フレキシブル光電配線モジュール
【課題】電磁ノイズ放射の抑制を可能とする。
【解決手段】実施形態によるフレキシブル光電配線モジュールは、光配線路12と第1の電気配線11iと第2の電気配線11aと第3の電気配線11c,11eとを有する可撓性のフレキシブル光電配線板10と、フレキシブル光電配線板に搭載され、第1の電気配線に電気的に接続され、光配線路に光結合された光半導体素子13aと、フレキシブル光電配線板に搭載され、第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とに電気的に接続され、第1の電気配線を介して光半導体素子を駆動し、第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位が供給される駆動IC14aと、フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端まで延在する第4の電気配線11g,11hと、光半導体素子と駆動ICとが搭載された回路領域15aと第4の電気配線との間に配置されたシールド配線11kと、を具備する。
【解決手段】実施形態によるフレキシブル光電配線モジュールは、光配線路12と第1の電気配線11iと第2の電気配線11aと第3の電気配線11c,11eとを有する可撓性のフレキシブル光電配線板10と、フレキシブル光電配線板に搭載され、第1の電気配線に電気的に接続され、光配線路に光結合された光半導体素子13aと、フレキシブル光電配線板に搭載され、第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とに電気的に接続され、第1の電気配線を介して光半導体素子を駆動し、第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位が供給される駆動IC14aと、フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端まで延在する第4の電気配線11g,11hと、光半導体素子と駆動ICとが搭載された回路領域15aと第4の電気配線との間に配置されたシールド配線11kと、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、シールド配線を有するフレキシブル光電配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の機械的可動部や曲面部に配設する配線として、可撓性を有するフレキシブル配線板が用いられている。また、バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタ等の電子デバイスの性能向上により、大規模集積回路(LSI)の飛躍的な動作速度の向上が図られ、それを接続する電気配線の速度制限や電磁ノイズ誤動作が問題となってきている。このような問題に対応するため、高速信号を光で配線するフレキシブル光電配線モジュールが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−80451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電磁ノイズ放射の抑制を可能としたフレキシブル光電配線モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によるフレキシブル光電配線モジュールは、光配線路と第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル光電配線板と、前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線に電気的に接続され、前記光配線路に光結合された光半導体素子と、前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線と前記第2の電気配線と前記第3の電気配線とに電気的に接続され、前記第1の電気配線を介して前記光半導体素子を駆動し、前記第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、前記第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位が供給される駆動ICと、フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端まで延在する第4の電気配線と、前記光半導体素子と前記駆動ICとが搭載された回路領域と前記第4の電気配線との間に配置されたシールド配線と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図2A】第2の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図2B】第2の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図3A】第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図3B】第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図3C】第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図4A】第4の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図4B】第4の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図5A】第5の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図5B】第5の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図6】第6の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図7】第7の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールは、例えば、携帯電話やノートPCといった電子機器において、情報処理プロセッサが出力する映像信号をディスプレイまで伝送するための配線モジュールとして用いることができる。
【0008】
実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールは、光配線路と電気配線を有するフレキシブル光電配線板に、光半導体素子と光半導体素子を駆動する駆動ICを搭載したものである。フレキシブル光電配線モジュールは、一端(例えばアプリケーションプロセッサ側)から入力された電気信号を光信号に変換して光伝送し、他端(例えばディスプレイ側)において光信号を電気信号に変換して出力する。光信号は、電磁ノイズを放射しない。このため、信号を光伝送するフレキシブル光電配線モジュールは、信号を電気伝送するフレキシブル配線モジュールに比べて、電磁ノイズ放射の低減が可能である。
【0009】
このように光信号伝送が可能な一方で、フレキシブル光電配線モジュールには、一端から他端に電力を供給するための電気配線(電源配線)が依然として必要である。そのため、光半導体素子、駆動IC、信号を入出力する電気配線、駆動ICに電力を供給する電気配線から電磁ノイズが放射されて上述の電源配線に結合すると、今度はこの電源配線がノイズ源となり、フレキシブル光電配線モジュール全体から電磁ノイズが放射されてしまう。
【0010】
そこで、実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールでは、電磁ノイズを遮蔽するガード配線を形成し、電磁ノイズを遮蔽するシールドを搭載することで、光半導体素子、駆動IC、信号を入出力する電気配線、駆動ICに電力を供給する電気配線から放射された電磁ノイズが、上述の電源配線に結合することの抑制を図っている。これにより、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制し、電磁ノイズを放射しないという光配線のメリットを最大限享受することが可能になる。
【0011】
以下、図面を参照しながら本実施形態について説明する。ここでは、幾つか具体的材料や構成を例に用いて説明するが、同様な機能を持つ材料や構成であれば、実施可能である。したがって、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
[1]第1の実施形態
図1を用いて、第1の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図1(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図1(b)は、図1(a)のIB−IB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図1(c)は、シールド配線の変形例を示す一部拡大図である。
【0013】
[1−1]フレキシブル光電配線モジュール
図1(a)に示すように、第1の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールは、電気配線11(11a〜11j)と光配線路(光導波路コア)12を有するフレキシブル光電配線板10に、光半導体素子13(発光素子13a、受光素子13b)、駆動IC14(14a,14b)を搭載する。電気配線11は、信号入力配線11a、信号出力配線11b、駆動IC14aの電源配線11cとグランド配線11e、駆動IC14bの電源配線11dとグランド配線11f、発光素子13aと駆動IC14aを接続する配線11i、受光素子13bと駆動IC14bを接続する配線11j、フレキシブル光電配線板10の一端から他端まで延在するその他の電気配線11g,11h、シールド配線11k,11lを有する。光半導体素子13と駆動IC14が搭載された回路領域15(15a,15b)は、フレキシブル光電配線板10の端部領域に位置する。
【0014】
本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、電気配線11aから入力される電気信号に応じて駆動IC14aが発光素子13aを駆動し、受光素子13bが生成する受光電流を駆動IC14bが増幅して電気配線11bに電気信号を出力することで、高速の信号伝送(例えば3Gbps)が可能である。また、その他の電気配線11g,11hを用いて、フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端への電力供給や、例えばI2C(Inter-Integrated Circuit)やSPI(Serial Peripheral Interface)といった低速の信号伝送(例えば10kbps)が可能である。
【0015】
[1−2]シールド配線
図1(a)に示すように、本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、光半導体素子13(13a,13b)と駆動IC14(14a,14b)が搭載された回路領域15(15a,15b)を囲むように、シールド配線11k,11lが形成される。このシールド配線11k,11lは電磁シールドとして機能し、光半導体素子13、駆動IC14、信号入力配線11a、信号出力配線11b、駆動IC14aの電源配線11cとグランド配線11e、駆動IC14bの電源配線11dとグランド配線11fから、フレキシブル光電配線モジュールの一端と他端を接続するその他の電気配線11g,11hへの電磁ノイズ結合を抑制し、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を大幅に抑制することが可能である。
【0016】
シールド配線11k,11lは、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことが望ましい。このとき、シールド配線11kの両端の少なくとも一方及びシールド配線11lの両端の少なくとも一方に例えばグランド電位を与えれば良い。
【0017】
シールド配線11kの両端の少なくとも一方及びシールド配線11lの両端の少なくとも一方は、フレキシブル光電配線板10の端部にそれぞれ位置することに限定されず、例えば、駆動IC14の近隣に位置しても良い。
【0018】
シールド配線11k,11lの平面形状は、例えばU字型であるが、種々の形状に変更可能である。また、シールド配線11k,11lは、回路領域15の四方を囲む必要はなく、少なくとも電磁ノイズ結合を防ぎたい電気配線との間にシールド配線を配置すれば良い。
【0019】
具体的には、電気配線11aまたは11bと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば,電気配線11aまたは11bから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。電気配線11cまたは11eと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば、電気配線11cまたは11eから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。電気配線11dまたは11fと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば、電気配線11dまたは11fから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。電気配線11iまたは11jと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば,電気配線11iまたは11jから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。駆動IC14aまたは14bと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば,駆動IC14aまたは14bから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。光半導体素子13aまたは13bと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば,光半導体素子13aまたは13bから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。
【0020】
ただし、一般に電磁ノイズ結合には様々な経路が同時に存在するため、一部の経路の電磁ノイズ結合を抑制するだけでは電磁ノイズ結合を抑制する効果が小さい。そのため、回路領域15の少なくとも三辺(図1(a)において回路領域15の上辺、下辺、および、フレキシブル光電配線板10の配線長方向に沿って中央部側の辺)を囲むようにシールド配線を形成することが望ましい。
【0021】
なお、回路領域15が、フレキシブル光電配線板10の上端または下端(図1(a)において上側の辺または下側の辺)に隣接して配置され、回路領域15の上辺側または下辺側にその他の電気配線11gまたは11hが無い場合、シールド配線は、回路領域15の少なくとも二辺(フレキシブル光電配線板10の配線長方向に沿って中央部側の辺と、上辺または下辺のうちその他の電気配線11gまたは11hが配置される側の辺)に配置されれば良い。例えば、図1(c)に示すように、回路領域15bが、フレキシブル光電配線板10の下端に隣接して配置され、回路領域15bの下辺側に図1(a)の電気配線11hが無い場合、シールド配線11lは、回路領域15の二辺(フレキシブル光電配線板10の配線長方向に沿って中央部側の辺と、電気配線11gが配置される側の辺)に配置されれば良いため、シールド配線11lの平面形状は、例えばL字型になる。
【0022】
シールド配線11k,11lは、連続的に形成されることに限定されず、部分的に分断されていても良い。ただし、その他の電気配線11g,11hへの電磁ノイズ結合を十分に抑制するためには、シールド配線11k,11lは、少なくとも光半導体素子13と駆動IC14を囲むように連続的に形成することが望ましい。
【0023】
図1(a)では、1つの回路領域15a,15bを1つのシールド配線11k,11lでそれぞれ囲むが、複数のシールド配線で囲んでも良い。また、シールド配線11k,11lは、対称的な同じ形状、本数等であることに限定されず、異なる形状、本数等でも良い。
【0024】
シールド配線11k,11lは、後述する電気配線11の形成プロセスを用いて電気配線11a〜11jと同時に形成した電気配線を用いても良いし、電気配線11a〜11jとは異なる配線層、膜厚、材料で形成した電気配線を用いても良い。
【0025】
[1−3]フレキシブル光電配線板
