説明

放出特性改良医薬組成物およびその製造方法

【課題】本発明は、活性薬剤を徐放でき、より簡単に安いコストで製造できる放出特性改良組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、新規な放出特性改良医薬組成物で、少なくともひとつの活性薬剤またはその製薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、若しくはその誘導体と、少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子を含み、該高分子の少なくとも1つが親水性である高分子系であって、該高分子系の分量が該組成物の約80%w/w未満である高分子系と、任意の他の製薬学的に許容される賦形剤とを含み、長時間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する医薬組成物に関する。また、本発明は、該組成物の製造方法および該組成物の使用方法について記載する。該組成物を適切な製剤形態へと製剤化することにより、長時間にわたって活性薬剤を治療効果のある濃度で提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な放出特性改良医薬組成物で、少なくともひとつの活性薬剤またはその製薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、若しくはその誘導体と、少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子を含み、該高分子の少なくとも1つが親水性である高分子系であって、該高分子系の分量が該組成物の約80%w/w未満である高分子系と、任意の他の製薬学的に許容される賦形剤とを含み、長時間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する医薬組成物に関する。また、本発明は、該組成物の製造方法および該組成物の使用方法について記載する。放出制御組成物は、長時間にわたって該活性薬剤を治療効果のある水準で供給することに有用である。
【背景技術】
【0002】
従来方式により製剤化された製剤を大量に投与することにより、長い時間にわたって治療のための血漿濃度の下限以上に薬物濃度を維持することができるが、この方法では薬物の高い血漿濃度のために毒性作用を生む恐れがある。あるいは、別の方法として一定時間間隔で薬を投与する方法があるが、薬物濃度が揺れ動く、いわゆるピークアンドバレー効果(peak and valley effect)をもたらす。一般的に、この方法は いくつかの潜在的な問題と関連している。例えば、大きなピーク効果(毒性作用)およびバレー効果(不活性な薬物濃度)や、患者の薬剤服用が遵守されずに薬物治療が非効率または作用しないといったことである。このような課題を克服するため、長時間にわたって持続的にまたは制御の下、薬物を放出する目的で放出特性の改良された医薬組成物が製剤化されている。
【0003】
スタチンとして知られている薬物の多くは、血清LDLコレステロール濃度を減少させることが知られている。高いLDLコレステロール濃度は、動脈硬化や虚血性心疾患に発展する重大な危険因子であることが知られている。スタチンは用量依存的に血清LDLコレステロール濃度を下げることが見出されている。さらに、これらの薬物は、心臓疾患のもう一つの危険因子である血清グリセリド濃度を下げる。スタチンは、コレステロール生合成に含まれる酵素、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムA還元酵素(HMG CoA還元酵素)を競合的に阻害するにより血清LDLコレステロール濃度を下げる。スタチンが酵素の活性サイトに強く結合することにより、コレステロール生合成で必要とされる工程であるHMG CoAの還元が阻害される。このスタチンによるコレステロール生合成の阻害により、LDLコレステロールの生成および分泌が減少する。さらに、特に肝臓中でのLDLレセプターのアップレギュレーションにより血清からLDLが取り除かれる。したがって、LDLコレステロールの生成が減少し、それによりLDLが血清から除去されることにより、スタチンが全体的な血清LDLコレステロール濃度を効果的に減少させている。
【0004】
アトルバスタチンおよびシンバスタチンはコレステロール降下薬である。アトルバスタチンは、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムAを、コレステロールを含むステロールの前駆体であるメバロン酸へと変換する律速酵素であるHMG−CoA還元酵素の選択的、競合的な阻害剤である。シンバスタチンは、ロバスタンチンのプロドラッグ誘導体である。シンバスタチンは吸収後、ラクトン環のすばやい酵素加水分解を受け、主代謝物であるシンバスタチン−β−ヒドロキシ酸を形成する。この主代謝物は、ヒドロキシメチルグルタル酸からメバロン酸への変換に触媒作用を及ぼすHMG CoA還元酵素の有力で、可逆的、かつ競合的な阻害剤として作用する。この変換は、コレステロール生合成における初期の律速工程である。シンバスチタンは、肝臓によるコレステロールの生成を阻害し、血中LDLコレステロール濃度と同様に全体として血中コレステロールを下げる。タクロリムスは、streptomyces tsukubaensisによって生成されるマクロライド系免疫抑制剤である。正確な作用機構は知られていないが、タクロリムスはT−リンパ球活性化を阻害する。クエチアピンは、ジベンゾチアゼピン誘導体の化学的分類に属する向精神薬である。それは、脳内の複数の神経伝達物質受容体、例えば、セロトニン5HT1A受容体、および5HT受容体、ドーパミンD受容体およびD受容体、ヒスタミンH受容体、およびアドレナリンα受容体およびα受容体、などの拮抗剤である。オキシカルバゼピンは抗てんかん薬であり、主としてオキシカルバゼピンの10−モノヒドロキシメバロン酸(MHD)を通して薬理活性を発揮する。レベチラセタムは、てんかんを持つ大人および4歳以上の子供の部分発作に対する治療法において、補助療法として知られている抗てんかん薬である。トルテロジンは、競合的なムスカリン受容体アンタゴニストで、切迫性尿失禁、尿意逼迫、および頻尿の症状を伴った過活動膀胱の治療法として知られている。ファムシクロビルは、抗ウイルス剤ペンシクロビルの経口投与用プロドラッグである。ファムシクロビルは、速い生体内変化により活性抗ウイルス化合物ペンシクロビルとなり、これは単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)および2型(HSV−2)および水疱瘡ウイルスに対して阻害活性を有する。
【0005】
従来、種々の薬物を含んだ放出特性改良/放出制御製剤を開発するために様々な試みがなされてきた。そのような放出特性改良/放出制御組成物は、1日2回または1日3回の投薬形態と比較して一般的に1日1回投与するだけなので、従来の組成物と比べてより良い患者への薬剤服用順守を提供する。
【0006】
US特許No.4,444,784では、有効なHGM−CoA還元酵素阻害剤であるシンバスタチンとして知られている高コレステロール症用薬が記述されている。シンバスタチンは、Merck&Company社によって商標ZOCOR(登録商標)として米国でも他の国でも市販されている。US特許No.5,916,595では、放出制御製剤が記載されている。この製剤は、ヒドロキシ置換ナフタレン化合物のアルキルエステル、製薬学的に許容される水膨潤性高分子、および浸透剤を含む圧縮錠剤の中心部と、浸透性の中心部を完全に被覆し、pH感受性のコーティング剤、チャネリング剤、および重量比0.1:1から0.75:1で使用される水不溶性のセルロール高分子、かつ重量で0.5〜5%の総被覆重量の被覆外層とを含む。
【0007】
