説明

ビア及びエッチングされた構造におけるコンフォーマル絶縁層の形成方法及びパターン形成方法

マスク層の下にアンダーカット形状を形成するエッチングプロセスによって基板にビアが形成される。ビアはコンフォーマルな絶縁層で覆われ、この構造にエッチングプロセスを実施して水平面から絶縁層を取り除くと共にビアの垂直な側壁の絶縁層を残す。ビアの上部領域はエッチバックプロセスの際、アンダーカットハードマスクによって保護される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロエレクトロニクス、ナノエレクトロニクス、マイクロ電気機械システム(MEMS)、ナノ電気機械システム(NEMS)、光学デバイス、その他のタイプのデバイスにおけるビア及び他のパターン形成構造にコンフォーマルな(conformal)電気的絶縁を設ける方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の離散的な電子デバイスを単一パッケージ内に組み合わせることに対する関心から、それらのデバイスを3次元的(3D)に積層して連結することを可能にするようにデバイス基板を貫通する電気接点を設ける新しい方法が開発された。デバイスが並置された上面の接点の間を通常のワイヤボンディングで連結するマルチチップ・モジュールと異なり、基板を貫通するビア(vias)は、離散的な3D積層によって基板を貫通してデバイス間の電気的接触を形成することを可能にする。例えば、マイクロプロセッサとメモリチップを単一のパッケージ内で組み合わせて、2つの離散的なコンポーネントが占めるスペースを減らすことが可能になる。ワイヤボンディングやその他の側方連結方式で連結される並置されて横並びでパッケージされるデバイスに比べて、積層形態では2つ以上の連結されたデバイス間の信号伝送が改善され、それに関連して電力消費を減らすことができる。さらに、多数のデバイスの3Dパッケージングは、横並びにパッケージされるデバイスに比べてチップパッケージが少なくなり、多数の離散的なデバイスの利用が可能になり、これは、コンパクトな製品サイズと長いバッテリー寿命が必要な携帯電話、ネットブック、その他の携帯電子装置にとって重要な利点である。
【0003】
多数のチップが共に積層されるシステム・イン・パッケージ(SiP)アーキテクチャは、基板の表側から裏側へ貫通する連結を生む加工方法を発展させている。集積方法製造の一環として、個々のデバイスの基板を貫通するビアを作り出すことと、デバイス間の中間層として用いられるインターポーザ(interposer)がある。ビアの主たる目的は、積層されたチップ間で電気信号を搬送する導電プラグのアレイ形成を可能にすることである。電流が流れる導電プラグは、電子デバイスの製造で最も広く用いられる基板材料であるシリコンなどの導電性基板材料を用いる構成では基板から絶縁されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、エッチングされた構造の側壁において高いスループットを備えるコンフォーマルな絶縁層を形成するというこの産業におけるニーズに応えるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある実施形態では、本発明は高いエッチング速度とスキャロップ状(scalloped)側壁を与えるサイクリックエッチングプロセスの利用を可能にする。技術の現状では、サイクリックプロセスと非サイクリックプロセスを用いて、側壁の粗さ又はスキャロップ(scalloping)を小さくしてあとで蒸着される絶縁層の不十分な被覆を補償するようにしている。側壁の粗さを小さくするために開発されたエッチングプロセスは、普通は遅く、そのためにスループットも遅くなる。ある実施形態では、本発明は高いエッチング速度とそれに対応する高い生産スループットで特徴づけられるエッチングプロセスを利用する。さらに、この産業における現行の方法ではコンフォーマリティが低い絶縁層が用いられ、そのために側壁の連続した一様なコーティングが難しい。ある実施形態で、本発明は一様な厚さの連像なフィルムを生成する高分子フィルムを使用し、現在の絶縁蒸着技術では一様なコーティングが難しい高いアスペクト比のビア及びエッチングされた構造でもこのようなコーティングを生成できる。
【0006】
高スループットのエッチングプロセスと高度にコンフォーマルなフィルムの使用に加えて、本発明の実施形態におけるエッチングされた構造はオーバーハングの形成を可能にし、それによりビア及びエッチングされた構造を生成するのに用いられたと同じマスク・パターンを用いて、オーバーハングがない場合には劣化に敏感な構造部位を保護することが可能になり、またコンフォーマルに蒸着された絶縁層を、その後の加工では必要とされない部位から取り除くことも可能になる。
【0007】
ある実施形態で、本発明のプロセスは、半導体デバイスの製造で用いられる構造の側壁に絶縁層を形成する方法を提供する。ある例示的プロセスにおいて、マスクを備える構造で予め形成されたオーバーハングを作り出す方法と、マスク上及びマスク下並びに構造内にコンフォーマルなフィルムを蒸着する方法と、次のプロセスでそのフィルムが必要でない領域又はデバイスのデバイス構造に必要でない領域からコンフォーマルなフィルムを取り除くエッチングプロセスと、が提供される。半導体デバイス製造で最もよく用いられる2つの絶縁体、すなわち二酸化ケイ素と窒化ケイ素では、同様のアプローチが利用できない。これらのフィルムでは、被覆するフィルムのコンフォーマリティが低く、これらの材料を複雑な3次元構造から選択的に取り除くプロセスが存在しないためである。
【0008】
ある実施形態で、本発明は、エッチングされた側壁にコンフォーマルに蒸着された絶縁層を生成する方法であって、ビアのエッチングの際にビアの側壁の粗さを低くするという制約条件を大きく緩和する又はなくする方法を提供する。例えばシリコン層のような現在用いられる方法は、シリコンにおけるビアのエッチングで生成される側壁の輪郭にぴったりと追従する。きわめてコンフォーマルな方法で蒸着され得るパリレンコーティングやその他の材料の使用は、典型的なエッチングプロセスで生ずる粗さを平滑化する傾向があり、コンフォーマルフィルムのように側壁の粗さを平滑化する傾向を有しない絶縁材料に比べて非常に強いエッチング条件を用いて加工コストを減らすことを可能にする。典型的なシリコンエッチング速度は、粗い側壁を形成するプロセスでは20μm/minを超えるのに対し、滑らかな側壁を形成するプロセスでは5μm/minより低い。ある実施形態では、本発明のプロセスは、本発明のプロセスを用いるプロセスフローにおいて、それだけに限定されないが、高いエッチング速度のプロセスを使用してスループットを最大にし、製造コストを減らすことを可能にする。
【0009】
本発明のプロセスの実施形態では高いエッチング速度のプロセスを柔軟に用いることができるので、基板側壁に絶縁層を、そして絶縁層に導電性のフィルムやプラグを、機械的に固定する手段を導入することが可能になり、材料の膨張係数の差の結果として、本発明の方法で製造される構造におけるフィルムの接着の低さによって、さらに本発明のプロセスの後のデバイス製造プロセスにおけるフィルム性質の変化によって生ずる問題を解決できる。
【0010】
現在の技術では、エッチングの際の側壁の粗さを小さくしてその後形成される絶縁層の粗さを小さくしようという努力の他に、マスク層のアンダーカットを小さくしようとすることに一般に注意が払われているが、これもやはり加工コストの増加につながる。アンダーカットをほとんど全く生じないようなプロセスは、普通は遅くなり、したがってコストがかさむ。
【0011】
マスクのアンダーカットは普通、酸化ケイ素のコーティングの実施を面倒なものにする。それはこのコーティングで観察されるコンフォーマリティが低く、これらのフィルムを蒸着するのによく用いられる方法では空洞又はアンダーカット構造にコーティングできないためである。本発明の実施形態では、マスクの制御されたアンダーカットが本発明のプロセスの重要な要素になる。高いエッチング速度を生じさせて全体の加工時間を最小にするアグレッシブなエッチング方法を用いることができ、コンフォーマルなフィルムを用いて本発明のプロセスで必要な空洞やアンダーカット構造を容易に埋めることができる。マスク層の意図的なアンダーカットは、コンフォーマルなフィルムを、特にパリレンコーティングにおいて、上部のエッチングされた構造40の外側部位、及びマスク30の端部の部分から取り除くために好ましく必要な幾何形状を生成し、再マスキングプロセスの必要がなくなる。コンフォーマルなフィルムが以後の加工で必要とされない部位から取り除かれるエッチバックプロセス150の際、マスクのアンダーカットは絶縁層と基板の界面を、現在の加工方法では利用できないような仕方で保護する。
【0012】
ある実施形態では、最初に基板のエッチングプロセスでエッチング構造40を画定するために用いられた同じマスクで側壁絶縁層20を保護するようにマスク層30が再利用されることに、製造プロセスにおけるプロセス数を減らし、製造コストを減らすという利点がある。マスク層30は側壁50における絶縁側壁20を保護するために用いられ、同時にマスク層30の上部から、構造40の上部におけるマスク開口内の部分から、さらに実施形態によっては以後の加工に必要でない領域のエッチング構造40の底部の水平面52から、絶縁層20を取り除くことを可能にする。
【0013】
ある実施形態では、マスク層30はエッチバックプロセス150の後に取り除く必要がない。マスク層30は完成されたデバイスにおいて絶縁層20と共に一体的な絶縁層として利用され得る。この付加的な再利用も製造コストを更に低減する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】1a)パターン形成された構造を施した後、1b)コンフォーマルなフィルムを蒸着した後、1c)コンフォーマルなコーティングのエッチバックをした後、といった本発明のプロセスを示す断面図である。
【図2】本発明のプロセスのプロセスシーケンスである。
【図3】パリレン蒸着モジュールを示す概略図である。
【図4】本発明のプロセスのある実施形態を用いて絶縁側壁層が生成されたエッチング構造を示す断面図である。
【図5】本発明のプロセスの別の実施形態を示す図である。
【図6】本発明のプロセスに用いることができるエッチングされたビア構造を示す様々な断面図である。
【図7】コンフォーマルな絶縁体蒸着プロセス後のビア構造を示す断面図である。
【図8】絶縁層のコンフォーマリティの例を示す図である。
【図9】本発明のプロセスを用いて形成された絶縁側壁を有するビアを示す図である。
【図10】本発明のプロセスのある好ましい実施形態を示す図である。
【図11】コンフォーマルな絶縁層を取り除くための異方性エッチングの例を示す図である。
【図12】本発明のプロセスのある実施形態を用いて機械的に固定された絶縁層と充填物(fill)を含む絶縁側壁層が生成されたエッチングされた構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のプロセスのある実施形態102が図1と図2に示されている。図1には、本発明のプロセスにおけるステップを通してエッチングされた構造の進行が示されている。図1に示されたステップに関連するプロセスフローが図2に示されている。
【0016】
本発明のプロセスのある実施形態102では、少なくともひとつのエッチングされた構造を備えるパターン形成された基板95が、図1aに示されたような101を設けられる。この好ましい実施形態では、基板95は、マスク層30からのオーバーハング60を備える少なくともひとつのパターン形成された構造40を有する。好ましい実施形態では、マスク層30は酸化ケイ素又は窒化ケイ素である。この好ましい実施形態では、パターン形成された基板95は基板貫通電極又はシリコン貫通電極(TSV)である。TSVsを形成するために普通に用いられる方法は、サイクリックエッチングプロセスであり、エッチングと蒸着が交互に行われるプロセスでシリコン基板に孔が形成される。最初に、基板の上面に形成されたパターン形成されたマスキング層によってシリコンが除去される。露出したシリコンを、短時間、概して2秒から10秒で等方的に取り除くため、6フッ化硫黄(SF6)などの腐食性気体を用いてエッチングがシリコンを貫通して進行し、それに続いてCなどの炭化フッ素を含む気体を用いたパッシベーションステップが行われてエッチングされたシリコンの側壁に薄い層が蒸着され、その後のサイクルにおける側方へのエッチングを防ぐ。引き続く第2のサイクルで、SF6エッチングステップは薄い炭化フッ素の層を進展するビア及びその他のエッチングされた構造の底の水平表面から除去し、さらに目的の用途で許されるシリコンの側方エッチングによって決まる目標の厚さのシリコンを除去しなければならない。等方的なエッチングプロセスでは、垂直方向と側方のエッチング深さはほぼ等しく、したがってサイクリックプロセスでSF6エッチングステップの時間が増すにつれてシリコンにおける側方と垂直方向のエッチング深さも増加する。各サイクルにおける側方のエッチング深さは、SF6エッチングステップの際に、進行するビア及びその他のパターン形成された構造の側壁に生じた、概してスキャロップと呼ばれるある程度の粗さを生ずる。
【0017】
この好ましい実施形態では、コンフォーマルな絶縁層が、図1bに示されるようにパターン形成された基板95に蒸着されて140、マスク層30とエッチングされた構造40の露出した表面にコーティングして構造96が生成される。この好ましい実施形態では、コンフォーマルなコーティング20はパリレンであり、コーティングはエッチングされた構造40のスキャロップ状の側壁50上に施される。パリレンは様々な蒸着されたポリ(p−キシリレン)ポリマーの商標名である。
【0018】
シリコン・ビア、トレンチ、その他のパターン形成された構造におけるスキャロップ状の側壁は、集積回路製造でよく用いられる絶縁材料であるコンフォーマルな低温の酸化ケイ素ではコーティングするのが難しいことがある。基板貫通電極などの形成で用いられる深いビアは、アスペクト比が10:1を超えることがある(ここで、アスペクト比はビア深さ対ビア幅と定義される)。1:1という小さなアスペクト比で、ビアなどのエッチングされた構造の上部と底部の間でフィルムカバレージ(被覆)の顕著な差が、プラズマ化学気相蒸着(PECVD)された酸化ケイ素層で観測されている。ビアの上部と底部の間の観測されたフィルム厚の差は、ビアの側壁への絶縁層の蒸着に続くその後のデバイス製造プロセスにおける以後のステップの有効性に大きく影響する。例えば、ビアの上部における絶縁フィルムの厚さがビアのボトムにおけるフィルムの2から3倍の厚さであると、狭いビアの上部における開口への酸化物の厚い侵食がビアの底部における側壁に、入ってくる蒸着材料からの影を生じてビアの底部まで連続した絶縁層を形成することを困難にする可能性がある。
【0019】
