説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】ビアホールを有する半導体装置及びその製造方法において、ビアホール内におけるバリア層の被覆不足防止とビア抵抗を制御することの両者を同時に達成することを目的とする。
【解決手段】その表面上にパッド電極3を有する半導体基板1を準備する。次に、半導体基板1の裏面から表面方向にエッチングし、パッド電極3を露出させるビアホール8を形成する。次に、スパッタリング法またはPVD法、及び逆スパッタリング(エッチング)によりビアホール8内に第1のバリア層11を形成する。この逆スパッタリングによりビアホール8底部のバリア層が除去され、パッド電極3が露出される。次に、ビアホール内で露出したパッド電極3上に第2のバリア層12を形成する。第2のバリア層12の膜厚のみを調節することでビア抵抗を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特にビアホールを有する半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体基板や半導体基板表面に成膜された絶縁膜に対して下層導電体(基板上に形成された配線層や、拡散層)に至る開口部(以下、ビアホールと称する)を設け、このビアホール内に配線となる金属(銅やアルミニウムやタングステン)を形成させることで下層導電体と、これに対応する上層導電体とを電気的に接続することが行われている。なお、ビアホールはスルーホールやコンタクトホールと呼ばれることもある。
【0003】
このようなビアホールを有する従来の半導体装置の製造方法の一例について図面を参照しながら説明する。図14〜図16はそれぞれ製造工程の概略を順に示した断面図である。
【0004】
図14に示すように、シリコン等から成る半導体基板100を準備する。半導体基板100の表面には下層導電体としてのパッド電極101が設けられている。そして、半導体基板100の表面から裏面にかけて貫通し、パッド電極101を露出させるビアホール102をエッチングにより形成する。また、半導体基板100の表面を被覆する第1の絶縁膜(例えば、シリコン酸化膜)103と、パッド電極101の少なくとも一部上を被覆するパッシベーション膜(例えば、シリコン窒化膜)104とが形成されている。半導体基板100の表面上には、エポキシ樹脂等から成る接着層105を介して支持体としてのガラス基板106が貼り付けられている。
【0005】
次に、ビアホール102内を含む半導体基板100の裏面に第2の絶縁膜107(例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜)を例えばCVD法で形成する。次に、ビアホール102の底部の第2の絶縁膜107をエッチングして除去し、パッド電極101を一部露出させる。
【0006】
次に、図15に示すように、ビアホール102内にバリア層108を形成する。このバリア層108は低抵抗であることが好ましく、例えばチタン(Ti)層やチタンナイトライド(TiN)層から成る。
【0007】
ここで、バリア層108の形成方法の一つとしてCVD法(化学気相成長法)があるが、CVD法では膜中に不純物が混入される可能性が非常に高いため、導電性低下等の膜質低下のおそれが高い。さらには装置自体及び原料のランニングコストが非常に高いことに加え、プロセスが不安定という問題もある。
【0008】
そのため、CVD法に比して簡便で安定したプロセスであること、ランニングコストが安いこと、膜質低下のおそれが少ないこと、といった観点からバリア層108の形成はスパッタリング法により行うことが好ましかった。
【0009】
しかし、スパッタリング法はビアホール102の側壁部及び底部(特に隅部)の膜が被覆不足になる場合があるため、それを補う観点から図15に示すようにスパッタリング法による成膜を十分に行っていた。そのため、基板裏面及びビアホール102の底部における膜厚が厚くなるのは避けられなかった。
【0010】
あるいは、一度スパッタリング法によりバリア層108を形成した後に逆スパッタリング(エッチング)を行い、図16に示すようにビアホール102底部に堆積したバリア層108を周囲に飛散させることでビアホール102底部及び側壁におけるバリア層108の被覆性を向上させていた(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
以上のようにバリア層108の形成はスパッタリング、あるいはスパッタリングと逆スパッタリングの併用により行っていた。
【0012】
上述した技術は、例えば以下の特許文献に記載されている。
【特許文献1】特開平6−302543号公報
【特許文献2】特開2002−118109号公報
【特許文献3】特表2001−524753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、スパッタリングを必要以上に行うとバリア層の被覆性は向上したとしても、図15に示すようにビアホール底部におけるバリア層の膜厚が厚くなり過ぎてしまい、ビアホール内に形成する電極の抵抗(以下、ビア抵抗と称する)が上昇してしまうという問題があった。
【0014】
