説明

ピラゾールおよびイミダゾール化合物とそれらの使用

カンナビノイド受容体リガンドとして作用する式(I)で表される化合物;および、動物内でカンナビノイド受容体アンタゴニストによって変調される疾患、状態および/または障害の治療におけるそれらの使用が、本明細書に記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ピラゾールおよびイミダゾール化合物に関し、これらの化合物は、カンナビノイド受容体リガンドとして、とりわけ、CB-1受容体アンタゴニストとして有用である。その結果、本発明は、また、カンナビノイド受容体リガンドによって変調される疾患、状態および障害の処置にてのそれら化合物の使用;および、例えば、そのような使用のための医薬組成物にも関する。
【0002】
背景
肥満症は、その罹患率の増加および随伴する健康上の危険性ゆえに、大きな公共的健康関心事である。肥満症および体重超過は、概して、ボディマスインデックス(BMI)によって定義され、これは、全体脂肪と相関し、病気の相対的危険性を見積もる。BMIは、キログラム体重÷平方メートル身長(kg/m2)によって計算される。体重超過は、典型的には、BMI25〜29.9kg/m2として定義され、肥満症は、典型的には、BMI30kg/m2として定義される。例えば、National Heart Lung and Blood Institute,Clinical Guidelines on the Identification,Evaculuation and Treatment of Overweight and Obesity in Adults,The Evidence Report,Washington,DC:U.S. Department of Health and Human Services,NIH publication no.98-4083(21998)参照。
【0003】
肥満症の増加は、例えば、冠状心臓疾患、発作、高血圧、タイプ2真性糖尿病、ジスリピデミア(dyslipidemia)、睡眠無呼吸(sleep apnea)、骨関節炎、胆嚢疾患、うつ病および癌のある種の形態(例えば、子宮内膜、乳房、前立腺および結腸)を含め肥満症に随伴する過度の健康危険性があるので関心事である。肥満症の負の健康結果は、肥満症を米国で予防しうる死亡の第2の導因とし、社会的に顕著な経済的および心理社会的効果を与えている。McGinnis M,Foege WH.,”Actual Causes of Death in the United States,” JAMA,270,2207-12(1993)。
【0004】
肥満症は、現在、その随伴する健康危険性を低下させるための処置を必要とする慢性疾患と認識されている。体重を減らすことが重要な処置の結論であるが、肥満症処置の主要なゴールの1つは、肥満症に関係する罹患率および死亡率を低下させるために心臓血管および代謝値を改善することである。体重を5〜10%減らすと、代謝値、例えば、血液グルコース、血圧および脂質濃度を実質的に改善しうることが示されている。したがって、体重を意図的に5〜10%減少させると、罹患率および死亡率を低下させることができる。
【0005】
肥満症を処置するための現在使用可能な処方薬は、概して、満腹を誘発させるかまたは食事性脂肪の吸収を減らすことによって体重を減らすことである。満腹は、シナプスレベルのノルエピネフィリン、セロトニンまたはこの両者を増加させることによって達成される。例えば、セロトニン受容体亜タイプ1B、1Dおよび2Cならびに1-および2-アドレナリン作働性受容体の刺激は、満腹を調節することによって食物の摂取を減らす。Bray GA,”The New Era of Drug Treatment. Pharmacologic Treatment of Obesity:Symposium Overview,” Obes Res.、3(suppl 4),415s-7s(1995)参照。アドレナリン作働剤(例えば、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェンジメトラジン、マジンドールおよびフェンテルミン)は、カテコールアミンレリースの促進を通して中枢ノルエピネフィリンおよびドーパミン受容体を変調させることによって作用する。それよりも古いアドレナリン作働性体重減薬剤(例えば、アンフェタミン、メタムフェタミンおよびフェンメトラジン)は、ドーパミン経路にて強力に関わり、それらの乱用の危険性があるので、もはや推奨できない。フェンフルラミンおよびデキシフェンフルラミンは、両方とも、食欲を調節するために使用されるセロトニン作働剤であり、使用のためにもはや利用できない。
【0006】
さらに最近では、CB1カンナビノイド受容体アンタゴニスト/逆アゴニストが、強力な食欲抑制剤として示唆されている。例えば、Arnone、M.et al.,”Selective Inhibition of Sucrose and Ethanol Intake by SR141716,an Antagonist of Central Cannabinoid(CB1) Receptors,” Psychopharmacol,132,104-106(1997);Colombo,G.,et al.,”Appetite Suppression and Weight Loss after tne Cannabinoid Antagonist SR141716,” Life Sci.,63,PL113-PL117(1998);Simiand J.,et al.,”SR141716,a CB1 Cannabinoid Receptor Antagonist,Selectively Reduces Sweet Food Intake in Marmose,” Behav. Pharmacol.,9,179-181(1998);および、Chaperon,F.,et al.,”Involvement of Central Cannabinoid(CB1) Receptors in the Establishment of Place Conditioning in Rats,”Psychopharmacology,135,324-332(1998)参照。カンナビノイドCB1およびCB2受容体モジュレータの総説については、Pertwee,R.G.,”Cannabinoid Receptor Ligands:Clinical and Neuropharmacological Considerations,Relevant to Future Drug Discovery and Development,” Exp. Opin. Invest. Drugs,9(7),1553-1571(2000)参照。
【0007】
研究は、現在も進行中であり、体重増加を減らすかまたは予防するためのさらに効果的かつ安全な治療処置の必要性がなお存在する。
肥満症以外に、アルコール乱用の処置のための満たされていない要求も存在する。アルコール依存症は、米国にて、ほぼ10,900,000人の男性および4,400,000人の女性にも及ぶ。1年当り100,000人の死亡がアルコール乱用または依存症に帰因している。アルコール依存症に随伴する健康の危険性としては、自動車の運転および意思決定のしそこない、癌、肝臓疾患、出産欠陥、心臓疾患、薬剤/薬剤相互作用、膵臓炎および対人問題が挙げられる。研究によれば、内因性のカンナビノイドトーンがエタノール摂取の制御にて重要な役割を演ずることが示唆されている。内因性のCB1受容体アンタゴニストSR-141716Aは、ラットおよびマウスにて随意のエタノール摂取をブロックすることが示されている。Arnone,M.,et al.,”Selective Inhibition of Sucrose and Ethanol Intake by SR141716 ,an Antagonist of Central Cannabinoid(CB1) Receptors,” Psychopharmacol. 132,104-106(1997)参照。総説については、Hungund,B. L and B. S. Basavarajappa,”Are Anadamine and Cannabinoid Receptors involved in Ethanol Torerance? A Review of the Evidence,”Alcohol & Alcoholism.35(2) 126-133,2000参照。
【0008】
アルコール乱用または依存症についての現在の処置は、概して、非コンプライアンスまたは強力な肝毒性に苦しみ;したがって、アルコール乱用/依存症のさらに有効な処置について要求が非常に満たされていない。
【0009】
概要
本発明は、カンナビノイド受容体リガンド(好ましくは、CB1受容体アンタゴニストまたは逆アゴニスト)として作用する式(I):
【0010】
【化1】

【0011】
〔式中、Xは、炭素であり、かつ、Yは、窒素であるか、または、Xは、窒素であり、かつ、Yは、炭素であり;
R1は、水素、(C1-C6)アルキル、ハロゲンまたはシアノであり;
R2およびR3は、各々、独立に、(CH2)n-アリールまたは(CH2)n-ヘテロアリールであり、ここで、nは、0、1または2であり、前記アリールおよび前記ヘテロアリール部分は、1つ以上の置換基(以降の定義の章における置換基のリストを参照)で任意に置換されていてもよく;
Lは、-(CO)-または-C(R4)(OR5)-であり、ここで、R4は、水素または(C1-C6)アルキルであり、かつ、R5は、水素、(C1-C6)アルキルであるか、または、R8もしくはR9と一緒になって、-CH2CH2-または-CH2C(O)-であり;
R6およびR7は、各々、独立に、水素または(C1-C6)アルキルであるか、または、R6およびR7は、一緒になって、一部または完全に飽和された炭素環式環を形成し;
R8およびR9は、各々、独立に、水素、(C1-C6)アルキル、-(CO)(CH2)mR10、-SO2(CH2)n10または-(CH2)pR10であり、ここで、mおよびnは、0、1または2であり、pは、0、1、2または3であり、R10は、(C1-C8)アルキル、一部または完全に飽和されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび一部もしくは完全に飽和されたヘテロサイクルからなる群より選択され、前記(C1-C8)アルキル、前記シクロアルキル、前記アリール、前記ヘテロアリールおよび前記ヘテロサイクルは、1つ以上の置換基(以降の定義の章における置換基のリストを参照)で任意に置換されていてもよいか;または、
R8およびR9は、一緒になって、1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ、1つ以上の置換基(以降の定義の章における置換基のリスト参照)で任意に置換されていてもよい一部または完全に飽和された4-〜8-員ヘテロ環式環を形成する。〕
で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物を提供する。
【0012】
好ましい実施態様にて、式(IA):
【0013】
【化2】

【0014】
〔式中、R1は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R2およびR3は、各々、独立に、-(CH2)n-アリールまたは-(CH2)n-ヘテロアリールであり、ここで、nは、0、1または2であり、前記アリールおよび前記ヘテロアリール部分は、1〜3個の置換基で任意に置換されていてもよく(好ましくは、nは、0であり、R2は、p-クロロフェニルまたはp-フルオロフェニルであり、R3は、2,4-ジクロロフェニル、2-クロロフェニルまたは2-フルオロフェニルである);
R6およびR7は、各々、独立に、水素または(C1-C6)アルキルであるか、または、R6およびR7は、一緒になって、一部または完全に飽和された炭素環式環を形成し;
R8およびR9は、一緒になって、1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ、1つ以上の置換基(以降の定義の章における置換基のリスト参照)で任意に置換されていてもよい一部または完全に飽和された5-〜7-員ヘテロ環式環を形成する。〕
で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物が提供される。
【0015】
式IAで表される好ましい化合物としては:1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-ピペリジン-1-イル-エタノン; 1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-モルホリン-4-イル-エタノン; 1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-〔4-(1-メチル-1H-ピロール-2-カルボニル)-ピペラジン-1-イル〕-エタノン; 1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-〔4-(1-メチル-シクロプロパンカルボニル)-ピペラジン-1-イル〕-エタノン; N-(1-{2-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-オキソ-エチル}-ピペリジン-4-イル)-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド; 1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-フルオロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-モルホリン-4-イル-エタノン; 1-〔(5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-フルオロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-ピペリジン-1-イル-エタノン; 1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-フルオロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-(4-トリフルオロアセチル-ピペリジン-1-イル)-エタノン; 1-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-ピロリジン-1-イル-エタノン; 1-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-〔1.4〕オキサアゼパン-4-イル-エタン;および、1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-(1-オキサ-8-アザ-スピロ〔4.5〕デセ-8-イル)-エタノン;その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物が挙げられる。
【0016】
本発明のもう1つの好ましい実施態様にて、式(IB):
【0017】
【化3】

【0018】
〔式中、R1は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R2およびR3は、各々、独立に、-(CH2)n-アリールまたは-(CH2)n-ヘテロアリールであり、ここで、nは、0、1または2であり、前記アリールおよび前記ヘテロアリール部分は、1〜3個の置換基で任意に置換されていてもよく(好ましくは、nは、0であり、R2は、p-クロロフェニルまたはp-フルオロフェニルであり、R3は、2,4-ジクロロフェニル、2-クロロフェニルまたは2-フルオロフェニルである);
R4は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R5は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R6およびR7は、各々、独立に、水素または(C1-C6)アルキルであるか、または、R6およびR7は、一緒になって、一部または完全に飽和された炭素環式環を形成し;
R8およびR9は、各々、独立に、水素、(C1-C6)アルキル、-(CO)(CH2)mR10、-SO2(CH2)nR10または-(CH2)pR10であり、ここで、mおよびnは、0、1または2であり、pは、0、1、2または3であり、R10は、(C1-C8)アルキル、一部または完全に飽和されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび一部もしくは完全に飽和されたヘテロサイクルからなる群より選択され、前記(C1-C8)アルキル、前記シクロアルキル、前記アリール、前記ヘテロアリールおよび前記ヘテロサイクルは、1つ以上の置換基(以降の定義の章における置換基のリスト参照)で任意に置換されていてもよいか;または、
R8およびR9は、一緒になって、1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ、1つ以上の置換基(以降の定義の章における置換基のリスト参照)で任意に置換されていてもよい一部または完全に飽和された5-〜7-員ヘテロ環式環を形成する。〕
で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物が提供される。
【0019】
式1Bで表される好ましい化合物としては:2-(ベンジル-イソプロピル-アミノ)-1-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-エタノール; 1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-(3,5-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-エタノール; 1-{2-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-ヒドロキシ-エチル}-4-イソプロピルアミノ-ピペリジン-4-カルボン酸アミド; 1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-(3,3-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-エタノール; 1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-ピペリジン-1-イル-エタノール;および 1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-モルホリン-4-イル-エタノール;その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物が挙げられる。
【0020】
本発明のなおもう1つの好ましい実施態様にて、式(IC):
【0021】
【化4】

【0022】
〔式中、R1は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R2およびR3は、各々、独立に、-(CH2)n-アリールまたは-(CH2)n-ヘテロアリールであり、ここで、nは、0、1または2であり、前記アリールおよび前記ヘテロアリール部分は、1〜3個の置換基で任意に置換されていてもよく(好ましくは、nは、0であり、R2は、p-クロロフェニルまたはp-フルオロフェニルであり、R3は、2,4-ジクロロフェニル、2-クロロフェニルまたは2-フルオロフェニルである);
R6およびR7は、各々、独立に、水素または(C1-C6)アルキルであるか、または、R6およびR7は、一緒になって、一部または完全に飽和された炭素環式環を形成し;
R9は、水素、(C1-C6)アルキル、-C(O)(CH2)mR10、-SO2(CH2)pR10または-(CH2)pR10であり、ここで、mおよびnは、0、1または2であり、pは、0、1、2または3であり、かつ、R10は、(C1-C8)アルキル、一部または完全に飽和されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび一部もしくは完全に飽和されたヘテロサイクルからなる群より選択され、前記(C1-C8)アルキル、前記シクロアルキル、前記アリール、前記ヘテロアリールおよび前記ヘテロサイクルは、1つ以上の置換基(以降の定義の章における置換基のリスト参照)で任意に置換されていてもよい。〕
で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物が提供される。
【0023】
式(IC)で表される好ましい化合物としては: 2-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-4-シクロヘキシル-モルホリン; 2-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-4-(プロパン-2-スルホニル)-モルホリン; 2-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-4-(トルエン-4-スルホニル)-モルホリン; 1-{2-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-モルホリン-4-イル}-2-メチル-プロパン-1-オン;および、2-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-4-(4-トリフルオロメチル-ベンジル)-モルホリン;その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩の溶媒和物または水和物が挙げられる。
【0024】
本発明のなおもう1つの実施態様にて、式(ID):
【0025】
【化5】

