説明

内燃機関

【課題】過給器と排気ガス再循環用の構成とを備える場合において、運転領域の変化によって内燃機関の性能が損なわれるのを抑制する措置を取るうえで好適な構成を備えた内燃機関を提供する。
【解決手段】排気枝管30は、タービン44の上流位置に連通する。排気枝管30と連通する排気ポートを開閉する排気弁の群を排気弁群Ex1とする。排気枝管32は、タービン44の下流位置に連通する。排気枝管32と連通する排気ポートを開閉する排気弁の群を排気弁群Ex2とする。気筒4において、EGR通路50と連通する排気ポートを開閉する排気弁は、排気弁群Ex1に所属させる。内燃機関には、各排気弁を駆動する可変動弁機構が備えられる。可変動弁機構により、排気弁群Ex1に属する排気弁の開弁特性と排気弁群Ex2に属する排気弁の開弁特性との間の相対的な関係を気筒1、2、3、4の間で等しくし、かつ、排気弁群Ex1に属する排気弁の開弁特性と排気弁群Ex2に属する排気弁の開弁特性とを相違させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特表2003−506619号公報に開示されているように、多気筒内燃機関において特定の気筒から吸気系へ排気ガスを還流する構成が知られている。当該公報においては、過給内燃機関で排気ガス再循環(EGR)を行う場合における、排気ガスの掃気性について検討している。すなわち、上記公報では、「過給内燃機関では、排気ガス背圧がブースト圧を超える作動状態においてのみ排気ガス再循環が可能であるが、この場合において、シリンダー出口よりシリンダー入口が高い圧力を有する正の掃気勾配を確立することができないという問題がある。」という記載がある。このような問題に対処するために、上記公報にかかる構成では、内燃機関の特定かつ単一の気筒のみから、EGRのために排気ガスを取り出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2003−506619号公報
【特許文献2】特開平5−263671号公報
【特許文献3】特開2009−215914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
過給内燃機関にて排気ガス再循環を行う構成において、運転領域に応じて個別具体的に適切な措置が取られないと、内燃機関の性能低下を招来するおそれがある。例えば、過給器を備える内燃機関において、高過給時(特に低速域での高過給化時)にサージタンク内の圧力が排気圧よりも大きくなる。このような圧力の関係が成立しているときには、排気ガス掃気時期に掃気性の悪化をまねくおそれがある。本願発明者は、鋭意研究を進めたところ、過給器と排気ガス再循環用の構成とを備える場合において、運転領域の変動によって内燃機関の性能が損なわれるのを抑制する措置をとるうえで好適な構成を見出すに至った。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、過給器と排気ガス再循環用の構成とを備える場合において、運転領域の変化によって内燃機関の性能が損なわれるのを抑制する措置を取るうえで好適な構成を備えた内燃機関を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関であって、
2つ以上の排気ポートをそれぞれ備える複数の気筒と、
前記複数の気筒の一部の気筒における、前記2つ以上の排気ポートの一部の排気ポートに連通するEGR通路と、
前記複数の気筒の前記一部の気筒以外の他の気筒のそれぞれにおける、前記2つ以上の排気ポートの一部の排気ポートに連通する第1排気通路と、
前記複数の気筒の前記他の気筒のそれぞれにおける、前記第1排気通路と連通する前記一部の排気ポート以外の、他の排気ポートと連通する第2排気通路と、
第1の位置で前記第1排気通路と連通し、前記第1の位置と異なる第2の位置で前記第2排気通路と連通する主排気通路と、
前記主排気通路における前記第1の位置の下流位置かつ前記第2の位置の上流位置に設けられたタービンを有する過給器と、
前記複数の気筒の前記一部の気筒における、前記EGR通路と連通する前記一部の排気ポート以外の、他の排気ポートと連通し、且つ前記タービンの上流位置または下流位置において前記主排気通路に連通する第3排気通路と、
前記複数の気筒の前記2つ以上の前記排気ポートにそれぞれ設けられた排気弁と、
前記タービンの上流位置に連通する排気ポートを開閉する排気弁の群を第1排気弁群とし、前記タービンの下流位置に連通する排気ポートを開閉する排気弁の群を第2排気弁群とし、かつ、前記第3排気通路が前記タービン下流位置で前記主排気通路に連通する場合には前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第1排気弁群に所属させるものとし前記第3排気通路が前記タービン上流位置で前記主排気通路に連通する場合には前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第2排気弁群に所属させるものとした場合において、前記第1排気弁群に属する排気弁の開弁特性と前記第2排気弁群に属する排気弁の開弁特性との間の相対的な関係を前記複数の気筒の間で等しくし、かつ、前記第1排気弁群に属する排気弁の開弁特性と前記第2排気弁群に属する排気弁の開弁特性とを相違させることができる可変動弁手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記第3排気通路は、前記タービンの下流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第1排