説明

基板の処理装置

【課題】この発明は基板を搬送するための搬送ユニットを処理槽内に容易かつ精度よく設置することができるようにした処理装置を提供することにある。
【解決手段】処理槽1は、矩形状の下部フレーム2の四隅部に下端部が連結されて立設された支柱部材4と、支柱部材の上端部に四隅部が連結されて設けられた上部フレーム3と、支柱部材の高さ寸法に対応する間隔で上下方向に離間した下部フレームと上部フレームとがなす4つの側面に設けられ所定方向に位置する一対の側面の一方に上記基板の搬入口が形成され他方に上記基板の搬出口が形成された側壁部材11と、下部フレームに所定間隔で架設されそれぞれの上面に第1の基準面18が形成された複数の連結部材9と、第1の基準面を基準にして取付けられ搬入口から内部に搬入された基板を搬出口に向かって搬送する搬送ユニット29と、下部フレームの開口部分を閉塞する底部材21a,21bと、上部フレームの開口部分を閉塞する天井部材25によって構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は処理槽内を搬送される基板をたとえば薬液などの処理液で処理する基板の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や半導体装置の製造工程においては、ガラス基板や半導体ウエハなどの基板をエッチング処理したり、エッチング処理後にマスクとして使用されたレジストの剥離処理をしたり、エッチング処理や剥離処理が行なわれた基板を洗浄処理するという工程がある。このような基板の処理工程では、基板を一枚ずつ搬送しながら処理する枚葉方式が採用されている。
【0003】
枚葉方式によって基板を処理する場合、基板を搬送しながらその上下面或いは上面にシャワ−ノズルから処理液を噴射して処理する処理装置が知られている。このような方式の処理装置は箱型状の処理槽を有する。
【0004】
上記処理槽内には搬送ローラを有する複数の搬送軸が軸線を上記基板の搬送方向に直交させ、かつ基板の搬送方向に対して所定間隔で離間して回転駆動可能に配置されている。したがって、上記基板は回転駆動される搬送軸に設けられた搬送ローラによって下面が支持されて処理槽内を所定方向に搬送されるようになっている。
【0005】
従来、上記処理槽は耐薬品性を備えた材料、たとえば塩化ビニルなどの合成樹脂製の板材によって箱型状に形成されている。そして、処理槽はその大きさに応じて板材の厚さを変え、その板材によってたとえば処理槽内で生じる雰囲気の流れによって加わる風圧などによって変形したり、損傷することのない剛性を持たせるようにしていた。つまり、処理槽は単体で使用に耐え得る剛性を備えるようにしていた。
【0006】
ところで、最近では上記基板の大型化が著しく、液晶表示装置に用いられる基板の場合、2m角以上の大きさになることがある。基板が大型化すれば、それに応じて処理槽も大型化させなければならない。処理槽を大型化する場合、この処理槽に単体で使用に耐え得る剛性を備えるためには板材の厚さを数十mmの厚さにしなければならない。
【0007】
しかしながら、処理槽を構成する板材を厚くして剛性を備えるようにすると、処理槽の高重量化を招くことになるから、工場からの出荷時などの取り扱いが困難になるということがある。しかも、処理槽を形成する板材の面積が大きくなるため、その板材を厚くしても、十分な剛性が得難く、処理槽内に生じる気流などの影響を受けて変形を繰り返し、板材相互の接続部分が損傷する虞がある。
【0008】
そこで、特許文献1では処理槽を大型化しても、処理槽を形成する板材を補強用のフレームによって補強することで、上記板材を厚くすることなく剛性を備えることができるようにした処理装置が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−93339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
処理槽を特許文献1に示される構成とすることで、処理槽を構成する板材を厚くすることなく、処理槽の剛性を高めることが可能となる。
【0011】
ところで、基板が大型化すれば、基板の大型化に伴って処理槽が大型化するから、それに応じて処理槽内に設けられる搬送軸が長尺化する。つまり、処理槽内に設けられる基板を搬送するための搬送ユニットが大型化するということが避けられない。
【0012】
搬送ユニットが大型化すると、その搬送ユニットを処理槽内に所定の範囲内の精度で水平に設置するということが非常に難しくなるということがあるばかりか、その設置に多くの手間が掛かるということがある。
【0013】
この発明は、処理槽の剛性を板材を厚くすることなく高めると同時に、基板を搬送する搬送ユニットを処理槽内に精度よく、しかも容易に設置することができるようにした基板の処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、処理槽を有し、この処理槽内を搬送される基板を処理する基板の処理装置であって、
