説明

情報提供システム、車載装置、及び携帯端末

【課題】携帯端末と車載装置とを連携させる技術であって、車載装置のブラウザ機能を従来よりも簡略化し、携帯端末で取得可能であるユーザにとって有益な情報を、車載装置の表示部に表示させる技術を提供する。
【解決手段】車載装置で表示する表示態様を予め特定しておき、携帯端末で、携帯端末で取得されるコンテンツデータを、予め特定された表示態様に変換し、変換した情報データを車載装置に送信する。そして、車載装置では、携帯端末で変換された変換コンテンツデータを受信して、表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、車載装置、及び携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置と携帯電話機を連携させる技術が開発されている。例えば、特許文献1には、携帯電話機のGPS機能を利用して位置情報を測位し、測位した位置情報をカーナビゲーション装置へ送信し、カーナビゲーション装置が、送信された位置情報に基づいて目的地を設定して経路探索を行う技術が開示されている。これにより、特許文献1に記載の技術によれば、携帯電話機によって取得した位置情報に基づいて、カーナビゲーション装置における経路探索を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−106854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の携帯端末(例えば、携帯電話機)によれば、種々のサーバへ接続することで様々の情報を取得することが可能である。また、ユーザ登録をし、ユーザの嗜好や取得したい情報を予め設定しておくことで、ユーザが興味のある情報のみを取得することができる。一方、ナビゲーション装置などの車載装置は、ディスプレイを備えており、この車載装置のディスプレイは、一般的に携帯端末のディスプレイよりも大きい。従って、ユーザが車両内に居る場合、携帯端末で取得した情報は、車載装置のディスプレイに表示した方が見易い。また、例えばエンジン始動時などの所定のタイミングで車載装置のディスプレイに携帯端末で取得される情報を表示できれば、ユーザは、ユーザにとって有益な情報を得ることができる。
【0005】
車載装置に携帯端末と同様のブラウザを搭載することで、携帯端末で取得した情報を車載装置のディスプレイに表示することができる。しかしながら、携帯端末と同様のブラウザを搭載する場合、その分メモリの容量を増加させる必要があるなど、車載装置のコストアップにつながる。また、車載装置のディスプレイには、必要な情報を、車両内という状況に応じた態様で表示できればよい。換言すると、携帯端末と同様のブラウザを車載装置に搭載しても、逆に不要な機能まで搭載することになる虞がある。
【0006】
本発明では、上記した背景に鑑み、携帯端末と車載装置とを連携させる技術であって、車載装置のブラウザ機能を従来よりも簡略化し、携帯端末で取得可能であるユーザにとって有益な情報を、車載装置の表示部に表示させる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、上述した課題を解決するため、車載装置で表示する表示態様を予め特定しておき、携帯端末で取得されるコンテンツデータを、携帯端末側で予め特定された表示態様に変換し、変換した情報データを携帯端末から車載装置に送信することとした。そして、車載装置では、携帯端末で変換された変換コンテンツデータを受信して、表示部に表示することとした。これにより、車載装置側の表示に関する処理を低減することができる。換言すると、携帯端末と同様のブラウザを搭載することなく、携帯端末で取得される情報を車載装置に表示することが可能となる。
【0008】
より詳細には、本発明は、サーバと接続して該サーバが有する情報を取得可能な携帯端末と通信可能であると共に該携帯端末で取得される情報を表示する表示装置を有する車載装置である。前記携帯端末とは、前記サーバが有する前記情報を含むデータを取得するデータ取得部と、前記データ取得部で取得されるデータを変換するデータ変換部であって、前記サーバから提供される情報を前記車載装置に表示する際、該情報が予め設定された表示態様によって表示されるように前記データを変換するデータ変換部と、前記データ変換部で変換される情報データを前記車載装置に対して出力する情報データ出力部と、を有する携帯端末である。そして、前記車載装置は、上記携帯端末の情報データ出力部から出力される情報データを取得する情報データ取得部と、前記情報データ取得部で取得される情報データを処理して、前記情報の表示態様として予め設定されている表示態様により、前記情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させる情報データ処理部と、を更に備える。
【0009】
本発明に係る車載装置では、情報データ取得部が、携帯端末の情報データ出力部から出力される情報データを取得する。情報データとは、携帯端末のデータ変換部によって変換されたデータ、換言すると、サーバから提供される情報を前記車載装置に表示する際、該情報が予め設定された表示態様によって表示されるように変換されたデータである。そして、情報データ処理部が、取得された情報データを処理する。その結果、情報データに対応する情報が表示装置に表示される。車載装置では、携帯端末側で既に変換された情報データを用いて、表示装置に表示させるので、車載装置側の表示に関する処理を従来よりも低減することができる。換言すると、携帯端末と同様のブラウザを搭載することなく、携帯端末で取得される情報を車載装置に表示することが可能となる。
【0010】
ここで、本発明に係る前記車載装置は、前記予め設定された表示態様に対応するテンプレートを記憶する記憶部を更に備え、前記情報データ処理部は、前記情報データ取得部で取得される情報データを前記記憶部に記憶されるテンプレートに適合させて、前記情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させるようにしてもよい。
【0011】
本発明によれば、取得した情報データをテンプレートに適合、換言すると当てはめるだけでよいので、車載装置側の処理を従来よりも低減して、サーバが有する情報を表示装置に表示させることができる。なお、車載装置の情報データ処理部が情報データをテンプレートに適合できるよう、前記データ変換部は、前記サーバから提供される情報を前記車載装置に表示する際、該情報が、前記テンプレートに対応する表示態様によって表示されるように前記データを変換することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る車載装置において、前記情報には、前記携帯端末のユーザ毎の嗜好が反映された個別情報が含まれ、前記車載装置の電源の投入により、前記情報データ取得部が、前記情報データの取得を開始し、前記情報データ処理部が、情報データに対応する情報としての前記個別情報を前記表示装置に表示させるようにしてもよい。
【0013】
車載装置の電源の投入をトリガとして、サーバが有する情報、特に個別情報を含む情報を表示装置に表示することで、ユーザは、ユーザの嗜好が反映された情報、換言するとユーザにとって有益な情報を得ることができる。例えば、車載装置の電源を車両のアクセサリ電源と連動させておけば、車両のアクセサリ電源をONにすることで、車載装置の表示装置には、ユーザ毎の個別情報が表示される。従って、エンジンを始動させる際の暖機時間を利用して、有効な情報を得ることが可能となる。なお、個別情報は、携帯端末やサーバに接続可能なコンピュータを通じてユーザ登録をし、ユーザの嗜好や取得したい情報を予め設定しておくことで、ユーザが興味のある情報のみを取得することができる。
【0014】
また、本発明に係る車載装置は、前記携帯端末との通信を開始するための通信要求をユ
ーザから受け付ける受付部を更に有し、前記受付部がユーザからの通信要求を受け付けると、前記情報データ取得部が、前記情報データの取得を開始し、前記情報データ処理部が、情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させるようにしてもよい。車載装置が受付部を備えることで、ユーザが希望するタイミングでサーバが有する情報を表示装置に表示させることができる。
【0015】
また、本発明に係る車載装置において、前記表示態様には、前記情報を文章のみで表示する文章態様、前記情報を画像のみで表示する画像態様、前記情報を文章及び画像で表示する混合態様が含まれ、前記車載装置は、前記文章態様、画像態様、混合態様を含む前記表示態様に対応するテンプレートを記憶する記憶部を更に備え、前記情報データ処理部は、前記情報データ取得部で取得される情報データを前記記憶部に記憶されるテンプレートに適合させて、前記情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させるようにしてもよい。表示態様を上記のように予め特定することでユーザの嗜好に応じた表示を実現することができる。
【0016】
ここで、本発明は、上述した車載装置と共に使用され、車載装置に対して送信する情報データを生成する携帯端末としてもよい。具体的には、本発明は、サーバと接続して該サーバが有する情報を取得可能な携帯端末あり、かつ該情報を表示する表示装置を有する車載装置と通信可能な携帯端末である。そして、本発明に係る携帯端末は、前記サーバが有する前記情報を含むデータを取得するデータ取得部と、前記データ取得部で取得されるデータを変換するデータ変換部であって、前記サーバから提供される情報を前記車載装置に表示する際、該情報が予め設定された表示態様によって表示されるように前記データを変換するデータ変換部と、前記データ変換部で変換される情報データを前記車載装置に対して出力する情報データ出力部と、を備える。また、前記車載装置とは、前記情報データ出力部から出力される情報データを取得する情報データ取得部と、前記情報データ取得部で取得される情報データを処理して、前記情報の表示態様として予め設定されている表示態様により、前記情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させる情報データ処理部と、を有する車載装置である。
【0017】
また、本発明は、上述した車載装置と携帯端末とを含む情報提供システムとしてもよい。すなわち、本発明は、サーバと接続して該サーバが有する情報を取得可能な携帯端末と、該携帯端末と通信可能であると共に該携帯端末で取得される情報を表示する表示装置を有する車載装置とを備える情報提供システムであって、 前記携帯端末は、前記サーバが有する前記情報を含むデータを取得するデータ取得部と、前記データ取得部で取得されるデータを変換するデータ変換部であって、前記サーバから提供される情報を前記車載装置に表示する際、該情報が予め設定された表示態様によって表示されるように前記データを変換するデータ変換部と、前記データ変換部で変換される情報データを前記車載装置に対して出力する情報データ出力部と、を有し、前記車載装置は、前記情報データ出力ステップで出力される情報データを取得する情報データ取得部と、前記情報データ取得部で取得される情報データを処理して、前記情報の表示態様として予め設定されている表示態様により、前記情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させる情報データ処理部と、を有する。
【0018】
