種類である。
【0050】
「現在日時に関する条件」としては、現在日時が予め設定された特定日時であることが挙げられる。特定日時とは、例えば、平日、休日、長期連休、五十日、通勤ラッシュである7時から9時までの時間帯等であって任意に設定することができる。
【0051】
「出発地及び目的地に関する条件」としては、例えば、出発地と目的地が異なる都道府県であること、出発地と目的地の直線距離が予め設定された閾値(例えば30キロメートル)以上であること等が挙げられる。
【0052】
「ナビ経路に関する条件」としては、出発地と目的地の経路距離が予め設定された閾値以上であること、ナビ経路を構成する道路に有料道路が含まれていること、ナビ経路が2つ以上の都道府県を通ること、ナビ経路が予め設定された特定地域を通ること等が挙げられる。特定地域とは、例えば、首都圏や山手線内等であって任意に設定することができる。なお、特定日時や特定地域に関する情報は予め切替条件情報に対応付けて記憶されているものとする。
【0053】
図示のように、サーバ150に経路探索を要求する条件として適用する切替条件には、適用項目にチェックマーク(レ)がなされている。どの切替条件を適用するかは予め固定で決まっていることとしてもよいし、ユーザが任意で設定することとしてもよい。
【0054】
出発地特定部211は、GPS受信機18により、車両の現在位置を示す座標を取得し、当該現在位置を出発地に特定する。現在位置の取得方法は、GPS航法、ハイブリッド航法のいずれを適用することとしてもよいが、本実施例ではGPS航法によりGPS位置を現在位置として取得するものとする。各航法による車両の現在位置の測定は既知の手法であるので、その詳細な説明は省略する。なお、本実施例では、車両の現在位置を出発地に特定することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の操作によりユーザが入力した任意の位置座標を出発地に特定することとしてもよい。出発地特定部211は、本発明における出発地特定手段として機能する。
【0055】
目的地特定部212は、所定の操作によりユーザが目的地として入力した任意の位置座標を目的地に特定する。目的地特定部212は、本発明における目的地特定手段として機能する。
【0056】
現在日時取得部213は、現在日時を示す日時情報を取得する。現在日時取得部213は、本発明における日時情報取得手段として機能する。
【0057】
切替条件判定部214は、情報記憶部210に記憶されている切替条件情報に基づいて、探索する経路が切替条件を満たしているか否かを判定する。
【0058】
例えば、切替条件判定部214は、切替条件情報と、現在日時取得部213が取得した日時情報とに基づいて、現在日時が「現在日時に関する条件」を満たしているか否かを判定する。具体的に、切替条件判定部214は、日時情報に基づいて現在日時が予め設定された特定日時ある場合に、切替条件を満たしていると判定する。このように「現在日時に関する条件」を満たしているか否かを判定する切替条件判定部214は、本発明における第3判定手段として機能する。
【0059】
また、切替条件判定部214は、切替条件情報と、出発地特定部211が特定した出発地及び目的地特定部212が特定した目的地とに基づいて、出発地及び目的地が「出発地及び目的地に関する条件」を満たしているか否かを判定する。具体的に、切替条件判定部214は、情報記憶部210に記憶されている経路計算用情報を参照し、出発地の位置座標及び目的地の位置座標に基づいて、出発地及び目的地の都道府県の特定や出発地から目的地までの直線距離の算出を行う。直線距離を算出する方法は既知の手法であるので、その詳細な説明は省略する。そして、切替条件判定部214は、特定した出発地及び目的地の都道府県が異なる場合に、切替条件を満たしていると判定する。また、切替条件判定部214は、算出した出発地から目的地までの直線距離が閾値以上である場合に、切替条件を満たしていると判定する。このように「出発地及び目的地に関する条件」を満たしているか否かを判定する切替判定部214は、本発明における第2判定手段、第1エリア特定手段及び直線距離算出手段として機能する。
【0060】
探索要求情報送信部215は、切替条件判定部214により、「現在日時に関する条件」又は「出発地及び目的地に関する条件」であって、サーバ150に経路探索を要求する条件として適用している1つ以上の切替条件を満たすと判定された場合、出発地特定部211が特定した出発地及び目的地特定部212が特定した目的地を含む探索要求情報を作成し、通信装置38によりサーバ150へ送信する。なお、ユーザの所定の操作により予め探索条件が入力されている場合、探索要求情報送信部215は、探索要求情報に当該探索条件を含め、サーバ150へ送信する。探索要求情報送信部215は、本発明における探索要求情報作成手段及び探索要求情報送信手段として機能する。
【0061】
ナビ経路探索部216は、切替条件判定部214により、「現在日時に関する条件」又は「出発地及び目的地に関する条件」であって、サーバ150に経路探索を要求する条件として適用している全ての切替条件を満たさないと判定された場合、情報記憶部210に記憶されている経路計算用情報及び道路交通情報に基づいて、出発地特定部211が特定した出発地から目的地特定部212が特定した目的地までの経路であるナビ経路を探索する。ナビ経路探索部216は、本発明におけるナビ経路探索手段及び経路距離算出手段として機能する。