また、スパッタリング後に逆スパッタリングを行うことでバリア層を形成させた場合、ビアホール底部におけるバリア層の膜厚は、スパッタリング法により一旦形成された膜厚から逆スパッタリング(エッチング)により削られた膜厚を差し引いた膜厚X(図16参照)となる。このような方法では、ビアホール底部における最終的なバリア層の膜厚Xを精度良くコントロールすることが困難であり、ビア抵抗を適切に制御できないという問題があった。
【0015】
そこで、本発明はビアホール内におけるバリア層の被覆不足の防止とビア抵抗の制御、の両者を同時に達成することが可能な半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の主な特徴は以下のとおりである。すなわち、本発明の半導体装置の製造方法は、その表面上に下層導電体を有する半導体基板を準備し、前記半導体基板の裏面から表面方向に前記半導体基板を除去して、前記下層導電体を露出させるビアホールを形成する工程と、スパッタリング法またはPVD法により前記ビアホール内に第1のバリア層を形成する工程と、逆スパッタリングを行い、前記ビアホールの底部に堆積した前記第1のバリア層を除去することで前記下層導電体の表面を露出させる工程と、前記ビアホール底部で露出した前記下層導電体上に第2のバリア層を形成する工程と、前記ビアホール内であって、前記第2バリア層上に貫通電極を形成し、前記貫通電極を介して前記下層導電体と電気的に接続される上層導電体を前記半導体基板の裏面上に形成する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、ビアホールを形成する工程を有する半導体装置の製造方法であって、スパッタリング法またはPVD法により前記ビアホール内に第1のバリア層を形成する工程と、逆スパッタリングを行い、前記ビアホールの底部に堆積した前記第1のバリア層を除去する工程と、前記ビアホールの底部に第2のバリア層を形成する工程と、前記ビアホール内に貫通電極を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記第2のバリア層を形成する工程がスパッタリング法またはPVD法により行われることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記第2のバリア層上に、前記貫通電極をメッキ形成するためのシード層を形成する工程を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記シード層を形成する工程が、前記第2のバリア層上にシード層を形成する工程と、その後前記第2のバリア層上のシード層を逆スパッタリングする工程を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記第2のバリア層を形成する工程を、前記第1及び前記第2のバリア層を含めたバリア層全体として、前記ビアホール底部の膜厚が、前記ビアホール側壁の膜厚に比して同じか薄くなるように行うことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板をその厚み方向の途中まで除去してビアホールを形成する工程と、スパッタリング法またはPVD法により前記ビアホールの底部に第1のバリア層を形成する工程と、逆スパッタリングを行い、前記ビアホールの底部に堆積した前記第1のバリア層を除去し、前記ビアホールの底部で前記半導体基板を露出させる工程と、前記ビアホールの底部で露出した前記半導体基板上に第2のバリア層を形成する工程と、前記ビアホール内に前記第2のバリア層と電気的に接続された電極を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の半導体装置は、半導体基板を介して設けられた下層導電体及び上層導電体と、前記下層導電体と前記上層導電体とを電気的に接続するためのビアホールと、前記ビアホール内に形成されたバリア層と、前記ビアホール内であって、前記バリア層上に形成された貫通電極とを有し、前記バリア層は、前記ビアホール内にスパッタリング工程またはPVD工程、及び逆スパッタリング工程によって前記ビアホールの側壁に形成された第1のバリア層と、前記第1のバリア層とは別工程で形成され、前記ビアホールの底部に形成された第2のバリア層とから成ることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の半導体装置は、ビアホールを有する半導体装置であって、前記ビアホール内に形成されたバリア層と、前記ビアホール内であって、前記バリア層上に形成された貫通電極とを有し、前記バリア層は、前記ビアホール内にスパッタリング工程またはPVD工程、及び逆スパッタリング工程によって前記ビアホールの側壁に形成された第1のバリア層と、前記第1のバリア層とは別工程で形成され、前記ビアホールの底部に形成された第2のバリア層とから成ることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の半導体装置は、前記第2のバリア層上にシード層が形成されていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の半導体装置は、前記第1及び前記第2のバリア層を含めたバリア層全体として、前記ビアホール底部の膜厚が、前記ビアホール側壁の膜厚に比して同じか薄いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明の半導体装置及びその製造方法では、ビアホール底部のバリア層を逆スパッタリングにより部分的に一旦除去し、その後ビアホール底部におけるバリア層を一度の成膜によって形成している。そのため、ビアホール底部におけるバリア層の膜厚及びビア抵抗を容易に制御することが可能となる。そして、ビアホール内におけるバリア層の被覆不足の防止とバリア層の低抵抗化の両者を同時に達成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1〜図11はそれぞれ製造工程順に示した断面図である。
