説明

基板処理装置

【課題】基板の保持状態を良好に検知することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、搬送室を中心として第1ロードロック室、第2ロードロック室、二つの処理室が配置され、搬送室は、第1のロードロック室及び第2ロードロック室と二つの処理室との間で基板を搬送する基板搬送部を有し、基板搬送部は、第1フィンガ72a及び第2フィンガ72bが設けられた上アーム74を有し、第1フィンガ72aは、第1貫通孔83及び第2貫通孔84が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1の基板を基板搬送装置の第1の基板保持部に保持する工程と、前記基板搬送装置の第2の基板保持部の高さよりも反応炉内の基板 載置部に載置された第2の基板の高さが高くなるように、前記基板搬送装置と前記基板載置部との鉛直方向の相対位置を変える工程と、前記第2の基板保持部を 第2の基板の下方に挿入するように、前記基板搬送装置と前記基板載置部との水平方向の相対位置を変える工程と、第2の基板が前記第2の基板保持部に保持さ れるように、前記基板搬送装置と前記基板載置部との鉛直方向の相対位置を変える工程と、前記第2の保持部に保持された第2の基板を前記基板載置部から引き 出すように、前記基板搬送装置と前記基板載置部との水平方向の相対位置を変える工程と、前記基板載置部の高さが前記第2の基板保持部に保持する第2の基板 の上面から前記第1の基板保持部に保持する第1の基板の下面までの範囲内になるように、前記基板搬送装置と前記基板載置部との鉛直方向の相対位置を変える 工程と、第1の基板を保持した前記第1の基板保持部を前記基板載置部の上方に挿入するように、前記基板搬送装置と前記基板載置部との水平方向の相対位置を 変える工程と、第1の基板が前記基板載置部に載置されるように、前記基板搬送装置と前記基板載置部との鉛直方向の相対位置を変える工程と、前記第1の基板 保持部を前記基板載置部から引き出すように、前記基板搬送装置と前記基板載置部との水平方向の相対位置を変える工程と、前記基板載置部に載置された第1の 基板を前記反応炉内で処理する処理工程とを有する基板の処理方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−86180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1に開示の技術では、基板を有無を検知するために透過型のセンサが用いられることがある。しかしながら、透過型のセンサを用いても、基板の保持状態を良好に検知することができないことがあった。
【0005】
本発明の目的は、基板の保持状態を良好に検知することができる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、本発明は、搬送室を中心として第一のロードロック室、第二のロードロック室、及び少なくとも二つの処理室が配置され、前記搬送室は、前記第一のロードロック室及び前記第二のロードロック室と、前記少なくとも二つの処理室との間で基板を搬送する基板搬送部を有し、前記基板搬送部は、第一のフィンガ及び第二のフィンガが設けられたアームを有し、前記第一のフィンガは、第一の貫通孔及び第二の貫通孔が形成されている基板処理装置にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、基板の保持状態を良好に検知することができる基板処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態で用いられる基板処理装置の全体構成図であり、上面から見た概念図である。
【図2】本発明の実施形態で用いられる基板処理装置の全体構成図の縦断面図である。
【図3】本発明の実施形態における基板処理装置の処理室を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態における第1基板搬送部材の上アームを示す平面図である。
【図5】本発明の実施形態における第1基板搬送部材の下アームを示す平面図である。
【図6】本発明の実施形態における基板処理装置の平面図及び底面図である。
【図7】本発明の実施形態における基板搬送方法の説明図である。
【図8】本発明の実施形態における基板処理装置の断面図である。
【図9】本発明の実施形態における基板搬送方法の説明図である。
【図10】本発明の実施形態における基板処理装置の断面図である。
【図11】本発明の実施形態における基板搬送方法の説明図である。
【図12】本発明の実施形態における基板搬送方法の説明図である。
【図13】本発明の実施形態における基板搬送方法の説明図である。
【図14】本発明の実施形態における基板搬送方法の説明図である。
【図15】本発明の実施形態における基板処理装置の断面図である。
【図16】本発明の実施形態における基板搬送方法の説明図である。
【図17】本発明の実施形態における基板搬送方法の説明図である。
【図18】本発明の実施形態における基板処理装置の断面図である。
【図19】本発明の実施形態における基板処理装置の断面図である。
【図20】本発明の実施形態における処理室内を上面から見た図であり、ウエハ移載のフローを示す図である。
【図21】本発明の実施形態における処理室内を上面から見た図であり、図13のウエハ移載のフローの続きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る基板処理装置10の全体構成図であり、基板処理装置10を上面から見た概念図である。また、図2は、基板処理装置10の全体構成図であり、縦断面図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、基板処理装置10は、例えば搬送室12を中心として、二つのロードロック室14a、14b及び二つの処理室16a、16bが配置されており、ロードロック室14a、14bの上流側にはフロントモジュールであるEFEM(Equipment FrontEnd Module)18が配置されている。ここで、ロードロック室14aは第一のロードロック室として用いられ、ロードロック室14bは第二のロードロック室として用いられている。また、図1及び図2には、基板処理装置の一例として二つの処理室16a、16bを有する基板処理装置10が示されているが、基板処理装置は、少なくとも二つが配置されれば良く、例えば、3つの処理室が配置されるようにしても良い。
【0012】
EFEM18にはウエハ1をストックするフープ(25枚)を3台搭載することができる構造になっている。
EFEM18内には大気中にて同時に複数枚(5枚)を移載することが可能な大気ロボット(図示せず)が載置されており、二つのロードロック室14a、14bとの間のウエハ移載を可能にしている。また、本装置は、各構成を制御するコントローラ200を有する。
【0013】
ロードロック室14a、14bには、例えば25枚の基板を縦方向に一定間隔を隔てて収容する基板支持体(ボート)20が設けられている。基板支持体20は、例えば炭化珪素やアルミで構成されており、上部板22と下部板24とを接続する例えば3つの支柱26を有する。支柱26の長手方向内側には例えば25個の載置部28が平行に形成されている。また、基板支持体20は、ロードロック室14a、14b内において、鉛直方向に移動(上下方向に移動)するようにされているとともに、鉛直方向に延びる回転軸を軸として回転するようにされている。
【0014】
搬送室12は、ロードロック室14a、14bと処理室16a、16bとの間でウエハ1を搬送する基板搬送部として用いられる基板搬送部70を有し、基板搬送部70は、上アーム74と、上アーム74の下方に位置する下アーム75とを有する。上アーム74には上フィンガ72a及び下フィンガ72bが設けられ、下アーム75には上フィンガ72c及び下フィンガ72dが設けられている。上フィンガ72aは第一のフィンガとして用いられ、下フィンガ72bは第二のフィンガとして用いられている。また、上フィンガ72cは第三のフィンガとして用いられ、下フィンガ72dは第四のフィンガとして用いられている。
【0015】
