説明

検査装置、積層装置、及び検査方法

【課題】本発明は、外乱光に曝された検査対象範囲を対象に自動で異物を検出する検査装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の検査装置(14)は、物体を撮像する撮像手段(140)と、前記物体の一部分を表わす部分画像データごとに異物判定基準値を求め、該異物判定基準値に基づいて前記物体中の異物を前記部分画像データ単位で検出する画像データ処理手段(144)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、物体上の欠陥を検出する欠陥検出技術に関し、特に、積層装置で型に積層されるプリプレグ上の欠陥を検出する検査装置、積層装置、及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、釣竿、ゴルフシャフト等のスポーツ・レジャー用機材等に、強化繊維を用いた複合材料が数多く採用されている。それらの機材は、強化繊維を引き揃えて熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグと呼ばれる成形用材料を多層積層し、その後硬化させるなどして成型される。この成型用材料として、特に、炭素繊維を用いたプリプレグは、軽量、高剛性など、すぐれた性能を持つ。このため、プリプレグは、近年、航空機や自動車産業の材料として、またその他産業機械における材料としても、注目を集めつつある。
【0003】
一般に、プリプレグを積層する際にキズやほつれ、異物の入り込み等の欠陥が伴うと、上述した性能は大きく低下する。このため、積層工程において品質検査が行われている。
この品質検査は、プリプレグを一枚だけ積層する各貼り付け工程ごとと、決められた枚数分のプリプレグを積層した全工程終了後とに分けて行われ、各貼り付け工程ごとの検査では従業員により目視検査が行われ、全工程終了後の検査ではX線や超音波等を照射するなどした精密検査が行われる。
【0004】
プリプレグを積層して成型する構造物の大きさは、通常、最大でも数メートル規模の小さな構造物である。しかし、年々、それ以上に大きな構造物を取り扱うケースも発生してきている。このように構造物が大きくなると、それにつれて、プリプレグの積層時の異物等の混入やその他の欠陥の可能性はより高まってくることになる。また一方で、検査面積が大きくなることによる従業員への負担が避けられないため、従業員を増やすなどして対応している。
【0005】
また、上記目視検査をコンピュータで自動化する方法を開示したものがある。その開示の方法は、室内照明が管理された状況下で用いられる方法であり、プリプレグ表面の反射光の輝度値を固定の閾値と比較することにより品質チェックを行うようにしたものである(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平09−225939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、年々、プリプレグを積層して成型する構造物の大きさが大きく、あるいは複雑になってきている。また、生産効率向上のため、積層速度も上がってきている。
この各貼り付け工程単位の目視確認で作業者により欠陥の見落としが増えると、全工程終了後の精密検査で欠陥を発見しても、その構造物の奥深くに混入した異物などのような全工程終了後では修復不可能なものが多くなり、結果としてその構造物は廃棄せざるをえなくなる。
【0007】
よって、そのような欠陥をその場で修復できるようにするためにも各貼り付け工程ごとの品質検査は特に重要となる。作業者による一貼り付け工程単位の目視確認は、効率や精度において限界が出始めており、一方での作業者の増加は、人件費によるコスト高などの問題を招くことになる。このため、見逃し等のミスの低減や人件費の削減等を行うためにも、できるだけ正確で、より大きくなる構造物に適した自動検査方法が望まれている。
【0008】
また、プリプレグの積層工程では、通常、プリプレグ上の位置に応じて外乱光の照射条件(照射角度等)も変化するため、プリプレグ上の位置に応じて輝度値の配列パターンや全体の平均輝度値のレベルが変化する。このため、その検査方法は、この変化に動的に適合しうるものでなければならない。上記特許文献1に開示されている方法は、室内照明が管理された状況下であれば良いが、照明が変化するようなケースへの適用は不向きである。
【0009】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、外乱光に曝された検査対象範囲を対象に自動で欠陥を検出する検査装置、積層装置、及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するために以下のように構成する。
本発明の検査装置の態様の一つは、例えばプリプレグなどの物体を撮像する撮像手段と、上記物体の一部分を表わす部分画像データごとに欠陥判定基準値(この欠陥判定基準値は、例えば輝度やエッジ強度などの所定の値である)を求め、該欠陥判定基準値に基づいて上記物体中の欠陥を上記部分画像データ単位で検出する画像データ処理手段と、を備えるように構成する。
