説明

光電変換モジュール及びその製造方法

【課題】光ファイバを挿入孔へ挿入する際に削りカスを発生させることがなく、かつ、光ファイバの光素子に対する位置決め精度を高精度に安定して維持することのできる光モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】電気配線12が設けられた素子搭載面11に開口した挿入孔15を有する光フェルール10を用意し、電気配線12に電気的に接続されるように素子搭載面11に光電変換素子21を搭載し、先端面33の外縁部34が面取りされたガラスファイバ31を挿入孔に挿入し、ガラスファイバ31の先端面33を光電変換素子21に対して位置決めすることにより上記目的が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光フェルールを用いた光電変換モジュール、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバと面発光レーザー等の光素子を直接光結合させた光モジュール(光電変換モジュール)が提案されている(例えば特許文献1参照)。この種の光モジュールは、図9に示すデバイスアレイ(光電変換デバイス)101と、光フェルール103とを備えてなる。デバイスアレイ101は、結合面105が光フェルール103の結合面(素子搭載面)107に結合される。デバイスアレイ101の結合面105の中央部近傍には複数の光素子(光電変換素子)109が配置され、光素子109は複数のバンプ111を接続端子としている。
【0003】
光モジュールは、デバイスアレイ101の結合面105と光フェルール103の結合面107とを対向させ、挿入孔115に光素子109を位置合わせするとともに、電気配線にバンプ111を位置合わせし、バンプ111を介して電気配線に固定し、光フェルール103とデバイスアレイ101とを予め結合している。その後、光ファイバ113が挿入孔115に挿入され、デバイスアレイ101に対し光ファイバ113が直接光結合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−128657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような光モジュールに用いる光ファイバ113はファイバカッター等の刃物で切断することが一般的である。このため、光ファイバ113を挿入孔115へ挿入する際に、切断された端面である光ファイバ113の被覆が除去されたガラスファイバの先端面が挿入孔115の内周面を削り、削りカスがガラスファイバの先端面と光素子109との間に発生することがあった。このような削りカスが発生すると、光結合効率が低下するため望ましくない。
【0006】
このため、特許文献1の光モジュールでは、ガラスファイバ121の先端面が挿入孔115の内周面を削ることによる発塵を防止するために、図9に示すように、挿入孔115にガラスファイバ121よりも軟らかい被覆付光ファイバを挿入することを提案している。しかしながら、ガラスファイバ121よりも軟らかい被覆はガラスファイバ121よりも弾性変形の度合いが大きいため、被覆付光ファイバを挿入孔115へ挿入前或いは挿入後に何らかの外力が被覆付光ファイバに作用すると、ガラスファイバ121の先端面が被覆付光ファイバの光軸方向に移動してしまう。したがって、光素子109との距離が移動してしまってガラスファイバ121の先端面の光素子109に対する位置決め精度を高精度に安定して維持することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明の目的は、光ファイバを挿入孔へ挿入する際に削りカスを発生させることがなく、かつ、光ファイバの光素子に対する位置決め精度を高精度に安定して維持することのできる光電変換モジュール、及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によれば以下が提供される。
(1) 電気配線が設けられた素子搭載面に開口した挿入孔を有する光フェルールを用意し、
前記電気配線に電気的に接続されるように前記素子搭載面に光電変換素子を搭載し、
先端面の外縁部が面取りされたガラスファイバを前記挿入孔に挿入し、
前記ガラスファイバの前記先端面を前記光電変換素子に対して位置決めすることを特徴とする光電変換モジュールの製造方法。
(2) 前記ガラスファイバの前記外縁部は曲面に形成されていることを特徴とする(1)に記載の光電変換モジュールの製造方法。
(3) 前記ガラスファイバの前記先端面全体が曲面とされていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光電変換モジュールの製造方法。
(4) 前記ガラスファイバの前記先端面は、前記ガラスファイバの光軸と垂直な方向に対して傾いていることを特徴とする(1)から(3)の何れか一項に記載の光電変換モジュールの製造方法。