図1(b)に示すように、フレキシブル光電配線板10は、ベースフィルム20(例えばポリイミド、厚さ25μm)、電気配線11(シールド配線11k,11lを含む)(例えば圧延Cu、厚さ12μm)、光配線路(光導波路コア)12(例えば厚さ30μm)、光導波路クラッド21(21a,21b)(例えば合計厚さ50μm)、カバーレイ22(例えばポリイミド、厚さ25μm)を積層して貼り合わせたラミネート構造を有する。また、フレキシブル光電配線板10は、可撓性を有し、例えば幅10mm、長さ150mmである。
【0026】
[1−4]電気配線
図1(b)に示すように、電気配線11(シールド配線11k,11lを含む)として用いるCu箔は、接着層を介してベースフィルム20と一体化したものや、Cu箔を表面粗化してベースフィルム20に直接熱圧着したものを用いれば良い。電気配線11は、ベースフィルム20上に積層したCu箔のパターニングで形成し、その一部に例えばNi/Au(例えば厚さ5μm/0.3μm)をメッキして電気接続端子として用いても良い。電気配線11の一部は、光半導体素子13や駆動IC14に接続し、電気入出力による光信号の伝送が可能である。なお、電気配線11のパターニング形状は、必要に応じて適宜変更可能である。また、電気配線11の表面は、電気接続端子や放熱用のランド等を除き、カバーレイやフォトレジストを積層して絶縁することが望ましい。
【0027】
[1−5]光配線
図1(b)に示すように、光導波路コア12及び光導波路クラッド21は、光伝送波長に対して透明な材料(例えばアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂)であり、これらが光配線層を構成する。この光配線層を形成するには、ベースフィルム20上に第1の光導波路クラッド21a(例えば厚さ10μm)、光導波路コア12を順に積層して貼り合わせ、上記した電気配線11のパターニング形状に合わせて光導波路コア12をパターニングする。続いて、第2の光導波路クラッド21b(例えば厚さ40μm)をパターニングされた光導波路コア12上に積層して貼り合わせる。光導波路コア12は、光導波路クラッド21よりも屈折率が高いため、光配線路である光導波路コア12に入射した光は、光導波路コア12に閉じ込められて伝播する。
【0028】
上述のように光配線層を形成することで、光導波路コア12と電気配線11の位置合わせを非常に高精度に行うことができる。これにより、フレキシブル光電配線板10では、例えば個別に形成した光のフレキシブル配線板と電気のフレキシブル配線板を位置合わせして貼り合わせた複合型のフレキシブル光電配線板に比し、光半導体素子13と光導波路コア12との位置合わせ精度を高くすることができる。さらに、温度変化による光半導体素子13と光導波路コア12との相対位置変動を小さくすることができ、生産性や信頼性の高いフレキシブル光電配線モジュールが実現できる。
【0029】
なお、上記した光導波路コア12は、感光して屈折率が変化する樹脂を光導波路フィルムとして用い、この光導波路フィルムへのパターン露光によって形成することも可能である。また、上記した光配線層の形成方法では、まず電気配線11を形成し、電気配線11のパターニング形状に位置合わせして光導波路コア12をパターニング形成する例を示したが、逆に、まず光配線層を形成し、光導波路コア12のパターニング形状に位置合わせして電気配線11をパターニング形成することもできる。なお、光導波路コア12の本数及びパターニング形状は、必要に応じて適宜変更可能である。
【0030】
光導波路コア12の両端には、45度ミラーを設けている。これにより、光導波路コア12を伝播する光をフレキシブル光電配線板10の表面に対してほぼ垂直方向に取り出すこと、及びフレキシブル光電配線板10の表面に対してほぼ垂直方向から入射した光を光導波路コア12に結合することができる。45度ミラーは、例えばレーザアブレーション、ダイシング、プレス加工等で形成可能であり、反射率向上のためミラー面に金属(例えばAu等)を蒸着しても良い。なお、45度ミラーの角度(光の進行方向に対する角度)は、正確に45度でなくとも良いが、実効的には30度から60度の範囲に収めることが望ましい。
【0031】
[1−6]光半導体素子
光半導体素子13は、例えばGaAs基板に作製した発光素子13a又は受光素子13bを用い、発光又は受光波長を例えば850nmとする。発光素子13aとして、例えば面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting LASER:VCSEL)を用いることができる。受光素子13bとして、例えばPINフォトダイオード(Photo Diode:PD)を用いることができる。
【0032】
光半導体素子13は、その発光部又は受光部が光導波路コア12に形成した45度ミラーと対向するように位置合わせして、例えば超音波フリップチップ実装法を用いて搭載する。これにより、光導波路コア12の一端側に搭載された発光素子13aと他端側に搭載された受光素子13bは、光導波路コア12を通して光結合しており、フレキシブル光電配線モジュールの一端側と他端側の間で光信号伝送を行うことができる。また、光半導体素子13は、光半導体素子13に形成されたAuバンプ17を介して電気配線11(11i,11j)に電気的に接続しており、これにより電気入出力で光信号の伝送が可能である。電気接続方法として、例えば、半田バンプによるバンプ接続や、ワイヤボンディング接続を用いても良い。
【0033】
なお、光半導体素子13は、化合物半導体(例えば、GaAlAs/GaAs,InGaAs/InP,SiGe等)やSi、Ge等の基板に形成しても良いし、発光又は受光波長は、必要に応じて適宜変更可能である。また、光半導体素子13として、1つのチップ内に複数の光素子が形成されたアレイチップを用いても良いし、1つのチップ内に発光素子と受光素子の両方が形成された光半導体素子を用いても良い。さらに、光半導体素子13として、1つの素子で発光と受光の両方が可能な光半導体素子を用いても良い。
【0034】
また、図1(a)では、フレキシブル光電配線板10の一端側に発光素子13aを1つ、他端側に受光素子13bを1つ搭載しているが、更に別の光半導体素子を搭載しても良い。図1(a)では、光信号の伝送方向をフレキシブル光電配線板10の一端側から他端側への単方向としているが、一端側に受光素子、他端側に発光素子を搭載して、図1(a)とは逆方向の光信号伝送を行っても良いし、一端側に発光素子と受光素子、他端側に受光素子と発光素子を搭載して双方向の光信号伝送を行っても良い。
【0035】
また、光半導体素子13である発光素子13aは、発光ダイオードや半導体レーザ等、種々の発光素子が使用可能である。光半導体素子13である受光素子13bは、PINフォトダイオード、MSMフォトダイオード、アバランシェ・フォトダイオード、フォトコンダクター等、種々の受光素子が使用可能である。
【0036】
[1−7]駆動IC
駆動IC14は、例えば超音波フリップチップ実装法を用いてフレキシブル光電配線板10に搭載し、駆動IC14に形成されたAuバンプ17を介して電気配線11(11a,11b)に電気的に接続している。駆動IC14aは、電気配線11aから入力される電気信号に応じて発光素子13aにバイアス電流及びドライブ電流を供給する。駆動IC14bは、受光素子13bに逆バイアス電圧を印加すると共に、受光素子13bが生成する受光電流を増幅し、電気配線11bに電気信号を出力する。なお、駆動IC14は、駆動IC14a,14bの両方の機能を有する駆動IC(トランシーバ)であっても良い。さらに、例えばパラレル電気信号をシリアル電気信号に変換するシリアライズ機能、シリアル電気信号をパラレル電気信号に変換するデシリアライズ機能等の別の回路機能を有しても良い。上述の発光素子13a用の駆動IC14aにシリアライズ機能を搭載し、上述の受光素子13b用の駆動IC14bにデシリアライズ機能を搭載すれば、複数の電気入力信号を、少数の光信号に変換して伝送することができる。
【0037】
[1−8]その他
光半導体素子13及び駆動IC14の底面及び側面には、アンダーフィル樹脂18が塗布されている。アンダーフィル樹脂18は、例えばエポキシ系樹脂であって、例えば加熱又は紫外線照射等によって固化してある。アンダーフィル樹脂18により、電気配線11と光半導体素子13及び駆動IC14との電気接続を高信頼で保持できる。また、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできる空隙を埋めて光結合効率を向上するとともに、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできる空隙での光の反射を抑制することが可能であり、高効率且つ高信頼の光結合が可能となる。
【0038】
なお、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできた空隙の充填に用いるアンダーフィル樹脂と、電気配線11と光半導体素子13及び駆動IC14との電気接続の保持に用いるアンダーフィル樹脂は異なる樹脂を用いても良い。何れの場合にも、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできた空隙の充填に用いるアンダーフィル樹脂は、光伝送波長に対して透明であることが望ましい。
【0039】
第2の光導波路クラッド21b上には、例えばエポキシ系樹脂からなる接着層を介してカバーレイ22を積層してある。これにより光配線層の保護が可能である。
【0040】
回路領域15を含むフレキシブル光電配線モジュールの両端部の裏面に、例えば厚さ100μmのポリイミドからなる補強板をさらに積層しても良い。これにより、チップ搭載部の可撓性を低減し、光半導体素子13、駆動IC14の実装を容易にすることや、フレキシブル光電配線板の屈曲により光半導体素子13、駆動IC14にダメージが入ることを防ぐことができる。
【0041】
[1−9]効果
以上のように、第1の実施形態によれば、光配線路12と電気配線11を有するフレキシブル光電配線板10に、光半導体素子13a,13b、この光半導体素子13a,13bを駆動する駆動IC14a,14bを搭載し、光半導体素子13a,13b及び駆動IC14a,14bが搭載された回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線11k,11lが設けられている。このシールド配線11k,11lは、電磁ノイズを遮蔽するガード配線として機能する。このため、光半導体素子13a,13b、駆動IC14a,14b、信号入出力配線11a,11b、電源配線11c,11d、グランド配線11e,11fから放射された電磁ノイズが、フレキシブル光電配線モジュールの一端と他端を接続するその他の電気配線11g,11hに結合することを抑制できる。これにより、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0042】
[2]第2の実施形態
第2の実施形態は、シールド配線11k,11l上にメタルシールド16a,16bをさらに搭載し、第1の実施形態に比し、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能な例である。
【0043】
以下に、図2A及び図2Bを用いて、第2の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図2A(a)及び図2B(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図2A(b)は、図2A(a)のIIAB−IIAB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図2B(b)は、図2B(a)のIIBB−IIBB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)である。なお、図2A及び図2Bでは、図1と同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0044】
[2−1]メタルシールド
図2A及び図2Bに示すように、第2の実施形態では、シールド配線11k,11lの上にメタルシールド16(16a,16b)が搭載され、このメタルシールド16a,16bはシールド配線11k,11lに例えば半田実装によりそれぞれ電気的に接続されている。ここで、シールド配線11k,11lは、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことが望ましい。なお、メタルシールド16a,16bに直接、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことも可能である。
【0045】
図2Aに示す例では、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bが搭載された回路領域15a,15bを完全に覆うように設けられている。フレキシブル光電配線板10の端部側のメタルシールド16a,16bの端部は、フレキシブル光電配線板10の端部まで延在されている。
【0046】
図2Bに示す例では、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bが搭載された回路領域15a,15bの一部を覆うように設けられている。つまり、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bの一部を覆い、フレキシブル光電配線板10の端部側のメタルシールド16a,16bの端部は、駆動IC14a,14bの上方に位置している。
【0047】
メタルシールド16は、例えばAl、Cu、ステンレス等、種々の金属材料をプレス成形したものを用いることができる。また、メタルシールド16は、Auメッキ等の表面処理が行われていても良い。さらに、メタルシールド16の表面に電波吸収材料を塗布するか、電磁遮蔽シートを貼り付けても良い。
【0048】
メタルシールド16は、部分的に穴やスリット等があっても良い。また、図2Aの構造において、フレキシブル光電配線板10の端部側のメタルシールド16の端部に下方に突出する突出部を設け、シールド効果を高めても良い。
【0049】
メタルシールド16は、図2Bに示したように、回路領域15a,15bの一部を覆うように設けても良いが、その他の電気配線11g,11hへの電磁ノイズ結合を十分に抑制するためには、少なくとも回路領域15(光半導体素子13と駆動IC14)を覆うように設けることが望ましい。
【0050】
[2−2]効果
以上のように、第2の実施形態では、上述した第1の実施形態と同様、回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線11k,11lを設けることで、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0051】
さらに、第2の実施形態では、回路領域15a,15bを覆うようにメタルシールド16a,16bも搭載する。このメタルシールド16a,16bは、シールド配線11k,11lと同様に電磁シールドとして機能する。このため、光半導体素子13a,13b、駆動IC14a,14b、信号入出力配線11a,11b、電源配線11c,11d、グランド配線11e,11fから放射された電磁ノイズが、空間を回り込んで、フレキシブル光電配線モジュールの一端と他端を接続するその他の電気配線11g,11hに結合することも抑制できる。これにより、第1の実施形態に比し、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能になる。
【0052】
また、第2の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、シールド配線11k,11l上にメタルシールド16a,16bを搭載する。このため、例えばフレキシブル光電配線モジュールを搭載する実装基板等にメタルシールドを搭載する場合に比し、メタルシールド16a,16bのサイズを最小限に抑え、コストの低減が可能である。
【0053】
[3]第3の実施形態
第3の実施形態は、フレキシブル電気配線板を用い、第1の実施形態に比し、フレキシブル光電配線モジュールのコストを低減した例である。
【0054】
以下に、図3A乃至図3Cを用いて、第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図3A(a)、図3B(a)及び図3C(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図3A(b)は、図3A(a)のIIIAB−IIIAB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図3B(b)は、図3B(a)のIIIBB−IIIBB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図3C(b)は、図3C(a)のIIICB−IIICB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)である。なお、図3A乃至図3Cでは、図1と同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0055】