【0029】
まず、図1に示すように、その表面に不図示の電子デバイス(例えば、CCDや赤外線センサー等の受光素子や発光素子またはその他の半導体素子)が形成された半導体基板1を準備する。半導体基板1は、例えばその口径が8インチ(200mm)サイズであって、300μm〜700μm程度の厚さになっている。そして、半導体基板1の表面に第1の絶縁膜2(例えば、熱酸化法やCVD法によって形成されたシリコン酸化膜やBPSG膜)を例えば2μmの膜厚に形成する。
【0030】
次に、スパッタリング法やメッキ法、その他の成膜方法によりアルミニウム(Al)やアルミニウム合金や銅(Cu)等の金属層を形成し、その後不図示のレジスト層をマスクとして当該金属層をエッチングしてパターニングする。これにより、第1の絶縁膜2上に下層導電体の例としてパッド電極3が例えば1μmの膜厚で形成される。パッド電極3は半導体基板1上の電子デバイスやその周辺素子と不図示の配線を介して電気的に接続されている。
【0031】
次に、半導体基板1の表面にパッド電極3の一部上を被覆するパッシベーション膜4(例えばシリコン窒化膜)を例えばCVD法で形成する。次に、パッド電極3を含む半導体基板1の表面上に、エポキシ樹脂,レジスト,アクリル等の接着層5を介して支持体6を貼り合わせる。なお、支持体6はフィルム状の保護テープでもよいし、ガラスや石英,セラミック,プラスチック,金属等の剛性の基板であってもよいし、樹脂から成るものでもよい。また、支持体6は剛性の基板であることが、薄型化される半導体基板1を強固に支え、人手によらない搬送の自動化をする上で好ましい。支持体6は、半導体基板1を支持すると共にその素子表面を保護する機能を有するものである。
【0032】
次に、半導体基板1の裏面に対して裏面研削装置(グラインダー)を用いてバックグラインドを行い、半導体基板1の厚さを所定の厚さ(例えば、100μm程度)に研削する。なお、当該研削工程はエッチング処理でもよいし、グラインダーとエッチング処理の併用でもよい。なお、最終製品の用途や仕様,準備した半導体基板1の当初の厚みによっては当該研削工程を行う必要がない場合もある。
【0033】
次に、図2に示すように、半導体基板1の裏面上に選択的にレジスト層7を形成する。レジスト層7は、半導体基板1の裏面のうちパッド電極3に対応する位置に開口部を有している。次に、このレジスト層7をマスクとして半導体基板1をエッチングする。このエッチングにより、パッド電極3に対応する位置の半導体基板1を当該裏面から表面に至って貫通するビアホール8が形成される。ビアホール8の底部では第1の絶縁膜2が露出される。
【0034】
さらに、レジスト層7をマスクとしてエッチングを行い、当該露出された第1の絶縁膜2を除去する。なお、この第1の絶縁膜2のエッチング工程は、この段階では行わずに他のエッチング工程と同時に行われてもよい。なお、ビアホール8の開口径は、例えば30〜50μm程度である。また、本実施形態では、ビアホール8の形状がストレート形状であるが、半導体基板1の裏面側から表面側に行くほどその開口径が狭くなるテーパー形状であってもよい。
【0035】
次に、レジスト層7を除去した後、図3に示すようにビアホール8内を含む半導体基板1の裏面の全面に第2の絶縁膜9(例えば、CVD法によって形成されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜)を形成する。
【0036】
次に、図4に示すように不図示のレジスト層をマスクとしてビアホール8の底部の第2の絶縁膜9をエッチングして除去する。このエッチングにより、パッド電極3が一部露出される。なお、第2の絶縁膜9が半導体基板1の裏面が一番厚く、ビアホール8内の側壁、底部に向かうにしたがって薄く形成される傾向を利用して、マスクなしで当該エッチングを行うこともできる。マスクなしでエッチングすることで製造プロセスの合理化を図ることができる。
【0037】
次に、図5に示すように、ビアホール8内及び半導体基板1の裏面上にバリア層10を形成する。ここで、バリア層10の形成は、CVD法で行うことも可能ではあるが、導電性及び膜質の低下のおそれが少ないといった観点からスパッタリング法やPVD法(物理気相成長法)によることが好ましい。スパッタリング法による場合当該スパッタリングを便宜上第1のスパッタリングと称する。
【0038】
ここで、バリア層10は例えばチタン(Ti)層、チタンナイトライド(TiN)層、タンタル(Ta)層、タンタルナイトライド(TaN)層、チタンタングステン(TiW)層、タングステンナイトライド(WN)、ジルコニウム(Zr)、ジルコニウムナイトライド(ZrN)層等から成る。バリア層は、後にビアホール8内に形成される貫通電極16の金属材料の拡散防止や、当該金属材料と下層導電体(本実施形態ではパッド電極3)との相互反応防止、半導体基板1と後述する貫通電極16との密着性向上等の役割を有する。なお、これらの役割を有するのであればその材質は特に限定されない。
