説明

光学式位置検出装置、ハンド装置およびタッチパネル

【課題】比較的簡素な構成および信号処理で、対象物体の位置や、対象物体が至近位置に到達したことを確実に検出することのできる光学式位置検出装置、並びに当該光学式位置装置を備えたハンド装置およびタッチパネルを提供すること。
【解決手段】光学式位置検出装置10では、光源装置11が透光部材40において対象物体Obが位置する第1面41側とは反対側の第2面42側から検出光L2を出射して第1面41側に第1面41に対する法線方向で強度が変化する離間距離検出用光強度分布L2Zabを形成する。また、対象物体Obで反射して透光部材40の第2面42側に透過してきた反射光L3を光検出器30で検出する。透光部材40の第1面41は、弾性および対象物体Obに対する吸着性を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光部材の一方面側に位置する対象物体の位置を検出する光学式位置検出装置、並びに当該光学式位置装置を備えたハンド装置およびタッチパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロボットアームに搭載されたハンド装置等には、対象物体の位置を検出する光学式位置装置が用いられており、対象物体とハンドとの相対位置を光学的に検出した結果をフィードバックするようになっている。かかる光学式位置検出装置としては、従来、撮像装置を用いたものが提案されている(特許文献1、2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−66678号公報
【特許文献1】国際公開WO 02/18893 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮像装置を用いた光学式位置検出装置は高価であるとともに、撮像結果に対する画像処理に要する時間が長くかかるという問題点である。また、撮像素子での撮像結果では、対象物体がハンドと接触する至近位置に到達した瞬間を高い精度で検出することは不可能である。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、比較的簡素な構成および信号処理で、対象物体の位置や、対象物体が至近位置に到達したことを確実に検出することのできる光学式位置検出装置、並びに当該光学式位置装置を備えたハンド装置およびタッチパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、透光部材の第1面側に位置する対象物体の位置を検出する光学式位置検出置であって、前記透光部材において前記第1面側とは反対側の第2面側から検出光を出射して前記第1面側に当該第1面に対する法線方向で強度が変化する離間距離検出用光強度分布を形成する光源装置と、前記対象物体で反射して前記透光部材の前記第2面側に透過してきた検出光を検出する光検出器と、前記光検出器の受光強度および前記離間距離検出用光強度分布に対応する位置を前記対象物体の前記透光部材からの離間距離として検出する位置検出部と、を有し、前記位置検出部は、前記光検出器の受光強度が前記離間距離検出用光強度分布から外れたときに前記対象物体が前記透光部材に接触する位置と判定することを特徴とする。
【0007】
本発明において、光源装置は、透光部材において対象物体が位置する第1面側とは反対側の第2面側から検出光を出射して第1面側に第1面に対する法線方向で強度が変化する離間距離検出用光強度分布を形成する。また、対象物体で反射して透光部材の第2面側に透過してきた検出光を光検出器で検出する。ここで、透光部材の第1面側に形成した離間距離検出用光強度分布は、透光部材からの離間距離と強度との間に一定の関係を有していることから、透光部材からの離間距離と検出光の強度との関係を予め把握しておけば、位置検出部は、光検出器の受光結果に基づいて対象物体と透光部材との離間距離を検出することができる。それ故、本発明によれば、高価な撮像素子や、複雑で処理に時間を要する画像処理を必要としないので、応答性に優れた光学式位置検出装置を安価に構成することができる。また、本発明では、対象物体が透光部材に接触する至近位置に到達すると、検出光の境界反射が起こらなくなるため、光検出器での受光強度は、離間距離検出用光強度分布から大きく外れた値となる。従って、位置検出部は、光検出器で検出された強度が離間距離検出用光強度分布から大きく外れた値となったときを前記対象物体が前記透光部材に接触する位置と判定することができる。
【0008】
本発明において、前記透光部材の前記第1面は、弾性および前記対象物体に対する吸着性を備えていることが好ましい。このように構成すると、対象物体が透光部材に接触すると、透光部材の第1面が変形して対象物体に吸着する。このため、対象物体と透光部材とが近接した状態と、対象物体と透光部材とが接触した状態とに明確に切り換わる。従って、対象物体と透光部材とが接触すると、光検出器で検出される検出光の強度が急峻に切り換わる。それ故、位置検出部は、対象物体が透光部材に接触したことを正確に判定することができる。
【0009】
本発明において、前記透光部材の前記第1面は、シリコーン樹脂からなることが好ましい。前記透光部材の前記第1面がシリコーン樹脂からなる場合には、透光部材の第1面が弾性および対象物体に対する吸着性を備えた構成を容易に実現することができる。
【0010】
なお、本発明においては、前記対象物体の表面が弾性および前記透光部材の前記第1面に対する吸着性を備えている構成を採用してもよく、このような構成は、例えば、前記対象物体の少なくとも表面をシリコーン樹脂により構成すればよい。
【0011】
本発明において、前記検出用光源部は、前記検出光を出射する発光素子を備えている構成を採用することができる。このように構成すれば、検出用光源部を小型かつ安価に構成することができる。
【0012】
本発明において、前記光検出器は、フォトダイオードまたはフォトトランジスターからなることが好ましい。このように構成すれば、光検出器を小型かつ安価に構成することができる。
【0013】
本発明において、前記光源装置は、前記第2面側から前記検出光を出射して前記第1面に沿う面内方向で強度が変化する面内位置検出用光強度分布を形成し、前記位置検出部は、前記光検出器の受光強度および前記面内位置検出用光強度分布に対応する位置を前記面内方向における前記対象物体の位置を検出することが好ましい。このように構成すると、共通の光検出器を用いて、対象物体の透光部材からの離間距離、および対象物体と透光部材との接触に加えて、対象物体の面内方向の位置を検出することができる。
【0014】
本発明を適用した光学式位置検出装置は、対象物体を把持するハンド装置に用いることができ、この場合、ハンド装置は、前記対象物体を把持するハンドを備えているとともに、当該ハンドにおいて前記対象物体を把持する際に当該対象物体に接する面に前記透光部材を備えていることが好ましい。
【0015】