[3−1]フレキシブル光電配線モジュール
図3A乃至図3Cに示すように、第3の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10(例えば幅1mm、長さ10mm)が接着シート40を介してフレキシブル電気配線板30(例えば幅10mm、長さ150mm)に搭載されている。そして、フレキシブル光電配線板10の信号入力配線11a、信号出力配線11b、電源配線11c,11d、グランド配線11e,11fは、フレキシブル電気配線板30の信号入力配線31a、信号出力配線31b、電源配線31c,31d、グランド配線31e,31fとワイヤボンディング41でそれぞれ電気的に接続されている。
【0056】
本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、高速信号伝送をフレキシブル光電配線板10の光配線で行い、電力供給や低速信号伝送をフレキシブル電気配線板30の電気配線31で行うことで、フレキシブル光電配線板10の面積を必要最小限に抑えている。これにより、フレキシブル光電配線板10のみで全ての電気配線及び光信号伝送を行う場合に比べてコストの低減が可能である。
【0057】
なお、フレキシブル電気配線板30は、2層板としても良い。この場合、ベースフィルム表面(フレキシブル光電配線板10が搭載される面)にシールド配線11k,11lを形成し、ベースフィルム裏面にシールド配線11k,11lで囲まれた領域を含む島状の配線(ベタ配線)を形成し、これら電気配線を貫通ビアで接続することにより、フレキシブル光電配線モジュールの裏面からの電磁ノイズ放射を抑制し、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射をさらに抑制することが可能である。
【0058】
また、本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10の裏面をフレキシブル電気配線板30の表面に搭載したが、フレキシブル光電配線板10の表面をフレキシブル電気配線板30の表面に搭載するか、フレキシブル光電配線板10の表面をフレキシブル電気配線板30の裏面に搭載するか、フレキシブル光電配線板10の裏面をフレキシブル電気配線板30の裏面に搭載しても良い。
【0059】
また、本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10の電気配線11とフレキシブル電気配線板30の電気配線31の電気的な接続にワイヤボンディング41を用いたが、インクジェット配線、スタッドバンプ、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film:ACF)、異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste:ACP)を用いて電気配線11と電気配線31を接続しても良い。
【0060】
[3−2]シールド配線
第3の実施形態では、第1及び第2の実施形態と同様、シールド配線11m,11n,31k,31l,31m,31n,31o,31pを用いて回路領域15a,15bが囲まれている。
【0061】
図3Aに示す例では、シールド配線31k,31lは、フレキシブル電気配線板30上に形成され、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見た場合に、回路領域15a,15bを囲むように配置されている。
【0062】
図3Bに示す例では、フレキシブル電気配線板30上に、電気配線31a,31c,31eと電気配線31gの間にシールド配線31mが、電気配線31b,31d,31fと電気配線31gの間にシールド配線31nが、電気配線31a,31c,31eと電気配線31hの間にシールド配線31oが、電気配線31b,31d,31fと電気配線31hの間にシールド配線31pが配置されている。さらに、フレキシブル光電配線板10上に、光半導体素子13よりもフレキシブル光電配線板10の中央部側に、シールド配線11m,11nが配置されている。シールド配線31mと11m、シールド配線11mと31o、シールド配線31nと11n、シールド配線11nと31pは、それぞれ例えばワイヤボンディングで電気接続されている。これにより、シールド配線31m,11m,31oは、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見て回路領域15aを囲むように配置され、シールド配線31n,11n,31pは、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見て回路領域15bを囲むように配置されている。なお、シールド配線31mと31o,31nと31pは、図3Aのシールド配線31k,31lのように、ひとつづきの配線であっても良い。
【0063】
図3Cに示す例では、フレキシブル光電配線板10上に、回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線11m,11nが配置され、それぞれの両端が、フレキシブル電気配線板30上のシールド配線31m,31n,31o,31pに電気的に接続されている。これにより、シールド配線31m,11m,31oは、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見て回路領域15aを囲むように配置され、シールド配線31n,11n,31pは、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見て回路領域15bを囲むように配置されている。
【0064】
なお、図3Aの例ではシールド配線31k,31lに、図3Bの例ではシールド配線31m,31n,31o,31pに、図3Cの例ではシールド配線31m,31n,31o,31pに、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことが望ましい。なお、シールド配線31kの両端の少なくとも一方、シールド配線31lの両端の少なくとも一方、シールド配線31mと31oのいずれか一方、シールド配線31nと31pのいずれか一方に、例えばグランド電位を与えれば良い。
【0065】
図3Aのシールド配線31k,31lの両端の少なくとも一方、及び、図3B及び図3Cのシールド配線31m,31n,31o,31pの一端は、フレキシブル電気配線板30の端部にそれぞれ位置することに限定されず、例えば、駆動IC14の近隣に位置しても良い。
【0066】
図3Aのシールド配線31kとシールド配線31l、図3B及び図3Cのシールド配線31m,11m,31oとシールド配線31n,11n,31pの平面形状は、例えばU字型であるが、種々の形状に変更可能である。例えば、シールド配線31kと31lは、電気配線31a〜31fと重ならない領域において、フレキシブル光電配線板10の回路領域15a,15bの下部を含む島状の配線(ベタ配線)としても良い。この島状の配線は、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の投影で回路領域15a,15bと重なるように配置され、シールド配線に電気的に接続される。これにより、フレキシブル光電配線モジュールの裏面からの電磁ノイズ放射を抑制し、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射をさらに抑制することが可能である。
【0067】
図3Aのシールド配線31kとシールド配線31l、図3B及び図3Cのシールド配線31m,11m,31oとシールド配線31n,11n,31pは、連続的に形成されることに限定されず、部分的に分断されていても良い。ただし、その他の電気配線31g,31hへの電磁ノイズ結合を十分に抑制するためには、図3Aのシールド配線31kとシールド配線31l、図3B及び図3Cのシールド配線31m,11m,31oとシールド配線31n,11n,31pは、少なくとも光半導体素子13と駆動IC14を囲むように連続して形成することが望ましい。
【0068】
図3Aのシールド配線31kとシールド配線31l、図3B及び図3Cのシールド配線31m,11m,31oとシールド配線31n,11n,31pは、1つの回路領域15a,15bに対してフレキシブル光電配線板10及び/又はフレキシブル電気配線板30上に複数形成しても良い。また、図3Aのシールド配線31kとシールド配線31l、図3B及び図3Cのシールド配線31m,11m,31oとシールド配線31n,11n,31pは、対称的な同じ形状、本数等であることに限定されず、異なる形状、本数等でも良い。
【0069】
なお、本実施形態では、フレキシブル光電配線板10のシールド配線11m,11nと、フレキシブル電気配線板30のシールド配線31m,31n,31o,31pを、ワイヤボンディングを用いて電気接続した例を示したが、第2の実施形態で述べたメタルシールドをシールド配線上に搭載する場合、メタルシールドを介してシールド配線どうしが自ずと電気的に接続されるため、この段階でフレキシブル光電配線板10のシールド配線11m,11nと、フレキシブル電気配線板30のシールド配線31m,31n,31o,31pを電気接続しなくても良い。
【0070】
[3−3]フレキシブル電気配線板
図3A(b)、図3B(b)及び図3C(b)に示すように、フレキシブル電気配線板30は、可撓性を有するものであり、電気配線31(例えば圧延Cu箔、厚さ12μm)、ベースフィルム32(例えばポリイミド、厚さ25μm)、補強板33(例えばポリイミド、厚さ100μm)等から構成される。フレキシブル電気配線板30は、電気配線31、ベースフィルム32及び補強板33を積層して貼り合わせたラミネート構造を有し、例えば幅10mm、長さ150mmである。
【0071】
電気配線31として用いるCu箔は、接着層を介してベースフィルム32と一体化したものや、Cu箔を表面粗化してベースフィルム32に直接熱圧着したものを用いれば良い。電気配線31は、ベースフィルム32上に積層したCu箔のパターニングで形成し、その一部に例えばNi/Au(例えば厚さ5μm/0.3μm)をメッキして電気接続端子として用いても良い。なお、電気配線31のパターニング形状は、必要に応じて適宜変更可能である。また、電気配線31の表面は、電気接続端子や放熱用のランド等を除き、カバーレイやフォトレジストを積層して絶縁することが望ましい。
【0072】
接着シート40は、フレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30を接着固定する。接着シート40としては、例えばエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる粘着剤をシート状に成形したものや、ポリイミド等の樹脂フィルム又はAlやCu等の金属箔からなる基材の両面に上記の粘着剤からなる粘着層を形成したもの等を用いることができる。接着シート40の厚みは、例えば50μmとする。なお、図3A(b)、図3B(b)及び図3C(b)では、接着シート40は、フレキシブル光電配線板10の両端に位置する光半導体素子13や駆動IC14の搭載部分近傍に設けているが、フレキシブル光電配線板の一端から他端まで至る1枚の接着シートを設けても良い。また、接着シート40を用いる代わりに、例えばモールド樹脂でフレキシブル光電配線板10をフレキシブル電気配線板30に固定しても良い。
【0073】
[3−4]効果
以上のように、第3の実施形態では、上述した第1の実施形態と同様、回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線11m,11n,31k,31l,31m,31n,31o,31pを設けることで、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0074】
さらに、第3の実施形態では、フレキシブル光電配線板10の光配線で高速信号伝送を行い、フレキシブル電気配線板30の電気配線31で電力供給や低速信号伝送を行う構成にしている。これにより、フレキシブル光電配線板10の面積を必要最小限に抑えることができるため、フレキシブル光電配線板10のみで全ての電気配線及び光信号伝送を行う場合に比べてコストの低減が可能である。
【0075】
[4]第4の実施形態
第4の実施形態は、シールド配線31k,31l上にメタルシールド16a,16bをさらに搭載し、第3の実施形態に比し、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能な例である。
【0076】
以下に、図4A及び図4Bを用いて、第4の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図4A(a)及び図4B(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図4A(b)は、図4A(a)のIVAB−IVAB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図4B(b)は、図4B(a)のIVBB−IVBB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)である。なお、図4A及び図4Bでは、図1乃至図3Cと同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0077】
[4−1]メタルシールド
図4A及び図4Bに示すように、第4の実施形態では、回路領域15a,15bを覆うようにメタルシールド16(16a,16b)が搭載されている。このメタルシールド16a,16bは、シールド配線31k,31lに例えば半田実装によりそれぞれ電気的に接続されている。ここで、シールド配線31k,31lは、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことが望ましい。なお、メタルシールド16a,16bに直接、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことも可能である。
【0078】
図4Aに示す例では、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bが搭載された回路領域15a,15bを完全に覆うように設けられている。フレキシブル電気配線板30の端部側のメタルシールド16a,16bの端部は、フレキシブル電気配線板30の端部まで延在されている。
【0079】
図4Bに示す例では、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bが搭載された回路領域15a,15bの一部を覆うように設けられている。つまり、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bの一部を覆い、フレキシブル電気配線板30の端部側のメタルシールド16a,16bの端部は、駆動IC14a,14bの上方に位置している。
【0080】
なお、本実施形態では、フレキシブル光電配線板10によってフレキシブル光電配線モジュールの表面に段差が生じる。この段差によって、メタルシールド16がフレキシブル光電配線モジュールの表面から浮かないように、メタルシールド16のフレキシブル光電配線板10が当たる箇所にザグリ加工を施すことが望ましい。
【0081】
メタルシールド16は、図4Bに示したように、回路領域15a,15bの一部を覆うように設けても良いが、その他の電気配線11g,11hへの電磁ノイズ結合を十分に抑制するためには、少なくとも回路領域15(光半導体素子13と駆動IC14)を覆うように設けることが望ましい。
【0082】
[4−2]効果
以上のように、第4の実施形態では、上述した第1の実施形態と同様、回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線31k,31lを設けることで、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0083】
さらに、第4の実施形態では、上述した第2の実施形態と同様、回路領域15a,15bを覆うように、電磁シールドとして機能するメタルシールド16も搭載する。このため、空間を回り込んで電磁ノイズが結合することを抑制できる。これにより、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能になる。
【0084】
