説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】配線に断線が発生することを抑制し、かつエレクトロマイグレーションに対する耐性、及び熱ストレスに起因したボイドの発生に対する耐性を配線に持たせる。
【解決手段】第2導電パターン104は端が第1導電パターン100につながっており、第1導電パターン100より幅が細い。第1導電パターン100及び第2導電パターン104は、シード層110及びメッキ層120を有する。シード層110及びメッキ層120は、それぞれ銅により形成されている。メッキ層120は、底層に、表層より結晶粒が小さい小粒層122を有している。そして第2導電パターン104を形成するメッキ層120は、小粒層122を、第1導電パターン100を形成するメッキ層120より厚く有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線層絶縁膜に埋め込まれた導電パターンを有する半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置に用いられる配線の一つに銅配線がある。銅配線は、一般的に以下の方法により形成されている。まず、絶縁膜に配線溝を形成する。次いで、配線溝及び絶縁膜上にメッキ用のシード層を形成し、次いで、このシード層を用いたメッキ法により、配線溝中及び絶縁膜上にメッキ層を形成する。その後、絶縁膜上のメッキ層及びシード層をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて除去する(例えば特許文献1)。
【0003】
銅配線はメッキ法により形成するため、その結晶粒によって特性が変わる。例えば特許文献2及び3には、下層部の結晶粒を上層部の結晶粒より小さくすることが記載されている。また特許文献4には、メッキ層の結晶粒径を大きくするために、基板上に連続性を有する第1の金属膜を形成し、この第1の金属膜上に不連続性を有する第2の金属膜を形成し、その後メッキ層を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−257979号公報
【特許文献2】特開平3−293766号公報
【特許文献3】特開平3―22534号公報
【特許文献4】特開2000−58485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年は半導体装置の微細化が進み、これに伴って配線の微細化も進んでいる。一方で、半導体装置の配線のうち、例えば電源配線やコンタクトやビアと接続する部分などは、一定の幅を確保する必要があるものもある。このため、太い導電パターンから細い導電パターンが延伸する構造を有する半導体装置が出てきている。本発明者らが検討した結果、図9(a)の平面TEM像及び図9(b)の断面TEM像に示すように、太い導電パターン300から細い導電パターン302が延伸している場合、細い導電パターン302のうち太い導電パターン300への接続部の近傍において、断線310が生じやすいことが判明した。この傾向は、半導体装置の微細化がさらに進むとさらに大きくなると考えられる。一方で、導電パターンには、エレクトロマイグレーションに対する耐性、及び熱ストレスに起因したボイドの発生に対する耐性が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、配線層絶縁膜に埋め込まれた第1の幅を有する第1導電パターンと、
前記配線層絶縁膜に埋め込まれ、一端が前記第1導電パターンに接続され、前記第1の幅より細い第2の幅を有する第2導電パターンと、
を備え、
前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンは、
シード層と、
前記シード層上に形成されたメッキ層と、
を有し、
前記メッキ層は、底層に、表層より結晶粒が小さい小粒層を有しており、
前記第2導電パターンを形成する前記メッキ層の前記小粒層は、前記第1導電パターンを形成する前記メッキ層の前記小粒層より厚い半導体装置が提供される。
【0007】
第2導電パターンは第1導電パターンから延伸しており、また第1導電パターンより幅が細い。このため、第2導電パターンは、第1導電パターンへの接続部の近傍において断線しやすい。この理由は、以下のように考えられる。まず、第2導電パターンが細いと第2導電パターンにおいてメッキ層の結晶粒が成長しにくいため、第1導電パターンと結晶粒の大きさに差が生じる。この結果、第2導電パターンと第1導電パターンの接続部の抵抗が高くなる。このため、第2導電パターンと第1導電パターンの接続部においてジュール熱が発生するが、第2導電パターンは、第1導電パターンより細いため、温度が高くなりやすい。このため、第2導電パターンのうち第1導電パターンへの接続部の近傍に熱ストレスが加わり、この部分で断線が生じる。
【0008】
