説明

半導体集積回路

【課題】設計する回路の中で電流の多く流れる信号線を容易に見つけ出すことができ、容
易にその部分の電流を測定できるスタンダードセルを提供することを課題とする。
【解決手段】電流検出用テストパッドを少なくとも2つ有するスタンダードセルを自動レ
イアウトで配置する。そして、2つのテストパッド間を接続する配線を切断することで、
該2つのテストパッドを電流測定用テストパッドとして利用する。なお、スタンダードセ
ル内の2つのテストパッド間は、過電流が流れることにより電流の流れる経路が遮断され
る配線によって接続される構成としてもよい。また、2つのテストパッド間をつなぐ配線
部にメモリ又はアナログスイッチを設ける構成としてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の回路試験を行うスタンダードセルの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な電子機器において多機能化が求められている。それに伴い、電子機器を動
作させる回路にはより多くの機能が求められ、回路の規模が大きくなっている。従来、大
規模な回路を容易に作製するために、機能別にセル(スタンダードセル)を作り分け、個
々のセルを自動レイアウトによって配置し、セル間を配線で接続する方法が用いられてい
る。例えば、NAND回路、フリップフロップ回路、バーファー回路等をそれぞれスタン
ダードセルとし、自動配置配線ツールを用いてそれぞれのスタンダードセルを適当な位置
に配置し、それぞれを配線で接続することにより大規模な回路を作製する。
【0003】
回路の規模が大きくなるにつれて、回路内で不良箇所の発生する割合も高くなるため、
精度良く容易に不良箇所を検出する方法が求められている。そこで、回路の不良検査方法
として、例えば、電圧検出用のパッドを含むスタンダードセルを自動配置することにより
、回路上の任意のノード電位の検出をより容易に行う方法が提案されている(特許文献1
)。
【0004】
しかしながら、回路の不良検査を行うにあたり、電圧だけでなく電流を測定する必要が
ある。回路内に電流のリーク箇所がある場合、回路の信頼性に影響を与える可能性がある
。また、リークなどの原因で回路に必要以上に大きな電流が流れる場合には、回路の発熱
や損傷、消費電力の増加等が生じる可能性がある。よって、回路内の消費電流の多い領域
あるいは配線を特定し、回路の修正を行う必要がある。特に、RFIDチップ開発におい
ては、消費電力が通信距離に関係するため、電流の流れを細かく検出して、消費電流の多
い箇所(不良箇所)を発見して消費電力を抑える必要がある。
【0005】
そこで、半導体装置の回路上の特定のノードの電流を測定する方法として、レイアウト
の配線領域のうち配線等がない空き領域に2つ以上のテストパッドをパッド間が接触しな
いように手動で設ける方法が提案されている。当該2つのテストパッドにそれぞれ電流測
定器の針を当て、2つのテストパッド間に電流のパスを作ることで、半導体装置の回路上
に流れる電流を測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−191359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、2つ以上のテストパッドをパッド間が接触しないように手動で設ける方
法の場合、回路内に数多くある信号線のなかから過電流の生じる信号線をあらかじめ予想
して設計する必要がある。レイアウト作成時や回路動作前に、数ある配線の中から該信号
線を選択する(あるいは不良箇所を特定する)のはきわめて難しく、配線の選択を間違え
ると、測定する必要のない信号線の測定を行うという無駄が生じる。それにより、製品開
発の遅れや製品単価の上昇へとつながってしまう。
【0008】
また、信号を測定するテストパッドはレイアウトパターン作成後に、配線領域の空き領
域に手動で設ける必要があるため、レイアウト時間を増加させるだけでなく、作業による
論理誤りやレイアウトの誤りを招く可能性があった。
【0009】
また、配線密度が小さく、テストパッドを設けることができる空き領域は回路内に点在
するため、テストパッドは回路のさまざまな場所に散らばる。このため、測定をする際に
、測定を行いたいパッドを探す作業や信号線をたどる作業が必要となり、測定作業がより
複雑なものになってしまう。また、テストパッドを設けるスペースがレイアウト上に設け
られない場合には、配線を大きく引き回し、調べたい回路部分から遠く離れた場所にテス
トパッドを設けなくてはならない。これにより、配線負荷の増大や寄生容量の増加が生じ
、回路内の信号の減衰や消費電力の増大につながる。さらに、配線を長く引き回すことに
よって、ノイズを拾いやすくなる可能性がある。
【0010】
上記の実情を鑑み、設計する回路の中で電流の多く流れる信号線を容易に見つけ出すこ
とができ、容易にその部分の電流を測定できるスタンダードセルを提供することを課題と
する。さらに、テストパッドの追加や削除を容易に行うことができるレイアウト法および
測定法を提供することを課題とする。また、テストパッドを追加することによって必要以
上に配線を長く引き回すことなく、回路が安定動作するようなレイアウト法を提供するこ
とを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、電流検出用テストパッドを少なくとも2つ有するスタンダードセルを自動レ
イアウト方式で配置することを特徴とする。そして、2つのテストパッド間は配線により
接続され、該配線を切断することにより該2つのテストパッドを電流測定用テストパッド
として利用する。なお、本発明において、スタンダードセル内の2つのテストパッドは、
過電流が流れることにより電流の流れる経路が遮断される配線によって電気的に接続され
る構成としてもよい。また、本発明において、2つのテストパッド間はメモリ又はアナロ
グスイッチを介して接続される構成としてもよい。
【0012】
本発明の半導体集積回路は、複数のスタンダードセルが自動レイアウト方式で配置され
た半導体集積回路において、第1の前記スタンダードセルは、少なくとも2つのテストパ
ッドと、第1の前記テストパッドと電気的に接続する第1の配線と、第2の前記テストパ
ッドと電気的に接続する第2の配線と、を有し、前記第1のテストパッド及び前記第2の
テストパッドは、第3の配線を介して電気的に接続され、前記第1のテストパッドと第2
の前記スタンダードセルは、前記第1の配線を介して電気的に接続され、前記第2のテス
トパッドと第3の前記スタンダードセルは、前記第2の配線を介して電気的に接続されて
いることを特徴とする。
【0013】
本発明の半導体集積回路は、複数のスタンダードセルが自動レイアウト方式で配置され
た半導体集積回路において、第1の前記スタンダードセルは、少なくとも2つのテストパ
ッドと、第1の前記テストパッドと電気的に接続する第1の配線と、第2の前記テストパ
ッドと電気的に接続する第2の配線と、を有し、前記第1のテストパッド及び前記第2の
テストパッドは、メモリ又はアナログスイッチを介して電気的に接続され、前記第1のテ
ストパッドと第2の前記スタンダードセルは、前記第1の配線を介して電気的に接続され
