説明

プラズマ処理装置及び温度測定方法並びに温度測定装置

【課題】基板等の温度を精度良く測定することができ、より精度良くかつ効率良く基板のプラズマ処理を行うことのできるプラズマ処理装置及び温度測定方法並びに温度測定装置を提供する。
【解決手段】真空チャンバ2と、載置台3と、載置台3の下方に、載置台3と間隙を設けて配設されたベースプレート9と、温度測定手段とを具備し、載置台3の上方が真空雰囲気とされ、載置台3とベースプレート9との間の間隙が常圧雰囲気とされるプラズマ処理装置である。載置台3の上面と下面とを温度測定手段の測定光が透過可能なように光学的に連通し、かつ、気密封止された温度測定用窓12〜15を設けるとともに、載置台3とベースプレート9との間に、これらを連結する連結部材30が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板例えば半導体ウエハや液晶表示装置用基板等プラズマを用いて処理するプラズマ処理装置及び温度測定方法並びに温度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理装置により処理される基板、例えば半導体ウエハや液晶表示装置用基板の温度を正確に測定することは、成膜やエッチングなど種々の処理の結果により半導体ウエハや液晶表示装置用基板上に形成される膜やホールなどの形状、物性等を正確にコントロールする点からも極めて重要である。このため、例えば抵抗温度計や、基板裏面の温度を測定する蛍光式温度計等を利用した計測法等の様々な方法によって半導体ウエハや液晶表示装置用基板の温度を計測することが従来から行われている。
【0003】
近年では、上述したような従来の温度計測方法では困難だった基板の温度を直接計測することができる低コヒーレンス干渉計を利用した温度計測技術が知られている。さらに、上記の低コヒーレンス干渉計を利用した温度計測技術において、第1スプリッタによって光源からの光を温度測定用の測定光と参照光とに分け、さらに、分けられた測定光を第2スプリッタによってn個の測定光に分けてn個の測定光をn個の測定ポイントへ照射し、これらのn個の測定光の反射光と、参照光反射手段で反射された参照光の反射光との干渉を測定し、複数の測定ポイントの温度を同時に測定できるようにした技術も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような技術によれば、簡単な構成で複数の測定ポイントの温度を一度に測定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−112826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した低コヒーレンス干渉計を利用した温度測定装置を用いてプラズマ処理装置によって処理されている処理中の基板の温度を測定する場合、基板は載置台に載置され、真空雰囲気とされた真空チャンバ内に配置されている。一方、測定用の光を導くための光ファイバの出口に設けられたコリメータは、光軸合わせ等のメンテナンス性を考慮して、通常は常圧雰囲気とされた真空処理チャンバのベースプレートの外側等に固定される。
【0006】
ここで、上記した基板が載置される載置台は、基板を吸着するための静電チャック機構及び高周波電力を印加するためのRFプレート等から構成され、これらの構成部材が実質的に真空雰囲気と常圧雰囲気とを仕切る構造となっている。また、載置台の下部には、RFプレートと、ベースプレートを絶縁するための十分な空間や、搬送アームから半導体ウエハを受け取り載置台に載置又は半導体ウエハを載置台より持ち上げて搬送アームに受け渡すプッシャーピンの駆動機構を設けるための空間が必要となることから、載置台とベースプレートとの間には、ある程度空間が形成された構造となっている場合がある。
【0007】
このような構成の場合、真空と常圧との圧力差によって載置台に撓みが発生したり、載置台内部を流れる冷却用の温度調整用媒体等の影響によって載置台に振動が発生することがある。このため、コリメータと載置台上に載置された基板との間隔が変動し、精度良い温度測定が行えないという問題があることが判明した。また、RFプレートとベースプレートとの間の空間が大気なので、空気ゆらぎが光路に影響を与え、計測精度が悪化するという問題もあることが判明した。
【0008】
また、上記の空気ゆらぎが光路に影響を与え、計測精度が悪化するという問題は、プラズマ処理装置内に設けられたフォーカスリングの温度を測定する際にも、同様に問題となる。
【0009】
本発明は、かかる従来の事情に対処してなされたもので、基板等の温度を精度良く測定することができ、より精度良くかつ効率良く基板のプラズマ処理を行うことのできるプラズマ処理装置及び温度測定方法並びに温度測定装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1のプラズマ処理装置は、基板を収容してプラズマにより処理するための真空チャンバと、前記真空チャンバ内に設けられ、基板が載置される載置台と、前記載置台の下方に、前記載置台と間隙を設けて配設されたベースプレートと、光源と、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるためのスプリッタと、前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記測定光を前記基板に照射するための光ファイバ及び当該光ファイバの出口部分に設けられたコリメータと、前記基板から反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器と、を有する温度測定手段とを具備し、前記載置台の上方が真空雰囲気とされ、前記載置台と前記ベースプレートとの間の間隙が常圧雰囲気とされるプラズマ処理装置であって、前記載置台の上面と下面とを前記測定光が透過可能なように光学的に連通し、かつ、気密封止された温度測定用窓を設けるとともに、前記載置台と前記ベースプレートとの間の間隙に、前記載置台と前記ベースプレートとを連結する部材を設け、かつ、前記コリメータを前記ベースプレートの前記温度測定用窓に対応する位置に固定し、前記温度測定用窓から前記温度測定手段によって前記基板の温度を測定可能としたことを特徴とする。
【0011】
請求項2のプラズマ処理装置は、請求項1項記載のプラズマ処理装置であって、前記載置台と前記ベースプレートとの間の、前記測定光の光路に、内部を前記測定光が通過可能なロッド又は中空の筒状体を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3のプラズマ処理装置は、請求項1又は2記載のプラズマ処理装置であって、前記載置台に、前記測定光の光路を側方及び上下方向に向けて屈曲させるミラー又はプリズムを設け、前記載置台と前記ベースプレートとの間に構造物が存在する部位の上方の部位の温度を測定可能としたことを特徴とする。
【0013】
請求項4のプラズマ処理は、請求項1〜3いずれか1項記載のプラズマ処理装置であって、前記載置台が、高周波電力が印加される導電性材料からなるRFプレートと、前記RFプレート上に設けられ、前記基板を吸着するための静電チャック機構とを具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項5のプラズマ処理は、請求項4記載のプラズマ処理装置であって、前記RFプレートと、前記静電チャック機構とを、周辺部及び中央部の双方で固定するよう構成したことを特徴とする。
【0015】
請求項6プラズマ処理装置は、請求項1〜3いずれか1項記載のプラズマ処理装置であって、前記載置台は、高周波電力が印加される導電性材料からなるRFプレートと前記基板を吸着するための静電チャック機構とが一体となる構成としたことを特徴とする。
【0016】
