印刷半田検査装置
【課題】半田の撮像画像の欠落を無くすことが可能な印刷半田検査装置を提供することにある。
【解決手段】印刷半田検査装置の撮像素子70は、走査方向の垂線に対してなす角θが0度を超え90度未満となるように傾けられ、その撮像領域の長手方向とスリット照明の長手方向が平行となるように照射し走査したとき、そのときの角度を存在率の低いもしくは存在しない長方形や楕円形等の前記半田の回転角度に設定されている。これにより、照射光の長手方向中心軸と、半田の短手方向中心軸を平行にならないようにし、明るさが落ち込む場所が非常に長くなる現象の発生を防ぎ、また、サチュレーション部の欠落画像の補間を可能となる。
【解決手段】印刷半田検査装置の撮像素子70は、走査方向の垂線に対してなす角θが0度を超え90度未満となるように傾けられ、その撮像領域の長手方向とスリット照明の長手方向が平行となるように照射し走査したとき、そのときの角度を存在率の低いもしくは存在しない長方形や楕円形等の前記半田の回転角度に設定されている。これにより、照射光の長手方向中心軸と、半田の短手方向中心軸を平行にならないようにし、明るさが落ち込む場所が非常に長くなる現象の発生を防ぎ、また、サチュレーション部の欠落画像の補間を可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対し照明し撮像して該基板に印刷された半田を検査する印刷半田検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、エリアカメラ、リング状多段照明、及び画像処理装置を有した検査装置により、基板に印刷された半田の2次元(以下、2Dという)の検査が可能であることが開示されている。しかし、半田印刷とは、メタルマスクと呼ばれる薄い金属板に設けられた開口部を通して、ペースト状の半田(クリーム半田)を基板のパッド上に転写する工程をいう。よって、基板に印刷されたクリーム半田には、通常100μm〜150μm位の厚みがある。このような厚み方向の転写状況までしっかり把握するためには、当然ながら3次元(以下、3Dという)測定技術が必要である。
しかしながら3D測定は、測定対象の高さを計測する技術であって、その高さを構成する材料の違いを識別するものではなく、よって、クリーム半田がパッド上に薄く広がる「にじみ」と呼ばれる印刷不良の検出が困難であるという限界を抱えている。一方、2D測定は、照明色と照明の照射方向の最適化により、クリーム半田とパッドあるいは基板面とを輝度の違い、色の違い、表面状態の違いで識別するという手法であり、パッド上に薄く広がったクリーム半田を抽出できるという3D測定に対する補完性を持っている。
【0003】
特許文献2には、エリアカメラ、リング状多段照明、スリット光照明、及び画像処理装置を有した検査装置により、基板に印刷された半田の2Dあるいは3Dの検査が可能であることが開示されている。また、特許文献3には、スリット光を斜方から照射し、基板の凹凸によって発生するスリット光跡の凹凸情報を真上に設置された撮像装置で撮像することで基板に印刷された半田の3Dの検査が可能であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−224353号公報
【特許文献2】特開2004−317126号公報
【特許文献3】特開2005−207918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献2,3に記載の印刷半田検査装置では、1つの光学系に2D検査用の多段リング照明と3D検査用のスリット照明を実装することで、2D検査と3D検査の両方が実施可能である。しかしながら、3D検査がスリット光を照射しながら検査対象を連続スキャンすることで撮像する方式であるのに対し、2D検査は多段リング照明を照射、静止した状態の検査対象を撮像するという方式であり、その動作が異なることから同時実行は困難であった。そのため、共用光学系構成を採用しても3D検査と2D検査は個別に実施せざるを得ず、2D検査と3D検査の両方を実施する場合、検査対象である基板を2回検査しなければならないという検査時間面での問題点を抱えていた。
【0006】
そこで、例えば、図15の3D用の照明11aと11b、2D用の照明21aと21b、31aと31b、41aと41bのように、2方向から互いに向き合うように照射し、また、それぞれの照明光の長軸方向の中心は撮像用レンズ60及びカメラ50の光軸を一直線に通るように配置されている構成の印刷半田検査装置が本出願人から提案されている(特開2009−36736号公報参照)。この2方向からの照射は、図16に示すように、走査することにより照射対象物である半田Aの全周を照射することを目的としている。しかしながら、厳密にはこの2方向からの照射のみでは、半田Aなどの立体物において死角または照度が撮像困難な明るさまで落ち込む場所が発生し、撮像画像の欠落が起き、半田の正しい形状の撮像が出来ない事例が発生した。
【0007】
すなわち、図17に示すように、スリット照明での半田照射状態は、スリット照明短軸方向は、向き合う対となるライン照明を走査させることにより、走査方向に対し前後を全てを照射することができる。スリット光の構造として長軸方向は、照射幅より短い幅の光源から照射光が照射されているため、照射光に広がり角度が発生し、半田Aなどの立体物においてスリット照明の長軸方向に、死角または、照度が撮像困難な明るさまで落ち込む場所(図示太線部分Bを除く部分(半田Aの底面に近い部分))が発生し、撮像画像の欠落が起き、半田の正しい形状の撮像が出来ないことがある。直接反射によるサチレーションで色情報等が消失する問題も含んでいる。
【0008】
また、この現象は、長方形や楕円形等の様に縦横比が異なり、直線または直線に近い長辺を有する半田などの立体物においては顕著であり、半田基板の基板角度により検出される面積が異なってしまう場合がある。
【0009】
具体的には、図18のような半田基板で例えた場合、図18(A)の基板角度0度回転と図18(B)の基板角度90度回転とで検出される面積が異なってしまう。図18(A)の照射光Lの長手方向中心軸a1と、半田Aの長方形や楕円形等の短手方向の中心軸a2とが平行となる場合は、図18(B)の照射光Lの長手方向中心軸a1と、半田Aの長方形や楕円形等の短手方向中心軸a2が直交する場合と比較して、明るさが落ち込む場所(図示太線部分b1)が非常に長くなるためである。なお、図示点部分b2は、点である。
【0010】
また、半田印刷検査装置について、検査タクトの高速化を求められている。その検査タクトの中の、撮像カメラからデータ処理装置へのデータ転送にかかる時間が、カメラ50の受光素子70のピクセル数(データ転送量)にて決定されてしまう。すなわち、図19に示すように、これまでの2Dと3Dの同時撮像に使用されているカメラ50の撮像素子70の撮像領域の配置は、2D検査で、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の三原色(RGB)の照明用で各1ライン(計3ライン)71R,71G,71B、3D検査で、奥、手前用で各40ライン(計80ライン)72,73となっている。2D検査のRGBの照明用の撮像領域では、イメージ画像を取り込むため1ラインで撮像可能だが、3D検査用の撮像領域では、光切断法による高さ計測のため、撮像領域に照射された撮像領域の長軸方向を横断するライン照明光の連続した短軸方向の変位量のデータが必要なため、40ラインの幅を必要としている。それにより、2D検査用の撮像領域よりデータ転送量が大幅に増えている。
