説明

パターン形状検査方法及び半導体装置の製造方法

【課題】SWTプロセスにおいて、パターン形状を高精度で検査可能なパターン形状検査方法、及び半導体装置の品質を向上可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に周期的に形成された第1のパターンの側壁を被覆する側壁部よりなる第2のパターンの断面形状を検査するパターン形状検査方法であって、第2のパターンが形成された基板に入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる測定データを得る測定ステップS21と、前記側壁部の断面形状を決定する形状パラメータが異なる複数の断面形状モデルについて、計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる複数の計算データを計算し、計算データが第2のパターンの測定データと最もマッチングするように形状パラメータを決定することによって、第2のパターンの断面形状を決定する決定ステップS22〜S25とを含むことを特徴とするパターン形状検査方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン形状検査方法及び半導体装置の製造方法に係り、特にSWT法を含むダブルパターニング技術を用いて半導体装置を製造する際のパターン形状検査方法及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体装置等の製造工程においては、半導体ウェハ等の基板にプラズマエッチング等のエッチング処理を施して、微細な回路パターン等を形成することが行われている。このようなエッチング処理工程では、フォトレジストを用いたフォトリソグラフィ工程によって、エッチングマスクを形成することが行われている。
【0003】
ここで、フォトリソグラフィにおける解像度は、プロセス条件と光学系で決まる定数k、露光光の波長λ、レンズの開口数NAを用いてk×λ/NAと表される。また、開口数NAは、屈折率nに比例する。従って、露光に用いる光の波長を短くし、光学系の屈折率を大きくすることによって、解像度は小さくなる。この原理に従って微細化を実現している例がArF液侵リソグラフィである。
【0004】
ところが、半導体装置の最先端のデザインルールが45nmから更に32nmと微細化するのに伴い、フォトレジスト膜を光学系を用いて露光し、現像してパターンを形成するフォトリソグラフィだけでは、半導体装置の微細化に追従できなくなってきている。従って、フォトリソグラフィ技術の微細化だけに依存しない、新しい種々の技術が開発されている。その一つとして、所謂ダブルパターニングプロセス(ダブルパターニング技術)がある。このダブルパターニング技術は、第1のマスクパターン形成ステップと、この第1のマスクパターン形成ステップの後に行われる第2のマスクパターン形成ステップの2段階のパターニングを行うことによって、1回のパターニングでエッチングマスクを形成する場合より微細な間隔を形成するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、例えばSiO膜やSi膜等を犠牲膜として使用し、1つのパターンの両側の側壁部分にマスクを形成して使用するSWT(Side Wall Transfer)プロセスを用いて、最初にフォトレジスト膜を露光、現像して得られたフォトレジストのパターンよりも微細なピッチでパターニングを行う方法も知られている。この方法は、まずフォトレジストのパターンの上にSi膜等を形成した後、芯部となるSiO膜の側面を被覆する側壁部にのみSi膜が残るようにエッチバックし、この後、ウェットエッチングにより芯部のSiO膜を除去して、残った側壁部であるSi膜をマスクとして、下層のエッチングを行うものである。
【0006】
また、側壁部を形成する膜の成膜技術においては、フォトレジストのパターンの上に成膜するという理由から、より低温で成膜することが要求される。このような低温で成膜する技術としては、化学気相法によって行う方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2007−027742号公報
【特許文献2】特開2006−179819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記のSWTプロセスを含むダブルパターニング技術を用いて半導体装置を製造する場合、次のような問題があった。
【0008】
SWTプロセスにおけるサイドウォール(Sidewall:側壁)の厚み(幅)が非常に薄い(現状では20〜30nm)ため、SWTプロセスにおいて側壁を形成するための材料を成膜する成膜工程、及びその後側壁を形成する材料をエッチバックするエッチバック工程においては、ウェハ面内、またはウェハ間において、常に略一定の形状のパターンが得られるようにするために、細心の注意が必要である。万一、側壁の形状を規定する側壁の底部の幅、側壁の高さ、及び側壁の側面の基板上面からの傾斜角が設計通りの形状に形成されていなかった場合、側壁の形状が設計通りの形状でないことを知らずに次の工程、すなわち側壁をハードマスクとしてエッチングを行うエッチング工程に進んでしまうと、上記ハードマスクの下層の膜に当初の設計通りのライン&スペースを有するパターンが転写(Transfer)されないこととなる。そして、上記エッチング工程以降の検査で不良が判定されたとしても、後の工程に進んだ後では、ウェハを再生して再度プロセスを行うことは困難となるという問題があった。
【0009】
更に、SWTプロセスにおいて、側壁の形状は、対称な形状であることを前提として設計されている。従って、側壁の形状を規定する側壁の底部の幅、側壁の高さ、及び側壁の側面の基板上面からの傾斜角が、左右の側壁の平均値としては設計通りであるが、左右の側壁の各々の設計通りの形状に形成されていなかった場合、この非対称な側壁の形状が設計通りの形状でないことを知らずに次のエッチング工程に進んでしまうと、上記ハードマスクの下層の膜に当初の設計通りのライン&スペースを有するパターンが転写されず、上記エッチング工程以降の検査で不良が判定されたとしても、ウェハを再生することは困難となるという問題があった。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、SWTプロセスを含むダブルパターニング技術を用いて半導体装置を製造する製造プロセスにおいて、サイドウォール(側壁)の形状を高精度で測定することによってパターン形状を検査することのできるパターン形状検査方法を提供し、そのパターン形状検査方法を含むことによって、製造される半導体装置の品質及び製造プロセスの生産性を向上させることのできる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0012】
第1の発明に係るパターン形状検査方法は、基板上に周期的に形成された第1のパターンの側壁を被覆する側壁部よりなる第2のパターンの断面形状を検査するパターン形状検査方法であって、前記第2のパターンが形成された前記基板に所定の入射角で入射光を入射し、該入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる測定データを得る測定ステップと、前記側壁部の断面形状を決定する形状パラメータを含む前記第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを用い、前記形状パラメータが異なる複数の断面形状モデルに対応して、各々の該断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンに前記入射光が回折反射される反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる複数の計算データを計算し、前記計算データが前記第2のパターンの前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定し、該モデルパターンに対応する前記形状パラメータを決定することによって、前記第2のパターンの断面形状を決定する決定ステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
第2の発明は、第1の発明に係るパターン形状検査方法において、前記決定ステップ後、決定された前記形状パラメータと、該形状パラメータの所定の上限基準値及び下限基準値との大小関係を判定し、前記形状パラメータが前記上限基準値より大きい場合又は前記下限基準値より小さい場合に警報を出力する判定ステップを含むことを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第1又は第2の発明に係るパターン形状検査方法において、前記形状パラメータは、夫々前記側壁部の幅、高さ又は前記基板の上面からの傾斜角であることを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、第1乃至第3の何れか一つの発明に係るパターン形状検査方法において、前記決定ステップは、前記複数の前記計算データを予め計算し、予め計算した該複数の計算データを格納したデータベースを用い、該データベースに格納された前記計算データが前記第2のパターンの前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定することを特徴とする。
【0016】
第5の発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上の被エッチング層の上に有機膜を形成する工程と、前記有機膜をフォトリソグラフィにより加工し、所定のピッチを有する第1のパターンを形成する第1パターン形成工程と、前記第1のパターンの側面を被覆するように前記被エッチング層上に酸化シリコン膜を成膜する成膜工程と、前記酸化シリコン膜が前記第1のパターンの側壁部として残るようにエッチングするエッチング工程と、前記第1のパターンの前記有機膜を除去することによって残った前記側壁部で構成される第2のパターンを形成する第2パターン形成工程と、第1乃至第4の何れか一つの発明に係るパターン形状検査方法を行うパターン形状検査工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
第6の発明は、第5の発明に係る半導体装置の製造方法において、前記有機膜は、BARC膜又はフォトレジスト膜であることを特徴とする。
【0018】
第7の発明は、第5又は第6の発明に係る半導体装置の製造方法において、前記パターン形状検査方法を、前記エッチング工程と前記第2パターン形成工程との間に行うことを特徴とする。
【0019】
第8の発明に係る半導体装置の製造方法は、第1の基板上に第7の発明に係る半導体装置の製造方法を用いて半導体装置を製造する第1の製造工程と、第1の製造工程の後、第2の基板上に第7の発明に係る半導体装置の製造方法を用いて半導体装置を製造する第2の製造工程とを含む半導体装置の製造方法であって、前記第1の製造工程に含まれる前記パターン形状検査工程において決定された前記形状パラメータと、該形状パラメータの所定の下限値との大小関係を判定し、前記形状パラメータが前記下限値より小さい場合に、前記第2の製造工程に含まれる前記エッチング工程におけるエッチング時間を、前記第1の製造工程に含まれる前記エッチング工程におけるエッチング時間より短くなるように変更し、第2の製造工程を行うことを特徴とする。
【0020】
第9の発明に係るパターン形状検査方法は、基板上に周期的に形成された第1のパターンの一の側の側壁を被覆する第1の側壁部と、該第1のパターンの該一の側と反対側の側壁を被覆する第2の側壁部とよりなる第2のパターンの断面形状を検査するパターン形状検査方法であって、前記第2のパターンが形成された前記基板に所定の入射角で入射光を入射し、該入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる測定データを得る測定ステップと、前記第1の側壁部の断面形状を決定する第1の形状パラメータと、該第1の形状パラメータに対応し、前記第2の側壁部の断面形状を決定する第2の形状パラメータとを含む前記第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを用い、前記第1の形状パラメータ又は前記第2の形状パラメータが異なる複数の断面形状モデルに対応して、各々の該断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンに前記入射光が回折反射される反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる複数の計算データを計算し、前記計算データが前記第2のパターンの前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定し、該モデルパターンに対応する前記第1の形状パラメータ及び前記第2の形状パラメータを決定することによって、前記第2のパターンの断面形状を決定する決定ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
第10の発明は、第9に発明に係るパターン形状検査方法において、前記決定ステップ後、決定された前記第1の形状パラメータと前記第2の形状パラメータとの間の寸法差と、所定の基準値との大小関係を判定し、前記寸法差が前記基準値より大きい場合に警報を出力する判定ステップを含むことを特徴とする。
【0022】
第11の発明は、第9又は第10の発明に係るパターン形状検査方法において、前記第1の形状パラメータ及び前記第2の形状パラメータは、夫々前記第1の側壁部及び前記第2の側壁部の幅、高さ又は前記基板の上面からの傾斜角であることを特徴とする。
【0023】
第12の発明は、第9乃至第11の何れか一つの発明に係るパターン形状検査方法において、前記決定ステップは、前記複数の前記計算データを予め計算し、予め計算した該複数の計算データを格納したデータベースを用い、該データベースに格納された前記計算データが前記第2のパターンの前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定することを特徴とする。
【0024】
第13の発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上の被エッチング層の上に有機膜を形成する工程と、前記有機膜をフォトリソグラフィにより加工し、所定のピッチを有する第1のパターンを形成する第1パターン形成工程と、前記第1のパターンの側面を被覆するように前記被エッチング層上に酸化シリコン膜を成膜する成膜工程と、前記酸化シリコン膜が前記第1のパターンの側壁部として残るようにエッチングするエッチング工程と、前記第1のパターンの前記有機膜を除去することによって残った前記側壁部で構成される第2のパターンを形成する第2パターン形成工程と、第9乃至第12の何れか一つの発明に係るパターン形状検査方法を行うパターン形状検査工程とを含むことを特徴とする。
【0025】
