説明

基板カートリッジ、基板処理装置、基板処理システム、制御装置及び表示素子の製造方法

【課題】基板に異物が付着するのを防ぐことができる基板カートリッジ、基板処理装置、基板処理システム、制御装置及び表示素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】基板が出し入れされる開口部を有し、前記開口部を介した前記基板を収容するカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体に設けられ、外部接続部に対して着脱可能に接続されるマウント部とを備え、前記開口部は、前記マウント部と前記外部接続部との間の接続状態に応じて、前記基板によって閉塞可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板カートリッジ、基板処理装置、基板処理システム、制御装置及び表示素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置などの表示装置を構成する表示素子として、例えば有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子が知られている。有機EL素子は、基板上に陽極及び陰極を有すると共に、これら陽極と陰極との間に挟まれた有機発光層を有する構成となっている。有機EL素子は、陽極から有機発光層へ正孔を注入して有機発光層において正孔と電子とを結合させ、当該結合時の発光光によって表示光が得られるようになっている。有機EL素子は、基板上に例えば陽極及び陰極に接続される電気回路などが形成されている。
【0003】
有機EL素子を作製する手法の1つとして、例えばロール・トゥー・ロール方式(以下、単に「ロール方式」と表記する)と呼ばれる手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。ロール方式は、基板供給側のローラに巻かれた1枚のシート状の基板を送り出すと共に送り出された基板を基板回収側のローラで巻き取りながら基板を搬送し、基板が送り出されてから巻き取られるまでの間に、有機EL素子を構成する発光層や陽極、陰極、電気回路などを基板上に順次形成する手法である。
【0004】
特許文献1に記載の構成では、例えば基板送り出し用のローラ及び基板巻き取り用のローラが製造ラインに対して取り外し可能な構成になっている。取り外したローラは、例えば別の製造ラインに搬送され、当該別の製造ラインに取り付けて用いられることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/100868号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の構成では、ローラに巻かれた基板が剥き出しの状態のまま製造ラインの外部環境下に置かれることになるため、埃などの異物が基板に付着する虞がある。
上記のような事情に鑑み、本発明は、基板に異物が付着するのを防ぐことができる基板カートリッジ、基板処理装置及び基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る基板カートリッジは、基板が出し入れされる開口部を有し、前記開口部を介した前記基板を収容するカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体に設けられ、外部接続部に対して着脱可能に接続されるマウント部とを備え、前記開口部は、前記マウント部と前記外部接続部との間の接続状態に応じて、前記基板によって閉塞可能に設けられている。
【0008】
本発明に係る基板処理装置は、基板を処理する基板処理部と、上記基板カートリッジと、前記基板処理部に設けられ、前記基板カートリッジに接続される基板処理側接続部とを備える。
【0009】
本発明に係る基板処理システムは、基板に第1処理を行う第1処理装置と、前記第1処理後の前記基板に第2処理を行う第2処理装置と、前記第1処理装置から前記基板を回収し、回収した前記基板を前記第2処理装置へ供給する基板中継装置とを備え、前記基板中継装置として、上記の基板カートリッジを用いる。
【0010】
本発明に係る制御装置は、基板を処理する基板処理装置、及び、前記基板処理装置に接続される上記基板カートリッジを制御する主制御部を備える。
【0011】
本発明に係る表示素子の製造方法は、基板処理部において基板を処理する工程と、上記基板カートリッジを用いて前記基板処理部に前記基板を供給する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基板に異物が付着するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機EL素子の構成図。
【図2】本実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図。
【図3】本実施形態に係る基板処理部の構成を示す図。
【図4】本実施形態に係る液滴塗布装置の構成を示す図。
【図5】本実施形態に係る基板カートリッジの構成を示す斜視図。
【図6】本実施形態に係る基板カートリッジの構成を示す断面図。
【図7】本実施形態に係る基板カートリッジの断面を拡大して示す図。
【図8】本実施形態に係る基板カートリッジの一部の構成を示す側面図。
【図9】本実施形態に係る基板カートリッジの一部の構成を示す側面図。
【図10】本実施形態に係る基板カートリッジの収容動作を示す図。
【図11】本実施形態に係る基板カートリッジの収容動作を示す図。
【図12】本実施形態に係る基板カートリッジの接続動作を示す図。
【図13】本実施形態に係る基板カートリッジの接続動作を示す図。
【図14】本実施形態に係る基板処理部の隔壁形成の工程を示す図。
【図15】本実施形態に係るシート基板に形成される隔壁の形状及び配置を示す図。
【図16】本実施形態に係るシート基板に形成される隔壁の断面図。
【図17】本実施形態に係る液滴の塗布動作を示す図。
【図18】本実施形態に係る隔壁間に形成される薄膜の構成を示す図。
【図19】本実施形態に係るシート基板にゲート絶縁層を形成する工程を示す図。
【図20】本実施形態に係るシート基板の配線を切断する工程を示す図。
【図21】本実施形態に係るソースドレイン形成領域に薄膜を形成する工程を示す図。
【図22】本実施形態に係る有機半導体層を形成する工程を示す図。
【図23】本実施形態に係るアライメントの一例を示す図。
【図24】本実施形態に係る基板カートリッジの取り外し動作を示す図。
【図25】本発明の第2実施形態に係る基板処理システムの構成を示す図。
【図26】本発明の第3実施形態に係る基板処理システムの構成を示す図。
【図27】本実施形態に係るシート基板FBの回収動作を説明する図。
【図28】本実施形態に係るシート基板FBの回収動作を説明する図。
【図29】本実施形態に係るシート基板FBの回収動作を説明する図。
【図30】本実施形態に係る基板処理システムの他の構成を示す図。
【図31】本発明の第4実施形態に係る基板処理システムの構成を示す図。
【図32】本発明の第5実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図。
【図33】本発明の第6実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図。
【図34】本発明の第7実施形態に係る基板処理装置のローラの構成を示す図。
【図35】本実施形態に係る他の基板処理装置の閉塞部の構成を示す図。
【図36】本実施形態に係る他の有機EL素子の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
(有機EL素子)
図1(a)は、有機EL素子の構成を示す平面図である。図1(b)は、図1(a)におけるb−b断面図である。図1(c)は、図1(a)におけるc−c断面図である。
【0015】
図1(a)〜図1(c)に示すように、有機EL素子50は、シート基板FBにゲート電極G及びゲート絶縁層Iが形成され、さらにソース電極S、ドレイン電極D及び画素電極Pが形成された後、有機半導体層OSが形成されたボトムコンタクト型である。
【0016】
図1(b)に示すように、ゲート電極G上にゲート絶縁層Iが形成されている。ゲート絶縁層I上にはソースバスラインSBLのソース電極Sが形成されると共に、画素電極Pと接続したドレイン電極Dが形成されている。ソース電極Sとドレイン電極Dとの間には有機半導体層OSが形成されている。これで電界効果型トランジスタが完成することになる。また、画素電極Pの上には、図1(b)及び図1(c)に示すように、発光層IRが形成され、その発光層IRには透明電極ITOが形成される。
【0017】
図1(b)及び図1(c)に示されるように、例えば、シート基板FBには隔壁BA(バンク層)が形成されている。そして図1(c)に示すようにソースバスラインSBLが隔壁BA間に形成されている。このように、隔壁BAが存在することにより、ソースバスラインSBLが高精度に形成されると共に、画素電極P及び発光層IRも正確に形成されている。なお、図1(b)及び図1(c)では示されていないが、ゲートバスラインGBLもソースバスラインSBLと同様に隔壁BA間に形成されている。
【0018】
この有機EL素子50は、例えばディスプレイ装置などの表示装置をはじめ、電子機器の表示部などにも好適に用いられる。この場合、例えば有機EL素子50をパネル状に形成したものが用いられる。このような有機EL素子50の製造においては、薄膜トランジスタ(TFT)、画素電極が形成された基板を形成する必要がある。その基板上の画素電極上に発光層を含む1以上の有機化合物層(発光素子層)を精度良く形成するために、画素電極の境界領域に隔壁BA(バンク層)を容易に精度良く形成することが望ましい。
【0019】
(基板処理装置)
図2は、可撓性を有するシート基板FBを用いて処理を行う基板処理装置100の構成を示す概略図である。
基板処理装置100は、帯状のシート基板FBを用いて図1に示す有機EL素子50を形成する装置である。図2に示すように、基板処理装置100は、基板供給部101、基板処理部102、基板回収部103及び制御部104を有している。シート基板FBは、基板供給部101から基板処理部102を経て基板回収部103へと搬送されるようになっている。制御部104は、基板処理装置100の動作を統括的に制御する。
【0020】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内のうちシート基板FBの搬送方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0021】
シート基板FBとしては、例えば耐熱性の樹脂フィルム、ステンレス鋼などを用いることができる。具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレンビニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、などの材料を用いることができる。シート基板FBのY方向の寸法は例えば50cm〜2m程度に形成されており、X方向の寸法は例えば10m以上に形成されている。勿論、この寸法は一例に過ぎず、これに限られることは無い。例えばシート基板FBのY方向の寸法が50cm以下であっても構わないし、2m以上であっても構わない。また、シート基板FBのX方向の寸法が10m以下であっても構わない。なお、本実施形態における可撓性とは、例えば基板に少なくとも自重程度の所定の力を加えても線断や破断することがなく、該基板を撓めることが可能な性質をいう。また、上記可撓性は、該基板の材質、大きさ、厚さ、又は温度などの環境、等に応じて変わる。
【0022】
シート基板FBは、例えば200℃程度の熱を受けても寸法が変わらないように熱膨張係数が小さい方が好ましい。例えば、無機フィラーを樹脂フィルムに混合して熱膨張係数を小さくすることができる。無機フィラーの例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化ケイ素などが挙げられる。
【0023】
基板供給部101は、基板処理部102に設けられる供給側接続部102Aに接続されている。基板供給部101は、例えばロール状に巻かれたシート基板FBを基板処理部102へ供給する。基板回収部103は、基板処理部102において処理された後のシート基板FBを回収する。
【0024】
図3は、基板処理部102の構成を示す図である。
図3に示すように、基板処理部102は、搬送部105、素子形成部106、アライメント部107及び基板切断部108を有している。基板処理部102は、基板供給部101から供給されるシート基板FBを搬送しつつ、当該シート基板FBに上記の有機EL素子50の各構成要素を形成し、有機EL素子50が形成されたシート基板FBを基板回収部103へと送り出す部分である。
【0025】
搬送部105は、X方向に沿った位置に配置される複数のローラRRを有している。ローラRRが回転することによっても、シート基板FBがX軸方向に搬送されるようになっている。ローラRRはシート基板FBを両面から挟み込むゴムローラであってもよいし、シート基板FBがパーフォレーションを有するものであればラチェット付きのローラRRであってもよい。複数のローラRRのうち一部のローラRRは搬送方向と直交するY軸方向に移動可能である。
