説明

不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法

【課題】中空円筒型の半導体ピラーに適用でき、高濃度で位置制御性の高いソースドレイン拡散層を低製造コストで実現する不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1方向に交互に積層された複数の絶縁膜14及び複数の電極膜WLを有する積層構造体MLと、積層構造体MLの上に積層された選択ゲート電極SG及び絶縁層16と、半導体ピラーSPと、芯部68と、第1導電層18と、を備える。半導体ピラーSPは、積層構造体ML、選択ゲート電極SG及び絶縁層16を第1方向に貫通し、第1方向に直交する平面で切断した時の断面が環状である。芯部68は、半導体ピラーSPの内側に埋め込まれ、絶縁層16の上面から後退している。第1導電層18は、芯部68の上に、芯部68に接触して設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法に関し、特に、基板上に複数の絶縁膜及び電極膜が交互に積層された不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィーの微細化に頼らずにメモリの高密度化を実現する技術として、例えば、多層配線間にonetime-programmable素子を挟む構造や、シリコン膜のエピタキシャル成長を繰り返すことで従来のNAND型フラッシュメモリを複数層形成する構造等が提案されているが、これらの方法では、積層数を増すとともにリソグラフィー回数が増大するという問題がある。
【0003】
それらに代わる技術として、積層型垂直メモリが提案された(例えば、特許文献1参照)。この技術においては、何層も積層された積層電極に対して、一括で貫通孔を形成し、貫通孔の内壁に電荷蓄積層などのメモリ膜を形成した後、内部をポリシリコン膜で埋め込むことにより、積層されたメモリ素子からなるメモリストリングを一度に形成する。これにより、積層数を増してもリソグラフィー工程数がほとんど増加しないメモリが実現される。
【0004】
このような積層型垂直メモリにおいて、ポリシリコンチャネルトランジスタの特性向上のために、メモリストリングとなる半導体ピラーを中空円筒形状とする技術もある。これにより、半導体ピラーが薄膜化され、ポリシリコン膜中準位の影響を低減し、メモリセルの特性ばらつきを改善することができる。
【0005】
しかしながら、半導体ピラーを中空円筒形状として薄膜化させて体積を減少させた場合、ソースドレイン拡散層やチャネル部分の不純物濃度は、比較的高く設定する必要がある。このために、積層構造体の表面から高加速・高電流のイオン注入を行うと、処理時間が長くなり、製造コストの上昇と、積層構造体における深い位置での位置制御性の課題を有する。
【0006】
このように、中空円筒型の半導体ピラーを用いつつ、高濃度で位置制御性の高いソースドレイン拡散層の構造が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−266143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、中空円筒型の半導体ピラーに適用でき、高濃度で位置制御性の高いソースドレイン拡散層を低製造コストで実現する不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、第1方向に交互に積層された複数の絶縁膜及び複数の電極膜を有する積層構造体と、前記第1方向において前記積層構造体の上に積層された選択ゲート電極と、前記第1方向において前記選択ゲート電極の上に積層された絶縁層と、前記積層構造体、前記選択ゲート電極及び前記絶縁層を前記第1方向に貫通し、前記第1方向に直交する平面で切断した時の断面が環状である半導体ピラーと、前記半導体ピラーの内側に埋め込まれ、前記絶縁層の上面から後退した芯部と、前記芯部の上に、前記芯部に接触して設けられた第1導電層と、を備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置が提供される。
【0010】
また、本発明の他の一態様によれば、基板の主面の上に絶縁膜と電極膜とを交互に積層して積層構造体を形成し、前記積層構造体の上に選択ゲート電極を形成し、前記選択ゲート電極の上に絶縁層を形成し、少なくとも前記選択ゲート電極と前記絶縁層とを、前記主面に対して垂直な第1方向に貫通する第1貫通ホールを形成して、前記第1貫通ホールの内側面に半導体膜を形成し、前記半導体膜の内側に芯部を形成し、前記芯部を後退させ、前記半導体膜に不純物を導入することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法が提供される。
【0011】
また、本発明の他の一態様によれば、基板の主面の上に絶縁膜と電極膜とを交互に積層して積層構造体を形成し、前記積層構造体の上に選択ゲート電極を形成し、前記選択ゲート電極の上に絶縁層を形成し、前記選択ゲート電極を前記主面に対して垂直な第1方向に貫通する第2貫通ホールと、前記絶縁層を前記第1方向に貫通して前記第2貫通ホールと連通し前記絶縁層の上端における径が前記第2貫通ホールよりも大きい第3貫通ホールと、を形成し、前記第2貫通ホール及び前記第3貫通ホールの内側面に半導体膜を形成し、前記半導体膜の前記選択ゲート電極の側の部分に不純物を注入することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、中空円筒型の半導体ピラーに適用でき、高濃度で位置制御性の高いソースドレイン拡散層を低製造コストで実現する不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図4】図3に続く工程順模式的断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成及び製造方法を例示する模式的断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成及び製造方法を例示する模式的断面図である。
【図7】図6に続く工程順模式的断面図である。
【図8】本発明の第4の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成及び製造方法を例示する模式的断面図である。
【図9】本発明の第5の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成及び製造方法を例示する模式的断面図である。
【図10】図9に続く工程順模式的断面図である。
【図11】本発明の第6の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の別の製造方法を例示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
なお、図2においては、図を見易くするために、導電部分のみを示し、絶縁部分は図示を省略している。
【0016】
まず、図2を用いて、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成の概要の一例を説明する。
本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置110は、3次元積層型のフラッシュメモリであり、後述するように、不揮発性半導体記憶装置110においては、セルトランジスタが3次元マトリクス状に配列される。また、各セルトランジスタには電荷蓄積層が設けられており、この電荷蓄積層に電荷を蓄積させることにより、各セルトランジスタがデータを記憶するメモリセルとして機能する。
