説明

半導体装置のパッド構造

【課題】半導体装置のパッド構造を提供する。
【解決手段】半導体装置200は、半導体基板202、相互接続構造、複数のダミーメタルビア235及びパッド構造を備える。半導体基板202は、内部に複数の微小電子素子が設けられている。相互接続構造は、半導体基板202上に設けられ、複数の金属層210a〜210iと、金属層を隔離する複数のIMD層220とを有する。金属層210a〜210iは、最上金属層210iと、最下金属層210aと、最上金属層210iと最下金属層210aとの間に設けられた少なくとも2層の金属層とを含む。複数のダミーメタルビア235は、少なくとも2層の金属層間に設けられた1層又は2層以上のIMD層220内に形成される。パッド構造は、ダミーメタルビア235の上に直接設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、半導体装置のパッド構造に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体技術では、ウェーハに各種製造工程を行って集積回路を形成する。集積回路の配線引き回しは、相互接続構造により提供される。この相互接続構造は、誘電体層によりそれぞれ絶縁された多数の金属層を含む。ボンディングパッドは、一般に相互接続構造の上方に形成され、ウェハレベル試験及びチップパッケージ(例えば、ワイヤボンディング及びフリップチップ)を行う。先進技術の製造工程(例えば、45nm、32nm及びそれ以下のサイズ)では、性能を向上させるために、相互接続構造の中で低誘電率を有する誘電体材料が使用されている。しかし、これら低誘電材料は機械強度が低いため、特に応力が高い領域(例えば、ボンディングパッドの下方の領域など)により、金属層に剥離又は亀裂を発生させ、デバイスの性能が低下したり、デバイスが故障したりする虞がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、半導体装置のパッド構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る半導体装置は、
半導体基板、相互接続構造、複数のダミーメタルビア及びパッド構造を備える半導体装置であって、
前記半導体基板は、内部に複数の微小電子素子が設けられ、
前記相互接続構造は、前記半導体基板上に設けられ、複数の金属層と、前記金属層を隔離する複数のIMD層と、を有し、前記金属層は、最上金属層と、最下金属層と、前記最上金属層と前記最下金属層との間に設けられた少なくとも2層の金属層と、を含み、
前記複数のダミーメタルビアは、前記少なくとも2層の金属層間に設けられた1層又は2層以上の前記IMD層内に形成され、
前記パッド構造は、前記ダミーメタルビアの上に直接設けられていることを特徴とする。
【0005】
前記少なくとも2層の金属層は、ダミーメタルフィーチャをそれぞれ含む互いに隣接した金属層であり、
前記互いに隣接した金属層の前記ダミーメタルフィーチャのそれぞれは、前記ダミーメタルビアのうちの1つにより接続されていてもよい。
【0006】
前記パッド構造は、前記最上金属層内に形成されていてもよい。
【0007】
前記金属層は、前記最上金属層に隣接した第2の最上金属層を含み、
前記第2の最上金属層は、複数の最上メタルビアを介し、前記最上金属層の前記パッド構造に接続された他のパッド構造を含んでもよい。
【0008】
前記少なくとも2層の金属層は、7層の金属層を含み、
前記ダミーメタルビアは、前記7層の金属層のうちの何れか2層間に設けられていてもよい。
【0009】
前記ダミーメタルビアは、前記最上金属層に近い前記7層の金属層のうちの5層の金属層間に設けられていてもよい。
【0010】
前記IMD層の誘電率は2.5以下であってもよい。
【0011】
前記パッド構造に接続されたワイヤボンディングアセンブリ又はフリップチップアセンブリをさらに備えてもよい。
【0012】
前記相互接続構造は、複数の実際のメタルビアを有し、
前記ダミーメタルビアと前記実際のメタルビアとを組み合わせ、1.5%を超えるビア密度を得て、
前記ビア密度は、前記パッド構造の真下に位置する前記相互接続構造の領域内で計算してもよい。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る半導体装置の製造方法は、
内部に複数の微小電子素子が設けられた半導体基板を準備する工程と、
最上金属層と、最下金属層と、前記最上金属層と前記最下金属層との間に設けられた少なくとも2層の金属層と、を含む複数の金属層と、複数のIMD層と、を有する相互接続構造を前記半導体基板上に形成する工程と、
前記少なくとも2層の金属層間に設けられた1層又は2層以上の前記IMD層内に複数のダミーメタルビアを形成する工程と、
前記ダミーメタルビアの上に直接パッド構造を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
