説明

基板処理装置

【課題】基板に対する処理の開始が通常のタイミングよりも遅れた場合に、その処理の開始までに生じた不具合を解消することができる、基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置では、プロセスレシピに従ったプロセスレシピ制御が25回繰り返し実行されることにより、25枚のウエハに対する処理が行われる。25回のプロセスレシピ制御中に、タイマにより、ウエハへの薬液の供給の停止から次回のプロセスレシピ制御の開始までの時間が計測される。そして、タイマによる計測時間が予め定める基準時間以上であれば、プロセスレシピ制御に割り込んで、プリレシピに従った制御が実行され、プリディスペンス動作が行われる。プリディスペンス動作により、ノズルなどに溜まった薬液が廃棄されるので、プロセスレシピ制御の再開後に、劣化した薬液がウエハに供給されることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対して所定の処理を施すための基板処理装置に関する。基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、基板に対して、洗浄処理、エッチング処理および熱処理などの種々の処理が行われる。処理の方式としては、基板に対する処理を1枚ずつ行う枚葉式と、複数枚の基板に対する処理を一括して行うバッチ式とがある。
枚葉式の処理のための基板処理装置は、隔壁により区画された処理室を備えている。処理液を用いる処理の場合、処理室内には、基板に処理液を供給するためのノズルが設けられている。処理の効率を高めるため、ノズルには、処理に適した温度に調節された処理液が供給される。処理室内に基板が1枚ずつ搬入され、その搬入された基板にノズルからの処理液が供給されることにより、基板に対する処理が達成される。
【0003】
この基板処理装置には、所定枚数(たとえば、25枚)の基板がFOUP(Front Opening Unified Pod)に一括して収容された状態で搬入される。基板処理装置では、FOUPごとに、1つのフローレシピが設定される。フローレシピは、処理の内容を定めたプロセスレシピ、一連の処理の開始前に行われる前動作の内容を定めたプリレシピ、および一連の処理の終了後に行われる後動作の内容を定めたポストレシピからなる。基板処理装置にFOUPが搬入されると、プリレシピに従った制御が実行されることにより、前動作として、たとえば、ノズルや配管内に溜まった処理液(処理に適した温度よりも低下した低温の処理液)を廃棄するプリディスペンス動作が行われる。その後、プロセスレシピに従った制御が繰り返し実行されることにより、1つのFOUPに収容された基板は、次々と連続して処理室に搬入され、処理室で処理液による処理を受ける。そして、プロセスレシピに従った制御がFOUPに収容された基板の枚数に等しい所定回数だけ実行され、一連の所定回数の処理が終了すると、ポストレシピに従った制御が実行されることにより、後動作として、処理室内に配置された部材(たとえば、ノズル)を洗浄するための動作が行われる。
【特許文献1】特開2007−149891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に対する処理が正常に繰り返し行われている場合、基板に処理液を供給する動作が終了してから一定時間後に、次の基板が処理室に搬入され、その基板に対する処理が行われる。ところが、処理が中断し、または、処理済みの基板が処理室から搬出されてから、次の基板が処理室に搬入されるまでに時間がかかることにより、次の処理の開始が通常のタイミングよりも遅れることがある。
【0005】
次の処理の開始が大きく遅れると、その処理の開始までにノズルや配管内に溜まった処理液が劣化し、その劣化した処理液が基板に供給されることがある。処理液の劣化には、たとえば、処理液の温度が処理に適した温度よりも低下することや、処理液に含まれる成分の析出による処理液の比重の変化などが含まれる。劣化した処理液が基板に供給されると、処理の品質が低下する。処理液が温度低下に伴って粘性が上がる薬液である場合には、処理液の供給流量の不足も生じ、処理の品質がさらに低下するおそれがある。また、次の処理の開始までに、処理室内に配置された部材に付着した処理液が乾燥により結晶化するおそれがある。処理液の結晶は、パーティクルとなって、基板の汚染の原因となる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、基板に対する処理の開始が通常のタイミングよりも遅れた場合に、その処理の開始までに生じた不具合を解消することができる、基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板に対する処理の内容(手順および条件)を定めるプロセスレシピおよび予め定める予備動作の内容を定める予備動作レシピを記憶するレシピ記憶手段と、前記プロセスレシピに従ったプロセスレシピ制御を複数回繰り返して実行し、これによる一連の前記複数回の前記処理の開始前または開始後に、前記予備動作レシピに従った予備動作レシピ制御を1回実行するメイン制御実行手段と、前記処理のための所定の動作の終了から次回の前記プロセスレシピ制御の開始までの時間を計測する計時手段と、前記計時手段により計測された時間が予め定める基準時間以上であることを条件として、前記メイン制御実行手段により実行される前記プロセスレシピ制御に割り込み、前記予備動作レシピ制御を実行する割込制御実行手段とを備える、基板処理装置である。
