説明

ナビゲーション装置、経路探索方法

【課題】自動的にユーザの要求を満たす経由地を通過する経路を設定する。
【解決手段】地図情報を用いて経路を算出して経路誘導を行うナビゲーション装置100であって、経由地として設定可能な地点を所定のカテゴリでグループ化したカテゴリ情報を含む地図情DB51を記憶している。経路変更要否判定部116は、経由地を含む設定された経路の変更が必要であるか否かを判定する。経路算出部114は、経路の変更が必要であると判定された場合に、カテゴリ情報を用いて、設定された経由地が属するカテゴリの中から経由地を選択して、新たな経由地として設定し、当該経由地を含む経路を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動的に経路を再設定(オートリルート)するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載されるナビゲーション装置において、車両の現在地と、ユーザの操作より指定された経由地と目的地とを結ぶ経路を算出して、経路誘導を行う技術がある。また、目的地として設定された駐車場が満車であるか否かを判定し、満車である場合には、目的地の駐車場の周辺の空駐車場を新たな目的地として設定する技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−177199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザの要求を達成するための手段として機能するナビゲーション装置が、ユーザにより設定された目的地や経由地を自動的に変更することは、通常望ましくないと言える。そのため、従来のナビゲーション装置において、ユーザにより設定された目的地や経由地は、ユーザの操作がない限り変更されない。自動的に変更される場合は、目的地が、例えば、駐車場などの特定の場所であるときに限られている。また、経由地が自動的に変更される場合はない。
【0005】
しかしながら、経由地を変更することができないと、オートリルートが実行された場合に、却って遠回りとなる経路が設定されるという問題がある。また、経由地は、ユーザの目的や要求が達成されれば、ユーザが指定した経由地である必要がない場合がある。すなわち、ユーザにとって、経由地は、「そこでなくてもいい(そこでもいい)」場合がある。例えば、目的地に到着するまでの間に、ドライブスルーを利用したい、ちょっと買い物をしたい、飲み物を買いたい、トイレに寄りたいというユーザの要求がある状況において、ユーザは、最初に指定した経由地でなくてもよいと考えることがある。また、ユーザは、運転計画が変わった場合など、最初に指定した経由地に立ち寄らないことがある。
【0006】
本発明は、自動的にユーザの要求を満たす経由地を通過する経路を設定するための技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための装置に係る発明は、地図情報を用いて経路を算出して経路誘導を行うナビゲーション装置であって、経由地として設定可能な地点を所定のカテゴリでグループ化したカテゴリ情報を記憶する記憶手段と、現在地を算出する現在地算出手段と、指定された地図上の地点を経由地として設定する経由地設定手段と、指定された地図上の地点を目的地として設定する目的地設定手段と、前記現在地と、前記経由地と、前記目的地とを結ぶ経路を算出する経路算出手段と、前記経路の変更を行うか否かを判定する経路変更要否判定手段と、備え、前記経路算出手段は、前記経路変更要否判定手段により前記経路の変更を行うと判定された場合、前記カテゴリ情報を用いて、前記経由地設定手段で設定された経由地が属するカテゴリの中から経由地を選択して、新たな経由地として設定し、当該経由地を含む経路を算出すること、を特徴とする。
【0008】
ここで、上記のナビゲーション装置において、前記経路算出手段は、前記経由地設定手段で設定された経由地に代えて、前記新たな経由地を設定し、当該経由地を含む経路を算出すること、を特徴としていてもよい。
【0009】
また、上記のナビゲーション装置において、前記カテゴリ情報には、前記カテゴリごとに、前記新たな経由地を含む経路を算出すべきか否かを示すフラグ情報が含まれ、前記経路算出手段は、前記経由地設定手段で設定された経由地が属するカテゴリの前記フラグ情報が、前記新たな経由地を含む経路を算出すべきことを示す場合に、当該経路を算出すること、を特徴としていてもよい。
【0010】
また、上記のナビゲーション装置において、前記経路変更要否判定手段は、前記現在地が前記経路から外れた場合に当該経路の変更を行うと判定すること、を特徴としていてもよい。
【0011】
また、上記のナビゲーション装置において、前記経路算出手段は、設定された前記経由地が属するカテゴリの中から、前記現在地から前記目的地までのコストが最小となる経由地を選択すること、を特徴としていてもよい。
