説明

少なくとも2つの非平行平面上に分散配置された集積回路およびその製造方法

本発明は、プレート状の第1の部分(30)を含む集積回路に関する。この構成要素はまた、第1の部分(30)とは別の、第1の部分(30)に取り付けられ、変形可能な接続手段(22)によって第1の部分(30)に接続され、第1の部分(30)との間で非ゼロの角度を形成する少なくとも1つのプレート状の第2の部分(32)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電気回路、磁気回路または電子回路、あるいはMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)タイプのこれらの回路を含む少なくとも2つの非平行平面上に分散配置された集積回路とこのような集積回路の製造方法とに関する。これは特に、超小型電子部品、またはマイクロまたはナノ技術の分野からの技法を使用して製造される構成要素の問題であり得る。
【背景技術】
【0002】
一方の面が電気回路を保持する少なくとも1つのプレート状構造体からなる部分を有する構成要素が頻繁に使用されている。マイクロエレクトロニクスの関連では例えば、基板は磁界センサといった電子回路を保持し得る。
【0003】
時には、プレートによって画定される平面に対して斜めの、あるいは垂直な平面内に回路の少なくとも一部を配置することが必要とされることがある。
【0004】
これは特に、例えば米国特許第5,446,307号明細書に開示されているように、3次元において磁界を測定することが必要とされる場合である。
【0005】
この文献では、磁気センサは各磁気センサがピラミッド構造体の傾斜した面の1つに垂直な磁界の成分を測定するように配置され、これは磁界の3成分へのアクセスを与える単純な方法である。
【0006】
しかしながら、ピラミッド構造体を得るために使用される前面エッチング技術は、この構造体のために考えられ得る高さを数マイクロメートルに制限し、またこの解決策がより大きなサイズの(例えば、約1000μmの寸法を有する)磁気センサには適用できないこと、およびこの構造体の傾斜した面へのこれらの磁気センサの使用が、基板に対して垂直以外の方向の磁界を効率的に測定できるためには、該傾斜した面の傾斜があまりにも低すぎる(1%未満の傾斜)という結果をもたらすであろうことを意味する。
【0007】
国際公開第2006/001978号パンフレットは、同じタイプの解決策を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,446,307号明細書
【特許文献2】国際公開第2006/001978号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記2つの発明はまた、電気または超小型電子回路が傾斜した平面上に作られなくてはならず、これが多くの困難を引き起こすという主要な欠点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって本発明は特に、互いに傾斜した面、場合によっては大きな傾斜を有する、特にプレート状構造体から始まってこの構造体の残り部分に対して傾斜した平面を有する構成要素を製造するための代替解決策を提案することを目的とする。この傾斜した平面は有利には、傾斜の前または後にマイクロエレクトロニクスに関連した磁気センサまたは他の任意の超小型電子装置を含み得る。
【0011】
この点に関して本発明は、プレート状の第1の部分(一般的な方法で回路を保持する)を含む集積回路であって、第1の部分とは別の、第1の部分に取り付けられ、変形可能な機械的接続手段によって第1の部分に接続され、第1の部分との間で非ゼロの角度を形成する少なくとも1つのプレート状の第2の部分を含むことを特徴とする集積回路を提案する。
【0012】
これら2つの部分は別々であるのでこれらは独立しており(少なくとも集積回路を製造するプロセスの一部の際には)、また変形可能な接続手段によって保持されているにもかかわらず、それらの互いの最終位置にまで互いに関して自由に動かされ得る。
【0013】
したがって、これらの要素(このような電気回路)のすべては、同じ平面内の2つの部分上に作られることが可能であって、この後に一方の部分は2つの非平行な面上に分散配置された要素を得るために他方の部分に関して動かされる。
【0014】
接続手段は少なくとも部分的に、例えば、接続手段が適切な場合には導体としても使用されることを可能にする金属製である。
【0015】
実際には接続手段は、一方の端部において第1の部分に、他方の端部において第2の部分に固定された少なくとも1つの金属ワイヤを含み得る。もう1つの実施形態では、接続手段は第1の部分と第2の部分とに接続された少なくとも1つの金属格子を含み得る。