更に、本発明は、上述した車載装置、携帯端末、又は情報提供システムで実行される処理を実現させる方法であってもよい。例えば、情報提供システムで実行される方法であれば、本発明は、以下のように特定することができる。すなわち、本発明は、サーバと接続して該サーバが有する情報を取得可能な携帯端末と、該携帯端末通信可能であると共に該携帯端末で取得される情報を表示する表示装置を有する車載装置とを備える情報提供システムによる情報提供方法であって、前記携帯端末のコンピュータが、前記サーバが有する前記情報を含むデータを取得するデータ取得ステップと、前記データ取得ステップで取得
されるデータを変換するデータ変換ステップであって、前記サーバから提供される情報を前記車載装置に表示する際、該情報が予め設定された表示態様によって表示されるように前記データを変換するデータ変換ステップと、前記データ変換ステップで変換される情報データを前記車載装置に対して出力する情報データ出力ステップと、を実行し、前記車載装置のコンピュータが、前記情報データ出力ステップで出力される情報データを取得する情報データ取得ステップと、前記情報データ取得ステップで取得される情報データを処理して、前記情報の表示態様として予め設定されている表示態様により、前記情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させる情報データ処理ステップと、を実行する。
【0019】
更に、本発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、携帯端末と車載装置とを連携させる技術であって、車載装置のブラウザ機能を従来よりも簡略化し、携帯端末で取得可能であるユーザにとって有益な情報を、車載装置の表示部に表示させる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第一実施形態に係る情報提供システムの概略構成を示す。
【図2】第一実施形態に係る車載装置の概略構成を示す。
【図3】第一実施形態に係る車載装置の機能ブロック図を示す。
【図4A】文章テンプレートの一例を示す。
【図4B】文章テンプレートに携帯端末側で変換された情報データを当てはめた場合の表示例を示す。
【図4C】図4Aの文章テンプレートに対応する情報データを示す。
【図5A】画像テンプレートの一例を示す。
【図5B】画像テンプレートに情報データを当てはめた場合の表示例を示す。
【図5C】図5Aの画像テンプレートに対応する情報データを示す。
【図6A】混合テンプレートの一例を示す。
【図6B】混合テンプレートに情報データを当てはめた場合の表示例を示す。
【図6C】図6Aの混合テンプレートに対応する情報データを示す。
【図7A】タブ付きテンプレートの一例を示す。
【図7B】タブ付きテンプレートに携帯端末側で変換された情報データを当てはめた場合の表示例を示す。
【図7C】図7Aのタブ付きテンプレートに対応する情報データを示す。
【図8A】メニュー画面テンプレートの一例を示す。
【図8B】メニュー画面テンプレートに携帯端末側で変換された情報データを当てはめた場合の表示例を示す。
【図8C】図8Aのメニュー画面テンプレートに対応する情報データを示す。
【図9】第一実施形態に係る携帯端末の機能ブロック図を示す。
【図10】第一実施形態に係る情報提供システムで実行される処理態様1に係る処理フローを示す。
【図11A】処理態様1における、車載装置のディスプレイ画面遷移(1)を示す。
【図11B】処理態様1における、車載装置のディスプレイ画面遷移(2)を示す。
【図12】サーバに格納されるデータベースの一例を示す。
【図13】第一実施形態に係る情報提供システムで実行される処理態様2に係る処理フローを示す。
【図14A】処理態様2における、車載装置のディスプレイ画面遷移(1)を示す。
【図14B】処理態様2における、車載装置のディスプレイ画面遷移(2)を示す。
【図14C】処理態様2における、車載装置のディスプレイ画面遷移(3)を示す。
【図15】第二実施形態に係る情報提供システムの概略構成を示す。
【図16】第二実施形態に係る車載装置の概略構成を示す。
【図17】第二実施形態に係る車載装置の機能ブロック図を示す。
【図18A】第二実施形態における、文章テンプレートの一例を示す。
【図18B】第二実施形態における、文章テンプレートに携帯端末側で変換された情報データを当てはめた場合の表示例を示す。
【図18C】図18Aの文章テンプレートに対応する情報データを示す。
【図19A】第二実施形態における、画像テンプレートの一例を示す。
【図19B】第二実施形態における、画像テンプレートに情報データを当てはめた場合の表示例を示す。
【図19C】図19Aの画像テンプレートに対応する情報データを示す。
【図20A】第二実施形態における、混合テンプレートの一例を示す。
【図20B】混合テンプレートに情報データを当てはめた場合の表示例を示す。
【図20C】図20Aの混合テンプレートに対応する情報データを示す。
【図21】第二実施形態に係る情報提供システムで実行される処理態様3に係る処理フローを示す。
【図22A】処理態様3における、車載装置のディスプレイ画面遷移(1)を示す。
【図22B】処理態様3における、車載装置のディスプレイ画面遷移(2)を示す。
【図23】第二実施形態に係る情報提供システムで実行される処理態様4に係る処理フローを示す。
【図24A】処理態様4における、車載装置のディスプレイ画面遷移(1)を示す。
【図24B】処理態様4における、車載装置のディスプレイ画面遷移(2)を示す。
【図24C】処理態様4における、車載装置のディスプレイ画面遷移(3)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明に係る車載装置、携帯端末、情報提供システムの実施形態について図面に基づいて説明する。
【0023】
[第一実施形態]
<構成>
図1は、第一実施形態に係る情報提供システム4の概略構成を示す。第一実施形態に係る情報提供システム4は、車両1に搭載された車載装置2と、サーバ5が提供する情報をネットワークを通じて取得可能な携帯端末3とを備える。サーバ5は、携帯端末3の他、コンピュータからなる複数の端末6、7と接続されている。
【0024】
(車載装置)
図2は、第一実施形態に係る車載装置2の概略構成を示す。第一実施形態に係る車載装置2は、後述する第二実施形態に係る車載装置2と異なり、ナビゲーション機能を備えておらず、簡易な構成となっている。具体的には、第一実施形態に係る車載装置2は、ディスク再生部21と、メモリーカード再生部22、TV受信部23と、ラジオ受信部24と、ディスプレイ25と、操作部26と、通信部27と、これらと電気的に接続される制御部20と、を有する。なお、本発明に係る車載装置を実現するためには、少なくともディスプレイ25を備えていればよい。従って、第一実施形態に係る車載装置2は、更に簡易な構成としてもよい。
【0025】
ディスク再生部21は、CD、DVD、BD(ブルーレイディスク)等の光ディスクに
記録されているコンテンツを再生する。ディスク再生部21は、例えばCD/DVDデッキによって構成することができる。メモリーカード再生部22は、USBメモリ、SDメモリーカードといった車載装置2に着脱可能な移動型記憶媒体に格納されているコンテンツを再生する。TV受信部23は、DTV(Digital Television)放送やワンセグ放送を受信する。TV受信部23は、既存のチューナによって構成することができる。ラジオ受信部24は、FM放送、AM放送、VICS情報等を受信する。ラジオ受信部24は、既存のチューナによって構成することができる。
【0026】
ディスプレイ25は、車両1の後方に搭載されるバックカメラ(図示せず)によって撮影される車両1の後方の映像を表示する。また、ディスプレイ25は、上記に加えて、再生されるコンテンツに関する情報や、携帯端末3を介して取得されるサーバが有する情報、ユーザからの操作を受け付ける操作ボタン等が表示可能である。なお、第一実施形態に係るディスプレイ25は、タッチパネルによって構成されているが、既存の様々なディスプレイを適用することができる。タッチパネルによらない場合、車載装置2は、操作部やリモートコントローラによって操作することができる。
【0027】
通信部27は、携帯端末3との間でデータの送受信を行う。本実施形態では、Bluetooth(登録商標)による無線通信を実現可能とするBluetooth用アンテナによって構成されている。なお、通信部27は、上記に加えて、赤外線ポートやケーブルを接続するコネクタ等によって構成してもよい。
【0028】
次に、車載装置2の制御部20ついて説明する。図3は、第一実施形態に係る車載装置2の機能ブロック図を示す。図3に示すように、制御部20は、再生処理部201、車載側通信制御部202、車載側データ送受信部203、情報データ処理部204、受付部205、メモリ206、カメラ処理部207、を備える。なお、制御部20は、CPU、メモリ等を含むコンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。また、制御部20を構成する、再生処理201、車載側通信制御部202、車載側データ送受信部203、情報データ処理部204、受付部205、メモリ206、カメラ処理部207は、専用のプロセッサによって構成してもよい。
【0029】
再生処理部201は、ラジオ受信部24若しくはTV受信部23で受信した楽曲情報を再生処理する。
【0030】
車載側通信制御部202は、Bluetooth用アンテナからなる通信部27を介してハンズフリー接続を実現するためのプロファイル(HFP:Hands-Free Profile)を取得してハンズフリー接続を実行する。より詳細には、車載側通信制御部202は、車載装置2と携帯端末3とを常時接続状態とし、車両の走行中にユーザ(運転者)が携帯端末3を手に持たず通話できるようにする。車載側通信制御部202によるハンズフリー接続の実行は、車載装置に用いられている既存のハンズフリー接続を実行するプログラム、又は専用のプロセッサによって実現することができる。
【0031】
車載側データ送受信部203は、携帯端末3から出力される情報データを取得する。情報データとは、携帯端末3のデータ変換部314で変換されたデータであって、サーバ5から提供される情報を車載装置2のディスプレイ25に表示する際、情報が予め設定された表示態様によって表示されるように変換されたデータである。第一実施形態に係る情報提供システム4では、車載装置2と携帯端末3とをBluetoothにより接続している。そこで、車載装置2と携帯端末3との間のデータの受け渡しは、専用のプロファイルを用いて行われる。具体的には、車載側データ送受信部203は、車載装置2と携帯端末3との間で予め策定されたプロトコルとしてのプロファイル(例えば、SPP(Serial Port Profile))を用いて情報データを取得する。なお、携帯端末3がマルチプロファイルに対応
している場合、換言すると、携帯端末3がハンズフリー接続とSPP接続とを同時に実行可能な場合、車載側データ送受信部は、ハンズフリー接続の開始後、SPP接続を実行して、情報データを取得することができる。一方、携帯端末3がマルチプロファイルに対応していない場合、車載側データ送受信部は、ハンズフリー接続を切断させてから、SPP接続を実行して、情報データを取得する。情報データには、テキストデータ、画像データ、音声データが含まれる。また、情報データの受け渡しは、車載装置2のディスプレイ25の表示画面の1ページを単位として行われる。なお、データ変換部314については、後述する。また、データ変換を含む、第一実施形態に係る情報提供システムで実行される処理の詳細についても後述する。車載装置2は、携帯端末3のBluetooth機能に左右されずに使用させるべく、マルチプロファイル対応とすることが好ましい。