【0011】
また、従来、基板に形成された膜または層の位置管理と厚さの管理が困難であったことから、基板に形成された膜または層の十分な管理ができなかった。
【0012】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、半田の撮像画像の欠落を無くすことが可能な印刷半田検査装置を提供することにある。
【0013】
また、撮像画像のデータ転送量の削減が可能な印刷半田検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的達成のため、本発明の印刷半田検査装置では、基板に対し照明し撮像して前記基板に印刷された半田を検査する印刷半田検査装置であって、撮像素子を走査方向の垂線に対してなす角が0度を超え90度未満となるように傾け、その撮像領域の長手方向とスリット照明の長手方向が平行となるように照射し走査させ、そのときの角度を存在率の低いもしくは存在しない長方形や楕円形等の前記半田の回転角度に設定することを特徴としている。
【0015】
これにより、照射光の長手方向中心軸と、半田の短手方向中心軸を平行にならないようにし、明るさが落ち込む場所が非常に長くなる現象の発生を防ぎ、また、サチュレーション部の欠落画像の補間を可能となる。
【0016】
また、2D・3D同時撮像用光学系の撮像領域とスリット照明群を2式使用し、撮像素子の操作方向と直交する方向の中心に対し、傾斜をつけた1式目の撮像領域の明るさが落ち込む場所やサチレーションにより色情報等を消失する部分を撮像できる角度に傾斜させた2式目の撮像領域で撮像して走査させ、取得した画像データを合算することにより、1回の走査にて前記半田の実質全周照射での撮像データを得ることを特徴としている。
【0017】
従来、エリアカメラでの4方向からの照射技術の場合、4つの照明を時間差で切換える必要があり、切換え時間が検査タクトに加算されてしまう。また、照明切換えによる視野単位のステップ動作は、錠剤のような連続的に撮像を行わなければタクトが間に合わないものの検査への転用の障害となる。それに対し、本発明は、照明は常に点灯が可能で連続的なラインスキャン方式のため、錠剤検査への転用も容易となる。
【0018】
また、スリット照明を撮像レンズ光軸に対し外側に傾けることを特徴としている。
【0019】
これにより、半田の側面の反射強度を上あげることができる。
【0020】
また、3D検査部に、位相シフト法による高さ測定を採用することを特徴としている。
【0021】
これにより、従来に比べ、大幅にデータ転送量を削減でき、検査タクトの短縮ができる。
【0022】
また、異なった2箇所の撮像領域を、向き合った2方向からの位相スリット照明で照射することにより、1回の撮像動作にて、全周の3D検査を行い、同時にRGB画像を取得し、それらを合算して実質カラー画像を取得することを特徴としている。カラー画像にて、2D検査(位置決め処理を含む)や検査情報のカラー表示を行うことも含む。
【0023】
また、2D・3D同時撮像用光学系の撮像領域とスリット照明群を2式使用し、一方を赤色〜赤外の長波長光、他方を紫外〜青色の短波長光の照明にすることにより、2D画像であらかじめ、基板に形成された膜または層の場所を特定し、一方の照明で膜または層の下層の高さを計測し、その高さを高さの基準として他方の照明で膜または層の上面の高さを計測し、膜または層の厚さを測定することを特徴としている。
【0024】
これにより、基板に形成された膜または層の位置管理と厚さの管理が行える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態に係る印刷半田検査装置の撮像素子を示す図である。
【図2】図1の印刷半田検査装置のスリット照明を示す斜視図である。
【図3】スリット照明による作用を示す第1の図である。
【図4】スリット照明による作用を示す第2の図である。
【図5】スリット照明による作用を示す第3の図である。
【図6】別のスリット照明による作用を示す第1の図である。
【図7】別のスリット照明による作用を示す第2の図である。
【図8】さらに別のスリット照明による作用を示す図である。
【図9】撮像素子の別例を示す図である。
【図10】撮像素子のさらに別例を示す図である。
【図11】図1の印刷半田検査装置の別のスリット照明を示す図である。
【図12】図1の印刷半田検査装置のさらに別のスリット照明を示す図である。
【図13】撮像素子を高速データ処理化した例を示す図である。
【図14】レジスト高さの測定を示す図である。
【図15】本発明に適用可能な従来の印刷半田検査装置の斜視図である。
【図16】従来の問題点を示す第1の図である。
【図17】従来の問題点を示す第2の図である。
【図18】従来の問題点を示す第3の図である。
【図19】従来の撮像素子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0027】
(1)手法1
図1に示すように、撮像素子70を走査方向の垂線に対してなす角θが「0度を超え90度未満」となるように傾ける。そのときの角度θを、存在率の低いもしくは存在しない、長方形や楕円形等の半田の回転角度に設定することにより、実用上、半田を撮像系の光軸を軸に回転しても、回転する前と同等な撮像画像を得ることができる。 手法1は、図2に示すように、スリット照明L1,L2の長軸方向の照射を2方向にすることにより、長軸方向の撮像の明るさが落ち込む場所を減少させる。その結果、高精度な検査結果を得ることができ、また、半田を撮像系の光軸を軸に回転しても、回転する前と同等な撮像画像を得ることができる。
【0028】
手法1は、長方形や楕円形等の様に縦横比が異なり、直線または直線に近い長辺を有する半田などの立体物に、特に有効である。
具体的には、図18に示す半田Aが、仮に45度回転したものが多数を占めた場合、図2の照明と撮像素子の回転角度(なす角)を45度にしてしまうと図18の問題が発生してしまう。半田Aとして、仮に30度回転したもの、45度回転したもの、回転無しの3種類が多く存在している場合は、図1の撮像素子70の回転角度θを20度にすれば、半田Aの短手方向中心軸と平行にはならないので、明るさが落ち込む場所が非常に長くなる現象は起きなくなる。
【0029】
撮像素子70の撮像領域の長手方向と照明の長手方向が平行になるように照明は照射されるため、存在率の低いもしくは存在しない角度に図1の撮像素子70の回転角度θを設定すると、半田Aの短手方向中心軸と平行にはならない。
【0030】
図1のハッチング部71R,71G,71Bの2D撮像領域の1式目の長軸方向に照明光L1の長軸方向が平行になるように、2D照明の一方側を照射する。ハッチング部71R,71G,71Bの2D撮像領域の2式目の長軸方向に照明光L2の長軸方向が平行になるように、2D照明の反対側を照射する。ハッチング部の2D撮像領域の1式目と2式目は、平行関係になる。したがって、2D照明光の一方側と反対側と撮像領域の1式目と2式目は全て平行関係となる。図2において、向き合う1対の照明が、照明1式のことである。
