説明

樹脂組成物、硬化物、カラーフィルター、スペーサー、TFT素子平坦化膜、および液晶表示装置

【課題】 耐熱性に優れるカラーフィルター、スペーサー(カラーフィルターと電極基板との間のセルギャップを維持するスペーサー)、およびTFT素子平坦化膜(TFTと透明電極との間に形成される透明絶縁膜)、並びにこれらに有用な樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 バインダー樹脂(A)並びにバインダー樹脂(A)の原料であるモノマー(a)の未反応物および連鎖移動剤(b)の未反応物を含む樹脂組成物であって、モノマー(a)の未反応物と連鎖移動剤(b)の未反応物の合計量Xが、樹脂組成物の固形分100質量部に対して5質量部以下である樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルター、カラーフィルターと電極基板との間のセルギャップを維持するスペーサー、TFTと透明電極との間に形成される透明絶縁膜であるTFT素子平坦化膜、および液晶表示装置に関するものであり、これらの用途に有用な樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー液晶表示装置や撮像素子などにおけるカラーフィルターは、通常、ガラスやプラスチック、シリコンウェハーなどの基板上に、赤、緑および青の三原色画素の着色層を形成することにより製造されている。また、これら画素間を遮光するために、通常ブラックマトリックスが設けられる。これら各色の画素を形成するには、ブラックマトリックスがパターン形成された基板上に、各色に相当する顔料を含有する樹脂組成物をスピンコーターにより均一に塗布した後、加熱乾燥(以下、プリベークということがある。)し、その塗膜を露光、現像し、さらに必要に応じて加熱硬化(以下、ポストベークということがある。)する方法が採用されており、これらの操作をカラーフィルターに必要とされる色毎に繰り返すことにより、各色の画像を得ている。
【0003】
このような樹脂組成物として、顔料およびバインダー樹脂とともに、光重合性モノマーおよび光重合開始剤を含有する組成物が多く使用されている。ブラックマトリックスの形成にも、黒色顔料を含有する感光性樹脂組成物を用いることがある。また、三原色画素の着色層の上に各画素間の段差を被覆するための保護膜や、TFTと透明電極との間に形成される透明絶縁膜であるTFT素子平坦化膜の形成にも、バインダー樹脂とともに光重合性モノマーおよび光重合開始剤を含有する樹脂組成物、またはバインダー樹脂とともに1,2−キノンジアジド化合物を含有する樹脂組成物などが多く使用されている。さらには、カラーフィルターと電極基板との間のセルギャップを維持するスペーサーにも、従来、樹脂やガラスなどの球状粒子が用いられていたが、近年はバインダー樹脂とともに光重合性モノマーおよび光重合開始剤を含有する樹脂組成物、またはバインダー樹脂とともに1,2−キノンジアジド化合物を含有する樹脂組成物などを用いて柱状のスペーサー(フォトスペーサー、あるいはカラムスペーサーと称されることもある)を形成する方法が用いられるようになってきた。
【0004】
このような樹脂組成物としては、例えば、特許文献1には、メタクリル酸/グリシジルメタクリレート系共重合体、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、感放射線重合開始剤、および着色剤を含有するスペーサー用感放射線性樹脂組成物が記載されている。また、特許文献2には、アルカリ可溶性樹脂および1,2−キノンジアジド化合物を含有するスペーサーを形成するための感放射線性樹脂組成物が記載されている。しかしながら、これらの組成物から得られる塗膜は耐熱性が不十分であった。
【特許文献1】特開2001−154206号公報
【特許文献2】特開2004−333963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、耐熱性に優れるカラーフィルター、スペーサー(カラーフィルターと電極基板との間のセルギャップを維持するスペーサー)、およびTFT素子平坦化膜(TFTと透明電極との間に形成される透明絶縁膜)を提供するものであり、これらに有用な樹脂組成物を提供することを目的とする。また、これらを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、バインダー樹脂(A)並びにバインダー樹脂(A)の原料であるモノマー(a)の未反応物および連鎖移動剤(b)の未反応物を含む樹脂組成物であって、モノマー(a)の未反応物と連鎖移動剤(b)の未反応物の合計量Xが、樹脂組成物の固形分100質量部に対して5質量部以下である樹脂組成物に関するものであり;該樹脂組成物の硬化物に関するものであり;該樹脂組成物の硬化物からなる着色層または保護膜を備えたカラーフィルターに関するものであり;該樹脂組成物の硬化物からなるスペーサーまたはTFT素子平坦化膜に関するものであり;これらを用いた液晶表示装置に関するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の樹脂組成物から得られる塗膜は、耐熱性に優れる。そのため、カラーフィルターの着色層、カラーフィルター保護膜、カラーフィルター、カラーフィルターと電極基板との間のセルギャップを維持するスペーサー、TFTと透明電極との間に形成される透明絶縁膜であるTFT素子平坦化膜およびこれらを用いた液晶表示装置に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明において「(メタ)アクリレート」は「メタクリレート」または「アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」は「メタクリル酸」または「アクリル酸」、「(メタ)アクリルアミド」は「メタクリルアミド」または「アクリルアミド」、「(メタ)アクリロイル」は「メタクリロイル」または「アクリロイル」を表す。
本発明の樹脂組成物は、バインダー樹脂(A)並びにバインダー樹脂(A)の原料であるモノマー(a)の未反応物および連鎖移動剤(b)の未反応物を含有する。
【0009】