【0017】
図2に表したように、不揮発性半導体記憶装置110においては、例えば単結晶シリコン等の半導体からなる基板11が設けられる。なお、基板11においては、メモリセルが形成されるメモリアレイ領域と、メモリセルを駆動する回路領域とが設定されている。図2は、メモリアレイ領域の構成を例示しており、回路領域の図示は省略されている。
【0018】
メモリアレイ領域においては、基板11の主面11a上に、積層構造体MLが形成されている。積層構造体MLにおいては、電極膜WLと絶縁膜14とが交互に積層されている。
【0019】
ここで、本願明細書において、説明の便宜上、XYZ直交座標系を導入する。この座標系においては、基板11の主面11aに対して垂直な方向をZ軸方向(第1方向)とする。そして、主面11aに対して平行な平面内の1つの方向をX軸方向(第2方向)とする。そして、Z軸とX軸とに垂直な方向をY軸方向(第3方向)とする。
すなわち、積層構造体MLにおける電極膜WLと絶縁膜14の積層方向は、Z軸方向である。
【0020】
そして、積層構造体MLをZ軸方向に貫通する半導体ピラーSPが設けられている。
【0021】
そして、積層構造体MLの上方には、選択ゲート電極SGが設けられる。選択ゲート電極SGには、任意の導電材料を用いることができ、例えばポリシリコンを用いることができる。選択ゲート電極SGは、導電膜が一定の方向に沿って分断されて形成されたものであり、本具体例では選択ゲート電極SGは、Y軸方向に沿って分断されている。すなわち、選択ゲート電極SGは、X軸方向に延在する複数本の配線状の導電部材である。
【0022】
一方、電極膜WLは、XY平面に平行な導電膜であり、例えば、消去ブロック単位で分断される。なお、電極膜WLも、選択ゲート電極SGと同様に、例えばX軸方向に延在するように分断されていても良い。
【0023】
そして、積層構造体ML及び選択ゲート電極SGには、積層方向(Z軸方向)に延びる複数の貫通ホールTHが形成され、その内部の側面に絶縁膜が設けられ、その内側の空間に半導体材料が埋め込まれて半導体ピラーSPとなる。
【0024】
半導体ピラーSPは、X−Y平面に複数設けられ、本具体例では、Y軸方向に隣接して並ぶ2つの半導体ピラーSPは1つのペアとなる。すなわち、不揮発性半導体記憶装置110は、第1半導体ピラーSP1と第2半導体ピラーSP2とを基板11の側で電気的に接続する第1接続部CP1(接続部CP)をさらに備える。すなわち、第1及び第2半導体ピラーSP1及びSP2は、第1接続部CP1によって接続され、U字形状の1つのNANDストリングとして機能する。また、第2半導体ピラーSP2において、Y軸方向において第1半導体ピラーSP1とは反対の側で隣接する第3及び第4半導体ピラーSP3及びSP4とが第2接続部CP2によって接続され、U字形状の別のNANDストリングとして機能する。このように、2つずつの半導体ピラーSPがペアとなる。
【0025】
そして、例えば、2つのU字形状のNANDストリングにおいて内側で隣接する2本の半導体ピラー(半導体ピラーSP2及びSP3)はソース線SLに接続され、外側の2本の半導体ピラー(半導体ピラーSP1及びSP4)は、貫通電極V1及びV2によってそれぞれ同一のビット線BLに接続されている。
【0026】
このように、積層型垂直メモリおいて、メモリストリングをU字形状に接続することにより、メモリストリングの下部でのポリシリコン・コンタクトが不要となり、メモリ膜構成の自由度が増す。
【0027】
すなわち、積層型垂直メモリおいては、メモリ素子のゲート絶縁膜を、チャネルとなるポリシリコン膜の前に形成する必要がある。この時、メモリストリングに電流を流すために半導体ピラーSPの下部では良好なポリシリコン−ポリシリコン・コンタクトを得る必要があり、例えば、希釈フッ酸系の処理に耐えうるメモリ膜構成を用いる必要があり、メモリ膜構成に制約がある。これに対し、上記のように、メモリストリングをU字形状とすることで、この制約が解除でき、例えば、上記の積層型垂直メモリの更なる高密度化方法として多値化技術等を推進する場合等に有利になる。
【0028】
ただし、後述するように、本発明は、これに限らず、それぞれの半導体ピラーSPが独立していても良く、この場合には各半導体ピラーSPは接続部CPによって接続されない。この場合には、積層構造体MLの上部及び下部に半導体ピラーSPを選択するための選択ゲート電極がそれぞれ設けられる。以下では、2本の半導体ピラーSPが接続部CPによって接続される場合として説明する。
【0029】
なお、ここで、半導体ピラーの全体または任意の半導体ピラーを指す場合には、「半導体ピラーSP」と言い、特定の半導体ピラーを指す場合に、「半導体ピラーSPN」(Nは1以上の任意の整数)と言うことにする。
【0030】
なお、半導体ピラーSP1及びSP4に対応する電極膜が共通に接続され、半導体ピラーSP2及びSP3に対応する電極膜が共通に接続される。同様に、0以上の整数であるMにおいて、上記のNが(4M+1)及び(4M+4)である半導体ピラーSP(4M+1)及びSP(4M+4)に対応する電極膜が共通に接続され、Nが(4M+2)及び(4M+3)である半導体ピラーSP(4M+2)及び(4M+3)に対応する電極膜が共通に接続される。
【0031】
すなわち、電極膜WLは、X軸方向に対向して櫛歯状に互いに組み合わされた、交叉指形電極(inter digital electrodeまたはmulti-finger electrode)の構造を有することができる。
【0032】
そして、X軸方向における両端において、半導体ピラーSP(4M+1)及びSP(4M+4)に対応する電極膜WLと、半導体ピラーSP(4M+2)及び(4M+3)に対応する電極膜WLと、は、例えば基板11に設けられる周辺回路と電気的に接続される。すなわち、例えば、特許文献1に記載されている「階段構造」のように、Z軸方向に積層された各電極膜WLのX軸方向における長さが階段状に変化させられており、X軸方向のそれぞれの端で、それぞれの電極膜WLは周辺回路と接続される。
【0033】
これにより、半導体ピラーSP1と半導体ピラーSP2とに対応する同層のメモリセルは互いに独立して動作でき、そして、半導体ピラーSP3と半導体ピラーSP4とに対応する同層のメモリセルは互いに独立して動作できる。
【0034】
なお、半導体ピラーSP(4M+1)及びSP(4M+4)に対応する電極膜と、半導体ピラーSP(4M+2)及び(4M+3)に対応する電極膜と、との組み合を1つの消去ブロックとすることができ、消去ブロックごとに、それぞれの電極膜が分断される。
なお、各消去ブロックに含まれる半導体ピラーのX軸方向及びY軸方向における数は任意である。
【0035】
図1は、不揮発性半導体記憶装置110の一部の構成を例示している。すなわち、同図(a)は図2に例示した半導体ピラーSP1を例示しており、同図(b)は、半導体ピラーSP1の積層構造体MLに対応する部分をさらに拡大して例示している。
【0036】
図1(a)及び(b)に表したように、基板11の主面11aの上に層間絶縁膜11bが設けられ、その上にバックゲートBGが設けられ、その上に積層構造体MLが設けられる。積層構造体MLにおいては、複数の絶縁膜14及び複数の電極膜WLが、Z軸方向(第1方向)に交互に積層されている。
【0037】
そして、Z軸方向において積層構造体MLの上に選択ゲート電極SGと、Z軸方向において選択ゲート電極SGの上に絶縁層16が設けられている。
