説明

液処理装置及び液処理方法

【課題】基板上に処理液が存在するか否かについて、簡易な構造で検出し、製品の歩留まりの悪化を抑えること。
【解決手段】スピンチャック2に静電センサ54A〜54Cを埋設する。静電センサ54の静電容量は、基板であるウエハW上に処理液が存在すると、存在しない場合に比べて大きくなる。従って静電センサ54A〜54Cにより、スピンチャック2上のウエハW上に処理液が存在するか否かについて検出することができる。従って所定のタイミングでウエハW上に処理液が存在するか否かについて検出することによって、処理液ノズル4からの処理液の吐出や、基板上における処理液の拡散の異常を速やかに検出できるため、これらの異常に直ちに対処でき、製品の歩留まりの悪化を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板保持部に保持された基板に対して処理ノズルから処理液を供給する液処理装置及び液処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レジスト膜やポリイミド膜よりなる保護膜を形成する工程がある。これらの工程は、例えば鉛直軸周りに回転自在に構成されたスピンチャックと、スピンチャック上に保持された基板例えば半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)Wの表面に処理液を供給する処理液ノズルと、を備えた液処理装置にて行われる。この装置では、スピンチャック上のウエハWに対して処理液ノズルから処理液を供給し、この後スピンチャックを回転させ、ウエハW上の処理液を回転の遠心力によって拡散させることによって、ウエハW表面全体に前記処理液の液膜を形成している。
【0003】
ところで、処理液を貯留するタンクから処理液ノズルに至る処理液の供給系において、バルブが故障する等の理由により、処理液ノズルから所定のタイミングで処理液が吐出されない場合がある。また、予定されていた量の処理液が供給されないため、ウエハW表面における処理液の拡散が不十分であるという場合がある。これらの異常が起こると製品不良となるため、速やかに検出する必要がある。
【0004】
一方、レジスト膜やポリイミド膜の塗布処理では、処理液ノズルから吐出される処理液量が微小であり、また熱式の流量計は処理液に熱を加えるので使用できないことから、精度の高い流量検出を行うことは難しい。また処理液ノズルとして、多数本のノズル部を組み合わせたノズルユニットを用いる場合もあるが、処理液の供給ラインに流量計を設ける構成では、供給ライン毎に流量計を設ける必要があり、構成が煩雑になってしまう。さらにまた供給ラインは、気泡やパーティクルの発生を抑えるために、できるだけ機器を設けずに簡素化することが好ましい。
【0005】
一方、処理液ノズルからの処理液の吐出状態や、ウエハW表面における処理液の拡散状態の検査については、例えば特許文献1に、レーザセンサを用い、ウエハ表面のレーザ反射光量を測定する手法が提案されている。この手法は、レジスト液がレーザ光を遮断すると反射光量がゼロとなり、ウエハW上のレジスト液が延伸されると前記レーザ光の反射率が上昇することを利用するものである。具体的にはレーザセンサがOFFのときの受光量と、レジスト液が吐出される前のレーザ反射光量との差分をノイズマージンとする。そしてレジスト液が吐出される前のレーザ反射光量Bとレジスト液吐出中の反射光量Cとの差分と、前記ノイズマージンを比較し、反射光量Bと反射光量Cとの差分の方が小さい場合には異常、前記差分の方が大きい場合には正常と判断している。
【0006】
この手法では、処理液の種類に応じてノイズマージンの閾値を決定しているので、処理液の種類や特性に関わらずに精度のよい検出を行うことができる。またレーザ光を照射する部位を変化させることにより、ウエハWの中央領域における処理液の吐出状態の検出や、ウエハWの周縁領域における処理液の拡散状態の検出を行うことができる。しかしながらウエハW表面における複数個所において処理液の状態を検出しようとすると、検出部位毎に、レーザセンサと反射板とを設ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−258658号(段落0055〜0061、段落0065〜0067等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、基板保持部に保持された基板の表面に、処理液ノズルから処理液を供給して基板に対して液処理を行うにあたり、処理液の供給の不具合を検出することができる液処理装置及び液処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の液処理装置は、基板の表面に処理液の液膜を形成する液処理装置において、
基板を吸引保持する基板保持部と、
この基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給する処理液ノズルと、
前記基板保持部に設けられ、前記基板の表面における処理液の有無を容量変化として検出するための検出部と、
この検出部の出力信号に基づいてアラームを発生するアラーム発生部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