したがって、この産業では、半導体デバイスの製造で用いられる構造の側壁に過剰な蒸着材料の集積で妨げられないように絶縁層を形成する方法、又はこの集積に対処できるプロセス、が必要とされている。本発明のプロセスでは、マスクを用いて構造におけるオーバーハングを予め形成し、マスクの上及び下、及び構造内にコンフォーマルなフィルムを蒸着する方法と、その後の加工においてフィルムが必要ない領域からコンフォーマルなフィルムを取り除くエッチングプロセスと、が提供される。半導体デバイスの製造で最もよく用いられる2つの絶縁体、すなわち二酸化ケイ素と窒化ケイ素、では同様のアプローチは利用できない。それは、これらのフィルムのカバレージ(被覆)のコンフォーマリティが低く、複雑な3次元構造からこれらのフィルムを選択的に除去できるプロセスがないためである。
【0020】
ビアをコーティングするのに適当な絶縁フィルムは、一般に高い絶縁破壊電圧を有し、一様な厚さで一様なフィルム性質を有する連続なピンホールのない層として蒸着される。多くの用途で、不可欠ではないが、ビア又はエッチングされた構造40の上部における絶縁フィルムの厚さがビア又はエッチングされた構造40の底部における絶縁フィルムの厚さにほぼ等しいことが好適である。ビアの底部で水平面に蒸着されたフィルムは、普通、プロセスフローのどこかの時点で除去される。蒸着された絶縁フィルムの表面のなめらかさを制御できるということもTSV用途で用いられる絶縁材料の重要な特性である。粗い側壁表面は、粗い側壁表面形態に蒸着される絶縁層のフィルム厚に大きなばらつきを生ずる可能性がある。コンフォーマルに蒸着されたフィルムは、表面粗さを強調するよりも、粗い表面を滑らかにする傾向がある。蒸着されたフィルムのコンフォーマリティは一般に、化学気相蒸着プロセスにおいて基板に到達する分子種の付着係数とリンクしている。付着係数は0と1の間の値をとり、ある特定の材料とプロセスに関するその値は、ある程度、衝突する気体分子が成長しているフィルムの表面に付着する確率の目安となる。付着係数はプロセス設備の形態、及びプロセス条件、例えば基板温度など、によって左右される。付着係数が低い又は0に近い場合、蒸着されるフィルムはコンフォーマルになる傾向がある。逆に付着係数が高い又は1に近い場合、成長するフィルムのコンフォーマリティは一般にきわめて低くなる。低いコンフォーマリティは一般にTSV構造におけるステップ被覆の不良につながる。
【0021】
パリレンについて。パリレンは、普通は粉末の形で生産される前述の[2,2]パラシクロファン・ダイマー、から形成される。パリレン-Nとして普通知られる置換されない分子形態で、この材料はまたジ・パラ・キシリレンとも呼ばれる。パリレン-Nダイマーの分子構造は、パラ位置で付着した炭素ブリッジで接合された2つのベンゼン環から成っている。パリレンの他の変型も誘導されており、例えば、パリレンCとパリレンDがあり、そこでは塩素が分子構造に存在する。例えば、パリレンCは各ベンゼン環にひとつの塩素原子が付着しており、パリレンDは各環に2つの塩素原子を含む。いくつかのフッ化パリレンも生成されている。パリレンモノマーの分子構造における他の元素の存在は、一般にパリレンフィルムの性質に影響する。例えば、フッ化パリレンで作られるフィルムは、フッ素を含まないパリレンフィルムに比べて高温用途で高い許容度を有する。
【0022】
パリレン薄フィルムの蒸着は一般に、[2,2]パラシクロファン・ダイマーに熱源を印加して160℃から180℃という周囲温度を発生して蒸気を形成し、それを温度が550℃から750℃という範囲の分解炉に通してダイマー分子をモノマー形態に分割することによって実行される。モノマーは分解炉から普通は室温以下の基板に導かれる。パリレンの蒸着速度は基板温度に逆比例する。典型的な基板温度は−40℃から+30℃の範囲にあるが、もっと低い温度も使用できる。−40℃より低い温度は大きな蒸着速度を達成でき、もっと高い温度に比べて高い蒸着速度を実現するために低温を利用できるが、低い温度を生ずるために必要なハードウエアのコストと運転コストも増加する。液体窒素温度という低い(77K)蒸着速度も報告されている。モノマーの蒸気が分解炉から冷却された基板に達すると、蒸気はウエハーに凝縮し、自発的に集まって長鎖ポリマーになる。全プロセスは真空中の低圧で行われる。パリレン蒸着チャンバーにおける典型的な圧力は10mTorrから200mTorrの範囲にある。パリレン蒸着システムの典型的なコンポーネントを示す模式図が図3に示されている。
【0023】
図3は、好ましい実施形態におけるプロセスモジュールの概略を示しており、それを用いてコンフォーマルなパリレン絶縁層140を蒸着し、現場(in-situ)エッチバック150を行うことができる。この好ましい実施形態では、パリレンが絶縁体蒸着プロセス140で蒸着された絶縁層20として用いられ、現場エッチバックプロセス150によって絶縁層20を絶縁層が必要でない又は望ましくない部位から取り除く。
【0024】
図2に示された本発明のプロセスの好ましい実施形態では、絶縁層20はパリレンであり、図3に模式図で示したようなプロセスモジュールを用いて蒸着される。図3は、管状炉240と分解炉250にスロットル弁230を通して接続されたダイマーアンプル220を備えるダイマー蒸発オーブン210を有するパリレン蒸着システムを示す。運転時、ダイマーアンプル220がダイマーオーブン210で、概して160℃から180℃の範囲の温度に加熱されてダイマー蒸気を発生し、次にそれがダイマーの流れを調節するスロットル弁230を通して分解炉250に運ばれる。ダイマー分解炉250は、典型的には550℃から750℃の範囲の温度で運転されて、蒸着されるフィルムの前駆材料であるパリレン蒸気のダイマー分子をモノマー分子に分解する。分解炉250からモノマーのパリレンがプロセスチャンバーに入り、必ずしも常にではないが普通はひとつ以上の隔離弁260を通してプロセスモジュール200に運ばれる。基板300は電極310上に置かれており、温度制御装置320によって−40℃から+30℃の範囲の典型的な温度に冷却されている。電極310は、必ずしもそれに限られないが好ましくは静電気又は機械的に固定された電極で、基板300の温度をより良く制御するためにヘリウム、窒素、又はアルゴンによって裏側から気体で冷却できるようになっている。例えば、真空下で半導体及びMEMSウエハーにパリレンをコーティングするには、ウエハーを静電気又は機械的クランプで固定して所望のウエハー温度に、特に周囲条件よりも低い温度に維持することができる。裏側の熱輸送気体を用いてウエハーを冷却し、ウエハー温度のさらに精密な制御を可能にすることもできる。実際には、低温は高い蒸着速度と高いスループットを実現する手段となる。
【0025】
パリレン蒸着プロセスは容易に0.5ミクロン/分を超えることができ、典型的なPECVD酸化物プロセスに比肩する。
【0026】
他のプロセスモジュールを本発明の実施形態で用いてパリレン絶縁体20を蒸着し、蒸着プロセス140の後でパリレン20のエッチ150を生成して本発明の範囲にとどまることができる。例えば、Indianapolis IndianaのSpecialty Coating Systemが製造しているようなパリレン蒸着設備を用いても、絶縁体20を提供できる。図3に示されたモジュールのような単一ウエハープロセスモジュールは、Specialty Coating Systemによって製造されたシステムのようなバッチシステムにおいて、向上されたプロセスの繰り返し性と制御とを提供する。さらに、図3に示されたような単一ウエハー構成は、基板300の裏側の望まないコーティングを排除できる。単一ウエハー装置は、蒸着ステップの終了の合図を出す自動制御システムによってプロセスモジュールに結合されるエンドポイントシステムで構成してプロセスの繰り返し性を向上させることができる。単一ウエハー処理装置は、パリレン蒸着の間に、基板を冷却する能力と基板300の温度の一様性をより良く制御できる能力とによって、バッチシステムよりも高い蒸着速度とフィルム性質の高い一様性とを可能とする。
【0027】
この好ましい実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20を蒸着するステップ140の後に、エッチバックステップ150が続き、そこでは図1cに示されるように、エッチバックステップ150で用いられるプラズマへの視線上にある基板300の領域からコンフォーマルなフィルム20が取り除かれる。この好ましい実施形態では、エッチバックステップ150は、酸素を含むプラズマによってコーティングが必要でない基板96の領域からコンフォーマルなパリレン絶縁層を除去して基板97を生成する異方性エッチングのプロセスである。異方性エッチングプロセス150の使用は、コンフォーマルなパリレンフィルム20の除去を、図1cに示されるようにマスク層30の開口に対して完全に垂直な視線又はほぼ垂直な視線を有する表面に限定することが好ましい。この酸化プロセスは酸化ケイ素や窒化ケイ素などの堅いマスク材料に比べてコンフォーマルな高分子フィルム20の除去に関してきわめて選択的であるため、構造の再マスキングは必要ない。
【0028】
必要というわけではないが、本発明のプロセスのある実施形態では、プロセスの後でマスク層30を構造に一体化された部分としてそのままその位置に保持することができるようにしている。
【0029】
図1cは、コンフォーマルな絶縁層20がマスク層30の上面から、マスク層30の開口の端部から、そしてエッチングされた構造40の底面から除去された基板97を示している。オーバーハング60が側方へコンフォーマルな絶縁フィルム20の厚さに比べてエッチングされた構造40の中へ伸びる度合に応じてコンフォーマルな絶縁層20の露出した表面からの付帯的な又は意図的な材料の除去も行われる。側壁上のコンフォーマルなフィルム20がオーバーハング60の幅よりも厚くなっている実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20のある程度の除去が予想される。コンフォーマルなフィルム20がオーバーハング60の幅よりも薄い実施形態では、コンフォーマルなフィルム20の除去はごくわずかであるか、又は全くない。
【0030】
コンフォーマルな絶縁層20が薄くて側壁50のスキャロップ又は粗さを平滑化することができない実施形態では、エッチバックステップ150によってコンフォーマルなコーティング20の意図的な又は意図しない平滑化がなされるかもしれない。これは特に、オーバーハング60の幅がコンフォーマルなコーティング20の厚さにほぼ等しく、コンフォーマルコーティング20が異方性エッチングステップ150で露出している実施形態にあてはまる。
【0031】
粗い側壁、普通は高スループットのシリコンエッチングプロセスの産物である粗い側壁の利用は、本発明の実施形態では推奨される。
【0032】
基板貫通ビアを有するデバイス構造について。図4には、基板貫通電極の製造に本発明のプロセス102を組み込んだデバイス構造500の断面図が示されている。本発明のプロセス102はシリコン貫通電極の製造に好適であるが、その応用はシリコン貫通電極に限定されない。
【0033】
図4に示された例では、絶縁層20が側壁50上に蒸着され、バリヤー層74がコンフォーマルな絶縁層20上に蒸着され、シード層76がバリヤー層74上に蒸着されている。導電性プラグ72が基板10のビア40を充填して基板10を貫通する導電路を形成しているのが見られる。デバイス構造500はまた、基板10の一部が取り除かれて、図4のような向きで導電性プラグ72と絶縁体20の底部を露出させていることを示す。
【0034】
図4に示された例では、エッチングされた構造40に絶縁性の側壁が設けられる本発明のプロセス102のある実施形態が示されている。本発明のプロセスは、アンダーカット形状を施すエッチングプロセスを含むコンフォーマルなコーティングの使用と、その後のプロセスでコーティングが必要でないデバイス構造の領域からコンフォーマルなコーティングを取り除くことと、を組み合わせている。マスク層30は、基板10にエッチングされた構造40を形成することと、その後絶縁層20が必要でないデバイス構造500の領域から絶縁層を取り除くという二重の目的でエッチングマスクを設ける。エッチングステップ150で絶縁層20を除去できて再パターニングを必要としない領域は、異方性プラズマへの視線上(line-of-sight)にある領域である。マスク層30の上面の単数又は複数の平面の上の構造部分から、エッチングされた構造40を生成するために用いられるパターン開口の内部から、そして実施形態によっては、エッチングされた構造40の底部の水平な面52から、絶縁層10が全部又は一部除去される。
【0035】
3Dデバイス積層アプリケーションで基板を貫通する導電性プラグを形成するためにこの産業で用いられている方法は、1)シリコンのような基板をプラズマ・エッチングのプロセスのため露出させビアの配列を形成し、2)絶縁層がビア側壁に形成され、3)ビア内で絶縁層上に導電性材料が蒸着されてビアの上部から底部まで基板を貫通する導電路を形成する、といった一体化されたプロセスステップの組合せを用いる。導電性材料はビアを完全に又は部分的に充填して導電路を形成する。絶縁層は、理想的には小さな静電容量で電気抵抗があるバリヤーを導電性プラグと基板の間に形成して、導電性プラグと基板が電気的に短絡されることを防ぐ。積層されたデバイスの間で導電性プラグを通って伝送される電気信号の減衰を最小にするために導電性プラグと基板の間で生ずる静電容量が小さい絶縁層が好ましい。したがって、誘電率が小さな材料が好ましい。
【0036】
意図せずに生じ得る、絶縁層20を横切る金属の有害な拡散を防ぎ、ビア内での導電性材料の蒸着を容易にするために、付加的なプロセスステップも実施される。導電性プラグ72から基板への銅などの金属の移動を防ぐために、例えば、Ti、TiN、Ta、TaN、TiAIN及びNiBなどのフィルムのひとつ以上の層から成る拡散バリヤー74が、概して絶縁層20上に蒸着される。銅はよく用いられる導電性プラグ材料であり、シリコンへの銅の拡散は電気デバイスの性能に有害な影響を及ぼす可能性がある。物理的蒸気、原子層蒸着、ナノ層蒸着、電気化学蒸着及びその他の蒸着技術によって蒸着されたシード層76も、導電性プラグ材料の電気化学蒸着を開始させるために用いられる。シード層76は、プラグ材料と同じ材料であっても、同じ材料でなくてもよい。無電解蒸着のような方法においてはシード層は必要ない。
【0037】
電気デバイスの製造に現在最もよく用いられる基板材料はシリコンである。シリコンが基板材料として用いられる場合、ビアは普通、シリコン貫通電極(TSVs)と呼ばれる。これらのビアは製造プロセスでシリコン基板を完全に貫通してもよいが、より一般的な方法は、エッチングを基板の底に達する前に止め、図4に示されるような次のプロセス統合ステップでビアの下に残っているシリコンを除去して導電性プラグとの接点を形成する。
【0038】