これに対して本発明では、メッキ層は、底層に、表層より結晶粒が小さい小粒層を有している。このため、小粒層では第1導電パターンと第2導電パターンの間で結晶粒に差が生じることが抑制される。従って、第2導電パターンのうち第1導電パターンへの接続部の近傍において断線が生じることを抑制できる。
【0009】
また第1導電パターンは第2導電パターンより幅が広いため、熱ストレスに起因してボイドが発生しやすい。このボイドは、結晶粒が小さいと生じやすくなる。これに対して本発明では、小粒層の厚さは、第2導電パターンのほうが第1導電パターンより厚い。このため、第1導電パターンの平均の結晶粒径が大きくなり、これによって第1導電パターンにおいてストレスに起因してボイドが発生することを抑制できる。
【0010】
また、エレクトロマイグレーションに起因する破壊はメッキ層の表面で生じやすい。本発明ではメッキ層の表層の結晶粒は小さくならないため、第1導電パターン及び第2導電パターンそれぞれのエレクトロマイグレーション耐性が向上する。
【0011】
本発明によれば、配線層絶縁膜に、第1の幅を有する第1溝と、一端が前記第1溝に接続され、前記第1の幅より細い第2の幅を有する配線形成用の第2溝と、を形成する工程と、
前記第1溝及び前記第2溝にシード層を形成する工程と、
前記シード層をシードとしてメッキを行い、表層より粒径が小さい小粒層を底部に有するメッキ層で前記第1溝及び前記第2溝を埋め込む工程と、
前記メッキ層をアニール処理する工程と、
前記配線層絶縁膜上に位置する前記メッキ層を除去する工程と、
を備え、
前記メッキ層で前記第1溝及び前記第2溝を埋め込む工程において、前記第2溝における前記小粒層の高さを、前記第1溝における前記小粒層の高さより高くする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、太い導電パターンから細い導電パターンが延伸している場合においても、細い導電パターンのうち太い導電パターンへの接続部の近傍において断線が生じることを抑制できる。また、導電パターンに、エレクトロマイグレーションに対する耐性、及び熱ストレスに起因したボイドの発生に対する耐性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は図2に示した半導体装置が有する配線の平面図であり、(b)は(a)のA−A´断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図3】各図は図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】各図は図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】(a)は第2の実施形態に係る半導体装置が有する配線の平面図であり、(b)は(a)のA−A´断面図である。
【図7】(a)は実施例に係る第1導電パターンの断面TEM像であり、(b)は実施例に係る第2導電パターンの断面TEM像である。
【図8】第2導電パターンのうち第1導電パターンへの接続部の近傍において断線が生じる割合を、実施例と比較例とで比較した結果を示すグラフである。
【図9】(a)、(b)は、それぞれ本発明の課題を示す平面TEM像及び断面TEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。図1(a)は、図2に示した半導体装置が有する配線の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A´断面図である。なお図2は、図1(a)のA−A´断面に対応している。
【0016】
この半導体装置は、図2に示すように、配線層絶縁膜210に埋め込まれた第1導電パターン100と、配線層絶縁膜210に埋め込まれた第2導電パターン104とを備えている。第2導電パターン104は、図1(a)に示すように、一端が第1導電パターン100に接続している。第1導電パターン100は第1の幅を有しており、第2導電パターン104は、第1の幅より細い第2の幅を有している。本実施形態において第1導電パターン100は、電源ラインである。そして第2導電パターン104は、第1導電パターン100から分岐した配線である。第1導電パターン100の幅すなわち第1の幅は、例えば200nm以上であり、第2導電パターン104の幅すなわち第2の幅は、例えば120nm以下である。
【0017】
第1導電パターン100及び第2導電パターン104は、図1(b)に示すように、シード層110及びメッキ層120を有する。本実施形態においてシード層110及びメッキ層120は、それぞれ銅により形成されている。メッキ層120は、底層に、表層より結晶粒が小さい小粒層122を有している。そして第2導電パターン104を形成するメッキ層120は、小粒層122を、第1導電パターン100を形成するメッキ層120より厚く有している。
【0018】