ここで前記基板保持部は鉛直軸回りに回転自在に構成され、前記処理液ノズルは基板の中心部に処理液を吐出するように構成され、処理液は基板の遠心力により中心部から外縁に広がるものとすることができる。
【0011】
前記検出部は、基板保持部の中心部に設けられるようにしてもよいし、基板保持部の中心部からの距離が互に異なるように複数設けられるようにしてもよい。
【0012】
また処理液ノズルから処理液を吐出するための指令信号が出力されてから、予め決められた時間が経過したときに、検出部の出力に対応する信号に基づいて基板上に処理液が存在するか否かを判断する制御部を備えるようにしてもよい。前記検出部としては静電センサを用いることができる。
【0013】
本発明の液処理方法は、基板保持部に吸引保持された基板の表面に処理液ノズルから処理液を供給することにより、基板の表面に処理液の液膜を形成する液処理方法において、
前記処理液ノズルから処理液を吐出するための指令信号を出力する工程と、
前記指令信号が出力されてから予め決められた時間が経過したときに、前記基板の表面における処理液の有無を容量変化として検出するために前記基板保持部に設けられた検出部の出力に対応する信号に基づいて、基板上に処理液が存在するか否かを判断する工程と、
前記検出部の出力信号に基づいてアラームを発生する工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
この際、前記基板を吸引保持する基板保持部を鉛直軸回りに回転させ、前記処理液ノズルにより前記基板保持部上の基板の中心部に処理液を吐出することにより、この基板上の処理液を、基板の遠心力により中心部から外縁に広げるにあたり、
前記指令信号が出力されてから、予め決められた第1の時間が経過したときに、前記基板保持部の中心部に設けられた検出部の出力に対応する信号に基づいて、基板上に処理液が存在するか否かを判断する工程と、
前記指令信号が出力されてから、予め決められた第1の時間よりも長い第2の時間が経過したときに、前記基板保持部の中心部よりも外側に設けられた検出部の出力に対応する信号に基づいて、基板上に処理液が存在するか否かを判断する工程と、を含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、基板の表面における処理液の有無を容量変化として検出する検出部を当該基板保持部に設けているため、基板の表面に処理液が存在しているか否かについて検出を行うことができる。従って処理液の供給の不具合を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る液処理装置を示す縦断面図である。
【図2】前記液処理装置に用いられるスピンチャックを示す縦断面図である。
【図3】前記スピンチャックの平面図である。
【図4】前記スピンチャックに設けられた分配器を示す構成図である。
【図5】前記スピンチャックに設けられた発振回路、送信用アンテナ及び受信部を示す構成図である。
【図6】本発明の実施の形態の作用を説明するための断面図である。
【図7】本発明の実施の形態の作用を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態の作用を説明するための工程図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の基板保持部を示す斜視図と側面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態の基板保持部を示す平面図である。
【図11】上記塗布装置を適用した塗布、現像装置の実施の形態を示す平面図である。
【図12】上記塗布、現像装置の斜視図である。
【図13】上記塗布、現像装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る液処理装置1の一実施の形態について説明する。図1に示すように、液処理装置1は、処理容器10の内部に、基板例えばウエハWを裏面側から水平に保持すると共に、鉛直軸周りに回転自在に構成されたスピンチャック2(真空チャック)を備えている。このスピンチャック2は、ウエハWを吸引保持する基板保持部をなすものであり、ウエハWを水平に保持する概略円板状のテーブル21と、このテーブル21の下面中央部に接続された回転軸22と、を備えて構成されている。
【0018】
前記回転軸22の下部側には、例えば図2に示すように、当該回転軸22を鉛直軸回りに回転自在及び昇降自在に支持する駆動機構23が接続されている。また回転軸22の内部下端側は、処理容器10の底部に固定された筒状体24の内側に、シール機能を備えた軸部25を介して回転自在に嵌合されている。前記軸部25は図示しない軸受け部と磁気シールとからなり、回転軸22と筒状体24との間を気密にシールしている。またスピンチャック2は、回転軸22及び筒状体24の内部領域に形成された吸引路26、及び吸引管27aを介して、ウエハWを裏面側から吸引するために、真空ポンプ27と接続されている。テーブル21の内部構造については後述する。
【0019】