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の触媒暖機運転のときに、前記第2排気弁群の作用角を前記第1排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第2排気弁群の開弁時期を前記第1排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0008】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記第3排気通路は、前記タービンの下流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第1排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の低速域に該当するときに、前記第1排気弁群の作用角を前記第2排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0009】
また、第4の発明は、第1乃至3の発明のいずれか1つにおいて、
前記第3排気通路は、前記タービンの下流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第1排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の中速域または高速域であって排気圧が吸気圧より大きい所定領域に該当するときに、前記第1排気弁群の作用角を前記第2排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また、第5の発明は、第1乃至4の発明のいずれか1つにおいて、
前記第3排気通路は、前記タービンの下流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第1排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の中速域または高速域であって排気圧が吸気圧以上である所定領域に該当するときに、前記第1排気弁群の作用角を前記第2排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期と前記第2排気弁群の開弁時期と一致させる開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、第6の発明は、第1の発明において、
前記第3排気通路は、前記タービンの上流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第2排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の低回転域であって排気圧が吸気圧以下である所定領域に該当するときに、前記第1排気弁群の作用角を前記第2排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、第7の発明は、第1または第6の発明において、
前記第3排気通路は、前記タービンの上流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第2排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の低回転域であって排気圧が吸気圧より大きい所定領域に該当するときに、前記第2排気弁群の作用角を前記第1排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0013】
また、第8の発明は、第1、第6および第7の発明のいずれか1つにおいて、
前記第3排気通路は、前記タービンの上流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第2排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の中回転域または高回転域であって排気圧が吸気圧以上である所定領域に該当するときに、前記第1排気弁群の作用角と前記第2排気弁群の作用角とを一致させる作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0014】
また、第9の発明は、第1、第6、第7および第8の発明のいずれか1つにおいて、
前記第3排気通路は、前記タービンの上流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第2排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の中回転域または高回転域であって排気圧が過給圧より所定量以上に大きい所定領域にあるときに、前記第1排気弁群の作用角を前記第2排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また、第10の発明は、第1の発明において、
前記第1排気弁群と前記第2排気弁群の間の開弁特性の相対的関係を前記内燃機関の運転領域に応じて定めた情報を記憶する記憶手段と、
前記内燃機関の運転領域が、前記情報における前記運転領域の何れに該当するかを特定する運転領域特定手段と、