(5) 前記ガラスファイバを前記挿入孔に挿入する前に、前記挿入孔にアンダーフィルを充填し、
前記ガラスファイバの前記挿入孔への挿入時に、前記ガラスファイバの前記先端面で前記アンダーフィルを移動させて、前記ガラスファイバの前記先端面、前記光電変換素子及び前記光フェルールの前記素子搭載面との間に画成される空間に前記アンダーフィルを充填することを特徴とする(1)から(4)の何れか一項に記載の光電変換モジュールの製造方法。
(6) 前記ガラスファイバの先端をレーザーを用いて切断し、前記ガラスファイバの前記先端面の前記外縁部を曲面に形成することを特徴とする(1)から(5)の何れか一項に記載の光電変換モジュールの製造方法。
(7) 前記アンダーフィルを充填し、前記アンダーフィルを硬化させた後、
前記光電変換モジュールの前記素子搭載面とは反対側の側面を研磨することを特徴とする(5)に記載の光電変換モジュールの製造方法。
(8) 電気配線が設けられた素子搭載面に開口した挿入孔を有する光フェルールと、
前記電気配線に電気的に接続されるように前記素子搭載面に搭載された光電変換素子と、
光軸が前記光電変換素子の光軸と一致した状態で前記挿入孔に挿入されたガラスファイバとを有し、
前記ガラスファイバの先端面は外縁部が面取りされており、
前記ガラスファイバの前記先端面は、前記ガラスファイバの光軸と垂直な方向に対して傾斜されていることを特徴とする光電変換モジュール。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る光電変換モジュールの製造方法によれば、光フェルールの挿入孔に挿入するガラスファイバの先端面の外縁部が面取りされているので、挿入孔へ挿入する際にガラスファイバの先端面の外縁部が挿入孔の内周面を削ることがない。したがって、挿入時に削りカスが発生することがないので、高い光結合効率を有する光電変換モジュールの製造方法を提供することができる。また、ガラスファイバと挿入孔が直接接触していることにより、ガラスファイバの先端面の光電変換素子に対する位置決め精度を安定的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る光電変換モジュールの断面図である。
【図2】図1に示す光電変換モジュールのガラスファイバ先端面の拡大図である。
【図3】本発明の実施形態に係る光電変換モジュールの製造工程を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る光電変換モジュールの製造工程を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る光電変換モジュールの製造工程を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る光電変換モジュールの製造工程を示す図である。
【図7】本発明の変形例に係る光電変換モジュールのガラスファイバ先端面の拡大図である。
【図8】本発明の実施形態に係る光電変換モジュールが光コネクタと接続される様子を示す図である。
【図9】従来の光電変換モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る光電変換モジュールの製造方法の実施形態の例を、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
本実施形態に係る光電変換モジュール1は、光フェルール10と、光フェルール10に取り付けられる光デバイス20と、光フェルール10に取り付けられて光デバイス20へ光信号を送受信するガラスファイバ30と、を備える。図1は光電変換素子21及びガラスファイバ31を含む断面を示す図であり、本実施形態に係る光電変換モジュール1は、図1の紙面垂直方向にこれらの光電変換素子21及びガラスファイバ31が並列に配列されて複数の信号を光電変換できるようにされている。
【0013】
図1に示すように、光フェルール10は、一側面が素子搭載面11とされた略直方体状の樹脂成形体である。光フェルール10に用いることのできる樹脂は、ポリエステル樹脂、PPS樹脂あるいはエポキシ樹脂等を例示することができる。
【0014】
光フェルール10の素子搭載面11にはリードフレーム(電気配線)12が設けられており、リードフレーム12の端子部13は素子搭載面11に隣接する光フェルール10の一側面(図示の例では上面)14に回り込んで設けられている。或いは、リードフレーム12の切断面を端子部13として用いても良い。このように端子部13が光フェルール10の上面14に形成されていることにより、光フェルール10が搭載される共通の回路基板に設けられ光デバイス20を駆動するICチップと、光デバイス20とを、ワイヤボンディング等によって容易に電気的に接続できるようにされている。
【0015】