【0016】
接続手段は、それらの柔軟性のために特に適切な銅または金で作られ得る。
【0017】
例えば、第1の部分はシリコンプレートを含む。
【0018】
例えば、本発明によれば、第1、第2の部分の間の角度は、60°より大きいか、約90°に等しいか、例えば10°以内に等しい。
【0019】
第2の部分が電気的要素を保持するとき、接続手段は第1の部分によって保持された電気回路と第2の部分によって保持された電気回路との間の電気的接続に寄与し得る。
【0020】
例えば、第1の部分によって保持された電気回路は、第1の部分の主要面に平行な方向の磁気成分を測定するように構成された少なくとも1つのセンサを含み、第2の部分は第2の部分の主要面に平行な方向の磁界の成分を測定するように構成されたセンサを保持し得る。
【0021】
例えば、これらのセンサは、マイクロフラックスゲートセンサ、磁気抵抗センサ、磁気インピーダンスセンサまたはホール効果センサである。
【0022】
第1の部分が複数の第1の接続スタッドを保持するとき、第2の接続スタッドを有するもう1つの集積回路は、上記第2の接続スタッドの少なくとも1つと上記第1の接続スタッドの1つとの間の電気的接続によって第1の部分と接触して取り付けられ得る(例えば、異方性導体によるか、熱圧着による導電性ボールの介在のおかげで)。これは特にコンパクトな構造体を作り出す。
【0023】
それから第2の部分は、他方の集積回路のフランク面近くに存在でき、これがアセンブリをより一層コンパクトにする。
【0024】
以下に説明される一実施形態において、プレートは、従来マイクロテクノロジーで、例えば、シリコン、ゲルマニウム(またはIII−VまたはII−VI材料)といった半導体材料で使用される基板から得られ、次いでプレートはこのような基板の典型的な寸法を前提として本質的に剛性である(すなわち、本質的に湾曲不可能である)。
【0025】
本発明はまた、プレート状構造体(一般に回路を保持する)から集積回路を製造する方法であって、
特に構造体の第1の部分と構造体の第2の部分とに接触して変形可能な接続手段を堆積させるステップと、
第1の部分と第2の部分とを分離するために構造体をエッチングするステップと、
第1の部分と第2の部分を相対的に移動して接続手段の変形を引き起こすステップと、
第1の部分と第2の部分とを互いに固定するステップとを含む、方法を提案する。
【0026】
この方法は、移動ステップの後に、第1、第2の部分を(直接的に、または他の部分を介して)これらの部分のそれぞれの主要面の間に存在する非ゼロの角度で互いに固定するステップを含み得る。
【0027】
例えば、この移動は、接続手段によって形成されるヒンジに関する第2の部分の回転である。
【0028】
接続手段は、プレート状構造体によって保持された回路を製造する技術ステップの少なくとも1つの際に堆積させられ得る。
【0029】
本方法はまた、構造体をエッチングする前に構造体を薄くするステップおよび/またはエッチングステップの前に上記エッチングを受ける領域を部分的に研削するステップを含み得る。
【0030】
接続手段が導電性材料で作られるとき、これら種々の要素への電気的接続を行うために構造体の第1の部分または第2の部分によって保持される少なくとも1つの回路と接続手段との間に導体を堆積させるステップが存在し得る。
【0031】
導体が第2の部分の回路と接続手段との間に堆積させられると、本方法は、前に作られた接続部を拡張するために、接続手段と第1の部分上の回路要素との間に導体を堆積させるステップを更に含み得る。
【0032】
エッチングは、正確に局所化された異方性エッチングであり得る。
【0033】
エッチングを受けた第2の部分の面(後面)は、第1の部分の縁部(すなわち、プレートの主要面とは異なる第1の部分の横方向の面)に組み付けられ得る。
【0034】
もう1つの実施形態において、エッチングステップは、エッチングを受ける第1、第2の部分の各々の部分の面上に傾斜したプロファイルを形成できる。次いで移動ステップは、第2の部分の傾斜したプロファイル面の近くに(または、第2の部分の傾斜したプロファイル面と接触するように)第2の部分の傾斜したプロファイルを動かすことができ、次いでこの移動ステップの後に第2の部分の傾斜プロファイル面に対して第2の部分の傾斜プロファイルを組み付ける更なるステップが存在する可能性があり、これは特にコンパクトで丈夫な構造体を作り出す。この組立てプロセスは、これら2つの部分を互いに接着することを含み得る(例えば、2つの部分間の隙間を更に修復し得る接着剤のビーズを堆積させることによって)。
【0035】