基板10は、単一の材料、積層された材料、又はデバイス構造の積層、の少なくともひとつを含み得る。ある実施形態では、基板10は絶縁性基板であり、シリコンその他の半導体材料の薄い層がガラスなどの絶縁基板に取り付けられている。別の実施形態では、基板は、半導体、絶縁体、及び金属フィルムの単一の層又は多重層から成る。さらに別の実施形態では、基板は、電子デバイス、マイクロ電気機械デバイス、又はその他のデバイスを半導体、絶縁体、又は導電性の層又は基板と組み合わせたものである。さらに別の実施形態では、基板は多数の離散的なデバイスの組合せである。さらに別の実施形態では、基板は、キャパシタ、インダクタ、抵抗、トランジスタ、マイクロ電気機械デバイス、ナノ電気機械デバイス、及び光学デバイスの少なくともひとつを含む構造である。さらに別の実施形態では、基板は、キャパシタ、インダクタ、抵抗、トランジスタ、マイクロ電気機械デバイス、ナノ電気機械デバイス、及び光学デバイス、の少なくともひとつ、及び半導体、絶縁体、及び導電性の層の少なくともひとつを含む構造である。その他の材料及び材料の組合せを基板として用いることができ、それらも本発明のプロセスの範囲内にある。
【0039】
本発明のプロセスの文脈では、ビアはエッチングされた構造40である。エッチングされた構造40とは、基板10に形成された孔又は空洞である。構造40は円筒状のビアである必要はない。エッチングされた構造40の形状は、上から見たとき、又は基板の表面に平行にとられた幾何的平面からの断面で、円、卵形、正方形、長方形、八角形、六角形、台形、三角形、又は組合せた形状のシリンダーであってよい。ビア又はエッチングされた構造40の形状は、エッチング深さに対して一様である必要はなく、基板10への深さによって徐々に変化していてもよい。ビア又は構造40の形状は、上部から底部まで同じである必要はない。
【0040】
プロセスの流れについて。図5は、選択的ステップを追加した本発明のプロセスの好ましい実施形態を、基板貫通電極、特にシリコン貫通電極の製造で典型的に用いられる図2で説明したプロセスフローと比較して示している。図5に示された本発明のプロセスシーケンス105は、基板のエッチングされた構造の側壁にコンフォーマルな絶縁層を形成する本発明のいくつかの必要なステップをいくつかのオプションのステップと組合せたものである。
【0041】
図5におけるマスクパターン形成ステップ100では、開いた領域とマスクされた領域を含むパターン形成されたマスク層が設けられる。マスク形成された領域は、マスクの下にある基板と下にあるフィルムをエッチングプロセス110への直接露光から保護する。逆に、マスク層の開いている部分は、マスクの下にある基板とフィルム構造への直接のアクセスを可能にし、エッチングプロセス110で材料の除去を可能にする。マスク層及びパターンを設ける方法は当業者に周知であり、本発明の範囲内にある。
【0042】
ある好ましい実施形態では、マスク層はハードマスクであり、好ましくは酸化ケイ素又は窒化ケイ素から成る。さらに別の実施形態では、フォトレジストマスクが用いられる。さらに別の実施形態では、フォトレジストのマスクとハードマスクの組合せを用いてパターン形成されたマスク層30とする。さらに別の実施形態では、金属マスク層が用いられる。さらに別の実施形態では、ひとつ以上の絶縁層、金属層、及び半導体層の組合せによるマスク構造が用いられる。さらに別の実施形態では、本来マスクとして用いることを意図した又は意図していないが、本発明のプロセスと十分に両立してマスクとして用いることができる、製造されたデバイスのフィルム構造のひとつ以上の層をパターン形成してビアマスクが形成される。さらに別の実施形態では、ビアマスクは製造されたデバイスのフィルム構造のひとつ以上の層の上にパターン形成されたPR層である。下にある基板又はフィルム構造からの材料の除去を可能にするために少なくともひとつのマスク層又はフィルム構造の下にある基板又はフィルム構造へのアクセスを与えるためにパターン形成された開口が作られる他の実施形態もマスクパターン形成ステップ100の範囲内にある。
【0043】
サイクリックエッチングについて。本発明のプロセスのステップ110は、基板にエッチングされた構造を作るエッチングのプロセスである。この好ましい実施形態では、エッチングされた構造はシリコン貫通電極である。別の実施形態では、エッチングされた構造は基板貫通電極であり、基板は少なくともひとつのシリコン層とひとつのガラス層から成る。さらに別の実施形態では、エッチングされた構造は基板貫通電極であり、基板は少なくともひとつの半導体層とひとつの絶縁材料の層から成る。さらに別の実施形態では、エッチングされた構造は基板貫通電極であり、基板はキャパシタ、インダクタ、抵抗、トランジスタ、マイクロ電気機械デバイス、ナノ電気機械デバイス、光学デバイス、及びバイオMEMSデバイスの少なくともひとつを含む構造である。さらに別の実施形態では、エッチングされた構造は基板貫通電極であり、基板はキャパシタ、インダクタ、抵抗、トランジスタ、マイクロ電気機械デバイス、及びナノ電気機械デバイスの少なくともひとつ、及び半導体層、絶縁層、及び金属層を含むデバイス構造から成る。ステップ110は基板10を貫通、又は、部分的にエッチングすることができる。
【0044】
さらに別の実施形態では、エッチングされた構造40は基板に形成されたトレンチである。
【0045】
ある好ましい実施形態では、サイクリックエッチングステップ110は、エッチングされた構造40の内部からシリコンの薄い層を取り除くためのSF6プラズマエッチング露光と、サイクリックエッチングプロセス110におけるその後のSF6エッチングステップにおける側方エッチングを防ぐ、又は遅くするために側壁50をパッシベーションする又は被覆するCプラズマ蒸着ステップ露光を含む。
【0046】
シリコンにおける側方エッチングは、SF6エッチングステップの等方性によって生じる。シリコンを取り除くためにSF6などの等方性エッチング化学材料を用いることは、できるだけ最高の垂直エッチング速度を達成するために普通に行われる。側方エッチングは必要ではない、又は望ましくないが、フッ素とシリコンの間の高い反応性の結果である。エッチングステップと蒸着ステップが交互になされるサイクリックエッチングプロセスでは、進展するビアの基底部における側壁は、小刻みなSF6等方性エッチングステップの間保護されず、その後のパッシベーションステップに露出されて側壁がCプラズマからの炭化フッ素生成物の薄い層で覆われるまで露出されたままである。この炭化フッ素層がその後のSF6エッチングステップにおけるエッチングことから側壁を保護する。
【0047】
シリコンエッチング液としてのSF6と薄い炭化フッ素パッシベーション層を与えるCとの組合せによるシリコン基板におけるサイクリックエッチングプロセスで得られる輪郭は、スキャロップ状の側壁を有する垂直又はほぼ垂直な形状となる。この方法は、大きなシリコン基板に数百ミクロンの深さにビア、トレンチ、その他の構造をエッチングするために用いられてきた。
【0048】
サイクリックエッチングプロセスにおける等方性エッチングステップの持続時間はエッチングされた構造40の側壁の粗さ、又はスキャロップ、の度合を決める重要な因子である。等方性エッチングステップの持続時間が短いと、対応する側壁の粗さを小さくできる。シリコンをエッチングするサイクリックエッチングプロセスで用いられる等方SF6エッチングステップの持続時間が2秒の場合、持続時間が5秒のSF6エッチングステップに比べてスキャロップがずっと浅くなる。エッチングステップの持続時間が増加すると、基板10への側方浸透の度合が増し、スキャロップ状側壁50の側壁粗さの深さも増加する。スキャロップ状側壁50の峰と谷の差によって表される側壁粗さの制御は、サイクリックプロセスを、サイクリックプロセスの変動と共に、絶縁層や導電フィルムがエッチングされた構造40及びビア40の側壁に蒸着されるその後のステップと統合する際に考慮すべき重要な因子である。
【0049】
この好ましい実施形態では、エッチングステップ110はシリコンにビア構造40を作るため、エッチングステップと蒸着ステップが交互になされるサイクリックエッチングである。
【0050】
別の実施形態において、サイクリックエッチングステップ110は、構造40から薄い層を取り除くためのSF6プラズマエッチング露光と、サイクリックエッチングのプロセス110の次のSF6エッチングステップにおける側方エッチングを防ぐため又は速度を落とすためのパッシベーション又は側壁50のコーティングのためのCプラズマ蒸着ステップのための露光と、サイクリックプロセス110において次のSF6プラズマエッチングステップの前にエッチング構造40の底部で水平面52から孔又は一部におけるCパッシベーション層を取り除くための酸素を含むプラズマステップのための露光と、を含む。
【0051】
さらに別の実施形態では、サイクリックエッチングステップ110は、構造40内からシリコンの薄い層を取り除くSF6プラズマエッチング露光と、側壁50をパッシベーション又はコーティングしてサイクリックエッチングプロセス110の以後のSF6エッチングステップで側方エッチングを防止する又は遅くするためのCプラズマ・蒸着・ステップ露光と、エッチングされた構造40の基底部の水平表面52からCパッシベーション層を全部又は一部取り除くためのSF6と酸素を含むプラズマ露光を含む。
【0052】
さらに別の実施形態では、サイクリックエッチングステップ110は、構造40内からシリコンの薄い層を取り除くSF6プラズマエッチング露光と、側壁50をパッシベーション又はコーティングしてサイクリックエッチングプロセスの以後のSF6エッチングステップで側方エッチングを防止する又は遅くするためのCプラズマ蒸着ステップ露光と、エッチングされた構造40の基底部の水平表面52からCパッシベーション層を全部又は一部取り除くためのSF6と酸素を含むプラズマ露光を含む。
【0053】
さらに別の実施形態では、サイクリックエッチングステップ110は、構造40内からシリコンの薄い層を取り除くSF6プラズマエッチング露光と、側壁50をパッシベーション又はコーティングしてサイクリックエッチングプロセスの以後のSF6エッチングステップで側方エッチングを防止する又は遅くするためのCプラズマ蒸着ステップ露光と、エッチングされた構造40の基底部の水平表面52からCパッシベーション層を全部又は一部取り除くためのCと酸素を含むプラズマ露光を含む。
【0054】
さらに別の実施形態では、サイクリックエッチングステップ110は、構造40内からシリコンの薄い層を取り除くSF6プラズマエッチング露光と、側壁50をパッシベーション又はコーティングしてサイクリックエッチングプロセス110の以後のSF6エッチングステップで側方エッチングを防止する又は遅くするためのCHFプラズマ蒸着ステップ露光を含む。
【0055】
さらに別の実施形態では、サイクリックエッチングステップ110は、構造40内から基板の薄い層を取り除くプラズマエッチング露光と、炭化フッ素層によって側壁50をパッシベーション又はコーティングしてサイクリックエッチングプロセス110の以後のプラズマエッチングステップで側方エッチングを防止する又は遅くするためのプラズマ蒸着ステップ露光と、エッチングされた構造40の基底部の水平表面52から炭化フッ素パッシベーション層を全部又は一部取り除くための酸素を含むプラズマ露光を含む。
【0056】
さらに別の実施形態では、サイクリックエッチングステップ110は、構造40内から基板の薄い層を取り除くプラズマエッチング露光と、側壁50をパッシベーション又はコーティングしてサイクリックエッチングプロセス110の以後のプラズマエッチングステップで側方エッチングを防止する又は遅くするためのプラズマ蒸着ステップ露光を含む。
【0057】
本発明のプロセス102を用いる実施形態の利点は、高い側方エッチング速度のプロセスの利用にある。本発明のプロセスで高い垂直及び側方エッチング速度が可能になるため、サイクリックエッチングプロセスで側壁をパッシベーションするために、コンフォーマルな蒸着ステップで表面粗さに対する許容度が増すので、CHFなどの安価な気体を利用することができる。本発明のプロセスは、CHFなどの安価な気体を用いるプロセスを必要としないが、その使用を可能にし、実施形態によってはパッシベーションステップを排除することが可能になる。
【0058】
最もよく用いられるSF6とCの、酸素を含むことも含まないこともある、組合せの他に、他の気体混合物を用いてシリコン基板にエッチングされた構造40を生成することもできる。例えば、もっとよく用いられるCの代わりに、CHFをパッシベーションステップのための炭化フッ素パッシベーション層の源として用いることができる。酸素を含む及び含まないSiF4やHBrなどの他の添加物も、サイクリックエッチングプロセスにおけるパッシベーションを可能にする。
【0059】
短い酸素含有エッチングステップの追加、又はSF6エッチングステップへの酸素の添加は、進展するビアの底部の水平面からの炭化フッ素層の除去を加速するために利用できる。また、酸素は炭化フッ素パッシベーションステップでも添加できるが、実際には進展するビア又はエッチングされた構造40の基底部における炭化フッ素層を取り除くために特定の酸素含有エッチングステップを設ける別のやり方ほど効率的ではない。
【0060】
進展中のエッチング構造の基底部の水平面における炭化フッ素パッシベーション層を取り除くための酸素の利用は、シリコンエッチング速度のアスペクト比依存性を減少させる又はなくすことが見出された。一般に、エッチング速度は基板に入り込む深さが増すにつれて減少する。高いアスペクト比の構造では、サイクリックエッチングプロセスに酸素を取り入れると、達成できるエッチング深さが著しく増加することが示されている。エッチングステップと蒸着ステップが交替するサイクリックエッチングプロセスで酸素を取り入れないと、シリコン除去速度が著しく小さくなる、又は、高アスペクト比のビア底部で、特に狭い開口(例えば、<10m)では、エッチングがストップすることもあり得る。酸素が取り入れられると、サイクリックエッチングプロセスの蒸着ステップで炭化フッ素のパッシベーションを用いるエッチングプロセスの場合、高いアスペクト比の構造でエッチング深さを基板の中へより深く延ばすことができる。例えば、SF6エッチングステップと炭化フッ素蒸着ステップから成るサイクリックエッチングプロセスでは、酸素を含むステップが普通、炭化フッ素蒸着ステップに続く。
【0061】
一般に、サイクリックエッチングプロセスにおけるSF6エッチングステップで進展しているビア底部の水平面から炭化フッ素パッシベーション層を取り除く効率は、サイクリックエッチングプロセスにおけるひとつ以上のステップでプラズマに酸素又は酸素含有気体種を取り売れることによって向上する。
【0062】
特定の酸素含有炭化フッ素を追加した又は追加しない、エッチングステップと蒸着ステップとを交互に行うサイクリックエッチングプロセスで、ひとつ以上のステップにおけるひとつ以上のプロセスパラメータのプロセス持続時間にわたる変形例は、本発明の範囲内で利用できる。サイクリックエッチングプロセスの持続時間にわたって系統的又は非系統的に変えられる特定プロセスパラメータとしては、気体流量、チャンバー気体圧力、プラズマ源の電力、バイアス電力、サイクル時間、エッチング蒸着比、エッチング時間、及びパッシベーション層蒸着時間などがあげられる。水平面52から炭化フッ素パッシベーション層を取り除くための特定の酸素含有エッチングステップが組み込まれた実施形態では、炭化フッ素エッチング時間もサイクリックエッチングプロセス110の持続時間にわたって変えられそうである。他のパッシベーション材料が用いられる実施形態では、パッシベーション材料エッチングの時間も、水平面52からパッシベーション層を取り除く特定ステップが組み込まれた実施形態で、サイクリックエッチングプロセス110の持続時間にわたって変えられてもよい。
