説明

半導体素子の微細パターン形成方法

【課題】本発明は、半導体素子の微細パターン形成方法に関する。
【解決手段】より具体的には被食刻層が備えられた基板上に第1〜第3のマスクパターンからなる積層パターンを形成する段階と、前記第3のマスク膜を食刻バリアに利用して第2のマスクパターンを側面食刻する段階と、前記第3のマスクパターンを除去する段階と、前記第2のマスクパターンの上部を露出するスピンオンカーボン層を形成する段階と、前記スピンオンカーボン層を食刻バリアに利用して被食刻層を露出させる段階と、前記スピンオンカーボン層を除去する段階とを含む半導体素子の微細パターン形成方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の微細パターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、コンピュータのような情報媒体の急速な普及に伴い半導体装置も飛躍的に発展している。その機能面において、半導体装置は高速に動作すると共に大容量の格納能力を有しなければならない。このような要求に応えるため、製造コストは低くとも集積度、信頼度及びデータをアクセス(access)する電気的特性は向上した半導体素子の製造のための工程設備や工程技術の開発が切実に求められる。
素子の集積度を向上させるための方法中の1つにフォトリソグラフィ技術がある。前記フォトリソグラフィ技術は、ArF(193nm)またはVUV(157nm)のような短波長の化学増幅型の遠紫外線(Deep Ultra Violet;DUV)光源を用いる露光技術と、前記露光源に適したフォトレジスト物質を利用して微細なパターンを形成する技術である。
半導体素子の大きさが徐々に微細化していくに伴い、前記フォトリソグラフィ技術の適用時にパターン線幅の臨界寸法(critical dimension)を制御するのが重要な問題として台頭している。一般に、半導体素子の速度はパターン線幅の臨界寸法、即ちパターンの線幅の大きさが小さいほど速くなり、素子の性能も向上する。
しかし、通常開口数が1.2以下のArF露光装備を用いるフォトリソグラフィ技術の限界上、1回の露光工程では40nm以下のラインアンドスペース(line/space)パターン等を形成するのが困難である。
したがって、フォトリソグラフィ技術の解像度向上及び工程マージン拡張の一環として二重パターニング技術(double patterning technology)は開発された。二重パターニング技術は、フォトレジストが塗布されたウェーハ上に2つのマスクを利用しそれぞれ露光して現像する技術であり、複雑なパターンや、稠密な(dense)パターン及び分離されたパターン(isolated pattern)を形成する技術である。
一方、前記二重パターニング技術はパターニングのため相違する2つのマスクを利用するため、単一マスクを用いるパターニング技術より製造コストと時間対比効率性(turn-around-time)が低いので、生産高(throughput)が低下する。さらに、セル領域で露光装備の解像力限界より小さいピッチを有するパターンを形成するとき、架空のイメージ(illusory image)が重畳して所望の形態のパターンを得ることができず、アライメント(alignment)時にオーバレイ(overlay)誤整合(miss align)が発生するなど幾多の短所がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前記の従来の問題点を改善するため提供されたもので、被食刻層の上部にマスクパターンを形成し、第2のマスクパターン線幅をトリミング工程で縮小した後、スピンオンカーボン物質を全面にコーティングし、前記スピンオンカーボン物質を食刻バリア(etch barrier)に第2のマスクパターンを除去することにより、均一な線幅を有する微細な下部マスクパターンを形成することができる半導体素子の微細パターン形成方法を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
より具体的に、本発明では被食刻層が備えられた基板上に第1〜第3のマスク膜からなる積層膜を形成する段階と、前記第2及び第3のマスク膜をパターニングする段階と、前記第2及び第3のマスクパターンを食刻マスクに第1のマスク膜をパターニングする段階と、前記第3のマスクパターンを食刻バリアに利用して第2のマスクパターンを側面食刻する段階と、前記第3のマスクパターンを除去する段階と、前記第2のマスクパターンの上部を露出させるスピンオンカーボン層を形成する段階と、前記スピンオンカーボン層を食刻バリアに利用して被食刻層を露出させる食刻工程を行なう段階と、前記スピンオンカーボン層を除去する段階とを含む半導体素子の微細パターン形成方法を提供する。
【0005】