US特許No.5,007,790、US特許No.5,582,837およびUS特許No.5,972,389では、経口投与用の徐放性製剤が記載されている。この製剤は、長時間にわたって胃および消化管へと薬理学的に活性な薬剤を運搬するように設計されている。前述の特許で述べられている製剤は、親水性の水膨潤性高分子の粒子とその中に分散している薬物とからなる。薬物が分散している高分子粒子は水を吸収して膨潤し、胃での滞留を促進すると共に、粒子中に含まれている薬物が溶解し、粒子外へと分散する。また、高分子粒子は物理的な侵食または分解により薬物を放出する。
【0008】
PCT公報WO03035041およびWO03035029では主に、薬学的に活性な薬剤の継続的、徐放的な投与のための放出制御経口投与製剤が開示されている。その組成物は、生体適合性で、親水性で、徐々に破壊される高分子のマトリックスとその中に含まれる活性薬剤とを含む。該高分子は水存在下で膨潤し、かつ長時間にわたって徐々に破壊される高分子で、胃液との接触により膨潤と浸食が開始される。
【0009】
PCT公報WO200421972では、少なくとも一つの水難溶性スタチンと少なくとも一つの界面活性剤とを含む中心部と、少なくとも一つの水溶性または透水性高分子を50質量%未満、および少なくとも一つの不溶性または非透水性高分子を50質量%よりおおく含む制御された高分子膜の被膜とを含む製剤、および一以上の心臓血管疾患を治療、予防、および/または管理時での組成物の使用方法を開示している。
【0010】
他のPCT公報WO2004002445は、二層構造の製剤の形態で、胃または消化管の上部に活性薬剤を制御して放出する新規な胃保持型運搬システムを提供している。二層構造の一層(層A)は、長時間にわたって胃または胃腸管(空間的制御)に製剤を保持するためのもので、例えば、天然、半合成、または合成セルロース誘導体、特定のポリエチレンオキサイドをもつエチルセルロース、脂肪酸、硬化油、ワックス、セラックニスなどを、一種または組み合わせような低いかさ密度の医薬品賦形剤と、他の任意の医薬品賦形剤とから構成される。第二層(層B)は、長期にわたってまたは制御どおりに薬物を運搬する(時間的制御)ためのもので、ヒドロキシプロピル メチルセルロース、エチルセルロースなどの合成または半合成セルロール誘導体、および/または天然高分子、またはキサンタンガムのようなガム、ゼラチン、アクリル酸誘導体、ポリビニルアセテートなどのような放出特性制御マトリックス高分子と、他の任意の医薬品賦形剤とから構成される。
【0011】
長時間にわたって胃で保持される活性薬剤の運搬のための製剤を提供するために、数々の試みが以前から報告されている。しかしながら、活性薬剤を徐放でき、より簡単に安いコストで製造できる放出特性の改良された製剤組成物の開発は、今もなお必要とされている。本発明は、そのような新規な放出特性改良組成物を提供するものである。
【発明の開示】
【0012】
本発明の目的は、新規な放出特性改良医薬組成物で、少なくともひとつの活性薬剤またはその製薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、若しくはその誘導体と、少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子を含み、該高分子の少なくとも1つが親水性である高分子系であって、該高分子系の分量が該組成物の約80%w/w未満である高分子系と、任意の他の製薬学的に許容される賦形剤とを含み、長時間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する医薬組成物を提供することである。
【0013】
本発明の目的は、新規な放出特性改良医薬組成物で、少なくともひとつの活性薬剤またはその製薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、若しくはその誘導体と、少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子を1:20から20:1の割合で含み、該高分子の少なくとも1つが親水性である高分子系であって、該高分子系の分量が該組成物の約80%w/w未満である高分子系と、任意の他の製薬学的に許容される賦形剤とを含み、長時間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する医薬組成物を提供することである。
【0014】
本発明の目的は、新規な放出特性改良医薬組成物で、少なくともひとつの活性薬剤またはその製薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、若しくはその誘導体と、分量が該組成物の5%w/wより大きい少なくとも一つの希釈剤と、少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子を1:20から20:1の割合で含み、該高分子の少なくとも1つが親水性である高分子系であって、該高分子系の分量が該組成物の約80%w/w未満である高分子系と、任意の他の製薬学的に許容される賦形剤とを含み、長時間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する医薬組成物を提供することである。
【0015】
本発明の目的は、新規な放出特性改良医薬組成物で、少なくともひとつの活性薬剤またはその製薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、若しくはその誘導体と、少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子であって、割合が1:20から20:1であり、該高分子の少なくとも1つが親水性であるpH非依存性高分子と、さらに少なくとも一つの放出特性を制御するpH依存性の親水性高分子とを含む高分子系であって、該高分子系の分量が該組成物の約80%w/w未満である高分子系と、任意の他の製薬学的に許容される賦形剤とを含み、長時間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する医薬組成物を提供することである。
【0016】
本発明の目的は、新規な放出特性改良医薬組成物で、少なくともひとつの活性薬剤またはその製薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、若しくはその誘導体と、分量が該組成物の5%w/wより大きい少なくとも一つの希釈剤と、少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子を1:20から20:1の割合で含み、該高分子の少なくとも1つが親水性である高分子系であって、該高分子系の分量が該組成物の約80%w/w未満である高分子系と、分量が該組成物の6%w/w未満である少なくとも一つの滑剤と、任意の他の製薬学的に許容される賦形剤とを含み、長時間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する医薬組成物を提供することである。
【0017】
また、本発明の目的は、新規な放出特性改良医薬組成物で、スタチンなどのようなHMG CoA還元酵素阻害剤、またはその製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステル、および誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも一つの活性薬剤を含む医薬組成物を提供することである。
【0018】
また、本発明の目的は、新規な放出特性改良医薬組成物で、タクロリムス、オキシカルバゼピン、レベチラセタム、クエチアピン、トルテロジン、ファムシクロビルなど、またはそれらの製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステル、およびその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも一つの活性薬剤を含む医薬組成物を提供することである。