請求項7のプラズマ処理装置は、基板を収容してプラズマにより処理するための真空チャンバと、前記真空チャンバ内に設けられ、基板が載置される載置台と、前記載置台の下方に、前記載置台と間隙を設けて配設されたベースプレートと、光源と、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるためのスプリッタと、前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記測定光を前記基板に照射するための光ファイバ及び当該光ファイバの出口部分に設けられたコリメータと、前記温度測定対象物から反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器と、を有する温度測定手段とを具備し、前記載置台の上方が真空雰囲気とされ、前記載置台と前記ベースプレートとの間の間隙が常圧雰囲気とされるプラズマ処理装置であって、前記載置台の上面と下面とを前記測定光が透過可能なように光学的に連通し、かつ、気密封止された温度測定用窓を設けるとともに、前記コリメータを前記載置台の前記温度測定用窓に対応する位置に固定し、前記温度測定用窓から前記温度測定手段によって前記基板の温度を測定可能としたことを特徴とする。
【0017】
請求項8のプラズマ処理装置は、請求項7記載のプラズマ処理装置であって、前記載置台が、高周波電力が印加される導電性材料からなるRFプレートと、前記RFプレート上に設けられ、前記基板を吸着するための静電チャック機構とを具備し、前記コリメータを前記RFプレート又は前記静電チャック機構に固定したことを特徴とする。
【0018】
請求項9のプラズマ処理装置は、請求項7記載のプラズマ処理装置であって、前記載置台は、高周波電力が印加される導電性材料からなるRFプレートと前記基板を吸着するための静電チャック機構とが一体となる構成とし、前記コリメータを前記RFプレートに固定したことを特徴とする。
【0019】
請求項10のプラズマ処理装置は、請求項1〜9いずれか1項記載のプラズマ処理装置であって、前記温度測定手段が、前記スプリッタからの測定光を、さらにn個の第1〜第n測定光に分けるための第2スプリッタを具備し、当該第2スプリッタからの複数の測定光によって複数の部位の温度を測定可能とされていることを特徴とする。
【0020】
請求項11のプラズマ処理装置は、請求項1〜10いずれか1項記載のプラズマ処理装置であって、前記真空チャンバ内に、前記載置台と対向するように対向電極が設けられ、前記温度測定手段が、前記温度測定用窓及び前記載置台上の前記基板を介して前記対向電極の部位の温度を測定可能とされていることを特徴とする。
【0021】
請求項12のプラズマ処理装置は、基板を収容してプラズマにより処理するための真空チャンバと、前記真空チャンバ内に設置されたフォーカスリングと、前記真空チャンバの壁部に設けられ、前記真空チャンバの内外とで光が透過可能な窓部と、光源と、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるためのスプリッタと、前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記測定光を前記フォーカスリングに照射するための光ファイバ及び当該光ファイバの出口部分に設けられたコリメータと、前記フォーカスリングから反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器と、を有する温度測定手段と、を具備したプラズマ処理装置であって、前記窓部の外側に前記コリメータを配置し、前記コリメータから射出された測定光が、前記窓部を透過し前記フォーカスリング上に設けられた光路変更手段により光路変更されて前記フォーカスリングに照射され、前記フォーカスリングで反射された測定光が、前記光路変更手段により光路変更されて前記窓部に戻り、前記コリメータに入射するようにして前記フォーカスリングの温度を測定可能とされたことを特徴とする。
【0022】
請求項13のプラズマ処理装置は、請求項12記載のプラズマ処理装置であって、前記光路変更手段が、プリズムであることを特徴とする。
【0023】
請求項14のプラズマ処理装置は、請求項12又は13記載のプラズマ処理装置であって、前記光路変更手段は、前記フォーカスリング上に設けられた枠部に固定されていることを特徴とする。
【0024】
請求項15の温度測定方法は、基板を収容してプラズマにより処理するための真空チャンバと、前記真空チャンバ内に設置されたフォーカスリングとを具備したプラズマ処理装置の前記フォーカスリングの温度を測定する温度測定方法であって、前記真空チャンバの壁部に前記真空チャンバの内外とで光が透過可能な窓部を形成するとともに、光源と、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるためのスプリッタと、前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記測定光を前記フォーカスリングに照射するための光ファイバ及び当該光ファイバの出口部分に設けられたコリメータと、前記フォーカスリングから反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器と、を有する温度測定手段の前記コリメータを前記窓部の外側に配置し、前記コリメータから射出された測定光が、前記窓部を透過し前記フォーカスリング上に設けられた光路変更手段により光路変更されて前記フォーカスリングに照射され、前記フォーカスリングで反射された測定光が、前記光路変更手段により光路変更されて前記窓部に戻り、前記コリメータに入射するようにして前記フォーカスリングの温度を測定することを特徴とする。
【0025】
請求項16の温度測定方法は、請求項15記載の温度測定方法であって、前記光路変更手段が、プリズムであることを特徴とする。
【0026】
請求項17の温度測定方法は、請求項15又は16記載の温度測定方法であって、前記光路変更手段は、前記フォーカスリング上に設けられた枠部に固定されていることを特徴とする。
【0027】
請求項18の温度測定装置は、真空チャンバ内に設置されたフォーカスリングの温度を測定する温度測定装置であって、光源と、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるためのスプリッタと、前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記測定光を前記フォーカスリングに照射するための光ファイバ及び当該光ファイバの出口部分に設けられたコリメータと、前記フォーカスリングから反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器と、を有する温度測定手段と、前記真空チャンバの壁部に形成された窓部の外側に配置された前記コリメータから射出され前記窓部を透過した測定光を、光路変更して前記フォーカスリングに照射し、前記フォーカスリングで反射した測定光を、光路変更して前記窓部に戻し前記コリメータに入射させるための光路変換手段とを具備したことを特徴とする。
【0028】
請求項19の温度測定装置は、請求項18記載の温度測定装置であって、前記光路変更手段が、プリズムであることを特徴とする。
【0029】
請求項20の温度測定装置は、請求項18又は19記載の温度測定装置であって、前記光路変更手段は、前記フォーカスリング上に設けられた枠部に固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、基板等の温度を精度良く測定することができ、より精度良くかつ効率良く基板のプラズマ処理を行うことのできるプラズマ処理装置及び温度測定方法並びに温度測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態にかかるプラズマ処理装置の要部断面概略構成を示す図。
【図2】図1のプラズマ処理装置の要部構成を拡大して示す図。
【図3】図1のプラズマ処理装置の温度測定手段の概略構成を示すブロック図。
【図4】測定光の反射の状態を説明するための図。
【図5】干渉波形の例を説明するための図。
【図6】図1のプラズマ処理装置における温度測定結果の一例を示す図。
【図7】本発明の他の実施形態にかかるプラズマ処理装置の要部断面概略構成を示す図。
【図8】本発明の他の実施形態にかかるプラズマ処理装置の要部断面概略構成を示す図。
【図9】本発明の他の実施形態にかかるプラズマ処理装置の要部断面概略構成を示す図。
【図10】本発明の他の実施形態にかかるプラズマ処理装置の要部断面概略構成を示す図。
【図11】本発明の他の実施形態にかかるプラズマ処理装置の要部断面概略構成を示す図。
【図12】本発明の他の実施形態にかかるプラズマ処理装置の要部断面概略構成を示す図。