【0032】
情報データ処理部204は、車載側データ送受信部203で取得される情報データを処理して、予め設定されている表示態様により、情報データに対応する情報をディスプレイ25に表示させる。具体的には、情報データ処理部204は、メモリ206に格納されている、予め設定された表示態様に対応するテンプレートに、取得される情報データを適合させることで情報をディスプレイ25に表示させる。また、情報データ処理部204は、情報データの取得状況、車載装置2の状態などをディスプレイ25に表示させる。なお、情報データの取得状況などの表示は、他の機能部(例えば、画面制御部)を設け、他の機能部が行うようにしてもよい。
【0033】
受付部205は、ユーザの指示を受け付ける。ユーザの指示には、情報が表示されている場合における更なる詳細情報の表示要求が含まれる。また、複数のページが存在する場合における、次ページや前ページの要求も、ユーザの指示に含まれる。これらのユーザの指示は、ディスプレイ25に表示される各種操作ボタン(アイコンともいう)や車載装置2の操作部26を介して受け付けられる。
【0034】
メモリ206は、車載装置2に必要な各種制御プログラムの他、予め設定された表示態様に対応するテンプレートを格納する。なお、メモリ206は、揮発性のRAMと、不揮発性のROMとを含む。
【0035】
ここで、図4Aは、情報を文章のみで表示する文章態様に対応する文章テンプレートであり、図4Bは、文章テンプレートに携帯端末3側で変換された情報データを当てはめた場合の表示例を示し、図4Cは、図4Aの文章テンプレートに対応する情報データを示す。また、図5Aは、情報を画像のみで表示する画像態様に対応する画像テンプレートであり、図5Bは、画像テンプレートに情報データを当てはめた場合の表示例を示し、図5Cは、図5Aの画像テンプレートに対応する情報データを示す。更に、図6Aは、情報を文章及び画像で表示する混合態様に対応する混合テンプレートであり、図6Bは、混合テンプレートに情報データを当てはめた場合の表示例を示し、図6Cは、図6Aの混合テンプレートに対応する情報データを示す。
【0036】
図4Aに示す文章テンプレートは、コンテンツ名称領域、タイトル領域、携帯端末情報領域、テキスト領域、操作ボタンA領域、操作ボタンB1領域、操作ボタンB2領域、スクロールバー表示領域を有する。コンテンツ名称領域には、情報提供サービス会社の名称(例えば、プロバイダ名)、コンテンツのサービス名等が表示される。タイトル領域には、情報の種類や、情報を特定する名称が表示される。携帯端末情報領域には、携帯端末3のバッテリ情報、Bluetoothの通信状況に関する情報、携帯端末3の電波状況に関する情報が表示される。テキスト領域には、サーバ5によって提供される情報がテキストとして表示される。操作ボタンA領域には、「戻る」を要求するアイコンが表示される。操作ボタンB1領域には、前ページが存在する場合に、前ページを要求するアイコンが表示される。操作ボタンB2領域には、次ページが存在する場合に、次ページを要求するアイコン
が表示される。スクロールバー表示領域には、前ページ、次ページの存在の有無が表示される。上記のような文章テンプレートに携帯端末3側で変換された図4Cに示す情報データを当てはめることで図4Bに示すような画面がディスプレイ25に表示される。自動更新領域には、表示される情報が更新情報(例えば、野球情報のように情報が逐次変化する情報)か否かが表示される。図4Bに示す例では、「ジャンル:イルミネーション」、「開催地:○○市 ○○遊園地」、「詳細:○○○○・・・・」がテキストのみで表示される。また、ドライブ情報は、「情報ボタン」からポップアップ表示されている。「情報ボタン」の他、図4Bに示す例では、「お天気ボタン」、「ガソリン価格ボタン」、「TVスポットボタン」、「ニュースボタン」が表示されている。但し、上記各ボタンは、あくまで例示にすぎない。
【0037】
図5Aに示す画像テンプレートは、コンテンツ名称領域、タイトル領域、携帯端末情報領域、画像領域、操作ボタンA領域、操作ボタンB1領域、操作ボタンB2領域、スクロールバー表示領域を有する。画像領域には、サーバ5によって提供される情報が画像として表示される。なお、画像領域以外の領域については、図4Aに示す文章テンプレートと同じであるので、説明は、割愛する。図5Aに示す文章テンプレートに携帯端末3側で変換された図5Cに示す情報データを当てはめることで図5Bに示すような画面がディスプレイ25に表示される。図5Bに示す例では、ライトアップされた遊園地を示す画像が表示されている。なお、詳しい情報(例えば、住所や開催日時など)は、画像領域をタッチすることで表示するようにしてもよい。
【0038】
図6Aに示す混合テンプレートは、コンテンツ名称領域、タイトル領域、携帯端末情報領域、テキスト領域、画像領域、操作ボタンA領域、操作ボタンB1領域、操作ボタンB2領域、スクロールバー表示領域を有する。すなわち、図6Aに示す混合テンプレートは、図4Aに示す文章テンプレートと、図5Aに示す画像テンプレートとを混合させたものであり、テキスト領域には、サーバ5によって提供される情報がテキストとして表示される。また、画像領域には、サーバ5によって提供される情報が画像として表示される。なお、テキスト領域及び画像領域以外の領域については、図4Aに示す文章テンプレートと同じであるので、説明は割愛する。図6Aに示す混合テンプレートに携帯端末3側で変換された図6Cに示す情報データを当てはめることで図6Bに示すような画面がディスプレイ25に表示される。図6Bに示す例では、「ジャンル:イルミネーション」、「開催地:○○市 ○○遊園地」、「詳細:○○○○・・・・」といったテキストと共に、ライトアップされた遊園地を示す画像が表示されている。なお、詳しい情報(例えば、住所や開催日時など)は、テキスト領域や画像領域をタッチすることで表示するようにしてもよい。また、上記以外に例えば、表示内容を更新する「更新ボタン」を設けてもよい。例えば、表示内容が逐次更新される野球情報に関する情報や、表示すべき内容が完全に取得できなかった場合(例えば、テキストデータは取得できたが、画像データが取得できなかった場合)に有効である。
【0039】
また、メモリ206は、上述した基本となる3つのテンプレート(文章テンプレート、画像テンプレート、混合テンプレート)に加えて、タブ付きテンプレート、メニュー画面テンプレートを格納する。図7Aは、タブ付きテンプレートであり、図7Bは、タブ付きテンプレートに携帯端末3側で変換された情報データを当てはめた場合の表示例を示し、図7Cは、図7Aのタブ付きテンプレートに対応する情報データを示す。また、図8Aは、メニュー画面テンプレートであり、図8Bは、メニュー画面テンプレートに携帯端末3側で変換された情報データを当てはめた場合の表示例を示し、図8Cは、図8Aのメニュー画面テンプレートに対応する情報データを示す。
【0040】
図7Aに示すタブ付きテンプレートは、コンテンツ名称領域、タイトル領域、携帯端末情報領域、操作ボタンA領域、操作ボタンB1領域、操作ボタンB2領域、スクロールバ
ー表示領域、リスト領域(リスト1、2、3、4)、タブ領域(タブ1、2、3)、操作ボタンC1領域、操作ボタンC2領域を有する。タブ領域には、画面表示していないタブページの情報のタイトルが表示される。例えば、スポーツ情報に関する情報であれば、種目、チーム名などがタブ候補となる。また、ニュースであれば、分野がタブ候補になる。さらに、スポット情報であれば、現在地周辺、目的地周辺、ルート沿い周辺などがタブ候補になる。リスト領域には、現在表示中のタブページに格納されている情報のリストが表示される。例えば、野球情報に関する情報であれば、1回表・裏などがリスト候補になる。操作ボタンC1領域には、他のタブが存在する場合に、前タブを要求するアイコンが表示される。操作ボタンC2領域には、他のタブが存在する場合に、次タブを要求するアイコンが表示される。操作ボタンD1領域には、他のリストが存在する場合に、前リストを要求するアイコンが表示される。操作ボタンD2領域には、他のリストが存在する場合に、次リストを要求するアイコンが表示される。スクロールバー表示領域には、前リスト、次リストの存在の有無が表示される。
【0041】
図7Aに示すタブ付きテンプレートに携帯端末3側で変換された図7Cに示す情報データを当てはめることで図7Bに示すような画面がディスプレイ25に表示される。図7Bに示す例では、ドライブ情報として、タブページのタイトルとして、「いつも見る地域」、「周辺情報」、「全国情報」が表示されている。そして、現在、「いつも見る地域」が選択されており、「いつも見る地域」のリストとして、住所リストが表示されている。なお、タブ領域をタッチすることでタッチされたタブページが表示される。また、リスト領域をタッチすることでリスト領域の詳細情報が表示される。タブページへの移行時、又はリスト領域の詳細情報のページへの移行時は、情報データ要求がその都度され、要求されたページの情報データが1ページ単位で送信される。ここで、車載装置2がBluetoothマルチポイントアクセスに対応している場合、車両1内に複数の携帯端末との接続が可能となる。その際、タブ領域に、各携帯端末を表示し、タブの選択により携帯端末を選択できるようにしてもよい。
【0042】
図8Aに示すメニュー画面テンプレートは、コンテンツ名称領域、タイトル領域、携帯端末情報領域、メニュー領域を有する。メニュー領域には、情報のメニューがコンテンツ名称と画像(テキストでもよい)と共に表示されている。図8Aに示すメニュー画面テンプレートに携帯端末3側で変換された図8Cに示す情報データを当てはめることで図8Bに示すような画面がディスプレイ25に表示される。図8Bに示す例では、メニューとして、「グルメ情報」、「観光情報」、「ドライブ情報」、「地域情報」が表示されている。なお、メニュー領域の各メニューをタッチすることでタッチされたメニューに対応する情報が表示される。
【0043】
(携帯端末)
携帯端末3は、サーバ5から提供される情報を取得し、情報に対応するデータを変換した上で変換された情報データを車載装置2へ送信する。ここで、図9は、携帯端末3の機能ブロック図を示す。図9に示すように、携帯端末3は、CPU34、携帯端末側制御部31、操作部32、表示部33、カメラ35、外部機器と接続可能なインターフェース部36を備える。また、携帯端末側制御部31は、端末側通信制御部311、検索部312、端末側データ送受信部313、データ変換部314、端末側メモリ315を備える。なお、携帯端末側制御部31は、CPU、メモリ等を含むコンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。また、携帯端末側制御部31を構成する、端末側通信制御部311、検索部312、端末側データ送受信部313、データ変換部314は、専用のプロセッサによって構成してもよい。
【0044】
CPU34は、各ハードウェアと接続され、例えば端末側メモリ315としてのROMに格納された制御プログラムに従って、所定の処理を実行する。端末側メモリ315は、
