基板処理方法、及び基板処理装置
【課題】不良デバイスの発生を抑制でき、デバイスの生産性の低下を抑制できる基板処理方法を提供する。
【解決手段】保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理方法は、保持部に搬送された基板の歪みに関する情報を検出することと、歪みに関する情報に基づいて、基板に対して第1処理と異なる第2処理の要否を判断することと、を含む。
【解決手段】保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理方法は、保持部に搬送された基板の歪みに関する情報を検出することと、歪みに関する情報に基づいて、基板に対して第1処理と異なる第2処理の要否を判断することと、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法、及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ等の電子デバイスの製造工程においては、例えば特許文献1に開示されているような露光装置等、各種の基板処理装置が使用される。基板処理装置は、基板を保持する保持部を有し、その保持部に基板を搬送して基板を処理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−100169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板が歪んだ状態で保持部に保持され、処理された場合、例えば基板に形成されるパターンが歪んでしまう可能性がある。その結果、不良デバイスが発生し、デバイスの生産性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制でき、デバイスの生産性の低下を抑制できる基板処理方法、及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従えば、保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理方法であって、保持部に搬送された基板の歪みに関する情報を検出することと、歪みに関する情報に基づいて、基板に対して第1処理と異なる第2処理の要否を判断することと、を含む基板処理方法が提供される。
【0007】
本発明の第2の態様に従えば、保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理装置であって、保持部に搬送された基板の歪みに関する情報を検出する検出装置と、歪みに関する情報に基づいて、基板に対して第1処理と異なる第2処理の要否を判断する制御装置と、を備える基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制でき、デバイスの生産性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る露光装置の一例を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る基板ステージの一部を示す側面図である。
【図4】第1実施形態に係る基板保持部の一例を示す平面図である。
【図5】第1実施形態に係る基板保持部の一部を拡大した側断面図である。
【図6】第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る基板ステージの一部を示す側面図である。
【図8】第1実施形態に係るトレイの一例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る投影領域と検出領域と基板との関係の一例を示す模式図である。
【図10】第1実施形態に係る検出装置の検出原理を説明するための模式図である。
【図11】第1実施形態に係る検出装置の検出原理を説明するための模式図である。
【図12】第1実施形態に係る検出装置の動作の一例を説明するための図である。
【図13】第1実施形態に係る検出装置の動作の一例を説明するための図である。
【図14】第1実施形態に係る検出装置の動作の一例を説明するための図である。
【図15】第1実施形態に係る基板処理方法の一例を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態に係る検出装置の一例を示す図である。
【図17】デバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0011】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る基板処理装置の一例を示す概略構成図、図2は、斜視図である。本実施形態においては、基板処理装置が、露光光ELで基板Pを露光する露光装置EXである場合を例にして説明する。
【0012】
図1及び図2において、露光装置EXは、マスクMを保持可能なマスク保持部19を有し、そのマスク保持部19でマスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持可能な基板保持部21を有し、その基板保持部21で基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板保持部21に基板Pを搬送する搬送装置7と、マスクステージ1を移動する駆動システム3と、基板ステージ2を移動する駆動システム4と、マスクMを露光光ELで照明する照明システムISと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影システムPSと、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置を計測する干渉計システム6と、基板Pの表面の位置を検出する検出システム8と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置5とを備えている。
【0013】
また、露光装置EXは、基板保持部21に搬送された基板Pの歪みに関する情報を検出する検出装置50を備えている。本実施形態において、検出装置50の少なくとも一部は、基板保持部21に配置されている。
【0014】
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。基板Pは、例えばガラスプレート等の基材と、その基材上に形成された感光膜(塗布された感光材)とを含む。本実施形態において、基板Pは、大型のガラスプレートを含み、その基板Pの一辺のサイズは、例えば500mm以上である。本実施形態においては、基板Pの基材として、一辺が約3000mmの矩形のガラスプレートを用いる。
【0015】
また、露光装置EXは、ボディ13を備えている。ボディ13は、例えばクリーンルーム内の支持面(例えば床面)FL上に防振台BLを介して配置されたベースプレート10と、ベースプレート10上に配置された第1コラム11と、第1コラム11上に配置された第2コラム12とを有する。本実施形態において、ボディ13は、投影システムPS、マスクステージ1、及び基板ステージ2のそれぞれを支持する。本実施形態において、投影システムPSは、定盤14を介して、第1コラム11に支持される。マスクステージ1は、第2コラム12に対して移動可能に支持される。基板ステージ2は、ベースプレート10に対して移動可能に支持される。
【0016】
本実施形態において、投影システムPSは、複数の投影光学系PLを有する。照明システムISは、複数の投影光学系PLに対応する複数の照明モジュールILを有する。また、本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しながら、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、所謂、マルチレンズ型スキャン露光装置である。
【0017】
照明システムISは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射可能である。照明領域IRは、各照明モジュールから射出される露光光ELが照射される位置を含む。照明システムISは、異なる複数の照明領域IRのそれぞれを露光光ELで照明する。照明システムISは、マスクMのうち照明領域IRに配置された部分を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。本実施形態においては、照明システムISから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプ17から射出される輝線(g線、h線、i線)を用いる。
【0018】
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRに対して移動可能である。マスクステージ1は、マスクMの下面(パターン形成面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。駆動システム3は、例えばリニアモータを含み、第2コラム12のガイド面12G上においてマスクステージ1を移動可能である。本実施形態において、マスクステージ1は、駆動システム3の作動により、マスクMを保持した状態で、ガイド面12G上を、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
【0019】
投影システムPSは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射可能である。投影領域PRは、各投影光学系PLから射出される露光光ELが照射される位置を含む。本実施形態において、投影システムPSは、異なる複数の投影領域PRのそれぞれにマスクMのパターンの像を投影する。投影システムPSは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。
【0020】
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、投影領域PRに対して移動可能である。基板ステージ2は、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。駆動システム4は、例えばリニアモータを含み、ベースプレート10のガイド面10G上において基板ステージ2を移動可能である。本実施形態において、基板ステージ2は、駆動システム4の作動により、基板Pを保持した状態で、ガイド面10G上を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
【0021】
干渉計システム6は、マスクステージ1の位置を計測するレーザ干渉計ユニット6Aと、基板ステージ2の位置を計測するレーザ干渉計ユニット6Bとを有する。レーザ干渉計ユニット6Aは、マスクステージ1に配置された計測ミラー1Rを用いて、マスクステージ1の位置を計測可能である。レーザ干渉計ユニット6Bは、基板ステージ2に配置された計測ミラー2Rを用いて、基板ステージ2の位置を計測可能である。本実施形態において、干渉計システム6は、レーザ干渉計ユニット6A,6Bを用いて、X軸、Y軸、及びθX方向に関するマスクステージ1及び基板ステージ2それぞれの位置を計測可能である。
【0022】
図3は、本実施形態に係る基板ステージ2の一部を示す側面図、図4は、基板ステージ2の一部を上方から見た平面図、図5は、基板ステージ2の一部を拡大した側断面図である。なお、図3及び図4は、基板Pが保持されていない状態を示し、図5は、基板Pが保持されている状態を示す。
【0023】
図3、図4、及び図5において、基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部21と、支持部23を介して基板保持部21を支持するテーブル22とを有する。支持部23は、ロッド状の部材である。支持部23は、テーブル22上に複数配置されている。基板保持部21は、基板Pが載置される載置面20を有する。載置面20の少なくとも一部は、XY平面とほぼ平行である。基板保持部21は、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。本実施形態において、基板保持部21の外形(XY平面内における大きさ及び形状)と、基板Pの外形(XY平面内における大きさ及び形状)とは、ほぼ同じである。また、基板保持部21は、載置面20の間に溝24を有する。溝24は、格子状に形成されている。
【0024】
本実施形態において、基板保持部21は、真空吸着機構30を含み、基板Pをリリース可能に保持する。真空吸着機構30は、載置面20に形成され、気体を吸引可能な吸引口31と、流路32を介して吸引口31に接続された吸引装置33とを備えている。流路32の少なくとも一部は、基板保持部21に配置されている。本実施形態において、流路32の少なくとも一部は、基板保持部21の内部に形成されている。吸引装置33は、例えば真空システムを含み、吸引口31の周囲の気体の少なくとも一部を吸引可能である。
【0025】
真空吸着機構30は、所謂、ピンチャック機構を含む。ピンチャック機構は、基板保持部21に設けられた周壁部(リム部)と、周壁部の内側に配置された複数のピン部とを含む。吸引口31は、周壁部の内側に配置される。本実施形態において、載置面20は、周壁部の上面、及びピン部の上面を含む。
【0026】
吸引口31は、流路32の上端に配置されている。載置面20の少なくとも一部は、吸引口31の周囲に配置されている。吸引装置33は、基板保持部21と基板Pとの間の気体の少なくとも一部を、吸引口31及び流路32を介して吸引可能である。
【0027】
吸引装置33は、基板保持部21と基板Pとの間の気体の少なくとも一部を吸引して、基板保持部21(載置面20)に基板Pを吸着させる。制御装置5は、基板Pが基板保持部21の少なくとも一部に接触された状態で、吸引装置33による吸引動作を実行することによって、基板Pを基板保持部21に吸着させる。
【0028】
本実施形態において、吸引口31及び流路32は、基板保持部21において複数箇所に配置されている。
【0029】
本実施形態において、露光装置EXは、流路32の気体の圧力(気圧)を検出可能な圧力センサ36を備えている。圧力センサ36は、複数の流路32(吸引口31)に対応して、複数配置されている。
【0030】
本実施形態において、検出装置50は、圧力センサ36を含む。検出装置50は、圧力センサ36を用いて、流路32の気圧に関する情報を検出可能である。本実施形態において、基板Pの歪みに関する情報の検出は、流路32の気圧に関する情報の検出を含む。検出装置50は、圧力センサ36を用いて検出した流路32の気圧に関する情報に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出する。
【0031】
図6は、基板保持部21に基板Pを搬送している状態の一例を示す図、図7は、基板保持部21に搬送された基板Pがその基板保持部21に保持されている状態の一例を示す図である。
【0032】
制御装置5は、搬送装置7を用いて基板Pを基板保持部21に搬送する。本実施形態において、基板Pは、例えば特開2001−100169号公報に開示されているように、トレイTPに支持されて搬送される。搬送装置7は、トレイTPを搬送可能である。搬送装置7は、基板Pを支持したトレイTPを支持して搬送可能である。
【0033】