【0026】
〔式中、R1は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R2およびR3は、各々、独立に、-(CH2)n-アリールまたは-(CH2)n-ヘテロアリールであり、ここで、nは、0、1または2であり、前記アリールおよび前記ヘテロアリール部分は、1〜3個の置換基で任意に置換されていてもよく(好ましくは、nは、0であり、R2は、p-クロロフェニルまたはp-フルオロフェニルであり、R3は、2,4-ジクロロフェニル、2-クロロフェニルまたは2-フルオロフェニルである);
R6およびR7は、各々、独立に、水素または(C1-C6)アルキルであるか、または、R6およびR7は、一緒になって、一部または完全に飽和された炭素環式環を形成し;
R8およびR9は、一緒になって、1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ、1つ以上の置換基(以降の定義の章における置換基のリスト参照)で任意に置換されていてもよい一部または完全に飽和された5-〜7-員ヘテロ環式環を形成する。〕
で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩の溶媒和物または水和物が提供される。
【0027】
式(ID)で表される好ましい化合物としては: 1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル〕-2-ピペリジン-1-イル-エタノン;および、 1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル〕-2-モルホリン-4-イル-エタノン;その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩の溶媒和物または水和物が挙げられる。
【0028】
本明細書に記載する幾つかの化合物は、少なくとも1つのキラル中心を含有し;したがって、当業者であれば、本明細書に示しかつ考察する化合物の全ての立体異性体(例えば、エナンチオマーおよびジアステレオマー)が本発明の範囲内に入ることを理解することができよう。また、化合物の互変異性体形もまた本発明の範囲内に入る。
【0029】
本発明のもう1つの態様にて、 (1) 本発明の化合物;および、 (2) 薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物が提供される。
本発明のなおもう1つの実施態様にて、動物のカンナビノイド受容体(好ましくは、CB1受容体)アンタゴニストによって変調される疾患、状態または障害を処置するための方法であって、このような処置を必要とする動物に、本発明の化合物(またはその医薬組成物)の治療学的に有効な量を投与する工程を含む方法が提供される。カンナビノイド受容体アンタゴニストによって変調される疾患、状態および/または障害としては、体重減量(例えば、カロリーまたは食物摂取の減少および/または食欲抑制)、肥満症、大食、うつ病、異型うつ病、双極性障害、精神病、分裂言語症、行動嗜癖(例えば、賭博)、報酬関連行動の抑制(例として、条件場所回避、例えば、コカイン-およびモルヒネ-誘発条件場所偏好の抑制)、アルコール依存症(アルコール摂取の禁断、渇望低下および再発予防を含めアルコール乱用、嗜癖および/または依存症)、タバコ乱用(例えば、タバコ喫煙の渇望および再発予防を含め喫煙嗜癖、中断および/または依存症)、記憶喪失、アルツハイマー病、老化痴呆、発作障害、てんかん、胃腸障害(例えば、胃腸運動性または腸前方突進の機能不全)およびタイプII糖尿病が挙げられる。好ましい実施態様にて、本方法は、肥満症、アルコール依存症および/またはタバコの乱用の処置に使用される。
【0030】
本発明の化合物は、少なくとも1つのさらなる医薬製剤と組み合わせて投与することができる。好ましい薬剤としては、ニコチン部分アゴニスト、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソンおよびナルメフェン)、ドーパミン作働剤(例えば、アポモルフィネ)および抗肥満症剤、例えば、apo-B/MTP阻害剤、MCR-4アゴニスト、CCK-Aアゴニスト、モノアミン再摂取阻害剤、交感神経作働剤、β3アドレナリン作働性受容体アゴニスト、ドーパミンアゴニスト、色素胞刺激ホルモン受容体アナログ、5-HT2c受容体アゴニスト、メラニン凝集ホルモンアンタゴニスト、レプチン、レプチンアナログ、レプチン受容体アゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤、ボンベシンアゴニスト、ニューロペプチド-Yアンタゴニスト、チロミメチック剤、デヒドロエピアンドロステロンまたはそのアナログ、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、オレキシン受容体アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト、毛様体向神経性因子、ヒトアグーチ関連蛋白質アンタゴニスト、ガレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストおよびニューロメディンU受容体アゴニスト等が挙げられる。
【0031】
組み合わせ療法は、 (a) 本発明の化合物、上記した少なくとも1つのさらなる医薬製剤および薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体を含む単一の医薬組成物;または、 (b) (i)本発明の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体を含む第1の組成物および(ii)上記した少なくとも1つのさらなる医薬製剤および薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体を含む第2の組成物として投与することができる。これらの医薬組成物は、同時もしくは逐次およびいずれの順序でも投与することができる。
【0032】
本発明のなおもう1つの態様にて、動物のカンナビノイド受容体アンタゴニストによって変調される疾患、状態および/または障害を処置するために、消費者によって使用される医薬キットが提供される。このキットは、 a) 本発明の化合物と; b) カンナビノイド受容体(好ましくは、CB1受容体)の変調とリンクさせて疾患を処置するための剤形の使用方法を記載した指示書とを含む。
【0033】
本発明のなおもう1つの実施態様にては、 a) (i)本発明の化合物および(ii)薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤を含む第1の剤形; b) (i)上記したさらなる医薬製剤および(ii)薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤を含む第2の剤形;および、 c) 容器を含むキットである。
【0034】
定義
本明細書で使用する場合、“アルキル”という用語は、一般式CnH2n+1を有する炭化水素基をいう。アルカン基は、直鎖でも分岐鎖であってもよい。例えば、“(C1-C6)アルキル”という用語は、1〜6個の炭素原子を含有する1価の直鎖または分岐鎖の脂肪族基(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、ネオペンチル、3,3-ジメチルプロピル、ヘキシル、2-メチルペンチル等)をいう。アルカン基は、未置換または“置換された”についての定義にて以降に列挙する置換基からなる群より選択される1つ以上の置換基(概して、ハロゲン置換基、例えば、パークロロまたはパーフルオロアルキルの場合を除く1〜3個の置換基)で置換されていてもよい。例えば、“ハロ置換されたアルキル”とは、1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基(例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル等)をいう。同様に、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノおよびアルキルチオのアルキル部分は、上記と同様な定義を有する。
【0035】
“一部または完全に飽和された炭素環式環”(一部または完全に飽和されたシクロアルキルとも称す)は、一部または完全に水素化され、単一の環、二環式環またはスピロ縮合した環として存在することのできる非芳香族環をいう。例えば、一部または完全に飽和された炭素環式環(またはシクロアルキル)としては、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボルニル(ビシクロ〔2.2.1〕ヘプチル)、ノルボメチル、ビシクロ〔2.2.1〕オクチルのような基等が挙げられる。概して、炭素環式環は、3〜8員環である。また、一部飽和または完全に飽和されたシクロアルキルは、“置換された”についての定義にて以降に列挙する置換基からなる群より選択される1つ以上の置換基(典型的には、1〜3個の置換基)で任意に置換されていてもよい。置換された炭素環式またはヘテロ環式環としては、炭素環式環がフェニル環 (例えば、インダニル等)またはヘテロアリール環に縮合されている基が挙げられる。炭素環式基は、炭素環式環系内でいずれか1つの炭素原子による化学的な実体または部分に結合していてもよい。
【0036】
“一部飽和または完全に飽和されたヘテロ環式環”(“ヘテロサイクル”とも称す)とは、一部または完全に水素化され、単一の環、二環式環またはスピロ縮合した環として存在することのできる非芳香族環をいう。一部飽和または完全に飽和されたヘテロ環式環としては、エポキシ、アジリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピリジニル、ピロリジニル、N-メチルピロリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラゾリジニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、2H-クロメニル、オキサジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル1,1-ジオキシドのような基等が挙げられる。概して、ヘテロサイクルは、酸素、硫黄および窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員環である。また、一部飽和または完全に飽和されたヘテロ環式基は、“置換された”についての定義にて以降に列挙する置換基の群より選択される1つ以上の置換基(典型的には、1〜3個の置換基)で任意に置換されていてもよい。置換されたヘテロ環式環としては、ヘテロ環式環がフェニル環(例えば、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、2,3-ジヒドロインドリル、2,3-ジヒドロベンゾチオフェニル、2,3-ジヒドロベンゾチアゾリル等)またはヘテロアリール環に縮合している基が挙げられる。ヘテロ環式基は、ヘテロ環式環系内のいずれか1つの原子により化学的実体または部分に結合していてもよい。
【0037】
“アルケニル”という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する炭化水素をいう。アルキルについて上記したように、アルケン基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、アルケン基は、未置換または“置換された”についての定義にて以降に列挙する置換基の群より選択される1つ以上の置換基(典型的には、パーハロ置換を除く1〜3個の置換基)で置換されているのがよい。“アルケン”という用語は、また、全てのジアステレオ異性体(例えば、cisおよびtrans異性体)を含む。
【0038】
“アリール”または“芳香族炭素環式環”という用語は、単一(例えば、フェニル)または縮合環系(例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン等)を有する芳香族部分をいう。特に断らない限り、アリール基は、未置換または“置換された”についての定義にて以降に列挙する置換基の群より選択される1つ以上の置換基(好ましくは、3個以下の置換基)で置換されているのがよい。置換されたアリール基は、芳香族部分(例えば、ビフェニル、ターフェニル、フェニルナフチル等)の鎖を含む。アリール基は、芳香族環系内のいずれか1つの原子によって化学的実体または部分に結合していてもよい。好ましいアリール置換基は、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI、好ましくは、FまたはCl)、(C1-C4)アルコキシ、(C1-C4)アルキル、ハロ置換された(C1-C4)アルキル(例えば、CH2F、CHF2およびCF3)およびシアノである。同様に、アローイルまたはアローイルオキシ(すなわち、(aryl-C(O)-O-)のアリール部分(すなわち、芳香族部分)は、上記と同様の定義を有する。
【0039】
“ヘテロアリール”または“ヘテロ芳香族環”という用語は、芳香族環系(例えば、ピロール、ピリジル、ピラゾリル、インドリル、インダゾリル、チエニル、フラニル、ベンゾフラニル、オキサゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、ピリミジル、ピラジニル、チアゾリル、プリニル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル等)内に少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素またはそれらの組み合わせ)を含有する芳香族部分をいう。ヘテロ芳香族部分は、単一または縮合環系からなるのがよい。典型的な単一ヘテロアリール環は、酸素、硫黄および窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5-〜6-員環であり、典型的な縮合ヘテロアリール環系は、酸素、硫黄および窒素から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する9-〜10-員環系である。特に断らない限り、ヘテロアリール基は、未置換または“置換された”についての定義にて以降に列挙する置換基の群より選択される1つ以上の置換基(好ましくは、3個以下の置換基)で置換されているのがよい。ヘテロアリール基は、芳香族環系(例えば、イミダゾール-1-イル、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イル、イミダゾール-5-イル、ピリド-2-イル、ピリド-3-イル、ピリド-4-イル、ピリド-5-イルまたはピリド-6-イル)内のいずれか1つの原子によって化学的な実体または部分に結合されるのがよい。同様に、ヘテロアローイル(すなわち、(heteroaryl)-C(O)-O-)のヘテロアリール部分(すなわち、ヘテロ芳香族部分)は、上記と同様の定義を有する。
【0040】
“アシル”という用語は、アルキル、一部飽和または完全に飽和されたシクロアルキル、一部飽和または完全に飽和されたヘテロサイクル、アリールおよびヘテロアリール置換されたカルボニル基をいう。例えば、アシルとしては、例えば、(C1-C6)アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリール、バレリール、カプロイール、t-ブチルアシル等)、(C3-C6)シクロアルキルカルボニル(例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等)、ヘテロ環式カルボニル(例えば、ピロリジニルカルボニル、ピロリド-2-オン-5-カルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル、テトラヒドロフラニルカルボニル等)、アローイル(例えば、ベンゾイル)およびヘテロアローイル(例えば、チオフェニル-2-カルボニル、チオフェニル-3-カルボニル、フラニル-2-カルボニル、フラニル-3-カルボニル、1H-ピロイル-2-カルボニル、1H-ピロイル-3-カルボニル、ベンゾ〔b〕チオフェニル-2-カルボニル等)のような基が挙げられる。また、アシル基のアルキル、シクロアルキル、ヘテロサイクル、アリールおよびヘテロアリール部分は、上記それぞれの定義にて記載したいずれか1つの基であってもよい。特に断らない限り、アシル基は、未置換または“置換された”についての定義にて以降に列挙する置換基の群より選択される1つ以上の置換基(典型的には、1〜3個の置換基)で置換されているのがよい。
【0041】
“置換された”という用語は、当分野で一般的な置換を想定し許容する。しかし、当業者であれば、置換基は、化合物の薬理学的特性に悪影響を及ぼさないかまたは薬剤の使用を妨害しないように選択する必要があることを一般的に理解すべきであろう。当業者であれば、また、幾つかの置換は、固有に不安定であるかもしれず、したがって、本発明の一部を形成しないことを理解されるであろう。上記定義したいずれかの基についての適当な置換基としては、(C1-C6)アルキル、一部または完全に飽和された(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C6)アルケニル、アリール、ヘテロアリール、一部または完全に飽和された3-〜6-員ヘテロサイクル、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨードおよびフルオロ)、シアノ、ヒドロキシ、(C1-C6)アルコキシ、アリールオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、(C1-C6)アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、モノ-またはジ-(C1-C6)アルキルアミノ、第4級アンモニウム塩、アミノ(C1-C6)アルコキシ、アミノカルボキシレート(すなわち、-NH-C(O)-O-(C1-C6)アルキル)、N-(C1-C6)アルキルアミノカルボキシレート、ヒドロキシ(C1-C6)アルキルアミノ、アミノ(C1-C6)アルキルチオ、シアノアミノ、ホルムアミド、アシルアミノ(例えば、アセトアミドおよびベンズアミド)、N-(C1-C6)アルキル-アシルアミノ(例えば、N-メチルアセトアミド)、ニトロ、(C1-C6)カルバモイル、ケト(オキシ)、アシル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、(C1-C6)カルボキシ、グリコロイル、グリシル、ヒドラジノ、グアニル、スルファミル、スルホニル、スルフィニル、チオ(C1-C6)カルボニル、チオ(C1-C6)カルボキシ、およびそれらの組み合わせが挙げられる。置換された組み合わせ、例えば、“置換されたアリール(C1-C6)アルキル”の場合にて、アリールまたはアルキル基のいずれかは、置換されていてもよく、または、アリールとアルキル基との両方は、1つ以上の置換基(典型的には、パーハロ置換の場合を除いて1〜3個の置換基)で置換されていてもよい。アリール置換された炭素環式またはヘテロ環式基は、縮合された環(例えば、インダニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロインドリル等)であってもよい。シクロアルキル置換された炭素環式またはヘテロ環式基は、スピロ縮合された環であってもよい。
【0042】
“溶媒和物”という用語は、本発明の化合物と1つ以上の溶剤分子との分子複合体をいう。このような溶剤分子は、当薬学分野にて一般に使用される溶剤分子であり、これらは、受容者に対して無害であることが公知であり、例えば、水、エタノール等である。“水和物”という用語は、溶剤分子が水である複合体をいう。
【0043】
“保護基”または“Pg”という用語は、化合物上のその他の官能基とは反応するものの、特定の官能基をブロックまたは保護するために一般に使用される置換基をいう。例えば、“アミノ保護基”は、化合物にてアミノ官能基をブロックまたは保護するアミノ基に結合した置換基である。適当なアミノ保護基としては、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)および9-フルオレニルメチレノキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。同様に、“ヒドロキシ保護基”は、ヒドロキシ官能基をブロックまたは保護するヒドロキシ基の置換基をいう。適当な保護基としては、アセチルおよびシリルが挙げられる。“カルボキシ保護基”は、カルボキシ官能基をブロックまたは保護するカルボキシ基の置換基をいう。一般的なカルボキシ保護基としては、-CH2CH2SO2Ph、シアノエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、2-(p-トルエンスルホニル)エチル、2-(p-ニトロフェニルスルフェニル)エチル、2-(ジフェニルホスフィノ)-エチル、ニトロエチル等が挙げられる。保護基およびそれらの使用についての一般的な記載については、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,New York,1991参照。
【0044】
“治療学的に有効な量”という語句は、(i) 個々の疾患、状態または障害を治療または予防するか;(ii) 個々の疾患、状態または障害の1つ以上の症状を減ずるか、改善するかまたはなくすか;または、(iii) 本明細書に記載する個々の疾患、状態または障害の1つ以上の症状の開始を予防するかまたは遅延する本発明の化合物の量を意味する。
【0045】
“動物”という用語は、ヒト(男性および女性)、ペット動物(例えば、犬、猫および馬)、食物源動物、動物園の動物、海産動物、鳥およびその他の同様な動物種をいう。“食用になる動物”とは、食物源動物、例えば、牛、豚、羊および家禽をいう。
【0046】
“薬学的に許容可能な”という語句は、物質または組成物が配合物を含むその他の成分と化学的および/または毒物学的に相容性である必要があり、および/または、哺乳動物がそれで処置されることを示す。
【0047】
“カンナビノイド受容体によって変調される”または“カンナビノイド受容体のモジュレーション”という語句は、カンナビノイド受容体の活性化または失活をいう。例えば、リガンド(すなわち、本発明の化合物)は、アゴニスト、一部アゴニスト、逆アゴニスト、アンタゴニスト、一部アンタゴニスト等として作用しうる。
【0048】
“アンタゴニスト”という用語は、完全および一部アンタゴニストの両方および逆アゴニストをいう。
“処置すること(treating)”、“処置する(treat)”または“処置(treatment)”という用語は、予防的、すなわち、予防の処置および待期療法処置の両方を包含する。
【0049】
“本発明の化合物”という用語は、(特に断らない限り)式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)で表される化合物、それらのプロドラッグ、それらの化合物の薬学的に許容可能な塩、および/またはプロドラッグ、その化合物、塩、および/またはプロドラッグの水和物または溶媒和物、ならびに、全ての(ジアスレオ異性体およびエナンチオマーを含め)全ての立体異性体、互変異性体および同位体標識された化合物をいう。
【0050】
詳細な説明
本発明の化合物は、化学的分野にて周知の合成ルートに類似する方法を含む合成ルートによって、特に本明細書に含まれる記載に照らして合成することができる。出発物質は、概して、市販元、例えば、Aldrich Chemicals(Milwaukee,WI)から入手可能であるか、または、当業者周知の方法を使用して容易に製造される(例えば、Lois F.Fieser and Mary Fieser,Reagents for Organic Synthesis,v.1-19,Wiley,New York(1967-1999 ed.)またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie,4,Aufl.ed.Springer-Verlag,Berlin,Including supplement(Beilstein online database)から入手可能でもある)。
【0051】
例として示すために、以降に示す反応スキームは、本発明の化合物および鍵となる中間体を合成するための可能なルートを提供する。個々の反応工程のさらに詳細な記載については、以降の実施例部分を参照のこと。当業者であれば、創意に富んだ化合物を合成するために、その他の合成ルートを使用することができることを理解できるであろう。個々の出発物質および試薬をスキームに示しかつ以降に考察するが、その他の出発物質および試薬を容易に換えて、種々の誘導体および/または反応条件を提供することができる。また、以降に記載する方法によって製造される多くの化合物は、当業者周知の慣用的な化学を使用し、本開示に照らしてさらに修飾することができる。
【0052】
本発明の化合物の製造にて、中間体の遠隔の官能基(例えば、第1級または第2級アミン)の保護が必要とされるかもしれない。このような保護についての必要性は、遠隔の官能基の性質および製造方法の条件に依存して変更することができるだろう。適したアミノ保護基(NH-Pg)としては、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)および9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。このような保護の必要性は、当業者であれば、容易に決定される。保護基およびそれらの使用についての一般的な記載については、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,New York,1991参照。
【0053】
スキームIは、Lがカルボニル基であるかまたは式(I)で表される化合物または式(IA)で表される化合物を製造するための効率的な方法を示す。
【0054】
【化6】