前記運転領域特定手段で特定した運転領域に応じて前記情報で定められた開弁特性の前記相対的関係を前記第1排気弁群と前記第2排気弁群との間で成立させるように、前記可変動弁手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明によれば、第1排気弁群と第2排気弁群との間で、開弁特性を独立に調節することが可能となる。本願発明者は、過給器と排気ガス再循環用の構成とを備える内燃機関において運転領域の変化に対処するうえでは、「タービン上流位置に連通する排気ポートの排気弁群の開弁特性」と「タービン下流位置に連通する排気ポートの排気弁群の開弁特性」とを、それらのいずれかの群に「EGR通路に連通する排気ポートの排気弁」を所属させたうえで、群単位で調節することが有用であることを見出した。第1の発明によれば、内燃機関の複数の弁体を第1排気弁群と第2排気弁群とに適切に分属させたうえで、複数の弁体の開弁特性を第1、2排気弁群の単位で相違させることが可能となる。
【0017】
第2の発明によれば、排気をタービン後方に多く流して、触媒の暖機を促すことができる。
【0018】
第3の発明によれば、低速域において、タービン回転エネルギ確保と新気量増加を図ることができる。また、EGRガスを取り出す気筒については、EGR量およびEGRガス注入を確保することができる。
【0019】
第4の発明によれば、運転領域に応じて、排気ガス温度を低めにすることができるとともに、EGRガス量の確保も図ることができる。
【0020】
第5の発明によれば、多量の排気ガスの掃気が必要となる領域において、掃気効率を上昇させることができる。
【0021】
第6の発明によれば、運転領域に応じて、過給性能の向上とともに吸気の逆流を防止(抑制)することができる。
【0022】
第7の発明によれば、運転領域に応じて、排気干渉回避(新気量増大)を図るとともに、EGR量の確保とタービン回転エネルギ確保の両立を図ることができる。
【0023】
第8の発明によれば、運転領域に応じて、タービン回転エネルギを確保するとともに、EGRガス量の確保とタービン前背圧低減による排気ガス温度の低下を図ることができる。
【0024】
第9の発明によれば、運転領域に応じて、残留ガス量を抑制するとともに、タービン前背圧の低減およびEGRガス量が過多になることを抑制することができる。
【0025】
第10の発明によれば、過給器と排気ガス再循環用の構成とを備える内燃機関において、各々の排気弁の開弁特性の特質を考慮して複数の排気弁を第1排気弁群と第2排気弁群の何れかに適切に振り分けたうえで、運転領域に応じた排気弁制御を、群単位で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態2にかかる内燃機関の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる内燃機関における、触媒暖機時における開弁特性を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる内燃機関における、低速域における開弁特性を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる内燃機関における、中高速かつ排気圧>吸気圧(過給圧)となる領域における開弁特性を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1にかかる内燃機関における、中高速、排気圧≧吸気圧(過給圧)となる領域における開弁特性を示す図である。
【図6】低速高過給時の吸排気脈動特性の一例を示す図である。
【図7】高速高過給時の吸排気脈動特性の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2にかかる内燃機関の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2にかかる内燃機関における、低回転、排気圧≦過給圧となる領域における開弁特性を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2にかかる内燃機関における、低回転、排気圧>吸気圧(過給圧)となる領域における開弁特性を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態2にかかる内燃機関における、中高回転、排気圧≧吸気圧(過給圧)となる領域における開弁特性を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2にかかる内燃機関における、中高回転、排気圧>>過給圧となる領域となる領域における開弁特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施の形態1.
[実施の形態1にかかる内燃機関の構成]
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の構成を示す図である。実施の形態1にかかる内燃機関は、車両等の移動体に好適である。実施の形態1にかかる内燃機関は直列4気筒型の過給内燃機関である。図1には、気筒1、2、3および4を備えるシリンダヘッド10が示されている。また、図1には、ターボチャージャ40(コンプレッサ42、タービン44)およびEGRシステム(EGR通路50、EGRクーラ52)も示されている。
【0028】
シリンダヘッド10には、気筒ごとに、吸気ポートおよび排気ポートが設けられている。気筒1、2、3、4のそれぞれには、2つずつ、吸気ポートが備えられている。符号は付さないが、各吸気ポートには、それぞれ吸気弁が設けられている。各吸気ポートは、サージタンク20に連通している。サージタンク20は、吸気通路26に連通している。吸気通路26には、スロットル22、インタークーラ24、エアクリーナ28が、上流に向かって順次設けられている。
【0029】
