説明

有機反射防止膜用共重合体および組成物

【課題】ArFエキシマレーザを用いて半導体の超微細パターンの形成に有用な有機反射防止膜を製造するのに使用できる新規重合体、吸光剤、およびこれを含む有機反射防止膜組成物、該有機反射防止膜組成物を用いた半導体素子のパターン形成方法を提供する。
【解決手段】有機反射防止膜組成物は、化学式1で示される有機反射防止膜用共重合体、吸光剤、熱酸発生剤、および硬化剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソグラフィ工程において下部膜層の反射を防止し、定在波(stationary wave)を防止し、速いドライエッチング速度を有する有機反射防止膜組成物に関し、詳しくは、ArFエキシマレーザを用いて半導体の超微細パターンの形成に有用な有機反射防止膜を製造するのに使用できる新規重合体、吸光剤、およびこれを含む有機反射防止膜組成物に関する。また、本発明は、このような有機反射防止膜組成物を用いた半導体素子のパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体素子の高集積化に伴い、超LSIなどの製造において、0.10ミクロン以下の超微細パターンが要求されており、露光波長も従来使用したg線およびi線領域より低い波長の光を用いたリソグラフィ工程が要求されている。そこで、半導体素子の製造工程においてKrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザを用いたマイクロリソグラフィ工程が現在使用されている。
【0003】
半導体素子のパターンのサイズが小さくなるので、露光工程の進行される間の反射率が最小1%未満に維持されなければ均一なパターンが得られず、従って、適宜な工程マージンを得ることにより所望の収率を達成することができる。そこで、反射率を最大限に減らすために吸光可能な有機分子を含む有機反射防止膜をフォトレジスト下に位置することで、反射率を調節して下部膜層の反射を防止し、定在波を除去できる技術が重要になった。
【0004】
このため、有機反射防止膜の組成物は以下の用件を満足すべきである。第一に、下部膜層の反射を防止するために、露光光源の波長領域の光を吸収できる物質を含有しなければならない。第二に、反射防止膜を積層した後にフォトレジストを積層する工程において、フォトレジストの溶媒により反射防止膜が溶解して破壊されてはいけない。このため、反射防止膜は熱により硬化される構造として設計されるべきで、反射防止膜の積層工程においてコーティング後にベーキング工程を進行して硬化を進行させる。第三に、反射防止膜は上部のフォトレジストよりも速くエッチングされることにより、下部膜層をエッチングするためのフォトレジストの損失を減らすことができる。第四に、上部のフォトレジストに対する反応性を有してはいけない。また、アミン、酸のような化合物がフォトレジスト層に移行してはならない。これはフォトレジストパターンの形状、特にフッティングおよびアンダーカットを誘発し得るためである。第五に、多様な基板に伴う多様な露光工程に適合した光学的性質、即ち、適当な屈折率及び吸光係数を有するべきで、且つ基板及びフォトレジストに対する接着力も優れるべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在までArF光を使用する超微細パターンの形成工程においては満足すべき反射防止膜が開発されていないのが実情である。そこで、露光時に発生する定在波と反射を防止し、下部層からの背面回折および反射光の影響を除去するために特定波長に対する吸収度が大きい有機反射防止物質の開発が至急の課題として台頭している。そこで、本発明の目的は、193nmArFエキシマレーザを用いた超微細パターン形成のリソグラフィ工程において、露光時に発生する反射光を吸収可能な有機反射防止膜として使用できる新規重合体、吸光剤、およびこれを含む有機反射防止膜組成物を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、有機反射防止膜のエッチング速度を増加できる構造に反射防止膜の基本構造を設計し、これに基づき重合体を製造して有機反射防止膜を製造する方法を提供することにより、エッチング工程がより円滑になされるようにし、アンダーカット、フッティングなどを除去して優れた超微細パターンの形成を達成できる有機反射防止膜組成を用いた半導体素子のパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために本発明の形態に係る有機反射防止膜の組成物は、有機反射防止膜用共重合体と吸光剤、熱酸発生剤、および硬化剤を含む。また、有機反射防止膜組成物は有機溶媒を含み、界面活性剤および各種添加剤がさらに添加されてもよい。
【0008】
また、本発明の他の形態に係る半導体素子のパターン形成方法は、有機反射防止膜組成物を被エッチング層上に塗布する工程、およびその塗布された組成物をベーキング工程を通じて硬化させ、架橋結合を形成させて有機販社防止膜を形成させる工程を含む。
【0009】
有機反射防止膜用共重合体は化学式1で示される。
【化1】

