説明

油脂組成物

【課題】αリノレン酸を脂肪酸組成として含むトリグリセリドと、トコトリエノールとの両方を含有するキウイ種子を用いることにより、優れた高脂血症改善作用等を有し、且つアレルギー疾患等を効果的に予防することができる油脂組成物油脂組成物を提供する。
【解決手段】 本油脂組成物は、トリグリセリドと、トコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種と、を含有し、トリグリセリドは、脂肪酸組成として、40〜80wt%のαリノレン酸を含むことを特徴とする。油脂組成物の全質量を100wt%とした場合、トコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を10〜35wt%含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪酸組成としてαリノレン酸を多く含むトリグリセリドを含有し、且つ、トコトリエノールを多く含有する油脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
αリノレン酸は、n−3系列の多価不飽和脂肪酸の一種であり、人間の体内で合成することができず、食品から摂取しなければならない必須脂肪酸(不可欠脂肪酸)のひとつである。ここで、必須脂肪酸とは微量でも生理的な働きを助け、体の各組織を正常にする働きがあるものをいう。αリノレン酸は、余分な油を分解し、脂肪が体にたまりにくくする働きがあり、コレステロール低下作用や抗高脂血症作用を有する。また、血圧を下げる作用を有するものとして知られている。
また、αリノレン酸は体内に吸収されるとEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸) といった良質な脂肪酸に変わり、体内でアレルギーを抑制する作用を有する。
またαリノレン酸を含む洗浄用組成物であって、使用後の肌に保湿性を与える洗浄用組成物などが知られている。
一方、トコトリエノールは、トコフェロール3、7、11位が不飽和化した構造を持ったものであり、高脂血症改善作用を有する成分として知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記背景の下αリノレン酸を脂肪酸組成として含むトリグリセリドと、トコトリエノールとの両方を含有する油脂組成物を得ることは困難であった。即ちαリノレン酸を脂肪酸組成として含むトリグリセリドと、トコトリエノールとの両方を含有する植物は稀であり、これらを両方摂取するためにはαリノレン酸を脂肪酸組成として含むトリグリセリドを抽出し、その後、トコトリエノールを含有する油脂と混合しなければならず、工程が複雑になるという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものでありαリノレン酸を脂肪酸組成として含むトリグリセリドと、トコトリエノールとの両方を含有するキウイ種子を用いることにより、これらの両方を含む油脂組成物を容易に生成することができ、更に、これらの両方を含むことにより、抗アレルギー作用を有し、更に、より優れた高脂血症改善作用を有する油脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明の油脂組成物は、トコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を含有し、キウイ種子由来のものであることを特徴とする。
また、本発明の油脂組成物は、上記油脂組成物からトコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を分離又は濃縮してなることを特徴とする。
また、本発明の油脂組成物は、上記油脂組成物の質量を100wt%とした場合、トコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を10〜35wt%含有することが好ましい。
更に、本発明の油脂組成物は、トリグリセリドを更に含有し、該トリグリセリドは、脂肪酸組成として、40〜80wt%のαリノレン酸を含むことが好ましい。
本発明の油脂組成物は、キウイ種子から抽出された原油を加熱真空下で蒸留して蒸留物を回収し、その後、該蒸留物と有機溶剤とを混合して冷却し、沈殿物を除去することで、粗抽出物を得、その後、該粗抽出物からトコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を濃縮してなることを特徴とする。
本発明の油脂組成物の製造方法は、キウイ種子から抽出された原油を加熱真空下で蒸留して蒸留物を回収し、その後、該蒸留物と有機溶剤とを混合して冷却し、沈殿物を除去することで、粗抽出物を得、その後、該粗抽出物からトコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を濃縮することを特徴とする。
本発明の飲食品は、上記油脂組成物を含有することを特徴とする。
本発明の医薬品は、上記油脂組成物を含有することを特徴とする。
本発明の皮膚外用剤は、上記油脂組成物を含有することを特徴とする。
本発明の化粧品は、上記油脂組成物を含有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、トリグリセリドを含有するものであり、このトリグリセリドは脂肪酸組成としてαリノレン酸を含有するものである。
このとき、αリノレン酸の含有量は、このトリグリセリドに含まれる脂肪酸の脂肪酸組成を100wt%とした場合、40〜80wt%、好ましくは50〜70wt%、より好ましくは55〜67wt%、更に好ましくは57〜64wt%のαリノレン酸を含むことを特徴とする。
【0006】
αリノレン酸を含む原料としては、エゴマ、フラックス、キウイ種子等が挙げられるが、キウイ種子が好ましい。キウイ種子には後述するように、トコトリエノール及びトコフェロールを含有しているので、トコトリエノール等を含有する油脂組成物を容易に得ることができるからである。