バインダー樹脂(A)は、特に制限されず、公知の樹脂を用いることができる。例えば、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物モノマー(a1)並びに(メタ)アクリル酸エステル類モノマー(a2)から導かれる構成単位を有する共重合体が好ましく用いられる。
【0010】
不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物モノマー(a1)としては、特に制限されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸;およびこれらジカルボン酸の無水物等が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が共重合反応性、および入手が容易である点から好ましい。これらの不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物成分は1種類だけを使用してもよいが、必要に応じて2種類以上を任意の割合で混合して使用することもできる。
【0011】
モノマー(a1)から導かれる構成単位の含有量は、特に制限されないが、バインダー樹脂中5〜50質量%であることが好ましい。モノマー(a1)から導かれる構成単位の含有量が、5質量%以上の場合に、現像液に対する溶解性が発現する傾向にあり、50質量%以下の場合に、現像時にパターン形状が矩形に近い形に形成される傾向にある。モノマー(a1)の含有量の下限値は10質量%以上がより好ましく、またこの上限値は40質量%以下がより好ましい。
【0012】
(メタ)アクリル酸エステル類モノマー(a2)としては、特に制限されないが、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、エーテル基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、カーボネート基を有する(メタ)アクリレート、炭素−炭素二重結合基を有する(メタ)アクリレート、シリル基などの保護基で保護された(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の金属塩等が挙げられる。
【0013】
アルキル(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、1−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン等が挙げられる。
【0014】
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−メトキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−t−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アセトキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシカルボニルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−フロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヨード−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0015】
エーテル基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、エチルグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香族基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、p−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、p−フェニルフェニルオキシエチルオキシエチル(メタ)アクリレート、p−フェニルフェニルオキシエチルオキシエチルオキシエチルオキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチルオキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチルオキシエチルオキシエチルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、p−メチルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノールの(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フタル酸2−メタクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル等が挙げられる。
【0016】
アミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
カーボネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、2,3−カーボネートプロピル(メタ)アクリレート、2−メチル−2,3−カーボネートプロピル(メタ)アクリレート、3,4−カーボネートブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3,4−カーボネートブチル(メタ)アクリレート、4−メチル−3,4−カーボネートブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3,4−カーボネートブチル(メタ)アクリレート、6,7−カーボネートヘキシル(メタ)アクリレート、5−エチル−5,6−カーボネートヘキシル(メタ)アクリレート、7,8−カーボネートオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0018】
