説明

基板処理装置および半導体装置の製造方法

【課題】少数枚の基板を取り扱うのに好適でコストを低減することができる基板処理装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】小バッチ式CVD装置1は一度に処理するプロダクトウエハWbの枚数が一台のプロダクトウエハ用ポッド26Bに収納される枚数以下に設定されており、一台のプロダクトウエハ用ポッド26Bに収容されたプロダクトウエハWbをサイドダミーウエハ用ポッド26Aに収納されたサイドダミーウエハWaと共にボート9に装填してプロセスチューブ4で一度に処理するように構成されている。一度にバッチ処理する枚数のプロダクトウエハが一台のポッドに収納されるため、ポッドを一時的に保管するための棚や、ポッドを保管棚とポッドステージとの間で搬送するためのポッド搬送装置等を省略でき、バッチ式CVD装置のイニシャルコストやランニングコストを低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および半導体装置の製造方法に関し、特に、比較的に小数枚の基板をバッチ処理するためのものに係り、例えば、半導体素子を含む半導体集積回路が作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に不純物を拡散したり絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したりする拡散・CVD装置およびそれを使用したウエハ処理装置並びに半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法に利用して有効なものに関する。
【背景技術】
【0002】
ICの製造方法において、ウエハに不純物を拡散したり絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したりするウエハ処理方法には、バッチ式縦形拡散・CVD装置(以下、バッチ式CVD装置という。)が使用されている。
【0003】
ところで、バッチ式CVD装置を含む基板処理装置において被処理基板である複数枚のウエハを収納して搬送するためのキャリア(ウエハ収納容器)としては、互いに対向する一対の面が開口された略立方体の箱形状に形成されているカセットと、一つの面が開口された略立方体の箱形状に形成され開口面にキャップが着脱自在に装着されているFOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという。)とがある。ウエハのキャリアとしてポッドが使用される場合には、ウエハが密閉された状態で搬送されることになるため、周囲の雰囲気にパーティクル等が存在していたとしてもウエハの清浄度は維持することができる。したがって、基板処理装置が設置されるクリーンルーム内の清浄度をあまり高く設定する必要がなくなるため、クリーンルームに要するコストを低減することができる。そこで、最近のバッチ式CVD装置においては、ウエハのキャリアとしてポッドが使用されて来ている。
【0004】
ウエハのキャリアとしてポッドを使用したバッチ式CVD装置としては、ウエハに所望の処理を施すプロセスチューブと、多数枚(例えば、百五十枚)のウエハを保持してプロセスチューブに搬入搬出するボートと、ウエハがボートの間でウエハ移載装置によって授受されるウエハ授受ポートと、ポッドが置かれるポッドステージと、ポッドを一時的に保管するポッド棚と、ポッドをポッドステージとポッド棚との間およびポッド棚とウエハ授受ポートとの間で搬送するポッド搬送装置とを備えており、次のように作用するものがある。
【0005】
すなわち、このバッチ式CVD装置において、ポッドはポッドステージに供給され、ポッド搬送装置によってポッド棚に搬送されて一時的に保管される。ポッド棚に保管されたポッドは複数台がポッド搬送装置によってウエハ授受ポートに繰り返し搬送される。ウエハ授受ポートに搬送されたポッドのウエハは多数枚が、ボートにウエハ移載装置によって装填(チャージング)される。ボートに装填されたウエハはボートによってプロセスチューブに搬入(ローディング)され、プロセスチューブによって所望の処理を施される。
【0006】
処理されたウエハはボートによってプロセスチューブから搬出(アンローディング)される。処理済みの多数枚のウエハはボートからウエハ移載装置によって繰り返しディスチャージングされ、ウエハ授受ポートの複数台の空のポッドに繰り返し戻される。処理済みのウエハを収納されたポッドはポッド搬送装置によってポッド棚に一時的に保管された後に、ポッドステージに繰り返し搬送される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最近、システムLSI等の生産に当たっては、ウエハを投入してから完成までをできるだけ短時間で行う、QTAT(Quick Turned Around Time)生産が重要となって来ており、一回の処理枚数が二十五枚以下という小バッチのバッチ式CVD装置が必要になって来ている。この小バッチのバッチ式CVD装置においては、一回のバッチに供給するポッドの数は二個〜三個も有ればよい。
【0008】
しかしながら、前記したバッチ式CVD装置は一回の処理枚数が百五十枚程度の大バッチのためのものであり、ポッド棚の投影床面積や段数を大きく設定したりポッド棚を回転構造に構築したりすることにより、ポッド棚におけるポッドの保管数が増加されているため、小バッチのバッチ式CVD装置に転用したのでは、全体が大形化したり構造が複雑化したりすることにより、イニシャルコストやランニングコストが増加するという問題点があり、また、QTAT生産に充分に対応することができないという問題点がある。
【0009】
