説明

目的地検索方法、ナビゲーション装置及びコンピュータプログラム

【課題】入力された文字に基づいて目的地を検索する目的地検索方法、該目的地検索方法に基づく処理を行なうナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置をコンピュータで実現するためのコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置1の制御部10は、入力部27から入力された文字に基づいて、ディスク制御部15によってHDに記憶してある住所を検索し、目的地候補を取得する。制御部10は、GPS受信機17が受信した電波に基づいて現在位置を検出し、HDに記憶してある住所を検索して取得した各目的地候補から現在位置までの距離を算出する。制御部10は、算出した距離と所定距離とを比較し、現在位置から所定範囲内の目的地候補を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された文字に基づいて目的地を検索する目的地検索方法、ナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、例えば自動車のような移動体に積載され、地球の周りを周回する複数の衛星から発せられる電波に基づいて移動体の現在位置を特定する機能を有する。また、ナビゲーション装置は、この移動体の現在位置を特定する機能を利用し、移動体の現在位置から目的地までの経路を探索する。ナビゲーション装置は、複数の経路を探索した場合、探索した各経路のそれぞれの距離を算出し、算出した距離が近い経路を優先的にユーザに提示する。また、VICS(道路交通情報通信システム:Vehicle Information & Communication System)又はATIS(交通情報サービス:Advanced Traffic Information Service)等から取得した交通情報を加味し、目的地までの到達予想時刻を算出し、算出した到達予想時刻が早い経路を優先的にユーザに提示するナビゲーション装置も提供されている。
【0003】
特許文献1には、音声認識機能を備え、ユーザによる各種の入力操作を音声によって行なうことが可能なナビゲーション装置が開示されている。このようなナビゲーション装置を用いることにより、ユーザは、ナビゲーション装置に設けられた操作ボタンを直接操作する必要がなく、操作性を向上させることができる。
【0004】
ナビゲーション装置を用いて目的地までの経路を探索する場合、ユーザは、ナビゲーション装置に対して目的地を設定する必要がある。目的地を設定する場合、ユーザは、例えば、目的地の電話番号、目的地の地名、目的地の施設の名称等の入力を行ない、入力した各情報に基づく目的地をナビゲーション装置によって検索する。また、目的地として設定できる各施設に対して予め設定されたカテゴリーに基づいて目的地を設定することもできる。
【0005】
ナビゲーション装置に搭載されたハードディスク、又はナビゲーション装置によってアクセスが可能なCD−ROM,DVD−ROM等の記憶メディアには、地図データと共に、目的地として設定できる各場所の電話番号、地名、各施設の名称、各施設に対するカテゴリー等が予め記憶されている。従って、ナビゲーション装置は、ユーザによって入力された電話番号、地名、各施設の名称等に基づいて、目的地として記憶メディアに記憶してある各場所又は各施設の内から目的地候補を検索する。そして、ナビゲーション装置は、検索した目的地候補の内からユーザによって目的地として選択された目的地候補を目的地とした経路探索を行なう。
【特許文献1】特開平11−249689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、同じ地名及び同じ名称の施設は、全国各地に複数存在する場合がある。従って、ナビゲーション装置は、ユーザからの入力に基づいて複数の目的地候補を検索した場合、検索した複数の目的地候補をユーザに通知する。ユーザは、通知された複数の目的地候補の内から1つの目的地候補を選択する。これにより、ナビゲーション装置は、ユーザによって選択された目的地候補を目的地とし、この目的地までの経路探索を行なう。なお、複数の目的地候補をユーザに通知する方法として、ナビゲーション装置は、例えば、検索した複数の目的地候補を50音順に又は緯度の高い順に示した一覧を表示モニタに表示させる。
【0007】
ユーザは、このような一覧に基づいて、各目的地候補の場所を適宜確認しながら、目的地としたい地名又は施設を適切に選択する必要がある。従って、ユーザによる操作が煩雑となり、ユーザに大きな操作負担を与え、操作性が悪いという問題を有している。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、目的地として設定される可能性の低い目的地の候補を予め候補から外しておくことにより、目的地の候補から所望の目的地を選択する際のユーザの操作負担を軽減することが可能な目的地検索方法及びナビゲーション装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、入力された文字に基づいて検索された目的地の候補を、自身の位置との距離が所定距離よりも短い候補に絞り込むことにより、所望の目的地を選択する際のユーザの操作負担を軽減することが可能なナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、必要に応じて、目的地の候補の絞り込みの処理を行なうことが可能なナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る目的地検索方法は、存在位置を検出し、入力された文字に基づいて目的地を検索し、前記存在位置から前記目的地までの経路を探索するナビゲーション装置での目的地検索方法において、入力された文字に基づいて検索された目的地の内で、前記存在位置から所定範囲内の目的地を抽出する抽出ステップを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るナビゲーション装置は、文字の入力を受け付ける受付手段と、該受付手段が入力を受け付けた文字に基づいて目的地を検索する検索手段と、存在位置を検出する検出手段とを備えるナビゲーション装置において、前記検索手段が検索した目的地の内で、前記検出手段が