炭素−炭素二重結合基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、アリル(メタ)アクリレート、2−シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、(2−シクロヘキセニル)メチル(メタ)アクリレート、(2−シクロヘキセニル)エチル(メタ)アクリレート、3−シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、(3−シクロヘキセニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−シクロヘキセニル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
シリル基などの保護基で保護された(メタ)アクリル酸としては、特に制限されないが、例えば、トリメチルシリル(メタ)アクリレート、トリエチルシリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸の金属塩としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸リチウム、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム等が挙げられる。
これらのモノマー(a2)は1種類だけを使用してもよいが、必要に応じて2種類以上を任意の割合で混合して使用することもできる。
【0019】
モノマー(a2)から導かれる構成単位の含有量は、特に制限されないが、バインダー樹脂中50〜95質量%であることが好ましい。この含有量が、50質量%以上の場合に現像時にパターン形状が正確に形成される傾向にあり、95質量%以下の場合に現像液に対する溶解性が発現する傾向にある。この含有量の下限値は60質量%以上がより好ましく、また上限値は90質量%以下がより好ましい。
【0020】
バインダー樹脂(A)は、モノマー(a1)から導かれる構成単位およびモノマー(a2)から導かれる構成単位以外に、その他のラジカル重合性化合物モノマー(a3)から導かれる構成単位を含有してもよい。
モノマー(a3)としては、特に制限されないが、例えば、スチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニル化合物;アリルベンゼン、アリルフェニルエーテル、4−アリルアニソール、4−アリル−1,2−ジメトキシベンゼン、酢酸4−アリル−2−メトキシフェニル、エチレングリコールモノアリルエーテル等のアリル化合物;α−メチレン−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−メチル−γ−ブチロラクトン等のα−メチレンラクトン化合物;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジシクロヘキシルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物等を挙げることができる。
これらのモノマー(a3)は1種類だけを使用してもよいが、必要に応じて2種類以上を任意の割合で混合して使用することもできる。
【0021】
モノマー(a3)から導かれる構成単位の含有量は、特に制限されないが、バインダー樹脂中0〜50質量%であることが好ましい。この含有量の下限値は1質量%以上がより好ましく、また上限値は30質量%以下がより好ましい。
【0022】
バインダー樹脂(A)は、硬化物の硬度の面から、架橋性バインダー樹脂(A’)であることが特に好ましい。ここで架橋性バインダー樹脂(A’)とは、樹脂分子同士または後述する架橋剤と架橋することができるバインダー樹脂であり、例えば、不飽和二重結合を有する架橋性バインダー樹脂(A’1)や互いに付加反応や縮合反応等をすることができる官能基を有する架橋性バインダー樹脂(A’2)等が挙げられる。
【0023】
不飽和二重結合を有する架橋性バインダー樹脂(A’1)としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸単量体単位を含有する樹脂にグリシジル基含有ビニル化合物を付加反応させることにより得ることができる架橋性バインダー樹脂、グリシジル基含有(メタ)アクリレート単量体単位を含有する樹脂に(メタ)アクリル酸を付加反応させることにより得ることができる架橋性バインダー樹脂等が挙げられる。
互いに付加反応や縮合反応などをすることができる官能基を有する架橋性バインダー樹脂(A’2)としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸単量体単位とグリシジル基含有(メタ)アクリレート単量体単位を含有する架橋性バインダー樹脂等が挙げられる。
【0024】
不飽和二重結合を有する架橋性バインダー樹脂(A’1)において、不飽和二重結合の含有量は、特に制限されないが、バインダー樹脂(A)100g中10〜500ミリモルであることが好ましい。不飽和二重結合の含有量がバインダー樹脂(A)100g中10ミリモル以上の場合に硬化物の硬度が向上する傾向にあり、不飽和二重結合の含有量がバインダー樹脂(A)100g中500ミリモル以下の場合に現像性等の他の物性とのバランスが良好となる傾向にある。不飽和二重結合の含有量の下限値は、バインダー樹脂(A)100g中35ミリモル以上がより好ましく、またこの上限値はバインダー樹脂(A)100g中400ミリモル以下がより好ましい。
【0025】
互いに付加反応や縮合反応などをすることができる官能基を有する架橋性バインダー樹脂(A’2)において、互いに付加反応や縮合反応等をすることができる官能基の含有量は、特に制限されないが、バインダー樹脂(A)100g中10〜850ミリモルであることが好ましい。互いに付加反応や縮合反応等をすることができる官能基の含有量がバインダー樹脂(A)100g中10ミリモル以上の場合に硬化物の硬度が向上する傾向にあり、850ミリモル以下の場合に現像性等の他の物性とのバランスが良好となる傾向にある。互いに付加反応や縮合反応等をすることができる官能基の含有量の下限値は、バインダー樹脂(A)100g中150ミリモル以上がより好ましく、またこの上限値はバインダー樹脂(A)100g中650ミリモル以下がより好ましい。
【0026】