式中、R、R、Rは互いに独立で、Rは水素また炭素原子1〜10のアルキル基を、Rは水素,炭素原子1〜10のアルキル基また炭素原子1〜10のアリールアルキル基を表し、Rは水素またはメチル基である。m及びnはそれぞれ主鎖内に繰返し単位を表す数であって、m+n=1で、0.05<m/(m+n)<0.95、0.05<n/(m+n)<0.95の値を満足する。
【0010】
一般に、反射防止膜は種々の形態に構造に設計できる。第一に、光吸収可能な化学種の吸光剤が高分子の主鎖に含まれた場合であり、第二に、吸光剤が光吸収できない硬化剤重合体と別々に分離された二つの化学種を利用する場合である。一般に、光吸収化学種の量を調節できるように、吸光剤を別々に使用する場合が多い。一般の硬化剤重合体は、ヒドロキシ官能基、グリシジル官能基、アセタール官能基などを含む重合体が多く用いられる。
【0011】
本発明では光吸収可能な化合物と共に熱硬化が可能になるようにカルボン酸官能基を導入し、エッチング速度が速いことが公知の無水マレイン酸を含む化学式1で示される共重合体を硬化剤重合体として使用する。
【0012】
重合体は、無水マレイン酸とアルキルアクリレート系化合物を重合させて化学式2の重合体を製造した後、重合反応の結果物である化学式2の反応中間体を炭素数1〜10のアルキルアルコールで反応させることにより製造することができる。
【化2】

式中、R、Rは互いに独立であり、Rは水素,炭素原子1〜10のアルキル基また炭素原子が1〜10のアリールアルキル基で、Rは水素或いはメチル基である。m及びnはそれぞれ主鎖内に繰返し単位を表す数であって、m+n=1で、0.05<m/(m+n)<0.95、0.05<n/(m+n)<0.95の値を満足する。
【0013】
アルキルアクリレート系化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ノーマルプロピルアクリレート、ノーマルブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ノーマルプロピルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ノーマルブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどからなる群から選択されたものを使用する。
【0014】
反応中間体の化学式2の化合物をアルキルアルコールで開環させて生成されたカルボン酸官能基は、アセタールなどの官能基を有する硬化剤と反応して架橋構造を形成できるようにする。
【0015】
これを用いた反射防止膜は、基板上に塗布した後にベーク工程を経つつ硬化を生じ、溶媒に対する耐溶解性を備える。これは反射防止膜の積層後、感光剤の塗布時に反射防止膜が感光剤の溶媒により溶解される現像が発生しなくて安定性を付与するもので、有機反射防止膜組成物で硬化剤重合体として好ましく利用されるようになる。
【0016】
重合体の重合方法は通常の方法により重合できるが、ラジカル重合が好ましい。ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、アゾビスイソカプロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、およびt−ブチルヒドロペルオキシドなど、一般のラジカル重合開始剤として使用できるものであれば、特に制限されない。
【0017】
重合は塊状重合、溶液重合、懸濁重合、塊状懸濁重合、乳化重合などの方法で行われ、重合溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ハロゲン化ベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エステル類、エーテル類、ラクトン類、ケトン類、アミド類のうち1種以上を選択して使用する。
【0018】
重合体の重合温度は、開始剤の種類に従い適切に選択する。重合体の分子量分布は重合開始剤の使用量及び反応時間を変更して適切に調節できる。重合が完了した後、反応混合物に残った未反応単量体および副生成物は、溶媒による沈殿法で除去するのが好ましい。
【0019】
分子量調節において開環された無水マレイン酸を含む場合、通常ゲルパーミエイションクロマトグラフを用いて分子量を得るのが難しいので、炭素数1〜10のアルコールで開環する前の重合体である化学式2の重合体の分子量を参考にするべきである。即ち、開環前の重合体である化学式2で示される反応中間体のゲルパーミエイションクロマトグラフによるポリスチレン換算質量平均分子量は通常1000〜100000であり、溶媒に対する溶解度、塗布性、十分な架橋結合などを考慮すると5000〜50000であるのが好ましい。重合体の分子量分布(PDI)は1.0〜5.0であるのが好ましく、より好ましくは1.5〜3.5である。
【0020】
本発明による化学式1で示される重合体の具体例としては化学式3〜7の構造を有する重合体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

式中、m及びnはそれぞれ主鎖内に繰返し単位を表す数であって、m+n=1で、0.05<m/(m+n)<0.95, 0.05<n/(m+n)<0.95の値を満足する。
【0021】
組成物の吸光剤には、エッチング速度の速い有機反射防止膜を提供するために化学式8の吸光剤が含まれる。
【化8】

式中、Rは炭素原子が1〜10のアルキル基を、Rは水素,ヒドロキシル基また炭素原子1〜10のアルキル基を表し、m及びnはそれぞれ主鎖内に繰返し単位を表す数としてm+n=1で、0.05<m/(m+n)<0.95、0.05<n/(m+n)<0.95の値を有する。
【0022】
重合体は無水マレイン酸とスチレン化合物を重合させて化学式9の重合体を製造した後、重合反応の結果物の重合体を炭素数1〜10のアルキルアルコールで反応させることにより製造することができる。
【化9】