気筒1、気筒2、気筒3および気筒4のそれぞれには、2つずつ、排気ポートが設けられている。各気筒には、それぞれ、排気弁8aおよび排気弁8aが設けられている。気筒1、2、3における排気弁8aが設けられた排気ポートは、排気枝管30に連通している。一方、気筒1、2、3における排気弁8bが設けられた排気ポートは、排気枝管32に連通している。排気枝管30および排気枝管32は、主排気通路34に連通している。
【0030】
気筒4は、気筒1、2、3とは異なる態様で、排気系に接続する。気筒4における排気弁8aが設けられた排気ポートは、排気枝管32の一部32aに連通している。この結果、気筒4における排気弁8aが設けられた排気ポートは、気筒1、2、3の排気弁8aが設けられた排気ポートと、排気枝管32にて合流し、最終的に主排気通路34に連通する。一方、気筒4における排気弁8bが設けられた排気ポートは、EGR通路50に連通している。EGR通路50は、EGRクーラ52を介してサージタンク20に連通している。図示しないが、EGRシステムを構成するEGRバルブ等の他の機構が適宜に設けられても良い。
【0031】
主排気通路34には、スタート触媒36(以下、単に「触媒36」とも称す)が設けられている。図示しないが、主排気通路34には、空燃比センサやサブ酸素センサ、排気温度センサその他の各種センサが適宜に設けられても良い。
【0032】
主排気通路34には、タービン44が設けられている。タービン44は、吸気通路26の途中に配置されたコンプレッサ42とともに、ターボチャージャ40を構成している。排気枝管30は、タービン44の上流において、主排気通路34と連通している。これにより、排気枝管30にまとめられた排気ガスでタービン44の回転を生じさせることができる。一方、排気枝管32は、タービン44の下流(後方)であって触媒36の上流(前方)にて、主排気通路34に連通している。
【0033】
実施の形態1では、排気弁8a、排気弁8bが、図示しない可変動弁機構によって駆動されている。この可変動弁機構は、作用角および開弁時期の双方を変更することが可能な機構とする。
実施の形態1にかかる可変動弁機構は、次に述べるように、排気弁8a、排気弁8bを特定の群の単位で操作できるように構成される。先ず、タービン44の上流位置に連通する排気ポートを開閉する排気弁の群を、「排気弁群Ex1」とする。実施の形態1では、気筒1、2および3の排気弁8aが、排気弁群Ex1に所属する。一方、タービン44の下流位置に連通する排気ポートを開閉する排気弁の群を「排気弁群Ex2」とする。実施の形態1では、気筒1、2および3の排気弁8bが、排気弁群Ex2に所属する。
さらに、実施の形態1では、気筒4における排気弁8aを、排気弁群Ex2に所属させる。気筒4における排気弁8aが設けられた排気ポートも、排気枝管32の一部32aを介して、タービン44の下流位置に連通するからである。また、気筒4における排気弁8bは、排気弁群Ex1に所属させる。
実施の形態1では、このように2つの群にそれぞれ振り分けられた排気弁8a、8bの開弁特性(作用角、リフト量、開弁時期)を、排気弁群Ex1、Ex2の群単位でもって独立に調節できるように、可変動弁機構のハードウェア構成および制御構成(ソフトウェア構成)を構成しておく。実施の形態1では、排気弁群Ex1に属する排気弁の開弁特性と、排気弁群Ex2に属する排気弁の開弁特性との間の相対的な関係(つまり、作用角の大小や、開弁時期の相対的な早/遅)を気筒1、2、3、4の間で等しくすることを可能にしておく。具体的には、例えば、「排気弁群Ex1、Ex2の相対的関係で規定された開弁特性の関係が入力情報として与えられた場合に、排気弁群Ex1、Ex2にそれぞれ属する排気弁が、気筒ごとに当該開弁特性の関係を実現させる制御モード」を、予めECU60で実行可能にしておくなどの措置を取ればよい。
【0034】
図1には、ECU(Electronic Control Unit)60が示されている。図示しないが、内燃機関には、クランク角センサ、エンジン水温センサ、その他の各種センサが備えられている。ECU60は、内燃機関に備えられた各センサからの信号を処理し、その処理結果を各アクチュエータ(具体的には、可変動弁機構など)の操作に反映させている。
【0035】
[実施の形態1にかかる内燃機関の動作]
図2乃至5は、実施の形態1にかかる内燃機関の動作を説明するための図である。図2乃至5には、実施の形態1において実現される吸気弁および排気弁の開弁特性(作用角、リフト量及び開弁時期)がそれぞれ示されている。実施の形態1では、下記のように、運転領域に応じて、前述した排気弁群Ex1および排気弁群Ex2の開弁特性を切り換える。以下の説明では、排気弁群Ex1に属する排気弁のそれぞれの作用角を、単に「排気弁群Ex1の作用角」とも総称する。また、排気弁群Ex1に属する排気弁のそれぞれの開弁時期を、単に「排気弁群Ex1の開弁時期」とも総称する。
【0036】
(1−1)触媒暖機
図2は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関における、触媒暖機時における開弁特性を示す図である。冷間始動や暖機/アイドル運転中などにおける触媒暖機運転中には、下記の条件(1a)および(1b)を満たすように可変動弁機構を制御する。
(1a)排気弁群Ex2の作用角>排気弁群Ex1の作用角
(1b)排気弁群Ex2の開弁時期を、排気弁群Ex1の開弁時期よりも、早くする。
これにより、排気の殆どをタービン44後方に流して、触媒36の暖機を促進/維持することができる。
【0037】
(1−2)低速域
図3は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関における、低速域における開弁特性を示す図である。低速域では、下記の条件(2a)乃至(2c)を満たすように可変動弁機構を制御する。