上フィンガ72a及び下フィンガ72bは、上下方向に所定の間隔で離間され、上アーム74からそれぞれ略水平に同じ方向に延びて、それぞれウエハ1を支持することができるようにされている。同様に、上フィンガ72c及び下フィンガ72dは、上下方向に所定の間隔で離間され、下アーム75からそれぞれ略水平に同じ方向に延びて、それぞれウエハ1を支持することができるようにされている。
【0016】
上アーム74及び下アーム75は積層されており、またそれぞれ独立して水平方向に移動することができる。上アーム74及び下アーム75は、鉛直方向に延びる回転軸を軸として回転するようにされているとともに、水平方向に移動するようにされている。さらに、鉛直方向に上下可能である。
ウエハ搬送時は、上アーム74、もしくは下アーム75のいずれか一方にウエハを搭載し、2枚ずつ搬送を行う。
【0017】
搬送室12とロードロック室14aの間には第1基板通過口13aが、また搬送室12とロードロック室14bとの間には、第2基板通過口13bが設けられている。さらに、搬送室12と処理室16aとの間には、第3基板通過口15aが、搬送室12と処理室16bの間には、第4基板通過口15bが設けられている。第1基板通過口13a、第2基板通過口13b、第3基板通過口15a、第4基板通過口15bには、それぞれにゲートバルブ35(図20参照)が設けられていて、第1基板通過口13a、第2基板通過口13b、第3基板通過口15a、第4基板通過口15bを介して、ロードロック室14a、ロードロック室14b、処理室16a、及び処理室16bと、搬送室12とが連通している。
尚、上フィンガ72a、下フィンガ72b、上フィンガ72c、下フィンガ72dの形状等、上フィンガ72a、下フィンガ72b、上フィンガ72c、下フィンガ72dの詳細は後述する。
【0018】
以上の構成により、基板処理装置10では、ロードロック室14a、14bにストックされた未処理ウエハを、搬送室12に載置された基板搬送部70が、同時に2枚ずつゲートバルブ35を介して処理室16a、16bへ移載する。また、基板搬送部70が、処理済ウエハを、処理室16a、16bから一度に2枚ずつロードロック室14a、14bに移載する。
【0019】
図3には、処理室16の概要が示されている。
図3及び図1に示すように、処理室16aには、搬送室12側に位置する第1処理部36と、搬送室12と逆側に位置する第2処理部38とが設けられている。また、第1処理部36には第1基板載置台37が、第2処理部38には第2基板載置台41が配置されている。第1処理部36と第2処理部38とは、おのおの独立した構造となっており、装置全体から見るとウエハ処理流れ方向と同方向一列になっている。すなわち、第2処理部38は、搬送室12から第1処理部36を挟んで遠方に配置されている。第1処理部36と第2処理部38では、同じプロセスによって基板処理がなされる。
【0020】
第1処理部36と第2処理部38とは連通し、処理室16a内は、300℃までの昇温が可能である。第1基板載置台37及び第2基板載置台41には、ヒータ64、64が内挿され(図2参照)、加熱されている。また、第1基板載置台37と第2基板載置台41は、例えばアルミニウム(A5052、A5056等)で形成される。省スペース、低コスト化の目的を達成するため、ロードロック室14a、14b、搬送室12及び処理室16a、16bを例えばアルミニウム(A5052)の部品にて形成してもよい。
【0021】
処理室16a内の第1処理部36と第2処理部38の間の内側、すなわち境界壁48側寄りには、第2基板搬送部材40が設けられている。
第2基板搬送部材40は、軸部43eを中心として回転するものであり、軸部43eは、境界壁48側に配置されている。
処理室16bにおける第2基板搬送部材40は、境界壁48を挟んで、処理室16aの第2基板搬送部材40と対称的に配置されている。対称的に配置することで、処理室16a、処理室16b、それぞれに設けられた第2基板搬送部材40、40を制御するための配線を、処理室16a、16bの下部であって、水平方向で装置中央、即ち境界壁48近辺に、集中して配設することが可能となる。この結果、配線スペースにおいて、部品ごとに配線を集中して設けることが可能となり、配線スペースを効率化することができる。また、境界壁48付近に配置した軸部43eを中心として回転するので、処理室16の外側を円形とすることができる。円形とすることで、装置本体11の外郭11aを斜め状とすることが可能となり、その結果、保守者が入るメンテナンススペース17をより大きく確保することができる。仮に、軸部43eを処理室16の外側に配置した場合、外郭11aを斜め状とすることはできず、保守者が入るメンテナンススペース17を大きく確保することができない。
【0022】
第2基板搬送部材40は、基板搬送部70によって搬送された2枚の未処理ウエハのうちの1枚を第2処理部38の第2基板載置台41に移載し、さらに第2基板載置台41の処理済ウエハを基板搬送部70のフィンガ上へ移載する。
【0023】
図4は上アーム74(図2参照)の各フィンガを上から見た図である。 図4(a)は、上アーム74の上フィンガ72aを示す。以下、上フィンガ72aを第1フィンガとする。
第1フィンガ72aは、支持部80によって上アーム74に支持固定されている。また、図4(a)に示されるように、第1フィンガ72aはウエハ載置部82を有する。ウエハ載置部82は座刳されており、ウエハを載置するために用いられる。また、第1フィンガ72aには、第1貫通孔83、第2貫通孔84、及び第3貫通孔85が形成されている。
【0024】
第1貫通孔83は、第一のフィンガ(第1フィンガ72a、上フィンガ72a)に形成された第一の貫通孔として用いられている。第2貫通孔84は、第一のフィンガ(第1フィンガ72a、上フィンガ72a)に形成された第二の貫通孔として用いられている。また、図4(a)に示されるように、第1貫通孔83及び第2貫通孔84は、ウエハ移載時の上フィンガ72aの移動方向である図4(a)における上下方向であって、上フィンガ72aのウエハを支持する位置の中心であり、フィンガ72aの延伸方向と平行した中心線Lに対して対称の位置にそれぞれが形成されている。
【0025】
第1貫通孔83、第2貫通孔84、及び第3貫通孔85を後述する反射型変位センサから照射される光が通過する。また、第1貫通孔83、第2貫通孔84、及び第3貫通孔85は、ウエハが上フィンガ72aに載置された際に、一部分がウエハと重なるように形成されている。より具体的には、第3貫通孔85においては、前方部85aがウエハと重なり、後方部85bがウエハと重ならないようになっている。同様に、第1貫通孔83においては、前方部83aがウエハと重なり、後方部83bがウエハと重ならないようになっている。また、同様に、第2貫通孔84においては、前方部84aがウエハと重なり、後方部84bがウエハと重ならないようになっている。
【0026】
図4(b)は、上アーム74の下フィンガ72bを示す。以下、下フィンガ72bを第2フィンガとする。
第2フィンガ72bは、支持部80によって上アーム74(図2参照)に固定されている。また、図4(b)に示されるように、第2フィンガ72bはウエハ載置部88を有する。ウエハ載置部88は座刳されており、ウエハを載置するために用いられる。また、第2フィンガ72bには、切欠き90が形成されている。切欠き90は、下方に設けられた反射型変位センサから第2フィンガ72bの下面に光が照射されたときに、その光が通過するように形成されている。ウエハ載置部88にウエハが載置された際には、切欠き90上にウエハが位置する状態となる。また、第1フィンガ72a及び第2フィンガ72bを重ねたとき、切欠き90は、第1フィンガ72aと重なった状態となるように形成されている。
【0027】
切欠き90を以上のように形成することで、ウエハ載置部88にウエハが載置されていないときは、反射型変位センサから照射された光が切欠き90を通過し、第1フィンガ72aの下面で反射される。このため、この反射光を検出することで、反射変位センサから第1フィンガ72aまでの距離を計測することが可能となる。第1フィンガ72aの距離が計測された場合、ウエハが第2フィンガ72bに無いと判断する。第2フィンガ72bの距離が計測された場合、ウエハが第2フィンガ72bに有ると判断する。
【0028】
また、第2フィンガ72bには、貫通孔92が形成されている。貫通孔92は、上方にある反射型変位センサから投光された光が通過するようになっている。また、貫通孔92は、ウエハが第2フィンガ72bに載置された際に、一部分がウエハと重なるように形成されている。より具体的には、貫通孔92においては、前方部92aがウエハと重なり、後方部92bがウエハと重ならないようになっている