バインダー樹脂(A)の重量平均分子量は、特に制限されないが、1000〜1000000の範囲が好ましい。重量平均分子量が1000以上の場合に、塗膜を形成する際に塗膜の均一性が向上する傾向にあり、1000000以下の場合に、現像性が良好となる傾向にある。重量平均分子量の下限値は3000以上がより好ましく、また、この上限値は500000以下がより好ましく、100000以下がさらに好ましく、50000以下が特に好ましい。
バインダー樹脂(A)は、1種類を使用してもよいが、必要に応じて2種類以上を任意の割合で混合して使用することもできる。
【0027】
次に、バインダー樹脂(A)の製造方法について説明する。
バインダー樹脂(A)は、連鎖移動剤(b)を用いて、モノマー(a)を重合することによって製造することができる。モノマー(a)としては、特に制限されないが、前述のモノマー(a1)、モノマー(a2)、モノマー(a3)等のモノマーが挙げられる。
【0028】
連鎖移動剤(b)は、バインダー樹脂(A)の重量平均分子量を制御するために用いる。
連鎖移動剤(b)としては、特に制限されないが、例えば、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−ヒドロキシエチルメルカプタン、メルカプト酢酸等のメルカプタン(b1)、α−メチルスチレンダイマーなどのダイマー(b2)等を挙げることができる。中でも、メルカプタン(b1)は、連鎖移動能が高いため、連鎖移動剤(b)の未反応物の量を少なくできる傾向にあり、好ましい。連鎖移動剤(b)の使用量は、特に制限されないが、モノマー(a)100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲が好ましい。
【0029】
重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、t−ブチルパーオクトエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、過酸化ベンゾイル等のパーオキシド系開始剤等を挙げることができる。重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、モノマー(a)100質量部に対して0.01〜20質量部の範囲が好ましい。
【0030】
重合方法としては、特に制限されないが、ラジカル重合法が好ましく、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法などの重合方法が挙げられる。中でも、溶液重合法は、樹脂組成物を製造する際に樹脂の溶解工程がなく、工程を少なくできるので、特に好ましい。
【0031】
溶液重合法の場合に用いる有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、n−ブチルベンゼン、p−シメン、ジエチルベンゼン、n−ペンチルベンゼン、p−ジペンチルベンゼン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、デカリン等の炭化水素類;ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、アニソール、エチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、ジクロロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノン等のケトン類;乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソペンチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸n−ブチル、酪酸イソペンチル、イソ吉草酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸n−ブチル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、シュウ酸ジエチル、エチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−n−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル類;γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独であるいは複数を混合して用いてもよい。
有機溶剤の使用量は、特に制限されないが、モノマー(a)100質量部に対して、50〜1000質量部の範囲が好ましい。
【0032】
反応温度は、特に制限されないが、40〜200℃の範囲が好ましい。反応温度が40℃以上の場合に、バインダー樹脂(A)の原料であるモノマー(a)の未反応物および連鎖移動剤(b)の未反応物を低減できる傾向にあり、200℃以下の場合に分解反応や架橋反応などの副反応を抑制できる傾向にある。反応時間の下限値は60℃以上がより好ましく、上限値は150℃以下がより好ましい。
反応時間は、特に制限されないが、1〜60時間の範囲が好ましい。反応時間が1時間以上の場合に、バインダー樹脂(A)の原料であるモノマー(a)の未反応物および連鎖移動剤(b)の未反応物を低減できる傾向にあり、60時間以下の場合に分解反応や架橋反応などの副反応を抑制できる傾向にある。反応時間の下限値は3時間以上がより好ましく、上限値は20時間以下がより好ましい。
【0033】
前述した不飽和二重結合を有する架橋性バインダー樹脂(A’1)を製造する場合には、特に制限はされないが、例えば、上述の重合方法で得られた樹脂を用いて付加反応を行うことにより得ることができる。
例えば、メタクリル酸単量体単位を含有する樹脂にグリシジルメタクリレートを付加反応させることにより得ることができる架橋性バインダー樹脂を製造する場合について、説明する。
【0034】
まず、上述の重合方法でメタクリル酸単量体単位を含有する樹脂を製造する。次いで、グリシジルメタクリレートを付加させることにより、不飽和二重結合を有する架橋性バインダー樹脂(A’1)を得ることができる。付加反応の反応温度は、特に制限されないが、80〜120℃の範囲が好ましい。80℃以上の場合に付加反応が進行する傾向にあり、120℃以下の場合に架橋反応を抑制する傾向にある。付加反応の反応時間は、特に制限されないが、1〜60時間の範囲が好ましい。反応時間が1時間以上の場合に付加反応が進行する傾向にあり、60時間以下の場合に架橋反応を抑制する傾向にある。