前記パッド構造を形成する工程は、前記相互接続構造の前記最上金属層を形成する工程と同じ工程で行われてもよい。
【0015】
前記パッド構造を形成する工程は、
前記最上金属層のメタルパッドに接続されたボンディングパッドを前記最上金属層上に形成する工程を含み、
前記ボンディングパッド上に、ワイヤボンディングアセンブリ又はフリップチップアセンブリを形成する工程をさらに含んでもよい。
【0016】
前記少なくとも2層の金属層は、7層の金属層を含み、
前記ダミーメタルビアは、前記7層の金属層のうちの何れか2層間に形成されていてもよい。
【0017】
前記相互接続構造を形成する工程は、1層又は2層以上のIMD層内の複数の実際のメタルビアを形成する工程をさらに含み、
前記ダミーメタルビアと前記実際のメタルビアとを組み合わせ、1.5%を超えるビア密度を得て、
前記ビア密度は、前記パッド構造の真下に位置する前記相互接続構造の領域内で計算してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第1実施形態に係るパッド構造を有する半導体装置を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るパッド構造を有する半導体装置を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るパッド構造を有する半導体装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係るパッド構造を有する半導体装置を示す断面図である。
【図6】本発明の第1〜第4実施形態に係るダミーメタルビアを示す模式図である。
【図7】本発明の第1〜第4実施形態に係るダミーメタルビアを示す模式図である。
【図8】本発明の第1〜第4実施形態に係るダミーメタルビアを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照する。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法100は、工程102において、内部に微小電子素子が設けられた半導体基板を準備する。続いて、工程104において、半導体基板上に相互接続構造が形成される。この相互接続構造は、金属層及びIMD(Inter−Metal Dielectric)層を含む。金属層は、最上金属層と、最下金属層と、最上金属層と最下金属層との間に配置された少なくとも2つの金属層と、を含む。続いて、工程106において、少なくとも2つの金属層間に配置された1つ又は2つ以上のIMD層内にダミーメタルビア(dummy metal via)が形成される。続いて、工程108において、ダミーメタルビアの上に直接パッド構造を形成する。以下、上述の半導体装置の製造方法100を詳細に述べる。
【0020】
(第1実施形態)
図2を参照する。図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る半導体装置200は、図1の方法により製造される。ここで、半導体装置200には、様々なフィーチャ及び構造が含まれてもよいが、本発明の概念が良く理解できるように簡素化されて示されている。半導体装置200は、結晶構造のシリコン基板などの半導体基板202を含む。半導体基板202は、ゲルマニウムなど、その他の元素半導体を含んでもよい。また、この半導体基板202は、代替的に、例えば、SiC、GaAs、InAs、InPなどの化合物半導体を含んでもよい。さらに、半導体基板202は、選択的にエピタキシャル成長法により形成したエピタキシャル層を含んでもよい。半導体装置200は、例えば、シャロートレンチアイソレーション(Shallow Trench Isolation:STI)フィーチャ又はLOCOS(Local Oxidation of Silicon)フィーチャなど、複数の隔離フィーチャ(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0021】
この隔離フィーチャは、様々な微小電子素子(図示せず)の活性領域を画成して隔離する。例えば、前述の微小電子素子は、トランジスタ(MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、BJT(Bipolar Junction Transistor)、高電圧トランジスタ、高周波トランジスタなど)、抵抗、ダイオード、キャパシタ及びその他適宜な部品を含む。そのため、当業者に知られているように、堆積、エッチング、イオン注入、フォトリソグラフィ、アニール及びその他適宜な製造工程により、微小電子素子を形成する。微小電子素子は、相互接続されて形成された集積回路を含む。この集積回路は、例えば、ロジックデバイス、メモリデバイス(例えば、SRAM)、RFデバイス、I/Oデバイス、SOC(System−on−Chip)デバイス又はこれらの組み合わせ、及びその他適宜な態様の従来のデバイスを含む。