【0029】
図5は下アーム75(図2参照)の各フィンガを上から見た図である。図5(a)は下アーム75の上フィンガ72cを示す。以下、上フィンガ72cを第3フィンガとする。
第3フィンガ72cは、支持部80によって下アーム75に支持固定されている。また、図5(a)に示されるように、第3フィンガ72cはウエハ載置部94を有する。ウエハ載置部94は座刳されており、ウエハを載置するために用いられる。また、ウエハ載置部94の先端は、第1先端部94a、第2先端部94b、第3先端部94cから構成されている。第1先端部94aは、支持部80から最も遠い位置に有する。第2先端部94bは、第1先端部94aに隣接し、ウエハ載置部94の内側に有する。第3先端部94cは、第2先端部94bに隣接し、かつウエハ載置部94の外側に有する。また、第1先端部94a及び第2先端部94cそれぞれと隣り合う場所であって、ウエハ載置部94の外側には、切欠き96が設けられている。
【0030】
図5(b)は、下アーム75の下フィンガ72dを示す。以下、下フィンガ72dを第4フィンガとする。
第4フィンガ72dは、支持部80によって下アーム75に支持固定されている。また、図5(b)に示されるように、第4フィンガ72dはウエハ載置部98を有する。ウエハ載置部98は座刳されており、ウエハを載置するために用いられる。ウエハ載置部98の先端は、第1先端部98a、第2先端部98bから構成される。第1先端部98aは、支持部80から最も遠い位置に配置されている。第2先端部98bは、第1先端部98aに隣接し、支持部80に近い位置に配置されている。また、第1先端部98a及び第2先端部98bそれぞれと隣り合う場所であって、ウエハ載置部98の外側には、切欠き100が形成されている。
【0031】
切欠き100は、第1先端部98aに隣接する第1切欠き100a及び第2先端部98bと隣接する第2切欠き100bを有する。切欠き100は、反射型センサから照射される光や、第3フィンガ72cから反射される反射型センサの光が通過するよう形成されている。また、切欠き100bは、第3フィンガ72cの第3先端部94cと重なるように形成されている。
【0032】
次に、図6を用いて、本発明におけるウエハの検出部について説明する。
図6(a)は、基板処理装置10を下側から見た図であり、図6(b)は基板処理装置10を上側から見た図である。
図6(a)に示されるように、搬送室12の下面には、反射型変位センサ102a、102b、透過型センサ受光部104a、104b、反射型変位センサ106a、106b、透過型センサ受光部108a、108bが設けられている。また、図6(b)に示されるように、搬送室12の上面には、透過型センサ投光部110a、110b、反射型変位センサ112a、112b、反射型変位センサ114a、114b、透過型センサ投光部116a、116bが設けられている
【0033】
反射型変位センサ102aは、ロードロック室14aにウエハを搬入出する際、上アーム74の第2フィンガ72bに、ウエハが存在するか否かを確認し、ウエハの有無を検知するために用いられている。反射型変位センサ102bも同様に、ロードロック室14bに、ウエハを搬入出する際、上アーム74の第2フィンガ72bにウエハが存在するか否かを確認するために用いられている。
【0034】
透過型センサ受光部104a及び透過型センサ投光部110aは対の装置であり、透過型センサ投光部110aが投光した光を透過型センサ受光部104aで受光する。透過型センサ受光部104a及び透過型センサ投光部110aは、ロードロック室14aにウエハを搬入出する際、下アーム75にウエハが存在するか否かを確認するために用いられる。また、透過型センサ受光部104b及び透過型センサ投光部110bは、ロードロック室14bにウエハを搬入出する際、下アーム75にウエハが存在するか否かを確認するために用いられている。
【0035】
反射型変位センサ106aは、処理室16aにウエハを搬入出する際、下アーム75の第4フィンガ72dに、ウエハが存在するか否かを確認し、ウエハの有無を検知するために用いられている。反射型変位センサ106bも同様に、処理室16bに、ウエハを搬入出する際、下アーム75の第4フィンガ72dにウエハが存在するか否かを確認するために用いられている。
【0036】
透過型センサ受光部108a及び透過型センサ投光部116aは対の装置であり、透過型センサ投光部116aが投光した光を透過型センサ受光部108aで受光する。透過型センサ受光部108a及び透過型センサ投光部116aは、処理室16aにウエハを搬入出する際、下アーム75にウエハが存在するか否かを確認するために用いられる。また、透過型センサ受光部108b及び透過型センサ投光部116bも同様に、処理室16bにウエハを搬入出する際、下アーム75にウエハが存在するか否かを確認するために用いられている。
【0037】
反射型変位センサ112aは、ロードロック室14aにウエハを搬入出する際、上アーム74の第1フィンガ72aに、ウエハが存在するか否かを確認し、ウエハの有無を検知するために用いられている。反射型変位センサ112bも同様に、ロードロック室14bに、ウエハを搬入出する際、上アーム74の第1フィンガ72aにウエハが存在するか否かを確認するために用いられている。
【0038】
反射型変位センサ114aは、処理室16aにウエハを搬入出する際、下アーム75の第3フィンガ72cに、ウエハが存在するか否かを確認し、ウエハの有無を検知するために用いられている。反射型変位センサ114bも同様に、処理室16bに、ウエハを搬入出する際、下アーム75の第3フィンガ72cにウエハが存在するか否かを確認するために用いられている。
【0039】
以上のように、反射型変位センサ102a、透過型センサ受光部104a、透過型センサ投光部110a、及び反射型変位センサ112aは、搬送室12の第1ロードロック室14aに対応する位置に設けられた第一の基板検出部として用いられている。また、反射型変位センサ102b、透過型センサ受光部104b、透過型センサ投光部110b、及び反射型変位センサ112bは、搬送室12の第1ロードロック室14bに対応する位置に設けられた第二の基板検出部として用いられている。
【0040】
続いて図7から図19を用いて、ウエハがロードロック室から搬送室を経由し、処理室16へ供給/排出されるフローを説明する。各図では次の説明を行う。尚、図7から図19は、連続した処理である。また、
図7から図10:ロードロック室から第1処理室16aへ、未処理のウエハを搬送する工程を示し、
図11から図12:ロードロック室から第2処理室16bへ、未処理のウエハを搬送する工程を示し、
図13から図19:ロードロック室から第1処理室16aへ、未処理のウエハを搬送し、第1処理室16aの処理済みウエハと未処理ウエハを入れ替え、処理済みウエハをロードロック室へ搬送する工程を示している。
【0041】
図7は、ロードロック室14a(L/L14a)から、ウエハ1を搬出する動作を説明する説明図である。図7では、EFEM18から基板支持体20に基板が搬送され、その後初めて基板処理装置10へウエハ1を搬送する状態である。したがって、基板支持体
20に搭載されているウエハ1は、全て未処理ウエハである。
【0042】
<図7 ステップa>
初めに、これから処理する2枚のウエハが、第1基板搬送部70の上アーム74の第1フィンガ72a、第2フィンガ72bの高さから若干高い位置に設定されるように、基板支持体20の鉛直方向の位置が調整される。
ここでは、一枚目のウエハであるW1の鉛直方向の位置を第2フィンガ72bの鉛直方向の位置より高く調整する。2枚目のウエハであるW2と第1フィンガ72aの鉛直方向の位置に関しても、同様の関係とする。
【0043】
<図7 ステップb>
鉛直方向の位置を調整後、上アーム74が基板支持体20へ挿入される。これにより、W1の直下に第2フィンガ72bが、またW2の直下に第1フィンガ72aが配置された状態となる。
【0044】
<図7 ステップc>
上アーム74を挿入後、基板支持体20が下降する。
これにより、各フィンガにウエハが搭載される。即ち、W1は第2フィンガ72bに搭載され、W2は第1フィンガ72aへ搭載される。
【0045】
<図7 ステップd>
