説明

少なくとも一つの電気的コンポーネントを有するフィルム及びその生産プロセス

【課題】
本発明は、少なくとも一つの電気的コンポーネントを有するフィルムと、そのようなフィルムの生産プロセスと、に関するものである。
【解決手段】
放射架橋性接着剤を備えた接着剤層はベースフィルム(61)に塗布される。接着剤層はベースフィルムへパターン形状に塗布され、及び/または、接着剤層がパターン形状に構造化して硬化するようにパターン形状に放射線照射される。キャリアフィルムと電気的機能層とを備えたトランスファーフィルム(41)が接着剤層に塗布される。キャリアフィルム(41)は、ベースフィルム、接着剤層、及び電気的機能層を含むフィルム体から剥がされ、そこではパターン形状に構造化された第一領域では電気的機能層はベースフィルム(61)に残り、パターン形状に構造化された第二領域では電気的機能層は前記キャリアフィルム(45)に残り、ベースフィルム(61)からキャリアフィルムとともに取り除かれる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの電気的コンポーネントを有するフィルム及びそのようなフィルムの生産方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機半導体技術を用いることによる電気的コンポーネント、例えば有機電界効果トランジスタ(OFETs)あるいは有機ポリマーからなるその他の電気的コンポーネントの生産のために、少なくとも導電性電極層の構造化が必要とされている。その他の層の構造化は必ずしも必要ではないが、有機半導体技術によって生じるそのようなコンポーネントの効率や性能を改良することができる。有機半導体技術を用いた強力な電気的コンポーネントの生産を可能にするために、それらの層の構造化が高水準の解像度と記録精度で実施されることが必要である。
【0003】
WO 02/25750はリソグラフィプロセスを用いる電極や回路基板の生産について説明している。その工程においてドープポリアニリン(PANI)あるいはポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)を含む有機導電層は基板、例えばフィルムに、ドクター法、スプレー、スピンコーティング、あるいはスクリーン印刷によってその表面にわたって塗布される。フォトレジストの薄層はその上に塗布され構造化された形状に露光される。露光されたポリアニリン層は現像液の作用によって脱プロトン化されて非導電性になる。残っているフォトレジストは溶剤によって溶解除去される。この工程の前または後に、非導電性有機層マトリックスは非塩基性溶媒によって溶解除去される。
【0004】
WO 02/25750は脱プロトン化効果を有する化合物が印刷によって平坦な機能性ポリマー層に構造化するために塗布される、ということを説明している。化合物は塩基性であることが好ましい。非導電性領域はその後に続くリンス工程で選択的に除去される。
【0005】
WO 02/47183は有機電界効果トランジスタの層の構造化のために整形層のリセス中に機能性ポリマーを導入することを提案している。整形層は、絶縁特性を有する異なる有機材料を備え、整形層にはパンチが押し付けられる。機能性ポリマーはドクターによってリセスに導入される。そのプロセスによって2から5mmの範囲の面内寸法を有する極めて良い構造を作り出すことができる。さらにドクター法は材料に固有のものではなく、すなわち有機電界効果トランジスタの全ての層の構造化に適する。さらに、ドクター工程のための粘度範囲は印刷操作のためよりもはるかに大きい。機能性ポリマーは実質的にそれらの形状を保つことができる。さらに、1mmまでの範囲の比較的厚い層を作り出すことができる。
【0006】
DE 100 33 112は、機能性ポリマーが基板あるいはすでに存在する層にタンポン印刷技術によって塗布される、有機半導体技術を用いた電気的コンポーネントの生産のためのプロセスについて説明している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、有機半導体技術による強力なコンポーネントの生産を改良すること、及び/または有機半導体技術によって改良されたコンポーネントの構造を特定することである。
【0008】
本発明の目的はさらに、パターン形状に構造化された電気的機能層とフィルムのフィルム体との間に配置され、パターン形状に構造化された電気的機能層をフィルム体に接合する放射線架橋性接着剤を備えた接着剤層を有すること、を特徴とする、少なくとも一つの電気的コンポーネントを有する、特に有機半導体技術を用いたフィルムによって実現される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的は、放射線架橋性接着剤を備えた接着剤層がベースフィルムに塗布され、この場合、接着剤層はパターン形状に構造化された形状でベースフィルムに塗布され、及び/または、接着剤層があるパターン形状に構造化して硬化するように、あるパターン形状に放射線照射され(例えばUV光で)、キャリアフィルムと電気的機能層とを備えたトランスファーフィルムが、電気的機能層が接着剤層に向いた方向で接着剤層へ塗布され、ベースフィルムと接着剤層と電気的機能層とを含むフィルム体からキャリアフィルムは取り除かれ、
電気的機能層が、パターン形状に構造化された第一領域ではベース体に残り、パターン形状に構造化された第二領域ではキャリアフィルムに残り、ベースフィルムからキャリアフィルムとともに取り除かれること、
を特徴とする、少なくとも一つの電気的コンポーネントを有する、特に有機半導体技術を用いたフィルムの生産プロセスによって実現される。
【0010】