本実施形態において、基板保持部21に対して基板Pを搬送する処理は、基板受け渡し位置(基板交換位置)において実行される。基板受け渡し位置は、投影システムPSから射出される露光光ELが照射可能な位置(露光位置)と異なる。基板保持部21に対して基板Pを搬送する際、制御装置5は、基板ステージ2を基板受け渡し位置に移動する。搬送装置7は、その基板受け渡し位置に移動された基板ステージ2の基板保持部21に基板Pを搬送する。基板受け渡し位置において基板Pが基板保持部21に保持された後、制御装置5は、その基板保持部21で基板Pを保持した基板ステージ2を露光位置に移動して、基板Pを露光することができる。
【0034】
図8は、基板Pを支持するトレイTPの一例を示す平面図である。図8に示すように、トレイTPは、複数のロッド部材40を組み合わせた構造を有する。トレイTPは、フレーム構造を有し、複数の開口41を有する。トレイTPは、基板Pの裏面と対向可能な支持面42を有する。基板Pの少なくとも一部は、トレイTPの支持面42に支持される。
【0035】
図5等に示すように、トレイTPの少なくとも一部は、基板保持部21に形成された溝24に配置される。載置面20は、開口41の内側に配置される。
【0036】
図6に示すように、基板保持部21に基板Pを搬送(搬入、ロード)するとき、搬送装置7は、基板Pを支持したトレイTPを搬送する。制御装置5は、基板保持部21と、基板Pを支持したトレイTPとが対向するように、基板ステージ2及び搬送装置7の少なくとも一方の位置を調整する。制御装置5は、トレイTPが基板保持部21の溝24に配置されるように、基板保持部21とトレイTPとの位置関係を調整しつつ、基板保持部21と基板Pを支持したトレイTPとが接近するように、搬送装置7を制御する。トレイTPを支持した搬送装置7が基板保持部21に接近するように下降することによって、トレイTPが基板保持部21の溝24に配置されるとともに、基板Pの裏面が基板保持部21の載置面20と接触する。トレイTPが溝24に配置された状態において、トレイTPの支持面42は、載置面20より下方に配置される。トレイTPが下降し、溝24に配置されることによって、トレイTPの支持面42に支持されていた基板Pは、支持面42から離れ、載置面20に載置される。基板Pは、基板Pの少なくとも一部が吸引口31と対向するように、載置面20に載置される。基板Pが載置面20に載置された後、制御装置5は、真空吸着機構30の吸引装置33を作動する。吸引装置33が作動されることによって、基板保持部21と、その基板保持部21に対向するように配置された基板Pとの間の気体の少なくとも一部が、流路32を介して吸引される。これにより、図7に示すように、トレイTPの少なくとも一部が溝24に配置された状態で、基板Pが載置面20に吸着され、保持される。
【0037】
図9は、投影システムPSの投影領域と、検出システム8の検出領域と、基板Pとの関係の一例を示す模式図である。
【0038】
本実施形態において、投影システムPSは、7つの投影領域PR1〜PR7に露光光ELを照射する。本実施形態において、投影領域PR1〜PR7のそれぞれは、XY平面内において台形である。本実施形態において、投影領域PR1、PR3、PR5、PR7、が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置され、投影領域PR2、PR4、PR6、が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置されている。投影領域PR1、PR3、PR5、PR7は、投影領域PR2、PR4、PR6に対して−X側に配置されている。また、Y軸方向に関して、投影領域PR1、PR3、PR5、PR7の間に、投影領域PR2、PR4、PR6が配置される。
【0039】
本実施形態において、検出システム8は、複数の検出領域を有する。本実施形態において、検出システム8は、7つの検出領域PZ1〜PZ7を有する。検出システム8は、その検出領域PZ1〜PZ7に配置された基板Pの表面のZ軸方向の位置(面位置)を検出する。検出システム8は、所謂、斜入射方式の多点フォーカス・レベリング検出システムであり、基板保持部21に保持された基板Pの表面と対向配置される複数の光センサを有する。光センサは、載置面20に保持された基板Pの表面に検出光を照射して、基板Pの表面の位置を検出する。光センサのそれぞれは、検出領域PZ1〜PZ7に検出光を照射する投射部と、検出領域PZ1〜PZ7に配置された基板Pの表面からの検出光を受光可能な受光部とを有する。
【0040】
本実施形態において、検出領域PZ1、PZ3、PZ5、PZ7が、投影領域PR1〜PR7に対して−X側に離れて配置され、検出領域PZ2、PZ4、PZ6が、投影領域PR1〜PR7に対して+X側に離れて配置される。また、検出領域PZ1、PZ3、PZ5、PZ7が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置され、検出領域PZ2、PZ4、PZ6が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置される。また、Y軸方向に関して、検出領域PZ1、PZ3、PZ5、PZ7の間に、検出領域PZ2、PZ4、PZ6が配置される。
【0041】
制御装置5は、基板ステージ2をX軸方向に移動して、検出領域PZ1〜PZ7に対して基板ステージ2(基板保持部21)に保持された基板Pの表面をX軸方向に移動して、検出領域PZ1〜PZ7に、基板Pの表面に設定された複数の検出点を配置して、それら複数の検出点のZ軸方向の位置を検出可能である。制御装置5は、第2検出システム8から出力される、複数の検出点のそれぞれで検出された基板Pの表面のZ軸方向の位置に基づいて、基板Pの表面のZ軸、θX、及びθY方向に関する位置(マップデータ)を取得可能である。
【0042】
次に、検出装置50の動作の一例について説明する。検出装置50は、圧力センサ36が検出した流路32の気圧に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出する。
【0043】
以下、図10及び図11の模式図を参照して、検出装置50の検出原理について説明する。図10は、基板保持部21に保持された基板Pの歪みが発生していない状態の一例を示す模式図、図11は、基板保持部21に保持された基板Pの歪みが発生している状態の一例を示す模式図である。以下の説明において、基板Pの歪みが発生していない状態を適宜、理想状態、と称し、基板Pの歪みが発生している状態を適宜、歪み状態、と称する。
【0044】
なお、上述のように、本実施形態において、基板保持部21は、周壁部とピン部とを有するピンチャック機構を含む。図5、図10、及び図11においては、図面を見やすくするため、周壁部及びピン部の記載を省略し、載置面20が平坦であることとする。
【0045】
図10に示すように、基板Pが理想状態の場合、載置面20に形成されている複数の吸引口31のそれぞれと、基板Pの裏面との位置関係は、均一となる。
【0046】
一方、図11に示すように、基板Pが歪み状態の場合、載置面20に形成されている複数の吸引口31のそれぞれと、基板Pの裏面との位置関係は、不均一となる。
【0047】
本実施形態においては、基板Pを載置面20に吸着させる際、複数の流路32のそれぞれに対する気体の吸引動作が同時に開始される。すなわち、基板Pが載置面20に載置されて(接触して)、複数の吸引口31と基板Pとが対向した後、複数の流路32のそれぞれに対する気体の吸引動作が同時に開始される。
【0048】
また、複数の流路32のそれぞれに対する吸引装置33による気体の吸引力(複数の流路32のそれぞれから吸引する単位時間当たりの気体吸引量)は、等しい。
【0049】
したがって、図10に示すように、複数の吸引口31のそれぞれと基板Pとの位置関係が均一である場合、吸引動作を開始してからの複数の流路32のそれぞれの気圧の変化の状態は等しい。
【0050】
一方、図11に示すように、複数の吸引口31のそれぞれと基板Pとの位置関係が不均一である場合、吸引動作を開始してからの複数の流路32のそれぞれの気圧の変化の状態は、異なる。
【0051】
例えば、図11に示すように、基板Pの一部に歪みが発生している場合、複数の吸引口31のうち、基板Pの歪みが発生している歪み発生領域AEと対向する吸引口31Eに接続された流路32Eの気圧の変化の状態は、基板Pの歪みが発生してない非歪み発生領域ARと対向する吸引口31Rに接続された流路32Rの気圧の変化の状態と異なる。例えば、吸引装置33が吸引を開始してから流路32Eの気圧が所定値に達するまでの経過時間は、流路32Rの気圧が所定値に達するまでの経過時間よりも長くなる可能性がある。あるいは、流路32Rの気圧は所定値に達するものの、流路32Eの圧力は所定値に達しない可能性がある。
【0052】
また、吸引装置33の吸引中における所定時点の流路32Eの気圧と、流路32Rの気圧とが異なる可能性もある。
【0053】
また、吸引装置33の吸引中における流路32Eの気圧の変化の状態と、流路32Rの気圧の変化の状態とが異なる可能性もある。
【0054】
また、吸引装置33の吸引において検出される流路32Eの気圧の最小値と、流路32Rの気圧の最小値とが異なる可能性もある。
【0055】
したがって、検出装置50は、流路32の気圧を検出可能な圧力センサ36の検出結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。
【0056】
次に、検出装置50を用いる検出動作の一例について、図12〜図14を参照して説明する。
【0057】
本実施形態においては、検出装置50は、複数の流路32それぞれの気圧に関する情報を、それら複数の流路32に対応して配置されている複数の圧力センサ36を用いて検出し、それら複数の流路32それぞれの気圧に関する情報に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出する。
【0058】
本実施形態においては、検出装置50は、基板Pにおける歪み発生領域AEを特定することができる。本実施形態においては、例えば図12に示すように、基板Pを複数のエリア(第1エリアPA1〜第10エリアPA10)に分けた場合において、検出装置50は、第1〜第10エリアPA1〜PA10に対応する複数の流路32それぞれの気圧に関する情報を、それら複数の流路32に対応して配置されている複数の圧力センサ36を用いて検出し、それら複数の流路32それぞれの気圧に関する情報に基づいて、基板Pにおける歪み発生領域AEを特定することができる。すなわち、制御装置5は、基板Pの第1〜第10エリアPA1〜PA10のうち、どのエリアに歪みが発生しているかを特定することができる。
【0059】
図13及び図14は、第1〜第10エリアPA1〜PA10のそれぞれに対応する流路32に配置されている圧力センサ36の出力値の一例を示すグラフである。図13及び図14において、横軸は、吸引装置33が吸引動作を開始してからの経過時間、縦軸は、圧力センサ36の検出値を示す。
【0060】
以下の説明において、基板Pの第1エリアPA1に対応する流路32を適宜、第1流路32A、と称し、その第1流路32Aの気圧を検出する圧力センサ36を適宜、第1圧力センサ36A、と称する。同様に、基板Pの第2〜第10エリアPA2〜PA10のそれぞれに対応する流路32のそれぞれを適宜、第2〜第10流路32B〜32J、と称し、それら第2〜第10流路32B〜32Jのそれぞれの気圧を検出する圧力センサ36のそれぞれを適宜、第2〜第10圧力センサ36B〜36J、と称する。
【0061】
なお、基板Pの第1エリアPA1に対応する第1流路32Aとは、その第1エリアPA1に対向する吸引口31に接続された流路32をいう。同様に、第2エリアPA2〜第10エリアPA10のそれぞれに対応する第2〜第10流路32B〜32Jとは、それら第2〜第10エリアPA2〜PA10に対向する吸引口31に接続された流路32をいう。
【0062】
本実施形態においては、基板Pを載置面20に吸着させる際、第1〜第10流路32A〜32Jのそれぞれに対する吸引装置33による気体の吸引動作が同時に開始される。第1〜第10流路32A〜32Jのそれぞれに対する吸引装置33による気体の吸引力(第1〜第10流路32A〜32Jのそれぞれから吸引する単位時間当たりの気体吸引量)は、等しい。
【0063】
図13は、基板Pが理想状態(歪みが発生していない状態)における第1、第2、第3、第5、第6圧力センサ36A、36B、36C、36E、36Fの検出値を示す。
【0064】
上述のように、基板Pが理想状態の場合、載置面20に形成されている複数の吸引口31のそれぞれと、基板Pの裏面との位置関係は、均一となる。したがって、図13に示すように、吸引装置33の吸引動作を開始してからの、その吸引中の流路32A、32B、32C、32E、36Eのそれぞれの気圧の変化の状態は、ほぼ等しい。
【0065】
本実施形態においては、流路32(32A〜36J)の気圧に関する基準情報が予め求められており、制御装置5に記憶されている。本実施形態において、基準情報は、理想状態の基板Pが基板保持部21に吸着された流路32の気圧に関する情報(気圧の変化の状態)を含む。以下の説明において、気圧の変化の状態を適宜、圧力プロファイル、と称する。基準情報は、基準圧力プロファイルを含む。
【0066】
制御装置5は、その基準圧力プロファイルと、第1、第2、第3、第5、第6圧力センサ36A、36B、36C、36E、36Fを用いて検出された第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの気圧に関する情報(圧力プロファイル)とに基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出する。
【0067】
図13において、ラインLrは、基準圧力プロファイル(基準情報)を示す。本実施形態においては、その基準圧力プロファイルLrと、第1、第2、第3、第5、第6圧力センサ36A、36B,36C,36E、32Fを用いて検出された第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの圧力プロファイルとは、ほぼ一致する。したがって、制御装置5は、その基準圧力プロファイルLrと、第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの圧力プロファイルとに基づいて、基板Pが理想状態であると判断することができる。
【0068】
図14は、基板Pが歪み状態(歪みが発生している状態)における第1、第2、第3、第5、第6圧力センサ36A、36B、36C、36E、36Fの検出値を示す。基板Pが歪み状態の場合、載置面20に形成されている複数の吸引口31のそれぞれと、基板Pの裏面との位置関係は、不均一となる。したがって、図14に示すように、吸引装置33の吸引動作を開始してからの複数の流路32のそれぞれの気圧の変化の状態(圧力プロファイル)は、異なる。
【0069】
制御装置5は、上述の基準情報(基準圧力プロファイルLr)と、第1、第2、第3、第5、第6圧力センサ36A、36B、36C、36E、36Fを用いて検出された第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの圧力プロファイル(気圧に関する情報)とに基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出する。本実施形態においては、その基準圧力プロファイルLrと、第3、第5、第6流路32C、32E、32Fの圧力プロファイルとはほぼ一致するものの、基準圧力プロファイルLrと、第1、第2流路32A、32Bの圧力プロファイルとは一致しない。したがって、制御装置5は、その基準圧力プロファイルLrと、第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの圧力プロファイルとに基づいて、基板Pが歪み状態であると判断することができる。