【0038】
そして、積層構造体ML、選択ゲート電極SG及び絶縁層16をZ軸方向に貫通する半導体ピラーSPが設けられている。そして、半導体ピラーSPは、Z軸に直交する平面で切断した時の断面が環状である。すなわち、半導体ピラーSPは、中空円筒形状を有する。
【0039】
そして、半導体ピラーSPの内側には、芯部68が埋め込まれている。この芯部68の上端は、絶縁層16の上端よりも下方に後退している。すなわち、芯部68は、絶縁層16の上面から後退している。
【0040】
そして、半導体ピラーSPの内側において、芯部68の上(Z軸方向における上)には、第1導電層18が設けられている。
【0041】
なお、本発明はこれに限らず、後述するように、第1導電層18は、半導体ピラーSPの内側及び半導体ピラーSPの上の少なくともいずれかにおいて、芯部68の上に設けられれば良い。
【0042】
絶縁層16には任意の絶縁材料を用いることができ、例えばSiOを用いることができる。半導体ピラーSPには、任意の半導体材料を用いることができ、例えばポリシリコンやアモルファスシリコン等を用いることができる。芯部68には、任意の絶縁材料を用いることができ、例えばSiNを用いることができる。第1導電層18には、任意の導電材料を用いることができ、例えば、不純物を添加したポリシリコンを用いることができる。
【0043】
図1(b)に表したように、半導体ピラーSPと電極膜WLとの間にメモリ部積層膜61が設けられている。メモリ部積層膜61は、電荷蓄積層63と、電極膜WLと電荷蓄積層63との間に設けられた第1メモリ部絶縁膜61aと、半導体ピラーSPと電荷蓄積層63との間に設けられた第2メモリ部絶縁膜61bと、を有する。
【0044】
すなわち、積層構造体MLをZ軸方向に貫通する貫通ホールTHが設けられ、その内壁に第2メモリ部絶縁膜61b、電荷蓄積層63及び第1メモリ部絶縁膜61aの積層膜からなるメモリ部積層膜61が設けられ、メモリ部積層膜61の内側の側面に中空円筒形状の半導体ピラーSPが設けられている。
【0045】
ただし、本実施形態が適用される不揮発性半導体記憶装置は、上記に限らず、電極膜WLと絶縁膜14とが交互に積層された積層構造体MLを積層方向に貫通する半導体ピラーが設けられる構造であれば良く、上記のメモリ部積層膜61の構造は任意である。例えば、電荷蓄積層63、第1メモリ部絶縁膜61a及び第2メモリ部絶縁膜61bの少なくともいずれかの、少なくとも一部が、電極膜WLどうしの間に設けられていても良い。
【0046】
電極膜WLには、任意の導電材料を用いることができ、例えば、不純物が導入されて導電性が付与されたアモルファスシリコンまたはポリシリコンを用いることができ、また、金属及び合金なども用いることができる。電極膜WLには、回路領域に形成されたドライバ回路(図示せず)によって所定の電位が印加され、不揮発性半導体記憶装置110のワード線として機能する。
【0047】
一方、絶縁膜14、第1メモリ部絶縁膜61a及び第2メモリ部絶縁膜61bには、例えばシリコン酸化物が用いられる。
【0048】
絶縁膜14は、電極膜WLどうしを絶縁する層間絶縁膜として機能する。電極膜WLと電荷蓄積層63との間に設けられる第1メモリ部絶縁膜61aはブロック絶縁膜として機能し、半導体ピラーSPと電荷蓄積層63との間に設けられる第2メモリ部絶縁膜61bはトンネル絶縁膜として機能する。
【0049】
電荷蓄積層63には、例えばシリコン窒化膜を用いることができ、半導体ピラーSPと電極膜WLとの間に印加される電界によって、電荷を蓄積または放出し、記憶層として機能する。電荷蓄積層63は単層膜でも良く、また積層膜であっても良い。
そして、半導体ピラーSPと電極膜WLとが対向する部分の近傍領域が1つのメモリセルMCとなる。
【0050】
このような構造を有する不揮発性半導体記憶装置の実施例について以下説明する。
(第1の実施例)
図1に表したように、第1の実施例の不揮発性半導体記憶装置111は、図1に例示した不揮発性半導体記憶装置110の構造を有する。
不揮発性半導体記憶装置111においては、選択ゲート電極SGには、例えば厚さ200nm(ナノメートル)のpポリシリコンが用いられ、絶縁層16には、例えば厚さ300nmのTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)膜が用いられている。芯部68には、例えばSiN膜が用いられる。芯部68の上端は、Z軸方向において、選択ゲート電極SGよりも上方で、絶縁層16の上端よりも下方に配置されている。そして、半導体ピラーSPの選択ゲート電極SGの上端の近傍の位置に、ソースドレイン拡散領域SDRが設けられている。ソースドレイン拡散領域SDRの下端は、例えば、選択ゲート電極SGの上端から下方向に50nm程度の位置とされている。なお、半導体ピラーSPの上端及び第1導電層18の上端の上にメタルプラグ21が設けられている。メタルプラグ21は、例えば図2に例示した貫通電極V1となる、または、貫通電極V1に電気的に接続される。
【0051】
不揮発性半導体記憶装置111は、例えば以下のようにして作製される。
図3は、本発明の第1の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図4は、図3に続く工程順模式的断面図である。
【0052】
図3(a)に表したように、まず、シリコンからなる基板の上に、層間絶縁膜11b及びバックゲートBGを形成し、その上に、絶縁膜14と電極膜WLを交互に積層して積層構造体MLを形成する。リソグラフィーとRIE法とを用いて、バックゲートBGの一部と積層構造体MLとに、Z軸方向に延在するメモリトランジスタ孔Hmを形成し、メモリトランジスタ孔Hmの内部を例えばSiN膜からなる犠牲膜SFで埋め込む。なお、メモリトランジスタ孔Hmの直径は、例えば60nmである。
【0053】
なお、バックゲートBGには例えばSiN膜からなる接続部CPが予め形成されており、接続部CPと犠牲膜SFとは互いに接続される。
【0054】
そして、積層構造体MLの上に、層間絶縁膜15と、選択トランジスタの選択ゲート電極SGとなる選択ゲート電極膜SGfと、絶縁層16となるエクステンション層間絶縁膜16fと、を積層する。選択ゲート電極膜SGfには、例えば、厚さ200nmのpポリシリコンを用い、エクステンション層間絶縁膜16fには、例えば、厚さ300nmのTEOS膜を用いる。
【0055】
そして、リソグラフィーとRIE法により、エクステンション層間絶縁膜16fと選択ゲート電極膜SGfとを貫通し、犠牲膜SFに達する選択トランジスタ孔Hsを形成する。
そして、図3(b)に表したように、例えば、熱燐酸溶液中で、犠牲膜SFであるSiN膜及び接続部CPのSiN膜を剥離し、選択トランジスタ孔Hsとメモリトランジスタ孔Hmと接続部CPの孔とを連通させ、U字形状のメモリストリング孔Htを形成する。
【0056】
そして、図3(c)に表したように、メモリストリング孔Htの内壁面に、例えば、例えばSiOからなる第1メモリ部絶縁膜61a、SiNからなる電荷蓄積層63、SiOからなる第2メモリ部絶縁膜61bを積層して、メモリ部積層膜61を形成する。
【0057】
さらに、半導体ピラーSPとなる半導体ピラー膜SPfを堆積する。半導体ピラー膜SPfには、多結晶半導体膜またはアモルファス半導体膜(例えば7nm程度のアモルファスシリコン膜)を用いることができる。このとき、メモリストリング孔Htは完全に埋め込まれず、少なくとも部分的に内部に中空を残したままとする。
【0058】