本発明の目的は、少数枚の基板を取り扱うのに好適でコストを低減することができる基板処理装置および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)筐体の内部にプロセスチューブが設置されており、前記プロセスチューブにおいて一度に処理する製品基板の枚数が一台の製品基板用キャリアに収納される枚数以下に設定されており、かつ、一台の製品基板用キャリアに収容された製品基板が一度に処理されることを特徴とする基板処理装置。
(2)筐体の内部にプロセスチューブが設置されており、前記プロセスチューブにおいて一度に処理する製品基板の枚数が一台の製品基板用キャリアに収納される枚数以下に設定されており、かつ、一台の製品基板用キャリアに収容された製品基板が一度に処理される半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
前記した手段によれば、少数枚の基板を取り扱うのに好適でコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る小バッチ式CVD装置の外観を示した斜視図である。
【図2】その平面断面図である。
【図3】その側面断面図である。
【図4】ポッド搬送装置を示す斜視図である。
【図5】その作用であり本発明の一実施の形態であるウエハ処理方法におけるポッド搬入搬出方法を説明するための各部分正面図である。
【図6】同じくウエハのチャージングおよびディスチャージング方法を説明するための各部分正面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る小バッチ式CVD装置の外観を示した斜視図である。
【図8】その平面断面図である。
【図9】その側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0014】
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置は、一回のバッチ処理の枚数が五十枚程度以下の小バッチを取り扱うバッチ式CVD装置すなわち小バッチ式縦形拡散・CVD装置(以下、小バッチ式CVD装置という。)として構成されている。この小バッチ式CVD装置は製品基板としてはプロダクトウエハを取り扱うものとして構成されており、製品基板用キャリアとしてはポッドを取り扱うものとして構成されている。
なお、以下の説明において、前後左右は図2を基準とする。すなわち、ポッドオープナ21側が前側、その反対側が後側、クリーンユニット17側が左側、その反対側が右側とする。
【0015】
図1〜図3に示されているように、小バッチ式CVD装置1は筐体2を備えており、筐体2内の後端部の上部にはヒータユニット3が垂直方向に据え付けられており、ヒータユニット3の内部にはプロセスチューブ4が同心に配置されている。プロセスチューブ4にはプロセスチューブ4内に原料ガスやパージガス等を導入するためのガス導入管5と、プロセスチューブ4内を真空排気するための排気管6とが接続されている。
【0016】
筐体2の後端部の下部には送りねじ装置等によって構成されたエレベータ7が設置されており、エレベータ7はプロセスチューブ4の真下に水平に配置されたシールキャップ8を垂直方向に昇降させるように構成されている。シールキャップ8はプロセスチューブ4の炉口である下端開口をシールするように構成されているとともに、ボート9を垂直に支持するように構成されている。ボート9は基板としてのウエハWを複数枚(例えば、五十枚程度以下)、中心を揃えて水平に配置した状態で支持して、プロセスチューブ4の処理室に対してエレベータ7によるシールキャップ8の昇降に伴って搬入搬出するように構成されている。
【0017】
図2および図3に示されているように、筐体2内の前側領域にはボート9に対してウエハWをチャージングおよびディスチャージングするウエハ移載装置10が設置されている。ウエハ移載装置10はロータリーアクチュエータ11を備えており、ロータリーアクチュエータ11は上面に設置された第一リニアアクチュエータ12を水平面内で回転させるように構成されている。第一リニアアクチュエータ12の上面には第二リニアアクチュエータ13が設置されており、第一リニアアクチュエータ12は第二リニアアクチュエータ13を水平移動させるように構成されている。第二リニアアクチュエータ13の上面には移動台14が設置されており、第二リニアアクチュエータ13は移動台14を水平移動させるように構成されている。移動台14にはウエハWを下から支持するツィーザ15が複数枚(本実施の形態においては五枚)、等間隔に配置されて水平に取り付けられている。ウエハ移載装置10は送りねじ機構によって構成されたエレベータ16によって昇降されるようになっている。
【0018】
なお、図2に示されているように、筐体2内の後部における左側壁にはクリーンエアを吹き出すクリーンユニット17が、ボート9にクリーンエアを吹き付けるように設置されている。また、筐体2内の中央部における左側寄りにはボート9と同様に構成されたウエハストッカ18が設置されており、ウエハストッカ18は複数枚のサイドダミーウエハを保管するようになっている。
【0019】
図1〜図3に示されているように、筐体2の正面壁の中央部にはウエハWを筐体2に対して搬入搬出するためのウエハ搬入搬出口20が開設されており、ウエハ搬入搬出口20にはポッドオープナ21が設置されている。ポッドオープナ21はポッド26を載置する載置台22と、載置台22に載置されたポッド26のキャップ27を着脱するキャップ着脱機構23とを備えており、載置台22に載置されたポッド26のキャップ27をキャップ着脱機構23によって着脱することにより、ポッド26のウエハ出し入れ口を開閉するようになっている。