、前記第2のテストパッドと第3の前記スタンダードセルは、前記第2の配線を介して電
気的に接続されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の半導体集積回路において、複数のスタンダードセルが自動レイアウト方式で配
置された半導体集積回路において、第1の前記スタンダードセルは、少なくとも2つのテ
ストパッドと、第1の前記テストパッドと電気的に接続する第1の配線と、第2の前記テ
ストパッドと電気的に接続する第2の配線と、を有し、前記第1のテストパッド及び前記
第2のテストパッドは、過電流が流れることにより電流の流れる経路が遮断される第3の
配線を介して電気的に接続され、前記第1のテストパッドと第2の前記スタンダードセル
は、前記第1の配線を介して電気的に接続され、前記第2のテストパッドと第3の前記ス
タンダードセルは、前記第2の配線を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の半導体集積回路は、複数のスタンダードセルが自動レイアウト方式で配置され
た半導体集積回路において、第1の前記スタンダードセルは、少なくとも2つのテストパ
ッドと、第1の前記テストパッドと電気的に接続する第1の配線と、第2の前記テストパ
ッドと電気的に接続する第2の配線と、を有し、前記第1のテストパッド及び前記第2の
テストパッドは、幅が均一ではない第3の配線を介して電気的に接続され、前記第1のテ
ストパッドと第2の前記スタンダードセルは、前記第1の配線を介して電気的に接続され
、前記第2のテストパッドと第3の前記スタンダードセルは、前記第2の配線を介して電
気的に接続されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の半導体集積回路において、前記第3の配線は部分的に抵抗が異なることを特徴
とする。
【0017】
本発明の半導体集積回路の検査方法は、複数のスタンダードセルを自動レイアウト方式
で配置する半導体集積回路の検査方法において、第1の前記スタンダードセルは、少なく
とも2つのテストパッドと、第1の前記テストパッドと電気的に接続する第1の配線と、
第2の前記テストパッドと電気的に接続する第2の配線と、前記第1のテストパッド及び
前記第2のテストパッドを電気的に接続する第3の配線と、を有し、前記第1のテストパ
ッドと第2の前記スタンダードセルとは前記第1の配線を介して電気的に接続し、前記第
2のテストパッドと第3の前記スタンダードセルとは前記第2の配線を介して電気的に接
続するように、自動レイアウト方式により前記複数のスタンダードセルを配置し、前記第
3の配線を切断し、前記第1のテストパッド及び前記第2のテストパッドに電流測定用端
子を接触させることにより、前記第1のテストパッド及び前記第2のテストパッド間に流
れる電流を測定することを特徴とする。
【0018】
本発明の半導体集積回路の検査方法において、前記第3の配線は、レーザによって切断
されることを特徴とする。
【0019】
本発明の半導体集積回路の検査方法において、前記第3の配線は、過電流が流れること
により切断されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、設計する回路の中で電流の多く流れる信号線を容易に見つけ出すことが
でき、容易にその部分の電流を測定することが可能となる。さらに、テストパッドの追加
や削除を容易に行うことが可能となる。また、テストパッドを追加することによって必要
以上に配線を長く引き回すことがなく、回路を安定に動作させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のスタンダードセルの構成を示す図。
【図2】本発明のスタンダードセルの構成を示す図。
【図3】本発明のスタンダードセルの構成を示す図。
【図4】本発明のスタンダードセルの構成を示す図。
【図5】本発明のスタンダードセルの構成を示す図。
【図6】本発明のスタンダードセルの構成を示す図。
【図7】本発明のスタンダードセルの構成を示す図。
【図8】本発明のスタンダードセルの構成を示す図。
【図9】本発明のスタンダードセルの構成を示す図。
【図10】半導体装置の使用形態の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説
明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様
々に変更しうることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示
す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発
明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。また、本
発明において、接続されているとは電気的に接続されていることと同義である。したがっ
て、間に別の素子などが配置されていてもよい。また、実施の形態1〜7は自由に組み合
わせて用いることができる。
【0023】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置のレイアウト設計手法について図を用いて説明
する。本実施の形態で示すスタンダードセルの1つは、少なくとも2つのテストパッドを
有する。なお、スタンダードセルとは、回路の最小の構成単位である。
【0024】
図1に、本実施の形態のスタンダードセルの模式図を示す。図1のスタンダードセル1
08は、VDD用電源ライン101、GND用電源ライン102、テストパッド103〜
104、及び配線105〜107を有している。なお、VDD用電源ライン101、GN
D用電源ライン102、テストパッド103〜104、及び配線105〜107は導電性
の材料で形成されている。また、テストパッド103とテストパッド104とは配線10
5によって電気的に接続されている。また、配線106はテストパッド103と接続し、
配線107はテストパッド104と接続する。ここで、配線106は入力用ポートとして
機能し、配線107は出力用ポートとして機能する。入力用ポートおよび出力用ポートを
介して他のスタンダードセルや回路ブロックとの信号のやり取りを行うことができる。本
実施の形態では、配線105〜107、テストパッド103、104を同一直線上に設け
ているため、テストパッド用のスタンダードセルの幅を小さくすることができる。スタン
ダードセルの幅を小さくすることで、回路面積の縮小ができ、消費電力の削減を行うこと
ができる。
【0025】
そして、スタンダードセル108を回路の構成単位として、他のスタンダードセル(例
えば、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路等)とともに
自動レイアウトにて配置することで所望の機能を有する半導体集積回路を得ることができ
る。つまり、図1の配線106、107は他のスタンダードセルとそれぞれ接続されてお
り、テストパッド103、104それぞれは配線106、107を介して他のスタンダー
ドセルと電気的に接続されている。
【0026】