【0062】
具体的に、ナビ経路探索部216は、所定の操作によりユーザが入力した探索条件に対応するリンクデータを含む経路計算用情報に基づいて、出発地から目的地までの候補経路を計算する。こうして、出発地から目的地へ至る複数の候補経路が得られると、ナビ経路探索部216は、道路交通情報に基づいて交通規制や渋滞などを考慮して、各候補経路についてコスト計算を行い、最小コストを有する候補経路をナビ経路に決定する。コスト計算とは、経路計算において一般的に用いられる手法であり、リンク及びノードに予め対応付けされたコストの合計を計算することをいう。リンク及びノードに対応付けされたコストの値は、そのリンクやノードを通過する際に要する時間、道路の車線数などの各種情報に基づいて予め設定されており、渋滞度の高いリンクに対応付けされたコストの値を大きくすることで、ナビ経路探索部216は、道路交通情報に基づいて交通規制や渋滞などを考慮したナビ経路を探索することができる。コスト計算は既知の手法であるので、その詳細な説明は省略する。
【0063】
なお、ナビ経路を探索する際、経路計算用情報及び道路交通情報に基づいて、ナビ経路の経路距離や所要時間を算出することが可能であるため、ナビ経路には経路距離や所要時間を対応付けておく。経路距離や所要時間を算出する方法は既知の手法であるので、その詳細な説明は省略する。本実施例では、算出した経路距離や所要時間をナビ経路に対応付けることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、経路距離や所要時間をナビ経路に含ませることとしてもよい。
【0064】
切替条件判定部214は、切替条件情報と、ナビ経路探索部216により探索されたナビ経路とに基づいて、ナビ経路が「ナビ経路に関する条件」を満たしているか否かを判定する。具体的に、切替条件判定部214は、ナビ経路に対応付けられた経路距離が予め設定された閾値以上である場合に、切替条件を満たしていると判定する。また、切替条件判定部214は、情報記憶部210に記憶されている経路計算用情報を参照し、ナビ経路を構成する道路に高速道路をはじめとする有料道路が含まれている場合に切替条件を満たしていると判定する。また、切替条件判定部214は、ナビ経路を構成する道路の位置座標に基づいて経路計算用情報を参照することでナビ経路が通る都道府県を特定し、ナビ経路が2つ以上の都道府県を通る場合に切替条件を満たしていると判定する。また、切替条件判定部214は、ナビ経路が予め設定された特定地域を通る場合に切替条件を満たしていると判定する。このように、「ナビ経路に関する条件」を満たしているか否かを判定する切替条件判定部214は、本発明における第1判定手段及び第2エリア特定手段として機能する。
【0065】
探索要求情報送信部215は、切替条件判定部214により、「ナビ経路に関する条件」であって、サーバ150に経路探索を要求する条件として適用している1つ以上の切替条件を満たすと判定された場合、出発地特定部211が特定した出発地及び目的地特定部212が特定した目的地を含む探索要求情報を作成し、通信装置38によりサーバ150へ送信する。なお、ユーザの所定の操作により予め探索条件が入力されている場合、探索要求情報送信部215は、探索要求情報に当該探索条件を含め、サーバ150へ送信する。
【0066】
これにより、サーバ150は、ナビゲーション装置100から探索要求情報を取得する。続いて、サーバ150は、取得した探索要求情報に含まれる出発地、目的地及び探索条件と、予め記憶している経路計算用情報及び道路交通情報とに基づいて、出発地から目的地までの経路であるサーバ経路を探索する。サーバ150によるサーバ経路の探索方法は、ノード及びリンクに基づくコスト計算を用いる方法であって、ナビゲーション装置100によるナビ経路の探索方法と同様であるため、便宜上説明は省略する。そして、サーバ150は、探索したサーバ経路に関するサーバ経路情報をナビゲーション装置100へ送信する。サーバ経路情報は、サーバ経路の特徴点など、サーバ経路を特定することが可能な情報である。
【0067】
サーバ経路情報取得部217は、通信装置38により、サーバ150からサーバ経路情報を取得する。サーバ経路情報取得部217は、本発明におけるサーバ経路情報取得手段として機能する。
【0068】
誘導部218は、サーバ経路情報取得部217がサーバ経路情報を取得した場合に、情報記憶部210に記憶されている地図情報に基づく画面や音声により、当該サーバ経路情報に基づいて特定可能なサーバ経路による車両の誘導を行う。また、誘導部218は、切替条件判定部214により、「ナビ経路に関する条件」であって、サーバ150に経路探索を要求する条件として適用している全ての切替条件を満たさないと判定された場合、情報記憶部210に記憶されている地図情報に基づく画面や音声により、ナビ経路探索部216が探索したナビ経路による車両の誘導を行う。誘導部218は、本発明におけるサーバ経路誘導手段及びナビ経路誘導手段として機能する。
【0069】