【0063】
サイクリックエッチングプロセスを用いて基板にエッチングされた構造を形成する多くの方法が当業者には公知であり、本発明の範囲内にある。
【0064】
非サイクリックエッチングについて。さらに別の実施形態では、エッチングステップ110は非サイクリック反応性イオン・エッチングステップである。さらに別の実施形態では、エッチングステップ110は基板10をエッチングするプロセス気体又は気体混合物を用いる非サイクリック反応性イオンエッチングステップである。さらに別の実施形態では、エッチングステップ110は、Cl2,HBr,SiF4,SF6,CF4,CHF,C,NF3,Br2,F2,及びBCl3の少なくともひとつを用いる非サイクリック反応性イオン・エッチングステップである。さらに、アルゴン、ヘリウム、酸素、窒素、水素及びメタンのひとつ以上をプロセス気体に添加することができる。さらに別の実施形態では、エッチングステップ110は、シリコンをエッチングするためにCl2,HBr,SiF4,SF6,CF4,NF3,Br2,F2,及びBCl3の少なくともひとつを用いる非サイクリック反応性イオン・エッチングステップである。この気体混合物に、アルゴン、ヘリウム、酸素、窒素、水素及びメタンのひとつ以上を添加することができる。
【0065】
非サイクリック・プロセスにおける側壁のパッシベーション層の蒸着速度は低温で著しく増加する。SF6を低温で酸素と組み合わせて用いて側壁の粗さが小さいエッチングされた構造40を生成することができ、Cなどのより大きな炭化フッ素分子で得られる厚い非揮発性パッシベーション層は必要ない。さらに、必要なら、低温でSiF4をSF6及び酸素と組み合わせて用いて側壁のパッシベーションを向上させることができる。
【0066】
エッチングされた構造の好適実施形態について。さらに別の実施形態では、エッチングステップ110は、構造40の少なくとも一部がエッチングされる非サイクリックエッチングステップとサイクリックプロセスを用いて構造40の少なくとも一部をエッチングするサイクリックエッチングステップとの組合せである。サイクリックプロセスと非サイクリックプロセスの組合せを用いて、本発明のプロセスに特に好適に形成されスキャロップ状とされた側壁50を生成できる。例えば、SF6又はSF6と酸素の混合物を含む最初の非サイクリックエッチングステップを用いて、ある実施形態では、構造40の上部にあるマスク層30の開口部に隣接する構造40を拡げ、続いてSF6エッチングステップとC蒸着ステップから成るサイクリックプロセスによって構造40の残りの部分をエッチングできる。あるいはまた、SFエッチングステップとC蒸着・ステップから成るサイクリックプロセスのパラメータを変えて、マスク層の近くでは大きなスキャロップを生じ、エッチングされた構造40の残り全体にわたって小さなスキャロップが生ずる最小のパッシベーションが得られるようにできる。サイクリックプロセスと非サイクリックプロセスの他の組合せを用いて、本発明の範囲内でエッチングステップ110が得られるようにすることができる。
【0067】
エッチングステップ110のさらに別の実施形態では、湿式化学エッチングを用いて基板にエッチングされた構造40の全部又は一部が生成される。さらに別の実施形態では、湿式化学エッチングとひとつ以上のサイクリック及び非サイクリックプラズマエッチングとの組合せを用いて、基板材料10におけるアンダーカットとマスク層30におけるオーバーハングが生成される。
【0068】
さらに別の実施形態では、基板10は,GaAs,SiC,Si,石英,又はガラスのひとつ以上の組合せである。さらに別の実施形態では、エッチングステップ110は、基板10にエッチングされた構造40を生成するために用いられるサイクリック、非サイクリック、又はサイクリックと非サイクリックエッチングプロセスの組合せである。
【0069】
図6aから図6kまでには、本発明のプロセスの好ましい実施形態のエッチングステップ110を用いてエッチングされた構造40の例が示されている。
【0070】
図6aでは、構造40が、構造40においてほぼ垂直な側壁形状を有するスキャロップ状側壁50と共に示されている。マスク構造30がオーバーハング60と共に示されている。図6aに示されたエッチングされた構造40でスキャロップ状側壁を備えるほぼ垂直な側壁形状は、例えば、サイクリックエッチングプロセスで生成される。
【0071】
図6aから図6kまでのエッチングされた構造40は、実際には、構造40の深さは構造40の幅よりも小さかったり、構造40の幅と等しかったり、構造40の幅よりも大きかったりすることがあるということを考えると、必ずしも正しい縮尺で描かれていない。例えば、シリコン貫通電極の構造の幅は、典型的には数マイクロメータから50マイクロメータまでの範囲にあり、これらの構造の深さは基板に数百マイクロメータまで伸びていることがある。シリコンその他の基板における他のエッチングされた構造は、数十ナノメータから数十ミリメータまでにわたる。
【0072】
ビア又はエッチングされた構造40の形は、エッチング深さによって一様である必要はなく、基板内への深さと共に徐々に変化してもよい。ビア又は構造の形は、上部から底部まで同じである必要はない。
【0073】
図6bには、構造40は、スキャロップ状側壁50が構造40においてテーパーがついた又は非垂直な側壁形状を有する形で示されている。マスク構造30はオーバーハング60と共に示されている。図6bに示されたエッチングされた構造40におけるスキャロップ状側壁の角度を有した側壁形状は、例えば、サイクリックエッチングプロセスによって生成される。
【0074】
図6cには、構造40は、スキャロップ状側壁50が側壁50の底部でほぼ垂直な側壁形状を有し、構造40の上部で大きな非垂直スキャロップ70を有する形で示されている。大きなスキャロップ70を有する図6cに示された構造40の側壁形状は、例えば、大きなスキャロップ70を形成するのに十分な時間にわたる非サイクリック等方性エッチングステップと、図6cに示された構造40のほぼ垂直な底部を形成するサイクリックエッチングステップを含むエッチングプロセスによって生成される。
【0075】
図6dでは、構造40は、スキャロップ状側壁50が側壁50の底部でテーパーがついた又は角度を有した側壁形状を有し、構造40の上部で大きなスキャロップ70を有する形で示されている。大きなスキャロップ70を有する図6dに示された構造40の側壁形状は、例えば大きなスキャロップ70を形成するのに十分な時間にわたる非サイクリック等方性エッチングステップと、図6dに示された構造40のテーパーがついた又は角度を有した底部を形成するサイクリックエッチングステップを含むエッチングプロセス110によって生成される。
【0076】
図6eでは、構造40は、非スキャロップ状側壁80がほぼ垂直な形状を有する形で示されている。マスク構造30はオーバーハング60と共に示されている。図6eに示されたエッチングされた構造40におけるほぼ垂直な側壁形状と非スキャロップ状側壁は、例えば、SF6又はSF6と酸素の混合物などの非等方非サイクリックエッチングプロセスによって生成される。なお、SF6又はSF6と酸素の混合物を低い基板温度(<0℃)と組み合わせて用いることができよう。
【0077】
図6f(a)と図6f(b)では、構造40は、非スキャロップ状側壁80が、テーパーのついた又は角度を有した形状を有する形で示されている。図6f(a)では、オーバーハング60が図6f(b)より広くなっているが、その理由はやがて明らかにされる。マスク構造30はオーバーハング60と共に示されている。図6f(a)と図6f(b)に示されたエッチングされた構造40におけるテーパーがついた又は角度を有した側壁形状と非スキャロップ状側壁80は、例えば、非サイクリックエッチングプロセスで生成される。
【0078】
図6gでは、構造40は、非スキャロップ状側壁80が曲がった側壁形状を有する形で示されている。マスク構造30はオーバーハング60と共に示されている。図6gの曲がったエッチングされた形状は、例えば側方エッチングと丸められた側壁を生ずる等方的非サイクリックエッチングプロセスによって生成される。
【0079】
図6hでは、構造40は、スキャロップ状側壁50とテーパーがついた又は角度を有した側壁形状が示されており、構造40の上部における幅が構造40の底部における幅より狭くなっている。マスク構造30はオーバーハング60と共に示されている。図6hに示された角度を有したエッチング形状は、例えば、サイクリックエッチングプロセスで生成される。
【0080】
図6iにおいて、構造40は、スキャロップ状側壁50が構造40の上部で大きなスキャロップ70を有し、底部でテーパーが付いた側壁形状を有し、開いた構造40の上部における幅が大きなスキャロップ70の下でエッチングされた構造40の底部より狭くなっている。マスク構造30はオーバーハング60と共に示されている。図6iに示されたエッチングされた形状は、例えば大きなスキャロップ70を生ずるのに十分な持続時間の少なくともひとつの非サイクリック等方性エッチングステップと、図6iに示された構造40のテーパーがついた又は角度を有した底部を形成する少なくともひとつのサイクリックエッチングステップを含むエッチングプロセス110によって生成される。
【0081】
図6j(a)と図6j(b)では、構造40は、スキャロップ状側壁50が構造40の上部と底部でほぼ垂直な形状を有し、構造40の上部と底部の間の中間距離で大きなスキャロップ70を有する形で示されている。マスク構造30はオーバーハング60と共に示されている。図6j(a)と図6j(b)に示されたエッチングされた形状は、例えば、垂直な上部をエッチングする少なくともひとつのエッチングステップと、大きなスキャロップ70を形成する等方的な非サイクリックエッチングステップと、図6j(a)と図6j(b)に示された構造40の垂直底部をエッチングする少なくともひとつのサイクリックエッチングステップを含むエッチングプロセス110によって生成される。
【0082】
図6kでは、構造40は、スキャロップ状側壁50と大きなスキャロップ形状70が、エッチングされた構造40の側壁50の異なる深さにおいて示されている。マスク構造30はオーバーハング60と共に示されている。図6kに示されたエッチングされた形状は、例えば、構造40の上部に大きなスキャロップを形成する少なくともひとつの非サイクリック等方性エッチングステップと、側壁50の上部のほぼ垂直な部分を形成する少なくともひとつのサイクリックエッチングステップと、中間スキャロップを形成する少なくともひとつの非サイクリック等方性エッチングステップと、側壁50の底部にほぼ垂直な部分を形成する少なくともひとつのサイクリックエッチングステップと、側壁50の底部に大きなスキャロップを形成する少なくともひとつの非サイクリック等方性エッチングステップを含むエッチングプロセス110によって生成される。
【0083】
ひとつ以上の大きなスキャロップ70を含む同様な構造は、テーパーが付いた側壁によっても生成できる。
【0084】
図6aから図6kまでに示された例は代表的なものである。各ステップと各プロセスのその他の組合せを用いてマスク層30の下にオーバーハング60を有する構造40を生成でき、やはり本発明のプロセスの範囲に含まれる。
【0085】
絶縁体を基板に機械的に固定するメカニズムについて。さらに、図6aから図6kまでに示された例で、オーバーハング60は、絶縁層20が下にある基板10に対してスリップすることを防ぐ機械的な固定メカニズムになっている。例えば、温度の変化によって絶縁体20と基板10の界面又は絶縁体20と絶縁層20の上に蒸着された金属層の界面で構造がスリップする条件が生まれる可能性がある。
【0086】
例えば、図6c、図6d、図6i、図6j、及び図6kに示された大きなスキャロップ構造70は、絶縁層を基板に機械的に固定して、絶縁層20を構造40に蒸着した後の温度サイクリングで発生する可能性がある基板10と絶縁層20の間のスリップを防ぐ手段となる。温度サイクリングは、例えば、絶縁体20を蒸着した後のプロセスステップで、デバイス製造の間及びその後の一連の周囲条件にさらされて、且つ、最終製品におけるデバイスの使用で生ずる一連の温度にさらされて起こりうる。
【0087】
図6c、図6d、図6i及び図6kでは、大きなスキャロップ70がマスク層30のすぐ下に位置している。基板10から基板材料を大きなスキャロップ70に余分に取り除くことによって、絶縁層20でそれが充填されたときに、大きなスキャロップがない構造40に比べてより大きな機械的な支持がえられる。これらの例における大きなスキャロップ70における深いアンダーカットはまた、大きなスキャロップがない構造に比べて界面における高い絶縁破壊電界強度を与える。
【0088】
図6aから図6kまでに見られる大きなスキャロップ70は、四分円又は半円の断面を有する。エッチングプロセスステップ110でより多くの基板材料が除去される他の断面も生成され、本発明の範囲に含まれる。
【0089】
構造の深さは、図6aから図6kまでに示される深さに比べてもっと大きく、又は、著しく大きくすることができ、さらに強い機械的な固定が得られる。
【0090】
図6iは、エッチング構造40において絶縁体20と基板10の間でさらに強い機械的固定を実現する形態の組合せを示している。マスク層30の近くの大きなスキャロップ70を、構造40の上部の大きなスキャロップ70の下でのエッチング幅が構造40の底部におけるエッチング幅より小さくなっている非垂直側壁と組み合わせている。図6iの構造の形態は、絶縁層がどの方向にも自由に動けない構造になっている。
【0091】
温度サイクルについて。デバイスの製造で用いられるバックエンド(back end)製造ステップは、しばしば、例えば、金属接点を合金化する焼きなましにおいてデバイス構造を450℃という高い温度にさらす。また、化学気相蒸着されたバリヤー層やシード層も300℃以上の温度に達することがある。
【0092】
マイクロプロセッサなどのデバイスは、最終製品の動作中にかなりの量の熱を発生し、共にパッケージされたデバイスを広範囲の様々な温度にさらす可能性がある。
【0093】
このような温度の変動は、構造96,97及び完成されたデバイス構造に応力を発生し、それが基板と絶縁層の間、及び絶縁層とそれを覆う単数又は複数のフィルムの間の界面でスリップを引き起こす可能性がある。スキャロップ状側壁50のスキャロップ表面は、スキャロップがない側壁に比べてスリップに対してある程度の抵抗を生むと期待され、接着増強層を組み込むことで界面における動きはさらに抑制される。しかし、エッチングされた構造40の形の構造デザイン及び大きなスキャロップ70などのエッチング形態を利用した機械的固定によってさらに強い機械的な支持が得られる。実施形態によっては、本発明のプロセスにおける機械的固定メカニズムで得られる応力の再配分によって、側壁のスキャロップの必要や接着増強蒸着ステップ130の必要を減らす又は全くなくすことができる。