【0008】
この基板処理装置では、レシピ記憶手段に、プロセスレシピおよび予備動作レシピが記憶されている。プロセスレシピは、基板に対する処理の内容を定めるものである。予備動作レシピは、予め定める予備動作の内容を定めるものである。メイン制御実行手段により、プロセスレシピに従ったプロセスレシピ制御が複数回実行され、一連の複数回の処理が行われる。また、その一連の複数回の処理の開始前または実行後に、メイン制御実行手段により、予備動作レシピに従った予備動作レシピ制御が1回実行され、予め定める予備動作が行われる。複数回のプロセスレシピ制御の実行中には、計時手段により、処理のための所定の動作の終了から次回のプロセスレシピ制御の開始までの時間が計測される。そして、その計測された時間が予め定める基準時間以上であれば、割込制御実行手段により、プロセスレシピ制御に割り込んで、予備動作レシピ制御が実行される。
【0009】
基板に対する処理が正常に繰り返し行われていれば、今回のプロセスレシピ制御による所定の動作の終了から一定時間後に、次回のプロセスレシピ制御(処理)が開始される。基準時間は、その一定時間よりも長い時間に定められる。したがって、計時手段により計測された時間が基準時間を超えるのは、処理が中断するなどが原因で、次の処理の開始が通常のタイミングよりも遅れた場合である。この場合に、予備動作レシピ制御が実行され、予め定める予備動作が行われることにより、次の処理の開始までに生じた不具合を解消することができる。
【0010】
たとえば、請求項2に記載のように、前記基板処理装置は、前記処理に用いられる処理液が流通する処理液流通路を備え、前記予備動作は、前記処理液流通路に溜まった処理液を廃棄する動作を含んでいてもよい。
基板処理装置が処理液流通路を備える場合、次の処理の開始までに生じる不具合として、その処理の開始までに処理液流通路に溜まった処理液が劣化するということがある。予備動作が処理液流通路に溜まった処理液を廃棄する動作を含むことにより、その劣化した処理液が基板に供給されることを防止できる。また、処理液が温度低下に伴って粘性が上がる薬液である場合には、処理液の供給流量の不足をさらに防止することができる。その結果、処理の品質の低下を防止することができる。
【0011】
請求項3に記載のように、前記基板処理装置は、基板に向けて処理液を吐出するノズルと、前記ノズルの外表面に洗浄液を供給するノズル洗浄液供給手段とを備え、前記予備動作は、前記ノズル洗浄液供給手段により前記ノズルの外表面に洗浄液を供給する動作を含んでいてもよい。
基板処理装置がノズルを備える場合、次の処理の開始までに生じる不具合として、その処理の開始までにノズルの外表面に付着した処理液が乾燥により結晶化するということがある。予備動作がノズルの外表面に洗浄液を供給する動作を含むことにより、ノズルの外表面から処理液の結晶を除去することができる。その結果、処理液の結晶による基板の汚染を防止することができる。
【0012】
請求項4に記載のように、前記基板処理装置は、基板を保持する基板保持部材と、前記基板保持部材の表面に洗浄液を供給する保持部材洗浄液供給手段とを備え、前記予備動作は、前記保持部材洗浄液供給手段により前記基板保持部材の外表面に洗浄液を供給する動作を含んでいてもよい。
基板処理装置が基板保持部材を備える場合、次の処理の開始までに生じる不具合として、その処理の開始までに基板保持部材の表面に付着した処理液が乾燥により結晶化するということがある。予備動作が基板保持部材の表面に洗浄液を供給する動作を含むことにより、基板保持部材の表面から処理液の結晶を除去することができる。その結果、処理液の結晶による基板の汚染を防止することができる。
【0013】
請求項5に記載のように、前記基板処理装置は、基板に処理液を供給するための処理液供給手段と、基板から排除された処理液を受ける受け部材と、前記受け部材に洗浄液を供給する受け部材洗浄液供給手段とを備え、前記予備動作は、前記受け部材洗浄液供給手段により前記受け部材に洗浄液を供給する動作を含んでいてもよい。
基板処理装置が受け部材を備える場合、次の処理の開始までに生じる不具合として、その処理の開始までに受け部材の表面に付着した処理液が乾燥により結晶化するということがある。予備動作が受け部材の表面に洗浄液を供給する動作を含むことにより、受け部材の表面から処理液の結晶を除去することができる。その結果、処理液の結晶による基板の汚染を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の図解的な断面図である。