図1に説明を戻すと、前記スピンチャック2の周囲には、処理カップ3が設けられている。この処理カップ3は、前記スピンチャック2上に吸着保持されるウエハWの裏面周縁部に対向するように配置された内側カップ31と、この内側カップ31を側方側及び下方側から囲むように設けられた中間カップ32と、この中間カップ32の上方に配置された外側カップ33と、から構成されている。
【0020】
前記中間カップ32は液受け部34を備えており、この液受け部34の下面には、処理液を排出するために排液路35の一端側が接続されていて、ウエハWの周縁部から流れ落ちる処理液等が、前記内側カップ31を介して当該排液路35へとガイドされるようになっている。また液受け部34には、処理容器10内の雰囲気を排気するために、2本の排気路36が接続されている。前記外側カップ33は、ウエハWが回転する時の周囲の気流の乱れを低減させるために、スピンチャック2のウエハWの上方側の雰囲気を周方向に亘って覆うように設けられている。
【0021】
また処理容器10内には、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面に対して処理液を供給するために、処理液ノズル4が設けられている。このノズル4は、後述するようにウエハW表面に処理液の液膜を形成するときには、ウエハWの中心部に処理液を吐出する。このため図示しないアームによって、ウエハWの中心部に処理液を吐出する吐出位置と、カップ3の外側の待機位置との間で移動自在及び昇降自在に構成されている。またこの処理液ノズル4には、図示しない流量調整部を備えた処理液供給管41を介して処理液である例えばポリイミド溶液の供給源42が接続されている。
【0022】
さらに処理容器10には、天井面に当該処理容器10の内部に対して清浄な気体を供給するためのファンフィルタユニット(FFU)37が接続されると共に、底面には排気管38が接続され、こうして処理容器10内には下降気流が形成される。なお、図1中11はこの処理容器10内に対してウエハWの搬入出を行うための搬送口、12は前記搬送口11を開閉するためのシャッタである。
【0023】
続いて前記テーブル21について、図2及び図3を参照して詳述する。このテーブル21は、外径寸法が例えば300mmのウエハWを裏面側から吸着保持するように構成されており、例えば平面形状がウエハWとほぼ同じ程度になるように形成されている。またテーブル21の中心部は、テーブル21上に載置されたウエハWの中心部と揃うように構成されている。前記テーブル21の上面中央には、中心部に凸部51Aが形成されており、また例えばテーブル21の半径の半分の位置及び外縁部に同心円に沿って夫々円弧状の凸部51B,51Cが形成されている。これらの3つの凸部51A〜51Cの上面は、ウエハWを吸着保持するための基板保持面をなし、ウエハWを水平に保持できるように同じ高さとなるように形成されている。この例においては、同心円に沿った円弧状の凸部51B,51Cは説明を簡素化するために径方向の配置数を2箇所としているが、3箇所以上としてもよい。
【0024】
前記凸部51Aと凸部51Bとの間には、吸引孔52が開口しており、当該吸引孔52はテーブル21内に形成された吸引路53を介して回転軸22内に形成された吸引路26に連通している。テーブル21上にウエハWを載置すると共に吸引路26を介して吸引孔52からウエハWの裏面側の雰囲気を吸引すると、この図3に矢印で示すように、テーブル21とウエハWの裏面との間の雰囲気が凸部51B同士の間の隙間を介して外周側から内周側の吸引孔52に向かって通流し、ウエハWがテーブル21上に吸着保持されることになる。
【0025】
このテーブル21は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PBI(ポリベンゾイミダール)、PP(ポリプロピレン)あるいはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂、この例ではPEEKにより構成されている。
【0026】
前記テーブル21における3つの凸部51A〜51Cの表面近傍には、凸部51A〜51C毎に例えば1個の静電センサ54A〜54Cが埋設されている。こうしてウエハWをテーブル21により吸着保持したときに、ウエハWの中心部の下方側に静電センサ54A(以下「第1の静電センサ54A」という)が設けられ、ウエハWの半径の半分の位置の下方側に静電センサ54B(以下「第2の静電センサ54B」という)が設けられ、ウエハWの外縁部の下方側に静電センサ54C(以下「第3の静電センサ54C」という)が設けられることになる。これら静電センサ54A〜54Cは、ウエハW表面における処理液の有無を容量変化として検出するための検出部をなすものであり、各々静電容量の電圧信号を出力するように構成されている。
【0027】
前記回転軸22内の中心軸上には電源ライン収納用のパイプ55が設けられ、この中に電源ラインが配線されている。前記パイプ55の下端は連結ユニット56の一部をなす上部材56aに接続されている。前記連結ユニット56は前記上部材56aと下部材56bとが鉛直軸回りに回転自在に結合してなり、これら上部材56a、下部材56bは内部が電気的に接続される構造となっている。前記下部材56bは前記筒状体24に固定され、この下部材56bの内部は電源ケーブル57aを介して電源部57に接続されている。こうして前記電源ケーブル57aと、パイプ55内の電源ラインとは電気的に接続された状態となる。