フィンガ上にウエハが搭載された後、上アーム74は、フィンガ向きを維持したまま、処理室方向へ移動する。このようにして、未処理ウエハは、基板支持体20から搬出される。
【0046】
次に、図8を用いて、ロードロック室14aから搬送室12へウエハを搬出する場合の、ウエハの検出方法について説明する。尚、図中において、×マークはセンサの光の道筋である光軸を表している。
図8(a−1)は、ロードロック室14aからウエハを搬出するために、第1基板搬送部70が、搬送室中で待機している状態を表す図である。この時、ロードロック室14aで待機されているウエハが移載される第1フィンガ72a、第2フィンガ72bに、ウエハが載置されていないことを確認するために、センサを用いてウエハの有無を確認する。
図8(a−2)は、(a−1)の状態のときの、フィンガとセンサから受ける光の関連を示す図である。
【0047】
以下に具体的に説明する。
反射型変位センサ102aは、第2フィンガ72bの裏面(ウエハを載置しない面)方向から、第2フィンガ切欠き90に向けて光を投光する。ウエハは第2フィンガ72bに載置されていないので、光は第2フィンガ切欠き90を通過し、第1フィンガ72a先端の裏面に当たる。そこで反射された光は、再び第2フィンガ切欠き90を通過し、反射型変位センサ102aが受光する。このようにして、距離を計測する。
【0048】
この場合、計測された距離は、予めコントローラ200に記憶されている反射型変位センサ102aの基準値(第1フィンガ72aと反射型変位センサ102aとの距離)と比較され、それが誤差内であれば、第2フィンガ72bにはウエハが存在しないことがわかる。
このとき、反射型変位センサ102aと第1フィンガ72aの距離が基準値の誤差の範囲であった場合、基板が存在するか、もしくは異常が起きたと判断される。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0049】
反射型変位センサ102aは、第1フィンガ72aの第1貫通孔83に向けて光を投光する。投光された光は、第1貫通孔83を通過し、第2フィンガ72bの支持部に当たる。そこで反射された光は、第1貫通孔83を通過し、反射型変位センサ112aによって受光される。このようにして、距離を計測する。この場合、反射型変位センサ112aと第2フィンガ72bとの距離が計測される。計測された距離は、予めコントローラ200に記憶されている反射型変位センサ112aの基準値(第2フィンガ72bと反射型変位センサ112aとの距離)と比較され、結果誤差内であれば第1フィンガ72aにはウエハが存在しないことがわかる。
このとき、基準値が誤差内で無かった場合、基板が存在するか、もしくは異常が起きたと判断される。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0050】
以上のように、基板処理装置10は、搬送室12からロードロック室14aに第1フィンガ72a及び第2フィンガ72bを挿入する前に、反射型変位センサ112aから第1貫通孔83に向けて光を照射するように制御されており、基板処理装置10を用いての基板処理方法は、搬送室12から第1ロードロック室14aに第1フィンガ72a及び第2のフィンガ72bを挿入する前に、反射型変位センサ112aから第1貫通孔83に向けて光を照射する工程を有している。
【0051】
また、以上のように基板処理装置10においては、搬送室12からロードロック室14aに第1フィンガ72a及び第2フィンガ72bを挿入する前には、反射型変位センサ112aから第1貫通孔83に向けて光が照射されるのに対して、搬送室12からロードロック室14bに第1フィンガ72a及び第2フィンガ72bを挿入する前には、反射型変位センサ112bから第2貫通孔84に向けて光が照射される。すなわち、基板処理装置10は、搬送室12からロードロック室14bに第1フィンガ72a及び第2フィンガ72bを挿入する前に、反射型変位センサ112bから第2貫通孔84に向けて光を照射するように制御されており、基板処理装置10を用いての基板処理方法は、搬送室12から第1ロードロック室14bに第1フィンガ72a及び第2のフィンガ72bを挿入する前に、反射型変位センサ112bから第2貫通孔84に向けて光を照射する工程を有している。
【0052】
各フィンガに基板が無いと判断されたら、基板通過口13aのゲートバルブ35が開く。その後、図8(b)に示すように、上アーム74が、ロードロック室14aの方向へ移動する。このとき、基板支持体20が相対的に移動することで、第1フィンガ72a及び第2フィンガ72bに、基板が移載される。
【0053】
上アーム74にウエハが保持されたら、上アーム74は搬送室12に移動し、ゲートバルブ35が閉じられる。
【0054】
搬送室12に上アーム74が戻ると、上アーム74にウエハが移載されているのか否かを確認する。図8(c−1)はその説明図であり、図8(c−2)は、図8(c−1)の状態のときの、フィンガと、センサから受ける光との関連を示す図である。
反射型変位センサ102aは、第2フィンガ72bの裏面(ウエハを載置しない面)方向から、第2フィンガ切欠き90に向けて光を投光する。ウエハは第2フィンガ72bに載置されており、また切欠き90上に載置されているので、光軸はウエハによって遮断され、その結果、光はウエハ裏面によって反射される。ウエハ裏面で反射された光は、反射型変位センサ102aによって受光される。このようにして、距離を計測する。
【0055】
この場合、反射型変位センサ102aと第2フィンガ72bの距離が計測される。計測された距離は、前述の反射型変位センサ102a基準値(反射型変位センサ102aと第1フィンガ72aとの距離)と異なるので、第2フィンガ72bにはウエハが存在することがわかる。
このとき、基準値と異なり、かつ反射型変位センサと第2フィンガ72bとの距離と大幅に異なる場合は、ウエハが存在しないか、もしくは異常が起きたと判断される。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0056】
反射型変位センサ112aは、第1フィンガ72aの第1貫通孔83の前方部83aに向けて光を投光する。投光された光は、第1フィンガ72aに載置された基板に当たって反射する。そこで反射された光は、反射型変位センサ112aによって受光される。このようにして、距離を計測する。この場合、計測された距離は、前述の反射型変位センサ112aの基準値(反射型変位センサ112aと第2フィンガ72bとの距離)と異なるので、第1フィンガ72aにウエハが存在することがわかる。
このとき、基準値と異なり、かつ反射型変位センサと第1フィンガ72aのとの距離と大幅に異なる場合は、ウエハが存在しないか、もしくは異常が起きたと判断される。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0057】
続いて、図9を用いて、図7に示すようにして搬出されたウエハが、処理室16a(PC16a)に搬入される動作を説明する。図9の搬入動作は、図7の搬出動作と連続する。
<図9 ステップa>
ウエハを搭載した上アーム74は、第1フィンガ72a、第2フィンガ72bそれぞれの先端が、処理室16aの方向に向くよう、下アーム75と共に回転する。
【0058】
<図9 ステップb>
処理室16aでは、第1基板保持ピン39a及び第2基板搬送部材40が待機されている。
回転された上アーム74は、処理室16aの第1基板載置台37上方にウエハが配置されるよう、且つ各ウエハの鉛直方向の位置が、第1基板保持ピン39a及び第2基板搬送部材40の直上に位置するよう、水平方向に処理室16aへ挿入される。
即ち、第2フィンガ72bに搭載されたウエハW1が第1基板保持ピン39aの直上に、第1フィンガ72aに搭載されたウエハW2が第2基板搬送部材40の直上に位置する。
【0059】
<図9 ステップc>
各ウエハが第1基板載置台37上方に配置された後、第1基板保持ピン39a及び第2基板搬送部材40が上昇し、各ウエハを掬い上げる。
即ち、第2フィンガ72bに搭載されたウエハW1が第1基板保持ピン39aに搭載され、また、第1フィンガ72aに搭載されたウエハW2が第2基板搬送部材40に搭載される。
【0060】
<図9 ステップd>
各フィンガから、第1基板保持ピン39a又は第2基板搬送部材40に、ウエハが移し変えられた後、上アーム74は処理室16aから退避する。