【0020】
図1〜図3に示されているように、筐体2の正面の下部におけるポッドオープナ21の載置台22の左脇および右脇にはポッド26を載置する第一ポッドステージ24および第二ポッドステージ25が載置台22にそれぞれ隣接して設置されている。第一ポッドステージ24および第二ポッドステージ25に対してはポッド26が、図示しない工程内搬送装置〔移載装置付き有軌道無人搬送車(RGV)、移載装置付き無人搬送車(AGV)、手動移載装置付き有人搬送台車(PGV)等〕によって供給および排出されるようになっている。
【0021】
図1〜図3に示されているように、筐体2の正面の上部にはポッドオープナ21と第一ポッドステージ24および第二ポッドステージ25との間でポッド26をその把手28を把持(クランピング)した状態で搬送する図4に示されたポッド搬送装置30が設備されている。
【0022】
すなわち、図4に示されているように、ポッド搬送装置30は左右方向に延在するように垂直に固定された取付板31を備えており、取付板31の前面の上部にはアングル型鋼形状に形成されたベース板33が左右方向に水平に敷設されてブラケット32によって固定されている。ベース板33の上面における左右両端部には左右で一対のブラケット34、34がそれぞれ立設されており、左右のブラケット34、34には左右で一対のプーリー35、35がそれぞれ回転自在に支承されている。左右のプーリー35、35の間にはタイミングベルト36が走行可能に巻き掛けられている。取付板31の左右のブラケット34、34の中間位置には中央のブラケット37が固定されており、中央のブラケット37にはサーボモータ38によって回転駆動される駆動用プーリー39が支承されている。駆動用プーリー39はタイミングベルト36の上側走行部分と下側走行部分の間に挿入されており、タイミングベルト36の上側走行部分が上側から巻き掛けられている。中央ブラケット37の駆動用プーリー39の左右両脇には左右で一対のテンション用プーリー40、40が回転自在に支承されており、左右のテンション用プーリー40、40はタイミングベルト36の上側走行部分に外側から押接することにより、タイミングベルト36を駆動用プーリー39に押し付けるとともに、適度のテンションを付勢するようになっている。
【0023】
アングル型鋼形状のベース板33の垂直部材の前面にはリニアガイドレール41が左右方向に水平に敷設されており、リニアガイドレール41には走行ブロック42が左右方向に走行自在に跨設されている。走行ブロック42の上面には連結具43が固定されており、連結具43はタイミングベルト36の下側走行部分の中央部に連結されている。つまり、走行ブロック42はサーボモータ38による駆動用プーリー39を介してのタイミングベルト36の走行によってリニアガイドレール41を案内にして左右方向に走行されるようになっている。
【0024】
走行ブロック42の前面には第一のエアシリンダ45がブラケット44を介して垂直方向下向きに据え付けられており、第一のエアシリンダ45のピストンロッド46には第二のエアシリンダ48がブラケット47を介して左右方向水平に配されて吊持されている。第二のエアシリンダ48は左右方向に進退する左右のピストンロッド49、49を備えており、左右のピストンロッド49、49の先端には左右で一対の下側押さえ50、50が左右対称形に配置されて垂直に延在するようにそれぞれ固定されている。左右の下側押さえ50、50はポッド26の把手28の下側にピストンロッド49の短縮作動によって左右両脇から進入して把手28の下側端面に対向するようになっている。
【0025】
また、第二のエアシリンダ48の下面の中央部には第三のエアシリンダ51が垂直方向下向きに据え付けられており、第三のエアシリンダ51のピストンロッド52の下端には上側押さえ53が直交して固定されている。上側押さえ53はピストンロッド52の伸長作動によってポッド26の把手28の上面に押接することにより、左右の下側押さえ50、50と協働してポッド26の把手28を把持するようになっている。なお、ポッド搬送装置30における以上の機構部はカバー54によって図1に示されているように全体的に被覆されている。
【0026】
以下、本発明の一実施の形態に係るICの製造方法の特徴工程であって、本発明の一実施の形態に係るウエハ処理方法である成膜方法を、その特徴ステップであるポッドの搬入搬出(ポッドローディングおよびポッドアンローディング)方法およびウエハのボートに対する装填および脱装(ウエハチャージングおよびウエハディスチャージング)方法を主に、前記構成に係る小バッチ式CVD装置を使用して実施する場合について図5および図6を主に使用して説明する。ここで、第一ポッドステージ24に供給されるポッド(以下、第一ポッド26Aという。)にはサイドダミーウエハが二十五枚収納されているものとし、第二ポッドステージ25に供給されるポッド(以下、第二ポッド26Bという。)には製品基板としてのプロダクトウエハが二十五枚収納されているものとする。
【0027】
第一ポッド26Aおよび第二ポッド26Bは第一ポッドステージ24および第二ポッドステージ25に工程内搬送装置によってそれぞれ供給される。第一ポッドステージ24に供給された第一ポッド26Aはポッド搬送装置30の図5に示された作用によってピックアップされて把持された状態で、図6(a)から(b)に示されているように、ポッドオープナ21の載置台22の上へ搬送されて載置される。
【0028】