前記目的はさらに、放射線架橋性洗浄ラッカー層がパターン形状に構造化された形状で塗布され、洗浄ラッカー層が硬化されるようにパターン形状に構造化された洗浄ラッカー層は放射線照射され(例えばUV光で)、電気的機能層は洗浄ラッカー層に塗布され、洗浄過程では電気的機能層はパターン形状に構造化され洗浄ラッカー層が塗布されなかった領域でベース体に残るように、パターン形状に構造化された洗浄ラッカー層はそれらの上の電気的機能層の領域とともに取り除かれること、を特徴とする、少なくとも一つの電気的コンポーネントを有する、特に有機半導体技術を用いたフィルムの生産プロセスによって実現される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって、有機半導体技術のコンポーネントの電気的機能層が正確な記録関係で、高水準の解像度を有して構造化されることが可能である。それにより、例えばソースとドレインとの間に25mm 以下のスペーシングをすることが可能である。本発明のさらなる利点は、このプロセスはとても安価であり、大きな工業的スケールでの使用にも適している、ということである。
【0012】
確かにリソグラフィックプロセスの使用によって高解像度を達成することが可能である。しかしながら、一方では、リソグラフィックプロセスは、多くのプロセス段階と、高品質で高価な材料とを必要とし、そのような材料は、覆われ、コーティングされ、マスクされ、露光され、処理され、エッチングされ、剥がされる。
【0013】
さらには、本発明によるプロセスを用いるとき、生成される有機半導体技術の電気的コンポーネントの質における改良がもたらされる。つまり、本発明によるプロセスは半導体層の汚染が実質的に避けられるドライプロセスである。例えばプロトン化効果によって不純物が低水準濃度で存在する時にはそれら不純物が半導体層の電気的特性を変え得るように、有機半導体技術を用いた電気的コンポーネントからなる半導体層は不純物に関して極めて感度が高い。したがって、例えばリソグラフプロセスの場合、必要な処理、エッチング、及び剥離などの工程によって、有機半導体層が汚染されることはほとんど避けることができない。さらには、導電性ポリマーの直接印刷において、電気的機能層の必要とされる高解像度の構造化は、非常に高コストで、特に、十分な再現性の観点からみると、非常に高レベルの複雑な問題が伴ったときのみに成し遂げられる、ということが分かっている。それは特に、とりわけ大きな技術スケールで使用可能である印刷工程では、適切な厚さ及び十分な再現性ある印刷を妨害する標準の印刷材料の粘度に起因している。
【0014】
従って本発明は、大きな工業的スケールにも適用可能であり、高い質的要求を満足させる、有機半導体技術を用いた電気的コンポーネントを有するフィルムのための安価な生産プロセスを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の有利な形態は、従属する請求項に説明される。
【実施例】
【0016】
本発明の例として好適な実施例によれば、接着剤層は、印刷プロセスを用いてパターン形状に構造化されるように印刷することによってベースフィルムへ塗布され、トランスファーフィルムは接着剤層に塗布され、接着剤層は放射線照射によって硬化され、その後、キャリアフィルムはベースフィルム、接着剤層、及び電気的機能層から形成されるフィルム体から取り除かれる。従って、放射線架橋性接着剤を用いて印刷された領域に、電気的機能層は残る。ここでは、印刷材料の特性の違いや生成された層の厚さの違いによって、導電性ポリマーの直接的な印刷を用いたときよりもより高い解像度を実現することが可能である、という利点がある。さらに、凹版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷のような、大きな工業的スケールで使用され得る、安価な印刷工程を用いることが可能である。
【0017】
本発明のさらに好適な実施例によれば、UV架橋性接着剤は、ベースフィルムに表面全体にわたって塗布され、それから、パターン形状に構造化された領域で接着剤層が硬化するように、パターン形状にUVで露光される。続いてトランスファーフィルムが接着剤層に塗布される。次にキャリアフィルムは、ベースフィルム、接着剤層、及び電気的機能層から形成されるフィルム体から取り除かれる。この場合、電気的機能層は、パターン形状に構造化され接着剤層が硬化せずにまだある程度の接着性を有する領域でベースフィルムに残る。他の領域、つまり接着剤層がすでに硬化している領域では、電気的機能層はキャリアフィルムに残り、キャリアフィルムとともに取り除かれる。このような方法によって構造化された電気的機能層は、非常に高レベルな解像度でベースフィルムに形成され得る。さらに、ここでは例えば高度な凹版グラビア印刷シリンダーが必要とされないといった、コスト優位性がある。
【0018】
上述したプロセスにおける接着剤層の適切な露光を保証するために、半導体材料から電気的機能層、例えば非常に薄い金属層を形成すること、及び放射線透過性キャリアフィルムを用いること、は有利である。このことは、接着剤層がトランスファーフィルム側からトランスファーフィルムを通して放射線照射されることを可能にさせる。もう一つの方法としては、ベースフィルムが放射線透過性のものからなり、接着剤層がベースフィルム側からベースフィルムを通して露光されることが可能である。
【0019】
本発明のさらに好適な実施例によれば、パターン形状に構造化された領域に接着剤層が硬化されるように、トランスファーフィルムの塗布後に接着剤層はパターン形状に露光される。続いて、キャリアフィルムは、ベースフィルムと電気的機能層とから形成されるフィルム体から取り除かれる。接着剤層がパターン形状に硬化された領域では、電気的機能層は接着剤層によって固定され、ベース体に残る。他の接着剤層が硬化されていない領域では、電気的機能層はトランスファーフィルムに残り、キャリアフィルムとともに取り除かれる。この場合、硬化されない条件では、電気的機能層とキャリアフィルムとの間の接着力よりも電気的機能層に対してより低い接着力しか有さない、放射線架橋性接着剤を用いることが必要である。