また、第4の実施形態では、上述した第3の実施形態と同様、フレキシブル光電配線板10の光配線で高速信号伝送を行い、フレキシブル電気配線板30の電気配線31で電力供給や低速信号伝送を行う構成にしている。これにより、フレキシブル光電配線板10の面積を必要最小限に抑えることができるため、フレキシブル光電配線板10のみで全ての電気配線及び光信号伝送を行う場合に比べてコストの低減が可能である。
【0085】
[5]第5の実施形態
第5の実施形態は、フレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30の搭載方法が第3及び第4の実施形態と異なる。すなわち、第3及び第4の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10の裏面をフレキシブル電気配線板30の表面に搭載したが、本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10の表面をフレキシブル電気配線板30の裏面に搭載している。
【0086】
以下に、図5A及び図5Bを用いて、第5の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図5A(a)及び図5B(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図5A(b)は、図5A(a)のVAB−VAB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図5B(b)は、図5B(a)のVBB−VBB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)である。なお、図5A及び図5Bでは、図1乃至図4Bと同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0087】
[5−1]フレキシブル光電配線モジュール
図5A及び図5Bに示すように、第5の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10(例えば幅1mm、長さ10mm)が、接着シート40を介してフレキシブル電気配線板30(例えば幅10mm、長さ150mm)に搭載され、フレキシブル光電配線板10の回路領域15a,15bが、フレキシブル電気配線板30に設けられた貫通穴50a,50bから露出されている。そして、フレキシブル光電配線板10の信号入力配線11a、信号出力配線11b、電源配線11c,11d、グランド配線11e,11fは、フレキシブル電気配線板30の信号入力配線31a、信号出力配線31b、電源配線31c,31d、グランド配線31e,31fとワイヤボンディング41でそれぞれ電気的に接続されている。
【0088】
なお、図5Aの例では、第3の実施形態と同様、回路領域15a,15bを囲むシールド配線31k,31lをフレキシブル電気配線板30に設けている。図5Bの例は、第4の実施形態と同様、回路領域15a,15bをメタルシールド16a,16bで覆っている。
【0089】
[5−2]効果
以上のように、第5の実施形態では、上述した第3の実施形態と同様、回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線31k,31lを設けることで、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0090】
また、第5の実施形態では、上述した第4の実施形態と同様、回路領域15a,15bを覆うように、電磁シールドとして機能するメタルシールド16も搭載する。このため、空間を回り込んで電磁ノイズが結合することを抑制できる。これにより、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能になる。
【0091】
また、第5の実施形態では、上述した第3及び第4の実施形態と同様、フレキシブル光電配線板10の光配線で高速信号伝送を行い、フレキシブル電気配線板30の電気配線31で電力供給や低速信号伝送を行う構成にしている。これにより、フレキシブル光電配線板10の面積を必要最小限に抑えることができるため、フレキシブル光電配線板10のみで全ての電気配線及び光信号伝送を行う場合に比べてコストの低減が可能である。
【0092】
さらに、第5の実施形態では、フレキシブル光電配線板10の回路領域15a,15bを、フレキシブル電気配線板30の貫通穴50a,50bから露出するように搭載されている。このため、第3の実施形態と比し、フレキシブル光電配線モジュールの厚みを低減可能という利点がある。
【0093】
[6]第6の実施形態
第6の実施形態は、第2の実施形態に比し、実装基板への固定を容易にすることが可能である。
【0094】
以下に、図6を用いて、第6の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。なお、図6では、図1及び図2と同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0095】
[6−1]フレキシブル光電配線モジュール
図6に示すように、第6の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールは、メタルシールド16(16a,16b)の周囲(シールド配線11k,11lに接する部分)に端子62を形成し、この端子62を実装基板60に形成した貫通ビア63に通して例えば半田接続する。これにより、メタルシールド16でフレキシブル光電配線モジュールを実装基板60(60a,60b)に固定している。
【0096】
メタルシールド16の端子62は、実装基板60のグランドに接続する。これにより、シールド配線11k,11lもグランドに接続される。このため、シールド配線11k,11lにグランド電位を与えるための専用の電気接続端子を設けなくても良い。
【0097】
フレキシブル光電配線モジュールが搭載される実装基板60は、例えばFR4をコア材に用いたプリント配線基板を用いることができる。電気配線61は、シールド配線11k,11lと同様にCuで形成することができ、表面を例えばNi/Auでめっき(例えば厚さ5μm/0.3μm)しても良い。電気配線61は、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見た場合に、シールド配線11k,11lで囲まれた領域を含む島状の配線(ベタ配線)とすることにより、フレキシブル光電配線モジュールの裏面からの電磁ノイズ放射を抑制し、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射をさらに抑制することが可能である。
【0098】
尚、第6の実施形態は、第3乃至第5の実施形態で説明した、フレキシブル電気配線板30を搭載したフレキシブル光電配線モジュールに適用することも可能である。
【0099】
[6−2]効果
以上のように、第6の実施形態では、上述した第1の実施形態と同様、回路領域15を囲むようにシールド配線11k,11lを設けることで、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0100】
また、第6の実施形態では、上述した第2の実施形態と同様、回路領域15を覆うように、電磁シールドとして機能するメタルシールド16も形成する。このため、空間を回り込んで電磁ノイズが結合することを抑制できる。これにより、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能になる。
【0101】
また、第6の実施形態では、メタルシールド16の端子62を実装基板60の貫通ビア63に通して半田接続する。これにより、メタルシールド16をフレキシブル光電配線板10に搭載する工程と、フレキシブル光電配線モジュールを実装基板60に搭載する工程を同時に行うことができ、工程数を削減することができる。これにより、プロセスコストの低減、部材コストの低減を図ることが可能である。
【0102】
また、第6の実施形態では、メタルシールド16の端子62を実装基板60のグランドに接続することで、シールド配線11k,11lにグランド電位を与えるための電気接続端子を省略できる。これにより、フレキシブル光電配線モジュールの面積を削減し、コストの低減が可能である。
【0103】
また、第6の実施形態では、実装基板60上にシールド機能を有する電気配線61を形成することで、フレキシブル光電配線モジュールの裏面からの電磁ノイズ放射を抑制することができる。これにより、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射をさらに低減することが可能となる。
【0104】
[7]第7の実施形態
第7の実施形態は、フレキシブル光電配線モジュールの配線領域の屈曲性又は捻回性を向上した例である。
【0105】
図7を用いて、第7の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。なお、図7では、フレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30の外形のみを示し、他の部分は省略しているが、具体的な構成は、上述した他の実施形態の構成を適用することが可能である。
【0106】
図7(a)に示すように、第7の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル電気配線板30の配線方向に平行する貫通スリット70(例えば幅0.1mm)を設け、フレキシブル電気配線板30の配線領域を複数の細線(例えば幅1mm)に分割し、分割された1つの細線上にフレキシブル光電配線板10を搭載している。
【0107】
図7(b)に示すように、図7(a)に示したフレキシブル光電配線モジュールは、フレキシブル光電配線モジュールの一方の端部領域、配線領域、他方の端部領域をクランク形になるように配置し、隣接する細線の表面と裏面とが対向するように複数の細線を重ね、束線帯71を用いて複数の細線を束ねる。これにより、配線領域が1束の細いフレキシブル配線板として扱うことができる。このため、屈曲動作に加えて回転動作や捻り動作等にも対応することが可能である。
【0108】
なお、全ての細線の幅、間隔は、ほぼ同等にすることが望ましい。これにより、フレキシブル光電配線モジュールを上述のように束線した際に、一部の細線に張力が集中することを抑制できる。また、複数の細線の全てが同等に引っ張られるため、複数の細線を束ねた領域において複数の細線の整列性が良く、一部の細線がばらけることもない。なお、フレキシブル光電配線モジュールの細線の重ね方は、他の方法(例えば、隣接する細線の表面と表面又は裏面と裏面が対向するように複数の細線を重ねる)を用いても良い。
【0109】
束線帯71は、例えば弗素樹脂系のシールテープを用いることができる。束線帯71には粘着剤のないテープを用い、束線帯71の内側で各細線が動けるようにしておくことが望ましい。これにより、細線のたるみや応力を取り除くことができる。なお、束線帯71の数は必要に応じて適宜変更可能であるし、個別の束線帯ではなく、例えば束ねた細線の一端から他端まで連続した束線帯を用いても良い。また、束ねた複数の細線がばらける恐れがない場合やばらけても構わない場合は、束線帯71を用いなくても良い。貫通スリット70を形成する部分には電気配線を設けないことが望ましい。
【0110】
フレキシブル光電配線板10は、その全面をフレキシブル電気配線板30に貼り付けても良いし、その端部近傍領域のみをフレキシブル電気配線板30に貼り付けても良い。また、フレキシブル光電配線板10を配置する箇所のフレキシブル電気配線板30の細線を除去してもよい。この場合、配線領域においてフレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30の重なりが無くなり、フレキシブル光電配線モジュールの配線領域を屈曲や摺動する際の最小曲げ半径を小さくすることができる。さらに、フレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30の擦れを無くして、繰り返し屈曲及び摺動に対する耐久性を向上させることができる。
【0111】
上述した各実施形態は、種々変更可能である。例えば、フレキシブル電気配線板30には、FPCやFFC等を適用することも可能である。フレキシブル電気配線板30及びフレキシブル光電配線板10のベースフィルムには、ポリイミドの他、液晶ポリマーや他の樹脂を用いることができる。フレキシブル電気配線板30の電気配線31は、単層でも多層でも構わない。フレキシブル光電配線板10の電気配線11及び光配線層は、単層でも多層でも構わない。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
10…フレキシブル光電配線板、11…電気配線、11k,11l…シールド配線、12…光配線路、13…光半導体素子、14…駆動IC、15…回路領域、16…メタルシールド、17…バンプ、18…アンダーフィル樹脂、20…ベースフィルム、21…クラッド、22…カバーフィルム、30…フレキシブル電気配線板、31…電気配線、31k,31l…シールド配線、32…ベースフィルム、33…補強板、40…接着シート、41…ボンディングワイヤ、50…貫通穴、60…実装基板、61…電気配線、62…端子、63…貫通ビア、70…貫通スリット、71…束線帯。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、シールド配線を有するフレキシブル光電配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の機械的可動部や曲面部に配設する配線として、可撓性を有するフレキシブル配線板が用いられている。また、バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタ等の電子デバイスの性能向上により、大規模集積回路(LSI)の飛躍的な動作速度の向上が図られ、それを接続する電気配線の速度制限や電磁ノイズ誤動作が問題となってきている。このような問題に対応するため、高速信号を光で配線するフレキシブル光電配線モジュールが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−80451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電磁ノイズ放射の抑制を可能としたフレキシブル光電配線モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によるフレキシブル光電配線モジュールは、光配線路と第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル光電配線板と、前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線に電気的に接続され、前記光配線路に光結合された光半導体素子と、前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線と前記第2の電気配線と前記第3の電気配線とに電気的に接続され、前記第1の電気配線を介して前記光半導体素子を駆動し、前記第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、前記第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位が供給される駆動ICと、フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端まで延在する第4の電気配線と、前記光半導体素子と前記駆動ICとが搭載された回路領域と前記第4の電気配線との間に配置されたシールド配線と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図2A】第2の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図2B】第2の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図3A】第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図3B】第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図3C】第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図4A】第4の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図4B】第4の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図5A】第5の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図5B】第5の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図6】第6の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図7】第7の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールは、例えば、携帯電話やノートPCといった電子機器において、情報処理プロセッサが出力する映像信号をディスプレイまで伝送するための配線モジュールとして用いることができる。