【0026】
素子形成部106は、隔壁形成部91、電極形成部92及び発光層形成部93を有している。隔壁形成部91、電極形成部92及び発光層形成部93は、シート基板FBの搬送方向の上流側から下流側にかけて、隔壁形成部91、電極形成部92及び発光層形成部93の順に配置されている。以下、素子形成部106の各構成を説明する。
【0027】
隔壁形成部91は、インプリントローラ110及び熱転写ローラ115を有している。隔壁形成部91は、基板供給部101から送り出されたシート基板FBに対して隔壁BAを形成する。隔壁形成部91では、インプリントローラ110でシート基板FBを押圧するとともに、押圧した隔壁BAが形状を保つように熱転写ローラ115でシート基板FBをガラス転移点以上に熱する。このため、インプリントローラ110のローラ表面に形成された型形状がシート基板FBに転写されるようになっている。シート基板FBは、熱転写ローラ115によって例えば200℃程度に加熱されるようになっている。
【0028】
インプリントローラ110のローラ表面は鏡面仕上げされており、そのローラ表面にSiC、Taなどの材料で構成された微細インプリント用モールド111が取り付けられている。微細インプリント用モールド111は、薄膜トランジスタの配線用のスタンパー及びカラーフィルタ用のスタンパーを形成している。
【0029】
インプリントローラ110は、微細インプリント用モールド111を用いて、シート基板FBにアライメントマークAMを形成する。シート基板FBの幅方向であるY軸方向の両側にアライメントマークAMを形成するため、微細インプリント用モールド111は、アライメントマークAM用のスタンパーを有している。
【0030】
電極形成部92は、隔壁形成部91の+X側に設けられており、例えば有機半導体を用いた薄膜トランジスタを形成する。具体的には、図1で示すようなゲート電極G、ゲート絶縁層I、ソース電極S、ドレイン電極D及び画素電極Pを形成した後、有機半導体層OSを形成する。
【0031】
薄膜トランジスタ(TFT)としては、無機半導体系のものでも有機半導体を用いたものでも良い。無機半導体の薄膜トランジスタは、アモルファスシリコン系のものが知られているが、有機半導体を用いた薄膜トランジスタであってもよい。この有機半導体を用いて薄膜トランジスタを構成すれば、印刷技術や液滴塗布法技術を活用して薄膜トランジスタを形成できる。また、有機半導体を用いた薄膜トランジスタの内、図1で示したような電界効果型トランジスタ(FET)が特に好ましい。
【0032】
電極形成部92は、液滴塗布装置120や熱処理装置BK、切断装置130などを有している。
本実施形態では、液滴塗布装置120として、例えばゲート電極Gを形成する際に用いられる液滴塗布装置120G、ゲート絶縁層Iを形成する際に用いられる液滴塗布装置120I、ソース電極S、ドレイン電極D及び画素電極Pを形成する際に用いられる液滴塗布装置120SD、有機半導体OSを形成する際に用いられる液滴塗布装置120OSなどが用いられている。
【0033】
図4は、液滴塗布装置120の構成を示す平面図である。図4では、液滴塗布装置120を+Z側から見たときの構成を示している。液滴塗布装置120は、Y軸方向に長く形成されている。液滴塗布装置120には不図示の駆動装置が設けられている。液滴塗布装置120は、当該駆動装置により、例えばX方向、Y方向及びθZ方向に移動可能になっている。
【0034】
液滴塗布装置120には、複数のノズル122が形成されている。ノズル122は、液滴塗布装置120のうちシート基板FBとの対向面に設けられている。ノズル122は、例えばY軸方向に沿って配列されており、当該ノズル122の列(ノズル列)が例えば2列形成されている。制御部104は、全ノズル122に一括して液滴を塗布させることもできるし、各ノズル122について液滴を塗布させるタイミングを個別に調整することもできるようになっている。
【0035】
液滴塗布装置120としては、例えばインクジェット方式やディスペンサー方式などを採用することができる。インクジェット方式としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。液滴塗布法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できる。なお、液滴塗布法により塗布されるメタルインクの一滴の量は、例えば1〜300ナノグラムである。
【0036】
図2に戻って、液滴塗布装置120Gは、ゲートバスラインGBLの隔壁BA内にメタルインクを塗布する。液滴塗布装置120Iは、スイッチング部にポリイミド系樹脂又はウレタン系樹脂の電気絶縁性インクを塗布する。液滴塗布装置120SDは、ソースバスラインSBLの隔壁BA内及び画素電極Pの隔壁BA内にメタルインクを塗布する。液滴塗布装置120OSは、ソース電極Sとドレイン電極Dとの間のスイッチング部に有機半導体インクを塗布する。
【0037】
メタルインクは、粒子径が約5nmほどの導電体が室温の溶媒中で安定して分散をする液体であり、導電体として、カーボン、銀(Ag)又は金(Au)などが用いられる。有機半導体インクを形成する化合物は、単結晶材科でもアモルファス材料でもよく、低分子でも高分子でもよい。有機半導体インクを形成する化合物のうち特に好ましいものとしては、ペンタセンやトリフェニレン、アントラセン等に代表される縮環系芳香族炭化水素化合物の単結晶又はπ共役系高分子などが挙げられる。
【0038】
熱処理装置BKは、各液滴塗布装置120の+X側(基板搬送方向下流側)にそれぞれ配置されている。熱処理装置BKは、シート基板FBに対して例えば熱風や遠赤外線などを放射可能になっている。熱処理装置BKは、これらの放射熱を用いて、シート基板FBに塗布された液滴を乾燥又は焼成(ベーキング)し硬化させる。
【0039】
切断装置130は、液滴塗布装置120SDの+X側であって液滴塗布装置120OSの上流側に設けられている。切断装置130は、例えばレーザ光などを用いて、液滴塗布装置120SDによって形成されるソース電極Sとドレイン電極Dとを切断する。切断装置130は、不図示の光源と、当該光源からのレーザ光をシート基板FB上に照射させるガルバノミラー131とを有している。
【0040】
レーザ光の種類としては、切断する金属膜に対し、吸収する波長のレーザが好ましく、波長変換レーザで、YAGなどの2,3,4倍高調波がよい。またパルス型レーザを用いることで熱拡散を防止し、切断部以外の損傷を低減することができる。材料がアルミの場合、760nm波長のフェムト秒レーザが好ましい。
【0041】
本実施形態では、例えば光源としてチタンサファイアレーザを使ったフェムト秒レーザ照射部を用いている。当該フェムト秒レーザ照射部は、レーザ光LLを例えば10KHzから40KHzのパルスで照射するようになっている。
【0042】
本実施形態ではフェムト秒レーザを使用するため、サブミクロンオーダの加工が可能であり、電界効果型トランジスタの性能を決めるソース電極Sとドレイン電極Dと間隔を正確に切断することができるようになっている。ソース電極Sとドレイン電極Dと間隔は、例えば3μm程度から30μm程度である。
【0043】
上述したフェムト秒レーザ以外にも、例えば炭酸ガスレーザ又はグリーンレーザなどを使用することも可能である。また、レーザ以外にもダイシングソーなどで機械的に切断する構成としてもよい。
【0044】
ガルバノミラー131は、レーザ光LLの光路に配置されている。ガルバノミラー131は、光源からのレーザ光LLをシート基板FB上に反射させる。ガルバノミラー131は、例えばθX方向、θY方向及びθZ方向に回転可能に設けられている。ガルバノミラー131が回転することにより、レーザ光LLの照射位置が変化するようになっている。
【0045】
上記の隔壁形成部91及び電極形成部92の両方を用いることにより、いわゆるフォトリソグラフィ工程を使用しなくても、印刷技術や液滴塗布法技術を活用して薄膜トランジスタ等を形成できるようになっている。例えば印刷技術や液滴塗布法技術などが用いられる電極形成部92のみを用いた場合、インクのにじみや広がりのため精度よく薄膜トランジスタ等ができない場合がある。
【0046】
これに対して、隔壁形成部91を用いることで隔壁BAが形成されるため、インクのにじみや広がりが防止されるようになっている。また薄膜トランジスタの性能を決めるソース電極Sとドレイン電極Dとの間隔は、レーザ加工又は機械加工により形成されるようになっている。
【0047】
発光層形成部93は、電極形成部92の+X側に配置されている。発光層形成部93は、電極が形成されたシート基板FB上に、例えば有機EL装置の構成要素である発光層IRや画素電極ITOなどを形成する。発光層形成部93は、液滴塗布装置140及び熱処理装置BKを有している。
【0048】
発光層形成部93で形成される発光層IRは、ホスト化合物とリン光性化合物(リン光発光性化合物ともいう)が含有される。ホスト化合物とは、発光層に含有される化合物である。リン光性化合物は、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、室温においてリン光発光する。
【0049】
本実施形態では、液滴塗布装置140として、例えば赤色発光層を形成する液滴塗布装置140Re、緑色発光層を形成する液滴塗布装置140Gr、青色発光層を形成する液滴塗布装置140Bl、絶縁層を形成する液滴塗布装置140I及び画素電極ITOを形成する液滴塗布装置140ITなどが用いられている。
【0050】
液滴塗布装置140としては、上記の液滴塗布装置120と同様、インクジェット方式又はディスペンサー方式を採用することができる。有機EL素子50の構成要素として例えば正孔輸送層及び電子輸送層などを設ける場合には、これらの層を形成する装置(例えば、液滴塗布装置など)を別途設けるようにする。
【0051】
液滴塗布装置140Reは、R溶液を画素電極P上に塗布する。液滴塗布装置140Reは、乾燥後の膜厚が100nmになるようにR溶液の吐出量が調整されるようになっている。R溶液としては、例えばホスト材のポリビニルカルバゾール(PVK)に赤ドーパント材を1、2−ジクロロエタン中に溶解した溶液が用いられる。
【0052】
液滴塗布装置140Grは、G溶液を画素電極P上に塗布する。G溶液としては、例えばホスト材PVKに緑ドーパント材を1、2−ジクロロエタン中に溶解した溶液が用いられる。
【0053】
液滴塗布装置140Blは、B溶液を画素電極P上に塗布する。B溶液としては、例えばホスト材PVKに青ドーパント材を1、2−ジクロロエタン中に溶解した溶液が用いられる。
【0054】
液滴塗布装置120Iは、ゲートバスラインGBL又はソースバスラインSBLの一部に電気絶縁性インクを塗布する。電気絶縁性インクとしては、例えばポリイミド系樹脂又はウレタン系樹脂のインクが用いられる。
【0055】
液滴塗布装置120ITは、赤色、緑色及び青色発光層の上にITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)インクを塗布する。ITOインクとしては、酸化インジウム(In)に数%の酸化スズ(SnO)を添加した化合物などが用いられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。透明導電膜は、透過率が90%以上であることが好ましい。
【0056】
熱処理装置BKは、各液滴塗布装置140の+X側(基板搬送方向下流側)にそれぞれ配置されている。熱処理装置BKは、電極形成部92で用いられる熱処理装置BKと同様、シート基板FBに対して例えば熱風や遠赤外線などを放射可能になっている。熱処理装置BKは、これらの放射熱を用いて、シート基板FBに塗布された液滴を乾燥又は焼成(ベーキング)し硬化させる。
【0057】
アライメント部107は、X方向に沿って設けられた複数のアライメントカメラCA(CA1〜CA8)を有している。アライメントカメラCAは、可視光照明下でCCD又はCMOSで撮像し、その撮像画像を処理してアライメントマークAMの位置を検出してもよいし、レーザ光をアライメントマークAMに照射して、その散乱光を受光してもアライメントマークAMの位置を検出しても良い。
【0058】
アライメントカメラCA1は、熱転写ローラ115の+X側に配置されている。アライメントカメラCA1は、シート基板FB上に熱転写ローラ115によって形成されるアライメントマークAMの位置を検出する。アライメントカメラCA2〜CA8は、それぞれ熱処理装置BKの+X側に配置されている。アライメントカメラCA2〜CA8は、熱処理装置BKを経たシート基板FBのアライメントマークAMの位置を検出する。
【0059】
熱転写ローラ115及び熱処理装置BKを経ることにより、シート基板FBがX軸方向及びY軸方向に伸縮したりする場合がある。このように熱処理を行う熱転写ローラ115の+X側や、熱処理装置BKの+X側にアライメントカメラCAを配置することにより、熱変形などによるシート基板FBの位置ずれを検出することができるようになっている。
【0060】