本実施形態では、小粒層122の上には一つの導電層124を有している。導電層124の結晶粒は、小粒層122の結晶粒より大きい。小粒層122の結晶粒の平均値は、第2導電パターン104の幅より小さく、例えば2nm以下である。また導電層124の結晶粒の平均値は、例えば第2導電パターン104の幅の50%以上であり、例えば60nm以上である。小粒層122及び導電層124の結晶粒は、例えば断面TEM像を用いて測定することができる。
【0019】
小粒層122及び導電層124は有機物を含んでいる。この有機物は、炭素(C)及び硫黄(S)を含んでおり、メッキ液中に添加剤として添加されていたものである。小粒層122におけるこの有機物の濃度は、導電層124におけるこの有機物の濃度より多くなっている。これは、後述するようにメッキ層120を形成している途中でメッキ条件を変更することで、小粒層122と導電層124とを作り分けていることに起因している。
【0020】
本実施形態において第1導電パターン100及び第2導電パターン104は、デュアルダマシン法により形成されている。そして第2導電パターン104の底面に接続しているプラグ130は、小粒層122により形成されている。プラグ130は、配線層絶縁膜210の下に位置する層間絶縁膜200に埋め込まれている。なお図示していないが、第1導電パターン100の底面に接続しているプラグがある場合、このプラグも小粒層122により形成される。
【0021】
また図2に示すように、配線層絶縁膜210、第1導電パターン100、及び第2導電パターン104上には、層間絶縁膜220及び配線層絶縁膜230がこの順に形成されている。配線層絶縁膜230には配線144が埋め込まれている。配線144と第1導電パターン100は、ビアプラグ142によって接続されている。ビアプラグ142は、層間絶縁膜220に埋め込まれている。配線144とビアプラグ142は、例えばデュアルダマシン法により形成されている。
【0022】
図3、図4、及び図5の各図は、図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図であり、図1のB−B´断面図に相当している。
【0023】
まず図3(a)に示すように、層間絶縁膜200上にエッチングストッパー膜(図示せず)及び配線層絶縁膜210を形成する。次いで、層間絶縁膜200及び配線層絶縁膜210を選択的にエッチングすることにより、第1溝101、第2溝102、及び接続孔103を形成する。第1溝101は、第1導電パターン100を埋め込むための溝である。第2溝102は、第2導電パターン104を埋め込むための溝であり、一端が第1溝101に接続している。第1溝101は第1の幅を有しており、第2溝102は、第1の幅より細い第2の幅を有している。接続孔103は第2溝102の底面に形成されており、後述する工程においてプラグ130が埋め込まれる。
【0024】
なお、第1溝101、第2溝102、及び接続孔103は、例えばビアファースト法により形成されるが、その他の方法、例えばミドルファースト法(ビアの一部を形成してから配線溝を形成し、さらにビアを貫通させる方法)により形成されても良い。
【0025】
次いで図3(b)に示すように、第1溝101の側面及び底面、第2溝102の側面及び底面、接続孔103の側面及び底面、並びに配線層絶縁膜210の表面に、バリアメタル膜(図示せず)及びシード層110をスパッタリング法により形成する。バリアメタル膜は、例えばTaNの上にTaを積層した膜である。シード層110の厚さは、例えば2nm以上5nm以下である。
【0026】
次いで図4(a)に示すように、シード層110をシードとしてメッキを行う。これにより、シード層110上には小粒層122が成長する。この工程において、幅が広い第1溝101においては、メッキはシード層110の全面において略均等な速度で成長する。これに対して幅が狭い第2溝102においては、メッキはシード層110のうち溝102の底面に位置している部分から成長するため、溝102の底面に位置する部分が厚くなる。このため、接続孔103が埋まり、かつ第2溝102における小粒層122の厚さが第1溝101における小粒層122の厚さより厚くすることができる。
【0027】
次いで図4(b)に示すように、メッキ形成用の電流を増加させるようにメッキ条件を変更することにより、小粒層122の上に導電層124を形成する。上記したように、導電層124の結晶粒は小粒層122の結晶粒より大きい。なお、小粒層122及び導電層124が電界メッキ法により形成される場合、メッキ形成用の電流を途中で増加させることにより、小粒層122と導電層124を連続して形成することができる。
【0028】
なお、メッキ形成用の電流が増加すると、メッキ層の成長速度が速くなるため、メッキ液に添加剤として含まれる有機物の量がメッキ層に含まれにくくなる。このため、導電層124に含まれる有機物の量は、小粒層122に含まれる有機物の量より少なくなる。
【0029】
その後、窒素ガス及び水素ガスの雰囲気下でメッキ層120にアニール処理を行い、メッキ層120の結晶粒を大きくする。なお、小粒層122は、導電層124と比較して有機物の量が多いため、結晶粒が成長しにくい。
【0030】