更に、トリグリセリドの含有量は、特に限定されないが、前記油脂組成物の全質量を100wt%とした場合、20〜90wt%、好ましくは25〜85wt%、更に好ましくは35〜80wt%であることが好ましい。
【0007】
更に、本発明の油脂組成物は、トコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を更に含有することを特徴とするものである。
このとき、トコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種の含有量は、特に限定されないが、油脂組成物の全質量を100wt%とした場合、トコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を10〜35wt%、好ましくは12〜30wt%、より好ましくは15〜25wt%含有することが好ましい。
このとき、トコトリエノールの含有量は特に限定されないが、油脂組成物の全質量を100wt%とした場合、8〜25wt%、好ましくは10〜22wt%、より好ましくは13〜21wt%とすることができる。
また、トコフェロールの含有量は特に限定されないが、油脂組成物の全質量を100wt%とした場合、2〜10wt%、好ましくは2〜8wt%、より好ましくは2〜4wt%とすることができる。
トコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を含むものとしては、例えば、米糠、キウイ種子等が挙げられ、これらのうちキウイ種子が好ましい。上述したように、αリノレン酸を含むトリグリセリドを含有するからである。
【0008】
キウイは、キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)ともよばれ、中国の中・南部が原産であり。中国では彌猴桃(ビコウトウ)と呼ばれ、漢方薬として用いられている。その後、20世紀に入ってからニュージーランドに渡り、優れた品種が多く育成されている。果実の外観がニュージーランドの国鳥「KIWI」の幼鳥に似ていることからキウイフルーツと名付けられた。日本では、1966年に紹介された後、1970年代後半から栽培が始まり、現在は年間4万t前後の生産量がある。
キウイは雌雄異株のつる性植物であり、果実は卵状もしくはほぼ球形の液果である。開花期は4〜6月で、8〜10月に結実する。自生品は、山の斜面、林の周辺、あるいは低木の茂みの中に生えるものである。
【0009】
本発明の油脂組成物は、キウイ種子から抽出された原油を加熱真空下で蒸留して蒸留物を回収し、その後、該蒸留物に有機溶剤を加えて冷却し、沈殿物を除去することで、粗抽出物を得、その後、該粗抽出物を濃縮することによって生成することができる。
キウイ種子から、原油を抽出する方法は特に限定されず、例えば、キウイ種子を圧搾して油分を分離するだけでも良いし、上記油分を分離した後、圧搾物の残留油分を脱脂用溶媒(脂溶性有機溶媒)により抽出分離しても良い。
このとき、原油の抽出溶媒としては、n−ヘキサン、アセトン等が挙げられる。特に、原油抽出用溶媒としてn−ヘキサンを用いることが好ましい。抽出油分を食用油として使用し得るからである。尚、これらの脱脂用の溶媒は、1種のみを用いても良いし2種以上併用しても良い。更に、原油を抽出する方法として超臨界CO抽出を行っても良い。超臨界CO抽出は精油の分離、食品や医薬品の低温処理および精製など様々な分野で幅広く応用されている。またCOは自然界に存在しているものであり、無毒・無害かつ低価格で、しかも臨界温度、臨界圧力(Tc=31.1℃、Tp=73.8atm)が低いため、天然製品の処理における理想的な溶剤であると考えられる。
【0010】
前記原油の蒸留温度は、230℃〜300℃とするとよい。230℃以上としたのは、トコトリエノールおよびトコフェロールを効率よく分離するためである。300℃以下としたのは、蒸留温度が高すぎると、油脂等の不純物が蒸留物に混入しやすくなるためである。 望ましくは、蒸留温度240℃〜260℃とするとよい。トコトリエノールおよびトコフェロールの分離効率が大幅に上昇するためである。前記原油を蒸留する際の真空圧は、蒸留温度230℃〜300℃のとき、1〜5torr程度に設定するとよい。
【0011】
前記蒸留物には、炭化水素、ステロール等の不純物が多く含まれる。これらの不純物を取り除き、トコトリエノールおよびトコフェロールの含有量を高めるため、前記蒸留物を溶剤分別する。分別用の有機溶剤としては、例えば、アセトン、メタノール、エタノール等の1級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状高価アルコール、酢酸エチルエステルなどの低級アルキルエステル、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素、エチルエーテル、アセトン、塩化メチレン等が挙げられる。またこれら溶媒は、一種または二種以上を組合わせて使用することができる。分別後、沈殿物を遠心分離またはろ過によって取り除き、前記粗抽出物を得る。
【0012】
前記粗抽出物を濃縮する方法としては、分子蒸留によるのが望ましい。分子蒸留の条件としては、真空圧:10-3torr、蒸留温度:250℃〜260℃程度とするとよい。本発明としては、分子蒸留に限らず、カラムクロマトグラフィー等によって前記粗抽出物を濃縮してもよい。
また、本発明の油脂組成物は、上記トリグリセリド及び上記トコトリエノール、トコフェロールのほかに、植物ステロール、炭化水素、高級アルコール、脂肪酸等を更に含有することができる。
植物ステロールを更に含有する場合、その含有量は特に限定されないが、上記油脂組成物の全質量を100wt%とした場合、7〜10wt%とすることができる。
更に、炭化水素を更に含有する場合、その含有量は特に限定されないが、上記油脂組成物の全質量を100wt%とした場合、20〜24wt%とすることができる。