アライメントカメラCA1〜CA8による検出結果は、制御部104に送信されるようになっている。制御部104は、アライメントカメラCA1〜CA8の検出結果に基づいて、例えば液滴塗布装置120や液滴塗布装置140のインクの塗布位置とタイミングの調整、基板供給部101からのシート基板FBの供給速度やローラRRの搬送速度の調整、ローラRRによるY方向への移動の調整、切断装置130の切断位置やタイミングなどの調整が行われるようになっている。
【0061】
(基板カートリッジ)
本実施形態では、基板供給部101及び基板回収部103として、基板カートリッジ1が用いられている。以下の説明においては、説明の便宜上、図2と共通のXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。以下のXYZ直交座標系は、基板供給部101が基板処理部102に接続されている状態において基板カートリッジ1が当該基板供給部101として用いられる場合を例に挙げて説明する。
【0062】
図5は、基板カートリッジ1の構成を示す斜視図である。また、図6は、図5におけるA−A´断面に沿った構成を示す図である。図5及び図6に示すように、基板カートリッジ1は、カートリッジ本体2及びマウント部3を有している。
【0063】
カートリッジ本体2は、シート基板FBを収容する部分である。カートリッジ本体2は、収容部20、搬送部(搬送機構)21、基板案内部22、第2基板搬送部36及び第2基板案内部37を有している。また、上記のマウント部3は、カートリッジ本体2に設けられている。また、例えば、カートリッジ本体2は、アルミニウム製又はジュラルミン製、等である。
【0064】
収容部20は、シート基板FBを収容する部分である。収容部20は、例えばロール状に巻き取られたシート基板FBを収容できるように円筒状に形成されており、一部が+X側に突出するように設けられている(突出部23)。本実施形態では、図中Y方向に延在する状態で配置されている。収容部20は、蓋部25及び基板駆動機構24を有している。
【0065】
蓋部25は、収容部20の+Y側端部あるいは−Y側端部に設けられている。蓋部25は収容部20に対して着脱可能に設けられている。蓋部25を収容部20に対して着脱させることにより、収容部20の内部に直接アクセスできるようになっている。蓋部25の開閉機構としては、例えば蓋部25及び収容部20に互いに係合するネジ山が設けられている構成であっても構わないし、蓋部25と収容部20とをヒンジ機構によって接続する構成としても構わない。蓋部25は、窓部28及び表示部29を有している。
【0066】
窓部28は、例えば可視光を透過可能な材料、例えばガラスやプラスチックなどによって形成されている。窓部28を介して、収容部20の内部が観察可能になっている。表示部29は、シート基板FBの状態などの情報を表示させる部分である。表示部29には、例えば、収容部20に収容されているシート基板FBの長さ寸法やシート基板FBの残長などが表示されるようになっている。
【0067】
基板駆動機構24は、シート基板FBを巻き取る動作及びシート基板FBを送り出す動作を行う部分である。基板駆動機構24は、収容部20の内部に設けられている。基板駆動機構24は、ローラ部(軸部)26及びガイド部27を有している。ローラ部26は、図6に示すように、回転軸部材26a、拡径部26b及び接着部26cを有している。
【0068】
回転軸部材26aは、例えばアルミなどの剛性の高い金属によって形成された円柱状部材である。回転軸部材26aは、例えば蓋部25の中央部に設けられた開口部25a及びベアリング部材25bを介して回転可能に支持されている。この場合、回転軸部材26aの中心軸は例えばY方向に平行な状態となり、回転軸部材26aはθY方向に回転することになる。
【0069】
回転軸部材26aは、不図示の回転駆動機構に接続されている。回転駆動機構の駆動制御により、回転軸部材26aが中心軸を中心として回転するようになっている。回転駆動機構は、図6に示すように、回転軸部材26aを例えば+θY方向及び−θY方向のいずれの方向にも回転させることができるようになっている。
【0070】
拡径部26bは、回転軸部材26aの表面に均一な厚さで形成されている。拡径部26bは、回転軸部材26aと一体的に回転するように形成されている。接着部26cは、断面視で拡径部26bの表面に均一な厚さで形成されている。接着部26cは、シート基板FBを接着させる程度の粘着性を有する材料を用いて形成されている。
【0071】
ガイド部27は、回動部材(第1案内部材)27a及び先端部材(第1案内部材)27bを有している。回動部材27aは、例えば一端が軸部27cを介して収容部20に取り付けられており、当該軸部27cを中心にθY方向に回動可能に設けられている。回動部材27aは、不図示の回転駆動機構に接続されている。
【0072】
先端部材27bは、断面視において回動部材27aの他端に接続されている。例えば、先端部材27bは、断面視で円弧状の曲面を有するように形成されている。シート基板FBは、先端部材27bに設けられた当該断面視円弧状の+Z側の曲面を介してローラ部26へと案内されるようになっている。先端部材27bは、回動部材27aと一体的に回動するようになっている。例えば回動部材27aがローラ部26から遠ざかる方向(ローラ部26の径方向の外側方向)に回動する場合、収容部20の内周に沿って当接するようになっている。このため、先端部材27bとローラ部26に巻き取られたシート基板FBとの間の接触が回避されるようになっている。
【0073】
マウント部3は、基板処理部102に接続される部分である。マウント部3は、例えば収容部20に設けられる突出部23の+X側端部に設けられている。マウント部3は、基板処理部102との接続のための挿入部3aを有している。基板カートリッジ1が基板供給部101として用いられる場合、マウント部3は基板処理部102の供給側接続部102Aに接続される。基板カートリッジ1が基板回収部103として用いられる場合、マウント部3は基板処理部102の回収側接続部102Bに接続される。マウント部3は、基板処理部102の基板供給部101及び基板回収部103のいずれに接続される場合においても、着脱可能に接続されるようになっている。
【0074】
マウント部3には、開口部34及び第2開口部35が設けられている。開口部34は、+Z側に設けられた開口部であり、カートリッジ本体2との間でシート基板FBが出し入れされる部分である。カートリッジ本体2には、当該開口部34を介したシート基板FBが収容されるようになっている。カートリッジ本体2に収容されるシート基板FBは、当該開口部34を介してカートリッジ本体2外部に送り出されるようになっている。
【0075】
第2開口部35は、−Z側に設けられた開口部であり、カートリッジ本体2との間でシート基板FBとは異なる帯状の第2基板SBが出し入れされる部分である。このような第2基板SBとしては、例えばシート基板FBの素子形成面を保護する保護基板などが挙げられる。保護基板としては、例えば合紙などを用いることができる。第2開口部35は、例えば開口部34に対して間隔を空けて配置されている。第2開口部35は、例えば開口部34と同一の寸法及び形状に形成されている。また、本実施形態における第2基板SBとしては、ステンレス鋼の薄板(例、厚さが0.1mm以下等)などの導電性を有する材質を用いてもよい。この場合、第2基板SBがカートリッジ本体2にシート基板FBとともに収容された際に、第2基板SBがカートリッジ本体2に電気的に接続されるようにすると、シート基板FBの帯電防止ができる。
【0076】
突出部23の+X側端部には、ガス供給ポート(切替機構)4が設けられている。ガス供給ポート4は、外部のガス供給源に接続される供給口41が設けられている。ガス供給ポート4は、例えばY方向の中央部に設けられている。図5ではガス供給ポート4が1つのみ設けられた構成となっているが、複数設けられている構成であっても構わない。
【0077】
搬送部21、基板案内部22、第2基板搬送部36及び第2基板案内部37は、例えば突出部23の内部に設けられている。図7は、図6における突出部23周辺の構成を拡大して示す断面図である。図7においては、図示を判別しやすくするため、一部の構成を省略して示している。
【0078】
基板案内部22は、開口部34と搬送部21との間に設けられている。基板案内部22は、開口部34と搬送部21との間でシート基板FBを案内する部分である。基板案内部22は、基板用案内部材22a及び22bを有している。基板用案内部材22a及び22bは、Z方向に隙間22cを空けるように対向配置されており、対向面がそれぞれXY平面にほぼ平行となるように設けられている。当該隙間22cは開口部34に接続されており、シート基板FBは開口部34及び隙間22cを移動するようになっている。
【0079】
第2基板案内部37は、マウント部3と搬送部21との間で第2基板SBを案内する部分である。第2基板案内部37は、第2基板用案内部材37a、37b及び37cを有している。第2基板用案内部材37a及び37bは、Z方向に隙間37dを空けるように対向配置されており、対向面がそれぞれXY平面にほぼ平行となるように設けられている。第2基板用案内部材37cは、第2基板SBが+Z側へ案内されるように傾いて配置されている。具体的には、第2基板用案内部材37cの−X側端部が+X側端部に対して+Z側に傾いた状態で配置されている。
【0080】
第2基板搬送部36は、マウント部3と搬送部21との間で第2基板SBを搬送する。第2基板搬送部36は、第2基板用案内部材37a及び37bと、第2基板用案内部材37cとの間に配置されている。第2基板搬送部36は、主動ローラ36a及び従動ローラ36bを有している。主動ローラ36aは、例えばθY方向に回転可能に設けられており、不図示の回転駆動機構に接続されている。従動ローラ36bは、主動ローラ36aとの間で第2基板SBが挟持されるように主動ローラ36aとの間に隙間を空けて配置されている。
【0081】
搬送部21は、マウント部3と収容部20との間でシート基板FB及び第2基板SBを搬送する。搬送部21は、テンションローラ(テンション機構)21a及び測定ローラ(測定部)21bを有している。テンションローラ21aは、ローラ部26との間でシート基板FB及び第2基板SBに張力を与えるローラである。テンションローラ21aは、θY方向に回転可能に設けられている。テンションローラ21aには、例えば不図示の回転駆動機構が接続されている。なお、テンションローラ21a及び測定ローラ21bは、図7におけるZ方向にそれぞれ移動可能に設けられてもよい。
【0082】
測定ローラ21bは、テンションローラ21aよりも小さい径を有するローラである。測定ローラ21bは、テンションローラ21aとの間でシート基板FB及び第2基板SBを挟持できるようにテンションローラ21aとの間に所定の隙間を空けて配置されている。シート基板FBのみを挟持する場合とシート基板FB及び第2基板SBを併せて挟持するように、測定ローラ21bとテンションローラ21aとの間の隙間の大きさを調整可能とする構成であっても構わない。測定ローラ21bは、テンションローラ21aの回転に伴って回転する従動ローラである。
【0083】
テンションローラ21aと測定ローラ21bとの間でシート基板FBを挟んだ状態でテンションローラ21aを回転させることにより、シート基板FBに張力を与えつつ、当該シート基板FBの巻き取り方向及び送り出し方向にそれぞれシート基板FBを搬送可能になっている。
【0084】
搬送部21は、例えば測定ローラ21bの回転数や回転角度を検出する検出部21cを有している。当該検出部21cとしては、例えばエンコーダなどが用いられる。当該検出部21cにより、例えば測定ローラ21bを介したシート基板FBの搬送距離などを計測することができるようになっている。
【0085】
カートリッジ本体2には、情報処理部ICが設けられている(図5参照)。情報処理部ICは、例えばICチップなどから構成されており、例えばカートリッジ本体2に埋め込まれている。情報処理部ICには、基板処理装置100及び基板カートリッジ1の処理情報を記憶する記憶部MRや、例えば制御部104との間で処理情報を通信する通信部CRなどが設けられている。
【0086】
これらの処理情報としては、例えば基板処理装置100のタクト、スループットといった情報や、基板カートリッジ1の搬送速度、ローラ部26の巻き取り・送り出し速度といった情報、シート基板FBに関する情報などが挙げられる。「タクト」については、単位処理領域(例えば上記の液滴塗布装置120、140などが1度に処理できる領域、又は有機EL素子50のパネル1枚あたりの画面領域、パネル全面領域)あたりの処理時間を指す。「スループット」については、単位時間あたりに処理可能なシート基板FBの分量(例えば長さ、パネル枚数、基板カートリッジ1の個数など)を指す。
【0087】
例えば開口部34を介してシート基板FBが挿入され、第2開口部35を介して第2基板SBが挿入される場合、シート基板FB及び第2基板SBは、それぞれ基板案内部22及び第2基板案内部37で案内されることにより、合流部39において合流するようになっている。合流部39で合流したシート基板FB及び第2基板SBは、合流した状態で搬送部21によって搬送される。このとき、搬送部21は、シート基板FBと第2基板SBとを押圧して密着させる。このため、搬送部21は、第2基板SBをシート基板FBへ押圧する押圧機構を兼ねることになる。