【図13】本発明の他の実施形態にかかるプラズマ処理装置の要部断面概略構成を示す図。
【図14】セルからの測定光の反射の状態を説明するための図。
【図15】セルからの測定光の反射の状態を説明するための図。
【図16】干渉波形の例を説明するための図。
【図17】セルの温度測定を行う場合の手順を示すフローチャート。
【図18】セル及びフォーカスリングの温度測定結果の一例を示す図。
【図19】温度測定用窓の変形例の構成を示す図。
【図20】温度測定用窓の変形例の構成を示す図。
【図21】本発明の他の実施形態にかかるプラズマ処理装置の要部断面概略構成を示す図。
【図22】本発明の他の実施形態にかかるプラズマ処理装置の要部断面概略構成を示す図。
【図23】本発明の変形例にかかるプラズマ処理装置の側方から見た要部概略構成を示す図。
【図24】図23のプラズマ処理装置の上方から見た要部概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明を実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0033】
図1は、本実施形態にかかるプラズマ処理装置1の要部縦断面構成を模式的に示す図である。図1に示すようにプラズマ処理装置1は、基板としての半導体ウエハWを収容してプラズマにより処理するための真空チャンバ2を具備している。
【0034】
真空チャンバ2内には、半導体ウエハWを載置するための載置台3が設けられている。この載置台3は、導電性材料から構成され、高周波電力が印加されるRFプレート4と、このRFプレート4上に設けられ、半導体ウエハWを吸着するための静電チャック機構5とを具備しており、RFプレート4の中央部には、高周波電源(図示せず。)と電気的に接続された給電棒6が接続されている。
【0035】
載置台3の周囲には、載置台3の周囲を囲むように、環状に形成されたバッフル板7が設けられており、バッフル板7の下部には、載置台3の周囲から均一に排気を行うための環状の排気空間8が形成されている。また、真空チャンバ2の底部には、ベースプレート9が設けられており、RFプレート4とベースプレート9との間には。空隙10が形成されている。この空隙10は、RFプレート4とベースプレート9を絶縁するための十分な広さとなっている。また、搬送アームから半導体ウエハWを受け取り載置台3に載置又は半導体ウエハWを載置台3より持ち上げて搬送アームに受け渡すプッシャーピンの駆動機構(不図示)が、この空隙10内に設けられている。また、この空隙10は、真空雰囲気ではなく大気雰囲気となっている。
【0036】
載置台3の上方には、載置台3と間隔を設けて対向するように対向電極11が設けられている。この対向電極11は、所謂シャワーヘッドによって構成されており、載置台3上に載置された半導体ウエハWに対して、シャワー状に所定の処理ガスを供給できるように構成されている。この対向電極11は、接地電位とされるか或いは高周波電力が印加されるようになっている。また、載置台3上の半導体ウエハWの周囲には、フォーカスリング29が設けられている。このフォーカスリング29は、半導体ウエハWのプラズマ処理の面内均一性を向上させるためのものである。
【0037】
上記真空チャンバ2は、載置台3の上部の空間が真空雰囲気となり、載置台3の下部の空隙10が常圧雰囲気となるように構成されている。したがって、載置台3が真空雰囲気と常圧雰囲気とを仕切る仕切り壁の一部を構成するようになっている。そして、載置台3には、複数(図1に示す例では4つ)の温度測定用窓12〜15が形成されている。これらの温度測定用窓12〜15は、載置台3の上面と下面とを測定光が透過可能なように光学的に連通し、かつ、気密封止された構造となっている。
【0038】
なお、本実施形態では、温度測定用窓12〜15のうち、載置台3の最も外周側の位置に設けられた温度測定用窓15は、フォーカスリング29の温度を測定するためのものであり、他の温度測定用窓12〜14は、半導体ウエハWの温度を測定するためのものである。
【0039】
図2は、上記温度測定用窓12〜15の構成を拡大して示すものである。図2に示すように、載置台3には、RFプレート4を貫通する貫通孔50及び静電チャック機構5を貫通する貫通孔51が設けられている。この静電チャック機構5の貫通孔51の下端には、孔の内径が拡大された大径部51aが設けられており、RFプレート4の貫通孔50の上端には、上側に向かって拡径する傾斜面50aが形成されている。
【0040】
上記静電チャック機構5の貫通孔51内には、略円筒状に形成され、下端部に外側に向かって突出する鍔部52aが形成されたスリーブ52が固定されている。このスリーブ52は、セラミック、樹脂、アルマイト等から構成されている。このスリーブ52内には、温度測定用の測定光(赤外線)を透過可能な材料、例えばクォーツやサファイヤ等からなり、略円柱状に形成された窓材53が挿入されている。この窓材53は、下端側に大径部53aを有しており、この大径部53aの上側面がスリーブ52の下側面に当接されて位置決めされるようになっている。
【0041】
上記窓材53の大径部53aには、真空シール用Oリング54が設けられており、この真空シール用Oリング54は、大径部53aと、スリーブ52の下側面と、RFプレート4側の傾斜面50aとの間で押圧され、気密を保持するようになっている。なお、スリーブ52と窓材53との間には、窓材53のずり落ち防止用のOリング55が設けられている。また、貫通孔50内には、窓材53の大径部53aと当接されるように緩衝材56が設けられている。
【0042】
また、静電チャック機構5の上面には、セラミック板、ポリイミドフィルム、溶射膜、アルマイト、サファイヤ等からなる保護膜57が形成されており、保護膜57には、温度測定用窓12〜15が形成されている部位に、直径が例えば1〜3mm程度の開口58が形成されている。
【0043】
図1に示すように、上記温度測定用窓12〜15に対応して、ベースプレート9には、貫通孔16〜19が設けられており、これらの貫通孔には、夫々温度測定手段からの測定光を導くための光ファイバ20〜23の出口部分に設けられたコリメータ24〜27が固定されている。また、ベースプレート9と載置台3(RFプレート4)との間の空隙10には、ベースプレート9と載置台3(RFプレート4)とを連結する連結部材30が配置されている。なお、図1には、連結部材30を1つのみ図示してあるが、この連結部材30は、周方向に沿って複数(例えば4個以上)配置されている。これらの連結部材30は、載置台3の変形や振動を抑制するためのものである。
【0044】
上記光ファイバ20〜23は、図3に示すように構成された温度測定手段100に接続されている。図3に示すように、温度測定手段100は、光源110と、この光源110からの光を温度測定用の測定光と参照光とに分けるための第1スプリッタ120と、この第1スプリッタ120からの測定光を、さらにn個の第1〜第n測定光(本実施形態ではn=4)に分けるための第2スプリッタ130と、上記第1スプリッタ120からの参照光を反射するための参照光反射手段140と、参照光反射手段140から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段150とを備えている。
【0045】
光路長変化手段150は、例えば参照ミラーなどで構成される参照光反射手段140を参照光の入射方向に平行な一方向へ移動させるためのリニアステージ151、サーボモータ152、レーザ干渉計153等から構成されている。このように、参照ミラー等の参照光反射手段140を一方向へ駆動させることにより、参照ミラー等の参照光反射手段140から反射する参照光の光路長を変化させることができる。サーボモータ152は、コントローラ170により制御される。また、レーザ干渉計153からの信号は、A/D変換器172でデジタル信号に変換されてコントローラ170に入力される。
【0046】
また、温度測定装置100は、上記第1〜第4測定光を半導体ウエハW及びフォーカスリング29等の第1〜第4測定ポイントに照射したときに、半導体ウエハW及びフォーカスリング29等から反射する第1〜第4測定光と、上記参照光を参照光反射手段140に照射したときに参照光反射手段140から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器160を備えている。
【0047】