また、本発明を適用した光学式位置検出装置はタッチパネルとして用いることができ、この場合、前記透光部材の前記第1面からなる入力面を備えている構成を採用すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において、対象物体が透光部材と接触した状態を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において、透光部材と対象物体との離間距離を検出する原理を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置での信号処理内容を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置で用いたX座標検出の原理を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の全体構成を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置において各々の発光素子から出射される位置検出光の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置において、発光素子から出射された位置検出光によって座標検出用の強度分布を形成した様子を示す説明図である。
【図11】本発明を適用した光学式位置検出装置を触覚センサーとしてハンド装置に備えたロボットアームの説明図である。
【図12】本発明を適用した光学式位置検出装置をタッチパネルとして備えた位置検出機能付き投射型表示装置の構成を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する軸をX軸、Y軸およびZ軸とし、透光部材と対象物体とが離間する方向をZ軸方向として説明する。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側として示してある。
【0018】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、光学式位置検出装置の構成要素の立体的な配置を示す説明図、および光学式位置検出装置の構成要素の平面的な配置を示す説明図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を示す説明図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において、対象物体が透光部材と接触した状態を模式的に示す説明図である。
【0019】
図1および図2において、本形態の光学式位置検出装置10は、シート状あるいは板状の透光部材40の第1面41側に位置する対象物体Obと、透光部材40との離間距離LZ(図2参照)を検出する光学式センサー装置であり、後述するロボットハンド装置での触覚センサーやタッチパネルとして利用される。
【0020】
かかる検出を行なうにあたって、本形態の光学式位置検出置10は、XY平面に沿って第1面41を向けるシート状あるいは板状の透光部材40と、透光部材40において第1面41側とは反対側の第2面42側から検出光L2を出射する光源装置11と、対象物体Obで反射して透光部材40の第2面42側に透過してきた反射光L3を検出する光検出器30とを備えている。
【0021】
本形態において、光源装置11は複数の発光素子12を備えており、かかる発光素子12は、図2に示す光源駆動部14によって駆動される。本形態において、光源装置11は、複数の発光素子12として2つの発光素子12A、12Bを備えており、かかる発光素子12A、12Bは、X軸方向で離間する位置で発光面を透光部材40に向けている。ここで、発光素子12A、12Bは、LED(発光ダイオード)等により構成され、本形態において、発光素子12A、12Bは、赤外光からなる検出光L2a、L2bを発散光として放出する。
【0022】
光検出器30は、透光部材40に受光部31を向けたフォトダイオードやフォトトランジスター等からなり、本形態において、光検出器30はフォトダイオードである。本形態において、光検出器30は、透光部材40の第2面42側において、2つの発光素子12A、12Bが配置されている位置の間に配置されている。
【0023】
このように構成した光学式位置検出装置10において、透光部材40の第1面41側には検出領域10Rが設定されており、光源装置11の発光素子12A、12Bが同時に検出光L2a、L2bを出射すると、検出光L2a、L2bは、図4を参照して後述するように、透光部材40を透過して第1面41側(検出領域10R)に、第1面41に対する法線方向(Z軸方向)で強度が変化する離間距離検出用光強度分布L2Zabを形成する。かかる離間距離検出用光強度分布L2Zabでは、透光部材40の第1面41から離間する方向に沿って強度が単調減少し、かかる変化は、検出領域10Rという限られた空間内で光量分布を制御することにより直線的な変化にすることができる。また、離間距離検出用光強度分布L2Zabでは、X軸方向において強度が一定である。従って、本形態の光学式位置検出装置10では、後述するように、かかる離間距離検出用光強度分布L2Zabおよび光検出器30での検出強度を利用して、対象物体Obと透光部材40との離間距離LZ(Z座標)を検出する。
【0024】
また、本形態の光学式位置検出装置10では、図3に示すように、対象物体Obと透光部材40とが接触した状態、すなわち、離間距離LZが0となる至近位置も検出する。
【0025】
再び図2において、本形態では、外光の影響等をキャンセルすることを目的に、光学式位置検出装置10の光源装置11は、光検出器30に向けて参照光L2rを出射する参照用の発光素子12Rも備えている。参照用の発光素子12Rも、位置検出用の発光素子12(発光素子12A、12B)と同様、LED(発光ダイオード)等により構成され、発光素子12Rは、赤外光からなる参照光L2rを発散光として放出する。但し、参照発光素子12Rには遮光カバー(図示せず)が設けられており、参照発光素子12Rから出射された参照光L2rは、透光部材40の第1面41側(検出領域10R)に入射しないようになっている。
【0026】
本形態の光学式位置検出装置10では、X軸方向で離間する2つの発光素子12(発光素子12A、12B)が用いられており、2つの発光素子12(発光素子12A、12B)から出射された検出光L2(検出光L2a、L2b)は、後述するように、透光部材40を透過して第1面41側(検出領域10R)に、第1面41に沿う面内方向(X軸方向)で強度が変化する面内方向位置検出用光強度分布も形成する。かかる面内方向位置検出用光強度分布では、発光素子12の位置からから離間する方向に沿って強度が単調減少し、かかる変化は、検出領域10Rという限られた空間内で光量分布を制御することにより直線的な変化にすることができる。従って、本形態の光学式位置検出装置10では、後述するように、かかる面内方向位置検出光強度分布および光検出器30での検出強度を利用して透光部材40の面内方向の位置(X座標)も検出する。
【0027】
かかる検出動作を行なうために、本形態の光学式位置検出装置10において、光源装置11の光源駆動部14は、発光素子12を駆動する光源駆動回路140と、光源駆動回路140を介して複数の発光素子12の各々の点灯パターンを制御する光源制御部145とを備えている。光源駆動回路140は、発光素子12Aを駆動する光源駆動回路140aと、発光素子12Bを駆動する光源駆動回路140bと、参照用の発光素子12Rを駆動する光源駆動回路140rとを備えている。光源制御部145は、光源駆動回路140a、140b、140rの全てを制御する。
【0028】
光検出器30には位置検出部50が電気的に接続されており、光検出器30での検出結果は位置検出部50に出力される。位置検出部50は、増幅器等を備えた信号処理部55、X座標検出部51、離間距離検出部53(Z座標検出部)、および接触判定部54を備えており、光源駆動部14と位置検出部50とは連動して動作し、後述する位置検出を行なう。
【0029】
(透光部材40の構成)