そして、図3(d)に表したように、半導体ピラー膜SPfの結晶性を高めるために、例えば600℃の不活性雰囲気中(例えばN中)にてアニールし、その後、酸化雰囲気中でさらにアニールすることで半導体ピラー膜SPfの内側側面を酸化し、さらに内部に芯部68となる芯部絶縁膜68fを埋め込む。芯部絶縁膜68fには、例えばSiN膜が用いられる。なお、このSiN膜は例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成する。
【0059】
そして、図4(a)に表したように、RIE法により、芯部絶縁膜68fをエッチバックし、芯部絶縁膜68fの上端68fuが選択ゲート電極膜SGfの上端SGfuよりも上側(基板11とは反対の側)になるように、リセス(後退)させる。本具体例では、芯部絶縁膜68fの上端68fuと、選択ゲート電極膜SGfの上端SGfuと、のZ軸方向における距離t1が、100nm程度の距離となるようにされる。
【0060】
そして、図4(b)に表したように、半導体ピラー膜SPfに不純物注入を行う。不純物注入においては、例えば、不純物としてリンを用い、加速エネルギーを60KeVとし、不純物濃度として1×1015cm−2の条件を採用することができる。この時、芯部絶縁膜68f中に打ち込まれた不純物が、横方向(Z軸方向に対して垂直な方向)にも反跳し、半導体ピラー膜SPf中に注入されることで、ソースドレイン拡散領域SDRが形成される。
【0061】
そして、図4(c)に表したように、稀釈フッ酸溶液で前処理をした後、選択トランジスタ孔Hs中の芯部絶縁膜68fの上に、第1導電層18となるリンドープト・ポリシリコン膜18fを埋め込み、その後、エクステンション層間絶縁膜16fの上のポリシリコン膜(半導体ピラー膜SPf)を除去する。
【0062】
なお、この時、メタルプラグ21とのコンタクトをさらに確実とするため、リンドープト・ポリシリコン膜18fに不純物注入を行っても良い。この場合の不純物注入においては、例えば、不純物としてAsを用い、加速エネルギーを40KeVとし、不純物濃度として1×1015cm−2の条件を採用することができる。
さらに、不純物の活性化のため、例えば、N雰囲気中において950℃で10秒程度のアニールを行う。
【0063】
そして、その後、エクステンション層間絶縁膜16fの上のメモリ部積層膜61を除去し、そして、その上に層間絶縁膜19を堆積し、層間絶縁膜19に溝20を形成する。そして、溝20に例えばW膜21bとTiN膜21aとの積層膜等の金属膜を埋め込んで、メタルプラグ21を形成する。
このようにして、図1に例示した不揮発性半導体記憶装置111が作製できる。
【0064】
不揮発性半導体記憶装置111においては、以下のような効果が得られる。
まず、芯部絶縁膜68fをリセスして芯部絶縁膜68fの上端68fuを選択ゲート電極SGに近接させた状態で不純物注入を行うため、不純物注入の際の加速エネルギーが比較的小さくて済み、不純物注入時の電流を高めやすい。すなわち、低加速エネルギーで高電流とすることができる。これにより、不純物注入に要する工程時間を短縮することができ、製造コストが低減できる。
【0065】
そして、不純物注入の際の選択ゲート電極SGまでの距離が縮小されているので、高濃度で不純物を注入でき、そして、不純物濃度のZ軸方向における制御性が高い。
【0066】
このように、不揮発性半導体記憶装置111によれば、中空円筒型の半導体ピラーに適用でき、高濃度で位置制御性の高いソースドレイン拡散層を低製造コストで実現する不揮発性半導体記憶装置が提供できる。
【0067】
さらに、半導体ピラー膜SPfの厚さが数nmと薄い中空円筒形状の半導体ピラーSPにおいて、従来の方法では、メタルプラグ21と半導体ピラー膜SPfとの接続の際に、界面のシリサイド反応時に空洞等が生じてオープン不良を生じ易かったが、不揮発性半導体記憶装置111によれば、この問題が解決できる。すなわち、不揮発性半導体記憶装置111においては、半導体ピラー膜SPfが薄くても、半導体ピラー膜SPf(半導体ピラーSP)の側面とリンドープト・ポリシリコン膜18f(第1導電層18)の側面とが大きな面積で互いに接触し、半導体ピラーSPと第1導電層18とが安定して電気的に接続される。そして、メタルプラグ21と、半導体ピラーSP及び第1導電層18と、がメモリストリング孔Htの径の面積によって互いに接触する。そして、この接触は、安定した接続特性が得やすいメタル−ポリシリコン・コンタクトとなる。これにより、上記のオープン不良が低減でき、歩留まりが向上する効果がある。
【0068】
なお、図4(b)に関して説明した工程においては、上記のようにイオン注入を用いることもできるが、例えば不純物の気相拡散を用いることもできる。すなわち、図4(b)に例示したように、半導体ピラー膜SPfへの不純物の導入の際に、芯部絶縁膜68fには耐熱性の高いSiN膜が用いられており、気相拡散の高温処理にも対応できる。
【0069】
(第2の実施例)
図5は、本発明の第2の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成及び製造方法を例示する模式的断面図である。
すなわち、同図(a)は、不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図であり、同図(b)及び(c)は、その製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【0070】
図5(a)に表したように、本発明の第1の実施形態に係る第2の実施例の不揮発性半導体記憶装置112においては、芯部68の上端は、選択ゲート電極SGの上端と下端の間の選択ゲート電極SGの上端側に配置されている。そして第1導電層18の下端は、選択ゲート電極SGに対向している。
【0071】
このような不揮発性半導体記憶装置112は、例えば以下のようにして製造できる。
図3(a)〜(d)に例示した処理を実施して、半導体ピラー膜SPfの内側の内部に芯部68となる芯部絶縁膜68fを埋め込んだ後、図5(b)に表したように、例えばRIE法により、芯部絶縁膜68fをエッチバックして、芯部絶縁膜68fの上端68fuが、選択ゲート電極膜SGfの上端SGfuよりも、下側(基板11の側)になるようにリセスする。本具体例では、芯部絶縁膜68fの上端68fuと選択ゲート電極膜SGfの上端SGfuとのZ軸方向における距離t2が、例えば50nm程度の距離となるようにされる。
【0072】
そして、図5(c)に表したように、稀釈フッ酸溶液で前処理をした後、選択トランジスタ孔Hs中の芯部絶縁膜68fの上に、リンドープト・ポリシリコン膜18fを埋め込み、その後、エクステンション層間絶縁膜16fの上のポリシリコン膜(半導体ピラー膜SPf)を除去する。すなわち、この製造方法では、図4(b)に関して説明した不純物注入の処理が省略される。
【0073】
なお、この時、メタルプラグとのコンタクトをさらに確実とするため、リンドープト・ポリシリコン膜18fに不純物注入を行っても良い。この場合の不純物注入においては、例えば、不純物としてAsを用い、加速エネルギーを40KeVとし、不純物濃度として1×1015cm−2の条件を採用することができる。
さらに、不純物の活性化のため、例えば、N雰囲気中において950℃で10秒程度のアニールを行う。
【0074】
その後、第1の実施例と同様にして、層間絶縁膜19及びメタルプラグ21を形成して、図5(a)に例示した不揮発性半導体記憶装置112が作製できる。
【0075】
不揮発性半導体記憶装置112においては、以下のような効果が得られる。