【0020】
この方法の優位性は、電気的機能層が高レベルの解像度でベースフィルムに形成され、電気的機能層とベース体の放射線透過性に関しては、制約条件がないということである。
【0021】
大きな工業的スケールでのロール−ロールプロセスのコンセプトにおけるこのプロセスの使用は、ドラム露光装置、あるいは接着剤層のパターン形態にUV照射するための循環型マスクベルトを有するマスク露光装置を用いることによって可能とされる。
【0022】
本発明によるプロセスの際立って重要な事柄は、キャリアフィルムからの電気的機能層の速く正確な剥離を可能にする、適切なトランスファーフィルムを使用することである。その点において、キャリアフィルムと電気的機能層との間に剥離層を与えることは特に望ましいということが分かっている。
【0023】
電気的機能層は導電性層にしてもよい。特に、一方でベースフィルムに残り、他方ではキャリアフィルムに残るといったトランジション領域での的確な電気的機能層の切断は、例えば金属、カーボンブラック、あるいはグラファイト粒子のような、導電性粒子、特にナノ粒子を含む電気的機能層を用いることによってなされる。この場合、特に導電性ナノ粒子と接合剤を備えた機能層が、特に接合剤の比率が低いときに、的確な切断を可能にする。さらに、ナノ粒子の圧縮によって電気導電性が増大するように、電気的機能層がベースフィルムに押さえられて塗布されることが、有利に働くということが見いだされている。
【0024】
切断における高水準の精度もまた、電気的機能層として薄い金属層、あるいは薄い合金からなる層を用いることによって実現され得る。導電性ポリマー、あるいは、例えばITOのような非有機導電層を備えた電気的機能層を使用することもまた適切である。
【0025】
有機半導体技術を用いたコンポーネントのそれぞれの構造に応じて、電気的に非導電性、あるいは導電性の接着剤を接着剤層に使用することによって、電気的コンポーネントを構成するときのプロセスを省略することが可能である。この点において、電気的機能層は、電気的コンポーネント内に、電気的コンポーネントの一つあるいはそれ以上の電極を構成する微細構造化された電極層の機能、あるいは電気的コンポーネントの一つあるいはそれ以上の半導体コンポーネント部分を与える微細構造化された半導体層の機能を与えることが望ましい。
【0026】
図1は、少なくとも一つの有機半導体技術の電気的コンポーネントを有するフィルムが生産されるような、ロール−ロール生産プロセスの一部分を図式的に示す。
【0027】
この点において、有機半導体技術の電気的コンポーネントという用語は、少なくとも一つの有機半導体材料からなる層を含む電気的コンポーネントを表示するのに用いられる。有機半導体材料、有機導電性材料、及び有機絶縁性材料は、この場合それぞれの電気的特性を有する、有機、有機金属、及び/または無機の材料によって形成される。この点において、有機半導体技術のコンポーネントの構成において用いられ得る、有機、有機金属、及び/または無機の材料は、機能性ポリマーと呼ばれる。したがって、機能性ポリマーという用語は、非ポリマーコンポーネント部分をもまた含んでいる。有機半導体層あるいは機能性コンポーネント部分のような半導体層領域を含むコンポーネントは、例えばトランジスタ、FET、トライアック、ダイオード、等である。ここで、例えばポリチオフェンが有機半導体材料として用いられ得る。
【0028】
図1は、印刷ステイション1、露光ステイション20、偏向ローラ31、及び三つのローラ32、33及び34を示す。ベースフィルム51は印刷ステイション1に供給される。印刷ステイション10で処理されたベースフィルム1は、フィルム52の形状でトランスファーフィルムロール40から展開されたトランスファーフィルム41をフィルム52に塗布する一対のローラ32、33へ送られ、フィルム53を形成する。露光ステイション20で処理されたフィルム53はフィルム54の形状で、キャリアフィルム42がフィルム54から剥がされるローラ34へ送られ、フィルム55が残存フィルムとして残る。
【0029】
もっとも単純な場合ではベースフィルム51がキャリアフィルムとなる。そのようなキャリアフィルムは6mmから200mmの厚さのプラスチックフィルム、例えば19mmから38mmの厚さのポリエステルフィルムを含むのが好ましい。しかしながら通常はベースフィルム51、またそのようなキャリアフィルムは前述のプロセス工程で塗布された層をさらに有している。この種の層は、例えばラッカー層、絶縁層、及び電気的機能層である。このように、ベースフィルム51はすでに一つまたはそれ以上の機能性ポリマー層、例えばポリアニリンやポリピロールといった有機導電性ポリマーや、ポリチオフェンといった半導体層、ポリビニルフェノールといった絶縁層、を含むことができる。その点において、それらの層はベースフィルム51において構造化された形状がすでに存在していることが可能である。
【0030】
印刷ステイション1は、UV架橋性接着剤11を含んだインクタンクを有する。接着剤11は複数のトランスファーロール12、13によって印刷シリンダー14に塗布される。印刷シリンダー14は、ここで、パターン形状に構造化されたUV架橋性接着剤11を印刷シリンダー14と支持圧ローラ15との間を通るベースフィルム51に塗布する。
【0031】
印刷ステイション1はオフセット印刷あるいはフレキソ印刷を伴ったものであることが望ましい。しかし、印刷ステイション1は凹版印刷であることも可能である。
【0032】
接着剤層57は0.5mmから10mmの厚さのものであることが望ましい。
【0033】
以下の接着剤はUV架橋性接着剤11として用いられ得る:
AKZO NOBEL INKSからのフィルムボンド(UVH 0002)、及びZeller +Gmelin GmbHからのUVAFLEX UV Adhesive VL000ZA。
【0034】
接着剤は、1g/m2−5 g/m2の塗布重量でベースフィルム51に塗布されるのが望ましい。
【0035】
従って、図4bに示されるように、パターン形状に構造化された接着剤層57がベース体51に塗布された場合、印刷工程はフィルム52を与える。
【0036】
その点において、用いられた接着剤のそれぞれの性質に応じて、接着剤層57が例えば100から120℃の温度で乾燥される乾燥通路を、図4bで示されたフィルム52が通ることは可能である。
【0037】
図4aはトランスファーフィルム41の構造を示す。トランスファーフィルム41は、キャリアフィルム45、剥離層46、及び電気的機能層47を有する。
【0038】
キャリアフィルム45は、4から75mmの厚さの接着剤層である。キャリアフィルム45は、ポリエステル、ポリエチレン、アクリレートあるいは発泡複合材料であることが望ましい。キャリアフィルムの厚さは、12mmであることが望ましい。
【0039】
剥離層46は、ワックス型のものを備えていることが望ましい。キャリアフィルム45と電気的機能層47の材料が、電気的機能層47とキャリアフィルム45との間の接着力が信頼性のある速い電気的機能層の剥離を妨げないように選ばれるならば、剥離層46なしで済ませることもまた可能である。
【0040】
剥離層46は例えば以下のような組成に従って作られ得る:
剥離層46(分離層)
トルエン 99.5パーセント
エステルワックス(滴点 90℃) 0.5パーセント
【0041】
剥離層46はキャリアフィルム45に0.01から0.2mmの厚さで塗布される。
【0042】
電気的機能層が電気的コンポーネント内に形成されるようにするであろうそれぞれの機能に応じて、電気的機能層47は電気的に導電性あるいは半導体の材料から構成されている。電気的機能層47が電気的に導電性の機能層を形成するのであれば、電気的機能層47の形態に関する次のようなオプションがある:
【0043】
一方では、電気的機能層47が、キャリアフィルム45と剥離層46とを備えたフィルム体が例えば蒸着によって覆われるような薄い金属層によって形成されることは可能である。本発明によるプロセスによって電気的機能層の高解像度の構造化性を十分に裏付けるために、その種の薄い金属層の厚さは、5nmから50nmの範囲であることが望まれる。ここでは金属層は例えばアルミニウム、銀、銅、金、クロム、ニッケル、あるいはそれらの金属の合金を含み得る。
【0044】
導電性ナノ粒子の層が電気的機能層47として用いられると特に良好な結果が実現され得る。電気的機能層47は、例えば50nmから1mmの厚さであり、導電性ナノ粒子と接合剤とを備え、ここで、層47の正確な分離を保証するために接合剤の比率が低く保たれる。この場合、電気的機能層47の厚さはまた、電気特性、例えば、電気的コンポーネントの前述した状況では、電気的機能層47に必須のものであるとされる抵抗によって、実質的に決定される。その点において、トランスファーフィルム41のフィルム52への塗布時のみ、層47の導電性が望ましい値を実現することもまた可能となる。電気的機能層47は、塗布工程において用いられる圧力によって電気的機能層47に押し付けられる。そこでは、電気的導電性ナノ粒子の間でのスペーシングが減らされ、層47の電気的導電性は大幅に増加する。
【0045】
さらに、電気的機能層47は、ITO材料(ITO=インジウムスズ酸化物)といった他の導電性材料、あるいは、ドープされたアルミニウム亜鉛酸化物といった他の透明導電性酸化物、ポリアニリンやポリピロールといった導電性ポリマーからなる層であることも可能である。
【0046】
さらに、電気的機能層47は半導体材料によって形成されることも可能である。その目的のため、有機半導体材料は、溶解液体の形態あるいは懸濁液の形態で剥離層46に塗布され、その後固化される。この種の電気的機能層47の厚さは、この場合、電気的コンポーネント内に形成される層の電気的機能によって、実質的に決定される。
【0047】
導電性ナノ粒子は、あまり希釈されていない分散物の形態で剥離層に塗布されることが望ましい。
【0048】
図4cは、フィルム53、つまり、パターン形状に構造化された接着剤層57で印刷されたベースフィルム51へのトランスファーフィルム41の塗布後に作り出されたフィルム体を示す。図4cは、ベースフィルム51、接着剤層57、電気的機能層47、剥離層46、及びキャリアフィルム45を示す。転写・押圧ローラ32及び33によってトランスファーフィルム41がフィルム52に塗布されるための加圧の力は、接着剤層を構造化するパターンが実質的に影響をうけないように選択されることになる。
【0049】
図1に示された露光ステイション20は、UVランプ21と、UVランプ21から放出されたUVの焦点をフィルム53にあわせる反射鏡22と、を有する。UVランプ21の電力は、その状況では、UV光が露光ステイション22を通るように、接着剤層57の信頼性ある硬化を保証する十分なエネルギー量で、接着剤層57に照射されるように選択される。図1に示されるように、フィルム53は、この場合、キャリアフィルム45の側から照射される。このことは、例えば前に説明されたような性質の、薄い金属層のような透明あるいは半透明の層が電気的機能層として用いられたならば可能である。さらに、その目的のためには、キャリアフィルム45と剥離層46がUV透過性材料を備えていることが必要である。電気的機能層47の特別な形態によって、その層をUV透過性あるいは半透過性にすることが可能でない場合には、フィルム53がベースフィルム53側からUV照射されることも可能である。その場合、ベースフィルム53は事実上UV透過性でなければならない。
