説明

成膜方法

【課題】膜質の良い絶縁膜を成膜する。
【解決手段】本発明の成膜装置1は電離装置25を有している。電離装置25は反応ガスの経路の途中に設けられており、反応ガスは経路を流れる途中で電離装置25で電離され、成膜室2内部に電離された反応ガスが導入される。電離された反応ガスを成膜室2内部に導入しながら、ターゲット6をスパッタリングすれば、スパッタ粒子と反応ガスとが反応して、基板11表面に反応物の膜が形成される。反応ガスを電離してからスパッタを行うと、反応ガスを電離させない場合に比べて、成膜速度が速く、かつ、膜質の良い膜が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成膜装置及び成膜方法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、SiNX膜や、SiOX膜等の絶縁膜は半導体素子や有機EL素子等の電気デバイスに広く用いられている。このような絶縁膜の成膜方法としては、成膜室内で原料ガス(例えばシランとアンモニア、又はシランと酸素)のプラズマを発生させ、該成膜室内部に配置された処理対象物の表面に原料ガスの反応物の膜を形成するプラズマCVD法が広く用いられている。
【0003】
プラズマCVD法によれば、基板に対する密着性が高い優れた絶縁膜が得られるが、成膜中に基板が高エネルギーのプラズマや電子に晒されるため、処理対象物がダメージを受けるという問題がある。更に、プラズマCVD法には、均一なプラズマを発生させるための制御が複雑であるという問題もあった。
【0004】
成膜室内部に反応ガスを供給しながらターゲットをスパッタし、反応ガスとターゲット材料との反応物の膜を形成する反応性スパッタ法によれば、プラズマCVD法に比べて処理対象物のダメージが少なく、また成膜に複雑な制御も要しない。しかしながら、反応性スパッタ法では、反応物中の反応ガスとターゲット材料の割合を制御することが困難であった。
【0005】
また、反応性スパッタ法で、水分や酸素を遮蔽する阻止能力が高い絶縁膜を形成しようとすると、成膜した膜の応力が大きくなり、絶縁膜が基板から剥がれ易い。従って、従来は反応性スパッタ法で、阻止能力が高く、かつ、基板から剥がれ難い膜を得ることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−69635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を解決するために創造されたものであり、その目的は膜質の良い絶縁膜を簡易な方法で形成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、成膜室内部にスパッタガスと反応ガスを供給しながら、前記成膜室内部に配置されたターゲットをスパッタリングし、前記ターゲットの構成材料と、前記反応ガスの反応物を有する薄膜を形成する成膜装置であって、前記反応ガスを電離させた後前記成膜室内部に導入し、前記ターゲットの構成材料としてSiを主成分とするSi材料を用い、前記反応ガスとしてN2とNH3のいずれか一方又は両方を用いる成膜方法である。
請求項2記載の発明は、前記反応ガスに、添加ガスとして化学構造中にH(水素原子)を含むガスを添加する請求項1記載の成膜方法である。
請求項3記載の発明は、前記H(水素原子)を含むガスはH2とH2Oのいずれか一方又は両方を含有する請求項2記載の成膜方法である。
請求項4記載の発明は、予め前記反応ガスにキャリアガスを添加しておき、前記反応ガスを前記キャリアガスで希釈した状態で電離させる請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の成膜方法である。
請求項5記載の発明は、前記ターゲットは、前記成膜室内部に複数個配置され、各前記ターゲットの表面は、所定の角度をもって、互いに向かい合って離間され、電離された前記反応ガスは、前記ターゲットの間から前記プラズマ内に導入されるように構成された請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の成膜方法である。
請求項記載の発明は、成膜室と、前記成膜室内に配置されたターゲットと、前記成膜室外部に位置し、前記成膜室内部に反応ガスを供給する供給源とを有し、前記成膜室の内部にスパッタガスと、前記反応ガスとを導入し、前記ターゲットをスパッタリングすると、前記ターゲットの構成材料と、前記反応ガスとの反応物の膜が成膜される成膜装置であって、前記供給源から前記成膜室に前記反応ガスが供給される経路の途中には、電離装置が設けられ、前記電離装置は前記経路を流れる前記反応ガスを電離するように構成された成膜装置である。