式中、Rは水素、ヒドロキシル基また炭素原子が1〜10のアルキル基である。m及びnはそれぞれ主鎖内に繰返し単位を表す数であって、m+n=1で、0.05<m/(m+n)<0.95、0.05<n/(m+n)<0.95の値を有する。
【0023】
化学式8の重合体は、無水マレイン酸をアルキルアルコールで開環して生成されたカルボン酸官能基がアセタールなどの官能基を有する硬化剤と反応して架橋構造を形成するようにする。これを用いた反射防止膜は、基板上に塗布した後にベーク工程を経て硬化を生じて溶媒に対する耐溶解性を備え、これにより反射防止膜の積層後に感光剤の塗布の際に問題を生じない。
【0024】
また、重合体は193nmの光を吸収できる吸光度の大きい発色団を含んでいるので、化学式1の重合体は193nmの光源に対する有機反射防止膜組成物で吸光剤として好ましく使用できる。また、多量の酸素原子を含有しているので、エッチング速度の速い有機反射防止膜組成物を製造することができる。
【0025】
吸光剤は常法により重合できるが、ラジカル重合がより好ましい。ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、アゾビスイソカプロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、そしてt−ブチルヒドロペルオキシドなど一般のラジカル重合開始剤であれば特に限定されない。
【0026】
重合は塊状重合、溶液重合、懸濁重合、塊状懸濁重合、乳化重合などの方法により行われ、重合溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、ハロゲン化ベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エステル類、エーテル類、ラクトン類、ケトン類、アミド類のうち1種以上を選択して使用する。
【0027】
吸光剤の重合温度は開始剤の種類に従い適切に選択する。吸光剤の分子量分布は重合開始剤の使用量と反応時間を変更して適切に調節することができる。重合が完了した後に反応混合物に残った未反応単量体および副生成物は、溶媒による沈殿法で除去するのが好ましい。
【0028】
分子量調節の際に開環された無水マレイン酸を含む場合、通常ゲルパーミエイションクロマトグラフを用いて分子量を得るのが難しいため、炭素数1〜10のアルコールで開環する前の反応中間体の化学式2の重合体の分子量を参考すべきである。開環前の吸光剤のゲルパーミエイションクロマトグラフによるポリスチレン換算質量平均分子量は通常1000〜100000であるのが好ましい。
【0029】
化学式8の吸光剤としては化学式10〜13の構造を有する重合体のうち一つを選択して使用するか、または化学式9および10のすべてを使用することもできる。
【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

式中、m及びnはそれぞれ主鎖内に繰返し単位を表す数であって、m+n=1で、0.05<m/(m+n)<0.95、0.05<n/(m+n)<0.95の値を有する。
【0030】
一方、組成物の吸光剤として化学式14、19、または20の化合物が含まれる。
【化14】

式中、R







から選択され、R及びRは互いに独立であり、水素,炭素原子1〜10のアルキル基または炭素原子1〜10のアルコキシ基を表す。
【0031】
化学式14の化合物は、1化合物当たり2個のヒドロキシ基を含有し、エポキシ、アセタールなどの官能基を含有した硬化剤と共に使用されて架橋構造を形成することができる。これを用いた反射防止膜は、基板上に塗布した後にベーク工程を経つつ硬化を生じ、溶媒に対する耐溶解性を備えるため、反射防止膜の積層後に感光剤の塗布時に問題を発生しない。また、重合体は193nmの光を吸収できる吸光度の大きい発色団を含んでいるので、化学式14の重合体は193nmの光源に対する有機反射防止膜組成物で吸光剤として好ましく使用できる。また、多量の酸素原子を含有しているので、エッチング速度の速い有機反射防止膜組成物を製造することができる。化合物は、ジカルボン基を有するフェニル誘導体と1,2−エポキシ−3−フェノキシ−プロパンとを塩基触媒下で反応させて得ることができる。
【0032】
化学式14は化学式15〜18の構造を有する化合物から選択できる。
【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【0033】
化学式19の化合物は、1化合物当たり4個のヒドロキシ基を含有し、エポキシ、アセタールなどの官能基を含有した硬化剤と共に使用されて架橋構造を形成することができる。これを用いた反射防止膜は、基板上に塗布した後にベーク工程を経つつ硬化を生じ溶媒に対する耐溶解性をもつため、反射防止膜の積層後に感光剤の塗布時に問題が発生しない。また、重合体は193nmの光を吸収できる吸光度の大きい発色団を含んでいるので、化学式19の重合体は193nmの光に対する有機反射防止膜組成物で吸光剤として好ましく使用できる。また、多量の酸素、窒素原子を含有しているので、エッチング速度の速い有機反射防止膜組成物を製造することができる。化合物は、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと4−ヒドロキシ安息香酸とを塩基触媒下で反応させて得ることができる。
【0034】
【化20】