【0055】
R2およびR3がアリール基であるエステルI(a)は、U.S.特許Nos.4,944,790;5,051,518;5,134,142および5,624,941(これらの特許は、全て、参考とすることによって本明細書に組み込む)にて記載されている類似の処理法を使用するか、または、Bischler,Chemische Berichte,26,1881-1890(1893)に記載されている類似の処理法によって製造される対応するカルボン酸のエステル化によって製造することができる。その他の1,5-二置換されたアリールおよびヘテロアリールピラゾールエステル誘導体は、類似の処理法を使用して製造することができる。
【0056】
非プロトン性溶剤(例えば、THF)中、エステルをN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩およびイソプロピルマグネシウムクロライドと反応させることによって、アミドI(b)をエステルI(a)から製造する。R6R7CH-金属(好ましくは、マグネシウムまたはリチウム)と反応させることによってN-メトキシアミドI(b)をケトンI(c)に変換する。当業者周知の標準的なハロゲン化処理法(例えば、還流酢酸エチル/クロロホルム中CuBr2)を使用して、α-ハロケトンI(d)を製造する。α-ハロ基を、ついで、所望されるアミノ基で置換すると、α-アミノケト化合物IAを与える。例えば、有機または無機塩基と非プロトン性溶剤(例えば、ジエチルイソプロピルアミンおよびDMSOの存在にて、α-ハロ中間体I(d)をR8R9NHと反応させる。
【0057】
【化7】

【0058】
上記スキームIIに示したように、Lがカルボニル基である式(I)で表される化合物は、カルボニル基をその対応するアルコールに還元することによって、Lがヒドロキシメチレンである式(I)で表される化合物(または、R4およびR5が両方とも水素である式(IB)で表される化合物)に変換することができる。ケトンをそれらの対応するアルコールに還元するための処理法は、当業者周知である。1つの便利な方法は、プロトン性溶剤(例えば、エタノール中)でナトリウムボロヒドリドにて還元して、Lが-CH(OH)-である式(I)で表される化合物を生成させることである。あるいは、化合物IAは、有機金属試薬(例えば、非反応性溶剤、典型的には、乾燥エチルエーテルに溶解させたリチウムまたはマグネシウム有機金属、例えば、R4LiまたはR4MgBr)で還元すると、化合物(IB’)(すなわち、Lが-CR4(OH)-である式(I)で表される化合物またはR5が水素であり、かつ、R4が(C1-C6)アルキルである式(IB)で表される化合物)を生成することができる。
【0059】
化合物IB’は、当業者周知の標準的なエーテル化法を使用して、その対応するエーテルIB”(すなわち、Lが-CR4(OR5)-である式(I)で表される化合物かまたはR4が水素または(C1-C6)アルキルであり、かつ、R5が(C1-C6)アルキルである式(IB)で表される化合物)に容易に変換することができる。例えば、非プロトン性溶剤(例えば、ジメチルホルムアミド)中強塩基(例えば、ナトリウムヒドリド)の存在でアルコールIB’をハロゲン化アルキル(例えば、R5X)で処理する。
【0060】
以下のスキームIIIは、R5がR8またはR9のいずれかと一緒になって-CH2CH2-結合を形成する本発明の化合物の製造を示す。
【0061】
【化8】

【0062】
N-保護されたアミノ化合物I(3a)は、強酸(例えば、48%臭化水素)の存在で加熱することにより環化してモルホリニル誘導体I(3b)を与える。N-保護基は、ついで、1,2-ジクロロエタン中1-クロロエチルクロロホルメートおよび1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレンの存在で加熱することによって除去され、化合物IC’(すなわち、Lが-CH(OR5)-である式(I)で表される化合物またはR5およびR8がエチレンブリッジを形成し、かつ、R9が水素である式ICで表される化合物)を生成する。モルホリニル窒素は、ついで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドおよび酢酸の存在で、化合物IC’を適当なアルデヒド/ケトンで処理することによってアルキル化することができる。あるいは、モルホリニル窒素は、当業者周知の標準的な処理法を使用して、アシル化またはスルホン化することができる。例えば、化合物IC’は、トリエチルアミンおよび非プロトン性の溶剤(例えば、ジクロロメタン)の存在で、R10(CH2)mC(O)ClまたはR10(CH2)nSO2Cl(ここで、m、nおよびR10は、先に定義した通りである)と反応させることができる。R9またはR8が-(CH2)pR10(ここで、pは、1、2または3であり、R10は、先に定義した通りである)で表される化合物は、当業者周知の標準的な還元法により対応するアシル化された化合物のカルボニルを還元することによって製造することができる。
【0063】
以下のスキームIVは、イミダゾール誘導体の製造を示す。
【0064】
【化9】