揮発性のRAMと、不揮発性のROMとを含む。操作部32は、携帯端末3を操作するのに必要な一般的な操作ボタンであればよく、タッチディスプレイ方式であってもよい。インターフェース部36は、ナビゲーション装置2と通信可能なBluetooth用アンテナによって構成されている。但し、インターフェース部36は、上記に加えて赤外線ポートやケーブルを接続するコネクタであってもよい。
【0045】
検索部312は、操作部32を介して入力される検索条件に基づいて情報提供サービス業者が提供する情報検索Webサイト(サーバ5)へアクセスする。この時、表示部33には、情報提供サービス業者が提供する情報検索用のWebページが表示される。Webページでは、例えば、目的やお店のジャンル等を入力して検索を実行する。これにより、各種情報の取得が可能となる。また、ユーザ登録をし、ユーザの嗜好や取得したい情報を予め設定しておくことで、ユーザが興味のある情報のみを取得することができる。
【0046】
端末側通信制御部311は、Bluetooth用アンテナからなるインターフェース部36を介してプロファイル(例えば、HFP、SPP)を取得してハンズフリー接続、SPP接続を実行する。端末側通信制御部311によるハンズフリー接続、SPP接続の実行は、Bluetoothに関する既存の実行プログラム又は専用のプロセッサによって実現することができる。
【0047】
端末側データ送受信部313は、サーバ5から提供される情報の他、車載装置2と間でデータの送受信を行う。サーバ5から提供される情報には、検索部312で検索される情報、ユーザによって予めカスタマイズされた情報が含まれる。車載装置2から受け取るデータには、車載装置2の識別情報に関するデータやページ要求に関するデータなどが含まれる。また、車載装置2に対して送るデータには、データ変換部314で変換される情報データが例示される。
【0048】
データ変換部314は、サーバ5から提供される情報を車載装置2のディスプレイ25に表示する際、情報が予め設定された表示態様によって表示されるように変換する。すなわち、サーバ5から取得される情報が、車載装置2が有するテンプレート(図4A、図5A、図6A、図7A、図8A)に適合して車載装置2のディスプレイ25に表示できるよう、サーバ5から提供されるデータを変換する。例えば、図4Cは、図4Aの文章テンプレートに対応する情報データである。図4Cに示す情報データは、menu、page、total#pageなどのデータによって構成されている。従って、データ変換部314は、車載装置2において文章テンプレートに基づく表示態様とする場合、サーバ5から提供されるデータからmenu、page、total#pageなどの各データに必要な情報を抽出し、図4Cに示す情報データを、車載装置2のディスプレイ25に表示される1ページ単位で生成する。情報データは、上記のほか、携帯電話の状態により変動するアイコンに関するデータ、「戻る」要求をするアイコンに関するデータ、表示内容の表示状況に関するデータ、前ページを要求するアイコンに関するデータ、次ページを要求するアイコンに関するデータ、表示される情報が逐次更新される更新情報であるか否かに関するデータ、表示する文章に関するデータ、表示する画像に関するデータ、を含む。なお、更新情報であるか否かについては、「更新情報ボタン」を設け、例えば「更新ボタン」の色を変えることで、更新情報か否かを表示し、かつ、更新の要求を受け付けるようにしてもよい。また、データ変換部314は、車載装置2において他のテンプレートに基づく表示態様とする場合、サーバ5から提供されるデータから各テンプレートに対応する情報データに必要な情報を抽出し、情報データを生成する。
【0049】
端末側メモリ315は、携帯端末3に必要な各種制御プログラム、すなわち、端末側通信制御部311を構成するプログラム等を格納する。
【0050】
<処理フロー>
次に、第一実施形態に係る情報提供システム4で行われる処理について図面に基づいて説明する。
【0051】
(処理態様1)
処理態様1として、アクセサリ電源ON時に、ユーザごとに予めカスタマイズされた情報(個別情報)を車載装置2のディスプレイ25に表示させる例について説明する。
【0052】
図10は、第一実施形態に係る情報提供システムで実行される処理態様1に係る処理フローを示す。また、図11A、図11Bは、処理態様1における、車載装置2のディスプレイ25の画面遷移を示す。まず、車載装置2側で実行される処理(ステップS01から04)を中心に説明する。ステップS01では、車両1のアクセサリ電源がONになる。これにより、車載装置2の電源がONになる。この時、ディスプレイ25には、オープニング画面が表示される(図11Aのオープニング画面参照)。車載装置2の電源がONになるとステップS02へ進む。
【0053】
ステップS02では、車載装置2の車載側通信制御部202により、ハンズフリー接続(以下、HFP接続ともいう。)が実行される。すなわち、車載側通信制御部202は、プロファイル(HFP)を取得してハンズフリー接続を実行する。その結果、車載装置2と携帯端末3とが常時接続状態となり、車両1の走行中にユーザ(運転者)が携帯端末3を手に持たず通話可能となる。HFP接続が実行されると、ステップS03へ進む。なお、携帯端末3では、車載装置2のHFP接続の実行に合わせて、ステップS11において、HFP接続が実行される。端末側通信制御部311は、プロファイル(HFP)を取得してハンズフリー接続を実行する。
【0054】
ステップS03では、車載側通信制御部202により、情報データ等の受け渡しを行うためのプロファイル(例えば、SPP)を用いた接続(以下、SPP接続という。)が実行される。これにより、車載装置2と携帯端末3との間でデータの受け渡しが可能となる。ディスプレイ25には、「携帯端末接続中」とのメッセージが表示される(図11Aの通信画面参照)。これにより、ユーザは、携帯端末接続が実行中であることを認識することができる。SPP接続が実行されると、ステップS04へ進む。なお、携帯端末3では、車載装置2のSPP接続の実行に合わせて、ステップS12において、SPP接続が実行される。端末側通信制御部311は、プロファイル(SPP)を取得してSPP接続を実行する。
【0055】
ステップS04では、車載側データ送受信部203により、情報データが要求される。情報データの要求に際しては、情報データの要求と共に車載装置2を識別するための識別情報が携帯端末3に対して送信される。ディスプレイ25には、「情報取得中」のメッセージが表示される(図11Aの情報取得画面参照)。「情報取得中」のメッセージは、省略、すなわち非表示としてもよい。情報取得画面には、情報データの取得状況、情報データの取得を中止させる中止ボタンが表示されている。なお、情報データ要求には、いずれのテンプレート(文章テンプレート、画像テンプレート、混合テンプレート)を用いるかについての指定を含めるようにしてもよい。但し、いずれのテンプレートを用いるかについては、携帯端末3側で指定するようにしてもよい。情報データの要求が行われるとステップS13へ進む。以下、ステップS18までの説明は、携帯端末3側で実行される処理に関する。
【0056】
ステップS13では、携帯端末3の端末側データ送受信部313により、情報データ要求が取得される。また、情報データ要求が取得される際、情報データ要求と共に車載装置2の識別情報が取得される。情報データ要求の取得が完了するとステップS15へ進む。
なお、携帯端末3に予め処理するプログラムがインストールされていない場合、個別情報が表示されずにタイムアウトとなる。
【0057】
なお、情報データ要求の取得が完了後、端末側データ送受信部313により、データの変換が可能か否か判断するようにしてもよい。例えば、端末側データ送受信部313により、データ変換部314が起動されているか否か、換言するとデータ変換をするためのプログラムが起動されているか否か判断する。データ変換部314が起動されている場合、換言するとデータ変換部314としてのプログラムが起動されている場合、ステップS15へ進む。一方、データ変換部314が起動されていない場合には、データ変換部314を起動するようにしてもよい。なお、データ変換部314が存在しない場合、換言するとデータ変換部314としてのプログラムがインストールされていない場合には、データ変換部314としてのプログラムのインストールを実行するようにしてもよい。この場合には、プログラムがインストールされていない旨を車載装置2へ通知する。車載装置2には、予めデータ変換部314としてのプログラムのインストールを実行するための例えば導入部といった機能部を設けておく。そして、導入部がデータ変換部314としてのプログラムが格納されているWeb上のアドレス等を携帯端末3へ提供するようにしてもよい。
【0058】
ステップS15では、端末側データ送受信部313により、サーバ5によって提供される情報として、予めユーザによってカスタマイズされた個別情報が取得される。ここで、図12は、サーバ5に格納されるデータベースの一例を示す。図12に示す例では、サーバ5は、ジャンル毎のデータベース(例えば、グルメ情報、観光情報、ドライブ情報)を有する。これらのサーバ5に格納されている情報には、情報提供サービス業者が提供するWebサイトへ携帯端末3や端末6、7を通じてアクセス可能である。第一実施形態では、車載装置2に個別情報が表示される。この個別情報は、ユーザが嗜好する情報を携帯端末3や端末6、7を介してWebサイトへアクセスすることでカスタマイズすることができる。また、Webページでは、例えば目的やお店のジャンル等を入力することで種々の情報を得ることができる。処理態様1における以下の説明では、個別情報として、「ゴルフ用品セール情報」が提供されるよう予めWebサイトを通じて設定した場合を例に説明する。個別情報の取得が完了するとステップS17へ進む。
【0059】
ステップS17では、データ変換部314により、取得された情報(処理態様1では、「ゴルフ用品セール情報」に関する個別情報)を車載装置2のディスプレイ25に表示する際、この情報が予め設定された表示態様によって表示されるように変換する。情報データ要求においてテンプレートの指定がある場合には、指定されたテンプレートに対応する情報データが生成される。また、携帯端末3側でテンプレートを指定する場合、指定したテンプレートに対応する情報データが生成される。例えば、混合テンプレートに基づく表示態様によって、上記「ゴルフ用品セール情報」に関する個別情報を車載装置2のディスプレイ25に表示させる場合、データ変換部314は、図6Cに例示される情報データと同様のデータ構成に必要なデータをサーバ5から供給されるデータから抽出し、生成する。情報データが生成されると、ステップS18へ進む。
【0060】
ステップS18では、端末側データ送受信部313により、情報データが送信される。情報データの送信が完了するとステップS05へ進む。以下、ステップS09までの説明は、車載装置2側で実行される処理に関する。
【0061】
ステップS05では、車載側データ送受信部203により、情報データが取得される。情報データが取得されると、ステップS06へ進む。
【0062】
ステップS06では、情報データ処理部204により、メモリ206に格納されている、予め設定された表示態様に対応するテンプレートに、取得される情報データを適合させ