このとき、前記被食刻層は最上段部にポリマー層が積層された絶縁膜を含む導電層である。さらに、前記第1及び第3のマスク膜は、第2のマスク膜と食刻選択比が相違する膜で形成する。例えば、前記第1のマスク膜はタングステン層であり、第2のマスク膜はシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜及びこれらを1つ以上含む積層膜であり、前記第3のマスク膜は非晶質炭素層、非晶質炭素層とシリコン酸化窒化膜の積層膜または多機能マスク膜である。
【0006】
このとき、前記多機能マスク膜はi)炭素成分含量が全体分子量の85〜90重量%であるスピンオンカーボン(spin on carbon)物質、またはii)ケイ素(Si)成分含量が全体重合体重量の30wt%〜80wt%であるケイ素化合物を含むマスク組成物で形成される。
前記ii)ケイ素化合物はケイ素含有重合体、ケイ素含有重合体のオリゴマー及びSOG物質でなる群から選択される化合物であり、前記SOG物質はHSQ(hydrogen silses-quioxane)またはMSQ(methyl silses-quioxane)である。
前記第2のマスク膜パターンの側面食刻の段階は、第1のマスク膜及び第3のマスク膜より第2のマスク膜がより速やかに食刻され得るトリミング食刻工程で行なわれる。
【0007】
このとき、前記トリミング食刻工程は、フッ化炭化水素(例えば、CHxFy、このときx及びy=1〜10の実数である)ガス及びSFガスを2〜10:1の流量比で混合した食刻ガスで行なわれるものの、前記CHxFyガスはCHFガスである。
このとき、前記第2のマスクパターンの側面食刻の段階後に得られた第2のマスクパターンの線幅は、縮小前の第2のマスクパターンの線幅に対し大凡20〜50%、具体的に大凡30〜40%に縮小された大きさを有するのが好ましい。
前記第3のマスクパターン及びスピンオンカーボン層除去の段階は、酸素アッシング工程で行なわれる。最終的に得られるマスクパターンの線幅:マスクパターン間の間隔は実質的に1:1であるのが好ましい。
【0008】
このとき、前記本発明に係る方法はより具体的に、被食刻層が備えられた基板上に第1〜第3のマスク膜からなる積層膜を形成する段階と、前記第2及び第3のマスク膜をパターニングする段階と、前記第2及び第3のマスクパターンを食刻マスクに第1のマスク膜を部分食刻する段階と、前記第3のマスクパターンを食刻バリアに利用して第2のマスクパターンを側面食刻する段階と、前記第3のマスクパターンを除去する段階と、前記第2のマスクパターンの上部を露出させる平坦化されたスピンオンカーボン層を形成する段階と、前記スピンオンカーボン層を食刻バリアに利用して被食刻層を露出させる食刻工程を行なう段階と、前記被食刻層が露出するまでスピンオンカーボン層及び第1のマスク膜の一部を除去する段階とを含む半導体素子の微細パターン形成方法を提供することができる。
【0009】
即ち、前記第1のマスク膜に対する部分食刻工程の段階は、被食刻層パターンが露出しないよう下部が互いに連結された第1のマスクパターンを形成する。
本発明に係る方法は、フォトレジスト食刻マスク工程の段階を一段階のみ含むため、製造コスト及び工程段階を単純化させることができるので、時間対比生産効率性を向上させることができる。
さらに、本発明に係る方法では従来の方法の遂行時に発生していたフォトレジストパターン間の重畳に伴うオーバレイ誤整合の問題を改善することができるので、現在リソグラフィ装備で得ることができないピッチ(pitch)を有するパターンを得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、被食刻層の上部にトリミング食刻工程で従来のリソグラフィ装備で得ることのできる線幅より小さい線幅のマスクパターンを形成した後、スピンオンカーボン物質を全面にコーティングし、前記スピンオンカーボン層を食刻バリアに前記の上部マスクパターンと下部マスク膜を食刻することにより、工程段階を単純化させることができるだけでなく、現在使用される露光装備の重畳正確度と係りなく均一な線幅を有する微細なパターンを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
従来のi)二重露光及び食刻技術(double expose etch technology;以下、「DEET」と称する)及びii)スペーサパターニング技術(spacer patterning technology;以下、「SPT」と称する)が開発され、現在半導体素子の量産工程に適用されている。
前記i)DEETは所望のパターン線幅より二倍の線幅を有する第1のパターンを形成した後、第1のパターンの間に同じ線幅周期を有する第2のパターンを形成する技術である。より具体的に、前記DEETは、a)ポジティブ方法と、b)ネガティブ方法とに分けることができる。
【0012】