本発明の他の特徴と利点は、添付図面を参照しながら以下の説明を考慮すればより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の教示による集積回路を製造するステップの2つを示す図である。
【図2】本発明の教示による集積回路を製造するステップの2つを示す図である。
【図3】集積回路の部分のうちの1つを曲げる前の、このような方法によって得られた集積回路の斜視図である。
【図4】図3からの集積回路ともう1つの集積回路とのアセンブリを示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の図である。
【図8】前の実施形態において与えられた変形可能な接続手段に対する代替手段を示す図である。
【図9】前の実施形態において与えられた変形可能な接続手段に対する代替手段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、その前面に3個の磁界センサ12、14、16を含む電気回路の要素が堆積されたここではシリコンの基板10を示す。
【0038】
各センサ12、14、16は、所与の方向の磁界を測定するように構成されており、したがって3個の磁界センサ12、14、16は、空間内の3方向(X、Y、Z)に投影された局所的磁界の、すなわちこの磁界の3成分の測定値を取得するように設けられている。
【0039】
第1のセンサ12と第2のセンサ14は、基板10の第1の領域2に位置しており、Y方向とX方向の磁界のそれぞれの成分を測定するために互いに垂直に配置される。(これら2つの方向X、Yは、基板10の前面に本質的に平行である。)
基板10の第2の領域4は、第3のセンサ16を保持する。この例では、このセンサは第2のセンサ14と平行であるが、以下に説明される方法で基板10の前面(上記の要素を保持する)に法線となる(すなわち垂直な)Z方向の磁界の成分を測定するように意図されている。
【0040】
各磁気センサは、例えば、マイクロフラックスゲート技術を使用して製造される。代替として、これらは磁気抵抗センサ(特にAMR、GMRまたはTMRセンサ)、磁気インピーダンス(MI)センサ、またはホール効果センサであり得る。
【0041】
基板10の前面はまた、接続スタッド18の一部が導体20(例えば、場合によっては絶縁材料の層によって基板から分離された導電性トラック)によって対応するセンサに接続された接続スタッド18を保持する。
【0042】
複数の金属(ここでは銅)トラック(またはワイヤ)22は、ここでは絶縁体24(例えば、酸化シリコン)を介在した状態で第1の領域2と第2の領域4の各領域に侵入して、第1の領域2と第2の領域4との間の境界において基板10の前面に等しく堆積させられている。
【0043】
実際には絶縁層24は、上記の要素を絶縁するために基板10の全面に亘って広がり得る。
【0044】
金属トラック22のいくつかは、例えば、導体26によって第2の領域4において磁気センサ16に電気的に接続される。これらの同じ金属トラック22はまた、導体28によって第1の領域2において接続スタッド18の1つに電気的に接続される。
【0045】
したがって、基板10の第2の領域4における磁気センサ16は、特に金属トラック22の少なくとも1つを介して基板10の第1の領域2における接続スタッド18に電気的に接続される。
【0046】
種々の導体20、26、28は例えば、基板10によって保持された他の要素の製造時に(例えば、場合によっては同じ技術ステップ時に金属トラック22と同じ技法によって)堆積された銅または金のトラックである。代替として、導体は基板によって保持された他の要素の構成後に製造された金ワイヤによって形成され得る。
【0047】
複数の構成要素(集積回路)が集合的集積回路製造技術を使用して同じ基板10から取得され得ることはここで留意され得る。したがって図1において、第1のセンサ12付近に配置された磁界センサ16’と第3のセンサ16付近に配置された磁界センサ12’とが見られることが可能であり、これらのセンサ16’、12’各々は、上記に説明され、また並行して得られたタイプと同じタイプの構成要素のために意図されている。
【0048】
いったん上記の、図1に見られる種々の要素が基板10の前面に堆積させられると、基板10の後面は、第1の領域2と第2の領域4との間の境界に位置する限定された範囲の部分の上で、基板の全厚さを除去するようにエッチングされる。例えば、このステップでは、フォトリソグラフィーを用いて保持されるべき基板の一部分(実際には基板のほとんどすべて)を保護して、後面に異方性エッチング、例えば、深部反応性イオンエッチング(DRIE)を加えることによって、あるいは化学エッチング(例えば、基板10がシリコン製であるときにはKOHを使用すること)によって製造が行われる。