光源110としては、測定光と参照光との干渉が測定できれば、任意の光を使用することが可能である。半導体ウエハWの温度測定を行う場合には、少なくとも半導体ウエハWの表面と裏面との間の距離(通常は800〜1500μm程度)からの反射光が干渉を生じない程度の光が好ましい。具体的には例えば低コヒーレンス光を用いることが好ましい。低コヒーレンス光とは、コヒーレンス長の短い光をいう。低コヒーレンス光の中心波長は例えば0.3〜20μmが好ましく、更に0.5〜5μmがより好ましい。また、コヒーレンス長としては、例えば0.1〜100μmが好ましく、更に3μm以下がより好ましい。このような低コヒーレンス光を光源110として使用することにより、余計な干渉による障害を回避でき、半導体ウエハWの表面又は内部層からの反射光に基づく参照光との干渉を容易に測定することができる。
【0048】
上記低コヒーレンス光を使用した光源としては、例えばSLD(Super Luminescent Diode)、LED、高輝度ランプ(タングステンランプ、キセノンランプなど)、超広帯域波長光源等を使用することができる。これらの低コヒーレンス光源の中でも、図3に示した輝度の高いSLD(波長、例えば1300nm)を光源110として用いることが好ましい。
【0049】
第1のスプリッタ120としては、例えば光ファイバカプラを用いる。但し、これに限定されるものではなく、参照光と測定光とに分けることが可能なものであればよい。また、第2のスプリッタ130についても、例えば光ファイバカプラを用いる。但し、これに限定されるものではなく、第1〜第4の測定光に分けることが可能なものであればよい。第1のスプリッタ120、第2のスプリッタ130としては、例えば光導波路型分波器、半透鏡などを用いてもよい。
【0050】
参照光反射手段140は、例えば参照ミラーにより構成される。参照ミラーとしては例えばコーナーキューブプリズム、平面ミラー等などが適用可能である。これらの中でも、反射光の入射光との平行性の観点からは、コーナーキューブプリズムを用いることが好ましい。但し、参照光を反射できれば、上記のものに限られず、例えばディレーラインなどで構成してもよい。
【0051】
光検出器160としては、低価格性、コンパクト性を考慮すれば、例えばフォトダイオードを用いて構成することが好ましい。具体的には例えばSiフォトダイオード、InGaAsフォトダイオード、Geフォトダイオードなどを用いたPD(Photo Detector)により構成する。但し、温度測定対象物からの測定光と参照光反射手段140からの参照光との干渉を測定できれば、上記のものに限られず、例えばアバランシェフォトダイオード、光電子増倍管などを用いて光検出器160を構成してもよい。光検出器160の検出信号は、増幅器171を介してA/D変換器172に入力され、デジタル信号に変換されてコントローラ170によって処理される。
【0052】
第1スプリッタ120からの参照光は、光ファイバ及びコリメータ28を介して、参照光反射手段140へ照射する参照光照射位置まで伝送されるようになっている。また、第2スプリッタ130からの第1〜第4測定光は夫々、光ファイバ20〜23及びコリメータ24〜27を介して、半導体ウエハW及びフォーカスリング29へ照射する測定光照射位置まで伝送されるようになっている。
【0053】
上記温度測定手段100では、第1〜第4測定光における第2スプリッタ130から温度測定対象物までの各光路長が夫々互いに異なるように構成されている。具体的には例えば光ファイバ20〜23の長さが夫々同一の場合は、例えばコリメータ24〜27の先端面、すなわち測定光照射位置が、温度測定対象物から照射方向に略平行な方向に夫々ずれるように配置される。また、コリメータ24〜27の先端面をずらすことなく、光ファイバ20〜23の長さを変えることにより、上記第1〜第4測定光における第2スプリッタ130から温度測定対象物までの各光路長が異なるようにしてもよい。
【0054】
なお、第1〜第4測定光における第2スプリッタ130から温度測定対象物までの各光路長の差は、少なくとも各測定ポイント毎に測定される第1〜第4測定光と参照光との干渉波が夫々重ならないようにする必要がある。例えば光源110として低コヒーレンス光源を使用する場合には、少なくとも干渉波のコヒーレンス長以上各光路長の差があれば、干渉波の重なりを防止することができる。また、このような各光路長の差は、温度測定対象物の厚さや厚さの変化率、測定する温度範囲、参照ミラーの移動距離などを考慮して決定することが好ましい。具体的には例えば0.7mm程度の厚みがあるシリコンウエハでは、常温から200℃くらいまでの温度範囲での参照ミラーの移動距離は0.04mm程度であるため、第1〜第4測定光における光路長の差が夫々0.1mm程度設ければ、各測定ポイント毎の干渉波が重ならないようにすることができる。
【0055】
これにより、参照光反射手段140を一度走査するだけで各第1〜第4測定光が照射された測定ポイントの干渉波を一度に検出することができる。このため、温度計測にかかる時間を極力短くすることができる。
【0056】
上記構成のプラズマ処理装置1では、図4に示すように、温度測定用窓12〜14から半導体ウエハWに向けて照射された温度測定用の測定光は、半導体ウエハWの裏面で反射されるとともに、半導体ウエハWの表面側で反射され、これらの反射光と参照光との干渉波が検出される。
【0057】
すなわち、図5(a)に示すように、半導体ウエハWの屈折率をn、半導体ウエハWの厚さをdとした時に、ndに相当する距離だけ離れた位置に、半導体ウエハWの裏面で反射された測定光の干渉波(図中に示す下)と、半導体ウエハWの表面側で反射された測定光の干渉波(図中に示す上)が検出される。そして、各測定ポイントまでの光路長が異なるように設定されていることから、図5(a)に示すように、光路長の差に相当する距離だけ離れた位置に夫々の測定ポイントの干渉波のピークが検出される。なお、図5(a)において、縦軸は光検出器の出力、横軸は参照光反射手段としてのミラーの移動距離である。また、図5(a)において、各測定ポイントの干渉波の波形を、実線、点線、一点鎖線、ニ点鎖線で、線種を変えて示してある。
【0058】
上記の温度測定手段100によって半導体ウエハW等の温度測定を行う際は、温度測定に先立って、温度測定対象物である半導体ウエハW等の初期厚さ測定を行う。この時、図5(a)に示したような波形が得られ、図5に示した「下」と「上」のピークの間隔として、半導体ウエハW等の初期厚さが得られる。そして、半導体ウエハW等の温度は、この初期厚さに対する厚さの変化、つまり、図5に示した「下」と「上」のピークの間隔の変化によって検出する。
【0059】
上記の温度測定手段100においては、光源110からの光は、第1スプリッタ120に入射され、第1スプリッタ120により測定光と参照光とに分けられる。このうち、測定光は、第2スプリッタ130により第1〜第n測定光に分けられて、夫々の測定ポイントにおいて半導体ウエハ等の温度測定対象物に照射され、各層の表面、境界面や裏面によって反射される。
【0060】
一方、参照光は、参照光反射手段140によって反射される。そして、第1〜第n測定光の各反射光は第2スプリッタ130を介して第1スプリッタ120へ入射し、参照光の反射光とともに、光検出器160で検出される。
【0061】
そして、参照光反射手段140を走査することによって、縦軸を光検出器160の出力、横軸を参照光反射手段140の移動距離とした図5(a)に示したような干渉波形が得られる。ここで、光源110としては、上述したような低コヒーレンス光源を用いている。低コヒーレンス光源によれば、光源110からの光のコヒーレンス長が短いため、通常は測定光の光路長と参照光の光路長とが一致した場所で強く干渉が起こり、それ以外の場所では干渉は実質的に低減するという特質がある。このため、参照光反射手段140を移動させ、参照光の光路長を変化させることにより、温度測定対象物の表面及び裏面の他、内部にさらに層があればその各層についても、これらの屈折率差によって反射した測定光と参照光が干渉する。
【0062】
次に、測定光と参照光との干渉波に基づいて温度を測定する方法についてさらに詳細に設明する。干渉波に基づく温度測定方法としては、例えば温度変化に基づく光路長変化を用いる温度換算方法がある。ここでは、上記干渉波形の位置ズレを利用した温度換算方法について説明する。
【0063】