【0019】
また、本発明の目的は、新規な放出特性改良医薬組成物で、活性薬剤として少なくとも一つのHMG CoA還元酵素阻害剤、好ましくはスタチン、より好ましくはアトルバスタチンまたはシンバスタチン、またはその製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステル、およびその誘導体と、少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子を1:20から20:1の割合で含み、該高分子の少なくとも1つが親水性である高分子系であって、該高分子系の分量が該組成物の約80%w/w未満である高分子系と、任意の他の製薬学的に許容される賦形剤とを含み、長時間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する医薬組成物を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、以下のような工程を含む新規な組成物の製造方法を提供することである。
i)活性薬剤と高分子系の成分とを混合する工程
ii)必要に応じて、1以上の他の製薬学的に許容される賦形剤を加える工程、および
iii)混合物を適切な製剤形態へ製剤化する工程
【0021】
また、本発明の別の目的は、有効量の組成物を患者に投与する方法を含む組成物の使用方法を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、新規な放出特性改良医薬組成物で、少なくともひとつの活性薬剤またはその製薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、若しくはその誘導体と、少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子を含み、前記高分子の少なくとも1つが親水性である高分子系であって、該高分子系の分量が該組成物の約80%w/w未満である高分子系と、任意の他の製薬学的に許容される賦形剤とを含み、長時間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する医薬組成物を提供する。一実施形態として、2つの膨潤性でpH非依存性高分子が1:20から20:1の割合であることが好ましい。別の実施形態として、高分子系は組成物の約70%w/w未満であることが好ましい。
【0023】
一実施形態として、組成物はさらに、少なくとも一つの希釈剤を組成物の約2.5%w/wよりおおくの分量で、および/または少なくとも一つの滑剤を組成物の約8%未満の分量で含んでいることが好ましい。
【0024】
一実施形態として、本発明は、新規な放出特性改良医薬組成物で、少なくともひとつの活性薬剤またはその製薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、若しくはその誘導体と、少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子であって、割合が1:20から20:1であり、該高分子の少なくとも1つが親水性であるpH非依存性高分子と、さらに少なくとも一つの放出特性を制御するpH依存性の親水性高分子とを含む高分子系であって、該高分子系の分量が該組成物の約80%w/w未満である高分子系と、任意の他の製薬学的に許容される賦形剤とを含み、長時間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する医薬組成物を提供する。
【0025】
本発明の活性薬剤は、例えば、抗高血圧薬、免疫抑制剤、抗炎症薬、利尿薬、抗てんかん薬、抗真菌剤、コレステロール降下薬、ホルモン剤、血糖降下薬、抗ウイルス薬、鼻充血除去薬、抗菌剤、抗関節炎薬、鎮痛剤、抗がん剤、駆虫薬、タンパク質、ペプチド、中枢神経系刺激薬、中枢神経抑制薬、5HT阻害剤、MHG CoA還元酵素阻害剤、抗精神分裂薬、アルツハイマー病治療薬、乾癬治療薬、ステロイド剤、オリゴヌクレオチド、抗潰瘍薬、プロトンポンプ阻害薬、抗ぜんそく薬、免疫賦形剤、血栓溶解剤、およびビタミン、またはそれらの製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステルおよび誘導体、またはそれらの混合物よりなる群から選ばれるが、これらに限定されない。一実施形態として、本発明の活性薬剤は、例えば、タクロリムス、オキシカルバゼピン、レベチラセタム、クエチアピン、トルテロジン、ファムシクロビルなど、またはその製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステル、およびその誘導体よりなる群から選ばれるが、これらに限定されない。
【0026】
好ましい実施形態として、本発明の活性薬剤はHMG CoA還元酵素阻害剤であり、好ましくはスタチンまたはその製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステルおよびその誘導体である。スタチンは、例えば、シンバスタチン、アトルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン、およびフルバスタチン、またはその製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステル、およびその誘導体よりなる群から選ばれ、単独または組み合わせて使用されるが、これらに限定されるわけではない。別の実施形態として、本発明の活性薬剤は、タクロリムスまたはその製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステルおよびその誘導体のような免疫調整剤である。
【0027】
組成物は、適切な製剤形態へ製剤化され、長期間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する。本発明の新規な組成物は、約10−24時間、好ましくは約15−24時間にわたって活性薬剤を放出する。一実施形態として、前述の組成物は、体外での溶解試験または体内への投与のどちらにおいても、製剤から活性薬剤の放出に初期遅延時間を生じる。または、前述の組成物では、体内での活性薬剤の吸収において遅延時間が生じる。一実施形態として、特に難溶性の活性薬剤の場合、前述の組成物は初期遅延時間を有し、活性薬剤の約5−15%以下が放出され、引き続いて活性薬剤が徐放される。放出は崩壊制御型で、活性薬剤を含んだ高分子混合物が制御下で製剤形態から徐々に破壊される限り、活性薬剤が周りの環境に浸出する。本発明で使用される高分子系は特徴的で、望ましい活性薬剤の放出特性を生み出す作用をする。一実施形態として組成物は、一緒に混ぜた際に、相乗作用をもたらす、または一方の高分子が他方の高分子の薬効を高める、量の制御された2以上の異なる高分子を用いた放出特性改良製剤である。それゆえ、単独で包含される、または高分子なしの場合に比較して、高分子の分量がより少なくてすむ。また、活性薬剤を放出する際の遅延時間は、本発明の高分子系を用いて得ることができ、機能性被膜や浸透圧のような他の作用機構を用いる必要がない。さらに、本発明の組成物を製剤化するために好ましく用いられる直接圧縮法や圧縮造粒法は、簡便なため加工コストが低くなる。一実施形態として、本発明の組成物は胃および/または消化管の上部が好ましい吸収サイトである活性薬剤のために利用されるのが好ましい。別の実施形態として、本発明の組成物は胃保持型製剤へと製剤化され、この製剤は消化管で長時間保持され、活性薬剤が徐放または制御放出される。
【0028】