第14の発明は、第13の発明に係る半導体装置の製造方法において、前記有機膜は、BARC膜又はフォトレジスト膜であることを特徴とする。
【0026】
第15の発明は、第13又は第14の発明に係る半導体装置の製造方法において、前記パターン形状検査工程を、前記エッチング工程と前記第2パターン形成工程との間に行うことを特徴とする。
【0027】
第16の発明に係るパターン形状検査方法は、基板上に周期的に形成された第1のパターンを被覆する酸化シリコン膜の断面形状を検査するパターン形状検査方法であって、前記酸化シリコン膜が形成された前記基板に所定の入射角で入射光を入射し、該入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる測定データを得る測定ステップと、前記酸化シリコン膜の厚さを含む前記酸化シリコン膜の断面形状をモデル化した断面形状モデルを用い、前記厚さが異なる複数の断面形状モデルに対応して、各々の該断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンに前記入射光が回折反射される反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる複数の計算データを計算し、前記計算データが前記酸化シリコン膜の前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定し、該モデルパターンに対応する前記厚さを決定することによって、前記酸化シリコン膜の断面形状を決定する決定ステップとを含むことを特徴とする。
【0028】
第17の発明は、第16の発明に係るパターン形状検査方法において、前記決定ステップ後、決定された前記厚さと、該厚さの所定の上限基準値及び下限基準値との大小関係を判定し、前記厚さが前記上限基準値より大きい場合又は前記下限基準値より小さい場合に警報を出力する判定ステップを含むことを特徴とする。
【0029】
第18の発明に係るパターン形状検査方法は、基板上に周期的に形成された第1のパターンを被覆する酸化シリコン膜の断面形状を検査するパターン形状検査方法であって、前記酸化シリコン膜が形成された前記基板に所定の入射角で入射光を入射し、該入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる測定データを得る測定ステップと、前記第1のパターンの一の側の側壁を被覆する前記酸化シリコン膜の第1の厚さと、前記第1のパターンの前記一の側と反対側の側壁を被覆する前記酸化シリコン膜の第2の厚さとを含む前記酸化シリコン膜の断面形状をモデル化した断面形状モデルを用い、前記第1の厚さ又は前記第2の厚さが異なる複数の断面形状モデルに対応して、各々の該断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンに前記入射光が回折反射される反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる複数の計算データを計算し、前記計算データが前記酸化シリコン膜の前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定し、該モデルパターンに対応する前記第1の厚さ及び前記第2の厚さを決定することによって、前記酸化シリコン膜の断面形状を決定する決定ステップとを含むことを特徴とする。
【0030】
第19の発明は、第18の発明に係るパターン形状検査方法において、前記決定ステップ後、決定された前記第1の厚さと前記第2の厚さとの間の寸法差と、所定の基準値との大小関係を判定し、前記寸法差が前記基準値より大きい場合に警報を出力する判定ステップを含むことを特徴とする。
【0031】
第20の発明は、第16乃至第19の何れか一つの発明に係るパターン形状検査方法において、前記決定ステップは、前記複数の前記計算データを予め計算し、予め計算した該複数の計算データを格納したデータベースを用い、該データベースに格納された前記計算データが前記第2のパターンの前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定することを特徴とする。
【0032】
第21の発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上の被エッチング層の上に有機膜を形成する工程と、前記有機膜をフォトリソグラフィにより加工し、所定のピッチを有する第1のパターンを形成する第1パターン形成工程と、前記第1のパターンの側面を被覆するように前記被エッチング層上に酸化シリコン膜を成膜する成膜工程と、前記成膜工程の後、第16乃至第20の何れか一つの発明に係るパターン形状検査方法を行うパターン形状検査工程と、前記酸化シリコン膜が前記第1のパターンの側壁部として残るようにエッチングするエッチング工程と、前記第1のパターンの前記有機膜を除去することによって残った前記側壁部で構成される第2のパターンを形成する第2パターン形成工程とを含むことを特徴とする。
【0033】
第22の発明は、第21の発明に係る半導体装置の製造方法において、前記有機膜は、BARC膜又はフォトレジスト膜であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、SWTプロセスを含むダブルパターニング技術を用いて半導体装置を製造する際に、サイドウォール(側壁)の形状を高精度で測定することができるため、製造される半導体装置の品質及び製造プロセスの生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
【0036】
(第1の実施の形態)
図1乃至図6を参照し、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法及びパターン形状検査方法を説明する。
【0037】
初めに、図1及び図2を参照し、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。
【0038】
図1は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。図2は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法の工程を説明するための図であり、各工程における半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。また、図1の、ステップS11乃至ステップS17、及びステップS19の各々の工程が行われた後の半導体装置の構造は、図2A(a)乃至図2C(g)、及び図2C(h)の各々の断面図で示される構造に対応する。
【0039】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、図1に示されるように、第1パターン形成工程と、成膜工程と、エッチング工程と、第2パターン形成工程と、パターン形状検査工程と、被エッチング層をエッチングする工程を含む。第1パターン形成工程は、ステップS11乃至ステップS14の工程を含み、成膜工程は、ステップS15の工程を含み、エッチング工程は、ステップS16の工程を含み、第2パターン形成工程は、ステップS17の工程を含み、パターン形状検査工程は、ステップS18の工程を含み、被エッチング層をエッチングする工程は、ステップS19の工程を含む。すなわち、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、第2パターン形成工程の後に、パターン形状検査工程を行うことを特徴とする。
【0040】
始めに、ステップS11乃至ステップS14の工程を含む第1パターン形成工程を行う。
【0041】
ステップS11は、基板上の被エッチング層の上に有機膜を形成する工程である。図2A(a)は、ステップS11の工程が行われた後の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0042】
ステップS11では、図2A(a)に示されるように、基板11の上に、下から順に被エッチング層12、有機膜13を形成する。被エッチング層12は、パターンを形成されることにより、その後の種々の加工工程を行う場合のマスクとして機能する。有機膜13は、パターンが形成され、被エッチング層12のパターンを形成するためのマスクとして機能する。また有機膜13は、その上に形成されるフォトレジスト膜14のフォトリソグラフィを行う際の反射防止膜(BARC:Bottom Anti-Reflecting Coating)としての機能を有する場合もある。
【0043】
被エッチング層12の材質は、特に限定されるものではなく、例えばアモルファスシリコン、ポリシリコンを用いることができる。また、被エッチング層12の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば20〜200nmとすることができる。
【0044】
有機膜13の材質は、特に限定されるものではなく、例えば化学気相法(CVD:Chemical Vapor Deposition)により成膜されたアモルファスカーボン、スピンオンにより成膜されたポリフェノールやi線レジスト等のフォトレジストを含む広範な有機系の材料を用いることができる。また、有機膜13の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば150〜300nmとすることができる。
【0045】
ステップS12は、フォトレジスト膜14を成膜し、成膜されたフォトレジスト膜14を露光、現像してフォトレジスト膜14よりなるレジストパターン14aを形成する工程である。その結果、図2A(b)に示されるように、フォトレジスト膜14よりなるレジストパターン14aが形成される。レジストパターン14aは、有機膜13をエッチングする工程におけるマスクとして機能する。
【0046】
フォトレジスト膜14の材質は、例えばArFレジストを用いることができる。また、フォトレジスト膜14の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば50〜200nmとすることができ、レジストパターン14aのライン幅L4及びスペース幅S4は、特に限定されるものではなく、共に例えば60nmとすることができる。
【0047】
ステップS13は、レジストパターン14aを形成するフォトレジスト膜14をトリミングし、フォトレジスト膜14よりなるレジストパターン14bを形成する工程である。また、図2A(c)は、ステップS13の工程が行われた後の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0048】
トリミング方法は、特に限定されるものではなく、例えば酸素、窒素、水素、アンモニア等のプラズマを用いて行う。また、図2A(b)及び図2A(c)に示されるように、トリミングされてできるレジストパターン14bのライン幅L1は、トリミングを行う前のレジストパターン14aのライン幅L4に比べ細くなるので、レジストパターン14bのライン幅L1及びスペース幅S1と、レジストパターン14aのライン幅L4及びスペース幅S4との大小関係は、L1<L4、S1>S4となる。L1及びS1の値は、特に限定されるものではなく、例えばL1を30nm、S1を90nmとすることができる。
【0049】
ステップS14は、レジストパターン14bをマスクとして有機膜13をエッチングすることによって、有機膜13よりなる第1のパターン21を形成する第1パターン形成工程である。また、図2B(d)は、ステップS14の工程が行われた後の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0050】
トリミングを行った後、ライン幅がL4であるフォトレジスト膜14よりなるレジストパターン14bをマスクとして、有機膜13をエッチングし、有機膜13よりなるライン幅がL1のパターンを形成する。有機膜13のエッチングは、例えば有機膜13がSOG膜(又はSiON膜、又はLTO膜とBARCの複合膜)よりなる場合、例えば、CF、C、CHF、CHF、CH等のCF系ガスと、Arガス等の混合ガス、またはこの混合ガスに必要に応じて酸素を添加したガスを用いて行うことができる。
【0051】
次に、ステップS15の工程を含む成膜工程を行う。ステップS15は、第1のパターン21が形成された基板11の上にSiO膜15を成膜する成膜工程である。また、図2B(e)は、ステップS15の工程が行われた後の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0052】
なお、SiO膜は、本発明における酸化シリコン膜に相当する。また、以下において、SiO膜の代わりに、SiO膜を始めとし、シリコンと酸素を主成分として含む他の組成の膜であってもよい。また、酸窒化シリコン膜(SiON膜)を用いることもできる。
【0053】
SiOの成膜工程は、有機膜13が第1のパターン21として残った状態で行うが、一般的に有機膜13は、高温に弱いので、低温(例えば300℃以下程度)で成膜することが好ましい。成膜方法として、このように低温で成膜できるのであれば、特に限定されるものではなく、本実施の形態では、低温での分子層堆積(Molecular Layer Deposition、以下MLDという)、即ち低温MLDによって行うことができる。その結果、図2B(e)に示されるように、第1のパターン21が形成されている場所及び形成されていない場所を含め、基板全面にSiO膜15が成膜され、第1のパターン21の側面にも第1のパターン21の側面を被覆するようにSiO膜15が成膜される。このときのSiO膜15の厚さをDとすると、第1のパターン21の側面を被覆するSiO膜15の幅もDとなる。SiO膜15の厚さDは、特に限定されるものではなく、例えば30nmとすることができる。
【0054】
ここで、低温MLDによる成膜工程について説明する。
【0055】
低温MLDにおいては、シリコンを含む原料ガスを処理容器内に供給し、シリコン原料を基板上に吸着させる工程と、酸素を含むガスを処理容器内に供給し、シリコン原料を酸化させる工程とを交互に繰り返す。
【0056】
具体的には、シリコンを含む原料ガスを基板上に吸着させる工程においては、シリコンを含む原料ガスとして、1分子内に2個のアミノ基を有する網のシランガス、例えばビスターシャルブチルアミノシラン(以下、BTBASという)を、シリコン原料ガスの供給ノズルを介して処理容器内に所定の時間(T1)供給する。これにより、基板上にBTBASを吸着させる。T1の時間は、例えば1〜60secとすることができる。シリコンを含む原料ガスの流量は、10〜500mL/min(sccm)とすることができる。また、処理容器内の圧力は13.3〜665Paとすることができる。
【0057】