第1の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置111においては、図4(b)に関して説明した不純物注入によって、選択ゲート電極SGに対向するソースドレイン拡散領域SDRを形成していたのに対し、第2の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置112においては、リンドープト・ポリシリコン膜18fを選択ゲート電極SGと対向する位置まで下げることで、ソースドレイン拡散領域SDRを形成する。リンドープト・ポリシリコン膜18f中の不純物は、例えば活性化アニール中に拡散し、半導体ピラー膜SPf中へ所定の濃度で導入される。これにより、半導体装置の製造工程が短縮され、さらなるコスト削減が可能となる。
【0076】
(第3の実施例)
図6は、本発明の第3の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成及び製造方法を例示する模式的断面図である。
すなわち、同図(a)は、不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図であり、同図(b)、(c)及び(d)は、その製造方法を例示する工程順模式的断面図である。 図7は、図6に続く工程順模式的断面図である。
【0077】
図6(a)に表したように、本発明の第1の実施形態に係る第3の実施例の不揮発性半導体記憶装置113においては、半導体ピラーSPの内側の壁面に、例えばSiNからなるバリア絶縁膜67が設けられ、その内側に、第2導電層70が設けられている。
【0078】
すなわち、不揮発性半導体記憶装置113においては、芯部68は、半導体ピラーSPの側壁に設けられたバリア絶縁膜67と、バリア絶縁膜67の内側に埋め込まれ、第1導電層18と電気的に接続された第2導電層70と、を有する。第2導電層70には、第2導電層18と同じ材料を用いることができる。
【0079】
この場合、接続部CPの深さをこれまでの実施例に比べて浅くして、接続部CPの中で導電膜70が横方向に貫通しないようにする。これにより、ビット線BLとソース線SLとの間が、第2導電層70によってショートすることを回避でき、導電膜18と同じ材料を用いて、工程を短縮しながら、信頼性の高い読み出し動作を実現できる。
【0080】
このような不揮発性半導体記憶装置113は、例えば以下のようにして製造できる。
図3(a)〜(c)に例示した処理を実施して、メモリストリング孔Htの内壁面に、メモリ部積層膜61と半導体ピラー膜SPfとを形成した後、図6(b)に表したように、半導体ピラー膜SPfの結晶性を高めるために例えば600℃の不活性雰囲気中(例えばN中)にてアニールし、次に、酸化雰囲気中でアニールすることで半導体ピラー膜SPfの内側の側面を酸化し、さらに、半導体ピラー膜SPfの内側の壁面にバリア絶縁膜67を堆積し、さらに、バリア絶縁膜67の内側の残余の空間を塗布型犠牲膜69で埋め込む。
【0081】
上記のバリア絶縁膜67には、例えばSiN膜を用いることができ、バリア絶縁膜67の厚さは、例えば5nm程度とすることができる。この時、バリア絶縁膜67によってメモリストリング孔Htが完全に埋め込まれないようにする。すなわち、少なくとも選択ゲート電極SG近傍では、バリア絶縁膜67がメモリストリング孔Ht内を完全には埋め込まないようにする。これにより、メモリストリング孔Htの内部のバリア絶縁膜67の内側に、上記の塗布型犠牲膜69を形成する。塗布型犠牲膜69としては、例えばフォトレジストを用いることができる。
【0082】
そして、図6(c)に表したように、RIE法により、塗布型犠牲膜69をエッチバックし、メモリストリング孔Htの内部の塗布型犠牲膜69の上端69uが、選択ゲート電極膜SGfの上端SGfuから上方で、塗布型犠牲膜69の上端69uと選択ゲート電極膜SGfの上端SGfuとの距離t3が100nm程度となるようにする。
【0083】
そして、図6(d)に表したように、例えば、CFガスをベースとしたCDE(chemical dry etching)により、メモリストリング孔Htの上部(選択ゲート電極SGよりも上)のバリア絶縁膜67を除去する。
【0084】
そして、図7(a)に表したように、半導体ピラー膜SPfに、不純物注入を行う。不純物注入においては、例えば、不純物としてリンを用い、加速エネルギーを60KeVとし、不純物濃度として1×1015cm−2の条件を採用することができる。この時、塗布型犠牲膜69中及びバリア絶縁膜67中に打ち込まれた不純物が、横方向(Z軸方向に垂直な方向)にも反跳し、半導体ピラー膜SPf中に注入されることで、ソースドレイン拡散領域SDRが形成される。
【0085】
そして、図7(b)に表したように、例えば、アッシングおよびウェット処理により、塗布型犠牲膜69を除去する。
【0086】
そして、図7(c)に表したように、例えば、稀釈フッ酸溶液で前処理をした後、リンドープト・ポリシリコン膜18fを埋め込む。この時、メモリストリング孔Htの内部のバリア絶縁膜67の内側に埋め込まれたリンドープト・ポリシリコン膜18fが第2導電層70となり、選択ゲート電極膜SGfの上方においては、メモリストリング孔Htの内部の空間に埋め込まれたリンドープト・ポリシリコン膜18fが、第1導電層18となる。すなわち、第2導電層70には、第1導電層18に用いられる材料と同じ材料が用いられる。
その後、エクステンション層間絶縁膜16fの上のポリシリコン膜(半導体ピラー膜SPf)を除去する。
【0087】
なお、この時、メタルプラグとのコンタクトをさらに確実とするため、リンドープト・ポリシリコン膜18fに不純物注入を行っても良い。この場合の不純物注入においては、例えば、不純物としてAsを用い、加速エネルギーを40KeVとし、不純物濃度として1×1015cm−2の条件を採用することができる。
さらに、不純物の活性化のため、例えば、N雰囲気中において950℃で10秒程度のアニールを行う。
【0088】
その後、第1の実施例と同様にして、層間絶縁膜19及びメタルプラグ21を形成して、図6(a)に例示した不揮発性半導体記憶装置113が作製できる。
【0089】
不揮発性半導体記憶装置113においては、以下のような効果が得られる。
不揮発性半導体記憶装置113においては、SiN膜はバリア絶縁膜67としてメモリストリング孔Htを完全には埋め込まず、薄い膜厚で形成される。このバリア絶縁膜67により、リンドープト・ポリシリコン膜18fと半導体ピラー膜SPfとが直接接することが防止される。そして、バリア絶縁膜67の上端の高さは、塗布型犠牲膜69であるレジストのリセス深さで決定される。一般に、塗布型膜の場合は、CVD法により成長された膜と異なり、埋め込み時に空洞やシームが形成され難い。このため、塗布型犠牲膜69を用いることで、メモリの微細化が進んだ場合にリセス工程でメモリストリング孔の中心に空洞を生じにくくすることができ、次の工程において塗布型犠牲膜69の上端69uの高さを制御性良くリセスすることができる。これにより、イオン注入工程の制御性が向上するとともに、且つ、確実にバリア絶縁膜67を半導体ピラー内に残すことができるので、メモリトランジスタ部の半導体ピラーにもリンドープト・ポリシリコン膜18fが接触することがなくなり、トランジスタ特性も向上することができる。
【0090】
なお、図7(a)に関して説明した工程においては、上記のようにイオン注入を用いることもできるが、例えば、塗布型犠牲膜69を除去したのち、イオン注入のかわりに不純物の気相拡散を行なうこともできる。