次に、自動レイアウトで所望の回路を構成した後、テストパッド103、104を用い
て特定の端子の電流を測定する方法について説明する。なお、スタンダードセルは、テス
トパッド103、104が配線105で接続されている状態では、入力用ポート106か
ら流れこんだ電流は、テストパッド103、配線105、テストパッド104を通して出
力用ポート107に流れる。ここで、テストパッド103又はテストパッド104を電圧
測定用のテストパッドとして用いて任意の端子の電圧を測定して、電流を測定したい端子
の特定を行ってもよい。
【0027】
そして、電流を測定したい端子に対応するテストパッド(ここでは、テストパッド10
3、104とする(図1))を選択し、2つのテストパッドを接続する配線(ここでは、
配線105に相当する(図1))を、レーザー等を用いて切断する。これにより、2つの
テストパッド103、104の間は絶縁化される。そして、絶縁された2つのテストパッ
ド103、104それぞれに電流測定器の針を当てて電流を測定して不良箇所を特定する

【0028】
また、本実施の形態において、スタンダードセルの配置領域外である配線領域などの狭
く、配線の密に並んだ領域にテストパッドを設ける必要がないため、テストパッドを設け
るためのレイアウト修正を大規模に行う必要がなく、レイアウト修正時のレイアウトミス
を防ぐことができる。さらに、レイアウト修正のために費やす時間も少なくできる。さら
に、テストパッドを含むスタンダードセルを他のスタンダードセルと同じ領域内に配置す
ることができるため、テストパッドの配置面積を大きくとることが可能となる。よって電
流測定器の針を当てる作業がより簡単なものになる。また測定する信号線以外の配線がテ
ストパッドよりも遠い場所にあるため、電流測定器の針をあてる作業が失敗したときなど
に、他の配線にダメージを与える可能性を低くすることができる。
【0029】
また、本実施の形態において、2つのテストパッドを有するスタンダードセルを自動レ
イアウトで配置した後、2つのテストパッド間を接続する配線を切断することでテストパ
ッド間を絶縁状態としている。従って、チップ毎にそれぞれ電流測定端子を容易に変える
ことができる。本実施の形態のスタンダードセルを用いることで、チップ毎に電流測定を
行う端子が変化した場合でもマスク変更を行う必要がないため、低コストな半導体装置を
作製することが可能である。また、2つのテストパッド間の配線を切断する前の状態では
、電圧測定を行うことが可能であり、テストパッドを2つ有することで一方のテストパッ
ドが測定不能になった場合には他方のテストパッドで測定可能であり、繰り返し試験への
耐性を向上させることが可能である。
【0030】
また、本実施の形態において、他の回路ブロックや、スタンダードセルの近くに電流測
定用のテストパッドを設けることができるため、信号が生成された直後の場所で電流測定
が行うことができる。また、引き回し配線が短くなるため、長い引き回しが原因の信号の
減衰などの影響を少なくできる。さらに、ノイズが乗る可能性を低く抑えることができる
ため、回路の動作をより安定したものにできる。長い引き回し配線が原因として起きる寄
生容量の増加や、消費電流の増加を抑えることができる。
【0031】
また、電流測定の必要がなくなり、テストパッドを削除する際の作業も容易である。具体
的には、スタンダードセル内にある2つのテストパッドを削除することで、本発明のスタ
ンダードセルは信号を伝送する機能を有するフィードセルになる。テストパッドの削除は
、マスク1枚の変更のみで対応できるため、削除する際のコストを低減することができる

【0032】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1とは異なる構成のスタンダードセルについて説明する
。本実施の形態で示すスタンダードセルは、過電流が流れた際に、2つのテストパッド間
が絶縁化される構成を有する。
【0033】
図2に、本実施の形態のスタンダードセルの模式図を示す。図2のスタンダードセル2
08は、VDD用電源ライン201、GND用電源ライン202、テストパッド203〜
204、及び配線205〜207を有している。なお、VDD用電源ライン201、GN
D用電源ライン202、テストパッド203〜204、及び配線205〜207は導電性
の材料で形成されている。また、テストパッド203とテストパッド204とは配線20
5によって電気的に接続されている。また、配線206はテストパッド203と接続し、
配線207はテストパッド204と接続する。ここで、配線206は入力用ポートとして
機能し、配線207は出力用ポートとして機能する。入力用ポートおよび出力用ポートを
介して他のスタンダードセルや回路ブロックとの信号のやり取りを行うことができる。本
実施の形態では、配線205〜207、テストパッド203、204を同一直線上に設け
ているため、テストパッド用のスタンダードセルの幅を小さくすることができる。スタン
ダードセルの幅を小さくすることで、回路面積の縮小ができ、消費電力の削減を行うこと
ができる。
【0034】
本実施の形態では、配線205に基準よりも大きい電流(過電流)が流れた際に、テス
トパッド203とテストパッド204とが絶縁化される構成とする。そこで、本実施の形
態のテストパッドは、2つのテストパッド間を結ぶ配線205の幅が均一ではなく、部分
的に抵抗が異なる構成とする。
【0035】
そして、スタンダードセル208を回路の構成単位として、他のスタンダードセル(例
えば、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路等)とともに
自動レイアウトにて配置することで所望の機能を有する半導体集積回路を得ることができ
る。
【0036】
次に、自動レイアウトで所望の回路を構成した後、テストパッド203、204を用い
て特定の端子の電流を測定する方法について説明する。なお、スタンダードセルは、テス
トパッド203、204が配線205で接続されている状態では、入力用ポート206か
ら流れこんだ電流は、テストパッド203、配線205、テストパッド204を通して出
力用ポート207に流れ、出力ポートから他のスタンダードセルに供給される。ここで、
テストパッド203又はテストパッド204を電圧測定用のテストパッドとして用いて任
意の端子の電圧を測定して、電流を測定したい端子の特定を行ってもよい。
【0037】
ここで説明を簡単にするために、配線205を配線領域209、210、211とに分
けて説明する。ここで、配線領域211は、横幅と長さを配線領域209、210に比べ
て幅と長さを小さく形成する。つまり、配線領域209、210は、211に比べて幅を
広く形成しておく。これにより、配線領域209、210の部分の配線抵抗を配線領域2
11の配線抵抗に比べて小さくすることができる。配線領域211部分が他の領域に比べ
て抵抗が高くなるため、そして、この配線部211に大きな電流が流れると、211が絶
縁化される。
【0038】
なお、本実施の形態において配線211の材料及び大きさによって、配線211を切断
するために必要な電流値は変化する。配線を溶かすために必要な熱量は、配線の質量に比
例するため、配線部211の領域の質量が大きければ、配線211を溶かすために必要な