(2a)排気弁群Ex1の作用角>排気弁群Ex2の作用角
(2b)排気弁群Ex1の開弁時期を、排気弁群Ex2の開弁時期よりも、早くする。
(2c)排気弁群Ex1の作用角を180度以下とする。
これにより、排気弁群Ex1に属する排気弁を備えた気筒に関して、作用角180度以下とし、自気筒ブローダウン波によるタービン回転エネルギ確保と次気筒ブローダウン波による排気干渉回避による新気量増加を図ることができる。また、EGRガスを取り出す気筒4については、自気筒ブローダウン波によるEGR量の確保、吸気圧>排気圧の条件下においてもEGR注入を図ることができる。
なお、図6は、低速高過給時の吸排気脈動特性の一例を示す図である。図6は、実施の形態1の動作説明のために示すものであり、実施の形態1の適用をしていない構成における特性を示している。図6における符号Aを付した領域を見ると、ブローダウン時には排気圧が吸気圧を上回るものの、それを過ぎた後の領域Aにおいては吸気圧(過給圧)が排気圧に勝っていることが読み取れる。
【0038】
(1−3)中高速、排気圧>吸気圧(過給圧)となる領域
図4は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関における、中高速かつ排気圧>吸気圧(過給圧)となる領域における開弁特性を示す図である。この領域では、下記の条件(3a)および(3b)を満たすように可変動弁機構を制御する。
(3a)排気弁群Ex1の作用角>排気弁群Ex2の作用角
(3b)排気弁群Ex1の開弁時期を、排気弁群Ex2の開弁時期よりも、早くする。
これにより、気筒1、2、3からの排気ガスがタービン44で放熱し、触媒36の入口における排気ガス温度を低めにすることができる。これにより触媒床温の上昇を抑制することができる。結果、λ1運転領域の拡大を図ることができる。また、その一方で、実施の形態1では、EGR通路50に連通する気筒4において、EGR通路50との連通にかかわる排気弁8bが排気弁群Ex1に属している。このため、気筒4から取り出すEGRガス量の確保も図ることができる。
【0039】
(1−4)中高速、排気圧≧吸気圧(過給圧)となる領域
図5は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関における、中高速、排気圧≧吸気圧(過給圧)となる領域における開弁特性を示す図である。この領域では、下記の条件(4a)および(4b)を満たすように可変動弁機構を制御する。
(4a)排気弁群Ex1の作用角>排気弁群Ex2の作用角
(4b)排気弁群Ex1の開弁時期と排気弁群Ex2の開弁時期とを一致させる。
この領域では、多量の排気ガスの掃気が必要となる。そこで、低背圧のタービン44後方に連通する排気弁群Ex2も、ブローダウン時期に開弁を行わせる。これにより、掃気効率が上昇しノック抑制効果を得るためEGRガス量低下による弊害も抑制することができる。
なお、図7は、高速高過給時の吸排気脈動特性の一例を示す図である。図7は、実施の形態1の動作説明のために示すものであり、実施の形態1の適用をしていない構成における特性を示している。図7の領域Bに示すように、タービン上流に流すガス量が多いと、タービンの圧損によって高背圧となる。
【0040】
実施の形態1では、ECU60が、上述した各運転領域に応じて、領域ごとに定めた上記条件を満たすように、可変動弁機構を制御する。現在の運転領域が上記(1−1)乃至(1−4)の各運転領域のいずれに該当するかという特定は、内燃機関の各種センサ値に基づいて、当該センサ値に基づき求めた現時点での運転領域が予め定めた条件(例えば、運転領域を区画してマップ化しておく)と照らし合わせる手法などによって行えばよい。
【0041】
なお、上述した実施の形態1においては、気筒4が、前記第1の発明における「一部の気筒」に、気筒1、2および3が、前記第1の発明における「他の気筒」に、EGR通路50が、前記第1の発明における「EGR通路」に、排気枝管30が、前記第1の発明における「第1排気通路」に、排気枝管32が、前記第1の発明における「第2排気通路」に、排気枝管32の一部32aが、前記第1の発明における「第3排気通路」に、主排気通路34と排気枝管30との合流位置が、前記第1の発明における「第1の位置」に、主排気通路34と排気枝管32との合流位置が、前記第1の発明における「第2の位置」に、ターボチャージャ40が、前記第1の発明における「過給器」に、タービン44が、前記第1の発明における「タービン」に、排気弁群Ex1が、前記第1の発明における「第1排気弁群」に、排気弁群Ex2が、前記第1の発明における「第2排気弁群」に、排気弁8a、8bを駆動する可変動弁機構が、前記第1の発明における「可変動弁手段」に、それぞれ相当している。
【0042】
なお、実施の形態1では、各運転領域に応じて、ECU60が、(1−1)乃至(1−4)の制御動作をそれぞれ実現した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。(1−1)乃至(1−4)の全ての制御動作を適用するのではなく、(1−1)乃至(1−4)の制御動作のなかから1つ又は複数の制御動作を選んで、適宜にECU60に実行させることができる。
【0043】
なお、上述した実施の形態1においては、ECU60が、前記第2乃至5の発明のいずれか1つにおける「制御手段」に相当している。また、上述した実施の形態1においては、ECU60が、(1−1)乃至(1−4)の運転領域の記憶(マップの記憶)、運転領域の特定、およびこれに応じた制御動作をそれぞれ実行することで、前記第10の発明における「記憶手段」「運転領域特定手段」「制御手段」がそれぞれ実現されている。
【0044】
実施の形態2.