【0012】
上記の課題を解決するための方法に係る発明は、地図情報を用いて経路を算出して経路誘導を行うナビゲーション装置における経路探索方法であって、前記ナビゲーション装置は、経由地として設定可能な地点を所定のカテゴリでグループ化したカテゴリ情報を記憶しており、現在地を算出する現在地算出ステップと、指定された地図上の地点を経由地として設定する経由地設定ステップと、指定された地図上の地点を目的地として設定する目的地設定ステップと、前記現在地と、前記経由地と、前記目的地とを結ぶ経路を算出する経路算出ステップと、前記経路の変更を行うか否かを判定する経路変更要否判定ステップと、を行い、前記経路算出ステップは、前記経路変更要否判定ステップにおいて前記経路の変更を行うと判定された場合、前記カテゴリ情報を用いて、前記経由地設定ステップにおいて設定された経由地が属するカテゴリの中から経由地を選択して、新たな経由地として設定し、当該経由地を含む経路を算出すること、を特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態が適用された、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0015】
ナビゲーション装置100は、車両などに搭載され、地図情報、経路情報、渋滞情報などの交通情報を表示してユーザを誘導するナビゲーション処理を行うための装置である。もちろん、ナビゲーション装置100は、車両に備え付けられたものでなくてもよく、例えば、持ち運び可能なPND(Personal Navigation Device)などであってもよい。また、車内LAN(Local Area Network)、CAN(Controller Area Network)などの車内通信回線を介して他の車載機器やセンサなどの車両機器と通信を行ってもよい。
【0016】
ナビゲーション装置100は、制御装置1と、ディスプレイ2と、入力装置3と、音声入出力装置4と、記憶装置5と、各種センサ6と、GPS(Global Positioning System)受信装置7と、FM多重放送・ビーコン受信装置8と、通信装置9とを有する。もちろん、ナビゲーション装置100の構成は、上記に限られず、例えば、地上デジタル放送用のチューナーを備えていてもよい。
【0017】
制御装置1は、上記の各装置を制御し、様々な処理を行う中心的ユニットである。制御装置1は、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)11と、実行するプログラムや必要なデータを格納するRAM(Random Access Memory)12やROM(Read Only Memory)13などのメモリと、他の装置と通信を制御するためのインタフェース(I/F)14とを備えている。
【0018】
制御装置1は、例えば、各種センサ6やGPS受信装置7から出力される情報を用いて現在地を算出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図情報を地図DB(Database)51から取得する。また、取得した地図情報をグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、地図DB51を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を算出して、ディスプレイ2へ表示する。また、音声入出力装置4のスピーカ42介してユーザを誘導するための音声を出力する。また、入力装置3やマイクロフォン41を介してユーザの要求を受け付け、要求に対応する処理を実行する。また、FM多重放送・ビーコン受信装置8や通信装置9を介して、情報センターから交通情報などを受信してディスプレイ2へ表示する。
【0019】
ディスプレイ2は、制御装置1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどで構成される。
【0020】
入力装置3は、ユーザの指示をユーザの操作により受け付けるためのユニットである。入力装置3は、タッチ入力検出装置31と、ダイヤルスイッチ、ジョイスティック、キーボードなどのハードスイッチ(図示しない)で構成される。タッチ入力検出装置31は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透過するいわゆるタッチパネルである。タッチ入力検出装置31は、ユーザのタッチ操作を検出し、タッチ位置とともに制御装置1に出力する。タッチ入力検出装置31は、例えば、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。ダイヤルスイッチは、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、制御装置1に出力する。
【0021】