これによれば、切替条件に基づいて、サーバ経路の利点を享受できる可能性が高い場合に限り、ユーザ判断に頼ることなく自動的にサーバ150へ探索要求情報を送信することができる。例えば「現在日時に関する条件」である切替条件に基づいて探索要求情報を送信することにより、休日はイベント(祭・マラソン大会等)によって一部地域で通行止めとなる可能性があるが、このようなイベントを考慮したサーバ経路による車両の誘導を行うことができる。
【0070】
また、「出発地及び目的地に関する条件」や「ナビ経路に関する条件」である切替条件に基づいて探索要求を行うことにより、出発地と異なる都道府県を目的地とする場合や高速道路を使用するような遠方を目的地とする場合であっても、経路を構成する全ての道路の道路交通情報を考慮したサーバ経路による車両誘導を行うことができる。主記憶容量等の関係で道路交通情報が制限されているナビゲーション装置100による経路探索と異なり、サーバによる経路探索によれば、全ての道路の道路交通情報を元に現況及び予測される渋滞情報や地域情報を考慮した経路候補からユーザにとって最適な経路を探索することができる。
【0071】
なお、上述の各部は、ナビゲーション装置100のCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0072】
[誘導処理]
次に、図8を参照し、本実施例による誘導処理について説明する。図8は、本実施例のナビゲーション装置100及びサーバ150による誘導処理のフローチャートである。誘導処理は、ナビゲーション装置100が、切替条件に基づいて経路探索をサーバ150で実行した方が良いと判定した場合に探索要求情報を送信し、サーバ経路を使用して車両を誘導する処理である。
【0073】
誘導処理は、図1に示すナビゲーション装置100のCPU22及びサーバ150のCPUが予め記憶されたプログラムを実行することにより実現する。また、経路探索ユニット200は、上述のようにナビゲーション装置100の構成要素により構成される。
【0074】
ユーザは、出発地から目的地までの誘導案内を希望する場合、ナビゲーション装置100の入力装置60を使用して所定の操作により、目的地及び探索条件を指定し、入力する。なお、本実施例における出発地は、車両の現在位置であるとする。
【0075】
図8に示すように、経路探索ユニット200の出発地特定部211は、まず、GPS受信機18により、車両の現在位置を示す座標を取得し、現在位置を出発地に特定する。続いて、目的地特定部212は、ユーザが入力した位置座標を目的地に特定する(ステップS1)。また、ユーザが入力した探索条件を特定する。さらに、現在日時取得部213は、現在日時を示す日時情報を取得する(ステップS2)。
【0076】
切替条件判定部214は、日時情報及び切替条件情報に基づいて、現在日時が切替条件を満たしているか否かを判定する(ステップS3)。切替条件判定部214により現在日時が切替条件を満たしていると判定された場合(ステップS3;Yes)、探索要求情報送信部215は、出発地、目的地及び探索条件を含む探索要求情報を作成し、通信装置38によりサーバ150へ送信する(ステップS8)。一方、切替条件判定部214により現在日時が切替条件を満たしていないと判定された場合(ステップS3;No)、切替条件判定部214は、さらに切替条件情報に基づいて、出発地及び目的地が切替条件を満たしているか否かを判定する(ステップS4)。切替条件判定部214により出発地及び目的地が切替条件を満たしていると判定された場合(ステップS4;Yes)、探索要求情報送信部215は、出発地、目的地及び探索条件を含む探索要求情報を作成し、通信装置38によりサーバ150へ送信する(ステップS8)。
【0077】
切替条件判定部214により出発地及び目的地が切替条件を満たしていないと判定された場合(ステップS4;No)、ナビ経路探索部216は、経路計算情報及び道路交通情報に基づいて、探索条件に合致する出発地から目的地までのナビ経路を探索する(ステップS5)。続いて、切替条件判定部214は、切替条件情報に基づいて、ナビ経路が切替条件を満たしているか否かを判定する(ステップS6)。切替条件判定部214によりナビ経路が切替条件を満たしていると判定された場合(ステップS6;Yes)、探索要求情報送信部215は、出発地、目的地及び探索条件を含む探索要求情報を作成し、通信装置38によりサーバ150へ送信する(ステップS8)。一方、切替条件判定部214によりナビ経路が切替条件を満たしていないと判定された場合(ステップS6;No)、誘導部218は、地図情報に基づく画面や音声により、ナビ経路による車両の誘導を行う(ステップS7)。
【0078】
サーバ150は、ナビゲーション装置100から探索要求情報を取得すると、サーバ経路探索処理を実行する。即ち、図8に示すように、サーバ150のCPUは、経路探索ユニット200の探索要求情報送信部215から探索要求情報を取得する(ステップS11)。続いて、サーバ150のCPUは、探索要求情報に基づいて出発地、目的地及び探索条件を特定する(ステップS12)。そして、サーバ150のCPUは、予め記憶している経路計算用情報及び道路交通情報と、特定した探索条件とに基づいて、出発地から目的地にまでのサーバ経路を探索する(ステップS13)。そして、サーバ150のCPUは、サーバ経路を特定することが可能な情報をサーバ経路情報としてナビゲーション装置100へ送信する(ステップS14)。これにより、サーバ150によるサーバ経路探索処理は完了する。