【0008】
実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールは、光配線路と電気配線を有するフレキシブル光電配線板に、光半導体素子と光半導体素子を駆動する駆動ICを搭載したものである。フレキシブル光電配線モジュールは、一端(例えばアプリケーションプロセッサ側)から入力された電気信号を光信号に変換して光伝送し、他端(例えばディスプレイ側)において光信号を電気信号に変換して出力する。光信号は、電磁ノイズを放射しない。このため、信号を光伝送するフレキシブル光電配線モジュールは、信号を電気伝送するフレキシブル配線モジュールに比べて、電磁ノイズ放射の低減が可能である。
【0009】
このように光信号伝送が可能な一方で、フレキシブル光電配線モジュールには、一端から他端に電力を供給するための電気配線(電源配線)が依然として必要である。そのため、光半導体素子、駆動IC、信号を入出力する電気配線、駆動ICに電力を供給する電気配線から電磁ノイズが放射されて上述の電源配線に結合すると、今度はこの電源配線がノイズ源となり、フレキシブル光電配線モジュール全体から電磁ノイズが放射されてしまう。
【0010】
そこで、実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールでは、電磁ノイズを遮蔽するガード配線を形成し、電磁ノイズを遮蔽するシールドを搭載することで、光半導体素子、駆動IC、信号を入出力する電気配線、駆動ICに電力を供給する電気配線から放射された電磁ノイズが、上述の電源配線に結合することの抑制を図っている。これにより、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制し、電磁ノイズを放射しないという光配線のメリットを最大限享受することが可能になる。
【0011】
以下、図面を参照しながら本実施形態について説明する。ここでは、幾つか具体的材料や構成を例に用いて説明するが、同様な機能を持つ材料や構成であれば、実施可能である。したがって、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
[1]第1の実施形態
図1を用いて、第1の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図1(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図1(b)は、図1(a)のIB−IB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図1(c)は、シールド配線の変形例を示す一部拡大図である。
【0013】
[1−1]フレキシブル光電配線モジュール
図1(a)に示すように、第1の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールは、電気配線11(11a〜11j)と光配線路(光導波路コア)12を有するフレキシブル光電配線板10に、光半導体素子13(発光素子13a、受光素子13b)、駆動IC14(14a,14b)を搭載する。電気配線11は、信号入力配線11a、信号出力配線11b、駆動IC14aの電源配線11cとグランド配線11e、駆動IC14bの電源配線11dとグランド配線11f、発光素子13aと駆動IC14aを接続する配線11i、受光素子13bと駆動IC14bを接続する配線11j、フレキシブル光電配線板10の一端から他端まで延在するその他の電気配線11g,11h、シールド配線11k,11lを有する。光半導体素子13と駆動IC14が搭載された回路領域15(15a,15b)は、フレキシブル光電配線板10の端部領域に位置する。
【0014】
本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、電気配線11aから入力される電気信号に応じて駆動IC14aが発光素子13aを駆動し、受光素子13bが生成する受光電流を駆動IC14bが増幅して電気配線11bに電気信号を出力することで、高速の信号伝送(例えば3Gbps)が可能である。また、その他の電気配線11g,11hを用いて、フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端への電力供給や、例えばI2C(Inter-Integrated Circuit)やSPI(Serial Peripheral Interface)といった低速の信号伝送(例えば10kbps)が可能である。
【0015】
[1−2]シールド配線
図1(a)に示すように、本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、光半導体素子13(13a,13b)と駆動IC14(14a,14b)が搭載された回路領域15(15a,15b)を囲むように、シールド配線11k,11lが形成される。このシールド配線11k,11lは電磁シールドとして機能し、光半導体素子13、駆動IC14、信号入力配線11a、信号出力配線11b、駆動IC14aの電源配線11cとグランド配線11e、駆動IC14bの電源配線11dとグランド配線11fから、フレキシブル光電配線モジュールの一端と他端を接続するその他の電気配線11g,11hへの電磁ノイズ結合を抑制し、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を大幅に抑制することが可能である。
【0016】
シールド配線11k,11lは、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことが望ましい。このとき、シールド配線11kの両端の少なくとも一方及びシールド配線11lの両端の少なくとも一方に例えばグランド電位を与えれば良い。
【0017】
シールド配線11kの両端の少なくとも一方及びシールド配線11lの両端の少なくとも一方は、フレキシブル光電配線板10の端部にそれぞれ位置することに限定されず、例えば、駆動IC14の近隣に位置しても良い。
【0018】
シールド配線11k,11lの平面形状は、例えばU字型であるが、種々の形状に変更可能である。また、シールド配線11k,11lは、回路領域15の四方を囲む必要はなく、少なくとも電磁ノイズ結合を防ぎたい電気配線との間にシールド配線を配置すれば良い。
【0019】
具体的には、電気配線11aまたは11bと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば,電気配線11aまたは11bから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。電気配線11cまたは11eと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば、電気配線11cまたは11eから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。電気配線11dまたは11fと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば、電気配線11dまたは11fから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。電気配線11iまたは11jと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば,電気配線11iまたは11jから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。駆動IC14aまたは14bと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば,駆動IC14aまたは14bから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。光半導体素子13aまたは13bと電気配線11hまたは11gとの間にシールド配線を配置すれば,光半導体素子13aまたは13bから電気配線11hまたは11gへの電磁ノイズ結合を抑制できる。
【0020】
ただし、一般に電磁ノイズ結合には様々な経路が同時に存在するため、一部の経路の電磁ノイズ結合を抑制するだけでは電磁ノイズ結合を抑制する効果が小さい。そのため、回路領域15の少なくとも三辺(図1(a)において回路領域15の上辺、下辺、および、フレキシブル光電配線板10の配線長方向に沿って中央部側の辺)を囲むようにシールド配線を形成することが望ましい。
【0021】
なお、回路領域15が、フレキシブル光電配線板10の上端または下端(図1(a)において上側の辺または下側の辺)に隣接して配置され、回路領域15の上辺側または下辺側にその他の電気配線11gまたは11hが無い場合、シールド配線は、回路領域15の少なくとも二辺(フレキシブル光電配線板10の配線長方向に沿って中央部側の辺と、上辺または下辺のうちその他の電気配線11gまたは11hが配置される側の辺)に配置されれば良い。例えば、図1(c)に示すように、回路領域15bが、フレキシブル光電配線板10の下端に隣接して配置され、回路領域15bの下辺側に図1(a)の電気配線11hが無い場合、シールド配線11lは、回路領域15の二辺(フレキシブル光電配線板10の配線長方向に沿って中央部側の辺と、電気配線11gが配置される側の辺)に配置されれば良いため、シールド配線11lの平面形状は、例えばL字型になる。
【0022】
シールド配線11k,11lは、連続的に形成されることに限定されず、部分的に分断されていても良い。ただし、その他の電気配線11g,11hへの電磁ノイズ結合を十分に抑制するためには、シールド配線11k,11lは、少なくとも光半導体素子13と駆動IC14を囲むように連続的に形成することが望ましい。
【0023】
図1(a)では、1つの回路領域15a,15bを1つのシールド配線11k,11lでそれぞれ囲むが、複数のシールド配線で囲んでも良い。また、シールド配線11k,11lは、対称的な同じ形状、本数等であることに限定されず、異なる形状、本数等でも良い。
【0024】
シールド配線11k,11lは、後述する電気配線11の形成プロセスを用いて電気配線11a〜11jと同時に形成した電気配線を用いても良いし、電気配線11a〜11jとは異なる配線層、膜厚、材料で形成した電気配線を用いても良い。
【0025】
[1−3]フレキシブル光電配線板
図1(b)に示すように、フレキシブル光電配線板10は、ベースフィルム20(例えばポリイミド、厚さ25μm)、電気配線11(シールド配線11k,11lを含む)(例えば圧延Cu、厚さ12μm)、光配線路(光導波路コア)12(例えば厚さ30μm)、光導波路クラッド21(21a,21b)(例えば合計厚さ50μm)、カバーレイ22(例えばポリイミド、厚さ25μm)を積層して貼り合わせたラミネート構造を有する。また、フレキシブル光電配線板10は、可撓性を有し、例えば幅10mm、長さ150mmである。
【0026】
[1−4]電気配線
図1(b)に示すように、電気配線11(シールド配線11k,11lを含む)として用いるCu箔は、接着層を介してベースフィルム20と一体化したものや、Cu箔を表面粗化してベースフィルム20に直接熱圧着したものを用いれば良い。電気配線11は、ベースフィルム20上に積層したCu箔のパターニングで形成し、その一部に例えばNi/Au(例えば厚さ5μm/0.3μm)をメッキして電気接続端子として用いても良い。電気配線11の一部は、光半導体素子13や駆動IC14に接続し、電気入出力による光信号の伝送が可能である。なお、電気配線11のパターニング形状は、必要に応じて適宜変更可能である。また、電気配線11の表面は、電気接続端子や放熱用のランド等を除き、カバーレイやフォトレジストを積層して絶縁することが望ましい。
【0027】
[1−5]光配線
図1(b)に示すように、光導波路コア12及び光導波路クラッド21は、光伝送波長に対して透明な材料(例えばアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂)であり、これらが光配線層を構成する。この光配線層を形成するには、ベースフィルム20上に第1の光導波路クラッド21a(例えば厚さ10μm)、光導波路コア12を順に積層して貼り合わせ、上記した電気配線11のパターニング形状に合わせて光導波路コア12をパターニングする。続いて、第2の光導波路クラッド21b(例えば厚さ40μm)をパターニングされた光導波路コア12上に積層して貼り合わせる。光導波路コア12は、光導波路クラッド21よりも屈折率が高いため、光配線路である光導波路コア12に入射した光は、光導波路コア12に閉じ込められて伝播する。
【0028】
上述のように光配線層を形成することで、光導波路コア12と電気配線11の位置合わせを非常に高精度に行うことができる。これにより、フレキシブル光電配線板10では、例えば個別に形成した光のフレキシブル配線板と電気のフレキシブル配線板を位置合わせして貼り合わせた複合型のフレキシブル光電配線板に比し、光半導体素子13と光導波路コア12との位置合わせ精度を高くすることができる。さらに、温度変化による光半導体素子13と光導波路コア12との相対位置変動を小さくすることができ、生産性や信頼性の高いフレキシブル光電配線モジュールが実現できる。
【0029】
なお、上記した光導波路コア12は、感光して屈折率が変化する樹脂を光導波路フィルムとして用い、この光導波路フィルムへのパターン露光によって形成することも可能である。また、上記した光配線層の形成方法では、まず電気配線11を形成し、電気配線11のパターニング形状に位置合わせして光導波路コア12をパターニング形成する例を示したが、逆に、まず光配線層を形成し、光導波路コア12のパターニング形状に位置合わせして電気配線11をパターニング形成することもできる。なお、光導波路コア12の本数及びパターニング形状は、必要に応じて適宜変更可能である。
【0030】
光導波路コア12の両端には、45度ミラーを設けている。これにより、光導波路コア12を伝播する光をフレキシブル光電配線板10の表面に対してほぼ垂直方向に取り出すこと、及びフレキシブル光電配線板10の表面に対してほぼ垂直方向から入射した光を光導波路コア12に結合することができる。45度ミラーは、例えばレーザアブレーション、ダイシング、プレス加工等で形成可能であり、反射率向上のためミラー面に金属(例えばAu等)を蒸着しても良い。なお、45度ミラーの角度(光の進行方向に対する角度)は、正確に45度でなくとも良いが、実効的には30度から60度の範囲に収めることが望ましい。
【0031】
[1−6]光半導体素子
光半導体素子13は、例えばGaAs基板に作製した発光素子13a又は受光素子13bを用い、発光又は受光波長を例えば850nmとする。発光素子13aとして、例えば面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting LASER:VCSEL)を用いることができる。受光素子13bとして、例えばPINフォトダイオード(Photo Diode:PD)を用いることができる。
【0032】
光半導体素子13は、その発光部又は受光部が光導波路コア12に形成した45度ミラーと対向するように位置合わせして、例えば超音波フリップチップ実装法を用いて搭載する。これにより、光導波路コア12の一端側に搭載された発光素子13aと他端側に搭載された受光素子13bは、光導波路コア12を通して光結合しており、フレキシブル光電配線モジュールの一端側と他端側の間で光信号伝送を行うことができる。また、光半導体素子13は、光半導体素子13に形成されたAuバンプ17を介して電気配線11(11i,11j)に電気的に接続しており、これにより電気入出力で光信号の伝送が可能である。電気接続方法として、例えば、半田バンプによるバンプ接続や、ワイヤボンディング接続を用いても良い。
【0033】
なお、光半導体素子13は、化合物半導体(例えば、GaAlAs/GaAs,InGaAs/InP,SiGe等)やSi、Ge等の基板に形成しても良いし、発光又は受光波長は、必要に応じて適宜変更可能である。また、光半導体素子13として、1つのチップ内に複数の光素子が形成されたアレイチップを用いても良いし、1つのチップ内に発光素子と受光素子の両方が形成された光半導体素子を用いても良い。さらに、光半導体素子13として、1つの素子で発光と受光の両方が可能な光半導体素子を用いても良い。
【0034】