【0011】
なお、上記欠陥判定基準値は、上記部分画像データごとに計算した平均輝度値と、平均輝度値と該平均輝度値に応じて変化する欠陥判定基準値との関係を示す所定の対応情報とに基づいて求められるように、上記画像データ処理手段を構成しても良い。
【0012】
この場合、上記物体と上記欠陥の輝度値のコントラスト比を増大する照明手段を更に備え、上記対応情報を、上記照明手段の照明下における上記平均輝度値と該平均輝度値に応じて変化する上記欠陥判定基準値との関係を示す情報とする、ように構成することが望ましい。
【0013】
本発明の積層装置の態様の一つは、設置された型に対して移動しながら該型上にプリプレグを順次積層することを前提に、上述したような検査装置を搭載する。
本発明の検査方法の態様の一つは、物体を撮像した画像データから欠陥を自動的に検出することを前提として、上記物体の一部分を表わす部分画像データの単位で平均輝度値を算出し、上記平均輝度値に対応する欠陥判定基準値を上記部分画像データの単位で所定の対応情報から抽出し、上記欠陥判定基準値を閾値として上記部分画像データを分割し、上記分割データから欠陥を特定する、ようにする。
【0014】
以上より、部分画像データに示される物体はその撮像時の照明環境に応じて異なるパターンで光を乱反射するため、部分画像データに示される物体と欠陥との輝度値のコントラスト比は常に一定とはならないが、本発明のように、その時の照明環境下で撮像して得た部分画像データに基づく最適な欠陥判定基準値を求めれば、それぞれの照明環境下に応じて撮像された各部分画像データからより正確に欠陥を特定できるようになる。
【0015】
更に、物体と欠陥との輝度値のコントラスト比が大きくなるような照明を意図的に構成すれば、外乱光の変化による影響を抑止することが可能になり、上記欠陥を更に正確に特定できるようになる。
【発明の効果】
【0016】
以上より、本発明では、外乱光に曝された検査対象範囲を対象とする場合であっても欠陥を自動検出することが可能になる。
また、設定に応じて、プリプレグを積層する積層工程内での欠陥検査を行うこともでき、目視での検査よりも短時間に効率的な検査を行うことができる。また、これを一時検査にしてその後に作業者による目視を行う場合は、作業者による欠陥の発見が容易になり、目視検査の負担を軽減できる。このため、作業者の人数は少なくて済み、また欠陥の見落としも大幅に減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の検査装置に使用する欠陥判定基準値の導出方法を説明するための図である。
【0018】
同図(a)は、二つの物体が入り混じっている混合物体の画像イメージである。同図の平行線で満たされる領域が物体Aであり、その領域内の白抜きの領域が物体Bである。
混合物体中を占める物体Bの面積が物体Aのそれと比べて非常に小さい場合に物体Aと物体B間の輝度値のコントラスト比がある一定比率以上に維持されると、ある平均輝度値範囲で図(b)に示される関係が成立することを実験で得た。ここで、平均輝度値とは、上記画像イメージ全体または上記画像イメージ内の部分領域から得られる輝度を単位面積当たりに換算したときの値である。
【0019】
同図(b)は、上記画像イメージ内の部分領域を対象に算出した平均輝度値と、その部分領域中の各物体が示す輝度値との対応関係を示すグラフである。
このグラフは、平均輝度値を横軸とし各物体の輝度値を縦軸として、各物体の輝度値の分布状態を示している。この輝度値の分布状態は、外乱光が降り注ぐ環境下で上記画像イメージ内の任意の部分領域(この大きさは、物体Bの面積が物体Aと比べて非常に小さくなるような大きさであるものとする)を対象に平均輝度値と各物体の輝度値とを繰り返し実測してプロットした結果得られたものであり、同図はその分布状態のイメージである。
【0020】
混合物体表面に降り注ぐ外乱光が実測中に変化する場合においては、各回の実測時の平均輝度値が同一であったとしても各物体の輝度値のレベルがそれぞれ変化する場合がある。しかし、そのように外乱光が変化しても各物体間の輝度値のコントラスト比がある一定比率以上に確保される場合は、ある平均輝度値範囲内では各物体が取り得ない輝度値が平均輝度値ごとに存在し、またそのような輝度値は各平均輝度値に応じて異なる。
【0021】
同図には、各物体の分布状態が物体ごとに柄分けして示されており、各物体の分布領域を略二分する境界が存在するのが分かる。この境界に存在する輝度値が、上述したような、各物体が取り得ない輝度値である。なお、同図においては、その境界の形の例を示すために、境界に位置する複数の値を直線近似して示した。
【0022】
本発明の検査装置では、この境界に示される値を欠陥判定基準値として使用し、以下のように構成する。
本発明の検査装置は、物体Aを撮像する撮像手段と、その物体Aの一部分を表わす部分画像データ(撮像手段により得た部分領域の画像データ)ごとに上記欠陥判定基準値を求め、この欠陥判定基準値に基づいて物体A中の欠陥(上記物体B)を上記部分画像データ単位で検出する画像データ処理手段と、を備えるように構成する。
【0023】