【0028】
図中6は電源の分配器であり、例えば図4に示すように、この分配器6を介して各静電センサ54A〜54Cに電源電圧が供給される。61は静電センサ54Aに給電する電源ケーブルである。他の静電センサ54B,54Cに対しても前記分配器6から電源ケーブル62,63が配線されているが、図1では、図の煩雑化を避けるため省略している。
【0029】
各静電センサ54A〜54Cは信号ライン64A〜64Cを介して、回転軸22内に設けられた発振回路71A〜71Cに接続されている。なお図2においては、図示の便宜上静電センサ54Aに対応するもののみを描いている。また回転軸22の周方向には送信用アンテナ72A〜72Cが配置され、発振回路71A〜71Cからの発振出力を後述の受信部8A〜8Cに非接触で送信するように構成されている。この送信用アンテナ72A〜72C及び受信部8A〜8Cは、図5に示すように静電センサ54A〜54C毎に設けられている。前記発振回路71A〜71Cは、例えば信号ライン64A〜64Cからの電圧信号に応じて発振レベルが変わるように構成されている。
【0030】
前記受信部8A〜8Cは、図5に示すように、前記送信用アンテナ72A〜72Cからの発振出力を受信する受信用アンテナ81と、発振回路71A〜71Cの発振出力の周波数帯域を通過させるバンドパスフィルタ82と、このフィルタ82から送られた周波数信号を整流する整流回路83と、整流出力をしきい値により二値化する二値化処理部84とを備えている。
【0031】
ここで前記静電センサ54A〜54Cでは、ウエハW上に液があるときには、静電容量が大きくなって電圧信号が変化し(大きくなり)、こうして発振回路71A〜71Cおける発振出力レベルが変化し(大きくなり)、整流出力が変化する。従って前記二値化処理部84は、ウエハW上に処理液がないときに静電センサ54A〜54Cから出力される電圧信号に対応する整流出力レベルと、ウエハW上に処理液があるときに静電センサ54A〜54Cから出力される電圧信号に対応する整流出力レベルとの中間にしきい値を設定しておき、これにより図6(a)に示すように、ウエハW上に処理液Lがあるときにオン信号を出力し、図6(b)に示すように、ウエハW上に処理液Lがないときにはオフ信号を出力するように構成されている。このしきい値はあらかじめ実験により求めておく。
【0032】
前記回転軸22には、図5に示すように、残り2つの静電センサ54B,54Cの信号ライン64B,64Cが接続される発振回路71B,71Cと、送信用アンテナ72B,72Cと、が設けられている。これら発振回路71Bと送信用アンテナ72Bの組と、発振回路71Cと送信用アンテナ72Cの組とは、前記発振回路71Aと送信用アンテナ72Aとの組と、夫々高さを変えて同様に設けられている。また前記送信用アンテナ72B,72Cの対応する高さ位置には、受信部8Aと同様に、受信部8B,8Cが設けられている。制御部9には前記受信部8A〜8Cから二値化信号、即ちオン信号(例えば論理「1」)とオフ信号(例えば論理「0」)とが送信されるように構成されている。
【0033】
前記制御部9は、液処理装置1における各機器の動作を統括制御するものであり、例えばコンピュータからなり、不図示のプログラム格納部を有している。このプログラム格納部には、後述の作用で説明する処理液の液膜形成処理が行われるように命令が組まれたプログラムが格納され、このプログラムが制御部9に読み出されることで制御部9はウエハの回転速度、ウエハへの処理液の供給などを制御する。前記プログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスクまたはメモリーカードなどの記憶媒体に収納された状態でプログラム格納部に格納される。
【0034】
また制御部9は、処理液検出プログラム91を備えている。このプログラム91は、処理液ノズル4から処理液を吐出するための指令信号(以下「開始信号」という)が出力されてから、予め決められた時間が経過したときに、静電センサの出力に対応する信号に基づいてウエハW上に処理液が存在するか否かを判断する手段である。前記開始信号は、制御部9により出力される。
【0035】
この処理液検出プログラム91では、次のようにしてウエハW上に処理液が存在するか否かを判断する。先ずプロセスに応じて、前記開始信号が出力された後、所定時間経過後に各受信部8A〜8Cからの出力がオフ信号であったときに、処理液の供給異常と判断するようにステップが組まれている。前記所定時間とは、例えば予め前記開始信号が出力されてから処理液が第1の静電センサ54A,第2の静電センサ54B,第3の静電センサ54Cの上方位置を通過するまでの夫々の時間を求めておき、これら時間に少しマージンを持たせた時間である。例えば開始信号が出力されてから処理液が第2の静電センサ54Bの上方位置に到達するまでの計測時間が1秒(仮の時間である)であったとすると、例えばマージンを持たせて2秒後にオフ信号である場合には供給異常と判断されることになる。
【0036】