【0049】
考えられ得る一実施形態において、この後面エッチングステップは、同じ基板から形成された種々の構成要素を分離できる。代替として、同じ基板から製造された異なる構成要素が後のステップで分離され得ることは当然である。
【0050】
更に、エッチングされた部分における金属トラック22の下に配置された絶縁層24を除去するために、もう1つのエッチングステップ(例えば、適切な反応性イオンエッチングまたはイオン機械加工)が使用され得る。
【0051】
これは、図2に表された集積回路、したがって上記の基板の第1の領域2に対応する第1の基板部分30と上記の第2の領域4に対応する第2の基板部分32とを含む集積回路を製造する。
【0052】
特に前述のエッチングを用いて領域2、4間の境界3における基板の(および絶縁層24の)全除去のために、第1の部分30はギャップ31によって第2の部分32から分離され、これでこれら2つの部分30、32は金属トラック22だけによって機械的に互いに接続されている。
【0053】
得られた集積回路はまた、図3に斜視図で示されている。
【0054】
金属トラック22の表面に対して垂直な変形可能性のおかげで金属トラック22からなるヒンジによって与えられる集積回路の屈曲可能性(すなわち図3の矢印Rによって示されたように第1の部分30に関して第2の部分32を回転させる可能性)のおかげで、第2の部分32は以下に説明されるように、例えば、最大90°の角度に第1の部分30に関して傾けられることが可能であり、このことがこの場合、磁界のZ方向の成分を効率的に測定できるようにセンサ16が方位付けられることを可能にする。
【0055】
次いで第1の部分と第2の部分は、直接(例えば、接着剤によって)または以下に説明されるようにもう1つの部分を介して互いに固定され得る(すなわち第2の部分は第1の部分に関して動けなくされ得る)。
【0056】
図4は、もう1つの集積回路34(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))がフリップチップ技法を使用して取り付けられた同じ構成要素を示す。
【0057】
この技法を使用して接触子を保持する集積回路34の面は、ボールボンディング技法を使用してマイクロ回路34の対応する接触子(またはスタッド)に接続スタッド18の各々を電気的に接続する、集積回路34と構成要素との間の導電性ボール36によって磁界センサ12、14、16と接続スタッド18とを保持する構成要素の前面に接触して配置される。
【0058】
集積回路34は更に、外部装置および/または遠隔電源および/または送信アンテナに集積回路34を接続するための手段38を含む。
【0059】
したがって、集積回路34は、センサ12、14、16によって測定された磁界の成分を(例えば、ディジタル形式で)表す処理信号を例えば、集積回路の接続手段38において生成するために、信号整形と、電力供給と、磁気センサ12、14、16との間で送受信される電気信号のための信号処理機能と、を与えることができる。
【0060】
前述のようにセンサ12、14はそれぞれ、YおよびX方向の磁界成分を測定する。
【0061】
Z方向(既に述べられたように、基板10の主要面に垂直な方向)の磁界の成分をセンサ16によって取得するために、第2の部分32は、金属トラック22の柔軟性(例えば、金属トラック22が可塑性金属、ここでは銅または代替として金で作られているという事実から結果的に得られる)のために破損の危険なしに変形を可能にする、金属トラック22によって形成されたヒンジにおいて第1の部分30に関して折り曲げられる。
【0062】
図4に示された実施形態において、この折り曲げは、図4の矢印Rによって示された基板の平面を形成する軸の1つ(ここではY軸)の周りの回転に対応し、これは基板によって形成された平面の上方における第2の部分32の位置決めを可能にし、更に第2の部分32のための機械的ストッパを与え得る集積回路34の一方の縁部(ここでは集積回路34のフランク面)付近に第1、第2のセンサ12、14を有する。したがって、第2の部分32は、例えば、第2の部分32を集積回路34に接着することによって集積回路34を介して第1の部分30に固定され得る。
【0063】
これは、第3の磁界センサ16が他の2つのセンサ12、14を含む平面に対して傾斜した(ここでは垂直な)平面内に配置された特にコンパクトな磁界測定装置を作り出し、この磁界測定装置は磁界の3成分の効率的測定を保証する。
【0064】
既に上記に示されたように、主要な基板(第1の部分30)の平面に垂直な平面に配置されたこの第3の磁気センサ16との間の電気接続が、特に接続スタッド18の主要部分に、したがって導電性ボール36を介して集積回路34に、電気的に接続された変形した金属トラック22のいくつかによって与えられることは留意される。