る処理が行われ、ステップS07では、情報がディスプレイ25に表示される(図11Bの情報表示画面参照)。図11Bに示す情報表示画面では、個別情報として、「ゴルフ用品セール情報」が表示されている。より詳細には、○○ゴルフショップのタイムセールに関する情報と共に、これに対応する画像が表示されている。アクセサリ電源がONとされることで、このような個別情報がディスプレイ25に表示されるので、ユーザは、ユーザにとって有益な情報を、エンジンを始動させる際の暖機時間を利用して得ることができる。個別情報は、携帯端末3やサーバ5に接続可能な端末6、7を通じてユーザ登録をし、ユーザの嗜好や取得したい情報を予め設定しておくことで、ユーザが興味のある情報のみを取得することができる。例えば、ゴミ出しの日、スーパーの特売日などをユーザ登録時にしておき、これらの個別情報がアクセサリ電源をONにした際に表示されるようにしてもよい。個別情報の表示が完了すると、ステップS08へ進む。
【0063】
ステップS08では、受付部205により、ユーザの指示が受け付けられる。図11Bに示す情報表示画面には、「情報消しボタン」と「詳細ボタン」が表示されている。「情報消しボタン」がタッチされると、「ゴルフ用品セール情報」が画面から消去される。一方、「詳細ボタン」がタッチされると、詳細画面に切り替わる。より詳細には、処理態様1では、「情報消しボタン」若しくは「詳細ボタン」を介してユーザの指示が受け付けられる。「情報消しボタン」がタッチされると、「ゴルフ用品セール情報」がディスプレイ25の画面から消去される。この場合、ステップS09へ進まず、処理が終了する。また、いずれのボタンにもタッチされない場合にも、一定時間経過後に「ゴルフ用品セール情報」がディスプレイ25の画面から消去され、処理が終了する。ユーザの指示が受け付けられる(本態様では、「詳細ボタン」がタッチされる)と、ステップS09へ進む。
【0064】
ステップS09では、車載側データ送受信部203により、再度、情報データが要求される。処理態様1では、「ゴルフ用品セール情報」の詳細情報に対応する情報データが要求される。ディスプレイ25には、「情報取得中」のメッセージが表示される(図11Bの詳細情報取得画面参照)。情報データの要求が行われるとステップS19へ進む。以下、ステップS21までの説明は、携帯端末3側で実行される処理に関する。なお、ステップS19から21までの処理は、上述したステップS15、17、18に対応する。
【0065】
ステップS19では、端末側データ送受信部313により、サーバ5によって提供される情報として、予めユーザによってカスタマイズされた個別情報、特に詳細情報が取得される。続いて、ステップS20では、データ変換部314により、「ゴルフ用品セール情報」に関する個別情報の詳細情報を車載装置2のディスプレイ25に表示する際、この情報が予め設定された表示態様によって表示されるように変換される。続いて、ステップS21では、端末側データ送受信部313により、情報データが送信される。情報データが送信されると、ステップS10へ進む。以下、ステップS12までの説明は、車載装置2側で実行される処理に関する。なお、ステップS10から12までの処理は、上述したステップS05から07に対応する。
【0066】
具体的には、ステップS10では、車載側データ送受信部203により、個別情報の詳細情報の情報データが取得される。続いて、ステップS11では、情報データ処理部204により、メモリ206に格納されている、予め設定された表示態様に対応するテンプレートに、取得される情報データを適合させる処理が実行され、続いてステップ11では、詳細情報がディスプレイ25に表示される(図11Bの詳細表示画面参照)。詳細情報表示画面には、個別情報の詳細情報として、セール対象となるゴルフクラブの値段及び対応する画像が表示されている。詳細情報の表示が完了すると、再度ステップS08へ進む。
【0067】
以上説明したように、第一実施形態に係る情報提供システム4において処理態様1が実行されると、アクセサリ電源がONになると、車載装置2と携帯端末3が自動的に通信を
開始し、その後車載装置2のディスプレイ25に個別情報が表示される。従って、ユーザ固有の情報である個別情報を、例えば車両1のエンジン始動させる際の暖機時間を利用して得ることができる。
【0068】
(処理態様2)
次に処理態様2について説明する。処理態様1では、アクセサリ電源がONになると自動的に個別情報が車載装置2のディスプレイ25に表示されたが、処理態様2では、車載装置2の起動後、「情報ボタン」が表示され、「情報ボタン」がタッチされることで情報の取得が開始される。つまり、ユーザの意思に基づいて情報の取得が可能となる。
【0069】
ここで、図13は、第一実施形態に係る情報提供システムで実行される処理態様2に係る処理フローを示す。また、図14A、図14B、図14Cは、処理態様2における、車載装置2のディスプレイ25の画面遷移を示す。処理態様2においても、処理態様1と同じく、車載装置2の電源がONになり、HFP接続が実行される(ステップS01、02)。HFP接続が実行されると、ステップS02−1へ進む。
【0070】
ステップS02−1では、ディスプレイ25に、「情報ボタン」が他のボタンと共に表示され(図14Aの情報取得受付画面参照。)、ユーザの指示が受け付けられる。また、ディスプレイ25には、「情報ボタン」に加えて、CDデッキを起動する「CDボタン」、DVDデッキを起動する「DVDボタン」、テレビジョン放送を視聴するための「TVボタン」、ラジオ放送を聴くための「ラジオボタン」が表示される。なお、他のボタンには、上記のほか、例えば、図4Bに示すように、「お天気ボタン」、「ガソリン価格ボタン」、「TVスポットボタン」、「ニュースボタン」を表示するようにしてもよい。「情報ボタン」を含む各ボタンが表示される画面は、オープニング画面の起動後自動的に表示されるように予め車載装置2で設定することができる。ユーザの指示が受け付けられると、換言すると「情報ボタン」がタッチされると、ステップS03へ進む。なお、「情報ボタン」を含む画面に関するデータも、携帯端末3から送信される情報データに含めてもよい。この場合、「情報ボタン」を含む画面は、後述するステップS05の処理の終了後に表示するようにしてもよい。
【0071】
ステップS03では、車載側通信制御部202により、情報データ等の受け渡しを行うためのプロファイル(例えば、SPP)を用いたSPP接続が実行される。ディスプレイ25には、「携帯端末接続中」とのメッセージが表示される(図14B通信画面参照)。SPP接続が実行されると、ステップS04へ進む。なお、携帯端末3では、車載装置2のSPP接続の実行に合わせて、ステップS12において、SPP接続が実行される。
【0072】
ステップS04では、車載側データ送受信部203により、情報データが要求される。ディスプレイ25には、「情報取得中」のメッセージが表示される(図14Bの情報取得画面参照)。なお、処理態様2では、メニュー画面(図8B参照)を表示させるための情報データが要求される。情報データの要求が行われるとステップS13へ進む。以下、ステップS18までの説明は、携帯端末3側で実行される処理に関する。
【0073】
ステップS13では、携帯端末3の端末側データ送受信部313により、メニュー画面を表示させるための情報データ要求が取得される。情報データ要求の取得が完了するとステップS15へ進む。なお、携帯端末3に予め処理するプログラムがインストールされていない場合、個別情報が表示されずにタイムアウトとなる。なお、処理態様1で説明したように、処理態様2においても、情報データ要求の取得が完了後、端末側データ送受信部313により、データの変換が可能か否か判断するようにしてもよい。
【0074】
ステップS15では、端末側データ送受信部313により、サーバ5によって提供され
る情報として、メニュー画面を表示するために必要な情報が取得される。メニュー画面を表示するために必要な情報の取得が完了するとステップS17へ進む。
【0075】
ステップS17では、データ変換部314により、メニュー画面を車載装置2のディスプレイ25に表示する際、予め設定された表示態様によって表示されるように変換する。具体的には、混合テンプレートに基づく表示態様によって、上記「ゴルフ用品セール情報」に関する個別情報を車載装置2のディスプレイ25に表示させる場合、図8Cに例示されるような情報データに必要なデータをサーバ5から供給されるデータから抽出し、図8Aに示すメニュー画面テンプレートに情報データを当てはめることでメニュー画面が表示されるように情報データを生成する。情報データが生成されると、ステップS18へ進む。
【0076】
ステップS18では、端末側データ送受信部313により、メニュー画面を表示するための情報データが送信される。メニュー画面を表示するための情報データの送信が完了するとステップS05へ進む。以下、ステップS18までの説明は、車載装置2側で実行される処理に関する。
【0077】
ステップS05では、車載側データ送受信部203により、メニュー画面を表示するための情報データが取得される。メニュー画面を表示するための情報データが取得されると、ステップS06へ進む。
【0078】
ステップS06では、情報データ処理部204により、メモリ206に格納されている、メニュー画面テンプレートに、メニュー画面を表示するための情報データを適合させる処理が行われる。そして、ステップS07では、情報としてメニュー画面がディスプレイ25に表示される(図14Cのメニュー画面参照)。メニュー画面の表示が完了すると、ステップS08へ進む。
【0079】
ステップS08では、受付部205により、ユーザの指示が受け付けられる。図14Cに示すメニュー画面には、「グルメ情報」、「観光情報」、「ドライブ情報」、「地域情報」等の各種メニューボタンが表示されており、いずれかのメニューボタンがタッチされると各メニューページへ移行する。ユーザの指示が受け付けられると、ステップS09へ進む。
【0080】
ステップS09では、車載側データ送受信部203により、再度、情報データが要求される。処理態様2では、タッチされたメニューボタンに対応する情報の情報データ(本態様では、ドライブ情報の情報データ)が要求される。ディスプレイ25には、「情報取得中」のメッセージが表示される(図14Cの情報取得画面参照)。情報データの要求が行われるとステップS19へ進む。以下、ステップS21までの説明は、携帯端末3側で実行される処理に関する。なお、ステップS19から21までの処理は、上述したステップS15、17、18に対応する。
【0081】
ステップS19では、端末側データ送受信部313により、サーバ5によって提供される情報として、ドライブ情報が取得される。続いて、ステップS20では、データ変換部314により、ドライブ情報を車載装置2のディスプレイ25に表示する際、このドライブ情報が予め設定された表示態様によって表示されるように変換される。本態様では、サーバ5から提供されるドライブ情報に関するデータが、混合テンプレートを用いて表示されるように変換される。続いて、ステップS21では、端末側データ送受信部313により、ドライブ情報に関する情報データが送信される。ドライブ情報に関する情報データが送信されると、ステップS10へ進む。以下、ステップS12までの説明は、車載装置2側で実行される処理に関する。なお、ステップS10から12までの処理は、上述したス
テップS05から07に対応する。
【0082】
ステップS10では、車載側データ送受信部203により、ドライブ情報に関する情報データが取得される。続いて、ステップS11では、情報データ処理部204により、メモリ206に格納されている、混合テンプレートに、取得されるドライブ情報に関する情報データを適合させる処理が実行される。続いて、ステップ11では、ドライブ情報がディスプレイ25に表示される(図14Cの情報表示画面参照)。図14Cの情報表示画面には、ドライブ情報として、「ジャンル:イルミネーション」、「開催地:○○市 ○○遊園地」、「詳細:○○○○・・・・」といったテキストと共に、ライトアップされた遊園地を示す画像が表示されている。ドライブ情報の表示が完了すると、再度ステップS08へ進む。そして、例えば、図14Cの情報表示画面において、テキスト領域や画像領域がタッチされると、ドライブ情報の更なる詳細情報の取得が開始される。