本形態の光学式位置検出装置10において、透光部材40は少なくとも、第1面41側が弾性を備えているとともに、対象物体Obに対する吸着性を備えている。本形態においては、透光部材40として、シリコーン樹脂製のシートあるいは板材が用いられており、透光部材40全体が弾性を備えている。このため、図3に示すように、対象物体Obが透光部材40の第1面41に接触すると、第1面41は、対象物体Obに吸着した状態となる。
【0030】
なお、透光部材40は、全体が弾性を備えていなくてもよく、第1面41側のみが弾性および対象物体Obに対する吸着性を備えている構成であってもよい。例えば、透光部材40は、アクリル等の樹脂板やガラス板の第1面41側にシリコーン樹脂層が形成された構成であってもよい。
【0031】
(離間距離検出用光強度分布および離間距離LZの検出方法)
図4は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において、透光部材と対象物体との離間距離を検出する原理を示す説明図であり、図4(a)、(b)は、検出光のZ軸方向の強度分布を示す説明図、および対象物体Obで反射した検出光の強度が等しくなるように検出光の強度分布を調整する様子を示す説明図である。
【0032】
本形態の光学式位置検出装置10では、検出光検出期間において発光素子12A、12Bが点灯すると、図4(a)に示すように、透光部材40の第1面41側(検出領域10R)には、第1面41に対する法線方向で強度が単調減少する離間距離検出用光強度分布L2Zab(Z座標検出用光強度分布)が形成される。本形態において、離間距離検出用光強度分布L2Zabでは、透光部材40の第1面41から離間するに従って強度が直線的に低下し、かつ、X軸方向では、検出光L2の強度が一定である。従って、検出光検出期間において、参照用の発光素子12Rを消灯させる一方、発光素子12A、12Bを点灯させた状態で、検出領域10Rに対象物体Obが配置されると、対象対物Obにより検出光L2(検出光L2a、L2b)が反射され、その反射光L3の一部が光検出器30により検出される。ここで、光検出器30での検出光L2(検出光L2a、L2b)の受光強度は、離間距離検出用光強度分布L2Zabにおいて対象物体Obの位置に対応する強度と一定の関係、例えば、比例関係にある。
【0033】
これに対して、参照光検出期間において参照用の発光素子12Rが点灯すると、発光素子12Rから出射された参照光L2rは、その一部が光検出器30により検出される。ここで、参照光L2rは、対象物体Obで反射されることがないので、光検出器30での参照光L2rの受光強度Lrは、図4(a)に示すように、対象物体Obの位置にかかわらず、一定である。
【0034】
図4に示す例では、参照光L2rの光検出器30での検出強度は、対象物体Obが第1面41に接触する直前の位置にあるときに光検出器30が検出光L2(検出光L2a、L2b)を検出したときの強度に一致させてある。
【0035】
このような離間距離検出用光強度分布L2Zabや参照光L2rを用いれば、以下に説明する方法により、対象物体Obと透光部材40との離間距離LZ(Z座標)を検出することができる。
【0036】
例えば、第1の方法では、図4(a)に示す離間距離検出用光強度分布L2Zabと、光検出器30での参照光L2rの受光強度Lrとの差を利用する。より具体的には、離間距離検出用光強度分布L2Zabは、Z軸方向において予め設定した分布になっているので、離間距離検出用光強度分布L2Zabと、光検出器30での参照光L2rの強度との差も予め、設定した関数になっている。従って、離間距離検出部53は、検出光検出期間において離間距離検出用光強度分布L2Zabを形成した際の光検出器30での検出値LZabと、参照光検出期間において参照光L2rを出射したときの光検出器30での検出値Lrとの差を求めれば、対象物体Obと透光部材40の第1面41との離間距離LZ(Z座標)を検出することができる。かかる方法によれば、検出光L2以外の環境光、例えば、外光に含まれる赤外成分が光検出器30に入射した場合でも、検出値LZab、Lrの差を求める際、環境光に含まれる赤外成分の強度が相殺されるので、環境光に含まれる赤外成分が検出精度に影響を及ぼすことがない。なお、なお、発光素子12Aを点灯させた際の検出値、発光素子12Bを点灯させた際の検出値、発光素子12Rを点灯させた際の検出値Lrの比および/または差に基づいて対象物体ObのZ座標を検出することもできる。
【0037】
次に、第2の方法では、検出光検出期間における光検出器30での検出値LZabと、参照光検出期間における光検出器30での検出値Lrとが等しくなるように、位置検出用の発光素子12A、12Bに対する制御量(駆動電流値)と、参照用の発光素子12Rに対する制御量(駆動電流値)とを調整した際の調整量に基づいて、対象物体Obの対象物体Obと透光部材40の第1面41との離間距離LZ(Z座標)を検出する方法である。
【0038】
かかる方法では、まず、図4(a)に示すように、検出光検出期間において、位置検出用の発光素子12A、12Bを点灯させる一方、参照用の発光素子12Rを消灯させて、離間距離検出用光強度分布L2Zabを形成した際の光検出器30での検出値LZabを求める。次に、参照光検出期間において、位置検出用の発光素子12A、12Bを消灯させる一方、参照用の発光素子12Rを点灯させた際の光検出器30での検出値Lrを求める。その際、離間距離検出用光強度分布L2Zabを形成した際の光検出器30での検出値LZabと、参照光L2rの光検出器30での検出値Lrとが等しければ、第1面41に接触する直前の位置に対象物体Obが位置することが分る。
【0039】
これに対して、離間距離検出用光強度分布L2Zabを形成した際の光検出器30での検出値LZabと、参照光L2rの光検出器30での検出値Lrとが相違している場合、検出値LZab、Lrが等しくなるように、位置検出用の発光素子12A、12Bに対する制御量(駆動電流値)と、参照用の発光素子12Rに対する制御量(駆動電流値)とを調整する。そして、図4(b)に示すように、再度、検出光検出期間において離間距離検出用光強度分布L2Zabを形成した際の光検出器30での検出値LZabと、参照光検出期間において参照光L2rの光検出器30での検出値Lrとを求める。
【0040】
その結果、離間距離検出用光強度分布L2Zabを形成した際の光検出器30での検出値LZabと、参照光L2rの光検出器30での検出値Lrとが値LZabrになって等しくなれば、離間距離検出部53は、位置検出用の発光素子12A、12Bに対する制御量の調整量ΔL2Zabと、参照用の発光素子12Rに対する制御量の調整量ΔL2rとの比や差から、対象物体Obと透光部材40の第1面41との離間距離LZ(Z座標)を検出することができる。かかる方法によれば、検出光L2以外の環境光、例えば、外光に含まれる赤外成分が光検出器30に入射した場合でも、検出値LZab、Lrが等しくなるように位置検出用の発光素子12A、12B、および参照用の発光素子12Rに対する制御量を調整する際、環境光に含まれる赤外成分の強度が相殺されるので、環境光に含まれる赤外成分が検出精度に影響を及ぼすことがない。なお、上記の第2の方法では、位置検出用の発光素子12A、12Bに対する制御量、および参照用の発光素子12Rに対する制御量の双方を調整したが、一方のみを調整してもよい。
【0041】
上記のように、光検出器30での検出結果に基づいて対象物体ObのZ軸方向の位置情報を取得するにあたって、例えば、位置検出部50としてマイクロプロセッサーユニット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することに従って処理を行う構成を採用することができる。また、図5に示すように、論理回路等のハードウェアを用いた信号処理部で処理を行う構成を採用することもできる。