また、光フェルール10には、素子搭載面11に開口するように挿入孔15が貫通して設けられている。この挿入孔15の内径は、ガラスファイバ31の外径よりも僅かに大きく形成されている。また、光フェルール10の上面14から挿入孔15に連続するようにアンダーフィル40を導入するための導入孔16が設けられている。
【0016】
光デバイス20は光電変換素子21を有し、光フェルール10の素子搭載面11に取り付けられている。光デバイス20は、光電変換素子21の受発光面22が光フェルール10の挿入孔15の開口に対向した状態で、バンプ23を介して素子搭載面11のリードフレーム12に固定されている。なお、バンプ23による接続以外にもはんだ付けや導電性接着剤による接着等、機械的な接続と同時に電気的な接続を達成できれば、その接続手段を問わない。なお、光電変換素子21としては、フォトダイオード(PD)や面発光レーザー(VCSEL)を例示できる。この光電変換素子21は図1の紙面と垂直方向にアレイ状に光デバイス20に配列されていても良く、アレイ状の場合は、複数のガラスファイバ31からそれぞれ送受信される光信号を光電変換する。
【0017】
ガラスファイバ31はコアとクラッドからなり、被覆が除去されたファイバである。このガラスファイバ31は光フェルール10の光デバイス20とは反対側から挿入孔15に挿入されている。ここで、光電変換素子21が発光素子であった場合、発光素子21からの光が光ファイバ31の先端面33で反射して再び発光素子21に入射する反射戻り光防止の観点から、光電変換素子21の光軸(受発光面の法線)と光ファイバ31の先端面33は直交していないことが好ましい。また、光ファイバ31の先端面33が光ファイバ31の光軸方向に移動しても安定的に光電変換素子21との光結合を維持できるように、図示の如く光電変換素子21の光軸と光ファイバ31の光軸とが一致していればさらに好ましい。
【0018】
このガラスファイバ31の先端面33の外縁部34には、図2に拡大して示すように、面取りが施されている。このように、ガラスファイバ31の先端面33の外縁部34が面取りされているので、ガラスファイバ31の挿入孔15への挿入時に、ガラスファイバ31の先端面33の外縁部34が挿入孔15の内周面を削ることがないので、削りカスが発生しない。
【0019】
また、ガラスファイバ31の先端面33、光デバイス20及び光フェルール10の素子搭載面11との間に画成される空間Aには熱硬化性樹脂からなるアンダーフィル40が充填されている。このアンダーフィル40は、光フェルール10の素子搭載面11と光デバイス20との接続強度を向上させ、また、ガラスファイバ31の先端面33と光電変換素子21の受発光面22との間に外部からゴミ等が侵入することを防止する。また、このアンダーフィル40は挿入孔15の内周面とガラスファイバ31の外周面との間にも介在して、ガラスファイバ31の先端面33の光電変換素子21に対する位置を安定的に維持している。
【0020】
次に、上述の光電変換モジュール1の製造方法について説明する。
まず、図3に示す光フェルール10を用意する。この光フェルール10の素子搭載面11にはリードフレーム12を設け、挿入孔15が素子搭載面11に開口するように貫通して形成し、また、光フェルール10の上面14から挿入孔15まで貫通するようにアンダーフィル導入孔16を光フェルール10に形成しておく。
【0021】
次に、図4に示すように、光フェルール10の素子搭載面11に光デバイス20を取り付ける。具体的には、光電変換素子21の受発光面22が挿入孔15の開口に対向するように配置して、予めバンプ23の形成された光デバイス20をリードフレーム12に接触させ、振動溶着等によりリードフレーム12にバンプ23を介して光デバイス20を取り付ける。なお、振動溶着を用いたバンプ23による取付の外に、はんだ付けや導電性接着剤による接着によってリードフレーム12に光デバイス20を取り付けても良い。
【0022】
次に、図5に示すように、光フェルール10のアンダーフィル導入孔16から挿入孔15へ液状のアンダーフィル40を導入する。なお、ガラスファイバ31の先端面33とアンダーフィル40との間に空気が入り込むことを防止するために、ガラスファイバ31が挿入される挿入孔15の開口(図5の光フェルールの右側端)までアンダーフィル40を充填することが好ましい。
【0023】
次に、図6に示すように光フェルール10の光デバイス20とは反対側から挿入孔15へ、先端面33の外縁部34が面取りされたガラスファイバ31を挿入する。このとき、ガラスファイバ31の先端面33の外縁部34が面取りされているので、ガラスファイバ31の先端面33の外縁部34が挿入孔15の内周面を削ることがないので、削りカスが発生しない。
【0024】
なお、ガラスファイバ31の挿入孔15への挿入前にガラスファイバ31をレーザー溶断により切断することで、先端面33の外縁部34に曲面を形成し、外縁部34が面取りされた形状を容易に形成することができる。また、ファイバーカッター等の刃物でガラスファイバ31を切断し、その切断面を研磨して外縁部34を面取りしてもよい。