次に、酸素を含むガスを処理容器内に供給し、シリコン材料を酸化させる工程においては、酸素を含むガスとして、例えば高周波電源を備えたプラズマ生成機構によってプラズマ化されたOガスを、ガス供給ノズルを介して処理容器内に所定の時間(T2)供給する。これにより、基板上に吸着されたBTBASが酸化され、SiO膜15が形成される。T2の時間は、例えば5〜300secとすることができる。また、酸素を含むガスの流量は、100〜20000mL/min(sccm)とすることができる。また、高周波電源の周波数は13.56MHzとすることができ、高周波電源の電力は5〜1000Wとすることができる。また、処理容器内の圧力は13.3〜665Paとすることができる。
【0058】
また、上述したシリコンを含む原料ガスを基板上に吸着させる工程と、酸素を含むガスを処理容器内に供給し、シリコン材料を酸化させる工程とを切り換える際に、各々の工程の間に、直前の工程における残留ガスを除去するために、処理容器内を真空排気しつつ例えばNガス等の不活性ガスよりなるパージガスを処理容器内に供給する工程を所定の時間(T3)行うことができる。T3の時間は、例えば1〜60secとすることができる。また、パージガスの流量は、50〜5000mL/min(sccm)とすることができる。なお、この工程は、処理容器内に残留しているガスを除去することができればよく、パージガスを供給せずに全てのガスの供給を停止した状態で真空排気を継続して行うことができる。
【0059】
BTBASは、シリコンを含む原料ガスとして用いる1分子内に2個のアミノ基を有するアミノシランガスである。このようなアミノシランガスとしては、上記BTBASの他に、ビスジエチルアミノシラン(BDEAS)、ビスジメチルアミノシラン(BDMAS)、ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)、ビスエチルメチルアミノシラン(BEMAS)を用いることができる。更に、シリコン原料ガスとして、1分子内3個以上のアミノ基を有するアミノシランガスを用いることができ、1分子内に1個のアミノ基を有するアミノシランガスを用いることもできる。
【0060】
一方、酸素を含むガスとしては、Oガスの他、NOガス、NOガス、HOガス、Oガスを用いることができ、これらを高周波電界によりプラズマ化して酸化剤として用いることができる。このような酸素を含むガスのプラズマを用いることにより、SiO膜の成膜を300℃以下で行うことができ、更に酸素を含むガスのガス流量、高周波電源の電力、処理容器内の圧力を調整することにより、SiO膜の成膜を100℃以下又は室温で成膜を行うことができる。
【0061】
次に、ステップS16の工程を含むエッチング工程を行う。ステップS16は、SiO膜15が第1のパターン21の側壁部15aとしてのみ残るようにエッチングするエッチング工程である。また、図2B(f)は、ステップS16の工程が行われた後の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0062】
図2B(f)に示されるように、SiO膜15をエッチングし、SiO膜15が、第1のパターン21の側面を被覆する側壁部15aとしてのみ残った状態とする。SiO膜15のエッチングは、特に限定されるものではなく、例えば、CF、C、CHF、CHF、CH等のCF系ガスと、Arガス等の混合ガス、またはこの混合ガスに必要に応じて酸素を添加したガス等を用いて行うことができる。SiO膜15よりなる第1のパターン21の側壁部15aのみが残るようにエッチングするため、第1のパターン21及び側壁部15aよりなる第3のパターン23が形成される。第3のパターン23のライン幅をL3、スペース幅をS3とすると、第1のパターン21のライン幅L1が30nm、側壁部15aの厚さDが30nmである場合、L3=L1+D×2、S3=L1+S1―L3であるため、L3を90nm、S3を30nmとすることができる。
【0063】
なお、ステップS16のエッチング工程で行うエッチングのことを、エッチングによりSiO膜15の表面を厚さ方向に後退させることから、エッチングバックともいう。
【0064】
次に、ステップS17を含む第2パターン形成工程を行う。ステップS17は、第1のパターン21の有機膜13を除去することによって残った側壁部で構成される第2のパターンを形成する第2パターン形成工程である。また、図2C(g)は、ステップS17の工程が行われた後の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0065】
酸素、窒素、水素、アンモニア等のプラズマを用いたエッチングを行って、有機膜13よりなる第1のパターン21を除去する。その結果、図2C(g)に示されるように、有機膜13よりなる第1のパターン21が除去されて側壁部15aのみが残り、ライン幅がD、スペース幅がL1及びS3が交互に現れるようなパターンである第2のパターン22が形成される。本実施の形態では、第1のパターン21のライン幅L1と第3のパターン23のスペース幅S3とを等しくすることにより、スペース幅はL1及びS3に等しいS2となる。また、Dに等しいライン幅をあらためてL2とする。前述したように、L1を30nm、S3を30nm、SiO膜15の厚さ(側壁部15aの幅D)を30nmとすることにより、ライン幅L2が30nm、スペース幅S2が30nmの第2のパターンを形成することができる。
【0066】
なお、本発明における第2のパターンのピッチとは、第2のパターンのライン幅L2、スペース幅S2、又はライン幅L2とスペース幅S2との合計の長さに等しい繰返し周期を意味する。
【0067】
次に、ステップS18を含むパターン形状検査工程を行う。ステップS18は、後述するようなパターン形状検査工程であり、第2のパターンの断面形状が、適正かどうかの検査を行うパターン形状検査工程である。
【0068】
次に、ステップS19を含む被エッチング層をエッチングする工程を行う。
【0069】
ステップS19は、第2のパターン22をマスクとし、有機膜13の下層である被エッチング層12をエッチングし、上層部としてSiO膜15を有する被エッチング層12よりなり、第2のパターン22及び第1のパターン21と同一の形状を有する第4のパターン12aを形成する工程である。また、図2C(h)は、ステップS19の工程が行われた後の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0070】
側壁部15aから構成される第2のパターン22をマスクとし、被エッチング層12をエッチングする。例えばアモルファスシリコン又はポリシリコンよりなる被エッチング層12のエッチングは、例えばCl、Cl+HBr、Cl+O、CF+O、SF、Cl+N、Cl+HCl、HBr+Cl+SF等のガス等のプラズマを用いて行うことができる。その結果、図2C(h)に示されるように、第4のパターン12aが形成される。
【0071】
ここで、図3乃至図6を参照し、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法におけるパターン形状工程において、パターン形状を検査するパターン形状検査方法について説明する。前述したように、パターン形状検査工程は、図1におけるステップS18を含む工程であり、第2のパターンの断面形状が、適正かどうかの検査を行うパターン形状検査方法を行う工程である。
【0072】
図3は、本実施の形態に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。図4は、本実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、反射率測定装置の構成を模式的に示す図である。図4(a)は、基板に所定の入射角で入射光を入射し、該入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルを測定する反射率測定装置の構成を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、反射率測定装置を含めた反射率測定システムの構成を模式的に示す図である。図5は、本実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。図5(a)は、断面形状モデル全体を示す図であり、図5(b)は、側壁部の周辺を拡大して示す図であり、図5(c)は、断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンを示す図である。図6は、本実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、断面形状モデルよりなるモデルパターンに入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルの計算データの一例を示すグラフである。
【0073】
本実施の形態に係るパターン形状検査方法は、オプティカルデジタルプロファイロメトリ(Optical Digital Profilometry;ODP)システムをパターン形状検査手段として用いるものである。ODPは、分光エリプソメトリ(Ellipsometry)等と同様に、偏光を入射し、その入射光が反射された反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルを測定する反射率の測定と、パターン形状の断面形状をモデル化する形状パラメータを含む断面形状モデルを用い、反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルを計算する反射率の計算とを併用し、断面形状の解析を行う解析方法である。
【0074】
反射率の測定の方法においては、広帯域の波長を含む白色光であって非偏光又は偏光である入射光を被測定物に入射し、反射された反射光の反射率を測定する。反射率は絶対値として測定することもでき、又は所定の反射率基準値で正規化された相対値として測定することもできる。
【0075】
このうち、偏光を用いて反射率を測定する方法として、エリプソメトリを用いることができる。偏光でない通常の白色光よりなる入射光が偏光子を透過するとき、その入射光は、偏光子の1本の軸と平行な電界ベクトルを有する直線偏光となる。直線偏光は、入射光と反射光を含む平面である入射平面に対し、平行なベクトル成分を有するp偏光と垂直なベクトル成分とを有するs偏光よりなる。エリプソメトリは、入射光のp偏光及びs偏光の各々が、ある媒質から反射された時に発生する偏光の変化を測定する測定方法である。偏光の変化は、振幅(強度)の変化と位相の変化という2つの成分よりなる。また、偏光の変化は、入射平面内で振動する電界ベクトルを有する入射光の成分と、入射平面に対し垂直に振動する電界ベクトルを有する入射光の成分との間で異なる。エリプソメトリは、入射光が反射された反射光の位相変化である角度Δ、及び入射光と反射光の振幅比の逆正接として定義づけられる角度Ψの2つの変数を用い、この2つの変数によって表されるp偏光及びs偏光の反射率の比である反射率比ρを測定するものである。即ち、p偏光の反射率をr、s偏光の反射率をrとすると、次式が成り立つ。
【0076】
【数1】

一方、本実施の形態においては、被測定物である基板上には、周期的なパターンが形成されている。被測定物が周期的なパターンである場合、被測定物は回折格子とみなすことができ、反射光は回折格子によって回折された回折反射光となる。このような回折反射光が反射される場合の反射率の計算方法は、例えば、米国特許5835225号公報又は米国特許5739909号公報に記載されているような密結合波分析Rigorous Coupled Wave Analysis、以下RCWAという)を用いることができる。RCWA計算を用いる場合は、例えば、以下のような第1から第4の4つのステップを行って回折反射率を計算することができる。第1のステップでは、矩形要素の集合体として近似する等の手法により回折格子の断面形状をモデル化する。第2のステップでは、回折格子の各要素の内部での電界、磁界、誘電率をフーリエ展開し、各層について離散化された微分方程式を構築する。第3のステップでは、各要素の間の境界において、電界及び磁界の境界条件を設定する。第4のステップでは、離散化された微分方程式を解くことによって、回折反射率を得る。
【0077】
次に、本実施の形態に係るパターン形状検査方法の手順について説明する。
【0078】
本実施の形態に係るパターン形状検査方法は、図3に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを含む。測定ステップは、ステップS21を含み、決定ステップは、ステップS22乃至ステップS25を含む。
【0079】
初めに、ステップS21を含む測定ステップを行う。ステップS21は、エリプソメータを用い、第2のパターンが形成された基板に所定の入射角で入射光を入射し、入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルを測定し、測定データを得るステップである。
【0080】
図4に示されるように、入射光101は、エリプソメータ100の励起ヘッド103によって生成される。入射光101は、光検出器104によって反射光102の強度及び位相を共に測定することができるように、p偏光及びs偏光の2つの偏光成分を有する光で構成される。光ファイバ105は、励起ヘッド103まで図示しない光源からの白色光を搬送する。白色光として、偏光を用いることもでき、非偏光を用いることもできる。入射光101は、被測定物110の法線nに対する入射角θが20〜90度になるように、ステージ107上に取付けられた被測定物110上に導かれる。
【0081】
反射光102は、入射角θの法線nの反対側に回折反射され、入射角θと等しい角θでステージ107を離れる。回折反射された反射光102は、反射光を2つの偏光成分に分離する検出器104に受光され、光ファイバ106を介して分光計109に導かれる。分光計109に導かれた光信号は、分光された後、図示しない電荷結合素子で電気信号に変換され、更に図4(b)に示されるCPU215に送られる。
【0082】
角度Δ及びΨは、図4(b)に示される信号処理システム200によって計算される。信号処理システム200は、CPU215、メモリ220を含むコンピュータ210と、コンピュータ210に接続されるディスプレイ201、キーボード202、プリンタ203、マウス204を有する。また、CPU215は、分光計109と接続される。前述したように分光計109から図示しない電荷結合素子等により電気信号に変換された測定データはCPU215に入力され、その後CPU215の内部で所定の計算を行うことにより、角度Δ及びΨが計算される。
【0083】
また、図4(a)に示されるエリプソメータ100は、入射光101を照射する照射領域を被測定物110の測定領域より小面積の領域に集束させるための光学部品を含むことができる。その結果、照射領域を例えば50μm×50μm以下に集束させることができる。
【0084】
次に、ステップS22乃至S25を含む決定ステップを行う。
【0085】
ステップS22は、側壁部の断面形状を決定する新たな形状パラメータを用い、第2のパターンの断面形状をモデル化して断面形状モデルを作成するステップである。
【0086】