スタチンを活性薬剤として使用する本発明の一実施形態として、組成物は少なくとも約0.5時間の遅延時間後、好ましくは約1時間の遅延時間後、より好ましくは2−3時間の遅延時間後に活性薬剤を放出することが好ましい。更なる実施形態として、スタチンを活性薬剤として含む組成物は、就寝の間およびより好ましくは一日に一回、投与されることが好ましい。人体は睡眠時間中に多量のコレステロールを合成すると考えられており、この時間の間に治療水準のHMG CoA阻害剤を供給することが望ましい。それゆえ、一実施形態として、活性薬剤としてスタチンを含む本発明の組成物は、所望の増強された活性薬剤の治療効果を提供するため、初期遅延時間の間、すなわち日中に活性薬剤の放出量を少なくし、実質的に睡眠時間中に薬が徐放されるように設計されている。更なる実施形態として、活性薬剤としてスタチンを含む本発明の組成物は、HMG CoA還元酵素を阻害することにより肝臓中でのコレステロール生合成を抑制することに特に効果的である。それは、肝組織への活性薬剤の放出量を最大限にし、かつ周辺の細胞組織への活性薬剤の放出量を最小限にして、周辺の細胞組織において高い活性薬剤量に関連した副作用を抑えるように組成物が製剤化されているためである。
【0029】
本発明の一実施形態として、希釈剤は、例えば、ラクトース、セルロース、微結晶セルロース、マンニトール、第二リン酸カルシウム、およびαでんぷんなどよりなる群から選ばれるが、これらに限定されない。これらは、一種または組み合わせて用いられる。好ましくは、希釈剤の量は、組成物の約2.5%w/wよりも大きく、より好ましくは組成物の約20%w/wよりも大きく、もっとも好ましくは組成物の約70%w/wよりも大きい。別の実施形態として、本発明の組成物として使用される希釈剤は、さらにチャネル形成剤として作用し、希釈剤の量が組成物の約50%w/w未満であるような低い濃度で使用される場合が好ましい。
【0030】
本発明の組成物は、少なくとも二つの膨潤性のpH非依存性高分子を含み、該高分子の少なくとも一つは親水性である高分子系を、組成物の約80%w/w未満の分量で含有する。必要に応じて、高分子系はさらに少なくとも一つの放出特性を制御するpH依存性の親水性高分子を含む。
【0031】
本発明の組成物として使用に適した高分子は、直鎖状、分岐状、デンドリティック状、またはスター状でもよく、例えば、半合成および天然由来の親水性高分子のみならず、合成親水性高分子などが挙げられる。高分子は、単独重合体でも共重合体でもよく、共重合体の場合、ランダム共重合体、ブロック共重合体、またはグラフト共重合体であってもよい。有用な合成親水性高分子として、例えば、ポリアルキレンオキサイド、特にポリ(エチレンオキサイド)、およびポリ(エチレンオキサイド)−ポリ(プロピレンオキサイド)共重合体;アクリル酸およびメタクリル酸高分子、共重合体、およびそのエステル、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートから合成される高分子、およびその共重合体;多糖類樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらは単独で、または組み合わせて使用してよい。
【0032】
本発明の更なる実施形態として、高分子系の膨潤性のpH非依存性高分子は、特にポリアルキレンオキサイド、好ましくは無置換エチレンオキサイドの直鎖高分子であるポリ(エチレンオキサイド)である。好ましいポリ(エチレンオキサイド)としては、商標Polyox(登録商標)の一群、例えば、Polyox(登録商標)303、Polyox(登録商標)Coag、Polyox(登録商標)301、Polyox(登録商標)WSR N−60K、Polyox(登録商標)WSR1105、およびPolyox(登録商標)WSR N−80(Union Carbide Chemicals and Plastics Company Inc. of Danbury, Conn., USA)などが使用できる。これは単独でも組み合わせて使用してもよい。
【0033】
更なる実施形態として、本発明の高分子系で使用される親水性で、膨潤性の、pH非依存性高分子は、特に限定されないが、天然および修飾(半合成)または合成された多糖類樹脂よりなる群から選ばれ、例えば、キサンタンガム、ビーガム、寒天、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、オクラガム、ベントナイト、アラビノグラクチン、ペクチン、トラガカント、セレログルカン、デキストラン、アミロース、アミロペクチン、デキストリンなど、またはそれらの混合物が挙げられる。キサンタンガムが本発明において好適に使用される。
【0034】
更なる実施形態として、本発明で使用される少なくとも一つの放出特性を制御するpH依存性の親水性高分子は、アルギン酸またはアルギン酸誘導体などの他のアルギン酸塩、例えば、アルギン酸ナトリウムHVCR(高粘度放出制御型グレードアルギン酸ナトリウム)、およびアルギン酸プロピレングリコール、または架橋ポリアクリル酸、好ましくは25℃の1%水溶液での粘度が約4000〜約40000センチポイズである架橋ポリアクリル酸、よりなる群から選ばれる。例として、Carbopol(登録商標)971P、974P、および934P、および71G;でんぷん/アクリレート/アクリルアミド共重合体であるWater Lock(登録商標)A180、A220などのようなポリアクリル酸ナトリウムグレードが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。本発明の更なる実施形態として、高分子系は更にCompritol(登録商標)888のようなベヘン酸グリセリルを含有する。
【0035】
更なる実施形態として、本発明の組成物はさらに可溶化剤を含む。特に、難水溶性の活性薬剤に関連した課題として、経口生体利用性向上のために本質的な溶解性を向上させる必要があることが知られている。本発明では、少なくとも一つの可溶化剤、およびより好ましくは界面活性剤、必要に応じて一以上の他の可溶化剤を一緒に加えて使用する。これらの界面活性剤は、全体として実質的に親水性で、特にエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合型界面活性剤(ポロクサマーとして示されることもある)が好ましい。商標Pluronic(登録商標)で販売されている界面活性剤や、商品名Lutrol(登録商標)およびMonolan(登録商標)で販売されている界面活性剤の部類が同様に利用できる。Pluronic(登録商標)界面活性剤の中で、Pluronic(登録商標)F68が特に好ましい。他の可溶化剤としてポリアルキレングリコールおよびそれらの誘導体、例えば、ポリエチレングリコール32グリセリルパルミトステアレートエステル(HLB13)である、Gelucire(登録商標)50/13(Gattefosse)のようなGelucire(登録商標);グリセリルパルミトステアレート;Brij(登録商標)およびCetomacrogol(登録商標)シリーズの商標名で販売されているポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、およびポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリビニルピロリドン(PVP K30、PVP K90、Kollidon(登録商標)VA64など);アルコール、アセトン、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコールなどのような極性溶媒などが挙げられる。これらは、単独でも組み合わせて使用してもよい。より好ましい実施形態として、上述した極性溶媒はポリアルキレングリコールが好ましく、例えば、数平均分子量が約1000〜約15000、より好ましくは約1500〜約12000、例えばPEG3350、であるポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。
【0036】