【0088】
図8及び図9は、突出部23の+X側端部の構成を拡大して示す図であり、ガス供給ポート4に接続される流路機構を示す図である。
図8及び図9に示すように、ガス供給ポート4の供給口41は、突出部23の内部に形成された流路42に接続されている。当該流路42は、第1流路42a及び第2流路42bに分岐されている。基板用案内部材22aは内部に流路43aが形成されており、第1流路42aは接続部42cを介して当該流路43aに接続されている。基板用案内部材22aの−Z側の面には複数のガス噴出口44aが形成されており、流路43aはこれらのガス噴出口44aにそれぞれ接続されている。このように、基板用案内部材22aは、−Z側の面からガスを噴出するエアパッド状に形成されている。
【0089】
一方、図8及び図9に示すように、基板用案内部材22bの内部にも流路43bが形成されている。第2流路42bは接続部42dを介して当該流路43bに接続されている。基板用案内部材22bの+Z側の面には複数のガス噴出口44bが形成されており、流路43bはこれらのガス噴出口44bにそれぞれ接続されている。このように、基板用案内部材22bは、+Z側の面からガスを噴出するエアパッド状に形成されている。
【0090】
基板用案内部材22bの−Z側の面には、シール部材47の一端部が接続されている。シール部材47の他端部は、例えばマウント部3の−Z側の面に接続されている。シール部材47により、基板用案内部材22bと開口部34との間が封止された状態になっている。基板用案内部材22bの−Z側の面は押圧機構45によって押圧されている。押圧機構45の−Z側の端部は、例えば突出部23の内面に支持された支持部46に固定されている。
【0091】
図8に示すように、ガス供給ポート4の供給口41にガス供給源が接続されていない状態においては、流路機構にはガスが流れず、基板用案内部材22a及び基板用案内部材22bからはガスが噴射しないため、基板用案内部材22bは押圧機構45によって+Z側に押圧され、基板用案内部材22aとの間で協働してシート基板FBを挟みこむようになっている。
【0092】
これに対して、図9に示すように、例えば外部のガス供給部GSを供給口41に差し込んでガスを供給することにより、基板用案内部材22a側については当該ガスが流路42、流路42a、接続部42c及び流路43aを介してガス噴出口44aから−Z方向に噴射されるようになっている。また、基板用案内部材22b側については、当該ガスが流路42から流路42b、接続部42d及び流路43bを介してガス噴出口44bから+Z方向に噴射されるようになっている。
【0093】
シート基板FBを挟んだZ方向の両側からガスが噴射されることにより、シート基板FBとガス噴出口44aとの間、シート基板FBとガス噴出口44bとの間に、それぞれガス層(エアベアリング)が形成されるようになっている。シート基板FBの+Z側の面及び−Z側の面にガス層を形成することで基板用案内部材22aは+Z側に移動し、基板用案内部材22bは−Z側に移動するようになっており、基板用案内部材22aと基板用案内部材22bとで挟持された状態からシート基板FBを解放させることができるようになっている。
また、例えば、基板用案内部材22a及び基板用案内部材22bから噴射させるガスは、イオナイザーを通した気体とすることで、シート基板FBの帯電を防止する又は除電することができる。
【0094】
(基板カートリッジへのシート基板の収容動作)
次に、上記のように構成された基板カートリッジ1にシート基板FBを収容する収容動作を説明する。図10及び図11は、収容動作時の基板カートリッジ1の状態を示す図である。図10及び図11においては、図を判別しやすくするため、基板カートリッジ1の外形を破線で示している。
【0095】
図10及び図11に示すように、基板カートリッジ1にシート基板FBを収容する際には、基板カートリッジ1をホルダHDに保持した状態とする。その後、例えばガス供給ポート4の供給口41からガスを供給し、基板用案内部材22a及び22bからガスを噴射させる。ガスの噴射により、基板用案内部材22a及び22bは、押圧機構45によって閉ざされた状態から互いの噴射による作用を受け、基板用案内部材22aと基板用案内部材22bとの間が広がる。この状態で、シート基板FBを開口部34から挿入する。シート基板FBを挿入する際には、テンションローラ21a及び回転軸部材26a(ローラ部26)を回転させた状態としておく。
【0096】
開口部34を介して挿入されたシート基板FBは、+Z側及び−Z側の両側からガスの噴射を受け、それぞれの面にガス層が形成される。シート基板FBは、このガス層の間を滑るように基板用案内部材22aと基板用案内部材22bとの間を移動する。搬送部21では、シート基板FBがテンションローラ21aと測定ローラ21bとの間に挟まれて収容部20側へ搬送される。測定ローラ21bの回転と共に、例えば検出部21cにおいて、シート基板FBの搬送長さを検出する。
【0097】
搬送部21を収容部20側に通過したシート基板FBは、図10に示すように、自重によって−Z方向に撓みながら案内される。本実施形態では、シート基板FBの−Z側にガイド部27が設けられているため、シート基板FBはガイド部27の回動部材27a及び先端部材27bに沿ってローラ部26へと案内されることになる。
【0098】
シート基板FBの先端がローラ部26の接着部26cに到達すると、当該シート基板FBの先端と接着部26cとが接着される。この状態でローラ部26が回転すると、シート基板FBが徐々に接着部26cに接着され、シート基板FBがローラ部26に巻き取られていく。シート基板FBが接着部26cに接着された後は、ローラ部26と搬送部21との間でシート基板FBが撓まないように、例えばテンションローラ21aの回転速度と回転軸部材26aの回転速度とを調整しながらシート基板FBを搬送する。
【0099】
シート基板FBがローラ部26に対して例えば1回転分巻き取られた後、図11に示すように、ガイド部27を退避させる。この状態でローラ部26を回転させることにより、シート基板FBが徐々にローラ部26に巻き取られていく。巻き取られたシート基板FBの厚さは次第に厚くなっていくが、ガイド部27が既に退避されているため、シート基板FBとガイド部27とが接触することは無い。
【0100】
所望の長さのシート基板FBを巻き取った後、例えばシート基板FBのうち開口部34の外側の部分を切断し、供給口41へのガスの供給を停止させ、基板用案内部材22aと基板用案内部材22bとの間をシート基板FBを挟んで閉じた状態にする。このようにして、基板カートリッジ1にシート基板FBを収容する。シート基板FBの収容動作中、検出部21cにおいて測定したシート基板FBの測定長さを基に、例えば基板カートリッジ1内に収容されているシート基板FBの全長を算出させても構わない。また、算出結果を表示部29に表示させるようにしても構わないし、記憶部MRに記憶させたり、通信部CRを用いて通信させたりしても構わない。
【0101】
また、例えば作業者が窓部28から収容部20の内部を観察しながらシート基板FBの巻き取りを行っても構わない。この場合、例えばシート基板FBが折れ曲がった状態で巻き取られているか否か、シート基板FBの巻き取られた形状(ロール形状)が歪んだ状態となっているか否かを確認しながら巻き取り作業を行わせることができ、異常が発生した場合には即座に巻き取りを停止させることができる。
【0102】
(基板処理装置の動作)
次に、上記のように構成された基板処理装置100の動作を説明する。
本実施形態では、シート基板FBを収容した基板カートリッジ1を基板供給部101として供給側接続部102Aに接続する接続動作、基板供給部101による基板カートリッジ1によるシート基板FBの供給動作、基板処理部102による素子形成動作、基板カートリッジ1の取り外し動作、を順に行う。
【0103】
まず、基板カートリッジ1の接続動作を説明する。図12は、基板カートリッジ1の接続動作を示す図である。
図12に示すように、供給側接続部102Aについては、マウント部3に対応する形状に挿入口を形成しておくと共に、ガス供給ポート4の供給口41に挿入される位置にガス供給部GSを形成しておく。
【0104】
接続動作では、基板カートリッジ1をホルダ(例えば図10に示すホルダHDと同様の構成)に保持させた状態で、マウント部3と供給側接続部102Aとの位置合わせを行う。位置合わせの後、マウント部3を+X側へ移動させて基板処理部102に挿入する。このとき、ガス供給ポート4の供給口41にガス供給部GSが差し込まれることになる。このため、マウント部3が基板処理部102に接続される際には、基板用案内部材22aと基板用案内部材22bとの間が開いた状態となる。
【0105】
次に、供給動作を説明する。基板処理部102にシート基板FBを供給する際には、例えば基板カートリッジ1の回転軸部材26a(ローラ部26)及びテンションローラ21aを収容動作のときとは逆向きに回転させ、図13に示すように、開口部34を介してシート基板FBを送り出すようにする。
【0106】
次に、素子形成動作を説明する。素子形成動作では、図2に示すように、基板供給部101から基板処理部102に対してシート基板FBを供給しつつ、基板処理部102において当該シート基板FB上に素子を形成していく。基板処理部102では、図3に示すように、ローラRRによってシート基板FBを搬送する。
【0107】
制御部104は、例えば基板カートリッジ1との間で処理情報の通信を行い、当該処理情報に基づいて基板処理部102の動作を制御するようにしても構わない。具体的には、基板カートリッジ1からのシート基板FBの供給速度に合わせて、基板処理部102内の各ローラRRの回転速度を調整することなどが挙げられる。また、制御部104は、ローラRRがY軸方向にずれているか否かを検出し、ずれている場合にはローラRRを移動させて位置を補正する。また、制御部104は、シート基板FBの位置補正を併せて行わせる。
【0108】
基板供給部101から基板処理部102に供給されたシート基板FBは、まず隔壁形成部91に搬送される。隔壁形成部91では、シート基板FBがインプリントローラ110と熱転写ローラ115で挟まれて押圧され、熱転写によってシート基板に隔壁BA及びアライメントマークAMが形成される。
【0109】
図14は、シート基板FBに隔壁BA及びアライメントマークAMが形成された状態を示す図である。図15は、図14の一部を拡大して示した図である。図16は、図15におけるD−D断面に沿った構成を示す図である。図14及び図15は、シート基板FBを+Z側から見たときの様子を示している。
【0110】
図14に示すように、隔壁BAは、シート基板FBのY方向中央部の素子形成領域60に形成される。図15に示すように、隔壁BAを形成することにより、素子形成領域60には、ゲートバスラインGBL及びゲート電極Gを形成する領域(ゲート形成領域52)とソースバスラインSBL、ソース電極S、ドレイン電極D及び陽極Pを形成する領域(ソースドレイン形成領域53)とが区画されることになる。図16に示すように、ゲート形成領域52は、断面視で台形状に形成されている。図示を省略するが、ソースドレイン形成領域53についても同様の形状となっている。隔壁BA内の幅W(μm)は、ゲートバスラインGBLの線幅となる。この幅Wとしては、液滴塗布装置120Gから塗布される液滴直径d(μm)に対して2倍〜4倍程度とすることが好ましい。
【0111】
なお、ゲート形成領域52及びソースドレイン形成領域53の断面形状は、微細インプリント用モールド11がシート基板FBを押圧した後にシート基板FBが剥離しやすいように、断面視でV字形状又はU字形状とすること好ましい。この他の形状として、例えば断面視で矩形形状としても構わない。
【0112】
一方、図14に示すように、アライメントマークAMは、シート基板FBのY方向両端部の縁領域61に一対形成される。隔壁BA及びアライメントマークAMは、相互の位置関係が重要であるため同時に形成される。図15に示すように、Y軸方向には、アライメントマークAMとゲート形成領域52との間の所定距離PYが規定されており、X軸方向には、アライメントマークAMとソースドレイン形成領域53との間の所定距離PXが規定されている。このため、一対のアライメントマークAMの位置に基づいて、シート基板FBのX軸方向のずれ、Y軸方向のずれ及びθ回転が検出可能となる。
【0113】
図14及び図15では、アライメントマークAMが、X軸方向の複数行の隔壁BAごとに一対設けられているが、これに限られることは無く、例えば隔壁BA1行ごとにアライメントマークAMを設けるようにしても良い。また、スペースがあれば、シート基板FBの縁領域61だけでなく素子形成領域60にアライメントマークAMを設けても良い。また、図14及び図15では、アライメントマークAMは十字形状を示したが、円形マーク、斜めの直線マークなど他のマーク形状であってもよい。
【0114】
続いてシート基板FBは、搬送ローラRRによって電極形成部92に搬送される。電極形成部92では、各液滴塗布装置120による液滴の塗布が行われ、シート基板FB上に電極が形成される。