基板処理装置1は、基板の一例としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ]という。)Wを1枚ずつ処理する枚葉型の装置である。基板処理装置1は、処理チャンバ(図示せず)内に、ウエハWをほぼ水平な姿勢で保持しつつウエハWを回転させる基板回転機構2と、基板回転機構2に保持されたウエハWの表面(上面)に薬液を供給するためのノズル3と、基板回転機構2に保持されたウエハWの表面付近の雰囲気をその周囲から遮断するための遮断板4とを備えている。
【0015】
基板回転機構2としては、たとえば、挟持式のものが採用されている。具体的には、基板回転機構2は、モータ5と、このモータ5の駆動軸と一体化されたスピン軸6と、スピン軸6の上端にほぼ水平に取り付けられた円板状のスピンベース7と、スピンベース7の周縁部の複数箇所にほぼ等角度間隔で設けられた複数個の挟持部材6とを備えている。そして、複数個の挟持部材6により、ウエハWをほぼ水平な姿勢で挟持することができる。この状態で、モータ5が駆動されると、その駆動力によってスピンベース7が鉛直軸線まわりに回転され、そのスピンベース7とともに、ウエハWがほぼ水平な姿勢を保った状態で鉛直軸線まわりに回転される。
【0016】
スピン軸6には、裏面供給管9が相対回転可能に挿通されている。裏面供給管9の上端は、スピンベース7の上面に配置された裏面ノズル10に接続されている。裏面供給管9には、薬液供給管11およびリンス液供給管12が接続されている。薬液供給管11には、裏面薬液バルブ13が介装されている。リンス液供給管12には、裏面リンス液バルブ14が介装されている。裏面薬液バルブ13および裏面リンス液バルブ14が選択的に開かれると、薬液供給管11およびリンス液供給管12から裏面供給管9に、それぞれ薬液およびリンス液が選択的に供給される。裏面供給管9に選択的に供給される薬液およびリンス液は、裏面ノズル10から上方に吐出される。
【0017】
ノズル3は、基板回転機構2の上方でほぼ水平に延びるアーム15の先端部に取り付けられている。アーム15には、アーム15を所定角度範囲内で揺動させるためのアーム揺動機構16が結合されている。
ノズル3には、薬液供給管17が接続されている。薬液供給管17には、表面薬液バルブ18が介装されている。表面薬液バルブ18が開かれると、薬液供給管17からノズル3に薬液が供給される。そして、ノズル3に供給される薬液は、ノズル3から下方に吐出される。
【0018】
遮断板4は、ウエハWとほぼ同じ径またはそれ以上の径を有する円板状に形成され、基板回転機構2の上方でほぼ水平に配置されている。この遮断板4の上面には、スピンベース7と共通の鉛直軸線を中心とする回転軸19が固定されている。回転軸19は、中空に形成されている。
回転軸19の内部には、表面供給管20が挿通されている。表面供給管20の下端は、遮断板4の下面に達し、下方に開放されている。表面供給管20には、リンス液供給管21が接続されている。リンス液供給管21には、表面リンス液バルブ22が介装されている。表面リンス液バルブ22が開かれると、リンス液供給管21から表面供給管20にリンス液が供給される。表面供給管20に供給されるリンス液は、表面供給管20の下端から下方に吐出される。
【0019】
回転軸19の内壁面と表面供給管20との間は、窒素ガスが流通する窒素ガス流通路23を形成している。窒素ガス流通路23の下端は、遮断板4の下面において、表面供給管20の周囲で環状に開口している。窒素ガス流通路23には、窒素ガス供給管24が接続されている。窒素ガス供給管24には、窒素ガスバルブ25が介装されている。窒素ガスバルブ25が開かれると、窒素ガス供給管24から窒素ガス流通路23に窒素ガスが供給される。窒素ガス流通路23に供給される窒素ガスは、窒素ガス流通路23の下端の環状開口から下方に吐出される。
【0020】
回転軸19は、基板回転機構2の上方でほぼ水平に延びるアーム26に取り付けられ、そのアーム26から垂下した状態に設けられている。アーム26には、遮断板4を基板回転機構2の上方に大きく離間した位置(図1に示す位置)と基板回転機構2に保持されたウエハWの表面に微小な間隔を隔てて近接する位置との間で昇降させるための遮断板昇降機構27が結合されている。
【0021】
また、基板回転機構2は、有底円筒容器状のカップ28内に収容されている。カップ28の上方には、スプラッシュガード29がカップ28に対して昇降可能に設けられている。
カップ28の底面には、基板回転機構2を取り囲む円筒状の第1区画壁30と、第1区画壁30の外側を取り囲む円筒状の第2区画壁31とが立設されている。これにより、カップ28内には、廃液溝32、第1回収溝33および第2回収溝34が形成されている。具体的には、基板回転機構2と第1区画壁30との間に、円環状の廃液溝32が形成されている。また、第1区画壁30と第2区画壁31との間に、円環状の第1回収溝33が形成されている。さらに、第2区画壁31とカップ28の外側壁との間に、円環状の第2回収溝34が形成されている。
【0022】
スプラッシュガード29は、内傘状部材35、中傘状部材36および外傘状部材37を備えている。