次いで図5に示すように、配線層絶縁膜210上に位置する導電層124、小粒層122、及びシード層110をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により研磨して除去する。これにより、第1導電パターン100、第2導電パターン104、及びプラグ130が形成される。
【0031】
その後、層間絶縁膜220、配線層絶縁膜230、並びにビアプラグ142及び配線144を形成する。
【0032】
次に、本実施形態における作用及び効果について説明する。第2導電パターン104が細いと第1導電パターン100と結晶粒の大きさに差が生じやすい。これらの間の結晶粒の大きさに差があると、第2導電パターン104と第1導電パターン100の接続部の抵抗が高くなる。このため、第2導電パターン104と第1導電パターン100の接続部においてジュール熱が発生するが、第2導電パターン104は、第1導電パターン100より細いため、温度が高くなりやすい。このため、第2導電パターン104のうち第1導電パターン100への接続部の近傍に熱ストレスが加わり、この部分で断線が生じやすくなる。
【0033】
これに対して本実施形態では、第1導電パターン100及び第2導電パターン104を形成するメッキ層120は、底層に小粒層122を有している。小粒層122は、小粒層122の上に位置する導電層124より結晶粒が小さい。このため、小粒層122において第1導電パターン100と第2導電パターン104と結晶粒に差が生じることが抑制される。従って、第2導電パターン104のうち第1導電パターン100への接続部の近傍において断線が生じることを抑制できる。
【0034】
またエレクトロマイグレーションに起因した導電パターンの破壊は、メッキ層120の表層で発生しやすい。これに対して本実施形態では、メッキ層120の表層は導電層124により形成されており、小粒層122より結晶粒が大きい。このため、第1導電パターン100及び第2導電パターン104それぞれのエレクトロマイグレーション耐性が向上する。
【0035】
また、第1導電パターン100は、第2導電パターン104より幅が広いため、熱などのストレスに起因してボイドが発生しやすくなる。本実施形態では第1導電パターン100の小粒層122が薄いため、平均の結晶粒径が大きくなる。このため、第1導電パターン100に上記したボイドが発生することを抑制できる。
【0036】
また層間絶縁膜200がSiOC膜、SiCOH膜、またはこれらのポーラス膜などの低誘電率膜で形成されている場合、層間絶縁膜200が半導体装置の製造工程中で熱膨張及び熱収縮を繰り返し、プラグ130に大きなストレスが加わる。プラグ130に大きなストレスが加わると、プラグ130に、クリープ破壊によるクラックが発生することがある。これに対して本実施形態では、プラグ130は小粒層122により形成されているため、クリープに対する耐性が向上し、クラックが発生しにくくなる。
【0037】
(第2の実施形態)
図6(a)は、第2の実施形態に係る半導体装置の要部を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)のA−A´断面図である。本実施形態に係る半導体装置は、第1導電パターン100が配線ではなく、接続用パッドである点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置と同様である。
【0038】
すなわち本実施形態において、配線144及びビアプラグ142(図2を参照)に適用されるデザインルールにおける最小幅は、第2導電パターン104に適用されるデザインルールにおける最小幅より太い。このため、ビアプラグ142の幅は第2導電パターン104の幅より大きくなり、ビアプラグ142を接続すべき接続パッドが必要になる。そして第1導電パターン100は、配線である第2導電パターン104の端部に設けられた矩形のパターンで構成される接続パッドであり、第2導電パターン104の表面に接続すべきビアプラグ142に接続している。
【0039】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0040】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば上記した各実施形態では、メッキ層120を、小粒層122と導電層124の2層構造にしたが、小粒層122の上に複数の導電層を形成しても良い。この場合、複数の導電層は、上に行くに従って結晶粒が大きくなるように形成される。
【0041】
(実施例)
第1の実施形態に示した方法により、第2の実施形態に係る第1導電パターン100及び第2導電パターン104を形成した。第1導電パターン100の幅を300nmとして、第2導電パターン104の幅を100nmとした。また比較例として、シード層110及び導電層124のみからなる第1導電パターン100及び第2導電パターン104を形成した。
【0042】
