説明

光走査装置、及びこれを用いた画像形成装置

【課題】光走査装置における画像データの走査される領域幅を補正することができる光走査装置、及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】光センサBD1,BD2で光線が検出されたタイミングの時間差を検出し、当該時間差に基づき実走査時間を取得する時間差計測部211と、実走査時間が目標走査時間tsより長い場合、クロック信号生成部215によって画素クロック信号CLK1の周波数を減少させ、実走査時間が目標走査時間tsより短い場合、クロック信号生成部215によって画素クロック信号CLK1の周波数を増大させる周波数調整処理を行うクロック周波数調節部217とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成に用いられる感光体ドラムを露光する光走査装置、及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリンタ、ファクシミリ又は複写機等の画像形成装置において、半導体レーザから出射されたレーザ光を高速で回転するポリゴンミラーに入射させ、ポリゴンミラーで反射させたレーザ光により感光体ドラム上を走査して、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する光走査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、上述のようなポリゴンミラーの代わりに、半導体プロセスにより基板表面に鏡面を形成したMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーを用いた光走査装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。MEMSミラーは、ポリゴンミラーよりジッタや面倒れ等の性能に優れている。MEMSミラーは、機械的振動周波数で振動することで、振り角が変化し、レーザ光の走査を行うようになっている。
【特許文献1】特開2002−166592号公報
【特許文献2】特開2005−308820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ポリゴンミラーを用いた光走査装置では、ポリゴンミラーの回転速度が僅かでも変動すると、有効な画像データが走査される領域幅が変動してしまうという不都合があった。また、MEMSミラーを用いた光走査装置では、MEMSミラーの機械的振動周波数はデバイスの温度に大きく依存しているため、MEMSミラーの温度が変化することで共振周波数が変化し、それにより振幅(振り角)が大きく変化する結果、画像データが走査される領域幅が変動してしまうという不都合があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みて為された発明であり、光走査装置における画像データの走査される領域幅を補正することができる光走査装置、及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光走査装置は、所定の周波数を有するクロック信号を生成するクロック信号生成部と、画像の走査線を表すシリアル信号を、前記クロック信号と同期させて出力するシリアル画像データ出力部と、前記シリアル画像データ出力部から出力されるシリアル信号に基づく光線で、感光体ドラムを走査する露光部と、前記露光部による光線の走査の開始側における所定位置に配設された第1光センサと、前記露光部による光線の走査の終了側における所定位置に配設された第2光センサと、前記第1光センサで前記光線が検出されたタイミングと前記第2光センサで前記光線が検出されたタイミングとの時間差を検出し、当該時間差に基づき実走査時間を取得する実走査時間取得部と、前記実走査時間取得部により取得された実走査時間が予め設定された目標走査時間より長い場合、前記クロック信号生成部によって前記クロック信号の周波数を減少させ、前記実走査時間取得部により取得された実走査時間が前記目標走査時間より短い場合、前記クロック信号生成部によって前記クロック信号の周波数を増大させる周波数調整処理を行うクロック周波数調節部とを備える。
【0007】
この構成によれば、シリアル画像データ出力部によって、画像の走査線を表すシリアル信号がクロック信号と同期して出力される。また、露光部によって、当該シリアル信号に基づく光線で、感光体ドラムが走査される。そして、実走査時間取得部によって、走査の開始側に配設された第1光センサで光線が検出されたタイミングと走査の終了側に配設された第2光センサで光線が検出されたタイミングとの時間差が検出され、当該時間差に基づき実走査時間が取得される。さらに、クロック周波数調節部によって、実走査時間が目標走査時間より長い場合、クロック信号の周波数が減少され、実走査時間が目標走査時間より短い場合、クロック信号の周波数が増大される。
【0008】
実走査時間が目標走査時間より長い場合、露光部による光線の走査速度が遅くなり、主走査方向における画像データの走査される領域幅が狭くなっていると考えられる。このとき、クロック周波数調節部によって、クロック信号の周波数が減少されて、クロック信号の周期が伸ばされる。そうすると、このクロック信号と同期するシリアル信号のパルス幅が伸ばされて、主走査方向における画像データの走査される領域幅が補正される。
【0009】