【0042】
(位置検出部50の構成例)
図5は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10での信号処理内容を示す説明図であり、図5(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の位置検出部50の説明図、および位置検出部50の発光強度補償指令部での処理内容を示す説明図である。ここに示す位置検出部50は、検出光L2(検出光L2a、L2b)の光検出器30での検出値LZabと、参照光L2rの光検出器30での検出値Lrとが等しくなるように、位置検出用の発光素子12A、12Bに対する制御量(駆動電流値)と、参照用の発光素子12Rに対する制御量(駆動電流値)とを調整した際の調整量に基づいて、対象物体Obの対象物体Obと透光部材40の第1面41との離間距離LZ(Z座標)を検出する方法である。
【0043】
図5(a)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、光源駆動回路140は、検出光検出期間では可変抵抗111を介して位置検出用の発光素子12A、12Bに所定電流値の駆動パルスを印加し、参照光検出期間では可変抵抗112および反転回路113を介して参照用の発光素子12Rに所定電流値の駆動パルスを印加するものとして表される。従って、光源駆動回路140は、検出光検出期間と参照光検出期間とでは、発光素子12A、12Bと発光素子12Rとに対して逆相の駆動パルスを印加することになる。そして、検出光検出期間において離間距離検出用光強度分布L2Zabを形成した際の検出光L2が対象物体Obで反射した光が共通の光検出器30で受光されるとともに、参照光検出期間においては、参照光L2rが共通の光検出器30で受光される。光強度信号生成回路150において、光検出器30には、1kΩ程度の抵抗30rが直列に電気的接続されており、それらの両端にはバイアス電圧Vbが印加されている。
【0044】
かかる光強度信号生成回路150において、光検出器30と抵抗30rとの接続点P1には、位置検出部50が電気的に接続されている。光検出器30と抵抗30rとの接続点P1から出力される検出信号Vcは、下式
Vc=V30/(V30+抵抗30rの抵抗値)
V30:光検出器30の等価抵抗
で表される。従って、環境光が光検出器30に入射しない場合と、環境光が光検出器30に入射している場合とを比較すると、環境光が光検出器30に入射している場合には、検出信号Vcのレベルおよび振幅が大きくなる。
【0045】
位置検出部50は概ね、位置検出用信号抽出回路190、位置検出用信号分離回路170、および発光強度補償指令回路180を備えている。
【0046】
位置検出用信号抽出回路190は、1nF程度のキャパシタからなるフィルター192を備えており、かかるフィルター192は、光検出器30と抵抗30rとの接続点P1から出力された信号から直流成分を除去するハイパスフィルターとして機能する。このため、フィルター192によって、光検出器30と抵抗30rとの接続点P1から出力された検出信号Vcからは、検出光検出期間および参照光検出期間における光検出器30による位置検出信号Vdのみが抽出される。すなわち、検出光L2および参照光L2rは変調されているのに対して、環境光はある期間内において強度が一定であると見なすことができるので、環境光に起因する低周波成分あるいは直流成分はフィルター192によって除去される。
【0047】
また、位置検出用信号抽出回路190は、フィルター192の後段に、220kΩ程度の帰還抵抗194を備えた加算回路193を有しており、フィルター192によって抽出された位置検出信号Vdは、バイアス電圧Vbの1/2倍の電圧V/2に重畳された位置検出信号Vsとして位置検出用信号分離回路170に出力される。
【0048】
位置検出用信号分離回路170は、検出光検出期間において発光素子12に印加される駆動パルスに同期してスイッチング動作を行なうスイッチ171と、比較器172と、比較器172の入力線に各々、電気的接続されたキャパシタ173とを備えている。このため、位置検出信号Vsが位置検出用信号分離回路170に入力されると、位置検出用信号分離回路170から発光強度補償指令回路180には、検出光検出期間での位置検出信号Vsの実効値Veaと、参照光検出期間での位置検出信号Vsの実効値Vebとが交互に出力される。
【0049】
発光強度補償指令回路180は、実効値Vea、Vebを比較して、図5(b)に示す処理を行ない、検出光検出期間(第1期間)での位置検出信号Vsの実効値Veaと、参照光検出期間(第2期間)での位置検出信号Vsの実効値Vebとが同一レベルとなるように光源駆動回路140に制御信号Vfを出力する。すなわち、発光強度補償指令回路180は、検出光検出期間での位置検出信号Vsの実効値Veaと、参照光検出期間での位置検出信号Vsの実効値Vebとを比較して、それらが等しい場合、現状の駆動条件を維持させる。これに対して、検出光検出期間での位置検出信号Vsの実効値Veaが、参照光検出期間での位置検出信号Vsの実効値Vebより低い場合、発光強度補償指令回路180は、可変抵抗111の抵抗値を下げさせて検出光検出期間での発光素子12からの出射光量を高める。また、参照光検出期間での位置検出信号Vsの実効値Vebが、検出光検出期間での位置検出信号Vsの実効値Veaより低い場合、発光強度補償指令回路180は、可変抵抗112の抵抗値を下げさせて参照光検出期間での出射光量を高める。
【0050】
このようにして、光学式位置検出装置10では位置検出部50の発光強度補償指令回路180によって、検出光検出期間および参照光検出期間での光検出器30による検出量が同一となるように、発光素子12の制御量(電流量)を制御する。従って、発光強度補償指令回路180には、検出光検出期間での位置検出信号Vsの実効値Veaと、参照光検出期間での位置検出信号Vsの実効値Vebとが同一レベルとなるような発光素子12に対する制御量に関する情報が存在するので、かかる情報を位置検出信号Vgとして離間距離検出部53に出力すれば、離間距離検出部53は、対象物体Obと透光部材40との離間距離(Z座標)を得ることができる。
【0051】
また、本形態では、位置検出用信号抽出回路190において、フィルター192は、光検出器30と抵抗30rとの接続点P1から出力された検出信号Vcから、環境光に起因する直流成分を除去して位置検出信号Vdを抽出する。このため、光検出器30と抵抗30rとの接続点P1から出力された検出信号Vcに環境光の赤外成分に起因する信号成分が含まれている場合でも、かかる環境光の影響をキャンセルすることができる。
【0052】
(接触状態の判定)
このようにして本形態では、対象物体Obと透光部材40の第1面41との離間距離LZ(Z座標)を検出するが、対象物体Obと透光部材40の第1面41とが接する瞬間を高い精度で検出することは困難である。そこで、本形態では、図3に示すように、対象物体Obが透光部材40の第1面41に接触した際、透光部材40の第1面41が対象物体Obに吸着した状態となるのを検出する。
【0053】
すなわち、対象物体Obと透光部材40がわずかでも離間しているときは、検出光L2(検出光L2a、L2d)は、透光部材40を透過した後、対象物体Obで境界反射し、その後、透光部材40を透過して光検出器30に到達する。このため、対象物体Obと透光部材40がわずかでも離間していれば、光検出器30での検出強度は、図4(a)に示す離間距離検出用光強度分布L2Zabに沿った値となる。かかる条件は、対象物体Obが透光部材40の第1面41に接触する直前まで成り立つ。