【0050】
機能層47は、接着剤層57が形成された場所で、パターン形状に構造化された接着剤層57の硬化により、ベースフィルム51に付着することによって生じる。その後キャリアフィルム45はフィルム53の残っているフィルム体から剥がされるならば、接着剤層57が印刷によって塗布され、それらの場所でトランスファーフィルム41から分離される領域で、電気的機能層47はベースフィルム51に付着する。他の領域では、電気的機能層47と剥離層46との間の付着が優先するので、ここでは電気的機能層47がトランスファーフィルム41に残る。
【0051】
図4dはフィルム55、つまりキャリアフィルム45の除去後に結果として生じたフィルム体である。図4dは、ベースフィルム51、接着剤層57、及び電気的機能層47を示す。図4dに示されているように、フィルム55は、パターン形状に構造化され、パターン形状に構造化された接着剤層57に従って、ベースフィルム55に配置されている、電気的機能層47を有する。
【0052】
本発明のさらなる実施例は、図2を参照して説明される。
【0053】
図2は印刷ステイション10、露光ステイション81、露光ステイション23、偏向ローラ31、転写・押圧ローラ32及び33、剥離ローラ34、及びトランスファーフィルムロール40を示す。
【0054】
印刷ステイション10は、図1に示される印刷ステイション1と同様に構成され、印刷シリンダー14が、表面全体にわたった印刷によって供給されたベースフィルム61に接着剤11を塗布する印刷シリンダー16に置き換えられている点で、違いを有する。その点において、印刷プロセスによってではなく他のコーティングプロセス、例えば拡散、注入、あるいは噴霧によって、接着剤層がベースフィルム61に塗布されることが可能である。ここでは、接着剤層がベースフィルム61にパターン形状に塗布され、ここに記載されたプロセスが図1に示されたプロセスと組み合わされることが可能である。
【0055】
ベースフィルム61と、印刷によってベースフィルムに塗布されたUV架橋性接着剤の接着剤層とは、図4bに示されたベースフィルム51と接着剤層57と同様のものであり、ここでは、接着剤層57はベースフィルム61へ表面全体にわたって塗布されることが望ましい、という点で、違いを有する。ベースフィルム61への接着剤層の塗布後に形成されたフィルム体62は、偏向ローラ31から露光ステイション81へと送り出される。
【0056】
この場合、プレポリマーUV架橋性接着剤が用いられることが望ましい。
【0057】
露光ステイション81は、フィルム52の動きのスピードに同期されたマスクベルトによってロールからロールへの露光を可能とするマスク露光装置である。マスク露光81は、複数の偏向ローラ84、マスクベルト83、及びUVランプ82を有する。マスクベルト83は、UV透過性領域と不透明あるいは反射領域とを有する。マスクベルトは、UVランプ82に関してフィルム62を覆い、パターン形状でのフィルム62へのUV照射を続けることを可能にする、エンドレスマスクベルトを形成する。すでに上述したように、マスクベルト83の速度は、フィルム62に付加されたそれぞれのオプティカルメイキングが正確な記録関係で露光を可能にするように、フィルム62の速度と同期される。この場合、UVランプ82は、接着剤層を硬化するのに十分なUVエネルギー量がマスク露光装置81を通ってからフィルム62へ供給されるように選択される。
【0058】
フィルムにはマスク露光装置81によって平行なUV光が照射される。
【0059】
マスクベルトを用いたマスク露光装置工程の代わりに、フィルム62が通されたドラム形状のマスクを有するドラム露光装置を用いることも可能である。
【0060】
接着剤層における硬化されている領域と硬化されていない領域とを有するフィルム63が一対のローラ32、33へ送られるように、パターン形状でのUV光での放射線照射は接着剤層をパターン形状に構造化するとともに硬化させる。トランスファーフィルム41は今、一対のローラ32、33によってフィルム63に塗布される。この場合、トランスファーフィルム41は図4aのトランスファーフィルム49と同等のものである。従ってその結果、ベースフィルム61、部分的に硬化された接着剤層、電気的機能層47、剥離層46、及びキャリアフィルム45を備えたフィルム64が生じる。接着剤層が硬化されなかった領域では、接着剤層は粘着性を有したままなので、接着力は接着剤層とそこに配置された電気的機能層47との間に作用する。接着剤層が硬化された他の領域では、これは異なる。従って、キャリアフィルム45が残っているフィルム体から剥がされるとき、接着剤層が硬化していない領域で電気的機能層はフィルム体51に付着し、キャリアフィルム48から剥がされる。他の領域では、剥離層46と電気的機能層47との間の接着力は、それらの領域において電気的機能層47が分離されキャリアフィルム45に残る、ということをもたらす。従って、キャリアフィルム45の除去後、それは、表面全体にわたった接着剤層によってベースフィルム61に接合され、部分的にパターン形成された電気的機能層47を有するフィルム65を形成する。図1に示された露光ステイション20と同等のものである追加的な露光ステイション23において、今度は電気的機能層47とベースフィルム61との間の確実な接合を保証するために、接着剤層はまだ硬化されていない領域で完全に硬化される。しかしながら、露光ステイション23なしで済ますことも可能であろう。
【0061】
本発明のさらなる実施例は、図3を参照して説明される。
【0062】
図3は、印刷ステイション10、露光ステイション81、偏向ローラ31、転写・押圧ローラ32、33、剥離ローラ34、及びトランスファーフィルムロール40を示す。
【0063】