請求項記載の発明は、請求項記載の成膜装置であって、前記電離装置はマイクロ波を放出する磁電管を有し、前記磁電管が放出する前記マイクロ波が前記経路を流れる前記反応ガスに照射されるように構成された成膜装置である。
請求項記載の発明は、請求項記載の成膜装置であって、前記電離装置はコイルを有し、前記コイルに通電すると、磁界を発生させると、前記反応ガスが前記磁界内を流れるように構成された成膜装置である。
請求項記載の発明は、成膜室内部にスパッタガスと反応ガスを供給しながら、前記成膜室内部に配置されたターゲットをスパッタリングし、前記ターゲットの構成材料と、前記反応ガスの反応物を有する薄膜を形成する成膜方法であって、前記反応ガスを電離させた後前記成膜室内部に導入する成膜方法である。
請求項10記載の発明は、請求項記載の成膜方法であって、前記ターゲットの構成材料としてSiを主成分とするSi材料を用い、前記反応ガスとしてN2とNH3のいずれか一方又は両方を用いる成膜方法である。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の成膜方法であって、前記反応ガスに、添加ガスとして化学構造中にHを含むガスを添加する成膜方法である。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の成膜方法であって、前記Hを含むガスはH2とH2Oのいずれか一方又は両方を含有する成膜方法である。
請求項13記載の発明は、請求項乃至請求項12のいずれか1項記載の成膜方法であって、予め前記反応ガスにキャリアガスを添加しておき、前記反応ガスをキャリアガスで希釈した状態で電離させる成膜方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、阻止能力が高く、基板から剥がれ難い膜が得られる。反応ガスの電離は成膜室の外部で行われるため、反応ガスを電離させる時に基板がダメージを受けないだけではなく、反応ガスの電離状態の制御も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の成膜装置の一例を示す断面図
【図2】電離装置の一例を示す断面図
【図3】電離装置の他の例を示す側面図
【図4】原子濃度とスパッタ時間との関係を示すグラフ
【図5】応力と成膜圧力との関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1の符号1は本発明の成膜装置を示している。成膜室2の内部には1又は複数枚のターゲット6が配置されている。
ここでは、ターゲット6の枚数は2枚であって、各ターゲット6は表面が所定角度をあけて、互いに向かい合って離間して配置されている。
【0012】
成膜室2には真空排気系9と、スパッタガス供給系8が接続されており、真空排気系9で成膜室2内部を真空排気し、成膜室2内部にスパッタガス供給系8からスパッタガスを供給し、不図示の電源から各ターゲット6に電圧を印加すると、ターゲット6とターゲット6の間の空間にプラズマが生成され、各ターゲット6がスパッタされる。
【0013】
この成膜装置1では、成膜室2の外部に反応ガスの供給源21が配置されており、供給源21は供給管24によって、成膜室2に接続されており、供給源21のバルブを開けると、反応ガスが供給管24の内部空間である経路を流れ、供給管24の先端の導入口から成膜室2内部に供給される。
【0014】
ここでは、導入口はターゲット6とターゲット6の間に位置しており、上記プラズマが形成された状態では、反応ガスはプラズマに向かって噴出される。供給源21と導入口との間には電離装置25が設けられている。
【0015】
図2は電離装置25が設けられた部分を示す拡大断面図であり、電離装置25は磁電管26を有している。供給管24の一部又は全部は電離室22で取り囲まれており、磁電管26は電離室22に設けられている。
【0016】
磁電管26は、少なくとも一部が電離室22内部に突き出された導波管27と、導波管27の内部に配置された電極28とを有しており、不図示の電源から電極28に通電すると、波長0.3cm以上30cm、周波数1GHz以上100GHz以下の電磁波(マイクロ波)が発生し、そのマイクロ波は導波管27を伝わって電離室22の内部に放射され、供給管24の電離室22で取り囲まれた部分に入射する。
【0017】