【0070】
また、制御装置5は、基準情報と、第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの気圧の検出結果とに基づいて、基板Pにおける歪み発生領域AEを検出することができる。すなわち、制御装置5は、基準情報と、第1、第2流路32A,32Bの気圧に関する情報とに基づいて、第1、第2流路32A,32Bに対応する第1、第2エリアPA1,PA2が歪み発生領域AEを含んでいると判断することができる。
【0071】
なお、ここでは、流路32の気圧に関する基準情報(基準圧力プロファイルLr)と、圧力センサ36を用いて検出された流路32の気圧に関する情報(圧力プロファイル)とに基づいて、基板Pの歪みに関する情報が検出されることとしたが、例えば、吸引装置33による吸引を開始してから、流路32の気圧が所定値Prに達するまでの経過時間Tを検出し、その検出結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することも可能である。例えば、図14に示すグラフにおいて、吸引装置33による吸引を開始してから、第1流路32Aの気圧が所定値Prに達するまでの経過時間T1と、第3流路32Cの気圧が所定値Prに達するまでの経過時間T3とは、異なる。制御装置5は、その経過時間T1,T3を検出し、その検出した結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。図14に示す例では、制御装置5は、経過時間T3に対して経過時間T1が長いので、第1流路32Aに対応する基板Pの第1エリアA1が歪み発生領域AEを含んでいると判断することができる。
【0072】
また、制御装置5は、吸引装置33による吸引中における所定時点Trの流路32の気圧を検出し、その検出結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することもできる。例えば、図14に示すグラフにおいて、吸引装置33による吸引中の所定時点Trにおける、第1流路32A1の気圧P1と、第3流路32Cの気圧P3とは、異なる。制御装置5は、その気圧P1,P3を検出し、その検出した結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。図14に示す例では、制御装置5は、気圧P3に対して気圧P1が高いので、第1流路32Aに対応する基板Pの第1エリアA1が歪み発生領域AEを含んでいると判断することができる。
【0073】
また、制御装置5は、吸引装置33による吸引において圧力センサ36によって検出される流路32の気圧の最小値を検出し、その検出結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することもできる。例えば、基板Pが理想状態の場合、吸引装置33による吸引動作を継続することによって、流路32の気圧は、第1値まで低下し、その第1値以下に低下しない状態(飽和状態)となる。一方、基板Pが歪み状態の場合、吸引装置33による吸引動作を継続しているにもかかわらず、基板Pの歪み発生領域AEに対応する流路32の気圧は、第1値よりも高い第2値までしか低下せず、その第2値以下に低下しない状態(飽和状態)となる。例えば、第1流路32Aの気圧が第2値以下に低下せず、第3流路32Cの気圧が第1値まで低下する場合、制御装置5は、その吸引装置33による吸引において第1、第3圧力センサ36A,36Cによって検出される第1、第3流路32A,32Cの気圧の最小値(第1値、第2値)を検出し、その検出した結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。
【0074】
また、制御装置5は、複数の流路32A〜32Jのうち、例えば第1流路32Aの気圧と、第3流路32Cの気圧との差分を検出し、その検出した結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することもできる。すなわち、複数の流路の32A〜32Jの気圧を比較し、異常値を示す流路が存在する場合、その異常値を示す流路に対応する基板Pのエリアが歪み発生領域AEを含んでいると判断することができる。例えば、上述の基準圧力プロファイルLr、所定値Prに達するまでの経過時間、所定時点での気圧、及び吸引において検出される気圧の最小値等を求めることなく、複数の流路32の気圧を比較することによって、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。
【0075】
次に、上述の構成を有する露光装置EXの動作の一例について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
【0076】
本実施形態においては、基板保持部21に搬送された基板Pに対して第1手順に対応した第1処理が実行される。本実施形態において、第1処理は、露光処理についての通常シーケンスに対応した処理を含む。本実施形態において、第1処理は、感光膜が形成され、基板保持部21に搬送(搬入)されてその基板保持部21に保持された基板Pを露光する処理(ステップS5)と、露光された基板Pを基板保持部21から搬送(搬出)する処理(ステップS6)とを含む。
【0077】
また、本実施形態においては、基板保持部21に搬送された基板Pの歪みに関する情報を検出する処理(ステップS3)が実行され、その歪みに関する情報に基づいて、基板Pに対して第1処理と異なる第2処理の要否を判断する処理が実行される(ステップS8)。また、その要否の判断結果に基づいて、基板Pに対して第2処理が実行される(ステップS9)。
【0078】
例えばコーティング装置、成膜装置等、所定の外部装置において、基板P上に感光膜が形成される(ステップS1)。感光膜が形成された基板Pは、露光装置EXに搬送される。露光装置EXに搬送された基板Pは、トレイTPに支持されて、搬送装置7によって、基板保持部21に搬送(搬入)される(ステップS2)。
【0079】
制御装置5は、検出装置50を用いて、基板保持部21に搬送された基板Pの歪みに関する情報を検出する(ステップS3)。
【0080】
制御装置5は、検出装置50の検出結果に基づいて、基板Pに歪みが発生しているか否かを判断する(ステップA4)。
【0081】
ステップS4において、基板Pに歪みが発生していないと判断された場合、制御装置5は、その基板保持部21に保持されている基板Pの露光を開始する(ステップS5)。露光後の基板Pは、搬送装置7によって、基板保持部21から搬出される(ステップS6)。基板保持部21から搬出された基板Pは、例えば現像装置等、所定の外部装置に搬送される。その基板Pは、外部装置において、ポストベーク処理、現像処理等、所定のプロセス処理(後処理)を実行される(ステップS7)。
【0082】
ステップS4において、基板Pに歪みが発生していると判断された場合、制御装置5は、その基板Pに対して第2処理の要否を判断する(ステップS8)。
【0083】
本実施形態においては、基板Pの歪みレベル(歪みの大きさ、歪み発生領域の数、及び歪み発生領域の大きさ等)が許容レベルである場合と判断された場合、制御装置5は、第2処理は不要であると判断し、基板Pの露光処理を開始する(ステップS5)。一方、基板Pの歪みレベルが許容レベルでないと判断された場合、制御装置5は、第2処理が必要であると判断する。
【0084】
第2処理が必要であると判断された場合、制御装置5は、基板Pに対して第2処理を実行する(ステップS9)。
【0085】
第2処理は、検出された歪み情報に基づいて、基板Pの歪みを補正する補正処理を含む。
【0086】
本実施形態において、第2処理は、基板保持部21に載置された基板Pを再載置する処理、所謂、リロード処理を含む。すなわち、制御装置5は、基板Pを基板保持部21の載置面20に載置して、吸引装置33を作動して、基板Pの歪みに関する情報を検出し、第2処理が必要であると判断した後、吸引装置33による吸引動作を解除する。その後、制御装置5は、搬送装置7を用いて、基板Pを基板保持部21の載置面20から離す。本実施形態においては、搬送装置7は、トレイTPを支持して、トレイTPを上昇させて、その上昇させたトレイTPで基板Pを支持して、基板Pを基板保持部21の載置面20から離す。制御装置5は、搬送装置7を用いて、基板保持部21から基板Pを離した後、その基板Pを、再度、載置面20に載置する。
【0087】
これにより、基板Pに歪みが発生していても、その歪みが補正(矯正)される。例えば、基板Pを載置面20から離すことによって、基板Pと基板保持部21との間の空間の圧力(気圧)が変化し、その気圧の変化によって、基板Pの歪みを補正することができる。
【0088】
また、制御装置5は、第2処理として、基板Pと基板保持部21とを対向させた状態で、基板Pと基板保持部21とを相対的に移動する処理を実行可能である。例えば、制御装置5は、搬送装置7を用いて、基板保持部21の載置面20から基板Pを離した後、基板Pと基板保持部21とを対向させた状態で、載置面20(基板Pの表面)とほぼ垂直なZ軸方向に関して、基板Pを移動する。例えば、制御装置5は、搬送装置7を用いて、基板Pと基板保持部21とを対向させた状態で、基板Pを上下方向に往復移動させる。これにより、基板Pと基板保持部21との間の空間の気圧が変化し、その気圧の変化によって、基板Pの歪みを補正することができる。
【0089】
また、制御装置5は、その基板Pの上下方向への移動において、基板Pの移動速度を変化させることによって、基板Pの歪みをより効果的に補正することができる。例えば、基板Pと基板保持部21とを対向させた状態で、基板Pを上下方向に移動する際、基板Pを加速する加速区間を複数設けたり、減速させる減速区間を複数設けることによって、基板Pと基板保持部21との間の空間の圧力を変化させることができる。これにより、基板Pの歪みを効果的に補正することができる。
【0090】
なお、制御装置5は、搬送装置7を用いて、基板Pを上下方向に移動して、基板Pと基板保持部21とを相対的に移動させてもよいし、駆動システム4を制御して、基板保持部21を上下方向に移動させてもよいし、基板Pと基板保持部21との両方を移動させてもよい。
【0091】
また、制御装置5は、基板Pの上下方向への移動の少なくとも一部において、基板Pを振動させてもよい。例えば、トレイTPを介して基板Pを支持している搬送装置7をXY平面内において微振動させてもよいし、Z軸方向に微振動させてもよい。こうすることによっても、基板Pの歪みを補正することができる。また、例えばトレイTPに、圧電素子等を含む超音波発生装置を設け、その超音波発生装置を作動して、トレイTPを介して基板Pに振動を付与してもよい。
【0092】
また、制御装置5は、第2処理として、基板Pに気体を給気する給気処理を実行することができる。例えば、制御装置5は、基板保持部21に設けられた吸引口31から気体を吹き出して、基板保持部21と対向する基板Pに給気することによって、その気体の力によって、基板Pの歪みを補正することができる。また、基板保持部21に、吸引口31とは別の専用の給気口を設けてもよい。その給気口から、基板Pに給気することによって、基板Pの歪みを補正することができる。
【0093】
基板Pに対する給気処理は、基板Pと載置面20とが接触された状態で実行してもよいし、基板Pと基板保持部21とを間隙を介して対向させた状態で実行してもよい。例えば、基板Pを載置面20に載せた状態で、吸引口31(又は専用の給気口)から、基板Pの裏面に気体を供給することによって、その基板Pの歪みを補正することができる。また、基板Pと基板保持部21とが間隙を介して対向するように、搬送装置7を用いて基板Pを支持した状態で、吸引口31又は専用の給気口から、基板Pの裏面に気体を供給してもよい。
【0094】
また、制御装置5は、歪みに関する情報に基づいて、基板Pに対する給気条件を制御することができる。給気条件は、基板Pに対する給気位置を含む。例えば、基板Pの第1エリアPA1が歪み発生領域AEを含んでいると判断された場合、制御装置5は、その第1エリアPA1に対向する吸引口31(又は専用の給気口)から、その第1エリアPA1に給気してもよい。あるいは、基板Pの第1エリアPA1が歪み発生領域AEを含んでいると判断された場合、制御装置5は、第1エリアPA1の周囲のエリア(例えば第2、第4、第5エリアPA2、PA4、PA5等)に対向する吸引口31(又は専用の給気口)から、その周囲のエリアに気体を給気してもよい。
【0095】
また、給気条件は、基板Pに対して供給する気体の流速、及び給気時間の少なくとも一方を含む。例えば、基板Pの歪みが小さいと判断された場合、制御装置5は、基板Pに対して供給する気体の流速を遅くしたり、給気時間を短くしたりすることができる。また、基板Pの歪みが大きいと判断された場合、制御装置5は、基板Pに対して供給する気体の流速を速くしたり、給気時間を長くしたりすることができる。
【0096】
第2処理が終了した後、検出装置50を用いて、基板Pの歪みに関する情報を検出することによって、制御装置5は、基板Pの歪みが補正されたか否かを確認することができる(ステップS3)。そして、基板Pの歪みが補正されたことが確認された後、基板Pの露光が実行されることによって、基板Pを良好に露光することができる。なお、第2処理が終了した後、検出装置50を用いる検出処理を実行せずに、基板Pの露光処理に移行してもよい。
【0097】
上述したように、制御装置5は、複数種類の補正処理を実行可能である。制御装置5は、歪みに関する情報に基づいて、複数種類の補正処理のうち、所定の補正処理を選択し、その所定の補正処理を実行することができる。例えば、基板Pの歪みが小さいと判断された場合、制御装置5は、例えば基板Pのリロード処理を実行する。一方、基板Pの歪みが大きいと判断された場合、制御装置5は、基板Pに対する給気処理を実行したり、基板Pと基板保持部21とを相対的に移動する処理を実行したり、給気する処理と相対的に移動する処理とを組み合わせて実行したりすることができる。
【0098】
また、第2処理は、基板Pの歪みを補正する補正処理のみならず、例えば、基板Pを製造ラインから排除する処理、及び基板Pを再生する処理の少なくとも一方も含む。例えば、補正処理の実行後においても、基板Pの歪みを補正できなかったり、第2処理の実行前に、検出装置50を用いる検出によって基板Pの歪みが許容レベルをはるかに超えていると判断されたりした場合、制御装置5は、第2処理として、基板Pを製造ラインから排除する処理、あるいは基板Pを再生する処理を実行することができる。例えば、制御装置5は、検出装置50を用いて基板Pの歪みに関する情報を検出した後、基板Pの露光を開始することなく、基板Pを製造ラインから排除する処理を実行したり、基板Pを再生する処理を実行したりすることができる。基板Pを再生する処理は、基板Pから感光膜を除去して、再度、感光膜を形成しなおす処理、あるいは、基板Pの基材(本実施形態においてはガラスプレート)を再生する処理を含む。なお、基板Pを製造ラインから排除した場合、その基板Pをリサイクルしてもよい。