【0065】
したがって金属トラック22の柔軟な変形は、2つの基板部分の互いの機械的保持の保証を与えるばかりでなく、一方の部分の他方の部分に関する強い傾斜にもかかわらずこれら2つの部分の間の接続の電気的導通を保証する。
【0066】
図5は、本発明の第2の実施形態による構成要素の図である。
【0067】
この第2の実施形態において、この構成要素は、第1の基板部分102(図示されていないが電気および/または電子回路の要素を保持し得る)と、基板102の厚さと比較して薄い第2の部分104(これは、図示されていないが基板の平面に関して傾けられた平面内に配置することが必要とされる回路を保持する)とを含む。第1の部分102と第2の部分104は、ギャップ103によって分離されており、第1の実施形態を参照しながら前に説明された金属トラックに類似した複数の金属トラック(またはストリップ)105によって機械的に接続される。
【0068】
図5の構成要素は、例えば、エッチングが第2の部分104において厚さの一部だけとギャップ103において厚さの全部とを除去した図5の破線で表されたプレート状シリコン基板から得られる。
【0069】
これをするために、第1のエッチングステップは例えば、第2の部分104の厚さだけを残して基板の厚さの一部を除去するために第1の部分102だけをカバーするマスクを使用して達成され、次いで第2のエッチングステップは、第1、第2の部分102、104の間の境界領域を除いて第1、第2の部分102、104のすべてをカバーするマスクであって、基板が限定された範囲のこの境界領域における基板の厚さだけを完全に除去されることを可能にし、それによってギャップ103を得ることを可能にするマスクを用いて達成される。
【0070】
代替として、この境界領域と第2の部分104とをエッチングする後続のステップ時に、境界領域は基板の厚さを完全にエッチングされるが第2の部分104は必要な残留厚さを保持するように、境界領域の機械的事前研削は、ギャップ103を受けるように意図される(例えば、1個の研削工具または一連の研削工具を用いて)。
【0071】
当然ながら、今言及されたエッチングステップに先立って、基板全体を薄くする研削ステップが設けられ得る。この可能性はまた、他の実施形態に関しても考えられ得る。
【0072】
この第2の実施形態において、特に以下に示される回転方向R’に曲げる場合には、第2の部分104の厚さは、ほぼギャップ103の幅(すなわち第1の部分102と第2の部分104との間の距離)である(また好ましくは、この幅より僅かに小さい)。
【0073】
したがって、第2の部分104は、第1の実施形態に関連して言及された方向と同じ回転方向Rに、またはその反対方向R’に金属トラック105によって形成されたヒンジの周りに折り曲げることによって動かされる可能性はなく、それによって第2の部分104はいったん傾けられると、金属トラック105を保持する第1の部分102の平面下に留まる。
【0074】
後者の場合、第2の部分104の厚さは、第2の部分104の著しい傾斜を防止し得る全体的サイズ問題を回避する。
【0075】
図6は、このような問題が回避されるもう1つの実施形態を示す。
【0076】
この目的を達成するために、第2の部分204が前述の金属トラックに類似した金属トラック205によって形成されたヒンジの周りに曲げられたときに、第2の部分204に対して45°に近い角度に傾斜した面が45°に近い角度に傾斜した第1の部分202の面と向き合い、したがって第1の部分202に関する第2の部分204の回転(R’方向の)時に、これらの部分の相互の機械的妨害なしに、第2の部分204の折り曲げ角度が、例えば、最大90°に達し得るように(図6の参照符号204’の破線で表されている)、基板の第1の部分202と基板の第2の部分204との間のギャップ203は、例えば、KOHタイプのシリコンエッチング溶剤を用いて傾斜したエッチングプロファイルを有する。これに関連して、R方向(R’方向とは反対方向)の回転もまた可能である。
【0077】
図7は、折り曲げて接着する前の基板の平面内の第2の部分204の延長部が、図7に示された特にコンパクトな装置の折り曲げ後の製造と、その後の接着剤のビーズ206の堆積とを可能にする基板の厚さに限定される変形例を示す。傾斜面の角度が45°に近いとき、接着剤接合部206は折り曲げ角を90°の角度に近づけるように、あるいは90°の角度を達成するように僅かに補正できる。
【0078】
図8は、本発明のもう1つの実施形態の平面図を示す。
【0079】