一方、実走査時間が目標走査時間より短い場合、露光部による光線の走査速度が速くなり、主走査方向における画像データの走査される領域幅が広くなっていると考えられる。このとき、クロック周波数調節部によって、クロック信号の周波数が増大されて、クロック信号の周期が短縮される。そうすると、このクロック信号と同期するシリアル信号のパルス幅が短縮されて、主走査方向における画像データの走査される領域幅が補正される。
【0010】
また、前記露光部は、前記シリアル信号に応じて光線を出力する光源と、前記光源から出力された光線を反射すると共に、機械的共振周波数で振動することにより前記光線で前記感光体ドラムを走査する走査ミラーと、デジタル値による指示に応じて、前記走査ミラーの振幅を制御するための直流電圧を出力するデジタルアナログ変換器と、前記走査ミラーの機械的共振周波数と一致するように周波数が設定された周期信号を、前記デジタルアナログ変換器から出力された直流電圧に重畳させて、前記走査ミラーへ供給することにより前記走査ミラーを振動させる駆動部とを備えるものであり、前記実走査時間取得部によって取得された実走査時間が前記目標走査時間より長い場合、前記デジタル値による指示によって前記デジタルアナログ変換器から出力される直流電圧を増大させることにより前記走査ミラーの振幅を増大させ、前記実走査時間取得部によって取得された実走査時間が前記目標走査時間より短い場合、前記デジタル値による指示によって前記デジタルアナログ変換器から出力される直流電圧を低下させることにより前記走査ミラーの振幅を減少させる振幅調整処理を行う振幅調整部をさらに備えることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、振幅調整部によって、実走査時間取得部によって取得された実走査時間が目標走査時間より長い場合、すなわち走査ミラーの振幅が目標値より小さくなって光線の走査速度が遅くなっていると考えられる場合、走査ミラーの振幅を増大させることで、走査ミラーの振幅が目標値に近づくように補正される。一方、実走査時間が目標走査時間より短い場合、すなわち走査ミラーの振幅が規定値より大きくなって光線の走査速度が速くなっていると考えられる場合、振幅調整部によって、走査ミラーの振幅を減少させることで、走査ミラーの振幅が目標値に近くように補正される。これにより、機械的共振周波数で振動することにより光線で感光体ドラムを走査する走査ミラーの振幅を補正することができる。
【0012】
また、前記振幅調整部は、前記実走査時間取得部によって取得された実走査時間と前記目標走査時間との差が、前記デジタルアナログ変換器の出力電圧を当該デジタルアナログ変換器の分解能となる電圧だけ変化させた場合における前記時間差の変化量として予め設定された分解能時間の1/2未満である場合、前記振幅調整処理において、前記デジタルアナログ変換器から出力されている直流電圧を変化させることなく維持させることが好ましい。
【0013】
デジタルアナログ変換器の出力電圧は、デジタル値によって設定され、その出力電圧値は、デジタルアナログ変換器の分解能の単位で離散的な値しか設定できない。そのため、デジタルアナログ変換器から出力される直流電圧を変化させようとすると、必ずデジタルアナログ変換器の分解能となる電圧以上、変化することになる。そうすると、実走査時間と目標走査時間との差が分解能時間の1/2に満たないときに、デジタルアナログ変換器の出力電圧を変更して走査ミラーの振幅(振り角)を調節しようとすると、調整後の方がかえって実走査時間と目標走査時間との差が増大してしまうことになる。
【0014】
そこで、実走査時間と目標走査時間との差が分解能時間の1/2未満である場合、デジタルアナログ変換器から出力されている直流電圧を変化させることなく維持させることで、かえって走査ミラーの振幅と、当該振幅の目標値とのずれが増大してしまうことが抑制される。
【0015】
また、前記クロック周波数調節部は、前記振幅調整部によって前記振幅調整処理が実行された後、前記周波数調整処理を実行することが好ましい。
【0016】
走査ミラーの振幅が目標値とずれることによって、画像幅のずれが生じている場合、まず振幅調整処理によって、本質的な原因である走査ミラーの振幅の補正を行った後に、周波数調整処理により画像幅の補正を行うことで、画像幅の補正精度を向上することが容易となる。
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置は、上述の光走査装置と、前記感光体ドラムと、前記感光体ドラムに用紙を供給する用紙搬送部と、前記感光体ドラムが前記露光部により露光されることによって形成された静電潜像に基づいて、前記用紙搬送部によって供給された用紙に画像を形成する像形成部とを備えることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、上述の光走査装置によって、光走査装置において画像データが感光体ドラムに走査される領域幅が補正されて露光され、感光体ドラムに静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に基づいて用紙に画像が形成されるので、用紙に形成される画像の幅を補正することができる。
【0019】