【0054】
これに対して、対象物体Obが透光部材40の第1面41に接し、第1面41が対象物体Obに吸着した状態となると、検出光L2(検出光L2a、L2d)が透光部材40内を進行して対象物体Obと透光部材40とが吸着している領域に到達しても、境界反射が起こらず、大部分が吸収される。このため、対象物体Obが透光部材40の第1面41に接している場合には、光検出器30での受光強度は、図4(a)に矢印Fで示すように、離間位置検出用光強度分布L2Zabで規定される関係から大きく外れ、極めて低い値LZ0となる。従って、接触判定部54は、光検出器30で検出された強度が離間距離検出用光強度分布L2Zabから大きく外れた値となったときを対象物体Obが透光部材40に接触する位置と判定することができる。
【0055】
しかも、本形態では、透光部材40の第1面41は、弾性および対象物体Obに対する吸着性を備えたシリコーン樹脂からなる。このため、対象物体Obが透光部材40に接触すると、透光部材40の第1面41が変形して対象物体Obに吸着する。このため、対象物体Obと透光部材40とが近接した状態と、対象物体Obと透光部材40とが接触した状態とに明確に切り換わる。
【0056】
(X座標の検出)
本形態の光学式位置検出装置10においては、X軸方向で離間する位置に2つの発光素子12(発光素子12A、12B)を備えていることから、発光素子12Aが形成する光強度分布と、発光素子12Bが形成する光強度分布とを利用すれば、対象物体ObのX座標を検出することができる。そこで、図6を参照して、光強度分布の構成およびX座標検出の原理を説明する。
【0057】
図6は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置で用いたX座標検出の原理を示す説明図であり、図6(a)、(b)は、検出光のX軸方向の強度分布等を示す説明図、および対象物体Obで反射した検出光の強度が等しくなるように検出光の強度分布を調整する様子を示す説明図である。
【0058】
本形態の光学式位置検出装置10においては、X座標を検出する際には、図6(a)に示すように、まず、X座標検出用第1期間において、発光素子12Aを点灯させる一方、発光素子12Bを消灯させ、X軸方向の一方側X1から他方側X2に向かって強度が単調減少していくX座標検出用第1光強度分布L2Xaを形成する。また、X座標検出用第2期間において、発光素子12Aを消灯させる一方、発光素子12Bを点灯させ、X軸方向の他方側X2から一方側X1に向かって強度が単調減少していくX座標検出用第2光強度分布L2Xbを形成する。好ましくは、X座標検出用第1期間において、X軸方向の一方側X1から他方側X2に向かって強度が直線的に減少していくX座標検出用第1光強度分布L2Xaを形成した後、X座標検出用第2期間において、X軸方向の他方側X2から一方側X1に向かって強度が直線的に減少していくX座標検出用第2光強度分布L2Xbを形成する。従って、検出領域10Rに対象物体Obが配置されると、対象物体Obにより検出光L2が反射され、その反射光の一部が光検出器30により検出される。ここで、X座標検出用第1期間に形成するX座標検出用第1光強度分布L2Xa、およびX座標検出用第2期間に形成するX座標検出用第2光強度分布L2Xbを予め、設定した分布としておけば、以下の方法等により、X座標検出部51は、光検出器30での検出結果に基づいて、対象物体ObのX座標を検出することができる。
【0059】
例えば、第1の方法では、図6(a)に示すX座標検出用第1光強度分布L2Xaと、X座標検出用第2光強度分布L2Xbとの差を利用する。より具体的には、X座標検出用第1光強度分布L2Xa、およびX座標検出用第2光強度分布L2Xbは予め、設定した分布になっているので、X座標検出用第1光強度分布L2XaとX座標検出用第2光強度分布L2Xbとの差も予め、設定した関数になっている。従って、X座標検出用第1期間においてX座標検出用第1光強度分布L2Xaを形成した際の光検出器30での検出値LXaと、X座標検出用第2期間においてX座標検出用第2光強度分布L2Xbを形成した際の光検出器30での検出値LXbとの差を求めれば、対象物体ObのX座標を検出することができる。かかる方法によれば、検出光L2以外の環境光、例えば、外光に含まれる赤外成分が光検出器30に入射した場合でも、検出値LXa、LXbの差を求める際、環境光に含まれる赤外成分の強度が相殺されるので、環境光に含まれる赤外成分が検出精度に影響を及ぼすことがない。なお、検出値LXa、LXbの比に基づいて対象物体ObのX座標を検出することもできる。
【0060】
次に、第2の方法では、X座標検出用第1期間においてX座標検出用第1光強度分布L2Xaを形成した際の光検出器30での検出値LXaと、X座標検出用第2期間においてX座標検出用第2光強度分布L2Xbを形成した際の光検出器30での検出値LXbとが等しくなるように、発光素子12に対する制御量(駆動電流)を調整した際の調整量に基づいて対象物体ObのX座標を検出する方法である。かかる方法は、図6(a)に示すX座標検出用第1光強度分布L2XaおよびX座標検出用第2光強度分布L2XbがX座標に対して直線的に変化する場合に適用できる。本例では、第1期間では、発光素子12Aが出射する検出光Laおよび発光素子12Bが出射する検出光Lbのうち、検出光Lbを参照光として利用し、第2期間では検出光Laを参照光とし、検出光と参照光との差動を利用する。
【0061】
まず、図6(a)に示すように、X座標検出用第1期間およびX座標検出用第2期間においてX座標検出用第1光強度分布L2XaとX座標検出用第2光強度分布L2Xbを絶対値が等しく、X軸方向で逆向きに形成する。この状態で、X座標検出用第1期間における光検出器30での検出値LXaと、X座標検出用第2期間における光検出器30での検出値LXbとが等しければ、対象物体ObがX軸方向の中央に位置することが分る。
【0062】
これに対して、X座標検出用第1期間における光検出器30での検出値LXaと、X座標検出用第2期間における光検出器30での検出値LXbとが相違している場合、検出値LXa、LXbが等しくなるように、発光素子12に対する制御量(駆動電流)を調整して、図6(b)に示すように、再度、X座標検出用第1期間においてX座標検出用第1光強度分布L2Xaを形成し、X座標検出用第2期間においてX座標検出用第2光強度分布L2Xbを形成する。その結果、X座標検出用第1期間における光検出器30での検出値LXaと、X座標検出用第2期間における光検出器30での検出値LXbとが等しくなれば、X座標検出用第1期間での発光素子12に対する制御量の調整量ΔLXaと、X座標検出用第2期間での発光素子12に対する制御量の調整量ΔLXbとの比あるいは差等により、対象物体ObのX座標を検出することができる。かかる方法によれば、検出光L2以外の環境光、例えば、外光に含まれる赤外成分が光検出器30に入射した場合でも、検出値LXa、LXbが等しくなるように発光素子12に対する制御量の調整を行なう際、環境光に含まれる赤外成分の強度が相殺されるので、環境光に含まれる赤外成分が検出精度に影響を及ぼすことがない。
【0063】
このようにして、光検出器30での検出結果に基づいて対象物体ObのX軸方向の位置情報を取得するにあたって、位置検出部50としてマイクロプロセッサーユニット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することに従って処理を行う構成を採用することができる。また、図5を参照して説明したように、論理回路等のハードウェアを用いた信号処理部で処理を行う構成を採用することもできる。