【0065】
ベンズアミジンI(4a)は、所望されるアミンを所望されるニトリルと縮合することによって製造される。アミンおよびニトリルは、種々の市販元から入手可能であるか、または、当業者周知の処理法を使用して市販入手可能な物質の簡単な修飾による。縮合を達成させる1つの便利な手段は、ニトリルの添加前にトリメチルアルミニウムでアミンを前処理し、ついで、反応を完了させるために混合物を加熱させることによる。ベンズアミジンI(4a)は、ついで、弱塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム)の存在で、適当に置換された3-ブロモ-2-オキソ-プロピオン酸エチルエステルと縮合させると、ヒドロキシエステルI(4b)を形成する。ヒドロキシエステルI(4b)は、ついで、脱水されてイミダゾールI(4c)を形成する。イミダゾールI(4c)のエステル基は、メタノールおよび水の混合物中、塩基性条件、例えば、水酸化リチウムを使用して、エステルをケン化し、非プロトン性溶剤(例えば、THF)中中間体の酸をN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩および適当なカップリング剤、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または1-プロパンホスホン酸環状無水物と反応させることによってα-ブロモケトンI(4d)に変換させる。中間体N-メトキシアミドは、R6R7CH-金属(好ましくは、マグネシウム-ハライド(グリニヤール試薬)またはリチウム)と反応させることによってケトンに変換される。α-ハロケトンI(4d)は、当業者周知の標準的なハロゲン化処理法(例えば、酢酸中Br2)を使用して製造される。α-ブロモ基は、ついで、所望されるアミンで置換して、所望されるα-アミンケトン(ID)を形成することができる。上記スキームIVに概説した工程のさらに詳細な説明については、以降の実施例7を参照。
【0066】
化合物(ID)は、式(IB)および式(IC)で表される化合物の合成について上記したと同様の一般的な処理法を使用して、Lが-C(R4)(OR5)-(ここで、R4は、水素または(C1-C6)アルキルであり、かつ、R5が水素、(C1-C6)アルキルであるか、または、R8またはR9と一緒になって、-CH2CH2-または-CH2C(O)-である)であるイミダゾール誘導体に変換することができる。
【0067】
当業者公知の分離および精製の慣用的な方法および/または技術を使用して、本発明の化合物および種々のそれに関する中間体を単離することができる。このような技術は、当業者周知であろうし、例えば、あらゆるタイプのクロマトグラフィー(高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、一般的な吸着剤、例えば、シリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィー)、再結晶および示差(すなわち、液-液)抽出技術を挙げることができる。
【0068】
本発明の化合物は、単離し、かつ、それ自体または薬学的に許容可能な塩、溶媒和物および/または水和物の形で使用することができる。“塩”という用語は、本発明の化合物の無機および有機塩をいう。これらの塩は、化合物の最終単離および精製の間にin situで製造することができ、または、化合物、N-オキシドまたはプロドラッグを適当な有機または無機酸と別個に反応させ、かくして形成される塩を単離することができる。典型的な塩としては、臭化水素塩、塩化水素塩、ヨウ化水素塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、オキサレート、ベシレート、パルミテート、パーモエート、マロネート、ステアレート、ラウレート、マレエート、ボレート、ベンゾエート、ラクテート、ホスフェート、ヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンスルホネート、トシレート、ホルメート、シトレート、マレエート、フマレート、スクシネート、タートレート、ナフチレート、メシレート、グルコヘプトネート、ラクトビオネートおよびラウリルスルホネート塩等が挙げられる。これらとしては、アルカリおよびアルカリ土類金属、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を基体とするカチオン;および、非毒性アンモニウム、第4級アンモニウムアミンカチオン、例えば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン等が挙げられるが、これらに限定するものではない。例えば、Berge,et al.,J.Pharm.Sci.,66,1-19(1977)参照。
【0069】
“プロドラッグ”という用語は、in vivoで変換されて、式(I)で表される化合物または薬学的に許容可能な塩、その化合物の水和物または溶媒和物を生成する化合物を意味する。変換は、種々の機構、例えば、血液中での加水分解を介して生じうる。プロドラッグの使用の考察は、T.Higuchi and W.Stellaにより、“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,” Vol.14 of the A.C.S Symposium SeriesおよびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987にて示されている。
【0070】
例えば、本発明の化合物がカルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、例えば、(C1-C8)アルキル、(C2-C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1-(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1-メチル-1-(アルカノイルオキシ)-エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1-メチル-1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN-(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1-(N-(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3-フタリジル、4-クロトノラクトニル、γ-ブチロラクトン-4-イル、ジ-N,N-(C1-C2)アルキルアミノ(C2-C3)アルキル(例えば、β-ジメチルアミノエチル)、カルバモイル-(C1-C2)アルキル、N,N-ジ-(C1-C2)アルキルカルバモイル-(C1-C2)アルキルおよびピペリジノ-、ピロリジノ-またはモルホリノ(C2-C3)アルキルのような基による酸基の水素原子の置換によって形成されるエステルを含みうる。
【0071】
同様に、本発明の化合物がアルコール官能基を含有する場合、プロドラッグは、例えば、(C1-C6)アルカノイルオキシメチル、1-((C1-C6)アルカノイルオキシ)エチル、1-メチル-1-((C1-C6)アルカノイルオキシ)エチル、(C1-C6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N-(C1-C6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C1-C6)アルカノイル、α-アミノ(C1-C4)アルカノイル、アリールアシルおよびα-アミノアシルまたはα-アミノアシル-α-アミノアシルのような基によるアルコール基の水素原子の置換によって形成することができ、ここで、各α-アミノアシル基は、天然産のL-アミノ酸、P(O)(OH)2、P(O)(O(C1-C6)アルキル)2またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形のヒドロキシ基の除去より生ずる基)から独立に選択される。
【0072】
本発明の化合物がアミン官能基を組み込む場合、プロドラッグは、R-カルボニル、RO-カルボニル、NRR’-カルボニル(ここで、RおよびR’は、各々、独立に、(C1-C10)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、ベンジルであるか、R-カルボニルは、天然のα-アミノアシルまたは天然のα-アミノアシル-天然のα-アミノアシル、-C(OH)C(O)OY(ここで、Y’は、H、(C1-C6)アルキルまたはベンジルである)、-C(Y0)Y1(ここで、Y0は、(C1-C4)アルキルであり、かつ、Y1は、(C1-C6)アルキル、カルボキシ(C1-C6)アルキル、アミノ(C1-C4)アルキルまたはモノ-N-またはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノアルキルである)、-C(Y2)Y3(ここで、Y2は、Hまたはメチルであり、かつ、Y3は、モノ-N-またはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジン-1-イルまたはピロリジン-1-イルである)のような基によるアミン基の水素原子の置換によって形成することができる。
【0073】
本発明の化合物は、不斉またはキラル中心を含有してもよく、したがって、異なる立体異性体形で存在する。本発明の化合物のあらゆる立体異性体形およびそれらの混合物、例えば、ラセミ混合物は、本発明の一部を形成することを意図する。また、本発明は、全ての幾何異性体および位置異性体を包含する。例えば、本発明の化合物が二重結合または縮合環を組み込む場合、cis-およびtrans-形の両方、および、混合物が、本発明の範囲内に包含される。ピリミジンおよびピラジン環のN-酸化により生ずる単一の位置異性体および位置異性体の混合物も、また、本発明の範囲内に入る。
【0074】
ジアステレオマー混合物は、当業者周知の方法により、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によりそれらの物理化学的差に基づきそれらの個々のジアステレオ異性体に分離することができる。エナンチオマーは、エナンチオマー混合物をジアステレオ異性体に変換することにより、適当な光学活性化合物(例として、キラル助剤、例えば、キラルアルコールまたはMosher’s酸クロライド)と反応させ、ジアステレオ異性体を分離し、個々のジアステレオ異性体をその対応する純粋なエナンチオマーに変換する(例えば、加水分解する)ことにより分離することができる。また、本発明の幾つかの化合物は、アトロプ異性体(atropisomers)(例えば、置換されたビアリール)であってもよく、本発明の一部と考えられる。エナンチオマーは、また、キラルHPLCカラムの使用により分離することができる。
【0075】
本発明の化合物は、溶媒和されないで存在することもでき、また、薬学的に許容可能な溶剤、例えば、水、エタノール等で溶媒和された形で存在してもよく、本発明は、溶媒和された形および溶媒和されない形の両方を包含することを意図する。
【0076】
本発明の化合物が異なる互変異性体形にて存在することができ、このような形の全てが本発明の範囲内に入ることもまた可能である。例えば、イミダゾールおよびピラゾール部分の互変異性体形の全てが本発明に含まれる。また、例えば、化合物の全てのケト-エノールおよびイミン-エナミン形が本発明に含まれる。
【0077】
本発明は、また、本明細書に記載する化合物と同一であるが、しかし、1つ以上の原子が通常天然に見られる原子量または質量数と異なる原子量または質量数を有する原子によって確かに置換されている本発明の同位体標識化合物も包含する。本発明の化合物に組み込むことのできる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体、例えば、それぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123Iおよび36Clが挙げられる。
【0078】
本発明のある種の同位体標識化合物(例えば、3Hおよび14Cで標識された化合物)は、化合物および/または基質組織検定にて有用である。トリチウム化された(すなわち、3H)および炭素-14(すなわち、14C)同位体は、それらの製造の容易さおよび検出性により特に好ましい。さらに、重い同位体、例えば、ジュウテリウム(すなわち、2H)による置換は、代謝安定性が大きい(例えば、in vivo半減寿命の増加または投薬要求量の減少)ことによるある種の治療学的な利点を与え、したがって、幾つかの状況にて好ましいかもしれない。本発明の同位体標識した化合物は、概して、スキームおよび/または以降の実施例に開示した処理法と類似の処理法により、非同位体標識した試薬を同位体標識試薬で置換することにより製造することができる。
【0079】
本発明の化合物は、カンナビノイド受容体アンタゴニストによって変調される疾患、状態および/または障害を処置するために有用であり;したがって、本発明のもう1つの実施態様は、治療学的に有効な量の本発明の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物である。
【0080】
典型的な配合物は、本発明の化合物と、担体、希釈剤または賦形剤とを混合することによって調製される。適した担体、希釈剤および賦形剤は、当業者周知であり、炭水化物、ワックス、水溶解性および/または膨潤性ポリマー、親水性もしくは疎水性物質、ゼラチン、オイル、溶剤、水のような物質等が挙げられる。使用される個々の単体、希釈剤または賦形剤は、本発明の化合物が施用される手段および目的に依存するであろう。溶剤は、概して、哺乳動物に投与されるのが当業者によって安全である(GRAS)と認識されている溶剤に基づき選択される。概して、安全な溶剤は、非毒性の水性溶剤、例えば、水および水に溶解性または混和性であるその他の非毒性溶剤である。適した水性溶剤としては、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400,OEG300)等およびそれらの混合物が挙げられる。配合物としては、また、1つ以上の緩衝剤、安定剤、界面活性剤、湿潤剤、滑剤、乳化剤、懸濁剤、防腐剤、抗酸化剤、不透明化剤(opaquing agents)、グライダント(glidant)、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、風味剤、および、薬剤(すなわち、本発明の化合物またはその薬学的な組成物)の見栄えのよさまたは医薬製品(すなわち、薬剤)の製造にて補助を提供するその他公知の添加剤も挙げることができる。
【0081】
配合物は、慣用的な溶解および混合処理法を使用して製造することができる。例えば、バルク薬剤物質(すなわち、本発明の化合物またはその化合物の安定化した形(例えば、シクロデキストリン誘導体またはその他公知の錯化剤との複合体))は、上記した1つ以上の賦形剤の存在で適当な溶剤に溶解される。本発明の化合物は、典型的には、医薬剤形に配合されて、薬剤の容易にコントロール可能な投薬量を与え、好みに応じかつ容易に取り扱い可能な製品を患者に提供する。
【0082】
施用するための医薬組成物(または配合物)は、薬剤を投与するのに使用される方法に依存して種々のやり方で包装されうる。概して、配分のための物品は、適当な形の医薬配合物をその中に注入した容器を含む。適した容器は、当業者周知であり、例えば、(プラスチックおよびガラスの)ボトル、サッシェ、アンプル、プラスチックバッグ、金属シリンダーのような材料等が挙げられる。容器は、また、包装の内容物に軽率に触れるのを防止するためにひねくり防止の付属品を含む。また、容器は、容器の内容物を記載したラベルをその上に付着させる。ラベルは、また、適当な警告であってもよい。
【0083】
本発明は、さらに、動物にてカンナビノイド受容体アンタゴニストにより変調される疾患、状態および/または障害を処置する方法であって、このような処置の必要性のある動物に、本発明の化合物の治療学的に有効な量;または、本発明の化合物の有効な量と薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体とを含む医薬組成物を投与する工程を含む方法を提供する。この方法は、カンナビノイド受容体(とりわけ、CB1受容体)アンタゴニストによって変調される疾患、状態および/または障害を治療するために特に有用である。
【0084】
予備研究は、以下の疾患、障害および/または状態が、カンナビノイド受容体アンタゴニストによって変調されることを示した:体重減(例えば、カロリーまたは食物摂取の低下および/または満腹の抑制)、肥満症、大食、うつ病、異型うつ病、双極性障害、精神病、分裂言語症、行動嗜癖、報酬関連行動の抑制(例として、条件場所回避、例えば、コカイン-およびモルヒネ-誘発条件場所偏好の抑制)、アルコール依存症(アルコール摂取の禁断、渇望低下および再発予防を含めアルコール乱用、嗜癖および/または依存症)、タバコ乱用(例えば、タバコ喫煙の渇望および再発予防を含め喫煙嗜癖、中断および/または依存症)、記憶喪失、アルツハイマー病、老化痴呆、発作障害、てんかん、胃腸障害(例えば、胃腸運動性または腸前方突進の機能不全)およびタイプII糖尿病が挙げられる。
【0085】
したがって、本明細書に記載する本発明の化合物は、カンナビノイド受容体アンタゴニストによって変調される疾患、状態または障害を処置するのに有用である。それゆえに、本発明の化合物は、(それに使用される組成物および方法を含め)本明細書に記載する治療用途のための薬剤の製造にて使用することができる。
【0086】
カンナビノイド受容体アンタゴニストが有効であるその他の疾患、状態および/または障害としては:月経前症候群または後期黄体期症候群、片頭痛、パニック障害、不安、外傷後症候群、社会恐怖症、注意不足過活動疾患、分断挙動疾患、衝撃制御疾患、境界人格異常、強迫強制疾患、慢性疲労症候群、男性におけるセックス機能不全(例えば、早漏および勃起困難)、女性におけるセックス機能不全、神経性食欲不振、睡眠の障害(例えば、睡眠無呼吸)、自閉症、無言症、神経変性運動障害(例えば、パーキンソン病)、脊髄損傷、中枢神経系の損傷(例えば、外傷)、発作、神経変性疾患または毒性もしくは感染性CNS疾患(例えば、脳炎または脳膜炎)、心臓血管障害(例えば、血栓症)、および、尿崩症が挙げられる。
【0087】
本発明の化合物は、約0.7mg〜約7,000mg/日の範囲の投薬レベルで患者に投与することができる。体重約70kgを有する正常なヒト成人については、約0.01mg〜約100mg/kg体重の範囲の投薬が、典型的には、十分である。しかし、処置される被験者の年齢および体重、意図する投与ルート、投与される個々の化合物等に依存し、一般的な投薬範囲における若干の変動が必要であるかもしれない。個々の患者についての投薬範囲および最適投薬量の決定は、本開示の利点を知れば、当業者の能力の範囲内で十分である。本発明に化合物は、持続性レリース、制御されたレリースおよび遅延されたレリース配合物にて使用することができ、いずれの形も、また、当業者周知であることに触れておく。
【0088】
本発明の化合物は、また、本明細書に記載する疾患、状態および/または障害の処置のためにその他の医薬製剤との関連においても使用することができる。したがって、その他の医薬製剤との組み合わせにて本発明の化合物を投与する工程を含む治療方法もまた提供される。本発明の化合物との組み合わせにて使用することのできる適当な医薬製剤は、抗肥満症剤、例えば、アポリポ蛋白質-B分泌/ミクロソームトリグリセリド転移蛋白質(apo-B/MTP)阻害剤、MCR-4アゴニスト、コレシトキニン-A(CCK-A)アゴニスト、モノアミン再摂取阻害剤(例えば、シブトラミン)、交感神経様作働剤、β3-アドレナリン作働性受容体アゴニスト、ドーパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)、メラミン形成細胞-刺激ホルモン受容体アナログ、5HT2cアゴニスト、メラニン濃縮ホルモンアンタゴニスト、レプチン(OB蛋白質)、レプチンアナログ、レプチン受容体アゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤(例えば、テトラヒドロリプスタチン、すなわち、オルリスタット)、食欲抑制剤(例えば、ボンベシンアゴニスト)、ニューロペプチド-Yアンタゴニスト、甲状腺様作働剤(thyromimetic agents)、デヒドロエピアンドロステロンまたはそのアナログ、グルココルチコイド受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、オレキシン受容体アンタゴニスト、グルカゴン-様ペプチド-1受容体アゴニスト、毛様体神経栄養性因子(例えば、Regeneron Pharmaceuticals,Inc.,Tarrytown,NY and Procter & Gamble Company,Cincinati,OHから入手可能なAxokine TM)、ヒトアグーチ関連蛋白質(AGRP)、グレーリン(ghrelin)受容体アンタゴニスト、ヒシタミン3受容体アンタゴニストまたは逆アゴニスト、ニューロメディン U 受容体アゴニスト等が挙げられる。本明細書の以降に記載する好ましい作用剤を含め、その他の抗肥満症剤は、当業者であれば、周知かまたは本開示に照らして容易に明らかとなるであろう。
【0089】
オルリスタット、シブトラミン、ブロモクリプチン、エフェドリン、レプチンおよびシュードエフェドリンからなる群より選択される抗肥満症剤が特に好ましい。好ましくは、本発明の化合物および組み合わせ療法は、運動および感知性ダイエットと関連して投与される。
【0090】
本発明の組み合わせ、医薬組成物および方法にて使用される典型的な抗肥満症剤は、当業者公知の方法を使用して製造することができ、例えば、シブトラミンは、U.S.特許No.4,929,629に記載されているようにして製造することができ、ブロモクリプチンは、U.S.特許Nos.3,752,814および3,752,888に記載されているようにして製造することができ、オルリスタットは、U.S.特許Nos.5,274,143;5,420,305;5,540,917;および、5,643,874に記載されているようにして製造することができる。上記挙げたU.S.特許は、全て、参考とすることによって本明細書に組み込む。
【0091】
本発明の化合物との組み合わせにて投与することのできるその他の適した医薬製剤としては、タバコ乱用を処置するように設計された作用剤(例えば、ニコチン部分アゴニスト);勃起機能不全を処置するための作用剤(例として、ドーパミン作働剤、例えば、アポモルフィネ);および、アルコール依存症を処置するための作用剤、例えば、オピオイドアンタゴニスト(例として、ナルトレキソン(商標名ReVia TMの下でも公知)およびナルメフェン)およびアカムプロセート(商標名Campral TM)の下でも公知))が挙げられる。また、アルコール禁断症状を軽減するための作用剤、ベンゾジアゼピン、β-ブロッカー、クロニジンおよびカルバムアゼピンも、また、同時投与することができる。アルコール依存症のための処置は、好ましくは、動機づけ強化療法、認識挙動療法および自己精神療法の紹介、例えば、アルコール無名(AA)のような成分を含め挙動療法と組み合わせにて投与される。
【0092】