【0083】
以上説明したように、第一実施形態に係る情報提供システム4において処理態2が実行されると、アクセサリ電源がONになり、車載装置2と携帯端末3が自動的に通信を開始し、かつ、車載装置2のディスプレイ25には、「情報ボタン」が他のボタンと共に表示される。そして、「情報ボタン」としての「情報ボタン」がタッチされることで情報の取得が開始されるので、ユーザの意思に基づいて情報の取得が可能となる。
【0084】
[第二実施形態]
次に第二実施形態に係る情報提供システム4aについて説明する。ここで、図15は、第二実施形態に係る情報提供システム4aの概略構成を示す。第二実施形態に係る情報提供システム4aは、車両1に搭載された車載装置2aと、サーバ5が提供する情報をネットワークを通じて取得可能な携帯端末3とを備える。サーバ5は、携帯端末3の他、コンピュータからなる複数の端末6、7と接続されている。なお、第一実施形態に係る情報提供システム4と異なる点は、車載装置2aがナビゲーション機能を備えている点である。それ以外の構成は、第一実施形態に係る情報提供システム4と同じである。そこで、第一実施形態に係る情報提供システム4と同様の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略するものとする。
【0085】
(車載装置)
図16は、第二実施形態に係る車載装置2aの概略構成を示す。第二実施形態に係る車載装置2aは、第一実施形態に係る車載装置2と異なり、ナビゲーション機能を備える。具体的には、第一実施形態に係る車載装置2は、ディスク再生部21と、メモリーカード再生部22、TV受信部23と、ラジオ受信部24と、ディスプレイ25と、操作部26と、通信部27と、GPS情報受信部28と、これらと電気的に接続される制御部20aと、を有する。
【0086】
GPS情報受信部28は、GPS(Global Positioning System)情報を受信する。GPS情報受信部28は、図示せぬGPS用受信アンテナによって構成することができる。
【0087】
次に、第二実施形態に係る車載装置2aの制御部20aついて説明する。図17は、第一実施形態に係る車載装置2の機能ブロック図を示す。図17に示すように、制御部20aは、再生処理部201、車載側通信制御部202、車載側データ送受信部203、情報データ処理部204、受付部205、メモリ206、カメラ処理部207、経路探索部208を備える。なお、制御部20aは、CPU、メモリ等を含むコンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。また、制御部20aを構成する、再生処理201、車載側通信制御部202、車載側データ送受信部203、情報データ処理部204、受付部205、メモリ206、カメラ処理部207、経路探索部208は、専用のプロセッサによって構成してもよい。
【0088】
経路探索部208は、目的地に関する経度緯度情報(以下、目的地情報ともいう。)と現在地に関する経度緯度情報(以下、現在地情報ともいう。)とに基づいて経路探索を行う。現在置情報は、携帯端末3から受けてもよく車載装置2aのGPS情報受信部28から得てもよい。経路探索部208による経路探索は、既存のナビゲーション装置に用いられている経路探索プログラムによって実現することができる。
【0089】
メモリ206は、第一実施形態と同じく、車載装置2に必要な各種制御プログラムの他、予め設定された表示態様に対応するテンプレートを格納する。ここで、第二実施形態に係る車載装置2aのメモリ206に格納されるテンプレートは、第一実施形態におけるテンプレートと多少異なることから、相違点について説明する。
【0090】
ここで、図18Aは、情報を文章のみで表示する文章態様に対応する文章テンプレートであり、図18Bは、文章テンプレートに携帯端末3側で変換された情報データを当てはめた場合の表示例を示し、図18Cは、図18Aの文章テンプレートに対応する情報データを示す。また、図19Aは、情報を画像のみで表示する画像態様に対応する画像テンプレートであり、図19Bは、画像テンプレートに情報データを当てはめた場合の表示例を示し、図19Cは、図19Aの画像テンプレートに対応する情報データを示す。更に、図20Aは、情報を文章及び画像で表示する混合態様に対応する混合テンプレートであり、図20Bは、混合テンプレートに情報データを当てはめた場合の表示例を示し、図20Cは、図20Aの混合テンプレートに対応する情報データを示す。
【0091】
図18Aに示す文章テンプレートは、コンテンツ名称領域、タイトル領域、携帯端末情報領域、テキスト領域、操作ボタンA領域、操作ボタンB1領域、操作ボタンB2領域、スクロールバー表示領域といった第一実施形態と同様の領域に加えて、操作ボタンC領域を更に有する。操作ボタンC領域には、ナビゲーション機能の実行を要求するアイコンが表示される。より具体的には、操作ボタンC領域には、携帯端末3からの情報データに基づいて表示される情報の中から目的地を決定する場合において、ナビゲーション機能の実行を要求するアイコンが表示される。操作ボタンC領域に表示される「ここに行くボタン」がタッチされると、図18Bに示す表示例であれば、「○○市 ○○遊園地」への経路誘導(ナビゲーション)が開始されることになる。すなわち、第二実施形態に係る情報提供システム4aでは、車載装置2aがナビゲーション機能を有することで、携帯端末3で取得可能であるユーザにとって有益な情報を、車載装置2aのディスプレイ25に表示させるとともに、表示された情報の中から目的地を決定して、経路誘導することができる。図18に示す情報データのうち、point は、「ここへ行くボタン」がタッチされた場合に、経路誘導を実現するための地点座標に関するデータである。
【0092】
図19Aに示す画像テンプレートは、コンテンツ名称領域、タイトル領域、携帯端末情報領域、画像領域、操作ボタンA領域、操作ボタンB1領域、操作ボタンB2領域、スクロールバー表示領域といった第一実施形態と同様の領域に加えて、操作ボタンC領域を更に有する。
【0093】
図20Aに示す混合テンプレートは、コンテンツ名称領域、タイトル領域、携帯端末情報領域、テキスト領域、画像領域、操作ボタンA領域、操作ボタンB1領域、操作ボタンB2領域、スクロールバー表示領域といった第一実施形態と同様の領域に加えて、操作ボタンC領域を更に有する。なお、説明は割愛するが、第二実施形態に係る車載装置2aのメモリ206には、上述した基本となる3つのテンプレート(文章テンプレート、画像テンプレート、混合テンプレート)に加えて、タブ付きテンプレート、メニュー画面テンプレートが格納される。
【0094】
<処理フロー>
次に、第二実施形態に係る情報提供システム4aで行われる処理について図面に基づいて説明する。
【0095】
(処理態様3)
処理態様3として、アクセサリ電源ON時に、ユーザごとに予めカスタマイズされた情報(個別情報)を車載装置2aのディスプレイ25に表示させる例について説明する。なお、処理態様3は、上述した処理態様1と近い処理である。従って、以下の説明では、処理態様1と同様の処理については、説明を簡略化する。
【0096】
図21は、第二実施形態に係る情報提供システムで実行される処理態様3に係る処理フローを示す。また、図22A、図22Bは、処理態様3における、車載装置2aのディスプレイ25の画面遷移を示す。まず、車載装置2a側で実行される処理(ステップS01から04)を中心に説明する。ステップS01では、車両1のアクセサリ電源がONになる。これにより、車載装置2の電源がONになる。この時、ディスプレイ25には、オープニング画面が表示される(図22Aのオープニング画面参照)。車載装置2の電源がONになるとステップS02へ進む。
【0097】
ステップS02では、車載装置2の車載側通信制御部202により、HFP接続が実行され、ステップS03では、車載側通信制御部202により、SPP接続が実行される。なお、携帯端末3では、車載装置2のHFP接続の実行に合わせて、ステップS11において、HFP接続が実行される。端末側通信制御部311は、プロファイル(HFP)を取得してハンズフリー接続を実行する。ディスプレイ25には、「携帯端末接続中」とのメッセージが、ナビ画面の上に表示される(図22Aの通信画面参照)。「携帯端末接続中」の背景に表示されるナビ画面には、地図を縮小する「縮図ボタン」、地図を拡大する「拡大図ボタン」、ナビゲーション機能のメニュー画面に遷移する「メニューボタン」、目的地を設定するための「目的地ボタン」、周辺地図を呼び出す「周辺ボタン」、予め登録されている自宅への経路誘導を開始する「自宅ボタン」などのアイコンが表示されている。
【0098】
ステップS04では、車載側データ送受信部203により、情報データが要求される。情報データの要求に際しては、情報データの要求と共に車載装置2aを識別するための識別情報が携帯端末3に対して送信される。また、第二実施形態に係る情報提供システム4aでは、車載装置2aで取得される現在地情報(経度緯度情報)も携帯端末3に対して送信される。ディスプレイ25には、「情報取得中」のメッセージがナビ画面上に表示される(図22Aの情報取得画面参照)。「情報取得中」のメッセージは、省略、すなわち非表示としてもよい。情報データの要求が行われるとステップS13へ進む。以下、ステップS18までの説明は、携帯端末3側で実行される処理に関する。
【0099】
ステップS13では、携帯端末3の端末側データ送受信部313により、情報データ要求が取得される。また、情報データ要求が取得される際、情報データ要求と共に車載装置2の識別情報、現在地情報が取得される。この現在地情報に基づいて、サーバ5から携帯端末3に対して提供される情報が選択される。例えば、グルメ情報、観光情報、ドライブ情報、地域情報について、現在地の周辺の情報が提供されることになる。情報データ要求の取得が完了するとステップS15へ進む。なお、携帯端末3に予め処理するプログラムがインストールされていない場合、個別情報が表示されずにタイムアウトとなる。情報データ要求の取得が完了後、実施形態1と同じく、端末側データ送受信部313により、データの変換が可能か否か判断するようにしてもよい。
【0100】
ステップS15では、端末側データ送受信部313により、サーバ5によって提供され
る情報として、予めユーザによってカスタマイズされた個別情報が取得される。この提供される個別情報が位置に関係する情報である場合には、現在地が考慮された個別情報が取得される。例えば、処理態様1と同じく、個別情報として、「ゴルフ用品セール情報」が提供されるよう予めWebサイトを通じて設定した場合において、現在地周辺の「ゴルフ用品セール情報」が提供される。以下、処理態様における説明では、個別情報として、「ゴルフ用品セール情報」が提供される場合を例に説明する。個別情報の取得が完了するとステップS17へ進む。
【0101】
ステップS17では、データ変換部314により、現在地周辺の「ゴルフ用品セール情報」に関する個別情報を車載装置2のディスプレイ25に表示する際、この情報が予め設定された表示態様によって表示されるように変換される。すなわち、データ変換部314は、図20Cに例示されるような情報データと同様のデータ構成に必要なデータをサーバ5から供給されるデータから抽出し、生成する。情報データが生成されると、ステップS18へ進む。