【0091】
なお、本実施例では、接続部CPの深さを浅くして、接続部CPの中で第2導電層70が横方向に貫通しないようにすることで、第2導電層70に導電膜18と同じ材料を用いて、工程を短縮しながら、信頼性の高い読み出し動作を実現したが、もし、接続部CPの深さが深く、バリア絶縁層67の内側の空間に他の材料が埋め込まれる構造の場合には、その材料には、導電膜18とは異なる絶縁性の材料を用い、接続部CPにおける横方向の導通を防止する。
【0092】
(第4の実施例)
図8は、本発明の第4の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成及び製造方法を例示する模式的断面図である。
すなわち、同図(a)は、不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図であり、同図(b)、(c)及び(d)は、その製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【0093】
図8(a)に表したように、本発明の第1の実施形態に係る第4の実施例の不揮発性半導体記憶装置114においては、芯部68として、SiNに変えて酸素添加アモルファスシリコン膜71が用いられる。これにより、芯部68の上端の位置の制御がより高い精度に制御される。本具体例においては、半導体ピラーSPの上端と芯部68の上端との高さは実質的に同じであり、従って、第1導電層18は、半導体ピラーSPの上(Z軸方向における上)において芯部68の上(Z軸方向における上)に設けられている。
【0094】
このような不揮発性半導体記憶装置114は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、図3(a)〜(c)に例示した処理を実施して、メモリストリング孔Htの内壁面に、メモリ部積層膜61と半導体ピラー膜SPfとを形成する。
【0095】
この後、図8(b)に表したように、半導体ピラー膜SPfの結晶性を高めるために、例えば600℃の不活性雰囲気中(例えばN中)にてアニールし、次に、酸化雰囲気中でアニールすることで半導体ピラー膜SPfの内側の側面を酸化し、さらに、半導体ピラー膜SPfの内側にバリア絶縁膜67を堆積し、さらに、その内部に酸素添加アモルファスシリコン膜71を埋め込む。
【0096】
そして、図8(c)に表したように、第1の実施例と同様に、RIE法により、酸素添加アモルファスシリコン膜71をエッチバックし、酸素添加アモルファスシリコン膜71の上端71uが選択ゲート電極膜SGfの上端SGfuよりも100nm程度の上側になるように、半導体ピラー膜SPf及び酸素添加アモルファスシリコン膜71をリセスさせる。
【0097】
そして、図8(d)に表したように、第1の実施例と同様に、半導体ピラー膜SPfに不純物注入を行い、ソースドレイン拡散領域SDRを形成する。
【0098】
その後、第1の実施例と同様にして、リンドープト・ポリシリコン膜18f、層間絶縁膜19及びメタルプラグ21を形成して、図8(a)に例示した不揮発性半導体記憶装置114が作製できる。
【0099】
不揮発性半導体記憶装置114においては、以下のような効果が得られる。
不揮発性半導体記憶装置114においては、不揮発性半導体記憶装置111と異なり、芯部68として、SiNの代わりに酸素添加アモルファスシリコン膜71を用いている。このため、図8(c)に例示した酸素添加アモルファスシリコン膜71のリセスの際に、酸素添加アモルファスシリコン膜71と半導体ピラー膜SPfとはほぼ同じエッチング速度で削られる。これにより、リセス後においては、酸素添加アモルファスシリコン膜71の上端71uと半導体ピラー膜SPfの上端とをほぼ同じ高さにすることができる。
【0100】
すなわち、半導体ピラー膜SPfへの不純物注入の際に、半導体ピラー膜SPfの上端を所望に高さ(すなわち、この場合は選択ゲート電極SGの上端の上側の近傍)に設定しつつ、芯部68の上端の高さをそれと実質的に同じ高さに設定できる。これにより、不純物注入における注入の効率が向上し、半導体装置の低コスト化と安定動作を実現できる。
【0101】
(第5の実施例)
図9は、本発明の第5の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成及び製造方法を例示する模式的断面図である。
すなわち、同図(a)は、不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図であり、同図(b)及び(c)は、その製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図10は、図9に続く工程順模式的断面図である。
【0102】
図9(a)に表したように、本発明の第1の実施形態に係る第5の実施例の不揮発性半導体記憶装置115においては、半導体ピラーSPの径が、積層構造体ML及び選択ゲート電極SGの貫通する部分よりも、絶縁層16を貫通する部分で大きくなっている。
【0103】
すなわち、絶縁層16の上端に対向する半導体ピラーSPの径は、選択ゲート電極SGに対向する半導体ピラーSPの径よりも大きい。この構造により、半導体ピラー膜SPfに不純物注入する際に、選択ゲート電極SGに対向する部分の半導体ピラーSPの上端近傍の部分が、露出でき、不純物注入の効率を向上させることができる。
【0104】
このような不揮発性半導体記憶装置115は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、図9(b)に表したように、バックゲートBGの一部と積層構造体MLとに、Z軸方向に延在するメモリトランジスタ孔Hmを形成し、メモリトランジスタ孔Hmの内部を例えばSiN膜からなる犠牲膜SFで埋め込む。そして、その上に、層間絶縁膜15と選択ゲート電極膜SGfとエクステンション層間絶縁膜16fとを積層する。さらに、リソグラフィーとRIE法により、エクステンション層間絶縁膜16fに開口部16oを形成する。
【0105】
さらに、開口部16oの内側に犠牲膜を堆積し、犠牲膜をRIE法によりエッチングして、開口部16oの側壁にスペーサ犠牲膜16sを形成する。スペーサ犠牲膜16sには、例えばボロンドープト・シリケートガラス膜を用いることができ、スペーサ犠牲膜16sの厚さは、例えば10nmとすることができる。
【0106】
そして、図9(c)に表したように、例えば、RIE法により、選択ゲート電極膜SGfを貫通し、犠牲膜SFに達する選択トランジスタ孔Hsを形成する。
【0107】
そして、図10(a)に表したように、例えば70℃のフッ酸蒸気中で、スペーサ犠牲膜16sを除去する。
【0108】
その後、図3(b)〜(d)及び図4(a)に関して説明した工程と同様にして、U字形状のメモリストリング孔Htを形成し、メモリストリング孔Htの内壁面にメモリ部積層膜61を形成し、さらにその内部に芯部絶縁膜68fを埋め込み、芯部絶縁膜68fをエッチバックする。すなわち、芯部絶縁膜68fの上端68fuが選択ゲート電極膜SGfの上端SGfuよりも100nm程度上側になるようにする。
【0109】
そして、図10(b)に表したように、選択トランジスタの閾値調整のためのチャネル不純物注入を行い、さらに、ソースドレイン拡散層不純物注入を行う。チャネル不純物注入においては、例えば、不純物としてリンを用い、加速エネルギーを60KeVとし、不純物濃度として3×1014cm−2の条件を採用することができる。一方、ソースドレイン拡散層不純物注入としては、例えば、不純物としてボロンを用い、加速エネルギーを60KeVとし、不純物濃度として1×1015cm−2の条件を採用することができる。このようにして、チャネルの不純物濃度が調整され、そして、ソースドレイン拡散領域SDRが形成される。