化学式20の化合物は、1化合物当たり3個のヒドロキシ基を含有し、エポキシ、アセタールなどの官能基を含有した硬化剤と共に使用されて架橋構造を形成することができる。これを用いた反射防止膜は基板上に塗布した後にベーク工程を経つつ硬化を生じ溶媒に対する耐溶解性をもつため、反射防止膜の積層後に感光剤の塗布時に問題を発生しない。また、重合体は193nmの光を吸収できる吸光度の大きい発色団を含んでいるので、化学式20の重合体は193nmの光に対する有機反射防止膜組成物で吸光剤として好ましく使用できる。また、多量の酸素、窒素原子を含有しているので、エッチング速度の速い有機反射防止膜組成物を製造することができる。化合物は、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌル酸と1,2−エポキシ−3−フェノキシ−プロパンとを塩基触媒下で反応させて得ることができる。
【0035】
有機反射防止膜用重合体及び吸光剤の硬化及び性能向上を補助する添加剤としては、多様な化合物が存在し得る。第一に硬化剤が挙げられ、好ましくは1化合物当たり2個以上の架橋形成官能基を持つ硬化剤として、有機反射防止膜重合体のカルボン酸官能基と吸光剤のカルボン酸官能基、或いはヒドロキシ基と反応できる官能基を持つ化合物を使用すべきである。たとえば、アミノプラスチック化合物、多官能性エポキシレジン、無水物、およびこれらの混合物などがある。架橋形成官能基としてはグリコールウリル化合物、尿素化合物、ベンゾグアナミン化合物のメラミン化合物のアミノ基の水素原子がメチロール基またはアルコキシメチロール基、オキセタニル基、オキサゾリン基、シクロカーボネート基、アルコキシシリル基、アジリジニル基、メチロール基、イソシアネート基或いは多官能性エポキシ基からなる群より選択されたものである。具体的な例としてはヘキサメトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、1,3,4,6−テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリノン、および1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジメトキシ−2−イミダゾリノンなどがあげられ、商品化した例としては、メトキシメチル化メラミン化合物の「サイメル300」「サイメル301」「サイメル350」、ブトキシメチル化メラミン化合物の「マイコート506」「マイコート508」、グリコールウリル化合物の「サイメル1170」「パウダーリンク1174」、ブチル化尿素樹脂の「UFR300」「U−VAN10R」「U−VAN11HV」、尿素/ホルムアルデヒド系樹脂の「ベッカミンJ−300S」「ベッカミンP−955」「ベッカミンN」などの製品と、これらと類似な製品などが挙げられる。多官能性エポキシ化合物としては「MY720」「CY179MA」「DENACOL」の商品名を有する製品、これらと類似の製品が好ましい。
【0036】
第二に、硬化反応を触診させる触媒剤として熱酸発生剤を使用する。熱酸発生剤としては化学式21〜23で示される化合物を使用するのが好ましい。化学式21〜23で示される化合物は、上述の多様な官能基の硬化剤と共に使用するときに優れた硬化効率を現すので、硬化のための加熱時間が5分未満の反射防止膜組成物に適合した物性を有する。
【化21】