【0061】
続いて、図10を用いて、ロードロック室14aから搬出した基板を、処理室16aへ搬入する場合の、ウエハの検出方法について説明する。
図7(c)にてロードロック室からウエハを搬出した上アーム74は、下アームと共に、フィンガ先端が基板通過口15aの方向となるよう、回転される。結果、図10(a)の状態で、搬送室12に待機されている。
【0062】
次に、ゲートバルブ35が開けられ、上アーム74が処理室16a方向に移動され、図10(b)の状態となる。
このとき、処理室内の第1基板保持ピン39a及び上アーム74の協働作業により、処理室16a内に基板が載置される。
【0063】
ウエハが処理室16内に移載された後、上アーム74が搬送室12方向へ移動する。移
動後、ゲートバルブ35が閉じられ、図10(c−1)のようになる。
図10(c−1)の状態において、上アーム74のウエハの有無を次のように確認する。即ち、透過型センサ投光部116aから、透過型センサ受光部108aに向けて光が投光される。光は、図10(c−2)のように、各フィンガの両先端の間を通過するよう投光される。透過型センサ受光部108aが光を受光すれば各アームに、ウエハが無いことが確認される。
【0064】
ここで、透過型センサ受光部108aが光を受光しなかった場合、ウエハが各アームの少なくともいずれかに載置されているか、もしくは装置の異常と判断される。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0065】
図11は、ロードロック室14a(L/L14a)から、ウエハ1を搬出する動作を説明する説明図である。
<図11 ステップa>
初めに、これから処理する2枚のウエハと、上アーム74の第1フィンガ72a、第2
フィンガ72bの高さから若干高い位置に設定されるように、基板支持体20の鉛直方向の位置が調整される。
ここでは、三枚目のウエハであるW3の鉛直方向の位置が第2フィンガ72bの鉛直方
向の位置より高くなるように調整する。四枚目のウエハであるW4と第1フィンガ72aの鉛直方向の位置に関しても、同様の関係とする。
【0066】
<図11 ステップb>
鉛直方向の位置を調整後、上アーム74が基板支持体20へ挿入される。即ち、W3の直下に第2フィンガ72bが、またW4の直下に第1フィンガ72aが配置される。
【0067】
<図11 ステップc>
上アーム74を挿入後、基板支持体20が下降する。
これにより、各フィンガに基板が搭載される。
即ち、W3は第2フィンガ72bに搭載され、W4は第1フィンガ72aへ搭載される。
【0068】
<図11 ステップd>
フィンガ上にウエハが搭載された後、上アーム74は、フィンガ向きを維持したまま、処理室方向へ移動する。このようにして、未処理ウエハは、基板支持体20から搬出される。
【0069】
続いて、図12を用いて、図11にて搬出したウエハが、処理室16b(PC16b)
に搬入される動作を説明する。図12の搬入動作は、図11の搬出動作と連続する。
<図12 ステップa>
ウエハを搭載した上アーム74は、第1フィンガ72a、第2フィンガ72bそれぞれの先端が、処理室16bの方向に向くよう、下アーム75と共に回転する。
【0070】
<図12 ステップb>
処理室16bでは、第1基板保持ピン39a及び第2基板搬送部材40が待機されている。
回転された上アーム74は、処理室16bの第1基板載置台37上方にウエハが配置されるよう、且つ各ウエハの鉛直方向の位置が、第1基板保持ピン39a及び第2基板搬送部材40の直上に位置するよう、水平方向に処理室16bへ挿入される。
即ち、第2フィンガ72bに搭載されたウエハW3が第1基板保持ピン39aの直上に、第1フィンガ72aに搭載されたウエハW4が第2基板搬送部材40の直上に位置する。
【0071】
<図12 ステップc>
各ウエハが第1基板載置台37上方に配置された後、第1基板保持ピン39a及び第2基板搬送部材40が上昇し、各ウエハを掬い上げる。
即ち、第2フィンガ72bに搭載されたウエハW3が第1基板保持ピン39aに搭載され、また、第1フィンガ72aに搭載されたウエハW4が第2基板搬送部材40に搭載される。
【0072】
<図12 ステップd>
各フィンガから、第1基板保持ピン39a又は第2基板搬送部材40に、ウエハが移し変えられた後、上アーム74は処理室16bから退避する。
処理室16a、16bに基板を搬入した後の動作については、後述する。
【0073】
図13は、処理室16aにウエハがある状態で、ロードロック室14a(L/L14a
)から、ウエハ1を搬出する動作を説明する説明図である。
<図13 ステップa>
これから処理する2枚のウエハを、上アーム74の第1フィンガ72a、第2フィンガ72bの高さから若干高い位置に設定されるように、基板支持体20の鉛直方向の位置が調整される。
ここでは、五枚目のウエハであるW5の鉛直方向の位置が第2フィンガ72bの鉛直方向の位置より高くなるように調整する。六枚目のウエハであるW6と第1フィンガ72aの鉛直方向の位置に関しても、同様の関係とする。
【0074】
<図13 ステップb>
鉛直方向の位置を調整後、上アーム74が基板支持体20へ挿入される。即ち、W5の直下に第2フィンガ72bが、またW6の直下に第1フィンガ72aが配置される。
【0075】
<図13 ステップc>
上アーム74を挿入後、基板支持体20が下降する。
これにより、各フィンガに基板が搭載される。
即ち、W5は第2フィンガ72bに搭載され、W6は第1フィンガ72aへ搭載される。
【0076】
<図13 ステップd>
フィンガ上にウエハが搭載された後、上アーム74は、フィンガ向きを維持したまま、処理室方向へ移動する。このようにして、未処理ウエハは、基板支持体20から搬出される。
【0077】
続いて、図14を用いて、未処理基板と処理済み基板を入れ替える動作を説明する。前
述のように、未処理基板は上アーム74の第1フィンガ72a、及び第2フィンガ72bに搭載されたW5,W6である。処理済み基板は、第2基板搬送部材40に搭載されているW2、及び第1基板保持ピン39aに搭載されているW1である。
<図14 ステップa>
処理室16aの第1処理部で処理されたウエハW1は、基板搬出時、第1基板保持ピン39aに搭載される。また、第2処理部で処理されたW2は、第2基板搬送部材40上に搭載される。これらのウエハは、第1基板載置台37上方に保持されている。
一方、ロードロック室14aから基板を搬出した上アーム74は、下アーム75と共に、処理室16aに各フィンガの先端が向くよう、回転する。また回転と同時に、上アーム74及び下アーム75が一体となって上昇する。処理済みウエハを受け取る下アーム75及び下アーム75の各フィンガが素早く基板通過口15aを通過できるよう、アームの鉛直方向高さと、基板通過口15aの高さを合わせるためである。
【0078】
このように、回転時にアームと基板通過口の高さを合わせることで、後の鉛直方向の位置調整が不要となり、結果素早く基板の搬出が可能となる。
尚、このときの鉛直方向の位置は、第2基板搬送部材40に搭載されたウエハを下アーム75の第3フィンガ72cより高い位置とし、また第1基板保持ピン39aに搭載されたウエハを、第4フィンガ72dより高い位置とする。
【0079】
<図14 ステップb>
下アーム75が処理室16aへ挿入される。
このとき、第2基板搬送部材40に搭載されたウエハの直下に第3フィンガ72cを、また第1基板保持ピン39aに搭載されたウエハの直下に、第4フィンガ72dを配置する。
【0080】
<図14 ステップc>
第2基板搬送部材40及び第1基板保持ピン39aが下降する。これにより、各ウエハがフィンガに搭載される。
即ち、第2基板搬送部材40に搭載されたウエハは第3フィンガ72cに移載され、また第1基板保持ピン39aに搭載されたウエハは、第4フィンガ72dに移載される。
【0081】
<図14 ステップd>
各フィンガに、ウエハが移し変えられた後、アーム75は処理室16aから退避する。
【0082】
続いて、図15を用いて、処理室16aに格納されている処理済みウエハを、搬送室12へ移動する場合の、ウエハの検出方法について説明する。
図15(a−1)は、上アーム74に搭載されている未処理基板が搬送室12にて待機している状態を表す図である。下アーム75に処理済みウエハを搭載するため、下アーム75は、基板通過口15aと同じ高さに設定される。また、図15(a−2)は、そのときのセンサから投光される光(光軸)とフィンガの関係を表した図である。