【0039】
なお、ビアホール8底部に堆積されるバリア層10の材料の量は半導体基板1の裏面に堆積される量よりも少ない。製造装置やプロセス、あるいはビアホール8のアスペクト比等の条件によって異なるが、半導体基板1の裏面上に形成されたバリア層10の厚みが例えば100nm程度であるとすると、ビアホール8底部に形成されたバリア層10の厚みは10〜20nm程度である。
【0040】
次に、図6に示すように、バリア層10に対して例えばアルゴン(Ar)プラズマを用いた逆スパッタリング(エッチング)を行い、ビアホール8底部のバリア層10を構成する材料をその周囲に飛散させる。その結果、ビアホール8の底部に堆積したバリア層10は部分的に除去される。この逆スパッタリング(エッチング)は、ビアホール8底部においてパッド電極3の表面が少なくとも一部露出されるまで行う。なお、過剰な逆スパッタリングによって半導体基板1上に形成されたデバイス素子に欠陥が生じないよう、逆スパッタリング条件(時間や装置電力等)に注意する。
【0041】
この逆スパッタリングにより、第1のスパッタリングでは堆積しにくかった部分、すなわちビアホール8底部の隅部Yを含めた側壁に対してもバリア層10の材料が十分に堆積する。逆スパッタリング後のバリア層を便宜上第1のバリア層11と称する。
【0042】
逆スパッタリング後、半導体基板1の裏面上に形成された第1のバリア層11の厚みは例えば60〜70nm程度であり、ビアホール8内の側壁に形成された第1のバリア層11の厚みは例えば10〜20nm程度である。また、同図は、ビアホール8の底部において、隅部Yを除いて第1のバリア層11が形成されていない状態を示している。
【0043】
次に、図7に示すようにビアホール8内及び半導体基板1の裏面に第1のバリア層11と同種あるいは異種の材料から成る第2のバリア層12を形成する。第2のバリア層12は上述したバリア層10と同様の役割を有するのであればその材質は特に限定されず、それらの単層あるいは積層であってもよい。積層構造は既に説明した材質等の組み合わせから成り、例えばチタン層/チタンナイトライド層である。
【0044】
第2のバリア層12は、少なくともビアホール8底部でパッド電極3を被覆する。ここで、第2のバリア層12の形成は、CVD法で行うことも可能ではあるが、第1のバリア層11と同じ成膜室(チャンバー)で連続的に形成できること,導電性及び膜質の低下のおそれが少ないといった観点からスパッタリング法やPVD法によることが好ましい。スパッタリング法による場合、このスパッタリングを便宜上第2のスパッタリングと称する。
【0045】
第2のスパッタリング後、半導体基板1の裏面上に形成された第2のバリア層12の厚みは例えば10nm程度であり、ビアホール8底部の第2のバリア層12の厚みは1〜2nm程度である。このように、第1及び第2のバリア層11,12を含めたバリア層全体として、ビアホール8底部の膜厚をビアホール8側壁の膜厚(例えば10〜20nm)に比して容易に薄くさせることができる。なお、第2のバリア層12の膜厚は任意であるため、バリア層全体として、ビアホール8底部の膜厚を側壁の膜厚と同等にすることも当然できる。
【0046】
また、上記逆スパッタリングによってパッド電極3の表面が一部露出されていたので、ビアホール8底部に堆積される第2のバリア層12の膜厚のみを調節することでビア抵抗を制御することが可能である。また、上記逆スパッタリングによってビアホール8底部の隅部Yを含めた側壁が第1のバリア層11で既に被覆されているため、第2のバリア層12を含め、ビアホール8内全面が隙間なくバリア層の構成材料で被覆される。
【0047】
次に、図8に示すように第1のバリア層11,第2のバリア層12上にシード層15を形成する。シード層15は、後述する貫通電極16及び配線層17をメッキ形成するための下地電極となる導電層であり、例えば銅(Cu),ルテニウム(Ru),パラジウム(Pd)等の金属から成る。シード層15は、スパッタリング法,PVD法,CVD法、その他の成膜方法によって形成される。また、シード層15の膜厚は例えば100nm程度である。
【0048】
なお、シード層15を一度形成させた後にシード層15のみを逆スパッタリングしてもよい。これにより、特にビアホール8底部におけるシード層15の被覆不足を防止することができる。なお、このシード層15の逆スパッタリングを行う場合には第2のバリア層12が露出されないようにし、シード層15がビアホール8内全体に残るように逆スパッタリング条件を制御して行う。
【0049】
次に、図9に示すようにビアホール8内を含むシード層15上に、例えばシード層15をメッキ電極とした電解メッキ法によって銅(Cu)から成る貫通電極16及びこれと連続して接続された配線層17を形成する。なお、ここでいう貫通電極16とは、ビアホール8内に形成された導電層のことである。本実施形態では配線層17が上層導電体であり、後述する導電端子20も上層導電体である。貫通電極16及び配線層17は、第1,第2のバリア層11,12及びシード層15を介してビアホール8の底部でパッド電極3と電気的に接続される。
【0050】