音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42とを備える。マイクロフォン41は、ユーザその他の搭乗者の発した音声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得して制御装置1に出力する。スピーカ42は、制御装置1で生成したユーザへのメッセージを音声に変換して出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配置されている。ただし、一体の筐体に収納されていてもよい。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0022】
記憶装置5は、制御装置1が各種処理を実行するために必要な、プログラムやデータ(図示せず)、ナビゲーション処理に使用される地図DB51、音声認識に使用される音声辞書(図示せず)などを格納する。これらの情報は、制御装置1のCPU11によってRAM12上に読み出されて使用される。記憶装置5は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM、DVD-ROMなどにより構成される。
【0023】
図2を参照して、地図DB51について説明する。
【0024】
本図に示すように、地図DB51は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)5110ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ5120を含んでいる。リンクデータ5120は、リンクの識別コード(リンクID)5121ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報5122、リンクを含む道路の種別情報5123、リンクの長さを示すリンク長情報5124、リンク旅行時間5125、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)5126、リンクに含まれる車線の数を示す車線数5127などを含んでいる。リンクの道路種別には、有料道路か否かの情報が格納されている。もちろん、地図DB51の構成は上記に限られない。
【0025】
また、地図DB51は、カテゴリ情報5150を含んでいる。後述するように、カテゴリ情報5150は、経由地を探索するために使用される。本図に示すように、カテゴリ情報5150は、カテゴリを識別するためのコード(カテゴリID)5151ごとに、そのカテゴリに含まれる地点の座標5152および名称5153を含んでいる。また、カテゴリID5151には、検索フラグ5154が対応付けられている。
【0026】
カテゴリID5151は、所定のカテゴリごとに予め割り当てられた識別情報である。ここで、カテゴリは、目的地や経由地として設定可能な少なくとも1以上の地図上の地点を、例えば、娯楽施設、飲食、スポーツ施設などのジャンルや、コンビニ、スーパー、トイレ、ドライブスルーなどの用途ごとに、上位概念でグループ化したものである。
【0027】
座標5152は、カテゴリに含まれる各地点の位置を示す座標情報である。名称5153は、各地点の固有の名称を示す情報である。
【0028】
検索フラグ5154は、対応するカテゴリが後述する「そこでもいい検索」の対象のカテゴリであるかどうかを示す情報である。例えば、設定値が「1(ON)」の場合、「そこでもいい検索」の対象であることを示し、設定値が「0(OFF)」の場合、「そこでもいい検索」の対象でないことを示す。
【0029】
図1に戻って、各種センサ6は、車両の現在位置の算出するためのデータを収集する装置であり、例えば、車速センサ、ジャイロセンサ、加速度センサなどからなる。収集されたデータは、制御装置1に送られて、ナビゲーション処理に使用される。もちろん、各種センサ6は、車内LANやCANを介してナビゲーション装置100と接続されていてもよい。
【0030】
GPS受信装置7は、GPS衛星からの信号を受信して、車両の現在位置を示す位置情報を生成するための装置である。生成された位置情報は、制御装置1に送られて、ナビゲーション処理に使用される。
【0031】
FM多重放送・ビーコン受信装置8は、交通情報配信センタなどから送られてくる交通情報を、FM多重放送電波や、道路上に設置された電波ビーコンや光ビーコンなど(いずれも図示せず)を介して受信するための装置である。受信された交通情報は、制御装置1に送られて交通情報の表示に使用される。
【0032】
通信装置9は、例えば、一般的な携帯電話で構成され、交通情報配信センタなど送られてくる交通情報を、携帯電話回線および基地局を介して受信するための装置である。また、車両が収集した交通情報などを交通情報配信センタに送信する。
【0033】
次に、図3を参照して、ナビゲーション装置100の機能構成について説明する。
【0034】