【化22】

【化23】

【0037】
また、本発明の有機反射防止膜組成物に使用される有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン、エチルラクテート、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、γ−ブチロラクトン、エトキシエタノール、メトキシエタノール、メチル3−メトキシプロピオネート(MMP)、およびエチル3−エトキシプロピオネート(EEP)からなる群より選択された一つ以上の溶媒を使用するのが好ましい。
【0038】
また、本発明による有機反射防止膜組成物において、有機反射防止膜用重合体として使用される化学式1の化合物の重合体は、反射防止膜の全体組成物のうち0.1〜40質量%の量で含まれるのが好ましく、吸光剤は反射防止膜の全体組成物のうち0.1〜40質量%の量で含まれるのが好ましい。また、有機反射防止膜に含まれる硬化剤は、反射防止膜の全体組成物のうち0.01〜40質量%の量で含まれるのが好ましく、有機反射防止膜に含まれる熱酸発生剤の場合には反射防止膜の全体組成物のうち0.01〜20質量%の量で含まれるのが好ましい。
【0039】
即ち、このような構成成分を上記の組成比で含む有機反射防止膜組成物をウェハ上に塗布した後にベーキングなどの熱工程を行うと、以下の熱酸発生剤から酸が発生し、発生された酸の存在下で化学式1の有機反射防止膜用重合体と吸光剤のヒドロキシ基と添加剤として使用された硬化剤との間で起こる架橋反応がなされることにより、フォトレジストの溶媒に溶解されない有機反射防止膜が形成される。このような有機反射防止膜は、フォトレジストを透過して反射防止膜に到達した遠紫外線を吸収して、フォトレジスト下部膜よりの乱反射を防止する。
【0040】
本発明による有機反射防止膜の工程において、ベーキング工程は80〜250℃、ベーキング時間は20秒〜60分間で選択され、好ましくはベーキング工程は150〜250℃の温度で1〜5分間行う。
【0041】
また、有機反射防止膜の以後の工程は通常の半導体素子のパターン形成方法に基づき、特に限定されるのではない。
【0042】
また、本発明によるパターン形成方法において、フォトレジストパターンを形成する工程のうち露光する前後に第2ベーキング工程を付加的にもう一度行ってもよく、このような第2ベーキング工程は70〜200℃の温度で行うのが好ましい。
【発明の効果】
【0043】
本発明による新規の有機反射防止膜用共重合体および吸光剤を用いて形成された有機反射防止膜は、一般的な耐溶媒性、光の干渉現象の制御のみならず、速いエッチング速度まで提供することができる。
【0044】
従って、193nmの光源を使用する超微細パターン形成工程において、優れた工程マージンを有するので基板の種類にかかわらずに優れたパターンプロファイルが得られ、反射防止膜を速くエッチングすることにより得られる工程上の利点によって、より円滑な高集積半導体の開発に寄与することができる。
【実施例】
【0045】
以下、本発明の好ましい合成例と実施例を通じて具体的に説明する。しかし、本実施例は本発明の権利範囲を限定するものではなく、単に例示として提示する。
【0046】
合成例1)有機反射防止膜用重合剤 Aの合成
無水マレイン酸29.4g、メチルメタクリレート30g、AIBN2.97gを1,4−ジオキサン120gに溶解させた後、70℃で12時間にわたり重合反応させた。反応が完了した後に反応溶液をメチルアルコールに落下して生成された沈殿物を濾過し、メチルアルコールで何度も洗浄し、真空乾燥させた(Mw=17,200、PDI=2.95、収率=58%)。真空乾燥された重合体72g及びトルエンスルホン酸モノハイドレート0.55gをメチルアルコール725gに混合した後、70℃で48時間にわたり反応させた。反応が完了した後、反応溶液を蒸留水に落下して生成された沈殿物を濾過し、蒸留水で何度も洗浄して真空乾燥させた(収率58%)。
【0047】
合成例2)有機反射防止膜用重合剤 Bの合成
無水マレイン酸56.5g、ベンジルメタクリレート100g、AIBN4.67gを1,4−ジオキサン480.94gに溶解させた後、80℃で20時間にわたり重合反応させた。反応が完了した後、反応溶液をメチルアルコールに落下して生成された沈殿物を濾過し、メチルアルコールで何度も洗浄して真空乾燥させた(Mw=17,200、PDI=2.95、収率=53%)。真空乾燥された重合体82.95g及びトルエンスルホン酸モノハイドレート4.23gをメチルアルコール71200gに混合した後、80℃で48時間にわたり反応させた。反応が完了した後に反応溶液を蒸留水に落下して生成された沈殿物を濾過し、蒸留水で何度も洗浄して真空乾燥させた(収率53%)。
【0048】
合成例3)吸光剤Aの合成
シグマアルドリッチから購買したスチレン−無水マレイン酸重合体(Mn=1600、スチレンのモル数:無水マレイン酸のモル数=1.3:1)100g及びトルエンスルホン酸モノハイドレート0.77gをメチルアルコール1000gに混ぜ、70℃で48時間にわたり反応させる。反応の完了した後に反応溶液を蒸留水に落下して生成された沈殿物を濾過し、蒸留水で何度も洗浄して真空乾燥させる。
【0049】
合成例4)吸光剤Bの合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル21.80g、4−ヒドロキシベンゾ酸17.69g、及びトリエチルアミン0.37gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート78.98gに溶解させた後、120℃で18時間にわたり反応させる。反応が終わった後に常温までに反応溶液を冷やし、容器に盛り入れる。
【0050】
合成例5)吸光剤Cの合成
トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート200g、1,2−エポキシ−3−フェノキシ−プロパン260.9g、及びトリエチルアミン3.52gを1,4−ジオキサン928.8gに混ぜた後、120℃で18時間にわたり反応させる。反応が完了した後、溶媒を蒸発機で除去しメチレンクロライドに溶解させて2%塩酸水溶液と蒸留水で何度も洗浄する。蒸発機を用いて溶媒を除去して反応物を得る。
【0051】
合成例6)吸光剤Dの合成
4,4’−オキシビスベンゾ酸100g、1,2−エポキシ−3−フェノキシ−プロパン116.31g、及びテトラブチルアンモニウムブロマイド6.24gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート457.58gに混ぜた後、120℃で18時間反応させる。反応が終わった後、常温まで反応溶液を冷やし、容器に盛り入れる。
【0052】
合成例7)吸光剤Eの合成
スルホニルジベンゾ酸50g、1,2−エポキシ−3−フェノキシ−プロパン49.03g、及びテトラブチルアンモニウムブロマイド5.26gを、ジメチルホルムアミド208.58gに混ぜた後、120℃で18時間反応させる。反応の終わった後、常温まで反応溶液を冷やし、ヘキサンと水を用いて固体を生成させた後に水で何度も洗浄する。真空オーブンで乾燥して反応物を得る。
【0053】
実施例1:有機反射防止膜組成物Aの製造
合成例1で製造された有機反射防止膜用重合体7g、合成例3で製造された吸光剤A6g、テトラメトキシメチルグリコールウリル2gと、化学式23の構造を有する熱酸発生剤1gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート966gに溶解させた後、孔径0.2μmメンブレインフィルターで濾過することにより、有機反射防止膜組成物Aを製造した。
【0054】
実施例2:有機反射防止膜組成物Bの製造
合成例1で製造された有機反射防止膜用重合体7g、合成例3で製造された吸光剤A8gとテトラメトキシメチルグリコールウリル2.1g、化学式23の構造を有する熱酸発生剤1gをエチルラクテート981.9gに溶解させた後、孔径0.2μmメンブレインフィルターで濾過することにより、有機反射防止膜組成物Bを製造した。
【0055】
実施例3:有機反射防止膜組成物Cの製造
合成例1で製造された有機反射防止膜用重合体8g、合成例4で製造された吸光剤B10g、テトラメトキシメチルグリコールウリル2.7g、及び化学式23の構造を有する熱酸発生剤0.54gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート978.76gに溶解させた後、孔径0.2μmメンブレインフィルターで濾過することにより、有機反射防止膜組成物Cを製造した。
【0056】
実施例4:有機反射防止膜組成物Dの製造
合成例1で製造された有機反射防止膜用重合体8g、合成例5で製造された吸光剤C 6g、テトラメトキシメチルグリコールウリル2.8g、及び化学式23の構造を有する熱酸発生剤0.54gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート982.66gに溶解させた後、孔径0.2μmメンブレインフィルターで濾過することにより、有機反射防止膜組成物Dを製造した。
【0057】
実施例5:有機反射防止膜組成物Eの製造
合成例1で製造された有機反射防止膜用重合体8g、合成例6で製造された吸光剤D 4g、テトラメトキシメチルグリコールウリル1.7g、及び化学式23の構造を有する熱酸発生剤0.4gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート985.9gに溶解させた後、孔径0.2μmメンブレインフィルターで濾過することにより、有機反射防止膜組成物Eを製造した。
【0058】
実施例6:有機反射防止膜組成物Fの製造
合成例1で製造された有機反射防止膜用重合体8g、合成例7で製造された吸光剤E 4g、テトラメトキシメチルグリコールウリル1.7g、及び化学式23の構造を有する熱酸発生剤0.4gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート985.9gに溶解させた後、孔径0.2μmメンブレインフィルターで濾過することにより、有機反射防止膜組成物Fを製造した。
【0059】
実施例7:有機反射防止膜組成物Gの製造
合成例2で製造された有機反射防止膜用重合体5g、合成例7で製造された吸光剤E 5g、テトラメトキシメチルグリコールウリル1.4g、及び化学式23の構造を有する熱酸発生剤0.3gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート988.3gに溶解させた後、孔径0.2μmメンブレインフィルターで濾過することにより、有機反射防止膜組成物Gを製造した。
【0060】
実施例1〜7の組成物の組成を表1に総合的に示す。
【0061】
【表1】