a)ポジティブ方法は、図1に示されているように半導体基板1上に被食刻層3、第1のマスク膜5、第2のマスク膜7及び第1のポジティブフォトレジストパターン8を形成した後、第1のフォトレジストパターン8を食刻マスクに利用して第2のマスク膜パターン7‐1を形成する。次に、前記第2のマスク膜パターン7‐1の間に第2のポジティブフォトレジストパターン9を形成した後、先に形成された第2のマスク膜パターン7‐1と、後に形成された第2のフォトレジストパターン9を全て食刻マスクに利用して第1のマスクパターン5‐1を形成する方法である。
【0013】
b)ネガティブ方法は、図2に示されているように半導体基板21上に被食刻層23、第1のマスク膜25、第2のマスク膜27及び第1のネガティブフォトレジストパターン28を形成した後、第1のネガティブフォトレジストパターン28を食刻マスクに利用して第2のマスク膜パターン27‐1を形成する。次に、前記第2のマスク膜パターン27‐1の上部に第2のネガティブフォトレジストパターン29を形成した後、これを食刻マスクに利用して第2のマスク膜パターン27‐2を形成する。前記第2のマスク膜パターン27‐2を食刻マスクに第1のマスク膜25を食刻して第1のマスクパターン25‐1を形成する方法である。
【0014】
このとき、前記DEETは二種類のマスクを用いるため所望の解像度を有するパターンを形成することはできるが、工程段階が複雑で、製造コストが増加するだけでなく、2次フォトレジストパターンの形成時にパターンの重畳正確度(overlay accuracy)が低いため誤整合が発生する。
【0015】
前記ii)SPTは、セル領域のパターン形成のためマスク工程を一回のみ進めて誤整合を防止することができるセルフアライン(self-align)技術であり、これもまた、a)ポジティブ方法と、b)ネガティブ方法と、に分けることができる。
【0016】
a)ポジティブ方法は、図3に示されているように半導体基板31上に被食刻層33、第1のマスク膜35、第2のマスク膜37及び第1のフォトレジストパターン38を形成した後、第1のフォトレジストパターン38を食刻マスクに利用して第2のマスク膜パターン37‐1を形成する。次に、前記第2のマスク膜パターン37‐1の側面にスペーサ39を形成した後、前記スペーサ39を食刻マスクに利用して第1のマスクパターン35‐1を形成する。
【0017】
b)ネガティブ方法は、図4に示されているように半導体基板41上に被食刻層43、第1のマスク膜45、第2のマスク膜47及び第1のフォトレジストパターン48を形成し、第1のフォトレジストパターン48を食刻マスクに利用して第2のマスク膜パターン47‐1を形成する。次に、前記第2のマスク膜パターン47‐1の側壁にスペーサ49を形成した後、全面にスピンオングラス膜50または反射防止膜をコーティングする。CMPまたはエッチバック方法で前記第2のマスクパターン47‐1を露出させた後、スペーサを除去し、前記第2のマスクパターン47‐1を食刻マスクに利用して第1のマスクパターン45‐1を形成する。
【0018】
このとき、前記SPTはコア(core)及びペリ(peri)領域にパターンを形成するか、ミニセルブロック(mini cell block)領域のパターン部分を分離するため追加的なマスク工程が必要であるので工程段階が複雑である。さらに、スペーサ形成時に線幅を調節するのが困難であるためパターン線幅の均一度が低い。
【0019】
一方、図を参照しながら本発明に係る好ましい実施形態を詳しく説明する。併せて、本発明に係る好ましい実施形態は例示の目的のためのもので、当業者であれば特許請求の範囲の技術的思想と範囲を介し多様な修正、変更、取替え及び付加が可能なはずであり、このような修正・変更等は特許請求の範囲に属するものと見るべきである。
【0020】
図5a〜図5iは、本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を説明するための工程概略図である。
【0021】
図5aは、被食刻層111の上部に順次蒸着された第1〜第3のマスク膜113、115、117及び有機反射防止膜119を示す図である。
前記被食刻層はゲート酸化膜、ポリシリコン層、タングステン層及び絶縁膜等からなる導電層であり、このとき、前記絶縁膜はその上部にポリ層が積層された構造を有する。
前記第1のマスク膜はタングステン(W)であり、第2及びマスク膜は窒化膜(SiN)、酸化膜(SiO)、シリコン酸化窒化膜(Sion)及びこれらを1つ以上含む積層膜で形成する。第3のマスク膜は、非晶質炭素層(amorphous carbon)または非晶質炭素層とシリコン酸化窒化膜の積層膜で形成する。
【0022】
具体的に、第1及び第3のマスク膜は第2のマスク膜と食刻選択比が相違する物質を利用して形成するものの、用いられる食刻ガス等に対し第2のマスク膜より食刻選択比の低い物質等で形成するのが好ましい。より好ましくは第1のマスク膜はタングステン膜で、第2のマスク膜は窒化膜であり、第3のマスク膜は非晶質炭素層とシリコン酸化窒化膜の積層膜である。
【0023】