また、前記光走査装置において前記用紙搬送部により搬送された1枚分の用紙への画像形成に関わる前記感光体ドラムの露光が実行される期間、前記クロック周波数調節部による周波数調整処理の実行を禁止するクロック調整禁止部をさらに備えることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、光走査装置において用紙搬送部により搬送された1枚分の用紙への画像形成に関わる前記感光体ドラムの露光が実行される期間、クロック周波数調節部による周波数調整処理の実行が禁止されるので、1枚の用紙に形成される画像の途中でクロック信号の周波数が変化して、画像にずれが生じてしまうおそれが低減される。
【発明の効果】
【0021】
このような構成の光走査装置は、感光体ドラムにおける画像データの走査される領域幅を補正することができる。
【0022】
また、このような構成の画像形成装置は、光走査装置によって感光体ドラムにおける画像データの走査される領域幅が補正されるので、用紙に形成される画像の幅を補正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複写機の内部構成を概略的に示す構造図である。図2は、図1に示す複写機1の電気的構成の一例を示すブロック図である。なお、画像形成装置は、複写機に限られず、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの機能を兼ね備えた複合機等であってもよい。
【0024】
この複写機1は、本体部2と、本体部2の左方に配設されたスタックトレイ3と、本体部2の上部に配設された原稿読取部5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部6と、本体部2の内部に配設された制御部100とを有している。
【0025】
複写機1のフロント部には、略長方形の操作パネル部47が設けられている。操作パネル部47は、表示部473と、操作キー部476とを備えている。表示部473は、例えばタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等によって構成されている。操作キー部476は、例えばユーザが印刷実行指示を入力するためのスタートキーや、印刷部数等を入力するためのテンキー等の各種キースイッチを備えている。
【0026】
原稿読取部5は、CCD(Charge Coupled Device)512及び露光ランプ511等からなるスキャナ部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53とを備える。スキャナ部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを制御部100へ出力する。また、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部100へ出力する。
【0027】
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出する原稿搬送機構63とを備える。
【0028】
本体部2は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から用紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬出されてきた用紙に画像を形成する画像形成部40と、装置全体の動作制御を司る制御部100とを備える。
【0029】
画像形成部40は、用紙搬送部411、光走査装置42、感光体ドラム43、現像部44、転写部41、及び定着部45を備えている。用紙搬送部411は、画像形成部40内の用紙搬送路中に設けられ、給紙ローラ462によって搬送されてきた用紙を感光体ドラム43に供給する搬送ローラ412や、用紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等を備えている。
【0030】
光走査装置42は、制御部100から出力された画像データに基づきレーザ光等を出力して感光体ドラム43を露光することで、感光体ドラム43上に静電潜像を形成する。現像部44は、感光体ドラム43上の静電潜像をトナー現像してトナー像を形成する。転写部41は、感光体ドラム43上のトナー像を用紙に転写する。定着部45は、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる。
【0031】
この場合、現像部44、転写部41、及び定着部45が、請求項における像形成部の一例に相当している。
【0032】
制御部100は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。制御部100には、原稿読取部5、画像形成部40、操作パネル部47、及びHDD(Hard Disk Drive)150が接続されている。そして、制御部100は、ROMやHDD150等に記憶された制御プログラムを実行することにより、複写制御部101、及び調整制御部111(クロック調整禁止部)として機能する。
【0033】
複写制御部101は、装置内の各部の動作を制御して、原稿画像の複写を実行する。具体的には、複写制御部101は、原稿読取部5によって原稿から読み取られた画像データを画像形成部40へ送信し、画像形成部40によって、当該画像の画像形成を実行させる。
【0034】