本発明のより好ましい実施形態として、高分子系は二つの膨潤性のpH非依存性高分子としてポリエチレンオキサイドとキサンタンガムを、放出特性を制御するpH依存性の親水性高分子としてCarbopol(登録商標)71Gを含む。一実施形態として、本発明における高分子系の二つの膨潤性のpH非依存性高分子の割合は、重量組成で1:20から20:1、好ましくは1:10から10:1である。
【0037】
本発明において、使用される滑剤は、特に限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、水添綿実油(sterotex)、タルク、およびワックスよりなる群から選ばれ、例えば、蜜ろう、カラナウバろう、セチルアルコール、ステアリン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、水添植物油脂、ステアリルアルコールなどが挙げられる。これらは単独でも組み合わせて使用してもよい。
【0038】
本発明の製薬学的に許容される賦形剤は、例えば、希釈剤、崩壊剤、結合剤、フィラー、充填剤、付着防止剤、抗酸化剤、緩衝剤、着色剤、着香剤、コーティング剤、可塑剤、有機溶媒、安定化剤、防腐剤、滑剤、流動促進剤、およびキレート剤および当技術分野で知られているものよりなる群から選ばれるが、これらに限定されない。これらは単独でも組み合わせて使用してもよい。
【0039】
別の実施形態として、本発明の放出特性改良製剤は、放出制御型、徐放性型、時限放出型、パルス放出型、長期放出型、または遅延放出型、または即時放出型と放出制御型の組合せである。一実施形態として、放出特性改良組成物は、長期にわたって薬物を持続的にまたは制御下で放出する、または薬物の一部をすぐに放出してその後、持続的にまたは制御下で放出する目的で製剤化される。本組成物において用いられる賦形剤は、一以上の目的を担うことが好ましい。
【0040】
本発明の別の実施形態として、新規な組成物の製造方法を提供する。一実施形態として、製造方法は以下の工程を含む
i)活性薬剤と高分子系の成分を混合する工程
ii)必要に応じて、滑剤および/または一以上の製薬学的に許容される賦形剤を加える工程、および
iii)混合物を適切な製剤形態へ製剤化する工程
【0041】
本発明の別の実施形態として、以下の工程を含む新規な組成物の製造方法を提供する。
i)活性薬剤と可溶化剤、必要に応じて希釈剤とを混合する工程
ii)工程(i)で得られる材料を加熱して液状とし、続いて冷却して半固体状にする工程
iii)工程(ii)で得られる材料に高分子系の成分と、必要に応じて希釈剤を加えて、混合する工程
iv)工程(iii)で得られる材料に滑剤を加えて、混合する工程
v)必要に応じて、1以上の他の製薬学的に許容される賦形剤を加える工程、および
vi)混合物を適切な投薬形態へ製剤化する工程。
【0042】
一実施形態として、本発明の組成物は好ましくは経口製剤として、より好ましくは圧縮錠、モールド錠、二層錠のような多層錠、ミニタブレット、カプセル、ペレット、顆粒、および押出またはフィルムキャスト法によって得られる製品として製剤化される。錠剤は、必要に応じて、非機能層を形成するための非機能膜で被膜されていてもよい。錠剤/ミニタブレットは、必要に応じて、カプセルにつめてもよい。錠剤は、直接圧縮、乾燥圧縮(スラッグ化)、または造粒によって製剤化される。本発明の好ましい実施形態として、経口用組成物は直接圧縮、またはコンパクト造粒により製剤化される。造粒法は、水溶性でも非水溶性でもよい。使用される非水溶性の溶媒は、エタノール、イソプロピルアルコール、または塩化メチレンよりなる群から選ばれる。
【0043】
別の実施形態として、本発明の新規な放出制御医薬組成物は、活性薬剤の濃度がどの時点においても実質的に毒性量以下になるようにピーク血漿濃度を制御し、活性薬剤の悪影響や副作用を少なくするように意図されている。また、活性薬剤の定常状態の濃度は、実質的なゆらぎを生じない。副作用の軽減は、治療における患者の薬物服用遵守の改善を目的としている。
【0044】
本発明の更なる実施形態として、新規な放出特性改良組成物の使用方法を提供する。本発明の組成物の治療法および使用方法として、有効量の組成物を患者に投与する方法が含まれる。本発明の組成物は、組成物製造の際に使用される特定の活性薬剤が適応できることが知られている特定の病気または疾患の治療法として有用である。例えば、活性薬剤としてスタチンを含む組成物は、コレステロール濃度を低下させること、および脂質異常症の治療法として有用である。他の実施形態として、タクロリムスを含む本発明の組成物は、同種異系の生体肝臓または腎臓移植を受けた患者の臓器拒絶反応の予防や、他の免疫調整が必要な疾患に対して特に有用である。
【実施例】
【0045】
[実施例1]
番号 材料 量(%w/w)
i) シンバスタチン 15.53
ii) 無水ラクトース 62.97
iii) キサンタンガム 4.00
iv) ポリエチレンオキサイド 12.00
v) 架橋ポリアクリル酸(Carbopol(登録商標)71G)
4.00
vi) ステアリン酸マグネシウム 1.50
【0046】
[手順]
1) シンバスタチンおよび無水ラクトースを#40のふるいにかける
2) 工程(1)で得られた材料を多角形混合機中で均一になるまで混合する
3) キサンタンガムを#60のふるいにかけ、工程(2)で得られた材料と混合する
4) 工程(3)で得られた顆粒を、#60のふるいを通ったステアリン酸マグネシウム
で滑らかにする
5) 工程(4)で得られた顆粒を圧縮し、圧縮物を#30のふるいにかける
6) ポリエチレンオキサイドおよびCarbopol(登録商標)71Gを#30のふ
るいにかける
7) 工程(6)で得られた顆粒と工程(5)で得られた顆粒とを多角形混合機で混合す

8) 工程(7)で得られた顆粒を、#60のふるいを通ったステアリン酸マグネシウム
で滑らかにする
9) 打錠成型機を用いて、工程(8)で得られた材料を錠剤へと圧縮する
【0047】
[実施例2]
番号 材料 量(%w/w)
i) タクロリムス 1.06
ii) PEG32グリセリルステアレート 5.00
(Gelucire(登録商標)44/14)
iii) 無水ラクトース 82.44
iv) ローカストビーンガム 3.00
v) ポリエチレンオキサイド 4.50
vi) 架橋ポリアクリル酸(Carbopol−71G)
3.00
vii) ステアリン酸マグネシウム 1.00
【0048】
[手順]
1) 所定量のPEG32グリセリルステアレートを約60℃で融解させる
2) タクロリムスを#60のふるいにかけ、工程(1)で得られた材料に加える
3) 融解したPEG32グリセリルステアレート中にタクロリムスを溶解させる
4) 無水ラクトースの部分量(約60%)を#40のふるいにかけ、工程(3)で得ら
れた材料と一緒に混合する
5) 工程(4)で得られた材料を混合し、均一で固体状の自由流動性混合物を得るため
に冷却する
6) 工程(5)で得られた混合物を1:3の割合で二つに分け、小さいほうに無水ラク
トース(約20%)を加え、即時放出(IR)ミニタブレットへと圧縮する
7) 無水ラクトースの残分(約20%)とローカストビーンガム(#60のふるいを通
ったもの)を工程(6)で得られた混合物の大部分に加えて、混合する
8) ポリエチレンオキサイドとCarbopol−71Gを#30のふるいにかけ、工
程(7)で得られた顆粒と混合する
9) 工程(8)で得られた顆粒を、#60のふるいを通ったステアリン酸マグネシウム
で滑らかにし、徐放性(SR)ミニタブレットへと圧縮する
10)ミニタブレット(一つのIRと三つのSRミニタブレット)を硬ゼラチンカプセル
へつめる
【0049】
[実施例3]
番号 材料 量(%w/w)
i) シンバスタチン 13.5
ii) マンニトール 65.0
iii) アミロース 5.0
iv) ポリエチレンオキサイド 15.0
v) ステアリン酸マグネシウム 1.5
【0050】
[手順]
1) シンバスタチンとマンニトールを#40のふるいにかける
2) 工程(1)で得られた材料を均一になるまで混合する