高級アルコールを更に含有する場合、その含有量は特に限定されないが、上記油脂組成物の全質量を100wt%とした場合、5〜7wt%とすることができる。
脂肪酸を更に含有する場合、その含有量は特に限定されないが、上記油脂組成物の全質量を100wt%とした場合、1〜3wt%とすることができる。
【0013】
本発明の油脂組成物は、飲食品に含有させることができる。
上記「飲食品」には、飲料および固形食品が含まれる。飲食品の形態としては、例えば、特定の保健効果が認められる食品や、生体調整成分の機能を生かして作られる機能性食品とすることができる。
【0014】
本発明の油脂組成物は、そのまま製剤の形態にしてもよいが、食品原料に所要量を加えて一般の製造法により加工製造してもよい。例えば油脂組成物を飲料に添加物として直接添加するか、固形食品に添加して高脂血症等の生活習慣病予防の食品、健康食品あるいは機能性食品等として提供することができる。
【0015】
また、本発明の油脂組成物を、例えば、油脂、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。さらに、必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
【0016】
本発明の油脂組成物を添加する飲食品の種類は特に限定されない。例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、ビスケット、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)等が挙げられる。
【0017】
本発明の油脂組成物を飲食品に添加する場合、有効成分の使用量に特に制限はない。健康食品、機能性食品として摂取する場合、病気予防や健康維持が目的であるので、含有する飲食品に対して有効成分が合計1〜20重量%以下であるのが好ましい。
【0018】
更に本発明の油脂組成物は、医薬品に含有させることができる。上記「医薬品」は、薬事法上の医薬品および医薬部外品を含む。本発明による医薬品の投与方法は経口投与することが望ましい。一般的には錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態とすることができる。本発明による医薬品を非経口剤として投与してもよい。非経口剤として投与する場合、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、注射剤、坐剤などに調製することができる。
【0019】
有効成分の投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常成人一人あたり、1回に1mg〜1000mgの範囲で、1日1回から数回経口投与されるか、または、1回に100μg〜100mgの範囲で、1日1回から数回非経口投与される。なお、投与量は種々の条件で異なるので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
【0020】
本発明の油脂組成物は、皮膚外用剤として用いることができる。上記「皮膚外用剤」には、特にアトピー皮膚炎等のアレルギー疾患に対する抗炎症作用を有するからである。即ち、αリノレン酸は、抗アレルギー剤として知られているが、トコトリエノールを更に含有することにより、より優れた抗炎症作用を有するからである。また、本発明による油脂組成物の他に、その効果を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
【0021】
例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(1)油分の例
エステル系の油相成分:トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12-18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油、ユズ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0022】
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2-エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
【0023】
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2-エチルヘキサン酸等が挙げられる。
【0024】
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2-エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2、4、6-トリアニリノ-p-(カルボ-2-エチルヘキシル-1-オキシ)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3、3-ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4-(3、4-ジメトキシフェニルメチレン)-2、5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
【0025】
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
【0026】
(6)界面活性剤の例
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
【0027】
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1、3-ブタンジオール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
【0028】