【0031】
また、2D撮像領域のみ2式、照明を1式用意し、一方側で後方(この場合斜め後方)からの照射画像、反対側で前方(この場合斜め前方)からの照射画像を取得することにより、図3のような明るさが落ち込む場所c1,c2の補間ばかりでなく、サチュレーション部d1,d2の欠落画像の補間が可能となる。図3からわかるように、サチュレーション部d1,d2の欠落画像の補間するためには、一方側と反対側で別々の撮像画像が必要となり、その結果、撮像領域が2式必要となる。
3D撮像については、撮像領域2箇所(1式)と照明1式なので、もとより一方側で後方(この場合斜め後方)からの照射画像、反対側で前方(この場合斜め前方)からの照射画像を取得することができる。
【0032】
手法1のメカニズムについて詳細に説明する。
スリット照射光の長手方向中心軸と平行となる部分が明るさの落ち込む場所となる。その理由は、図4のように、スリット照明光は、長手方向中心軸方向の光La(照射対象の短手方向中心軸a2と平行な面と交わることはない(照射しない))と長軸方向の外側に向かう光Lb(照射対象の短手方向中心軸a2と平行な面と交わることはない(照射しない))と短軸方向に広がる光Lc(照射対象の短手方向中心軸a2と平行な面と交わることはない(照射しない))の成分しか存在しない。したがって、走査させてもスリット照射光の長手方向中心軸と平行になる半田Aの短手方向中心軸と平行な面に向かう向きの光が存在しないため、明るさが落ち込む場所となる。
【0033】
図5、図6の照射方式の場合、先に述べたスリット照明光の性質で長手方向中心軸方向の光Laと長軸方向の外側に向かう光Lbと短軸方向に広がる光Lcが存在している。図5、図6のように、スリット照明光の長手方向中心軸方向の光Laと短軸方向に広がる光Lcが半田Aの左側の面に交わる(照射する)。図2のように照明を配置するので、反対側のスリット照明光の長手方向中心軸方向の光Laと短軸方向に広がる光Lcが半田Aの右側の面に交わる(照射する)。また、走査することにより、一方側は半田Aの中心より左半分を照射し、反対側で半田Aの中心より右側を照射することが可能で、実質全周にわたり撮像可能な明るさの半田画像となる。
【0034】
基板回転時の明るさが落ち込む場所については、図7のようにスリット照明一方側と他方側で基板回転時の明るさが落ち込む場所c3の位置が異なる画像が取得できるため、一方側の画像と他方側の画像で補間しあうことにより、基板回転時の明るさが落ち込む場所を検査結果に影響を与えない程に小さくすることができる。これに対して、c1,c2は、明るさが落ち込む場所が長くなる。
図6のように、短軸方向に広がる光Lcは、長手方向全体に存在するため、長手方向中心軸から離れた位置に半田Aがある場合でも、長手側中心軸と同様の効果が得られる。
【0035】
(2)手法2
手法2は、形状に関係なく、全ての形状の半田などの立体物に有効である。
手法2では、スリット照明を2式使用する。1式目のスリット照明L1,L2の明るさの落ち込むところと異なる場所で、明るさが落ち込むような角度で傾斜された2式目のスリット照明L1,L2にて照射し撮像する。それらの得られた画像データを合算することにより、それぞれのスリット照明L1,L2で発生する、小さな明るさの落ち込む場所c3を更に、安定した明るさで撮像でき、サチレーションによる色情報の消失場所d1,d2を補間しあうことにより、実質全周照射された撮像画像を得ることができる(図8参照)。
【0036】
上記手法2を実現するに当たり必要となる、現行の2D・3D同時撮像半田印刷検査装置の改造内容として、撮像カメラのFPGプログラム等を変更し、撮像素子70に図9のような、2D・3D同時撮像の撮像領域71R,71G,71B,72,73に傾斜をつけた状態で2式分作成することが必要である。また、2D・3D同時撮像に使われるスリット照明も、同様に2式使用し、撮像領域71R,71G,71B,72,73の長軸方向の中心とスリット照明光の長軸方向の中心が平行でかつ、スリット照明光が撮像領域を照射するようにする。
【0037】
1式目の撮像領域71R,71G,71B,72,73の傾斜は、撮像素子70のY軸中心に対して、なす角θが「0度を超え90度未満」とし、1式目の撮像画像の死角を撮像可能な角度となるように、2式目の撮像領域71R,71G,71B,72,73を設ける。
なお、図8で説明したように、サチレーションによる色情報の消失場所d1,d2を補間しあうことができるので、図9に示すように、それぞれのハッチング部において2D撮像領域71R,71G,71Bは1式あればよい。
なお、図9のような撮像素子70の向きで、斜めの撮像領域71R,71G,71B,72,73を確保することは、撮像素子70の設計が必要となるため、代替案として図10のように2個の撮像素子70を1つのカメラ50に実装し、手法2の撮像領域71R,71G,71B,72,73の配置を実現できる。
【0038】
(3)手法3
手法3は、形状に関係なく、全ての形状の半田Aなどの立体物に有効である。
手法3とし、向き合う1式のスリット照明L1,L2の長手方向中心軸をa側とb側で、撮像レンズ光軸LAを軸とし線対称となるようにずらすことにより、照射の広がり角でa側は左サイドを照射し、b側は右サイドを照射するようにすることにより、長軸方向の照射死角を無くすことができる(図11参照)。
【0039】
このとき、スリット照明光L1,L2は、a側の長手方向中心軸が撮像領域の左端に、b側の長手方向中心軸が撮像領域の右端に来るようにする。すなわち、各スリット照明光L1,L2の有効線長が、撮像領域の2倍以上の長さであることが必要となる。
また、この光軸をずらすと共に、図12のようにa,b側両方のスリット照明を撮像レンズ光軸LAに対し、外側に傾けることにより、半田Aの側面の反射強度を上あげることができる。
また、RGBで照射角度を揃え、半田Aの色を忠実に再現し、色相データと明暗を共に使用する画像認識を採用することにより、照度ムラによる明暗の画像の誤判定を防ぐことができる。
【0040】
(4)位相シフト法
3D検査の高さ測定の手法を撮像領域が4ラインですむ位相シフト法(特開2003−121115号公報参照)に変更することにより、現行の方式に比べ、データ転送量を大幅に削減する(図13参照)。上記手法を実現するに当たり必要となる、現行の2D・3D同時撮像半田印刷検査装置の改造内容として、撮像カメラのFPGプログラム等を変更し、3D−1,3D−2用に、各4ラインの撮像領域72,73を作れるようにする。また、図15のスリット照明10a,10bを位相スリット照明へ置き換えることが必要である。上記手法により、位相スリット照明の照射位置が、それぞれ別の撮像領域を照射するため、向き合った2方向からの照射が行えるため、一回の撮像動作にて、全周の3D検査が行えるようになる。
【0041】
(5)基板に形成された膜または層の高さの測定