第1の静電センサ54A〜第3の静電センサ54Cに対応するこれら設定時間を夫々時間T1,T2,T3として以下の説明を進める。先ず前記開始信号が出力されてから時間T1が経過したときに、静電センサ54Aの出力に基づく受信部8Aからの信号C1がオン信号であれば、処理液が静電センサ54Aの上方側に存在すると判断し、オフ信号であれば処理液が静電センサ54Aの上方側に存在しないと判断する。
【0037】
ここで第1の静電センサ54Aは処理液ノズル4からウエハW上に処理液が吐出される位置に埋設されているので、処理液ノズル4からウエハW上に処理液が正常に吐出されると、当該静電センサ54Aの出力に基づく受信部8Aからの信号C1がオン信号となる。従って開始信号から第1の時間T1が経過したときに、受信部8Aからの出力(信号C1)がオフ信号であれば、処理液ノズル4からの処理液の吐出異常であると判断される。
【0038】
同様に、前記開始信号が出力されてから、第2の時間T2(第3の時間T3)が経過したときに静電センサ54B(54C)の出力に基づく受信部8B(8C)からの信号C2(C3)がオン信号であれば、処理液が静電センサ54B(54C)の上方側に存在すると判断し、オフ信号であれば処理液が静電センサ54B(54C)の上方側に存在しないと判断する。従って開始信号から時間T2(時間3)が経過したときに、受信部8B(8C)からの出力がオフ信号であれば、処理液の拡散異常と判断される。
【0039】
そして制御部9は、この処理液検出プログラム91からのウエハW上に処理液が存在するか否かの判断情報に基づいて、前記処理液の吐出や拡散に異常があると判断した場合には、例えば駆動機構23に回転停止信号を出力すると共に、アラーム発生部92にアラーム信号を出力する。このアラーム発生部92は、警告音の発生や、警告ランプの点灯、表示部へのアラーム表示などを行う役割を果たす。
【0040】
次に上述の実施の形態の作用について、ウエハW表面に、処理液であるポリイミド溶液の液膜を形成する場合を例にして図7及び図8を参照しながら説明する。先ず外部の搬送手段によって搬送口11より処理容器10内にウエハWを搬入し、処理カップ3の上方側まで上昇させたスピンチャック2に受け渡す。そしてスピンチャック2によりウエハWを真空吸着させ、処理カップ3内の所定位置まで下降させる。一方搬送手段を退避させて、シャッタ12は閉じておく。
【0041】
続いて処理液ノズル4をウエハWの中心部に処理液を供給する位置へ移動させる。そして制御部9から処理液ノズル4から処理液であるポリイミド溶液を吐出するための指令信号(開始信号)を出力し(ステップS1)、この指令信号に基づいてウエハW表面に向けて処理液の吐出を開始する。一方制御部9の処理液検出プログラム91により、前記開始信号を出力してから、常時静電センサ54A〜54Cによる静電容量のデータを取得する。
【0042】
ここで各静電センサ54A〜54Cでは、既述のように静電容量の電圧信号が出力される。この静電容量はウエハW上に処理液Lが存在するときには、存在しないときよりも大きくなるので、ウエハW上に処理液Lが存在すると、受信部8における出力はオフ信号からオン信号に切り替わる。
【0043】
そして前記開始信号を出力してから第1の時間T1が経過したときに(ステップS2)、第1の静電センサ54Aの出力に対応する信号C1がオン信号であるか否かを判断する(ステップS3、図8(a))。そして前記信号C1がオフ信号であれば異常であるので、スピンチャック2の回転を停止し(ステップS11)、所定のアラームを発生する(ステップS12)。一方前記信号C1がオン信号であれば正常であるので、スピンチャック4を低速例えば1500rpm〜2000rpm程度の回転数で回転するように駆動機構23に指令信号を出力する(ステップS4)。こうしてスピンチャック4を低速で回転させることによって、ウエハW上の処理液Lを回転の遠心力により中心部から外縁部に向けて少し広げる。ここで広げる程度は、前記開始信号を出力してから第2の時間T2が経過したときに、処理液Lが第2の静電センサ54Bの上方側に存在する程度である。ここで第2の時間T2は第1の時間T1よりも長い時間である。
【0044】
続いて前記開始信号を出力してから第2の時間T2が経過したときに(ステップS5)、第2の静電センサ54Bの出力に対応する信号C2がオン信号であるか否かを判断する(ステップS6、図8(b))。そして前記信号C2がオフ信号であれば異常であるので、スピンチャック2の回転を停止し(ステップS11)、所定のアラームを発生する(ステップS12)。一方前記信号C2がオン信号であれば正常であるので、スピンチャック4を高速例えば2000rpm〜3000rpm程度の回転数で回転するように駆動機構23に指令信号を出力する(ステップS7)。こうしてスピンチャック4を高速で回転させることによって、ウエハW上の処理液Lを回転の遠心力により、ウエハW全体に拡散させる。
【0045】