【0022】
半導体装置200は、微小電子素子を含み、半導体基板202上に形成されたILD層204をさらに含む。ILD層204は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素又は低誘電材料を含み、化学気相堆積(CVD)、高密度プラズマCVD(HDP−CVD)、スピンコーティング、物理気相堆積(PVD)、スパッタリング又はその他適宜な技術により形成してもよい。ここで、ILD層204を形成する前に、CESL(Contact Etch Stop Layer)などの応力層を半導体基板202上に形成してもよい。半導体装置200は、ILD層204に形成された複数のコンタクト206(第1のコンタクトとも称される)をさらに含む。前述のコンタクト206は、ILD層204に対して第1のパターニング及びエッチングを行い、トレンチを形成してもよい。このトレンチは、TiNなどの金属バリア層を堆積して充填してから、金属バリア層上にタングステン(W)などのコンタクトプラグ層を堆積する。他の実施形態では、タングステンコンタクトプラグの金属バリア層は、Ti/TaNを含んでもよい。さらに他の実施形態では、銅コンタクトプラグの金属バリア層は、Ta/TaNを含んでもよい。半導体基板202に形成した様々な微小電子素子は、コンタクト206により接続される。
【0023】
半導体装置200は、相互接続構造をさらに含む。この相互接続構造は、各種微小電子素子間及び金属層間の相互接続(配線)を提供する複数の金属層210a〜210iを含む。この金属層の数は、特定の半導体装置の設計に応じて変えることができる。本実施形態に係る金属層210a〜210iは、最下金属層210a(M1)と、最上金属層210i(M9)と、最下金属層210a(M1)と最上金属層210i(M9)との間の設けられた金属層210b(M2)〜210h(M8)と、を含む9層の金属層からなる。金属層210a〜210i(M1〜M9)は、例えば、アルミニウム、アルミニウム/シリコン/銅合金、チタン、窒化チタン、タングステン、ポリシリコン、金属シリサイド又はこれらの組み合わせからなる。金属層210a〜210iは、銅、銅合金、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、ポリシリコン、金属シリサイド又はこれらの組み合わせの導電材料からなるラインを含んでもよい。
【0024】
金属層210a〜210i(M1〜M9)のそれぞれは、IMD(Inter−Metal Dielectric)層220により互いに絶縁されている。IMD層220は、低誘電材料を含んでもよい。他の実施形態では、前述の相互接続構造中の各IMD層220は、それぞれ異なる誘電体材料からなってもよい。LK(Low−K)、ELK(Extreme Low−K)及び/又はXLK(Extra Low−K)材料からなるIMD層220は、回路性能を向上させることが知られている。誘電体材料は、誘電率に応じて分類することができる。例えば、LK材料は、誘電率が約3.5より小さい材料を表し、約3.0より小さいのが好ましい。ELK材料は、誘電率が約2.9より小さい材料を表し、約2.6より小さいのが好ましい。XLK材料は、誘電率が約2.4より小さい材料を表す。しかし、これらの分類は単なる一例であり、材料の誘電率に基づく他の分類を当然利用してもよい。前述のLK、ELK及び/又はXLKの誘電体材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、SOG(Spin−On Glass)、USG(Undoped Silicate Glass)、FSG(Fluorinated Silica Glass)、炭素をドープした酸化ケイ素(例えば、SiCOH)、炭素含有物質、アプライドマテリアル社製のブラックダイヤモンド(登録商標)、キセロゲル、エアロジェル、非晶質フッ素化炭素、パリレン、BCB(bis−benzocyclobutenes)、FLARE(登録商標)、ダウケミカル社製のSiLK(登録商標)、ポリイミド、その他適宜な多孔性高分子材料、その他適宜な誘電体材料及び/又はこれらの組み合わせからなる。IMD層220は、スピンコーティング、CVD、PVD、ALD(Atomic Layer Deposition)などの技術により形成してもよい。
【0025】
前述のLK、ELK及びXLK誘電体材料は、回路機能を向上させることができるが、材料(例えば、多孔性材料)の機械強度が低く、各種半導体製造工程により発生する応力により、剥離、亀裂及び/又は層間剥離が発生する虞がある。また、応力分布の分析によると、高い金属層が受ける応力は、低い金属層より大きいことが分かっている。チップ実装を行う際、バンプ構造、接合構造、又はパッド構造の真下の領域240(点線で示した領域)内の上層金属層210d〜210i(M4〜M9)及びIMD層220は、高い機械応力を受ける虞がある。そのため、領域240内は、相互接続構造のその他の領域より剥離、亀裂及び/又は層間剥離が発生する可能性が高い。その上、中間金属層(M4/M5又はM5/M6)間の界面の薄膜に亀裂が発生するリスクが高くなる。そのため、以下で開示するフィーチャ及び構造は、コスト性及び効率性が高い上、領域240内のIMD層220の機械強度を高めることができる。しかし、以下で開示するフィーチャ及び構造は、相互接続構造のその他の領域及び/又は半導体装置200のその他の誘電体層の強度を向上させることもできる。