3D計測用照明にて、「赤色〜赤外の長波長光はレジストを透過する」、「紫外〜青色の短波長光はレジストを透過しない」という特性が記載されている(特許第3878165号公報参照)。この特性から、図15のスリット照明11aを赤色〜赤外の長波長光、スリット照明11bを紫外〜青色の短波長光の照明にすることにより、2D画像であらかじめレジスト層Rの場所を特定しておく。撮像自体は3D画像取得と同時も可能である。すなわち、同一撮像素子にて2D用、3D用の撮像領域を設けており、走査させながら画像データを2D用と3D用が1対1となるように取得しているため、1回の走査動作にて2D用、3D用の画像データの取得が可能であり、レジスト層Rの場所を特定する処理の専用に、別途画像を取得する動作は不要である。スリット照明11aでレジスト層Rの下層R1の高さを計測し、その高さを高さの基準(高さ0)、スリット照明11bでレジスト層Rの上面R2の高さを計測し、レジスト層Rの厚さRhを測定することができる(図14参照)。
【0042】
このことは、本来基板の絶縁処理目的であるレジストの位置管理と厚さを管理することにより、基板のレジスト開口部の生産へのフィードバックと基板のレジスト部の絶縁性能を安定させるための管理が行える。
【0043】
レジスト層の高さ測定の具体的手順
1.赤色〜赤外の長波長光の撮像対象の高さが0のとき照射されるポジションを決めておく。ポジションの決定方式について、光学系は、撮像面に平行な平面(以後組立基準面という)で撮像レンズの焦点が合うところを基準として組み立てる。セラミック板などのようなフラットな板を用意し、その上面が組立基準面に対し高さが0となるように設置する。その状態でフラットな板を照射したときに、たとえば、11aのラインが、撮像画像の212画素目を照射するように設置する。また、11bにおいては812画素目を照射するように設置する。それにより、撮像対象の高さが変わると、たとえば11aの照射位置が204画素目、11bの照射位置が820画素目に移動する。照射角度と1画素あたりの距離をもとに照射ポジションの移動量から高さが測定できる。赤色〜赤外の光源と紫外〜青色の光源は、それぞれの波長を照射する光源であるが、白色のような複数波長からなる光源の光を使用しフィルタを用いて赤色〜赤外もしくは紫外〜青色のみを透過させ照射をする。もしくは、撮像カメラ側でフィルタを用いて赤色〜赤外もしくは紫外〜青色の波長のみを透過させ受光させる方法も可能である。
【0044】
2.紫外〜青色の短波長光の撮像対象の高さが0のとき照射されるポジションを決めておく。
3.先に割り出したレジスト層の位置にて赤色〜赤外の長波長光のポジション移動量から高さを算出する。たとえば、40μmである。
4.先に割り出したレジスト層の位置にて紫外〜青色の短波長光のポジション移動量から高さを算出する。たとえば、100μmである。
5.赤色〜赤外の長波長光において、40μmの高さが測定されていることから、この基板はこの地点では40μm盛り上がっているため、紫外〜青色の短波長光の高さ100μmから40μmを引くとレジストの厚さ60μmがわかる。
【0045】
上述した、基板に形成された膜または層の高さの測定技術は、電子基板に塗布されたレジスト層のみならず、紫外〜青色を透明せず、赤色〜赤外を透過する材質からなる膜または層であれば同様に、その膜または層の厚みを測定することが出来る。
例として、リフロー後の完成基板に、剛性強化と防湿等の基板保護を目的とした透明または半透明なコーティング層が施される場合がある。本技術が搭載された装置を電子基板生産工程のコーティング工程の下流に設置することにより、上記コーティング層の2次元的な有無、塗りムラの他、厚さ測定を基にした検査のため、厚みのムラや、コーティング層のゴミ埋もれ、厚みの管理が可能である。
この例の場合、測定される厚さはレジスト層とコーティング層の合算された厚みとなるため、コーティング層のみの厚さの管理が必要な場合は、前工程(たとえば本技術が搭載された印刷半田検査装置)のレジスト層の厚さ情報を取得し、測定された厚さからレジスト層の厚さを引いた値をコーティング層の厚さとすることが必要である。
但し、リフロー後のコーティング層の塗布状況の管理が重要となる部分は、チップのリブの部分等のレジストが切り取られた開口部になるため、その部分のみのコーティング層の厚みの測定であれば、前工程のレジスト層の厚さの情報は必要なくなる。
以上のように、基板に形成された膜または層の高さの測定技術は、紫外〜青色を透明せず、赤色〜赤外を透過する材質からなる膜または層の厚さを測定することが出来る。
【符号の説明】
【0046】
L1,L2 スリット照明、50 カメラ、60 レンズ、70 撮像素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対し照明し撮像して該基板に印刷された半田を検査する印刷半田検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、エリアカメラ、リング状多段照明、及び画像処理装置を有した検査装置により、基板に印刷された半田の2次元(以下、2Dという)の検査が可能であることが開示されている。しかし、半田印刷とは、メタルマスクと呼ばれる薄い金属板に設けられた開口部を通して、ペースト状の半田(クリーム半田)を基板のパッド上に転写する工程をいう。よって、基板に印刷されたクリーム半田には、通常100μm〜150μm位の厚みがある。このような厚み方向の転写状況までしっかり把握するためには、当然ながら3次元(以下、3Dという)測定技術が必要である。
しかしながら3D測定は、測定対象の高さを計測する技術であって、その高さを構成する材料の違いを識別するものではなく、よって、クリーム半田がパッド上に薄く広がる「にじみ」と呼ばれる印刷不良の検出が困難であるという限界を抱えている。一方、2D測定は、照明色と照明の照射方向の最適化により、クリーム半田とパッドあるいは基板面とを輝度の違い、色の違い、表面状態の違いで識別するという手法であり、パッド上に薄く広がったクリーム半田を抽出できるという3D測定に対する補完性を持っている。
【0003】
特許文献2には、エリアカメラ、リング状多段照明、スリット光照明、及び画像処理装置を有した検査装置により、基板に印刷された半田の2Dあるいは3Dの検査が可能であることが開示されている。また、特許文献3には、スリット光を斜方から照射し、基板の凹凸によって発生するスリット光跡の凹凸情報を真上に設置された撮像装置で撮像することで基板に印刷された半田の3Dの検査が可能であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−224353号公報
【特許文献2】特開2004−317126号公報
【特許文献3】特開2005−207918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献2,3に記載の印刷半田検査装置では、1つの光学系に2D検査用の多段リング照明と3D検査用のスリット照明を実装することで、2D検査と3D検査の両方が実施可能である。しかしながら、3D検査がスリット光を照射しながら検査対象を連続スキャンすることで撮像する方式であるのに対し、2D検査は多段リング照明を照射、静止した状態の検査対象を撮像するという方式であり、その動作が異なることから同時実行は困難であった。そのため、共用光学系構成を採用しても3D検査と2D検査は個別に実施せざるを得ず、2D検査と3D検査の両方を実施する場合、検査対象である基板を2回検査しなければならないという検査時間面での問題点を抱えていた。