【0110】
そして、図10(c)に表したように、選択トランジスタ孔Hs中の芯部絶縁膜68fの上に、リンドープト・ポリシリコン膜18fを埋め込み、その後、エクステンション層間絶縁膜16fの上のポリシリコン膜(半導体ピラー膜SPf)を除去する。
【0111】
その後、第1の実施例と同様にして、層間絶縁膜19及びメタルプラグ21を形成して、図9(a)に例示した不揮発性半導体記憶装置115が作製できる。
【0112】
不揮発性半導体記憶装置115においては、以下のような効果が得られる。
図9(b)、図9(c)及び図10(a)に例示した工程を実施して、スペーサ犠牲膜16sを用いて、エクステンション層間絶縁膜16fを貫通するエクステンション層間絶縁膜孔H16の径は、選択ゲート電極SGを貫通する選択トランジスタ孔Hsの径よりも大きくされている。これにより、図10(b)に例示した工程において、Z軸方向の上方からみて、選択ゲート電極SG近傍の半導体ピラー膜SPfは、上方に露出しており、垂直入射の不純物注入の際に、横方向の反跳によるのではなく、半導体ピラー膜SPfに直接的に不純物が注入される。
【0113】
これにより、不揮発性半導体記憶装置115においては、不揮発性半導体記憶装置111よりも不純物注入の効率を大幅に改善する効果があり、不純物注入に掛かるプロセス時間とコストを低減する効果がある。不揮発性半導体記憶装置111に対しての不揮発性半導体記憶装置115における不純物注入の効率の向上の効果は、10倍以上と見積もられる。
【0114】
また、図10(b)に例示した工程において、上記のようにチャネル部に不純物を注入することが可能となる。すなわち、ソースドレイン拡散領域SDRよりも深部にあるチャネル部への不純物注入は、より高加速で高電流の注入技術が必要とされるが、上記のようにチャネル部へ反跳ではなく直接的に不純物を注入することで効率を改善でき、チャネル部へ閾値調整のための不純物を導入することが可能となる。
【0115】
メモリストリングからの信号量を増大する(すなわち、セル電流を増大する)ために、半導体ピラー膜SPfとしてリンドープされたポリシリコン膜を使用する可能性も考えられるが、その場合でも、回路面積を極力低減するために選択トランジスタの閾値は正の範囲に保つことが望まれる。本実施例に係る不揮発性半導体記憶装置115によれば、チャネル部にボロンを補償注入することで、回路面積の増大を抑えつつセル電流を増大することが可能となり、半導体装置の低コスト化と安定動作を実現できる。
【0116】
(第6の実施例)
図11は、本発明の第6の実施例に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
図11に表したように、本発明の第1の実施形態に係る第6の実施例の不揮発性半導体記憶装置116においては、不揮発性半導体記憶装置115と同様に、エクステンション層間絶縁膜16fを貫通するエクステンション層間絶縁膜孔H16の径は、選択ゲート電極SGを貫通する選択トランジスタ孔Hsの径よりも大きくされている。すなわち、絶縁層16の上端に対向する半導体ピラーSPの径は、選択ゲート電極SGに対向する半導体ピラーSPの径よりも大きくされている。そして、芯部68には、第4の実施例に関して説明した酸素添加アモルファスシリコン膜71が用いられている。
【0117】
これにより、第5の実施例に関して説明した効果に加えて、第4の実施例に関して説明した効果も有する。
【0118】
図12は、本発明の第1の実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
なお、図12においても、導電部分のみを示し、絶縁部分は図示を省略している。
図12に表したように、本実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置120においても、電極膜WLと絶縁膜14(図示せず)とが積層された積層構造体MLをZ軸方向に貫通する半導体ピラーSPが設けられている。
【0119】
そして、この場合には、各半導体ピラーSPは独立しており、半導体ピラーSPの基板11の側には、ソース側選択ゲート電極SGSが設けられ、半導体ピラーSPの積層構造体MLよりも上の側には、ドレイン側選択ゲート電極SGDが設けられている。なお、ソース側選択ゲート電極SGS及びドレイン側選択ゲート電極SGDは、それぞれ例えばX軸方向に延在するようにY軸方向に沿って分断されており、これらの2つの選択ゲートによって各半導体ピラーSPは選択される。
【0120】
なお、この場合には、電極膜WLはXY平面内で連続しており、既に説明した不揮発性半導体記憶装置110のような交叉指形電極構造で分離されていなくても良い。
【0121】
このような構造の不揮発性半導体記憶装置120においても、上側のドレイン側選択ゲート電極SGD及びその上に設けられる絶縁層16の構成において、上記の実施例に関して説明した構成のいずれか、またはそれらを技術的に可能な範囲で組みあわせた構成を適用できる。
【0122】
(第2の実施の形態)
図13は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
図13に表したように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法においては、まず、基板11の主面11aの上に、絶縁膜14と電極膜WLとを交互に積層して積層構造体MLを形成する(ステップS110)。そして、積層構造体MLの上に選択ゲート電極膜SGfを形成する(ステップS120)。そして、選択ゲート電極SGの上に絶縁層16を形成する(ステップS130)。
【0123】
そして、少なくとも選択ゲート電極SGと絶縁層16とを、主面11aに対して垂直な第1方向(Z軸方向)に貫通する第1貫通ホール(選択トランジスタ孔Hsまたはメモリストリング孔Ht)を形成して、第1貫通ホールの内側面に半導体膜(半導体ピラー膜SPf)を形成する(ステップS140)。
【0124】
そして、半導体膜の内側に芯部68を形成する(ステップS150)。そして、芯部68を後退させる(ステップS160)。
上記のステップS110〜ステップS160においては、例えば、図3(a)〜図4(a)に関して説明した処理を行う。
【0125】
そして、半導体膜に不純物を導入する(ステップS170)。
すなわち、例えば、図4(b)に関して説明した不純物注入、及び、例えば図5(c)に関して説明した拡散法等を実施する。
【0126】
本製造方法においては、芯部68をリセスすることで、不純物注入の際の選択ゲート電極SGまでの距離が縮小され、高濃度で不純物を注入でき、不純物濃度の制御性が高い。また、拡散法によって不純物を導入する方法では、さらに工程が簡略化できる。
【0127】
本製造方法によれば、中空円筒型の半導体ピラーに適用でき、高濃度で位置制御性の高いソースドレイン拡散層を低製造コストで実現する不揮発性半導体記憶装置の製造方法が提供できる。
【0128】
図14は、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の別の製造方法を例示するフローチャート図である。
図14に表したように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の別の製造方法においては、まず、基板11の主面11aの上に、絶縁膜14と電極膜WLとを交互に積層して積層構造体MLを形成する(ステップS110)。