この実施形態において、プレート状の第1の部分302は、プレート状の第2の部分304から分離されており、変形されるように構成された金属要素305によってプレート状の第2の部分304に接続される。金属要素305がストリップの形態に作られることと、これらのうちのいくつかは例えば、補強するために(金属ストリップ内の機械的応力を生成する角点を形成する組ひもによって)、あるいはより一般的には各ストリップの機械的曲げ抵抗を用途の要件に適応させるために、1つ以上の孔306を含むこととに留意されたい。
【0080】
第1の部分302は、接続ランド308と参照符号310によって概略図的に示された回路(例えば、第1の集積回路)とを含む。第2の部分304は、例えば、図8の説明図において誘導性構成要素312と磁気抵抗性蛇行部314とを含む第2の集積回路311を保持する。
【0081】
図8に見られるように、いくつかの接続スタッド308は、第1の集積回路310に電気的に接続されるが、第2の集積回路311の回路312、314は、特に変形可能金属トラック305を介して他の接続スタッド308に接続される。金属トラック305を介して第1の集積回路310に接続される(接続スタッド308にではなく)第2の集積回路311の回路312、314の少なくとも一部のための用意は同様に存在し得る。
【0082】
構成要素は、変形可能金属トラック305によって形成されたヒンジの周りに図8に示された装置を折り曲げることによって、すなわち第1の部分302に関して第2の部分304を動かす(ここでは回転させる)ことによって得られる。
【0083】
したがって、第2の部分304内の回路312、314は、第1の部分302に対して傾けられた(例えば、90°の角度に)平面内に位置し得るが、この動きの際に変形された金属トラック305は、第2の部分304の要素312、314と第1の部分302のスタッドおよび回路308、310との間に前述の電気的接続を与え続ける。
【0084】
図9は、変形可能な接続手段が複数のトラックまたはストリップ(部分的格子)の形態を取らずに、その代わりにヒンジの大部分(または全部)をカバーする1つの格子であって、ある場合にはこの格子によって接合される第1の部分402と第2の部分404との間により良好な機械的接続を保証する格子の形態を取る。
【0085】
上述された実施形態は単に、本発明の使用の可能な例を構成している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート状の第1の部分を含む集積回路であって、第1の部分とは別の、第1の部分に取り付けられ、変形可能な機械的接続手段によって第1の部分に接続され、第1の部分との間で非ゼロの角度を形成する少なくとも1つのプレート状の第2の部分を含むことを特徴とする、集積回路。
【請求項2】
接続手段が、少なくとも部分的に金属製である、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
接続手段が、一方の端部において第1の部分に固定され、反対の端部において第2の部分に固定された少なくとも1つの金属ワイヤを含む、請求項1または2に記載の集積回路。
【請求項4】
接続手段が、第1の部分と第2の部分とに接続された少なくとも1つの金属格子を含む、請求項1または2に記載の集積回路。
【請求項5】
接続手段が、銅または金で作られる、請求項1から4のいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項6】
第1の部分が、シリコンプレートを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項7】
前記角度が60°より大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項8】
前記角度が約90°の値を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項9】
第2の部分が、電気的要素を保持し、接続手段が、第1の部分によって保持された電気回路と第2の部分によって保持された電気的要素との間の電気的接続に寄与する、請求項1から8のいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項10】
第1の部分が、第1の部分の主要表面に平行な方向の磁界の成分を測定するように構成された少なくとも1つのセンサを保持し、第2の部分が、第2の部分の主要表面に平行な方向の磁界の成分を測定するように構成されたセンサを保持する、請求項1から9のいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項11】
前記センサが、マイクロフラックスゲートセンサである、請求項10に記載の集積回路。
【請求項12】