熱量も増えるためである。つまり、配線211の質量が増加するほどより大きな電流を流
さないと配線211は溶けず、2つのテストパッド203、204間は絶縁化されない。
本実施の形態では、この性質を利用することにより、配線211の大きさ、配線211に
流れる電流の最大値、該電流が流れる時間等を任意に設定することができる。
【0039】
ここで、図2(B)を用いて、図2(A)で示したスタンダードセルのテストパッド2
03とテストパッド204間の絶縁化の方法について具体的な例を挙げて説明する。図2
(B)は、図2(A)の配線205部分の傾斜図である。ここで、配線205としてアル
ミニウムを用いた場合について説明する。アルミニウムは、融点約600℃、密度2.9
g/cm、比熱0.88J/g・Kである。本実施例では、配線領域211において、
厚さdが700nm、長さlが2μm、幅vが2μmのアルミニウムを用いた場合に、配
線211が断線されるまでの工程を説明する。ここで、配線211に電流100μA、電
圧5Vが供給される場合を考える。なお、この値は、シュミレーション等を用いて、回路
に必要な電流値から適宜選択されるものである。
【0040】
配線部211に流れる電流で発生するジュール熱は、500×10―6×t(J)と表
される。ここで、tは電流を流す時間(単位は秒)である。一方、図2の領域のアルミニ
ウムを溶かすためには、アルミニウムの温度をアルミニウムの融点である600度付近ま
で上げるためのジュール熱が必要となるが、そのジュール熱は4.287×10―9(J
)である。以上のことから、100μAの電流を10μs流すことで配線211の温度は
600度以上になる。従って、100μAの電流を10μs以上流すことで配線領域21
1のアルミニウムが溶け出し、配線領域211の配線が切れ、配線領域209と配線領域
210の間は絶縁状態になる。
【0041】
なお、ここでは、あらかじめ配線211の大きさ及び配線211に供給される電流、電
圧の最大値を設定し、配線211が切断されるまでに必要な時間を求めたが、この方法に
限定されるものではない。例えば、配線211に供給される電流、電圧の最大値及び切断
されるまでに必要な時間を設定し、それに基づいて配線211の大きさ(質量、厚さ、幅
、長さ等)を設定する方法としてもよい。
【0042】
本実施の形態において、回路を動作させただけで過電流の流れる配線を切断できるため
、回路内の不良箇所を容易に検出することが可能である。測定時に、テストパッド毎に測
定して不良箇所を特定する作業が必要ないため、回路を検査に必要な時間が大幅に短縮で
きる。また、マスク変更や特別な手段を用いて2つのテストパッド間を接続する配線を切
断する作業が必要ないため、回路内の不良箇所の検出を容易に行うことができる。
【0043】
また、本実施の形態において、スタンダードセルの配置領域外である配線領域などの狭
く、配線の密に並んだ領域にテストパッドを設ける必要がないため、テストパッドを設け
るためのレイアウト修正を大規模に行う必要がなく、レイアウト修正時のレイアウトミス
を防ぐことができる。さらに、レイアウト修正のために費やす時間も少なくできる。さら
に、テストパッドを含むスタンダードセルを他のスタンダードセルと同じ領域内に配置す
ることができるため、テストパッドの配置面積を大きくとることが可能となる。よって電
流測定器の針を当てる作業がより簡単なものになる。また測定する信号線以外の配線がテ
ストパッドよりも遠い場所にあるため、電流測定器の針をあてる作業が失敗したときなど
に、他の配線にダメージを与える可能性を低くすることができる。
【0044】
また、本実施の形態において、2つのテストパッドを有するスタンダードセルを自動レ
イアウトで配置した後、2つのテストパッド間を接続する配線を切断することでテストパ
ッド間を絶縁状態としている。従って、チップ毎にそれぞれ電流測定端子を容易に変える
ことができる。本実施の形態のスタンダードセルを用いることで、チップ毎に電流測定を
行う端子が変化した場合でもマスク変更を行う必要がないため、低コストな半導体装置を
作製することが可能である。また、2つのテストパッド間の配線を切断する前の状態では
、電圧測定を行うことが可能であり、テストパッドを2つ有することで一方のテストパッ
ドが測定不能になった場合には他方のテストパッドで測定可能であり、繰り返し試験への
耐性を向上させることが可能である。
【0045】
また、本実施の形態において、他の回路ブロックや、スタンダードセルの近くに電流測
定用のテストパッドを設けることができるため、信号が生成された直後の場所で電流測定
が行うことができる。また、引き回し配線が短くなるため、長い引き回しが原因の信号の
減衰などの影響を少なくできる。さらに、ノイズが乗る可能性を低く抑えることができる
ため、回路の動作をより安定したものにできる。長い引き回し配線が原因として起きる寄
生容量の増加や、消費電流の増加を抑えることができる。
【0046】
また、電流測定の必要がなくなり、テストパッドを削除する際の作業も容易である。具体
的には、スタンダードセル内にある2つのテストパッドを削除することで、本発明のスタ
ンダードセルは信号を伝送する機能を有するフィードセルになる。テストパッドの削除は
、マスク1枚の変更のみで対応できるため、削除する際のコストを低減することができる

【0047】
(実施の形態3)
本実施の形態において、2つのテストパッドを接続する配線としてメモリ素子を用いる
場合について説明する。
【0048】
図3にメモリ素子を含むスタンダードセルの回路図を示す。図3に示すスタンダードセ
ル308は、VDD用電源ライン301、GND用電源ライン302、テストパッド30
3、304、メモリ素子305、電流入力用ポート306および電流出力用ポート307
を有する。
【0049】
そして、スタンダードセル308を回路の構成単位として、他のスタンダードセル(例
えば、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路等)とともに
自動レイアウトにて配置することで所望の機能を有する半導体集積回路を得ることができ
る。
【0050】
本実施の形態において、メモリ素子305として、電流による発熱で状態が変化し、抵
抗が変化するメモリを用いる。そのようなメモリとして、例えば相変化メモリが挙げられ
る。相変化メモリは、回路に電流が多く流れた場合、メモリ素子にふくまれるヒーターが
熱を発生し、電流量が多い場合には発熱量が多くなり、相変化をする物質(GeSb
Teなど)がアモルファス状態になり、電気抵抗が高くなり絶縁化される。本実施の形
態において、この変化を利用することで、2つのテストパッド303、304間を絶縁化
して電流測定を行うことができる。なお、もちろんメモリ305は相変化メモリに限られ
るものではない。電流が多く流れたところの素子のみ絶縁化を行い、2つのテストパッド
303、304の間を絶縁状態にすることができればどのようなものでもよい。例えば、
メモリとして、流れる電流量により抵抗が変化するRRAMを用いることもできる。
【0051】
図3の回路動作について説明を行う。メモリ素子305は初期状態では導通している。
そのため、通常の回路として使用できる。この回路に大きな電流が流れた場合、メモリ素