調整制御部111は、光走査装置42において用紙搬送部411により搬送された1枚分の用紙への画像形成に関わる感光体ドラム43の露光が実行される期間、光走査装置42における振幅調整処理、及び周波数調整処理の実行を禁止する。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態に係る光走査装置42の構成の一例を説明するための説明図である。図3に示す光走査装置42は、光センサBD1(第1光センサ)、光センサBD2(第2光センサ)、レーザダイオードLD(光源)、及びMEMSミラー420(走査ミラー)を備えている。光センサBD1は、画像の走査線における開始側の感光体ドラム43の端部付近に配設されている。光センサBD2は、画像の走査線における終了側の感光体ドラム43の端部付近に配設されている。
【0036】
光センサBD1,BD2は、それぞれ複数の光検出素子を備え、当該複数の光検出素子による検出信号に基づいて温度補償を行うようになっている。光センサBD1,BD2としては、例えば浜松ホトニクス(株)社製の型式S−9684を用いることができる。このような構成の光センサBD1,BD2は、レーザ光の検出タイミングが温度補償されて精度よく検出できる。
【0037】
光走査装置42は、後述するドライバ回路224から出力される駆動信号に応じて機械的共振周波数で振動することにより、レーザダイオードLDから出力されたレーザ光を反射させて感光体ドラム43を走査するようになっている。そして、走査されたレーザ光が光センサBD1,BD2に照射されたとき、光センサBD1,BD2から、それぞれ後述する時間差計測部211へレーザ光の検出タイミングを示す検出信号が出力される。
【0038】
図4は、図3に示す光走査装置42の電気的構成の一例を示すブロック図である。図4に示す光走査装置42は、光センサBD1,BD2、レーザダイオードLD、MEMSミラー420、走査制御部421、駆動部422、DAコンバータ222(デジタルアナログ変換器)、及びスイッチング素子423を備えて構成されている。
【0039】
そして、光センサBD1,BD2、及びレーザダイオードLDは、走査制御部421に接続され、MEMSミラー420は、駆動部422に接続されている。また、DAコンバータ222は、スイッチング素子423を介してバイアス電圧算出部213と接続されている。
【0040】
走査制御部421は、例えば所定の演算処理を実行するCPU、所定の制御プログラムが記憶されたROM、データを一時的に記憶するRAM、時間を計時するタイマ回路、及びこれらの周辺回路等を備えて構成されている。そして、走査制御部421は、当該ROM等に記憶された制御プログラムを実行することにより、LD制御部210、時間差計測部211、平均処理部212、調整処理部214、及びバイアス電圧算出部213として機能する。バイアス電圧算出部213は、スイッチング素子423を介してDAコンバータ222のデジタル入力端子と接続されている。
【0041】
なお、例えば制御部100が、所定の制御プログラムを実行することで、走査制御部421として機能するようになっていてもよい。また、調整制御部111を、光走査装置42が備えてもよい。
【0042】
LD制御部210は、画像形成の実行時には、複写制御部101から送信された画像データから、走査線を表す信号を生成してレーザダイオードLDへ出力する。これにより、LD制御部210は、レーザダイオードLDによって、画像データの走査線を表すレーザ光をMEMSミラー420へ照射させる。
【0043】
図5は、図4に示すLD制御部210の構成の一例を示すブロック図である。図5に示すLD制御部210は、クロック信号生成部215、シリアル画像データ出力部216、及びクロック周波数調節部217を備えている。
【0044】
クロック信号生成部215は、例えば発振回路やPLL(Phase Locked Loop)回路等を用いて構成されている。そして、クロック信号生成部215は、クロック周波数調節部217からの制御信号に応じた周波数のクロック信号を、画素クロック信号CLK1としてシリアル画像データ出力部216へ出力する。
【0045】
シリアル画像データ出力部216は、例えばシフトレジスタを用いて構成されている。そして、シリアル画像データ出力部216は、例えば複写制御部101から送信された画像データを、画像の走査線を表すシリアル信号SSに変換し、画素クロック信号CLK1と同期させてレーザダイオードLDへ出力する。これにより、シリアル画像データ出力部216は、レーザダイオードLDによって、画像データの走査線を表すレーザ光をMEMSミラー420へ照射させる。
【0046】
クロック周波数調節部217は、調整処理部214から周波数調整処理の実行指示を受け付けると、平均処理部212によって算出された平均時間Δtaveが、予め設定された目標走査時間tsより長い場合、クロック信号生成部215によって画素クロック信号CLK1の周波数を減少させ、平均時間Δtaveが目標走査時間tsより短い場合、クロック信号生成部215によって画素クロック信号CLK1の周波数を増大させる。
【0047】
時間差計測部211、平均処理部212、調整処理部214、及びバイアス電圧算出部213の動作については後述する。
【0048】
駆動部422は、例えば発振回路を用いて構成された駆動クロック生成部221、重畳回路223、及びドライバ回路224を備える。
【0049】
駆動部422は、MEMSミラー420を、機械的共振周波数fcで振動させる。また、駆動部422は、DAコンバータ222から出力される直流のバイアス電圧Vbias、すなわちバイアス電圧算出部213によってDAコンバータ222に設定された電圧値に応じて、MEMSミラー420の振幅(振り角)を調節する。