本構成の検査装置では、外乱光の作用により混合物体表面の画像データの輝度値の配列パターンや平均輝度値のレベルが変化する場合であっても、各物体間の輝度値のコントラスト比がある一定比率以上に確保されていれば上記変化に応じた最適な欠陥判定基準値を求めることができ、部分画像データ中から欠陥を検出できる。
【0024】
以下に、本検査装置の適用例を示す。
(実施例)
本例では、型にプリプレグを積層するプリプレグ積層装置(以下では、単に積層装置と呼ぶ)に検査装置を搭載した例を説明する。
【0025】
本検査装置には、型にプリプレグを貼り付ける際にプリプレグ(上記物体A)の混入異物(物体B)を検出させる。
なお以下では、プリプレグとして、炭素繊維を用いた黒色のプリプレグを使用し、混入異物をプリプレグよりも輝度の高い部分として定義しておく。
【0026】
図2は、積層装置の構成例である。
同図の積層装置1は、地面に固定された型の上方を積層装置1自体が移動することにより型の全領域にプリプレグを積層するタイプのものである。
【0027】
積層装置1は、プリプレグA´を供給するための供給装置10、プリプレグA´を型2に圧着するためのローラ12、及びプリプレグA´上の異物を検出するための検査装置14が一体的に構成され、各部を制御するための不図示の制御装置は遠隔に配置された構成をとる。
【0028】
積層装置1は、地面に対して静止している型の上方を同図の右方向(同図の矢印方向)に移動する。この移動のための機構には従来の機構を用いているため、同図においては省略している。この積層装置1の移動は、例えば、型の表面が平面で、その平面に沿って直線移動させる場合、同図の水平方向にX軸レールを配設し、このレールに積層装置1の上部をスライドが可能なように懸架させて不図示の移動装置で積層装置1をX軸レール沿いに移動させるようにして実施する。なお、型の表面が曲面である場合は、積層装置1を鉛直方向へ上下させる昇降装置を更に構成し、水平移動と鉛直方向移動の組み合わせにより積層装置を曲面上に沿って滑らかに移動させるようにして実施する。
【0029】
供給装置10は、プリプレグA´を型上に供給するための装置である。この供給装置10は、内部に、薄く平たい未使用のプリプレグA´を巻き付けた不図示のプリプレグ供給ドラムやそのプリプレグA´を外部に送り出す送出機構を備えている。供給装置10は、後述の積層開始信号に基づいて未使用のプリプレグA´を積層装置1の移動速度に合わせて外部に叙々に送り出し、後述の積層終了信号に基づいてプリプレグA´の送出を停止する。供給装置10から送り出されたプリプレグA´は、プリプレグA´の幅と同じまたはそれ以上の長さをもつローラ12によって型2に押し付けられ、型2上に同図の左から右へ貼り付けられる。
【0030】
検査装置14は、型2にプリプレグA´を貼り付けした直後にそのプリプレグA´の上面から混入異物B´を検出するための装置である。この検査装置14は、積層装置1の移動方向の後方側(同図の積層装置の左側)に配置される。この検査装置14は、後述の積層開始信号に基づいて処理を開始し、後述の積層終了信号に基づいてその処理結果(後述の異物検出結果情報)を制御装置へ出力すると共にその処理を停止する。
上記制御装置は、不図示の上記移動機構を制御し、積層装置1を移動制御する。また、オペレータから積層開始操作を受けると、供給装置10及び検査装置14に積層開始信号(積層情報)を出力すると共に、型に沿って積層装置1を所定スピードで移動させるように上記移動機構を制御する。また、オペレータから積層終了操作を受けると、供給装置10及び検査装置14に積層終了信号(積層情報)を出力すると共に、積層装置1の移動を停止する、また更に積層終了時に検査装置14から異物検出結果情報が出力された場合は、この情報を内部メモリに記憶させる。
【0031】
図3は、検査装置14の構成例である。
本検査装置14は、撮像装置140(撮像手段)、タイミング生成装置142−1及び照明装置142−2(照明手段)、及び画像データ処理装置144(画像データ処理手段)を備えている。
【0032】
撮像装置140は、レンズやバンドパスフィルタなどが組み合わされた光学系や、シャッターや、モノクロCCD(Charge Coupled Device)、カラーCCD、モノクロCMOS、またはカラーCMOSなどのイメージセンサ、あるいはラインセンサなどの光電変換手段や、撮像された画像情報を各種信号処理したり外部に信号出力するなどする信号処理回路などで構成されている。本例では、プリプレグとして黒色のプリプレグを例に挙げたため、このプリプレグから混入異物を検査するのに好適なモノクロCCDを使用するが、機能の実現のためには他の光電変換手段を用いても良く、なんら制限されるものではない。以下は便宜上、CCDイメージセンサを使った実施例について説明する。なお、微弱な光量の差も感知できるものが望ましいため、受光感度のより高いものを選んでいる。
【0033】
本撮像装置1は、型2の上にプリプレグがローラ12で圧着される位置(圧着位置)よりも後方(既に圧着が完了している方向)のプリプレグ表面が撮像対象になるように設置されている。本例では、撮像範囲の中心が上記圧着位置から固定的な位置に一致するように設置され、そして、この位置から所定範囲(検査対象範囲)内に収まっているプリプレグ表面(プリプレグ表面の一部分の領域)が撮像される。