ここで、ポッド搬送装置30のピックアップおよびプットダウンの作用をポッド26について図5によって説明する。ポッド搬送装置30が第一ポッドステージ24に載置されたポッド26をピックアップするに際して、図5(a)に示されているように、上側押さえ53が第一ポッドステージ24に載置されたポッド26の把手28の真上に位置される。すなわち、走行ブロック42がサーボモータ38による駆動用プーリー39を介してのタイミングベルト36の走行によってリニアガイドレール41を案内にして左右方向に走行されることにより、上側押さえ53が所定の位置に移動される。この際、左右の下側押さえ50、50は第二のエアシリンダ48のピストンロッド49、49によって把手28の上方の両脇で開いた状態になっている。
【0029】
図5(b)に示されているように、上側押さえ53および開いた状態の左右の下側押さえ50、50は互いの上下方向の間隔を保った状態で、把手28の上側および下側に対向する位置まで第一のエアシリンダ45のピストンロッド46の伸長作動によって下降される。
【0030】
図5(c)に示されているように、左右の下側押さえ50、50は把手28の下側へ第二のエアシリンダ48のピストンロッド49、49の短縮作動によって挿入される。この挿入により、左右の下側押さえ50、50の先端部の上面は把手28の下面の左端部および右端部に若干の隙間を置いてそれぞれ対向した状態になる。
【0031】
この状態で、図5(d)に示されているように、第一のエアシリンダ45のピストンロッド46が短縮作動されると、左右の下側押さえ50、50の先端部が把手28の下面の左端部および右端部に当接するため、左右の下側押さえ50、50がポッド26を掬い上げた状態になる。同時に、上側押さえ53が第三のエアシリンダ51のピストンロッド52の伸長作動によって下降されると、上側押さえ53と左右の下側押さえ50、50とは把手28を上下から把持した状態になる。このように把手28が上側押さえ53と下側押さえ50とによって構成されたクランプ部によって把持された状態になるため、ポッド搬送装置30はポッド26を安全かつ迅速に搬送することができる。
【0032】
そして、ポッド搬送装置30は把手28を上側押さえ53と下側押さえ50とによって把持した状態で、ポッド26を第一ポッドステージ24の真上からポッドオープナ21の載置台22の真上に搬送する。すなわち、走行ブロック42がサーボモータ38による駆動用プーリー39を介してのタイミングベルト36の走行によってリニアガイドレール41を案内にして左右方向に走行されることにより、ポッド搬送装置30はポッド26をポッドオープナ21の載置台22の真上に搬送する。
【0033】
ポッドオープナ21の載置台22の真上に搬送されたポッド26は載置台22の上に、前述と逆の作動によって載置(プットダウン)される。すなわち、まず、図5(c)で参照されるように、上側押さえ53が第三のエアシリンダ51のピストンロッド52の短縮作動によって若干上昇された後に、第一のエアシリンダ45のピストンロッド46の伸長作動によって左右の下側押さえ50、50が下降され、ポッド26が載置台22の上に着地される。続いて、図5(b)で参照されるように、左右の下側押さえ50、50が第二のエアシリンダ48のピストンロッド49の伸長作動によって開かれ、把手28の下側空間から抜き出される。その後、図5(a)で参照されるように、上側押さえ53および開いた状態の左右の下側押さえ50、50は互いの上下方向の間隔を保った状態で、第一のエアシリンダ45のピストンロッド46の伸長作動によって所定の待機位置まで上昇される。
【0034】
以上のポッド搬送装置30の作用によってポッドオープナ21の載置台22の上に図6(b)に示されているように供給された第一ポッド26Aは、そのキャップ27をキャップ着脱機構23によって取り外されてウエハの出し入れ口を開放される。
【0035】
ポッドオープナ21で開放された第一ポッド26Aの複数枚のサイドダミーウエハWaはウエハ移載装置10によって払出(ウエハローディング)されて、ボート9へ順次装填(チャージング)されて行く。この際、図3に示されているように、サイドダミーウエハWaはボート9の上側端部および下側端部に適宜に分配されて装填される。
【0036】
第一ポッドステージ24から搬送されて来た第一ポッド26AのサイドダミーウエハWaについてのボート9への装填作業が完了すると、ポッドオープナ21の載置台22で空になった第一ポッド26Aはキャップ着脱機構23によってキャップ27を装着された後に、図6(b)および(c)に示されているように、ポッドオープナ21の載置台22から第一ポッドステージ24へポッド搬送装置30の前述した作動によって搬送されて戻される。
【0037】
次に、図6(c)および(d)に示されているように、第二ポッドステージ25の第二ポッド26Bが第二ポッドステージ25からポッドオープナ21の載置台22へポッド搬送装置30の前述した作動によって搬送されて載置される。ポッドオープナ21に供給された第二ポッド26Bはそのキャップ27をキャップ着脱機構23によって取り外されてウエハの出し入れ口を開放される。
【0038】
続いて、図6(d)および(e)に示されているように、ポッドオープナ21に供給された第二ポッド26BのプロダクトウエハWbがボート9にウエハ移載装置10によって順次装填されて行く。この際、図3に示されているように、プロダクトウエハWbはボート9の上側端部および下側端部に分配されて装填されたサイドダミーウエハWa群の間に適宜に装填される。
【0039】
図6(e)に示されているように、全てのプロダクトウエハWbがボート9に装填されることによって空になった第二ポッド26Bは、ポッドオープナ21の載置台22の上に置かれたままの状態で待機する。なお、この際、第二ポッド26Bはキャップ着脱機構23によってキャップ27を装着し、その状態で待機させても構わない。
【0040】