また、図1(a)では、フレキシブル光電配線板10の一端側に発光素子13aを1つ、他端側に受光素子13bを1つ搭載しているが、更に別の光半導体素子を搭載しても良い。図1(a)では、光信号の伝送方向をフレキシブル光電配線板10の一端側から他端側への単方向としているが、一端側に受光素子、他端側に発光素子を搭載して、図1(a)とは逆方向の光信号伝送を行っても良いし、一端側に発光素子と受光素子、他端側に受光素子と発光素子を搭載して双方向の光信号伝送を行っても良い。
【0035】
また、光半導体素子13である発光素子13aは、発光ダイオードや半導体レーザ等、種々の発光素子が使用可能である。光半導体素子13である受光素子13bは、PINフォトダイオード、MSMフォトダイオード、アバランシェ・フォトダイオード、フォトコンダクター等、種々の受光素子が使用可能である。
【0036】
[1−7]駆動IC
駆動IC14は、例えば超音波フリップチップ実装法を用いてフレキシブル光電配線板10に搭載し、駆動IC14に形成されたAuバンプ17を介して電気配線11(11a,11b)に電気的に接続している。駆動IC14aは、電気配線11aから入力される電気信号に応じて発光素子13aにバイアス電流及びドライブ電流を供給する。駆動IC14bは、受光素子13bに逆バイアス電圧を印加すると共に、受光素子13bが生成する受光電流を増幅し、電気配線11bに電気信号を出力する。なお、駆動IC14は、駆動IC14a,14bの両方の機能を有する駆動IC(トランシーバ)であっても良い。さらに、例えばパラレル電気信号をシリアル電気信号に変換するシリアライズ機能、シリアル電気信号をパラレル電気信号に変換するデシリアライズ機能等の別の回路機能を有しても良い。上述の発光素子13a用の駆動IC14aにシリアライズ機能を搭載し、上述の受光素子13b用の駆動IC14bにデシリアライズ機能を搭載すれば、複数の電気入力信号を、少数の光信号に変換して伝送することができる。
【0037】
[1−8]その他
光半導体素子13及び駆動IC14の底面及び側面には、アンダーフィル樹脂18が塗布されている。アンダーフィル樹脂18は、例えばエポキシ系樹脂であって、例えば加熱又は紫外線照射等によって固化してある。アンダーフィル樹脂18により、電気配線11と光半導体素子13及び駆動IC14との電気接続を高信頼で保持できる。また、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできる空隙を埋めて光結合効率を向上するとともに、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできる空隙での光の反射を抑制することが可能であり、高効率且つ高信頼の光結合が可能となる。
【0038】
なお、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできた空隙の充填に用いるアンダーフィル樹脂と、電気配線11と光半導体素子13及び駆動IC14との電気接続の保持に用いるアンダーフィル樹脂は異なる樹脂を用いても良い。何れの場合にも、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできた空隙の充填に用いるアンダーフィル樹脂は、光伝送波長に対して透明であることが望ましい。
【0039】
第2の光導波路クラッド21b上には、例えばエポキシ系樹脂からなる接着層を介してカバーレイ22を積層してある。これにより光配線層の保護が可能である。
【0040】
回路領域15を含むフレキシブル光電配線モジュールの両端部の裏面に、例えば厚さ100μmのポリイミドからなる補強板をさらに積層しても良い。これにより、チップ搭載部の可撓性を低減し、光半導体素子13、駆動IC14の実装を容易にすることや、フレキシブル光電配線板の屈曲により光半導体素子13、駆動IC14にダメージが入ることを防ぐことができる。
【0041】
[1−9]効果
以上のように、第1の実施形態によれば、光配線路12と電気配線11を有するフレキシブル光電配線板10に、光半導体素子13a,13b、この光半導体素子13a,13bを駆動する駆動IC14a,14bを搭載し、光半導体素子13a,13b及び駆動IC14a,14bが搭載された回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線11k,11lが設けられている。このシールド配線11k,11lは、電磁ノイズを遮蔽するガード配線として機能する。このため、光半導体素子13a,13b、駆動IC14a,14b、信号入出力配線11a,11b、電源配線11c,11d、グランド配線11e,11fから放射された電磁ノイズが、フレキシブル光電配線モジュールの一端と他端を接続するその他の電気配線11g,11hに結合することを抑制できる。これにより、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0042】
[2]第2の実施形態
第2の実施形態は、シールド配線11k,11l上にメタルシールド16a,16bをさらに搭載し、第1の実施形態に比し、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能な例である。
【0043】
以下に、図2A及び図2Bを用いて、第2の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図2A(a)及び図2B(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図2A(b)は、図2A(a)のIIAB−IIAB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図2B(b)は、図2B(a)のIIBB−IIBB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)である。なお、図2A及び図2Bでは、図1と同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0044】
[2−1]メタルシールド
図2A及び図2Bに示すように、第2の実施形態では、シールド配線11k,11lの上にメタルシールド16(16a,16b)が搭載され、このメタルシールド16a,16bはシールド配線11k,11lに例えば半田実装によりそれぞれ電気的に接続されている。ここで、シールド配線11k,11lは、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことが望ましい。なお、メタルシールド16a,16bに直接、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことも可能である。
【0045】
図2Aに示す例では、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bが搭載された回路領域15a,15bを完全に覆うように設けられている。フレキシブル光電配線板10の端部側のメタルシールド16a,16bの端部は、フレキシブル光電配線板10の端部まで延在されている。
【0046】
図2Bに示す例では、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bが搭載された回路領域15a,15bの一部を覆うように設けられている。つまり、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bの一部を覆い、フレキシブル光電配線板10の端部側のメタルシールド16a,16bの端部は、駆動IC14a,14bの上方に位置している。
【0047】
メタルシールド16は、例えばAl、Cu、ステンレス等、種々の金属材料をプレス成形したものを用いることができる。また、メタルシールド16は、Auメッキ等の表面処理が行われていても良い。さらに、メタルシールド16の表面に電波吸収材料を塗布するか、電磁遮蔽シートを貼り付けても良い。
【0048】
メタルシールド16は、部分的に穴やスリット等があっても良い。また、図2Aの構造において、フレキシブル光電配線板10の端部側のメタルシールド16の端部に下方に突出する突出部を設け、シールド効果を高めても良い。
【0049】
メタルシールド16は、図2Bに示したように、回路領域15a,15bの一部を覆うように設けても良いが、その他の電気配線11g,11hへの電磁ノイズ結合を十分に抑制するためには、少なくとも回路領域15(光半導体素子13と駆動IC14)を覆うように設けることが望ましい。
【0050】
[2−2]効果
以上のように、第2の実施形態では、上述した第1の実施形態と同様、回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線11k,11lを設けることで、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0051】
さらに、第2の実施形態では、回路領域15a,15bを覆うようにメタルシールド16a,16bも搭載する。このメタルシールド16a,16bは、シールド配線11k,11lと同様に電磁シールドとして機能する。このため、光半導体素子13a,13b、駆動IC14a,14b、信号入出力配線11a,11b、電源配線11c,11d、グランド配線11e,11fから放射された電磁ノイズが、空間を回り込んで、フレキシブル光電配線モジュールの一端と他端を接続するその他の電気配線11g,11hに結合することも抑制できる。これにより、第1の実施形態に比し、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能になる。
【0052】
また、第2の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、シールド配線11k,11l上にメタルシールド16a,16bを搭載する。このため、例えばフレキシブル光電配線モジュールを搭載する実装基板等にメタルシールドを搭載する場合に比し、メタルシールド16a,16bのサイズを最小限に抑え、コストの低減が可能である。
【0053】
[3]第3の実施形態
第3の実施形態は、フレキシブル電気配線板を用い、第1の実施形態に比し、フレキシブル光電配線モジュールのコストを低減した例である。
【0054】
以下に、図3A乃至図3Cを用いて、第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図3A(a)、図3B(a)及び図3C(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図3A(b)は、図3A(a)のIIIAB−IIIAB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図3B(b)は、図3B(a)のIIIBB−IIIBB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図3C(b)は、図3C(a)のIIICB−IIICB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)である。なお、図3A乃至図3Cでは、図1と同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0055】
[3−1]フレキシブル光電配線モジュール
図3A乃至図3Cに示すように、第3の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10(例えば幅1mm、長さ10mm)が接着シート40を介してフレキシブル電気配線板30(例えば幅10mm、長さ150mm)に搭載されている。そして、フレキシブル光電配線板10の信号入力配線11a、信号出力配線11b、電源配線11c,11d、グランド配線11e,11fは、フレキシブル電気配線板30の信号入力配線31a、信号出力配線31b、電源配線31c,31d、グランド配線31e,31fとワイヤボンディング41でそれぞれ電気的に接続されている。
【0056】
本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、高速信号伝送をフレキシブル光電配線板10の光配線で行い、電力供給や低速信号伝送をフレキシブル電気配線板30の電気配線31で行うことで、フレキシブル光電配線板10の面積を必要最小限に抑えている。これにより、フレキシブル光電配線板10のみで全ての電気配線及び光信号伝送を行う場合に比べてコストの低減が可能である。
【0057】
なお、フレキシブル電気配線板30は、2層板としても良い。この場合、ベースフィルム表面(フレキシブル光電配線板10が搭載される面)にシールド配線11k,11lを形成し、ベースフィルム裏面にシールド配線11k,11lで囲まれた領域を含む島状の配線(ベタ配線)を形成し、これら電気配線を貫通ビアで接続することにより、フレキシブル光電配線モジュールの裏面からの電磁ノイズ放射を抑制し、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射をさらに抑制することが可能である。
【0058】
また、本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10の裏面をフレキシブル電気配線板30の表面に搭載したが、フレキシブル光電配線板10の表面をフレキシブル電気配線板30の表面に搭載するか、フレキシブル光電配線板10の表面をフレキシブル電気配線板30の裏面に搭載するか、フレキシブル光電配線板10の裏面をフレキシブル電気配線板30の裏面に搭載しても良い。
【0059】
また、本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10の電気配線11とフレキシブル電気配線板30の電気配線31の電気的な接続にワイヤボンディング41を用いたが、インクジェット配線、スタッドバンプ、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film:ACF)、異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste:ACP)を用いて電気配線11と電気配線31を接続しても良い。
【0060】
[3−2]シールド配線
第3の実施形態では、第1及び第2の実施形態と同様、シールド配線11m,11n,31k,31l,31m,31n,31o,31pを用いて回路領域15a,15bが囲まれている。
【0061】
図3Aに示す例では、シールド配線31k,31lは、フレキシブル電気配線板30上に形成され、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見た場合に、回路領域15a,15bを囲むように配置されている。
【0062】
図3Bに示す例では、フレキシブル電気配線板30上に、電気配線31a,31c,31eと電気配線31gの間にシールド配線31mが、電気配線31b,31d,31fと電気配線31gの間にシールド配線31nが、電気配線31a,31c,31eと電気配線31hの間にシールド配線31oが、電気配線31b,31d,31fと電気配線31hの間にシールド配線31pが配置されている。さらに、フレキシブル光電配線板10上に、光半導体素子13よりもフレキシブル光電配線板10の中央部側に、シールド配線11m,11nが配置されている。シールド配線31mと11m、シールド配線11mと31o、シールド配線31nと11n、シールド配線11nと31pは、それぞれ例えばワイヤボンディングで電気接続されている。これにより、シールド配線31m,11m,31oは、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見て回路領域15aを囲むように配置され、シールド配線31n,11n,31pは、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見て回路領域15bを囲むように配置されている。なお、シールド配線31mと31o,31nと31pは、図3Aのシールド配線31k,31lのように、ひとつづきの配線であっても良い。
【0063】
図3Cに示す例では、フレキシブル光電配線板10上に、回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線11m,11nが配置され、それぞれの両端が、フレキシブル電気配線板30上のシールド配線31m,31n,31o,31pに電気的に接続されている。これにより、シールド配線31m,11m,31oは、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見て回路領域15aを囲むように配置され、シールド配線31n,11n,31pは、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見て回路領域15bを囲むように配置されている。
【0064】