ベースフィルム61は、印刷ステイション10に送られ、図2に示されるように接着剤層で覆われ、それによって図2に示されるようなフィルム62を生じる。トランスファーフィルム41は今度、一対のローラ32、33によってフィルム62に塗布される。この場合、トランスファーフィルム41は図4aに示されるような形態となる。したがって、ベースフィルム61、まだ硬化されていない表面全体を覆う接着剤層、電気的機能層47、剥離層46、及びキャリアフィルム45を備えたフィルム67を生じる。
【0064】
フィルム46は、今度、図2に示されたマスク露光装置81と同等のマスク露光装置81によって露光される。マスク露光装置81による露光後、結果として、ベースフィルム61、パターン形状への構造化を伴った接着剤層、電気的機能層47、剥離層46、及びキャリアフィルム45を含むフィルム68が生じる。
【0065】
図2に示された実施例と対照的に、この実施例は、電気的機能層47とキャリアフィルム45との間の接着力よりも、電気的機能層47に対して、あるいはベースフィルム61に対して接着力が弱いものであるような、UV架橋性接着剤を用いる。
【0066】
当然、図1あるいは図2におけるものと同じ接着剤を用い、キャリアフィルム45、ベース体51、あるいは剥離層46のための材料の選択によって、接着力の適した分配を備えることも可能である。
【0067】
したがって、キャリアフィルム45はフィルム68の残っているフィルム体から取り除かれると、接着剤層が硬化し電気的機能層47をベースフィルム61に接続する領域で、電気的機能層はベース体61に残る。他の領域では、電気的機能層47のキャリアフィルム45からの剥離を妨げる接着力は、電気的機能層47とベースフィルム61との間の接着力よりも大きいので、電気的機能層47はそれらの領域ではキャリアフィルム45から剥離されない。
【0068】
有機半導体技術の電界効果トランジスタが、図1、図2、及び図3に示されるように、プロセスのうちの一つによって生産され得る方法が、図5aから5eを参照して説明される。
【0069】
図5aは、キャリアフィルム91と、そこに塗布されたラッカー層92とを含むベースフィルム90を示す。
【0070】
キャリアフィルム91はプラスチックフィルムであり、厚さが19mmから38mmのポリエステルフィルムであることが望ましい。ラッカー層92は、さらに保護層として働く絶縁性材料からなるラッカー層である。ラッカー層は、キャリアフィルム91あるいはキャリアフィルム91とラッカー層92との間に配置される剥離層に、0.5mmから5mmの厚さで塗布されることが望ましい。
【0071】
ここで、図5bに示されるように、電気的機能層94は、図1、図2、あるいは図3に示されるプロセスのうちの一つによって、ベースフィルム90に塗布される。それは、図5bに示され、キャリアフィルム91、ラッカー層92、接着剤層93、及び電気的機能層94を備えるフィルム体を与える。この場合、電気的機能層94は電気的に導電性の材料を備え、その電気的コンポーネントにドレインとソース電極の機能を形成する。その点について、用いられるプロセスの性質によって、図5bに示されるように接着剤層93が、電気的機能層94と同じ形態でパターン形状に構造化されること、あるいは、それが表面全体にわたる接着剤層92に硬化された形状で存在すること、が可能である。
【0072】
半導体層は、図5bに示されるフィルム体に塗布され、したがって、図5cに示される、キャリアフィルム91、ラッカー層92、接着剤層93、電気的機能層94、及び半導体層95を備えたフィルム体を形成する。半導体層95に用いられる材料は、ここでは、図5bに示されるフィルム体に液体で、溶解した形状、あるいは懸濁液の形状で塗布され硬化されたポリチオフェンである。半導体層95のパターン形状に構造化した塗布もまた可能である。
【0073】
図5cに示されるフィルム体は今、電気的機能層97が図1、図2、あるいは図3に示されたプロセスのうちの一つによって塗布されたベースフィルムを形成する。図5cは、キャリアフィルム91、ラッカー層92、接着剤層93、電気的機能層94、半導体層95、接着剤層96、及び電気的機能層57を備えている、結果的に生じたフィルム体を示す。
【0074】
電気的機能層47はここでまた、電気的導電性材料を備え、電気的コンポーネント内で、ゲート電極として働く。接着剤層51は、その上に配置された電気的機能層97と同様に、パターン形状に構造化されるとともに形成される。しかしながら、図2あるいは図3のプロセスを用いるとき、接着剤層96が表面全体にわたって半導体層95に塗布されることも可能である。
【0075】
さらなるプロセス段階において、電気的に絶縁性の材料からなる追加的なラッカー層はここで、図5dに示されるフィルム体に塗布され、その追加的なラッカー層は、実質的に半導体層95の保護層の機能を果たす。図5eに示されるように、それはキャリアフィルム91、ラッカー層92及び98、半導体層95、接着剤層93及び96、及び、電気的機能層94及び97を備えたフィルム99を与える。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第一の実施例による、プロセス実現の機能表示。
【図2】本発明のさらなる実施例による、プロセス実現の機能表示。
【図3】本発明のさらなる実施例による、プロセス実現の機能表示。
【図4a】図1のプロセス実現のためのフィルム体の断面図。
【図4b】図1のプロセス実現のためのフィルム体の断面図。
【図4c】図1のプロセス実現のためのフィルム体の断面図。
【図4d】図1のプロセス実現のためのフィルム体の断面図。
【図5a】本発明のさらなる実施例を説明するフィルム体の断面図。
【図5b】本発明のさらなる実施例を説明するフィルム体の断面図。
【図5c】本発明のさらなる実施例を説明するフィルム体の断面図。