有用であるかもしれないその他の医薬製剤としては、抗高血圧症剤;抗うつ剤;インスリンおよびインスリンアナログ(例えば、LysProインスリン);GLP-1(7-37)(インスリノトロピン)およびGLP-1(7-36)-NH2;スルホニル尿素およびそれらのアナログ:クロロプロパミド、グリベンクラミド、トルブタミド、トラザミド、アセトヘキサミド、Glypzide R(以降、本明細書にて、上付きRは、登録商標を示す)、グリメピリド、リパグリニド、メグリチニド;ビグアニド;メトフォルミン、フェンホルミン、ブフォルミン;α2-アンタゴニストおよびイミダゾリン:ミダグリゾール、イサグリドール、デリグリドール、イダゾキサン、エファロキサン、フルパロキサン;その他のインスリン分泌促進剤:リノグリライド、A-4166;グリタゾン:シグリタゾン、Actos R(ピオグリタゾン)、エングリタゾン、トログリタゾン、ダルグリタゾン、Avandia R(BRL49653);脂肪酸酸化阻害剤:クロモキシル、エトモキシル;α-グルコシダーゼ阻害剤:アカルボース、ミグリトール、エミグリテート、ボグリボース、MDL-25,637、カミグリボース、MDL-73,945;β-アゴニスト:BRL- 35135、BRL 37344、RO 16-8714、ICI D7114、CL 316,243;ホスホジエステラーゼ阻害剤:L-386,398;脂質低下剤:ベンフルオレックス:フェンフルラミン;バナデートおよびバナジウム錯体(例えば、Naglivan R)およびパーオキソバナジウム錯体;アミリンアンタゴニスト;グルカゴンアンタゴニスト;グルコース新成阻害剤;ソマタスタチンアナログ;抗脂肪分解剤:ニコチン酸、アシピモックス、WAG 994、プラムリンチド(Symlin TM)、AC 2993、ナテグリニド、アルドース還元酵素阻害剤(例えば、ゾポルレスタット)、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、ソルビトール脱水素酵素阻害剤、ナトリウム-水素交換酵素タイプ1(NHE-1)阻害剤および/またはコレステロール生合成阻害剤またはコレステロール吸収阻害剤、特に、HMG-CoA還元酵素阻害剤またはHMG-CoAシンターゼ阻害剤、または、HMG-CoA還元酵素またはシンターゼ遺伝子発現阻害剤、CETP阻害剤、胆汁酸壊死剤、フィブレート、ACAT阻害剤、スクアレンシンセターゼ阻害剤、抗酸化剤またはナイアシンが挙げられる。本発明の化合物は、また、血漿コレステロールレベルを低下させるように作働する天然産の化合物と組み合わせて投与することもできる。このような天然産の化合物は、一般に、ヌトラソイティカル(nutraceuticals)と称され、例えば、ニンニク抽出物、Hoodia植物抽出物およびナイアシンが挙げられる。
【0093】
さらなる医薬製剤の投薬量は、また、概して、処置される被験者の健康;所望される処置の程度;存在する場合、並立療法の性質および種類;および、処置の頻度および所望される効果の性質を含め、多数の因子に依存するであろう。概して、抗肥満症剤の投薬範囲は、1日当り個々人の約0.001mg〜約100mg/kg体重の範囲、好ましくは、1日当り個々人の約0.1mg〜約10mg/kg体重の範囲である。しかし、一般的な投薬範囲内での若干の変動も、また、処置される被験者の年齢および体重、意図する投与ルート、投与される個々の抗肥満症剤等に依存して必要とされるかもしれない。個々の患者についての投薬範囲および最適投与の決定も、また、本開示の利点を知れば、当業者であれば、十分にその能力の範囲内である。
【0094】
本発明の方法に従えば、本発明の化合物または本発明の化合物の組み合わせと、少なくとも1つのさらなる医薬製剤とは、そのような処置の必要のある被験者に、好ましくは、医薬組成物の形で投与される。本発明の組み合わせ態様にて、本発明の化合物と少なくとも1つのその他の医薬製剤とは、別個にまたはその両方を含む医薬組成物のいずれかにて投与することができる。このような投与は、経口であることが、概して、好ましい。しかし、処置される被験者がえん下することができないか、または、経口投与が悪化させるかまたは望ましく場合、非経口または経皮投与が適当であるかもしれない。
【0095】
本発明の方法に従えば、本発明の化合物と少なくとも1つのその他の医薬製剤との組み合わせが一緒に投与される時、そのような投与は、時間的に逐次または同時であるが、同時の方法が、概して、好ましい。逐次投与について、本発明の化合物とさらなる医薬製剤とは、いずれの順序にても投与することができる。このような投与は、経口であることが、概して、好ましい。このような投与は、経口かつ同時であることが特に好ましい。本発明の化合物とさらなる医薬製剤とが逐次投与される時、各々の投与は、同一の方法によるかまたは異なる方法によってもよい。
【0096】
本発明の方法に従えば、本発明の化合物または本発明の化合物の組み合わせと少なくとも1つのさらなる医薬製剤とは、(本明細書にて、“組み合わせ”と称す)好ましくは、医薬組成物の形で投与される。したがって、本発明の化合物または組み合わせは、いずれかの慣用的な経口、直腸、経皮、非経口(例えば、静脈内、筋肉内または皮下)槽内、膣内、腹腔内、膀胱内、局所(例えば、粉末、軟膏またはドロップ)、もしくは、頬、鼻剤形で、別個にまたは一緒に患者に投与することができる。
【0097】
非経口注射に適した組成物としては、概して、薬学的に許容可能な滅菌水溶液または非水性溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、および、滅菌注射可能な溶液または分散液に再構成するための滅菌粉末が挙げられる。適した水性および非水性担体、希釈剤、溶剤またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、それらの適当な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)および注射可能な有機エステル、例えば、エチルオレエートが挙げられる。適切な流動性は、例として、コーチング、例えば、レシチンの使用により、分散液の場合に要求される粒子寸法の維持により、および、界面活性剤の使用により、維持することができる。
【0098】
これらの組成物は、また、アジュバント、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含有してもよい。組成物の微生物汚染の防止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等によって達成することができる。等張剤、例えば、砂糖、塩化ナトリウム等を含むことが望ましいこともある。注射可能な医薬組成物の長期間の吸収は、遅延吸収可能な作用剤、例えば、アルミニウムモノステアレートおよびゼラチンの使用によって生じさせることができる。
【0099】
経口投与のための固体剤形としては、カプセル、錠剤、粉末および顆粒が挙げられる。このような固体剤形にて、本発明の化合物または組み合わせは、少なくとも1つの不活性な慣用的医薬賦形剤(または担体)、例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸ジカルシウム、または、 (a) 充填剤もしくは増量剤(例えば、澱粉、ラクトース、スクロース、マンニトール、ケイ酸等); (b) 結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アカシア等); (c) 湿潤剤(例えば、グリセロール等); (d) 崩壊剤(例えば、寒天-寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯またはタピオカ澱粉、アルギン酸、ある種の複合体シリケート、炭酸ナトリウム等); (e) 溶液凝固遅延剤(例えば、パラフィン等); (f) 吸収促進剤(例えば、第4級アンモニウム化合物等); (g) 湿潤剤(例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート等); (h) 吸着剤(例えば、カオリン、ベントナイト等);および/または (i) 滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等)を添加される。カプセルおよび錠剤の場合、剤形は、また、緩衝剤を含んでもよい。
【0100】
同タイプの固体組成物は、また、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤および高分子量のポリエチレングリコール等を使用し、ソフトまたはハード充填ゼラチンカプセル内の充填剤として使用してもよい。
【0101】
固体剤形、例えば、錠剤、糖剤、カプセルおよび顆粒は、コーチングおよびシェル、例えば、腸溶剤皮および当分野周知のその他で調剤することができる。これらは、また、不透明化剤を含有してもよく、また、これらが本発明の化合物および/またはさらなる医薬製剤を遅延してレリースするような組成物を有することもできる。使用することのできる組成物を埋設する例は、高分子物質およびワックスである。薬剤は、また、適当な場合、1つ以上の上記した賦形剤で微細封入した形であってもよい。
【0102】
経口投与のための液体剤形としては、薬学的に許容可能なエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。本発明の化合物または組み合わせ以外に、液体剤形は、当分野で一般に使用される不活性な希釈剤、例えば、水またはその他の溶剤、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、オイル(例えば、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油等)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、および、ソルビタンの脂肪酸エステル、または、これら物質の混合物等を含有してもよい。
【0103】
このような不活性希釈剤以外に、組成物は、また、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、風味剤および芳香剤を含んでもよい。
懸濁液は、本発明の化合物または組み合わせ以外に、さらに、懸濁剤、例えば、エトキシ化されたイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶質セルロース、アルミニウムメタハイドロキシド、ベントナイト、寒天-寒天およびトラガカンス、または、これらの物質の混合物等を含んでもよい。
【0104】
直腸または膣投与のための組成物は、好ましくは、坐剤を含み、坐剤は、本発明の化合物または組み合わせと通常の室温で固体であるが体温で液体であり、したがって、直腸または膣腔で溶融し、それによって、活性成分をレリースする適当な非刺激性賦形剤または担体、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスと混合することによって調製することができる。
【0105】
本発明の化合物および本発明の化合物の組み合わせと抗肥満症剤とを局所投与するための剤形は、軟膏、粉末、スプレーおよび吸入剤を含むのがよい。薬剤は、滅菌条件下、薬学的に許容可能な担体、要求されるいずれかの防腐剤、緩衝剤または促進剤に添加される。眼科用配合物、眼科用軟膏、粉末および溶液も、また、本発明の範囲内に含まれると意図する。
【0106】
以下の節は、非ヒト動物のために有用な配合物、投薬量等の例を記載する。本発明の化合物および本発明の化合物の組み合わせの抗肥満症剤との投与は、経口または非経口(例えば、注射により)行うことができる。
【0107】
本発明の化合物または本発明の化合物の組み合わせの抗肥満症剤との量は、有効な用量が受容されるように投与される。概して、経口で動物に投与される日用量は、約0.01と約1,000mg/kg体重との間であり、好ましくは、約0.01と約300mg/kg体重との間である。
【0108】
便利なことに、本発明の化合物(または組み合わせ)は、化合物の治療学的投薬量が毎日の水補給で摂取されるように飲料水で行うことができる。化合物は、飲料水に計量することができ、好ましくは、液体、水溶解性の濃縮物(例えば、水溶解性塩の水溶液)の形で計量される。
【0109】
便利なことに、本発明の化合物(または組み合わせ)は、また、直接、食餌に、例えば、動物の食餌補給の形で加えることができ、また、プレミックスまたは濃縮物と称される。化合物の担体中でのプレミックスまたは濃縮物は、食餌に作用剤を含ませるために、さらに一般的に使用される。適した担体は、所望されるように、液体または固体であり、例えば、水、種々の食餌、、例えば、アルファルファ食餌、大豆食餌、綿実油食餌、あまに油食餌、トウモロコシ穂軸食餌、糖みつ、尿素、骨粉、および、ミネラル混合物が、例えば、家禽食餌にて使用されている。具体的に有効な担体は、それぞれの動物の食餌自体;すなわち、このような食餌の小部分である。担体は、プレミックスがブレンドされる最終食餌における化合物の均一な分布を促進する。好ましくは、化合物は、プレミックスに、続いて、食餌に完全にブレンドされる。この点で、化合物は、適当なオイル状のビヒクル、例えば、大豆油、トウモロコシ油、綿実油等、または、揮発性の有機溶剤に分散または溶解させ、ついで、担体とブレンドすることができる。濃縮物における化合物の量比は、最終食餌における化合物の量が食餌にプレミックスの適当な量比をブレンドすることによって調節し、所望されるレベルの化合物を得ることができる。
【0110】
高い効能の濃縮物は、食餌製造者によって、蛋白質に富む担体、例えば、上記したような大豆油食餌およびその他の食餌とブレンドして、濃縮された補給物を製造するのがよく、これは、動物に直接食餌させるのに適している。このような例にて、動物は、通常の食餌を消費してもよい。あるいは、このような濃縮された補給物は、直接食餌に添加されて、本発明の化合物の治療学的に有効なレベルを含む栄養的に均衡の取れた最終食餌を製造することができる。混合物は、標準的な処理法、例えば、V形ブレンダーにより完全にブレンドされて、確実に均質化される。
【0111】
補給物を食餌の追加物として使用する場合、それは、同様に、追加した食餌の頂部を横切る化合物の均一性を保証する補助となる。
赤肉付着を増加させかつ赤肉対脂肪の比を改善するのに有効な飲料水および食餌は、概して、本発明の化合物を十分な量の動物食餌と混合することによって調製し、食餌または水中にて約10-3〜約500ppmの化合物を生じさせる。
【0112】
好ましい薬用豚、牛、羊および山羊の食餌は、概して、食餌1トン当り約1〜約400グラムの本発明の化合物(または組み合わせ)を含有し、これら動物についての最適量は、通常、約50〜約300グラム/トン食餌である。
【0113】
好ましい家禽および家畜ペットの食餌は、通常、食餌1トン当り、約1〜約400グラムの本発明の化合物(または組み合わせ)を含有し、好ましくは、約10〜約400グラムの本発明の化合物(または組み合わせ)を含有する。
【0114】
動物にての非経口投与については、本発明の化合物(または組み合わせ)は、ペーストまたはペレットの形で調製し、移植片、通常、赤肉付着が増加し、赤肉対脂肪の比の改善が探求される動物の頭または耳の皮膚下に投与される。
【0115】
概して、非経口投与は、十分な量の本発明の化合物(または組み合わせ)を注射して、動物に、約0.01〜約20mg/kg/日体重の薬剤を提供する工程を含む。家禽、豚、牛、羊、山羊および家畜ペットについての好ましい投薬量は、約0.05〜約10mg/kg/日体重の薬剤範囲である。
【0116】
ペースト配合物は、薬剤を、薬学的に許容可能なオイル、例えば、ピーナッツ油、ゴマ油、トウモロコシ油等に分散させることによって調製することができる。
本発明の化合物、医薬組成物または組み合わせの有効量を含有するペレットは、本発明の化合物または組み合わせに、希釈剤、例えば、カルボワックス、カルニュバワックス等を添加することによって調製することができ、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウムを添加して、ペレット成形プロセスを改善することができる。
【0117】
当然のことながら、赤肉付着の増加および所望される赤肉対脂肪比の改善を生ずるであろう所望される投薬レベルを達成するために、2つ以上のペレットを動物に投与することができることが理解されよう。さらに、移植片は、また、動物の体内にて適切な薬剤レベルを維持するために、動物の処置周期の間周期的になされるのがよい。
【0118】
本発明は、幾つかの利点となる獣医学的特性を有する。赤肉を増加させ、ペット動物から望ましくない脂肪をトリムしたいと望むペット所有者または獣医のために、本発明は、それにより、これを達成することのできる手段を提供する。家禽および豚育種家のために、本発明の方法を使用すると、食肉業界からより高値を付けられる赤肉の多い動物を生産する。
【0119】
本発明の実施態様は、以下の実施例によって例示される。しかし、本発明の実施態様は、これら実施例の詳細に限定されるものではなく、当業者であれば、それらのその他の変形例も、本発明の開示に照らして、公知あるいは明らかとなるであろう。
【0120】
実施例
特に断らない限り、出発物質は、概して、市販元、例えば、Aldrich Chemicals Co.(Milwaukee,WI)、Lancaster Synthesis,Inc.(Windham,NH),Acros Organics(Fairlaun,NJ)、Maybridge Chemical Company,Ltd.(Cornwall,England),Tyger Scientific(Princeton,NJ)およびAstraZeneca Pharmaceutical(London,England)から入手可能である。
【0121】
概括的な実験処理法
NMRスペクトルは、プロトンについて400MHzで室温にてVarian Unity TM400(Varian Inc.,Palo Alto,CAから入手可能)上で記録した。ケミカルシフトは、内部標準として残留溶剤に関してppm(δ)で表す。ピーク形状は、以下のように表す:s,シングレット;d,ダブレット;t,トリプレット;q、カルテット;m、マルチプレット;bs、ブロードシングレット;2s、2シングレット。大気圧化学的イオン化質量スペクトル(APCI)は、Fision TM Platform II Spectrometer(担体ガス:アセトニトリル:Micromass Ltd,Manchester UK)で得られた。化学的イオン化質量スペクトル(CI)は、Hewlett-Packard TM 5989機器(アンモニアイオン化,PBMS:Hewlett-Packard Company,Palo Alto,CAから入手可能)上で得られた。エレクトロスプレーイオン化質量スペクトル(ES)は、Waters TMZMD機器(担体ガス:アセトニトリル:Waters Corp.Milford、MAから入手可能)上で得られた。塩素または臭素含有イオンの強度を記載する場合、予想される強度比が観測され(35Cl/37Cl-含有イオンについてほぼ3:1および79Br/81Br-含有イオンについては、1:1)、低い質量イオンのみの強度を示す。幾つかの場合にて、典型的な1H NMRピークのみを示す。MSピークは、全ての例について報告する。旋光度は、指示された温度でナトリウムD線(λ=589nm)を使用し、PerkinElmer TM241ポーラリメータ(PerkinElmer Inc.Wellestey、MA)上で測定し、以下のように:〔α〕D 温度,濃度(c=g/100ml)および溶剤で報告する。
【0122】
カラムクロマトグラフィーは、窒素低圧下、ガラスカラム中またはFlash 40 Biotage TMカラム(ISC,Inc.,Shelton,CT)中、Baker TMシリカゲル(40μm;J.T.Baker、Phillipsburg,NJ)またはSilica Gel 50(EM Sciences TM,Gibbstown、NJ)で行った。
【0123】
実施例1は、Lがカルボニルである式(I)で表される化合物を製造するための概括的処理法を提供する。
実施例1
N-メトキシ-N-メチル-5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(I-1a):
イソプロピルマグネシウムクロライド(15ml,30mmol)をTHF中、-25℃にて、10〜15分かけて、エチル5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(8.15g,21.7mmol)およびN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.51g,15.5mmol)の攪拌溶液に滴下した。-25℃でさらなる15分間攪拌後、反応混合物をNH4Cl飽和水溶液でクエンチし、ついで、メチル-t-ブチルエーテルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧で濃縮すると、標題化合物I-1aを金色のオイルとして与えた(8.76g)。
【0124】
1-〔5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-エタノン(I-1b):
メチルマグネシウムブロマイド(10ml、30.4mmol)をTHF(100ml)中、-10℃にて、N-メトキシ-N-メチル-5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミドI-1a(8.48g,21.7mmol)の攪拌溶液に滴下した。反応混合物を-10℃でもう15分間攪拌すると、黄色の溶液を与え、これは、30分以内にスラリーとなった。反応混合物を30分間かけて0℃まで温め、NH4Clでクエンチし、酢酸エチルで希釈した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧で濃縮すると、標題化合物I-1bを明るい黄色に着色した固体(7.52g)として与えた。
【0125】
2-ブロモ-1-〔5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-エタノン(I-1c):
銅(II)ブロマイド(12.9g,58.0mmol)を、1:1酢酸エチル/塩化メチレン(400ml)中、1-〔5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-エタノンI-1b溶液に加えた。反応混合物をオイルバスで2.5時間加熱還流させた。反応は、1H NMR/LCMSによりモニターした。オイルバスから反応混合物を取り出し、Celite Rパッドを介して濾過し、ついで、酢酸エチル(1リットル)で洗浄した。濾液を200mlのH2Oで分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧で濃縮した。生ずる固体をクロマトグラフィー(25%〜35%塩化メチレン/ヘキサン,シリカ)により精製すると、標題化合物I-1c(8.91g)を与えた。
【0126】
Lが-C(O)-である式(I)で表される化合物の製造のための概括的処理法
ジクロロメタン(1ml)中、2-ブロモ-1-〔5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-エタノンI-1c(130mg、0.307mmol)の溶液を、室温にて、適当なアミン(0.398mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(70μL、0.4mmol)で処理した。反応混合物を室温で一晩攪拌し、ついで、塩化メチレンで希釈し、半飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧で濃縮した。残渣は、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、適当なアミノケトンを与えた。
【0127】
表1は、適当な出発物質とともに、上記した概括的な処理法を使用して製造される化合物を掲示する。
【0128】
【表1】