【0094】
基板、絶縁体、及び、絶縁体を覆う金属層の間でひとつ以上の熱膨張係数に大きな違いがある用途においては、例えば、大きなスキャロップ70又は図6iに示されたような構造形状が絶縁体を側壁に機械的に固定する手段となりうる。スキャロップ70によって得られる機械的固定はデバイス構造40内で基板10と絶縁体20の間で応力を好適に分配して、ひとつ以上の温度係数に大きな変動がある用途や構造が温度の変動にさらされてそれが界面の動きにつながる用途におけるスリップをなくす。
【0095】
構造500の様々な材料の間の膨張係数の違いの他に、例えば、機械的な固定の手段を設ける他の潜在的な理由がある。例えば、絶縁体20と基板10の間の接着の弱さは、効果的な機械的固定メカニズムによって対処できる。いくつかの実施形態では、効果的な機械的固定方法によって接着増強層の必要がなくなる。大きなスキャロップ構造70などの構造は、絶縁体を側壁に機械的に固定する手段となって、絶縁体と下にある基板側壁との間の接着が不十分な場合に応力を好適に分配し、構造が温度の変動にさらされたときのスリップを防止する。
【0096】
大きなスキャロップ構造70も、絶縁体を側壁に機械的に固定する手段を与え、それによってコンフォーマルな絶縁層20又は以後のプロセスステップで層20の上に蒸着される層のフィルム性質がその後のプロセスステップ、周囲条件の変化、又はデバイスの動作による変化にさらされた結果として変化する用途で、応力が好適に分配される。これらの変化は、例えば温度の変化にさらされた結果として起こる。変化するフィルム性質の例としては密度や結晶構造がある。
【0097】
材料の温度係数の変動、接着の弱さ、及びフィルム性質の変化を補償する例は、単なる例としてあげられる。絶縁層20を基板10に機械的に固定する手段がエッチングされた構造40にある実施形態が他の実施形態より好ましい他の理由もあり、本発明の範囲内にある。
【0098】
クリーンステップについて。図5における本発明のプロセスのステップ120は、基板にエッチングされた構造40を形成した後ビアの側壁をクリーニングするオプションのステップである。好ましい実施形態では、オプションとしてクリーニングステップ120は基板のシリコン材料をエッチングするために炭化フッ素パッシベーションステップを含むサイクリックエッチングプロセスの後で、ビアとトレンチの側壁から炭化フッ素を取り除くための酸素含有プラズマ露光である。好ましい実施形態では、クリーニングステップ120は、パリレン蒸着モジュールにおいてパリレン絶縁層の蒸着140の前に現場で行われる酸素プラズマ露光である。別の実施形態では、クリーニングステップ120は、パリレン蒸着モジュールが、コンフォーマルフィルム20を蒸着するために配置されている統合処理システムにおける、別のモジュールで行われる。その場合、統合プロセスシーケンスが、例えば酸素プラズマ中のクリーニングステップ120を実行させ、その後で同じ設備における蒸着モジュールでコンフォーマルフィルムが蒸着される。さらに別の実施形態では、クリーニングステップ120は蒸着装置と別の装置で行われる。
【0099】
他の実施形態では、クリーニングステップ120は、O2、CO、CO2、NO、NO2、2Oといった酸素含有気体、H2、NH3、CH4といった水素含有気体、及びCF4、SF6、又はNF3といったフッ素含有気体の少なくともひとつを含むプラズマへのパターン形成された基板材料の、少なくとも一回の露光である。窒素、アルゴン及びヘリウムも単独で、又は、O2、CO、CO2、NO、NO2、2Oといった酸素含有気体、H2、NH3、CH4という水素含有気体、及びCF4、SF6、又はNF3というフッ素含有気体の少なくともひとつと組み合わせて用いてもよい。これらの実施形態におけるプラズマは、容量結合rf電力、誘導結合rf電力又はマイクロ波電力によって発生させることができる。別の実施形態では、クリーニングステップ120はオゾン源露光である。
【0100】
他の実施形態では、クリーニングステップ120は、蒸着システムにおいて現場でO2、CO、CO2、NO、NO2、2Oといった酸素含有気体、H2、NH3、CH4といった水素含有気体、及びCF4、SF6、又はNF3といったフッ素含有気体の少なくともひとつを用いて行われる。窒素、アルゴン及びヘリウムも単独で、又は、O2、CO、CO2、NO、NO2、2Oといった酸素含有気体、H2、NH3、CH4といった水素含有気体、及びCF4、SF6、又はNF3といったフッ素含有気体の少なくともひとつと組み合わせて用いてもよい。
【0101】
他の実施形態では、クリーニングステップ120は、コンフォーマルなフィルム20を蒸着するための蒸着モジュールも配置されている統合処理システムにおける別のモジュールで、O2、CO、CO2、NO、NO2、N2Oといった酸素含有気体、H2、NH3、CH4といった水素含有気体、及びCF4、SF6又はNF3といったフッ素含有気体の少なくともひとつを用いて行われる。窒素、アルゴン及びヘリウムも単独で、又は、O2、CO、CO2、NO、NO2、2Oといった酸素含有気体、H2、NH3、CH4といった水素含有気体、及び、CF4、SF6又はNF3といったフッ素含有気体の少なくともひとつと組み合わせて用いてもよい。
【0102】
他の実施形態では、クリーニングステップ120は、別の装置で、O2、CO、CO2、NO、NO2、2Oといった酸素含有気体、H2、NH3、CH4という水素含有気体、及びCF4、SF6又はNF3といったフッ素含有気体の少なくともひとつを用いて行われる。窒素、アルゴン及びヘリウムも単独で又はO2、CO、CO2、NO、NO2、2Oといった酸素含有気体、H2、NH3、CH4といった水素含有気体及びCF4、SF6又はNF3といったフッ素含有気体の少なくともひとつと組み合わせて用いてもよい。
【0103】
乾式エッチング後に炭化フッ素をクリーニングする方法は当業者に公知であり、エッチングステップ110後にエッチングされた構造40の側壁をクリーニングするために用いることができる。同様に、非炭化フッ素によるケミストリー後のポストエッチングクリーニングの方法も当業者に公知であり、エッチングされた構造の側壁をクリーニングするために用いることができ、本発明のプロセスの範囲内にある。
【0104】
さらに他の実施形態では、クリーニングステップ120は湿式化学処理である。さらに別の実施形態では、クリーニングステップ120はフッ化水素酸又はフッ化水素酸と水の混合物露光である。さらに別の実施形態では、クリーニングステップ120はフッ化水素酸の蒸気露光である。さらに別の実施形態では、クリーニングステップ120はHFプラズマ露光である。さらに別の実施形態では、クリーニングステップ120は脱イオン水にさらされる。別の実施形態では、クリーニングステップ120はフッ化水素酸、塩化水素酸、硝酸、又は硫酸、又はフッ化水素酸、塩化水素酸、硝酸、又は硫酸のひとつ以上を含むクリーニング混合物、の少なくともひとつにさらされる。エッチング残渣のポストエッチングクリーニングに関しては多くの方法が当業者に公知であり、本発明のプロセスのオプションとしてのクリーニングステップに関する別の様々なアプローチの利用は本発明の範囲内にある。
【0105】
接着層蒸着について。図5の本発明のプロセスにおけるステップ130は、絶縁層20と基板10の間の接着を増強するための接着層90の蒸着というオプションのステップである。好ましい実施形態では、ステップ130はSilane A-174 (化学名[3-(メタクリロイルオキシ)プロピル]トリメトキシシラン)又はHMDS(化学名ヘキサメチルジシラザン)をコーティングして図7aに示された接着層90を形成して絶縁層20と基板10の間の接着を高める蒸着ステップである。この好ましい実施形態では、接着層90は統合処理システムにおける専用プロセスモジュールで蒸気又は液体の形で蒸着される。別の実施形態では、接着層90は絶縁層20を蒸着する蒸着モジュールで絶縁層20の蒸着の前に現場で蒸着される。さらに別の実施形態では、接着層90は、本発明のプロセスの他のステップを実施するのに用いられるプロセス設備とは別の独立の装置で蒸着される。例えば、HMDSを蒸着するプロセス設備がたいていの半導体製造施設には存在し、HMDSの蒸着のためにこのシステムを利用することが予期される。
【0106】
別の実施形態では、図5の本発明のプロセスにおけるステップ130は絶縁層20と基板10の間の接着を増強するために蒸気又は液体の形である化学材料をコーティングするオプションのステップである。さらに別の実施形態では、接着層90は、統合処理システムのプロセスモジュールで液体又は蒸気の形でコーティングされる化学材料である。別の実施形態では、接着層90は、絶縁層20をコーティングする蒸着モジュールにおいて絶縁層20の蒸着の前に現場で蒸気の形で蒸着される。さらに別の実施形態では、接着層90は、本発明のプロセスの他のステップを実施するために用いられるプロセス設備と独立な装置で蒸着される。
【0107】
別の実施形態では、図5の本発明のプロセスにおけるステップ130は、絶縁層20と基板10の間の接着を増強するために金属、絶縁体、又は半導体の層90を蒸着するオプションのステップである。
【0108】
さらに別の実施形態では、統合処理システムの接着層蒸着・モジュールで、金属、絶縁体、又は半導体をコーティングするための吸着蒸着、物理気相蒸着、化学気相蒸着、原子層蒸着、ナノ層蒸着、又はその他の蒸着方法によって、蒸着される金属、絶縁体、又は半導体の層である。
【0109】
別の実施形態では、接着層90は、絶縁層20をコーティングするための蒸着モジュールで、絶縁層20の蒸着の前に、金属、絶縁体、又は半導体をコーティングするための吸着蒸着、物理気相蒸着、化学気相蒸着、原子層蒸着、ナノ層蒸着、又はその他の蒸着方法によって、現場で蒸着される金属、絶縁体、又は半導体の層である。
【0110】
さらに別の実施形態では、接着層90は、本発明のプロセスの他のステップを実施するのに用いられるプロセス設備とは別の独立の装置で、金属、絶縁体、又は半導体をコーティングするための吸着蒸着、物理気相蒸着、化学気相蒸着、原子層蒸着、ナノ層蒸着、又はその他の蒸着方法によって、蒸着される金属、絶縁体、又は半導体の層である。原子層蒸着及びナノ層蒸着方法を用いる際、蒸着された材料は接着層に必要な化学量論的性質を得るために蒸着ステップの他に処理ステップを必要とすることがある。
【0111】
フィルムと基板との間の接着を増強する方法は当業者に公知であり、オプションとして接着層90を蒸着する他の方法を使用することは本発明の範囲内にある。
【0112】
コンフォーマルなフィルムの蒸着について。本発明のプロセスのステップ140は、エッチングされた構造の一部又はすべての露出した表面にコンフォーマルな絶縁層を蒸着するための蒸着プロセスである。図7aから図7kまでに、本発明のプロセスの蒸着ステップ後の実施形態の例が示されている。図示された各例で、蒸着された絶縁層は、マスク30の上部水平面上、ビア40の上部の開口のまわりと下、垂直又はほぼ垂直なステップ状側壁に沿ってビア40の底部まで、そしてビア40の底部の水平面に連続なコーティングを形成している。
【0113】
コンフォーマリティについて。好ましい実施形態では、コンフォーマルに蒸着された絶縁層はパリレン-N、パリレン-C、パリレン-D、パリレン-HT(Specialty Coating Systems製造)、パリレン-XiS(Kisco製造)、及びフッ素添加パリレン(フッ素は蒸着が行われるプロセスモジュール内、上、又はその近くで添加される)を含むその他のパリレンから成る。
【0114】
TSV用途にPECVD酸化物よりもパリレンを用いることの別の利点は、パリレンでは誘電率が小さく、その結果、基板との間のキャパシタンスが小さくなり、積層された電気コンポーネントの間で伝送される信号の減衰が小さくなることである。パリレンのさらに別の利点は、コンフォーマルな蒸着プロセスで自然に平滑化するという性質である。すなわち、フィルムがコンフォーマルに蒸着されると、蒸着の厚さが増すにつれてフィルムは表面の空所や不規則箇所を充填して表面はやがて平滑になる。この特徴は、PECVD酸化ケイ素など、コンフォーマルに蒸着されないフィルムには見られない。
【0115】
TSV用途にパリレンを用いることにあるさらに別の利点は、それが普通−40℃から+30℃といった範囲の温度で蒸着されるということである。一般に低温のプロセスは高温のプロセスより、特に製造されたデバイスを含む基板では好ましい。ほとんどのPECVD酸化ケイ素プロセスは、150℃から400℃という範囲の温度で行われる。低い温度でのPECVDプロセスは、高い温度でのプロセスに比べてフィルム性質が劣り、特にスキャロップ状のトレンチやビアの側壁に沿ったフィルム性質が劣る。許容される最高蒸着温度が150℃である多くのTSV用途があり、材料の構造によってはこの温度は100℃以下になることがある。例えば、CMOSイメージセンサの形成には、しばしば画素スケールのマイクロレンズが必要であるが、それは約150℃より高い温度で溶融又は変形する。パリレン薄フィルムはまた、大きな応力なく蒸着されるが、これに対してPECVD酸化ケイ素では蒸着された状態での応力が顕著になることがある。
【0116】
パリレンの絶縁破壊強度は、蒸着された酸化ケイ素の絶縁破壊強度の〜40%なので、同じ破壊電圧を実現するためにはパリレンの最小フィルム厚を大きくしなければならない。例えば、蒸着された状態で酸化ケイ素の絶縁破壊強度が10MV/cmであると、〜14nmというフィルム厚で絶縁破壊せずに10ボルトまで耐えることができる。それに対応する10ボルトまで耐えるパリレンのフィルム厚は〜36nmである。この比較では同じ電圧に耐えるために必要な厚さはパリレンの方が大きいが、実際には、この例で用いられる酸化物蒸着プロセスの非コンフォーマル挙動のために、コンフォーマリティ20%で蒸着された場合、ビアの底部で必要な最小フィルム厚を得るためには構造40の上部で〜5倍の厚さ、すなわち70nm、が必要になる。(この例では、コンフォーマリティ20%のフィルムとは同じエッチングされた構造で観測される最大厚さの20%の最小厚さを有するフィルムと定義される。この具体的例では、最小厚さはエッチングされた構造の底部のすぐ近くの垂直な側壁で観測される。)逆に、酸化ケイ素とパリレンの絶縁耐力の違いは同じ破壊強度を実現するのにパリレンの厚さにわずか2.5倍の増加、すなわち35nm、しか必要としない。1:1又は2:1よりも大きなアスペクト比のビアやトレンチでは、酸化ケイ素の厚さの増加によってコンフォーマリティの低さを補償することは非実際的であり、構造の開口上部における蒸着された酸化ケイ素の突出がビア開口の幅で制限される可能性がある。ビアの幅が小さい場合、コンフォーマリティの低さはビアの上部で開口を閉じてしまう可能性がある。
【0117】