【0099】
以上説明したように、本実施形態によれば、検出装置50を用いて基板Pの歪みに関する情報を検出し、その検出された歪みに関する情報に基づいて、第1処理(基板Pに対して通常シーケンスに対応した処理)と異なる第2処理の要否を判断するようにしたので、基板Pが歪んだ状態で露光されてしまうことを抑制することができる。したがって、不良デバイスの発生を抑制することができ、デバイスの生産性の低下を抑制することができる。
【0100】
本実施形態においては、基板Pに露光光ELを照射する前に、基板Pの歪みに関する情報が検出されるので、例えば歪んだ状態の基板Pを露光してしまったり、その歪んだ状態で露光された基板Pに対する各種のプロセス処理を実行しつづけてしまったりすることを抑制することができる。したがって、デバイスの生産性の低下を抑制することができる。
【0101】
本実施形態においては、流路32の気圧に関する情報に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。したがって、例えば基板Pの歪みに関する情報を取得するためのマーク(アライメントマーク)が形成されていなくても、その基板Pの歪みに関する情報を取得することができる。例えば、成膜処理、露光処理、現像処理、及びエッチング処理を複数回繰り返して、基板Pに積層されたデバイスパターンを形成する場合、第一層目のパターンを形成するための露光処理(所謂、ファースト露光)の前の時点においては、基板Pにマークが形成されていない可能性が高い。本実施形態によれば、ファースト露光の際に、流路32の気圧に関する情報に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。もちろん、エッチング処理等が実行された後の基板Pを露光する際に、検出装置50を用いて、その基板Pの歪みに関する情報を検出してもよい。
【0102】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
【0103】
第2実施形態の特徴的な部分は、基板Pの歪みに関する情報の検出が、基板Pの凹凸に関する情報の検出を含む点にある。
【0104】
図16は、第2実施形態に係る検出装置50Bの一例を示す模式図である。本実施形態において、検出装置50Bは、基板保持部21に配置され、基板Pの凹凸に関する情報を光学的に検出可能な光センサ60を含む。本実施形態において、光センサ60は、基板保持部21の溝24に配置されている。光センサ60は、基板保持部21に複数配置されている。光センサ60は、基板Pの裏面に検出光を照射して、その基板Pの裏面の位置(Z軸方向に関する位置)を検出可能である。検出装置50Bは、複数の光センサ60の検出結果に基づいて、基板Pの裏面の凹凸に関する情報を検出可能である。
【0105】
本実施形態においては、制御装置5は、トレイTPを介して搬送装置7で基板Pを支持した状態で、光センサ60から基板Pの裏面に検出光を射出する。すなわち、本実施形態においては、基板Pと基板保持部21とが間隙を介して対向された状態で、基板保持部21に配置された光センサ60で基板Pの凹凸に関する情報を検出する。
【0106】
本実施形態において、検出装置50Bを用いる、基板Pの凹凸に関する情報の検出は、基板保持部21に対して基板Pを搬送する基板受け渡し位置で実行される。検出装置50Bの検出結果に基づいて、基板Pの歪みが許容レベルであると判断された場合、制御装置5は、その基板Pを基板保持部21で保持する。基板保持部21に保持された基板Pは、露光位置に移動され、露光される。
【0107】
一方、基板Pの歪みが許容レベルでないと判断された場合、制御装置5は、例えば上述の補正処理を実行することができる。また、制御装置5は、その基板Pを基板保持部21に保持させることなく、例えば製造ラインから排除する処理を実行したり、基板Pを再生する処理を実行したりしてもよい。基板受け渡し位置は、外部装置に近いので、その基板Pを製造ラインから排除する処理、あるいは基板Pを再生する処理に円滑に移行させることができる。
【0108】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0109】
第3実施形態の特徴的な部分は、基板Pの凹凸に関する情報の検出が、基板保持部21に保持された基板Pに対する第1処理(露光処理についての通常シーケンスに対応した処理)の少なくとも一部と並行して実行される点にある。
【0110】
本実施形態において、基板Pの凹凸に関する情報は、検出システム8によって検出される。検出システム8は、基板保持部21に保持された基板Pの表面の凹凸に関する情報を検出可能である。検出システム8は、基板保持部21に保持された基板Pの露光の少なくとも一部と並行して、基板Pの凹凸に関する情報を検出可能である。
【0111】
例えば、基板Pの露光中、あるいは基板Pの露光後、検出システム8の検出結果に基づいて、基板Pの歪みが許容レベルでないと判断された場合、制御装置5は、その基板Pを製造ラインから除去する処理を実行したり、基板Pを再生する処理を実行したりすることができる。基板Pが歪んだ状態で露光された場合でも、検出システム8の検出結果に基づいて、基板Pの歪みが許容レベルでないと判断された場合、その基板Pに対して、現像処理及びエッチング処理等を含む後処理が実行されてしまうことを抑制することができる。したがって、不良デバイスの発生を抑制することができる。また、基板Pの露光後、その基板Pが後処理が実行される前に、その基板Pの感光膜を除去する処理が実行され、再度、感光膜を形成する処理が実行されることによって、その基板Pを廃棄することなく、その基板Pにデバイスパターンを形成することができる。
【0112】
なお、上述の第1〜第3実施形態の基板Pとしては、ディスプレイデバイス用のガラスプレートのみならず、半導体デバイス製造用の半導体ウエハ、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0113】
なお、露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを介した露光光ELで基板Pを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
【0114】
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
【0115】
また、本発明は、米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基板を保持せずに、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置を採用することができる。
【0116】
露光装置EXの種類としては、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置に限られず、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0117】
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計を含む干渉計システムを用いて各ステージの位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。
【0118】
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
【0119】
上述の実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0120】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図17に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板(感光材)を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。なお、ステップ204では、感光材を現像することで、マスクのパターンに対応する露光パターン層(現像された感光材の層)を形成し、この露光パターン層を介して基板を加工することが含まれる。
【0121】
なお、上述の各実施形態においては、基板処理装置が露光装置EXである場合を例にして説明した、基板保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理装置であれば、上述の各実施形態で説明した各種の処理を実行することができる。例えば、基板処理装置が、基板Pに感光膜を形成する成膜装置(コーティング装置)である場合、第1処理は、成膜装置が有する基板保持部に保持された基板に感光膜を形成する処理、及びその感光膜が形成された基板を基板保持部から搬出する処理を含む。成膜装置において基板に成膜する際に、上述の各実施形態で説明した検出装置で基板Pの歪みに関する情報を検出し、その検出した歪みに関する情報に基づいて、その基板に対して第1処理と異なる第2処理の要否を判断することによって、不良デバイスの発生を抑制することができる。
【0122】
なお、上述の実施形態及び変形例の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【符号の説明】
【0123】
5…制御装置、7…搬送装置、8…検出システム、 21…基板保持部、31…吸引装置、32…流路、33…吸引装置、36…圧力センサ、50…検出装置、60…光センサ、EX…露光装置、P…基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法、及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ等の電子デバイスの製造工程においては、例えば特許文献1に開示されているような露光装置等、各種の基板処理装置が使用される。基板処理装置は、基板を保持する保持部を有し、その保持部に基板を搬送して基板を処理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−100169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板が歪んだ状態で保持部に保持され、処理された場合、例えば基板に形成されるパターンが歪んでしまう可能性がある。その結果、不良デバイスが発生し、デバイスの生産性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制でき、デバイスの生産性の低下を抑制できる基板処理方法、及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従えば、保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理方法であって、保持部に搬送された基板の歪みに関する情報を検出することと、歪みに関する情報に基づいて、基板に対して第1処理と異なる第2処理の要否を判断することと、を含む基板処理方法が提供される。
【0007】
本発明の第2の態様に従えば、保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理装置であって、保持部に搬送された基板の歪みに関する情報を検出する検出装置と、歪みに関する情報に基づいて、基板に対して第1処理と異なる第2処理の要否を判断する制御装置と、を備える基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制でき、デバイスの生産性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る露光装置の一例を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る基板ステージの一部を示す側面図である。
【図4】第1実施形態に係る基板保持部の一例を示す平面図である。
【図5】第1実施形態に係る基板保持部の一部を拡大した側断面図である。
【図6】第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る基板ステージの一部を示す側面図である。
【図8】第1実施形態に係るトレイの一例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る投影領域と検出領域と基板との関係の一例を示す模式図である。
【図10】第1実施形態に係る検出装置の検出原理を説明するための模式図である。
【図11】第1実施形態に係る検出装置の検出原理を説明するための模式図である。
【図12】第1実施形態に係る検出装置の動作の一例を説明するための図である。
【図13】第1実施形態に係る検出装置の動作の一例を説明するための図である。
【図14】第1実施形態に係る検出装置の動作の一例を説明するための図である。
【図15】第1実施形態に係る基板処理方法の一例を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態に係る検出装置の一例を示す図である。
【図17】デバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0011】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る基板処理装置の一例を示す概略構成図、図2は、斜視図である。本実施形態においては、基板処理装置が、露光光ELで基板Pを露光する露光装置EXである場合を例にして説明する。
【0012】
図1及び図2において、露光装置EXは、マスクMを保持可能なマスク保持部19を有し、そのマスク保持部19でマスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持可能な基板保持部21を有し、その基板保持部21で基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板保持部21に基板Pを搬送する搬送装置7と、マスクステージ1を移動する駆動システム3と、基板ステージ2を移動する駆動システム4と、マスクMを露光光ELで照明する照明システムISと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影システムPSと、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置を計測する干渉計システム6と、基板Pの表面の位置を検出する検出システム8と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置5とを備えている。
【0013】
また、露光装置EXは、基板保持部21に搬送された基板Pの歪みに関する情報を検出する検出装置50を備えている。本実施形態において、検出装置50の少なくとも一部は、基板保持部21に配置されている。
【0014】
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。基板Pは、例えばガラスプレート等の基材と、その基材上に形成された感光膜(塗布された感光材)とを含む。本実施形態において、基板Pは、大型のガラスプレートを含み、その基板Pの一辺のサイズは、例えば500mm以上である。本実施形態においては、基板Pの基材として、一辺が約3000mmの矩形のガラスプレートを用いる。
【0015】