半導体ウエハW等の温度測定対象物がプラズマ等の作用によって温められると、半導体ウエハW等は膨張して屈折率が変化するため、温度変化前と温度変化後では、干渉波形の位置がずれて、干渉波形のピーク間幅が変化する。このとき、各測定ポイントごとに温度変化があれば、測定ポイントごとに干渉波形の位置がずれて、干渉波形のピーク間幅が変化する。このような測定ポイントごとに干渉波形のピーク間幅を測定することにより温度変化を検出することができる。例えば図3に示すような温度測定手段100であれば、干渉波形のピーク間幅は、参照光反射手段140の移動距離に対応しているため、干渉波形のピーク間幅における参照光反射手段140の移動距離を測定することにより、温度変化を検出することができる。
【0064】
半導体ウエハWの厚さをdとし、屈折率をnとした場合、干渉波形についてのピーク位置のずれは、厚さdについては各層固有の線膨張係数αに依存し、また屈折率nの変化については主として各層固有の屈折率変化の温度係数βに依存する。なお、屈折率変化の温度係数βについては波長にも依存することが知られている。
【0065】
従って、ある測定ポイントPにおける温度変化後の半導体ウエハWの厚さd′を数式で表すと下記数式(1)に示すようになる。なお、数式(1)において、ΔTは測定ポイントの温度変化を示し、αは線膨張率、βは屈折率変化の温度係数を示している。また、d、nは、夫々温度変化前の測定ポイントPにおける厚さ、屈折率を示している。
【0066】
d′=d・(1+αΔT)、n′=n・(1+βΔT) …(1)
上記数式(1)に示すように、温度変化によって測定ポイントPを透過する測定光の光路長が変化する。光路長は一般に、厚さdと屈折率nとの積で表される。従って、温度変化前の測定ポイントPを透過する測定光の光路長をLとし、測定ポイントにおける温度が夫々ΔTだけ変化した後の光路長をL′とすると、L、L′は夫々下記の数式(2)に示すようになる。
【0067】
L=d・n 、 L′=d′・n′ …(2)
従って、測定ポイントにおける測定光の光路長の温度変化前後の差(L′−L)は、上記数式(1)、(2)により計算して整理すると、下記数式(3)に示すようになる。なお、下記数式(3)では、α・β≪α、α・β≪βを考慮して微小項を省略している。
【0068】
L′−L=d′・n′−d・n=d・n・(α+β)・ΔT
=L・(α+β)・ΔT …(3)
【0069】
ここで、各測定ポイントにおける測定光の光路長は、参照光との干渉波形のピーク間幅に相当する。従って、線膨張率α、屈折率変化の温度係数βを予め調べておけば、各測定ポイントにおける参照光との干渉波形のピーク間幅を計測することによって、上記数式(3)を用いて、各測定ポイントの温度に換算することができる。
【0070】
このように、干渉波から温度への換算する場合、上述したように干渉波形のピーク間で表される光路長が線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βによって変わるため、これら線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βを予め調べておく必要がある。半導体ウエハWを含めた物質の線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βは一般に、温度帯によっては、温度に依存する場合もある。例えば線膨張率αについては一般に、物質の温度が0〜100℃くらいの温度範囲ではそれほど変化しないので、一定とみなしても差支えないが、100℃以上の温度範囲では物質によっては温度が高くなるほど変化率が大きくなる場合もあるので、そのような場合には温度依存性が無視できなくなる。屈折率変化の温度係数βについても同様に温度範囲によっては、温度依存性が無視できなくなる場合がある。
【0071】
例えば半導体ウエハWを構成するシリコン(Si)の場合は、0〜500℃の温度範囲において線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βは例えば二次曲線で近似することができることが知られている。このように、線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βは温度に依存するので、例えば温度に応じた線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βを予め調べておき、その値を考慮して温度換算すれば、より正確な温度に換算することができる。
【0072】
なお、測定光と参照光との干渉波に基づく温度測定方法としては上述したような方法に限られることはなく、例えば温度変化に基づく吸収強度変化を用いる方法であってもよく、上記温度変化に基づく光路長変化と温度変化に基づく吸収強度変化とを組み合わせた方法であってもよい。
【0073】
上記のように、温度測定手段100においては、原理的に測定光の光路長に基づいて温度を測定するようになっており、温度測定対象の温度変化以外の原因で光路長が変化するとノイズの原因となり、精度良く温度測定対象の温度を測定することが困難になる。一方、図1に示したプラズマ処理装置1では、載置台3に温度測定用窓12〜15が設けられており、載置台3の上側は高真空雰囲気とされ、載置台3の下側は常圧雰囲気とされている。このため、載置台3は、圧力差によって撓んだり、静電チャック機構5内を流れる冷却用の温度調節媒体の流れ等に起因して振動等を生じ易くなっている。そして、このように載置台3に撓みや振動が生じると、載置台3とベースプレート9との間の距離が変動し、コリメータ24〜27と半導体ウエハW等との間の距離が変動して、温度測定手段100における光路長が変化してしまう。
【0074】
このため、本実施形態では、ベースプレート9と載置台3(RFプレート4)とを連結する連結部材30を設け、載置台3の変形や振動を抑制できるようになっている。これによって、温度測定手段100における光路長の変化が生じることを抑制することができ、ノイズの発生を抑制して、精度良く半導体ウエハW等の温度を測定することができるようになっている。そして、プラズマ処理中の半導体ウエハW等の温度を精度よく測定することができるので、この温度測定結果をフィードバックしてプラズマ処理の状態を制御することにより、精度の高いプラズマ処理を行うことができる。
【0075】
図6は、上記構成のプラズマ処理装置1において、実際にプラズマを発生させ半導体ウエハWの中心から75mmの位置、128mmの位置、143mmの位置、158mmの位置(フォーカスリング)の温度を測定した結果を示すものである。図6(a)は、載置台3と半導体ウエハWの裏面との間に供給する冷却用のヘリウムガスの圧力を2000Pa(15Torr)/5320Pa(40Torr)(前者は中心部と周辺部とで圧力を変化させた際の中心部の圧力、後者は周辺部の圧力)とした場合を示しており、この場合、プラズマを着火することにより、半導体ウエハWの温度は、20℃から65℃〜75℃に上昇した。一方、図6(b)は、ヘリウムガスの圧力を0Paとして、その供給を行わない場合を示している。この場合、ウエハWの中心から75mmの位置及び143mmの位置では、半導体ウエハWの温度が110℃を超えた。フォーカスリングの温度は、ヘリウムガスの有無によっては変化しなかった。
【0076】
上記のように、ベースプレート9と載置台3(RFプレート4)とを連結する連結部材としては、図1に示した形状のものに限らず、どのような形状のものを使用してもよい。また、図7に示すように、中空円筒状等の筒状に形成された筒状部材30aを各測定光の光路を囲むように配置してもよい。このような構成とすれば、筒状部材30a内の空気の流れ等を抑制することができ、測定光の光路の状態を良好な状態に維持することができ、空気の流れ等に起因するノイズの発生を抑制することができる。すなわち、前述したように、RFプレート4とベースプレート9との間の空隙10が大気なので、空気ゆらぎが光路に影響を与え、計測精度が悪化することも抑制することができる。
【0077】
また、上記の筒状部材30aに換えて、図8に示すように、内部を測定光が透過可能な材質、例えば、クォーツやサファイヤ等からなる柱状のロッド30b等を用いることもできる。
【0078】