本図に示すように、ナビゲーション装置100は、主制御部102と、表示処理部104と、ユーザ操作解析部106と、現在地算出部108と、目的地設定部110と、経由地設定部112と、経路算出部114と、経路変更要否判定部116と、経由地選択部118とを備える。これらの機能部は、制御装置1のCPU11が、記憶装置5やROM12から、プログラムやプログラムの実行に必要なデータをRAM13上にロードし、プログラムを実行することにより構築される。
【0035】
主制御部102は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、主制御部102は、ナビゲーション装置100の本来の基本動作であるナビゲーション処理(例えば、交通情報の表示、現在位置の表示、経路の表示、経路誘導等)を実施する。具体的には、現在地算出部108が算出した現在地周辺の地図情報を地図DB51から取得する。そして、取得した地図情報に現在地情報を重ねて表示するように表示処理部104に指示する。また、経路算出部114が算出した経路情報がある場合は、その経路を表示するように表示処理部104に指示する。また、スピーカ42を用いてユーザを案内する音声を出力する。また、ユーザ操作解析部106を介して受け付けたユーザの操作に対応する処理を行う。
【0036】
表示処理部104は、他の機能部の指示を受け付け、ディスプレイ2に画面を表示させるための描画コマンドを生成して出力する。例えば、指定されたスケール、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、経由地、目的地、推奨経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。また、ユーザの指示を受け付けるためのメニュー項目や、操作ボタンなどの画像を描画するように描画コマンドを生成する。
【0037】
ユーザ操作解析部106は、入力装置3を介して入力されたユーザの操作を受け付け、その操作内容を解析して、その操作内容に対応する処理が実行されるように他の機能部を制御する。また、マイクロフォン41を介して入力された音声から、音声認識により対応する操作内容を解析して、その操作内容に対応する処理が実行されるように他の機能部を制御する。例えば、ユーザが推奨経路の探索を要求したときは、目的地の設定を受け付けるための地図情報やダイアログ、ウインドウなどを表示する処理を、主制御部102に要求する。
【0038】
現在地算出部108は、所定の間隔毎(例えば、所定距離毎、所定時間毎)に、各種センサ6とGPS受信装置7とから出力される情報を用いて現在地を算出する。算出された現在地情報は、主制御部102、経路算出部114などに送られてそれらの処理に使用される。
【0039】
目的地設定部110は、入力装置3やマイクロフォン41を介して入力されたユーザが指定する目的地の情報を取得して、その目的地の座標情報や、その目的地が含まれるリンク(所定の地点(ノード)を結ぶ道路)情報を保持する。
【0040】
経由地設定部112は、入力装置3やマイクロフォン41を介して入力されたユーザが指定する経由地の情報を取得して、その経由地の座標情報や、その経由地が含まれるリンク(所定の地点(ノード)を結ぶ道路)情報を保持する。経由地がカテゴリに属する場合には、そのカテゴリIDを保持する。また、後述するように、経由地が変更された場合には、変更後の経由地の情報を保持する。
【0041】
経路算出部114は、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ推奨経路の探索を行う。具体的には、まず、現在地算出部108から現在地を、目的地設定部110から目的地を取得する。また、地図情報を地図DB51から取得する。そして、ダイクストラ法等を用いて、2地点(現在地と目的地)間を結ぶ経路を、所定の地点(ノード)を結ぶ道路(リンク)をリンクコスト(例えば、距離や旅行時間)に換算して、経路上の総コストが他の経路に対して最少となる経路を探索する。FM多重放送・ビーコン受信装置8を介して取得した交通情報を用いて最適な経路を探索するようにしてもよい。探索の結果算出された経路情報は、主制御部102によるナビゲーション処理に使用される。
【0042】
また、経路算出部114は、経由地が設定されている場合、2地点(現在地、目的地)間を結び、かつ、指定された経由地を通る推奨経路の探索を行う。具体的には、まず、現在地算出部108から現在地を、目的地設定部110から目的地を、経由地設定部112から経由地を取得する。また、地図情報を地図DB51から取得する。そして、2地点(現在地、目的地)間を結び、かつ、経由地を通る経路を、リンクコストに換算して、経路上の総コストが他の経路に対して最少となる経路を探索する。FM多重放送・ビーコン受信装置8を介して取得した交通情報を用いて最適な経路を探索するようにしてもよい。探索の結果算出された経路情報は、主制御部102によるナビゲーション処理に使用される。
