感光性フィルム、並びに永久パターン形成方法及びパターン
【課題】高感度で、表面のタック性が少なく、保護フィルムや支持体からの剥離性に優れ、現像性、保存安定性に優れ、現像後に優れた耐メッキ性、表面硬度、解像度などが得られ、高精細なパターンが形成可能な感光性フィルム、並びに該感光性フィルムを用いる永久パターン形成方法、及びパッケージ基板を含むプリント配線基板等の製造に好適なパターンを提供。
【解決手段】支持体と、該支持体上に感光性組成物からなる感光層と、該感光層上に保護フィルムと、を少なくとも有してなり、前記感光性組成物が、(A)エポキシアクリレート化合物中のヒドロキシ基及びカルボキシル基の少なくともいずれかに対し、イソシアネート化合物を反応させたノボラック型エポキシアクリレート化合物と、(B)重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)熱架橋剤と、を少なくとも含むことを特徴とする。
【解決手段】支持体と、該支持体上に感光性組成物からなる感光層と、該感光層上に保護フィルムと、を少なくとも有してなり、前記感光性組成物が、(A)エポキシアクリレート化合物中のヒドロキシ基及びカルボキシル基の少なくともいずれかに対し、イソシアネート化合物を反応させたノボラック型エポキシアクリレート化合物と、(B)重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)熱架橋剤と、を少なくとも含むことを特徴とする。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、該支持体上に感光性組成物からなる感光層と、該感光層上に保護フィルムと、を少なくとも有してなり、前記感光性組成物が、(A)エポキシアクリレート化合物中のヒドロキシ基及びカルボキシル基の少なくともいずれかに対し、イソシアネート化合物を反応させたノボラック型エポキシアクリレート化合物を少なくとも含むバインダーと、(B)重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)熱架橋剤と、を少なくとも含むことを特徴とする感光性フィルム。
【請求項2】
ノボラック型エポキシアクリレート化合物が、o−又はp−クレゾールとホルムアルデヒド、フェノールとホルムアルデヒド、フェノールとp−ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトールとホルムアルデヒド、から選択される、少なくとも一種のノボラック樹脂骨格である請求項1に記載の感光性フィルム。
【請求項3】
イソシアネート化合物が、分子中に1つのイソシアネート基を有する化合物である請求項1から2のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項4】
(A)バインダーの酸価が、30〜150mgKOH/gである請求項1から3のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項5】
支持体を引っ張り速度160cm/分で引き剥がした際における感光層と支持体との剥離力が、支持体4.5cm長当たり500g以下である請求項1から4のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項6】
感光層と支持体との剥離力が、支持体4.5cm長当たり1〜300gである請求項5に記載の感光性フィルム。
【請求項7】
感光層と支持体との剥離力が、支持体4.5cm長当たり1〜10gである請求項6から6のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項8】
(C)光重合開始剤が、ハロゲン化炭化水素誘導体、ホスフィンオキシド、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、及びメタロセン類から選択される少なくとも1種を含む請求項1から7のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項9】
(D)熱架橋剤が、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、及びメラミン誘導体から選択される少なくとも1種である請求項1から8のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項10】
(D)熱架橋剤が、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物である請求項9に記載の感光性フィルム。
【請求項11】
感光性組成物が、増感剤を含む請求項1から10のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項12】
増感剤が、縮環系化合物、並びに、少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物から選択される少なくとも1種である請求項11に記載の感光性フィルム。
【請求項13】
感光層に対し、露光し現像する場合に、前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、100mJ/cm2以下である請求項1から12のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の感光性フィルムにおける感光層に対し、
光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光し、現像することを特徴とする永久パターン形成方法。
【請求項15】
感光層の形成が、支持体と該支持体上に感光性組成物が積層されてなる感光層とを有する感光性フィルムを、加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において基材の表面に積層することにより行われる請求項14に記載の永久パターン形成方法。
【請求項16】
感光層に対し、露光し現像する場合に、前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、100mJ/cm2以下である請求項14から15のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項17】
露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項14から16のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項18】
露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項17に記載の永久パターン形成方法。
【請求項19】
設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される請求項14から18のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項20】
使用描素部指定手段が、
描素部により生成されて被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
を備える請求項14から19のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項21】
パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する変換手段を有する請求項14から20のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項22】
現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う請求項14から21のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項23】
保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する請求項14から22のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項24】
請求項14から23のいずれかに記載のパターン形成方法により形成されることを特徴とするパターン。