なお、貫通電極16はビアホール8内に完全に充填されていなくてもよく、図13に示すように不完全に充填されていてもよい。かかる構成によれば、貫通電極16及び配線層17の形成に必要な導電材料を節約するとともに、完全に充填された場合に比して貫通電極16,配線層17を短時間で形成することができるためスループットが上昇する利点がある。
【0051】
次に、図10に示すように、半導体基板1の裏面の配線層17上に配線パターン形成用のレジスト層18を選択的に形成する。次に、レジスト層18をマスクとして不要な部分の配線層17及びシード層15をエッチングして除去する。このエッチングにより、配線層17が所定の配線パターンにパターニングされる。続いて、配線層17をマスクとして半導体基板1の裏面に形成された第1及び第2のバリア層11,12を選択的にエッチングして除去する。
【0052】
なお、第1及び第2のバリア層11,12、シード層15,貫通電極16,配線層17の形成は上記工程に限られない。例えば、半導体基板1の裏面上のうち配線層17を形成させない領域にレジスト層等を形成させ、その後このレジスト層等で被覆されていない領域に配線層17等を形成させることでそのパターニングをしてもよい。かかる工程ではレジスト層18は不要である。
【0053】
次に、図11に示すように、半導体基板1の裏面上に例えばソルダーレジストのような有機材料やシリコン窒化膜などの無機材料から成る保護層19を形成する。保護層19のうち、導電端子形成領域を開口させ、当該開口で露出する配線層17上にニッケル(Ni)及び金(Au)から成る電極接続層(不図示)を形成する。その後、当該電極接続層上にハンダをスクリーン印刷し、このハンダを熱処理でリフローさせることでボール状の導電端子20を形成する。
【0054】
なお、導電端子20の形成方法は、ディスペンサを用いてハンダ等から成るボール状端子等を塗布するいわゆるディスペンサ法(塗布法)や電解メッキ法等で形成することもできる。また、他の実施形態として導電端子20を形成させない場合もある。この場合には電極接続層または配線層17が保護層19の開口から露出した状態となる。そして、当該電極接続層または配線層17が他の装置の電極と接続される。
【0055】
なお、支持体6は半導体基板1に貼り付けたままでもよく、あるいは半導体基板1から剥離させて再利用することも可能である。
【0056】
以上の工程によって、半導体基板1の表面に形成された下層導電体(パッド電極3)からその裏面に設けられた上層導電体(配線層17,導電端子20)に至るまでの配線がビアホール8を介してなされたチップサイズパッケージ型の半導体装置が完成する。この半導体装置を電子機器に組み込む際には、導電端子20を回路基板上の配線パターンに実装することで外部回路と電気的に接続される。
【0057】
このように、本実施形態によれば、ビアホール8内のバリア層またはバリア層とシード層の両者の被覆を良好にできるため、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、同時に最終的なバリア層のビアホール底部における膜厚を一度の成膜によって調節しているため、従来に比してビア抵抗を容易に制御することができ、ビア抵抗を小さくすることができる。また、本実施形態によればCVD法を用いずとも被覆性の良いバリア層を形成することができるため、製造コストを抑えることができる。
【0058】
なお、以上の実施形態では、ボール状の導電端子20を有するBGA(Ball Grid Array)型の半導体装置について説明したが、本発明はボール状の導電端子を有さないLGA(Land Grid Array)型やその他のCSP型,フリップチップ型の半導体装置に適用するものであっても構わない。
【0059】
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。第2の実施形態では、半導体基板の面に対して主として垂直方向に電流を流す縦型トランジスタに本発明を適用している。
【0060】
図17に示すように、例えばN+型シリコンから成る半導体基板41にN−型のエピタキシャル層42が形成され、このエピタキシャル層42の表層にP型拡散層43(チャネル領域)が形成されている。エピタキシャル層42の厚さは例えば10μmであり、半導体基板41の厚さはエピタキシャル層42の厚さを含めて例えば200μmであり、P型拡散層43の厚さは例えば1〜1.5μmである。
【0061】
P型拡散層43の表層からエピタキシャル層42の所定深さ位置にまで達するトレンチ溝44が形成されている。トレンチ溝44の深さは例えば2μmであり、その開口径は例えば0.4μmである。そして、トレンチ溝44の内側に沿ってゲート絶縁膜45が形成され、トレンチ溝44内にはゲート絶縁膜45を介して例えばポリシリコン膜から成るゲート電極46が形成されている。
【0062】
また、エピタキシャル層42の表層には、トレンチ溝44及びゲート絶縁膜45に隣接してN+型のソース層47が形成されている。隣り合うソース層47に跨るようにP+型のボディ層48が形成されている。P型拡散層43上には、ソース層47の少なくとも一部を被覆するように、例えばアルミニウム合金等から成るソース電極49が形成されている。
【0063】