【0115】
シート基板FB上には、まず液滴塗布装置120GによってゲートバスラインGBL及びゲート電極Gが形成される。図17(a)及び図17(b)は、液滴塗布装置120Gによって液滴塗布が行われるシート基板FBの様子を示す図である。
【0116】
図17(a)に示すように、液滴塗布装置120Gは、隔壁BAが形成されたシート基板FBのゲート形成領域52に例えば1〜9の順序でメタルインクを塗布する。この順序は、例えばメタルインク同士の張力で直線状に塗布される順序である。図17(b)は、例えば1滴のメタルインクが塗布された状態を示す図である。図17(b)に示すように、隔壁BAが設けられているため、ゲート形成領域52に塗布されたメタルインクは拡散せずに保持されることになる。このようにして、ゲート形成領域52の全体にメタルインクを塗布する。
【0117】
ゲート形成領域52にメタルインクが塗布された後、シート基板FBは当該メタルインクの塗布された部分が熱処理装置BKの−Z側に位置するように搬送される。熱処理装置BKは、シート基板FB上に塗布されたメタルインクに熱処理を行い、当該メタルインク乾燥させる。図18(a)は、メタルインクを乾燥させた後のゲート形成領域52の状態を示す図である。図18(a)に示すように、メタルインクを乾燥させることにより、メタルインクに含まれる導電体が薄膜状に積層されることになる。このような薄膜状の導電体がゲート形成領域52の全体に形成され、図18(b)に示すように、シート基板FB上にゲートバスラインGBL及びゲート電極Gが形成されることになる。
【0118】
次に、シート基板FBは、液滴塗布装置120Iの−Z側に搬送される。液滴塗布装置120Iではシート基板FBに電気絶縁性インクが塗布される。液滴塗布装置120Iでは、例えば図19に示すように、ソースドレイン形成領域53を通過するゲートバスラインGBL上及びゲート電極G上に電気絶縁性インクが塗布される。
【0119】
電気絶縁性インクが塗布された後、シート基板FBは熱処理装置BKの−Z側に搬送され、熱処理装置BKによって当該電気絶縁性インクに熱処理が施される。この熱処理によって電気絶縁性インクが乾燥し、ゲート絶縁層Iが形成される。図19では、ゲート絶縁層Iが隔壁BA上に跨るように円形状に形成された状態を示しているが、特に隔壁BAを越えて形成する必要は無い。
【0120】
ゲート絶縁層Iが形成された後、シート基板FBは液滴塗布装置120SDの−Z側に搬送される。液滴塗布装置120SDでは、シート基板FBのソースドレイン形成領域53にメタルインクが塗布される。ソースドレイン形成領域53のうちゲート絶縁層Iを跨ぐ部分については、例えば図20に示す1〜9の順序でメタルインクが吐出される。
【0121】
メタルインクの吐出後、シート基板FBは熱処理装置BKの−Z側に搬送され、メタルインクの乾燥処理が行われる。当該乾燥処理後、メタルインクに含まれる導電体が薄膜状に積層され、ソースバスラインSBL、ソース電極S、ドレイン電極D及び陽極Pが形成される。ただし、この段階では、ソース電極Sとドレイン電極Dとの間が接続された状態になっている。
【0122】
次に、シート基板FBは、切断装置130の−Z側に搬送される。シート基板FBは、切断装置130において、ソース電極Sとドレイン電極Dとの間が切断される。図21は、ソース電極Sとドレイン電極Dとの間隔を切断装置130で切断した状態を示す図である。切断装置130では、ガルバノミラー131を用いてレーザ光LLのシート基板FBへの照射位置を調整しながら切断を行う。
【0123】
ソース電極Sとドレイン電極Dとの間が切断された後、シート基板FBは、液滴塗布装置120OSの−Z側に搬送される。液滴塗布装置OSでは、シート基板FB上に有機半導体層OSが形成される。シート基板FB上のうちゲート電極Gに重なる領域には、ソース電極S及びドレイン電極Dに跨るように有機半導体インクが吐出される。
【0124】
有機半導体インクの吐出後、シート基板FBは熱処理装置BKの−Z側に搬送され、有機半導体インクの乾燥処理が行われる。当該乾燥処理後、有機半導体インクに含まれる半導体が薄膜状に積層され、図22に示すように、有機半導体OSが形成される。以上の工程により、シート基板FB上に電界効果型トランジスタ及び接続配線が形成されることになる。
【0125】
続いてシート基板FBは、搬送ローラRRによって発光層形成部93に搬送される(図3参照)。発光層形成部93では、液滴塗布装置140Re、液滴塗布装置140Gr、液滴塗布装置140Bl及び熱処理装置BKによって赤色、緑色、青色の発光層IRがそれぞれ形成される。シート基板FB上には隔壁BAが形成されているため、赤色、緑色及び青色の発光層IRを熱処理装置BKで熱処理することなく続けて塗布する場合であっても、隣接する画素領域へ溶液が溢れることにより、混色が生じることがない。
【0126】
発光層IRの形成後、シート基板FBは液滴塗布装置140I及び熱処理装置BKを経て絶縁層Iが形成され、液滴塗布装置140IT及び熱処理装置BKを経て透明電極ITが形成される。このような工程を経て、シート基板FB上には図1で示した有機EL素子50が形成される。
【0127】
素子形成動作では、上記のようにシート基板FBを搬送させながら有機EL素子50を形成する過程で、シート基板FBがX方向、Y方向及びθZ方向にずれてしまうのを防ぐため、アライメント動作を行っている。以下、図23を参照して、アライメント動作を説明する。
【0128】
アライメント動作においては、各部に設けられた複数のアライメントカメラCA(CA1〜CA8)が適宜シート基板FBに形成されたアライメントマークAMを検出し、制御部104に検出結果を送信する。制御部104では、送信された検出結果に基づいて、アライメント動作を行わせる。
【0129】
例えば、制御部104は、アライメントカメラCA(CA1〜CA8)が検出するアライメントマークAMの撮像間隔などに基づいてシート基板FBの送り速度を検出し、ローラRRが例えば所定速度で回転しているか否かを判断する。ローラRRが所定速度で回転していないと判断した場合、制御部104は、ローラRRの回転速度の調整の指令を出しフィードバックをかける。
【0130】
また、例えば制御部104は、アライメントマークAMの撮像結果に基づき、アライメントマークAMのY軸方向の位置がずれているか否かを検出し、シート基板FBのY軸方向の位置ずれの有無を検出する。位置ずれが検出された場合、制御部104は、シート基板FBを搬送させた状態で位置ずれがどの程度の時間継続しているかを検出する。
【0131】
位置ずれの時間が短時間であれば、液滴塗布装置120の複数のノズル122のうち液滴を塗布するノズル122を切り替えることによって対応する。シート基板FBのY軸方向のずれが長時間続くようであれば、ローラRRの移動によってシート基板FBのY軸方向の位置補正を行う。
【0132】
また、例えば制御部104は、アライメントカメラCAが検出するアライメントマークAMのX軸及びY軸方向の位置に基づき、シート基板FBがθZ方向にずれているか否かを検出する。位置ずれが検出された場合、制御部104は、Y軸方向の位置ずれの検出時と同様、シート基板FBを搬送させた状態で位置ずれがどの程度の時間継続しているかを検出する
位置ずれの時間が短時間であれば、液滴塗布装置120の複数のノズル122のうち液滴を塗布するノズル122を切り替えることによって対応する。ずれが長時間続くようであれば、当該ズレを検出したアライメントカメラCAを挟む位置に設けられる2つのローラRRをX方向又はY方向に移動させ、シート基板FBのθZ方向の位置補正を行う。
【0133】
次に、取り外し動作を説明する。例えばシート基板FBに有機EL素子50を形成し、シート基板FBを回収した後、基板供給部101として用いられる基板カートリッジ1を基板処理部102から取り外す。
【0134】
図24は、基板カートリッジ1の取り外し動作を示す図である。
取り外し動作では、マウント部3を−X方向に移動させて供給側接続部102Aから外す。マウント部3を外すことにより、ガス供給ポート4の供給口41からガス供給部GSが引き抜かれるため、基板用案内部材22aと基板用案内部材22bとの間がシート基板FBを挟んで再び閉じた状態となる。
【0135】
このように、マウント部3と基板処理部102とが接続されている状態では基板用案内部材22aと基板用案内部材22bとの間が開くため、開口部34が開いた状態となる。マウント部3と基板処理部102とが接続されていない状態では、基板用案内部材22aと基板用案内部材22bとの間がシート基板FBを挟んで閉じるため、開口部34がシート基板FBによって閉ざされた状態となる。
【0136】
以上のように、本実施形態によれば、可撓性を有するシート基板FBが出し入れされる開口部34を有し当該開口部34を介したシート基板FBを収容するカートリッジ本体2と、当該カートリッジ本体2に設けられ、供給側接続部102A及び回収側接続部102Bに対して着脱可能に接続されるマウント部3と、当該マウント部3と供給側接続部102A及び回収側接続部102Bとの間の接続状態に応じて、シート基板FBによって開口部34が閉塞可能に設けられているため、開口部34から埃などの異物の侵入を防ぐことができる。これにより、シート基板FBに異物が付着するのを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、基板カートリッジ1を対象物(例、基板処理部102)に対して容易に着脱させることが可能となる。
【0137】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態では、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。
図25は、本実施形態に係る基板処理システムSYSの構成を示す図である。
図25に示すように、基板処理システムSYSは、基板製造装置(第1処理装置)201、基板処理装置202(第2処理装置)及び中継装置(基板中継装置)203を有している。基板製造装置201と基板処理装置202とは、例えば、別々の生産ライン、別々の敷地、別々の工場などに設置されている。
【0138】
基板製造装置201は、第1処理として、例えば上記実施形態で説明した可撓性を有する帯状のシート基板FBを製造する装置である。基板製造部211及び制御部212を有している。制御部212の制御によって基板製造部211においてシート基板FBが製造されるようになっている。
【0139】
基板処理装置202は、第2処理として、シート基板FBに第1実施形態で説明した有機EL素子50(図3等参照)を形成する装置である。基板処理装置202は、基板処理部222、基板回収部223及び制御部224を有している。基板処理部222、基板回収部223及び制御部224は、第1実施形態における基板処理部102、基板回収部103及び制御部104と同一の構成となっている。
【0140】
中継装置203は、基板製造装置201及び基板処理装置202の両方に着脱可能に接続するように形成されている。具体的には、中継装置203は、基板製造装置201の基板製造部211に設けられた接続部211A、及び、基板処理装置202の基板処理部222に設けられた接続部222Aに対してマウント部3を介して接続されるようになっている。なお、接続部211A及び接続部222Aの構成は、第1実施形態に記載の供給側接続部102Aと同一の構成になっている。
【0141】
中継装置203は、基板製造装置201で製造されたシート基板FBを回収し、基板処理装置202へと供給する装置である。中継装置203としては、例えば第1実施形態で説明した基板カートリッジ1が用いられている。中継装置203の詳細な構成については説明を省略する。
【0142】
上記のように構成された基板処理システムSYSでは、まず基板製造装置201の接続部211Aに中継装置203を接続させる。中継装置203を接続部211Aに接続後、基板製造部211からシート基板FBを中継装置203に供給する。中継装置203は、第1実施形態で説明した動作と同様の動作によってシート基板FBを巻き取って回収する。
【0143】
このとき、例えば制御部212から中継装置203の情報処理部IC(図5参照)には、例えば基板製造装置201のタクト、スループットといった情報や、中継装置203の搬送速度、ローラ部26の巻き取り・送り出し速度といった情報、全工程や処理済の工程などを示す工程情報、シート基板FBの残長や全長などのシート基板FBに関する情報、などの処理情報が送信される。
【0144】
情報処理部ICに送信された上記処理情報は、情報処理部ICの通信部CRによって受信され、記憶部MRに記憶されたり、表示部29に表示されたりする。加えて、情報処理部ICには、中継装置203の検出部21cによって検出されたシート基板FBの長さに関する情報についても送信される。
【0145】
次に、シート基板FBを回収した中継装置203をトラックなどの搬送系TRによって基板処理装置202へと搬送する。基板処理装置202に中継装置203を搬送後、中継装置203を第1実施形態で説明した手順で基板処理装置202の接続部222Aに接続し、中継装置203からシート基板FBを供給しながら基板処理部222においてシート基板FB上に有機EL素子50を形成する。