【0006】
そこで、例えば、図15の3D用の照明11aと11b、2D用の照明21aと21b、31aと31b、41aと41bのように、2方向から互いに向き合うように照射し、また、それぞれの照明光の長軸方向の中心は撮像用レンズ60及びカメラ50の光軸を一直線に通るように配置されている構成の印刷半田検査装置が本出願人から提案されている(特開2009−36736号公報参照)。この2方向からの照射は、図16に示すように、走査することにより照射対象物である半田Aの全周を照射することを目的としている。しかしながら、厳密にはこの2方向からの照射のみでは、半田Aなどの立体物において死角または照度が撮像困難な明るさまで落ち込む場所が発生し、撮像画像の欠落が起き、半田の正しい形状の撮像が出来ない事例が発生した。
【0007】
すなわち、図17に示すように、スリット照明での半田照射状態は、スリット照明短軸方向は、向き合う対となるライン照明を走査させることにより、走査方向に対し前後を全てを照射することができる。スリット光の構造として長軸方向は、照射幅より短い幅の光源から照射光が照射されているため、照射光に広がり角度が発生し、半田Aなどの立体物においてスリット照明の長軸方向に、死角または、照度が撮像困難な明るさまで落ち込む場所(図示太線部分Bを除く部分(半田Aの底面に近い部分))が発生し、撮像画像の欠落が起き、半田の正しい形状の撮像が出来ないことがある。直接反射によるサチレーションで色情報等が消失する問題も含んでいる。
【0008】
また、この現象は、長方形や楕円形等の様に縦横比が異なり、直線または直線に近い長辺を有する半田などの立体物においては顕著であり、半田基板の基板角度により検出される面積が異なってしまう場合がある。
【0009】
具体的には、図18のような半田基板で例えた場合、図18(A)の基板角度0度回転と図18(B)の基板角度90度回転とで検出される面積が異なってしまう。図18(A)の照射光Lの長手方向中心軸a1と、半田Aの長方形や楕円形等の短手方向の中心軸a2とが平行となる場合は、図18(B)の照射光Lの長手方向中心軸a1と、半田Aの長方形や楕円形等の短手方向中心軸a2が直交する場合と比較して、明るさが落ち込む場所(図示太線部分b1)が非常に長くなるためである。なお、図示点部分b2は、点である。
【0010】
また、半田印刷検査装置について、検査タクトの高速化を求められている。その検査タクトの中の、撮像カメラからデータ処理装置へのデータ転送にかかる時間が、カメラ50の受光素子70のピクセル数(データ転送量)にて決定されてしまう。すなわち、図19に示すように、これまでの2Dと3Dの同時撮像に使用されているカメラ50の撮像素子70の撮像領域の配置は、2D検査で、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の三原色(RGB)の照明用で各1ライン(計3ライン)71R,71G,71B、3D検査で、奥、手前用で各40ライン(計80ライン)72,73となっている。2D検査のRGBの照明用の撮像領域では、イメージ画像を取り込むため1ラインで撮像可能だが、3D検査用の撮像領域では、光切断法による高さ計測のため、撮像領域に照射された撮像領域の長軸方向を横断するライン照明光の連続した短軸方向の変位量のデータが必要なため、40ラインの幅を必要としている。それにより、2D検査用の撮像領域よりデータ転送量が大幅に増えている。
【0011】
また、従来、基板に形成された膜または層の位置管理と厚さの管理が困難であったことから、基板に形成された膜または層の十分な管理ができなかった。
【0012】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、半田の撮像画像の欠落を無くすことが可能な印刷半田検査装置を提供することにある。
【0013】
また、撮像画像のデータ転送量の削減が可能な印刷半田検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的達成のため、本発明の印刷半田検査装置では、基板に対し照明し撮像して前記基板に印刷された半田を検査する印刷半田検査装置であって、撮像素子を走査方向の垂線に対してなす角が0度を超え90度未満となるように傾け、その撮像領域の長手方向とスリット照明の長手方向が平行となるように照射し走査させ、そのときの角度を存在率の低いもしくは存在しない長方形や楕円形等の前記半田の回転角度に設定することを特徴としている。
【0015】
これにより、照射光の長手方向中心軸と、半田の短手方向中心軸を平行にならないようにし、明るさが落ち込む場所が非常に長くなる現象の発生を防ぎ、また、サチュレーション部の欠落画像の補間を可能となる。
【0016】
また、2D・3D同時撮像用光学系の撮像領域とスリット照明群を2式使用し、撮像素子の操作方向と直交する方向の中心に対し、傾斜をつけた1式目の撮像領域の明るさが落ち込む場所やサチレーションにより色情報等を消失する部分を撮像できる角度に傾斜させた2式目の撮像領域で撮像して走査させ、取得した画像データを合算することにより、1回の走査にて前記半田の実質全周照射での撮像データを得ることを特徴としている。
【0017】
従来、エリアカメラでの4方向からの照射技術の場合、4つの照明を時間差で切換える必要があり、切換え時間が検査タクトに加算されてしまう。また、照明切換えによる視野単位のステップ動作は、錠剤のような連続的に撮像を行わなければタクトが間に合わないものの検査への転用の障害となる。それに対し、本発明は、照明は常に点灯が可能で連続的なラインスキャン方式のため、錠剤検査への転用も容易となる。
【0018】
また、スリット照明を撮像レンズ光軸に対し外側に傾けることを特徴としている。
【0019】
これにより、半田の側面の反射強度を上あげることができる。
【0020】
また、3D検査部に、位相シフト法による高さ測定を採用することを特徴としている。
【0021】
これにより、従来に比べ、大幅にデータ転送量を削減でき、検査タクトの短縮ができる。
【0022】
また、異なった2箇所の撮像領域を、向き合った2方向からの位相スリット照明で照射することにより、1回の撮像動作にて、全周の3D検査を行い、同時にRGB画像を取得し、それらを合算して実質カラー画像を取得することを特徴としている。カラー画像にて、2D検査(位置決め処理を含む)や検査情報のカラー表示を行うことも含む。
【0023】
また、2D・3D同時撮像用光学系の撮像領域とスリット照明群を2式使用し、一方を赤色〜赤外の長波長光、他方を紫外〜青色の短波長光の照明にすることにより、2D画像であらかじめ、基板に形成された膜または層の場所を特定し、一方の照明で膜または層の下層の高さを計測し、その高さを高さの基準として他方の照明で膜または層の上面の高さを計測し、膜または層の厚さを測定することを特徴としている。
【0024】
これにより、基板に形成された膜または層の位置管理と厚さの管理が行える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態に係る印刷半田検査装置の撮像素子を示す図である。
【図2】図1の印刷半田検査装置のスリット照明を示す斜視図である。