【0043】
また、経路算出部114は、後述する経路変更要否判定部116により経路の変更が必要であると判定された場合に、経路の再探索を行う。カテゴリに属する経由地が設定されている場合は、後述する経由地選択部118が選択した候補経由地ごとに最適な経路を算出し、それらの候補経路の中から最適な経路を探索する。再探索の結果算出された経路情報は、主制御部102によるナビゲーション処理に使用される。
【0044】
経路変更要否判定部116は、経路の変更が必要であるか否かを判定する。具体的には、所定の間隔毎(例えば、所定距離毎、所定時間毎)に、現在地算出部108から現在地を取得し、現在地が、設定されている経路から外れていないか監視する。そして、現在地が経路から外れている場合は、経路の変更が必要であると判定する。もちろん、経路の変更が必要であるか否かの判定条件は上記に限られず、例えば、経路上の道路状況に応じて、すなわち、渋滞や事故などが発生した場合に、経路の変更が必要であると判定するようにしてもよい。また、単に、所定の間隔毎に、経路の変更が必要であると判定するようにしてもよい。
【0045】
経由地選択部118は、経路変更要否判定部116により経路の変更が必要であると判定された場合に、経由地の候補を選出する。具体的には、まず、現在地算出部108から現在地を、目的地設定部110から目的地を、経由地設定部112から経由地およびカテゴリIDを取得する。また、地図情報を地図DB51から取得する。そして、カテゴリ情報5150を用いて、取得したカテゴリIDが示すカテゴリに属する地点の中から、候補経由地を選出する。候補経由地は、例えば、現在地と目的地とを結ぶ推奨経路から所定の範囲の領域内に位置する地点を選択することにより選出される。選出された候補経由地は、経路算出部114による経路算出に使用される。また、経由地選択部118は、ユーザがカテゴリの指定により経由地の設定操作を行う場合に、経由地の候補を選出する。この場合、ユーザが指定したカテゴリのカテゴリIDを取得することで、候補経由地を選出する。
【0046】
次に、上述のハードウェアおよび機能部により実現される処理について、図4〜8を参照して説明する。
【0047】
図4は、経路を変更する処理の流れを示すフロー図である。本フローは、経路が設定されることにより開始される。図5、6は、経由地の設定の際のUI(User Interface)画面の遷移例を示す図である。図7は、経路の変更の際のUI画面の遷移例を示す図である。図8は、「そこでもいい検索」機能を設定するためのUI画面の例を示す図である。
【0048】
図4のフローが開始されると、経路変更要否判定部116は、経路の変更が必要であるか否かを定期的に監視する(S100)。具体的には、現在地算出部108から現在地を取得し、現在地が、設定されている経路から外れていないかを判定する。そして、現在地が経路から外れていると判定した場合のみ(S100でYES)、経路変更が必要であるため、処理をS110に進める。
【0049】
経路変更が必要であると判定された場合(S100でYES)、経路算出部114は、経由地が設定されているか否かを判定する(S110)。具体的には、経路算出部114は、経由地設定部112に経由地が設定されているか否かを判断する。そして、経由地が設定されていると判定した場合(S110でYES)、処理をS200に進める。一方、経由地が設定されていないと判定した場合(S110でNO)、処理をS120に進める。
【0050】
ここで、ユーザの操作による経由地の設定について、図5、6を参照して説明する。
【0051】
本図に示すように、ディスプレイ2には、地図202と、現在地マーク204と、経路情報206と、目的地マーク208とが表示されている。これらの情報は、主制御部102が、現在地算出部108から現在地を、目的地設定部110から目的地を、経路算出部114から経路情報を、地図DB51から地図情報を取得し、表示処理部104に指示することにより表示される。なお、目的地が設定されている場合は、目的地をユーザに知らせるためのメッセージ252が表示されるようにしてもよい。
【0052】
ユーザ操作解析部106を介して入力されたユーザの操作を受け付けると、主制御部102は、図5(A)に示すように、操作画面254を地図202に重ねて表示する。操作画面254には、「目的地設定」、「経由地設定」、「各種設定」などの各種処理内容に対応するボタンが設けられている。ボタンが多い場合にはスクロールできるようにしてもよい。
【0053】
操作画面254上の「経由地設定」ボタンの操作を受け付けると、主制御部102は、図5(B)に示すように、操作画面256を表示する。操作画面256には、「住所」、「電話番号」、「名称」、「カテゴリ」などの経由地の検索方法に対応するボタンが設けられている。ボタンが多い場合にはスクロールできるようにしてもよい。例えば、「住所」ボタンは、ユーザが要求する経由地の住所を入力させるための操作画面に遷移するためのボタンである。「カテゴリ」ボタンは、上述したカテゴリをユーザに選択させるための操作画面に遷移するためのボタンである。ここでは、カテゴリにより経由地を設定するものとして説明する。