内傘状部材35は、ウエハWの回転軸線を中心軸線とする円筒状の円筒部38,39と、これら円筒部38,39の上端を連結し、ウエハWの回転軸線に近づくほど高くなるように傾斜する傾斜部40とを一体的に備えている。内側の円筒部38の下端は、廃液溝32上に位置している。外側の円筒部39の下端は、第1回収溝33上に位置している。また、円筒部38,39は、スプラッシュガード29が最下方の退避位置に下降したときに、それぞれの下端がカップ28の底面に接触しないような長さに形成されている。
【0023】
中傘状部材36は、内傘状部材35の外側を取り囲むように設けられている。中傘状部材36は、ウエハWの回転軸線を中心軸線とする円筒状の円筒部41,42と、これら円筒部41,42の上端を連結し、ウエハWの回転軸線に近づくほど高くなるように傾斜する傾斜部43とを一体的に備えている。内側の円筒部41の下端は、第1回収溝33上に位置している。外側の円筒部42の下端は、第2回収溝34上に位置している。また、円筒部41,42は、スプラッシュガード29が最下方の退避位置に下降したときに、それぞれの下端がカップ28の底面に接触しないような長さに形成されている。
【0024】
外傘状部材37は、中傘状部材36の外側を取り囲むように設けられている。外傘状部材37は、ウエハWの回転軸線を中心軸線とする円筒状の円筒部44と、この円筒部44の上端からウエハWの回転軸線に近づくほど高くなるように傾斜する傾斜部45とを備えている。円筒部44は、第2回収溝34上に位置しており、スプラッシュガード29が最下方の退避位置に下降したときに、その下端がカップ28の底面に接触しないような長さに形成されている。
【0025】
傾斜部40,43,45は、上下方向に互いに間隔を空けて重なるように設けられている。各傾斜部40,43,45の上端縁は、ウエハWの回転軸線を中心軸線とする円筒面上に配置されている。これにより、傾斜部40の上端縁の下方には、廃液溝32と連通する廃液ポート46が形成されている。また、傾斜部40の上端縁と傾斜部43の上端縁との間には、第1回収溝33と連通する第1回収ポート47が形成されている。さらに、傾斜部43の上端縁と傾斜部45の上端縁との間には、第2回収溝34と連通する第2回収ポート48が形成されている。
【0026】
また、スプラッシュガード29には、内傘状部材35、中傘状部材36および外傘状部材37を一体的に昇降させるためのガード昇降機構49が結合されている。
なお、薬液としては、たとえば、BHF(Buffered hydrofluoric acid)、SPM(Sulfuric acid Hydrogen Peroxide Mixture)、HSO、ポリマー除去液などを例示することができる。また、リンス液としては、たとえば、純水、炭酸水、イオン水、オゾン水、還元水(水素水)および磁気水などを例示することができる。
【0027】
図2は、基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
基板処理装置1は、たとえば、マイクロコンピュータで構成される制御部51を備えている。制御部51には、基板処理装置1のユーザなどにより操作される操作部52が接続されている。さらに、制御部51には、制御対象として、モータ5、裏面薬液バルブ13、裏面リンス液バルブ14、表面薬液バルブ18、表面リンス液バルブ22、窒素ガスバルブ25、アーム揺動機構16、遮断板昇降機構27およびガード昇降機構49が接続されている。
【0028】
また、制御部51は、レシピ記憶部53およびタイマ54を内蔵している。
レシピ記憶部53は、電気的にデータを書き換え可能な不揮発性メモリからなる。レシピ記憶部53には、操作部52の操作により作成されるプロセスレシピ、プリレシピ、ポストレシピおよびフローレシピが記憶される。プロセスレシピは、ウエハWに対する処理の内容(手順および条件を含む。以下同じ。)を定めたものである。プリレシピは、予備動作レシピの一例であり、予め定める前動作の内容を定めたものである。ポストレシピは、予備動作レシピの一例であり、予め定める後動作の内容を定めたものである。フローレシピは、プロセスレシピに従った制御(プロセスレシピ制御)、プリレシピに従った制御(プリレシピ制御)およびポストレシピに従った制御(ポストレシピ制御)の実行順序および実行回数を定めたものである。
【0029】
図3は、フローレシピに従って実行される制御の流れ(プロセスレシピ制御、プリレシピ制御およびポストレシピ制御の順序)を示すフローチャートである。
基板処理装置1には、所定枚数(この実施形態では、25枚)のウエハWがFOUP(図示せず)に一括して収容された状態で搬入される。基板処理装置1は、複数のFOUPを並べて載置可能な載置台(図示せず)を備えている。この載置台にFOUPが載置されると、そのFOUPに対して予め選択されたフローレシピがレシピ記憶部53から読み出される。そして、フローレシピに従って、以下に説明する一連の制御が実行される。
【0030】
まず、プリレシピ制御が実行される(ステップS1)。これにより、前動作として、たとえば、ノズル3、裏面供給管9、裏面ノズル10および薬液供給管17に溜まっている薬液を廃棄するプリディスペンス動作が行われる。具体的には、裏面薬液バルブ13が開かれて、裏面供給管9および裏面ノズル10に溜まっている薬液が裏面ノズル10から吐出される。また、表面薬液バルブ18が開かれて、ノズル3および薬液供給管17に溜まっている薬液がノズル3から吐出される。このとき、ノズル3は、カップ28の外部に設けられたプリディスペンスポッド(図示せず)に対向しており、ノズル3から吐出される薬液は、プリディスペンスポッドに受け取られる。