子305が非導通になる。その際にスタンダードセル内に含まれる2つのテストパッド3
03、304に電流測定器の針を当て、電流測定を行うことができる。
【0052】
本実施の形態において、回路を動作させただけで過電流の流れる配線を切断できるため
、回路内の不良箇所を容易に検出することが可能である。測定時に、テストパッド毎に測
定して不良箇所を特定する作業が必要ないため、回路を検査に必要な時間が大幅に短縮で
きる。さらに、マスク変更や特別な手段を用いて2つのテストパッド間を接続する配線を
切断する作業が必要ないため、回路内の不良箇所の検出を容易に行うことができる。また
、可逆反応を用いたメモリを利用するため、一度絶縁状態になった配線を元の状態に戻す
ことも可能である。
【0053】
また、本実施の形態において、スタンダードセルの配置領域外である配線領域などの狭
く、配線の密に並んだ領域にテストパッドを設ける必要がないため、テストパッドを設け
るためのレイアウト修正を大規模に行う必要がなく、レイアウト修正時のレイアウトミス
を防ぐことができる。さらに、レイアウト修正のために費やす時間も少なくできる。さら
に、テストパッドを含むスタンダードセルを他のスタンダードセルと同じ領域内に配置す
ることができるため、テストパッドの配置面積を大きくとることが可能となる。よって電
流測定器の針を当てる作業がより簡単なものになる。また測定する信号線以外の配線がテ
ストパッドよりも遠い場所にあるため、電流測定器の針をあてる作業が失敗したときなど
に、他の配線にダメージを与える可能性を低くすることができる。
【0054】
また、本実施の形態において、2つのテストパッドを有するスタンダードセルを自動レ
イアウトで配置した後、2つのテストパッド間を接続する配線を切断することでテストパ
ッド間を絶縁状態としている。従って、チップ毎にそれぞれ電流測定端子を容易に変える
ことができる。本実施の形態のスタンダードセルを用いることで、チップ毎に電流測定を
行う端子が変化した場合でもマスク変更を行う必要がないため、低コストな半導体装置を
作製することが可能である。また、2つのテストパッド間の配線を切断する前の状態では
、電圧測定を行うことが可能であり、テストパッドを2つ有することで一方のテストパッ
ドが測定不能になった場合には他方のテストパッドで測定可能であり、繰り返し試験への
耐性を向上させることが可能である。
【0055】
また、本実施の形態において、他の回路ブロックや、スタンダードセルの近くに電流測
定用のテストパッドを設けることができるため、信号が生成された直後の場所で電流測定
が行うことができる。また、引き回し配線が短くなるため、長い引き回しが原因の信号の
減衰などの影響を少なくできる。さらに、ノイズが乗る可能性を低く抑えることができる
ため、回路の動作をより安定したものにできる。長い引き回し配線が原因として起きる寄
生容量の増加や、消費電流の増加を抑えることができる。
【0056】
また、電流測定の必要がなくなり、テストパッドを削除する際の作業も容易である。具体
的には、スタンダードセル内にある2つのテストパッドを削除することで、本発明のスタ
ンダードセルは信号を伝送する機能を有するフィードセルになる。テストパッドの削除は
、マスク1枚の変更のみで対応できるため、削除する際のコストを低減することができる

【0057】
(実施の形態4)
本実施の形態において、2つのテストパッド間がアナログスイッチを介して接続されて
いる構成について説明する。
【0058】
図4にアナログスイッチを含むスタンダードセルの回路図を示す。スタンダードセル4
08は、VDD用電源ライン401、GND用電源ライン402、テストパッド403、
テストパッド404、アナログスイッチ409、インバータ410、電流制御信号入力ポ
ート405、電流入力用ポート406および電流出力用ポート407を有する。
【0059】
そして、スタンダードセル408を回路の構成単位として、他のスタンダードセル(例
えば、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路等)とともに
自動レイアウトにて配置することで所望の機能を有する半導体集積回路を得ることができ
る。
【0060】
図4に示す回路はアナログスイッチ409によってのテストパッド403およびテスト
パッド404間の接続状態、つまり導通状態と非道通状態を変化させることができる。例
えば、電流制御信号入力ポート405にLowの信号が入力された場合、アナログスイッ
チ409は導通状態となり、通常の回路として用いることができる。ここで、電流制御信
号入力ポート405にHiの信号を入力した場合、アナログスイッチ409は非導通状態
となり電流を測定することが可能となる。
【0061】
そして、スタンダードセル408を回路の構成単位として、他のスタンダードセル(例
えば、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路等)とともに
自動レイアウトにて配置することで所望の機能を有する回路を得ることができる。
【0062】
本実施の形態において、2つのテストパッド間の導通又は非導通を電圧信号の変化とい
う簡単な方法で切り替えることができる。本実施の形態では、スイッチを用いてテストパ
ッド間の導通又は非導通を切り換えているため、導通又は非導通を繰り返すことが可能で
ある。テスト用のサンプルが少ない場合などに、サンプルを繰り返し利用できる。
【0063】
また、本実施の形態において、スタンダードセルの配置領域外である配線領域などの狭
く、配線の密に並んだ領域にテストパッドを設ける必要がないため、テストパッドを設け
るためのレイアウト修正を大規模に行う必要がなく、レイアウト修正時のレイアウトミス
を防ぐことができる。さらに、レイアウト修正のために費やす時間も少なくできる。さら
に、テストパッドを含むスタンダードセルを他のスタンダードセルと同じ領域内に配置す
ることができるため、テストパッドの配置面積を大きくとることが可能となる。よって電
流測定器の針を当てる作業がより簡単なものになる。また測定する信号線以外の配線がテ
ストパッドよりも遠い場所にあるため、電流測定器の針をあてる作業が失敗したときなど
に、他の配線にダメージを与える可能性を低くすることができる。
【0064】
また、本実施の形態において、2つのテストパッドを有するスタンダードセルを自動レ
イアウトで配置した後、2つのテストパッド間を接続する配線を切断することでテストパ
ッド間を絶縁状態としている。従って、チップ毎にそれぞれ電流測定端子を容易に変える
ことができる。本実施の形態のスタンダードセルを用いることで、チップ毎に電流測定を
行う端子が変化した場合でもマスク変更を行う必要がないため、低コストな半導体装置を
作製することが可能である。また、2つのテストパッド間の配線を切断する前の状態では
、電圧測定を行うことが可能であり、テストパッドを2つ有することで一方のテストパッ
ドが測定不能になった場合には他方のテストパッドで測定可能であり、繰り返し試験への
耐性を向上させることが可能である。
【0065】
また、本実施の形態において、他の回路ブロックや、スタンダードセルの近くに電流測
定用のテストパッドを設けることができるため、信号が生成された直後の場所で電流測定