【0146】
このとき、例えば制御部224は、中継装置203の情報処理部ICとの間で通信を行い、情報処理部ICに記憶されている処理情報を受信する。制御部224は、受信した処理情報を基にして、例えばシート基板FBの搬送速度や、熱転写ローラ115及び熱処理装置BKによる加熱時間や加熱温度など、受信した処理情報と関連する動作を調整しながら有機EL素子50を形成する各工程を行わせる。有機EL素子50の形成されたシート基板FBは、例えばパネル状に切断され、基板回収部223によって回収される。
【0147】
このように、本実施形態によれば、第1処理として可撓性を有するシート基板FBを製造する処理を行う基板製造装置201と、シート基板FBの製造後に当該シート基板FBに第2処理として有機EL素子50を形成する処理を行う基板処理装置202と、基板製造装置201からシート基板FBを回収し、回収したシート基板FBを基板処理装置202へ供給する中継装置203とを備え、中継装置203として、上記の基板カートリッジ1を用いることとしたので、基板製造装置201と基板処理装置202との間においてシート基板FBに埃などが付着するのを回避することができる。また、中継装置203に設けられた情報処理部ICを用いて基板製造装置201の処理情報を基板処理装置202に供給し、当該処理情報を用いて基板処理装置202において処理を行うことができるため、基板処理装置202における処理効率が向上することとなる。また、本実施形態では、中継装置203として上記の基板カートリッジ1を用いることとしたので、シート基板FBの長さや残長を容易に把握することができる。また、本実施形態では、中継装置203として上記の基板カートリッジ1を用いることとしたので、例えば第1処理や第2処理のように、複数の工程を容易に細分化することができる。
【0148】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態では、上記実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。
図26は、本実施形態に係る基板処理システムSYS2の構成を示す図である。
図26に示すように、基板処理システムSYS2は、第1基板処理装置(第1処理装置)300、第2基板処理装置(第2処理装置)310、320及び中継装置(基板中継装置)303を有している。第1基板処理装置300及び第2基板処理装置310、320は、例えば同一の敷地内や、同一の工場内に設置されている。
【0149】
第1基板処理装置300は、例えば、シート基板FBに有機EL素子50の隔壁BAを形成する装置である。第2基板処理装置310、320は、例えば、シート基板FBに電極(ゲート電極Gなど)や有機EL素子50の発光層IR、透明電極ITOを形成する装置である。第2基板処理装置310、320は、同一の構成となっている。以下、第2基板処理装置の構成や動作などを説明するにあたっては原則として第2基板処理装置310を代表させて説明するが、第2基板処理装置320についても同様の説明が可能である。
【0150】
このように基板処理システムSYS2は、有機EL素子50を形成する装置が第1基板処理装置300と第2基板処理装置310、320との2つの種類の装置に分かれた構成となっている。中継装置303は、第1基板処理装置300から第2基板処理装置310、320へシート基板FBを受け渡す(中継する)装置である。本実施形態では、中継装置303として、第1実施形態と同一の構成を有する基板カートリッジ1が用いられている。
【0151】
第1基板処理装置300は、基板供給部301、基板処理部302、第1制御部304、第2制御部305及び保護基板供給部306を有している。基板供給部301は、例えば第1実施形態における基板供給部101と同一の構成となっている。基板処理部302は、第1実施形態の基板処理装置100における隔壁形成部91と同一の構成をそれぞれ有しており、基板供給部301との接続部分には供給側接続部302Aが設けられている。供給側接続部302Aの構成は、第1実施形態における供給側接続部102Aと同一の構成となっている。このように第1基板処理装置300は、第1実施形態における基板処理装置100の基板供給部101から基板処理部102の隔壁形成部91までの構成と同一の構成を有している。
【0152】
基板処理部302の+X側端部には、中継装置303のマウント部3に接続される回収側接続部302Bが設けられている。回収側接続部302Bは、供給側接続部302Aと同一の構成となっている。第1制御部304は、基板供給部301の情報処理部ICに記憶された処理情報を受信し、当該処理情報に基づいて基板処理部302の動作(例えば、処理や工程に関する動作)を制御する。第2制御部305は、基板供給部301、基板処理部302、シート基板FBなどの処理情報を中継装置303の情報処理部ICに送信する。処理情報としては、例えば第1実施形態に記載の処理情報と同様の内容の情報が挙げられる。第1基板処理装置300が不図示の制御装置を有し、当該制御装置が第1制御部304及び第2制御部305を統括して制御及び管理する構成としても構わない。保護基板供給部306は、例えば基板処理部302の+X側端部に設けられている。
【0153】
第2基板処理装置310は、基板処理部311、基板回収部312、第1制御部314及び第2制御部315を有している。基板処理部311は、第1実施形態の基板処理装置100における電極形成部92及び発光層形成部93と同一の構成を有している。基板処理部311は、−X側端部に供給側接続部311Aを有しており、+X側端部に回収側接続部311Bを有している。供給側接続部311A及び回収側接続部311Bは、上記の供給側接続部302A及び回収側接続部302Bとそれぞれ同一の構成となっている。
【0154】
供給側接続部311Aには、上記の中継装置303が着脱可能に接続されるようになっている。第1制御部314は、中継装置303の情報処理部ICに記憶された処理情報を受信し、当該処理情報に基づいて基板処理部311の動作(例えば、処理や工程に関する動作)を制御する。第2制御部315は、中継装置303、基板処理部311、シート基板FBなどの処理情報を基板回収部312の情報処理部ICに送信する。処理情報としては、例えば第1実施形態に記載の処理情報と同様の内容の情報が挙げられる。
【0155】
次に、上記のように構成された基板処理システムSYS2では、まず基板カートリッジ1にシート基板FBを収容し、第1基板処理装置300において基板処理部302の供給側接続部302Aに当該基板カートリッジ1を基板供給部101として接続させる。この基板カートリッジ1は、基板供給部301として用いる。また、空の基板カートリッジ1を基板処理部302の回収側接続部302Bに中継装置303として接続させる。
【0156】
次に、基板供給部301からシート基板FBを基板処理部302に供給させ、基板処理部302において隔壁BAを形成する。このとき、制御部304及び制御部305は、基板供給部301の情報処理部IC及び中継装置303の情報処理部ICとの間で通信を行い、情報処理部ICに記憶されている情報を受信する。制御部304及び305は、受信した情報を基にして、例えばシート基板FBの搬送速度や、熱転写ローラ115による加熱時間や加熱温度など、受信した処理情報と関連する動作を調整しながら隔壁BAを形成する。
【0157】
隔壁BAの形成されたシート基板FBは、基板処理部302から中継装置303へと送り出され、中継装置303によってロール状に巻き取られて回収される。中継装置303では、シート基板FBのうち隔壁BAが形成された面に保護基板PBが配置されるようにシート基板FBを回収する。
【0158】
図27〜図29は、基板回収部103でのシート基板FBの回収の様子を示す図である。図27〜図29では、図を判別しやすくするため、一部の構成を省略した状態で示している。
回収動作では、図27に示すように、基板カートリッジ1の開口部34にシート基板FBを挿入すると同時に、第2開口部35から保護基板PBを挿入する。図26及び図27に示すように、保護基板PBは、例えば上記の保護基板供給部306から供給される。
【0159】
挿入されたシート基板FB及び保護基板PBは、図28に示すように、それぞれ基板案内部22及び第2基板案内部37で案内され、合流部39において合流する。合流部39で合流したシート基板FB及び保護基板PBは、図29に示すように、合流した状態で搬送部21によって搬送され、テンションローラ21aと測定ローラ21bとに押圧されて密着する。シート基板FB及び保護基板PBは、密着した状態でローラ部26によって巻き取られて回収される。
【0160】
次に、保護基板PBを密着させたシート基板FBを回収した中継装置303をフォークリフトなどの搬送系TR2によって第2基板処理装置310へと搬送する。搬送後、中継装置303を第1実施形態で説明した手順で第2基板処理装置310の供給側接続部311Aに接続させると共に、空の基板カートリッジ1を回収側接続部311Bに基板回収部312として接続させる。基板回収部312を回収側接続部311Bに接続後、中継装置303からシート基板FBを供給しながら基板処理部311においてシート基板FB上に電極、発光層IR及び透明電極ITOを形成する。
【0161】
このとき、例えば制御部314及び315は、中継装置303の情報処理部IC及び基板回収部312の情報処理部ICとの間で通信を行い、それぞれの情報処理部ICに記憶されている処理情報を受信する。制御部314及び315は、受信した処理情報を基にして、例えばシート基板FBの搬送速度や、熱処理装置BKによる加熱時間や加熱温度など、受信した処理情報と関連する動作を調整しながら電極、発光層IR及び透明電極ITOを形成する。
【0162】
また、第1基板処理装置300の処理速度と第2基板処理装置310の処理速度とが例えば2:1である場合など、第1基板処理装置300が第2基板処理装置310に比べて処理速度が大きい(タクトが小さい)場合には、中継装置303の中継先を増加させるようにしても構わない。本実施形態では、中継装置303の中継先として、例えば第2基板処理装置320を加えるようにする。この結果、第1基板処理装置300で処理されたシート基板FBは、第2基板処理装置310及び320の2箇所で並列に処理されることになり、処理速度の小さい(タクトが大きい)方のラインが増加することになる。
上記のようにシート基板FBは第1基板処理装置300による処理と第2基板処理装置310による処理とを経て処理完了となるため、第1基板処理装置300と第2基板処理装置310とを1台ずつ用いた場合(あるいは処理を連続して行う場合)、基板処理システムSYS2全体としての処理速度は、第1基板処理装置300及び第2基板処理装置310のうち処理速度の小さい方の装置の処理速度となってしまう。
これに対して、本実施形態では、処理速度の小さい方の第2基板処理装置310を2台(第2基板処理装置310、320)用いてライン数を増加させるため、処理速度の差が補われることになり、第1基板処理装置300の処理速度を活かすことができる。これにより、基板処理システムSYS2全体の処理効率が低減するのが回避されることになる。
【0163】
隔壁BA及び電極が形成されたシート基板FBに発光層IR及び透明電極ITOを形成することにより、シート基板FB上に有機EL素子50が形成されることになる。有機EL素子50の形成されたシート基板FBは、図27〜図29に示す動作手順と同様に、例えば基板回収部312によって巻き取られて回収される。
【0164】
以上のように、本実施形態によれば、シート基板FBに第1処理として隔壁BA及び電極形成処理を行う第1基板処理装置300と、隔壁BA及び電極形成処理後のシート基板FBに第2処理として発光層IR及び透明電極ITOの形成処理を行う第2基板処理装置310と、第1基板処理装置300からシート基板FBを回収し、回収したシート基板FBを第2基板処理装置310へ供給する中継装置303とを備え、中継装置303として、本発明に係る基板カートリッジ1を用いることとしたので、同一の敷地内や工場内に設置される第1基板処理装置300と第2基板処理装置310との間においてシート基板FBに埃などが付着するのを回避することができる。また、基板カートリッジ1に設けられた情報処理部ICを用いて処理情報を通信し、当該処理情報を用いて基板処理部302及び311において処理を行うことができるため、基板処理システムSYS2の全体的な処理効率が向上することとなる。
【0165】
なお、上記基板処理システムSYS2は、第1基板処理装置300の処理速度よりも第2基板処理装置310の処理速度の方が高くなるように構成しても構わない。このような構成として、例えば第1基板処理装置300が隔壁形成部91及び電極形成部92を有し、第2基板処理装置310が発光層形成部93を有する構成が挙げられる。この場合、本実施形態と同様の考え方で、例えば第1基板処理装置300の台数を第2基板処理装置310の台数よりも多くすることにより、処理速度の差を補うことができる。
【0166】