【0035】
付加反応には、リチウムフルオライド、リチウムクロライド、リチウムブロマイド、リチウムヨーダイド、リチウムテトラフルオロボレート等のリチウム塩、テトラメチルアンモニウムフルオライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨーダイド、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムフルオライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムヨーダイド、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムフルオライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヨーダイド、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等のアンモニウム塩等を触媒として添加してもよい。
【0036】
前述した互いに付加反応や縮合反応等をすることができる官能基を有する架橋性バインダー樹脂(A’2)を製造する場合には、上述の重合方法を用いて得ることができる。例えば、メタクリル酸単量体単位とグリシジルメタクリレート単量体単位を含有する架橋性バインダー樹脂を製造する場合について、説明する。
このような架橋性バインダー樹脂を得る場合には、バインダー樹脂(A)の原料であるモノマー(a)の未反応物を低減するため、反応温度は60℃以上であることがより好ましい。また、架橋反応を抑制するため、反応温度は80℃以下であることが特に好ましい。このような条件において、より好ましい範囲の重量平均分子量のバインダー樹脂(A)を得るためには、多量の重合開始剤が必要となるが、多量の重合開始剤を使用すると、重合開始剤を有機溶剤に溶解させることができなかったり、未反応の重合開始剤や重合開始剤の反応後の分解物が溶液中に残存し、樹脂組成物の保存安定性などの物性を悪化させたりする。そのため、連鎖移動剤を使用することにより、重合開始剤の使用量を低減し、バインダー樹脂(A)の重量平均分子量の制御が可能となるので、特に好ましい。
【0037】
本発明の樹脂組成物は、上述したバインダー樹脂(A)並びにバインダー樹脂(A)の原料であるモノマー(a)の未反応物および連鎖移動剤(b)の未反応物を含有する。
モノマー(a)の未反応物と連鎖移動剤(b)の未反応物の合計量Xが、樹脂組成物の固形分100質量部に対して5質量部以下である。
ここで、固形分とは、樹脂組成物から揮発分を揮発させた残りの残渣のことである。具体的には、樹脂組成物にアセトンを加え、65℃で5回アセトンと共沸させて揮発分の大部分を揮発させた後、105℃で4時間乾燥させることによって得られた残渣であり、以下の式によって求めたものである。
固形分(質量%)=(乾燥物の質量/計量した樹脂組成物の質量)×100%
【0038】
一方、モノマー(a)の未反応物または連鎖移動剤(b)の未反応物の樹脂組成物中の含有量(質量%)は、ガス・クロマトグラフィー等の公知の方法によって求めることができる。
従って、樹脂組成物の固形分100質量部に対するモノマー(a)の未反応物と連鎖移動剤(b)の未反応物の合計量Xは、以下の式によって求められる。
X(質量部)={(モノマー(a)の未反応物および連鎖移動剤(b)の未反応物の樹脂組成物中の含有量の合計量(質量%))/固形分(質量%)}×100(質量部)
【0039】
この合計量Xが、5質量部以下の場合に、耐熱性が良好となり、加熱後も優れたパターン形状の硬化物を得ることができる傾向にある。合計量Xの上限値は、4.5質量部以下がより好ましく、4質量部以下が特に好ましい。この合計量Xの下限値については、特に制限されない。
【0040】
本発明の樹脂組成物は、通常、有機溶剤を含有する。なお、ここで用いられる有機溶剤は、前述のバインダー樹脂を溶液重合で製造する場合に用いた有機溶剤として例示したものを使用することができる。これらの有機溶剤は、単独であるいは複数を混合して用いてもよい。なおこれらの有機溶剤の使用量は、特に制限されないが、バインダー樹脂(A)100質量部に対して10〜5000質量部の範囲内が好ましい。
【0041】
本発明の樹脂組成物は、架橋剤を添加することによりネガ型レジストとして、また、感光性溶解促進剤を添加することによりポジ型レジストとして、使用することができる。
架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、ジペンタエリストールヘキサアクリレート、ジペンタエリストールペンタアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリストールテトラアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の2官能以上の(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。また、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサブチロールメラミン、部分メチロール化メラミンおよびそのアルキル化体、テトラメチロールベンゾグアナミン、部分メチロール化ベンゾグアナミンおよびそのアルキル化体等のメラミン系またはグアナミン系化合物を用いてもよい。さらに、ジアジド、トリアジド化合物を用いてもよい。これらの架橋剤は、単独であるいは複数を混合して用いてもよい。なおこれら架橋剤の添加量は、特に制限されないが、バインダー樹脂(A)100質量部に対して1〜300質量部が好ましい。
【0042】