が行うことができる。また、引き回し配線が短くなるため、長い引き回しが原因の信号の
減衰などの影響を少なくできる。さらに、ノイズが乗る可能性を低く抑えることができる
ため、回路の動作をより安定したものにできる。長い引き回し配線が原因として起きる寄
生容量の増加や、消費電流の増加を抑えることができる。
【0066】
また、電流測定の必要がなくなり、テストパッドを削除する際の作業も容易である。具体
的には、スタンダードセル内にある2つのテストパッドを削除することで、本発明のスタ
ンダードセルは信号を伝送する機能を有するフィードセルになる。テストパッドの削除は
、マスク1枚の変更のみで対応できるため、削除する際のコストを低減することができる

【0067】
(実施の形態5)
本実施の形態において、上記実施の形態とは異なるテストパッド及び配線の配置方法に
ついて説明する。図5に本実施の形態のスタンダードセルの構成を示す。
【0068】
図5のスタンダードセル508は、VDD用電源ライン501、GND用電源ライン5
02、テストパッド503、テストパッド504、及び配線505〜507を有している
。本実施の形態では、配線506、507とVDD用電源ライン501、GND用電源ラ
イン502とは平行に配置され、配線505とVDD用電源ライン501、GND用電源
ライン502とは垂直に配置される。なお、VDD用電源ライン501、GND用電源ラ
イン502、テストパッド503〜504、及び配線505〜507は導電性の材料で形
成されている。また、テストパッド503とテストパッド504とは配線505によって
電気的に接続されている。また、配線506はテストパッド503と接続し、配線507
はテストパッド504と接続する。ここで、配線506は入力用ポートとして機能し、配
線507は出力用ポートとして機能する。入力用ポートおよび出力用ポートを介して他の
スタンダードセルや回路ブロックとの信号のやり取りを行うことができる。
【0069】
そして、スタンダードセル508を回路の構成単位として、他のスタンダードセル(例
えば、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路等)とともに
自動レイアウトにて配置することで所望の機能を有する半導体集積回路を得ることができ
る。
【0070】
本実施の形態では、配線506、507とVDD用電源ライン501、GND用電源ラ
イン502とは平行に配置しているため、入力用の信号と出力用の信号が同じ方向から出
入りする場合に引き回しに必要な配線をより短くすることができる。例えば、回路の外周
領域にテストパッドを有するスタンダードセルを配置する場合、引き回し配線をより短く
することが可能である。
【0071】
また、必ずしも配線506、507とVDD用電源ライン501、GND用電源ライン
502とが平行に配置されていなくてもよく、配線が密になっている箇所にテストパッド
を有するスタンダードセルを配置する場合は、配線が密である領域を避けてそれぞれの信
号線が接続されるような配置にすればよい。例えば、図6に示す配置をとることができる

【0072】
図6に示すスタンダードセル608は、VDD用電源ライン601と、GND用電源ラ
イン602、テストパッド603、テストパッド604、及び配線605〜607を有し
ている。本実施の形態では、配線606、607とVDD用電源ライン601、GND用
電源ライン602とは垂直に配置され、配線605とVDD用電源ライン601、GND
用電源ライン602とは平行に配置される。また、配線606とVDD電源ライン601
とが交叉し、配線607とGND電源ライン602とが交叉している。なお、VDD用電
源ライン601、GND用電源ライン602、テストパッド603〜604、及び配線6
05〜607は導電性の材料で形成されている。また、テストパッド603とテストパッ
ド604とは配線605によって電気的に接続されている。また、配線606はテストパ
ッド603と接続し、配線607はテストパッド604と接続する。ここで、配線606
は入力用ポートとして機能し、配線607は出力用ポートとして機能する。入力用ポート
および出力用ポートを介して他のスタンダードセルや回路ブロックとの信号のやり取りを
行うことができる。
【0073】
そして、スタンダードセル608を回路の構成単位として、他のスタンダードセル(例
えば、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路等)とともに
自動レイアウトにて配置することで所望の機能を有する半導体集積回路を得ることができ
る。
【0074】
図6に示すスタンダードセルにおいて、配線606とVDD電源ライン601とが交叉
し、配線607とGND電源ライン602とが交叉するように配置されているため、テス
トパッド603をGND電源ライン602方向に大きくでき、テストパッド604をVD
D電源ライン603方向に大きくできる。これにより、測定時のパッド探しの作業および
針あての作業をより容易に行うことができる。さらに、図6に示すスタンダードセルでは
、テストパッド603、604は、VDD電源ライン601及びGND電源ライン602
と平行に配置されているため、VDD電源ライン601およびGND電源ライン602か
ら離れた位置にテストパッド603、604を配置することができる。そのため、電流を
測定する際に、スタンダードセル608に含まれるVDD電源ライン601又はGND電
源ライン602に供給される電圧、電流による影響を受けにくく、より正確に電流値を測
定できる。
【0075】
なお、入力用ポート606と出力用ポート607の位置は図6に示したものに限られず
、テストパッドを含むスタンダードセルの配置によって、それぞれの配線が最も適切に行
われるように配置されていればよい。
【0076】
(実施の形態6)
本実施の形態において、上記実施の形態とは異なるテストパッド及び配線の配置方法に
ついて説明する。図7に本実施の形態のスタンダードセルの構成を示す。
【0077】
図7に示すスタンダードセル708は、VDD用電源ライン701と、GND用電源ラ
イン702、複数のテストパッド703、704、複数の配線705〜707を有してい
る。図7において、1つのテストパッド703と1つのテストパッド704とは1本の配
線705によって電気的に接続されている。また、1本の配線706は1つのテストパッ
ド703と接続し、1本の配線707は1つのテストパッド704と接続している。該配
線705で接続された該テストパッド703、704とで一組の電流測定TEG709が
構成されている。ここで、配線706は入力用ポートとして機能し、配線707は出力用
ポートとして機能する。入力用ポートおよび出力用ポートを介して他のスタンダードセル
や回路ブロックとの信号のやり取りを行うことができる。なお、本実施の形態において、
配線705〜707は同一直線上に配置されているがこの構成に限定されない。また、V
DD用電源ライン701、GND用電源ライン702、テストパッド703〜704、及
び配線705〜707は導電性の材料で形成されている。
【0078】
そして、スタンダードセル708を回路の構成単位として、他のスタンダードセル(例