また、露光装置EXは、ボディ13を備えている。ボディ13は、例えばクリーンルーム内の支持面(例えば床面)FL上に防振台BLを介して配置されたベースプレート10と、ベースプレート10上に配置された第1コラム11と、第1コラム11上に配置された第2コラム12とを有する。本実施形態において、ボディ13は、投影システムPS、マスクステージ1、及び基板ステージ2のそれぞれを支持する。本実施形態において、投影システムPSは、定盤14を介して、第1コラム11に支持される。マスクステージ1は、第2コラム12に対して移動可能に支持される。基板ステージ2は、ベースプレート10に対して移動可能に支持される。
【0016】
本実施形態において、投影システムPSは、複数の投影光学系PLを有する。照明システムISは、複数の投影光学系PLに対応する複数の照明モジュールILを有する。また、本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しながら、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、所謂、マルチレンズ型スキャン露光装置である。
【0017】
照明システムISは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射可能である。照明領域IRは、各照明モジュールから射出される露光光ELが照射される位置を含む。照明システムISは、異なる複数の照明領域IRのそれぞれを露光光ELで照明する。照明システムISは、マスクMのうち照明領域IRに配置された部分を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。本実施形態においては、照明システムISから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプ17から射出される輝線(g線、h線、i線)を用いる。
【0018】
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRに対して移動可能である。マスクステージ1は、マスクMの下面(パターン形成面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。駆動システム3は、例えばリニアモータを含み、第2コラム12のガイド面12G上においてマスクステージ1を移動可能である。本実施形態において、マスクステージ1は、駆動システム3の作動により、マスクMを保持した状態で、ガイド面12G上を、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
【0019】
投影システムPSは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射可能である。投影領域PRは、各投影光学系PLから射出される露光光ELが照射される位置を含む。本実施形態において、投影システムPSは、異なる複数の投影領域PRのそれぞれにマスクMのパターンの像を投影する。投影システムPSは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。
【0020】
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、投影領域PRに対して移動可能である。基板ステージ2は、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。駆動システム4は、例えばリニアモータを含み、ベースプレート10のガイド面10G上において基板ステージ2を移動可能である。本実施形態において、基板ステージ2は、駆動システム4の作動により、基板Pを保持した状態で、ガイド面10G上を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
【0021】
干渉計システム6は、マスクステージ1の位置を計測するレーザ干渉計ユニット6Aと、基板ステージ2の位置を計測するレーザ干渉計ユニット6Bとを有する。レーザ干渉計ユニット6Aは、マスクステージ1に配置された計測ミラー1Rを用いて、マスクステージ1の位置を計測可能である。レーザ干渉計ユニット6Bは、基板ステージ2に配置された計測ミラー2Rを用いて、基板ステージ2の位置を計測可能である。本実施形態において、干渉計システム6は、レーザ干渉計ユニット6A,6Bを用いて、X軸、Y軸、及びθX方向に関するマスクステージ1及び基板ステージ2それぞれの位置を計測可能である。
【0022】
図3は、本実施形態に係る基板ステージ2の一部を示す側面図、図4は、基板ステージ2の一部を上方から見た平面図、図5は、基板ステージ2の一部を拡大した側断面図である。なお、図3及び図4は、基板Pが保持されていない状態を示し、図5は、基板Pが保持されている状態を示す。
【0023】
図3、図4、及び図5において、基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部21と、支持部23を介して基板保持部21を支持するテーブル22とを有する。支持部23は、ロッド状の部材である。支持部23は、テーブル22上に複数配置されている。基板保持部21は、基板Pが載置される載置面20を有する。載置面20の少なくとも一部は、XY平面とほぼ平行である。基板保持部21は、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。本実施形態において、基板保持部21の外形(XY平面内における大きさ及び形状)と、基板Pの外形(XY平面内における大きさ及び形状)とは、ほぼ同じである。また、基板保持部21は、載置面20の間に溝24を有する。溝24は、格子状に形成されている。
【0024】
本実施形態において、基板保持部21は、真空吸着機構30を含み、基板Pをリリース可能に保持する。真空吸着機構30は、載置面20に形成され、気体を吸引可能な吸引口31と、流路32を介して吸引口31に接続された吸引装置33とを備えている。流路32の少なくとも一部は、基板保持部21に配置されている。本実施形態において、流路32の少なくとも一部は、基板保持部21の内部に形成されている。吸引装置33は、例えば真空システムを含み、吸引口31の周囲の気体の少なくとも一部を吸引可能である。
【0025】
真空吸着機構30は、所謂、ピンチャック機構を含む。ピンチャック機構は、基板保持部21に設けられた周壁部(リム部)と、周壁部の内側に配置された複数のピン部とを含む。吸引口31は、周壁部の内側に配置される。本実施形態において、載置面20は、周壁部の上面、及びピン部の上面を含む。
【0026】
吸引口31は、流路32の上端に配置されている。載置面20の少なくとも一部は、吸引口31の周囲に配置されている。吸引装置33は、基板保持部21と基板Pとの間の気体の少なくとも一部を、吸引口31及び流路32を介して吸引可能である。
【0027】
吸引装置33は、基板保持部21と基板Pとの間の気体の少なくとも一部を吸引して、基板保持部21(載置面20)に基板Pを吸着させる。制御装置5は、基板Pが基板保持部21の少なくとも一部に接触された状態で、吸引装置33による吸引動作を実行することによって、基板Pを基板保持部21に吸着させる。
【0028】
本実施形態において、吸引口31及び流路32は、基板保持部21において複数箇所に配置されている。
【0029】
本実施形態において、露光装置EXは、流路32の気体の圧力(気圧)を検出可能な圧力センサ36を備えている。圧力センサ36は、複数の流路32(吸引口31)に対応して、複数配置されている。
【0030】
本実施形態において、検出装置50は、圧力センサ36を含む。検出装置50は、圧力センサ36を用いて、流路32の気圧に関する情報を検出可能である。本実施形態において、基板Pの歪みに関する情報の検出は、流路32の気圧に関する情報の検出を含む。検出装置50は、圧力センサ36を用いて検出した流路32の気圧に関する情報に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出する。
【0031】
図6は、基板保持部21に基板Pを搬送している状態の一例を示す図、図7は、基板保持部21に搬送された基板Pがその基板保持部21に保持されている状態の一例を示す図である。
【0032】
制御装置5は、搬送装置7を用いて基板Pを基板保持部21に搬送する。本実施形態において、基板Pは、例えば特開2001−100169号公報に開示されているように、トレイTPに支持されて搬送される。搬送装置7は、トレイTPを搬送可能である。搬送装置7は、基板Pを支持したトレイTPを支持して搬送可能である。
【0033】
本実施形態において、基板保持部21に対して基板Pを搬送する処理は、基板受け渡し位置(基板交換位置)において実行される。基板受け渡し位置は、投影システムPSから射出される露光光ELが照射可能な位置(露光位置)と異なる。基板保持部21に対して基板Pを搬送する際、制御装置5は、基板ステージ2を基板受け渡し位置に移動する。搬送装置7は、その基板受け渡し位置に移動された基板ステージ2の基板保持部21に基板Pを搬送する。基板受け渡し位置において基板Pが基板保持部21に保持された後、制御装置5は、その基板保持部21で基板Pを保持した基板ステージ2を露光位置に移動して、基板Pを露光することができる。
【0034】
図8は、基板Pを支持するトレイTPの一例を示す平面図である。図8に示すように、トレイTPは、複数のロッド部材40を組み合わせた構造を有する。トレイTPは、フレーム構造を有し、複数の開口41を有する。トレイTPは、基板Pの裏面と対向可能な支持面42を有する。基板Pの少なくとも一部は、トレイTPの支持面42に支持される。
【0035】
図5等に示すように、トレイTPの少なくとも一部は、基板保持部21に形成された溝24に配置される。載置面20は、開口41の内側に配置される。
【0036】
図6に示すように、基板保持部21に基板Pを搬送(搬入、ロード)するとき、搬送装置7は、基板Pを支持したトレイTPを搬送する。制御装置5は、基板保持部21と、基板Pを支持したトレイTPとが対向するように、基板ステージ2及び搬送装置7の少なくとも一方の位置を調整する。制御装置5は、トレイTPが基板保持部21の溝24に配置されるように、基板保持部21とトレイTPとの位置関係を調整しつつ、基板保持部21と基板Pを支持したトレイTPとが接近するように、搬送装置7を制御する。トレイTPを支持した搬送装置7が基板保持部21に接近するように下降することによって、トレイTPが基板保持部21の溝24に配置されるとともに、基板Pの裏面が基板保持部21の載置面20と接触する。トレイTPが溝24に配置された状態において、トレイTPの支持面42は、載置面20より下方に配置される。トレイTPが下降し、溝24に配置されることによって、トレイTPの支持面42に支持されていた基板Pは、支持面42から離れ、載置面20に載置される。基板Pは、基板Pの少なくとも一部が吸引口31と対向するように、載置面20に載置される。基板Pが載置面20に載置された後、制御装置5は、真空吸着機構30の吸引装置33を作動する。吸引装置33が作動されることによって、基板保持部21と、その基板保持部21に対向するように配置された基板Pとの間の気体の少なくとも一部が、流路32を介して吸引される。これにより、図7に示すように、トレイTPの少なくとも一部が溝24に配置された状態で、基板Pが載置面20に吸着され、保持される。
【0037】
図9は、投影システムPSの投影領域と、検出システム8の検出領域と、基板Pとの関係の一例を示す模式図である。
【0038】
本実施形態において、投影システムPSは、7つの投影領域PR1〜PR7に露光光ELを照射する。本実施形態において、投影領域PR1〜PR7のそれぞれは、XY平面内において台形である。本実施形態において、投影領域PR1、PR3、PR5、PR7、が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置され、投影領域PR2、PR4、PR6、が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置されている。投影領域PR1、PR3、PR5、PR7は、投影領域PR2、PR4、PR6に対して−X側に配置されている。また、Y軸方向に関して、投影領域PR1、PR3、PR5、PR7の間に、投影領域PR2、PR4、PR6が配置される。
【0039】
本実施形態において、検出システム8は、複数の検出領域を有する。本実施形態において、検出システム8は、7つの検出領域PZ1〜PZ7を有する。検出システム8は、その検出領域PZ1〜PZ7に配置された基板Pの表面のZ軸方向の位置(面位置)を検出する。検出システム8は、所謂、斜入射方式の多点フォーカス・レベリング検出システムであり、基板保持部21に保持された基板Pの表面と対向配置される複数の光センサを有する。光センサは、載置面20に保持された基板Pの表面に検出光を照射して、基板Pの表面の位置を検出する。光センサのそれぞれは、検出領域PZ1〜PZ7に検出光を照射する投射部と、検出領域PZ1〜PZ7に配置された基板Pの表面からの検出光を受光可能な受光部とを有する。
【0040】
本実施形態において、検出領域PZ1、PZ3、PZ5、PZ7が、投影領域PR1〜PR7に対して−X側に離れて配置され、検出領域PZ2、PZ4、PZ6が、投影領域PR1〜PR7に対して+X側に離れて配置される。また、検出領域PZ1、PZ3、PZ5、PZ7が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置され、検出領域PZ2、PZ4、PZ6が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置される。また、Y軸方向に関して、検出領域PZ1、PZ3、PZ5、PZ7の間に、検出領域PZ2、PZ4、PZ6が配置される。
【0041】
制御装置5は、基板ステージ2をX軸方向に移動して、検出領域PZ1〜PZ7に対して基板ステージ2(基板保持部21)に保持された基板Pの表面をX軸方向に移動して、検出領域PZ1〜PZ7に、基板Pの表面に設定された複数の検出点を配置して、それら複数の検出点のZ軸方向の位置を検出可能である。制御装置5は、第2検出システム8から出力される、複数の検出点のそれぞれで検出された基板Pの表面のZ軸方向の位置に基づいて、基板Pの表面のZ軸、θX、及びθY方向に関する位置(マップデータ)を取得可能である。
【0042】
次に、検出装置50の動作の一例について説明する。検出装置50は、圧力センサ36が検出した流路32の気圧に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出する。
【0043】
以下、図10及び図11の模式図を参照して、検出装置50の検出原理について説明する。図10は、基板保持部21に保持された基板Pの歪みが発生していない状態の一例を示す模式図、図11は、基板保持部21に保持された基板Pの歪みが発生している状態の一例を示す模式図である。以下の説明において、基板Pの歪みが発生していない状態を適宜、理想状態、と称し、基板Pの歪みが発生している状態を適宜、歪み状態、と称する。
【0044】
なお、上述のように、本実施形態において、基板保持部21は、周壁部とピン部とを有するピンチャック機構を含む。図5、図10、及び図11においては、図面を見やすくするため、周壁部及びピン部の記載を省略し、載置面20が平坦であることとする。