上記処理槽は、
矩形状の下部フレームと、
この下部フレームの四隅部に下端部が連結されて立設された支柱部材と、
上記下部フレームとほぼ同じ大きさの矩形状に形成され上記支柱部材の上端部に四隅部が連結されて設けられた上部フレームと、
上記支柱部材の高さ寸法に対応する間隔で上下方向に離間した上記下部フレームと上記上部フレームとがなす4つの側面に設けられ所定方向に位置する一対の側面の一方に上記基板の搬入口が形成され他方に上記基板の搬出口が形成された側壁部材と、
上記下部フレームに所定間隔で架設されそれぞれの上面に第1の基準面が形成された複数の連結部材と、
この連結部材の第1の基準面を基準にして取付けられ上記搬入口から内部に搬入された基板を上記搬出口に向かって搬送する搬送ユニットと、
上記下部フレームの開口部分を閉塞する底部材と、
上記上部フレームの開口部分を閉塞する天井部材と
によって構成されていることを特徴とする基板の処理装置にある。
【0015】
上記連結部材の下面は、上記底部材から下方に突出した第2の基準面に形成されていて、
上記処理槽は上記第2の基準面を基準にして設置されることが好ましい。
【0016】
上記下部フレーム、上部フレーム及び支柱部材は筒状部材によって形成されているとともに、それぞれの内部空間が連通するよう組み立てられていて、
上記下部フレームと上部フレームの少なくとも一方の内周面には上記処理槽内の雰囲気を上記内部空間に流入させる排気口が開口形成され、上記内部空間には上記処理槽内の雰囲気を上記排気口から上記内部空間を通じて排出する排気手段が接続されることが好ましい。
【0017】
上記搬送ユニットは、上記基板の搬送方向に沿って所定間隔で配置された複数の搬送軸を有し、各搬送軸は軸方向の中途部で継ぎ手によって分解可能に連結された2つの軸部に分割されることで、上記搬送ユニットは分解可能な2つのユニット部によって構成されることが好ましい。
【0018】
分割された一対の軸部のそれぞれの両端部は、上記連結部材の第1の基準面を基準にして取付けられる軸受部材に回転可能に支持されることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、処理槽を下部フレーム及び上部フレームによって補強することができるとともに、下部フレームに架設された複数の連結部材の上面を第1の基準面とし、この第1の基準面を基準にして搬送ユニットを設置するようにしたから、搬送ユニットを処理槽内に高精度に、しかも容易に設置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施の形態を示す処理装置の縦断面図。
【図2】図1に示す処理装置の横断面図。
【図3】処理槽の分解斜視図。
【図4】処理槽の組み立て状態の一部省略した斜視図。
【図5】搬送ユニットの幅方向一端部を拡大して示す正面図。
【図6】搬送ユニットの幅方向中央部分を拡大して示す正面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の処理装置の縦断面図であって、この処理装置は処理槽1を備えている。この処理槽1は図3に示すように矩形状の下部フレーム2と、この下部フレーム2とほぼ同じ大きさの矩形状の上部フレーム3、及び上記下部フレーム2の四隅部の上面に立設され上端が上記上部フレーム3の四隅部下面に連結された支柱部材4とによって構成された枠体5を有する。
【0022】
この枠体5を構成する上記下部フレーム2は、所定間隔で離間した一対の横部材2aの中途部及び両端部を3本の中実な角柱状の連結部材9で連結して形成されている。上記下部フレーム2の一対の横部材2a、上記上部フレーム3各部材及び支柱部材4はそれぞれ塩化ビニールなどの耐薬品性を備えた合成樹脂からなる筒状の部材によって形成されている。なお、上記横部材2aの両端開口は閉塞されている。
【0023】
上記下部フレーム2の横部材2aの内部空間と、上記上部フレーム3を形成する4つの部材3aの内部空間は上記支柱部材4の内部空間を介して連通している。つまり、枠体5を形成する部材のうち、上記連結部材9を除く部材の内部空間は互いに連通している。
【0024】
上記上部フレーム3の所定方向一端部の外面には上記内部空間に連通する排気口体6(図1に示す)が設けられている。この排気口体6には排気手段を構成する排気ブロア(図示せず)が接続される。図3と図4に示すように、上記下部フレーム2と上部フレーム3の内周面には排気口8が開口形成されている。
【0025】
したがって、上記排気ブロアが作動すると、上記処理槽1内の雰囲気が上記排気口8から枠体5を形成する部材の内部空間に吸引され、上記排気口体6に接続された排気ブロアによって外部に排出されるようになっている。