感光性溶解促進剤としては、特に制限されないが、1,2−キノンジアジド化合物を挙げることができる。その具体例としては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等のトリヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル;2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等のテトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル;2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等のペンタヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル;2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等のヘキサヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル;ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等の(ポリヒドロキシフェニル)アルカンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルが挙げられる。
その他に1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド等を用いてもよい。
【0043】
これらの感光性溶解促進剤は、単独であるいは複数を混合して用いてもよい。なおこれら感光性溶解促進剤の添加量は、特に制限されないが、バインダー樹脂(A)100質量部に対して1〜300質量部が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、さらにフィラー、着色顔料、分散剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等)、多価カルボン酸無水物および/または多価カルボン酸、アミン、重合禁止剤、光重合開始剤、光酸発生剤、帯電防止剤等を必要に応じて添加することができる。
本発明の樹脂組成物は、バインダー樹脂(A)およびその他の成分を加熱、溶解、混合、分散等を行うことにより調製することができる。
【0044】
次に、本発明の樹脂組成物の使用方法について説明する。
本発明の樹脂組成物は、前述したように、ネガ型レジストまたはポジ型レジストとして使用することができるが、その用途としては、液晶表示装置に用いられる各種の部材として使用することができる。
例えば、カラーフィルター、スペーサー、TFT素子平坦化膜として使用することができる。
【0045】
まず最初に、カラーフィルターについて説明する。カラーフィルターは、図1に示すように、透明基板1と、透明基板上に形成された着色層2と、着色層2を被覆する保護膜3とを備えるものである。
通常、カラーフィルターの着色層2は、ブラックマトリクスがパターン形成された透明基板上に顔料分散ネガ型レジスト樹脂組成物を用いて形成される。
本発明の樹脂組成物を着色層2を形成するネガ型レジストとして使用する場合は、例えば、あらかじめブラックマトリクス4がパターン形成されたガラスまたはプラスチック等の透明基板1上に赤色に相当する顔料を含有する樹脂組成物をスピンコーターにより均一に塗布した後、溶剤を室温〜120℃で乾燥、所望のパターンのフォトマスクを介して露光・アルカリ現像・純水洗浄、次いで200〜250℃で30〜120分間加熱して赤色の画素を形成する。必要に応じて、200〜250℃で30〜120分間加熱の前に120〜150℃で1〜5分間の中間加熱を行ってもよい。次いで、青、緑についても、同様の操作を行うことにより、赤、緑、青の三原色画素の着色層2を形成することができる。
【0046】
カラーフィルターの保護膜3は、通常、着色層2を被覆する形で使用される。その形成には、ネガ型レジスト樹脂組成物またはポジ型レジスト樹脂組成物が用いられる。
本発明の樹脂組成物を保護膜3を形成するネガ型レジストとして使用する場合は、あらかじめ着色層2を形成し、その上に本発明の樹脂組成物をスピンコート等の塗工方法により塗布し、溶剤を室温〜120℃で乾燥、所望のパターンのフォトマスクを介して露光・アルカリ現像・純水洗浄、次いで200〜250℃で30〜120分間加熱して保護膜3を得ることができる。必要に応じて、200〜250℃で30〜120分間加熱の前に120〜150℃で1〜5分間の中間加熱を行ってもよい。
【0047】
一方、本発明の樹脂組成物を保護膜3を形成するポジ型レジストとして使用する場合は、あらかじめ着色層2を形成し、その上に本発明の樹脂組成物をスピンコート等の塗工方法により塗布し、溶剤を室温〜120℃で乾燥、所望のパターンのフォトマスクを介して露光・アルカリ現像・純水洗浄、次いでフォトマスクを介さず全面に露光したのち、200〜250℃で30〜120分間加熱して保護膜3を得ることができる。必要に応じて、200〜250℃で30〜120分間加熱の前に120〜150℃で1〜5分間の中間加熱を行ってもよい。
【0048】
次に、スペーサーについて説明する。スペーサーの形成には、ネガ型レジスト樹脂組成物またはポジ型レジスト樹脂組成物が用いられる。
本発明の樹脂組成物をスペーサーを形成するネガ型レジストとして使用する場合は、あらかじめガラスまたはプラスチック等の透明基板1上にブラックマトリクス4および赤、緑、青の三原色画素の着色層2を形成し、その上に保護膜3、透明電極、配向膜を備えたカラーフィルター上に本発明の樹脂組成物をスピンコート等の塗工方法により塗布し、溶剤を室温〜120℃で乾燥、所望のパターンのフォトマスクを介して露光・アルカリ現像・純水洗浄、次いで200〜250℃で30〜120分間加熱して柱状のスペーサーを有するカラーフィルターを得ることができる。必要に応じて、200〜250℃で30〜120分間加熱の前に120〜150℃で1〜5分間の中間加熱を行ってもよい。
【0049】
一方、本発明の樹脂組成物をスペーサーを形成するポジ型レジストとして使用する場合は、あらかじめガラスまたはプラスチック等の透明基板1上にブラックマトリクス4および赤、緑、青の三原色画素の着色層2を形成し、その上に保護膜3、透明電極、配向膜を備えたカラーフィルター上に本発明の樹脂組成物をスピンコート等の塗工方法により塗布し、溶剤を室温〜120℃で乾燥、所望のパターンのフォトマスクを介して露光・アルカリ現像・純水洗浄、次いでフォトマスクを介さず全面に露光したのち、200〜250℃で30〜120分間加熱して柱状のスペーサーを有するカラーフィルターを得ることができる。必要に応じて、200〜250℃で30〜120分間加熱の前に120〜150℃で1〜5分間の中間加熱を行ってもよい。