【0083】
反射型変位センサ106aは、第4フィンガ72dの裏面方向から、第4フィンガ72dの切欠き100bに向かって、光を投光する。投光された光は、切欠き100bを通過し、第3フィンガ72cの裏面に当たる。これにより反射された光は、再度切欠き100bを通過し、反射型変位センサ106aによって受光される。
これによって計測された距離を、予め設定されている基準値(予め設定された処理済みウエハを搬出するときの第3フィンガ72cと反射型変位センサ106aとの距離)と比較し、誤差の範囲であれば、第4フィンガ72dにウエハが無いと判断する。
基準値と大幅に異なる場合、第4フィンガ72dにウエハが保持されているか、もしくは異常が起きたと判断する。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0084】
反射型変位センサ114aは、第1フィンガ72aの表面方向から、第1フィンガ72aの第3貫通孔85に向けて、光を投光する。投光された光は、図15(a−1)に示すように、第1フィンガ72aの第3貫通孔85の後方部85b、及び第2フィンガ72bの貫通孔92の後方部92bを通過し、第3フィンガ72cの支持部80に当たり、反射する。支持部80で反射された光は、第3貫通孔85、及び貫通孔92を通過し、反射型変位センサ114aによって受光される。
【0085】
これによって計測された距離を、予め設定されている基準値(予め設定された処理済みウエハを搬出するときの第3フィンガ72cと反射型変位センサ114aとの距離)とを比較し、誤差の範囲であれば、第3フィンガ72cにウエハが無いと判断する。基準値と大幅に異なる場合、第3フィンガ72cにウエハが保持されているか、もしくは異常が起きたと判断する。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0086】
第3及び第4フィンガにウエハが無いと判断された後、ゲートバルブ35が開かれ、図15(b)のように、下アーム75が処理室16a方向へ移動する。移動後、第1基板保持ピン39aとの協働作業により、処理室16a内の処理済みウエハを、下アーム75の各フィンガに移載する。
【0087】
下アーム75の各フィンガに移載された後、図15(c−1)のように、下アーム75は搬送室12へ移動する。移動後、下アーム75の各フィンガにウエハが搭載されているか否かを、センサによって確認する。図15(c−2)は、そのときのセンサから投光される光(光軸)とフィンガの関係を表した図である。
【0088】
反射型変位センサ106aは、第4フィンガ72dの裏面方向から、第4フィンガ72dの切欠き100bに向かって、光を投光する。投光された光は、第4フィンガ72dに保持されているウエハの裏面に当たる。ウエハ裏面から反射された光は、反射型変位センサ106aによって受光される。
これによって計測された距離を、予め設定されている基準値(予め設定された処理済みウエハを搬出するときの第3フィンガ72cと反射型変位センサ106との距離)と比較し、基準値と異なれば、第4フィンガ72dにウエハが保持されていると判断する。
基準値と大幅に異なる場合、かつ第4フィンガ72dと反射型変位センサ106aとの距離が異なる場合には、ウエハが保持されていないか、もしくは異常が起きたと判断する。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0089】
反射型変位センサ114aは、第1フィンガ72aの表面方向から、第1フィンガ72aの第3貫通孔85の後方部85bに向けて、光を投光する。投光された光は、図15(c−2)に示すように、第1フィンガ72aの第3貫通孔85の後方部85b、及び第2フィンガ72bの支持部貫通孔92の後方部92bを通過し、第3フィンガ72cに保持されているウエハに当たり、反射する。ウエハで反射された光は、同様に第3貫通孔85、及び支持部貫通孔92を通過し、反射型変位センサ114aによって受光される。
【0090】
これによって計測された距離を、予め設定されている基準値(予め設定された処理済みウエハを搬出するときの第3フィンガ72cと反射型変位センサ114aとの距離)とを比較し、距離の差が誤差の範囲を超えた場合、第3フィンガ72cにウエハが保持されていると判断する。基準値と大幅に異なる場合、第3フィンガ72cにウエハが保持されていないか、もしくは異常が起きたと判断する。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0091】
続いて、図16を用いて、図14にて搬出したウエハが、処理室16a(PC16a)
に搬入される動作を説明する。図16の搬入動作は、図14の搬出動作に引き続いて行う。
<図16 ステップa>
処理済みウエハを搭載した下アーム75が退避したとき、上アーム及び下アームは共に下降する。
未処理ウエハを搬入する上アーム74及び上アームの各フィンガが基板通過口15aを
通過できるよう、上アーム74の鉛直方向高さと、基板通過口15aの高さを合わせるためである。
下降した後、未処理ウエハを搭載した上アーム74は、処理室16に挿入される。
尚、このときの鉛直方向の位置は、第1フィンガ72aに搭載されたウエハを第2基板搬送部材40より高い位置とし、また第2フィンガ72bに搭載されたウエハを第1基板保持ピン39aより高い位置とする。
【0092】
<図16 ステップb>
上アーム74は、処理室16bの第1基板載置台37上方にウエハが配置されるよう、且つ各ウエハの鉛直方向の位置が、第1基板保持ピン39a及び第2基板搬送部材40の直上に位置するよう、水平方向に処理室16aへ挿入される。
即ち、第2フィンガ72bに搭載されたウエハW5が第1基板保持ピン39aの直上に、第1フィンガ72aに搭載されたウエハW6が第2基板搬送部材40の直上に位置する。
【0093】
<図16 ステップc>
各ウエハが第1基板載置台37上方に配置された後、第1基板保持ピン39a及び第2基板搬送部材40が上昇し、各ウエハを掬い上げる。
即ち、第2フィンガ72bに搭載されたウエハW5が第1基板保持ピン39aに搭載され、また、第1フィンガ72aに搭載されたウエハW6が第2基板搬送部材40に搭載される。
【0094】
<図16 ステップd>
各フィンガから、第1基板保持ピン39a又は第2基板搬送部材40に、ウエハ
が移し変えられた後、上アーム74は処理室16aから退避する。
【0095】
続いて、図17を用いて、処理室16aから搬出された処理済みウエハをロードロック室14aへ搬入する動作を説明する。
<図17 ステップa>
処理室16aから退避した上アーム74及び下アーム75は、フィンガ先端がロードロック室14aへ向くよう、回転する。
また、このとき基板支持体20は次の位置になるよう位置を変更する。
即ち、搬入される処理済みウエハが、元の載置部28(未処理状態のとき、EFEM18から基板支持体へ搭載されたときに載置されていた載置部)に搭載されるよう、元の載置部が、各ウエハの鉛直方向の位置より低い位置であり、且つウエハの鉛直方向の位置が、元の載置部の一つ上の載置部より低い位置となるよう、設定される。
具体的には、処理済みウエハW1より低い位置にW1の載置部28aの位置が設定され、且つ処理済みウエハW1が、W1の載置部28aの一つ上の載置部28bより低い位置に設定されるよう、基板支持体の位置を調整する。
尚、基板支持体20は、この前の動作(図7のようなW3、W4を搬出する動作。)で
下降しているため、W1、W2を供給するときは、上記のような位置に設定するため上昇している。
また、処理済みウエハを保持している下アーム75が、ロードロック室14aと搬送室
12間の基板通過口13aの鉛直方向の位置に合わせるために、上アーム74と共に下アーム75が上昇する。
ここではW1、W2を例で説明したが、他のウエハの搬入においても、上記のような位置が設定されることは言うまでも無い。
【0096】
<図17 ステップb>
基板支持体20の位置が設定されたら、下アーム75は基板支持体20の方向に移動する。
即ち、第4フィンガ72dに搭載されたウエハW1が載置部28aの上端と、載置部28bの下端の間の位置に保持され、また第3フィンガ72cに搭載されたW2が、載置部28bの上端と、載置部28cの下端の間の位置に保持される。