次いで前記開始信号を出力してから第3の時間T3が経過したときに(ステップS8)、第2の静電センサ54Cの出力に対応する信号C3がオン信号であるか否かを判断する(ステップS9、図8(c))。ここで第3の時間T3は第2の時間T2よりも長い時間である。そして前記信号C3がオフ信号であれば異常であるので、スピンチャック2の回転を停止し(ステップS11)、所定のアラームを発生する(ステップS12)。一方前記信号C3がオン信号であれば正常であるので、処理を続行する(ステップS10)。例えば処理液ノズル4を所定の待機位置へ退避させ、その後所定の間ウエハWを回転させて、ポリイミド溶液の液膜の膜厚の均一化を図ると共に、ポリイミド溶液を乾燥させてポリイミド膜を形成する。次いで図示しないべベル洗浄ノズルを用いて、ウエハWの周縁部に溶解液(洗浄液)である溶剤例えばシンナーを吐出してバックリンスを行うようにしてもよい。こうしてウエハWの表面にポリイミド膜を形成した後、搬入時とは逆の順番でウエハWを液処理装置1から搬出する。
【0046】
上述の実施の形態によれば、静電センサ54A〜54Cをスピンチャック2内に埋設し、ウエハ上に処理液が存在しないときと、存在するときとの静電容量の変化を利用して、ウエハ上に処理液が存在するか否かを判断している。これにより処理液ノズル4からの処理液の供給の不具合を検出することができる。つまり
スピンチャック2の中心部に埋設された第1の静電センサ54Aの出力に基づいて、処理液ノズル4からの処理液の吐出異常を検出することができ、スピンチャック2の半径の半分の位置及び外縁部に夫々埋設された第2及び第3の静電センサ54B,52Cからの出力に基づいて、ウエハW上に供給された処理液の拡散異常を検出することができる。
【0047】
従ってこのような処理液の供給に不具合が発生した場合に、これらの異常を速やかに検知することができる。この異常を検知した場合には、直ちにアラームを発生できるので、多数の製品不良の発生が抑えられ、製品の歩留まりの悪化を防止することができる。
【0048】
またウエハW上における処理液の有無を静電センサ54A〜54Cの静電容量の変化で見ているので、処理液量が微小であったり、処理液の種類によって、気泡が発生状態や粘度等特性が異なる場合であっても、前記静電容量は処理液の有無により変化するため、ウエハW上における処理液の有無について高精度な検出を行うことができる。さらにスピンチャック2に静電センサ54A〜54Cを埋設しているので、ノズル毎に流量計を設ける場合に比べて簡易な構成となる。
【0049】
以上において、前記発振回路7A〜7Cは、信号ライン64A〜64Cの電圧に応じて発振周波数が変わる構造(電圧制御発振器)であってもよく、この場合受信部8A〜8Cでは発振周波数を例えば周波数カウンタで計測し、周波数計測値に応じてオン信号、オフ信号を出力する構成となる。
【0050】
また連結ユニット56としては、電源ライン収納用のパイプ55を筒状体24内で回転自在に支持し、筒状体24の下端に電源コイルを設ける一方、前記パイプ55側にも前記電源コイルの下方側に離間しかつ対向して電源コイルを設け、これらコイル間で電磁誘導により電力を搬送する非接触型の電力搬送構造を採用しても良い。
【0051】
さらに、処理液ノズルから処理液を吐出するための指令信号が出力されてから、予め決められた時間が経過したときに、検出部(静電センサ5)の出力に対応する信号に基づいてウエハ上に処理液が存在するか否かを判断する構成は、ソフトウェアであってもよいし、論理回路を組み込んだハード構成であってもよい。
【0052】
さらにまた基板上に処理液の液膜を形成する手法としては、上述の構成に限らず、基板保持部上に基板を載置し、基板保持部を回転させた状態で処理液ノズルから基板に対して処理液を供給するようにしてもよい。また基板保持部により基板を回転させ、回転の遠心力により基板上の処理液を拡散させる工程においても、途中で基板保持部の回転数を変化させるようにしてもよいし、同じ回転数で基板保持部を回転し続けてもよい。
【0053】
さらに本発明の基板保持部は必ずしも鉛直軸回りに回転自在に構成する必要はなく、処理液ノズル側を基板保持部に対して移動させるようにしてもよい。この場合、処理液ノズル93を、例えば図9(a)に示すように、ウエハWの直径方向に対応する長さに亘って形成された吐出孔を備えるように構成する。そしてこの処理液ノズル93を、基板保持部94に保持されたウエハWの一端側の外方から、他端側の外方に向かってスキャンさせることにより、ウエハW上に処理液Lの液膜を形成する。このような手法で供給される処理液としては、現像液や洗浄液等がある。この例の基板保持部94は、鉛直軸回りに回転しない他は、上述のスピンチャック2と同様に構成されている。
【0054】
このように処理液ノズル93をスキャンさせて処理液の供給を行う場合には、例えば図9(b)に示すように、基板保持部94の一端側の外縁部と、他端側の外縁部に夫々静電センサ95A,95Bを埋設しておく。そして処理液ノズル93から処理液を吐出するための指令信号が出力されてから、予め決められた時間が経過したときに、夫々の静電センサ95A,95Bからの出力に対応した受信部からの信号C4、C5を取得し、これら信号C4,C5に基づいてウエハW上に処理液が存在するか否かが判断される。この際、前記静信号C4,C5に基づいてアラームを発生する工程については、上述の実施の形態と同様である。
【0055】