例えば図30(a)では、第1基板処理装置300が2台設けられており、第2基板処理装置310が1台設けられた基板処理システムSYS2’の構成を示している。処理速度の小さい第1基板処理装置300による処理のライン数が多くなるため、処理速度の差が補われることになる。この場合において、例えば2台の第1基板処理装置300における処理のタイミングを制御し、中継装置303が第2基板処理装置310に対して交互に接続されるようにすることが好ましい。これにより、中継装置303の待ち時間を極力少なくし、効率的に処理を行うことができる。
【0167】
また、この基板処理システムSYS2’は、例えば図30(b)に示すように、第1基板処理装置300を、隔壁形成装置340と電極形成装置350とに更に分割させる構成(基板処理システムSYS2”)としても構わない。なお、隔壁形成装置340は第1実施形態に記載の隔壁形成部91に相当する構成を有し、電極形成装置350は第1実施形態に記載の電極形成部92に相当する構成を有している。第2基板処理装置310は、基板処理システムSYS2’と同様に発光層形成部93を有している。
【0168】
隔壁形成処理、電極形成処理及び発光層形成処理の3種類の処理うち、電極形成処理は高いアライメント精度が特に必要とされるため、最も処理速度が小さくなる。このため、図30(b)に示すように、処理速度が小さい電極形成装置350を2台配置してライン数を増加させ、隔壁形成装置340及び第2処理装置310(発光層形成部93を有する)を1台ずつ配置することにより、処理速度の差を補うことができる。
【0169】
この場合、隔壁形成装置340から電極形成装置350への中継装置303は上記実施形態の基板処理システムSYS2の中継装置303と同様の働きをすることになり、電極形成装置350から第2処理装置310への中継装置303は上記基板処理システムSYS’の中継装置303と同様の働きをすることになる。なお、この基板処理システムSYS2”について、例えば電極形成装置350を、ゲート電極Gを形成するゲート形成装置と、ソース電極S及びドレイン電極Dを形成するソースドレイン形成装置とに分割する構成としても構わない。この場合、ソースドレイン形成装置の方がゲート形成装置よりも処理速度が小さくなるため、ソースドレイン形成装置を複数ライン設けるようにすることが好ましい。このように、処理速度の小さい装置を分割し、分割した装置のライン数を増加させることにより、ライン数増加に対するコストを低減することができる。
【0170】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図31は、本実施形態に係る基板処理システムSYS3を示す図である。なお、本実施形態に係る基板処理システムSYS3は、第3実施形態に記載の基板処理システムSYS2と一部の構成が異なっており、他の構成は同一となっている。以下、第3実施形態との相違点を中心に説明する。以下の説明においては、第3実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0171】
図31に示すように、基板処理システムSYS3は、第1基板処理装置(第1処理装置)300、第2基板処理装置(第2処理装置)310、320及び中継装置(基板中継装置)303を有している。本実施形態に係る基板処理システムSYS3は、第3実施形態における制御装置304、305及び制御装置314、315が設けられていない点、また、主制御装置CONTが設けられている点で、第3実施形態とは異なっている。他の構成については、第3実施形態と同様である。
【0172】
主制御装置CONTは、例えば第1実施形態に記載の処理情報(基板処理装置のタクト、スループット、搬送速度、巻き取り速度・送り出し速度、シート基板FBに関する情報など)に基づいて、第1基板処理装置300、第2基板処理装置310、320及び中継装置303を統括的に制御する。例えば、シート基板FBの搬送速度や巻き取り速度・送り出し速度に基づいて中継装置303の中継先を第2基板処理装置310及び320のいずれにするかを判断することもできる。
【0173】
このように、本実施形態では、主制御装置CONTによって第1基板処理装置300、第2基板処理装置310、320及び中継装置303を統括的に制御することとしたので、シート基板FBに対する一連の処理を能率的に行うことができる。
【0174】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
図32は、可撓性の基板に、画素電極及び発光層などを有する表示素子(例えば、有機EL素子)を製造する製造装置410の構成を示した概略図で、図2の基板処理部102の別例である。但し、基板処理部102が有する同じ部材又は装置には同じ符号を付している。
【0175】
図32に示す製造装置410は、隔壁形成部91を2箇所有する点で、上記基板処理部102と異なる。一方の隔壁形成工程は、インプリントローラ110を用いて、薄膜トランジスタの配線用の隔壁BAを形成し、シート基板FBの幅方向であるY軸方向の両側にアライメントマークAMを形成する。また、他方の隔壁形成工程では、印刷ローラ440を使用する。
【0176】
印刷ローラ440は、その表面がスクリーン印刷できるようにメタルマスクが形成されている。また、印刷ローラ440内部に紫外線硬化樹脂を保有している。紫外線硬化樹脂は、スキージ441によりメタルマスクを介してシート基板FBに塗布される。これにより、紫外線硬化樹脂の隔壁BAが形成される。この隔壁の高さは10数μm以下である。シート基板FBに形成された紫外線硬化樹脂の隔壁BAは、水銀ランプなどの紫外線ランプ444によって硬化される。
【0177】
表示素子に、発光層、正孔輸送層及び電子輸送層を形成する場合には、隔壁BAを高くする必要がある。インプリントローラ110による熱転写では、シート基板FBから押し出した隔壁BAをあまり高くすることができない。そのため、インプリントローラ110とは別に印刷ローラ440を設けている。
【0178】
印刷ローラ440の上流側には、アライメントカメラCA6を配置して、制御部104は、印刷ローラ440手前のシート基板FBの位置を把握している。そして、制御部104は、印刷ローラ440の回転制御を行い、シート基板FBに形成された薄膜トランジスタの位置に合わせて紫外線硬化樹脂を印刷する。
【0179】
紫外線硬化樹脂層とは紫外線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂を主たる成分と
する層をいう。紫外線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線を照射することによって硬化させて紫外線硬化樹脂層が形成される。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。中でも紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましい。なお、発光層の隔壁BA用であれば、ブラックマトリックスであることが好ましいこのため、紫外線硬化型アクリレート系樹脂にクロム等の金属や酸化物を導入しても良い。
【0180】
紫外線硬化樹脂の隔壁BAは、インプリントローラ110によってシート基板に形成された隔壁BAの上に重ねて形成しても良いし、インプリントローラ110では隔壁BAが形成されなかった領域に形成しても良い。その後の発光層形成工程は、実施例1で説明した工程と同じような構成で足りる。
【0181】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態を説明する。
本実施形態では、液晶表示素子の製造装置及び製造方法について説明する。液晶表示素子は、一般に偏向フィルタ、薄膜トランジスタを有するシート基板FB、液晶層、カラーフィルタ及び偏向フィルタから構成されている。このうち、薄膜トランジスタを有するシート基板FBは、図1の上段に描かれた基板処理部102又は図32の上段に描かれた製造装置410で製造することができることを説明した。
【0182】
本実施形態では、液晶の供給及びカラーフィルタCFの貼り合わせについて説明する。液晶表示素子には、液晶を供給する必要があり、液晶の封止壁を形成する必要がある。このため、図32の下段に描かれた印刷ローラ440は、本実施形態では、発光層用の隔壁BAではなく、液晶の封止壁用に使用される。
【0183】
図33は、液晶の供給及びカラーフィルタの貼り合わせを行う供給貼り合わせ装置420を示したものである。
【0184】
供給貼り合わせ装置420は、上流側低真空チャンバ82と下流側低真空チャンバ83とが設けられ、上流側低真空チャンバ82と下流側低真空チャンバ83との間に高真空チャンバ84が設けられている。これら低真空チャンバ82、83及び高真空チャンバ84は、ロータリーポンプ又はターボ分子ポンプ89で真空引きされる。
【0185】
上流側低真空チャンバ82には、カラーフィルタCFが供給されるようになっており、また、図32で示した印刷ローラ40を経て、液晶の封止壁が形成されたシート基板FBが供給される。なお、カラーフィルタCFのY軸方向の両側にもアライメントマークが形成されている。
【0186】
液晶の封止壁が形成されたシート基板FBは、まず、カラーフィルタCFと接着するための熱硬化性接着剤が接着剤ディスペンサー72から塗布される。そして、シート基板FBは上流側低真空チャンバ82を経て高真空チャンバ84に送られる。高真空チャンバ84では、液晶ディスペンサー74から液晶が塗布される。そして、カラーフィルタCFとシート基板FBとが熱転写ローラ76で接着される。
【0187】
シート基板FBのアライメントマークAMは、アライメントカメラCA11で撮像され、カラーフィルタCFのアライメントマークAMは、アライメントカメラCA12で撮像される。アライメントカメラCA11及びCA12で撮像された結果は、制御部104に送られ、X軸方向のずれ、Y軸方向のずれ及びθ回転が把握される。熱転写ローラ76は、制御部104から送られてくる位置信号に応じて回転速度を変えて、カラーフィルタCFとシート基板FBとの位置合わせを行いながら接着する。
【0188】
接着された液晶表示素子シートCFBは、下流低真空チャンバ83を経て、外部に送られる。なお、接着剤は熱硬化性接着剤で説明したが、紫外線硬化性の接着剤を使用してもよい。この場合には熱転写ローラ76ではなく紫外線ランプなどを使用する。
【0189】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態を説明する。
図34は、印刷ローラ40によるY軸方向のアライメントのための機構を説明した図である。印刷ローラの表面にメタルマスクが形成されている。制御部104からの信号により、X軸方向の位置合わせは、印刷ローラの回転速度で調整することができる。Y軸方向の位置合わせは、次の示す方法がある。
【0190】
図34(a)は、空圧又は油圧制御方式でローラ中央が膨らんだりへこんだりする印刷ローラ440pである。速度&アライメント制御部90からの信号で、空気又は油が供給されることにより、ローラ中央部と周辺部とのY軸方向の位置を変えることができる。
【0191】
図34(b)は、熱変形制御方式でローラ全体が拡大したり縮小したりする印刷ローラ440qである。速度&アライメント制御部90からの信号で、加熱又は冷却されることにより、ローラ全体のY軸方向の位置及びX軸方向の位置を変えることができる。
【0192】
図34(c)は、曲げ変形制御方式でローラ全体が曲がる印刷ローラ440rである。印刷ローラ440rは、小さな力で曲がるように円周方向にスリットが入っていることが好ましい。
【0193】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態では、基板用案内部材22a及び22bのみをエアパッド状に形成し、ガス供給ポート4の供給口41を開口部34側の基板用案内部材22a及び22bにのみ接続させる構成としたが、これに限られることは無く、例えば第2開口部35側の第2基板用案内部材37a及び37bについても同様の構成とすることができる。
【0194】
例えば図35に示すように、供給口41から第2基板用案内部材37a及び37bに対しての流路49を設けて、当該流路49を第2基板用案内部材37aに接続される第1流路49aと、第2基板用案内部材37bに接続される第2流路49bとに分岐させるようにすることができる。この場合、流路42に電磁バルブV1を設けると共に流路49に電磁バルブV2を設けて、開口部34と第2開口部35とで独立して開閉制御を行うことができるようにしても構わない。電磁バルブV1及びV2の制御は、例えば制御部104や情報処理部ICなどに行わせることができる。
【0195】
このように開口部34と第2開口部35とが独立して開閉されることにより、使用しない開口部が開いてしまうのを防ぐことができる。これにより、開口部からの埃などの異物の侵入を防ぐことができる。
【0196】
また、例えば、上述の基板処理装置や基板処理システムの一部にトラブルが発生した場合、当該トラブルの発生箇所を除去するようにシート基板FBを切断するようにしても構わない。これにより、シート基板FBの歩留まりの低下を防ぐことができる。また、本実施形態における基板カートリッジや基板処理システムでは、欠陥等によりシート基板FBを切断した場合でも、停電などによるラインダウン時の場合でも、シート基板FBの残長が分かるので、再稼動後の処理をすぐに行える。従って、本実施形態によれば、処理効率の向上や安全性の向上にもつながる。