【0050】
図6は、図4に示す駆動クロック生成部221の動作を説明するための説明図である。駆動クロック生成部221は、MEMSミラー420の機械的共振周波数fcと一致するように予め周波数が設定されたクロック信号CLK2(周期信号)を生成する発振回路である。クロック信号CLK2の周期は、tcyc=1/fcに設定されている。
【0051】
図7は、図4に示すDAコンバータ222の動作を説明するための説明図である。DAコンバータ222は、バイアス電圧算出部213によって設定された電圧Vbの直流電圧を、バイアス電圧Vbiasとして重畳回路223へ出力する。
【0052】
図8は、図4に示す重畳回路223の動作を説明するための説明図である。重畳回路223は、駆動クロック生成部221において生成されたクロック信号CLK2をDAコンバータ222から出力されたバイアス電圧Vbiasに重畳させて得られた駆動電圧Vmを、ドライバ回路224へ出力する。
【0053】
ドライバ回路224は、重畳回路223から出力された駆動電圧VmをMEMSミラー420へ出力してMEMSミラー420を振動させる。この場合、MEMSミラー420の振幅、すなわち図3に示す振り角Aは、駆動電圧Vmに含まれる直流電圧成分であるバイアス電圧Vbiasが増大するほど増大し、バイアス電圧Vbiasが減少するほど減少する。これにより、駆動部422は、バイアス電圧算出部213によって設定されたバイアス電圧Vbiasの設定値に応じて、MEMSミラー420の振り角Aを調節することができる。
【0054】
次に、このように構成された複写機1の動作の一例について説明する。図9、図10は、図2に示す複写機1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、例えば複写機1の電源が投入されたときや、複数の用紙に対する連続印字中における、用紙と用紙の間(例えば、用紙1枚分の画像形成実行毎)等、光走査装置42において感光体ドラム43の露光が実行されていないとき(ステップS1でNO)、調整制御部111によって、MEMSミラー420の振幅調整を指示する制御信号が、光走査装置42へ出力される。
【0055】
そうすると、調整制御部111からの制御信号に応じて、スイッチング素子423がオンされる(ステップS2)。そして、走査制御部421、DAコンバータ222、及び駆動部422による振幅調整処理が以下のように実行される。
【0056】
まず、LD制御部210は、MEMSミラー420の振幅(振り角)調整を行う際、例えば予め設定された期間、レーザダイオードLDの発光を継続させる。
【0057】
次に、時間差計測部211は、光センサBD1,BD2によるレーザ光の検出信号を受信する。そして、時間差計測部211は、例えばタイマ回路を用いて、光センサBD1によってレーザ光が検出されてから光センサBD2によってレーザ光が検出されるまでの時間差△tを計測する(ステップS3)。
【0058】
ところで、MEMSミラー420は、図3に示す振り角Aで振動することによってレーザ光を走査するから、レーザ光は、感光体ドラム43上を往復することになる。このとき、光センサBD1,BD2のように、温度補償用に複数の光検出素子を備えた光センサを用いると、各光センサにおける複数の光検出素子の配置位置の関係で、画像走査方向にレーザ光が走査された場合と、画像走査方向と逆にレーザ光が走査された場合とで、光センサBD1,BD2によってレーザ光が検出されるタイミングにずれが生じるおそれがある。
【0059】
そのため、時間差計測部211は、画像走査方向にレーザ光が走査された場合と、画像走査方向と逆にレーザ光が走査された場合とのうち、いずれか一方の場合においてのみ、光センサBD1でレーザ光が検出されたタイミングと光センサBD2でレーザ光が検出されたタイミングとの時間差△tを検出することが好ましい。これにより、レーザ光の走査方向の違いによる、光センサBD1,BD2におけるレーザ光検出タイミングのバラツキが低減されるので、時間差△tの検出精度を向上させることができる。
【0060】
また、温度補償用に複数の光検出素子を備えた光センサを光センサBD1,BD2として用いつつ、時間差△tの検出精度を向上させることができるので、温度の影響による時間差△tの検出誤差を低減することが容易となる。
【0061】
なお、光線が走査される方向によって、光線の検出タイミングにずれが生じる現象は、温度補償用に複数の光検出素子を備えた光センサにおいて顕著であるが、他の光センサにおいても同様の現象が生じるおそれがあり、光センサBD1,BD2は、温度補償用に複数の光検出素子を備えたものに限らない。
【0062】
また、実際に画像形成が行われるときは、画像走査方向にレーザ光が走査されるから、画像形成が実行されるのと同じ画像走査方向にレーザ光が走査された場合においてのみ、時間差△tを計測し、すなわち光センサBD1によってレーザ光が検出されてから光センサBD2によってレーザ光が検出されるまでの時間差を時間差△tとして計測することが、さらに好ましい。
【0063】
この場合、実際に画像形成が行われるときと同じ方向にレーザ光が走査されたときの時間差△tを直接計測できるので、画像形成を行うときの時間差△tと、MEMSミラー420の振幅調整を行うときの時間差△tとの間でのずれが低減される結果、振幅調整の精度を向上させることが可能となる。