えば、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路等)とともに
自動レイアウトにて配置することで所望の機能を有する半導体集積回路を得ることができ
る。
【0079】
図7に示すスタンダードセルでは、種々の信号線をひとつのスタンダードセルにまとめ
ることができるため、レイアウト時の信号線の管理が容易になる。また、電流測定時にパ
ッドを探す手間が省ける。さらに、異なる信号間のテストパッドの距離が大きく離れてい
ないため、電流測定器の針の移動も容易となる。また、テストパッド間の大きさを調整す
ることで、複数の電流を一括して測定することもでき、回路検証をより効率的に進めるこ
とが可能となる。
【0080】
他の構成として図8に示す構成としてもよい。図8のスタンダードセル808は、VD
D用電源ライン801と、GND用電源ライン802、複数のテストパッド803、80
4、複数の配線805〜807を有している。図8において、1つのテストパッド803
と1つのテストパッド804とは1本の配線805によって電気的に接続されている。ま
た、1本の配線806は1つのテストパッド803と接続し、1本の配線807は1つの
テストパッド804と接続している。該配線805で接続された該テストパッド803、
804とで一組の電流測定TEG809が構成されている。ここで、配線806は入力用
ポートとして機能し、配線807は出力用ポートとして機能する。入力用ポートおよび出
力用ポートを介して他のスタンダードセルや回路ブロックとの信号のやり取りを行うこと
ができる。なお、本実施の形態において、配線805〜807は同一直線上に配置されて
いるがこの構成に限定されない。また、VDD用電源ライン801、GND用電源ライン
802、テストパッド803〜804、及び配線805〜807は導電性の材料で形成さ
れている。図8では、スタンダードセル808内において配線やテストパッド配置されな
い空き領域を小さくすることができる。
【0081】
そして、スタンダードセル808を回路の構成単位として、他のスタンダードセル(例
えば、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路等)とともに
自動レイアウトにて配置することで所望の機能を有する半導体集積回路を得ることができ
る。
【0082】
図8に示すスタンダードセルを用いることにより、テストパッドを含むスタンダードセ
ルセルの面積(およびスタンダードセルの横幅)を小さくすることができる。配線の密な
領域にテストパッドを多数配置する必要がある場合には、図8に示すスタンダードセルを
用いることで、回路面積を縮小することが可能となる。これにより、テストパッドによる
寄生容量の増加を抑えることができる。さらに、配線負荷も小さくできる。
【0083】
また、他の形態として図9に示す構成としてもよい。図9に示すスタンダードセル90
8は、VDD用電源ライン901と、GND用電源ライン902、複数のテストパッド9
03、904、複数の配線905〜907を有している。図9において、1つのテストパ
ッド903と1つのテストパッド904とは1本の配線905によって電気的に接続され
ている。また、1本の配線906は1つのテストパッド903と接続し、1本の配線90
7は1つのテストパッド904と接続している。該配線905で接続された該テストパッ
ド903、904とで一組の電流測定TEG909が構成されている。ここで、配線90
6は入力用ポートとして機能し、配線907は出力用ポートとして機能する。入力用ポー
トおよび出力用ポートを介して他のスタンダードセルや回路ブロックとの信号のやり取り
を行うことができる。また、VDD用電源ライン901、GND用電源ライン902、テ
ストパッド903〜904、及び配線905〜907は導電性の材料で形成されている。
なお、本実施の形態において、配線905〜807は同一直線上に配置され、VDD電源
ライン901、GND電源ライン902と平行に配置されているがこの構成に限定されな
い。
【0084】
そして、スタンダードセル908を回路の構成単位として、他のスタンダードセル(例
えば、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路等)とともに
自動レイアウトにて配置することで所望の機能を有する半導体集積回路を得ることができ
る。
【0085】
図9に示すスタンダードセル908において、配線905〜907とVDD電源ライン
901とGND電源ライン902は平行に配置されている。これにより、配線905によ
って接続された二つのテストパッド903、904間の距離やスタンダードセル内の配線
の引き回しの長さを小さくできる。また、入力用ポート又は出力用ポートとして機能する
配線906、907とVDD電源ライン901又はGND電源ライン902とスタンダー
ドセル908内で交叉することがない。これにより、電流測定の際に電源ノイズの影響を
小さくすることが可能である。さらに、スタンダードセル列間の配線が密な領域において
もテストパッドを配置することが可能である。
【0086】
(実施の形態7)
実施の形態1〜6に示したテストパッドを用いて作製した半導体回路は、例えば、非接
触でデータの入出力が可能である半導体装置であるRFIDチップ(RFIDタグ、IC
タグ、ICチップ、RF(Radio Friquency)タグ、無線タグ、電子タグ
とも呼ばれる)等に用いることができる。RFIDチップ内のアナログ回路部、デジタル
回路部等の設計の際に、本発明のテストパッドを含むスタンダードセルを用いることによ
り、電流の測定を詳細に行い、不要な電力をカットし、消費電力を低減することが可能と
なる。RFIDチップを構成する回路部として、集積回路部(高周波回路、電源回路、リ
セット回路、クロック発生回路、データ復調回路、データ変調回路、制御回路及びメモリ
回路等を有する)、電源回路部(整流回路、保持容量、定電圧回路等を有する)、アナロ
グ回路部(アンテナ、高周波回路、電源回路、リセット回路、クロック発生回路、レベル
シフト回路、チャージポンプ回路、データ復調回路、データ変調回路等を有する)、及び
デジタル回路部(制御回路及びメモリ制御回路等を有する)が挙げられる。
【0087】
図10に示す半導体装置800は、非接触でデータを交信する機能を有し、高周波回路
810、電源回路820、リセット回路830、クロック発生回路840、データ復調回
路850、データ変調回路860、他の回路の制御を行う制御回路870、記憶回路88
0およびアンテナ890を有している(図10(A))。高周波回路810はアンテナ8
90より信号を受信して、データ変調回路860より受信した信号をアンテナ890から
出力する回路であり、電源回路820は受信信号から電源電位を生成する回路であり、リ
セット回路830はリセット信号を生成する回路であり、クロック発生回路840はアン
テナ890から入力された受信信号を基に各種クロック信号を生成する回路であり、デー
タ復調回路850は受信信号を復調して制御回路870に出力する回路であり、データ変
調回路860は制御回路870から受信した信号を変調する回路である。また、制御回路
870としては、例えばコード抽出回路910、コード判定回路920、CRC判定回路