【0064】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10では、光源装置11が透光部材40において対象物体Obが位置する第1面41側とは反対側の第2面42側から検出光L2を出射して第1面41側(検出領域10R)に第1面41に対する法線方向で強度が変化する離間距離検出用光強度分布L2Zabを形成する。また、対象物体Obで反射して透光部材40の第2面42側に透過してきた反射光L3を光検出器30で検出する。ここで、離間距離検出用光強度分布L2Zabは、透光部材40からの離間距離LZと強度との間に一定の関係を有していることから、透光部材40からの離間距離と検出光の強度との関係を予め把握しておけば、位置検出部50の離間距離検出部53は、光検出器30の受光結果に基づいて対象物体Obと透光部材40との離間距離を検出することができる。それ故、本形態によれば、高価な撮像素子や、複雑で処理に時間を要する画像処理を必要としないので、応答性に優れた光学式位置検出装置10を安価に構成することができる。
【0065】
また、対象物体Obが透光部材40に接触すると、検出光L2の境界反射が起こらなくなるため、光検出器30での受光強度は、離間距離検出用光強度分布L2Zabから大きく外れた値となる。従って、位置検出部50の離間距離検出部53は、光検出器30で検出された強度が離間距離検出用光強度分布L2Zabから大きく外れた値となったときを対象物体Obが透光部材40に接触する位置と判定することができる。
【0066】
しかも、透光部材40の第1面41は、弾性および対象物体Obに対する吸着性を備えている。このため、対象物体Obが透光部材40の第1面41に接触すると、透光部材40の第1面41が変形して対象物体Obに吸着する。このため、対象物体Obと透光部材40とが近接した状態と、対象物体Obと透光部材40とが接触した状態とに明確に切り換わる。従って、対象物体Obが、透光部材40に接触する至近位置に到達すると、光検出器30で検出される検出光の強度が急峻に切り換わる。従って、位置検出部50の離間距離検出部53は、対象物体Obが透光部材40に接触したことを正確に判定することができる。
【0067】
ここで、透光部材40の第1面41は、シリコーン樹脂からなるため、透光部材40の第1面41が弾性および対象物体Obに対する吸着性を備えた構成を容易に実現することができる。
【0068】
また、本形態の光学式位置検出装置10では、光源装置11の光源が発光素子12であるため、光源装置11を小型かつ安価に構成することができる。また、光検出器30は、フォトダイオードまたはフォトトランジスター等の受光素子により構成しているので、光検出器30を小型かつ安価に構成することができる。
【0069】
さらに、本形態において、光源装置11は、第1面41に沿う面内方向(X軸方向)で強度が変化する面内位置検出用光強度分布(X座標検出用光強度分布)を形成する。このため、共通の光検出器30を用いて、対象物体Obの透光部材40からの離間距離、および対象物体Obと透光部材40との接触に加えて、対象物体Obの面内方向の位置(X座標)を検出することができる。
【0070】
[実施の形態2]
実施の形態1では、光学式位置検出装置10において、共通の光検出器30を用いて、対象物体Obの透光部材40からの離間距離、および対象物体Obと透光部材40との接触に加えて、対象物体Obの面内方向の位置(X座標)を検出する例を説明したが、図7〜10を参照して、さらに、対象物体ObのYX座標を検出する例を説明する。
【0071】
(全体構成)
図7は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図であり、図7(a)、(b)は、光学式位置検出装置の構成要素の立体的な配置を示す説明図、および光学式位置検出装置の構成要素の平面的な配置を示す説明図である。図8は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の全体構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分に同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
【0072】
図7および図8において、本形態の光学式位置検出装置10も、実施の形態1と同様、シート状あるいは板状の透光部材40の第1面41側に位置する対象物体Obの透光部材40との離間距離LZ(図8参照)を検出する光学式センサー装置であり、後述するロボットハンド装置での触覚センサーやタッチパネルとして利用される。
【0073】
かかる検出を行なうにあたって、本形態の光学式位置検出置10は、XY平面に沿って第1面を向けるシート状あるいは板状の透光部材40と、透光部材40において第1面41側とは反対側の第2面42側から検出光L2を出射する光源装置11と、対象物体Obで反射して透光部材40の第2面42側に透過してきた反射光L3を検出する光検出器30とを備えている。
【0074】
本形態において、光源装置11は、4つの位置検出用の発光素子12(発光素子12A〜12B)を備えており、かかる4つの発光素子12A、12Bは、X軸方向およびY軸方向で互いに離間する位置で発光面を透光部材40に向けている。発光素子12〜12Dは、LED(発光ダイオード)等により構成され、本形態において、発光素子12A〜12Dは、赤外光からなる検出光L2a〜L2dを発散光として放出する。
【0075】
光検出器30は、透光部材40に受光部31を向けたフォトダイオードであり、光検出器30は、透光部材40の第2面42側において、2つの発光素子12A、12Bが配置されている位置の間に配置されている。
【0076】
また、本形態でも、実施の形態1と同様、光源装置11は、光検出器30に向けて参照光L2rを出射する参照用の発光素子12Rも備えている。参照用の発光素子12Rも、位置検出用の発光素子12(発光素子12A〜12D)と同様、LED(発光ダイオード)等により構成され、発光素子12Rは、赤外光からなる参照光L2rを発散光として放出する。但し、参照用の発光素子12Rには遮光カバー(図示せず)が設けられており、参照発光素子12Rから出射された参照光L2rは、透光部材40の第1面41側(検出領域10R)に入射しないようになっている。
【0077】
本形態において、図8に示す光源駆動部14は、発光素子12を駆動する光源駆動回路140と、光源駆動回路140を介して位置検出用の発光素子12(発光素子12A〜12D)および参照用の発光素子12Rの各々の点灯パターンを制御する光源制御部145とを備えている。光源駆動回路140は、5つの発光素子12A〜12D、12Rを各々駆動する光源駆動回路140a〜140d、140rからなり、光源制御部145は、光源駆動回路140a〜140d、140rの全てを制御する。
【0078】
光検出器30には位置検出部50が電気的に接続されており、光検出器30での検出結果は位置検出部50に出力される。本形態において、位置検出部50は、増幅器等を備えた信号処理部55、X座標検出部51、Y座標検出部52、離間距離検出部53(Z座標検出部)、および接触判定部54を備えており、光源駆動部14と位置検出部50とは連動して動作し、後述する位置検出を行なう。
【0079】
(位置検出の動作等)