【図5e】本発明のさらなる実施例を説明するフィルム体の断面図。
【符号の説明】
【0077】
55、66、69、99:フィルム
41:トランスファーフィルム
45、91:キャリアフィルム
46:剥離層
47、94、97:電気的機能層
57、93、96:接着剤層
54、64、68:フィルム体
51、61、90:ベースフィルム
81:マスク露光装置
83:マスクベルト
11:UV架橋性接着剤
12:トランスファーロール
14:印刷シリンダー
15:支持圧ローラ
92:ラッカー層
95:半導体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線架橋性接着剤を備えた接着剤層(57、93、96)をベースフィルム(51、61、90)に適用し、
放射線架橋性接着剤の前記接着剤層(57、93、96)を、パターン形状に構造化された形状で前記ベースフィルム(51)に適用し、及び/または前記接着剤層があるパターン形状に構造化して硬化するようにパターン形状に放射線照射し、
キャリアフィルム(45)と電気的機能層(47、94、97)とを備えたトランスファーフィルム(41)を、前記電気的機能層(47、94、97)が前記接着剤層(57、93、96)に向いた方向で前記接着剤層(57、93、96)へ適用し、
前記ベースフィルム(51)と前記接着剤層(57、93、96)と前記電気的機能層(47、94、97)とを含むフィルム体(54、64、68)から前記キャリアフィルム(45)を取り除き、
前記電気的機能層(47、94、97)が、パターン形状に構造化された第一領域ではベース体に残り、パターン形状に構造化された第二領域では前記キャリアフィルム(45)に残り、前記ベースフィルム(51、90)から該キャリアフィルムとともに取り除かれること、
を特徴とする、少なくとも一つの電気的コンポーネントを有する、特に有機半導体技術を用いたフィルム(55、66、69、99)の生産プロセス。
【請求項2】
放射線架橋性接着剤を備えた前記接着剤層(47)を、パターン形状に構造化する印刷のプロセスによって前記ベースフィルム(51)に適用し、
前記トランスファーフィルム(41)をパターン形状に構造化された前記接着剤層(47)に適用し、
前記接着剤層(47)を放射線照射によって硬化し、
前記電気的機能層(47)が、放射線架橋性接着剤でパターン形状に覆われている領域である前記第一領域ではベース体(51)に残り、他方の前記第二領域ではキャリアフィルム(45)とともに剥がれるように、前記ベースフィルム(51)と前記接着剤層(57)と前記電気的機能層(47)とを含んでいる前記フィルム体(94)から前記キャリアフィルム(45)を取り除くこと、
を特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
凹版印刷によって前記接着剤層を前記ベースフィルム(51)に印刷することを特徴とする、請求項1あるいは請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
オフセット印刷あるいはフレキソ印刷によって前記接着剤層(57)を前記ベースフィルム(51)に印刷することを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項5】
パターン形状に構造化された領域で前記接着剤層が硬化されるように、前記トランスファーフィルム(41)の適用後に前記放射線架橋性接着剤を備えた前記接着剤層をパターン形状に放射線照射し、
前記電気的機能層が、パターン形状に構造化され前記接着剤層が硬化された前記第一領域では前記フィルム体(61)に残り、前記接着剤層が硬化されていない前記第二領域では前記キャリアフィルム(45)とともに取り除かれるように、前記キャリアフィルムを、前記ベースフィルム(51)、前記接着剤層、及び前記電気的機能層を含む前記フィルム体(68)から取り除くこと、
を特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記電気的機能層(47)は半透明材料であり、
前記キャリア層(45)は放射線透過性であり、
前記接着剤層(57)を前記トランスファーフィルム側から該トランスファーフィルムを通して露光すること、
を特徴とする、請求項2から5のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
前記ベースフィルムは放射線透過性であり、前記接着剤層を前記ベースフィルム側から該ベースフィルムを通して露光することを特徴とする、請求項2から5のいずれかに記載のプロセス。
【請求項8】
前記電気的機能層と前記キャリアフィルムとの間の接着力よりも、電気的機能層に対してより弱い接着力しか有さない、放射線架橋性接着剤を用いることを特徴とする、請求項5から7のいずれかに記載のプロセス。
【請求項9】
パターン形状に構造化された領域で前記接着剤層が硬化するように、前記トランスファーフィルム(41)を適用するのに先だって放射線架橋性接着剤を備えた前記接着剤層をパターン形状に放射線照射し、
パターン形状に構造化されるとともに硬化された前記接着剤層に、前記トランスファーフィルム(41)を適用し、
前記電気的機能層(47)が、パターン形状に構造化され前記接着剤層が硬化されない第一領域ではベースフィルム(61)に残り、パターン形状に構造化され前記接着剤層が硬化された第二領域では前記キャリアフィルムとともに取り除かれるように、前記キャリアフィルム(45)を、前記ベースフィルム(61)、前記接着剤層、及び前記電気的機能層(47)を含む前記フィルム体(64)から取り除くこと、
を特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