【0102】
ステップS18では、端末側データ送受信部313により、情報データが送信される。情報データの送信が完了するとステップS05へ進む。以下、ステップS18までの説明は、車載装置2側で実行される処理に関する。
【0103】
ステップS05では、車載側データ送受信部203により、情報データが取得される。情報データが取得されると、ステップS06へ進む。ステップS06では、情報データ処理部204により、メモリ206に格納されている混合テンプレートに、取得される情報データを適合させる処理が行われ、ステップS07では、情報がディスプレイ25に表示される(図22Bの情報表示画面参照)。情報表示画面では、個別情報として、現在地周辺の「ゴルフ用品セール情報」が表示されるとともに、「ここに行くボタン」も表示されている。「ここに行くボタン」がタッチされると、○○ゴルフショップへの経路誘導が開始される(後述するステップS08−2)。アクセサリ電源がONとされることで、このような現在地周辺の個別情報がディスプレイ25に表示されるので、ユーザは、ユーザにとって有益な情報を、エンジンを始動させる際の暖機時間を利用して得ることができる。また、現在地周辺の情報であることから、ユーザの購買意欲が向上する。換言すると、宣伝効果が高まる。個別情報の表示が完了すると、ステップS08へ進む。
【0104】
ステップS08では、受付部205により、ユーザの指示が受け付けられる。続いて、ステップS08−1では、ナビ要求があるか否か判断される。具体的には、「ここへ行くボタン」がタッチされると、ステップS08−2へ進み、経路誘導が開始される。一方、「ここへ行くボタン」がタッチされない場合、ステップS09へ進む。図22Bに示す詳細情報表示画面には、「情報消しボタン」と「詳細ボタン」が表示されており、「情報消しボタン」がタッチされると、「ゴルフ用品セール情報」が画面から消去される。一方、「詳細ボタン」がタッチされると、詳細画面に切り替わる。
【0105】
ステップS09では、車載側データ送受信部203により、再度、情報データが要求される。処理態様3では、現在地周辺の「ゴルフ用品セール情報」の詳細情報に対応する情報データが要求される。ディスプレイ25には、「情報取得中」のメッセージが表示される(図22Bの詳細情報取得画面参照)。情報データの要求が行われるとステップS19へ進む。以下、ステップS21までの説明は、携帯端末3側で実行される処理に関する。なお、ステップS19から21までの処理は、上述したステップS15、17、18に対応する。
【0106】
ステップS19では、端末側データ送受信部313により、サーバ5によって提供される情報として、現在地周辺の「ゴルフ用品セール情報」に関する個別情報の詳細情報が取
得される。続いて、ステップS20では、データ変換部314により、現在地周辺の「ゴルフ用品セール情報」に関する個別情報の詳細情報を車載装置2のディスプレイ25に表示する際、この情報が予め設定された表示態様によって表示されるように変換される。続いて、ステップS21では、端末側データ送受信部313により、情報データが送信される。情報データが送信されると、ステップS10へ進む。以下、ステップS12までの説明は、車載装置2a側で実行される処理に関する。なお、ステップS10から12までの処理は、上述したステップS05から07に対応する。
【0107】
ステップS10では、車載側データ送受信部203により、個別情報の詳細情報の情報データが取得される。続いて、ステップS11では、情報データ処理部204により、メモリ206に格納されている、予め設定された表示態様に対応するテンプレートに、取得される情報データを適合させる処理が実行され、続いてステップ11では、詳細情報がディスプレイ25に表示される(図22Bの詳細情報表示画面参照)。詳細情報表示画面には、個別情報の詳細情報として、セール対象となるゴルフクラブの値段及び対応する画像が表示されている。詳細情報の表示が完了すると、ステップS12−1へ進む。
【0108】
ステップS12−1では、ユーザの指示が受け付けられる。続いて、ステップS12−2へ進み、ナビ要求があるか否か判断される。具体的には、「ここへ行くボタン」がタッチされると、ステップS08−2へ進み、経路誘導が開始される。一方、「ここへ行くボタン」がタッチされない場合、再度ステップS08へ進む。
【0109】
以上説明したように、第二実施形態に係る情報提供システム4aにおいて処理態様3が実行されると、アクセサリ電源がONになると、車載装置2aと携帯端末3が自動的に通信を開始し、その後車載装置2aのディスプレイ25に現在地を加味した個別情報が表示される。従って、よりユーザにとって有益な個別情報を、例えば車両1のエンジン始動させる際の暖機時間を利用して得ることができる。
【0110】
(処理態様4)
次に処理態様4について説明する。処理態様3では、アクセサリ電源がONになると自動的に個別情報が車載装置2aのディスプレイ25に表示されたが、処理態様4では、車載装置2aの起動後、「情報ボタン」が表示され、「情報ボタン」がタッチされることで情報の取得が開始される。つまり、ユーザの意思に基づいて情報の取得が可能となる。なお、処理態様3には、上述した処理態様2及び3と同様の処理が存在する。従って、以下の説明では、処理態様1と同様の処理については、説明を簡略化する。
【0111】
ここで、図23は、第二実施形態に係る情報提供システムで実行される処理態様4に係る処理フローを示す。また、図24A、図24B、図24Cは、処理態様4における、車載装置2aのディスプレイ25の画面遷移を示す。処理態様4においても、処理態様3と同じく、車載装置2aの電源がONになり、HFP接続が実行される(ステップS01、02)。HFP接続が実行されると、ステップS02−1へ進む。
【0112】
ステップS02−1では、ディスプレイ25のナビ画面上に、「情報ボタン」が表示され、ユーザの指示が受け付けられる(図24Aの受付画面参照)。ユーザの指示が受け付けられると、換言すると「情報ボタン」がタッチされると、ステップS03へ進む。なお、本実施形態では、ナビゲーション装置の画面上に「情報ボタン」が表示されているが、オープニング画面の起動後、例えば図4Bに示すように、「お天気ボタン」、「ガソリン価格ボタン」、「TVスポットボタン」、「ニュースボタン」を表示するようにしてもよい。このような画面表示は、オープニング画面の起動後自動的に表示されるように予め車載装置2で設定することができる。
【0113】
ステップS03では、車載側通信制御部202により、SPP接続が実行される。ディスプレイ25には、「携帯端末接続中」とのメッセージが表示される(図24B通信画面参照)。SPP接続が実行されると、ステップS04へ進む。なお、携帯端末3では、車載装置2のSPP接続の実行に合わせて、ステップS12において、SPP接続が実行される。
【0114】
ステップS04では、車載側データ送受信部203により、情報データが要求される。情報データの要求に際しては、情報データの要求と共に車載装置2aを識別するための識別情報が携帯端末3に対して送信される。また、第二実施形態に係る情報提供システム4aでは、車載装置2aで取得される現在地情報(経度緯度情報)も携帯端末3に対して送信される。ディスプレイ25には、「情報取得中」のメッセージがナビ画面上に表示される(図24Bの情報取得画面参照)。情報データの要求が行われるとステップS13へ進む。以下、ステップS18までの説明は、携帯端末3側で実行される処理に関する。
【0115】
ステップS13では、携帯端末3の端末側データ送受信部313により、メニュー画面を表示させるための情報データ要求が取得される。また、情報データ要求が取得される際、情報データ要求と共に車載装置2の識別情報、現在地情報が取得される。この現在地情報に基づいて、サーバ5から携帯端末3に対して提供される情報が選択される。例えば、グルメ情報、観光情報、ドライブ情報、地域情報について、現在地の周辺の情報が提供されることになる。情報データ要求の取得が完了するとステップS15へ進む。なお、携帯端末3に予め処理するプログラムがインストールされていない場合、個別情報が表示されずにタイムアウトとなる。処理態様4においても、情報データ要求の取得が完了後、端末側データ送受信部313により、データの変換が可能か否か判断するようにしてもよい。
【0116】
ステップS15では、端末側データ送受信部313により、サーバ5によって提供される情報として、メニュー画面を表示するために必要な情報が取得される。メニュー画面を表示するために必要な情報の取得が完了するとステップS17へ進む。
【0117】
ステップS17では、データ変換部314により、メニュー画面を車載装置2のディスプレイ25に表示する際、予め設定された表示態様によって表示されるように変換される。具体的には、メニュー画面を車載装置2aのディスプレイ25に表示させる場合、図8Cに例示されるような情報データに必要なデータをサーバ5から供給されるデータから抽出し、図8Aに示すメニュー画面テンプレートに情報データを当てはめることでメニュー画面が表示されるように情報データを生成する。情報データが生成されると、ステップS18へ進む。
【0118】
ステップS18では、端末側データ送受信部313により、メニュー画面を表示するための情報データが送信される。メニュー画面を表示するための情報データの送信が完了するとステップS05へ進む。以下、ステップS09までの説明は、車載装置2側で実行される処理に関する。
【0119】
ステップS05では、車載側データ送受信部203により、メニュー画面を表示するための情報データが取得される。メニュー画面を表示するための情報データが取得されると、ステップS06へ進む。
【0120】
ステップS06では、情報データ処理部204により、メモリ206に格納されている、メニュー画面テンプレートに、メニュー画面を表示するための情報データを適合させる処理が行われる。そして、ステップS07では、情報としてメニュー画面がディスプレイ25に表示される(図24Cのメニュー画面参照)。メニュー画面の表示が完了すると、ステップS08へ進む。
【0121】
ステップS08では、受付部205により、ユーザの指示が受け付けられる。図24Cに示すメニュー画面には、「グルメ情報」、「観光情報」、「ドライブ情報」、「地域情報」等の各種メニューボタンが表示されており、いずれかのメニューボタンがタッチされると各メニューページへ移行する。ユーザの指示が受け付けられると、ステップS09へ進む。
【0122】
ステップS09では、車載側データ送受信部203により、再度、情報データが要求される。処理態様4では、タッチされたメニューボタンに対応する情報の情報データ(本態様では、ドライブ情報の情報データ)が要求される。ディスプレイ25には、「情報取得中」のメッセージが表示される(図24Cの情報取得画面参照)。情報データの要求が行われるとステップS19へ進む。以下、ステップS21までの説明は、携帯端末3側で実行される処理に関する。なお、ステップS19から21までの処理は、上述したステップS15、17、18に対応する。
【0123】