また、エピタキシャル層42上には、アルミニウム合金等から成るドレイン端子50及びゲート端子51が形成されている。ドレイン端子50は、後述するドレイン電極56からドレイン電流を導出させるための端子である。ゲート端子51は、不図示の配線を介してゲート電極46と接続された端子である。ゲート電極46上やP型拡散層43やエピタキシャル層42上の所定領域には、シリコン酸化膜等の絶縁膜52が形成されている。
【0064】
次に、半導体基板41の裏面上にレジスト層53を選択的に形成する。レジスト層53は、ドレイン端子50、各ゲート電極46及びソース層47に対応する位置に開口部54a,54bを有するように形成する。本実施形態では、開口部54aの開口径が例えば60μm程度であり、開口部54bの開口径が例えば20μm程度であり、開口部54aの方が開口部54bよりも開口径が広くなるように設計されている。
【0065】
次に、レジスト層53をマスクとして半導体基板41の裏面から表面方向にエッチングし、図18に示すようなビアホール55a,55bを形成する。ビアホール55a,55bは、半導体基板41を貫通せず、半導体基板41の厚み方向の途中に底部を有する。また、ビアホール55a,55bを半導体基板41の裏面側から見た形状は、図19Aに示すような円形や、図19Bに示すような四角形状のビアホール55c,55dでもよいし、図19Cに示すようなスリット状のビアホール55e,55fでもよいし、図19Dに示すようにビアホール55e,55fに更にスリット状のビアホール55gを交差させた形状であってもよく、その形状に限定はない。なお、図19は、上記ビアホールと半導体基板41の関係のみを描いた平面図の概略である。また、図19A,Bでは、ビアホール55a,55b,55c,55dが同一直線状に描かれているが、各ビアホールの配置位置をずらすことも当然可能であるし、多数のビアホールをマトリックス状に配置することも可能である。
【0066】
上述した異なる開口部54a,54bを有するレジスト層53をマスクとしてエッチングがなされると、図18に示すような深さの異なるビアホール55a,55bが形成される。本実施形態では、ドレイン端子50に対応する位置にビアホール55aが形成され、ソース電極49やゲート電極46に対応する位置にビアホール55bがビアホール55aよりも浅く形成される。これは、エッチング時におけるマイクロローディング効果(micro loading effect)に基づく。つまり、開口径が大きくなると、エッチングガスが入り込み易くなり、また、エッチングの際に発生する残留物が放出され易くなり、エッチングの進行速度が速くなることによる。従って、ビアホール55a,55bは一度のエッチングにより同時に形成されることが好ましい。なお、ゲート端子51の下方にはドレイン電流の電流経路が形成されないため、ゲート端子51の下方にビアホールを形成しなくてよい。
【0067】
次に、第1の実施形態と同様の工程によって、ビアホール55a,55b内及び半導体基板41の裏面上に第1のバリア層11、第2のバリア層12、シード層15を形成する。次に、第1の実施形態の貫通電極16及び配線層17の形成と同様の工程により、ビアホール55a,55b内及び半導体基板41の裏面上にドレイン電極56を形成する。なお、ドレイン電極56はビアホール55a,55b内に完全に充填されていなくてもよく、不完全に充填されていてもよい。
【0068】
このようにして、第2の実施形態に係る縦型のMOSトランジスタ60が形成される。MOSトランジスタ60は、ソース電極49、ドレイン端子50、ゲート端子51が同一面上に形成されているため、フェイスダウン実装が可能となる。
【0069】
MOSトランジスタ60において、ソース電極49、ドレイン端子50、ゲート端子51のそれぞれに所定の電圧を印加すると、P型拡散層43にゲート電極46に沿ったチャネルが形成され、ドレイン端子50からドレイン電極56、半導体基板41、エピタキシャル層42、P型拡散層43を経てソース層47、ソース電極49へと電流が流れる。
【0070】
なお、ドレイン端子50の下部にはP型拡散層43が形成されていないが、ビアホール55aの形成によってドレイン電極56がドレイン端子50の近傍まで延在している。そのため、ドレイン電極56がドレイン端子50に接触していなくてもその間の抵抗値は低く、ドレイン電極56とドレイン端子50とは電気的に接続されている。これにより、ドレイン電流は、ドレイン電極56からドレイン端子50へと容易に導出されるようになっている。
【0071】
以上説明したように、第2の実施形態では基板を貫通しないビアホール55a,55bが形成されている。本実施形態によれば、基板を貫通しないビアホール55a,55b内に対しても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。従って、ビアホール55a,55b内におけるバリア層の被覆不足防止とビア抵抗を制御することの両者を同時に達成することができる。
【0072】
なお、第2の実施形態に係るMOSトランジスタ60(図18)におけるビアホール55aは半導体基板41を貫通せずにエピタキシャル層42の途中までしか到達していなかったが、図20に示すようにエピタキシャル層42を貫通してドレイン端子50まで接するように形成されていてもよい。かかる構成では、ドレイン電極56からドレイン端子50までドレイン電流がさらに良好に導出される。なお図示はしないが、ビアホール55a,55bの側壁に第1の実施形態で述べた第2の絶縁膜9と同様の絶縁膜を形成する場合もある。このように、基板を貫通しているビアホール及び貫通していないビアホールのいずれの場合にも本発明を適用できる。