前記センサが、磁気抵抗センサである、請求項10に記載の集積回路。
【請求項13】
前記センサが、磁気インピーダンスセンサである、請求項10に記載の集積回路。
【請求項14】
前記センサが、ホール効果センサである、請求項10に記載の集積回路。
【請求項15】
第1の部分が、複数の接続スタッドを保持し、第2の接続スタッドを有するもう1つの集積回路が、前記第2の接続スタッドの少なくとも1つと前記第1の接続スタッドの1つとの間の電気的接続部を有する第1の部分に接触して取り付けられる、請求項1から14のいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項16】
第2の部分が、他の集積回路のフランク面付近に在る、請求項15に記載の集積回路。
【請求項17】
プレート状構造体から集積回路を製造する方法であって、
特に構造体の第1の部分と構造体の第2の部分とに接触して変形可能な接続手段を堆積させるステップと、
第1の部分と第2の部分とを分離するために構造体をエッチングするステップと、
第1の部分と第2の部分を相対的に移動して接続手段の変形を引き起こすステップと、
第1の部分と第2の部分とを互いに固定するステップとを含む方法。
【請求項18】
移動が、接続手段によって形成されたヒンジに関する第2の部分の回転であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
接続手段が、一方の端部において第1の部分に、また他方の端部において第2の部分に固定された少なくとも1つの金属ワイヤを含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
接続手段が、第1の部分と第2の部分とに接続された少なくとも1つの金属格子を含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項21】
接続手段が、銅または金で作られる、請求項17から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
構造体が、シリコン基板である、請求項17から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
構造体をエッチングする前に構造体を薄くするステップを含む、請求項17から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
エッチングステップの前に前記エッチングを受ける領域を部分的に研削するステップを含む、請求項17から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
接続手段が、導電性材料で作られており、前記方法は構造体の第1の部分または第2の部分によって保持された少なくとも1つの回路と接続手段との間に導体を堆積させるステップを含む、請求項17から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
接続手段と第1の部分上の回路要素との間に導体を堆積させるステップを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
エッチングが異方性である、請求項17から26に記載の方法。
【請求項28】
エッチングを受けた第2の部分の面が、第1の部分の縁部に組み付けられる、請求項17から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
エッチングステップが、エッチングを受ける第1、第2の部分の各部分の面に傾斜したプロファイルを形成する、請求項17から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
移動ステップの後に、第2の部分の傾斜プロファイル面を第2の部分の傾斜プロファイル面に組み付けるステップを含む、請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−543086(P2009−543086A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518927(P2009−518927)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001188
【国際公開番号】WO2008/006976
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(596048569)コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク (53)
【Fターム(参考)】