[実施の形態2にかかる内燃機関の構成]
図8は、本発明の実施の形態2にかかる内燃機関の構成を示す図である。実施の形態2にかかる内燃機関の構成は、排気枝管30、32に代えて排気枝管130、132を設けている点を除き、実施の形態1の構成と同様とする。以下、重複を避けるために、実施の形態1で述べた構成と同一あるいは相当する構成には同じ符号を付し、適宜に説明を省略ないしは簡略化する。
【0045】
排気枝管130は、その一部130aを介して、気筒4における排気弁8aが設けられた排気ポートに連通している。また、排気枝管132は、実施の形態1の排気枝管130とは異なり、気筒1、2、3の3つの気筒のみと連通している。
【0046】
実施の形態2の場合、気筒4における排気弁8aを、排気弁群Ex1に所属させる。気筒4における排気弁8aが設けられた排気ポートは、排気枝管130の一部130aを介して、タービン44の上流位置に連通するからである。また、気筒4における排気弁8bは、排気弁群Ex2に所属させる。実施の形態2にかかる気筒4の排気弁8a、8bの各排気弁群への所属関係は、ちょうど、実施の形態1の場合の所属関係と反対となっている。
【0047】
[実施の形態2にかかる内燃機関の動作]
実施の形態2では、下記のように、運転領域に応じて、排気弁群Ex1および排気弁群Ex2の開弁特性を切り換える。
【0048】
(2−1)低回転、排気圧≦過給圧となる領域
図9は、本発明の実施の形態2にかかる内燃機関における、低回転、排気圧≦過給圧となる領域における開弁特性を示す図である。この領域では、下記の条件(5a)および(5b)を満たすように可変動弁機構を制御する。
(5a)排気弁群Ex1の作用角>排気弁群Ex2の作用角
(5b)排気弁群Ex1の開弁時期を、排気弁群Ex2の開弁時期よりも、早くする。
これにより、排気弁群Ex1に関して、次気筒ブローダウン波による排気干渉回避(新気量増大)を図り、4つの気筒の排気ガスをタービン44上流に供給することで実施の形態1に比して過給性能の向上を図ることができる。また、排気弁群Ex2に関して、EGRガスを取り出す気筒4について、確実に自気筒ブローダウン中のみに開弁させることができ、吸気の逆流を防止(抑制)することができる。
【0049】
(2−2)低回転、排気圧>吸気圧(過給圧)となる領域
図10は、本発明の実施の形態2にかかる内燃機関における、低回転、排気圧>吸気圧(過給圧)となる領域における開弁特性を示す図である。この領域では、下記の条件(6a)および(6b)を満たすように可変動弁機構を制御する。
(6a)排気弁群Ex2の作用角>排気弁群Ex1の作用角
(6b)排気弁群Ex1の開弁時期を、排気弁群Ex2の開弁時期よりも、早くする。
これにより、排気弁群Ex1に関して、次気筒ブローダウン波による排気干渉回避(新気量増大)を図ることができる。また、排気弁群Ex2に関して、EGRガスを取り出す気筒4について、EGR量の確保とタービン回転エネルギ確保の両立を図ることができる。
【0050】
(2−3)中高回転、排気圧≧吸気圧(過給圧)となる領域
図11は、本発明の実施の形態2にかかる内燃機関における、中高回転、排気圧≧吸気圧(過給圧)となる領域における開弁特性を示す図である。この領域では、下記の条件(7a)および(7b)を満たすように可変動弁機構を制御する。
(7a)排気弁群Ex1の作用角=排気弁群Ex2の作用角
(7b)排気弁群Ex1の開弁時期を、排気弁群Ex2の開弁時期よりも、早くする。
これにより、排気弁群Ex1に関して、タービン回転エネルギを確保することができる。また、排気弁群Ex2に関して、EGRガスを取り出す気筒4について、EGRガス量の確保とタービン前背圧低減による排気ガス温度の低下を図ることができる。
【0051】
(2−4)中高回転、排気圧>>過給圧(排気圧が過給圧よりも非常に大きい)となる領域
図12は、本発明の実施の形態2にかかる内燃機関における、中高回転、排気圧>>過給圧となる領域となる領域における開弁特性を示す図である。この領域では、下記の条件(8a)および(8b)を満たすように可変動弁機構を制御する。
(8a)排気弁群Ex1の作用角>排気弁群Ex2の作用角
(8b)排気弁群Ex1の開弁時期を、排気弁群Ex2の開弁時期よりも、早くする。
排気弁群Ex1に関して、排気ガス量が多いため、自気筒ブローダウン時の排気抜けを良好にし、残留ガス量を抑制することができる。また、排気弁群Ex2に関して、タービン前背圧の低減を図ることができる。EGRガスを取り出す気筒4については、ブローダウン中ではEGRガス量が過多になるおそれがあるため、排気弁群Ex2の開弁特性に合わせてEGR通路50の開閉をする排気弁8bを作動させることが良い。
なお、排気圧>>過給圧(排気圧が過給圧よりも非常に大きい)となる領域を特定する場合には、例えば、排気圧が過給圧より予め定めたしきい値以上に大きいか否かを判定する判定処理をECU60に実行させてもよい。
【0052】
実施の形態2では、ECU60が、上述した各運転領域に応じて、領域ごとに定めた上記条件を満たすように、可変動弁機構を制御する。現在の運転領域が上記(2−1)乃至(2−4)の各運転領域のいずれに該当するかという特定は、実施の形態1で述べたのと同様に、内燃機関の各種センサ値に基づいて、当該センサ値に基づき求めた現時点での運転領域が予め定めた条件(例えば、運転領域を区画してマップ化しておく)と照らし合わせる手法などによって行えばよい。