【0054】
操作画面256上の「カテゴリ」ボタンの操作を受け付けると、主制御部102は、図5(C)に示すように、操作画面258を表示する。操作画面258には、「コンビニ」、「スーパー」などのカテゴリに対応するボタンが設けられている。ボタンが多い場合にはスクロールできるようにしてもよい。
【0055】
操作画面258上のいずれかのカテゴリのボタンの操作を受け付けると、主制御部102は、図6(D)に示すように、候補経由地マーク210をディスプレイ2に表示する。具体的には、まず、経由地選択部118は、ユーザが指定したカテゴリのカテゴリIDを取得する。そして、カテゴリ情報5150を用いて、取得したカテゴリIDが示すカテゴリに属する地点の中から、候補経由地を選出する。主制御部102は、経由地選択部118により選出された候補経由地を表示する。
【0056】
ユーザの操作により入力装置3を介して、表示された候補経由地の中からいずれかの経由地の指定を受け付けると、経路算出部114は、2地点(現在地、目的地)間を結び、かつ、指定された経由地を通る推奨経路の探索を行う。また、経由地設定部112は、指定された経由地の座標情報およびカテゴリIDを含む経由地情報を取得して保持する。主制御部102は、経路算出部114により算出された経路を、図6(E)に示すように、経路情報206として表示する。また、指定された経由地以外の経由地マーク210の表示を消去する。なお、経由地をユーザに知らせるためのメッセージ253を表示するようにしてもよい。
【0057】
以上のようにして、ユーザの操作により経由地が設定される。
【0058】
図4に戻って、経由地が設定されていないと判定した場合(S110でNO)、経路算出部114は、2地点(現在地、目的地)間を結ぶ経路を算出する(S120)。具体的には、経路算出部114は、現在地算出部108から現在地を、目的地設定部110から目的地を、地図情報を地図DB51から取得して経路を算出する。
【0059】
経路が算出されると、主制御部102は、当該経路をディスプレイ2に表示して経路誘導を開始する(S130)。そして、処理をS100に戻す。
【0060】
一方、経由地が設定されていると判定した場合(S110でYES)、経路算出部114は、当該経由地がカテゴリに属し、かつ、「そこでもいい検索」の機能が有効となっているか否か判定する(S200)。
【0061】
ここで、「そこでもいい検索」機能について説明する。この機能が無効(OFF)に設定されている場合、設定されている経由地は、ユーザ操作により再設定されない限り変更されない。一方、この機能が有効(ON)に設定されている場合、経由地は、経路の変更が実行される際に、当該経由地の属するカテゴリに属する他の経由地に変更されることがある。「そこでもいい検索」機能のON/OFFを設定するための画面は、例えば、図8に示す、操作画面270のように構成される。操作画面270には、設定対象項目ごとに、ON/OFFいずれかを指定するためのラジオボタンが対応付けられている。もちろん、操作画面270の構成は上記に限られない。なお、操作画面270は、操作画面254(図5(A))上の「各種設定」ボタンの操作により表示される。
【0062】
図4に戻って、S200において、経路算出部114は、経由地設定部112から経由地情報を取得して、当該経由地がいずれかのカテゴリに属するか否かを判定する。また、「そこでもいい検索」機能がONであるか否かを判定する。そして、経由地がいずれかのカテゴリに属し、かつ、「そこでもいい検索」機能がONであると判定した場合(S200でYES)、図7(F)に示すように、「そこでもいい検索」を開始することをユーザに告知するメッセージ260をディスプレイ2に表示して、処理をS210に進める。上記以外の場合(S200でNO)、処理をS260に進める。
【0063】
経由地がいずれかのカテゴリに属し、かつ、「そこでもいい検索」機能がONである場合(S200でYES)、経路算出部114は、設定されている経由地が属するカテゴリの検索フラグがONであるか否かを判定する(S210)。具体的には、経路算出部114は、経由地設定部112から経由地のカテゴリIDを取得する。そして、カテゴリ情報5150を用いて、取得したカテゴリIDに対応付けられた検索フラグ5154の値(「1(ON)」または「0(OFF)」)を取得する。取得した検索フラグの値が「ON」を示している場合(S210でYES)、経路算出部114は、処理をS220に進める。一方、取得した検索フラグの値が「OFF」を示している場合(S210でNO)、経路算出部114は、経由地の変更を行わないと判断して、処理をS260に進める。
【0064】