【0034】
積層中は、本撮像装置1が一体的に構成された検査装置は型の上面に沿って移動しているため、撮像装置1のCCDが向いている上記検査対象範囲内(この範囲には型上にプリプレグが貼り付けられている)ではプリプレグ表面の連続する領域が次々と検査装置の移動向きと反対向きに送られる。この点を踏まえ、本撮像装置140では、連続するプリプレグ表面を少なくとも全て取り込めるような時間間隔で撮像が繰り返されるようにシャッタータイミングを設定している。
【0035】
撮像装置140は、更に、照明装置142−2を瞬間的に点灯させるためのトリガ信号を所定のタイミングで外部出力し及び上記設定されたシャッタータイミングで撮像した検査対象領域の画像を映像信号として1コマごとに外部出力する。
【0036】
タイミング生成装置142−1は、CCDカメラのシャッタータイミングに適した点灯タイミングを照明装置142−2に送るための回路を備える。タイミング生成装置142−1は、積層開始信号を受けると照明装置やCCDカメラに内部の電力を供給し、この電力供給後にCCDカメラ140から出力されるトリガ信号を基準に最適なタイミング(例えば、設置環境下や照明の種類などに応じて設定されたタイミング)で照明装置142−2に点灯信号を出力する。
【0037】
照明装置142−2は、発光ダイオードやレーザ等の発光素子やこれらを瞬間的に点灯する回路を備えた装置である。照明装置142−2は、タイミング生成装置142−1から出力された点灯信号に基づいて発光ダイオードやレーザ等を瞬間的に(CCDによる撮像時間程度の間)点灯させる。
【0038】
画像データ処理装置144は、モノクロCCDカメラ140から出力された映像信号から異物検出処理を行う装置である。
ここで、検査装置の各信号(同図の実線太線矢印/破線太線矢印)のタイミングについて説明する。
【0039】
図4は、そのタイミングチャートを示したものである。
同図には、積層開始から終了までの一連の処理において検査装置内の装置間で授受される上記信号のタイミングが示されている。
【0040】
まずはじめに、制御装置から画像データ処理装置に積層開始信号が送信される。
画像データ処理装置は積層開始信号を受けるとタイミング生成装置にその信号を送る。
タイミング生成装置は上記信号を受信するとCCDカメラ及び照明装置に電力を供給し、待機する。
【0041】
CCDカメラは、電力供給を受けると、所定時間間隔でタイミング生成装置にトリガ信号を送信する。トリガ信号を送信した後は、所定時間だけシャッターを開き、撮像した画像を映像信号として画像データ処理装置へ送信する。
【0042】
タイミング生成装置では、CCDカメラからトリガ信号を受信すると、次にシャッターが開かれる所定時間後に照明装置に点灯信号を送信し、これを所定時間間隔で繰り返す。なお、照明の点灯期間と、CCDカメラのシャッターが開いている期間が合うように、タイミング生成装置は、点灯信号を照明装置へ送信するものとする。
【0043】
照明装置では、点灯信号を受信してから所定時間の間、照明を点灯する。
そして、制御装置から画像データ処理装置に積層終了信号が送信されると、画像データ処理装置は、その信号をタイミング生成装置へ送信し、得られた異常判定結果情報を制御装置へ送信する。
【0044】
タイミング生成装置は、上記積層終了信号を受信すると、照明装置及びCCDカメラへの電力供給を止め、更に、トリガ信号の出力を停止する。
ここで、図3の説明に戻り、画像データ処理装置144について詳しく説明する。
【0045】
本画像データ処理装置144は、キャプチャ部1440、ストレージ部1442、異物検出部1444、及び結果判定部1446を備えた回路である。
キャプチャ部1440は、モノクロCCDカメラ140から出力された映像信号を各コマごとのデジタル画像データ(デジタル部分画像データ)に再生成する処理部である。当該デジタル画像データは、モノクロCCDカメラ140の画素配列に準じた各画素の輝度値(諧調値)の集合データであり、これはストレージ部1442に出力される。
【0046】
ストレージ部1442は、RAM(Random Access Memory)などのメモリで構成され、キャプチャ部1440で再生成されたデジタル部分画像データを記憶し、異物検出部1444に出力する。このメモリは、例えば、連続するコマのデジタル部分画像データ(連続部分画像データ)をそれらの再生成順に順次記憶していき、最初に記憶されたコマのデジタル部分画像データから順に異物検出部1444に出力するなどのように構成することができる。
【0047】
異物検出部1444は、ストレージ部1442に記憶されているデジタル部分画像データから異物を検出する処理部である。この処理部は、平均輝度及びこれがとる値に応じて異なる最適値をもつ異物判定基準値とよりなる対応情報を備えている。この処理部は、ストレージ部1442のデジタル部分画像データに最適な異物判定基準値を上記対応情報から算出し、その最適な異物判定基準値を用いて異物の検出処理を行う。そして、異物が検出されると、結果判定部1446へ異物検出信号を出力する。