【0129】
【表2】

【0130】
【表3】

【0131】
【表4】

【0132】
【表5】

【0133】
【表6】

【0134】
【表7】

【0135】
【表8】

【0136】
【表9】

【0137】
【表10】

【0138】
【表11】

【0139】
【表12】

【0140】
【表13】

【0141】
【表14】

【0142】
【表15】

【0143】
【表16】

【0144】
実施例2は、Lが-CR4(OR5)-であり、ここで、R4およびR5が両方とも水素である式(I)で表される化合物の製造を例示する。
実施例2
2-(ベンジル-イソプロピル-アミノ)-1-〔1-(2-クロロフェニル)-5-(4-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-エタノール(2A-1):
2mlエタノール中2-(ベンジル-イソプロピル-アミノ)-1-〔5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-エタノン塩酸塩1A-1(250mg、0.47mmol)の溶液に、ナトリウムボロヒドリド(32mg,0.71mmol)を加えた。反応をTLC(30%酢酸エチル/ヘキサン)によりモニターした。完了後、反応を水でクエンチし、酢酸エチルと飽和したNaHCO3との間で分配した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧で濃縮した。生成物は、クロマトグラフィー(シリカゲル,40%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、標題化合物2A-1(187mg)を与えた。
【0145】
【化10】

【0146】
以下の表2に列挙した化合物は、上記した概括的な処理法と実施例1からの適当なα-アミノケトン化合物とを使用し、製造した。
【0147】
【表17】

【0148】
【表18】

【0149】
【表19】

【0150】
【表20】

【0151】
【表21】

【0152】
【表22】

【0153】
実施例3は、エーテル誘導体(すなわち、L=-CR4(OR5)-)の対応する実施例2のアルコール(L=-CR4(OH)-)からの製造を例示する。
実施例3
ベンジル-{2-〔1-(2-クロロフェニル)-5-(4-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-メトキシ-エチル}-イソプロピル-アミン(3A-1):
0.2ml DMF中2-(ベンジル-イソプロピル-アミノ)-1-〔1-(2-クロロフェニル)-5-(4-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-エタノール2A-1(50mg、0.1mmol)溶液に、ナトリウムヒドリド(5mg,0.125mmol、60%w/w)を加えた。それを1時間攪拌後、反応混合物を0℃まで冷却した。ヨウ化メチル(15mg、0.11mmol)を加え、反応混合物を、ついで、室温まで温めた。攪拌をもう2時間継続した。反応混合物を酢酸エチルと水とで分配した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,30%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、標題化合物3A-1を白色ワックス状の固体として与えた(27mg)。
【0154】
【化11】

【0155】
実施例4は、本発明のα-アミノケトン(L=-C(O)-)の水素以外のR4基を有するその対応するアルコールへの変換を例示する。
実施例4
1-(ベンジル-イソプロピル-アミノ)-2-〔1-(2-クロロフェニル)-5-(4-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-プロパン-2-オール(4A-1):
0.5ml THF中2-(ベンジル-イソプロピル-アミノ)-1-〔5-(4-クロロフェニル) 1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-エタノン(61mg,0.12mmol)の溶液に、室温で、メチルマグネシウムブロマイド(0.1ml,0.144mmol)を加えた。2時間後、反応混合物を、ついで、酢酸エチルと飽和させたNH4Clとで分配させた。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,30%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、標題化合物4A-1を白色ワックス状固体として与えた(24mg)。
【0156】
【化12】

【0157】
実施例5は、Lが-CR4(OR5)-であり、ここで、R5とR8またはR9のいずれかとは、エチレンブリッジを形成する本発明の化合物の製造を例示する。
実施例5
4-ベンジル-2-〔5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-モルホリン(5A-1):
48%臭化水素酸(0.3ml)中2-〔ベンジル-(2-ヒドロキシ-エチル)-アミノ〕-1-〔5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-エタノール2A-3(150mg、0.3mmol)の懸濁液を100℃まで2時間加熱した。反応が完了した後、反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルと飽和されたNaHCO3とで分配した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,40%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、標題化合物5A-1(77mg)を与えた。
【0158】
【化13】

【0159】
2-〔1-(2-クロロフェニル)-5-(4-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-モルホリン塩酸塩(5A-2):
5mlの1,2-ジクロエタン中4-ベンジル-2-〔5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-モルホリン5A-1(840mg,1.7mmol)、1-クロロエチルクロロホルメート(0.2ml,1.87mmol)および1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(72mg,0.34mmol)の溶液を50℃まで3時間加熱した。反応混合物を、ついで、室温まで冷却し、減圧で濃縮した。残渣を5mlのMeOHに溶解させ、2時間加熱還流させた。反応が完了した後、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣を5mlのジエチルエーテル中で攪拌し、生成物を沈殿させ、濾過により収集すると、標題化合物5A-2を白色固体として与えた(525mg)。
【0160】
【化14】

【0161】
2-〔5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-4-シクロヘキシル-モルホリン(5A-3):
0.5mlの1,2-ジクロロエタン中2-〔1-(2-クロロフェニル)-5-(4-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-モルホリン塩酸塩5A-2(75mg,0.18mmol)およびシクロヘキサノン(18μl,0.18mmol)の溶液に、トリエチルアミン(37μl,0.27mmol)を加えた。反応混合物を、ついで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(52mg,0.25mmol)で処理し、続いて、酢酸により室温で処理した。反応が完了したら、反応混合物を酢酸エチルと飽和されたNaHCO3とで分配させた。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ,60%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、標題化合物5A-3を白色固体として与えた(40mg)。
【0162】
【化15】

【0163】
以下の表3に列挙した化合物は、化合物5A-1、5A-2および5A-3の製造について上記した概括的な処理法を使用して製造した。
【0164】
【表23】

【0165】
実施例6は、R8またはR9のいずれかがアシル基またはスルホネート基である本発明の化合物を示す。
実施例6
2-〔5-(4-クロロフェニル)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-4-(プロパン-2-スルホニル)-モルホリン(6A-1):
ジクロロメタン(0.5ml)中2-〔1-(2-クロロフェニル)-5-(4-クロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-モルホリン塩酸塩5A-2(75mg,0.18mmol)およびトリエチルアミン(49μL,0.36mmol)の攪拌懸濁液に、イソプロピルスルホニルクロライド(0.22μL,0.2mmol)を滴下した。18時間攪拌後、反応物を酢酸エチルと飽和された炭酸水素ナトリウムとの間で分配させた。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ,40〜50%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、標題化合物6A-1を無色の発泡体として与えた(49mg)。
【0166】
【化16】

【0167】
以下の表4に列挙する化合物は、適当な酸ハロゲン化物またはスルホニルハライドと上記した概括的な処理法を使用して製造した。
【0168】
【表24】

【0169】
実施例7は、上記スキームIVで概説したようなイミダゾール誘導体の製造を例示する。
実施例7
2,4-ジクロロ-N-(4-クロロ-フェニル)-ベンズアミジン(I-7a)の製造:
トルエン(700ml)中4-クロロ-フェニルアミン(20g,156.8mmol)の0℃溶液に、N2下、70分間かけてトリメチルアルミニウム(トルエン中2M,111.3ml,222.6mmol)を滴下した。反応混合物を室温まで温め、3.5時間攪拌した。トルエン(100ml)中ベンゾニトリル(32.4g,188.1mmol)の溶液を加え、反応混合物を85℃まで一晩加熱し、その間に、それは、均質となった。反応混合物を、ついで、室温まで冷却し、クロロホルム/メタノール(2:1)中シリカゲルのスラリー上に注いだ。濾過後、残渣は、塩化メチレン/メタノール(2:1)の混合物で洗浄した。合わせた濾液を減圧で濃縮し、生ずる黄色の固体をヘキサン/エーテルですり潰した。黄色味を帯びた固体の2,4-ジクロロ-N-(4-クロロ-フェニル)-ベンズアミジンI-7a(34.15g,73%)を、さらに精製することなく、次の反応に使用した。
【0170】
1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-4-ヒドロキシ-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-カルボン酸エチルエステル(I-7b)の製造:
2-プロパノール(600ml)中2,4-ジクロロ-N-(4-クロロ-フェニル)-ベンズアミジンI-7a(34g,113.5mmol)および炭酸水素ナトリウム(19.1g,227,mmol)の混合物を3-ブロモ-2-オキソ-プロピオン酸エチルエステル(20ml,158.9mmol)で処理した。反応混合物を85℃まで一晩加熱し、溶剤を減圧で除去した。残渣を塩化メチレンと水との間で分配し、層を分離させた。有機相を無水の硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をエーテル/ヘキサン(1:3)ですり潰し、黄色の固体1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-4-ヒドロキシ-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-カルボン酸エチルエステルI-7b(45g,96%)を濾過により収集した。
【0171】
1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸エチルエステル(I-7c)の製造:
トルエン(540ml)中1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-4-ヒドロキシ-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-カルボン酸エチルエステルI-7b(45g,108.8mmol)とp-トルエンスルホン酸1水和物(2.1g,10.8mmol)との混合物を一晩加熱還流した。反応混合物を冷却し、溶剤を減圧で除去した。粗製の残渣を塩化メチレンにとり、水、炭酸水素ナトリウム水溶液および塩水で洗浄した。無水の硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した後、残渣は、酢酸エチル/ヘキサン(20:80)を使用して、600gのシリカゲル上でプラグ濾過(plug filtration)することによって精製すると、純粋な1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸エチルエステルI-7c(30g,69.7%)を与えた。
【0172】
1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸(I-7d)の製造:
メタノール(380ml)中1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸エチルエステルI-7c(30g,75.8mmol)の懸濁液にLiOH(6.36g,152mmol)を加えた。反応混合物を1時間加熱還流し、ついで、室温まで冷却した。大部分の溶剤を減圧で除去し、残渣を水で希釈し、3N HClで酸性とした。赤褐色の沈殿を濾過により収集し、100mlの酢酸エチル/ヘキサン(20:80)ですり潰すと、1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸I-7d(26.3g,94%)を淡黄色の固体として与えた。
【0173】
1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸メトキシ-メチル-アミド(I-7e)の製造:
THF(14ml)中1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸I-7d(1.31g,3.57mmol)およびN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.42g,1.2当量)の溶液に、TEA(4.97ml,10当量)および1-プロパンホスホン酸環状無水物(3.21ml,1.5当量)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、酢酸エチルで希釈し、水、10%クエン酸および塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮すると、発泡体を与え、発泡体は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ,70:30酢酸エチル/ヘキサン、酢酸エチル勾配)により精製すると、1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸メトキシ-メチル-アミドI-7e(485mg,33%)を与えた。
【0174】
1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル〕-エタノン(I-7f)の製造:
THF(16ml)中1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-カルボン酸メトキシ-メチル-アミドI-7e(1.64g,3.00mmol)の溶液を0℃まで冷却し、メチルマグネシウムヨーダイド(Et2O中3.0Mの溶液4.4ml,9.9mmol)をシリンジより滴下した。生ずる溶液を0℃で1時間攪拌し、ついで、反応混合物を冷1N HCl(100ml)に注いだ。混合物を酢酸エチル(2 85ml部分)で抽出し、合わせた抽出物を塩化ナトリウム飽和水溶液(100ml)で洗浄した。有機物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮すると、1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル〕-エタノンI-7f(1.41g,97%)を与え、これは、さらにいずれの精製もすることなく次の反応にて使用した。
【0175】
2-ブロモ-1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル〕-エタノン(I-7g)の製造:
HBr水溶液(48%溶液の0.98ml)を酢酸(20ml)中1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル〕-エタノンI-7f(1.60g,4.38mmol)溶液に加えた。臭素(0.226ml,4.38mmol)を、次に、反応混合物に滴下した。生ずるオレンジ色の溶液を23℃で1時間攪拌してから40℃まで40分間温め、ついで、23℃まで60時間冷却した。反応混合物を氷と炭酸水素ナトリウム飽和水溶液との混合物に注ぎ、生ずる混合物を酢酸エチル(2 200-ml部分)で抽出した。合わせた有機物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮すると、2-ブロモ-1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル〕-エタノンI-7gを与えた(1.03g,53%)。
【0176】
1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル〕-2-モルホリン-4-イル-エタノン(7A-1)の製造:
THF(3ml)中2-ブロモ-1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル〕-エタノンI-7g(63mg,0.142mmol)の溶液に、モルホリン(0.04ml,0.426mmol)を加えた。生ずる溶液を23℃で12時間攪拌し、50mlのメチルt-ブチルエーテルで希釈し、25mlの水で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をヘキサンで1回同時蒸発させると、1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル〕-2-モルホリン-4-イル-エタノン7A-1(52mg,81%)を固体として与えた。
【0177】
【化17】