【0031】
次に、プロセスレシピ制御が実行される(ステップS2)。プロセスレシピ制御が実行されると、図示しない搬送ロボットにより、FOUPから1枚のウエハWが取り出される。FOUPから取り出されたウエハWは、基板回転機構2に向けて搬送され、基板回転機構2に保持される。
そして、モータ5が制御されて、基板回転機構2により、ウエハWが所定の回転速度で回転される。また、ガード昇降機構49が制御されて、第1回収ポート47がウエハWの端面と対向する位置に配置される。その一方で、アーム揺動機構16が制御されて、ノズル3がウエハWの上方に配置される。その後、裏面薬液バルブ13および表面薬液バルブ18が開かれ、処理に適した温度に調節された薬液がノズル3および裏面ノズル10からそれぞれウエハWの表面および裏面に供給される。ウエハWの表面および裏面に供給された薬液は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面および裏面の全域にむらなく広がる。これにより、ウエハWの表面および裏面に対して、薬液による処理(たとえば、ウエハWから不要物を除去する洗浄処理)が施される。遠心力によりウエハWから側方に飛散する薬液は、第1回収ポート47に入り、第1回収溝33に集められて、図示しない回収タンクに回収される。
【0032】
ウエハWに対する薬液の供給が所定時間にわたって続けられると、裏面薬液バルブ13および表面薬液バルブ18が閉じられる。そして、ガード昇降機構49が制御されて、廃液ポート46がウエハWの端面と対向する位置に配置される。また、遮断板昇降機構27が制御されて、遮断板4がウエハWの表面に近接する位置に下降される。その後、裏面リンス液バルブ14および表面リンス液バルブ22が開かれて、リンス液が表面供給管20および裏面ノズル10からそれぞれウエハWの表面および裏面に供給される。このとき、基板回転機構2によるウエハWの回転は継続されており、ウエハWの表面および裏面に供給されたリンス液は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面および裏面の全域にむらなく広がる。これにより、ウエハWに付着していた薬液がリンス液によって洗い流される。遠心力によりウエハWから側方に飛散するリンス液(ウエハWから洗い流された薬液を含む場合もある。)は、廃液ポート46に入り、廃液溝32に集められて、図示しない廃液設備に廃棄される。
【0033】
ウエハWに対するリンス液の供給が所定時間にわたって続けられると、裏面リンス液バルブ14および表面リンス液バルブ22が閉じられる。また、ガード昇降機構49が制御されて、スプラッシュガード29の傾斜部45がウエハWよりも低い位置(スプラッシュガード29がウエハWの端面と対向しない位置)まで下げられる。さらに、窒素ガスバルブ25が開かれて、窒素ガスが窒素ガス流通路23からウエハWの表面と遮断板4との間に供給される。そして、モータ5が制御されて、基板回転機構2により、ウエハWが高速回転される。これにより、ウエハWに付着しているリンス液が振り切られ、ウエハWが乾燥する。ウエハWが所定時間にわたって高速回転されると、1枚のウエハWに対する処理が完了する。
【0034】
この後、窒素ガスバルブ25が閉じられ、モータ5が停止される。また、遮断板昇降機構27が制御されて、遮断板4がウエハWの表面から大きく離間される。そして、処理済みのウエハWは、基板回転機構2からFOUPに向けて搬送され、FOUPに収納される。
このようにして、1回のプロセスレシピ制御により、1枚のウエハWに対する処理が行われる。1回のプロセスレシピ制御が終了すると、制御部51に備えられているRAMに設定されたカウンタの値Nがインクリメント(+1)される(ステップS3)。
【0035】
そして、カウンタの値Nが1つのFOUPに収容されているウエハWの枚数である25に達したか否かが判断される(ステップS4)。カウンタの値Nが25に達していなければ(ステップS4のNO)、ステップS2に戻り、プロセスレシピ制御が新たに実行される。こうして、カウンタの値Nが25に達するまで、25回のプロセスレシピ制御が連続して実行される。
【0036】
カウンタの値Nが25に達すると(ステップS4のYES)、ポストレシピ制御が実行される(ステップS5)。これにより、後動作として、たとえば、ノズル3を洗浄するためのノズル洗浄動作が行われる。具体的には、ガード昇降機構49が制御されて、廃液ポート46がウエハWの端面と対向する位置に配置される。また、アーム揺動機構16が制御されて、ノズル3が遮断板4の下方に配置される。そして、表面リンス液バルブ22が開かれて、リンス液が表面供給管20からノズル3に供給される。これにより、ノズル3に付着している薬液などがリンス液によって洗い流される。ノズル3から流下するリンス液は、廃液溝32に集められて、図示しない廃液設備に廃棄される。