【0064】
次に、平均処理部212は、予め設定された時間内、例えば1〜10秒程度の時間内、あるいは予め設定された走査線数、例えば100ライン分や1枚の用紙分の走査線について、時間差計測部211によって複数回計測された時間差△tを、加算平均して平均時間Δtaveを算出する(ステップS4)。これにより、平均時間Δtaveとして、時間差△tのバラツキが吸収され、光センサBD1から光センサBD2までの走査時間の検出精度を向上することができる。
【0065】
以降、このようにして得られた平均時間Δtaveを実走査時間として、MEMSミラー420の振幅調整が行われるので、光センサBD1から光センサBD2までの走査時間の検出精度を向上することで、MEMSミラー420の振幅調整の精度を向上することができる。
【0066】
次に、調整処理部214は、平均処理部212によって算出された平均時間Δtaveと目標走査時間tsとの差と、DAコンバータ222から出力されるバイアス電圧VbiasをDAコンバータ222の分解能となる電圧だけ変化させた場合における時間差△tの変化量として予め設定された分解能時間trの1/2とが比較される(ステップS5)。
【0067】
DAコンバータ222の出力電圧は、デジタル値によって設定され、その出力電圧値は、DAコンバータ222の分解能の単位で離散的な値しか設定できない。そのため、DAコンバータ222から出力されるバイアス電圧Vbiasを変化させようとすると、必ずDAコンバータ222の分解能となる電圧以上、変化することになる。
【0068】
図11は、MEMSミラー420の振り角と時間差△tとの関係を示すグラフである。図11において、横軸は時間、縦軸はMEMSミラー420の振り角を示している。また、各グラフの振幅が、振り角Aに相当している。図11に示すように、時間差△tが目標値Tより長いT1であった場合、振り角は目標振り角より小さくなる。ここで、時間T1と目標走査時間tsとの差が分解能時間trに満たないときに、DAコンバータ222の分解能の電圧だけバイアス電圧Vbiasを増大させて振り角Aを増大させると、時間差△tが目標値Tより短いT2になり、振り角Aは目標振り角より大きくなってしまう。
【0069】
特に、平均時間Δtaveと目標走査時間tsとの差が分解能時間trの1/2に満たないときに、バイアス電圧Vbiasの設定値を変更してMEMSミラー420の振り角Aを調節しようとすると、調整後の方がかえって平均時間Δtave(時間差△t)と目標走査時間tsとの差が増大してしまうことになる。
【0070】
そこで、ステップS5において、平均時間Δtaveと目標走査時間tsとの差が分解能時間trの1/2以下のとき(ステップS5でYES)、調整処理部214は、バイアス電圧算出部213による振幅調整処理を実行させることなく、クロック周波数調節部217へ周波数調整処理の実行指示を出力し、ステップS11へ移行する。
【0071】
これにより、バイアス電圧Vbiasを変化させることで、かえってMEMSミラー420の振り角Aと振り角Aの目標値とのずれが増大してしまうことが抑制される。
【0072】
一方、平均時間Δtaveと目標走査時間tsとの差が分解能時間trの1/2を超えているとき(ステップS5でNO)、バイアス電圧算出部213は、平均処理部212によって算出された平均時間Δtaveを実走査時間として、予め設定された目標走査時間tsと比較する(ステップS6)。
【0073】
そして、平均時間Δtaveが、予め設定された目標走査時間tsより長い場合(ステップS6でYES)、MEMSミラー420の振幅が目標値より小さくなって、レーザ光の走査速度が遅くなっていると考えられるので、バイアス電圧算出部213は、DAコンバータ222の設定値を変更してバイアス電圧Vbiasを増大させることで、MEMSミラー420の振幅を増大させる(ステップS7)。
【0074】
一方、バイアス電圧算出部213は、平均時間Δtaveが、目標走査時間tsより短い場合(ステップS56でNO)、MEMSミラー420の振幅が目標値より大きくなって、レーザ光の走査速度が速くなっていると考えられるので、バイアス電圧算出部213は、DAコンバータ222の設定値を変更してバイアス電圧Vbiasを減少させることでMEMSミラー420の振幅を減少させる(ステップS8)。
【0075】
これにより、MEMSミラー420の振り角Aが、振り角Aの目標値に近づけられる。しかしながら、上述したように、DAコンバータ222の分解能のために、MEMSミラー420の振り角は、離散的にしか調節できないので、まだ振り角Aが目標値とずれているおそれがある。そこで、調整処理部214は、クロック周波数調節部217へ周波数調整処理の実行指示を出力し、ステップS9へ移行する。
【0076】
ステップS9において、時間差計測部211は、ステップS3と同様に時間差△tを計測する。次に、平均処理部212は、ステップS4と同様に、平均時間Δtaveを算出する(ステップS10)。
【0077】
次に、ステップS11において、クロック周波数調節部217は、平均処理部212によって算出された平均時間Δtaveを実走査時間として、目標走査時間tsと比較する(ステップS11)。そして、平均時間Δtaveと、目標走査時間tsとが等しければ(ステップS11で”=”)、MEMSミラー420の振幅は目標値通りであるから、画素クロック信号CLK1を変更する必要はないので、クロック周波数調節部217は周波数調整処理を終了する。