* TMMG:テトラメトキシメチルグリコールウリル、TAG:熱酸発生剤、PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、EL:エチルラクテート
【0062】
実験例:ストリップテスト
実施例1〜7で製造された有機反射防止膜組成物をシリコンウェハ上にスピン塗布させた後、230℃のホットプレート上で1分間ベーキングして架橋させて有機反射防止膜を形成した。有機反射防止膜の厚さを測定し、有機反射防止膜がコーティングされたウェハを溶媒のエチルラクテートに1分間浸けた。その後、エチルラクテートを完全に除去し100℃のホットプレート上で1分間ベーキングした後、再度有機反射防止膜の厚さを測定した。測定の結果、エチルラクテート処理後の膜の厚さと処理前の膜の厚さの変化は観察できなかった。即ち、製造された有機反射防止膜組成物はベーク工程中に完全硬化され、リソグラフィ工程進行中にフォトレジストとのインターミキシングが起こらないことが確認された。
【0063】
実験例:屈折率(n)と消光係数(k)値の測定
実施例1〜7で製造された有機反射防止膜組成物をシリコンウェハ上にスピン塗布させた後、230℃のホットプレート上で1分間ベーキングして架橋させて有機反射防止膜を形成した。反射防止膜に関して、分光エリプソメーターを用いて193nmで屈折率(n)と消光係数(k)を測定した。測定の結果、有機反射防止膜組成物Aの屈折率(n)は1.66であり、消光係数(k)は0.32であり、有機反射防止膜組成物Bの屈折率(n)は1.73であり、消光係数(k)は0.30であった。また、有機反射防止膜組成物Cの屈折率(n)は1.78であり、消光係数(k)は0.32であった。
【0064】
実施例8:有機反射防止膜およびフォトレジストパターン形成
実施例1で製造された有機反射防止膜組成物を、シリコンオキシナイトライドの蒸着されたシリコンウェハ上にスピン塗布させた後、230℃のホットプレート上で1分間ベーキングして架橋させて有機反射防止膜を形成した。その後、反射防止膜上にJSR(株)製のフォトレジストを塗布し、130℃で90秒間ベーキングした。ベーキングが終了した後、ASML1400スキャナー装置(0.85NA)と、80nm1:1 L/Sパターンマスクを用いて露光させ、130℃で90秒間再度ベーキングした。露光したウェハをTMAH2.38質量%の現像液を用いて現像し、最終のフォトレジストパターンを得た。
【0065】
有機反射防止膜組成物Aを用いたフォトレジストパターンは良好な垂直性パターンであり、エネルギーマージンは約25%、フォーカス深度マージンは約0.3μmであった。有機反射防止膜組成物Bを用いたフォトレジストパターンは良好な垂直性パターンであり、エネルギーマージンは約23%、フォーカス深度マージンは約0.3μmであった。また、有機反射防止膜組成物Cを用いたフォトレジストパターンは良好な垂直性パターンであり、エネルギーマージンは約22%、フォーカス深度マージンは約0.3μmであった。
【0066】
実験例:エッチング速度の測定
実施例で製造された有機反射防止膜組成物をシリコンウェハ上にスピン塗布させた後、230℃のホットプレート上で1分間ベーキングして架橋させ、有機反射防止膜を形成した。有機反射防止膜が形成されたシリコンウェハをドライエッチング装置上、CFガスを用いて10秒間エッチングした。エッチング速度は(エッチング前の膜の厚さ−エッチング後の膜の厚さ)/時間として定義した。これを乾式エッチング選択性で換算した結果、有機反射防止膜組成物A、B、CのそれぞれのCFガスエッチング速度はそれぞれ2.25、2.35、2.20であった。乾式エッチング選択性は、ArFリソグラフィ用フォトレジスト(金湖石油化学(株)製、商品名KUPR−A60)の乾式エッチング速度を1.00にした場合における有機反射防止膜の乾式エッチング速度を示したものである。
【0067】
実施例1〜7の実験例の結果を表2に総合的に表した。
【0068】
【表2】