【0045】
図10に示すように、基板Pが理想状態の場合、載置面20に形成されている複数の吸引口31のそれぞれと、基板Pの裏面との位置関係は、均一となる。
【0046】
一方、図11に示すように、基板Pが歪み状態の場合、載置面20に形成されている複数の吸引口31のそれぞれと、基板Pの裏面との位置関係は、不均一となる。
【0047】
本実施形態においては、基板Pを載置面20に吸着させる際、複数の流路32のそれぞれに対する気体の吸引動作が同時に開始される。すなわち、基板Pが載置面20に載置されて(接触して)、複数の吸引口31と基板Pとが対向した後、複数の流路32のそれぞれに対する気体の吸引動作が同時に開始される。
【0048】
また、複数の流路32のそれぞれに対する吸引装置33による気体の吸引力(複数の流路32のそれぞれから吸引する単位時間当たりの気体吸引量)は、等しい。
【0049】
したがって、図10に示すように、複数の吸引口31のそれぞれと基板Pとの位置関係が均一である場合、吸引動作を開始してからの複数の流路32のそれぞれの気圧の変化の状態は等しい。
【0050】
一方、図11に示すように、複数の吸引口31のそれぞれと基板Pとの位置関係が不均一である場合、吸引動作を開始してからの複数の流路32のそれぞれの気圧の変化の状態は、異なる。
【0051】
例えば、図11に示すように、基板Pの一部に歪みが発生している場合、複数の吸引口31のうち、基板Pの歪みが発生している歪み発生領域AEと対向する吸引口31Eに接続された流路32Eの気圧の変化の状態は、基板Pの歪みが発生してない非歪み発生領域ARと対向する吸引口31Rに接続された流路32Rの気圧の変化の状態と異なる。例えば、吸引装置33が吸引を開始してから流路32Eの気圧が所定値に達するまでの経過時間は、流路32Rの気圧が所定値に達するまでの経過時間よりも長くなる可能性がある。あるいは、流路32Rの気圧は所定値に達するものの、流路32Eの圧力は所定値に達しない可能性がある。
【0052】
また、吸引装置33の吸引中における所定時点の流路32Eの気圧と、流路32Rの気圧とが異なる可能性もある。
【0053】
また、吸引装置33の吸引中における流路32Eの気圧の変化の状態と、流路32Rの気圧の変化の状態とが異なる可能性もある。
【0054】
また、吸引装置33の吸引において検出される流路32Eの気圧の最小値と、流路32Rの気圧の最小値とが異なる可能性もある。
【0055】
したがって、検出装置50は、流路32の気圧を検出可能な圧力センサ36の検出結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。
【0056】
次に、検出装置50を用いる検出動作の一例について、図12〜図14を参照して説明する。
【0057】
本実施形態においては、検出装置50は、複数の流路32それぞれの気圧に関する情報を、それら複数の流路32に対応して配置されている複数の圧力センサ36を用いて検出し、それら複数の流路32それぞれの気圧に関する情報に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出する。
【0058】
本実施形態においては、検出装置50は、基板Pにおける歪み発生領域AEを特定することができる。本実施形態においては、例えば図12に示すように、基板Pを複数のエリア(第1エリアPA1〜第10エリアPA10)に分けた場合において、検出装置50は、第1〜第10エリアPA1〜PA10に対応する複数の流路32それぞれの気圧に関する情報を、それら複数の流路32に対応して配置されている複数の圧力センサ36を用いて検出し、それら複数の流路32それぞれの気圧に関する情報に基づいて、基板Pにおける歪み発生領域AEを特定することができる。すなわち、制御装置5は、基板Pの第1〜第10エリアPA1〜PA10のうち、どのエリアに歪みが発生しているかを特定することができる。
【0059】
図13及び図14は、第1〜第10エリアPA1〜PA10のそれぞれに対応する流路32に配置されている圧力センサ36の出力値の一例を示すグラフである。図13及び図14において、横軸は、吸引装置33が吸引動作を開始してからの経過時間、縦軸は、圧力センサ36の検出値を示す。
【0060】
以下の説明において、基板Pの第1エリアPA1に対応する流路32を適宜、第1流路32A、と称し、その第1流路32Aの気圧を検出する圧力センサ36を適宜、第1圧力センサ36A、と称する。同様に、基板Pの第2〜第10エリアPA2〜PA10のそれぞれに対応する流路32のそれぞれを適宜、第2〜第10流路32B〜32J、と称し、それら第2〜第10流路32B〜32Jのそれぞれの気圧を検出する圧力センサ36のそれぞれを適宜、第2〜第10圧力センサ36B〜36J、と称する。
【0061】
なお、基板Pの第1エリアPA1に対応する第1流路32Aとは、その第1エリアPA1に対向する吸引口31に接続された流路32をいう。同様に、第2エリアPA2〜第10エリアPA10のそれぞれに対応する第2〜第10流路32B〜32Jとは、それら第2〜第10エリアPA2〜PA10に対向する吸引口31に接続された流路32をいう。
【0062】
本実施形態においては、基板Pを載置面20に吸着させる際、第1〜第10流路32A〜32Jのそれぞれに対する吸引装置33による気体の吸引動作が同時に開始される。第1〜第10流路32A〜32Jのそれぞれに対する吸引装置33による気体の吸引力(第1〜第10流路32A〜32Jのそれぞれから吸引する単位時間当たりの気体吸引量)は、等しい。
【0063】
図13は、基板Pが理想状態(歪みが発生していない状態)における第1、第2、第3、第5、第6圧力センサ36A、36B、36C、36E、36Fの検出値を示す。
【0064】
上述のように、基板Pが理想状態の場合、載置面20に形成されている複数の吸引口31のそれぞれと、基板Pの裏面との位置関係は、均一となる。したがって、図13に示すように、吸引装置33の吸引動作を開始してからの、その吸引中の流路32A、32B、32C、32E、36Eのそれぞれの気圧の変化の状態は、ほぼ等しい。
【0065】
本実施形態においては、流路32(32A〜36J)の気圧に関する基準情報が予め求められており、制御装置5に記憶されている。本実施形態において、基準情報は、理想状態の基板Pが基板保持部21に吸着された流路32の気圧に関する情報(気圧の変化の状態)を含む。以下の説明において、気圧の変化の状態を適宜、圧力プロファイル、と称する。基準情報は、基準圧力プロファイルを含む。
【0066】
制御装置5は、その基準圧力プロファイルと、第1、第2、第3、第5、第6圧力センサ36A、36B、36C、36E、36Fを用いて検出された第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの気圧に関する情報(圧力プロファイル)とに基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出する。
【0067】
図13において、ラインLrは、基準圧力プロファイル(基準情報)を示す。本実施形態においては、その基準圧力プロファイルLrと、第1、第2、第3、第5、第6圧力センサ36A、36B,36C,36E、32Fを用いて検出された第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの圧力プロファイルとは、ほぼ一致する。したがって、制御装置5は、その基準圧力プロファイルLrと、第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの圧力プロファイルとに基づいて、基板Pが理想状態であると判断することができる。
【0068】
図14は、基板Pが歪み状態(歪みが発生している状態)における第1、第2、第3、第5、第6圧力センサ36A、36B、36C、36E、36Fの検出値を示す。基板Pが歪み状態の場合、載置面20に形成されている複数の吸引口31のそれぞれと、基板Pの裏面との位置関係は、不均一となる。したがって、図14に示すように、吸引装置33の吸引動作を開始してからの複数の流路32のそれぞれの気圧の変化の状態(圧力プロファイル)は、異なる。
【0069】
制御装置5は、上述の基準情報(基準圧力プロファイルLr)と、第1、第2、第3、第5、第6圧力センサ36A、36B、36C、36E、36Fを用いて検出された第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの圧力プロファイル(気圧に関する情報)とに基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出する。本実施形態においては、その基準圧力プロファイルLrと、第3、第5、第6流路32C、32E、32Fの圧力プロファイルとはほぼ一致するものの、基準圧力プロファイルLrと、第1、第2流路32A、32Bの圧力プロファイルとは一致しない。したがって、制御装置5は、その基準圧力プロファイルLrと、第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの圧力プロファイルとに基づいて、基板Pが歪み状態であると判断することができる。
【0070】
また、制御装置5は、基準情報と、第1、第2、第3、第5、第6流路32A、32B、32C、32E、32Fの気圧の検出結果とに基づいて、基板Pにおける歪み発生領域AEを検出することができる。すなわち、制御装置5は、基準情報と、第1、第2流路32A,32Bの気圧に関する情報とに基づいて、第1、第2流路32A,32Bに対応する第1、第2エリアPA1,PA2が歪み発生領域AEを含んでいると判断することができる。
【0071】
なお、ここでは、流路32の気圧に関する基準情報(基準圧力プロファイルLr)と、圧力センサ36を用いて検出された流路32の気圧に関する情報(圧力プロファイル)とに基づいて、基板Pの歪みに関する情報が検出されることとしたが、例えば、吸引装置33による吸引を開始してから、流路32の気圧が所定値Prに達するまでの経過時間Tを検出し、その検出結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することも可能である。例えば、図14に示すグラフにおいて、吸引装置33による吸引を開始してから、第1流路32Aの気圧が所定値Prに達するまでの経過時間T1と、第3流路32Cの気圧が所定値Prに達するまでの経過時間T3とは、異なる。制御装置5は、その経過時間T1,T3を検出し、その検出した結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。図14に示す例では、制御装置5は、経過時間T3に対して経過時間T1が長いので、第1流路32Aに対応する基板Pの第1エリアA1が歪み発生領域AEを含んでいると判断することができる。
【0072】
また、制御装置5は、吸引装置33による吸引中における所定時点Trの流路32の気圧を検出し、その検出結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することもできる。例えば、図14に示すグラフにおいて、吸引装置33による吸引中の所定時点Trにおける、第1流路32A1の気圧P1と、第3流路32Cの気圧P3とは、異なる。制御装置5は、その気圧P1,P3を検出し、その検出した結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。図14に示す例では、制御装置5は、気圧P3に対して気圧P1が高いので、第1流路32Aに対応する基板Pの第1エリアA1が歪み発生領域AEを含んでいると判断することができる。
【0073】
また、制御装置5は、吸引装置33による吸引において圧力センサ36によって検出される流路32の気圧の最小値を検出し、その検出結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することもできる。例えば、基板Pが理想状態の場合、吸引装置33による吸引動作を継続することによって、流路32の気圧は、第1値まで低下し、その第1値以下に低下しない状態(飽和状態)となる。一方、基板Pが歪み状態の場合、吸引装置33による吸引動作を継続しているにもかかわらず、基板Pの歪み発生領域AEに対応する流路32の気圧は、第1値よりも高い第2値までしか低下せず、その第2値以下に低下しない状態(飽和状態)となる。例えば、第1流路32Aの気圧が第2値以下に低下せず、第3流路32Cの気圧が第1値まで低下する場合、制御装置5は、その吸引装置33による吸引において第1、第3圧力センサ36A,36Cによって検出される第1、第3流路32A,32Cの気圧の最小値(第1値、第2値)を検出し、その検出した結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。
【0074】
また、制御装置5は、複数の流路32A〜32Jのうち、例えば第1流路32Aの気圧と、第3流路32Cの気圧との差分を検出し、その検出した結果に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することもできる。すなわち、複数の流路の32A〜32Jの気圧を比較し、異常値を示す流路が存在する場合、その異常値を示す流路に対応する基板Pのエリアが歪み発生領域AEを含んでいると判断することができる。例えば、上述の基準圧力プロファイルLr、所定値Prに達するまでの経過時間、所定時点での気圧、及び吸引において検出される気圧の最小値等を求めることなく、複数の流路32の気圧を比較することによって、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。
【0075】
次に、上述の構成を有する露光装置EXの動作の一例について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
【0076】
本実施形態においては、基板保持部21に搬送された基板Pに対して第1手順に対応した第1処理が実行される。本実施形態において、第1処理は、露光処理についての通常シーケンスに対応した処理を含む。本実施形態において、第1処理は、感光膜が形成され、基板保持部21に搬送(搬入)されてその基板保持部21に保持された基板Pを露光する処理(ステップS5)と、露光された基板Pを基板保持部21から搬送(搬出)する処理(ステップS6)とを含む。
【0077】
また、本実施形態においては、基板保持部21に搬送された基板Pの歪みに関する情報を検出する処理(ステップS3)が実行され、その歪みに関する情報に基づいて、基板Pに対して第1処理と異なる第2処理の要否を判断する処理が実行される(ステップS8)。また、その要否の判断結果に基づいて、基板Pに対して第2処理が実行される(ステップS9)。
【0078】
例えばコーティング装置、成膜装置等、所定の外部装置において、基板P上に感光膜が形成される(ステップS1)。感光膜が形成された基板Pは、露光装置EXに搬送される。露光装置EXに搬送された基板Pは、トレイTPに支持されて、搬送装置7によって、基板保持部21に搬送(搬入)される(ステップS2)。
【0079】
制御装置5は、検出装置50を用いて、基板保持部21に搬送された基板Pの歪みに関する情報を検出する(ステップS3)。
【0080】
制御装置5は、検出装置50の検出結果に基づいて、基板Pに歪みが発生しているか否かを判断する(ステップA4)。
【0081】