【0026】
金属層210a〜210i及びIMD層220は、集積回路工程(例えば、ダマシン工程、リソグラフィ/プラズマエッチング工程など)で形成してもよい。最下金属層210a(M1)は、半導体基板202内に形成された微小電子素子に接続されたコンタクト206に接続されたメタルライン224を含んでもよい。最下金属層210a(M1)は、機能回路及び/又はパッドと電気的に接続されていないダミーメタルライン226をさらに含んでもよい。或いは、ダミーメタルライン226は、例えば、好ましい研磨効果を得るために、一部のパターン密度を調整するために用いてもよい。金属層210b〜210g(M2〜M7)は、メタルライン224及びダミーメタルライン226を含んでもよい。相互接続構造は、隣接した金属層210a〜210iのメタルライン224に接続したIMD層220内に配置された様々なメタルビア230をさらに含んでもよい。相互接続構造は、領域240内のIMD層220の中に設けられたダミーメタルビア235をさらに含んでもよい。このダミーメタルビア235は、機能回路及び/又はパッドとは電気的に接続されていない。或いは、このダミーメタルビア235は、隣接した金属層210d〜210g(例えば、M4/M5、M5/M6及びM6/M7)のダミーメタルライン226に接続してもよい。これにより、ダミーメタルビア235は、領域240内のIMD層220の機械強度を向上させることができる。
【0027】
本実施形態では、ダミーメタルビア235と、実際のメタルビア230(領域240の1層又は2層以上のIMD層)とを組み合わせた場合、約1.5%のビア密度を得ることができる。以下、パッド構造、接合構造又はバンプ構造により、ビア密度の一部の計算方式を詳細に説明する。他の実施形態では、ダミーメタルビア235と実際のメタルビア230(領域240の1層又は2層以上のIMD層内に位置する)とを組み合わせ、約3.0%のビア密度を得る。他の実施形態では、金属層210d(M4)と金属層210e(M5)との間にダミーメタルビア235を挿入することにより、領域240のIMD層220(金属層210d(M4)と金属層210e(M5)との間に位置する)の中に1.5%を超えるビア密度を得る。ここで、領域240のIMD層220の機械強度は、特定のビア密度により効果的に向上させることができることがよく知られている。しかし、設計の必要性及び/又は利用可能なフットプリント(footprint)に応じ、異なるビア密度を利用してもよい。
【0028】
最上金属層210i(M9)及び金属層210h(M8)は、ダブルメタルパッド構成を含む。例えば、金属層210h(M8)は、メタルパッド245を含み、最上金属層210i(M9)は、メタルパッド248を含む。メタルパッド245は、メタルパッド248と類似した形状及びサイズを含んでもよい。メタルパッド245とメタルパッド248とは、IMD層220内に配置されたメタルビア250により互いに接続されている。他の実施形態では、相互接続構造は、最上金属層210i(M9)の中だけに形成された1つの金属パッド構成を含んでもよい。同様に、ダミーメタルビアは、金属層210g(M7)と金属層210h(M8)との間に挿入されてもよい。
【0029】
半導体装置200は、相互接続構造を覆って保護するために用いる最上金属層210i(M9)上に形成されたパシベーション層252(Pass−1)をさらに含んでもよい。パシベーション層252は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素又はこれらの組み合わせを含んでもよい。パシベーション層252は、化学気相堆積(CVD)、スピンコーティング又はその他適宜な技術により形成してもよい。
【0030】
半導体装置200は、最上金属層210i(M9)のメタルパッド248上に形成するボンディングパッド260をさらに含んでもよい。ボンディングパッド260は、ウェーハレベル試験、配線又はチップ実装を行うために、相互接続構造と電気的に接続されるように形成してもよい。ボンディングパッド260は、従来の製造工程によりパシベーション層252内に形成してもよい。例えば、パシベーション層252に対してエッチング工程を行い、最上金属層210i(M9)のメタルパッド248を露出させてもよい。続いて、パシベーション層252上に導電材料層を堆積し、開口を充填してもよい。続いて、導電材料層に対してパターニングを行い、ボンディングパッド260を形成する。ボンディングパッド260は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金又はこれらの組み合わせなどの導電材料を含んでもよい。ボンディングパッド260のプロファイルは、適宜な接合性質を得るために、適宜段差が設けられてもよい。