【0025】
また、ガラスファイバ31の挿入孔15への挿入に伴って、挿入孔15に導入されたアンダーフィル40がガラスファイバ31の先端面33に押されながら光デバイス20側に移動する。この時に、アンダーフィル40の一部が挿入孔15の内周面と光ファイバ30の外周との間に入り込むことにより、ガラスファイバ31を光フェルール10に対して固定することができる。
【0026】
ガラスファイバ31の先端面33を光デバイス20近傍の所定位置まで挿入したらガラスファイバ31の挿入を停止する。このとき、アンダーフィル40はガラスファイバ31の先端面33に押されて、ガラスファイバ31の先端面33、光フェルール10の素子搭載面11及び光デバイス20で画成される隙間Aに押し出される。このとき、アンダーフィル40の導入量を、押し出されたアンダーフィル40がバンプ23を覆うように管理することが好ましい。
【0027】
このように隙間Aにアンダーフィル40が充填された状態で、アンダーフィル40を加熱して硬化させると、アンダーフィル40が光ファイバ30、光フェルール10及び光デバイス20のそれぞれを固着させて光電変換モジュール1が完成する。このように硬質のガラスファイバ31が挿入孔15に対して直接固定されているので、ガラスファイバ31の先端面33の光電変換素子22に対する位置決め精度を高精度に安定して維持することができる。
【0028】
なお、図2に示すようにガラスファイバ31の先端面33の全体が曲面に形成されていると、アンダーフィル40の導入時あるいはガラスファイバ31の挿入孔15への挿入時に混入してしまう虞のある微少な気泡を、ガラスファイバ31の挿入によりアンダーフィル40が移動する際に、ガラスファイバ31の曲面に形成された先端面33に沿ってガラスファイバ31の外周側に移動させることができる。その結果、ガラスファイバ31を光デバイス20近傍の所定位置まで挿入した際に、ガラスファイバ31の先端面33と光デバイス20の受発光面22との間に気泡を介在させないことができるので、より高い光結合効率を有する光電変換モジュール1を提供することができる。
【0029】
また、気泡がガラスファイバ31の先端面33と光デバイス20の受発光面22との間に介在してしまうことを一層抑制するために、図7の変形例に示すようにガラスファイバ50の先端面51をガラスファイバ50の光軸Axと垂直な方向に対して傾斜させてもよい。
【0030】
このように、ガラスファイバ50の先端面51が光軸Axに対して直交するのではなく、ガラスファイバ50の光軸Axと垂直な方向に対して傾斜して形成されていれば、ガラスファイバ50を挿入孔15へ挿入する際に、ガラスファイバ50の中心付近に存在する気泡もガラスファイバ50の先端面51に案内されてガラスファイバ50の外周面に回り込みやすくなる。
【0031】
なお、この場合でも、ガラスファイバ50の外縁部52は面取りが施されており、ガラスファイバ50を挿入孔15に挿入するときに、ガラスファイバ50の先端面51が挿入孔15の内周面を削ることがないようにされている。
【0032】
また、図7に示す本発明の変形例に係る光電変換モジュールによれば、光電変換素子21が、VCSEL等を用いた発光素子であった場合、発光素子21から発せられた光がガラスファイバ50の先端面51で反射されて発光素子21の発光面22に入射することがない。このため、発光素子21を安定的に駆動することができるので、ノイズ混入の少ない光信号を送信することができる。
【0033】
また、上述の説明では、アンダーフィル40が光電変換素子21及びガラスファイバ31をそれぞれ素子搭載面11及び挿入孔15に固定する例を挙げて説明したが、両者をそれぞれ別々の樹脂により固定しても良い。この場合には、ガラスファイバ31を挿入孔15に固定する樹脂は透明である必要がない。さらに、ガラスファイバ31の外周面と挿入孔15の内周面との間で十分な摩擦抵抗が得られてガラスファイバ31の先端面33の光電変換素子21に対する位置がずれず、安定的に高い位置決め精度を維持することができれば、アンダーフィル40を省略してもよいことは勿論である。
【0034】
図8は、上述の実施形態に係る光電変換モジュール1が光コネクタ60と接続される様子を示す図である。なお、本例に用いる光電変換モジュール1では、ガラスファイバ31は後方で切断されて、ガラスファイバ31の後端面35が光フェルール10の素子搭載面11と反対側の側面(後端面)18と面一となるように、ガラスファイバ31の後端面35と光フェルール10の後端面18は一緒に研磨されている。このガラスファイバ31の切断、及び研磨は上記アンダーフィルの硬化後に行うことができる。
【0035】
また、光コネクタ60には並列に配置された複数本の光ファイバ70が束ねられた光ファイバテープ71が接続されており、複数本の光ファイバ70がそれぞれ光電変換モジュール1のガラスファイバ31と光学的に接続される。