【0073】
本発明は上記実施形態に限定されることはなくその要旨を逸脱しない範囲で変更が可能であることは言うまでも無い。
【0074】
例えば、上記第1の実施形態では半導体基板1の表面側(素子面側)に支持体が貼り付けられていたが、図12に示すように他方の面側(非素子面側)に支持体6を貼り付けることで所望の半導体装置を製造することも可能である。この半導体装置は、半導体基板1の表面側(素子面側)にパッド電極3,配線層17,導電端子20等が形成されている。この半導体装置を電子機器に組み込む際には、導電端子20を回路基板上の配線パターンに実装することで外部回路と電気的に接続される。また、支持体6を剥離除去した後に、半導体基板1の裏面上であって、貫通電極16に対応する位置の絶縁膜30(例えば、CVD法により形成されたシリコン酸化膜)を開口させ、当該開口に他の半導体装置の導電端子を接続させ、半導体装置の積層を図ることも可能である。この場合は、図12で示した導電端子20と他の半導体装置の導電端子とがそれぞれ対応する導電体となり、ビアホールを介して両導電体の電気的な接続が可能となる。
【0075】
なお、図12では、既に説明した構成と同様の構成については同一記号を付しており、その説明については省略する。このように、支持体は半導体基板のいずれの面に貼り付けても構わない。
【0076】
また、上記第1の実施形態では下層導電体としてパッド電極3が設けられていたが、不純物イオンの拡散層を下層導電体としてもよい。具体的には例えば、半導体基板表面に拡散層をイオン注入によって形成し、半導体基板表面上に成膜した絶縁膜に当該拡散層に至るビアホールを設け、このビアホール内のバリア層やシード層形成に本発明を適用することも可能である。また、第2の実施形態ではトレンチ溝を備えるトランジスタについて説明したが、他の構造のトランジスタに本発明を適用することも当然可能である。トレンチ溝を備えず半導体基板の表面上にゲート電極を備えるトランジスタや、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)などであって、半導体基板の面に垂直方向に電流を流すトランジスタに好適に本発明を適用することができる。IGBTとは、基本セルがバイポーラトランジスタとMOSトランジスタとが複合化されたものであり、バイポーラトランジスタの低オン電圧特性とMOSトランジスタの電圧駆動特性とを兼備したトランジスタである。本発明はビアホールを有する半導体装置に関して広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図14】従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図15】従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図16】従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する平面図である。
【図20】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1 半導体基板 2 第1の絶縁膜 3 パッド電極
4 パッシベーション膜 5 接着層 6 支持体 7 レジスト層
8 ビアホール 9 第2の絶縁膜 10 バリア層 11 第1のバリア層
12 第2のバリア層 15 シード層 16 貫通電極 17 配線層
18 レジスト層 19 保護層 20 導電端子 30 絶縁膜
41 半導体基板 42 エピタキシャル層 43 P型拡散層
44 トレンチ溝 45 ゲート絶縁膜 46 ゲート電極 47 ソース層
48 ボディ層 49 ソース電極 50 ドレイン端子 51 ゲート端子
52 絶縁膜 53 レジスト層 54a,54b 開口部
55a,55b,55c,55d,55e,55f,55g ビアホール
56 ドレイン電極 60 MOSトランジスタ 100 半導体基板
101 パッド電極 102 ビアホール 103 第1の絶縁膜
104 パッシベーション膜 105 接着層 106 ガラス基板
107 第2の絶縁膜 108 バリア層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その表面上に下層導電体を有する半導体基板を準備し、
前記半導体基板の裏面から表面方向に前記半導体基板を除去して、前記下層導電体を露出させるビアホールを形成する工程と、
スパッタリング法またはPVD法により前記ビアホール内に第1のバリア層を形成する工程と、
逆スパッタリングを行い、前記ビアホールの底部に堆積した前記第1のバリア層を部分的に除去することで前記下層導電体の表面を露出させる工程と、
前記ビアホール底部で露出した前記下層導電体上に第2のバリア層を形成する工程と、
前記ビアホール内であって、前記第2バリア層上に貫通電極を形成し、
前記貫通電極を介して前記下層導電体と電気的に接続される上層導電体を前記半導体基板の裏面上に形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