このとき、第1のマスク膜に利用されるタングステン膜の場合、後続するゲートパターンを形成するための食刻工程時に食刻マスクに用いられながら除去されるため、これを除去するための工程をさらに行なう必要はない。
前記第3のマスク膜は、非晶質炭素層とシリコン窒化膜の積層膜の代わりに優れた平坦化性質を有し、スピンコーティング法で形成可能な多機能マスク膜を利用することができる。この場合、前記物質等は非晶質炭素層のように化学気相蒸着法を用いないので、時間対比形成効率に優れる。
【0024】
前記多機能マスク膜は特に制限しないが、一般的な半導体素子の製造工程に用いる物質であって、食刻選択比を向上させるマスク膜の役割と、パターン均一度を増加させる反射防止膜の役割を全て行なうことができなければならない。ここに、前記多機能マスク膜はi)炭素成分含量が全体分子量の85〜90重量%であるスピンオンカーボン(spin on carbon)物質、またはii)ケイ素(Si)成分含量が全体化合物重量の30wt%〜80wt%であるケイ素化合物を含む組成物で形成される。このとき、前記ii)ケイ素化合物はケイ素含有重合体、前記ケイ素含有重合体のオリゴマー、HSQまたはMSQのようなSOG物質を含む。
【0025】
より具体的に、前記マスク用組成物は組成物の総重量に対し30〜70重量部のケイ素含有重合体及び残量の有機溶媒を主成分として含み、選択的に下記式(1)または(2)の化合物や、熱酸発生剤または光酸発生剤をさらに含む。
【化1】

【化2】

前記式で、R〜Rはそれぞれ水素、または置換されたか置換されていない直鎖または側鎖炭素数C〜Cのアルキル基を示し、eは5〜500の整数で、fは0〜5の整数であり、gは1〜5の整数である。
前記式(1)の化合物の分子量は500〜50000である。
【0026】
前記ケイ素含有重合体の分子量は300〜30,000である。このとき、前記ケイ素含有重合体は下記式(3)の化合物〜式(5)の化合物の中から選択された1つ以上をベース樹脂に含む。
【化3】

前記式で、R〜Rはそれぞれ水素、または置換されたか置換されていない直鎖または側鎖炭素数C〜Cのアルキル基を示し、m、n及びoは1〜10の整数である。
【化4】

前記式で、Rはそれぞれ水素、または置換されたか置換されていない直鎖または側鎖炭素数C〜Cのアルキル基、置換されたか置換されていない炭素数C〜Cのシクロアルキル基、または置換されたか置換されていないC〜C12の芳香族基を示し、x及びyは0〜5の整数である。
【化5】

前記R10は(CH)Si(OR')であり、このときR'は水素、直鎖または側鎖の炭素数C〜C10アルキルであり、kは1〜10の整数である。
本発明では、前記ケイ素化合物に日産化学株式会社(Nissan Chemical)のMHN04を用いるか、スピンオンカーボン物質に日産化学株式会社のSHN18を用いる。
【0027】
図5bは、前記最上層である有機反射防止膜119の上部に形成されたフォトレジストパターン121を示す図である。
このとき、前記フォトレジストパターンは有機反射防止膜の上部にフォトレジスト膜を塗布してフォトリソグラフィ工程を行なう段階で形成する。前記フォトレジストパターンのピッチはデザインルールピッチの2倍以上のピッチを有し、このときフォトレジストパターンの線幅:フォトレジストパターン間の間隔の割合は実質的に3:1である。
【0028】
図5cは、前記フォトレジストパターン121を食刻マスクに利用して形成した第3のマスクパターン117‐1及び有機反射防止膜パターン119‐1を示す図である。
【0029】
図5dは、第3のマスクパターン117‐1及び有機反射防止膜119‐1を食刻マスクに利用して形成した前記被食刻層111を露出する開口部を含む第2のマスク膜パターン115‐1、及び第1のマスク膜パターン113‐1を示す図である(図6aを参照。このとき、図6aに示した第1のマスクパターン113‐1はタングステン層であり、第2のマスクパターン115‐1は窒化膜とシリコン酸化窒化膜を含む積層マスク窒化膜を含み、第3のマスクパターン117‐1は非晶質炭素層である)。
【0030】
このとき、前記食刻工程は第3のマスクパターン117‐1を食刻マスクに被食刻層が露出するまで第1及び第2のマスク膜113、115をパターニングするか、被食刻層が露出しないよう第1のマスク膜に上部の一部分に対する部分食刻工程を行ない、下部が連結された第1のマスクパターン(図示省略)を形成することもできる。もし、下部が連結された第1のマスクパターンを形成する場合、前記第1のマスク膜はタングステンまたはポリ層で形成することができる。
【0031】
図5eは、結果物の全面に対し第3のマスク膜パターン117‐1を食刻バリアに利用するトリミング(trimming)食刻工程を行なって得られた結果物を示す図である。
通常、トリミング食刻工程はロジック(logic)工程でパターンの線幅を均一に調節するため適用される技術であって、選択比の差がある上部物質を食刻バリアに下部物質を過度に食刻し、下部物質の線幅を調節することができるものと知られている。従来のDRAM工程ではトリミング食刻工程を適用した例が殆どない。