【0048】
結果判定部1446は、異物検出部1444によって異物が検出されたことの正当性を判定するための処理部である。この処理部は、異物検出部1444から連続する複数コマ(2コマまたはそれ以上のコマ)に渡って異物検出信号を受信した場合に異物が検出されたものと判定する。そして、異物が検出されたものと判定すると、異物が検出された旨(異物検出結果情報)を制御装置へ通知する。
【0049】
なお、この処理部1446は、不図示の制御装置から送信された積層開始信号(積層情報)を基準にして異物検出位置を計測してもよい。例えば、積層開始信号の受信時から経過時間をカウントし、積層開始信号の受信時から上記異物判定時までの時間とプリプレグの供給速度とを基に上記積層開始位置からの距離を算出するなどして得ることができる。このようにして得られた異物検出位置は、上記異物が検出された旨と共に制御装置へ送ることができる。
【0050】
また、上記異物検出位置は、制御装置側で計測しても良い。制御装置側で計測した場合は、結果判定部1446による異物が検出された旨の通知を受信した際にその通知に位置情報をつけて制御装置で管理する。
【0051】
図5は、照明装置を用いる場合の最適な配置構成を説明するための図である。
同図は、プリプレグA´、プリプレグA´に光を照射する照明装置142−2、及びプリプレグ表面の所定範囲を撮像範囲として固定したモノクロCCDカメラ140の好適な配置例を示している。この内の同図(a)は、最適に配置した場合の各装置の斜視図であり、同図(b)はそれを上方側から作図したものであり、同図(c)は、それを真横(同図の手前側)から作図したものである。なお、同図において、図3と同一箇所には同一番号を付すことにした。
【0052】
モノクロCCDカメラ140によって得られる画像のプリプレグ領域の輝度レベルは、プリプレグ表面に照射される光の照射向きに大きく左右されることが分かっている。例えば、同一の照明を同じ俯角で同じ距離からプリプレグ上に照射した光の散乱光をプリプレグ上方から観察する場合、その照明をプリプレグの繊維方向に直行する方向から照射した時とプリプレグの繊維方向に沿った方向から照射した時とでは、プリプレグ表面における拡散反射光強度が大きく異なって観測される。具体的には、その照明の照射方向を繊維方向に直交する方向から繊維方向へ叙々に変えていくと、照射方向と繊維方向との成す角度が大きくなるにつれ、その拡散反射光強度は叙々に強くなる。一方、プリプレグに混入した異物における拡散反射光強度は、その照明の照射向きの影響を殆ど受けない(拡散反射光強度に違いが見られたとしても無視できる程度である)。
【0053】
このことから、できる限りプリプレグの繊維方向に沿った方向から検査対象範囲に光が照射すれば、異物の輝度レベルは維持したままプリプレグの拡散反射光によるプリプレグ全体の輝度レベルを低下させることができ、結果としてその検査対象範囲内のプリプレグと異物との輝度値のコントラスト比が増大するという結論に至る。
【0054】
本配置構成は、検査対象範囲内のプリプレグと異物との輝度値のコントラスト比を意図的に増大させ、プリプレグと異物とをよりはっきりと区別させるための構成である。
先ず、モノクロCCDカメラ140の配置構成から説明する。
【0055】
モノクロCCDカメラ140は、異物を検出するのに検査対象領域の十分な解像度が得られる配置であれば良い。このため、本例では、プリプレグ面と平行に且つプリプレグ面上に設定した検査対象範囲の中心の法線上に撮像面の中心が位置するように設置する。なお、外部照明条件などの影響でプリプレグへその照明の写りこみが発生する恐れのある場合は、異物を検出するのに必要な解像度が得られる範囲内にカメラの向きを変えて設置し、その照明の写り込みを回避する。カメラの向きを変えただけではその外部照明の写りこみの回避は不可能である、または、回避することで必要な解像度が得られない等の理由がある場合は、プリプレグに照射する外部照明の直射光線を制限する遮蔽物を設置する。
【0056】
更に、意図的に照射する照明光(特に異物において高反射率の波長の光)を通し且つこれ以外の波長の光を除去するバンドパスフィルタ等の除去フィルタを受光面の前に装着しても良い。この除去フィルタを装着することで、異物検出に使用する波長以外の波長の光(特に、積層装置の設置場所やプリプレグ上の位置に応じて異なる外乱光)の作用を無視することができるようになり、より効果的である
次に、照明装置142−2の配置構成について説明する。
【0057】
同図(b)は、照明装置からプリプレグ面に入射する光の水平方向成分(回転角)を規定した図である。同図に示されるように、照明装置から照射される光の回転角は、前記物体と前記欠陥との輝度値のコントラスト比を増大する、その光軸が上記プリプレグの繊維方向に対して水平に一定の範囲内(望ましくは0°から40°)の角度を成すことが好ましい。
【0058】
また同図(c)は、照明装置からプリプレグ面に入射する光の入射角の鉛直方向成分(俯角)を規定した図である。同図に示されるように、照明装置から照射される光の俯角は、前記物体と前記欠陥との輝度値のコントラスト比を増大する、その光軸が上記プリプレグ面から上方に一定の範囲内(望ましくは15°から70°)の角度を成すのが好ましい。これに反して、角度を15°よりも小さくすると、照明光の光量不足で十分なコントラストが得られないことがある。