【0097】
<図17 ステップc>
各構成の位置が確定後、基板支持体20は上昇する。これにより、各載置部が処理済みウエハを掬い上げ、載置部上にウエハが載置される。
【0098】
<図17 ステップd>
ウエハをフィンガから基板支持体へ移載した後、下アーム75はロードロック室14aから退避する。
【0099】
図17の動作の後、次に処理するウエハを、図13のように搬出し、図14及び図16のように処理済みウエハと未処理ウエハの入れ替えを行う。
このように、基板支持体20、第1基板搬送部70(上アーム74、下アーム75)、第2基板搬送部材40及び第1基板保持ピン39a等の協働作業を繰り返してウエハ搬送作業を行う。
【0100】
続いて、図18を用いて、処理済みウエハを処理室16aから搬出する工程のウエハ検出方法を説明する。処理室16aに格納されている処理済みウエハは、ロードロック室14aの基板支持体20の最後に格納されるウエハである。そのため、上アーム74に未処理ウエハを搭載していない。
【0101】
図18(a−1)は、これから処理済みウエハが保持される下アーム75が、搬送室12で待機されている状態である。下アーム75に処理済みウエハを移載するため、下アーム75は、基板通過口15aと同じ高さに設定される。また、図18(a−2)は、そのときのセンサから投光される光(光軸)とフィンガの関係を表した図である。
【0102】
反射型変位センサ106aは、第4フィンガ72dの裏面方向から、第4フィンガ72dの切欠き根本部100bに向かって、光を投光する。投光された光は、切欠き100bを通過し、第3フィンガ72cの裏面に当たる。これにより反射された光は、再度切欠き100bを通過し、反射型変位センサ106aによって受光される。
これによって計測された距離を、予め設定されている基準値(予め設定された処理済みウエハを搬出するときの第3フィンガ72cと反射型変位センサ106との距離)と比較し、誤差の範囲であれば、第4フィンガ72dにウエハが無いと判断する。
基準値と大幅に異なる場合、第4フィンガ72dにウエハが保持されているか、もしくは異常が起きたと判断する。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0103】
反射型変位センサ114aは、第1フィンガ72aの表面方向から、第1フィンガの第3貫通孔85に向けて、光を投光する。投光された光は、図18(a−2)に示すように、第1フィンガ72aの第3貫通孔85及び第2フィンガ72bの支持部貫通孔92を通過し、第3フィンガ72cの支持部80に当たる。該支持部80で反射された光は、同様に第3貫通孔85及び支持部貫通孔92を通過し、反射型変位センサ114aによって受光される。
【0104】
これによって計測された距離を、予め設定されている基準値(予め設定された処理済みウエハを搬出するときの第3フィンガ72cと反射型変位センサ114aとの距離)とを比較し、誤差の範囲であれば、第3フィンガ72cにウエハが無いと判断する。
基準値と大幅に異なる場合、第3フィンガ72cにウエハが保持されているか、もしくは異常が起きたと判断する。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0105】
第3及び第4フィンガにウエハが無いと判断された後、ゲートバルブ35が開かれ、(
b)のように、下アーム75が処理室16a方向へ移動する。移動後、第1基板保持ピン39aとの協働作業により、処理室16a内の処理済みウエハを、下アーム75の各フィンガに移載する。
【0106】
下アーム75の各フィンガに移載された後、図18(c−1)のように、下アーム75は搬送室12へ移動する。移動後、下アーム75の各フィンガにウエハが搭載されているか否かを、センサによって確認する。図18(c−2)は、そのときのセンサから投光される光(光軸)とフィンガの関係を表した図である。
【0107】
反射型変位センサ106aは、第4フィンガ72dの裏面方向から、第4フィンガ72dの切欠き根本部100bに向かって、光を投光する。投光された光は、第4フィンガ72dに保持されているウエハの裏面に当たる。ウエハ裏面から反射された光は、反射型変位センサ106aによって受光される。
これによって計測された距離を、予め設定されている基準値(予め設定された処理済みウエハを搬出するときの第3フィンガ72cと反射型変位センサ106との距離)と比較し、基準値と異なれば、第4フィンガ72dにウエハが保持されていると判断する。
基準値と大幅に異なる場合、かつ第4フィンガ72dと反射型変位センサ106aとの距離が異なる場合には、ウエハが保持されていないか、もしくは異常が起きたと判断する。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0108】
反射型変位センサ114aは、第1フィンガ72aの表面方向から、第3貫通孔85に向けて、光を投光する。投光された光は、図18(c−2)に示すように、第1フィンガ72aの第3貫通孔及び第2フィンガ72bの支持部貫通孔92を通過し、第3フィンガ72cに保持されているウエハに当たる。ウエハで反射された光は、同様に第3貫通孔85及び支持部貫通孔92を通過し、反射型変位センサ114aによって受光される。
これによって計測された距離を、予め設定されている基準値(予め設定された処理済みウエハを搬出するときの第3フィンガ72cと反射型変位センサ114aとの距離)とを比較し、距離の差が誤差の範囲を超えた場合、第3フィンガ72cにウエハが保持されていると判断する。
基準値と大幅に異なる場合、第3フィンガ72cにウエハが保持されていないか、もしくは異常が起きたと判断する。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0109】
続いて、図19を用いて、図18で下アーム75に移載された処理済みウエハをロードロック室へ移載する方法を説明する。
図19(c−1)の各フィンガの先端が処理室16aに向かっている状態から、ロードロック室14aに各フィンガの先端が向くよう、上アーム74及び下アーム75と共に第1基板搬送部70が回転し、図19(a)の状態となる。
【0110】
次にゲートバルブ35が開き、処理済みウエハが保持されている下アーム75がロードロック室14aに向けて移動し、図19(b)の状態となる。基板支持体20との協働作業により、基板支持体20に処理済みウエハが移載される。
このようにして、EFEM18からロードロック室14aへ移載された全てのウエハが、処理室にて処理され、ロードロック室14aへ戻される。
【0111】
基板支持体20にウエハが移載された後、図19(c−1)のように、下アーム75が搬送室12へ移動する。
このとき、全てのアーム(フィンガ)にウエハが無いことを確認する。即ち、透過型センサ投光部110aから、第4フィンガ72dのフィンガ先端の間に向けて光を投光し、各アーム(フィンガ)にウエハが存在しなければ、透過型センサ受光部104aが、光を受光する。
このようにして、ウエハが各アームに無いことを確認する。
【0112】
ここで、透過型センサ受光部104aが光を受光しなかった場合、ウエハが各アームの少なくともいずれかに載置されているか、もしくは装置の異常と判断される。このような判断の後、搬送室12の動作を停止したり、保守者に対してアラームを出力したりしても良い。
【0113】
次に、処理室16内へ供給されたウエハの移載フローを、図20及び図21を用いて説明する。
図20(a)〜(d)及び図21(e)〜(h)において、上図は処理室16の上面図である。下図は上図の断面をイメージした図で、説明用図面である。
下図では、基板保持ピン39aの一つが、第1処理部36の内、ゲートバルブ35に近い箇所に設けられている。これは説明の便宜上のものである。実際には上図のように、第1処理部36の内、ゲートバルブ35に近い箇所、即ち基板搬送部70が図20(c)上図のように待機する箇所には、基板保持ピン39aは設けられていない。
まず、処理室16内は、搬送室12と同圧に真空化される。尚、以下の説明において、基板処理装置10を構成する各部の動作はコントローラ200により制御される。
【0114】
<ステップ1 図20(a)>