図5(a)には、周期構造を有する断面形状モデル30の一つの断面が示される。断面形状モデル30の断面は、基板に対応する基板モデル31、被エッチング層に対応する被エッチング層モデル32a、32b、台形の横断面を有する2つの側壁部モデル33a、33bを含む。図5(a)に示される断面形状モデル30のうち基板モデル31以外の部分は、+Y方向及び−Y方向に無限に続くものとみなされ、その周期構造を+X方向及び−X方向に繰返すものとみなされる。また、基板モデル31は、+Y方向及び−Y方向に無限に続くものとみなされ、その周期構造を+X方向及び−X方向に繰返すものとみなされるのに加え、+Z方向に半無限に続くものとみなされる。回折格子に対する法線ベクトルnは、図5(c)に示されるように、−Z方向にある。
【0087】
ここで、図5(c)に示されるような、断面形状モデルが+X方向及び−X方向に繰返してできるパターンモデルの数学的分析に付随する変数を例示する。
【0088】
λは、入射光101の波長である。θは、回折格子110の法線ベクトルnと入射光101との間の角度である。入射光101及び法線ベクトルnは、入射面40を構成する。
【0089】
φは、入射光101の方位角、即ち、図5(a)中でX軸に沿っている回折格子の周期性の方向と入射面40との間の角度である。但し、以後の数学的解析においては、方位角φは0度に設定される。
【0090】
Ψは、入射光101の電界ベクトルEと入射面40との間、即ち電界ベクトルEと、電界ベクトルEの入射面40上への投影ベクトルE´との間の角度である。φ=0度、Ψ=90度となるように入射光101が偏光された場合、電界ベクトルEは入射面40に垂直であり、磁界ベクトルHは入射面40内にあり、TE偏光と呼ばれる。一方、φ=0度、Ψ=0度となるように入射光101が偏光された場合、磁界ベクトルHは入射面40に対し垂直であり、電界ベクトルEは入射面40内にあり、TM偏光と呼ばれる。あらゆる平面偏光は、同位相のTE及びTM偏光の組合せである。計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルは、TE及びTM成分の回折を別々に計算し、それらを合計することによって、計算される。
【0091】
また、断面形状モデル30における各形状パラメータは、図5(a)及び図5(b)に示されるように、W1、D1、H1、θ1、W3、H3、H4よりなる。W1は、側壁部モデル33a、33bの底部の幅である。D1は、側壁部モデル33a、33bの間隔である。H1は、側壁部モデル33a、33bの高さである。θ1は、側壁部モデル33a、33bの側面の基板上面からの傾斜角である。その他、H3、H4は、夫々被エッチング層モデル32a、32bの厚さであり、W3は、断面形状モデル30の幅である。
【0092】
なお、本発明における形状パラメータは、例えば、側壁部モデル33a、33bの底部の幅、側壁部モデル33a、33bの高さ、側壁部モデル33a、33bの側面の基板上面からの傾斜角、すなわちW1、H1、θ1を意味する。
【0093】
また、本実施の形態における断面形状モデル30は、側壁部モデル33a、33bの形状がより複雑なものであるようなケースにも適用可能である。
【0094】
次に、ステップS23を行う。ステップS23は、断面形状モデル30が周期的に連続して構成されるモデルパターンに入射光が回折反射されたときの反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルを計算し、計算データを得るステップである。
【0095】
次に、ステップS24を行う。ステップS24は、計算データが測定データと最も整合(マッチング)するかどうかを判定するステップである。
【0096】
具体的には、ODPシステムに含まれるPAS(Profile Application Server)を用い、光学系にて測定した測定スペクトルと、形状パラメータを変えて構造モデルよりシミュレーションにより計算した計算スペクトルとの比較を行い、測定データ及び計算データとの間の整合の度合いを数値として出力する。ここでは、例えば相関係数等を判定のパラメータとし、計算データと測定データとの比較を行って得られる相関係数が、所定の基準値よりも1に近くなれば、最も整合したと判定することができる。もし所定の基準値よりも1に近くなければ、ステップS22に戻り、形状パラメータを変更し、以前と異なる形状パラメータを用い、第2のパターンの断面形状をモデル化して断面形状モデルを作成する。その後、ステップS23に進み、断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンに入射光が回折反射されたときの反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルを計算し、計算データを得る。再びステップS24を行って、計算データと測定データとが最も整合しているか判定し、最も整合していると判定することができるまで、形状パラメータを変更してステップS22、ステップS23及びステップS24を繰返す。
【0097】
計算データは、振幅比スペクトル(P1)、位相差スペクトル(P3)よりなる。計算データの一例を図6に示す。ここで、P1、P3は、夫々式(1)におけるtan(Ψ)、eに相当する。
【0098】
図6は、H1=50nm、W1=30nm、θ1=75°、D1=30nmとして、側壁部モデル33a、33bの対称モデルを設定したときの計算結果である。
【0099】
その後、計算データと測定データとが最も整合した場合、具体的には、例えば、計算データと測定データとの相関係数が所定の基準値よりも1に近くなった場合に、次のステップS25に進む。
【0100】
ステップS25は、モデルパターンを決定し、形状パラメータを決定することによって、第2のパターンの断面形状を決定するステップである。
【0101】
具体的には、ステップS24において、PASを用いて測定データと最も整合するものとして決定した計算データに対応する断面形状モデルの各形状パラメータを、出力する。また、形状パラメータは、入射する入射光の波長以下の分解能で出力することが可能である。すなわち、側壁部の形状を規定する側壁の底部の幅、側壁の高さ、側壁の側面の基板上面からの傾斜角が、1.0nm以下の分解能で数値として出力することが可能である。
【0102】
本実施の形態に係るパターン形状検査方法によれば、側壁を用いて30nm又はそれ以下のラインアンドスペースを有するパターンを形成するいわゆるダブルパターニング技術において、側壁部の底部の幅、高さ、側壁の斜面の角度を1nm以下の非常に高い分解能で検査することができる。従って、ダブルパターニング技術を用いた半導体装置の製造方法において、製造される半導体装置の品質を向上させ、製造プロセスの生産性を向上させることができる。
【0103】
更に、本実施の形態に係るパターン形状検査方法によれば、1点あたり2、3秒で高速に反射率を測定することができるため、基板内の形状パラメータの分布を短時間で測定することができ、半導体装置のパターン形状検査工程に要する時間が非常に短く、他のパターン形状検査方法を用いる場合に比べて、半導体装置の製造プロセスにおけるスループットを大幅に短縮することができる。
【0104】
なお、本発明に係るパターン形状検査方法を用いて側壁の形状を測定するのであれば、SWTプロセスの種々の工程の後においてパターン形状検査工程を行うことが可能である。すなわち、1)図1のステップS15で示される成膜工程、すなわち有機膜よりなる第1のパターンの側面を被覆するように酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)を成膜する工程の直後、2)図1のステップS16で示されるエッチング工程、すなわち成膜された酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)をドライエッチング等によってエッチバックを行う工程の直後、3)図1のステップS17で示されるウェットエッチング等によって有機膜を除去する第2パターン形成工程の直後又は4)第2パターン形成工程の後、更に洗浄を行った直後である。これらのうち、3)は、本実施の形態におけるパターン形状検査工程である。また、2)は、第2の実施の形態におけるパターン形状検査工程である。また、1)は、第3の実施の形態におけるパターン形状検査工程である。
【0105】
(第1の実施の形態の第1の変形例)
次に、図7を参照し、本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0106】
図7は、本変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。ただし、以下の文中では、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある(以下の変形例、実施の形態についても同様)。
【0107】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、予め複数の異なる形状パラメータに対応する複数の計算データを格納するデータベースを用いる点で、第1の実施の形態に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0108】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、図7に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを含むパターン形状検査工程の前に、予め、データベース作成ステップを行う。データベース作成ステップは、ステップS31乃至ステップS33を含む。また、測定ステップは、ステップS34を含み、決定ステップは、ステップS35乃至ステップS37を含む。
【0109】
パターン形状検査工程の前に、予め、ステップS31乃至ステップS33を含むデータベース作成ステップを行う。初めに、ステップS31を行う。ステップS31は、側壁部の断面形状を決定する新たな形状パラメータを用い、第2のパターンの断面形状をモデル化して断面形状モデルを作成するステップであり、第1の実施の形態に係るパターン形状検査工程におけるステップS22に相当する。
【0110】
次に、ステップS32を行う。ステップS32は、断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンに入射光が回折反射されたときの反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルを計算し、計算データをデータベースに格納するステップであり、第1の実施の形態に係るパターン形状検査工程におけるステップS23に相当する。
【0111】
次に、ステップS33を行う。ステップS33は、データベースに格納する計算データは十分か判定するステップである。
【0112】
具体的には、形状パラメータを変更して計算する計算データの数が、所定の基準数より多いかを判定し、もし所定の基準数より多くなければ、ステップS31に戻り、形状パラメータを変更し、以前と異なる形状パラメータを用い、第2のパターンの断面形状をモデル化して断面形状モデルを作成する。その後、ステップS32に進み、断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンに入射光が回折反射されたときの反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルを計算し、計算データをデータベースに格納する。再びステップS33を行って、計算データの数が十分かを判定することができるまで、形状パラメータを変更してステップS31、ステップS32及びステップS33を繰返す。
【0113】
その後、計算データの数が十分になった場合、具体的には、例えば、計算データの数が所定の基準数よりも多くなった場合に、データベース作成ステップを終了する。
【0114】
データベースが作成された状態で、パターン形状検査工程を開始する。まず、ステップS34を含む測定ステップを行う。ステップS34は、エリプソメータを用い、第2のパターンが形成された基板に所定の入射角で入射光を入射し、入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルを測定し、測定データを得るステップである。ステップS34は、第1の実施の形態に係るパターン形状検査工程におけるステップS21に相当する。
【0115】
次に、ステップS35乃至ステップS37を含む決定ステップを行う。初めに、ステップS35を行う。ステップS35は、データベースに格納された計算データを選択するステップである。
【0116】
次に、ステップS36を行う。ステップS36は、選択された計算データが測定データと最も整合(マッチング)するかどうかを判定するステップである。
【0117】
具体的には、PASを含むODPシステムを用い、光学系にて測定した測定スペクトルと、形状パラメータを変えて構造モデルよりシミュレーションにより計算した計算スペクトルとの比較を行い、測定データ及び計算データとの間の整合の度合いを数値として出力する。ここでは、例えば相関係数等を判定のパラメータとし、計算データと測定データとの比較を行って得られる相関係数が、所定の基準値よりも1に近くなれば、最も整合したと判定することができる。もし所定の基準値よりも1に近くなければ、ステップS35に戻り、データベースに格納された別のデータを選択する。再びステップS36を行って、計算データと測定データとが最も整合しているか判定し、最も整合していると判定することができるまで、形状パラメータを変更してステップS35及びステップS36を繰返す。
【0118】
その後、計算データと測定データとが最も整合した場合、具体的には、例えば、計算データと測定データとの相関係数が所定の基準値よりも1に近くなった場合に、次のステップS37に進む。
【0119】
ステップS37は、モデルパターンを決定し、形状パラメータを決定することによって、第2のパターンの断面形状を決定するステップである。
【0120】
具体的には、ステップS36において、PASを含むODPシステムを用いて測定データと最も整合するものとして決定した計算データに対応する断面形状モデルの各形状パラメータを、出力する。また、形状パラメータは、入射する入射光の波長以下の分解能で出力することが可能である。すなわち、側壁部の形状を規定する側壁の底部の幅、側壁の高さ、側壁の側面の基板上面からの傾斜角が、1.0nm以下の分解能で数値として出力することが可能である。
【0121】
本変形例に係るパターン形状検査方法、及び本変形例に係るパターン形状検査方法を用いて行うパターン形状検査工程を含む半導体装置の製造方法を行うことにより、予め形状パラメータを変更し、異なる形状パラメータに対応する断面形状モデルに対応した計算データを計算し、格納したデータベースを準備しておくため、更にパターン形状検査工程に要する時間を短縮することができる。
【0122】
(第1の実施の形態の第2の変形例)
次に、図8を参照し、本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0123】