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28-1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28-2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T-ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BF Goodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0029】
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キナエキス、キューカンバ-エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ-ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL-α-トコフェロール、酢酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、L-メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ-アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。
【0030】
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなどの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
【0031】
(11)溶媒の例
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
また、上記飲食品、医薬品、皮膚外用剤には、クエルシトリンを含有する植物の極性溶媒抽出物を更に含有することが好ましい。
【0032】
ここで、クエルシトリンを含有する植物として、例えば、どくだみ、キウイ、イチョウ等があげられるが、キウイを原料とすることが好ましい。本発明の油脂組成物の原料としてキウイ種子を用いているため、キウイ種子から油分を抽出した残渣を利用して、クエルシトリンを抽出することができるからである。
【実施例】
【0033】
原料としてキウイ種子は、アメリカ合衆国産のものを用いた。まず、キウイ種子を圧搾し、その後、ヘキサンを用いて油分を抽出することにより原油を調製した。
その後、原油を1〜5torrの真空下、250℃で加熱蒸留し、蒸留物を回収した。
溶剤分別蒸留物に溶剤(アセトン)を加えて混合し、5℃で72時間熟成した後、沈殿物をろ過して取り除いた。次いで、残留液を80℃に加熱して溶剤を留去し、粗抽出物を得た。
10−3torr、250℃〜260℃の条件の下、粗抽出物を分子蒸留することにより濃縮し、油脂組成物(実施例1)を得た。
【0034】
油脂組成物(実施例1)の成分分析を行ったところ、トコトリエノール20.8wt%、トコフェロール2.8wt%程度であった。また、その残余は、トリグリセリドであり、このトリグリセリドの脂肪酸組成を分析したところ、パルチミン酸5.7wt%、ステアリン酸2.9wt%、オレイン酸14.1wt%、リノール酸12.0wt%、αリノレン酸59.9wt%であった。
同様にして、中国産のキウイから同様の方法にて油脂組成物を作製した(実施例2及び実施例3)。尚、比較例として、シソの実及び米糠から同様の方法にて油脂組成物を製造し、脂肪酸組成及びトコトリエノール、トコフェロールの含有量の分析を行った。
その脂肪酸組成及びトコトリエノール、トコフェロールの含有量を下記表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
上記表1によれば、シソ油(比較例1)の場合、脂肪酸組成としてαリノレン酸を59.9と多く含むトリグリセリドからなるが、トコトリエノール及びトコフェロールを含有していないことが判る。
また、米油(比較例2)の場合、トコトリエノール及びトコフェロールの含有量は、それぞれ16wt%と多く含有しているが、米油トリグリセリドは脂肪酸組成としてαリノレン酸を1.0%しか含んでいない。これに対し、実施例1〜3の油脂組成物は、脂肪酸組成としてαリノレン酸を59.8〜61.7%含み、更に油脂組成物中にトコトリエノールを13.6〜20.8wt%、トコフェロールを2.0〜2.2wt%含有するため、高脂血症等の生活習慣病の予防効果を有し、また、アレルギー疾患等を効果的に予防することができる油脂組成物が得られることが判る。
【0037】
以下、本実施例の油脂組成物の配合例について以下に示すが、下記配合例は本発明を限定するものではない。
【0038】
配合例1:ソフトカプセル
油脂組成物 87.0wt%
乳化剤 12.0
キウイ種子抽出物 1.0
合計 100.0wt%
【0039】
配合例2:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
油脂組成物 0.05
香料 微量
精製水 残余
合計 100.0wt%
【0040】
配合例3:錠剤
乳糖 53.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
油脂組成物 2.0
合計 100.0wt%
【0041】
配合例4:錠菓
砂糖 75.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
油脂組成物 1.5
精製水 3.9
合計 100.0wt%
【0042】
配合例5:サラダ油
食用米油 96.0
γ‐オリザノール、植物ステロール高含有米油 2.0
油脂組成物 2.0
合計 100.0
【0043】
配合例6:化粧クリーム
スクワラン 20.0wt%
ミツロウ 5.0
油脂組成物 5.0
グリセリン 5.0
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン-