【0037】
図4は、中断監視処理のフローチャートである。
以下に説明する中断監視処理は、フローレシピに従って実行されるプロセスレシピ制御と並行して実行される。
プロセスレシピ制御の実行中に、ノズル3および裏面ノズル10からウエハWへの薬液の供給が停止されると(ステップS11のYES)、タイマ54がスタートされ(ステップS12)、薬液の供給が停止されてからの経過時間が計測される。
【0038】
その後、今回のプロセスレシピ制御が終了し、次回のプロセスレシピ制御が新たに開始されたか否かが判断される(ステップS13)。
プロセスレシピ制御が新たに開始されると(ステップS13のYES)、タイマ54がストップされる(ステップS14)。そして、タイマ54による計測時間、つまり薬液の供給の停止からプロセスレシピ制御が新たに開始されるまでの経過時間が予め定める基準時間(たとえば、10分間)以上であるかが判断される(ステップS15)。
【0039】
タイマ54による計測時間が基準時間以上であれば(ステップS15のYES)、プロセスレシピ制御が中断され(ステップS16)、予備動作レシピ制御の一例としてのプリレシピ制御が実行される(ステップS17)。このプリレシピ制御の実行により、プリディスペンス動作が行われる。プリレシピ制御の終了後は、プロセスレシピ制御が再開される(ステップS18)。
【0040】
一方、タイマ54による計測時間が基準時間未満であれば(ステップS15のNO)、プロセスレシピ制御が中断されず、プリレシピ制御が実行されることなく、この中断監視処理が終了する。
図5は、チャンバ内洗浄処理のフローチャートである。
基板処理装置1では、処理チャンバ(図示せず)内に配置されたノズル3、スピンベース7、カップ28およびスプラッシュガード29を洗浄するためのチャンバ内洗浄が定期的に実行される。
【0041】
前回のチャンバ内洗浄が終了すると(ステップS21のYES)、タイマ54がスタートされ(ステップS22)、その後の経過時間が計測される。そして、タイマ54による計測時間が所定時間(たとえば、1440分間)に達すると(ステップS23のYES)、タイマ54がストップされる(ステップS24)。その後、処理チャンバが使用中であるか否か、すなわち処理チャンバ内でウエハWに対する処理が行われているか否かが判断される(ステップS25)。
【0042】
処理チャンバが使用中でなければ(ステップS25のNO)、チャンバ内洗浄が実行される(ステップS26)。具体的には、レシピ記憶部53から各種のポストレシピが読み出されて、ポストレシピ制御が順次に実行されることにより、ノズル洗浄動作およびスピンベース・ポート洗浄動作が行われる。
ノズル洗浄動作は、前述したように、ノズル3を洗浄するための動作である。
【0043】
スピンベース・ポート洗浄動作は、スピンベース7、カップ28およびスプラッシュガード29を洗浄するための動作である。スピンベース・ポート洗浄動作は、たとえば、ノズル洗浄動作の後に行われる。
スピンベース・ポート洗浄動作では、まず、モータ5が制御されて、スピンベース7が所定の回転速度で回転される。そして、裏面リンス液バルブ14および表面リンス液バルブ22が開かれる。これにより、リンス液が表面供給管20および裏面ノズル10から回転中のスピンベース7に供給され、スピンベース7に付着している薬液などがリンス液によって洗い流される。
【0044】
その一方で、ガード昇降機構49が制御されて、廃液ポート46、第1回収ポート47および第2回収ポート48が順次にスピンベース7と対向する位置に配置される。廃液ポート46がスピンベース7と対向する位置に配置されているときには、スピンベース7から遠心力により側方に飛散するリンス液(ウエハWから洗い流された薬液を含む場合もある。)は、廃液ポート46に入り、廃液溝32に集められて、図示しない廃液設備に廃棄される。これにより、スピンベース7の洗浄とともに、廃液ポート46および廃液溝32の洗浄が達成される。第1回収ポート47がスピンベース7と対向する位置に配置されているときには、スピンベース7から遠心力により側方に飛散するリンス液は、第1回収ポート47に入り、第1回収溝33に集められる。このとき、第1回収溝33に集められるリンス液は、図示しない廃液設備に廃棄される。これにより、スピンベース7の洗浄とともに、第1回収ポート47および第1回収溝33の洗浄が達成される。第2回収ポート48がスピンベース7と対向する位置に配置されているときには、スピンベース7から遠心力により側方に飛散するリンス液は、第2回収ポート48に入り、第2回収溝34に集められる。このとき、第2回収溝34に集められるリンス液は、図示しない廃液設備に廃棄される。これにより、スピンベース7の洗浄とともに、第2回収ポート48および第2回収溝34の洗浄が達成される。
【0045】
このようなチャンバ内洗浄が定期的に実行されることにより、ノズル3、スピンベース7、カップ28およびスプラッシュガード29に付着した薬液が乾燥により結晶化するのを防止できる。また、ノズル3、スピンベース7、カップ28およびスプラッシュガード29に薬液の結晶が生じても、その結晶を除去することができる。その結果、薬液の結晶によるウエハWの汚染を防止することができる。