【0069】
実施例1〜7の本発明の有機反射防止膜組成物より得られた薄膜のエッチング速度は、フォトレジストに比べ相当にエッチが速いことが確認された。有機反射防止膜上に形成されたフォトレジストパターンを基板に伝写する過程において、有機反射防止膜のエッチング速度が速ければ、一層正確且つ容易にフォトレジストパターンを基板に転写できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】合成例1に従って製造された共重合体の1H−NMR写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式1で示される有機反射防止膜用共重合体。
【化1】

式中、R、R、Rは互いに独立であり、Rは水素または炭素原子1〜10のアルキル基であり、Rは水素、炭素原子1〜10のアルキル基、または炭素原子1〜10のアリールアルキル基であり、Rは水素またはメチル基である。m及びnはそれぞれ主鎖内の繰返し単位を表す数であって、m+n=1であり、かつ0.05<m/(m+n)<0.95、0.05<n/(m+n)<0.95の値を有する。
【請求項2】
請求項1記載の有機反射防止膜用共重合体、吸光剤、熱酸発生剤、および硬化剤を含む有機反射防止膜組成物。
【請求項3】
前記吸光剤は、化学式8で示される共重合体であり、重量平均分子量が1000〜100000である請求項2に記載の有機反射防止膜組成物。
【化2】