【0079】
ナビゲーション装置100は、サーバ150からサーバ経路情報を取得する。即ち、経路探索ユニット200のサーバ経路情報取得部217は、通信装置38によりサーバ150からサーバ経路情報を取得する(ステップS9)。そして、誘導部218は、地図情報に基づく画面や音声により、サーバ経路情報に基づいて特定可能なサーバ経路による車両の誘導を行う(ステップS10)。これにより、ナビゲーション装置100及びサーバ150による誘導処理は完了する。
【0080】
なお、本実施例では、ナビゲーション装置100が道路交通情報を記憶することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、道路交通情報を記憶していないこととしてもよい。この場合、ナビゲーション装置100は、渋滞や交通規制を考慮することなくナビ経路を探索することになるが、道路交通情報を取得するための通信コストの削減や主記憶容量の節約を実現することができる。
【0081】
また、本実施例において経路探索ユニット200は、複数ある切替条件の1つでも満たせば探索要求情報をサーバ150へ送信することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、予め任意に設定した1つ以上の切替条件を満たした場合に探索要求情報をサーバ150へ送信することとしてもよい。即ち、切替条件をOR条件とするかAND条件とするかは任意に設定することが可能である。
【0082】
また、本実施例において経路計算用情報は、リンク上の位置座標と都道府県とを対応付けた情報等を有することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、地図情報が地図上の位置座標と都道府県とを対応付けた情報を有することとしてもよい。この場合、切替条件判定部214は、地図情報に基づいて出発地及び目的地の都道府県の特定等を行い、各切替条件を満たしているか否かを判定することとなる。
【0083】
また、本実施例において切替条件判定部214は、特定した出発地及び目的地の都道府県が異なる場合に切替条件を満たすと判定している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、地図を任意の形状のエリアに分割し、切替条件判定部214は、特定した出発地が位置するエリアと目的地が位置するエリアが異なる場合に切替条件を満たすと判定してもよい。この場合、経路計算用情報は、リンク上の位置座標と地図を分割したエリアとを対応付けた情報等を有し、地図情報は、地図上の位置座標と地図を分割したエリアとを対応付けた情報を有することとなる。地図を分割したエリアとは、任意の形状のエリアであって、例えば矩形状のエリアであってもよいし、都道府県を基準としたエリアであってもよい。即ち、切替条件は、都道府県に限られるものではなく、例えば任意の矩形状のメッシュに分けられた地図を基準としてもよい。同様に、切替条件判定部214は、ナビ経路が2つ以上のエリアを通る場合に切替条件を満たすと判定してもよい。
【0084】
また、本実施例では記載していないが、経路探索ユニット200は、ナビゲーション装置100とサーバ150との通信が可能であるか否かを判定することとしてもよい。経路探索ユニットにより通信が不可能であると判定された場合、探索要求情報送信部215は、探索要求情報をサーバ150へ送信することができないため、ディスプレイ44にサーバ150と通信可能な状態とするよう要求するメッセージを表示させる。
【0085】
また、本実施例では記載していないが、ユーザが所定の操作により経由地を入力した場合、出発地と経由地の距離、経由地と目的地の距離、経由地の都道府県等を切替条件に含めることとしてもよい。
【0086】
また、本実施例においてナビゲーション装置100は、図8に示す誘導処理のステップS7又はS10で誘導を開始することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステップS5においてナビ経路を探索してからステップS7又はS10で誘導を開始するまでの間、当該ナビ経路を使用して誘導を行うこととしてもよい。この場合、ステップS6においてナビ経路が切替条件を満たさない場合、誘導部218は、ステップS7において継続してナビ経路で誘導を行う。一方、ステップS6においてナビ経路が切替条件を満たしている場合、誘導部218は、ステップS10においてナビ経路からサーバ経路へ切り替えて誘導を行う。
【0087】
以上述べたように、経路探索ユニット200は、ユーザ判断に頼ることなく、サーバ経路の利点を享受できる可能性が高い場合に限り、サーバ150へ探索要求を行うことができる。これによれば、ユーザ判断の煩雑さが解消され、不必要なサーバ経路取得による通信量及び通信コストの増加といったサーバ経路取得の欠点を防止することができる。また、サーバ150への負荷集中という問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】経路探索システムの構成を示す概略図である。