そして、積層構造体MLの上に選択ゲート電極SGを形成する(ステップS120)。 そして、選択ゲート電極SGの上に絶縁層16を形成する(ステップS130)。
上記のステップS110〜ステップS160においては、例えば、図3(a)に関して説明した処理の一部を行う。
【0129】
そして、選択ゲート電極SGを主面11aに対して垂直な第1方向に貫通する第2貫通ホール(選択トランジスタ孔Hs)と、絶縁層16を第1の方向に貫通し第2貫通ホールと連通し絶縁層16の上端における径が第2貫通ホールよりも大きい第3貫通ホール(エクステンション層間絶縁膜孔H16)と、を形成する(ステップS240)。
すなわち、例えば、図9(b)、図9(c)及び図10(a)に関して説明した処理を行う。
【0130】
そして、第1貫通ホール及び第2貫通ホールの内側面に半導体膜(半導体ピラー膜SPf)を形成する(ステップS250)。
すなわち、例えば、図10(b)に関して説明した処理の一部を行う。
【0131】
そして、半導体膜の選択ゲート電極SGの側の部分に不純物を注入する(ステップS260)。
すなわち、例えば、図10(b)に関して説明した処理の他の一部を行う。
【0132】
本製造方法によれば、選択ゲート電極SG近傍の半導体ピラー膜SPfは、上方に露出しており、垂直入射の不純物注入の際に、半導体ピラー膜SPfに直接的に不純物が注入され、不純物注入の効率を大幅に改善できる。さらに、チャネル部への閾値調整のための不純物を導入することが可能となり、例えばチャネル部にボロンを補償注入することで、回路面積の増大を抑えつつセル電流を増大させ、安定動作を実現できる。
【0133】
このように、本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法によれば、メモリストリング部に中空型半導体を用いた場合にも、メモリストリング上部に設けた選択ゲート電極SGの端のソースドレイン拡散層を安定的に形成できるようになり、消去速度の向上とセル電流の増大を同時に実現できる。
【0134】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0135】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、不揮発性半導体記憶装置を構成する基板、電極膜、絶縁膜、絶縁層、積層構造体、電荷蓄積層、貫通ホール、半導体ピラー、ワード線、ビット線、ソース線、層間絶縁膜、芯部等、各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0136】
その他、本発明の実施の形態として上述した不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0137】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【符号の説明】
【0138】
11 基板、 11a 主面、 11b 層間絶縁膜、 14 絶縁膜、 15 層間絶縁膜、 16 絶縁層、 16f エクステンション層間絶縁膜、 16o 開口部、 16s スペーサ犠牲膜、 18 第1導電層、 18f リンドープト・ポリシリコン膜、 19 層間絶縁膜、 20 溝、 21 メタルプラグ、 21a TiN膜、 21b W膜、 61 メモリ部積層膜、 61a 第1メモリ部絶縁膜、 61b 第2メモリ部絶縁膜、 63 電荷蓄積層、 67 バリア絶縁膜、 68 芯部、 68f 芯部絶縁膜、 68fu 上端、 69 塗布型犠牲膜、 69u 上端、 70 第2導電層、 71 酸素添加アモルファスシリコン膜、 71u 上端、 110、111、112、113、114、115、116、120 不揮発性半導体記憶装置、 BG バックゲート、 BL ビット線、 CP 接続部、 CP1、CP2 第1及び第2接続部、 H16 エクステンション層間絶縁膜孔、 Hm メモリトランジスタ孔、 Hs 選択トランジスタ孔、 Ht メモリストリング孔、 MC メモリセル、 ML 積層構造体、 SDR ソースドレイン拡散領域、 SF 犠牲膜、 SG 選択ゲート電極、 SGD ドレイン側選択ゲート電極、 SGS ソース側選択ゲート電極、 SGf 選択ゲート電極膜、 SGfu 上端、 SL ソース線、 SP 半導体ピラー、 SP1〜SP4 第1〜第4半導体ピラー、 TH 貫通ホール、 V1、V2 貫通電極、 WL 電極膜、 t1〜t3 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に交互に積層された複数の絶縁膜及び複数の電極膜を有する積層構造体と、
前記第1方向において前記積層構造体の上に積層された選択ゲート電極と、
前記第1方向において前記選択ゲート電極の上に積層された絶縁層と、
前記積層構造体、前記選択ゲート電極及び前記絶縁層を前記第1方向に貫通し、前記第1方向に直交する平面で切断した時の断面が環状である半導体ピラーと、
前記半導体ピラーの内側に埋め込まれ、前記絶縁層の上面から後退した芯部と、
前記芯部の上に、前記芯部に接触して設けられた第1導電層と、
を備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記芯部は、前記半導体ピラーの側壁に設けられたバリア絶縁膜と、前記バリア絶縁膜の内側に埋め込まれ、前記第1導電層と接続された第2導電層と、を有することを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記絶縁層の上端に対向する前記半導体ピラーの径は、前記選択ゲート電極に対向する前記半導体ピラーの径よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
基板の主面の上に絶縁膜と電極膜とを交互に積層して積層構造体を形成し、
前記積層構造体の上に選択ゲート電極を形成し、
前記選択ゲート電極の上に絶縁層を形成し、
少なくとも前記選択ゲート電極と前記絶縁層とを、前記主面に対して垂直な第1方向に貫通する第1貫通ホールを形成して、前記第1貫通ホールの内側面に半導体膜を形成し、
前記半導体膜の内側に芯部を形成し、
前記芯部を後退させ、
前記半導体膜に不純物を導入することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項5】
基板の主面の上に絶縁膜と電極膜とを交互に積層して積層構造体を形成し、
前記積層構造体の上に選択ゲート電極を形成し、
前記選択ゲート電極の上に絶縁層を形成し、
前記選択ゲート電極を前記主面に対して垂直な第1方向に貫通する第2貫通ホールと、前記絶縁層を前記第1方向に貫通して前記第2貫通ホールと連通し前記絶縁層の上端における径が前記第2貫通ホールよりも大きい第3貫通ホールと、を形成し、
前記第2貫通ホール及び前記第3貫通ホールの内側面に半導体膜を形成し、
前記半導体膜の前記選択ゲート電極の側の部分に不純物を注入することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−225946(P2010−225946A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72950(P2009−72950)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】