図9は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10において各々の発光素子12から出射される位置検出光の説明図である。図10は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10において、発光素子12から出射された位置検出光によって座標検出用の強度分布を形成した様子を示す説明図である。
【0080】
本形態の光学式位置検出装置10において、透光部材40の第1面41側に検出領域10Rが設定されており、光源装置11の発光素子12A〜12Bは、以下に説明する光強度分布を形成する。
【0081】
まず、検出領域10Rは例えば四角形であり、4つの発光素子12A〜12Dは、検出領域10Rの4つの角部分10Ra〜10Rdの各々に向けて中心光軸を向けている。このため、発光素子12Aが点灯すると、図9(a)に示すように検出領域10Rの角部分10Raを中心にした強度分布が形成される。また、発光素子12Bが点灯すると、図9(b)に示すように検出領域10Rの角部分10Rbを中心にした強度分布が形成される。発光素子12Cが点灯すると、図9(c)に示すように検出領域10Rの角部分10Rcを中心にした強度分布が形成される。また、発光素子12Dが点灯すると、図9(d)に示すように検出領域10Rの角部分10Rdを中心にした強度分布が形成される。
【0082】
従って、発光素子12A、12Dが点灯状態にあって他の発光素子12が消灯状態にあると、図10(a)に示すように、X軸方向の一方側X1から他方側X2に向かって検出光の強度が単調減少するX座標検出用第1光強度分布L2Xa(第1座標検出用強度分布/第1座標検出用第1強度分布)が形成される。本形態において、X座標検出用第1光強度分布L2Xaでは、X軸方向の一方側X1から他方側X2に向かって検出光L2の強度が直線的に変化し、かつ、Y軸方向では、検出光L2の強度が一定である。これに対して、発光素子12B、12Cが点灯状態にあって他の発光素子12が消灯状態にあると、図10(b)に示すように、X軸方向の他方側X2から一方側X1に向かって検出光の強度が単調減少するX座標検出用第2光強度分布L2Xb(第1座標検出用強度分布/第1座標検出用第2強度分布)が形成される。本形態において、X座標検出用第2光強度分布L2Xbでは、X軸方向の他方側X2から一方側X1に向かって検出光L2の強度が直線的に変化し、かつ、Y軸方向では、検出光L2の強度が一定である。従って、本形態の光学式位置検出装置10でも、実施の形態1と同様、X座標検出部51は、対象物体ObのX座標を検出することができる。
【0083】
また、発光素子12A、12Bが点灯状態にあって他の発光素子12が消灯状態にあると、図10(c)に示すように、Y軸方向の一方側Y1から他方側Y2に向かって検出光の強度が単調減少するY座標検出用第1光強度分布L2Ya(第2座標検出用強度分布/第2座標検出用第1強度分布)が形成される。本形態において、Y座標検出用第1光強度分布L2Yaでは、Y軸方向の一方側Y1から他方側Y2に向かって検出光L2の強度が直線的に変化し、かつ、X軸方向では、検出光L2の強度が一定である。これに対して、発光素子12Cおよび発光素子12Dが点灯状態にあって他の発光素子12が消灯状態にあると、図10(d)に示すように、Y軸方向の他方側Y2から一方側Y1に向かって検出光の強度が単調減少するY座標検出用第2光強度分布L2Yb(第2座標検出用強度分布/第2座標検出用第2強度分布)が形成される。本形態において、Y座標検出用第2光強度分布L2Ybでは、Y軸方向の他方側Y2から一方側Y1に向かって検出光L2の強度が直線的に変化し、かつ、X軸方向では、検出光L2の強度が一定である。従って、本形態の光学式位置検出装置10において、Y座標検出部52は、実施の形態1でX座標を検出したのと同様な方法により、対象物体ObのY座標を検出することができる。
【0084】
さらに、4つの発光素子12(第1発光素子12A、発光素子12B、発光素子12C、発光素子12D)が全て点灯すると、実施の形態1において図4を参照して説明した離間距離検出用光強度分布L2Zabを形成する。かかる離間距離検出用光強度分布L2Zabでは、透光部材40の第1面41から離間する方向に沿って強度が単調減少し、かかる変化は、検出領域10Rという限られた空間内で光量分布を制御することにより直線的な変化にすることができる。また、離間距離検出用光強度分布L2Zabでは、X軸方向およびY軸方向において強度が一定である。従って、本形態の光学式位置検出装置10でも、実施の形態1と同様、離間距離検出用光強度分布L2Zabおよび光検出器30での検出強度を利用して、対象物体Obと透光部材40との離間距離LZ(Z座標)を検出することができる。その際、実施の形態1と同様、参照光L2rを利用すれば、外光の影響などをキャンセルすることができる。
【0085】
また、本形態でも、透光部材40は少なくとも、第1面41側が弾性を備えているとともに、対象物体Obに対する吸着性を備えている。従って、本形態でも、図3に示すように、対象物体Obが透光部材40の第1面41に接触すると、瞬間的に、透光部材40の第1面41が対象物体Obに吸着した状態となる。このような吸着が発生すると、境界反射が起こらないため、光検出器30での受光強度は、図4(a)に矢印Fで示すように、離間位置検出用光強度分布L2Zabで規定される関係から大きく外れ、極めて低い値LZ0となる。従って、接触判定部54は、光検出器30で検出された強度が離間距離検出用光強度分布L2Zabから大きく外れた値となったときを対象物体Obが透光部材40に接触する位置と判定することができる。それ故、位置検出部50の離間距離検出部53は、対象物体Obが透光部材40に接触したことを正確に判定することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0086】
[光学式位置検出装置10の利用例1]
図11を参照して、本発明を適用した光学式位置検出装置10を触角センサーとして用いたロボットハンド装置を説明する。図11は、本発明を適用した光学式位置検出装置10を触覚センサーとしてハンド装置に備えたロボットアームの説明図であり、図11(a)、(b)は、ロボットアーム全体の説明図、およびハンド装置の説明図である。
【0087】
図11(a)に示すロボットアーム200は、数値制御工作機械等に対してワークや工具の供給および取り出し等行う装置であり、基台290から直立する支柱220と、アーム210とを備えている。本形態において、アーム210は、支柱220の先端部に第1関節260を介して連結された第1アーム部230と、第1アーム部230の先端部に第2関節270を介して連結された第2アーム部240とを備えている。支柱220は、基台290に対して垂直な軸線H1周りに回転可能であり、第1アーム部230は、支柱220の先端部で第1関節260によって水平な軸線H2周りに回転可能であり、第2アーム部240は、第1アーム部230の先端部で第2関節270によって水平な軸線H3周りに回転可能である。第2アーム部240の先端部にはハンド装置400のハンド450が連結されており、ハンド450は、第2アーム部240の軸線H4周りに回転可能である。
【0088】
図11(b)に示すように、ハンド装置400は、複数の把持爪410(把持具)を備えたハンド450を有しており、ハンド450は、複数の把持爪410の根元を保持する円盤状の把持爪保持体420を備えている。本形態において、ハンド450は、複数の把持爪410として、第1把持爪410Aおよび第2把持爪410Bを備えている。2つの把持爪410はいずれも、矢印H5で示すように、互いに離間する方向および接近する方向に移動可能である。
【0089】