【0031】
パシベーション層262(Pass−2)は、パシベーション層252上に形成され、パターニングされた後、ボンディングパッド260を露出させる。パシベーション層262は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素又はこれらの組み合わせを含んでもよい。このパシベーション層262は、化学気相堆積(CVD)、スピンコーティング又はその他適宜な技術により形成してもよい。半導体装置200は、ワイヤボンディングアセンブリ270をさらに含む。このワイヤボンディングアセンブリ270は、ボンディングパッド260と接触するように、例えば、超音波熱圧着、熱圧着など、従来のワイヤボンディング技術により形成してもよい。一般にワイヤボンディングには、機械力、熱エネルギ及び音響エネルギを利用し、ボンディングパッド260へワイヤを接続させる。ボンディングパッド260の厚さにより、様々なボンディング技術にとって適宜な接合性質を得ることができる。半導体装置200は、ワイヤボンディングアセンブリ270により外部部品と接続される。
【0032】
ここで、領域240内のダミーメタルビア235のビア密度は、様々な構造に応じて一部が計算される。本実施形態では、ボンディングパッド260下の一部の領域は、ビア密度を計算するために用いることができる。つまり、ビア密度は(ビア面積/ボンディングパッド面積)で表される。他の実施形態では、最上金属層210i(M9)のメタルパッド248下の一部の領域を用い、ビア密度を計算してもよい。つまり、ビア密度は(ビア面積/金属パッド面積)で表される。
【0033】
(第2実施形態)
図3を参照する。図3に示すように、本発明の第2実施形態に係る半導体装置300は、図1の製造方法100により製造される。この半導体装置300は、図2の半導体装置200と類似するが、以下の点が異なる。なお図3では、より簡便かつ明白となるように、図2と類似する要素は同じ符号で表されている。半導体装置300は、領域310内に設けられたダミーメタルビア235を含む。領域310は、図2の領域240に類似するが、領域310が下部金属層210a〜210c(M1〜M3)を含むように延伸されている点が異なる。そのため、ダミーメタルビア235は、最上金属層210i(M9)のメタルパッド248又はボンディングパッド260の真下に設けられた金属層210a〜210g間に挿入されてもよい。これにより、メタルパッド248又はボンディングパッド260の領域の下方に設けられたビア密度の一部を計算することができる。例えば、ダミーメタルビア235と実際のメタルビア230(領域310の1層又は2層以上のIMD層に位置する)とを組み合わせると、約1.5%のビア密度を得ることができる。他の実施形態では、ダミーメタルビア235と実際のメタルビア230(領域310の1層又は2層以上のIMD層に位置する)とを組み合わせると、約3.0%のビア密度を得ることができる。さらに他の実施形態では、金属層210d(M4)と金属層210e(M5)との間にダミーメタルビア235を挿入することにより、領域310のIMD層220(M4とM5との間)内で1.5%を超えるビア密度を得ることができる。
【0034】
領域310内のIMD層220の機械強度は、下部金属層間にダミーメタルビアを付加的に設けることによりさらに向上させることができる。ここで、半導体装置300は、選択的に1つの金属パッド構成を利用し、金属層210g(M7)と金属層210h(M8)との間にダミーメタルビアを挿入してもよい。
【0035】
(第3実施形態)
図4を参照する。図4に示すように、本発明の第3実施形態に係る半導体装置400は、図1の製造方法100により製造することができる。この半導体装置400は、図2の半導体装置200と類似するが、以下で述べる点が異なる。図4では、より簡便かつ明白となるように、図2と類似する要素は同じ符号で表されている。半導体装置400は、領域410内に配置されたダミーメタルビア235を含む。領域410は、図2の領域240に類似するが、ワイヤボンディングアセンブリ270のワイヤバンプ構造420の真下に設けられている点が異なる。これにより、ダミーメタルビア235は、ワイヤボンディングアセンブリ270のワイヤバンプ構造420の真下に設けられた金属層210d〜210g(M4〜M7)間に配置されている。そのため、ワイヤバンプ構造420の領域の下方に設けられたビア密度の一部を計算することができる。例えば、ワイヤバンプ構造は、直径Dを有し、ワイヤバンプ構造の一部の領域が(D/4*π)で表される。
【0036】