なお、図3Aの例ではシールド配線31k,31lに、図3Bの例ではシールド配線31m,31n,31o,31pに、図3Cの例ではシールド配線31m,31n,31o,31pに、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことが望ましい。なお、シールド配線31kの両端の少なくとも一方、シールド配線31lの両端の少なくとも一方、シールド配線31mと31oのいずれか一方、シールド配線31nと31pのいずれか一方に、例えばグランド電位を与えれば良い。
【0065】
図3Aのシールド配線31k,31lの両端の少なくとも一方、及び、図3B及び図3Cのシールド配線31m,31n,31o,31pの一端は、フレキシブル電気配線板30の端部にそれぞれ位置することに限定されず、例えば、駆動IC14の近隣に位置しても良い。
【0066】
図3Aのシールド配線31kとシールド配線31l、図3B及び図3Cのシールド配線31m,11m,31oとシールド配線31n,11n,31pの平面形状は、例えばU字型であるが、種々の形状に変更可能である。例えば、シールド配線31kと31lは、電気配線31a〜31fと重ならない領域において、フレキシブル光電配線板10の回路領域15a,15bの下部を含む島状の配線(ベタ配線)としても良い。この島状の配線は、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の投影で回路領域15a,15bと重なるように配置され、シールド配線に電気的に接続される。これにより、フレキシブル光電配線モジュールの裏面からの電磁ノイズ放射を抑制し、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射をさらに抑制することが可能である。
【0067】
図3Aのシールド配線31kとシールド配線31l、図3B及び図3Cのシールド配線31m,11m,31oとシールド配線31n,11n,31pは、連続的に形成されることに限定されず、部分的に分断されていても良い。ただし、その他の電気配線31g,31hへの電磁ノイズ結合を十分に抑制するためには、図3Aのシールド配線31kとシールド配線31l、図3B及び図3Cのシールド配線31m,11m,31oとシールド配線31n,11n,31pは、少なくとも光半導体素子13と駆動IC14を囲むように連続して形成することが望ましい。
【0068】
図3Aのシールド配線31kとシールド配線31l、図3B及び図3Cのシールド配線31m,11m,31oとシールド配線31n,11n,31pは、1つの回路領域15a,15bに対してフレキシブル光電配線板10及び/又はフレキシブル電気配線板30上に複数形成しても良い。また、図3Aのシールド配線31kとシールド配線31l、図3B及び図3Cのシールド配線31m,11m,31oとシールド配線31n,11n,31pは、対称的な同じ形状、本数等であることに限定されず、異なる形状、本数等でも良い。
【0069】
なお、本実施形態では、フレキシブル光電配線板10のシールド配線11m,11nと、フレキシブル電気配線板30のシールド配線31m,31n,31o,31pを、ワイヤボンディングを用いて電気接続した例を示したが、第2の実施形態で述べたメタルシールドをシールド配線上に搭載する場合、メタルシールドを介してシールド配線どうしが自ずと電気的に接続されるため、この段階でフレキシブル光電配線板10のシールド配線11m,11nと、フレキシブル電気配線板30のシールド配線31m,31n,31o,31pを電気接続しなくても良い。
【0070】
[3−3]フレキシブル電気配線板
図3A(b)、図3B(b)及び図3C(b)に示すように、フレキシブル電気配線板30は、可撓性を有するものであり、電気配線31(例えば圧延Cu箔、厚さ12μm)、ベースフィルム32(例えばポリイミド、厚さ25μm)、補強板33(例えばポリイミド、厚さ100μm)等から構成される。フレキシブル電気配線板30は、電気配線31、ベースフィルム32及び補強板33を積層して貼り合わせたラミネート構造を有し、例えば幅10mm、長さ150mmである。
【0071】
電気配線31として用いるCu箔は、接着層を介してベースフィルム32と一体化したものや、Cu箔を表面粗化してベースフィルム32に直接熱圧着したものを用いれば良い。電気配線31は、ベースフィルム32上に積層したCu箔のパターニングで形成し、その一部に例えばNi/Au(例えば厚さ5μm/0.3μm)をメッキして電気接続端子として用いても良い。なお、電気配線31のパターニング形状は、必要に応じて適宜変更可能である。また、電気配線31の表面は、電気接続端子や放熱用のランド等を除き、カバーレイやフォトレジストを積層して絶縁することが望ましい。
【0072】
接着シート40は、フレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30を接着固定する。接着シート40としては、例えばエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる粘着剤をシート状に成形したものや、ポリイミド等の樹脂フィルム又はAlやCu等の金属箔からなる基材の両面に上記の粘着剤からなる粘着層を形成したもの等を用いることができる。接着シート40の厚みは、例えば50μmとする。なお、図3A(b)、図3B(b)及び図3C(b)では、接着シート40は、フレキシブル光電配線板10の両端に位置する光半導体素子13や駆動IC14の搭載部分近傍に設けているが、フレキシブル光電配線板の一端から他端まで至る1枚の接着シートを設けても良い。また、接着シート40を用いる代わりに、例えばモールド樹脂でフレキシブル光電配線板10をフレキシブル電気配線板30に固定しても良い。
【0073】
[3−4]効果
以上のように、第3の実施形態では、上述した第1の実施形態と同様、回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線11m,11n,31k,31l,31m,31n,31o,31pを設けることで、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0074】
さらに、第3の実施形態では、フレキシブル光電配線板10の光配線で高速信号伝送を行い、フレキシブル電気配線板30の電気配線31で電力供給や低速信号伝送を行う構成にしている。これにより、フレキシブル光電配線板10の面積を必要最小限に抑えることができるため、フレキシブル光電配線板10のみで全ての電気配線及び光信号伝送を行う場合に比べてコストの低減が可能である。
【0075】
[4]第4の実施形態
第4の実施形態は、シールド配線31k,31l上にメタルシールド16a,16bをさらに搭載し、第3の実施形態に比し、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能な例である。
【0076】
以下に、図4A及び図4Bを用いて、第4の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図4A(a)及び図4B(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図4A(b)は、図4A(a)のIVAB−IVAB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図4B(b)は、図4B(a)のIVBB−IVBB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)である。なお、図4A及び図4Bでは、図1乃至図3Cと同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0077】
[4−1]メタルシールド
図4A及び図4Bに示すように、第4の実施形態では、回路領域15a,15bを覆うようにメタルシールド16(16a,16b)が搭載されている。このメタルシールド16a,16bは、シールド配線31k,31lに例えば半田実装によりそれぞれ電気的に接続されている。ここで、シールド配線31k,31lは、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことが望ましい。なお、メタルシールド16a,16bに直接、外部回路を用いて例えばグランド電位を与えておくことも可能である。
【0078】
図4Aに示す例では、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bが搭載された回路領域15a,15bを完全に覆うように設けられている。フレキシブル電気配線板30の端部側のメタルシールド16a,16bの端部は、フレキシブル電気配線板30の端部まで延在されている。
【0079】
図4Bに示す例では、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bが搭載された回路領域15a,15bの一部を覆うように設けられている。つまり、メタルシールド16a,16bは、光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bの一部を覆い、フレキシブル電気配線板30の端部側のメタルシールド16a,16bの端部は、駆動IC14a,14bの上方に位置している。
【0080】
なお、本実施形態では、フレキシブル光電配線板10によってフレキシブル光電配線モジュールの表面に段差が生じる。この段差によって、メタルシールド16がフレキシブル光電配線モジュールの表面から浮かないように、メタルシールド16のフレキシブル光電配線板10が当たる箇所にザグリ加工を施すことが望ましい。
【0081】
メタルシールド16は、図4Bに示したように、回路領域15a,15bの一部を覆うように設けても良いが、その他の電気配線11g,11hへの電磁ノイズ結合を十分に抑制するためには、少なくとも回路領域15(光半導体素子13と駆動IC14)を覆うように設けることが望ましい。
【0082】
[4−2]効果
以上のように、第4の実施形態では、上述した第1の実施形態と同様、回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線31k,31lを設けることで、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0083】
さらに、第4の実施形態では、上述した第2の実施形態と同様、回路領域15a,15bを覆うように、電磁シールドとして機能するメタルシールド16も搭載する。このため、空間を回り込んで電磁ノイズが結合することを抑制できる。これにより、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能になる。
【0084】
また、第4の実施形態では、上述した第3の実施形態と同様、フレキシブル光電配線板10の光配線で高速信号伝送を行い、フレキシブル電気配線板30の電気配線31で電力供給や低速信号伝送を行う構成にしている。これにより、フレキシブル光電配線板10の面積を必要最小限に抑えることができるため、フレキシブル光電配線板10のみで全ての電気配線及び光信号伝送を行う場合に比べてコストの低減が可能である。
【0085】
[5]第5の実施形態
第5の実施形態は、フレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30の搭載方法が第3及び第4の実施形態と異なる。すなわち、第3及び第4の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10の裏面をフレキシブル電気配線板30の表面に搭載したが、本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10の表面をフレキシブル電気配線板30の裏面に搭載している。
【0086】
以下に、図5A及び図5Bを用いて、第5の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図5A(a)及び図5B(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図5A(b)は、図5A(a)のVAB−VAB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)、図5B(b)は、図5B(a)のVBB−VBB線に沿った配線長方向の断面図(回路領域付近)である。なお、図5A及び図5Bでは、図1乃至図4Bと同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0087】
[5−1]フレキシブル光電配線モジュール
図5A及び図5Bに示すように、第5の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10(例えば幅1mm、長さ10mm)が、接着シート40を介してフレキシブル電気配線板30(例えば幅10mm、長さ150mm)に搭載され、フレキシブル光電配線板10の回路領域15a,15bが、フレキシブル電気配線板30に設けられた貫通穴50a,50bから露出されている。そして、フレキシブル光電配線板10の信号入力配線11a、信号出力配線11b、電源配線11c,11d、グランド配線11e,11fは、フレキシブル電気配線板30の信号入力配線31a、信号出力配線31b、電源配線31c,31d、グランド配線31e,31fとワイヤボンディング41でそれぞれ電気的に接続されている。
【0088】
なお、図5Aの例では、第3の実施形態と同様、回路領域15a,15bを囲むシールド配線31k,31lをフレキシブル電気配線板30に設けている。図5Bの例は、第4の実施形態と同様、回路領域15a,15bをメタルシールド16a,16bで覆っている。
【0089】
[5−2]効果
以上のように、第5の実施形態では、上述した第3の実施形態と同様、回路領域15a,15bを囲むようにシールド配線31k,31lを設けることで、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0090】
また、第5の実施形態では、上述した第4の実施形態と同様、回路領域15a,15bを覆うように、電磁シールドとして機能するメタルシールド16も搭載する。このため、空間を回り込んで電磁ノイズが結合することを抑制できる。これにより、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能になる。
【0091】
また、第5の実施形態では、上述した第3及び第4の実施形態と同様、フレキシブル光電配線板10の光配線で高速信号伝送を行い、フレキシブル電気配線板30の電気配線31で電力供給や低速信号伝送を行う構成にしている。これにより、フレキシブル光電配線板10の面積を必要最小限に抑えることができるため、フレキシブル光電配線板10のみで全ての電気配線及び光信号伝送を行う場合に比べてコストの低減が可能である。
【0092】
さらに、第5の実施形態では、フレキシブル光電配線板10の回路領域15a,15bを、フレキシブル電気配線板30の貫通穴50a,50bから露出するように搭載されている。このため、第3の実施形態と比し、フレキシブル光電配線モジュールの厚みを低減可能という利点がある。
【0093】
[6]第6の実施形態
第6の実施形態は、第2の実施形態に比し、実装基板への固定を容易にすることが可能である。
【0094】
以下に、図6を用いて、第6の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。なお、図6では、図1及び図2と同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0095】
[6−1]フレキシブル光電配線モジュール
図6に示すように、第6の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールは、メタルシールド16(16a,16b)の周囲(シールド配線11k,11lに接する部分)に端子62を形成し、この端子62を実装基板60に形成した貫通ビア63に通して例えば半田接続する。これにより、メタルシールド16でフレキシブル光電配線モジュールを実装基板60(60a,60b)に固定している。
【0096】
メタルシールド16の端子62は、実装基板60のグランドに接続する。これにより、シールド配線11k,11lもグランドに接続される。このため、シールド配線11k,11lにグランド電位を与えるための専用の電気接続端子を設けなくても良い。
【0097】
フレキシブル光電配線モジュールが搭載される実装基板60は、例えばFR4をコア材に用いたプリント配線基板を用いることができる。電気配線61は、シールド配線11k,11lと同様にCuで形成することができ、表面を例えばNi/Auでめっき(例えば厚さ5μm/0.3μm)しても良い。電気配線61は、フレキシブル光電配線板10の面に対して垂直方向の上から見た場合に、シールド配線11k,11lで囲まれた領域を含む島状の配線(ベタ配線)とすることにより、フレキシブル光電配線モジュールの裏面からの電磁ノイズ放射を抑制し、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射をさらに抑制することが可能である。