【図3】スリット照明による作用を示す第1の図である。
【図4】スリット照明による作用を示す第2の図である。
【図5】スリット照明による作用を示す第3の図である。
【図6】別のスリット照明による作用を示す第1の図である。
【図7】別のスリット照明による作用を示す第2の図である。
【図8】さらに別のスリット照明による作用を示す図である。
【図9】撮像素子の別例を示す図である。
【図10】撮像素子のさらに別例を示す図である。
【図11】図1の印刷半田検査装置の別のスリット照明を示す図である。
【図12】図1の印刷半田検査装置のさらに別のスリット照明を示す図である。
【図13】撮像素子を高速データ処理化した例を示す図である。
【図14】レジスト高さの測定を示す図である。
【図15】本発明に適用可能な従来の印刷半田検査装置の斜視図である。
【図16】従来の問題点を示す第1の図である。
【図17】従来の問題点を示す第2の図である。
【図18】従来の問題点を示す第3の図である。
【図19】従来の撮像素子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0027】
(1)手法1
図1に示すように、撮像素子70を走査方向の垂線に対してなす角θが「0度を超え90度未満」となるように傾ける。そのときの角度θを、存在率の低いもしくは存在しない、長方形や楕円形等の半田の回転角度に設定することにより、実用上、半田を撮像系の光軸を軸に回転しても、回転する前と同等な撮像画像を得ることができる。 手法1は、図2に示すように、スリット照明L1,L2の長軸方向の照射を2方向にすることにより、長軸方向の撮像の明るさが落ち込む場所を減少させる。その結果、高精度な検査結果を得ることができ、また、半田を撮像系の光軸を軸に回転しても、回転する前と同等な撮像画像を得ることができる。
【0028】
手法1は、長方形や楕円形等の様に縦横比が異なり、直線または直線に近い長辺を有する半田などの立体物に、特に有効である。
具体的には、図18に示す半田Aが、仮に45度回転したものが多数を占めた場合、図2の照明と撮像素子の回転角度(なす角)を45度にしてしまうと図18の問題が発生してしまう。半田Aとして、仮に30度回転したもの、45度回転したもの、回転無しの3種類が多く存在している場合は、図1の撮像素子70の回転角度θを20度にすれば、半田Aの短手方向中心軸と平行にはならないので、明るさが落ち込む場所が非常に長くなる現象は起きなくなる。
【0029】
撮像素子70の撮像領域の長手方向と照明の長手方向が平行になるように照明は照射されるため、存在率の低いもしくは存在しない角度に図1の撮像素子70の回転角度θを設定すると、半田Aの短手方向中心軸と平行にはならない。
【0030】
図1のハッチング部71R,71G,71Bの2D撮像領域の1式目の長軸方向に照明光L1の長軸方向が平行になるように、2D照明の一方側を照射する。ハッチング部71R,71G,71Bの2D撮像領域の2式目の長軸方向に照明光L2の長軸方向が平行になるように、2D照明の反対側を照射する。ハッチング部の2D撮像領域の1式目と2式目は、平行関係になる。したがって、2D照明光の一方側と反対側と撮像領域の1式目と2式目は全て平行関係となる。図2において、向き合う1対の照明が、照明1式のことである。
【0031】
また、2D撮像領域のみ2式、照明を1式用意し、一方側で後方(この場合斜め後方)からの照射画像、反対側で前方(この場合斜め前方)からの照射画像を取得することにより、図3のような明るさが落ち込む場所c1,c2の補間ばかりでなく、サチュレーション部d1,d2の欠落画像の補間が可能となる。図3からわかるように、サチュレーション部d1,d2の欠落画像の補間するためには、一方側と反対側で別々の撮像画像が必要となり、その結果、撮像領域が2式必要となる。
3D撮像については、撮像領域2箇所(1式)と照明1式なので、もとより一方側で後方(この場合斜め後方)からの照射画像、反対側で前方(この場合斜め前方)からの照射画像を取得することができる。
【0032】
手法1のメカニズムについて詳細に説明する。
スリット照射光の長手方向中心軸と平行となる部分が明るさの落ち込む場所となる。その理由は、図4のように、スリット照明光は、長手方向中心軸方向の光La(照射対象の短手方向中心軸a2と平行な面と交わることはない(照射しない))と長軸方向の外側に向かう光Lb(照射対象の短手方向中心軸a2と平行な面と交わることはない(照射しない))と短軸方向に広がる光Lc(照射対象の短手方向中心軸a2と平行な面と交わることはない(照射しない))の成分しか存在しない。したがって、走査させてもスリット照射光の長手方向中心軸と平行になる半田Aの短手方向中心軸と平行な面に向かう向きの光が存在しないため、明るさが落ち込む場所となる。
【0033】
図5、図6の照射方式の場合、先に述べたスリット照明光の性質で長手方向中心軸方向の光Laと長軸方向の外側に向かう光Lbと短軸方向に広がる光Lcが存在している。図5、図6のように、スリット照明光の長手方向中心軸方向の光Laと短軸方向に広がる光Lcが半田Aの左側の面に交わる(照射する)。図2のように照明を配置するので、反対側のスリット照明光の長手方向中心軸方向の光Laと短軸方向に広がる光Lcが半田Aの右側の面に交わる(照射する)。また、走査することにより、一方側は半田Aの中心より左半分を照射し、反対側で半田Aの中心より右側を照射することが可能で、実質全周にわたり撮像可能な明るさの半田画像となる。
【0034】
基板回転時の明るさが落ち込む場所については、図7のようにスリット照明一方側と他方側で基板回転時の明るさが落ち込む場所c3の位置が異なる画像が取得できるため、一方側の画像と他方側の画像で補間しあうことにより、基板回転時の明るさが落ち込む場所を検査結果に影響を与えない程に小さくすることができる。これに対して、c1,c2は、明るさが落ち込む場所が長くなる。
図6のように、短軸方向に広がる光Lcは、長手方向全体に存在するため、長手方向中心軸から離れた位置に半田Aがある場合でも、長手側中心軸と同様の効果が得られる。
【0035】
(2)手法2
手法2は、形状に関係なく、全ての形状の半田などの立体物に有効である。
手法2では、スリット照明を2式使用する。1式目のスリット照明L1,L2の明るさの落ち込むところと異なる場所で、明るさが落ち込むような角度で傾斜された2式目のスリット照明L1,L2にて照射し撮像する。それらの得られた画像データを合算することにより、それぞれのスリット照明L1,L2で発生する、小さな明るさの落ち込む場所c3を更に、安定した明るさで撮像でき、サチレーションによる色情報の消失場所d1,d2を補間しあうことにより、実質全周照射された撮像画像を得ることができる(図8参照)。
【0036】
上記手法2を実現するに当たり必要となる、現行の2D・3D同時撮像半田印刷検査装置の改造内容として、撮像カメラのFPGプログラム等を変更し、撮像素子70に図9のような、2D・3D同時撮像の撮像領域71R,71G,71B,72,73に傾斜をつけた状態で2式分作成することが必要である。また、2D・3D同時撮像に使われるスリット照明も、同様に2式使用し、撮像領域71R,71G,71B,72,73の長軸方向の中心とスリット照明光の長軸方向の中心が平行でかつ、スリット照明光が撮像領域を照射するようにする。