【0050】
次に、TFT素子平坦化膜について説明する。TFT素子平坦化膜の形成には、ネガ型レジスト樹脂組成物またはポジ型レジスト樹脂組成物が用いられる。
本発明の樹脂組成物をTFT素子平坦化膜を形成するネガ型レジストとして使用する場合は、あらかじめ基板上にTFTを形成し、その上に本発明の樹脂組成物をスピンコート等の塗工方法により塗布し、溶剤を室温〜120℃で乾燥、所望のパターンのフォトマスクを介して露光・アルカリ現像・純水洗浄、次いで200〜250℃で30〜120分間加熱してTFT素子平坦化膜を得ることができる。必要に応じて、200〜250℃で30〜120分間加熱の前に120〜150℃で1〜5分間の中間加熱を行ってもよい。
【0051】
一方、本発明の樹脂組成物をTFT素子平坦化膜を形成するポジ型レジストとして使用する場合は、あらかじめ基板上にTFTを形成し、その上に本発明の樹脂組成物をスピンコート等の塗工方法により塗布し、溶剤を室温〜120℃で乾燥、所望のパターンのフォトマスクを介して露光・アルカリ現像・純水洗浄、次いでフォトマスクを介さず全面に露光したのち、200〜250℃で30〜120分間加熱してTFT素子平坦化膜を得ることができる。必要に応じて、200〜250℃で30〜120分間加熱の前に120〜150℃で1〜5分間の中間加熱を行ってもよい。
【0052】
液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、本発明の樹脂組成物を用いて形成された着色層2および/または保護膜3を形成したカラーフィルター、本発明の樹脂組成物を用いて形成されたスペーサー、本発明の樹脂組成物を用いて形成されたTFT素子平坦化膜のいずれか1つ以上を有する液晶表示装置である。液晶表示装置は、カラーフィルター上に透明電極、配向膜、スペーサーを形成したカラーフィルター側基板と、配線回路、TFT、TFT素子平坦化膜、透明電極、配向膜を形成した回路側基板とを、間に液晶を挟んで、張り合わせることにより製造される。スペーサーはカラーフィルター側基板上ではなく、回路側基板上に形成してもよい。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
<バインダー樹脂(A)の重量平均分子量の測定方法>
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により、以下の条件でバインダー樹脂の重量平均分子量を求めた。
装置:8020シリーズ 高速液体クロマトグラフ(東ソー(株)製)
カラム:LF−804×3本(昭和電工(株)製)
カラム温度:40℃
溶媒:5mMクエン酸入りテトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
被検液固形分濃度:0.4質量%
注入量:100μl
検出器:RI
校正用標準物質:標準ポリスチレン
【0054】
<モノマー(a)の未反応物および連鎖移動剤(b)の未反応物の定量方法>
ガス・クロマトグラフィーにより、以下の条件で樹脂組成物中の未反応モノマーおよび未反応連鎖移動剤の含有量を求めた。
装置;5890型(Hewlett Packard社製)
カラム;DBWAX 30m×0.32mm×0.25μm(J&W社製)
OVEN温度;50℃ 5℃/min to 200℃ 200℃ hold
注入口温度;160℃
検出器;FID
検出器温度;200℃
【0055】
<樹脂組成物の固形分の定量方法>
樹脂組成物にアセトンを加え、65℃で5回アセトンと共沸させて揮発分の大部分を揮発させた後、105℃で4時間乾燥させ、残った残渣の質量を求めて以下の式によって求めた。
固形分(質量%)=(乾燥物の質量/計量した樹脂組成物の質量)×100%
【0056】
<ポジ型レジスト樹脂組成物の硬化物の耐熱性評価>
樹脂組成物をガラス基板上にスピンコートにより塗布し、90℃で2分間乾燥することにより、膜厚5μmの塗膜を得た。次いで10μm四方のポジ型パターンのフォトマスクを介して、超高圧水銀灯ランプを用いて150mJ/cmの露光量で露光した。23℃の0.4質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で80秒間現像し、純水でリンスを行った。次いで、フォトマスクを介さず、超高圧水銀灯ランプを用いて300mJ/cmの露光量で得られたパターンの全面を露光したのち、130℃で2分間の中間加熱を行った。ここで、ガラス基板の一部を割り、パターンの断面形状を電子顕微鏡で観察した。
残りのガラス基板を用いて、さらに220℃で60分の最終加熱をした。最終加熱後のパターンの断面形状を電子顕微鏡で観察した。
○:パターン頭部(表面)と側面の交点の角が確認できるもの(矩形)
×:パターン頭部および側面が丸くなってしまっているもの
【0057】
<ネガ型レジスト樹脂組成物の硬化物の耐熱性評価>
樹脂組成物をガラス基板上にスピンコートにより塗布し、90℃で2分間乾燥することにより、膜厚5μmの塗膜を得た。次いで10μm四方のネガ型パターンのフォトマスクを介して、超高圧水銀灯ランプを用いて250mJ/cmの露光量で露光した。23℃の0.4質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で80秒間現像し、純水でリンスを行った。次いで、130℃で2分間の中間加熱を行った。ここで、ガラス基板の一部を割り、パターンの断面形状を電子顕微鏡で観察した。
残りのガラス基板を用いて、さらに220℃で60分の最終加熱をした。最終加熱後のパターンの断面形状を電子顕微鏡で観察した。
○:パターン頭部と側面の交点の角が確認できるもの(矩形)
×:パターン頭部および側面が丸くなってしまっているもの
【0058】
<バインダー樹脂(A)の製造例>
合成例1