3) アミロースを#60のふるいにかけ、工程(2)で得られた材料と混合する
4) 工程(3)で得られた顆粒を、#60のふるいを通ったステアリン酸マグネシウム
で滑らかにする
5) 工程(4)で得られた顆粒を圧縮し、圧縮物を#30のふるいにかける
6) ポリエチレンオキサイドを#30のふるいにかける
7) 工程(6)で得られた顆粒と工程(5)で得られた顆粒とを多角形混合機で混合す

8) 工程(7)で得られた顆粒を、#60のふるいを通ったステアリン酸マグネシウム
で滑らかにする
9) 打錠成型機を用いて、工程(8)で得られた造粒を錠剤へと圧縮する
【0051】
[実施例4]
番号 材料 量(%w/w)
i) フルバスタチンナトリウム 28.14
ii) 無水ラクトース 42.36
iii) ポリエチレンオキサイド 20.00
iv) キサンタンガム 1.50
v) 架橋ポリアクリル酸 6.00
vi) 精製水 適量(加工工程で消失)
vii) ステアリン酸マグネシウム 2.00
【0052】
[手順]
1) フルバスタチンナトリウムと無水ラクトースとを#40のふるいにかける
2) 工程(1)で得られた材料を多角形混合機で均一になるまで混合する
3) ポリエチレンオキサイド、キサンタンガム、および架橋ポリアクリル酸を#30の
ふるいにかけ、工程(2)の材料と一緒に混合する
4) 精製水を用いて工程(3)で得られた材料を粒状にする
5) 工程(4)で得られた材料を#24のふるいにかけ、顆粒を乾燥する
6) 乾燥した顆粒を#30のふるいにかける
7) 工程(6)で得られた材料を、#60のふるいを通ったステアリン酸マグネシウム
で滑らかにする
8) 打錠成型機を用いて、工程(7)で得られた顆粒を錠剤へ圧縮する
【0053】
[実施例5]
番号 材料 量(%w/w)
i) プラバスタチンナトリウム 10.0
ii) 微結晶セルロース 67.0
iii) ローカストビーンガム 10.0
iv) ポリ(エチレンオキサイド)−ポリ(プロピレンオキサイド)共重合体
12.0
v) フマル酸ステアリルナトリウム 1.0
【0054】
[手順]
1) プラバスタチンナトリウムと微結晶セルロースを#40のふるいにかける
2) 工程(1)で得られた材料を均一になるまで混合する
3) ローカストビーンガムを#60のふるいにかけ、工程(2)で得られた材料と混合
する
4) ポリ(エチレンオキサイド)−ポリ(プロピレンオキサイド)共重合体を#30の
ふるいにかける
5) 工程(3)で得られた材料と工程(4)で得られた材料を混合する
6) 工程(5)で得られた材料を、#60のふるいを通ったステアリン酸マグネシウム
で滑らかにする
7) 工程(6)で得られた材料を硬ゼラチンカプセルに詰める
【0055】
[実施例6]
番号 材料 量(%w/w)
i) ロバスタチン 10.0
ii) マルトデキストリン 61.5
iii) アルギン酸ナトリウムHVCR 3.0
iv) アミロペクチン 7.0
v) ポリエチレンオキサイド 15.0
vi) ポロクサマー 2.0
vii) 精製水 適量(加工工程で消失)
viii)ステアリル酸 1.5
【0056】
[手順]
1) ロバスタチンとマルトデキストリンとを#40のふるいにかける
2) 工程(1)で得られた材料を均一になるまで混合する
3) アルギン酸ナトリウムHVCRとアミロペクチンを#60のふるいにかけ、これら
を工程(2)で得られた材料と混合する
4) ポリエチレンオキサイドを#30のふるいにかける
5) 工程(3)で得られた材料と工程(4)で得られた材料とを混合する
6) ポロクサマーを精製水に溶解させ、得られた溶液を用いて工程(5)で得られた材
料を粒状にする
7) 工程(6)で得られた顆粒を乾燥し、#30のふるいにかける
8) 工程(7)で得られた顆粒を、#60のふるいを通ったステアリル酸で滑らかにす

9) 打錠成型機を用いて、工程(8)で得られた顆粒を錠剤へと圧縮する
【0057】
[実施例7]
番号 材料 量(%w/w)
i) アトルバスタチンカルシウム 15.0
ii) ラクトース 43.5
iii) 微結晶セルロース 15.0
iv) キサンタンガム 5.0
v) ポリエチレンオキサイド 15.0
vi) 架橋ポリアクリル酸 5.0
(Carbopol(登録商標)971R)
vii) グリセリルステアレート 1.5
【0058】
[手順]
1) アトルバスタチン、ラクトース、および微結晶セルロースを#40のふるいにかけ

2) 工程(1)で得られた材料を均一になるまで混合する
3) キサンタンガムを#60のふるいにかけ、工程(2)で得られた材料と混合する
4) ポリエチレンオキサイドと架橋ポリアクリル酸を#30のふるいにかける
5) 工程(3)で得られた材料と工程(4)で得られた材料とを多角形混合機中で混合
する
6) 工程(5)で得られた材料を、#60のふるいを通ったグリセリルステアレートで
滑らかにする
7) 打錠成型機を用いて、工程(6)で得られた材料を錠剤へと圧縮する
【0059】
[実施例8]
番号 材料 量(%w/w)
i) タクロリムス 1.06
ii) ポリエチレングリコール−32グリセリルパルミトステアレート
(Glucire(登録商標)50/13) 5.00
iii) 無水第二リン酸カルシウム 8.94
iv) キサンタンガム 5.00
v) 無水ラクトース 59.00
vi) ポリエチレンオキサイド 15.00
vii) 架橋ポリアクリル酸 5.00
viii)ステアリン酸マグネシウム 1.00
【0060】
[手順]
1) タクロリムスを#40のふるいにかけ、ポリエチレングリコール−32グリセリル
パルミトステアレートと混合する
2) 工程(1)で得られた材料を液状になるように融解させる
3) 無水第二リン酸カルシウムを#40のふるいにかけ、半固体状になるように工程(
2)で得られた材料と一緒に混合する
4) キサンタンガムを#60のふるいにかけ、工程(3)で得られた材料と混合する
5) 無水ラクトースを#60のふるいにかけ、工程(4)で得られた材料と混合する
6) ポリエチレンオキサイドと架橋ポリアクリル酸とを#30のふるいにかけ、工程(
5)で得られた材料と一緒に混合する
7) 工程(6)で得られた材料を、#60のふるいを通ったステアリン酸マグネシウム
で滑らかにする
8) 工程(7)で得られた顆粒を圧縮して、錠剤を得る
【0061】
[実施例9]
番号 材料 量(%w/w)
i) ロスバスタチン 10.0
ii) ベヘン酸グリセリル(Compritol(登録商標)888)
15.0
iii) キサンタンガム 5.0
iv) 無水ラクトース 49.0
v) ポリエチレンオキサイド 15.0
vi) 架橋ポリアクリル酸 5.0
vii) ステアリン酸マグネシウム 1.0
【0062】
[手順]
1) ロスバスタチンを#40のふるいにかけ、ベヘン酸グリセリルと混合する
2) 工程(1)で得られた材料を液状になるまで融解させる
3) 工程(3)で得られた材料を半固体状になるまで冷却する
4) キサンタンガムを#60のふるいにかけ、工程(3)で得られた材料と混合する
5) 無水ラクトースを#60のふるいにかけ、工程(4)で得られた材料と混合する
6) ポリエチレンオキサイドおよび架橋ポリアクリル酸を#30のふるいにかけ、工程
(5)で得られた材料と混合する
7) 工程(6)で得られた材料を、#60のふるいを通ったステアリン酸マグネシウム
で滑らかにする
8) 工程(7)で得られた顆粒を硬ゼラチンカプセルにつめる
【0063】
[実施例10]
番号 材料 量(%w/w)
i) レベチラセタム 62.8
ii) 微結晶セルロース 6.2
iii) キサンタンガム 5.0
iv) ヒドロキシプロピル メチルセルロース 5.0
(HPMC(登録商標)K100M)
v) ポリエチレンオキサイド 15.0
vi) 架橋ポリアクリル酸(Carbopol(登録商標)971P)
5.0
vii) ステアリン酸マグネシウム 1.0
【0064】
[手順]
1) レベチラセタム、微結晶セルロース、キサンタンガムおよび架橋ポリアクリル酸を