【0053】
なお、上述した実施の形態2においては、気筒4が、前記第1の発明における「一部の気筒」に、気筒1、2および3が、前記第1の発明における「他の気筒」に、排気枝管130が、前記第1の発明における「第1排気通路」に、排気枝管132が、前記第1の発明における「第2排気通路」に、排気枝管130の一部130aが、前記第1の発明における「第3排気通路」に、主排気通路34と排気枝管130との合流位置が、前記第1の発明における「第1の位置」に、主排気通路34と排気枝管132との合流位置が、前記第1の発明における「第2の位置」に、それぞれ相当している。
【0054】
なお、実施の形態2では、各運転領域に応じて、ECU60が、(2−1)乃至(2−4)の制御動作をそれぞれ実現した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。(2−1)乃至(2−4)の全ての制御動作を適用するのではなく、(2−1)乃至(2−4)の制御動作のなかから1つ又は複数の制御動作を選んで、適宜にECU60に実行させることができる。
【0055】
なお、上述した実施の形態2においては、ECU60が、前記第6乃至9の発明のいずれか1つにおける「制御手段」に相当している。また、上述した実施の形態2においては、ECU60が、(2−1)乃至(2−4)の運転領域の記憶(マップの記憶)、運転領域の特定、およびこれに応じた制御動作をそれぞれ実行することで、前記第10の発明における「記憶手段」「運転領域特定手段」「制御手段」がそれぞれ実現されている。
【符号の説明】
【0056】
1、2、3、4 気筒
8a、8b 排気弁
10 シリンダヘッド
20 サージタンク
22 スロットル
24 インタークーラ
26 吸気通路
28 エアクリーナ
30 排気枝管
32 排気枝管
32a 排気枝管の一部
34 主排気通路
36 スタート触媒
40 ターボチャージャ
42 コンプレッサ
44 タービン
50 EGR通路
52 EGRクーラ
130 排気枝管
130a 排気枝管の一部
132 排気枝管
Ex1、Ex2 排気弁群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の排気ポートをそれぞれ備える複数の気筒と、
前記複数の気筒の一部の気筒における、前記2つ以上の排気ポートの一部の排気ポートに連通するEGR通路と、
前記複数の気筒の前記一部の気筒以外の他の気筒のそれぞれにおける、前記2つ以上の排気ポートの一部の排気ポートに連通する第1排気通路と、
前記複数の気筒の前記他の気筒のそれぞれにおける、前記第1排気通路と連通する前記一部の排気ポート以外の、他の排気ポートと連通する第2排気通路と、
第1の位置で前記第1排気通路と連通し、前記第1の位置と異なる第2の位置で前記第2排気通路と連通する主排気通路と、
前記主排気通路における前記第1の位置の下流位置かつ前記第2の位置の上流位置に設けられたタービンを有する過給器と、
前記複数の気筒の前記一部の気筒における、前記EGR通路と連通する前記一部の排気ポート以外の、他の排気ポートと連通し、且つ前記タービンの上流位置または下流位置において前記主排気通路に連通する第3排気通路と、
前記複数の気筒の前記2つ以上の前記排気ポートにそれぞれ設けられた排気弁と、
前記タービンの上流位置に連通する排気ポートを開閉する排気弁の群を第1排気弁群とし、前記タービンの下流位置に連通する排気ポートを開閉する排気弁の群を第2排気弁群とし、かつ、前記第3排気通路が前記タービン下流位置で前記主排気通路に連通する場合には前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第1排気弁群に所属させるものとし前記第3排気通路が前記タービン上流位置で前記主排気通路に連通する場合には前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第2排気弁群に所属させるものとした場合において、前記第1排気弁群に属する排気弁の開弁特性と前記第2排気弁群に属する排気弁の開弁特性との間の相対的な関係を前記複数の気筒の間で等しくし、かつ、前記第1排気弁群に属する排気弁の開弁特性と前記第2排気弁群に属する排気弁の開弁特性とを相違させることができる可変動弁手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記第3排気通路は、前記タービンの下流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第1排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の触媒暖機運転のときに、前記第2排気弁群の作用角を前記第1排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第2排気弁群の開弁時期を前記第1排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記第3排気通路は、前記タービンの下流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第1排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の低速域に該当するときに、前記第1排気弁群の作用角を前記第2排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関。