本実施形態において、ダミーメタルビア235と実際のメタルビア230(領域410内の1層又は2層以上のIMD層220に位置する)とを組み合わせると、約1.5%のビア密度を得ることができる。他の実施形態では、ダミーメタルビア235と実際のメタルビア230(領域410内の1層又は2層以上のIMD層220に位置する)とを組み合わせると、約3.0%のビア密度を得ることができる。さらに他の実施形態では、金属層210d(M4)と金属層210e(M5)との間にダミーメタルビア235を挿入すると、領域410のIMD層220(M4とM5との間)内で、1.5%を超えるビア密度を得ることができる。ここで、半導体装置400は、選択的に金属層210g(M7)と金属層210h(M8)との間に1つの金属パッド構成を挿入してもよい。ここでは金属層210d〜210g(M4〜M7)間にダミーメタルビア235が設けられているが、図3の実施形態と同様に、下部金属層(M1〜M3)の間に付加的に設けられてもよい。
【0037】
(第4実施形態)
図5を参照する。図5に示すように、本発明の第4実施形態に係る半導体装置500は、図1の方法100により製造される。この半導体装置500は、図2の半導体装置200と類似するが、以下の点が異なる。図5では、より簡便かつ明白となるように、図2と類似する要素は同じ符号で表されている。半導体装置500は、図2のワイヤボンディングアセンブリ270の代わりに用いるフリップチップアセンブリ510を含む。ファイスダウンの半導体装置500は、フリップチップアセンブリ510により、回路基板又は基板上へ直接電気的に接続されている。フリップチップアセンブリ510は、従来のチップパッキンであるため、ここでは詳しく述べない。フリップチップアセンブリ510は、ボンディングパッド260上に形成されたUBM(Under Bump Metallization)構造512を含んでもよい。このUBM構造512は、下方の材料を保護し、半田ボール514の湿潤状態を保つために、ボンディングパッド260及びパシベーション層262へ適宜接着させるために用いる様々な材料層を含む。半田ボール514は、例えば、蒸着法、電気メッキ法、印刷法、インクジェット印刷法、スタッドバンプ(stud bumping)法又はその他適宜な技術により、UBM構造512上に形成してもよい。この半導体装置500が示すダミーメタルビア235は、領域240内に設けられている。この領域240は、図3と同様に、低部金属層210a〜210d(M1〜M4)を含むように延伸されてもよい。
【0038】
図6を参照する。図6に示すように、本実施形態のサイズは、32nm技術のノード製造工程(32nm technology node process)と関係がある。ここで、その他のサイズの場合、他の技術のノード製造工程(例えば、60nm、45nmなど)を用いてもよい。600は、ダミーメタルビアを有する設計レイアウトを示す。600は、2つの隣接した金属層(例えば、図2〜5の金属層210a〜210i)を表す。上述したように、隣接した金属層のそれぞれは、機能回路及び/又はパッドと電気的に接続されていないダミーメタルライン602,604を含んでもよい。ダミーメタルライン602,604は、ダミーメタルビア610により互いに接続されてもよい。ダミーメタルライン602は、幅615が約0.8μmの正方形である。ダミーメタルライン604の形状及びサイズは、ダミーメタルライン602と略同じである。ダミーメタルライン602及びダミーメタルライン604は、約0.7μmのオーバーラップ617を有してもよい。ダミーメタルビア610は、幅619が約0.35μmの正方形である。ダミーメタルビア610からダミーメタルライン602までの距離621,623は、約0.175μmである。ここで、ダミーメタルビア及びダミーメタルラインの形状は、例えば、楕円形状、円形状、矩形状、その他多辺形状、不規則形状などでもよい。
【0039】
図7を参照する。図7に示すように、本実施形態のサイズは、32nm技術のノード製造工程と関係がある。ここで、その他のサイズの場合、他の技術のノード製造工程(例えば、60nm、45nmなど)を用いてもよい。700は、ダミーメタルビアを有する設計レイアウトを示す。700は、2つの隣接した金属層(例えば、図2〜5の金属層210a〜210i)を表す。上述したように、隣接した金属層のそれぞれは、機能回路及び/又はパッドと電気的に接続されていないダミーメタルライン702,704を含んでもよい。ダミーメタルライン702,704は、ダミーメタルビア710,712により互いに接続されてもよい。ダミーメタルライン702は、幅715が約0.8μmの正方形である。ダミーメタルライン704の形状及びサイズは、ダミーメタルライン702と略同じである。ダミーメタルライン702及びダミーメタルライン704は、約0.7μmのオーバーラップ717を有してもよい。ダミーメタルビア710,712は、幅719が約0.14μmの正方形である。ダミーメタルビア710からダミーメタルライン704までの距離721,723は、約0.065μmである。ダミーメタルビア712からダミーメタルビア710までの距離725,727は、約0.29μmである。ここで、ダミーメタルビア及びダミーメタルラインの形状は、例えば、楕円形状、円形状、矩形状、その他多辺形状、不規則形状など、他の形状でもよい。