ビアホールを形成する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
スパッタリング法またはPVD法により前記ビアホール内に第1のバリア層を形成する工程と、
逆スパッタリングを行い、前記ビアホールの底部に堆積した前記第1のバリア層を部分的に除去する工程と、
前記ビアホールの底部に第2のバリア層を形成する工程と、
前記ビアホール内に貫通電極を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2のバリア層を形成する工程はスパッタリング法またはPVD法により行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第2のバリア層上に、前記貫通電極をメッキ形成するためのシード層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記シード層を形成する工程は、
前記第2のバリア層上にシード層を形成する工程と、その後前記第2のバリア層上のシード層を逆スパッタリングする工程を有することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2のバリア層を形成する工程は、前記第1及び前記第2のバリア層を含めたバリア層全体として、前記ビアホール底部の膜厚が、前記ビアホール側壁の膜厚に比して同じか薄くなるように行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記半導体基板の表面上に支持体を貼り付ける工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2のバリア層は前記第1のバリア層と異なる材料を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2のバリア層は積層構造であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
半導体基板を介して設けられた下層導電体及び上層導電体と、前記下層導電体と前記上層導電体とを電気的に接続するためのビアホールと、
前記ビアホール内に形成されたバリア層と、
前記ビアホール内であって、前記バリア層上に形成された貫通電極とを有し、
前記バリア層は、前記ビアホール内にスパッタリング工程またはPVD工程、及び逆スパッタリング工程によって前記ビアホールの側壁に形成された第1のバリア層と、
前記第1のバリア層とは別工程で形成され、前記ビアホールの底部に形成された第2のバリア層とから成ることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
ビアホールを有する半導体装置であって、
前記ビアホール内に形成されたバリア層と、
前記ビアホール内であって、前記バリア層上に形成された貫通電極とを有し、
前記バリア層は、前記ビアホール内にスパッタリング工程またはPVD工程、及び逆スパッタリング工程によって前記ビアホールの側壁に形成された第1のバリア層と、
前記第1のバリア層とは別工程で形成され、前記ビアホールの底部に形成された第2のバリア層とから成ることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
前記第2のバリア層上にシード層が形成されていることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1及び前記第2のバリア層を含めたバリア層全体として、前記ビアホール底部の膜厚が、前記ビアホール側壁の膜厚に比して同じか薄いことを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記半導体基板のいずれかの主面に支持体が貼り付けられていることを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第2のバリア層は前記第1のバリア層と異なる材料を含むことを特徴とする請求項10乃至請求項14のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第2のバリア層は積層構造であることを特徴とする請求項10乃至請求項15のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項17】
半導体基板をその厚み方向の途中まで除去してビアホールを形成する工程と、
スパッタリング法またはPVD法により前記ビアホール内に第1のバリア層を形成する工程と、
逆スパッタリングを行い、前記ビアホールの底部に堆積した前記第1のバリア層を部分的に除去し、前記ビアホールの底部で前記半導体基板を露出させる工程と、
前記ビアホールの底部で露出した前記半導体基板上に第2のバリア層を形成する工程と、
前記ビアホール内に前記第2のバリア層と電気的に接続された電極を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−311771(P2007−311771A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−81955(P2007−81955)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【Fターム(参考)】