ステップS4において、基板Pに歪みが発生していないと判断された場合、制御装置5は、その基板保持部21に保持されている基板Pの露光を開始する(ステップS5)。露光後の基板Pは、搬送装置7によって、基板保持部21から搬出される(ステップS6)。基板保持部21から搬出された基板Pは、例えば現像装置等、所定の外部装置に搬送される。その基板Pは、外部装置において、ポストベーク処理、現像処理等、所定のプロセス処理(後処理)を実行される(ステップS7)。
【0082】
ステップS4において、基板Pに歪みが発生していると判断された場合、制御装置5は、その基板Pに対して第2処理の要否を判断する(ステップS8)。
【0083】
本実施形態においては、基板Pの歪みレベル(歪みの大きさ、歪み発生領域の数、及び歪み発生領域の大きさ等)が許容レベルである場合と判断された場合、制御装置5は、第2処理は不要であると判断し、基板Pの露光処理を開始する(ステップS5)。一方、基板Pの歪みレベルが許容レベルでないと判断された場合、制御装置5は、第2処理が必要であると判断する。
【0084】
第2処理が必要であると判断された場合、制御装置5は、基板Pに対して第2処理を実行する(ステップS9)。
【0085】
第2処理は、検出された歪み情報に基づいて、基板Pの歪みを補正する補正処理を含む。
【0086】
本実施形態において、第2処理は、基板保持部21に載置された基板Pを再載置する処理、所謂、リロード処理を含む。すなわち、制御装置5は、基板Pを基板保持部21の載置面20に載置して、吸引装置33を作動して、基板Pの歪みに関する情報を検出し、第2処理が必要であると判断した後、吸引装置33による吸引動作を解除する。その後、制御装置5は、搬送装置7を用いて、基板Pを基板保持部21の載置面20から離す。本実施形態においては、搬送装置7は、トレイTPを支持して、トレイTPを上昇させて、その上昇させたトレイTPで基板Pを支持して、基板Pを基板保持部21の載置面20から離す。制御装置5は、搬送装置7を用いて、基板保持部21から基板Pを離した後、その基板Pを、再度、載置面20に載置する。
【0087】
これにより、基板Pに歪みが発生していても、その歪みが補正(矯正)される。例えば、基板Pを載置面20から離すことによって、基板Pと基板保持部21との間の空間の圧力(気圧)が変化し、その気圧の変化によって、基板Pの歪みを補正することができる。
【0088】
また、制御装置5は、第2処理として、基板Pと基板保持部21とを対向させた状態で、基板Pと基板保持部21とを相対的に移動する処理を実行可能である。例えば、制御装置5は、搬送装置7を用いて、基板保持部21の載置面20から基板Pを離した後、基板Pと基板保持部21とを対向させた状態で、載置面20(基板Pの表面)とほぼ垂直なZ軸方向に関して、基板Pを移動する。例えば、制御装置5は、搬送装置7を用いて、基板Pと基板保持部21とを対向させた状態で、基板Pを上下方向に往復移動させる。これにより、基板Pと基板保持部21との間の空間の気圧が変化し、その気圧の変化によって、基板Pの歪みを補正することができる。
【0089】
また、制御装置5は、その基板Pの上下方向への移動において、基板Pの移動速度を変化させることによって、基板Pの歪みをより効果的に補正することができる。例えば、基板Pと基板保持部21とを対向させた状態で、基板Pを上下方向に移動する際、基板Pを加速する加速区間を複数設けたり、減速させる減速区間を複数設けることによって、基板Pと基板保持部21との間の空間の圧力を変化させることができる。これにより、基板Pの歪みを効果的に補正することができる。
【0090】
なお、制御装置5は、搬送装置7を用いて、基板Pを上下方向に移動して、基板Pと基板保持部21とを相対的に移動させてもよいし、駆動システム4を制御して、基板保持部21を上下方向に移動させてもよいし、基板Pと基板保持部21との両方を移動させてもよい。
【0091】
また、制御装置5は、基板Pの上下方向への移動の少なくとも一部において、基板Pを振動させてもよい。例えば、トレイTPを介して基板Pを支持している搬送装置7をXY平面内において微振動させてもよいし、Z軸方向に微振動させてもよい。こうすることによっても、基板Pの歪みを補正することができる。また、例えばトレイTPに、圧電素子等を含む超音波発生装置を設け、その超音波発生装置を作動して、トレイTPを介して基板Pに振動を付与してもよい。
【0092】
また、制御装置5は、第2処理として、基板Pに気体を給気する給気処理を実行することができる。例えば、制御装置5は、基板保持部21に設けられた吸引口31から気体を吹き出して、基板保持部21と対向する基板Pに給気することによって、その気体の力によって、基板Pの歪みを補正することができる。また、基板保持部21に、吸引口31とは別の専用の給気口を設けてもよい。その給気口から、基板Pに給気することによって、基板Pの歪みを補正することができる。
【0093】
基板Pに対する給気処理は、基板Pと載置面20とが接触された状態で実行してもよいし、基板Pと基板保持部21とを間隙を介して対向させた状態で実行してもよい。例えば、基板Pを載置面20に載せた状態で、吸引口31(又は専用の給気口)から、基板Pの裏面に気体を供給することによって、その基板Pの歪みを補正することができる。また、基板Pと基板保持部21とが間隙を介して対向するように、搬送装置7を用いて基板Pを支持した状態で、吸引口31又は専用の給気口から、基板Pの裏面に気体を供給してもよい。
【0094】
また、制御装置5は、歪みに関する情報に基づいて、基板Pに対する給気条件を制御することができる。給気条件は、基板Pに対する給気位置を含む。例えば、基板Pの第1エリアPA1が歪み発生領域AEを含んでいると判断された場合、制御装置5は、その第1エリアPA1に対向する吸引口31(又は専用の給気口)から、その第1エリアPA1に給気してもよい。あるいは、基板Pの第1エリアPA1が歪み発生領域AEを含んでいると判断された場合、制御装置5は、第1エリアPA1の周囲のエリア(例えば第2、第4、第5エリアPA2、PA4、PA5等)に対向する吸引口31(又は専用の給気口)から、その周囲のエリアに気体を給気してもよい。
【0095】
また、給気条件は、基板Pに対して供給する気体の流速、及び給気時間の少なくとも一方を含む。例えば、基板Pの歪みが小さいと判断された場合、制御装置5は、基板Pに対して供給する気体の流速を遅くしたり、給気時間を短くしたりすることができる。また、基板Pの歪みが大きいと判断された場合、制御装置5は、基板Pに対して供給する気体の流速を速くしたり、給気時間を長くしたりすることができる。
【0096】
第2処理が終了した後、検出装置50を用いて、基板Pの歪みに関する情報を検出することによって、制御装置5は、基板Pの歪みが補正されたか否かを確認することができる(ステップS3)。そして、基板Pの歪みが補正されたことが確認された後、基板Pの露光が実行されることによって、基板Pを良好に露光することができる。なお、第2処理が終了した後、検出装置50を用いる検出処理を実行せずに、基板Pの露光処理に移行してもよい。
【0097】
上述したように、制御装置5は、複数種類の補正処理を実行可能である。制御装置5は、歪みに関する情報に基づいて、複数種類の補正処理のうち、所定の補正処理を選択し、その所定の補正処理を実行することができる。例えば、基板Pの歪みが小さいと判断された場合、制御装置5は、例えば基板Pのリロード処理を実行する。一方、基板Pの歪みが大きいと判断された場合、制御装置5は、基板Pに対する給気処理を実行したり、基板Pと基板保持部21とを相対的に移動する処理を実行したり、給気する処理と相対的に移動する処理とを組み合わせて実行したりすることができる。
【0098】
また、第2処理は、基板Pの歪みを補正する補正処理のみならず、例えば、基板Pを製造ラインから排除する処理、及び基板Pを再生する処理の少なくとも一方も含む。例えば、補正処理の実行後においても、基板Pの歪みを補正できなかったり、第2処理の実行前に、検出装置50を用いる検出によって基板Pの歪みが許容レベルをはるかに超えていると判断されたりした場合、制御装置5は、第2処理として、基板Pを製造ラインから排除する処理、あるいは基板Pを再生する処理を実行することができる。例えば、制御装置5は、検出装置50を用いて基板Pの歪みに関する情報を検出した後、基板Pの露光を開始することなく、基板Pを製造ラインから排除する処理を実行したり、基板Pを再生する処理を実行したりすることができる。基板Pを再生する処理は、基板Pから感光膜を除去して、再度、感光膜を形成しなおす処理、あるいは、基板Pの基材(本実施形態においてはガラスプレート)を再生する処理を含む。なお、基板Pを製造ラインから排除した場合、その基板Pをリサイクルしてもよい。
【0099】
以上説明したように、本実施形態によれば、検出装置50を用いて基板Pの歪みに関する情報を検出し、その検出された歪みに関する情報に基づいて、第1処理(基板Pに対して通常シーケンスに対応した処理)と異なる第2処理の要否を判断するようにしたので、基板Pが歪んだ状態で露光されてしまうことを抑制することができる。したがって、不良デバイスの発生を抑制することができ、デバイスの生産性の低下を抑制することができる。
【0100】
本実施形態においては、基板Pに露光光ELを照射する前に、基板Pの歪みに関する情報が検出されるので、例えば歪んだ状態の基板Pを露光してしまったり、その歪んだ状態で露光された基板Pに対する各種のプロセス処理を実行しつづけてしまったりすることを抑制することができる。したがって、デバイスの生産性の低下を抑制することができる。
【0101】
本実施形態においては、流路32の気圧に関する情報に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。したがって、例えば基板Pの歪みに関する情報を取得するためのマーク(アライメントマーク)が形成されていなくても、その基板Pの歪みに関する情報を取得することができる。例えば、成膜処理、露光処理、現像処理、及びエッチング処理を複数回繰り返して、基板Pに積層されたデバイスパターンを形成する場合、第一層目のパターンを形成するための露光処理(所謂、ファースト露光)の前の時点においては、基板Pにマークが形成されていない可能性が高い。本実施形態によれば、ファースト露光の際に、流路32の気圧に関する情報に基づいて、基板Pの歪みに関する情報を検出することができる。もちろん、エッチング処理等が実行された後の基板Pを露光する際に、検出装置50を用いて、その基板Pの歪みに関する情報を検出してもよい。
【0102】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
【0103】
第2実施形態の特徴的な部分は、基板Pの歪みに関する情報の検出が、基板Pの凹凸に関する情報の検出を含む点にある。
【0104】
図16は、第2実施形態に係る検出装置50Bの一例を示す模式図である。本実施形態において、検出装置50Bは、基板保持部21に配置され、基板Pの凹凸に関する情報を光学的に検出可能な光センサ60を含む。本実施形態において、光センサ60は、基板保持部21の溝24に配置されている。光センサ60は、基板保持部21に複数配置されている。光センサ60は、基板Pの裏面に検出光を照射して、その基板Pの裏面の位置(Z軸方向に関する位置)を検出可能である。検出装置50Bは、複数の光センサ60の検出結果に基づいて、基板Pの裏面の凹凸に関する情報を検出可能である。
【0105】
本実施形態においては、制御装置5は、トレイTPを介して搬送装置7で基板Pを支持した状態で、光センサ60から基板Pの裏面に検出光を射出する。すなわち、本実施形態においては、基板Pと基板保持部21とが間隙を介して対向された状態で、基板保持部21に配置された光センサ60で基板Pの凹凸に関する情報を検出する。
【0106】
本実施形態において、検出装置50Bを用いる、基板Pの凹凸に関する情報の検出は、基板保持部21に対して基板Pを搬送する基板受け渡し位置で実行される。検出装置50Bの検出結果に基づいて、基板Pの歪みが許容レベルであると判断された場合、制御装置5は、その基板Pを基板保持部21で保持する。基板保持部21に保持された基板Pは、露光位置に移動され、露光される。
【0107】
一方、基板Pの歪みが許容レベルでないと判断された場合、制御装置5は、例えば上述の補正処理を実行することができる。また、制御装置5は、その基板Pを基板保持部21に保持させることなく、例えば製造ラインから排除する処理を実行したり、基板Pを再生する処理を実行したりしてもよい。基板受け渡し位置は、外部装置に近いので、その基板Pを製造ラインから排除する処理、あるいは基板Pを再生する処理に円滑に移行させることができる。
【0108】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0109】
第3実施形態の特徴的な部分は、基板Pの凹凸に関する情報の検出が、基板保持部21に保持された基板Pに対する第1処理(露光処理についての通常シーケンスに対応した処理)の少なくとも一部と並行して実行される点にある。
【0110】
本実施形態において、基板Pの凹凸に関する情報は、検出システム8によって検出される。検出システム8は、基板保持部21に保持された基板Pの表面の凹凸に関する情報を検出可能である。検出システム8は、基板保持部21に保持された基板Pの露光の少なくとも一部と並行して、基板Pの凹凸に関する情報を検出可能である。
【0111】
例えば、基板Pの露光中、あるいは基板Pの露光後、検出システム8の検出結果に基づいて、基板Pの歪みが許容レベルでないと判断された場合、制御装置5は、その基板Pを製造ラインから除去する処理を実行したり、基板Pを再生する処理を実行したりすることができる。基板Pが歪んだ状態で露光された場合でも、検出システム8の検出結果に基づいて、基板Pの歪みが許容レベルでないと判断された場合、その基板Pに対して、現像処理及びエッチング処理等を含む後処理が実行されてしまうことを抑制することができる。したがって、不良デバイスの発生を抑制することができる。また、基板Pの露光後、その基板Pが後処理が実行される前に、その基板Pの感光膜を除去する処理が実行され、再度、感光膜を形成する処理が実行されることによって、その基板Pを廃棄することなく、その基板Pにデバイスパターンを形成することができる。
【0112】
なお、上述の第1〜第3実施形態の基板Pとしては、ディスプレイデバイス用のガラスプレートのみならず、半導体デバイス製造用の半導体ウエハ、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0113】
なお、露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを介した露光光ELで基板Pを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
【0114】
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
【0115】
また、本発明は、米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基板を保持せずに、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置を採用することができる。
【0116】