なお、枠体5の排気口体6が設けられた方向を処理槽1の幅方向とする。
【0026】
上記枠体5の4つの外周面、つまり下部フレーム2と上部フレーム3との間の開口部は、それぞれ塩化ビニールなどの耐薬品性を備えた合成樹脂によって形成された板状の側壁部材11によって閉塞されている。
【0027】
上記枠体5の上部フレーム3の上記排気口体6が設けられた上記所定方向の側面を覆う一対の側壁部材11には一対の開口13が形成され、この開口13は処理槽1の内部を覗くことができる透明な窓部材12によって閉塞されている。
【0028】
上記処理槽1の幅方向と交差する方向に設けられた一対の側壁部材11の一方にはスリット状の搬入口14が形成され、他方には同じくスリット状の搬出口15が形成されている。上記搬入口14から上記処理槽1内にはたとえば液晶パネルに用いられるガラス製の基板W(図6に示す)が搬入される。処理槽1に搬入された基板Wは、後述するように処理槽1内に設けられた搬送ユニット16によって上記搬出口15に向かって搬送される。基板Wの搬送方向を図2に矢印Fで示す。
【0029】
図5と図6に示すように、上記下部フレーム2の3本の連結部材9のうち、幅方向両端に位置する2本の連結部材9の上面と、中央に位置する連結部材9の上面に設けられた基準板10の上面はそれぞれ同一平面をなす第1の基準面18に形成され、3本の連結部材9の下面はそれぞれ同一平面をなす第2の基準面19に形成されている。
【0030】
なお、幅方向中央に位置する連結部材9の上面に基準板10を取付けて第1の基準面18としたが、連結部材9の上面を直接、他の連結部材9の上面の第1の基準面18と同じ高さの第1の基準面18としても差し支えない。
【0031】
図1に示すように、上記下部フレーム2の3本の連結部材9の間に形成された2つの開口部は、それぞれ底部材21a,21bによって閉塞されている。3本の連結部材9の下面の第2の基準面19は底部材21a,21bから下方に突出している。
【0032】
上記底部材21a,21bは塩化ビニールなどの合成樹脂によって形成されていて、一方の底部材21aには排液口22が形成されている。この排液口22は配管によって排液タンク(ともに図示せず)に接続され、処理槽1内を搬送される基板Wに供給された処理液を排出するようになっている。
【0033】
上記上部フレーム3の上記幅方向と交差する方向の中途部には第1の受け部材23が上記幅方向に沿って着脱可能に架設されている。第1の受け部材23と上記上部フレーム3の一対の側辺部との間には、図1と図3に示すようにそれぞれ3つ、合計で6つの第2の受け部材24が架設されている。
【0034】
上記上部フレーム3と、上記第1、第2の受け部材23,24によって区画された8つの開口部には、これらの開口部をそれぞれ閉塞する板状の天井部材25が着脱可能に設けられている。それによって、枠体5の外周面、底面及び上面の開口はそれぞれ側壁部材11、底部材21a,21b及び天井部材25によって閉塞されている。
【0035】
このように構成された処理槽1は、図1に示すように上記連結部材9の第2の基準面19を基準にして被設置部材としての設置フレーム26の上面に設置される。3本の連結部材9の第2の基準面19は同一平面に位置するよう設定されている。したがって、上記処理槽1、つまり枠体5を、上記設置フレーム26の上面に高い水平精度で設置することができる。
【0036】
なお、上記設置フレーム26は、図1に示すように幅方向の一端がヒンジ27によって架台28に枢着される。上記設置フレーム26の幅方向の他端は図示しないシリンダなどの駆動源が連結されている。
【0037】
それによって、上記設置フレーム26はヒンジ27を支点として図示しない駆動源によって回動可能であるから、上記処理槽1を幅方向に対して任意の角度で傾斜させることができる。つまり、基板Wを後述するように処理槽1内に設けられる搬送ユニット29によって水平な状態で搬送したり、所定の角度で傾斜させて搬送することができるようになっている。
【0038】
上記処理槽1の内部には上記搬送ユニット29が設置される。この搬送ユニット29は、図2に示すように上記処理槽1の基板Wの搬送方向と交差する幅方向の中央部で第1のユニット部29aと第2のユニット部29bに分割されている。各ユニット部29a,29bは処理槽1の幅方向に対して所定の間隔で平行に離間対向した断面L字状の一対の取付け部材32を有する。
【0039】
図5と図6に示すように、一対の取付け部材32の垂直な一辺にはそれぞれ帯板状の支持部材33の下端部が取付け固定されている。各ユニット部29a,29bの一対の支持部材33にはそれぞれ上記幅方向と交差する方向において対応する位置に下部軸受34が設けられ、幅方向外方に位置する支持部材33には下部軸受34の上方に上部軸受35が設けられている。