一般に、薄フィルムのコンフォーマリティの大きさは、蒸着されるフィルムのタイプとそれらのフィルムを蒸着する方法の間の比較の手段になる。100%のコンフォーマリティでは、フィルムは比較のためにフィルム厚が測定される構造の中及びまわりのすべての箇所で同じ厚さを有すると言える。CVDパリレンプロセスは、典型的なTSV構造、及び、アスペクト比が40:1以上の構造で、ほぼ100%コンフォーマルなフィルムを生成できる。このような高いコンフォーマリティは、低いコンフォーマリティのフィルムに比べて、側壁の底部で十分な厚さを補償するためにビアの上部で過剰な厚さのフィルムを蒸着する必要がない。パリレンなどのコンフォーマルなフィルムで得られる形状は、構造40の上部と底部でほとんど厚さに差がなく、その後のバリヤー層やシード層の蒸着・プロセスでパリレンを十分に被覆することもきわめて簡単になる。
【0118】
コンフォーマリティは、普通、ある構造の同じ層、又は重なった層における最小厚さの最大厚さに対する比によって決められるパーセンテージと説明される。100%に満たないコンフォーマリティでは、蒸着されるフィルム厚は構造のすべての箇所で同じではない。ここで構造とは、表面、特徴、特徴の組合せ、多数の特徴を含む基板全体、であってもよい。
【0119】
本発明のプロセスでは、特定レベルのコンフォーマリティは必要条件ではない。
【0120】
本発明のプロセス102の文脈では、フィルムのコンフォーマリティは100%、又はほぼ100%である必要はない。100%のコンフォーマリティは、エッチングされた構造40におけるフィルム、又は積層されたフィルムの最小厚さでの厚さが、同じエッチングされた構造40におけるフィルム、又は積層されたフィルムの最大厚さでの厚さと等しい状態と定義される。100%のコンフォーマリティからの多少のずれの方が、実際には100%のコンフォーマリティで蒸着されるフィルムよりも典型的である。
【0121】
本発明のプロセスとして通用する絶縁フィルム20を蒸着するプロセスで観測されそうなコンフォーマリティの変形例が、図8aから図8dまでに示されている。
【0122】
図8aでは、エッチングされた構造40においてきわめてコンフォーマルな絶縁フィルム20が示されている。図8aに示された例では、フィルム厚は示された構造40のいたるところでほぼ同じである(注:スキャロップに基因するフィルム厚の違いは考慮されない)。蒸着されたフィルムは、図8aに示されたものよりコンフォーマリティが低い、場合によっては著しく低いが、それでもなお本発明のプロセスを実施するという点で容認されるレベルのコンフォーマリティを備えていることがあり得る。
【0123】
図8b、図8c、図8dには、図8aに示されたものより低いコンフォーマリティのフィルムに見られそうな被覆のばらつきが示されている。これらの図は、低いが、本発明のプロセスを実施するという点で容認されるレベルのコンフォーマリティの例を示している。
【0124】
本発明のプロセスを実施する点で容認されるレベルのコンフォーマリティは、側壁50が少なくとも側壁50上の絶縁フィルム20の連続したコーティングとして十分な厚さまでコーティングされていることだけを要求する。コーティング20の厚さは考慮しなければならない他の設計上の制約を受ける。絶縁フィルムの厚さは構造40の底部の水平面52で、及び絶縁表面、すなわち、エッチングされた構造40内のマスク層30の下側、及び側壁の導電性でない部分で、連続である必要はない。
【0125】
図8bでは、エッチングされた構造40の底部の水平面には蒸着はほとんど全く見られないが、側壁は被覆されている。しかし、絶縁層20の厚さはフィルム構造40への深さが増すにつれて減少する。図8bに示されたこの例では、垂直な側壁50上で絶縁層20の最小厚さはエッチングされた構造40の底部の最も近くにあり、したがってこの点での最小厚さがこの領域での連続なフィルムを得るために十分でなければならない。蒸着されたフィルムは、絶縁フィルムがもっと厚いと考えられる側壁の他の部分でも連続でなければならない。コンフォーマリティに関していうと、フィルムは側壁50上で連続なフィルムを生成するのに必要な絶縁層20の最小厚さを生ずるに十分なコンフォーマリティを有しなければならない。
【0126】
図8bに示された例では、エッチングされた構造40の底部における水平面52上のフィルム20は、一般にその後の処理ステップで除去される。TSV製造のために提案されている多くのプロセスフローでは、図8から図8dまでの向きでエッチングされた構造40の底部における水平表面52の水平面及び水平面の下にある基板材料は、図4に示されるようにその後の処理ステップで除去される。
【0127】
場合によっては、エッチングされた構造40の底部における水平面52の水平面上にある一部の基板材料が除去される。エッチングされた構造40の底部における水平面の上にある材料が除去される実施形態では、容認される最小のコンフォーマリティは、導電プラグと基板10の間に絶縁フィルムがある側壁50に沿った最も下方の点に対応する深さまで基板に連続なフィルムが得られるための少なくとも最小の厚さの絶縁フィルム20を垂直な側壁50上に与える。
【0128】
図8cには、側壁50上の絶縁層20の最も薄い被覆が、図8cに示されるように向いた構造では側壁50の上部に近いマスク層30の傍にある実施形態が示されている。側壁50の上部に近い絶縁層20の最小厚さは側壁50の上部の近くに連続な層を十分に形成できなければならない。図8cに示される向きで、マスク層30の下側は絶縁フィルム20の連続な層を必要としない。
【0129】
図8dには、図8dの向きで、マスク層30の上面上のフィルムと比較して絶縁フィルム20が構造40内でより薄い実施形態が示されている。この実施形態では、フィルム20の厚さはエッチングされた構造40内に連続な側壁のコーティングを十分に与えられるものでなければならない。
【0130】
TSV用途におけるように、導電プラグ72と基板10の間に電界が印加される応用では、デバイスの動作の間に絶縁層20の破壊を防ぐためには連続なフィルムでは十分でないことがある。連続なフィルムという条件は、本発明のプロセスの応用で必要なコンフォーマリティの定義として設けられている。
【0131】
絶縁基板10,又はひとつ以上の絶縁層を含む多層基板10が用いられる実施形態では、フィルム20に必要な厚さは、導電耐又は半導体の基板10を用いる場合に比べて著しく小さくなることがある。絶縁基板10,又はひとつ以上の絶縁層を含む多層基板10が用いられるいくつかの実施形態では、層20はエッチングされた構造のうち絶縁基板に対応する部分を被覆する必要がないこともあり、エッチングされた構造内で連続である必要もないことがある。
【0132】
蒸着技術について。本発明のプロセスの好ましい実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20はパリレンであり、化学気相蒸着によって蒸着される。
【0133】
別の実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20はポリマーであり、化学気相蒸着によって蒸着される。別の実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20はポリマーであり、プラズマ化学気相蒸着によって蒸着される。
【0134】
別の実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20はポリマーであり、電気化学蒸着プロセスによって蒸着される。
【0135】
別の実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20は原子層蒸着によって蒸着される。別の実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20はナノ層蒸着によって蒸着される。別の実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20は前述の蒸着ステップと処理ステップが交互して必要な厚さのコンフォーマルな絶縁層20を小刻みに生成するプロセスによって蒸着される。別の実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20はスピンオン(spin-on)蒸着法によって蒸着される。別の実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20は物理気相蒸着によって蒸着される。
【0136】
別の実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20は、化学気相蒸着、物理気相蒸着、電気化学蒸着、原子層蒸着、ナノ層蒸着、スピンオン蒸着、及び小刻みな厚さの前駆体を蒸着する蒸着ステップと、蒸着された前駆体フィルムを目的のフィルムに変換する処理ステップが交互に行われる蒸着プロセスの少なくともひとつを用いて蒸着される。
【0137】
別の実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20は、化学気相蒸着、プラズマ化学気相蒸着、物理気相蒸着、電気化学蒸着、原子層蒸着、ナノ層蒸着、スピンオン蒸着、及び蒸着ステップと処理ステップが交互して小刻みな厚さの前駆体を蒸着し、蒸着された前述のフィルムを適当なコンフォーマル絶縁層20に変換するサイクリック蒸着ステップ、の少なくともひとつによって蒸着されるひとつ以上の層を含む。
【0138】
別の実施形態では、コンフォーマルな絶縁層20は、化学気相蒸着、プラズマ化学気相蒸着、物理気相蒸着、電気化学蒸着、原子層蒸着、ナノ層蒸着、スピンオン蒸着、及び蒸着ステップと処理ステップが交互して小刻みな厚さの前述の蒸着をし、蒸着された前述のフィルムを適当なコンフォーマル絶縁層20に変換するサイクリック蒸着ステップ、の少なくともひとつによって蒸着されるひとつ以上の層の積層体である。
【0139】
別の実施形態では、コンフォーマルな層20は、ひとつ以上の層を含み、そのうち少なくともひとつは絶縁性である。
【0140】
別の実施形態では、コンフォーマルな層20は、化学気相蒸着、プラズマ化学気相蒸着、物理気相蒸着、電気化学蒸着、原子層蒸着、ナノ層蒸着、スピンオン蒸着、及び蒸着・ステップと処理ステップが交互するサイクリック蒸着ステップ、の少なくともひとつによって蒸着されるひとつ以上の層を含み、そのうち少なくともひとつは絶縁性である。
【0141】
別の実施形態では、コンフォーマルな層20は、化学気相蒸着、プラズマ化学気相蒸着、物理気相蒸着、電気化学蒸着、原子層蒸着、ナノ層蒸着、スピンオン蒸着、及び蒸着・ステップと処理ステップが交互するサイクリック蒸着ステップ、の少なくともひとつによって蒸着されるひとつ以上の同時蒸着されたポリマー材料の複合体である。
【0142】
さらに別の実施形態では、コンフォーマルな層20は、コンフォーマルポリマーと、化学気相蒸着、プラズマ化学気相蒸着、物理気相蒸着、電気化学蒸着、原子層蒸着、ナノ層蒸着、スピンオン蒸着及び蒸着ステップと処理ステップが交替するサイクリック蒸着ステップ、の少なくともひとつによって蒸着される酸化ケイ素と窒化ケイ素のひとつ以上から成る層である。
【0143】
フィルムを蒸着する方法は当業者に公知であり、コンフォーマルな層20を蒸着するために用いられる他の方法も本発明の範囲内にある。
【0144】
異方性エッチングプロセスについて。図5に示された本発明のプロセスのステップ150は、マスクされない部分から絶縁層20を取り除くために用いられる異方性エッチングプロセスである。図9aから図9kまでに、異方性エッチングプロセス150に露光された後のエッチングされた構造が示されている。図9aから図9kまでに示される構造は、同じ参照番号の図7aから図7kまでの構造に対応する。例えば、図7aは絶縁層20を蒸着するためのコンフォーマルフィルム蒸着ステップ140後の構造40を示し、図9aは等方性エッチングステップ150後の対応する構造を示す。同様に、図7bは絶縁層20を蒸着するためのコンフォーマルフィルム蒸着ステップ140後の構造40を示し、図9bは等方性エッチングステップ150後の対応する構造を示す。図9cから図9kまでは、図7cから図7kまでに示された構造が、異方性エッチングステップ150後にどのようになるかを示している。
【0145】
好ましい実施形態では、絶縁層20を含む構造40は酸素含有プラズマを用いる異方性エッチングプロセス150で露光されて、パリレンコーティング20がプラズマへの直接視線を有する構造部分からコンフォーマルパリレン絶縁層20が除去される。異方性エッチングプロセスを用いて、好ましくは、プラズマから直角に入射するイオンからマスクされない又は保護されない表面へのコンフォーマルパリレンコーティングの除去を制限する。
【0146】
図9aから図9kまでには、本発明のプロセスを用いて形成されたエッチングされた構造の例が示されている。図9aには、図7aに示された構造をエッチングプロセス150で露光して絶縁層20が非等方プラズマにさらされる構造部分から絶縁層20が除去された後の実施形態が示されている。図9aに示された実施形態では、エッチングプロセス150で、マスク層30の上部水平面から、マスク層30の開口内のマスクの端部から、そしてエッチングされた構造40の底部の水平面から絶縁層20が取り除かれる。さらに、異方性エッチングの条件は側方へのエッチング速度を制限するように選ぶことができるが、エッチングされた構造40の側壁に沿って露出した絶縁材料20の一部は意図的に又は意図せずに取り除かれる。なお、エッチングプロセス110は、側壁50上の絶縁層20からの意図しない除去を最小にするように大きなオーバーハングを生ずるような条件で選択できる。あるいは、側壁50上の絶縁層20の意図的な又は意図しない除去を補償するように、絶縁層20をより厚い層に蒸着することができる。
【0147】
高アスペクト比のエッチングされた構造40では、エッチングされた構造40の底部の水平面における絶縁層20のエッチング速度が、エッチングされた構造40の外側のマスク層30上のエッチング速度よりも低くなることがある。別の実施形態では、エッチングプロセス150はマスク層30の上部水平面及びマスク層の開口内のマスクの端部から絶縁層20を取り除く。この実施形態では、エッチングされた構造40の底部の水平面52上の絶縁材料20はエッチバックプロセス150でエッチングされず、又は、部分的にしかエッチングされない。
【0148】
図9bから図9kまでには、様々なエッチングされた構造40にエッチングステップ150が及ぼす同様な効果を示す他の実施形態が示されている。図9aから図9kまでに示された実施形態は、様々な形状、様々な側壁形状角度、様々な度合のスキャロップと表面粗さ、及びひとつ以上のエッチングされた構造40内に蒸着された材料を固定させる様々な手段、を用いることができ、本発明の範囲内にある。他の形状、形状角度、スキャロップと表面粗さの度合、及びエッチングされた構造40内に蒸着された材料を固定させる手段、を用いることができ、本発明の範囲内にある。同様に、形状、形状角度、スキャロップと表面粗さの度合及び材料を固定させる手段の組合せも用いることができ、本発明の範囲内にある。
【0149】