【0178】
表5にて以下列挙する化合物は、実施例7A-1の製造について上記した概括的な処理法を使用して製造した。
【0179】
【表25】

【0180】
【表26】

【0181】
薬理学的試験
本発明の実施における本発明の化合物の有用性は、以降に記載する少なくとも1つのプロトコルにての活性によって立証することができる。以下の略称は、以降に記載のプロトコルにて使用する。
【0182】
BSA−ウシ血清アルブミン
DMSO−ジメチルスルホキシド
EDTA−エチレジアミンテトラ酢酸
PBS−ホスフェート緩衝塩水
EGTA−エチレングリコール-ビス(β-アミノエチルエーテル)N,N,N’,N’-テトラ酢酸
GDP−グアノシンジホスフェート
Sc-皮下
po−経口
ip−非経口
icv−脳内血管
iv−静脈内
3H〕SR141716A−Amersham Biosciences,Piscataway,NJから入手可能な放射性標識N-(ピペリジン-1-イル)-5-(4-クロロフェニル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド塩酸塩.
NEN Life Science Products,Boston,MAから入手可能な〔3H〕5-(1,1-ジメチル-ヘプチル)-2-〔5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-プロピル)-シクロヘキシル〕-フェノール.
AM251−Tocris TM,Ellisville,MOから入手可能なN-(ピペリジン-1-イル)-1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(4-ヨードフェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド.
【0183】
上記実施例部分にて列挙した化合物は、全て、以降のCB-1受容体結合検定にて試験した。活性<20nMを有するこれらの化合物は、ついで、生物結合検定部分にて以降に記載するCB-1 GTPγ〔35S〕結合検定およびCB-2結合検定にて試験した。選択した化合物は、ついで、以降の生物官能性検定部分にて記載する1つ以上の官能基検定を使用してインビボで試験した。
【0184】
インビトロ生物検定
カンナビノイド受容体リガンドのCB-1およびCB-2結合特性および薬理学的活性を測定するための生物検定システムは、Roger G.Pertweeにより、“Pharmacology of Cannabinoid Receptor Ligand”Current Medical Chemistry,6,635-664(1999)およびWO92/02640(1990年8月8日に出願され、参考とすることによって本明細書に組み込むU.S.出願No.07/564,075)に記載されている。
【0185】
以下の検定は、〔3H〕SR141716A(選択的な放射線標識したCB-1リガンド)および〔3H〕5-(1,1-ジメチル-ヘプチル)-2-〔5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-プロピル)-シクロヘキシル〕-フェノール;それらのそれぞれの受容体に対して放射線標識したCB-1/CB-2リガンドの結合を阻害する化合物を検出するために設計した。
【0186】
ラットCB-1受容体結合プロトコル
ペルフリーズ脳(PelFreeze)(Pel Freeze Biologicals,Rogers,Arkansasから入手可能)を裁断して、組織標本緩衝液(5mM Tris HCl,pH=7.4および2mM EDTA)に入れ、高速度でポリトローンし(polytroned)、氷上に15分間保った。ついで、均質物を40℃にて1,000×gで5分間紡糸した。上澄み液を回収し、4℃にて100,000×Gで1時間遠心分離させた。ペレットを、ついで、使用される脳当り、25mlのTME(25nM Tris,pH=7.4,5mM MgCl2および1mM EDTA)で再懸濁させた。蛋白質検定を行い、トータル20μgの組織200μlを定量のために加えた。
【0187】
試験化合物を薬剤緩衝液(0.5% BSA,10%DMSOおよびTME)に希釈し、ついで、25μlを深い穴のポリプロピレンプレートに入れた。〔3H〕SR141716Aをリガンド緩衝液(0.5% BSAプラスTME)で希釈し、25μlをプレートに加えた。BCA蛋白質定量法を使用して、適当な組織濃度を測定し、ついで、適当な濃度のラット脳組織の200μlをプレートに加えた。プレートを覆い、インキュベーター内に20℃にて60分間置いた。インキュベーション期間の終了時に、停止緩衝液(5% BSAプラスTME)の250μlを反応プレートに加えた。ついで、BSA(5mg/ml)プラスTME中で予浸したGF/Bフィルターマット上Skatronにより、プレートから採取した。各フィルターは、2回洗浄した。フィルターを一晩乾燥させた。朝に、Wallac Betaplate TMカウンター(PerkinElmer Life Sciences TM,Boston,MA)上でフィルターをカウントした。
【0188】
ヒトCB-1受容体結合プロトコル
CB-1受容体cDNA(Dr.Debra Kendall,University of Connecticutから入手した)形質移入したヒト胚腎臓293(HEK 293)細胞を均質化緩衝液(10mM EDTA,10mM EGTA,10mM 炭酸水素ナトリウム,プロテアーゼ阻害剤;pH=7.4)に採取し、Dounce Homogenizerで均質化した。均質物を、ついで、4℃にて1,000×gで5分間紡糸した。上澄み液を回収し、4℃にて、25,000×Gで20分間遠心分離した。ペレットを、ついで、10mlの均質化緩衝液10mlに再懸濁し、4℃にて25,000×Gで20分間再紡糸した。最終ペレットは、1mlのTME(5mM MgCl2および1mM EDTAを含有する25mM Tris緩衝液(pH=7.4))に再懸濁した。蛋白質定量を行い、合計20μgの組織200μlをアッセイに加えた。
【0189】
試験化合物は、薬剤緩衝液(0.5% BSA,10%DMSOおよびTME)で希釈し、ついで、25μlを深い穴のポリプロピレンプレートに加えた。〔3H〕SR141716Aをリガンド緩衝液(0.5% BSAプラスTME)で希釈し、25μlをプレートに加えた。プレートを覆い、インキュベーター内に30℃にて60分間置いた。インキュベーション期間の終了時に、停止緩衝液(5% BSAプラスTME)の250μlを反応プレートに加えた。ついで、BSA(5mg/ml)プラスTME中で予浸したGF/Bフィルターマット上Skatronにより、プレートから採取した。各フィルターは、2回洗浄した。フィルターを一晩乾燥させた。朝に、Wallac Betaplate TMカウンター(PerkinElmer Life Sciences TM,Boston,MA)上でフィルターをカウントした。
【0190】
実施例1〜7に列挙した化合物について、0.1〜100ナノメートルの活性範囲が観測された。具体的な例として、結合親和性79ナノモルが実施例5A-6の化合物について観測された。実施例5A-6は、単に例示する目的のために選択したのであり、実施例5A-6の化合物が好ましい化合物であることを意味するものではない。
【0191】
CB-2受容体結合プロトコル
CB-2cDNA(Dr.Debra Kendall,University of Connecticutから入手した)形質移入したチャイニーズハムスター卵巣-K1(CHO-K1)細胞を組織標本緩衝液(2mM EDTAを含有する5mM Tris-HCl緩衝液(pH=7.4))に採取し、高速度でポリトローンし(polytroned)、氷上に15分間保った。ついで、均質物を4℃にて1,000×gで5分間紡糸した。上澄み液を回収し、4℃にて100,000×Gで1時間遠心分離させた。ペレットを、ついで、使用される脳当り、25mlのTME(25nM Tris,緩衝液(pH=7.4),5mM MgCl2および1mM EDTA含有)で再懸濁させた。蛋白質検定を行い、トータル10μgの組織200μlを定量のために加えた。
【0192】
試験化合物を薬剤緩衝液(0.5% BSA,10%DMSOおよび80.5% TME)にて希釈し、ついで、25μlを深い穴のポリプロピレンプレートに入れた。〔3H〕5-(1,1-ジメチル-ヘプチル)-2-〔5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-プロピル)-シクロヘキシル〕-フェノールをリガンド緩衝液(0.5% BSAプラス99.5%TME)で希釈し、ついで、25μlを各穴に1nMの濃度で加えた。BCA蛋白質定量法を使用して、適当な組織濃度を測定し、適当な濃度の組織200μlをプレートに加えた。プレートを覆い、インキュベーター内に30℃にて60分間置いた。インキュベーション期間の終了時に、停止緩衝液(5% BSAプラスTME)の250μlを反応プレートに加えた。ついで、BSA(5mg/ml)プラスTME中で予浸したGF/Bフィルターマット上Skatronにより、プレートから採取した。各フィルターは、2回洗浄した。フィルターを一晩乾燥させた。フィルターを、ついで、Wallac Betaplate TM カウンター上でカウントした。
【0193】
CB-1 GTPγ35S〕結合検定
ヒトCB-1受容体cDNAで安定的に形質移入したCHO-K1細胞から膜を製造した。Bass et alにより“Identification and characterization of novel somatostatin antagonists,” Molecular Pharmacology,50,709-715(1996)に記載されているようにして、細胞から膜を製造した。50 mM Tris HCl,pH7.4,3mM MgCl2、pH7.4,10mmM MgCl2,20mM EGTA,100mM NaCl,30μM GDP,0.1%ウシ血清アルブミンおよび以下の蛋白質分解酵素:100μg/mlバシトラシン、100μg/mlベンズアミジン、5μg/mlアポルチニン、5μg/mlロイペプチンによって構成される検定緩衝液中1つの穴当り100pM GTPγ35S〕および10μg膜を使用して、GTPγ35S〕結合検定を96穴FlashPlate TMフォマット内で二重に行った。ついで、アンタゴニストの濃度を(10-10M〜10-5M)まで増加させつつ検定混合物をインキュベートし、カンナビノイドアゴニスト5-(1,1-ジメチル-ヘプチル)-2-〔5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-プロピル)-シクロヘキシル〕-フェノール(10μM)で誘発させた。検定は、30℃で10分間行った。FlashPlates TMを、ついで、2000×gで10分間遠心分離した。GraphpadによるPrism TMを使用してなされるWallac Microbeta.EC50計算を使用し、GTPγ35S〕結合刺激を定量した。
【0194】
アゴニストの存在なしで、逆アゴニスムを測定した。
CB-1 FLIPRに基づく官能基検定プロトコル
CB-1受容体cDNA(Dr.Debra Kendall,University of Connecticutから入手した)を同時形質移入したCHO-K1および入り混じったG-蛋白質G 16をこの検定に使用した。細胞は、コラーゲンコートされた384穴の黒色透明なプレート上1穴当り12500細胞に前もって48時間プレートした。細胞は、2.5mMプロベニシドとプルロン酸(pluronic acid)(.04%)とを含有するDMEM(Gibco)中4μM Fluo-4 AM(Molecular Probes)で1時間インキュベートした。ついで、プレートをHEPES緩衝させた塩水(プロベニシド含有;2.5mM)で3回洗浄し、過剰の色素を除いた。20分後、プレートを個々にFLIPRに加え、蛍光レベルを継続して80秒間モニターした。化合物の添加は、ベースライン20秒後に384穴全てに同時になした。検定は、3重に行い、6点濃度-応答曲線を生じた。アンタゴニスト化合物は、3μM WIN 55,212-2(アゴニスト)で逐次誘発された。Graph Pad Prismを使用して、データを分析した。
【0195】
逆アゴニストの検出
無傷の細胞を使用する以下のcyclic-AMP検定プロトコルを使用して逆アゴニスト活性を測定した。
1穴当り100μlの濃度で1穴当りプレート密度10,000〜14,000細胞で96穴板に細胞をプレートした。プレートを37℃インキュベータ内で24時間インキュベートした。培地を除去し、培地なしの血清(100μl)を加えた。プレートを、ついで、37℃で18時間インキュベートした。
【0196】
1mM IBMXを含有する血清を含まない培地を各穴に加え、続いて、10μlの試験化合物(50%DMSO/PBS中の 1:10保存溶液(DMSO中25mM化合物)を0.1%BSAを含むPBS中で10×に希釈した。37℃で20分間インキュベート後、2μMのForskolinを加え、ついで、37℃でさらなる20分間インキュベートした。培地を除去し、100μlの0.01N HClを加え、ついで、室温で20分間インキュベートした。25μlの検定緩衝液(NEN Life Science Product Boston,MA)から入手可能なFlashPlate TM cAMP検定キットにて補給される)とともに細胞溶解産物(75μl)をFlashplateに入れた。キットのプロトコルに従い、cAMP標準およびcAMPトレーサーを加えた。フラッシュプレートを、ついで、4℃にて18時間インキュベートした。穴の内容物を吸引し、シンチレーションカウンターでカウントした。
【0197】
インビボ生物検定
カンナビノイドアゴニスト、例えば、Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)および5-(1,1-ジメチル-ヘプチル)-2-〔5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-プロピル)-シクロヘキシル〕-フェノールは、集合的にテトラッド(Tetrad)として公知のマウスにて4つの特徴的な挙動を好むことが示されている。これらの挙動の説明については、Smith,P.B.,et al.による“The Pharmacological activity of anandamide,a putative endogenous cannabinoid,in mice,” J.Pharmacol.Exp.Ther.,270(1),219-227(1994)およびWiley,J.,et al.の“Determinative stimulus effects of anandamide in rats,”Eur. J.Pharmacol.,276(1-2),49-54(1995)参照。以降に記載する歩行活動、カタレプシー、低体温症およびホットプレート検定におけるこれら活動の逆転は、CB-1アンタゴニストのインビボ活性についてスクリーンを生ずる。
【0198】
全てのデータは、以下の式:(試験化合物/アゴニスト−ビヒクル/アゴニスト)/(ビヒクル/ビヒクル−ビヒクル/アゴニスト)を使用して、アゴニスト単独からの%逆転として表される。負の数は、アゴニスト活性または非アゴニスト活性の相乗作用を示す。正の数は、個々の試験についての活性の逆転を示す。
【0199】
歩行活動
雄ICRマウス(n=6)(17〜19g,Charles River Laboratories,Inc.,Wilmington,MA)を試験化合物(sc,po,ipまたはicv)で前処理した。15分後、マウスに5-(1,1-ジメチル-ヘプチル)-2-〔5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-プロピル)-シクロヘキシル〕-フェノール(sc)で誘発させた。アゴニスト注射後25分、透明な木製裏削りを有する透明なアクリル製かご(431.8cm×20.9cm×20.3cm)にマウスを入れた。被験体を合計約5分間環境に晒し、かごの頂部に置いた赤外運動検出器(Coulbourn Instruments TM,Allentown,PAから入手可能)によって活動を記録した。データをコンピュータで収集し、“運動単位”として表した。
【0200】
カタレプシー
雄ICRマウス(n=6)(到着の際17〜19g)を試験化合物(sc,po,ipまたはicv)で前処理した。15分後、マウスに5-(1,1-ジメチル-ヘプチル)-2-〔5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-プロピル)-シクロヘキシル〕-フェノール(sc)で誘発させた。注射後90分して、約12インチの高さにてリングスタンドに取り付けた6.5cmのスチールリングにマウスを置いた。リングを水平方向に据え、周囲を握る前節および後節でリングの隙間にマウスを懸吊させた。マウスが(呼吸運動を除いて)完全に動かないままの期間を3分間にわたって記録した。
【0201】
データは、パーセント静止等級として表した。等級は、マウスが動かないままの秒数を観測期間の合計時間によって割り、その結果に100を掛けて計算した。アゴニストからのパーセント逆転を、ついで、計算した。
【0202】
低体温症
雄ICRマウス(n=5)(到着の際17〜19g)を試験化合物(sc,po,ipまたはicv)で前処理した。15分後、マウスにカンナビノイドアゴニスト5-(1,1-ジメチル-ヘプチル)-2-〔5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-プロピル)-シクロヘキシル〕-フェノール(sc)で誘発させた。アゴニスト注射後65分、直腸体温を測定した。これは、小さなサーモスタットプローブほぼ2〜2.5cmを直腸に挿入することによって行った。温度は、10分の1度まで記録した。
【0203】
ホットプレート
雄ICRマウス(n=7)(到着の際17〜19g)を試験化合物(sc,po,ipまたはicv)で前処理した。15分後、マウスにカンナビノイドアゴニスト5-(1,1-ジメチル-ヘプチル)-2-〔5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-プロピル)-シクロヘキシル〕-フェノール(sc)で誘発させた。45分後、標準ホットプレートメータ(Columbus Instruments)を使用して、各マウスを痛覚消失の逆転について試験した。ホットプレートは、周囲の透明なアクリル系壁を有し、10”×10”×0.75”であった。キック、リックまたはフリック後節の潜伏期または台からのジャンプを10分の1秒まで記録した。タイマーを実験者活動させ、各試験は、40秒遮断した。データは、アゴニスト誘発された痛覚消失のパーセント逆転として表した。
【0204】
食物摂取
以下のスクリーンを使用して、SDラットにて一晩絶食後食物摂取を阻害するための試験化合物の効能を評定した。
雄SDラットをCharles River Laboratories,Inc.(Wilmington,MA)から入手した。ラットを個々に収容し、粉末食餌を与えた。これらを12時間の明/暗サイクリルに保ち、好きな時に食事および水を受容させた。試験を行う前1週間、動物を生態飼育室に順応させた。試験は、サイクリルの明部分の間に完了させた。
【0205】
食物摂取効能スクリーンを実施するために、食餌を与えないで、試験前の午後に、ラットを個々の試験かごに移し、ラットを一晩絶食させた。一晩の絶食後、次の朝、ラットにビヒクルまたは試験化合物を投与した。正のコントロールとして、公知のアンタゴニスト(3mg/kg)を投与し、コントロール群に、ビヒクル単独(化合物なし)を受容させた。試験化合物を、化合物に応じて、0.1〜100mg/kgの範囲で投与した。標準ビヒクルは、水中0.5%(w/v)メチルセルロースであり、投与の標準ルートは、経口であった。しかし、種々のビヒクルおよび投与ルートを使用して、必要とされる時、種々の化合物を調節した。食餌は、投与後30分にラットに与え、OXymax自動食餌摂取システム(Columbus Instruments,Columbus,Ohio)を始動させた。個々のラットの食餌摂取は、2時間の間10分間隔で連続的に記録した。必要とされる時、食餌摂取は、電子的スケールを使用して、手動で記録し;食餌は、食餌を与えた後から食事を与えた後4時間まで30分ごとに秤量した。化合物の効能は、化合物処置したラット対ビヒクルの食餌摂取パターンと標準的な正のコントロールとを比較することによって測定した。
【0206】
アルコール摂取
以下のプロトコルは、長い飲酒歴を有するアルコール好きの(P)雌ラット(Indiana Universityで繁殖させた)にてアルコール摂取の効果を評定した。以下の参考文献は、Pラットの詳細な説明を与える:Li,T.-K.,et al.,“Indiana selection studies on alcohol related behaviors”in Development of Animal Models as Pharmacogenetic Tool(eds McClearn C.E.,Deitrich R.A.and Erwin V.G.),Research Monograph 6,171-192(1981)NIAAA,ADAMHA,Rockville,MD;Lumeng,L,et al.,“New strains of rats with alcohol preference and nonpreference”Alcohol And Aldehyde Metabolizing System,3 Academic Press,New York,537-544(1977);およびLumeng,L,et al.,“Different sensitive to ethanol in alcohol-preferring and -nonpreferring rats,Pharmacol.Biochem Behav.,16,125-130(1982)。
【0207】
雌のラットに暗サイクルの開始時に毎日アルコール(10%v/vおよび水,2ボトル選択)に2時間近づけた。実験者相互作用を促進するために、ラットを逆サイクルに保った。アルコール摂取について等しい4つの群に動物を最初に割り当てた:群1−ビヒクル(n=8);群2−正のコントロール(例えば、5.6mg/kg AM251;n=8);群3−低い用量の試験化合物(n=8);および、群4−高い用量の試験化合物(n=8)。試験化合物を蒸留水中体積1〜2ml/kgで30%(w/v)β-シクロデキストリンのビヒクルにおおよそ混合した。実験の最初の2日間、全ての群にビヒクル注射した。これに続き、(適当な群に)2日間およびビヒクル注射の最終日に薬剤注射した。薬剤注射の日には、2時間のアルコールアクセスの期間前30分に薬剤を皮下(sc)で与えた。全ての動物についてのアルコール摂取は、試験期間の間に測定し、薬剤およびビヒクル処置した動物間で比較をなし、化合物のアルコール飲酒挙動についての効果を測定した。
【0208】
雌C57BI/6マウス(Charles River)を使用して、さらなる飲酒研究を行った。数種の研究は、必要とされる操作ほとんどないし全くなしでマウスのこの緊張が容易にアルコールを消費するであろうことを示している(Middaugh et al.,“Ethanol Consumption by C57BL/6 Mice:Influence of Gender and Procedural Variabiles”Alcohol,17(3),175-183,1999;Le et al.,“Alcohol Consumption by C57BL/6,BALA/c,and DBA/2 Mice in Limited Access Paradigm”Pharmacology Biochemistry and Behavior,47,375-378,1994)。
【0209】
我々の目的については、到着の際(17〜19gの)マウスを個々に収容し、粉末ラット飼料、水および10%(w/v)アルコール溶液に、無制限に近づけた。無制限のアクセスの2〜3週間後、水を20時間制限し、アルコールを毎日2時間のみのアクセスに制限した。これは、アクセス期間を明サイクルの暗部分の終わりの2時間とするようにして行った。
【0210】
一度、飲酒挙動が安定した後、試験を開始した。3日間の平均アルコール消費が全3日間についての平均の3日±20%である時安定であると考えた。試験の1日目は、ビヒクル注射(scまたはip)を受ける全てのマウスからなった。注射アクセス後30〜120分後にアルコールと水とにアクセスさせた。その日のアルコール消費は、(g/kg)で計算し、全ての群が不定のアルコール摂取を有するように群を割り当てた(n=7〜10)。2日目および3日目には、マウスにビヒクルまたは薬剤を注射し、前日と同様のプロトコルに従った。4日目には、ウオッシュアウトし、注射をしなかった。繰返し測定ANOVAを使用して、データを分析した。水またはアルコール消費の変動を試験の各日にビヒクルに戻して比較した。正の結果は、水に影響を与えずアルコール消費を有意に低下させることのできる化合物と解釈されるであろう。
【0211】
酸素消費
方法:
身体全体の酸素消費は、雄SDラット(もう1つのラット系統または雌ラットを使用する場合、それは、詳述する)にて間接的な熱量計(Oxymax from Columbus Instruments,Columbus,OH)を使用して測定される。ラット(300〜380g体重)を熱量計のチャンバに入れ、そのチャンバを活性モニターに入れる。これらの研究は、明サイクルの間に行う。酸素消費の測定前に、ラットに標準的な食餌を好きな時に取らせる。酸素消費の測定の間、食餌は、供給しない。基底の投与前酸素消費および歩行活動を2.5〜3時間の間10分ごとに測定する。基底投与前期間の終了時に、チャンバを開き、動物に化合物の単一用量(通常の投薬範囲は、0.001〜10mg/kg)を経口栄養(またはその他の投与ルート、詳細には、すなわち、s.c.,i.p.,i.v.)により投与する。薬剤は、メチルセルロース、水またはその他の特定のビヒクル(例えば、PEG 400,30%β-シクロデキストランおよびプロピレングリコールが挙げられる)中で調製される。酸素消費および歩行活性は、投与後さらなる1〜6時間の間10分ごとに測定する。
【0212】
Oxymax熱量計ソフトウェアーは、チャンバを通る空気の流速および入り口と出口とでの酸素含量の差に基づき酸素消費(ml/kg/時)を計算する。活性モニターは、各軸上1インチ間隔で15の赤外光ビームを有し、歩行活性は、2つの隣接ビームが破壊される時に記録し、その結果は、カウントとして記録する。
【0213】
静止酸素消費は、投与前および投与後の間、高歩行活性(歩行活性>100)を除き、かつ、投与前期間の最初の5つの値および投与後期間の最初の値を除き、10分間のO2消費値を平均することにより計算する。酸素消費の変動は、パーセントとして報告し、投与後の静止酸素消費を投与前酸素消費a)100で割ることによって計算される。実験は、典型的には、n=4〜6ラットで行い、報告される結果は、平均+/−SEMである。
【0214】
解釈:
酸素消費の増加>10%は、正の結果と考える。履歴的に、ビヒクル処置したラットは、投与前基底から酸素の消費にて変動を有しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、Xは、炭素であり、かつ、Yは、窒素であるか、または、Xは、窒素であり、かつ、Yは、炭素であり;
R1は、水素、(C1-C6)アルキル、ハロゲンまたはシアノであり;
R2およびR3は、各々、独立に、(CH2)n-アリールまたは(CH2)n-ヘテロアリールであり、ここで、nは、0、1または2であり、前記アリールおよび前記ヘテロアリール部分は、1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよく;
Lは、-(CO)-または-C(R4)(OR5)-であり、ここで、R4は、水素または(C1-C6)アルキルであり、かつ、R5は、水素、(C1-C6)アルキルであるか、または、R8もしくはR9と一緒になって、-CH2CH2-または-CH2C(O)-であり;
R6およびR7は、各々、独立に、水素または(C1-C6)アルキルであるか、または、R6およびR7は、一緒になって、一部または完全に飽和された炭素環式環を形成し;
R8およびR9は、各々、独立に、水素、(C1-C6)アルキル、-(CO)(CH2)mR10、-SO2(CH2)nR10または-(CH2)pR10であり、ここで、mおよびnは、0、1または2であり、pは、0、1、2または3であり、R10は、(C1-C8)アルキル、一部または完全に飽和されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび一部もしくは完全に飽和されたヘテロサイクルからなる群より選択され、前記(C1-C8)アルキル、前記シクロアルキル、前記アリール、前記ヘテロアリールおよび前記ヘテロサイクルは、1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよいか;または、
R8およびR9は、一緒になって、1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ、1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよい一部または完全に飽和された4-〜8-員ヘテロ環式環を形成する。〕
で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物。
【請求項2】
式(I)で表される前記化合物が、式(IA):
【化2】