図8は、本変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【0124】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、決定された形状パラメータが上限基準値と下限基準値との間にない場合に警報を出力する点で、第1の実施の形態に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0125】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、図8に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを行った後、判定ステップを行う。判定ステップは、ステップS46及びステップS47を含む。また、測定ステップは、ステップS41を含み、決定ステップは、ステップS42乃至ステップS45を含む。
【0126】
初めに、ステップS41を含む測定ステップ、及びステップS42乃至ステップS45を含む決定ステップを行う。ステップS41は、第1の実施の形態に係るパターン形状検査工程におけるステップS21に相当する。また、ステップS42乃至ステップS45は、夫々第1の実施の形態に係るパターン形状検査工程におけるステップS22乃至ステップS25に相当する。
【0127】
その後、ステップS46及びステップS47を含む判定ステップを行う。初めに、ステップS46を行う。ステップS46は、ステップS45において決定された形状パラメータが、所定の上限基準値と下限基準値との間の範囲に含まれないかを判定する。具体的には、決定された形状パラメータが、所定の上限基準値より小さく、かつ下限基準値より大きいときに、ステップS47を行わずにパターン形状検査工程を終了するが、決定された形状パラメータが、所定の上限基準値より大きいか、又は所定の下限基準値より小さいときには、ステップS47に進む。
【0128】
ステップS47は、警報を出力するステップである。決定された形状パラメータが、所定の上限基準値と下限基準値との間の範囲に含まれないとき、警報を出力する。一方、決定された形状パラメータが、所定の上限基準値と下限基準値との間の範囲に含まれるとき、警報を出力しない。
【0129】
具体的には、例えば、図5(b)に示される側壁部の底部の幅W1、側壁部の高さH1、側壁部の側面の基板上面からの傾斜角θ1といった形状パラメータを決定し、決定された形状パラメータが、予め設定した上限基準値より大きいとき、又は予め設定した下限基準値より小さいとき、前述したPASが、決定結果を出力すると共に、半導体装置の製造工程を管理する上位コンピュータへ、又はODPシステムとPASが装着された製造装置のコントローラーへ警報(アラーム)を出力することができる。
【0130】
また、本変形例に係るパターン形状検査工程を行う場合、ODP測定装置及びPASを酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)をエッチングするエッチング加工を行う製造装置内に設置し、IM(Integrated Metrology)処理された直後の基板に対してパターン形状検査工程を行うように構成してもよく、製造装置の近くに単独の測定装置(Stand alone)として設置し、処理された基板をロット毎に一旦集めてからパターン形状検査工程を行ってもよい。
【0131】
特に、SWTプロセスを用いるダブルパターニング技術において、全ての加工用製造装置内にODPシステムを取付けることは、半導体製造装置の価格を上昇させることになるため望ましいことではない。このような場合でも、酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)をエッチング処理するエッチング装置内において、ウェハを装填するためのロードポートにIMを搭載することによって、側壁の断面形状の寸法が上限基準値と下限基準値との間の範囲にあることを監視することができる。また、その監視の結果に基づいて、断面形状の寸法が上限基準値と下限基準値との間の範囲にない、いわゆる不良を発生させる原因となったプロセス工程及び処理装置を特定することができる。
【0132】
また、PASが発生した警報(アラーム)を受取った図示しない上位コンピュータが、対象製造装置に、処理中のロットの処理を直ちに中止し、製造装置内に滞留しているロットを処理せずにウェハロードポートへ回収する旨の指示を送るようにしてもよく、更に、その上位コンピュータが、搬送用ロボットに、対象ロットを次の処理工程として酸化膜及び有機膜の剥離を行う基板再生処理プロセスへ搬送する旨の指示を送るようにしてもよい。
【0133】
なお、本変形例においては、断面形状モデル30で用いる形状パラメータのうちどの形状パラメータが上限基準値と下限基準値との間の範囲から逸脱しているかを判定することによって、半導体装置の製造方法におけるどの工程に不良の原因があるかが特定することができる。例えば、図5(b)に示されるD1、すなわち側壁部モデル33a、33bの間隔が下限基準値より小さい場合は、図2B(d)及び図1のステップS14に示されるBARC膜よりなる有機膜13をエッチングするエッチング時間が長過ぎるためであると原因を特定することができる。また、図5(b)に示されるW1、すなわち側壁部モデル33a、33bの底部の幅が下限基準値より小さい場合は、図2B(f)及び図1のステップS16に示される酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)のエッチング時間が長過ぎるためであると原因を特定することができる。更に、図5(b)に示されるW1、すなわち側壁部モデル33a、33bの底部の幅が上限基準値より大きい場合は、酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)を成膜する成膜時間が長過ぎるか、プロセスガスの供給量が過剰であるためであると原因を特定することができる。
【0134】
また、基板の面内、又は基板間においてこれらの形状パラメータに変動が発生する場合にも、その形状パラメータの変動させる原因となった工程及びその工程に対応する処理装置を特定することができる。
【0135】
(第1の実施の形態の第3の変形例)
次に、図9乃至図11を参照し、本発明の第1の実施の形態の第3の変形例に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0136】
図9は、本変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。図10は、本変形例に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。図10(a)は、断面形状モデル全体を示す図であり、図10(b)は、側壁部の周辺を拡大して示す図である。図11は、本変形例に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、断面形状モデルよりなるモデルパターンに入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルの計算データの一例を示すグラフである。
【0137】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、第1及び第2の側壁部に対応する第1及び第2の形状パラメータを用い、第1及び第2の側壁部の断面形状の非対称性を検査する点で、第1の実施の形態に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0138】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、図9に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを含む。測定ステップは、ステップS51を含み、決定ステップは、ステップS52乃至ステップS55を含む。
【0139】
初めに、ステップS51を含む測定ステップを行う。ステップS51は、第1の実施の形態に係るパターン形状検査工程におけるステップS21に相当する。
【0140】
次に、ステップS52乃至S55を含む決定ステップを行う。
【0141】
ステップS52は、側壁部の断面形状を決定する新たな形状パラメータを用い、第2のパターンの断面形状をモデル化して断面形状モデルを作成するステップである。ただし、第1の実施の形態に係るパターン形状検査工程におけるステップS22と異なり、左右の側壁部の非対称性を表す断面形状モデル30aを用いる。
【0142】
図10(a)には、周期構造を有する断面形状モデル30aの一つの断面が示される。断面形状モデル30aの断面は、基板に対応する基板モデル31、被エッチング層に対応する被エッチング層モデル32a、32b、台形の横断面を有する2つの側壁部モデル33a、33bを含む。図10(a)に示される断面形状モデル30aのうち基板モデル31以外の部分は、+Y方向及び−Y方向に無限に続くものとみなされ、その周期構造を+X方向及び−X方向に繰返すものとみなされる。また、基板モデル31は、+Y方向及び−Y方向に無限に続くものとみなされ、その周期構造を+X方向及び−X方向に繰返すものとみなされるのに加え、+Z方向に半無限に続くものとみなされる。
【0143】
また、断面形状モデル30aにおける各形状パラメータは、図10(a)及び図10(b)に示されるように、第1の実施の形態と異なり、左右の側壁部モデル33a、33bの非対称性を表すため、W1、W2、H1、H2、θ1、θ2、D1、W3、H3、H4よりなる。W1、W2は、夫々側壁部モデル33a、33bの底部の幅である。H1、H2は、夫々側壁部モデル33a、33bの高さである。θ1、θ2は、夫々側壁部モデル33a、33bの側面の基板上面からの傾斜角である。D1は、側壁部モデル33a、33bの間隔である。その他、W3は、断面形状モデル30aの幅であり、H3、H4は、夫々被エッチング層モデル32a、32bの厚さである。
【0144】
なお、本発明における第1の形状パラメータは、右側の側壁部モデル33aの底部の幅W1、右側の側壁部モデル33aの高さH1、右側の側壁部モデル33aの側面の基板上面からの傾斜角θ1とすることができる。また、本発明における第2の形状パラメータは、左側の側壁部モデル33bの底部の幅W2、左側の側壁部モデル33bの高さH2、左側の側壁部モデル33bの側面の基板上面からの傾斜角θ2とすることができる。
【0145】
次に、ステップS53を行う。ステップS53は、断面形状モデル30aが、非対称性を表す第1及び第2の形状パラメータを用いる点以外は、第1の実施の形態に係るパターン形状検査工程におけるステップS23と同じである。
【0146】
次に、ステップS24を行う。ステップS24は、計算データが測定データと最も整合(マッチング)するかどうかを判定するステップである。ステップS54も、断面形状モデルが、非対称性を表す第1及び第2の形状パラメータを用いる点以外は、第1の実施の形態に係るパターン形状検査工程におけるステップS24と同じである。
【0147】
計算データは、振幅比スペクトル(P1)、位相差スペクトル(P3)よりなる。計算データの一例を図11に示す。ここで、P1、P3は、夫々式(1)におけるtan(Ψ)、eに相当する。
【0148】
図11(a)は、H1=50nm、H2=0nmとし、その他の形状パラメータについてはW1=W2=30nm、θ1=θ2=75°、D1=30nmとして、側壁部モデル33a、33bの非対称な断面形状モデルを設定したときの計算結果である。また、図11(b)は、比較のために、H1=H2=50nmとし、その他の形状パラメータについてはW1=W2=30nm、θ1=θ2=75°、D1=30nmとして、側壁部モデル33a、33bの対称モデルを設定したときの計算結果である。なお、図11(b)の計算データは、図6の計算データと同一である。
【0149】
図11(a)と図11(b)とを比較すると、300nm付近におけるP1スペクトルの形状が異なり、図11(a)に示される左右非対称の断面形状モデルの計算結果における300nm付近におけるP1の極小値が、図11(b)に示される左右対称な断面形状モデルの計算結果における300nm付近におけるP1の極小値よりも大きくなることが分かる。このように、左右対称性が損なわれるとスペクトル形状が大きく異なるので、これらの計算データと測定データとの整合(マッチング)の度合いを数値化することにより、側壁部の左右対称性を簡便に測定することができる。
【0150】
その後、計算データと測定データとが最も整合した場合、具体的には、例えば、計算データと測定データとの相関係数が所定の基準値よりも1に近くなった場合に、次のステップS55に進み、第1及び第2の形状パラメータを決定し、第2のパターンの断面形状を決定する。ステップS55は、断面形状モデル30aが、非対称性を表す第1及び第2の形状パラメータを用いる点以外は、第1の実施の形態に係るパターン形状検査工程におけるステップS25と同じである。
【0151】
(第1の実施の形態の第4の変形例)
次に、図12を参照し、本発明の第1の実施の形態の第4の変形例に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0152】
図12は、本変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【0153】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、予め複数の異なる第1及び第2の形状パラメータに対応する複数の計算データを格納するデータベースを用いる点で、第1の実施の形態の第3の変形例に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0154】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、図12に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを含むパターン形状検査工程の前に、予め、データベース作成ステップを行う。データベース作成ステップは、ステップS61乃至ステップS63を含む。また、測定ステップは、ステップS64を含み、決定ステップは、ステップS65乃至ステップS67を含む。
【0155】
また、本変形例におけるステップS61乃至ステップS67の各ステップは、断面形状モデル30aが、非対称性を表す第1及び第2の形状パラメータを用いる点以外は、第1の実施の形態の第1の変形例におけるステップS31乃至ステップS37と同じである。
【0156】
本変形例に係るパターン形状検査方法、及び本変形例に係るパターン形状検査方法を用いて行うパターン形状検査工程を含む半導体装置の製造方法を行うことによっても、予め第1及び第2の形状パラメータを変更し、異なる第1及び第2の形状パラメータに対応する断面形状モデルに対応した計算データを計算し、格納したデータベースを準備しておくため、更にパターン形状検査工程に要する時間を短縮することができる。
【0157】
(第1の実施の形態の第5の変形例)