【0046】
処理チャンバが使用中である場合には(ステップS25のYES)、処理チャンバの使用の終了後(処理チャンバから処理済みのウエハWが搬出された後)に、チャンバ内洗浄が実行される(ステップS26)。
以上のように、基板処理装置1では、25回のプロセスレシピ制御の実行中に、タイマ54により、ウエハWへの薬液の供給の停止から次回のプロセスレシピ制御の開始までの時間が計測される。そして、タイマ54による計測時間が予め定める基準時間以上であれば、プロセスレシピ制御に割り込んで、プリレシピ制御が実行される。
【0047】
ウエハWに対する処理が正常に繰り返し行われていれば、今回のプロセスレシピ制御による薬液の供給の停止から一定時間後に、次回のプロセスレシピ制御が開始される。基準時間は、その一定時間よりも長い時間に定められる。したがって、タイマ54による計測時間が基準時間を超えるのは、ウエハWに対する処理が中断するなどが原因で、次の処理の開始が通常のタイミングよりも遅れた場合である。この場合に、プリレシピ制御が実行され、プリディスペンス動作が行われることにより、次の処理の開始までに生じた不具合を解消することができる。
【0048】
次の処理の開始までに生じる不具合として、その処理の開始までに、ノズル3、裏面供給管9、裏面ノズル10および薬液供給管17に溜まっている薬液が劣化するということがある。プリディスペンス動作が行われることにより、その劣化した薬液をノズル3、裏面供給管9、裏面ノズル10および薬液供給管17から排除することができる。よって、プロセスレシピ制御が再開されたときに、劣化した薬液がウエハWに供給されることを防止できる。また、薬液が温度低下に伴って粘性が上がるものである場合には、薬液の供給流量の不足をさらに防止することができる。その結果、ウエハWに対する処理の品質の低下を防止することができる。
【0049】
図6は、他の中断監視処理のフローチャートである。
以下に説明する中断監視処理は、図4に示す中断監視処理に代えて採用することができる。
プロセスレシピ制御の実行中に、ノズル3および裏面ノズル10からウエハWへの薬液の供給が停止されると(ステップS31のYES)、タイマ54がスタートされ(ステップS32)、薬液の供給が停止されてからの経過時間が計測される。
【0050】
その後、今回のプロセスレシピ制御が終了し、次回のプロセスレシピ制御が新たに開始されたか否かが判断される(ステップS33)。
プロセスレシピ制御が新たに開始されると(ステップS33のYES)、タイマ54がストップされる(ステップS34)。そして、タイマ54による計測時間、つまり薬液の供給の停止からプロセスレシピ制御が新たに開始されるまでの経過時間が予め定める第1基準時間(たとえば、10分間)以上であるかが判断される(ステップS35)。
【0051】
タイマ54による計測時間が第1基準時間以上であれば(ステップS35のYES)、プロセスレシピ制御が中断される(ステップS36)。そして、タイマ54による計測時間が予め定める第2基準時間(たとえば、60分間)以上であるかが判断される(ステップS37)。
タイマ54による計測時間が第2基準時間以上であれば、予備動作レシピ制御の一例としてのポストレシピ制御が実行された後(ステップS38)、プリレシピ制御が実行される(ステップS39)。一方、タイマ54による計測時間が第2基準時間未満であれば、ポストレシピ制御は実行されずに、プリレシピ制御が実行される(ステップS39)。プリレシピ制御の終了後は、プロセスレシピ制御が再開される(ステップS40)。
【0052】
ポストレシピ制御の実行により、ノズル洗浄動作および/またはスピンベース・ポート洗浄動作が行われる。これにより、プロセスレシピ制御が新たに開始されるまでの期間に、ノズル3、スピンベース7、カップ28およびスプラッシュガード29に薬液の結晶が生じていても、ウエハWが処理チャンバ内に搬入される前に、その結晶を除去することができる。その結果、薬液の結晶によるウエハWの汚染を防止することができる。
【0053】
また、プリレシピ制御の実行により、プリディスペンス動作が行われる。これにより、プロセスレシピ制御が再開されたときに、劣化した薬液がウエハWに供給されることを防止できる。また、薬液が温度低下に伴って粘性が上がるものである場合には、薬液の供給流量の不足をさらに防止することができる。その結果、ウエハWに対する処理の品質の低下を防止することができる。
【0054】
一方、タイマ54による計測時間が基準時間未満であれば(ステップS35のNO)、この中断監視処理が直ちに終了する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、スピンベース7に向けて洗浄液を吐出するノズルが追加して設けられ、そのノズルからスピンベース7に洗浄液が供給されることにより、スピンベース7の洗浄が達成されてもよい。
【0055】
また、スプラッシュガード29の昇降により、廃液ポート46、第1回収ポート47および第2回収ポート48と選択的に対向する位置にノズルが追加して設けられ、そのノズルから廃液ポート46、第1回収ポート47および第2回収ポート48に選択的に洗浄液が供給されることにより、カップ28およびスプラッシュガード29の洗浄が達成されてもよい。