以上において本発明では、基板保持部には、少なくとも1個の静電センサが設けられていればよい。また基板保持部において、処理液ノズルから処理液の吐出が開始される位置に静電センサを設け、処理液ノズルからの処理液の吐出が正常に行われているか否かについての検出のみを行うようにしてもよい。またこのように処理液の吐出についての検出のみを行う場合には、基板保持部における基板を吸着保持する部位(テーブル21)は、その平面形状がウエハWよりも小さく構成されているものであってもよい。さらに基板保持部において、基板の外縁部に対応する位置に静電センサを設け、基板表面における処理液の拡散が正常に行われているか否かについての検出のみを行うようにしてもよい。さらにまた図10に示すように、円弧状の凸部51Bや、外側の凸部51Cに夫々複数の静電センサ54B,54Cを設けるようにしてもよい。この場合には、処理液の拡散状態について精度よく検出できる。
【0056】
次に塗布、現像装置に上述の液処理装置を適用した一例について簡単に説明する。この例では、前記液処理装置1が、ウエハW上に処理液であるレジスト液の液膜を形成する塗布装置、ウエハW上に処理液である反射防止膜用薬液の液膜を形成する塗布装置として組み込まれている。図11は塗布、現像装置に露光装置が接続されたシステムの平面図であり、図12は同システムの斜視図である。また図13は同システムの縦断面図である。この装置にはキャリアブロックS1が設けられており、その載置台101上に載置された密閉型のキャリアCから受け渡しアームD1がウエハWを取り出して処理ブロックS2に受け渡し、処理ブロックS2から受け渡しアームD1が処理済みのウエハWを受け取ってキャリアCに戻すように構成されている。
【0057】
前記処理ブロックS2は、図11に示すようにこの例では現像処理を行うための第1のブロック(DEV層)B1、レジスト膜の下層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うための第2のブロック(BCT層)B2、レジスト膜の塗布を行うための第3のブロック(COT層)B3、レジスト膜の上層側に形成される反射防止膜の形成を行うための第4のブロック(TCT層)B4を、下から順に積層して構成されている。
【0058】
第2のブロック(BCT層)B2と第4のブロック(TCT層)B4とは、各々反射防止膜を形成するための処理液をスピンコーティングにより塗布する本実施の形態の液処理装置1が適用された塗布装置102と、この塗布装置102にて行われる処理の前処理及び後処理を行うための加熱・冷却系の処理ユニット群と、前記塗布装置2と処理ユニット群との間に設けられ、これらの間でウエハWの受け渡しを行う搬送アームA2、A4とにより構成されている。ここで前記塗布装置102には、上述の実施の形態のスピンチャック2が図中Y方向に4個配列されている。第3のブロック(COT層)B3についても前記処理液がレジスト液であることを除けば同様の構成である。
【0059】
一方、第1のブロック(DEV層)B1については例えば一つのDEV層B1内に現像ユニットが2段に積層されている。そして当該DEV層B1内には、これら2段の現像ユニットにウエハWを搬送するための搬送アームA1が設けられている。
【0060】
更に処理ブロックS2には、図11及び図13に示すように棚ユニットU1が設けられ、この棚ユニットU1の各部には処理ブロックS2の受け渡しアームD2によりアクセスされると共に、棚ユニットU1の一部にはキャリアブロックS1の受け渡しアームD1がアクセスされるように構成されている。そしてキャリアブロックS1からのウエハWは前記棚ユニットU1の一つの受け渡しユニット、例えば第2のブロック(BCT層)B2の対応する受け渡しユニットCPL2に、前記受け渡しアームD1によって順次搬送される。第2のブロック(BCT層)B2内の搬送アームA2は、この受け渡しユニットCPL2からウエハWを受け取って各ユニット(反射防止膜ユニット及び加熱・冷却系の処理ユニット群)に搬送し、これらユニットにてウエハWには反射防止膜が形成される。
【0061】
その後、ウエハWは棚ユニットU1の受け渡しユニットBF2、受け渡しアームD2、棚ユニットU1の受け渡しユニットCPL3及び搬送アームA3を介して第3のブロック(COT層)B3に搬入され、レジスト膜が形成される。更にウエハWは、搬送アームA3→棚ユニットU1の受け渡しユニットBF3→受け渡しアームD2を経て棚ユニットU1における受け渡しユニットCPL11に受け渡される。なおレジスト膜が形成されたウエハWは、第4のブロック(TCT層)B4にて更に反射防止膜が形成される場合もある。この場合は、ウエハWは受け渡しユニットCPL4を介して搬送アームA4に受け渡され、反射防止膜が形成された後、搬送アームA4により受け渡しユニットTRS4、受け渡しアームD2を介して受け渡しユニットCPL11に搬送される。
【0062】
一方DEV層B1内の上部には、前記棚ユニットU1の受け渡しユニットCPL11から棚ユニットU2に設けられた受け渡しユニットCPL12にウエハWを直接搬送するための専用の搬送手段であるシャトルアームEが設けられている。レジスト膜や更に反射防止膜の形成されたウエハWは、前記受け渡しユニットCPL11からシャトルアームEにより棚ユニットU2の受け渡しユニットCPL12に直接搬送され、インターフェイスブロックS3に取り込まれることになる。なお図12中のCPLが付されている受け渡しユニットは温調用の冷却ユニットを兼ねており、BFが付されている受け渡しユニットは複数枚のウエハWを載置可能なバッファユニットを兼ねている。