【0032】
前記トリミング食刻工程は、第1のマスク膜であるタングステンと第3のマスク膜である非晶質炭素層の損失なく、第2のマスク膜である窒化膜側壁が均一に食刻され得るよう、第1のマスク膜であるタングステン及び第3のマスク膜である非晶質炭素層と第2のマスク窒化膜の食刻選択比の差が大きい条件の下で行なう。即ち、前記トリミング食刻工程時に第2のマスク膜である窒化膜は、第1のマスク膜であるタングステン膜及び第3のマスク膜である非晶質炭素層に比べて食刻ガスに対し食刻選択比が高いため、トリミング食刻工程時に第2のマスク膜の側壁が先に食刻され除去される。
【0033】
好ましくは、前記トリミング食刻工程の条件は第1のマスク膜であるタングステンに対するパッシベーション(passivation)食刻ガスのフッ化炭化水素(例えば、CHxFy、このときx及びy=1〜10の実数である)ガスと、窒化膜を食刻することができるSFガスで行なわれる。具体的に、前記トリミング食刻工程はCHFガスとSFガスを2〜10:1、好ましくは4〜5:1の流量比で混合した食刻ガスを利用して行なう。
このようなトリミング食刻工程により第2のマスク窒化膜パターンの幅はi)フォトレジストパターン間の間隔と同じ大きさを有するか、ii)前段階の第2のマスクパターンの線幅に対し大凡20〜50%ほど減少するまで行なう(図6bを参照、このとき6bはトリミング食刻工程のあとパターン線幅のサイズが20〜50%ほど減少された第2のマスクパターンを示す図である)。
このとき、第3のマスク膜パターンである非晶質炭素層パターンは前記食刻ガスに殆ど損傷されない。さらに、前記被食刻層が絶縁膜からなっているとしても、前記部分食刻工程により被食刻層の上部に残っていた下部が連結された第1のマスクパターンがバリア膜に働いて前記食刻ガスに被食刻層が損傷されることを防止することができる。
【0034】
図5fに示されているように、前記前段階の結果物に対し酸素(O)アッシング工程を行ない、残留する第3のマスク膜である非晶質炭素層パターン117‐1を全て除去する。
次に、結果物の全面にスピンオンカーボン層123を形成する。このとき、前記スピンオンカーボン層は炭素分子の含量が全体分子量の85〜90重量%である物質であって、前記第3のマスク膜に用いた日産化学株式会社のSHN18を用いることができる。
【0035】
図5gは、前記スピンオンカーボン層123の全面に対しエッチバック工程を行ない、第2のマスクパターン115‐2の上部を露出した結果物を示す図である。
前記エッチバック食刻工程は酸素、窒素及び水素ガスを1つ以上混合した食刻ガスを利用して行なわれる。
このとき、後続する食刻工程を安定した条件の下で行なうため、前記スピンオンカーボン層が過度に食刻され第2のマスクパターン115‐2の下部外に位置した第1のマスク膜が露出しないようにしなければならない。
【0036】
図5hに示されているように、スピンオンカーボン層123を食刻バリアに利用して露出した第2のマスク膜パターン115‐2、及びこの下部に位置する第1のマスクパターン113‐1の一部分を除去して被食刻層111を露出させる。その結果、開口部125を含む第1のマスクパターン113‐2が形成される。
このとき、前記食刻工程はSF、O、N及びArなど通常の窒化膜またはタングステン用食刻ガスを利用して順次行なわれる。
【0037】
このように得られた最終的な第1のマスクパターン113‐2の線幅は、初期第1のマスクパターン113‐1の線幅より実質的に大凡1/3に減少した大きさを有する。即ち、DICD(develop inspection critical dimension)の大きさがそのまま転写される場合、第1のマスクパターンの線幅はフォトレジストパターン間の間隔の大きさと実質的に同じ大きさを有するものの、例えば食刻バイアス(bias)が80nmで、デザインルールが40nm級素子の場合、最終的に得られる第1のマスクパターンの線幅:第1のマスクパターン間の間隔は実質的に1:1であるのが好ましい。
【0038】
図5iに示されているように、前段階の結果物に対し酸素アッシング工程を行なってスピンオンカーボン層123を全て除去する。
一方、前記第1のマスクパターンが下部が互いに連結された形態の場合は、被食刻層が露出するまで第1のマスクパターンの連結部分に対する過度なアッシング工程を行なうことにより、均一な微細パターンを形成することができる。
後続する工程で、形成された第1のマスクパターン113‐2を食刻マスクに利用して下部導電層を食刻し導電層パターンを形成した後、セル領域以外にコア及びペリ領域にパターンを形成するための追加的なマスク工程をさらに行なう。このとき、前記導電層パターンはゲートライン、ビットライン、金属ラインである。
【0039】