【0056】
そして、それらのノズルが追加して設けられる場合、スピンベース7を洗浄するための動作と、カップ28およびスプラッシュガード29を洗浄するための動作とは、別動作であってもよい。この場合、スピンベース7を洗浄するための動作と、カップ28およびスプラッシュガード29を洗浄するための動作とは、互いに異なる周期で行われてもよい。たとえば、スピンベース7を洗浄するための動作は、720分ごとに行われ、カップ28およびスプラッシュガード29を洗浄するための動作は、1440分ごとに行われてもよい。
【0057】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の図解的な断面図である。
【図2】図2は、基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、フローレシピに従って実行される制御の流れ(プロセスレシピ制御、プリレシピ制御およびポストレシピ制御の順序)を示すフローチャートである。
【図4】図4は、中断監視処理のフローチャートである。
【図5】図5は、チャンバ内洗浄処理のフローチャートである。
【図6】図6は、他の中断監視処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 基板処理装置
3 ノズル(処理液流通路)
6 挟持部材(基板保持部材)
7 スピンベース(基板保持部材)
9 裏面供給管(処理液流通路、保持部材洗浄液供給手段、受け部材洗浄液供給手段)
10 裏面ノズル(処理液流通路、保持部材洗浄液供給手段、受け部材洗浄液供給手段)
11 薬液供給管(処理液流通路)
12 リンス液供給管(保持部材洗浄液供給手段、受け部材洗浄液供給手段)
14 裏面リンス液バルブ(保持部材洗浄液供給手段、受け部材洗浄液供給手段)
17 薬液供給管(処理液流通路)
20 表面供給管(ノズル洗浄液供給手段、保持部材洗浄液供給手段)
21 リンス液供給管(ノズル洗浄液供給手段、保持部材洗浄液供給手段)
22 表面リンス液バルブ(ノズル洗浄液供給手段、保持部材洗浄液供給手段)
28 カップ(受け部材)
29 スプラッシュガード(受け部材)
51 制御部(メイン制御実行手段、割込制御実行手段)
53 レシピ記憶部(レシピ記憶手段)
54 タイマ(計時手段)
W ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対する処理の内容を定めるプロセスレシピおよび予め定める予備動作の内容を定める予備動作レシピを記憶するレシピ記憶手段と、
前記プロセスレシピに従ったプロセスレシピ制御を複数回繰り返して実行し、これによる一連の前記複数回の前記処理の開始前または開始後に、前記予備動作レシピに従った予備動作レシピ制御を1回実行するメイン制御実行手段と、
前記処理のための所定の動作の終了から次回の前記プロセスレシピ制御の開始までの時間を計測する計時手段と、
前記計時手段により計測された時間が予め定める基準時間以上であることを条件として、前記メイン制御実行手段により実行される前記プロセスレシピ制御に割り込み、前記予備動作レシピ制御を実行する割込制御実行手段とを備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記処理に用いられる処理液が流通する処理液流通路を備え、
前記予備動作は、前記処理液流通路に溜まった処理液を廃棄する動作を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
基板に向けて処理液を吐出するノズルと、
前記ノズルの外表面に洗浄液を供給するノズル洗浄液供給手段とを備え、
前記予備動作は、前記ノズル洗浄液供給手段により前記ノズルの外表面に洗浄液を供給する動作を含む、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
基板を保持する基板保持部材と、
前記基板保持部材の表面に洗浄液を供給する保持部材洗浄液供給手段とを備え、
前記予備動作は、前記保持部材洗浄液供給手段により前記基板保持部材の外表面に洗浄液を供給する動作を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
基板に処理液を供給するための処理液供給手段と、
基板から排除された処理液を受ける受け部材と、
前記受け部材に洗浄液を供給する受け部材洗浄液供給手段とを備え、
前記予備動作は、前記受け部材洗浄液供給手段により前記受け部材に洗浄液を供給する動作を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−231733(P2009−231733A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78200(P2008−78200)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】