〔式中、R1は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R2およびR3は、各々、独立に、-(CH2)n-アリールまたは-(CH2)n-ヘテロアリールであり、ここで、nは、0、1または2であり、前記アリールおよび前記ヘテロアリール部分は、各々、1〜3個の置換基で任意に置換されていてもよく;
R6およびR7は、各々、独立に、水素または(C1-C6)アルキルであるか、または、R6およびR7は、一緒になって、一部または完全に飽和された炭素環式環を形成し;
R8およびR9は、一緒になって、1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ、1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよい一部または完全に飽和な5-〜7-員ヘテロ環式環を形成する。〕
で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(I)で表される前記化合物が、式(IB):
【化3】

〔式中、R1は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R2およびR3は、各々、独立に、-(CH2)n-アリールまたは-(CH2)n-ヘテロアリールであり、ここで、nは、0、1または2であり、前記アリールおよび前記ヘテロアリール部分は、各々、1〜3個の置換基で任意に置換されていてもよく;
R4は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R5は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R6およびR7は、各々、独立に、水素または(C1-C6)アルキルであるか、または、R6およびR7は、一緒になって、一部または完全に飽和された炭素環式環を形成し;
R8およびR9は、各々、独立に、水素、(C1-C6)アルキル、-(CO)(CH2)mR10、-SO2(CH2)nR10または-(CH2)pR10であり、ここで、mおよびnは、0、1または2であり、pは、0、1、2または3であり、R10は、(C1-C8)アルキル、一部または完全に飽和されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび一部もしくは完全に飽和されたヘテロサイクルからなる群より選択され、前記(C1-C8)アルキル、前記シクロアルキル、前記アリール、前記ヘテロアリールおよび前記ヘテロサイクルは、1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよいか;または、
R8およびR9は、一緒になって、1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ、1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよい一部または完全に飽和された5-〜7-員ヘテロ環式環を形成する。〕
で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式(I)で表される前記化合物が、式(IC):
【化4】

〔式中、R1は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R2およびR3は、各々、独立に、-(CH2)n-アリールまたは-(CH2)n-ヘテロアリールであり、ここで、nは、0、1または2であり、前記アリールおよび前記ヘテロアリール部分は、各々、1〜3個の置換基で任意に置換されていてもよく;
R6およびR7は、各々、独立に、水素または(C1-C6)アルキルであるか、または、R6およびR7は、一緒になって、一部または完全に飽和された炭素環式環を形成し;
R9は、水素、(C1-C6)アルキル、-C(O)(CH2)mR10または-SO2(CH2)pR10または-(CH2)pR10であり、ここで、mおよびnは、0、1または2であり、pは、0、1、2または3であり、かつ、R10は、(C1-C8)アルキル、一部または完全に飽和されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび一部もしくは完全に飽和されたヘテロサイクルからなる群より選択され、前記(C1-C8)アルキル、前記シクロアルキル、前記アリール、前記ヘテロアリールおよび前記ヘテロサイクルは、1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよい。〕
で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式(I)で表される前記化合物が、式(ID):
【化5】

〔式中、R1は、水素または(C1-C6)アルキルであり;
R2およびR3は、各々、独立に、-(CH2)n-アリールまたは-(CH2)n-ヘテロアリールであり、ここで、nは、0、1または2であり、前記アリールおよび前記ヘテロアリール部分は、各々、1〜3個の置換基で任意に置換されていてもよく;
R6およびR7は、各々、独立に、水素または(C1-C6)アルキルであるか、または、R6およびR7は、一緒になって、一部または完全に飽和された炭素環式環を形成し;
R8およびR9は、一緒になって、1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ、1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよい一部または完全に飽和された5-〜7-員ヘテロ環式環を形成する。〕
で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R2が、p-クロロフェニルまたはp-フルオロフェニルであり、R3が、2,4-ジクロロフェニル、2-クロロフェニルまたは2-フルオロフェニルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-ピペリジン-1-イル-エタノン;
1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-モルホリン-4-イル-エタノン;
1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-〔4-(1-メチル-1H-ピロール-2-カルボニル)-ピペラジン-1-イル〕-エタノン;
1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-〔4-(1-メチル-シクロプロパンカルボニル)-ピペラジン-1-イル〕-エタノン;
N-(1-{2-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-オキソ-エチル}-ピペリジン-4-イル)-2,2,2-トリフルオロ-アセトアミド;
1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-フルオロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-モルホリン-4-イル-エタノン;
1-〔(5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-フルオロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-ピペリジン-1-イル-エタノン;
1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-フルオロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-(4-トリフルオロアセチル-ピペラジン-1-イル)-エタノン;
1-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-ピロリジン-1-イル-エタノン;
1-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-〔1.4〕オキサアゼパン-4-イル-エタン;
1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-(1-オキサ-8-アザ-スピロ〔4.5〕デセ-8-イル)-エタノン;
2-(ベンジル-イソプロピル-アミノ)-1-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-エタノール;
1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-(3,5-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-エタノール;
1-{2-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-ヒドロキシ-エチル}-4-イソプロピルアミノ-ピペリジン-4-カルボン酸アミド;
1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-(3,3-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-エタノール;
1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-ピペリジン-1-イル-エタノール;
1-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-2-モルホリン-4-イル-エタノール;
2-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-4-シクロヘキシル-モルホリン;
2-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-4-(プロパン-2-スルホニル)-モルホリン;
2-〔5-(4-クロロ-フェニル)-1-(2-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-4-(トルエン-4-スルホニル)-モルホリン;
1-{2-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-モルホリン-4-イル}-2-メチル-プロパン-1-オン;
2-〔1-(2-クロロ-フェニル)-5-(4-クロロ-フェニル)-4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル〕-4-(4-トリフルオロメチル-ベンジル)-モルホリン;
1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル〕-2-ピペリジン-1-イル-エタノン;および、
1-〔1-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル〕-2-モルホリン-4-イル-エタノン;
その薬学的に許容可能な塩;または前記化合物または前記塩の溶媒和物または水和物からなる群より選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
(a) 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物;および、
(b) 薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体;
を含む医薬組成物。
【請求項9】
さらに、ニコチン部分アゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、ドーパミン作働剤または抗肥満症剤を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
動物のカンナビノイド受容体アンタゴニストによって変調される疾患、状態または障害を処置するための方法であって、このような処置を必要とする動物に、請求項1、2、3、4、5、6または7の化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物の治療学的に有効な量を投与する工程を含む方法。
【請求項11】
カンナビノイド受容体アンタゴニストによって変調される前記疾患、状態または障害が、肥満症、アルコール依存症またはタバコ乱用である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
カンナビノイド受容体アンタゴニストによって変調される疾患、状態または障害を処置するための薬剤の製造における請求項1、2、3、4、5、6または7の化合物、その薬学的に許容可能な塩、前記化合物または前記塩のプロドラッグ;または、前記化合物、前記塩または前記プロドラッグの溶媒和物または水和物の使用。

【公表番号】特表2006−514942(P2006−514942A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558286(P2004−558286)
【出願日】平成15年12月3日(2003.12.3)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005835
【国際公開番号】WO2004/052864
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】