930および出力ユニット回路940が設けられている。なお、コード抽出回路910は
制御回路870に送られてきた命令に含まれる複数のコードをそれぞれ抽出する回路であ
り、コード判定回路920は抽出されたコードとリファレンスに相当するコードとを比較
して命令の内容を判定する回路であり、CRC判定回路930は判定されたコードに基づ
いて送信エラー等の有無を検出する回路である。
【0088】
次に、上述した半導体装置の動作の一例について説明する。まず、アンテナ890によ
り無線信号が受信される。無線信号は高周波回路810を介して電源回路820に送られ
、高電源電位(以下、VDDと記す)が生成される。VDDは半導体装置800が有する
各回路に供給される。また、高周波回路810を介してデータ復調回路850に送られた
信号は復調される(以下、復調信号)。さらに、高周波回路810を介してリセット回路
830およびクロック発生回路840を通った信号及び復調信号は制御回路870に送ら
れる。制御回路870に送られた信号は、コード抽出回路910、コード判定回路920
およびCRC判定回路930等によって解析される。そして、解析された信号にしたがっ
て、記憶回路880内に記憶されている半導体装置の情報が出力される。出力された半導
体装置の情報は出力ユニット回路940を通って符号化される。さらに、符号化された半
導体装置800の情報はデータ変調回路860を通って、アンテナ890により無線信号
に載せて送信される。なお、半導体装置800を構成する複数の回路においては、低電源
電位(以下、VSS)は共通であり、VSSはGNDとすることができる。また、本発明
の不揮発性半導体記憶装置を記憶回路880に適用することができる。本発明の不揮発性
半導体記憶装置は、駆動電圧を低くすることができるため、非接触でデータを交信できる
距離をのばすことが可能となる。
【0089】
このように、リーダ/ライタから半導体装置800に信号を送り、当該半導体装置80
0から送られてきた信号をリーダ/ライタで受信することによって、半導体装置のデータ
を読み取ることが可能となる。
【0090】
また、半導体装置800は、各回路への電源電圧の供給を電源(バッテリー)を搭載せ
ず電磁波により行うタイプとしてもよいし、電源(バッテリー)を搭載して電磁波と電源
(バッテリー)により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。
【0091】
次に、非接触でデータの入出力が可能な半導体装置の使用形態の一例について説明する
。表示部3210を含む携帯端末の側面には、リーダ/ライタ3200が設けられ、品物
3220の側面には半導体装置3230が設けられる(図10(B))。品物3220が
含む半導体装置3230にリーダ/ライタ3200をかざすと、表示部3210に品物の
原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴等、更に商品の説明等の商品
に関する情報が表示される。また、商品3260をベルトコンベアにより搬送する際に、
リーダ/ライタ3240と、商品3260に設けられた半導体装置3250を用いて、該
商品3260の検品を行うことができる(図10(C))。このように、システムに半導
体装置を活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化
を実現する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力用ポートとして機能する第1の配線と、
出力用ポートとして機能する第2の配線と、
前記第1の配線と電気的に接続する第1のテストパッドと、
前記第2の配線と電気的に接続する第2のテストパッドと、
前記第1のテストパッドと前記第2のテストパッドとを電気的に接続し、幅の細い部分と太い部分とを有する第3の配線と、を半導体集積回路内に有し、
前記第1の配線からの電流は、前記第1のテストパッド、前記第3の配線、前記第2のテストパッド、前記第2の配線を順に流れ、
前記半導体集積回路を動作させ、前記第1の配線から前記第1のテストパッドを介して前記第3の配線に過電流が流れた場合は、前記過電流により前記第3の配線は電気的に切断されることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
入力用ポートとして機能する第1の配線と、
出力用ポートとして機能する第2の配線と、
前記第1の配線と電気的に接続する第1のテストパッドと、
前記第2の配線と電気的に接続する第2のテストパッドと、
前記第1のテストパッドと前記第2のテストパッドとを電気的に接続する相変化メモリと、を半導体集積回路内に有し、
前記第1の配線からの電流は、前記第1のテストパッド、前記相変化メモリ、前記第2のテストパッド、前記第2の配線を順に流れ、
前記半導体集積回路を動作させ、前記第1の配線から前記第1のテストパッドを介して前記相変化メモリに一定以上の電流が流れた場合は、前記一定以上の電流により前記相変化メモリは絶縁化されることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
第1の電源配線と第2の電源配線とを有し、
前記第1の電源配線及び前記第2の電源配線は第1の方向に延びており、
前記第1の配線、前記第1のテストパッド、前記第2のテストパッド及び前記第2の配線を結ぶ直線は、前記第1の方向と交わる第2の方向に延びることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、
第1の電源配線と第2の電源配線とを有し、
前記第1の電源配線及び前記第2の電源配線は第1の方向に延びており、
前記第1の配線及び前記第2の配線は前記第1の方向に延びており、
前記第1のテストパッド及び前記第2のテストパッドを結ぶ直線は、前記第1の方向と交わる第2の方向に延びることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項5】
請求項1または請求項2において、
第1の電源配線と第2の電源配線とを有し、
前記第1の電源配線及び前記第2の電源配線は第1の方向に延びており、
前記第1の配線及び前記第2の配線は、前記第1の方向と交わる第2の方向に延びており、
前記第1のテストパッド及び前記第2のテストパッドを結ぶ直線は、前記第1の方向に延びることを特徴とする半導体集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−65860(P2013−65860A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−237464(P2012−237464)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【分割の表示】特願2006−151862(P2006−151862)の分割
【原出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.RRAM
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】