供給管24の電離室22に取り囲まれた部分の少なくとも一部は、電磁波が通過する材料(例えば石英ガラス)で構成されており、マイクロ波は経路を流れる反応ガスに照射され、反応ガスの一部又は全部が電離される。電離されたガスは電離されていないガスと共に経路を流れ、上記プラズマ内に導入され、スパッタ粒子と反応し、反応物が得られる。
【0018】
成膜室2には搬出入室3が接続されている。図1の符号11は、搬出入室3から搬入された基板を示しており、生成された反応物は基板11表面に付着し、反応物の薄膜が形成される。ここでは、ターゲット6の構成材料はSiを主成分とし、反応ガスはN2ガスを主成分としており、基板11の表面にはSiNXの薄膜が形成される。
【0019】
ここでは、基板11はキャリア18に乗せられ、成膜後の基板11はキャリア18に乗せられた状態で搬出入室3に取り出される。尚、プラズマが形成される空間と、基板11との間に遮蔽板16を配置しておき、該遮蔽板16によって所望の入射角度を持つ反応物だけを基板11に到達させれば、基板11表面に成長する反応物の結晶性を制御することができる。
【0020】
以上は、マイクロ波によって反応ガスを電離させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図3の符号35は本発明に用いる電離装置の他の例を示している。電離装置35はコイル37を有しており、コイル37は供給管34の一部又は全部に巻き回されている。
【0021】
供給管34のコイル37が巻き回された部分の全部又は一部は、磁力線が通過する材料(例えば石英ガラス)で構成されている。コイル37は不図示の電源に接続されており、その電源からコイル37に交流電圧を印加すると供給管34内部の経路に交番磁界が発生する。従って、供給管34の内部を流れる反応ガスは、磁界の内部を通り、その際に反応ガスの一部又は全部が磁界によって電離され、上記プラズマ内に導入される。
【0022】
尚、コイル37の配置方法は特に限定されるものではなく、例えばコイル37を供給管34に巻き回さずに、供給管34の側壁に取り付けてもよいし、コイル37を供給管34の内部に配置してもよい。
【0023】
以上は、N2ガスを単独で経路23内に流す場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばN2ガスと一緒に、スパッタ粒子や反応ガスに対して不活性なキャリアガスを経路23内に流し、N2ガスをキャリアガスで希釈した状態で電離させてから、成膜室2内に導入してもよい。
【0024】
また、反応ガスは化学構造中に窒素を有するものであればN2ガスに限定されず、例えばNH3ガスを用いることができる。
NH3ガスはN2ガスに比べて沸点が低いので、NH3ガスを単独で流すと経路23の途中でNH3が液化することがある。従って、NH3ガスを反応ガスとして用いる場合には、NH3ガスをキャリアガスで希釈して経路23内を流せば、NH3の液化が防止される。
【0025】
2ガスとNH3ガスの両方を電離させて成膜室2に導入すると、NH3の水素によって、成膜した膜の応力が緩和されるので、N2ガスを単独で反応ガスに用いた時に比べて窒化ケイ素膜は基板11から剥がれ難くなる。N2ガスとNH3ガスの両方を電離させる時にも、N2ガスとNH3ガスをキャリアガスで希釈した状態で、電離させることができる。N2ガスとNH3ガスは同じ電離装置25で一緒に電離させてもよいし、異なる電離装置で別々に電離させてもよい。
【0026】
2ガス等、水素を含まないガスを反応ガスに用いる時には、H2やH2O等、化学構造中に窒素を含有せず、水素を含有する添加ガスを反応ガスに添加すれば、添加ガスの水素によって、成膜した膜の応力が緩和される。添加ガスは反応ガスと一緒に電離してから成膜室2内部に導入してもよいし、反応ガスとは別に電離してから成膜室2内部に導入してもよい。
【0027】
要するに、本発明は反応ガスだけを電離させて成膜室2に導入してもよいし、電離された反応ガスを成膜室2に導入する時に、添加ガスとキャリアガスのいずれか一方又は両方を電離させてから同じ成膜室2に導入してもよいのである。
【0028】
上記キャリアガスの種類は特に限定されないが、スパッタガスと同じ種類の不活性ガスを用いることが可能であり、例えば、Arガス、Neガス、Krガス、Xeガス等の希ガスを用いることができる。これらのガスは1種類を単独でスパッタガスやキャリアガスに用いてもよいし、2種類以上を混合してスパッタガスやキャリアガスに用いてもよい。また、スパッタガスとキャリアガスには、同じ種類のガスを用いてもよいし、異なる種類のガスを用いてもよい。
【0029】