以上のようにして予め指定された枚数(例えば、サイドダミーウエハWaとプロダクトウエハWbとの合計が三十枚〜三十二枚)のサイドダミーウエハWaおよびプロダクトウエハWbがボート9に装填されると、ボート9はエレベータ7によって上昇されてプロセスチューブ4の処理室に搬入(ボートローディング)される。ボート9が上限に達すると、ボート9を保持したシールキャップ8の上面の周辺部がプロセスチューブ4をシール状態に閉塞するため、処理室は気密に閉じられた状態になる。
【0041】
プロセスチューブ4の処理室は気密に閉じられた状態で、所定の圧力となるように排気管6によって排気され、ヒータユニット3によって所定の温度に加熱され、所定の原料ガスがガス導入管5によって所定の流量だけ供給される。これにより、予め設定された処理条件に対応する所望の膜がプロダクトウエハWbに形成される。ここで、処理室で一度に処理するプロダクトウエハWbの枚数は、一台の製品基板用キャリアである第二ポッド26Bに収納されるプロダクトウエハ枚数以下に設定されており、一台の製品基板用キャリアである第二ポッド26Bに収容された全てのプロダクトウエハが処理室において一度に処理されるようになっている。
【0042】
そして、予め設定された処理時間が経過すると、ボート9がエレベータ7によって下降されることにより、処理済みプロダクトウエハWbおよびサイドダミーウエハWaを保持したボート9が元の待機位置(ウエハチャージングおよびディスチャージングステーション)に搬出(ボートアンローディング)される。
【0043】
ボート9が待機位置に搬出されると、処理済みのプロダクトウエハWbに移載中の廃塵の付着を防止するために、まず、ボート9の処理済みプロダクトウエハWbがウエハ移載装置10によって脱装(ディスチャージング)されて、図6(e)に示されているように、ポッドオープナ21の載置台22で待機している空の第二ポッド26Bに収納(ウエハアンローディング)される。
【0044】
処理済みプロダクトウエハWbの空の第二ポッド26Bへの収納作業が完了すると、プロダクトウエハWbが一杯になった第二ポッド26Bはキャップ着脱機構23によってキャップ27を装着された後に、図6(d)および(c)で参照されるように、ポッドオープナ21の載置台22から第二ポッドステージ25へポッド搬送装置30の前述した作動によって搬送されて戻される。
【0045】
次に、図6(c)および(b)で参照されるように、第一ポッドステージ24の空の第一ポッド26Aが第一ポッドステージ24からポッドオープナ21の載置台22にポッド搬送装置30の前述した作動によって搬送されて供給される。続いて、第一ポッド26Aのキャップがキャップ着脱機構23によって開放された後に、ボート9の使用済みのサイドダミーウエハWaが空の第一ポッド26Aへウエハ移載装置10によって収納される。
【0046】
使用済みのサイドダミーウエハWaが収納された第一ポッド26Aはキャップ着脱機構23によって閉じられた後に、図6(b)および(a)で参照されるように、ポッドオープナ21の載置台22から第一ポッドステージ24にポッド搬送装置30の前述した作動によって搬送されて戻される。なお、第一ポッド26Aはポッドオープナ21から第一ポッドステージ24に戻さずに、ポッドオープナ21において次回のチャージング作業に対してそのまま待機させてもよい。
【0047】
以上のようにして、処理済みプロダクトウエハWbを収納されて第二ポッドステージ25に戻された第二ポッド26Bは第二ポッドステージ25から洗浄工程や成膜検査工程等の後工程へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。さらに、成膜済みのプロダクトウエハWbはリソグラフィー工程やエッチング工程に搬送されて所定の処理が施されることより、本実施の形態であるICの製造方法に係るICが製造される。また、使用済みのサイドダミーウエハWaを収納されて第一ポッドステージ24に戻された第一ポッド26Aは、サイドダミーウエハWaが再使用可能である間は第一ポッドステージ24に置かれて繰り返し使用される。
そして、繰り返しの使用によってサイドダミーウエハWaの反りや汚染が許容値以上になった時期において、使用済みのサイドダミーウエハWaを収納した第一ポッド26Aは第一ポッドステージ24から本実施の形態に係るICの製造方法の一つの工程であるサイドダミーウエハ交換工程等へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。
【0048】
以降、前述した本実施の形態に係るウエハ処理方法が繰り返されて、プロダクトウエハWbが例えば二十五枚ずつ、小バッチ式CVD装置1によってバッチ処理されて行き、本発明の一実施の形態であるICの製造方法に係るICが製造されて行く。
【0049】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0050】
1) 一バッチ当たりのプロダクトウエハの枚数を二十五枚以下に設定することにより、バッチ式CVD装置は一バッチ当たりプロダクトウエハ用キャリアとしての第一ポッドが一台とサイドダミーウエハ用キャリアとしての第二ポッドが一台とを取り扱えば済むため、従来の大バッチ式CVD装置に比べて、タクトタイム(ウエハ搬入からウエハ搬出までの時間)を大幅に短縮することができる。
【0051】
2) 取り扱うポッドの台数を少数に設定することにより、CVD装置を小形化することができるため、CVD装置のイニシャルコストやランニングコストを低減することができ、また、フットプリント(占有床面積)を小さくすることができ、クリーンルームの有効活用を図ることができる。
【0052】
3) 一バッチ当たりのサイドダミーウエハの使用枚数を低減することにより、大バッチ式CVD装置に比べてダミーウエハに関するイニシャルコストおよびランニングコストを低減することができる。
【0053】