好ましい実施形態では、コンフォーマルなパリレンフィルム20は、酸素から成るプラズマエッチングプロセス150で除去される。本発明のプロセスの他の実施形態では、コンフォーマルなパリレンフィルム20は、酸素、窒素、CO、CO2、ヘリウム、アルゴン、ネオン又はキセノンなどの不活性気体、水素、メタン、アンモニアなどの反応性気体、及び、反応性ハロゲン含有気体、すなわち、フッ素(例えば、SF6、CF4、CHF、C、C26、SiF4、NF3)、及び塩素(例えば、Cl2、CCl2、SiCl4、BCl3)、臭素(HBr、Br2)含有気体、の少なくともひとつから成るプラズマエッチングプロセス150で除去される。本発明のプロセスの顕著な利点は、ペリレンをその後の処理又は最終デバイス構造で必要とされない部分から選択的に取り除くのに基板をそれ以上マスキングする必要がないということである。
【0150】
本発明のプロセスの好ましい実施形態では、パリレンを必要でない部分から取り除くプラズマ露光は、パリレン蒸着の直後に続けてパリレンを蒸着するのに用いた同じプロセスモジュール内で行うことができるが、同じモジュールでの除去は必要ではない。パリレンのエッチバックを同じ蒸着モジュールで行う利点は、エッチングを行うのに用いた同じ蒸着モジュールをパリレンが蒸着したと思われるウエハーのまわりのチャンバーパーツ上の不要な材料の除去に同時に使用できることである。
【0151】
エッチバックプロセス150は現場で、別の独立したエッチング装置、例えばTegal Corporationによって製造された901シリーズのエッチング装置で、又は、例えばTegal Corporation of Petaluma, Californiaによって製造された6500シリーズ又はCompactシリーズ装置といったクラスター装置の付属モジュールで行うことができる。一般に、基板300で高いバイアス電力又はバイアス電圧を発生するエッチングプロセス条件で、高いエッチング速度が得られる。また、パリレンなどのポリマーは高濃度のプラズマでより速やかにエッチングされる傾向がある。本発明のある実施形態では、エッチングスキャロップ150のため、ひとつ以上の周波数を用いて高濃度のプラズマを発生させ、ひとつ以上の周波数を用いて基板にバイアスを発生させる多重周波数形態が用いられる。プラズマ発生のためのソース形態は容量性、誘導性、又はマイクロ波であってもよい。下流プラズマソースをプロセスモジュール200に結合してパリレンやその他のポリマー絶縁層の高いエッチング速度を実現させることができる。
【0152】
高いプラズマ濃度を生成する構成は、最終的に高いエッチング速度と高いスループットにつながるが、図3に示された好ましい実施形態は、マッチング・ネットワーク280によってrf電力発生器290から電極310へと周波13.56MHzで供給されるrf電力で、400nm/分を超えるパリレン・エッチング速度を生ずることを示している。好ましい実施形態では、酸素プラズマを1−5000mT、さらに好ましくは50−500mTという圧力範囲で用いて、コンフォーマル・パリレンフィルム20を取り除く。もっと高い電力レベルではもっと高いパリレン・エッチング速度も実現できる。他の周波数のrf電力を0.1から100MHzの範囲で用いてコンフォーマルな層20を取り除くこともできる。チャンバー壁の内部又はその近くに、場合によっては基板300の上の壁又は電極に位置する永久磁石による磁気閉じこめを用いてプラズマ濃度を高め絶縁層20の高いエッチング速度を実現することができる。
【0153】
図3に示された好ましい実施形態では、酸素ガスは、エッチングプロセス150の間、気体入口270を通ってプロセスチャンバーに供給される。ガスはスロットルバルブ又はオリフィス330とオプションとしてのコールドトラップ340を通して、プロセスチャンバー200から排気され、真空ライン350を通って粗引きポンプ360に運ばれる。酸素ガスの流量は10から3000sccmの範囲にある。一般に、高い酸素流量はポリマーフィルムの高いエッチング速度を生ずる。達成可能な流量は一般に、ポンプシステムのコストなど、他の要因によって制限される。例えば、フォトレジスト除去モジュールには、2000−3000sccmの範囲の酸素流量を用いてフォトレジストフィルムの除去速度を最大にするものがある。パリレンや他のポリマーフィルムもエッチング速度でフォトレジストと同様な傾向を示すが、全体的なエッチング速度はもっと低い。
【0154】
図9aから図9kまでには、パリレンエッチバックプロセス150を用いて、以後の処理で必要でない部分からパリレンを除去した後の、エッチングされた構造40が示されている。エッチングされた構造40がビアである実施形態では、エッチングプロセス150後の構造は円筒状の側壁を示し、絶縁層、好ましい実施形態ではパリレンが、スキャロップ状の円筒状側壁50上に残っている。これらの好ましい実施形態では、マスク層30の上面で、ビアの外側及びビア40の底部の水平面に蒸着されていたパリレンが除去されている。ハードマスクの端部に蒸着され、ビアの上部の開口のサイズを減少させたパリレンも除去される。マスク層がエッチバックプロセスで用いられるプラズマの化学材料によって除去されない層である、例えば二酸化ケイ素、窒化ケイ素、その他の酸化物や窒化物、又は絶縁フィルム、半導体フィルム、金属フィルム、又はこれらのタイプのフィルムの組合せである構造では、開口のサイズはプラズマ露光によって影響されない、又は、きわめてわずかしか影響されない。マスク層30の開口の寸法は、エッチバックプロセスの化学材料によってあまりエッチングされないマスク材料の場合、あまり変わらない。マスク層30は、ビア40の側壁上のパリレンが非等方エッチバックプロセス150の際に保護されることを確実とし得る。残りのマスク層も、ビア40の上部におけるパリレンを非等方プラズマからのイオンの直接の衝突から保護されるように利用される。このプラズマは、ハードマスク30におけるオーバーハング60がない場合、パリレンをビアの上部から取り除くが、それが基板10とその後の処理ステップで蒸着される導電プラグの間の短絡につながる恐れがある。
【0155】
図10aから図10cまでには、好ましい実施形態が示されている。図10aでは、側壁50はエッチングされた構造40のマスク層30の開口とほぼ整列しており、大きなスキャロップ70がオーバーハング60を作っているのが示されている。この好ましい実施形態の図10bには、コンフォーマルな絶縁層20が大きなスキャロップ70をほとんど充填していることが示されている。図10cには、この好ましい実施形態が、異方性エッチング150においてコンフォーマルな絶縁層が、マスク層30の上面から、マスク層30の内部から、マスク層30の下のエッチングされた構造40の内部から除去された後で示されている。異方性エッチングプロセス150によるマスク層30の下の絶縁層20の除去は、その後の充填とコーティングプロセスに好適な構造を生み出す。コンフォーマルな層20は、次の充填とコーティングプロセスとにおいて影効果を作り得る全ての材料がなくなるまで、マスク層30の開口内部及び下部から取り除かれる。図10cに示されたショルダー59は、本発明の他の実施形態において、特に、側壁の絶縁層20が側方へと、エッチングされた構造40内のマスク層30の開口部を越えて延在した実施形態に適用できる。絶縁層がマスク層30における開口部の中へと延在する他の実施形態も可能であり、本発明の範囲内にある。
【0156】
図11には、参考としていくつかの画像が示されており、いくつかの画像は、本発明の範囲内にある異方性エッチングプロセスの変形例で示されている。図11aと図11bはそれぞれエッチングプロセス110と蒸着プロセス140の後の構造95と96であり、参考として示されている。図11bに示された実施形態は、大きなスキャロップ70を示し、それはコンフォーマルな絶縁体20によって部分的に充填され、凹部が残されており、充填材料の機械的な固定の手段になる。図11cから図11hまでの実施形態は、異方性エッチングステップ150の可能な変形例の数例である。
【0157】
図11cには、マスク層30の上のコンフォーマルな絶縁層の部分が除去された異方性エッチングステップ150後の構造97が示されている。図11dには、マスク層30の上のコンフォーマルな層とマスク層30の開口内のコンフォーマルな層20との一部が、異方性エッチングステップ150で除去された構造97が示されている。図11eには、マスク30の上及びマスク層内からコンフォーマルな層20が異方性エッチングステップ150で除去された構造97が示されている。図11fには、マスク層30のコンフォーマルな層20,マスク層30の開口内のコンフォーマルな層20、及びマスク層30の下のマスク層の一部が異方性エッチングステップ150で除去された構造97が示されている。図11gには、マスク層30のコンフォーマルな層20、マスク層30の開口内のコンフォーマルな層20、マスク層の下のマスク層の一部及びエッチングされた構造40の底部の水平面上のコンフォーマルな層20が、異方性エッチングステップ150で除去された構造97が示されている。図11gにおけるショルダー59からの材料の除去は、いくつかの構造で、特にショルダーが直接に異方性エッチングプロセス150で用いられるプラズマへの視線を有する構造で起こり得る。図11hには、マスク層30のコンフォーマルな層20、マスク層30の開口内のコンフォーマルな層20、マスク層の下のマスク層の一部及びエッチングされた構造40の底部の水平面上のコンフォーマルな層20が、異方性エッチングステップ150で、ショルダー59からのコンフォーマルな層20の一部と共に除去された構造97が示されている。
【0158】
導電プラグの機械的固定メカニズムについて。図9f(b)、図8h(b)、図9i(b)及び図9j(b)には、絶縁層20上に蒸着された導電プラグの機械的固定の手段が示されている。これらの実施形態で側壁に作られた凹部55は、完成したデバイス構造がシリコン貫通電極で用いられる導電プラグなどの充填材料の動きを引き起こすような条件にさらされたときに、それらの充填材料の動きを防止する手段となる。
【0159】
デバイスの製造における最終段階の製造ステップで、例えば金属接点を合金化する焼きなましにおいて、しばしばデバイス構造は450℃という高い温度にさらされる。また、化学気相蒸着されるバリヤー層やシード層は、300℃以上の温度に達することがある。
【0160】
マイクロプロセッサなどのデバイスは、最終製品における動作の間にかなりの量の熱を発生し、それはまた一緒にパッケージされたデバイスを広い範囲の温度にさらす可能性がある。
【0161】
これらの温度変化は、例えば図4に示された構造などの実施形態において応力を発生し、それが絶縁層20と絶縁層を覆う単数又は複数のフィルムとの界面でのスリップに導く可能性がある。基板、絶縁体及び絶縁層を覆う金属層の間で、ひとつ以上の熱膨張係数に大きな違いがある応用では、絶縁層20を覆う層を機械的に固定させる手段が有益である。
【0162】
図9f(b)、図9 h(b)、及び図9i(b)には、機械的固定メカニズムとなる手段がエッチバックプロセス150の後で絶縁層における凹部55によって生成される。図9f(b)、図9h(b)及び図9i(b)の実施形態は、蒸着された絶縁層20の厚さより大きな構造であって、側壁50が非垂直形状を有するビア構造40に特定の形を与えると共に、エッチングされた構造40の開口部におけるマスク層30の端部に対して側方深さを与える組合せによって機械的な固定が達成され得る構造を示している。
【0163】
図9j(b)と図9kには、機械的固定メカニズムとなる手段がエッチングプロセス110の間に側壁50に大きなスキャロップ70を導入することによって生成される。大きなスキャロップ70は、図9j(b)に示されるような蒸着ステップ140の後、エッチングされた構造40の上部の開口部において、マスク層30の端部に対して絶縁層20において凹部を生成するために使用され得る。図9j(b)の実施形態は、側壁が垂直又は垂直に近い形状を有するビア構造に形を与え、エッチングされた構造40の開口部におけるマスク層30の端部に対して、蒸着された絶縁層20の厚さよりも大きなスキャロップ70の側方深さを与えるという組み合わせによって機械的な固定を達成する構造を示している。
【0164】
側壁50の大きなスキャロップ70に対応する絶縁層20における凹部は、絶縁体蒸着ステップ140とエッチバックステップ150の後に蒸着された充填材料を絶縁層20に機械的に固定する手段となる。側壁の絶縁体20における凹部によって生成される機械的固定メカニズムは、例えば、基板と構造97内で蒸着されたフィルムとに熱膨張係数の1又は複数の大きな変化がある適応例、及び、構造が温度変化する適応例、において生じ得る界面スリップをなくすために、絶縁体20とエッチバックの後の蒸着プロセスで蒸着された材料との間で応力を好適に分散させる。
【0165】
図9j(b)における大きなスキャロップ70は、半円形の断面を有するように示されている。異方性エッチングステップ150の後、エッチング構造40内に蒸着された材料を機械的に固定するため、基板10において側壁50の形状の主な輪郭を越えて側方に延在する少なくともひとつのはっきりした凹部が形成された他の断面も生成されることができ、本発明の範囲内にある。同様に、機械的に充填材料を固定する手段を提供するためにエッチング構造40内へと内方に延在する側方突出部も、本発明の範囲に属する。
【0166】
絶縁層20の蒸着の後、エッチングされた構造40の側壁に生成される凹部55も、絶縁層20の後エッチングされた構造40内に蒸着される層又は充填材料を機械的に固定させる手段となる。この機械的固定手段は、構造が温度の変動にさらされたときのスリップを防ぐのにその後蒸着される材料と絶縁層20の間の接着が不十分である用途で応力を好ましい形で分散させることができる。
【0167】
絶縁層20の蒸着の後、エッチングされた構造40の側壁に生成される凹部55も、絶縁層20の後でエッチングされた構造40内に蒸着される層又は充填材料を機械的に固定させる手段となる。この機械的固定手段は、コンフォーマルな絶縁層20又は層20の上にその後のプロセスステップで蒸着された層、のフィルム性質が、以後の処理ステップ、周囲条件の変化、又はデバイスの使用による変化、にさらされた結果として変化する用途で、応力を好ましい形で分散させることができる。このような変化は、例えば温度変化にさらされた結果として起こる。変化する可能性があるフィルム性質の例としては密度や結晶構造がある。
【0168】
材料の温度係数の違い、接着の弱さ、及びフィルム性質の変化を補償する例は例示にすぎない。エッチングされた構造40において充填材料を絶縁層20に機械的に固定させる手段として側壁の凹部を有する実施形態が他の実施形態より好ましい他の理由があるかもしれず、それも本発明の範囲内にある。
【0169】
図12には、絶縁層20の上にバリヤー層とシード層が蒸着され、シード層の上に導電プラグが蒸着され、基板の一部が除去されたシリコン貫通電極が示されている。図12に示された画像は、基板10の上部にあるデバイスを他の基板又は基板10の下にあるデバイスに導電プラグによって結合するのに用いることができる代表的な完成されたビア構造40である。この例では、エッチングされた構造40はビアである。マスク構造30はオーバーハング60と共に示されている。絶縁層20を基板10に固定させ、導電プラグを絶縁層20に固定させるための機械的な固定手段が側壁50に設けられている。