【図3】経路探索ユニットの機能構成を示すブロック図である。
【図4】経路計算用情報のデータ構成を示す図である。
【図5】ノードデータのデータ構成を示す図である。
【図6】ノード及びリンクの例である。
【図7】切替条件情報のデータ構成を示す図である。
【図8】誘導処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0089】
10 自立測位装置
18 GPS受信機
20 システムコントローラ
22 CPU
36 データ記憶ユニット
40 表示ユニット
60 入力装置
100 ナビゲーション装置
200 経路探索ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の渋滞及び交通規制のいずれか1つ以上に関する道路交通情報を保有するサーバと通信可能なナビゲーション装置であって、
経路を探索するために必要な前記道路に関する情報である経路計算用情報を記憶する経路計算用情報記憶手段と、
前記サーバに経路探索を要求する切替条件に関する情報であって、前記ナビゲーション装置が探索した経路であるナビ経路に関する条件を含む切替条件情報を記憶する切替条件情報記憶手段と、
前記経路計算用情報を用いて、出発地から目的地までのナビ経路を探索するナビ経路探索手段と、
前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記目的地及び前記出発地を含み、前記サーバに前記道路交通情報に基づく経路探索を要求する探索要求情報を作成する探索要求情報作成手段と、
前記探索要求情報を前記サーバへ送信する探索要求情報送信手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記道路交通情報に基づいて前記サーバが探索した前記出発地から前記目的地までの経路であるサーバ経路に関するサーバ経路情報を取得するサーバ経路情報取得手段と、
前記サーバ経路情報に基づいて特定したサーバ経路により車両を誘導するサーバ経路誘導手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
探索する経路の出発地を特定する出発地特定手段と、
前記経路の目的地を特定する目的地特定手段と、
前記切替条件情報は探索する経路の前記出発地及び前記目的地に関する条件を含んでおり、当該切替条件情報に基づいて、前記出発地及び前記目的地が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第2判定手段と、
前記探索要求情報作成手段は、前記第1判定手段及び前記第2判定手段のいずれか1つ以上が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記探索要求情報を作成することを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
現在日時を示す日時情報を取得する日時情報取得手段と、
前記切替条件情報は前記現在日時に関する条件を含んでおり、当該切替条件情報及び前記日時情報に基づいて、前記現在日時が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第3判定手段と、をさらに備え、
前記探索要求情報作成手段は、前記第1判定手段、前記第2判定手段及び前記第3判定手段のいずれか1つ以上が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記探索要求情報を作成することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記第1判定手段、前記第2判定手段及び前記第3判定手段のいずれもが前記切替条件を満たしていないと判定した場合に、前記ナビ経路により前記車両を誘導するナビ経路誘導手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記ナビゲーション装置は、
地図上の位置座標と、前記地図を分割したエリアとを対応付けた地図情報を記憶する地図情報記憶手段をさらに備え、
前記第2判定手段は、
前記出発地の位置座標及び前記目的地の位置座標に基づいて、前記地図情報を参照することで、前記出発地及び前記目的地のそれぞれが位置するエリアを特定する第1エリア特定手段をさらに備え、
前記切替条件情報に基づいて、前記出発地及び前記目的地のそれぞれが位置するエリアが異なる場合に、前記出発地及び前記目的地が前記切替条件を満たしていると判定することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記第2判定手段は、
前記出発地の位置座標及び前記目的地の位置座標に基づいて、前記出発地から前記目的地までの直線距離を算出する直線距離算出手段をさらに備え、
前記切替条件情報に基づいて、前記直線距離が予め設定された閾値以上である場合に、前記出発地及び前記目的地が前記切替条件を満たしていると判定することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記第3判定手段は、