【0036】
光コネクタ60の光ファイバ70の配列方向両端には、光コネクタ60から光電変換モジュール1に向かってガイド軸61が突出するように設けられ、光フェルール10のガイド軸61と対応する位置にガイド軸61が挿入可能なガイド孔17が設けられている。光電変換モジュール1と光コネクタ60とを接続する際に、光コネクタ60のガイド軸61を光フェルール10のガイド孔17に挿入することにより、光電変換モジュール1中のガラスファイバ31と光コネクタ60中の光ファイバ70を高精度に位置合わせできる。
【0037】
また、ガイド軸61をガイド孔17に挿入した状態で光フェルール10の反光コネクタ60側の側面(素子搭載面11)及び光コネクタ60の反光フェルール10側の側面62とに弾性部材からなるクランプ80が掛け渡されて装着されている。クランプ80を装着することで、容易にガラスファイバ31と光ファイバ70の光接続状態を維持することができる。
【符号の説明】
【0038】
10:光フェルール、11:素子搭載面、12:リードフレーム、13:端子部、14:上面、15:挿入孔、16:導入孔、20:光電変換デバイス、21:光電変換素子、22:受発光面、23:バンプ、30:光ファイバ、31,50:ガラスファイバ、33,51:先端面、34,52:外縁部、40:アンダーフィル、60:光コネクタ、70:ファイバテープ、80:クランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気配線が設けられた素子搭載面に開口した挿入孔を有する光フェルールを用意し、
前記電気配線に電気的に接続されるように前記素子搭載面に光電変換素子を搭載し、
先端面の外縁部が面取りされたガラスファイバを前記挿入孔に挿入し、
前記ガラスファイバの前記先端面を前記光電変換素子に対して位置決めすることを特徴とする光電変換モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記ガラスファイバの前記外縁部は曲面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記ガラスファイバの前記先端面全体が曲面とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記ガラスファイバの前記先端面は、前記ガラスファイバの光軸と垂直な方向に対して傾いていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の光電変換モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記ガラスファイバを前記挿入孔に挿入する前に、前記挿入孔にアンダーフィルを充填し、
前記ガラスファイバの前記挿入孔への挿入時に、前記ガラスファイバの前記先端面で前記アンダーフィルを移動させて、前記ガラスファイバの前記先端面、前記光電変換素子及び前記光フェルールの前記素子搭載面との間に画成される空間に前記アンダーフィルを充填することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の光電変換モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記ガラスファイバの先端をレーザーを用いて切断し、前記ガラスファイバの前記先端面の前記外縁部を曲面に形成することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の光電変換モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記アンダーフィルを充填し、前記アンダーフィルを硬化させた後、
前記光電変換モジュールの前記素子搭載面とは反対側の側面を研磨することを特徴とする請求項5に記載の光電変換モジュールの製造方法。
【請求項8】
電気配線が設けられた素子搭載面に開口した挿入孔を有する光フェルールと、
前記電気配線に電気的に接続されるように前記素子搭載面に搭載された光電変換素子と、
光軸が前記光電変換素子の光軸と一致した状態で前記挿入孔に挿入されたガラスファイバとを有し、
前記ガラスファイバの先端面は外縁部が面取りされており、
前記ガラスファイバの前記先端面は、前記ガラスファイバの光軸と垂直な方向に対して傾斜されていることを特徴とする光電変換モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−145795(P2012−145795A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4628(P2011−4628)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】