以上は、窒化ケイ素膜を成膜する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばターゲット6に構成材料がSiを主成分とするものを用い、反応ガスとして、O2、O3、H2Oのように化学構造中に酸素を有するものを用いて、酸化ケイ素膜(SiOX)の膜を成膜することもできる。
【0030】
更に、反応ガスの種類や、反応ガスの濃度を成膜中に変えて、原子濃度分布や結晶性が、膜の厚み方向で異なる膜を得ることもできる。
本発明に用いることのできる基板11の種類も特に限定されるものではなく、本発明の成膜装置1を用いれば、シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板等種々のものに成膜処理を施すことができる。
【0031】
本発明の成膜装置及び成膜方法は、例えばガス透過防止用や各種光学部品の耐候性向上のための絶縁膜の形成に用いられるものであり、具体的には有機EL素子、FPD(Flat Panel Display)、フレキシブル配線板、半導体素子等の電気デバイスの絶縁膜の形成に用いることができる。
【実施例】
【0032】
上記図1に示した成膜装置1を用い、ターゲット6の構成材料がシリコン、スパッタガスがArガス(流量140sccm)、反応ガスがN2ガス(流量20sccm)とNH3ガス(流量20sccm)、ターゲット6の大きさが縦135mm×横460mm、ターゲット6表面の基板11表面に対する角度が45°、ターゲット6が接続された電源がAC電源(40KHz)、マイクロ波の出力が400W、成膜雰囲気の圧力が0.67Paの条件で、電離した反応ガスを成膜室2に供給しながらスパッタを行い、直径5インチのシリコン基板11の表面に実施例の窒化ケイ素膜を成膜した。
【0033】
マイクロ波を放出せずに反応ガスを成膜室2に供給しながらスパッタを行った以外は、上記条件で比較例の窒化ケイ素膜の成膜を行った。この時の成膜速度は、36Å/分(3.6nm/分)であった。これに対し、上記実施例の窒化ケイ素膜の成膜速度は55Å/分(5.5nm/分)であり、電離した反応ガスをスパッタ時に供給すれば、成膜速度が速くなり、生産性が向上することがわかる。
【0034】
<応力>
上記実施例の窒化ケイ素膜と、比較例の窒化ケイ素膜について、ストレス(応力)を測定したところ、実施例は応力が−500MPaであったのに対し、比較例は−1250MPaであり、実施例は比較例よりも応力が絶対値が小さく、基板11からはがれ難いことがわかる。
【0035】
<屈折率>
実施例の窒化ケイ素膜の屈折率を測定したところ、屈折率は2.1〜1.95であった。この値は窒化ケイ素の屈折率と一致しており、実施例では窒化ケイ素膜が形成されていることが確認された。これに対し、比較例の窒化ケイ素膜の屈折率は1.9〜2.0であり、比較例の窒化ケイ素膜は完全な窒化ケイ素膜ではないことが分かる。
【0036】
<透過率>
実施例と比較例の窒化ケイ素膜(共に膜厚1200Å)の、波長550nmの光の透過率を測定したところ、実施例は透過率が98%であったのに対し、比較例は透過率が92%であり、実施例の窒化ケイ素膜は透過率が高いことがわかる。
【0037】
有機EL素子のような光学部品では、保護膜と基板との界面で光の散乱が起こらず、かつ、光の透過率の高い絶縁膜が望まれるので、実施例の窒化ケイ素膜は光学部品に適した絶縁膜であることがわかる。
【0038】
<原子濃度>
実施例の窒化ケイ素膜について、オージェ電子分光法で原子濃度を測定した。その測定結果を図4に示す。図4の縦軸は原子濃度(%)を示し、横軸は窒化ケイ素膜表面をエッチングするのに要したスパッタ時間(分)、即ち膜の深さを示している。図4から明らかなように、NとSiの原子濃度は一定であり、実施例の窒化ケイ素膜はNとSiの膜厚方向の分布が均一であることを示す。
【0039】
尚、スパッタ時間が25分を超えると、Siの原子濃度が上昇し、逆にNの原子濃度が減少するが、これは窒化ケイ素膜がエッチング除去され、シリコン基板11が露出したことを示している。
【0040】
<成膜圧力>
スパッタ時の成膜雰囲気の圧力を変化させた以外は、上記実施例と同じ条件で窒化ケイ素膜を複数成膜した。更に、スパッタ時の成膜雰囲気の圧力を変化させた以上は、上記比較例と同じ条件で窒化ケイ素膜を成膜した。得られた各窒化ケイ素膜について応力(単位MPa)を測定した。その結果を図5に示す。
【0041】
図5の横軸は成膜雰囲気の圧力を示し、縦軸は応力を示している。尚、縦軸のゼロよりも大きい値(+)は引張応力を、ゼロよりも小さい値(−)は圧縮応力を示している。
【0042】
同図の符号Eはスパッタ時に電離された反応ガスを供給した場合を、符号Cはスパッタ時に電離されていない反応ガスを供給した場合を示している。電離された反応ガスを供給して成膜を行った時の方が、電離されていない反応ガスを供給した時に比べて、応力の絶対値が小さくなっている。