【0063】
次いで、ウエハWはインターフェイスアームD3により露光装置S4に搬送され、ここで所定の露光処理が行われた後、棚ユニットU2の受け渡しユニットTRS6に載置されて処理ブロックS2に戻される。戻されたウエハWは、第1のブロック(DEV層)B1にて現像処理が行われ、搬送アームA1により棚ユニットU1の受け渡し台TRS1に受け渡される。そして受け渡しアームD1を介して元のキャリアCに戻される。なお図において棚ユニットU3には各々加熱部と冷却部とを積層した熱系ユニット群が設けられている。
【0064】
以上において、本発明の処理液には、ポリイミド溶液、レジスト液の他、現像液、反射防止膜形成用の薬液、保護膜形成用の薬液、層間絶縁膜形成用の薬液、洗浄液等が含まれ、液処理装置としては、塗布装置や、現像装置、反射防止膜形成装置、保護膜形成用の液処理装置、層間絶縁膜形成用の液処理装置、洗浄処理用の液処理装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0065】
W ウエハ
2 スピンチャック
21 テーブル
22 回転軸
23 駆動機構
27 真空ポンプ
4 処理液ノズル
54A〜54C 静電センサ
9 制御部
91 処理液検出プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に処理液の液膜を形成する液処理装置において、
基板を吸引保持する基板保持部と、
この基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給する処理液ノズルと、
前記基板保持部に設けられ、前記基板の表面における処理液の有無を容量変化として検出するための検出部と、
この検出部の出力信号に基づいてアラームを発生するアラーム発生部と、を備えたことを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
前記基板保持部は、鉛直軸回りに回転自在に構成され、
前記処理液ノズルは基板の中心部に処理液を吐出するように構成され、
処理液は基板の遠心力により中心部から外縁に広がることを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
【請求項3】
前記検出部は、基板保持部の中心部に設けられていることを特徴とする請求項2記載の液処理装置。
【請求項4】
前記検出部は、基板保持部の中心部からの距離が互に異なるように複数設けられていることを特徴とする請求項2記載の液処理装置。
【請求項5】
処理液ノズルから処理液を吐出するための指令信号が出力されてから、予め決められた時間が経過したときに、検出部の出力に対応する信号に基づいて基板上に処理液が存在するか否かを判断する制御部を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の液処理装置。
【請求項6】
前記検出部は静電センサであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の液処理装置。
【請求項7】
基板保持部に吸引保持された基板の表面に処理液ノズルから処理液を供給することにより、基板の表面に処理液の液膜を形成する液処理方法において、
前記処理液ノズルから処理液を吐出するための指令信号を出力する工程と、
前記指令信号が出力されてから予め決められた時間が経過したときに、前記基板の表面における処理液の有無を容量変化として検出するために前記基板保持部に設けられた検出部の出力に対応する信号に基づいて、基板上に処理液が存在するか否かを判断する工程と、
前記検出部の出力信号に基づいてアラームを発生する工程と、を含むことを特徴とする液処理方法。
【請求項8】
前記基板を吸引保持する基板保持部を鉛直軸回りに回転させ、前記処理液ノズルにより前記基板保持部上の基板の中心部に処理液を吐出することにより、この基板上の処理液を、基板の遠心力により中心部から外縁に広げるにあたり、
前記指令信号が出力されてから、予め決められた第1の時間が経過したときに、前記基板保持部の中心部に設けられた検出部の出力に対応する信号に基づいて、基板上に処理液が存在するか否かを判断する工程と、
前記指令信号が出力されてから、予め決められた第1の時間よりも長い第2の時間が経過したときに、前記基板保持部の中心部よりも外側に設けられた検出部の出力に対応する信号に基づいて、基板上に処理液が存在するか否かを判断する工程と、を含むことを特徴とする請求項7記載の液処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−20100(P2011−20100A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169466(P2009−169466)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】