【0040】
各ユニット部29a,29bの一対の支持部材33に設けられた対応する一対の下部軸受34には、搬送軸37を軸方向中途部で2つに分断した軸部37aの両端部がそれぞれ回転可能に支持されている。各軸部37aには複数の搬送ローラ38が所定間隔で設けられている。各搬送ローラ38は上記搬入口14から処理槽1内に供給された基板Wの下面を支持するようになっている。
【0041】
図5に示すように、上記支持部材33に設けられた上部軸受35には上記軸部37aに比べて十分に短い押え軸39の一端部が回転自在に支持されている。この押え軸39の他端部には上記搬送ローラ38によって搬送される基板Wの幅方向両端部の上面を押圧して基板Wが浮き上がるのを防止する押えローラ41が設けられている。
【0042】
上記一対のユニット部29a,29bを構成する各一対の取付け部材32のうち、上記処理槽1の幅方向両端部に位置する一方の取付け部材32は、図5に示すように上記下部フレーム2の幅方向両端に位置する一対の連結部材9の上面である、第1の基準面18を基準にして載置される。
【0043】
一対のユニット部29a,29bの各他方の取付け部材32は、図6に示すように上記下部フレーム2の幅方向中央に位置する連結部材9の上面に設けられた上記基準板10の上面の第1の基準面18を基準にしてその幅方向一端部と他端部にそれぞれ載置されている。
【0044】
上記一対のユニット部29a,29bの各一対の取付け部材32に回転可能に支持されて上記幅方向中央で端部を対向させた各一対の軸部37aは、それらの端部が継ぎ手42によって分解可能に連結される。
【0045】
つまり、端部を継ぎ手42によって連結された一対の軸部37aが上記搬送軸37を構成している。したがって、搬送ユニット29は、継ぎ手42によって連結された搬送軸37を分解すれば、2つのユニット部29aに分割して取り扱うことができる。
【0046】
上記ユニット部29a,29bの取付け部材32の他辺には、図5と図6に示すように、この取付け部材32の他辺を第1の基準面18に取付け固定するための固定ねじ44と、この固定ねじ44によって取付け部材32を第1の基準面18に取付ける前に各ユニット部29a,29bの水平度を調整するための調整ねじ45が設けられている。
【0047】
それによって、各ユニット部29a,29bを上記第1の基準面18を基準にして処理槽1内に、水平度を高精度に設定して設置することができるようになっている。
【0048】
図5に示すように、各ユニット部29a,29bの軸部37aの幅方向外方の支持部材33に設けられた上下の軸受34,35は遮蔽板46によって覆われる。それによって、各軸受34,35で塵埃が発生しても、その塵埃が処理槽1内を搬送される基板Wに付着するのを防止している。
【0049】
図1に示すように処理槽1の幅方向一端部の外側には駆動源43が設けられている。この駆動源43は、上記処理槽1内に設置された搬送ユニット29の複数の搬送軸37を所定方向に回転駆動する。それによって、処理槽1の搬入口14から内部に供給された基板Wは搬出口15に向かって水平搬送されるようになっている。
【0050】
なお、駆動源43の回転動力は歯車やチェーンなどの図示しない動力伝達部材を介して上記搬送軸37に伝達されるようになっている。
また、処理槽1内にはこの内部を搬送される基板Wの上面に洗浄液や薬液などの処理液を噴射供給するシャワーパイプ(図示せず)が設けられている。それによって、基板Wは処理槽1内を搬送される間に処理液によって処理されるようになっている。
【0051】
このような構成の処理装置によれば、処理槽1の上部フレーム3に設けられた天井部材25及び第1、第2の受け部材23,24を取り外した状態で、その内部に搬送ユニット29を設置する。搬送ユニット29は、継ぎ手42を外して搬送軸37を2つの軸部37aに分断すれば、2つのユニット部29a,29bに分割して取り扱うことができる。つまり、搬送ユニット29を、この搬送ユニット29の全体の大きさの半分の大きさのユニット部29a,29bとして取り扱うことができる。
【0052】
したがって、2つのユニット部29a,29bの取扱いが容易になるから、搬送ユニット29を比較的容易に処理槽1内に取り込むことができる。
【0053】
処理槽1内に取り込んだ各ユニット部29a,29bは、下部フレーム2に設けられた3本の連結部材9の上面に形成された第1の基準面18を基準にして設置する。3本の連結部材9の上面に形成された3つの第1の基準面18は同一平面をなしている。そのため、第1の基準面18を基準にして各ユニット部29a,29bを処理槽1内に設置すれば、これらユニット部29a,29bを高い水平精度で設置することができる。
【0054】