なお、各カテゴリを「そこでもいい検索」の対象とするか否かは、設定画面(図示しない)上のユーザ操作により設定されることができる。この設定画面は、例えば、カテゴリごとに、ON/OFFを指定することができるように構成される。入力装置3を介して、各カテゴリのON/OFF情報を受け付けて、主制御部102は、対応するカテゴリの検索フラグ5154として設定する。
【0065】
S220において、経由地選択部118は、候補経由地を選出する。具体的には、まず、経由地選択部118は、経由地設定部112から経由地のカテゴリIDを取得する。そして、カテゴリ情報5150を用いて、取得したカテゴリIDが示すカテゴリに属する地点の中から、経路算出部114により算出された推奨経路から所定の範囲内にある地点を抽出し、候補経由地として選出する。
【0066】
候補経由地が選出されると(S220)、経路算出部114は、候補経由地ごとに最適経路を算出する(S230)。具体的には、経路算出部114は、現在地算出部108から現在地を、目的地設定部110から目的地を、候補経由地を経由地選択部118から、地図情報を地図DB51から取得して、候補経由地ごとの最適経路(候補経路)を算出する。
【0067】
候補経路を算出すると(S230)、経路算出部114は、それらの候補経路の中から、所定の条件を満たす経路があるか否かを判定する(S240)。ここで、所定の条件として、例えば、設定されている経由地を通過する経路よりも総リンクコストが小さく、また、候補経路の中で総リンクコストが最小である経路を選択する条件を定めることができる。総リンクコストの換算には、距離や時間に加え、交通状況、道路の太さ、方角、右左折回数などを考慮してもよい。所定の条件を満たす経路があると判定した場合(S240でYES)、変更後の経由地情報を経由地設定部112に設定し、処理をS250に進める。一方、所定の条件を満たす経路がないと判定した場合(S240でNO)、処理をS260に進める。
【0068】
S250において、主制御部102は、所定の条件を満たす経路をディスプレイ2に表示して経路誘導を開始する。また、図7(G)に示すように、「そこでもいい検索」により、経路を変更したことをユーザに告知するメッセージ262をディスプレイ2に表示する。そして、S100に戻る。なお、図7(G)では、説明を判り易くするため、変更前の経路情報207と、変更前の経由地マーク211を示している。
【0069】
一方、経由地がいずれのカテゴリにも属さない、かつ、「そこでもいい検索」機能が有効でない場合、若しくは、これらのいずれか一つに該当する場合(S200でNO)、または、経由地が属するカテゴリが「そこでもいい検索」の対象でない場合(S210でNO)、または、所定の条件を満たす経路がない場合(S240でNO)、経路算出部114は、設定されている経由地を用いて最適経路を算出する(S260)。具体的には、経路算出部114は、現在地算出部108から現在地を、目的地設定部110から目的地を、経由地を経由地設定部112から、地図情報を地図DB51から取得して、最適経路を算出する。
【0070】
S270において、主制御部102は、算出した経路(S260)をディスプレイ2に表示して経路誘導を開始する。そして、S100に戻る。
【0071】
以上のようにして、自動的に経路の変更が実行される。
【0072】
以上、本発明の一実施形態について説明した。本実施形態によれば、自動的にユーザの要求を満たす経由地を通過する経路が設定される。すなわち、ユーザにとって経由地が「そこでなくてもいい(そこでもいい)」場合に、オートリルートが実行されると、設定されていた経由地と同一カテゴリに属する経由地の中から、経路が最適となる経由地を通過する経路が再設定される。これにより、経由地に立ち寄るというユーザの要求を達成するとともに、ユーザを最適な経路で目的地へ誘導することができる。
【0073】
以上、本発明について、例示的な実施形態と関連させて記載した。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかであることは明白である。したがって、上に記載の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【図2】地図DBの構成を説明するための図。
【図3】ナビゲーション装置の機能構成を示すブロック図。
【図4】経路を変更する処理の流れを示すフロー図。
【図5】経由地の設定の際のUI画面の遷移例を示す図。
【図6】経由地の設定の際のUI画面の遷移例を示す図。
【図7】経路の変更の際のUI画面の遷移例を示す図。
【図8】「そこでもいい検索」機能を設定するためのUI画面の例を示す図。
【符号の説明】
【0075】