#40のふるいにかける
2) 工程(1)で得られた材料を均一になるまで混合する
3) 工程(2)で得られた混合物を圧縮し、圧縮物を#22のふるいにかける
4) ポリエチレンオキサイドを#30のふるいにかけ、工程(3)で得られた材料と混
合する
5) ヒドロキシプロピル メチルセロルースを#60のふるいにかけ、工程(4)で得
られた材料と混合する
6) 工程(5)で得られた顆粒を、#60のふるいを通ったステアリン酸マグネシウム
で滑らかにする
7) 打錠成型機を用いて、工程(6)で得られた顆粒を錠剤へと圧縮する
【0065】
[実施例11]
番号 材料 量(%w/w)
i) ファムシクロビル 68.63
ii) ラクトース 10.37
iii) キサンタンガム 5.00
iv) ポリエチレンオキサイド(PEO(登録商標)301)
10.00
v) 架橋ポリアクリル酸 5.00
vi) ベヘン酸グリセリル 1.00
【0066】
[手順]
1) ファムシクロビル、ラクトースおよび架橋ポリアクリル酸を#40のふるいにかけ

2) 工程(1)で得られた材料が均一になるまで混合する
3) 工程(2)で得られた顆粒を圧縮する
4) 圧縮物を#20のふるいにかける
5) ポリエチレンオキサイドを#30のふるいにかけ、工程(4)で得られた材料と混
合する
6) キサンタンガムを#60のふるいにかけ、工程(5)で得られた顆粒と混合する
7) 工程(6)で得られた顆粒を、#60のふるいを通ったベヘン酸グリセリルで滑ら
かにする
8) 打錠成型機を用いて、工程(7)で得られた顆粒を錠剤へと圧縮する
【0067】
[実施例12]
番号 材料 量(%w/w)
i) フマル酸クエチアピン 38.44
ii) ラクトース一水和物 40.06
iii) キサンタンガム 3.00
iv) ポリエチレンオキサイド 8.00
v) 架橋ポリアクリル酸(Carbopol(登録商標)71G)
3.00
vi) ヒドロキシプロピル メチルセルロース(HPMC(登録商標)E5)
6.00
vii) フマル酸ステアリルナトリウム 1.50
【0068】
[手順]
1) フマル酸クエチアピンとラクトース一水和物を#40のふるいにかける
2) 工程(1)で得られた材料を均一になるまで混合する
3) キサンタンガムを#60のふるいにかけ、工程(2)で得られた材料と混合する
4) 架橋ポリアクリル酸を#30のふるいにかけ、工程(3)で得られた材料と混合す

5) 工程(4)で得られた顆粒を#60のふるいを通ったフマル酸ステアリルナトリウ
ムで滑らかにする
6) 工程(5)で得られた材料を圧縮する
7) 圧縮物を#20のふるいにかける
8) ポリエチレンオキサイドを#30のふるいにかけ、工程(7)で得られた材料と混
合する
9) ヒドロキシプロピル メチルセルロースを#40のふるいにかけ、工程(8)で得
られた顆粒と混合する
10)工程(9)で得られた顆粒を、#60のふるいを通ったフマル酸ステアリルナトリ
ウムで滑らかにする
11)打錠成型機を用いて、工程(10)で得られた顆粒を錠剤へと圧縮する
【0069】
[実施例13]
番号 材料 量(%w/w)
i) 酒石酸トルテロジン 1.35
ii) グリセリルパルミトステアレート(Precirol(登録商標)ATO5)
15.00
iii) 無水第二リン酸カルシウム 8.65
iv) ポリエチレンオキサイド 12.00
v) 架橋ポリアクリル酸 4.00
vi) キサンタンガム 2.00
vii) ケイ化微結晶性セルロール 56.00
vii) フマル酸ステアリルナトリウム 1.00
【0070】
[手順]
1) グリセリルパルミトステアレートを約55−60℃の温度で融解させる
2) 酒石酸トルテロジンを#40のふるいにかけ、工程(1)で得られた材料に加え、
均一になるまで混合する
3) 無水第二リン酸カルシウムを#40のふるいにかけ、工程(2)で得られた材料と
混合し、乾燥した顆粒を得る
4) ケイ化微結晶セルロースを#40のふるいにかけ、工程(3)で得られた材料と混
合する
5) 工程(4)で得られた材料を#40のふるいにかける
6) キサンタンガムを#40のふるいにかけ、工程(5)で得られた材料と混合する
7) ポリエチレンオキサイドを#30のふるいにかけ、工程(6)で得られた材料と混
合する
8) 架橋ポリアクリル酸を#30のふるいにかけ、工程(7)で得られた材料と混合す

9) フマル酸ステアリルナトリウムを#40のふるいにかけ、工程(8)で得られた材
料と混合する
10)工程(9)で得られた顆粒を圧縮してミニタブレットを製造する
11)ミニタブレットを適切な大きさの硬ゼラチンカプセルにつめる
【0071】
[実施例14]
A) 即時放出型(IR)層の組成物
番号 材料 量(%w/w)
i) オキシカルバゼピン 60.25
ii) 無水ラクトース 16.75
iii) ヒドロキシエチルセルロース 2.00
iv) クロスポビドン 5.00
v) 微結晶セルロース 15.00
vi) ステアリン酸マグネシウム 1.00
【0072】
[手順]
1) オキシカルバゼピンと無水ラクトースとを#40のふるいにかける
2) 工程(1)で得られた材料を多角形混合機中で10分間混合する
3) ヒドロキシエチルセルロースを#40のふるいにかけ、工程(2)で得られた材料
と混合する
4) 半分の量のステアリン酸マグネシウムを#60のふるいにかけ、工程(3)で得ら
れた材料と混合する
5) 工程(4)で得られた材料をローラーコンパクター中で圧縮する
6) 得られた圧縮物を#20のふるいにかける
7) クロスポビドンを#40のふるいにかけ、工程(6)で得られた材料と混合する
8) 微結晶セルロースを#40のふるいにかけ、工程(7)で得られた材料と混合する
9) 残り半分のステアリン酸マグネシウムを#60のふるいにかけ、工程(8)で得ら
れた材料と混合する
【0073】
B) 徐放性(SR)層の組成物
番号 材料 量(%w/w)
i) オキシカルバゼピン 70.29
ii) 無水ラクトース 12.71
iii) キサンタンガム 4.00
iv) ポリエチレンオキサイド 8.00
v) 架橋ポリアクリル酸(Carbopol(登録商標)71G)
4.00
vi) ステアリン酸マグネシウム 1.00
【0074】
[手順]
1) オキシカルバゼピンと無水ラクトースとを#40のふるいにかける
2) 工程(1)で得られた材料を多角形混合機中で混合する
3) キサンタンガムを#60のふるいにかけ、工程(2)で得られた材料と混合する
4) 半分の量のステアリン酸マグネシウムを#60のふるいにかけ、工程(3)で得ら
れた材料と混合する
5) 工程(4)で得られた混合物をローラーコンパクター中で圧縮する
6) 圧縮物を#20のふるいにかける
7) 架橋ポリアクリル酸を#30のふるいにかけ、工程(6)で得られた材料と混合す

8) ポリエチレンオキサイドを#30のふるいにかけ、工程(7)で得られた材料と混
合する
9) 工程(8)で得られた顆粒を、#60のふるいを通った残り半分のステアリン酸マ
グネシウムで滑らかにする
【0075】
C) 二層錠の作成
回転式多層打錠機を用いて、二層の成分(AおよびBの工程9で得られた顆粒)をダイに順次つめて、次に圧縮して錠剤とし二層錠を製造した。ダイに一層の成分をつめた後、ダイにさらに次の層の成分をつめて、二層錠になるように最終圧縮する前に、粉体層をわずかに打錠機で圧縮する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新規な放出特性改良医薬組成物で、
少なくともひとつの活性薬剤またはその製薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、若しくはその誘導体と、
少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子を含み、該高分子の少なくとも1つが親水性である高分子系であって、前記高分子系の分量が前記組成物の約80%w/w未満である高分子系と、