【0040】
図8を参照する。図8に示すように、本実施形態のサイズは、32nm技術のノード製造工程と関係がある。ここで、その他のサイズの場合、他の技術のノード製造工程(例えば、60nm、45nmなど)を用いてもよい。800は、ダミーメタルビアを有する設計レイアウトを示す。800は、2つの隣接した金属層(例えば、図2〜5の金属層210a〜210i)を表す。上述したように、隣接した金属層のそれぞれは、機能回路及び/又はパッドと電気的に接続されていないダミーメタルライン802,804を含んでもよい。ダミーメタルライン802,804は、ダミーメタルビア810,811,812,813により互いに接続されてもよい。ダミーメタルライン802は、幅815が約0.8μmの正方形である。ダミーメタルライン804の形状及びサイズは、ダミーメタルライン802と略同じである。ダミーメタルライン802及びダミーメタルライン804は、約0.7μmのオーバーラップ817を有してもよい。ダミーメタルビア810〜813は、幅819が約0.12μmの正方形である。ダミーメタルビア810からダミーメタルライン804までの距離821,823は、約0.14μmである。各ダミーメタルビア810〜813は、約0.18の距離825,827により離間されてもよい。ここで、ダミーメタルビア及びダミーメタルラインの形状は、例えば、楕円形状、円形状、矩形状、その他多辺形状、不規則形状などでもよい。
【0041】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と範囲を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明による特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。例えば、上述の実施形態では、様々なチップ実装工程を使用することができる。このチップ実装工程には、ワイヤボンディング、フリップチップ、チップボンディング及び半田バンプ接合を含むがこれらだけに限定されるわけではない。また、図6〜図8に示すように、本実施形態では、隣接した金属層のダミーメタルラインを接続するために、特定の数のダミービアを利用しているが、ビアの数及び位置は、相互接続構造の誘電体層の機械強度を向上させるために変えてもよい。
【符号の説明】
【0042】
100 方法
200 半導体装置
202 半導体基板
204 ILD層
206 コンタクト
210a(M1) 金属層
210b(M2) 金属層
210c(M3) 金属層
210d(M4) 金属層
210e(M5) 金属層
210f(M6) 金属層
210g(M7) 金属層
210h(M8) 金属層
210i(M9) 金属層
220 IMD層
224 メタルライン
226 ダミーメタルライン
230 メタルビア
235 ダミーメタルビア
240 領域
245 メタルパッド
248 メタルパッド
250 メタルビア
252 パシベーション層
260 ボンディングパッド
262 パシベーション層
270 ワイヤボンディングアセンブリ
300 半導体装置
310 領域
400 半導体装置
410 領域
420 ワイヤバンプ構造
500 半導体装置
510 フリップチップアセンブリ
512 UBM構造
514 半田ボール
602 ダミーメタルライン
604 ダミーメタルライン
610 ダミーメタルビア
615 幅
617 オーバーラップ
619 幅
621 距離
623 距離
702 ダミーメタルライン
704 ダミーメタルライン
710 ダミーメタルビア
712 ダミーメタルビア
715 幅
717 オーバーラップ
719 幅
721 距離
723 距離
725 距離
727 距離
802 ダミーメタルライン
804 ダミーメタルライン
810 ダミーメタルビア
811 ダミーメタルビア
812 ダミーメタルビア
813 ダミーメタルビア
815 幅
817 オーバーラップ
819 幅
821 距離
823 距離
825 距離
827 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板、相互接続構造、複数のダミーメタルビア及びパッド構造を備える半導体装置であって、
前記半導体基板は、内部に複数の微小電子素子が設けられ、
前記相互接続構造は、前記半導体基板上に設けられ、複数の金属層と、前記金属層を隔離する複数のIMD層と、を有し、前記金属層は、最上金属層と、最下金属層と、前記最上金属層と前記最下金属層との間に設けられた少なくとも2層の金属層と、を含み、
前記複数のダミーメタルビアは、前記少なくとも2層の金属層間に設けられた1層又は2層以上の前記IMD層内に形成され、