ところで、載置台3を構成するRFプレート4と、静電チャック機構5とは、通常の場合、周縁部のみで締結されている。このため、RFプレート4とベースプレート9とを連結部材で連結しても、RFプレート4と、静電チャック機構5とが離間するように変形したり、振動したりする可能性がある。このため、図9に示すように、ねじ30c等によって、給電棒6の部分等の中心付近で、RFプレート4と静電チャック機構5とを締結した構成とすることが好ましい。なお、給電棒6とRFプレート4とは、図示しない締結機構で締結されている。
【0079】
ここで、上記のように、RFプレート4の下部に給電棒6が設けられた中央部等のRFプレート4とベースプレート9との間に構造物が存在する部位では、図1に示した構成の温度測定用窓12〜15等を設けることは困難であり、半導体ウエハWの中心付近等の温度を測定することが困難である。このため、図10に示すように、2枚のミラー40等によって、測定光の光路を一旦水平方向に屈曲させ、給電棒6の上部に位置するように配置された温度測定用窓12a等から半導体ウエハWの中央付近の温度を計測するよう構成することもできる。
【0080】
また、図11に示すように、2つのプリズム41を用いたり、図12に示すように一体型のプリズム42を用いて、測定光の光路を一旦水平方向に屈曲させて、給電棒6の上部に位置するように配置された温度測定用窓12a等から半導体ウエハWの中央付近の温度を計測するよう構成することもできる。このような構成は、例えば、フォーカスリング29が配置された載置台3の周辺部の温度を計測する場合についても、同様にして適用することができる。また、対向電極11側から半導体ウエハWの温度を計測する場合についても、同様にして適用することができる。
【0081】
上記した各実施形態では、コリメータ24〜27をベースプレート9に固定した場合について説明したが、図13に示す実施形態のように、コリメータ24〜27を、載置台3(図13ではRFプレート4)に固定した構成とすることもできる。このような構成とすれば、コリメータ24〜27と、温度測定対象である半導体ウエハW等とをより近接させることができ、載置台3の変形や振動に起因する測定光の光路長の変動を、より抑制することができる。また、この場合、RFプレート4とベースプレート9との間の空隙10内の空気ゆらぎが光路に影響を与えて計測精度が悪化することもない。
【0082】
なお、図13では、コリメータ24〜27をRFプレート4に固定した場合を示してあるが、静電チャック機構5にコリメータ24〜27を固定した構成とすることもできる。このような構成とすれば、より一層載置台3の変形や振動に起因する測定光の光路長の変動を抑制することができる。但し、この場合、コリメータ24〜27による光路の調整等のメンテナンス性が損なわれる。
【0083】
図1に示したように、真空チャンバ2内には、載置台3の上方に、載置台3と対向するように上部電極11が設けられている。そして、この上部電極11の載置台3との対抗面には、シリコン等の赤外線を透過可能な材料からなるセルが配置された構成となっている場合がある。このような場合、図14に示すように、温度測定用窓12〜14(及び温度測定用窓15)から、半導体ウエハW(及びフォーカスリング29)を介してセル11aに測定光を照射し、セル11aの下側面及び上側面からの反射光を測定することによって、セル11aの温度を測定することができる。
【0084】
この場合、半導体ウエハWの厚さをd、屈折率をn、半導体ウエハWからセル11aまでの距離をL、セル11aの厚さをD、屈折率をNとした時に、各測定チャンネルにおいて、図5(b)に示すように、半導体ウエハWの下側面からの干渉信号が検出された後、L+ndに相当する距離離れた位置にセル11aの下側面からの干渉信号が検出される。また、このセル11aの下側面からの干渉信号が検出された後、NDに相当する距離離れた位置にセル11aの上側面からの干渉信号が検出される。そして、セル11aの下側面からの干渉信号と上側面からの干渉信号との距離の変化から、セル11aの温度を測定することができる。
【0085】
また、図15に示すように、載置台3上から半導体ウエハWを取り除いた場合、図16に示すように、半導体ウエハWなしの場合(a)と、半導体ウエハWありの場合(b)とで、セル11aからの反射光の干渉位置が(n−1)d0だけずれるので、初期位置を変更する必要がある。
【0086】
図17は、上記セル11aの温度を測定する際の手順を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、載置台とセルの温度の設定を行い(ステップ170)、半導体ウエハWが入っていない状態でセル11aの表面の初期位置X0と初期厚さD0を計測する(ステップ171)。
【0087】
次に、セル11aの表面の初期位置をX1とする工程を行う(ステップ172)。
【0088】
次に、半導体ウエハWを搬入して載置台3上に配置し(ステップ173)、半導体ウエハWの下側面の初期位置x0と初期厚さd0を計測する(ステップ174)。
【0089】
この後、セル11aの表面の初期位置をX1、初期厚さをD0、半導体ウエハWの下側面の初期位置x0、初期厚さd0として、温度計測を開始する(ステップ175)。
【0090】
図18は、上記した工程により、プラズマ処理中のセル11aの温度(a)及びフォーカスリング29の温度(b)を測定した結果の一例を示している。同図に示すように、セル11aの温度は、220℃以上に上昇する。また、フォーカスリング29の温度は、80〜90℃程度である。
【0091】
上記のように、半導体ウエハWの温度だけでなく、セル11aやフォーカスリング29の温度を測定することもできるので、より精緻にプラズマ処理のプロセスを制御することが可能となり、より高精度なプラズマ処理を行うことができる。また、セル11aやフォーカスリング29の消耗度も同時にモニターすることができるので、セル11aやフォーカスリング29の交換時期を知ることができ、また、セル11aやフォーカスリング29の消耗度に合わせてプラズマ処理のプロセスを制御することもできる。この場合、セル11aやフォーカスリング29をより長期に亘って使用することが可能となり、その寿命の長期化によるランニングコストの低減、装置の稼働率の向上による生産性の向上等を図ることができる。
【0092】
図19は、温度測定用窓12〜15の変形例の構成を示すものである。図19(a)に示す温度測定用窓では、スリーブ52の上側端部に内側に向けて突出する突出部52bが設けられており、窓材53をこの突出部52bで支持するようになっている。また、スリーブ52の上側まで保護膜57が設けられている構成となっている。
【0093】
図19(b)に示す温度測定用窓は、スリーブ52が上記した突出部52bを具備せず、窓材53の上端の周縁部が、保護膜57に当接する構造となっている。また、図19(c)に示す温度測定用窓は、スリーブ52が上記した突出部52bを具備せず、かつ、保護膜57が窓材53の上端の周縁部と当接しておらず、窓材53の上端が静電チャック機構5の表面まで延在した構造となっている。
【0094】
図19(d)に示す温度測定用窓は、図19(a)の場合と同様に突出部52bが設けられたスリーブ52の上端が、静電チャック機構5の表面まで延在した構造となっている。また、図19(e)に示す温度測定用窓は、図19(b)の場合と同様に突出部52bの無いスリーブ52を用い、その上端が、静電チャック機構5の表面まで延在した構造となっている。
【0095】
図19(f)に示す温度測定用窓は、図19(a)の場合と同様に突出部52bが設けられたスリーブ52の表面を、保護膜57で覆った構造となっている。また、図19(g)に示す温度測定用窓は、図19(b)の場合と同様に突出部52bの無いスリーブ52スリーブ52を用い、その表面を、保護膜57で覆った構造となっている。
【0096】
さらに、図19(h)に示す温度測定用窓は、図19(g)の場合と同様に突出部52bの無いスリーブ52を用い、その表面を、保護膜57で覆い、かつ、スリーブ52内に窓材53を設けていない構造となっている。この場合、表面に設けられた保護膜57で真空切りが行われており、保護膜57を圧力差に耐え得る強度を有する材質とすることが必要となる。
【0097】