次に、図13を参照し、本発明の第1の実施の形態の第5の変形例に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0158】
図13は、本変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【0159】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、決定された第1及び第2の形状パラメータの寸法差が所定の基準値より大きい場合に警報を出力する点で、第1の実施の形態の第3の変形例に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0160】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、図13に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを行った後、判定ステップを行う。判定ステップは、ステップS76及びステップS77を含む。また、測定ステップは、ステップS71を含み、決定ステップは、ステップS72乃至ステップS75を含む。
【0161】
また、本変形例におけるステップS71乃至ステップS75の各ステップは、断面形状モデル30aが、非対称性を表す第1及び第2の形状パラメータを用いる点以外は、第1の実施の形態の第2の変形例におけるステップS41乃至ステップS45と同じである。
【0162】
ステップS76及びステップS77を含む判定ステップにおいては、ステップS76において、ステップS75において決定された第1の形状パラメータと第2の形状パラメータとの間の寸法差が所定の基準値以上かを判定する。具体的には、決定された第1の形状パラメータと第2の形状パラメータとの寸法差が所定の基準値より小さいときは、ステップS77を行わずにパターン形状検査工程を終了するが、決定された第1の形状パラメータと第2の形状パラメータとの寸法差が所定の基準値より大きいときは、ステップS77に進む。
【0163】
ステップS77は、警報を出力するステップである。決定された第1の形状パラメータと第2の形状パラメータとの寸法差が所定の基準値より大きいとき、警報を出力する。一方、決定された第1の形状パラメータと第2の形状パラメータとの寸法差が所定の基準値より小さいとき、警報を出力しない。
【0164】
本変形例においては、断面形状モデル30aのどの形状パラメータについて、第1の形状パラメータと第2の形状パラメータとの寸法差が所定の基準値より大きいかを判定することによって、半導体装置の製造方法におけるどの工程に不良の原因があるかが特定することができる。例えば、図10(b)に示されるW1及びW2の間の寸法差が基準値より大きい場合は、図2B(f)及び図1のステップS16に示される酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)のエッチバックプロセスにおいて、装置に何らかの問題があるためであると原因を特定することができる。
【0165】
(第2の実施の形態)
次に、図14及び図15を参照し、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法及びパターン形状検査方法を説明する。
【0166】
初めに、図14を参照し、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。
【0167】
図14は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【0168】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、パターン形状検査方法を、エッチング工程と第2パターン形成工程との間に行う点で、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法と相違する。
【0169】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、図14に示されるように、第1パターン形成工程と、成膜工程と、エッチング工程と、パターン形状検査工程と、第2パターン形成工程と、被エッチング層をエッチングする工程を含む。第1パターン形成工程は、ステップS81乃至ステップS84の工程を含み、成膜工程は、ステップS85の工程を含み、エッチング工程は、ステップS86の工程を含み、パターン形状検査工程は、ステップS87の工程を含み、第2パターン形成工程は、ステップS88の工程を含み、被エッチング層をエッチングする工程は、ステップS89の工程を含む。すなわち、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、第2パターン形成工程の後に、パターン形状検査工程を行うことを特徴とする。
【0170】
本実施の形態におけるステップS81乃至ステップS86は、第1の実施の形態に係るステップS11乃至ステップS16に相当する。本実施の形態におけるステップS87、S88及びS89は、夫々第1の実施の形態に係るステップS18、ステップS17及びステップS19に相当する。すなわち、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、ステップS17とステップS18との手順を逆にしたものに相当する。
【0171】
次に、図3及び図15を参照し、本実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0172】
図15は、本実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。
【0173】
本実施の形態に係るパターン形状検査方法は、パターン形状を検査する被測定物の断面形状において有機膜よりなる第1のパターンが除去されていない点以外は、第1の実施の形態に係るパターン形状検査方法と同じであり、図3に示されるステップS21乃至ステップS25の各ステップを行うものである。
【0174】
また、断面形状モデル30bにおける各形状パラメータは、図15に示されるように、W1、H1、θ1、D1よりなる。W1は、側壁部モデル33a、33bの底部の幅である。H1は、側壁部モデル33a、33bの高さである。θ1は、側壁部モデル33a、33bの側面の基板上面からの傾斜角である。D1は、側壁部モデル33a、33bの間隔であると共に第1のパターンモデル34の幅でもあり、この点が第1の実施の形態における断面形状モデル30と異なる点である。
【0175】
以上、本実施の形態に係るパターン形状検査方法を行うことにより、酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)をドライエッチング等によってエッチバックを行う工程の直後の断面形状を検査することができる。
【0176】
(第2の実施の形態の第1の変形例)
次に、図16を参照し、本発明の第2の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する。
【0177】
図16は、本変形例に係る半導体装置の製造方法の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【0178】
本変形例に係る半導体装置の製造方法は、先の基板のパターン形状検査工程で決定された形状パラメータが所定の下限値より小さい場合に、後の基板のエッチング時間を、先の基板のエッチング時間より短くして行うことを特徴とする。
【0179】
本変形例に係る半導体装置の製造方法は、図16に示されるように、夫々図14に示されるステップS81乃至ステップS87と同一であるステップS181乃至ステップS187を含む半導体装置の製造方法を第1の製造工程として第1の基板に対して行った後、同じく夫々図14に示されるステップS81乃至ステップS87と同一であるステップS281乃至ステップS287を含む半導体装置の製造方法を第2の製造工程として第2の基板に対して行うものである。また、第1の製造工程の前にステップS180を含み、第1の製造工程と第2の製造工程との間にステップS188、ステップS189乃至ステップS280を含む。
【0180】
初めに、ステップS180を行う。ステップS180は、酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)のエッチングを行うエッチング時間を設定する工程である。
【0181】
次に、第1の基板上に半導体装置を製造する第1の製造工程を行う。第2の実施の形態と同様にして、ステップS181乃至ステップS187の工程を行う。
【0182】
次に、ステップS188を行う。ステップS188は、第1の製造工程のステップS185で決定された形状パラメータが下限基準値より小さいか判定を行う工程である。具体的には、図15に示される側壁部モデル33a、33bの底部の幅であるW1について判定を行うことができる。ステップS188の判定の結果、W1が所定の下限基準値より小さい場合には、ステップS189に進み、エッチング時間を第1の基板のとき(第1の製造工程のとき)より短く設定する。また、ステップS188の判定の結果、W1が所定の下限基準値より小さくない場合には、ステップS280に進み、エッチング時間を第1の基板のとき(第1の製造工程のとき)と同じに設定する。
【0183】
次に、第2の基板上に半導体装置を製造する第2の製造工程を行う。第2の実施の形態と同様にして、ステップS281乃至ステップS287の工程を行う。
【0184】
以上、本変形例に係るパターン形状検査方法、及び本変形例に係るパターン形状検査方法を用いて行うパターン形状検査工程を含む半導体装置の製造方法を行うことにより、適切な工程において精度の高いパターン形状の検査を実施し、その結果に基づいて適切な工程におけるプロセスレシピの調整を行うことができるため、露光機の解像限界を超える微細構造の形成というダブルパターニング技術の目的を達成することができる。
【0185】
なお、本変形例では、第2の製造工程の全てのステップを第1の製造工程の全てのステップの後に行う手順の例を示すが、第2の製造工程におけるステップS284を第1の製造工程におけるステップS184の後に行うのであればよく、他のステップであるステップS181乃至ステップS183及びステップS185乃至ステップS187並びにステップS281乃至ステップS283及びステップS285乃至ステップS287については、第1の製造工程と第2の製造工程とを同時に行ってもよく、第2の製造工程を第1の製造工程の前に行ってもよい。
【0186】
(第2の実施の形態の第2の変形例)
次に、図17を参照し、第2の実施の形態の第2の変形例に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0187】
図17は、本変形例に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。
【0188】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、第1及び第2の側壁部に対応する第1及び第2の形状パラメータを用い、第1及び第2の側壁部の断面形状の非対称性を検査する点で、第2の実施の形態に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0189】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、パターン形状を検査する被測定物の断面形状において有機膜よりなる第1のパターンが除去されていない点以外は、第1の実施の形態の第3の変形例に係るパターン形状検査方法と同じであり、図9に示されるステップS51乃至ステップS55の各ステップを行うものである。
【0190】
また、断面形状モデル30cにおける各形状パラメータは、図17に示されるように、W1、W2、H1、H2、θ1、θ2、D1よりなる。W1、W2は、夫々側壁部モデル33a、33bの底部の幅である。H1、H2は、夫々側壁部モデル33a、33bの高さである。θ1、θ2は、夫々側壁部モデル33a、33bの側面の基板上面からの傾斜角である。D1は、側壁部モデル33a、33bの間隔であると共に第1のパターンモデル34の幅でもあり、この点が第1の実施の形態の第3の変形例における断面形状モデル30aと異なる点である。
【0191】
以上、本変形例に係るパターン形状検査方法を行うことにより、酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)をドライエッチング等によってエッチバックを行う工程の直後の断面形状の非対称性を検査することができる。
【0192】
(第3の実施の形態)
次に、図18乃至図20を参照し、本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法及びパターン形状検査方法を説明する。
【0193】
初めに、図18を参照し、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。
【0194】
図18は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【0195】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、パターン形状検査方法を、成膜工程とエッチング工程との間に行う点で、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法と相違する。
【0196】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、図18に示されるように、第1パターン形成工程と、成膜工程と、パターン形状検査工程と、エッチング工程と、第2パターン形成工程と、被エッチング層をエッチングする工程を含む。第1パターン形成工程は、ステップS91乃至ステップS94の工程を含み、成膜工程は、ステップS95の工程を含み、パターン形状検査工程は、ステップS96の工程を含み、エッチング工程は、ステップS97の工程を含み、第2パターン形成工程は、ステップS98の工程を含み、被エッチング層をエッチングする工程は、ステップS99の工程を含む。すなわち、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、成膜工程の後に、パターン形状検査工程を行うことを特徴とする。
【0197】
次に、図19及び図20を参照し、本実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0198】
図19は、本実施の形態に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。図20は、本実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)の断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。