【0078】
また、平均時間Δtaveが、目標走査時間tsより長い場合(ステップS11で”>”)、MEMSミラー420の振幅が目標値より小さくなって、主走査方向における画像データの走査線が短くなり、画像の幅が狭くなっていると考えられるので、クロック周波数調節部217は、画素クロック信号CLK1の周波数を減少(周期を増大)させるべく、クロック信号生成部215へ制御信号を出力する(ステップS12)。
【0079】
そうすると、画素クロック信号CLK1の周期が長くなって、シリアル画像データ出力部216から出力されるシリアル信号SSのパルス幅が引き伸ばされるので、主走査方向における画像データの走査線が引き伸ばされることになり、画像の幅が補正される。
【0080】
一方、平均時間Δtaveが、目標走査時間tsより短い場合(ステップS11で”<”)、MEMSミラー420の振幅が目標値より大きくなって、主走査方向における画像データの走査線が長くなり、画像の幅が広くなっていると考えられるので、クロック周波数調節部217は、画素クロック信号CLK1の周波数を増大(周期を短縮)させるべく、クロック信号生成部215へ制御信号を出力する(ステップS13)。
【0081】
そうすると、画素クロック信号CLK1の周期が短くなって、シリアル画像データ出力部216から出力されるシリアル信号SSのパルス幅が短縮されるので、主走査方向における画像データの走査線が短縮されることになり、画像の幅が補正される。
【0082】
これにより、まずバイアス電圧算出部213によって、MEMSミラー420の振り角Aが調節される。その後、DAコンバータ222の分解能による制限で、目標振り角と振り角Aとの間にずれが残る場合には、さらにクロック周波数調節部217によって、画素クロック信号CLK1の周波数が調節されることで、目標振り角と振り角Aとの間のずれにより生じる画像データの走査される領域幅を補正することができる。
【0083】
なお、振り角Aの補正を行わずに、画素クロック信号CLK1の周波数調節のみによって、画像データの走査される領域幅、すなわち画像幅の補正を行ってもよい。しかしながら、本来振り角Aが目標値とずれることによって、画像幅のずれが生じているので、まず本質的な原因である振り角Aの補正を行った後に、画素クロック信号CLK1の周波数調節により画像幅の補正を行うことで、画像幅の補正精度を向上することが容易となる。
【0084】
この場合、時間差計測部211及び平均処理部212が、実走査時間取得部の一例に相当し、バイアス電圧算出部213が、振幅調整部の一例に相当している。
【0085】
次に、複写制御部101による画像形成動作が実行中の期間、より具体的には、光走査装置42において用紙一枚分の感光体ドラム43の露光が実行されている期間の間(ステップS1でYES)、調整制御部111によって、MEMSミラー420の振幅調整を禁止する制御信号が光走査装置42へ出力され、スイッチング素子423がオフ(ステップS14)された後、振幅調整処理、及び周波数調整処理を禁止するべく再びステップS1へ移行する。
【0086】
スイッチング素子423がオフされると、バイアス電圧算出部213からDAコンバータ222への制御信号の伝達経路が遮断されるので、バイアス電圧算出部213は、DAコンバータ222から出力されるバイアス電圧Vbiasの電圧Vbを変更することができなくなる結果、MEMSミラー420の振幅調整が禁止される。
【0087】
一枚の用紙の画像を形成中に、MEMSミラー420の振幅が調整されて変化すると、画像の主走査方向の幅が途中で変化してしまい、画像がずれてしまう。また、画素クロック信号CLK1が変化した場合にも、画像の主走査方向の幅が途中で変化して画像がずれてしまう。
【0088】
しかしながら、複写機1では、光走査装置42において用紙一枚分の感光体ドラム43の露光が実行されている期間の間、調整制御部111によって、ステップS2以降の振幅調整処理、及び周波数調整処理が禁止されるので、画像がずれることが抑制される。
【0089】
以上のように、本発明の一実施形態に係る光走査装置42、及びこれを用いた複写機1によれば、光走査装置における画像データの走査される領域幅を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複写機の内部構成を概略的に示す構造図である。
【図2】図1に示す複写機の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る光走査装置の構成の一例を説明するための説明図である。
【図4】図3に示す光走査装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図5】図4に示すLD制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図4に示す駆動クロック生成部の動作を説明するための説明図である。
【図7】図4に示すDAコンバータの動作を説明するための説明図である。
【図8】図4に示す重畳回路の動作を説明するための説明図である。
【図9】図2に示す複写機の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】図2に示す複写機の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】MEMSミラーの振り角と時間差△tとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0091】