なお、温度測定用窓12〜15については、上記の構成のものに限らず、各種の変形が可能である。例えば、図20(a)、(b)に示すように、スリーブ52の上端部に、外側に向けて拡径する段部52cを設け、上端部に外側に向けて突出するフランジ部53bを有する窓材53を、段部52cにフランジ部53bを当接させることによって支持した構成とすることもできる。この場合、図20(b)に示すように、窓材53を、静電チャック機構5の表面側から脱着することができ、例えば、窓材53に汚れ、破損、消耗等が生じた場合に容易に交換することができる。なお、図20において、54は、真空シール用Oリングである。
【0098】
上記の各実施形態では、図1等に示したとおり、載置台3が、導電性材料から構成され、高周波電力が印加されるRFプレート4と、このRFプレート4上に設けられ、半導体ウエハWを吸着するための静電チャック機構5とを具備した構成の場合について説明した。しかし、例えば図21に示すように、載置台3aが、RFプレート4aと静電チャック機構5aとが一体となる構成とされているプラズマ処理装置1についても同様にして適用することができる。また、この場合、図22に示すように、RFプレート4aと静電チャック機構5aとが一体となる構成とされた載置台3aの下部に、絶縁材3bが設けられているプラズマ処理装置1についても同様にして適用することができる。なお、図21、22において、図1と対応する部分には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0099】
次に、図23、24を参照して、本発明の変形例の構成について説明する。図23は、変形例の構成を側方から見た概略構成を示す図であり、図24は、上方から見た概略構成を示す図である。この変形例においても、図3に示した温度測定手段100と同様に構成され、光源110からの光を利用して温度測定を行う温度測定手段を用いることは、前述した実施形態と同様である。
【0100】
図23、24に示すように、この変形例では、真空チャンバ2の側壁部に、真空チャンバ2の内外とで光が透過可能な窓部(温度測定用窓)210を形成する。また、フォーカスリング29の上に光路変更手段としてのプリズム220を設ける。このプリズム220は、石英製の枠221によってフォーカスリング29に固定されている。このプリズム220の設置位置は、窓部210に近接した位置とすることが好ましく、窓部210に最も近接したフォーカスリング29上とすることが最も好ましい。なお、光路変換手段としては、プリズム220に限られるものでなく、効率良く測定光の光路を変更できるものであればどのような光路変更手段を用いてもよい。
【0101】
そして、窓部210の外側に、光ファイバ23が接続されたコリメータ27を設け、図示しない光源からの測定光を光ファイバ23を通して、コリメータ27から射出させ、窓部210を透過させて真空チャンバ2内に入射させる。この入射させた測定光を、図23中に矢印で示すようにプリズム220によって略直角に下側に向けて光路変更してフォーカスリング29に照射し、フォーカスリング29で反射された測定光を、プリズム220によって略直角に水平方向に向けて光路変更して窓部210に戻し、コリメータ27に入射させる。そして、この測定光を、コリメータ27から光ファイバ23を通じて温度検出手段の図示しない光検出器に送り、前述した実施形態と同様にして温度を測定する。このような構成によれば、測定光が大気雰囲気内を通過しないので、空気ゆらぎが光路に影響を与え、計測精度が悪化することはない。また、前述した実施形態のような載置台3の大幅な加工が不要であり、また、エッチングの終点検出用の窓等を共用すれば新たに真空チャンバ2に窓部210を設ける必要もなく、簡易にフォーカスリング29の温度を測定することができる。
【0102】
なお、上記のプリズム220等を複数設けて、フォーカスリング29の複数個所の温度を測定するようにしてもよい。この場合、1つの窓部210の外側に、複数の光ファイバ23とコリメータ27との組を設け、角度を変え、別のプリズム220に向けて測定光を照射するようにしてもよい。また、窓部210を例えば180°間隔で2箇所設け、これらの窓部210から、フォーカスリング29の180°離れた箇所の温度を測定するようにしてもよい。
【0103】
また、前述した図1等に示した実施形態では、半導体ウエハWの温度を3箇所、フォーカスリング29の温度を1箇所測定するようにしたが、このうち、フォーカスリング29の温度の測定のみを、上記の変形例のようにして測定することもできる。なお、この変形例では、フォーカスリング29上にプリズム220等の光路変換手段を設けなければならないため、製品製造を行っている通常のプラズマ処理中の温度測定に適用するよりも、例えば、製品製造以前の評価段階等で使用することが、主な使用目的となる。
【0104】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0105】
1……プラズマ処理装置、2……真空チャンバ、3……載置台、4……RFプレート、5……静電チャック機構、6……給電棒、7……バッフル板、8……排気空間、9……ベースプレート、10……空隙、11……対向電極、12〜15……温度測定用窓、20〜23……光ファイバ、24〜27……コリメータ、29……フォーカスリング、30……連結部材、W……半導体ウエハ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容してプラズマにより処理するための真空チャンバと、
前記真空チャンバ内に設けられ、基板が載置される載置台と、
前記載置台の下方に、前記載置台と間隙を設けて配設されたベースプレートと、
光源と、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるためのスプリッタと、前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記測定光を前記基板に照射するための光ファイバ及び当該光ファイバの出口部分に設けられたコリメータと、前記基板から反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器と、を有する温度測定手段と
を具備し、前記載置台の上方が真空雰囲気とされ、前記載置台と前記ベースプレートとの間の間隙が常圧雰囲気とされるプラズマ処理装置であって、
前記載置台の上面と下面とを前記測定光が透過可能なように光学的に連通し、かつ、気密封止された温度測定用窓を設けるとともに、
前記載置台と前記ベースプレートとの間の間隙に、前記載置台と前記ベースプレートとを連結する部材を設け、かつ、
前記コリメータを前記ベースプレートの前記温度測定用窓に対応する位置に固定し、
前記温度測定用窓から前記温度測定手段によって前記基板の温度を測定可能とした
ことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
請求項1記載のプラズマ処理装置であって、
前記載置台と前記ベースプレートとの間の、前記測定光の光路に、内部を前記測定光が通過可能なロッド又は中空の筒状体を設けたことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のプラズマ処理装置であって、
前記載置台に、前記測定光の光路を側方及び上下方向に向けて屈曲させるミラー又はプリズムを設け、前記載置台と前記ベースプレートとの間に構造物が存在する部位の上方の部位の温度を測定可能としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項記載のプラズマ処理装置であって、
前記載置台が、高周波電力が印加される導電性材料からなるRFプレートと、
前記RFプレート上に設けられ、前記基板を吸着するための静電チャック機構と
を具備したことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項5】
請求項4記載のプラズマ処理装置であって、
前記RFプレートと、前記静電チャック機構とを、周辺部及び中央部の双方で固定するよう構成したことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項6】
請求項1〜3いずれか1項記載のプラズマ処理装置であって、
前記載置台は、高周波電力が印加される導電性材料からなるRFプレートと前記基板を吸着するための静電チャック機構とが一体となる構成としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項7】
基板を収容してプラズマにより処理するための真空チャンバと、