前記パッド構造は、前記ダミーメタルビアの上に直接設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記少なくとも2層の金属層は、ダミーメタルフィーチャをそれぞれ含む互いに隣接した金属層であり、
前記互いに隣接した金属層の前記ダミーメタルフィーチャのそれぞれは、前記ダミーメタルビアのうちの1つにより接続されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記パッド構造は、前記最上金属層内に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記金属層は、前記最上金属層に隣接した第2の最上金属層を含み、
前記第2の最上金属層は、複数の最上メタルビアを介し、前記最上金属層の前記パッド構造に接続された他のパッド構造を含むことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記少なくとも2層の金属層は、7層の金属層を含み、
前記ダミーメタルビアは、前記7層の金属層のうちの何れか2層間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ダミーメタルビアは、前記最上金属層に近い前記7層の金属層のうちの5層の金属層間に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記IMD層の誘電率は2.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記パッド構造に接続されたワイヤボンディングアセンブリ又はフリップチップアセンブリをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記相互接続構造は、複数の実際のメタルビアを有し、
前記ダミーメタルビアと前記実際のメタルビアとを組み合わせ、1.5%を超えるビア密度を得て、
前記ビア密度は、前記パッド構造の真下に位置する前記相互接続構造の領域内で計算することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
内部に複数の微小電子素子が設けられた半導体基板を準備する工程と、
最上金属層と、最下金属層と、前記最上金属層と前記最下金属層との間に設けられた少なくとも2層の金属層と、を含む複数の金属層と、複数のIMD層と、を有する相互接続構造を前記半導体基板上に形成する工程と、
前記少なくとも2層の金属層間に設けられた1層又は2層以上の前記IMD層内に複数のダミーメタルビアを形成する工程と、
前記ダミーメタルビアの上に直接パッド構造を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記パッド構造を形成する工程は、前記相互接続構造の前記最上金属層を形成する工程と同じ工程で行われることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記パッド構造を形成する工程は、
前記最上金属層のメタルパッドに接続されたボンディングパッドを前記最上金属層上に形成する工程を含み、
前記ボンディングパッド上に、ワイヤボンディングアセンブリ又はフリップチップアセンブリを形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記少なくとも2層の金属層は、7層の金属層を含み、
前記ダミーメタルビアは、前記7層の金属層のうちの何れか2層間に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記相互接続構造を形成する工程は、1層又は2層以上のIMD層内の複数の実際のメタルビアを形成する工程をさらに含み、
前記ダミーメタルビアと前記実際のメタルビアとを組み合わせ、1.5%を超えるビア密度を得て、
前記ビア密度は、前記パッド構造の真下に位置する前記相互接続構造の領域内で計算することを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−109055(P2011−109055A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116858(P2010−116858)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(500262038)台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司 (198)
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】8,Li−Hsin Rd.6,Hsinchu Science Park,Hsinchu,Taiwan 300−77,R.O.C.
【Fターム(参考)】