1 複写機
40 画像形成部
41 転写部
42 光走査装置
43 感光体ドラム
44 現像部
45 定着部
100 制御部
101 複写制御部
111 振幅調整制御部
210 LD制御部
211 時間差計測部
212 平均処理部
213 バイアス電圧算出部
214 調整処理部
215 クロック信号生成部
216 シリアル画像データ出力部
217 クロック周波数調節部
221 駆動クロック生成部
222 DAコンバータ
223 重畳回路
224 ドライバ回路
411 用紙搬送部
420 MEMSミラー
421 走査制御部
422 駆動部
423 スイッチング素子
BD1,BD2 光センサ
CLK1 画素クロック信号
CLK2 クロック信号
LD レーザダイオード
SS シリアル信号
Vbias バイアス電圧
Vm 駆動電圧
△t 時間差
Δtave 平均時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数を有するクロック信号を生成するクロック信号生成部と、
画像の走査線を表すシリアル信号を、前記クロック信号と同期させて出力するシリアル画像データ出力部と、
前記シリアル画像データ出力部から出力されるシリアル信号に基づく光線で、感光体ドラムを走査する露光部と、
前記露光部による光線の走査の開始側における所定位置に配設された第1光センサと、
前記露光部による光線の走査の終了側における所定位置に配設された第2光センサと、
前記第1光センサで前記光線が検出されたタイミングと前記第2光センサで前記光線が検出されたタイミングとの時間差を検出し、当該時間差に基づき実走査時間を取得する実走査時間取得部と、
前記実走査時間取得部により取得された実走査時間が予め設定された目標走査時間より長い場合、前記クロック信号生成部によって前記クロック信号の周波数を減少させ、前記実走査時間取得部により取得された実走査時間が前記目標走査時間より短い場合、前記クロック信号生成部によって前記クロック信号の周波数を増大させる周波数調整処理を行うクロック周波数調節部と
を備えることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記露光部は、
前記シリアル信号に応じて光線を出力する光源と、
前記光源から出力された光線を反射すると共に、機械的共振周波数で振動することにより前記光線で前記感光体ドラムを走査する走査ミラーと、
デジタル値による指示に応じて、前記走査ミラーの振幅を制御するための直流電圧を出力するデジタルアナログ変換器と、
前記走査ミラーの機械的共振周波数と一致するように周波数が設定された周期信号を、前記デジタルアナログ変換器から出力された直流電圧に重畳させて、前記走査ミラーへ供給することにより前記走査ミラーを振動させる駆動部とを備えるものであり、
前記実走査時間取得部によって取得された実走査時間が前記目標走査時間より長い場合、前記デジタル値による指示によって前記デジタルアナログ変換器から出力される直流電圧を増大させることにより前記走査ミラーの振幅を増大させ、前記実走査時間取得部によって取得された実走査時間が前記目標走査時間より短い場合、前記デジタル値による指示によって前記デジタルアナログ変換器から出力される直流電圧を低下させることにより前記走査ミラーの振幅を減少させる振幅調整処理を行う振幅調整部をさらに備えること
を特徴とする請求項1記載の光走査装置。
【請求項3】
前記振幅調整部は、
前記実走査時間取得部によって取得された実走査時間と前記目標走査時間との差が、前記デジタルアナログ変換器の出力電圧を当該デジタルアナログ変換器の分解能となる電圧だけ変化させた場合における前記時間差の変化量として予め設定された分解能時間の1/2未満である場合、前記振幅調整処理において、前記デジタルアナログ変換器から出力されている直流電圧を変化させることなく維持させること
を特徴とする請求項2記載の光走査装置。
【請求項4】
前記クロック周波数調節部は、
前記振幅調整部によって前記振幅調整処理が実行された後、前記周波数調整処理を実行すること
を特徴とする請求項2又は3記載の光走査装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光走査装置と、
前記感光体ドラムと、
前記感光体ドラムに用紙を供給する用紙搬送部と、
前記感光体ドラムが前記露光部により露光されることによって形成された静電潜像に基づいて、前記用紙搬送部によって供給された用紙に画像を形成する像形成部とを備えること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記光走査装置において前記用紙搬送部により搬送された1枚分の用紙への画像形成に関わる前記感光体ドラムの露光が実行される期間、前記クロック周波数調節部による周波数調整処理の実行を禁止するクロック調整禁止部をさらに備えること
を特徴とする請求項5記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−186779(P2009−186779A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26851(P2008−26851)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】