このように、本発明ではデザインルールに対し2倍のピッチを有する露光マスクパターンを一回のみ利用してピッチの減少したパターンを形成することができるだけでなく、2つのマスクを利用する従来の二重パターニング技術に比べてオーバレイ誤整合の減少したセルフアラインパターンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来のポジティブ型二重パターニング方法を示した工程概略図である。
【図2】従来のネガティブ型二重パターニング方法を示した工程概略図である。
【図3】従来のポジティブ型スペーサパターニング方法を示した工程概略図である。
【図4】従来のネガティブ型スペーサパターニング方法を示した工程概略図である。
【図5a】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5b】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5c】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5d】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5e】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5f】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5g】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5h】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5i】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図6a】本発明の図5dに示した方法を示すSEM写真である。
【図6b】本発明の図5eに示した方法を示すSEM写真である。
【符号の説明】
【0041】
1、21、31、41 半導体基板
3、23、33、43 被食刻層
5、25、35、45 第1のマスク膜
5‐1、25‐1、35‐1、45‐1 第1のマスク膜パターン
7、27、37、47 第2のマスク膜
7‐1、27‐1、27‐2、37‐1、47‐1 第1のマスク膜パターン
8、38、48 第1のポジティブフォトレジストパターン
9 第2のポジティブフォトレジストパターン
28 第1のネガティブフォトレジストパターン
29 第2のネガティブフォトレジストパターン
39、49 スペーサ
50 スピンオンカーボン膜
111 被食刻層
113 第1のマスク膜
113‐1、113‐2 第1のマスク膜パターン
115 第2のマスク膜
115‐1、115‐2 第2のマスク膜パターン
117 第3のマスク膜
117‐1 第3のマスク膜パターン
119 有機反射防止膜
119‐1 有機反射防止膜パターン
121 フォトレジストパターン
123 スピンオンカーボン層
125 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被食刻層が備えられた基板上に第1〜第3のマスク膜からなる積層膜を形成する段階と、
前記第3のマスク膜上にフォトレジストパターンを形成する段階と、
前記フォトレジストパターンを食刻マスクに第3のマスク膜をパターニングして第3のマスクパターンを形成する段階と、
前記第3のマスクパターンを食刻マスクに第1及び第2のマスク膜をパターニングして第1及び第2のマスクパターンを形成する段階と、
前記第3のマスクパターンを食刻バリアに利用して第2のマスクパターンを側面食刻する段階と、
前記第3のマスクパターンを除去する段階と、
前記第2のマスクパターンの全面に第2のマスクパターンの上部を露出させるスピンオンカーボン層を形成する段階と、
前記スピンオンカーボン層を食刻バリアに利用して被食刻層を露出させる食刻工程を行なう段階と、
前記スピンオンカーボン層を除去する段階と、
を含むことを特徴とする半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項2】
前記被食刻層は、最上段部にポリマー層が積層された絶縁膜を含む導電層であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項3】
前記第1及び第3のマスク膜は、第2のマスク膜と食刻選択比が相違することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項4】
前記第1のマスク膜は、タングステン層であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項5】
前記第2のマスク膜はシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜及びこれらを1つ以上含む積層膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項6】