前記真空チャンバ内に設けられ、基板が載置される載置台と、
前記載置台の下方に、前記載置台と間隙を設けて配設されたベースプレートと、
光源と、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるためのスプリッタと、前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記測定光を前記基板に照射するための光ファイバ及び当該光ファイバの出口部分に設けられたコリメータと、前記基板から反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器と、を有する温度測定手段と
を具備し、前記載置台の上方が真空雰囲気とされ、前記載置台と前記ベースプレートとの間の間隙が常圧雰囲気とされるプラズマ処理装置であって、
前記載置台の上面と下面とを前記測定光が透過可能なように光学的に連通し、かつ、気密封止された温度測定用窓を設けるとともに、
前記コリメータを前記載置台の前記温度測定用窓に対応する位置に固定し、
前記温度測定用窓から前記温度測定手段によって前記基板の温度を測定可能とした
ことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項8】
請求項7記載のプラズマ処理装置であって、
前記載置台が、高周波電力が印加される導電性材料からなるRFプレートと、
前記RFプレート上に設けられ、前記基板を吸着するための静電チャック機構と
を具備し、前記コリメータを前記RFプレート又は前記静電チャック機構に固定した
ことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項9】
請求項7記載のプラズマ処理装置であって、
前記載置台は、高周波電力が印加される導電性材料からなるRFプレートと前記基板を吸着するための静電チャック機構とが一体となる構成とし、
前記コリメータを前記RFプレートに固定した
ことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項10】
請求項1〜9いずれか1項記載のプラズマ処理装置であって、
前記温度測定手段が、前記スプリッタからの測定光を、さらにn個の第1〜第n測定光に分けるための第2スプリッタを具備し、当該第2スプリッタからの複数の測定光によって複数の部位の温度を測定可能とされていることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項11】
請求項1〜9いずれか1項記載のプラズマ処理装置であって、
前記真空チャンバ内に、前記載置台と対向するように対向電極が設けられ、前記温度測定手段が、前記温度測定用窓及び前記載置台上の前記基板を介して前記対向電極の部位の温度を測定可能とされていることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項12】
基板を収容してプラズマにより処理するための真空チャンバと、
前記真空チャンバ内に設置されたフォーカスリングと、
前記真空チャンバの壁部に設けられ、前記真空チャンバの内外とで光が透過可能な窓部と、
光源と、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるためのスプリッタと、前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記測定光を前記フォーカスリングに照射するための光ファイバ及び当該光ファイバの出口部分に設けられたコリメータと、前記フォーカスリングから反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器と、を有する温度測定手段と、
を具備したプラズマ処理装置であって、
前記窓部の外側に前記コリメータを配置し、前記コリメータから射出された測定光が、前記窓部を透過し前記フォーカスリング上に設けられた光路変更手段により光路変更されて前記フォーカスリングに照射され、前記フォーカスリングで反射された測定光が、前記光路変更手段により光路変更されて前記窓部に戻り、前記コリメータに入射するようにして前記フォーカスリングの温度を測定可能とされたことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項13】
請求項12記載のプラズマ処理装置であって、
前記光路変更手段が、プリズムであることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項14】
請求項12又は13記載のプラズマ処理装置であって、
前記光路変更手段は、前記フォーカスリング上に設けられた枠部に固定されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項15】
基板を収容してプラズマにより処理するための真空チャンバと、
前記真空チャンバ内に設置されたフォーカスリングとを具備したプラズマ処理装置の前記フォーカスリングの温度を測定する温度測定方法であって、
前記真空チャンバの壁部に前記真空チャンバの内外とで光が透過可能な窓部を形成するとともに、
光源と、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるためのスプリッタと、前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記測定光を前記フォーカスリングに照射するための光ファイバ及び当該光ファイバの出口部分に設けられたコリメータと、前記フォーカスリングから反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器と、を有する温度測定手段の前記コリメータを前記窓部の外側に配置し、
前記コリメータから射出された測定光が、前記窓部を透過し前記フォーカスリング上に設けられた光路変更手段により光路変更されて前記フォーカスリングに照射され、前記フォーカスリングで反射された測定光が、前記光路変更手段により光路変更されて前記窓部に戻り、前記コリメータに入射するようにして前記フォーカスリングの温度を測定することを特徴とする温度測定方法。
【請求項16】
請求項15記載の温度測定方法であって、
前記光路変更手段が、プリズムであることを特徴とする温度測定方法。
【請求項17】
請求項15又は16記載の温度測定方法であって、
前記光路変更手段は、前記フォーカスリング上に設けられた枠部に固定されていることを特徴とする温度測定方法。
【請求項18】
真空チャンバ内に設置されたフォーカスリングの温度を測定する温度測定装置であって、
光源と、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるためのスプリッタと、前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記測定光を前記フォーカスリングに照射するための光ファイバ及び当該光ファイバの出口部分に設けられたコリメータと、前記フォーカスリングから反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器と、を有する温度測定手段と、
前記真空チャンバの壁部に形成された窓部の外側に配置された前記コリメータから射出され前記窓部を透過した測定光を、光路変更して前記フォーカスリングに照射し、前記フォーカスリングで反射した測定光を、光路変更して前記窓部に戻し前記コリメータに入射させるための光路変換手段と
を具備したことを特徴とする温度測定装置。
【請求項19】
請求項18記載の温度測定装置であって、
前記光路変更手段が、プリズムであることを特徴とする温度測定装置。
【請求項20】
請求項18又は19記載の温度測定装置であって、
前記光路変更手段は、前記フォーカスリング上に設けられた枠部に固定されていることを特徴とする温度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−199526(P2010−199526A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74603(P2009−74603)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】