【0043】
応力の絶対値が小さい方が、窒化ケイ素膜と基板11との界面にかかる力が小さく、窒化ケイ素膜が基板11から剥離され難いので、本発明により成膜された窒化ケイ素膜は基板11から剥がれ難いことがわかる。
【符号の説明】
【0044】
1……成膜装置 2……成膜室 6……ターゲット 11……基板 21……供給源 23……経路 24……供給管 25、35……電離装置 26……磁電管 37……コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜室内部にスパッタガスと反応ガスを供給しながら、前記成膜室内部に配置されたターゲットをスパッタリングし、前記ターゲットの構成材料と、前記反応ガスの反応物を有する薄膜を形成する成膜装置であって、
前記反応ガスを電離させた後前記成膜室内部に導入し、
前記ターゲットの構成材料としてSiを主成分とするSi材料を用い、
前記反応ガスとしてN2とNH3のいずれか一方又は両方を用いる成膜方法。
【請求項2】
前記反応ガスに、添加ガスとして化学構造中にH(水素原子)を含むガスを添加する請求項1記載の成膜方法。
【請求項3】
前記H(水素原子)を含むガスはH2とH2Oのいずれか一方又は両方を含有する請求項2記載の成膜方法。
【請求項4】
予め前記反応ガスにキャリアガスを添加しておき、前記反応ガスを前記キャリアガスで希釈した状態で電離させる請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の成膜方法。
【請求項5】
前記ターゲットは、前記成膜室内部に複数個配置され、各前記ターゲットの表面は、所定の角度をもって、互いに向かい合って離間され、
電離された前記反応ガスは、前記ターゲットの間から前記プラズマ内に導入されるように構成された請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の成膜方法。
【請求項6】
成膜室と、前記成膜室内に配置されたターゲットと、前記成膜室外部に位置し、前記成膜室内部に反応ガスを供給する供給源とを有し、
前記成膜室の内部にスパッタガスと、前記反応ガスとを導入し、前記ターゲットをスパッタリングすると、前記ターゲットの構成材料と、前記反応ガスとの反応物の膜が成膜される成膜装置であって、
前記供給源から前記成膜室に前記反応ガスが供給される経路の途中には、電離装置が設けられ、
前記電離装置は前記経路を流れる前記反応ガスを電離するように構成された成膜装置。
【請求項7】
前記電離装置はマイクロ波を放出する磁電管を有し、
前記磁電管が放出する前記マイクロ波が前記経路を流れる前記反応ガスに照射されるように構成された請求項記載の成膜装置。
【請求項8】
前記電離装置はコイルを有し、
前記コイルに通電すると、磁界を発生させると、前記反応ガスが前記磁界内を流れるように構成された請求項記載の成膜装置。
【請求項9】
成膜室内部にスパッタガスと反応ガスを供給しながら、前記成膜室内部に配置されたターゲットをスパッタリングし、前記ターゲットの構成材料と、前記反応ガスの反応物を有する薄膜を形成する成膜方法であって、
前記反応ガスを電離させた後前記成膜室内部に導入する成膜方法。
【請求項10】
前記ターゲットの構成材料としてSiを主成分とするSi材料を用い、
前記反応ガスとしてN2とNH3のいずれか一方又は両方を用いる請求項記載の成膜方法。
【請求項11】
前記反応ガスに、添加ガスとして化学構造中にHを含むガスを添加する請求項10記載の成膜方法。
【請求項12】
前記Hを含むガスはH2とH2Oのいずれか一方又は両方を含有する請求項11記載の成膜方法。
【請求項13】
予め前記反応ガスにキャリアガスを添加しておき、前記反応ガスを前記キャリアガスで希釈した状態で電離させる請求項乃至請求項12のいずれか1項記載の成膜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−249847(P2011−249847A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188435(P2011−188435)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【分割の表示】特願2006−149824(P2006−149824)の分割
【原出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】