4) ポッドオープナの左右両脇に第一ポッドステージおよび第二ポッドステージを設け、ポッドオープナとポッドステージとの間でポッドをポッド搬送装置によって搬送することにより、ポッドを一時的に保管するための棚を省略することができるため、小バッチを取り扱う場合にイニシャルコストやランニングコストをより一層低減することができる。
【0054】
5) ポッド搬送装置をポッドオープナと第一ポッドステージおよび第二ポッドステージの真上に設置することにより、ポッド搬送装置を設置することによる占拠面積の増加を回避することができるとともに、小バッチ式CVD装置のスループットを高めることができる。
【0055】
6) ポッド搬送装置によるポッドの搬送に際して、ポッドの把手を上側押さえと下側押さえからなるクランプ部によって把持することにより、ポッドの脱落を防止してポッドを安全に搬送することができるため、搬送中の脱落等によるウエハの損傷事故を確実に防止することができる。
【0056】
7) ポッドオープナのポッド載置台とポッドステージとを筐体の外部にそれぞれ設置することにより、ポッドに付着したパーティクル等の異物が筐体の内部に侵入するのを防止することができるため、筐体の内部を清浄に維持することができ、その結果、ウエハ基板処理方法の品質および信頼性を高めることができ、ICの製造方法の製造歩留りを高めることができる。
【0057】
図7は本発明の他の実施の形態に係る小バッチ式CVD装置の外観を示す斜視図である。図8はその平面断面図である。図9はその側面断面図である。
【0058】
本実施の形態に係る小バッチ式CVD装置1Aが、前記実施の形態に係る小バッチ式CVD装置1と異なる点は、ポッド搬送装置30が省略されている代わりに、筐体2Aの正面壁に第一ポッドステージ24に対向する第一ウエハ搬入搬出口20Aと、第二ポッドステージ25に対向する第二ウエハ搬入搬出口20Bとがそれぞれ開設されており、第一ウエハ搬入搬出口20Aおよび第二ウエハ搬入搬出口20Bに第一ポッドオープナ21Aおよび第二ポッドオープナ21Bがそれぞれ設置されている点である。
【0059】
以下、本実施の形態に係る小バッチ式CVD装置1Aの作用を説明することにより、本発明の他の実施の形態としてのウエハ処理方法である成膜方法を、その特徴ステップであるポッド搬入搬出方法およびウエハ装填脱装方法を主にして説明する。ここで、第一ポッドステージ24に供給されるポッド(以下、第一ポッド26Aという。)には、サイドダミーウエハが二十五枚収納されているものとし、第二ポッドステージ25に供給されるポッド(以下、第二ポッド26Bという。)には、製品基板としてのプロダクトウエハが二十五枚収納されているものとする。そして、第一ポッド26Aおよび第二ポッド26Bは第一ポッドステージ24および第二ポッドステージ25に工程内搬送装置によってそれぞれ供給される。
【0060】
図8では想像線で図9では実線で示されているように、第一ポッドステージ24に供給された第一ポッド26Aは第一ポッドオープナ21Aのポッド移動装置(図示せず)によって第一ウエハ搬入搬出口20Aに押し付けられる。押し付けられた第一ポッド26Aはそのキャップ27を第一ポッドオープナ21Aのキャップ着脱機構23Aによって取り外されてウエハの出し入れ口を開放される。
【0061】
第一ポッド26Aに収納された複数枚のサイドダミーウエハWaはボート9にウエハ移載装置10によって順次装填(チャージング)されて行く。この際、図9に示されているように、サイドダミーウエハWaはボート9の上側端部および下側端部に適宜に分配されて装填される。
【0062】
図8に想像線で示されているように、第二ポッドステージ25に供給された第二ポッド26Bは、第二ポッドオープナ21Bのポッド移動装置(図示せず)によって第二ウエハ搬入搬出口20Bに押し付けられる。押し付けられた第二ポッド26Bはそのキャップ27を第二ポッドオープナ21Bの第二キャップ着脱機構23Bによって取り外されて、ウエハの出し入れ口を開放される。
【0063】
第二ポッド26Bに収納された複数枚のプロダクトウエハWbはボート9にウエハ移載装置10によって順次装填されて行く。この際、図9に示されているように、プロダクトウエハWbはボート9の上側端部および下側端部に分配されて装填されたサイドダミーウエハWa群の間に適宜に装填される。
【0064】
以上のようにして、予め指定された枚数(例えば、サイドダミーウエハWaとプロダクトウエハWbとを合計して三十枚〜三十二枚)のサイドダミーウエハWaおよびプロダクトウエハWbがボート9に移載されると、ボート9はエレベータ7によって上昇されてプロセスチューブ4の処理室に搬入される。ボート9が上限に達すると、ボート9を保持したシールキャップ8の上面の周辺部がプロセスチューブ4をシール状態に閉塞するため、プロセスチューブ4の処理室は気密に閉じられた状態になる。
【0065】
プロセスチューブ4の処理室は気密に閉じられた状態で、所定の圧力となるように排気管6によって排気され、ヒータユニット3によって所定の温度に加熱され、所定の原料ガスがガス導入管5によって所定の流量だけ供給される。これにより、予め設定された処理条件に対応する所望の膜がプロダクトウエハWbに形成される。ここで、処理室で一度に処理するプロダクトウエハWbの枚数は、一台の製品基板用キャリアである第二ポッド26Bに収納されるプロダクトウエハ枚数以下に設定されており、一台の製品基板用キャリアである第二ポッド26Bに収容されたプロダクトウエハWbが処理室において一度に処理されるようになっている。
【0066】
そして、予め設定された処理時間が経過すると、ボート9がエレベータ7によって下降されることにより、処理済みプロダクトウエハWbおよびサイドダミーウエハWaを保持したボート9が元の待機位置に搬出される。