ゲートバルブ35が開き、第1処理部36の第1基板保持ピン39aと第2処理部38の第2基板保持ピン39bが上昇する。第2基板搬送部材40は第2処理部38側に待機し、第1基板保持ピン39a、第2基板保持ピン39bと共に上昇する。
【0115】
<ステップ2 図20(b)>
第2基板搬送部材40は、軸部43eが回転することで略水平に第1処理部36側へ移動する。この際、第2基板搬送部材40の切欠き部43bは、ゲートバルブ35と向かい合っている。
【0116】
<ステップ3 図20(c)>
基板搬送部70が上フィンガ72aと下フィンガ72bに載置された2枚のウエハを同時搬送しながら、搬送室12からゲートバルブ35を介して処理室16に移動し、第1処理部36上方にて停止する。その際、第2基板搬送部材40はフィンガ対32の上フィンガ72aと下フィンガ72bの間に収まる高さ位置にて待機する。
【0117】
<ステップ4 図20(d)>
基板搬送部70はそのまま動作しない状態にて、第1処理部36の第1基板保持ピン39aが上昇し、下フィンガ72bに載置されたウエハを第1基板保持ピン39a上に載置する。さらに、第2基板搬送部材40が上昇することで、上フィンガ72aに載置されたウエハを第2基板搬送部材40の爪部43c上に載置する。
【0118】
<ステップ5 図21(e)>
基板搬送部70は、搬送室12内に戻る。
【0119】
<ステップ6 図21(f)>
第2基板搬送部材40は、ウエハ1を載置した状態で、軸部43eが回転することで略水平に第2処理部38側へ移動する。
ゲートバルブ35が閉まる。
【0120】
<ステップ7 図21(g)>
軸部43eが下降して、第2基板搬送部材40は、第2処理部38の外周下方に移動する。
第2基板搬送部材40はウエハ処理中も処理室16内に待機することになるため、第2処理部38上方から供給される処理ガス(例えばO2ラジカル等)のガスの流れを阻
害し、ウエハ面内の均一性を悪化させる恐れがある。そのため、第2処理部38の外周のガス流れを阻害しない高さへと移動する。
【0121】
<ステップ8 図21(h)>
第1処理部36の第1基板保持ピン39a及び第2処理部38の第2基板保持ピン39bがウエハ1を略水平に保持した状態でほぼ同時に下降し、ウエハ1を第1基板載置台37及び第2基板載置台41にそれぞれ載置する。即ち、それぞれのウエハと、それらのウエハに対応した基板載置台との距離が互いに等しくなるよう、ウエハを下降させる。
第1処理部36及び第2処理部38それぞれのウエハへの熱影響を同じにするためである。熱影響を同じにすることにより、例えばそれぞれのウエハのアッシングレートを均一にすることができる。基板処理がCVD(Chemical Vapor Deposition)の場合、それぞれの膜厚を略同じ厚みとすることができる。
尚、まったく同じ熱影響とする必要は無く、アッシングレートや膜厚が均一にさえなれば、誤差があってもよい。誤差は、例えば2秒程度である。
第1基板保持ピン39aと第2基板保持ピン39bをほぼ同時に下降して、熱影響を同じとする代わりに、ヒータを個別に制御してもよい。
また、本装置では、基板保持ピン39が下がるが、基板載置台が上下する構成にしてもよい。
【0122】
その後、処理室16内にガスを供給し、プラズマ生成(アッシング処理)がなされ、基板処理後は、逆のシーケンスを実行し、基板を搬出する。
【0123】
本発明は、特許請求の範囲に記載された通りであるが、さらに次に付記する事項も含まれる。
【0124】
〔付記1〕
搬送室を中心として第一のロードロック室、第二のロードロック室、及び少なくとも二つの処理室が配置され、
前記搬送室は、前記第一のロードロック室及び前記第二のロードロック室と、前記少なくとも二つの処理室との間で基板を搬送する基板搬送部を有し、
前記基板搬送部は、第一のフィンガ及び第二のフィンガが設けられたアームを有し、
前記第一のフィンガは、第一の貫通孔及び第二の貫通孔が形成されている基板処理装置。
【0125】
〔付記2〕
前記第一の貫通孔及び前記第二の貫通孔は、基板移載時の前記第一のフィンガの移動方向であって、前記第一のフィンガの基板支持位置を中心とした中心線に対して対称の位置にそれぞれが形成されている付記1記載の基板処理装置。
【0126】
〔付記3〕
前記搬送室には、前記第一のロードロック室に対応する位置に第一の基板検出部が設けられ、前記第二のロードロック室に対応する位置に第二の基板検出部が設けられている付記1又は2記載の基板処理装置。
【0127】
〔付記4〕
前記搬送室から前記第一のロードロック室に前記第一のフィンガ及び前記第二のフィンガを挿入する前に、前記第一の基板検出部から前記第一の貫通孔に向けて光を照射し、前記搬送室から前記第二のロードロック室に前記第一のフィンガ及び前記第二のフィンガを挿入する前に、前記第二の基板検出部から前記第二の貫通孔に向けて光を照射するように制御される付記1乃至3いずれか記載の基板処理装置。
【0128】
〔付記5〕
搬送室を中心として第一のロードロック室、第二のロードロック室、及び少なくとも二つの処理室が配置され、前記搬送室は、前記第一のロードロック室、前記第二のロードロック室、及び前記少なくとも二つの処理室との間で基板を搬送する基板搬送部を有し、前記基板搬送部は、第一のフィンガ及び第二のフィンガが設けられたアームを有し、前記第一のフィンガは、第一の貫通孔及び第二の貫通孔が形成されている基板処理装置を用い、
前記搬送室から前記第一のロードロック室に前記第一のフィンガ及び前記第二のフィンガを挿入する前に、前記第一の基板検出部から前記第一の貫通孔に向けて光を照射する工程と、
前記搬送室から前記第二のロードロック室に前記第一のフィンガ及び前記第二のフィンガを挿入する前に、前記第二の基板検出部から前記第二の貫通孔に向けて光を照射する工程と、
を有する基板処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0129】
以上で説明したように、例え半導体製造等に用いられる本発明は基板処理装置及び基板処理方向に適用することができ、より具体的には、例えば、半導体集積回路装置(半導体デバイス)が作り込まれる半導体ウエハに酸化処理や拡散処理、イオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフローやアニール及び熱CVD反応による成膜処理などに使用される基板処理装置等に適用することができる。
【符号の説明】
【0130】
1 ウエハ
10 基板処理装置
12 搬送室
14a ロードロック室
14b ロードロック室
16a 処理室
16b 処理室
72a 第1フィンガ
72b 第2フィンガ
74 アーム
83 第1貫通孔
84 第2貫通孔
112a 反射型センサ
112b 反射型センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送室を中心として第一のロードロック室、第二のロードロック室、及び少なくとも二つの処理室が配置され、
前記搬送室は、前記第一のロードロック室及び前記第二のロードロック室と、前記少なくとも二つの処理室との間で基板を搬送する基板搬送部を有し、
前記基板搬送部は、第一のフィンガ及び第二のフィンガが設けられたアームを有し、
前記第一のフィンガは、第一の貫通孔及び第二の貫通孔が形成されている基板処理装置。
【請求項2】
前記搬送室には、前記第一のロードロック室に対応する位置に第一の基板検出部が設けられ、前記第二のロードロック室に対応する位置に第二の基板検出部が設けられている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記搬送室から前記第一のロードロック室に前記第一のフィンガ及び前記第二のフィンガを挿入する前に、前記第一の基板検出部から前記第一の貫通孔に向けて光を照射し、前記搬送室から前記第二のロードロック室に前記第一のフィンガ及び前記第二のフィンガを挿入する前に、前記第二の基板検出部から前記第二の貫通孔に向けて光を照射するように制御される請求項1又は2記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−198968(P2011−198968A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63583(P2010−63583)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】