【図1a】

【図1b】

【図1c】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に構造を形成する方法であって:
a.前記基板において、側壁にオーバーハングを有するビア又はトレンチパターンをエッチングすることと、
b.前記側壁と前記オーバーハングの下側の一部とを覆う絶縁層を蒸着することと、を含む方法。
【請求項2】
前記ビア又はトレンチパターンをエッチングする前に、前記基板においてマスクパターンを形成することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エッチングのプロセスが、前記オーバーハングを形成するための等方性エッチングを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エッチングのプロセスが、プラズマエッチング、レーザーエッチング、ウエットエッチング、イオンミリング及びリアクティブイオンミリングのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記絶縁層が、前記オーバーハング及び前記側壁を覆うコンフォーマルな層を形成する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記絶縁層が、側壁に、エッチング後の該側壁の表面より滑らかな表面を与える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
a.側壁においてオーバーハングを備えるビア又はトレンチパターンを有する基板を設けることと、
b.前記側壁及び前記オーバーハングの下側の一部を覆う絶縁層を蒸着することと、
c.該絶縁層を異方性エッチングすることと、を含む方法。
【請求項8】
前記オーバーハングが、マスク層及び等方的エッチングのプロセスから形成された請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記絶縁層が、前記オーバーハング及び前記側壁を覆うコンフォーマルな層を形成する請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記オーバーハングが、前記側壁を覆う前記絶縁層の一部が取り除かれないように前記異方性エッチングを阻止する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記絶縁層の蒸着のプロセスが、化学気相蒸着、電気化学蒸着、プラズマ化学気相蒸着、原子層蒸着、ナノ層蒸着、スピンオン蒸着及び物理気相蒸着のうちの少なくとも1つを含む請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記絶縁層がパリレン絶縁層を有する請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記絶縁層を蒸着する前に二酸化ケイ素二酸化ケイ素層を蒸着することを更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記異方性エッチングが前記ビア又はトレンチパターンの上面において前記絶縁層を取り除く請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記オーバーハングが、マスク層から形成され、前記異方性エッチングが、前記ビア又はトレンチパターンの上面における絶縁層と前記マスク層の側壁を覆う絶縁層の一部とを取り除く請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記オーバーハングがマスク層から形成され、前記異方性エッチングが、前記マスク層の前記側壁を覆う前記絶縁層を取り除く請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記オーバーハングがマスク層から形成され、前記異方性エッチングが、マスク開口部の内部及び該マスク開口部の下部の一部の前記絶縁層を取り除く請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記異方性エッチングが、前記ビア又はトレンチパターンの上面における前記絶縁層と底面の一部又は全部における前記絶縁層とを取り除く請求項7に記載の方法。
【請求項19】
前記オーバーハングがマスク層から形成され、前記異方性エッチングが、前記ビア又はトレンチパターンの上面における前記絶縁層と、前記マスク層の前記側壁を覆う前記絶縁層と、前記ビア又はトレンチパターンの底面における前記絶縁層と、を取り除く請求項7に記載の方法。
【請求項20】
前記オーバーハングがマスク層から形成され、前記異方性エッチングが、前記ビア又はトレンチパターンの上面における前記絶縁層と、前記マスク層の前記側壁を覆う前記絶縁層と、マスク開口部の下の前記絶縁層の一部と、前記ビア又はトレンチパターンの底面における前記絶縁層と、を取り除く請求項7に記載の方法。
【請求項21】
前記ビア又はトレンチパターンが、次に蒸着されたフィルムのためのアンカー(anchor)として機能するアンカーを前記側壁において具備する請求項7に記載の方法。
【請求項22】
前記アンカーが、スキャロップ状の壁、前記ビア又はトレンチ形状、及び、側壁における凹部のうちの1つを具備する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
シリコン基板におけるシリコン貫通相互接続を形成する方法であって、
a.前記シリコン基板におけるマスク層のパターン形成と、
b.少なくともビア又はトレンチ構造を形成すると共に、前記マスク層が前記ビア又はトレンチ構造の側壁においてオーバーハングを形成する前記シリコン基板のエッチングと、
c.前記側壁及び前記オーバーハングの下側の一部分を覆うパリレン絶縁層の蒸着と、
d.前記オーバーハングによって保護されていない領域からの前記パリレン絶縁層の異方性エッチングと、
e.導電接続フィルムの蒸着と、を含む方法。
【請求項24】
前記マスク層が、ハードマスク及びフォトレジストマスクのうちの少なくとも1つを具備する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記シリコン基板のエッチングが、エッチングとパッシベーションとの交互のプロセスを含む請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記エッチングとパッシベーションとの交互のプロセスがスキャロップ状の側壁を形成する請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記パリレン絶縁層が、側壁に、エッチング後の該側壁の表面より滑らかな表面を与える請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記パリレン絶縁層の蒸着の前に、二酸化ケイ素二酸化ケイ素層の蒸着を更に含む請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記パリレン絶縁層の蒸着の前に、接着層の蒸着を更に含む請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記異方性エッチングが、前記ビア又はトレンチパターンの上面において前記パリレン絶縁層を取り除く請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記異方性エッチングが、前記ビア又はトレンチパターンの上面における前記パリレン絶縁層と前記マスク層の前記側壁を覆う前記パリレン絶縁層の一部とを取り除く請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記異方性エッチングが、前記マスク層の前記側壁を覆う前記パリレン絶縁層を取り除く請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記異方性エッチングが、前記パリレン絶縁層を、マスク開口部の内部及び該マスク開口部の下部で異方的に取り除く請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記異方性エッチングが、前記パリレン絶縁層を、前記ビア又はトレンチパターンの上面において及び底面における一部又は全部において取り除く請求項23に記載の方法。
【請求項35】
前記異方性エッチングが、前記ビア又はトレンチパターンの上面における前記パリレン絶縁層と、前記マスク層の前記側壁を覆う前記パリレン絶縁層と、該ビア又はトレンチパターンの底面における前記パリレン絶縁層と、を取り除く請求項23に記載の方法。
【請求項36】
前記導電接続フィルムの蒸着の前にバリヤー層の蒸着を更に含む請求項23に記載の方法。
【請求項37】
前記導電接続フィルムの蒸着の前にシード層の蒸着を更に含む請求項23に記載の方法。
【請求項38】
前記シリコン基板のエッチングが、前記側壁においてアンカーを形成する請求項23に記載の方法。
【請求項39】
前記パリレン絶縁層が、前記導電接続フィルムのためにアンカーとして機能するアンカーを前記側壁において形成する請求項23に記載の方法。
【請求項40】
前記アンカーが、1つのスキャロップ状の壁と、前記ビア又はトレンチの形状と、側壁における凹部と、を具備する請求項39に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図6f(a)】
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【図6f(b)】
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【図6g】
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【図6h(a)】
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【図6h(b)】
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【図6i(a)】
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【図6i(b)】
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【図6j(a)】
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【図6j(b)】
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【図6k】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図7e】
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【図7f(a)】
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【図7f(b)】
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【図7g】
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【図7h(a)】
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【図7h(b)】
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【図7i(a)】
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【図7i(b)】
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【図7j(a)】
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【図7j(b)】
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【図7k】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図9e】
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【図9f(a)】
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【図9f(b)】
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【図9g】
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【図9h(a)】
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【図9h(b)】
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【図9i(a)】
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【図9i(b)】
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【図9j(a)】
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【図9j(b)】
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【図9k】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【図11f】
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【図11g】
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【図11h】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−520830(P2013−520830A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554419(P2012−554419)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際出願番号】PCT/GB2011/050361
【国際公開番号】WO2011/104550
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512221197)エスピーティーエス テクノロジーズ リミティド (2)
【Fターム(参考)】