式中、Rは炭素原子1〜10のアルキル基であり、Rは水素、ヒドロキシル基また炭素原子1〜10のアルキル基を表し、m、nはそれぞれ主鎖内に繰返し単位を表す数としてm+n=1で、0.05<m/(m+n)<0.95、0.05<n/(m+n)<0.95の値を有する。
【請求項4】
前記吸光剤は、化学式14、19または20で示される化合物である請求項2に記載の有機反射防止膜組成物。
【化3】

式中、R







から選択され、R及びRは互いに独立に、水素,炭素原子1〜10のアルキル基または炭素原子1〜10のアルコキシ基である。
【化4】

【化5】

【請求項5】
前記硬化剤は、1化合物当たり2個以上の架橋形成官能基を有し、アミノプラスチック化合物、多官能性エポキシレジン、無水物およびこれらの混合物からなる群より選択されたものである請求項2から4のいずれかに記載の有機反射防止膜組成物。
【請求項6】
前記架橋形成官能基は、グリコールウリル化合物、尿素化合物、ベンゾグアナミン化合物のメラミン化合物のアミノ基の水素原子がメチロール基またはアルコキシメチロール基、オキセタニル基、オキサゾリン基、シクロカーボネート基、アルコキシシリル基、アミノメチロール基、アルコキシメチル基、アジリジニル基、メチロール基、イソシアネート基、アルコキシメチルアミノ基、および多官能性エポキシ基からなる群より選択された1種以上のものである請求項5に記載の有機反射防止膜組成物。
【請求項7】
前記熱酸発生剤は、化学式21〜23の化合物を含む請求項2に記載の有機反射防止膜組成物。
【化6】

【化7】

【化8】

【請求項8】
プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン、エチルラクテート、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、γ−ブチロラクトン、エトキシエタノール、メトキシエタノール、メチル3−メトキシプロピオネート(MMP)、およびエチル3−エトキシプロピオネート(EEP)からなる群より選択された1種以上の溶媒を含む請求項2に記載の有機反射防止膜組成物。
【請求項9】
有機反射防止膜用共重合体0.1〜40重量%、吸光剤0.1〜40重量%、熱酸発生剤0.01〜20重量%、および硬化剤0.01〜40重量%を含む請求項2に記載の有機反射防止膜組成物。
【請求項10】
化学式1は、無水マレイン酸及びアルキルアクリレート系化合物を重合させて製造された化学式2の反応中間体と、炭素数1〜10のアルキルアルコールとを反応させてなる請求項1に記載の有機反射防止膜組成物。
【化9】

式中、R及びRは互いに独立であり、Rは水素、炭素原子1〜10のアルキル基または炭素原子1〜10のアリールアルキル基であり、Rは水素或いはメチル基である。m及びnはそれぞれ主鎖内に繰返し単位を表す数であり、m+n=1で、且つ0.05<m/(m+n)<0.95、0.05<n/(m+n)<0.95の値を有する。
【請求項11】
前記アルキルアクリレート系化合物は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ノーマルプロピルアクリレート、ノーマルブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ノーマルプロピルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ノーマルブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、及び2−エチルヘキシルメタクリレートからなる群より選択されたものである請求項10に記載の有機反射防止膜組成物。
【請求項12】
前記化学式8は無水マレイン酸とスチレン化合物を重合させて製造された以下の化学式9の共重合体と、炭素数1−10のアルキルアルコールとを反応させて生成される吸光剤である請求項3に記載の有機反射防止膜組成物。
【化10】

前記式においてRは水素、ヒドロキシル基また炭素原子が1から10までのアルキル基である。m、nはそれぞれ主鎖内に繰返し単位を表す数であって、m+n=1で、0.05<m/(m+n)<0.95、0.05<n/(m+n)<0.95の値を有する。
【請求項13】
請求項2から4のいずれかに記載の有機反射防止膜組成物を被エッチング層上に塗布する工程と、
塗布された組成物を、ベーク工程を通じて硬化させ、架橋結合を形成させて有機反射防止膜を形成する防止膜形成工程と、
有機反射防止膜上にフォトレジストを塗布し、露光後に現像してフォトレジストパターンを形成する工程と、
フォトレジストパターンをエッチングマスクにして有機反射防止膜をエッチングした後、被エッチング層をエッチングして被エッチング層のパターンを形成する工程と、を含む半導体素子のパターン形成方法。
【請求項14】
前記ベーク工程を150〜250℃で1〜5分間にわたって行う請求項13に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項15】
フォトレジストパターン形成工程のうち露光の前後において、第2ベーク工程をさらに含む請求項13または14に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項16】
前記第2ベーク工程を70〜200℃で行う請求項15に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項17】
請求項13〜16のいずれかに記載のパターン形成方法によって製造された半導体素子。

【図1】
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【公開番号】特開2009−1792(P2009−1792A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147792(P2008−147792)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(502323737)コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド (16)
【Fターム(参考)】