モノステアレート 2.0
キウイ種子抽出物 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
合計 100.0wt%
【0044】
配合例7:ボディージェル
油脂組成物 2.0wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
バチルアルコール 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット 2.0
水素添加大豆リン脂質 1.0
セラミド 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
防腐剤 適量
ツボクサ抽出物 1.0
キウイ種子抽出物 1.0
1、3−ブチレングリコール 5.0
精製水 残余
合計 100.0wt%
【0045】
配合例8:乳液
スクワラン 2.0wt%
油脂組成物 2.0
ワセリン 2.5
セタノール 2.0
グリセリン 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 1.0
L−アルギニン 1.0
キウイ種子抽出物 0.5
水酸化カリウム 0.1
香料 微量
精製水 残余
合計 100.0wt%
【0046】
配合例9:浴用剤(液状)
プロピレングリコール 50.0wt%
エタノール 20.0
硫酸ナトリウム 5.0
キウイ種子抽出物 0.5
ラノリン 0.5
油脂組成物 0.5
色素 1.5
香料 22.0
合計 100.0wt%
【0047】
配合例10:ヘヤークリーム
流動パラフィン 19.0wt%
油脂組成物 1.0
固形パラフィン 3.0
ポリオキシエチレンセチル エーテル (E.O 15モル) 2.0
ソルビタンセスキオレート 1.0
キウイ種子抽出物 0.2
エタノール 10.0
水酸化カリウム 0.1
グリセリン 3.0
香料及び防腐剤 適量
イオン交換水 残余
合計 100wt%
【0048】
配合例11:軟膏剤
サラシミツロウ 5.0wt%
油脂組成物 1.0
精製ラノリン 5.0
キウイ種子抽出物 1.0
香料 0.1
ワセリン 残余
合計 100wt%
【0049】
また、本実施例の油脂組成物を医薬品に配合する配合例を以下に示す。尚、本発明の医薬品は、下記配合例に限定されない。
配合例12:錠剤(医薬品)
油脂組成物 200mg
ラクトース 40mg
でんぷん 19mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
【0050】
配合例13:注射剤
油脂組成物 100mg
トウィーン 80.4mg
精製水 1ml
プロピルパラベン 0.2mg
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上、本発明の油脂組成物は、脂肪酸組成としてαリノレン酸を多く含み、且つトコトリエノールを多く含有するため、高脂血症等の生活習慣病を効果的に予防することができ、また、アレルギー疾患等を効果的に予防することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を含有するキウイ種子由来の油脂組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の油脂組成物からトコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を分離又は濃縮してなる油脂組成物。
【請求項3】
前記油脂組成物の質量を100wt%とした場合、トコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を10〜35wt%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の油脂組成物。
【請求項4】
トリグリセリドを更に含有し、
該トリグリセリドは、脂肪酸組成として、40〜80wt%のαリノレン酸を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の油脂組成物。
【請求項5】
キウイ種子から抽出された原油を加熱真空下で蒸留して蒸留物を回収し、
その後、該蒸留物と有機溶剤とを混合して冷却し、沈殿物を除去することで、粗抽出物を得、
その後、該粗抽出物からトコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を濃縮してなる油脂組成物。
【請求項6】
キウイ種子から抽出された原油を加熱真空下で蒸留して蒸留物を回収し、
その後、該蒸留物と有機溶剤とを混合して冷却し、沈殿物を除去することで、粗抽出物を得、
その後、該粗抽出物からトコトリエノール及びトコフェロールのうちの少なくとも1種を濃縮することを特徴とする油脂組成物の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか1項に記載された油脂組成物を含有することを特徴とする飲食品。
【請求項8】
請求項1〜5の何れか1項に記載された油脂組成物を含有することを特徴とする医薬品。
【請求項9】
請求項1〜5の何れかに1項に記載された油脂組成物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項10】
請求項1〜5の何れか1項に記載された油脂組成物を含有することを特徴とする化粧品。



【公開番号】特開2007−84683(P2007−84683A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−274963(P2005−274963)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年9月21日付けの刊行物である健康産業速報962号第4面にてオリザ油化株式会社が発表
【出願人】(594045089)オリザ油化株式会社 (96)
【Fターム(参考)】