【0098】
尚、第6の実施形態は、第3乃至第5の実施形態で説明した、フレキシブル電気配線板30を搭載したフレキシブル光電配線モジュールに適用することも可能である。
【0099】
[6−2]効果
以上のように、第6の実施形態では、上述した第1の実施形態と同様、回路領域15を囲むようにシールド配線11k,11lを設けることで、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制することが可能である。
【0100】
また、第6の実施形態では、上述した第2の実施形態と同様、回路領域15を覆うように、電磁シールドとして機能するメタルシールド16も形成する。このため、空間を回り込んで電磁ノイズが結合することを抑制できる。これにより、電磁ノイズ放射をさらに抑えることが可能になる。
【0101】
また、第6の実施形態では、メタルシールド16の端子62を実装基板60の貫通ビア63に通して半田接続する。これにより、メタルシールド16をフレキシブル光電配線板10に搭載する工程と、フレキシブル光電配線モジュールを実装基板60に搭載する工程を同時に行うことができ、工程数を削減することができる。これにより、プロセスコストの低減、部材コストの低減を図ることが可能である。
【0102】
また、第6の実施形態では、メタルシールド16の端子62を実装基板60のグランドに接続することで、シールド配線11k,11lにグランド電位を与えるための電気接続端子を省略できる。これにより、フレキシブル光電配線モジュールの面積を削減し、コストの低減が可能である。
【0103】
また、第6の実施形態では、実装基板60上にシールド機能を有する電気配線61を形成することで、フレキシブル光電配線モジュールの裏面からの電磁ノイズ放射を抑制することができる。これにより、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射をさらに低減することが可能となる。
【0104】
[7]第7の実施形態
第7の実施形態は、フレキシブル光電配線モジュールの配線領域の屈曲性又は捻回性を向上した例である。
【0105】
図7を用いて、第7の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。なお、図7では、フレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30の外形のみを示し、他の部分は省略しているが、具体的な構成は、上述した他の実施形態の構成を適用することが可能である。
【0106】
図7(a)に示すように、第7の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル電気配線板30の配線方向に平行する貫通スリット70(例えば幅0.1mm)を設け、フレキシブル電気配線板30の配線領域を複数の細線(例えば幅1mm)に分割し、分割された1つの細線上にフレキシブル光電配線板10を搭載している。
【0107】
図7(b)に示すように、図7(a)に示したフレキシブル光電配線モジュールは、フレキシブル光電配線モジュールの一方の端部領域、配線領域、他方の端部領域をクランク形になるように配置し、隣接する細線の表面と裏面とが対向するように複数の細線を重ね、束線帯71を用いて複数の細線を束ねる。これにより、配線領域が1束の細いフレキシブル配線板として扱うことができる。このため、屈曲動作に加えて回転動作や捻り動作等にも対応することが可能である。
【0108】
なお、全ての細線の幅、間隔は、ほぼ同等にすることが望ましい。これにより、フレキシブル光電配線モジュールを上述のように束線した際に、一部の細線に張力が集中することを抑制できる。また、複数の細線の全てが同等に引っ張られるため、複数の細線を束ねた領域において複数の細線の整列性が良く、一部の細線がばらけることもない。なお、フレキシブル光電配線モジュールの細線の重ね方は、他の方法(例えば、隣接する細線の表面と表面又は裏面と裏面が対向するように複数の細線を重ねる)を用いても良い。
【0109】
束線帯71は、例えば弗素樹脂系のシールテープを用いることができる。束線帯71には粘着剤のないテープを用い、束線帯71の内側で各細線が動けるようにしておくことが望ましい。これにより、細線のたるみや応力を取り除くことができる。なお、束線帯71の数は必要に応じて適宜変更可能であるし、個別の束線帯ではなく、例えば束ねた細線の一端から他端まで連続した束線帯を用いても良い。また、束ねた複数の細線がばらける恐れがない場合やばらけても構わない場合は、束線帯71を用いなくても良い。貫通スリット70を形成する部分には電気配線を設けないことが望ましい。
【0110】
フレキシブル光電配線板10は、その全面をフレキシブル電気配線板30に貼り付けても良いし、その端部近傍領域のみをフレキシブル電気配線板30に貼り付けても良い。また、フレキシブル光電配線板10を配置する箇所のフレキシブル電気配線板30の細線を除去してもよい。この場合、配線領域においてフレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30の重なりが無くなり、フレキシブル光電配線モジュールの配線領域を屈曲や摺動する際の最小曲げ半径を小さくすることができる。さらに、フレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30の擦れを無くして、繰り返し屈曲及び摺動に対する耐久性を向上させることができる。
【0111】
上述した各実施形態は、種々変更可能である。例えば、フレキシブル電気配線板30には、FPCやFFC等を適用することも可能である。フレキシブル電気配線板30及びフレキシブル光電配線板10のベースフィルムには、ポリイミドの他、液晶ポリマーや他の樹脂を用いることができる。フレキシブル電気配線板30の電気配線31は、単層でも多層でも構わない。フレキシブル光電配線板10の電気配線11及び光配線層は、単層でも多層でも構わない。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
10…フレキシブル光電配線板、11…電気配線、11k,11l…シールド配線、12…光配線路、13…光半導体素子、14…駆動IC、15…回路領域、16…メタルシールド、17…バンプ、18…アンダーフィル樹脂、20…ベースフィルム、21…クラッド、22…カバーフィルム、30…フレキシブル電気配線板、31…電気配線、31k,31l…シールド配線、32…ベースフィルム、33…補強板、40…接着シート、41…ボンディングワイヤ、50…貫通穴、60…実装基板、61…電気配線、62…端子、63…貫通ビア、70…貫通スリット、71…束線帯。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光配線路と第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル光電配線板と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線に電気的に接続され、前記光配線路に光結合された光半導体素子と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線と前記第2の電気配線と前記第3の電気配線とに電気的に接続され、前記第1の電気配線を介して前記光半導体素子を駆動し、前記第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、前記第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位が供給される駆動ICと、
前記フレキシブル光電配線板が搭載され、前記第2の電気配線と電気的に接続される第4の電気配線と前記第3の電気配線と電気的に接続される第5の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル電気配線板と、
前記フレキシブル光電配線板又は前記フレキシブル電気配線板の一端から他端まで延在する第6の電気配線と、
前記光半導体素子と前記駆動ICとが搭載された領域の少なくとも一部及び前記第1乃至第3の電気配線の少なくとも一部と前記第6の電気配線との間に配置されたシールド配線と、
前記フレキシブル光電配線板及び前記フレキシブル電気配線板の少なくとも一方に搭載され、前記シールド配線と電気的に接続され、少なくとも前記領域の一部を覆うメタルシールドと、
電気配線と貫通ビアとを有し、前記フレキシブル光電配線板及び前記フレキシブル電気配線板の少なくとも一方が搭載される実装基板と、
前記メタルシールドに電気的に接続された端子と、
を具備し、
前記フレキシブル電気配線板は、前記フレキシブル光電配線板の面に対して垂直方向の投影で前記領域と重なるように配置され、かつ、前記シールド配線に電気的に接続される島状の電気配線を有し、
前記メタルシールドの前記端子は、前記実装基板の前記貫通ビアに配置されて固定される、フレキシブル光電配線モジュール。
【請求項2】
光配線路と第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル光電配線板と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線に電気的に接続され、前記光配線路に光結合された光半導体素子と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線と前記第2の電気配線と前記第3の電気配線とに電気的に接続され、前記第1の電気配線を介して前記光半導体素子を駆動し、前記第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、前記第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位が供給される駆動ICと、
フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端まで延在する第4の電気配線と、
前記光半導体素子と前記駆動ICとが搭載された領域と前記第4の電気配線との間に配置されたシールド配線と、
を具備するフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項3】
前記フレキシブル光電配線板が搭載され、前記第2の電気配線と電気的に接続される第5の電気配線と前記第3の電気配線と電気的に接続される第6の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル電気配線板をさらに具備する、請求項2記載のフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項4】
前記フレキシブル電気配線板は、前記フレキシブル光電配線板の面に対して垂直方向の投影で前記領域と重なるように配置され、かつ、前記シールド配線に電気的に接続される島状の電気配線を有する、請求項3記載のフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項5】
前記フレキシブル光電配線板及び前記フレキシブル電気配線板の少なくとも一方に搭載され、前記シールド配線と電気的に接続され、少なくとも前記領域の一部を覆うメタルシールドをさらに具備する、請求項2乃至4のいずれか1項記載のフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項1】
光配線路と第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル光電配線板と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線に電気的に接続され、前記光配線路に光結合された光半導体素子と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線と前記第2の電気配線と前記第3の電気配線とに電気的に接続され、前記第1の電気配線を介して前記光半導体素子を駆動し、前記第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、前記第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位が供給される駆動ICと、
前記フレキシブル光電配線板が搭載され、前記第2の電気配線と電気的に接続される第4の電気配線と前記第3の電気配線と電気的に接続される第5の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル電気配線板と、
前記フレキシブル光電配線板又は前記フレキシブル電気配線板の一端から他端まで延在する第6の電気配線と、
前記光半導体素子と前記駆動ICとが搭載された領域の少なくとも一部及び前記第1乃至第3の電気配線の少なくとも一部と前記第6の電気配線との間に配置されたシールド配線と、
前記フレキシブル光電配線板及び前記フレキシブル電気配線板の少なくとも一方に搭載され、前記シールド配線と電気的に接続され、少なくとも前記領域の一部を覆うメタルシールドと、
電気配線と貫通ビアとを有し、前記フレキシブル光電配線板及び前記フレキシブル電気配線板の少なくとも一方が搭載される実装基板と、
前記メタルシールドに電気的に接続された端子と、
を具備し、
前記フレキシブル電気配線板は、前記フレキシブル光電配線板の面に対して垂直方向の投影で前記領域と重なるように配置され、かつ、前記シールド配線に電気的に接続される島状の電気配線を有し、
前記メタルシールドの前記端子は、前記実装基板の前記貫通ビアに配置されて固定される、フレキシブル光電配線モジュール。
【請求項2】
光配線路と第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル光電配線板と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線に電気的に接続され、前記光配線路に光結合された光半導体素子と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線と前記第2の電気配線と前記第3の電気配線とに電気的に接続され、前記第1の電気配線を介して前記光半導体素子を駆動し、前記第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、前記第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位が供給される駆動ICと、
フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端まで延在する第4の電気配線と、
前記光半導体素子と前記駆動ICとが搭載された領域と前記第4の電気配線との間に配置されたシールド配線と、
を具備するフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項3】
前記フレキシブル光電配線板が搭載され、前記第2の電気配線と電気的に接続される第5の電気配線と前記第3の電気配線と電気的に接続される第6の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル電気配線板をさらに具備する、請求項2記載のフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項4】
前記フレキシブル電気配線板は、前記フレキシブル光電配線板の面に対して垂直方向の投影で前記領域と重なるように配置され、かつ、前記シールド配線に電気的に接続される島状の電気配線を有する、請求項3記載のフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項5】
前記フレキシブル光電配線板及び前記フレキシブル電気配線板の少なくとも一方に搭載され、前記シールド配線と電気的に接続され、少なくとも前記領域の一部を覆うメタルシールドをさらに具備する、請求項2乃至4のいずれか1項記載のフレキシブル光電配線モジュール。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2013−101245(P2013−101245A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245326(P2011−245326)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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