図7(a)は実施例に係る第1導電パターン100の断面TEM像であり、図7(b)は実施例に係る第2導電パターン104の断面TEM像である。これらの像から、第1の実施形態に示した方法により、第2導電パターン104における小粒層122の厚さを、第1導電パターン100における小粒層122の厚さより薄くできることが示された。
【0043】
図8は、第2導電パターン104のうち第1導電パターン100への接続部の近傍において断線が生じる割合を、実施例と比較例とで比較した結果を示すグラフである。図8において横軸は時間であり、縦軸は断線が発生する割合である。また本図における試験条件は、加速試験となるような条件とした。本図から、実施例においては断線が発生することが抑制されることが示された。
【符号の説明】
【0044】
100 第1導電パターン
101 第1溝
102 第2溝
103 接続孔
104 第2導電パターン
110 シード層
120 メッキ層
122 小粒層
124 導電層
130 プラグ
142 ビアプラグ
144 配線
200 層間絶縁膜
210 配線層絶縁膜
220 層間絶縁膜
230 配線層絶縁膜
300 導電パターン
302 導電パターン
310 断線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線層絶縁膜に埋め込まれた第1の幅を有する第1導電パターンと、
前記配線層絶縁膜に埋め込まれ、一端が前記第1導電パターンに接続され、前記第1の幅より細い第2の幅を有する第2導電パターンと、
を備え、
前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンは、
シード層と、
前記シード層上に形成されたメッキ層と、
を有し、
前記メッキ層は、底層に、表層より結晶粒が小さい小粒層を有しており、
前記第2導電パターンを形成する前記メッキ層の前記小粒層は、前記第1導電パターンを形成する前記メッキ層の前記小粒層より厚い半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンは、前記メッキ層として、前記小粒層と、前記小粒層上に位置する少なくとも一つの導電層を有している半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体装置において、
前記第1の幅は200nm以上であり、
前記第2の幅は120nm以下である半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンは、デュアルダマシン法により形成されており、
前記第1導電パターン又は前記第2導電パターンの底面に接続しているプラグは、前記小粒層により形成されている半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記第1導電パターンは配線であり、
前記第2導電パターンは、前記第1導電パターンから分岐した配線である半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記第1導電パターンは、前記第1導電パターン上に位置していて前記第2導電パターンに接続すべきビアに接続する接続用パッドである半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記メッキ層は、メッキ液に添加物として含まれている有機物を有しており、底層における前記有機物の含有量が、表層における前記有機物の含有量より多い半導体装置。
【請求項8】
配線層絶縁膜に、第1の幅を有する第1溝と、一端が前記第1溝に接続され、前記第1の幅より細い第2の幅を有する配線形成用の第2溝と、を形成する工程と、
前記第1溝及び前記第2溝にシード層を形成する工程と、
前記シード層をシードとしてメッキを行い、表層より粒径が小さい小粒層を底部に有するメッキ層で前記第1溝及び前記第2溝を埋め込む工程と、
前記メッキ層をアニール処理する工程と、
前記配線層絶縁膜上に位置する前記メッキ層を除去する工程と、
を備え、
前記メッキ層で前記第1溝及び前記第2溝を埋め込む工程において、前記第2溝における前記小粒層の高さを、前記第1溝における前記小粒層の高さより高くする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記メッキ層で前記第1溝及び前記第2溝を埋め込む工程において、メッキ形成用の電流を途中で増加させることにより、前記メッキ層の前記表層の粒径を、前記小粒層の粒径より大きくする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の幅は200nm以上であり、
前記第2の幅は120nm以下である半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−23487(P2011−23487A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166147(P2009−166147)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】