任意の他の製薬学的に許容される賦形剤とを含み、
長時間にわたって活性薬剤を治療濃度で提供する医薬組成物。
【請求項2】
前記高分子系が、1:20から20:1の割合で少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記活性薬剤が、HMG CoA還元酵素阻害剤、免疫調整剤、オキシカルバゼピン、レベチラセタム、クエチアピン、トルテロジン、ファムシクロビルなど、またはその製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステル、およびその誘導体よりなる群から選ばれる請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記活性薬剤が、HMG CoA還元酵素阻害剤である請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記HMG CoA還元酵素阻害剤が、シンバスタチン、アトルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン、およびフルバスタチン、またはその製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステル、およびその誘導体よりなる群から選ばれるスタチンである請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記活性薬剤が、免疫調整剤である請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
前記免疫調整剤が、タクロリムス、またはその製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステル、およびその誘導体である請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記活性薬剤が、クエチアピン、またはその製薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステル、およびその誘導体である請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
希釈剤が、ラクトース、セルロース、微結晶セルロース、マンニトール、第二リン酸カルシウム、およびαでんぷんよりなる群から選ばれ、一種または組み合わせて用いられる請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記高分子系の少なくとも2つの膨潤性でpH非依存性高分子が、ポリアルキレンオキシドおよび親水性高分子よりなる群から選ばれる請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記親水性高分子が、天然、および修飾された多糖類樹脂、アルギン酸、アルギン酸誘導体、アラビノグラクチン、ペクチン、トラガカント、セレログルカン、デキストラン、アミロース、アミロペクチン、デキストリン、またはその混合物よりなる群から選ばれる請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記多糖類樹脂が、キサンタンガム、ビーガム、寒天、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、オクラガムなど、またはその混合物よりなる群から選ばれる請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記高分子系が、ポリアルキレンオキシドおよび多糖類樹脂を含む請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記高分子系が、さらに放出特性を制御するpH依存性の親水性高分子を含む請求項1〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
前記放出特性を制御するpH依存性の親水性高分子が、架橋ポリアクリル酸または架橋ポリアクリレート、およびアルギン酸またはその誘導体よりなる群から選ばれる請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、さらに可溶化剤を含む請求項1〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
前記可溶化剤が、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体型界面活性剤、ポリアルキレングリコールおよびそれらの誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリビニルピロリドン、および極性溶媒よりなる群から選ばれ、一種または組み合わせて用いられる請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、さらに滑剤を前記組成物の約8%w/w未満の分量で含む請求項1〜17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
前記滑剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリンナトリウム、水添綿実油、タルクおよびワックスよりなる群から選ばれ、一種または組み合わせて用いられる請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記製薬学的に許容される賦形剤が、希釈剤、崩壊剤、結合剤、フィラー、充填剤、付着防止剤、抗酸化剤、緩衝剤、着色剤、着香剤、コーティング剤、可塑剤、有機溶媒、安定化剤、防腐剤、滑剤、流動促進剤、およびキレート剤よりなる群から選ばれ、一種または組み合わせて使用される請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
請求項1に記載の組成物の製造方法であって、
i)前記活性薬剤と前記高分子系の成分とを混合する工程と
ii)必要に応じて、滑剤および/または1以上の他の製薬学的に許容される賦形剤を加える工程と
iii)混合物を適切な投薬形態へ製剤化する工程とを含む組成物の製造方法。
【請求項22】
請求項1に記載の組成物の製造方法であって、
i)前記活性薬剤と、可溶化剤、必要に応じて希釈剤とを混合する工程と
ii)工程(i)で得られる材料を加熱して液状とし、続いて冷却して半固体状にする工程と
iii)工程(iii)で得られる材料に前記高分子系の成分と、必要に応じて希釈剤を加えて、混合する工程と
iv)工程(iii)で得られる材料に滑剤を加えて、混合する工程と
v)必要に応じて、1以上の他の製薬学的に許容される賦形剤を加える工程と
vi)混合物を適切な投薬形態へ製剤化する工程とを含む組成物の製造方法。
【請求項23】
請求項1に記載の組成物の使用方法であって、前記組成物の有効量を患者に投与することを含む組成物の使用方法。
【請求項24】
実質的に上記のように記載された、および実施例により記載された医薬組成物。
【請求項25】
実質的に上記のように記載された、および実施例により記載された医薬組成物の製造方法。

【公表番号】特表2009−500317(P2009−500317A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519141(P2008−519141)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/IN2006/000224
【国際公開番号】WO2007/000778
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(500445631)パナセア バイオテック リミテッド (29)
【Fターム(参考)】