前記切替条件情報に基づいて、前記現在日時が予め設定された特定日時である場合に、前記現在日時が前記切替条件を満たしていると判定することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記経路計算用情報は、前記道路上の位置座標と、地図を分割したエリアとを対応付けた情報を含んでおり、
前記第1判定手段は、
前記ナビ経路を構成する道路の位置座標に基づいて前記経路計算用情報を参照することで、前記ナビ経路が通るエリアを特定する第2エリア特定手段をさらに備え、
前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が通るエリアが2つ以上である場合に、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしていると判定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記第1判定手段は、
前記経路計算用情報を用いて、前記ナビ経路の経路距離を算出する経路距離算出手段をさらに備え、
前記切替条件情報に基づいて、前記経路距離が予め設定された閾値以上である場合に、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしていると判定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記経路計算用情報は、前記道路が有料道路であるか否かを示す情報を含んでおり、
前記第1判定手段は、
前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路を構成する道路に前記有料道路が含まれている場合に、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしていると判定することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
前記第1判定手段は、
前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が予め設定された特定地域を通る場合に、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしていると判定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
道路の渋滞及び交通規制のいずれか1つ以上に関する道路交通情報を保有するサーバと通信可能なナビゲーション装置によって実行される経路探索方法であって、
経路を探索するために必要な前記道路に関する情報である経路計算用情報を記憶する経路計算用情報記憶工程と、
前記サーバに経路探索を要求する切替条件に関する情報であって、前記ナビゲーション装置が探索した経路であるナビ経路に関する条件を含む切替条件情報を記憶する切替条件情報記憶工程と、
前記経路計算用情報を用いて、出発地から目的地までのナビ経路を探索するナビ経路探索工程と、
前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第1判定工程と、
前記第1判定工程が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記目的地及び前記出発地を含み、前記サーバに前記道路交通情報に基づく経路探索を要求する探索要求情報を作成する探索要求情報作成工程と、
前記探索要求情報を前記サーバへ送信する探索要求情報送信工程と、を備えることを特徴とする経路探索方法。
【請求項14】
道路の渋滞及び交通規制のいずれか1つ以上に関する道路交通情報を保有するサーバと通信可能なコンピュータにより実行される経路探索プログラムであって、
経路を探索するために必要な前記道路に関する情報である経路計算用情報を記憶する経路計算用情報記憶手段、
前記サーバに経路探索を要求する切替条件に関する情報であって、前記コンピュータが探索した経路であるナビ経路に関する条件を含む切替条件情報を記憶する切替条件情報記憶手段、
前記経路計算用情報を用いて、出発地から目的地までのナビ経路を探索するナビ経路探索手段、
前記切替条件情報に基づいて、前記ナビ経路が前記切替条件を満たしているか否かを判定する第1判定手段、
前記第1判定手段が前記切替条件を満たしていると判定した場合に、前記目的地及び前記出発地を含み、前記サーバに前記道路交通情報に基づく経路探索を要求する探索要求情報を作成する探索要求情報作成手段、
前記探索要求情報を前記サーバへ送信する探索要求情報送信手段と、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする経路探索プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の経路探索プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−309609(P2008−309609A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157187(P2007−157187)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】