【0199】
本実施の形態に係るパターン形状検査方法は、酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)の断面形状を検査する点で、第1の実施の形態に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0200】
本実施の形態に係るパターン形状検査方法は、図19に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを含む。測定ステップは、ステップS101を含み、決定ステップは、ステップS102乃至ステップS105を含む。本実施の形態に係るパターン形状検査方法は、酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)の断面形状を検査する点以外は、第1の実施の形態に係るパターン形状検査方法と同じである。すなわち、図19に示されるステップS101乃至ステップS105の各ステップは、夫々図3に示されるステップS21乃至ステップS25に相当する。
【0201】
断面形状モデル30dにおける各形状パラメータは、図20に示されるように、WT1を含むことができる。WT1は、酸化シリコン膜モデル33cの厚さである。
【0202】
以上、本実施の形態に係るパターン形状検査方法を行うことにより、酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)を成膜する工程の直後の断面形状を検査することができる。
【0203】
(第3の実施の形態の第1の変形例)
次に、図21を参照し、本発明の第3の実施の形態の第1の変形例に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0204】
図21は、本変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【0205】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、予め複数の異なる酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)の厚さに対応する複数の計算データを格納するデータベースを用いる点で、第3の実施の形態に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0206】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、図21に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを含むパターン形状検査工程の前に、予め、データベース作成ステップを行う。データベース作成ステップは、ステップS111乃至ステップS113を含む。また、測定ステップは、ステップS114を含み、決定ステップは、ステップS115乃至ステップS117を含む。
【0207】
また、本変形例におけるステップS111乃至ステップS117の各ステップは、断面形状モデル30dが、酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)の厚さWT1を用いる点以外は、第1の実施の形態の第1の変形例におけるステップS31乃至ステップS37と同じである。
【0208】
本変形例に係るパターン形状検査方法、及び本実施の形態に係るパターン形状検査方法を用いて行うパターン形状検査工程を含む半導体装置の製造方法を行うことによっても、予め酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)の厚さを変更し、異なる酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)の厚さに対応する断面形状モデルに対応した計算データを計算し、格納したデータベースを準備しておくため、更にパターン形状検査工程に要する時間を短縮することができる。
【0209】
(第3の実施の形態の第2の変形例)
次に、図22を参照し、本発明の第3の実施の形態の第2の変形例に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0210】
図22は、本変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【0211】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、決定された酸化シリコン膜(又は酸窒化シリコン膜)の厚さが上限基準値と下限基準値との間にない場合に警報を出力する点で、第3の実施の形態に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0212】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、図22に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを行った後、判定ステップを行う。判定ステップは、ステップS126及びステップS127を含む。また、測定ステップは、ステップS121を含み、決定ステップは、ステップS122乃至ステップS125を含む。
【0213】
また、本変形例におけるステップS121乃至ステップS127の各ステップは、断面形状モデル30dが、酸化シリコン膜の厚さWT1を用いる点以外は、第1の実施の形態の第2の変形例におけるステップS41乃至ステップS47と同じである。
【0214】
本変形例においては、酸化シリコン膜の厚さが所定の上限基準値と下限基準値との間の範囲にあるかを判定することによって、酸化シリコン膜の成膜工程に不良の原因があるかを特定することができる。
【0215】
(第3の実施の形態の第3の変形例)
次に、図23及び図24を参照し、本発明の第3の実施の形態の第3の変形例に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0216】
図23は、本変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。図24は、本変形例に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、酸化シリコン膜の断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。
【0217】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、有機膜よりなる第1のパターンの両側を被覆する酸化シリコン膜の厚さに対応する第1及び第2の厚さを用い、第1のパターンの両側を被覆する酸化シリコン膜の断面形状の非対称性を検査する点で、第3の実施の形態に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0218】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、図23に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを含む。測定ステップは、ステップS131を含み、決定ステップは、ステップS132乃至ステップS135を含む。
【0219】
また、本変形例におけるステップS131乃至ステップS135の各ステップは、断面形状モデル30eが、酸化シリコン膜の厚さを用いる点以外は、第1の実施の形態の第3の変形例におけるステップS51乃至ステップS55と同じである。
【0220】
また、断面形状モデル30eにおける各形状パラメータは、図24に示されるように、第3の実施の形態と異なり、酸化シリコン膜モデル33dの非対称性を表すため、WT1、WT2を含む。
【0221】
本変形例においては、第1の実施の形態の第3の変形例で述べたように、左右対称性が損なわれるとスペクトル形状が大きく異なるので、これらの計算データと測定データとの整合(マッチング)の度合いを数値化することにより、酸化シリコン膜の厚さの左右対称性を簡便に測定することができる。
【0222】
(第3の実施の形態の第4の変形例)
次に、図25を参照し、本発明の第3の実施の形態の第4の変形例に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0223】
図25は、本変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【0224】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、予め複数の異なる第1及び第2の厚さに対応する複数の計算データを格納するデータベースを用いる点で、第3の実施の形態に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0225】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、図25に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを含むパターン形状検査工程の前に、予め、データベース作成ステップを行う。データベース作成ステップは、ステップS141乃至ステップS143を含む。また、測定ステップは、ステップS144を含み、決定ステップは、ステップS145乃至ステップS147を含む。
【0226】
また、本変形例におけるステップS141乃至ステップS147の各ステップは、断面形状モデル30eが、非対称性を表す第1及び第2の厚さを用いる点以外は、第3の実施の形態の第1の変形例におけるステップS111乃至ステップS117と同じである。
【0227】
本変形例に係るパターン形状検査方法、及び本変形例に係るパターン形状検査方法を用いて行うパターン形状検査工程を含む半導体装置の製造方法を行うことによっても、予め第1及び第2の厚さを変更し、異なる第1及び第2の厚さに対応する断面形状モデルに対応した計算データを計算し、格納したデータベースを準備しておくため、更にパターン形状検査工程に要する時間を短縮することができる。
【0228】
(第3の実施の形態の第5の変形例)
次に、図26を参照し、本発明の第3の実施の形態の第5の変形例に係るパターン形状検査方法を説明する。
【0229】
図26は、本変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【0230】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、決定された第1及び第2の厚さの差が所定の基準値より大きい場合に警報を出力する点で、第3の実施の形態に係るパターン形状検査方法と相違する。
【0231】
本変形例に係るパターン形状検査方法は、図26に示されるように、測定ステップと、決定ステップとを行った後、判定ステップを行う。判定ステップは、ステップS156及びステップS157を含む。また、測定ステップは、ステップS151を含み、決定ステップは、ステップS152乃至ステップS155を含む。
【0232】
また、本変形例におけるステップS151乃至ステップS157の各ステップは、断面形状モデル30eが、非対称性を表す第1及び第2の厚さを用いる点以外は、第3の実施の形態の第2の変形例におけるステップS121乃至ステップS127と同じである。
【0233】
ステップS156及びステップS157を含む判定ステップにおいては、ステップS156において、ステップS155において決定された第1の厚さWT1と第2の厚さWT2との間の寸法差が所定の基準値以上かを判定する。具体的には、決定された第1の厚さWT1と第2の厚さWT2との寸法差が所定の基準値より小さいときは、ステップS157を行わずにパターン形状検査工程を終了するが、決定された第1の厚さWT1と第2の厚さWT2との寸法差が所定の基準値より大きいときは、ステップS157に進む。
【0234】
ステップS157は、警報を出力するステップである。決定された第1の厚さWT1と第2の厚さWT2との寸法差が所定の基準値より大きいとき、警報を出力する。一方、決定された第1の厚さWT1と第2の厚さWT2との寸法差が所定の基準値より小さいとき、警報を出力しない。
【0235】
本変形例においては、酸化シリコン膜の厚さの左右対称性の度合いが所定の基準値より非対称性を示すかを判定することによって、酸化シリコン膜の成膜装置に何らかの問題があるものと原因を特定することができる。
【0236】
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0237】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【図2A】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の工程を説明するための図であり、各工程における半導体装置の構造を模式的に示す断面図(その1)である。
【図2B】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の工程を説明するための図であり、各工程における半導体装置の構造を模式的に示す断面図(その2)である。
【図2C】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の工程を説明するための図であり、各工程における半導体装置の構造を模式的に示す断面図(その3)である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、反射率測定装置の構成を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、断面形状モデルよりなるモデルパターンに入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルの計算データの一例を示すグラフである。
【図7】本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態の第3の変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態の第3の変形例に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態の第3の変形例に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、断面形状モデルよりなるモデルパターンに入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルの計算データの一例を示すグラフである。