【0067】
ボート9が待機位置に搬出されると、まず、ボート9の処理済みのプロダクトウエハWbがウエハ移載装置10によってディスチャージングされて、第二ポッドオープナ21Bで待機している空の第二ポッド26Bに収納される。
【0068】
処理済みプロダクトウエハWbの第二ポッド26Bへの収納作業が完了すると、プロダクトウエハWbが一杯になった第二ポッド26Bは第二キャップ着脱機構23Bによってキャップ27を装着された後に、図7および図8に実線で示されているように、第二ウエハ搬入搬出口20Bから第二ポッドステージ25へ第二ポッドオープナ21Bのポッド移動装置によって移動されて戻される。
【0069】
次いで、ボート9の使用済みのサイドダミーウエハWaがウエハ移載装置10によってディスチャージングされて、第一ポッドオープナ21Aで待機している空の第一ポッド26Aに収納される。
【0070】
使用済みサイドダミーウエハWaの第一ポッド26Aへの収納作業が完了すると、サイドダミーウエハWaが一杯になった第一ポッド26Aは第一キャップ着脱機構23Aによってキャップ27を装着された後に、図7および図8に実線で示されているように、第一ウエハ搬入搬出口20Aから第一ポッドステージ24へ第一ポッドオープナ21Aのポッド移動装置によって移動されて戻される。
【0071】
以上のようにして、処理済みプロダクトウエハWbを収納されて第二ポッドステージ25に戻された第二ポッド26Bは第二ポッドステージ25から洗浄工程や成膜検査工程等の後工程へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。さらに、成膜済みのプロダクトウエハWbはリソグラフィー工程やエッチング工程に搬送されて所定の処理が施されることより、本実施の形態であるICの製造方法に係るICが製造される。また、使用済みのサイドダミーウエハWaを収納されて第一ポッドステージ24に戻された第一ポッド26Aは、サイドダミーウエハWaが再使用可能である間は第一ポッドステージ24に置かれて繰り返し使用される。
そして、繰り返しの使用によってサイドダミーウエハWaの反りや汚染が許容値以上になった時期において、使用済みのサイドダミーウエハWaを収納した第一ポッド26Aは第一ポッドステージ24から本実施の形態に係るICの製造方法の一つの工程であるサイドダミーウエハ交換工程等へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。
【0072】
以降、前述した本実施の形態に係るウエハ処理方法が繰り返されて、プロダクトウエハWbが例えば二十五枚ずつ、小バッチ式CVD装置1Aによってバッチ処理されて行き、本発明の一実施の形態であるICの製造方法に係るICが製造されて行く。
【0073】
前記第二の実施の形態によれば、前記第一の実施の形態に加えて次の効果が得られる。すなわち、ポッド搬送装置を省略することにより、タクトタイムをより一層短縮することができる。
【0074】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0075】
例えば、前記実施の形態においては、サイドダミーウエハWaをポッド26に収納して取り扱う場合について説明したが、サイドダミーウエハWaはウエハストッカ18において取り扱ってもよい。すなわち、ウエハストッカ18はダミーウエハを保管するためのストッカ(保管場所)であり、このウエハストッカ18にサイドダミーウエハWaを保管することにより、サイドダミーウエハWaについてはボート9とウエハストッカ18との間で搬送すればよくなる。したがって、処理毎にサイドダミーウエハWaを筐体2の外部のポッドに取り出す必要がなくなるため、タクトタイムをより一層短縮することができる。ちなみに、この場合も、サイドダミーウエハWaは処理の繰り返しによって反りや汚染が大きくなった時期において交換されることになる。
【0076】
また、前記実施の形態では一回の処理を行うのに一台のダミーウエハ用ポッドと一台のプロダクトウエハ用ポッドとを投入し、一度に一台のプロダクトウエハ用ポッド内の二十五枚以下のプロダクトウエハを処理する場合について説明したが、サイドダミーウエハWaをウエハストッカ18において取り扱うことにより、一回の処理を実施するのに二台のプロダクトウエハ用ポッドを投入し一度に五十枚以下のプロダクトウエハを処理するように設定することもできる。
【0077】
前記実施の形態においてはウエハにCVD膜を形成するCVD装置について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、ウエハに酸化膜や絶縁膜および金属膜を形成する成膜装置、ウエハに酸化膜を形成したりウエハに不純物を拡散したり拡散だけでなくイオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフローやアニールしたりする熱処理装置(farnace )等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0078】
また、前記実施の形態においてはウエハにCVD膜を形成する成膜方法について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、ウエハに酸化膜や絶縁膜および金属膜を形成する成膜方法、ウエハに酸化膜を形成したりウエハに不純物を拡散したり拡散だけでなくイオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフローやアニールしたりする熱処理方法等の基板処理方法全般に適用することができる。
【0079】