【0037】
1式目の撮像領域71R,71G,71B,72,73の傾斜は、撮像素子70のY軸中心に対して、なす角θが「0度を超え90度未満」とし、1式目の撮像画像の死角を撮像可能な角度となるように、2式目の撮像領域71R,71G,71B,72,73を設ける。
なお、図8で説明したように、サチレーションによる色情報の消失場所d1,d2を補間しあうことができるので、図9に示すように、それぞれのハッチング部において2D撮像領域71R,71G,71Bは1式あればよい。
なお、図9のような撮像素子70の向きで、斜めの撮像領域71R,71G,71B,72,73を確保することは、撮像素子70の設計が必要となるため、代替案として図10のように2個の撮像素子70を1つのカメラ50に実装し、手法2の撮像領域71R,71G,71B,72,73の配置を実現できる。
【0038】
(3)手法3
手法3は、形状に関係なく、全ての形状の半田Aなどの立体物に有効である。
手法3とし、向き合う1式のスリット照明L1,L2の長手方向中心軸をa側とb側で、撮像レンズ光軸LAを軸とし線対称となるようにずらすことにより、照射の広がり角でa側は左サイドを照射し、b側は右サイドを照射するようにすることにより、長軸方向の照射死角を無くすことができる(図11参照)。
【0039】
このとき、スリット照明光L1,L2は、a側の長手方向中心軸が撮像領域の左端に、b側の長手方向中心軸が撮像領域の右端に来るようにする。すなわち、各スリット照明光L1,L2の有効線長が、撮像領域の2倍以上の長さであることが必要となる。
また、この光軸をずらすと共に、図12のようにa,b側両方のスリット照明を撮像レンズ光軸LAに対し、外側に傾けることにより、半田Aの側面の反射強度を上あげることができる。
また、RGBで照射角度を揃え、半田Aの色を忠実に再現し、色相データと明暗を共に使用する画像認識を採用することにより、照度ムラによる明暗の画像の誤判定を防ぐことができる。
【0040】
(4)位相シフト法
3D検査の高さ測定の手法を撮像領域が4ラインですむ位相シフト法(特開2003−121115号公報参照)に変更することにより、現行の方式に比べ、データ転送量を大幅に削減する(図13参照)。上記手法を実現するに当たり必要となる、現行の2D・3D同時撮像半田印刷検査装置の改造内容として、撮像カメラのFPGプログラム等を変更し、3D−1,3D−2用に、各4ラインの撮像領域72,73を作れるようにする。また、図15のスリット照明10a,10bを位相スリット照明へ置き換えることが必要である。上記手法により、位相スリット照明の照射位置が、それぞれ別の撮像領域を照射するため、向き合った2方向からの照射が行えるため、一回の撮像動作にて、全周の3D検査が行えるようになる。
【0041】
(5)基板に形成された膜または層の高さの測定
3D計測用照明にて、「赤色〜赤外の長波長光はレジストを透過する」、「紫外〜青色の短波長光はレジストを透過しない」という特性が記載されている(特許第3878165号公報参照)。この特性から、図15のスリット照明11aを赤色〜赤外の長波長光、スリット照明11bを紫外〜青色の短波長光の照明にすることにより、2D画像であらかじめレジスト層Rの場所を特定しておく。撮像自体は3D画像取得と同時も可能である。すなわち、同一撮像素子にて2D用、3D用の撮像領域を設けており、走査させながら画像データを2D用と3D用が1対1となるように取得しているため、1回の走査動作にて2D用、3D用の画像データの取得が可能であり、レジスト層Rの場所を特定する処理の専用に、別途画像を取得する動作は不要である。スリット照明11aでレジスト層Rの下層R1の高さを計測し、その高さを高さの基準(高さ0)、スリット照明11bでレジスト層Rの上面R2の高さを計測し、レジスト層Rの厚さRhを測定することができる(図14参照)。
【0042】
このことは、本来基板の絶縁処理目的であるレジストの位置管理と厚さを管理することにより、基板のレジスト開口部の生産へのフィードバックと基板のレジスト部の絶縁性能を安定させるための管理が行える。
【0043】
レジスト層の高さ測定の具体的手順
1.赤色〜赤外の長波長光の撮像対象の高さが0のとき照射されるポジションを決めておく。ポジションの決定方式について、光学系は、撮像面に平行な平面(以後組立基準面という)で撮像レンズの焦点が合うところを基準として組み立てる。セラミック板などのようなフラットな板を用意し、その上面が組立基準面に対し高さが0となるように設置する。その状態でフラットな板を照射したときに、たとえば、11aのラインが、撮像画像の212画素目を照射するように設置する。また、11bにおいては812画素目を照射するように設置する。それにより、撮像対象の高さが変わると、たとえば11aの照射位置が204画素目、11bの照射位置が820画素目に移動する。照射角度と1画素あたりの距離をもとに照射ポジションの移動量から高さが測定できる。赤色〜赤外の光源と紫外〜青色の光源は、それぞれの波長を照射する光源であるが、白色のような複数波長からなる光源の光を使用しフィルタを用いて赤色〜赤外もしくは紫外〜青色のみを透過させ照射をする。もしくは、撮像カメラ側でフィルタを用いて赤色〜赤外もしくは紫外〜青色の波長のみを透過させ受光させる方法も可能である。
【0044】
2.紫外〜青色の短波長光の撮像対象の高さが0のとき照射されるポジションを決めておく。
3.先に割り出したレジスト層の位置にて赤色〜赤外の長波長光のポジション移動量から高さを算出する。たとえば、40μmである。
4.先に割り出したレジスト層の位置にて紫外〜青色の短波長光のポジション移動量から高さを算出する。たとえば、100μmである。
5.赤色〜赤外の長波長光において、40μmの高さが測定されていることから、この基板はこの地点では40μm盛り上がっているため、紫外〜青色の短波長光の高さ100μmから40μmを引くとレジストの厚さ60μmがわかる。
【0045】
上述した、基板に形成された膜または層の高さの測定技術は、電子基板に塗布されたレジスト層のみならず、紫外〜青色を透明せず、赤色〜赤外を透過する材質からなる膜または層であれば同様に、その膜または層の厚みを測定することが出来る。
例として、リフロー後の完成基板に、剛性強化と防湿等の基板保護を目的とした透明または半透明なコーティング層が施される場合がある。本技術が搭載された装置を電子基板生産工程のコーティング工程の下流に設置することにより、上記コーティング層の2次元的な有無、塗りムラの他、厚さ測定を基にした検査のため、厚みのムラや、コーティング層のゴミ埋もれ、厚みの管理が可能である。
この例の場合、測定される厚さはレジスト層とコーティング層の合算された厚みとなるため、コーティング層のみの厚さの管理が必要な場合は、前工程(たとえば本技術が搭載された印刷半田検査装置)のレジスト層の厚さ情報を取得し、測定された厚さからレジスト層の厚さを引いた値をコーティング層の厚さとすることが必要である。
但し、リフロー後のコーティング層の塗布状況の管理が重要となる部分は、チップのリブの部分等のレジストが切り取られた開口部になるため、その部分のみのコーティング層の厚みの測定であれば、前工程のレジスト層の厚さの情報は必要なくなる。