露光装置EXの種類としては、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置に限られず、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0117】
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計を含む干渉計システムを用いて各ステージの位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。
【0118】
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
【0119】
上述の実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0120】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図17に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板(感光材)を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。なお、ステップ204では、感光材を現像することで、マスクのパターンに対応する露光パターン層(現像された感光材の層)を形成し、この露光パターン層を介して基板を加工することが含まれる。
【0121】
なお、上述の各実施形態においては、基板処理装置が露光装置EXである場合を例にして説明した、基板保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理装置であれば、上述の各実施形態で説明した各種の処理を実行することができる。例えば、基板処理装置が、基板Pに感光膜を形成する成膜装置(コーティング装置)である場合、第1処理は、成膜装置が有する基板保持部に保持された基板に感光膜を形成する処理、及びその感光膜が形成された基板を基板保持部から搬出する処理を含む。成膜装置において基板に成膜する際に、上述の各実施形態で説明した検出装置で基板Pの歪みに関する情報を検出し、その検出した歪みに関する情報に基づいて、その基板に対して第1処理と異なる第2処理の要否を判断することによって、不良デバイスの発生を抑制することができる。
【0122】
なお、上述の実施形態及び変形例の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【符号の説明】
【0123】
5…制御装置、7…搬送装置、8…検出システム、 21…基板保持部、31…吸引装置、32…流路、33…吸引装置、36…圧力センサ、50…検出装置、60…光センサ、EX…露光装置、P…基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理方法であって、
前記保持部に搬送された前記基板の歪みに関する情報を検出することと、
前記歪みに関する情報に基づいて、前記基板に対して前記第1処理と異なる第2処理の要否を判断することと、
を含む基板処理方法。
【請求項2】
前記要否の判断結果に基づいて、前記基板に対して前記第2処理を実行することを含む請求項1記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記保持部と前記基板との間の気体の少なくとも一部を前記保持部に配置された流路を介して吸引することを含み、
前記歪みに関する情報の検出は、前記流路の気圧に関する情報の検出を含む請求項1又は2記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記歪みに関する情報の検出は、前記流路の気圧に関する基準情報と、検出された前記流路の気圧に関する情報とに基づいて実行される請求項3記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記流路の気圧に関する情報の検出は、前記吸引を開始してから前記気圧が所定値に達するまでの経過時間の検出を含む請求項3又は4記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記流路の気圧に関する情報の検出は、前記吸引中における所定時点の前記気圧の検出を含む請求項3〜5のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記流路の気圧に関する情報の検出は、前記吸引中における前記気圧の変化の検出を含む請求項3〜6のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記流路の気圧に関する情報の検出は、前記吸引において検出される前記気圧の最小値の検出を含む請求項3〜7のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記流路が前記保持部において複数箇所に配置され、
前記流路の気圧に関する情報の検出は、複数の前記流路それぞれの気圧の検出を含む請求項3〜8のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記流路の気圧に関する情報の検出は、複数の前記流路のうち、第1流路の気圧と第2流路の気圧との差分の検出を含む請求項9記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記歪みに関する情報の検出は、複数の前記流路それぞれの気圧の検出結果に基づく前記基板における歪み発生領域の検出を含む請求項9又は10記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記歪みに関する情報の検出は、前記基板の凹凸に関する情報の検出を含む請求項1又は2記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記基板の凹凸に関する情報の検出は、前記保持部に対して基板を搬送する基板受け渡し位置で実行される請求項12記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記基板の凹凸に関する情報の検出は、前記保持部に保持された前記基板に対する第1処理の少なくとも一部と並行して実行される請求項13記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記第2処理は、前記保持部に載置された前記基板を再載置する処理を含む請求項1〜14のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記第2処理は、前記基板と前記保持部とを対向させた状態で、前記基板と前記保持部とを相対的に移動する処理を含む請求項1〜14のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記移動の少なくとも一部において、移動速度を変化させる請求項16記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記移動の少なくとも一部において、前記基板を振動させる請求項16又は17記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記第2処理は、前記保持部上において前記基板を振動させる処理を含む請求項1〜18のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記第2処理は、前記基板に給気する処理を含む請求項1〜19のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項21】
前記歪みに関する情報に基づいて、前記基板に対する給気条件が制御される請求項20記載の基板処理方法。
【請求項22】
前記給気条件は、前記基板に対する給気位置を含む請求項21記載の基板処理方法。
【請求項23】
前記第2処理は、前記基板を再生する処理を含む請求項1〜21のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項24】
前記第2処理は、前記歪みに関する情報に基づいて、前記基板の歪みを補正する補正処理を含む請求項1〜23のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項25】
前記基板に対して異なる複数種類の補正処理が実行可能であり、
前記歪みに関する情報に基づいて、前記複数種類の補正処理のうち、所定の補正処理が実行される請求項24記載の基板処理方法。
【請求項26】
保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理装置であって、
前記保持部に搬送された前記基板の歪みに関する情報を検出する検出装置と、
前記歪みに関する情報に基づいて、前記基板に対して前記第1処理と異なる第2処理の要否を判断する制御装置と、を備える基板処理装置。
【請求項1】
保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理方法であって、
前記保持部に搬送された前記基板の歪みに関する情報を検出することと、
前記歪みに関する情報に基づいて、前記基板に対して前記第1処理と異なる第2処理の要否を判断することと、
を含む基板処理方法。
【請求項2】
前記要否の判断結果に基づいて、前記基板に対して前記第2処理を実行することを含む請求項1記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記保持部と前記基板との間の気体の少なくとも一部を前記保持部に配置された流路を介して吸引することを含み、
前記歪みに関する情報の検出は、前記流路の気圧に関する情報の検出を含む請求項1又は2記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記歪みに関する情報の検出は、前記流路の気圧に関する基準情報と、検出された前記流路の気圧に関する情報とに基づいて実行される請求項3記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記流路の気圧に関する情報の検出は、前記吸引を開始してから前記気圧が所定値に達するまでの経過時間の検出を含む請求項3又は4記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記流路の気圧に関する情報の検出は、前記吸引中における所定時点の前記気圧の検出を含む請求項3〜5のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記流路の気圧に関する情報の検出は、前記吸引中における前記気圧の変化の検出を含む請求項3〜6のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記流路の気圧に関する情報の検出は、前記吸引において検出される前記気圧の最小値の検出を含む請求項3〜7のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記流路が前記保持部において複数箇所に配置され、
前記流路の気圧に関する情報の検出は、複数の前記流路それぞれの気圧の検出を含む請求項3〜8のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記流路の気圧に関する情報の検出は、複数の前記流路のうち、第1流路の気圧と第2流路の気圧との差分の検出を含む請求項9記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記歪みに関する情報の検出は、複数の前記流路それぞれの気圧の検出結果に基づく前記基板における歪み発生領域の検出を含む請求項9又は10記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記歪みに関する情報の検出は、前記基板の凹凸に関する情報の検出を含む請求項1又は2記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記基板の凹凸に関する情報の検出は、前記保持部に対して基板を搬送する基板受け渡し位置で実行される請求項12記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記基板の凹凸に関する情報の検出は、前記保持部に保持された前記基板に対する第1処理の少なくとも一部と並行して実行される請求項13記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記第2処理は、前記保持部に載置された前記基板を再載置する処理を含む請求項1〜14のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記第2処理は、前記基板と前記保持部とを対向させた状態で、前記基板と前記保持部とを相対的に移動する処理を含む請求項1〜14のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記移動の少なくとも一部において、移動速度を変化させる請求項16記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記移動の少なくとも一部において、前記基板を振動させる請求項16又は17記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記第2処理は、前記保持部上において前記基板を振動させる処理を含む請求項1〜18のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記第2処理は、前記基板に給気する処理を含む請求項1〜19のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項21】
前記歪みに関する情報に基づいて、前記基板に対する給気条件が制御される請求項20記載の基板処理方法。
【請求項22】
前記給気条件は、前記基板に対する給気位置を含む請求項21記載の基板処理方法。
【請求項23】
前記第2処理は、前記基板を再生する処理を含む請求項1〜21のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項24】
前記第2処理は、前記歪みに関する情報に基づいて、前記基板の歪みを補正する補正処理を含む請求項1〜23のいずれか一項記載の基板処理方法。
【請求項25】
前記基板に対して異なる複数種類の補正処理が実行可能であり、
前記歪みに関する情報に基づいて、前記複数種類の補正処理のうち、所定の補正処理が実行される請求項24記載の基板処理方法。
【請求項26】
保持部に搬送された基板に対して第1手順に対応した第1処理を実行する基板処理装置であって、
前記保持部に搬送された前記基板の歪みに関する情報を検出する検出装置と、
前記歪みに関する情報に基づいて、前記基板に対して前記第1処理と異なる第2処理の要否を判断する制御装置と、を備える基板処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−59489(P2011−59489A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210446(P2009−210446)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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