1…制御装置、2…ディスプレイ、3…入力装置、4…音声入出力装置、5…記憶装置、6…各種センサ、7…GPS受信装置、8…FM多重放送・ビーコン受信装置、9…通信装置、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…インタフェース、31…タッチ入力検出装置、41…マイクロフォン、42…スピーカ、51…地図DB、100…ナビゲーション装置、102…主制御部、104…表示処理部、106…ユーザ操作解析部、108…現在地算出部、110…目的地設定部、112…経由地設定部、114 …経路算出部、116 …経路変更要否判定部、118…経由地選択部、202…地図、204…現在地マーク、206…経路情報、207…変更前の経路情報、208…目的地マーク、210…経由地マーク、211…変更前の経由地マーク、252…メッセージ、253…メッセージ、254…操作画面、256…操作画面、258…操作画面、270…操作画面、5110…メッシュID、5120…リンクデータ、5121…リンクID、5122…座標情報、5123…種別情報、5124…リンク長情報、5125…リンク旅行時間、5126…接続リンクID、5127…車線数、5150…カテゴリ情報、5151…カテゴリID、5152…座標、5153…名称

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を用いて経路を算出して経路誘導を行うナビゲーション装置であって、
経由地として設定可能な地点を所定のカテゴリでグループ化したカテゴリ情報を記憶する記憶手段と、
現在地を算出する現在地算出手段と、
指定された地図上の地点を経由地として設定する経由地設定手段と、
指定された地図上の地点を目的地として設定する目的地設定手段と、
前記現在地と、前記経由地と、前記目的地とを結ぶ経路を算出する経路算出手段と、
前記経路の変更を行うか否かを判定する経路変更要否判定手段と、
を備え、
前記経路算出手段は、
前記経路変更要否判定手段により前記経路の変更を行うと判定された場合、前記カテゴリ情報を用いて、前記経由地設定手段で設定された経由地が属するカテゴリの中から経由地を選択して、新たな経由地として設定し、当該経由地を含む経路を算出すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記経路算出手段は、
前記経由地設定手段で設定された経由地に代えて、前記新たな経由地を設定し、当該経由地を含む経路を算出すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1、2いずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記カテゴリ情報には、前記カテゴリごとに、前記新たな経由地を含む経路を算出すべきか否かを示すフラグ情報が含まれ、
前記経路算出手段は、
前記経由地設定手段で設定された経由地が属するカテゴリの前記フラグ情報が、前記新たな経由地を含む経路を算出すべきことを示す場合に、当該経路を算出すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記経路変更要否判定手段は、
前記現在地が前記経路から外れた場合に当該経路の変更を行うと判定すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記経路算出手段は、
設定された前記経由地が属するカテゴリの中から、前記現在地から前記目的地までのコストが最小となる経由地を選択すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
地図情報を用いて経路を算出して経路誘導を行うナビゲーション装置における経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
経由地として設定可能な地点を所定のカテゴリでグループ化したカテゴリ情報を記憶しており、
現在地を算出する現在地算出ステップと、
指定された地図上の地点を経由地として設定する経由地設定ステップと、
指定された地図上の地点を目的地として設定する目的地設定ステップと、
前記現在地と、前記経由地と、前記目的地とを結ぶ経路を算出する経路算出ステップと、
前記経路の変更を行うか否かを判定する経路変更要否判定ステップと、を行い、
前記経路算出ステップは、
前記経路変更要否判定ステップにおいて前記経路の変更を行うと判定された場合、前記カテゴリ情報を用いて、前記経由地設定ステップにおいて設定された経由地が属するカテゴリの中から経由地を選択して、新たな経由地として設定し、当該経由地を含む経路を算出すること、
を特徴とする経路探索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−38824(P2010−38824A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204353(P2008−204353)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】