さらに、前記実施の形態においてはICの製造方法について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、光半導体装置、混成集積回路装置等の半導体装置の製造方法全般に適用することができる。
【0080】
被処理基板はウエハに限らず、ホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル等の基板であってもよい。
【0081】
本発明の好ましい態様を付記する。
本発明に係る基板処理装置は、筐体の内部にプロセスチューブが設置されており、前記プロセスチューブにおいて一度に処理する製品基板の枚数が一台の製品基板用キャリアに収納される枚数以下に設定されており、かつ、一台の製品基板用キャリアに収容された製品基板が一度に処理されることを特徴とする。
【0082】
前記した手段によれば、一度にバッチ処理される枚数の製品基板が一台の製品基板用キャリアに収納されるようになっているため、製品基板用キャリアを一時的に保管するための棚や、製品基板用キャリアを保管棚とキャリアステージとの間で搬送するためのキャリア搬送装置等を省略することができる。つまり、前記した手段に係る基板処理装置は少数枚の基板を取り扱うのに適し、イニシャルコストやランニングコストを低減することができる。
【0083】
また、本発明に係る基板処理装置は、複数枚の基板を収納するポッドのキャップを開閉するポッドオープナと、このポッドオープナと隣接する位置に設置されて前記ポッドを載置する複数のポッドステージと、前記ポッドを前記ポッドオープナのポッド載置台と前記各ポッドステージとの間で搬送するポッド搬送装置とを備えている。
【0084】
前記した手段において、ポッドは複数のポッドステージに供給され、各ポッドステージに供給されたポッドはポッドオープナのポッド載置台にポッド搬送装置によってそれぞれ適時に搬送される。ポッドオープナのポッド載置台に搬送されたポッドはポッドオープナによってキャップを開閉されて基板を出し入れされる。そして、ポッドオープナのポッド載置台の上のポッドはポッド搬送装置によって各ポッドステージにそれぞれ搬送される。このように前記した手段によれば、ポッドはポッドステージとポッドオープナのポッド載置台との間をポッド搬送装置によって直接的に搬送されるため、ポッドを一時的に保管するための棚を省略することができる。つまり、前記した手段に係る基板処理装置は少数枚の基板を取り扱うのに適し、イニシャルコストやランニングコストを低減することができ、QTAT生産に対応することができる。
【符号の説明】
【0085】
W…ウエハ(基板)、Wa…サイドダミーウエハ(ダミー基板)、Wb…プロダクトウエハ(製品基板)、1…小バッチ式CVD装置(基板処理装置)、2…筐体、3…ヒータユニット、4…プロセスチューブ、5…ガス導入管、6…排気管、7…エレベータ、8…シールキャップ、9…ボート、10…ウエハ移載装置、11…ロータリーアクチュエータ、12…第一リニアアクチュエータ、13…第二リニアアクチュエータ、14…移動台、15…ツィーザ、16…エレベータ、17…クリーンユニット、18…ウエハストッカ(基板保管場所)、20…ウエハ搬入搬出口、21…ポッドオープナ、22…載置台、23…キャップ着脱機構、24…第一ポッドステージ、25…第二ポッドステージ、26…ポッド、26A…第一ポッド(ダミー基板用キャリア)、26B…第二ポッド(製品基板用キャリア)、27…キャップ、28…把手、30…ポッド搬送装置、31…取付板、32…ブラケット、33…ベース板、34…ブラケット、35…プーリー、36…タイミングベルト、37…ブラケット、38…サーボモータ、39…駆動用プーリー、40…テンション用プーリー、41…リニアガイドレール、42…走行ブロック、43…連結具、44…ブラケット、45…第一のエアシリンダ、46…ピストンロッド、47…ブラケット、48…第二のエアシリンダ、49…ピストンロッド、50…下側押さえ、51…第三のエアシリンダ、52…ピストンロッド、53…上側押さえ、54…カバー、1A…小バッチ式CVD装置(基板処理装置)、2A…筐体、20A…第一ウエハ搬入搬出口、20B…第二ウエハ搬入搬出口、21A…第一ポッドオープナ、21B…第二ポッドオープナ、22A…第一載置台、22B…第二載置台、23A…第一キャップ着脱機構、23B…第二キャップ着脱機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部にプロセスチューブが設置されており、前記プロセスチューブにおいて一度に処理する製品基板の枚数が一台の製品基板用キャリアに収納される枚数以下に設定されており、かつ、一台の製品基板用キャリアに収容された製品基板が一度に処理されることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
筐体の内部にプロセスチューブが設置されており、前記プロセスチューブにおいて一度に処理する製品基板の枚数が一台の製品基板用キャリアに収納される枚数以下に設定されており、かつ、一台の製品基板用キャリアに収容された製品基板が一度に処理される半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−66423(P2011−66423A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208961(P2010−208961)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【分割の表示】特願2009−95717(P2009−95717)の分割
【原出願日】平成13年5月2日(2001.5.2)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】