【0059】
なお、プリプレグ面が平面ではなく、起伏などをもっている場合は、この照明条件下ではCCDに照明装置の鏡像が写ることもあるため、その写り込みが発生するときにはCCDカメラの配置構成で説明したように遮断物やCCDカメラの方向を変える事でその写り込みを回避すればよい。
【0060】
また、様々なパターンの起伏に一台のCCDカメラのみで対応しきれない場合は、特に詳しくは説明しないが、それぞれの配置を変えて設置した複数台のCCDカメラを使用しても良い。
【0061】
さて、次に、照明装置で使用する光の種類について説明する。
一般的に、照明装置で使用する光は、高周波蛍光灯や白熱灯など、異物の検出に支障がないものであれば特に限定されるものではない。しかし、例えば青色の異物が存在した場合に長波長を含む白色灯を組み合わせて使用すると、その長い波長の光はプリプレグ表面上で高反射効率を示し異物上で低反射効率を示すため、プリプレグの輝度レベルが増加して異物の輝度値とのコントラスト比が低下する。つまり組み合わせ方によっては、プリプレグと異物との輝度値の差がつきにくいものとなり、異物の検出が困難になる。この改善方法の一つには、既に上述したように、CCDカメラに特定の波長を取り出すフィルタを設ける方法がある。ここではその他の方法として、照明装置に特定の波長の光を使用する例を説明する。
【0062】
照明装置に特定の波長の光を使用する場合は、異物において高反射効率の波長の光(プリプレグの反射効率と比較して高い反射効率の波長の光の中でもより高いもの)を使用する。上述の青色の異物が存在した場合の例においては、青色の波長帯域の照明光(青色LEDや青色レーザー)を使用する。このように波長選択して光を照射することにより、プリプレグと異物間の輝度値のコントラスト比を大きくできる。
【0063】
ただし、この手法は単一色に限定されるものではなく、撮像画面において判別しづらい物体の存在するときには、その検出対象物に合わせた波長の照明光を選んで照射することによって画面のコントラスト比を改善することができる。また、検出対象物の種類が複数あった場合にも、複数の波長の照明を同時に照射することで同様にコントラスト比を改善することができる。
【0064】
図6は、図5に示した最適な配置構成下で作成した対応情報のグラフである。
このグラフは、平均輝度値を横軸としエッジ輝度値を縦軸として、検査対象範囲内のプリプレグと異物のそれぞれのエッジ強度をプロットしたものである。各プロットは、プリプレグの領域に対して混入異物の占める領域が非常に小さいプリプレグを対象に実測して得たものである。本例では、様々な外部照明下でCCDカメラから部分画像データを取得し、その部分画像データ内の平均輝度値とその部分画像データ内のプリプレグと異物のエッジ強度を繰り返し実測した。同図に示される平均輝度範囲においては、それぞれのエッジ強度の分布領域が同図に直線近似された境界で略二分されている。
なお、上記対応情報を作成する際の照明の構成と検査装置の照明の構成は同じとすることが望ましい。
【0065】
図7は、画像データ処理装置の異物検出部1444における処理フローである。
以下では、上記異物検出部1444は2つの演算部とROM(Read Only Memory)やRAMなどのメモリ部など備えた回路でストレージ部1442や結果判定部1446とは信号線で接続されているものとする。そしてメモリ部では、例えばROMに上記処理フローで使用する各種のプログラムや図6に境界線として示される平均輝度値とエッジ強度(以下閾値とする)との対応情報が記憶されており、RAMに、図6に示すストレージ部1442から出力された部分画像データを展開する領域、演算等で使用するワーク領域、一つ前の部分画像データの閾値を記憶する領域などが割り当てられているものとする。
上記処理フローで使用する各種プログラムは、検査装置が積層開始信号を受信した直後に起動し、以下の処理を行う。
【0066】
先ず、ストレージ部1442の部分画像データをメモリ上に展開する(S1)。この部分画像データの展開は、ストレージ部で保持されている部分画像データの内のより早く記憶されたものから行われる。
【0067】
続いて、展開された部分画像データを基に処理Aと処理Bが並行処理される。
処理Aは、先ず、展開された部分画像データの各画素の輝度値を集計して平均輝度値を求め、この平均輝度値に対応する閾値を上記対応情報から抽出する(SA2)。
【0068】
続いて、その抽出した閾値と一つ前の部分画像データに対して抽出された閾値との差分をとり、この差分の結果に応じて続く処理を決定する(SA3)。一つは、この差分が所定数値(急激な変化を示す値)以上である場合、当該部分画像データに対する異常検出処理を終了させ(処理Bに続く処理に終了を示す命令を送る)、次の部分画像データに対する処理に移行させる。このケースは、その部分画像データ内に大きな異物が含まれていることを示すため、この時、異物検出信号を結果判定部1446へ出力する。また更に、本例では、前の部分画像データに対して抽出された閾値を当該部分画像データに対して抽出した閾値で上書きする。また、その他の一つは、その差分が所定数値未満である場合、処理Bに続く処理に移行させる。