まだ硬化されていない前記接着剤層の領域を硬化するための第二露光段階で、前記接着剤層を放射線照射することを特徴とする、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
マスク露光装置、特にドラム露光装置あるいはマスクベルト(83)を有するマスク露光装置(81)を露光工程に用いることを特徴とする、請求項5から10のいずれかに記載のプロセス。
【請求項12】
前記キャリアフィルム(45)と前記電気的機能層との間に剥離層(46)を有するトランスファーフィルム(41)を用いることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項13】
前記電気的機能層(47、94、97)が導電層であることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項14】
前記電気的機能層は導電性ナノ粒子、特に金属、黒鉛、あるいはグラファイト粒子を含んでいることを特徴とする、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記電気的機能層は導電性ナノ粒子及び接合剤を、好ましくは低比率の接合剤で、備えていることを特徴とする、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記電気的機能層の導電性が増大するように、該機能層を前記ベースフィルムに適用し次第、押圧することを特徴とする、請求項14あるいは15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記電気的機能層は導電性ポリマーを含んでいることを特徴とする、請求項13に記載のプロセス。
【請求項18】
前記電気的機能層は無機物質、例えばITO材料を含んでいることを特徴とする、請求項13に記載のプロセス。
【請求項19】
前記電気的機能層は金属層あるいは合金からなる層であることを特徴とする、請求項13に記載のプロセス。
【請求項20】
前記電気的機能層は半導体層、特に半導体ポリマーを有する半導体層であることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載のプロセス。
【請求項21】
前記接着剤層は非導電性の接着剤を備えていることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項22】
前記接着剤層は導電性の接着剤を備えていることを特徴とする、請求項1から20のいずれかに記載のプロセス。
【請求項23】
放射線架橋性洗浄ラッカー層を、パターン形状に構造化された形状でベースフィルムに適用し、
前記洗浄ラッカー層が硬化するように、パターン形状に構造化された前記洗浄ラッカー層を放射線照射し、
電気的機能層を前記洗浄ラッカー層に適用し、
洗浄過程において、パターン形状に構造化され前記洗浄ラッカー層が適用されなかった領域で、前記電気的機能層が前記ベース体に残るように、パターン形状に構造化された前記洗浄ラッカー層はそれらの上の前記電気的機能層の領域とともに取り除かれること、
を特徴とする、少なくとも一つの電気的コンポーネントを有する、特に有機半導体技術を用いたフィルムの生産プロセス。
【請求項24】
前記洗浄ラッカーは酸性基存在下ではUV架橋性洗浄ラッカーであり、
前記洗浄ラッカーを苛性アルカリ溶液による洗浄過程で溶解すること、
を特徴とする、請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
フィルム(55、66、69、99)は放射線架橋性接着剤を備えた接着剤層(57、93、96)を有し、
前記接着剤層(57、93、96)はパターン形状に構造化された電気的機能層(47、94、97)と前記フィルムのフィルム体(51、90)との間に配置され、
パターン形状に構造化された前記電気的機能層(47、94、97)を前記フィルム体(51、90)に接合すること、
を特徴とする、少なくとも一つの電気的コンポーネントを有する、特に有機半導体技術を用いたフィルム(55、66、69、99)。
【請求項26】
放射線架橋性接着剤の前記接着剤層(57)は、パターン形状に構造化された前記電気的機能層(47)と同じパターン形状に構造化されていることを特徴とする、請求項25に記載のフィルム。
【請求項27】
前記電気的機能層(94、97)は、一つあるいはそれ以上の前記電気的コンポーネントの電極を提供する、微細構造化された電極層であることを特徴とする、請求項25あるいは26に記載のフィルム。
【請求項28】
前記電気的機能層は、一つあるいはそれ以上の前記電気的コンポーネントの半導体コンポーネント部分を提供する、微細構造化された半導体層であることを特徴とする、請求項25あるいは26に記載のフィルム。
【請求項29】
前記電気的コンポーネントは、有機電界効果トランジスタであることを特徴とする、請求項25から28のいずれかに記載のフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【公表番号】特表2007−515782(P2007−515782A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535939(P2006−535939)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【国際出願番号】PCT/DE2004/002319
【国際公開番号】WO2005/039868
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(506088850)レオンハード クルツ ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー (15)
【Fターム(参考)】