【0197】
また、上記実施形態では、図1に示した電界効果型トランジスタを例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。図36(a)及び図36(b)は、上記実施形態とは異なる電界効果型トランジスタを示した断面図である。図1に示した電界効果型トランジスタ以外にも、例えば図36(a)に示す電界効果型トランジスタとしてボトムゲート型を製造することも可能である。シート基板FB上にゲート電極G、ゲート絶縁層I、有機半導体層OSを形成した後、ソース電極S、ドレイン電極Dを形成したものである。
【0198】
図36(b)は、トップゲート型の電界効果型トランジスタであり、シート基板FB上にソース電極S及びドレイン電極Dを形成した後、有機半導体層OSを形成し、更にその上にゲート絶縁層I、ゲート電極Gを形成したものである。
これらいずれの電界効果型トランジスタであっても、メタルインクなどの順番を変えた基板処理部102を使って対応することができる。
【0199】
また、上記実施形態では、開口部34及び第2開口部35がマウント部3の+X側端部に設けられた構成としたが、これに限られることは無く、例えばマウント部3とは異なる位置に設けられている構成としても構わない。また、第2開口部35を設けない構成としても構わない。
【0200】
また、上記実施形態では、基板カートリッジ1として、基板駆動機構24を備える構成とし、シート基板FBを巻き取って収容する構成としたが、これに限られることは無く、他の方法で収容する構成としても構わない。
【0201】
また、上記実施形態では、基板駆動機構24のローラ部26の表面に接着部26cを設ける構成としたが、これに限られることは無く、シート基板FBを保持可能な構成であれば、他の機構を用いても構わない。また、接着部26cはローラ部26の表面全体に設ける必要は無く、ローラ部26の表面の一部に設ける構成としても構わない。
【0202】
また、収容部20の内部に配置される搬送部21やガイド部27については、上記実施形態において例示した形態に限られず、他の配置としても構わない。
【0203】
また、上記実施形態においては、基板カートリッジ1の接続先である外部接続部が各基板処理部について1つだけ設けられている構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えばZ方向に複数の外部接続部を有する構成であっても構わない。この構成により、例えば基板カートリッジ1をZ方向に反転させた状態で取り付けることが可能となる。
【0204】
また、上記実施形態においては、当該外部接続部はZ方向に移動可能に設けられている構成であっても構わない。この場合、例えば基板カートリッジ1をZ方向に反転させた状態で取り付ける際に外部接続部をZ方向に移動させれば良いことになる。
【0205】
また、上記実施形態においては、開口部34の開閉を行う際にシート基板FBを挟みこむクランプ機構として、基板用案内部材22a及び22bを兼用させる構成としたが、これに限られることは無く、当該クランプ機構を基板用案内部材22a及び22bとは別に設ける構成としても構わない。
【符号の説明】
【0206】
FB…シート基板 PB…保護基板 SYS、SYS2…基板処理システム 1…基板カートリッジ 2…カートリッジ本体 3…マウント部 4…ガス供給ポート 20…収容部 21…搬送部 21a…テンションローラ 21b…測定ローラ 21c…検出部 22…基板案内部 22a、22b…基板用案内部材(クランプ機構)23…突出部 24…基板駆動機構 25…蓋部 26…ローラ部 26c…接着部 27…ガイド部 28…窓部 29…表示部 34…開口部 35…第2開口部 36…基板搬送部 37…基板案内部 41…供給口 42、43…流路 44a、44b…ガス噴出口 45…押圧部材 50…有機EL素子 51…係合部 100、202、300、310、320…基板処理装置 102A、302A、311A…供給側接続部 102B、302B、311B…回収側接続部 103、223、312…基板回収部 201…基板製造装置 203、303…中継装置 211…基板製造部 211A、222A…接続部 222、302、311、321…基板処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が出し入れされる開口部を有し、前記開口部を介した前記基板を収容するカートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に設けられ、外部接続部に対して着脱可能に接続されるマウント部と
を備え、
前記開口部は、前記マウント部と前記外部接続部との間の接続状態に応じて、前記基板によって閉塞可能に設けられている
基板カートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジ本体は、前記基板を挟むクランプ機構を前記開口部内に有し、
前記クランプ機構は、前記基板を挟んだ状態で前記開口部を閉塞する
請求項1に記載の基板カートリッジ。
【請求項3】
前記クランプ機構は、前記基板を挟む部分にガスを供給するガス噴出口を有する
請求項2に記載の基板カートリッジ。
【請求項4】
前記ガス噴出口は、前記クランプ機構と前記基板との間に隙間が生じるように前記ガスを噴出する
請求項3に記載の基板カートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジ本体は、前記マウント部と前記外部接続部との接続状態に応じて前記ガスの噴出及び非噴出を切り替える切替機構を有する
請求項3又は請求項4に記載の基板カートリッジ。
【請求項6】
前記開口部は、前記マウント部に設けられる
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジ。
【請求項7】
前記カートリッジ本体は、前記基板を巻き取る又は前記基板を送り出す巻取り送り出し機構を有する
請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジ本体は、前記開口部に接続され前記基板を収容する収容部を有し、
前記巻取り送り出し機構は、前記収容部に設けられる
請求項7に記載の基板カートリッジ。
【請求項9】
前記巻取り送り出し機構は、
回転可能に保持される軸部材と、
前記基板を前記軸部材へ案内する又は前記基板を前記開口部へ案内する第1の案内部材と、を有する
請求項7又は請求項8に記載の基板カートリッジ。
【請求項10】
前記軸部材は、前記基板を接着させる接着部を有する
請求項9に記載の基板カートリッジ。
【請求項11】
前記案内部材は、少なくとも前記軸部材の回転の径方向に移動可能に設けられる
請求項9又は請求項10に記載の基板カートリッジ。
【請求項12】
前記カートリッジ本体は、前記開口部と前記巻取り送り出し機構との間で前記基板を搬送する搬送機構を有する
請求項7から請求項11のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジ。
【請求項13】
前記搬送機構は、前記基板に張力を与えるテンション機構を有する
請求項12に記載の基板カートリッジ。
【請求項14】
前記搬送機構は、前記基板の搬送量を測定する測定部を有する
請求項12又は請求項13に記載の基板カートリッジ。
【請求項15】
前記搬送量に基づくデータを記憶させる記憶部を更に備える
請求項14に記載の基板カートリッジ。
【請求項16】
前記搬送量に基づくデータの通信を行う通信部を更に備える
請求項14又は請求項15に記載の基板カートリッジ。
【請求項17】
前記搬送量に基づくデータを表示する表示部を更に備える
請求項14から請求項16のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジ。
【請求項18】
前記カートリッジ本体は、前記開口部と前記搬送機構との間で前記基板を案内する基板用案内部材を有する
請求項12から請求項17のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジ。
【請求項19】
前記カートリッジ本体は、開閉可能に設けられた蓋部を有する
請求項1から請求項18のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジ。
【請求項20】
前記カートリッジ本体は、前記基板の収容状態を観察可能な窓部を有する
請求項1から請求項19のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジ。
【請求項21】
前記カートリッジ本体は、前記基板の表面を保護する保護基板を出し入れする第2開口部を有する
請求項1から請求項20のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジ。
【請求項22】
前記カートリッジ本体は、前記保護基板を前記基板に押圧させる押圧機構を有する
請求項21に記載の基板カートリッジ。
【請求項23】
前記カートリッジ本体は、前記第2開口部と前記押圧機構との間で前記保護基板を案内する保護基板用案内部材を有する
請求項22に記載の基板カートリッジ。
【請求項24】
前記基板は、前記カートリッジ本体に、少なくとも一部が互いに重なるように収容される
請求項1から請求項23のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジ。
【請求項25】
前記基板は、前記カートリッジ本体に、ロール状に収容される
請求項1から請求項24のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジ。
【請求項26】
基板を処理する基板処理部と、
請求項1から請求項25のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジと、
前記基板処理部に設けられ、前記基板カートリッジに接続される基板処理側接続部と
を備える基板処理装置。
【請求項27】
前記基板処理側接続部は、前記基板処理部における基板搬入側及び基板搬出側のうち少なくとも一方に設けられている
請求項26に記載の基板処理装置。
【請求項28】
前記基板処理側接続部は、移動可能に設けられている
請求項26又は請求項27に記載の基板処理装置。
【請求項29】
前記基板処理側接続部は、複数設けられている
請求項26から請求項28のうちいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項30】
前記基板処理部へ前記基板を供給する供給部及び前記基板処理部から前記基板を回収する回収部のうち少なくとも一方として、前記基板カートリッジを用いる
請求項26から請求項29のうちいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項31】
前記基板処理部は、前記基板上に表示素子を形成すること、及び、前記基板を搬送すること、のうち少なくとも一方を含む
請求項26から請求項30のうちいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項32】
基板に第1処理を行う第1処理装置と、
前記第1処理後の前記基板に第2処理を行う第2処理装置と、
前記第1処理装置から前記基板を回収し、回収した前記基板を前記第2処理装置へ供給する基板中継装置と
を備え、
前記基板中継装置として、請求項1から請求項25のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジを用いる
基板処理システム。
【請求項33】
前記第1処理は、前記基板に電気回路を形成する処理を含み、
前記第2処理は、前記基板に画素を形成する処理を含む
請求項32に記載の基板処理システム。
【請求項34】
前記第1処理装置と前記第2処理装置とのそれぞれの処理情報に応じて、前記基板中継装置を用いる
請求項32又は請求項33に記載の基板処理システム。
【請求項35】
少なくとも前記処理情報を管理するシステム制御部を備える
請求項34に記載の基板処理システム。
【請求項36】
基板を処理する基板処理装置、及び、前記基板処理装置に接続される請求項1から請求項25のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジを制御する主制御部を備える
制御装置。
【請求項37】
基板処理部において基板を処理する工程と、
請求項1から請求項25のうちいずれか一項に記載の基板カートリッジを用いて前記基板処理部に前記基板を供給する工程と、を有する
表示素子の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate


【公開番号】特開2011−84402(P2011−84402A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212270(P2010−212270)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】