【0069】
なお、上記所定数値(急激な変化を示す値)としては、例えば、上記差分が平均輝度値の所定範囲内に示される閾値の最大変化量を越えるような値をとる場合であり、その値の抽出方法としては、例えば、所定範囲内の閾値との差分がその急激な変化を示す値をとるような閾値を上記所定範囲に含まれない平均輝度値の対応値として予め設定しておくことにより実施できる。
【0070】
処理Bは、上記展開された部分画像データを対象にエッジ強調処理を施し、エッジ部分画像データを生成する(SB2)。このエッジ強調処理では、隣接画素の輝度値の差分結果を基にエッジ部分を強調するなどし、輝度値のコントラスト比の大きい部分を抽出する。
【0071】
続く処理(S4)は、処理A及び処理Bの結果が利用される。
この処理(S4)では、ステップSA2で差分が所定数値未満であった場合は、ステップSA1で抽出された閾値(エッジ強度の値)を基準に上記エッジ画像データを「0」または「1」に2値化し、次の処理(S5)に移行させる。この2値化により、異物を含む領域とそうでない領域とを分割できる。なお、画像生成時に発生したノイズの除去は、この後にノイズ除去フィルタをかけるなどして対処してよい。一方、ステップSA2で差分が所定数値以上であった場合は、処理を終了し、次の部分画像データに対する処理に移行させる。
【0072】
続いて、上記2値化したデータを基にラベリング処理する(S6)。この処理では、エッジ強度の高い方の2値データ(例えば、上記「1」と「0」のうちの「1」)で示される領域をラベリングし、その領域のみ抽出する。異物の存在する場合のエッジ強度は一般的にプリプレグ表面粗さによるエッジ強度よりも高くなる傾向があるが、環境光の増加によって画像の輝度が高くなるとコントラストが改善されるため、異物のエッジ強度のみならずプリプレグ表面のエッジ強度が増加する傾向にある。よって、この段階では、異物を含む領域以外に、プリプレグ表面によるノイズ部分も含まれている。
【0073】
そこで、続いて、上記ラベリングされた領域のうち、領域面積の小さいものを削除する(S7)。これにより、上記ノイズ部分をカットする。
最後に、本例では、残りのラベリング領域を対象に所定以上の領域面積があるか否かを判定して、所定以上の領域面積をもつラベリング領域がある場合に限り、異物検出信号が結果判定部1446へ出力されるようにする(S8)。この判定は、所定以上の大きさのものを異物とみなすためのもので、それ以下の大きさの異物は、プリプレグから取り除かなくても一定の品質を保持する事ができるものとしている。
【0074】
その後、当該部分画像データに対する異常検出処理を終了し、次の部分画像データに対する異常検出処理を開始する。なおこの時、前の部分画像データに対して抽出した閾値を当該部分画像データに対して抽出した閾値で更新する。
【0075】
以上の処理は、積層終了信号を受信するまで続けられる。
本例の検査装置では、照明装置を適切に配置してプリプレグと異物間の輝度値のコントラスト比を意図的に大きくするため、外部照明光などの作用によりプリプレグ表面の画像データの輝度値の配列パターンや平均輝度値のレベルが変化する場合でも、そのコントラスト比はある一定比率以上に確保される。そして、平均輝度値の変化に応じて最適な閾値を利用できるので、常に高い精度でプリプレグ上から異物を自動検出できる。
【0076】
また、検査対象領域に突然大面積の異物等が入り込んでも、誤検出を招く恐れなく、高い精度でプリプレグ上から異物を自動検出できる。
また、設定に応じて、プリプレグを積層する積層工程内での異物検査を行うこともでき、目視での検査よりも短時間に効率的な検査を行うことができる。また、これを一時検査にしてその後に作業者による目視を行う場合は、作業者による異物の発見が容易になり、目視検査の負担を軽減できる。このため、作業者の人数は少なくて済み、また異物の見落としも大幅に減らすことができる。
【0077】
(付記1)物体を撮像する撮像手段と、上記物体の一部分を表わす部分画像データごとに欠陥判定基準値を求め、該欠陥判定基準値に基づいて上記物体中の欠陥を上記部分画像データ単位で検出する画像データ処理手段と、を備えることを特徴とする検査装置。
(付記2)上記欠陥判定基準値は、上記部分画像データごとに計算された平均輝度値と、平均輝度値と該平均輝度値に応じて変化する異物判定基準値との関係を示す所定の対応情報とに基づいて求められる、ことを特徴とする付記1に記載の検査装置。
(付記3)上記物体と上記欠陥との輝度値のコントラスト比を増大する照明手段を、
更に備え、上記対応情報を、上記照明手段の照明下における上記物体の上記平均輝度値と該平均輝度値に応じて変化する上記欠陥判定基準値との関係を示す情報とする、ことを特徴とする付記2に記載の検査装置。
(付記4)上記対応情報に示される関係は、上記部分画像データ中の大部分が物体で示される場合に成立する、ことを特徴とする付記3に記載の検査装置。