このように構成したロボットアーム200において、対象物体Obを把持する際には、支柱220、第1アーム部230および第2アーム部240が所定方向に回転してハンド450を対象物体Ob(ワーク)に接近させた後、2つの把持爪410が互いに接近する方向に移動して対象物体Obを把持する。
【0090】
ここで、対象物体Ob(ワーク)を把持する際に対象物体Obに接する把持爪410の内面は、実施の形態1、2で説明した光学式位置検出装置10の透光部材40の第1面41からなる。従って、把持爪410が対象物体Obを把持する際、光学式位置検出装置10は、対象物体Obと把持爪410との相対位置を検出し、かかる位置検出結果は、把持爪410の駆動制御部にフィードバックされる。それ故、把持爪410を対象物体Obに高速で接近させることができ、ワーク把持動作の高速化を実現することができる。
【0091】
また、本形態の光学式位置検出装置10では、透光部材40の第1面41が弾性を備えているとともに、対象物体Obに対する吸着性を備えており、対象物体Obが透光部材40に接触したことを正確に判定することができる。それ故、ハンド装置400では、把持爪410が対象物体Obに接触した瞬間を正確に把握できるので、壊れやすい対象物体Obや非常に柔らかい対象物体Obであっても、対象物体Obに破損あるいは大きな変形を生じさせることなく対象物体Obを把持することができる。すなわち、壊れやすい対象物体Obを把持する場合には、把持爪410の接触圧を適正に設定することができ、柔らかい対象物体Obを把持する場合には、対象物体Obに対する把持爪410の沈み込み量を適正に設定することができる。
【0092】
[光学式位置検出装置1の利用例2]
図12を参照して、本発明を適用した光学式位置検出装置10をタッチパネルとして用いた表示装置を説明する。図12は、本発明を適用した光学式位置検出装置10をタッチパネルとして備えた位置検出機能付き投射型表示装置の構成を模式的に示す説明図であり、図12(a)、(b)は、位置検出機能付き投射型表示装置の要部を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。
【0093】
図12(a)、(b)に示す位置検出機能付き投射型表示装置100は、液晶プロジェクター、あるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置1200を備えており、かかる画像投射装置1200は、筐体1250の前面部1201に設けられた投射レンズ1210からスクリーン部材1290に向けて画像表示光L1を拡大投射する。
【0094】
本形態の位置検出機能付き投射型表示装置100は、画像が投射される前方空間(スクリーン部材1290の前方)に設定された検出領域10R内の対象物体Obの位置を光学的に検出する機能を備えている。本形態の位置検出機能付き投射型表示装置100では、かかる対象物体ObのXY座標を投射された画像の一部等を指定する入力情報として扱い、かかる入力情報に基づいて画像の切り換え等を行なう。
【0095】
かかる位置検出機能を実現することを目的に、本形態の位置検出機能付き投射型表示装置100では、実施の形態1、2を参照して説明した光学式位置検出装置10をタッチパネルとして用い、光学式位置検出装置10の透光部材40によってスクリーン部材290を構成する。従って、スクリーン部材290において画像が視認されるスクリーン面は、透光部材40の第1面41により構成された入力面として利用され、スクリーン部材290の裏面側(透光部材40の第2面42)の側には、位置検出光用の発光素子12を備えた光源装置11や、光検出器30が配置される。
【0096】
このように構成した位置検出機能付き投射型表示装置100においては、スクリーン部材290に表示された画像を指先等の対象物体Obで指示すると、対象物体ObのXY座標が検出され、かかる対象物体Obの位置を入力情報として扱うことができる。また、指先等の対象物体Obでスクリーン部材290を押圧した際、かかる押圧を入力の確定や、表示画像の切替等を指示する情報等として利用することができる。
【符号の説明】
【0097】
10・・光学式位置検出装置、10R・・検出領域、11・・光源装置、12、12A、12B、12C、12D・・位置検出用の発光素子、12R・・参照用の発光素子、30・・光検出器、40・・透光部材、41・・第1面、42・・第2面、50・・位置検出部、51・・X座標検出部、52・・Y座標検出部、53・・離間距離検出部、54・・接触判定部、100・・位置検出機能付き投射型表示装置、200・・ロボットアーム、400・・ハンド装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光部材の第1面側に位置する対象物体の位置を検出する光学式位置検出置であって、
前記透光部材において前記第1面側とは反対側の第2面側から検出光を出射して前記第1面側に当該第1面に対する法線方向で強度が変化する離間距離検出用光強度分布を形成する光源装置と、
前記対象物体で反射して前記透光部材の前記第2面側に透過してきた検出光を検出する光検出器と、
前記光検出器の受光強度および前記離間距離検出用光強度分布に対応する位置を前記対象物体の前記透光部材からの離間距離として検出する位置検出部と、
を有し、
前記位置検出部は、前記光検出器の受光強度が前記離間距離検出用光強度分布から外れたときに前記対象物体が前記透光部材に接触する位置と判定することを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記透光部材の前記第1面は、弾性および前記対象物体に対する吸着性を備えていることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記透光部材の前記第1面は、シリコーン樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記検出用光源部は、前記検出光を出射する発光素子を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記光検出器は、フォトダイオードまたはフォトトランジスターからなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記光源装置は、前記第2面側から前記検出光を出射して前記第1面に沿う面内方向で強度が変化する面内位置検出用光強度分布を形成し、
前記位置検出部は、前記光検出器の受光強度および前記面内位置検出用光強度分布に対応する位置を前記面内方向における前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えたハンド装置であって、
前記対象物体を把持するハンドを備え、
当該ハンドにおいて前記対象物体を把持する際に当該対象物体に接する面に前記透光部材を備えていることを特徴とするハンド装置。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えたタッチパネルであって、
前記透光部材の前記第1面からなる入力面を備えていることを特徴とするタッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−117751(P2011−117751A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273169(P2009−273169)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】