以上のように、基板に形成された膜または層の高さの測定技術は、紫外〜青色を透明せず、赤色〜赤外を透過する材質からなる膜または層の厚さを測定することが出来る。
【符号の説明】
【0046】
L1,L2 スリット照明、50 カメラ、60 レンズ、70 撮像素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対し照明し撮像して前記基板に印刷された半田を検査する印刷半田検査装置であって、
撮像素子を走査方向の垂線に対してなす角が0度を超え90度未満となるように傾け、その撮像領域の長手方向とスリット照明の長手方向が平行となるように照射し走査させ、そのときの角度を存在率の低いもしくは存在しない長方形や楕円形等の前記半田の回転角度に設定することを特徴とする印刷半田検査装置。
【請求項2】
2次元・3次元同時撮像用光学系の撮像領域とスリット照明群を2式使用し、撮像素子の操作方向と直交する方向の中心に対し、傾斜をつけた1式目の撮像領域の明るさが落ち込む場所やサチレーションにより色情報等を消失する部分を撮像できる角度に傾斜させた2式目の撮像領域で撮像して走査させ、取得した画像データを合算することにより、1回の走査にて前記半田の実質全周照射での撮像データを得ることを特徴とする印刷半田検査装置。
【請求項3】
2次元・3次元同時撮像用光学系の向き合った対のスリット照明で前記半田の走査方向の前後を照射し、前記2次元・3次元同時撮像用光学系の向き合った対のスリット照明の長手方向中心軸を撮像レンズの走査方向の光軸を軸に線対称となるようにずらし、広がりを持つスリット照明光の長軸方向の光軸から右側の照射成分で、前記半田の中心から左側を照射し、長軸方向の光軸から左側の照射成分で、前記半田の中心から右側を照射することにより、走査させ撮像し、取得した画像データを合算することにより、2つのスリット照明で、前記半田の実質全周照射での撮像データを得ることを特徴とする印刷半田検査装置。
【請求項4】
スリット照明を撮像レンズ光軸に対し外側に傾けることを特徴とする請求項3に記載の印刷半田検査装置。
【請求項5】
3次元検査部に、位相シフト法による高さ測定を採用することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の印刷半田検査装置。
【請求項6】
異なった2箇所の撮像領域を、向き合った2方向からの位相スリット照明で照射することにより、1回の撮像動作にて、全周の3D検査を行い、同時にRGB画像を取得し、それらを合算して実質カラー画像を取得することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の印刷半田検査装置。
【請求項7】
2次元・3次元同時撮像用光学系の撮像領域とスリット照明群を2式使用し、一方を赤色〜赤外の長波長光、他方を紫外〜青色の短波長光の照明にすることにより、2D画像であらかじめ、基板に形成された膜または層の場所を特定し、一方の照明で前記膜または層の下層の高さを計測し、その高さを高さの基準として他方の照明で前記膜または層の上面の高さを計測し、前記膜または層の厚さを測定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の印刷半田検査装置。
【請求項1】
基板に対し照明し撮像して前記基板に印刷された半田を検査する印刷半田検査装置であって、
撮像素子を走査方向の垂線に対してなす角が0度を超え90度未満となるように傾け、その撮像領域の長手方向とスリット照明の長手方向が平行となるように照射し走査させ、そのときの角度を存在率の低いもしくは存在しない長方形や楕円形等の前記半田の回転角度に設定することを特徴とする印刷半田検査装置。
【請求項2】
2次元・3次元同時撮像用光学系の撮像領域とスリット照明群を2式使用し、撮像素子の操作方向と直交する方向の中心に対し、傾斜をつけた1式目の撮像領域の明るさが落ち込む場所やサチレーションにより色情報等を消失する部分を撮像できる角度に傾斜させた2式目の撮像領域で撮像して走査させ、取得した画像データを合算することにより、1回の走査にて前記半田の実質全周照射での撮像データを得ることを特徴とする印刷半田検査装置。
【請求項3】
2次元・3次元同時撮像用光学系の向き合った対のスリット照明で前記半田の走査方向の前後を照射し、前記2次元・3次元同時撮像用光学系の向き合った対のスリット照明の長手方向中心軸を撮像レンズの走査方向の光軸を軸に線対称となるようにずらし、広がりを持つスリット照明光の長軸方向の光軸から右側の照射成分で、前記半田の中心から左側を照射し、長軸方向の光軸から左側の照射成分で、前記半田の中心から右側を照射することにより、走査させ撮像し、取得した画像データを合算することにより、2つのスリット照明で、前記半田の実質全周照射での撮像データを得ることを特徴とする印刷半田検査装置。
【請求項4】
スリット照明を撮像レンズ光軸に対し外側に傾けることを特徴とする請求項3に記載の印刷半田検査装置。
【請求項5】
3次元検査部に、位相シフト法による高さ測定を採用することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の印刷半田検査装置。
【請求項6】
異なった2箇所の撮像領域を、向き合った2方向からの位相スリット照明で照射することにより、1回の撮像動作にて、全周の3D検査を行い、同時にRGB画像を取得し、それらを合算して実質カラー画像を取得することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の印刷半田検査装置。
【請求項7】
2次元・3次元同時撮像用光学系の撮像領域とスリット照明群を2式使用し、一方を赤色〜赤外の長波長光、他方を紫外〜青色の短波長光の照明にすることにより、2D画像であらかじめ、基板に形成された膜または層の場所を特定し、一方の照明で前記膜または層の下層の高さを計測し、その高さを高さの基準として他方の照明で前記膜または層の上面の高さを計測し、前記膜または層の厚さを測定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の印刷半田検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
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【図4】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−167967(P2012−167967A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27999(P2011−27999)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【出願人】(504184503)株式会社DJTECH (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【出願人】(504184503)株式会社DJTECH (9)
【Fターム(参考)】
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