【請求項4】
前記第3排気通路は、前記タービンの下流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第1排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の中速域または高速域であって排気圧が吸気圧より大きい所定領域に該当するときに、前記第1排気弁群の作用角を前記第2排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関。
【請求項5】
前記第3排気通路は、前記タービンの下流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第1排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の中速域または高速域であって排気圧が吸気圧以上である所定領域に該当するときに、前記第1排気弁群の作用角を前記第2排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期と前記第2排気弁群の開弁時期と一致させる開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内燃機関。
【請求項6】
前記第3排気通路は、前記タービンの上流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第2排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の低回転域であって排気圧が吸気圧以下である所定領域に該当するときに、前記第1排気弁群の作用角を前記第2排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項7】
前記第3排気通路は、前記タービンの上流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第2排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の低回転域であって排気圧が吸気圧より大きい所定領域に該当するときに、前記第2排気弁群の作用角を前記第1排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1または6に記載の内燃機関。
【請求項8】
前記第3排気通路は、前記タービンの上流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第2排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の中回転域または高回転域であって排気圧が吸気圧以上である所定領域に該当するときに、前記第1排気弁群の作用角と前記第2排気弁群の作用角とを一致させる作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1、6および7のいずれか1項に記載の内燃機関。
【請求項9】
前記第3排気通路は、前記タービンの上流位置において前記主排気通路に連通し、
前記EGR通路に連通する排気ポートを開閉する排気弁を前記第2排気弁群に所属させるものとし、
前記内燃機関の運転領域が所定の中回転域または高回転域であって排気圧が過給圧より所定量以上に大きい所定領域にあるときに、前記第1排気弁群の作用角を前記第2排気弁群の作用角よりも大きくする作用角条件と前記第1排気弁群の開弁時期を前記第2排気弁群の開弁時期よりも早くする開弁時期条件とを成立させるように前記可変動弁手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1、6、7および8のいずれか1項に記載の内燃機関。
【請求項10】
前記第1排気弁群と前記第2排気弁群の間の開弁特性の相対的関係を前記内燃機関の運転領域に応じて定めた情報を記憶する記憶手段と、
前記内燃機関の運転領域が、前記情報における前記運転領域の何れに該当するかを特定する運転領域特定手段と、
前記運転領域特定手段で特定した運転領域に応じて前記情報で定められた開弁特性の前記相対的関係を前記第1排気弁群と前記第2排気弁群との間で成立させるように、前記可変動弁手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−214552(P2011−214552A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85702(P2010−85702)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】