(付記5)上記画像データ処理手段は、上記物体の連続部分画像データの内の前の部分画像データと後の部分画像データのそれぞれの平均輝度値を求め、それぞれの部分画像データ間で平均輝度値またはこれに対応する異物判定基準値に所定数値以上の変化があった場合に上記異物を検出したものと判定する、ことを特徴とする付記4に記載の検査装置。
(付記6)上記照明手段の照明光は、上記欠陥に吸収され難い且つ上記物体に吸収され易い波長の光である、ことを特徴とする付記3乃至5の内の何れか一つに記載の検査装置。
(付記7)上記物体が炭素繊維からなるプリプレグの場合、上記照明手段の光軸は、上記プリプレグの繊維方向に対して前記物体と前記欠陥との輝度値のコントラスト比を増大する、水平に0°から40°の角度を成し且つ上記プリプレグ面から上方に15°から70°の角度を成す、ことを特徴とする付記3乃至6の内の何れか一つに記載の検査装置。
(付記8)付記1乃至7の内の何れか一つに記載の検査装置を搭載し、設置された型に対して移動しながら該型上にプリプレグを順次積層する積層装置。
(付記9)物体を撮像した画像データから欠陥を自動的に検出する検査手法であって、上記物体の一部分を表わす部分画像データの単位で平均輝度値を算出し、上記平均輝度値に対応する欠陥判定基準値を上記部分画像データの単位で所定の対応情報から抽出し、上記欠陥判定基準値を閾値として上記部分画像データを分割し、上記分割データから欠陥を特定する、ことを特徴とする検査手法。
(付記10)上記物体の一部分を表わす部分画像データの単位で平均輝度値を算出し、
上記平均輝度値に対応するエッジ強度情報を上記部分画像データの単位で所定の対応情報から抽出し、上記部分画像データからエッジ強度情報でなるエッジ画像データを生成し、上記エッジ強度情報を閾値として上記エッジ画像データを分割し、上記エッジ画像データの分割データから欠陥を特定する、ことを特徴とする付記9に記載の検査手法。
(付記11)上記物体の連続部分画像データの内の前の部分画像データと後の部分画像データのそれぞれの平均輝度値を算出し、上記平均輝度値に対応する上記エッジ強度情報に上記各部分画像データ間で所定数値以上の変化があった場合は、上記後の部分画像データに欠陥があるものとする、ことを特徴とする付記10に記載の検査手法。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の検査装置に使用する異物判定基準値の導出方法を説明するための図である。
【図2】積層装置の構成例である。
【図3】検査装置14の構成例である。
【図4】タイミングチャート図である。
【図5】照明装置を用いる場合の最適な配置構成を説明するための図である。
【図6】図5の最適な配置構成下で作成した対応情報のグラフである。
【図7】異物検出部1444における処理フローである。
【符号の説明】
【0079】
14 検査装置
140 撮像装置
142−1 タイミング生成装置
142−2 照明装置
144 画像データ処理装置
1440 キャプチャ部
1442 ストレージ部
1444 異物検出部
1446 結果判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を撮像する撮像手段と、
前記物体の一部分を表わす部分画像データごとに欠陥判定基準値を求め、該欠陥判定基準値に基づいて前記物体中の欠陥を前記部分画像データ単位で検出する画像データ処理手段と、
を備えることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記欠陥判定基準値は、
前記部分画像データごとに計算された平均輝度値と、平均輝度値と該平均輝度値に応じて変化する欠陥判定基準値との関係を示す所定の対応情報とに基づいて求められる、
ことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記物体と前記欠陥との輝度値のコントラスト比を増大する照明手段を、
更に備え、
前記対応情報を、前記照明手段の照明下における前記物体の前記平均輝度値と該平均輝度値に応じて変化する前記欠陥判定基準値との関係を示す情報とする、
ことを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の内の何れか一つに記載の検査装置を搭載し、設置された型に対して移動しながら該型上にプリプレグを順次積層する積層装置。
【請求項5】
物体を撮像した画像データから欠陥を自動的に検出する検査手法であって、
前記物体の一部分を表わす部分画像データの単位で平均輝度値を算出し、
前記平均輝度値に対応する欠陥判定基準値を前記部分画像データの単位で所定の対応情報から抽出し、
前記欠陥判定基準値を閾値として前記部分画像データを分割し、
前記分割データから欠陥を特定する、
ことを特徴とする検査方法。

【図3】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−256119(P2007−256119A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81672(P2006−81672)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】