ステップS19では、端末側データ送受信部313により、サーバ5によって提供される情報として、ドライブ情報が取得される。この時、現在地情報が加味されたドライブ情報が取得される。続いて、ステップS20では、データ変換部314により、ドライブ情報を車載装置2のディスプレイ25に表示する際、このドライブ情報が予め設定された表示態様によって表示されるように変換される。本態様では、サーバ5から提供されるドライブ情報に関するデータが、混合テンプレートを用いて表示されるように変換される。続いて、ステップS21では、端末側データ送受信部313により、ドライブ情報に関する情報データが送信される。ドライブ情報に関する情報データが送信されると、ステップS10へ進む。以下、ステップS12までの説明は、車載装置2a側で実行される処理に関する。なお、ステップS10から12までの処理は、上述したステップS05から07に対応する。
【0124】
ステップS10では、車載側データ送受信部203により、ドライブ情報に関する情報データが取得される。続いて、ステップS11では、情報データ処理部204により、メモリ206に格納されている、混合テンプレートに、取得されるドライブ情報に関する情報データを適合させる処理が実行される。続いて、ステップ12では、ドライブ情報がディスプレイ25に表示される(図24Cの情報表示画面参照)。図24Cの情報表示画面には、ドライブ情報として、「ジャンル:イルミネーション」、「開催地:○○市 ○○遊園地」、「詳細:○○○○・・・・」といったテキストと共に、ライトアップされた遊園地を示す画像が表示されている。ドライブ情報の表示が完了すると、ステップS12−1へ進む。
【0125】
ステップS12−1では、ユーザの指示が受け付けられる。続いて、ステップS12−2へ進み、ナビ要求があるか否か判断される。具体的には、「ここへ行くボタン」がタッチされると、ステップS08−2へ進み、経路誘導が開始される。一方、「ここへ行くボタン」がタッチされない場合、再度ステップS08へ進む。そして、例えば、図24Cの情報表示画面において、テキスト領域や画像領域がタッチされると、ドライブ情報の更なる詳細情報の取得が開始される。
【0126】
以上説明したように、第二実施形態に係る情報提供システム4aにおいて処理態4が実行されると、アクセサリ電源がONになると、車載装置2aと携帯端末3が自動的に通信を開始し、その後車載装置2のディスプレイ25には、情報ボタンとしての「情報」ボタンが表示される。そして、情報ボタンがタッチされることで情報の取得が開始されるので、ユーザの意思に基づいて情報の取得が可能となる。
【0127】
以上説明した、実施形態に係る情報提供システムによれば、携帯端末3と車載装置2、2aとを連携させ、情報データ処理部204が、取得された情報データを処理する。その結果、情報データに対応する情報がディスプレイ25に表示される。車載装置2、2aでは、携帯端末3側で既に変換された情報データを用いて、ディスプレイ25に表示させるので、車載装置2、2a側の表示に関する処理を従来よりも低減することができる。換言すると、携帯端末3と同様のブラウザを搭載することなく、携帯端末3で取得される情報を車載装置2、2aのディスプレイに表示することが可能となる。以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【符号の説明】
【0128】
1・・・車両
2、2a・・・車載装置
3・・・携帯端末
4・・・情報提供システム
5・・・サーバ
6、7・・・端末
20・・・制御部
21・・・ディスク再生部
22・・・メモリーカード再生部
23・・・TV受信部
24・・・ラジオ受信部
25・・・ディスプレイ
26・・・操作部
27・・・通信部
28・・・GPS情報受信部
31・・・携帯端末側制御部
201・・・再生処理部
202・・・車載側通信制御部
203・・・車載側データ送受信部
204・・・情報データ処理部
205・・・受付部
206・・・メモリ
207・・・カメラ処理部
208・・・経路探索部
311・・・端末側通信制御部
312・・・検索部
313・・・端末側データ送受信部
314・・・データ変換部
315・・・端末側メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと接続して該サーバが有する情報を取得可能な携帯端末と通信可能であると共に該携帯端末で取得される情報を表示する表示装置を有する車載装置であって、
前記サーバが有する前記情報を含むデータを取得するデータ取得部と、前記データ取得部で取得されるデータを変換するデータ変換部であって、前記サーバから提供される情報を前記車載装置に表示する際、該情報が予め設定された表示態様によって表示されるように前記データを変換するデータ変換部と、前記データ変換部で変換される情報データを前記車載装置に対して出力する情報データ出力部と、を有する前記携帯端末の情報データ出力部から出力される情報データを取得する情報データ取得部と、
前記情報データ取得部で取得される情報データを処理して、前記情報の表示態様として予め設定されている表示態様により、前記情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させる情報データ処理部と、を備える
車載装置。
【請求項2】
前記予め設定された表示態様に対応するテンプレートを記憶する記憶部を更に備え、
前記情報データ処理部は、前記情報データ取得部で取得される情報データを前記記憶部に記憶されるテンプレートに適合させて、前記情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させる、請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記情報には、前記携帯端末のユーザ毎の嗜好が反映された個別情報が含まれ、
前記車載装置の電源の投入により、前記情報データ取得部は、前記情報データの取得を開始し、前記情報データ処理部が、情報データに対応する情報としての前記個別情報を前記表示装置に表示させる、請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記携帯端末との通信を開始するための通信要求をユーザから受け付ける受付部を更に備え、
前記受付部がユーザからの通信要求を受け付けると、前記情報データ取得部は、前記情報データの取得を開始し、前記情報データ処理部が、情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させる、請求項1から3のいずれか一に記載の車載装置。
【請求項5】
前記表示態様には、前記情報を文章のみで表示する文章態様、前記情報を画像のみで表示する画像態様、前記情報を文章及び画像で表示する混合態様が含まれ、
前記文章態様、画像態様、混合態様を含む前記表示態様に対応するテンプレートを記憶する記憶部を更に備え、
前記情報データ処理部は、前記情報データ取得部で取得される情報データを前記記憶部に記憶されるテンプレートに適合させて、前記情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させる、請求項1から4のいずれか一に記載の車載装置。
【請求項6】
サーバと接続して該サーバが有する情報を取得可能であり、かつ該情報を表示する表示装置を有する車載装置と通信可能な携帯端末であって、
前記サーバが有する前記情報を含むデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部で取得されるデータを変換するデータ変換部であって、前記サーバから提供される情報を、前記情報データ出力部から出力される情報データを取得する情報データ取得部と、前記情報データ取得部で取得される情報データを処理して、前記情報の表示態様として予め設定されている表示態様により、前記情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させる情報データ処理部と、を有する前記車載装置に表示する際、該情報が予め設定された表示態様によって表示されるように前記データを変換するデータ変換部と、
前記データ変換部で変換される情報データを前記車載装置に対して出力する情報データ
出力部と、を備える
携帯端末。
【請求項7】
前記車載装置は、前記予め設定された表示態様に対応するテンプレートを記憶する記憶部を更に有し、
前記データ変換部は、前記サーバから提供される情報を前記車載装置に表示する際、該情報が、前記テンプレートに対応する表示態様によって表示されるように前記データを変換する、請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記情報には、前記携帯端末のユーザ毎の嗜好が反映された個別情報が含まれ、
前記車載装置の電源の投入により、前記情報データ取得部が、前記情報データの取得を開始し、前記情報データ処理部が、情報データに対応する情報としての前記個別情報を前記表示装置に表示させる、請求項6又は7に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記車載装置は、前記携帯端末との通信を開始するための通信要求をユーザから受け付ける受付部を更に有し、
前記受付部がユーザからの通信要求を受け付けると、前記データ変換部は、前記データを変換し、前記情報データ出力部が、前記データ変換部で変換される情報データを前記車載装置に対して出力し、情報データ取得部が、前記情報データの取得を開始し、前記情報データ処理部が、情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させる、請求項6から8のいずれか一に記載の携帯端末。
【請求項10】
前記表示態様には、前記情報を文章のみで表示する文章態様、前記情報を画像のみで表示する画像態様、前記情報を文章及び画像で表示する混合態様が含まれ、
前記車載装置は、前記文章態様、画像態様、混合態様を含む前記表示態様に対応するテンプレートを記憶する記憶部を更に有し、
前記データ変換部は、前記サーバから提供される情報を前記車載装置に表示する際、該情報が、前記テンプレートに対応する表示態様によって表示されるように前記データを変換する、請求項6から9のいずれか一に記載の携帯端末。
【請求項11】
サーバと接続して該サーバが有する情報を取得可能な携帯端末と、該携帯端末と通信可能であると共に該携帯端末で取得される情報を表示する表示装置を有する車載装置とを備える情報提供システムであって、
前記携帯端末は、
前記サーバが有する前記情報を含むデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部で取得されるデータを変換するデータ変換部であって、前記サーバから提供される情報を前記車載装置に表示する際、該情報が予め設定された表示態様によって表示されるように前記データを変換するデータ変換部と、
前記データ変換部で変換される情報データを前記車載装置に対して出力する情報データ出力部と、を有し、
前記車載装置は、
前記情報データ出力ステップで出力される情報データを取得する情報データ取得部と、
前記情報データ取得部で取得される情報データを処理して、前記情報の表示態様として予め設定されている表示態様により、前記情報データに対応する情報を前記表示装置に表示させる情報データ処理部と、を有する
情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【公開番号】特開2010−250376(P2010−250376A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96215(P2009−96215)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】