【請求項25】
保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかである請求項24に記載のパターン。
【請求項1】
支持体と、該支持体上に感光性組成物からなる感光層と、該感光層上に保護フィルムと、を少なくとも有してなり、前記感光性組成物が、(A)エポキシアクリレート化合物中のヒドロキシ基及びカルボキシル基の少なくともいずれかに対し、イソシアネート化合物を反応させたノボラック型エポキシアクリレート化合物を少なくとも含むバインダーと、(B)重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)熱架橋剤と、を少なくとも含むことを特徴とする感光性フィルム。
【請求項2】
ノボラック型エポキシアクリレート化合物が、o−又はp−クレゾールとホルムアルデヒド、フェノールとホルムアルデヒド、フェノールとp−ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトールとホルムアルデヒド、から選択される、少なくとも一種のノボラック樹脂骨格である請求項1に記載の感光性フィルム。
【請求項3】
イソシアネート化合物が、分子中に1つのイソシアネート基を有する化合物である請求項1から2のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項4】
(A)バインダーの酸価が、30〜150mgKOH/gである請求項1から3のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項5】
支持体を引っ張り速度160cm/分で引き剥がした際における感光層と支持体との剥離力が、支持体4.5cm長当たり500g以下である請求項1から4のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項6】
感光層と支持体との剥離力が、支持体4.5cm長当たり1〜300gである請求項5に記載の感光性フィルム。
【請求項7】
感光層と支持体との剥離力が、支持体4.5cm長当たり1〜10gである請求項6から6のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項8】
(C)光重合開始剤が、ハロゲン化炭化水素誘導体、ホスフィンオキシド、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、及びメタロセン類から選択される少なくとも1種を含む請求項1から7のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項9】
(D)熱架橋剤が、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、及びメラミン誘導体から選択される少なくとも1種である請求項1から8のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項10】
(D)熱架橋剤が、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物である請求項9に記載の感光性フィルム。
【請求項11】
感光性組成物が、増感剤を含む請求項1から10のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項12】
増感剤が、縮環系化合物、並びに、少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物から選択される少なくとも1種である請求項11に記載の感光性フィルム。
【請求項13】
感光層に対し、露光し現像する場合に、前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、100mJ/cm2以下である請求項1から12のいずれかに記載の感光性フィルム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の感光性フィルムにおける感光層に対し、
光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光し、現像することを特徴とする永久パターン形成方法。
【請求項15】
感光層の形成が、支持体と該支持体上に感光性組成物が積層されてなる感光層とを有する感光性フィルムを、加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において基材の表面に積層することにより行われる請求項14に記載の永久パターン形成方法。
【請求項16】
感光層に対し、露光し現像する場合に、前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、100mJ/cm2以下である請求項14から15のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項17】
露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項14から16のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項18】
露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項17に記載の永久パターン形成方法。
【請求項19】
設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される請求項14から18のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項20】
使用描素部指定手段が、
描素部により生成されて被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
を備える請求項14から19のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項21】
パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する変換手段を有する請求項14から20のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項22】
現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う請求項14から21のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項23】
保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する請求項14から22のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
【請求項24】
請求項14から23のいずれかに記載のパターン形成方法により形成されることを特徴とするパターン。
【請求項25】
保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかである請求項24に記載のパターン。
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図32】
【図33】
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図31A】
【図31B】
【図34A】
【図34B】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図32】
【図33】
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図31A】
【図31B】
【図34A】
【図34B】
【公開番号】特開2007−93793(P2007−93793A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280622(P2005−280622)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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