しかも、上記下部フレーム2に設けられた3本の連結部材9の上面を第1の基準面18としておくことで、処理槽1内に取り込んだ一対のユニット部29a,29bの設置を迅速に行うことが可能となるから、作業能率を向上させることができる。
【0055】
上記下部フレーム2の3本の連結部材9の下面は第2の基準面19に形成され、処理槽1は第2の基準面19を基準にして設置フレーム26に設置される。したがって、処理槽1の設置フレームに対する設置を高い水平度で、しかも容易に設置することが可能となる。
【0056】
処理槽1の下部フレーム2の横部材2aと上部フレーム3を構成する部材を筒状とし、これらの内部空間を支柱部材4の内部空間を介して連通させた。さらに、横部材2aの内側面と、上部フレーム3を構成する部材の内側面に排気口8を形成し、上部フレーム3の幅方向一側の外側面には排気ブロアが接続される排気口体6を設けるようにした。
【0057】
そのため、処理槽1の枠体5を構成する部材を利用して処理槽1内の雰囲気を外部に排出することができる。つまり、処理槽1内の雰囲気を排出するために、専用の排気ダクトなどを用いないですむから、その分、処理槽1の構成を簡略化することができる。
【0058】
上記一実施の形態では処理槽内の雰囲気を排出するための排気口を下部フレームと上部フレームの両方に形成したが、基板の上面側の雰囲気を効率よく排出したい場合には上部フレームだけに排気口を形成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…処理槽、2…下部フレーム、3…上部フレーム、6…排気口体、11…速へ基部材、14…搬入口、15…搬出口、16…搬送ユニット、18…第1の基準面、19…第2の基準面、21a,21b…底部材、25…天井部材、26…設置フレーム(被設置部材)、29…搬送ユニット、29a,29b…第1、第2のユニット部、37…搬送軸、37a…軸部、42…継ぎ手。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽を有し、この処理槽内を搬送される基板を処理する基板の処理装置であって、
上記処理槽は、
矩形状の下部フレームと、
この下部フレームの四隅部に下端部が連結されて立設された支柱部材と、
上記下部フレームとほぼ同じ大きさの矩形状に形成され上記支柱部材の上端部に四隅部が連結されて設けられた上部フレームと、
上記支柱部材の高さ寸法に対応する間隔で上下方向に離間した上記下部フレームと上記上部フレームとがなす4つの側面に設けられ所定方向に位置する一対の側面の一方に上記基板の搬入口が形成され他方に上記基板の搬出口が形成された側壁部材と、
上記下部フレームに所定間隔で架設されそれぞれの上面に第1の基準面が形成された複数の連結部材と、
この連結部材の第1の基準面を基準にして取付けられ上記搬入口から内部に搬入された基板を上記搬出口に向かって搬送する搬送ユニットと、
上記下部フレームの開口部分を閉塞する底部材と、
上記上部フレームの開口部分を閉塞する天井部材と
によって構成されていることを特徴とする基板の処理装置。
【請求項2】
上記連結部材の下面は、上記底部材から下方に突出した第2の基準面に形成されていて、
上記処理槽は上記第2の基準面を基準にして設置されることを特徴とする請求項1記載の基板の処理装置。
【請求項3】
上記下部フレーム、上部フレーム及び支柱部材は筒状部材によって形成されているとともに、それぞれの内部空間が連通するよう組み立てられていて、
上記下部フレームと上部フレームの少なくとも一方の内周面には上記処理槽内の雰囲気を上記内部空間に流入させる排気口が開口形成され、上記内部空間には上記処理槽内の雰囲気を上記排気口から上記内部空間を通じて排出する排気手段が接続されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の基板の処理装置。
【請求項4】
上記搬送ユニットは、上記基板の搬送方向に沿って所定間隔で配置された複数の搬送軸を有し、各搬送軸は軸方向の中途部で継ぎ手によって分解可能に連結された2つの軸部に分割されることで、上記搬送ユニットは分解可能な2つのユニット部によって構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の基板の処理装置。
【請求項5】
分割された一対の軸部のそれぞれの両端部は、上記連結部材の第1の基準面を基準にして取付けられる軸受部材に回転可能に支持されることを特徴とする請求項4記載の基板の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−225687(P2010−225687A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68969(P2009−68969)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】