前記第3のマスク膜は非晶質炭素層、非晶質炭素層とシリコン酸化窒化膜の積層膜または多機能マスク膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項7】
前記多機能マスク膜は、炭素成分含量が全体分子量の85〜90重量%であるスピンオンカーボン物質、またはケイ素(Si)成分含量が全体重合体重量の30wt%〜80wt%であるケイ素化合物を含むマスク組成物で形成されることを特徴とする請求項6に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項8】
前記多機能マスク膜はケイ素含有重合体、ケイ素含有重合体のオリゴマー及びSOG物質でなる群から選択されるケイ素化合物を含むマスク組成物で形成されることを特徴とする請求項7に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項9】
前記SOG物質は、HSQまたはMSQであることを特徴とする請求項8に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項10】
前記第2のマスク膜パターンの側面食刻の段階は、トリミング食刻工程で行なわれることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項11】
前記トリミング食刻工程は、第1のマスク膜及び第3のマスク膜より第2のマスク膜がより速やかに食刻され得る条件の下で行なわれることを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項12】
前記トリミング食刻工程は、フッ化炭化水素ガス及びSFガスを2〜10:1の流量比で混合した食刻ガスで行なわれることを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項13】
前記フッ化炭化水素ガスはCHFガスであることを特徴とする請求項12に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項14】
前記側面食刻工程の後、縮小された第2のマスクパターンは縮小前の第2のマスクパターンの線幅に対し20〜50%に縮小された線幅の大きさを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項15】
前記側面食刻工程の後、縮小された第2のマスクパターンは縮小前の第2のマスクパターンの線幅に対し30〜40%に縮小された線幅の大きさを有することを特徴とする請求項14に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項16】
前記第3のマスクパターン及びスピンオンカーボン層除去の段階は、酸素アッシング工程で行なわれることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項17】
前記スピンオンカーボン層を食刻バリアに利用する食刻工程は、第1及び第2のマスクパターンに対し行なわれることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項18】
前記スピンオンカーボン層を除去した後に得られた第1のマスクパターンの線幅:パターン間の間隔の割合は実質的に1:1であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項19】
前記第1のマスク膜をパターニングする方法は、第2及び第3のマスクパターンを食刻マスクに第1のマスク膜を部分食刻する段階を含み、
前記方法は被食刻層が露出するまで第1のマスク膜の一部分とスピンオンカーボン層を除去するための過度食刻工程を行なう段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項20】
前記第1のマスク膜に対する部分食刻工程の段階は、被食刻層パターンが露出しないよう下部が互いに連結された第1のマスクパターンを形成することを特徴とする請求項19に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図5g】
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【図5h】
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【図5i】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2008−306161(P2008−306161A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1379(P2008−1379)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】