500mlの4つ口フラスコに、溶剤としてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(以下、MEDGという。)83.3gを仕込み、65℃に昇温した後、グリシジルメタクリレート(以下、GMAという。)45.0g、トリシクロデカニルメタクリレート(以下、TCDMAという)32.0g、メタクリル酸(以下、MAAという。)20.0g、スチレン(以下、Stという。)3.0g、MEDG66.7gからなるモノマー混合溶液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、V−65という。)7.0g、n−オクチルメルカプタン(以下、nOMという。)0.53g、MEDG83.3gからなる混合溶液を、それぞれ5時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃に昇温し、2時間保持した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明なバインダー樹脂(A’2−1)溶液を得た。得られたバインダー樹脂(A’2−1)のゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、10,700であった。
【0059】
合成例2
nOM0.53gに代えて、αーメチルスチレンダイマー(日本油脂(株)製 ノフマーMSDを使用。以下、MSDという)4.4gを用いた以外は合成例1と同様にして、無色透明なバインダー樹脂(H−1)溶液を得た。得られたバインダー樹脂(H−1)のゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、10,700であった。
【0060】
実施例1
合成例1で得られたバインダー樹脂(A’2−1)溶液に、以下の添加物を配合して、ポジ型レジスト樹脂組成物1を得た。
・バインダー樹脂(A’2−1)溶液:100質量部
・4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル:15質量部
・MEDG:35質量部
・L−7001(日本ユニカー(株)製レベリング剤):0.01質量部
得られた樹脂組成物1の固形分、並びに樹脂組成物1中のモノマーの未反応物の含有量および連鎖移動剤の未反応物の含有量を表1に示す。
また、樹脂組成物1の硬化物の評価結果を表1に示す。
樹脂組成物1の硬化物のパターンは、中間加熱後、最終加熱後ともに、表面と側面の交点の角を確認することができ、形状が良好であった。
【0061】
実施例2
合成例1で得られたバインダー樹脂(A’2−1)溶液に、以下の添加物を配合して、ネガ型レジスト樹脂組成物2を得た。
・バインダー樹脂(A’2−1)溶液:100質量部
・KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製架橋剤):30質量部
・イルガキュア369(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製光重合開始剤):7.5質量部
・MEDG:87.5質量部
・L−7001(日本ユニカー(株)製レベリング剤):0.01質量部
得られた樹脂組成物2の固形分、並びに樹脂組成物2中のモノマーの未反応物の含有量および連鎖移動剤の未反応物の含有量を表1に示す。
また、樹脂組成物2の硬化物の評価結果を表1に示す。
樹脂組成物2の硬化物のパターン形状は、中間加熱後、最終加熱後ともに、表面と側面の交点の角を確認することができ、形状が良好であった。
【0062】
比較例1
バインダー樹脂(A’2−1)溶液に代えて、バインダー樹脂(H−1)溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、ポジ型レジスト樹脂組成物3を得た。
得られた樹脂組成物3の固形分、並びに樹脂組成物3中のモノマーの未反応物の含有量および連鎖移動剤の未反応物の含有量を表1に示す。
また、樹脂組成物3の硬化物の評価結果を表1に示す。
樹脂組成物3の硬化物のパターンは、中間加熱後、最終加熱後ともに、断面形状の頭部および側面が丸くなっており形状が不良であった。
【0063】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の樹脂組成物から得られた硬化物は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルターの保護膜および着色層、液晶表示装置等に用いられるスペーサー、並びにTFT素子平坦化膜として特に好適であるが、それ以外の用途として、液晶表示装置用パネル等、その他光学用物品、塗料、光学用物品以外でのクリアーコーティング、レジスト等にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】カラーフィルターの断面図を示した図である。
【符号の説明】
【0066】
1 透明基板
2 着色層
3 保護膜
4 ブラックマトリクス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダー樹脂(A)並びにバインダー樹脂(A)の原料であるモノマー(a)の未反応物および連鎖移動剤(b)の未反応物を含む樹脂組成物であって、モノマー(a)の未反応物と連鎖移動剤(b)の未反応物の合計量Xが、樹脂組成物の固形分100質量部に対して5質量部以下である樹脂組成物。
【請求項2】
バインダー樹脂(A)が架橋性バインダー樹脂(A’)である請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の樹脂組成物の硬化物。
【請求項4】
透明基板1と、透明基板上1に形成された着色層2と、着色層2を被覆する保護膜3とを備え、着色層2および/または保護膜3が請求項3に記載の硬化物であるカラーフィルター。
【請求項5】
請求項4に記載のカラーフィルターを用いた液晶表示装置。
【請求項6】
請求項3に記載の硬化物からなるスペーサー。
【請求項7】
請求項6に記載のスペーサーを用いた液晶表示装置。
【請求項8】
請求項3に記載の硬化物からなるTFT素子平坦化膜。
【請求項9】
請求項8に記載のTFT素子平坦化膜を用いた液晶表示装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−131658(P2007−131658A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−323237(P2005−323237)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】