【図12】本発明の第1の実施の形態の第4の変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施の形態の第5の変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施の形態の第2の変形例に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、酸化シリコン膜の断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態の第1の変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【図22】本発明の第3の実施の形態の第2の変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【図23】本発明の第3の実施の形態の第3の変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【図24】本発明の第3の実施の形態の第3の変形例に係るパターン形状検査方法を説明するための図であり、酸化シリコン膜の断面形状をモデル化した断面形状モデルを示す図である。
【図25】本発明の第3の実施の形態の第4の変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【図26】本発明の第3の実施の形態の第5の変形例に係るパターン形状検査方法の各ステップの手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0238】
11 基板
12 被エッチング層
13 有機膜
14 フォトレジスト膜
14a、14b レジストパターン
15 SiO
15a 側壁部
21 第1のパターン
22 第2のパターン
23 第3のパターン
30、30a〜30e 断面形状モデル
31 基板モデル
32、32a、32b 被エッチング層モデル
33a、33b 側壁部モデル
34 第1のパターンモデル

W ウェハ
L1、L2、L3、L4 ライン幅
S1、S2、S3、S4 スペース幅
D 厚さS
W1、W2、H1、H2、θ1、θ2 形状パラメータ
D1、W3、H3、H4 形状パラメータ
WT1、WT2 厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に周期的に形成された第1のパターンの側壁を被覆する側壁部よりなる第2のパターンの断面形状を検査するパターン形状検査方法であって、
前記第2のパターンが形成された前記基板に所定の入射角で入射光を入射し、該入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる測定データを得る測定ステップと、
前記側壁部の断面形状を決定する形状パラメータを含む前記第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを用い、前記形状パラメータが異なる複数の断面形状モデルに対応して、各々の該断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンに前記入射光が回折反射される反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる複数の計算データを計算し、前記計算データが前記第2のパターンの前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定し、該モデルパターンに対応する前記形状パラメータを決定することによって、前記第2のパターンの断面形状を決定する決定ステップと
を含むことを特徴とするパターン形状検査方法。
【請求項2】
前記決定ステップ後、決定された前記形状パラメータと、該形状パラメータの所定の上限基準値及び下限基準値との大小関係を判定し、前記形状パラメータが前記上限基準値より大きい場合又は前記下限基準値より小さい場合に警報を出力する判定ステップを含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形状検査方法。
【請求項3】
前記形状パラメータは、夫々前記側壁部の幅、高さ又は前記基板の上面からの傾斜角であることを特徴とする請求項1又は2記載のパターン形状検査方法。
【請求項4】
前記決定ステップは、前記複数の前記計算データを予め計算し、予め計算した該複数の計算データを格納したデータベースを用い、該データベースに格納された前記計算データが前記第2のパターンの前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のパターン形状検査方法。
【請求項5】
基板上の被エッチング層の上に有機膜を形成する工程と、
前記有機膜をフォトリソグラフィにより加工し、所定のピッチを有する第1のパターンを形成する第1パターン形成工程と、
前記第1のパターンの側面を被覆するように前記被エッチング層上に酸化シリコン膜を成膜する成膜工程と、
前記酸化シリコン膜が前記第1のパターンの側壁部として残るようにエッチングするエッチング工程と、
前記第1のパターンの前記有機膜を除去することによって残った前記側壁部で構成される第2のパターンを形成する第2パターン形成工程と、
請求項1乃至4の何れか一項に記載のパターン形状検査方法を行うパターン形状検査工程と
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記有機膜は、BARC膜又はフォトレジスト膜であることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記パターン形状検査方法を、前記エッチング工程と前記第2パターン形成工程との間に行うことを特徴とする請求項5又は6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
第1の基板上に請求項7記載の半導体装置の製造方法を用いて半導体装置を製造する第1の製造工程と、
第1の製造工程の後、第2の基板上に請求項7記載の半導体装置の製造方法を用いて半導体装置を製造する第2の製造工程と
を含む半導体装置の製造方法であって、
前記第1の製造工程に含まれる前記パターン形状検査工程において決定された前記形状パラメータと、該形状パラメータの所定の下限値との大小関係を判定し、前記形状パラメータが前記下限値より小さい場合に、前記第2の製造工程に含まれる前記エッチング工程におけるエッチング時間を、前記第1の製造工程に含まれる前記エッチング工程におけるエッチング時間より短くなるように変更し、第2の製造工程を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
基板上に周期的に形成された第1のパターンの一の側の側壁を被覆する第1の側壁部と、該第1のパターンの該一の側と反対側の側壁を被覆する第2の側壁部とよりなる第2のパターンの断面形状を検査するパターン形状検査方法であって、
前記第2のパターンが形成された前記基板に所定の入射角で入射光を入射し、該入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる測定データを得る測定ステップと、
前記第1の側壁部の断面形状を決定する第1の形状パラメータと、該第1の形状パラメータに対応し、前記第2の側壁部の断面形状を決定する第2の形状パラメータとを含む前記第2のパターンの断面形状をモデル化した断面形状モデルを用い、前記第1の形状パラメータ又は前記第2の形状パラメータが異なる複数の断面形状モデルに対応して、各々の該断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンに前記入射光が回折反射される反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる複数の計算データを計算し、前記計算データが前記第2のパターンの前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定し、該モデルパターンに対応する前記第1の形状パラメータ及び前記第2の形状パラメータを決定することによって、前記第2のパターンの断面形状を決定する決定ステップと
を含むことを特徴とするパターン形状検査方法。
【請求項10】
前記決定ステップ後、決定された前記第1の形状パラメータと前記第2の形状パラメータとの間の寸法差と、所定の基準値との大小関係を判定し、前記寸法差が前記基準値より大きい場合に警報を出力する判定ステップを含むことを特徴とする請求項9記載のパターン形状検査方法。
【請求項11】
前記第1の形状パラメータ及び前記第2の形状パラメータは、夫々前記第1の側壁部及び前記第2の側壁部の幅、高さ又は前記基板の上面からの傾斜角であることを特徴とする請求項9又は10記載のパターン形状検査方法。
【請求項12】
前記決定ステップは、前記複数の前記計算データを予め計算し、予め計算した該複数の計算データを格納したデータベースを用い、該データベースに格納された前記計算データが前記第2のパターンの前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定することを特徴とする請求項9乃至11の何れか一項に記載のパターン形状検査方法。
【請求項13】
基板上の被エッチング層の上に有機膜を形成する工程と、
前記有機膜をフォトリソグラフィにより加工し、所定のピッチを有する第1のパターンを形成する第1パターン形成工程と、
前記第1のパターンの側面を被覆するように前記被エッチング層上に酸化シリコン膜を成膜する成膜工程と、
前記酸化シリコン膜が前記第1のパターンの側壁部として残るようにエッチングするエッチング工程と、
前記第1のパターンの前記有機膜を除去することによって残った前記側壁部で構成される第2のパターンを形成する第2パターン形成工程と、
請求項9乃至12の何れか一項に記載のパターン形状検査方法を行うパターン形状検査工程と
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記有機膜は、BARC膜又はフォトレジスト膜であることを特徴とする請求項13記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記パターン形状検査工程を、前記エッチング工程と前記第2パターン形成工程との間に行うことを特徴とする請求項13又は14記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
基板上に周期的に形成された第1のパターンを被覆する酸化シリコン膜の断面形状を検査するパターン形状検査方法であって、
前記酸化シリコン膜が形成された前記基板に所定の入射角で入射光を入射し、該入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる測定データを得る測定ステップと、
前記酸化シリコン膜の厚さを含む前記酸化シリコン膜の断面形状をモデル化した断面形状モデルを用い、前記厚さが異なる複数の断面形状モデルに対応して、各々の該断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンに前記入射光が回折反射される反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる複数の計算データを計算し、前記計算データが前記酸化シリコン膜の前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定し、該モデルパターンに対応する前記厚さを決定することによって、前記酸化シリコン膜の断面形状を決定する決定ステップと
を含むことを特徴とするパターン形状検査方法。
【請求項17】
前記決定ステップ後、決定された前記厚さと、該厚さの所定の上限基準値及び下限基準値との大小関係を判定し、前記厚さが前記上限基準値より大きい場合又は前記下限基準値より小さい場合に警報を出力する判定ステップを含むことを特徴とする請求項16記載のパターン形状検査方法。
【請求項18】
基板上に周期的に形成された第1のパターンを被覆する酸化シリコン膜の断面形状を検査するパターン形状検査方法であって、
前記酸化シリコン膜が形成された前記基板に所定の入射角で入射光を入射し、該入射光が回折反射される反射光の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる測定データを得る測定ステップと、
前記第1のパターンの一の側の側壁を被覆する前記酸化シリコン膜の第1の厚さと、前記第1のパターンの前記一の側と反対側の側壁を被覆する前記酸化シリコン膜の第2の厚さとを含む前記酸化シリコン膜の断面形状をモデル化した断面形状モデルを用い、前記第1の厚さ又は前記第2の厚さが異なる複数の断面形状モデルに対応して、各々の該断面形状モデルが周期的に連続して構成されるモデルパターンに前記入射光が回折反射される反射光の計算上の振幅比スペクトル及び位相差スペクトルよりなる複数の計算データを計算し、前記計算データが前記酸化シリコン膜の前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定し、該モデルパターンに対応する前記第1の厚さ及び前記第2の厚さを決定することによって、前記酸化シリコン膜の断面形状を決定する決定ステップと
を含むことを特徴とするパターン形状検査方法。
【請求項19】
前記決定ステップ後、決定された前記第1の厚さと前記第2の厚さとの間の寸法差と、所定の基準値との大小関係を判定し、前記寸法差が前記基準値より大きい場合に警報を出力する判定ステップを含むことを特徴とする請求項18記載のパターン形状検査方法。
【請求項20】
前記決定ステップは、前記複数の前記計算データを予め計算し、予め計算した該複数の計算データを格納したデータベースを用い、該データベースに格納された前記計算データが前記第2のパターンの前記測定データと最もマッチングするように前記モデルパターンを決定することを特徴とする請求項16乃至19の何れか一項に記載のパターン形状検査方法。
【請求項21】
基板上の被エッチング層の上に有機膜を形成する工程と、
前記有機膜をフォトリソグラフィにより加工し、所定のピッチを有する第1のパターンを形成する第1パターン形成工程と、
前記第1のパターンの側面を被覆するように前記被エッチング層上に酸化シリコン膜を成膜する成膜工程と、
前記成膜工程の後、請求項16乃至20の何れか一項に記載のパターン形状検査方法を行うパターン形状検査工程と、
前記酸化シリコン膜が前記第1のパターンの側壁部として残るようにエッチングするエッチング工程と、
前記第1のパターンの前記有機膜を除去することによって残った前記側壁部で構成される第2のパターンを形成する第2パターン形成工程と
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記有機膜は、BARC膜又はフォトレジスト膜であることを特徴とする請求項21記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2010−60388(P2010−60388A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225250(P2008−225250)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】