検出した存在位置から所定範囲内の目的地を抽出する抽出手段を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るナビゲーション装置は、前記検索手段が検索した目的地及び前記検出手段が検出した存在位置の距離を算出する算出手段と、該算出手段が算出した距離及び前記所定範囲を規定する所定距離を比較する比較手段とを備え、前記抽出手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記算出手段が算出した距離が前記所定距離よりも短い目的地を抽出するように構成してあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係るナビゲーション装置は、目的地を抽出する指示を受け付ける指示受付手段を備え、前記抽出手段は、前記指示受付手段が前記指示を受け付けた場合、前記存在位置から所定範囲内の目的地を抽出するように構成してあり、前記抽出手段が抽出した目的地を報知する手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係るコンピュータプログラムは、経路を探索するコンピュータで実行されるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、存在位置を検出させる検出ステップと、複数の目的地に係る情報を記憶してある記憶媒体に対して、入力された文字に基づいて目的地を検索させる検索ステップと、該検索ステップで検索された目的地及び前記検出ステップで検出された存在位置の距離を算出させる算出ステップと、該算出ステップで算出された距離及び所定距離を比較させる比較ステップと、該比較ステップでの比較結果に基づいて、前記算出ステップで算出された距離が前記所定距離よりも短い目的地を抽出させる抽出ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、ナビゲーション装置が、入力された文字に基づいて目的地を検索した場合、自身の位置を検出し、入力された文字に基づいて検索した目的地の内で、自身の位置から所定範囲内の目的地を抽出する。よって、例えば、ナビゲーション装置を用いて目的地までの経路を探索する際の目的地の設定処理において、入力された文字に基づく目的地の候補を、ナビゲーション装置の位置に基づいて予め絞り込むことが可能となる。
【0017】
また、本発明によれば、ナビゲーション装置は、入力された文字に基づいて検索した目的地と自身の位置との距離を算出し、算出した距離と所定距離とを比較し、この比較結果に基づいて、自身の位置から所定範囲内の目的地を抽出する。よって、入力された文字に基づいて検索された目的地の候補を、単純な演算処理によって算出されたナビゲーション装置との距離に基づいて絞り込むことが可能となる。
【0018】
更に、本発明によれば、ナビゲーション装置は、目的地の絞り込みの指示を受け付けた場合に、入力された文字に基づいて検索した目的地の内で、自身の位置から所定範囲内の目的地を抽出する。よって、例えばユーザからの絞り込みの指示に従って、入力された文字に基づいて検索した目的地の候補を絞り込むことが可能となる。また、ナビゲーション装置の位置に基づいて絞り込まれた目的地の候補から、ユーザが所望する目的地の選択が容易となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、例えば、ナビゲーション装置を用いて目的地までの経路を探索する際の目的地の設定処理において、ナビゲーション装置が、入力された文字に基づいて検索した目的地の候補を、自身の位置に基づいて絞り込む。これにより、ユーザは、ナビゲーション装置の位置に基づいて予め絞り込まれた目的地の候補から所望の目的地を選択することができ、目的地の候補を選択する際のユーザの操作負担を軽減することができる。
【0020】
また、本発明では、ナビゲーション装置は、入力された文字に基づいて検索した目的地の候補を、自身との距離に基づいて絞り込むことにより、ナビゲーション装置の位置から所定距離以上離れており、目的地として設定される可能性の低い目的地の候補を予め候補から外しておくことができ、所望の目的地を選択する際のユーザの操作負担を軽減することができ、操作性を向上させることができる。
【0021】
更に、本発明では、ナビゲーション装置は、例えば、ユーザからの絞り込みの指示に従って、入力された文字に基づいて検索した目的地の候補を絞り込む。これにより、ナビゲーション装置の位置に基づく絞り込みの処理を必要に応じて行なうことができ、ナビゲーション装置の位置から所定距離以上離れている目的地の候補を目的地として選択したい場合には、前記絞り込みの処理を行なわないことにより、ユーザが所望する目的地を確実に検索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明の目的地検索方法に係る処理、及び本発明に係るナビゲーション装置について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、本発明に係るナビゲーション装置は、自動車(車両)のような移動体に搭載されて利用される。
【0023】
(実施形態1)
図1は実施形態1に係るナビゲーション装置のハードウェア構成例を示すブロック図であり、図中1は本実施形態1に係るナビゲーション装置を示している。本実施形態1のナビゲーション装置1は、CPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processor Unit)等により構成された制御部10を制御中枢として備えている。制御部10には、ROM11、DRAM12、SRAM13、VRAM14、ディスク制御部15、外部メモリ制御部16、GPS受信機17、自立航法用センサ18、車速センサ19、ビーコン受信機20、FM多重受信機21、通信制御部22、入出力インタフェース23等が接続されている。
【0024】
制御部10は、上述したようなハードウェア各部の動作を制御すると共に、ROM11に予め格納してある制御プログラムを適宜DRAM12に読み出して実行する。ROM11には、BIOS(Basic Input-Output System)、ブートプログラム、ナビゲーション装置1を本発明に係るナビゲーション装置として動作させるために必要な種々の制御プログラム等が予め格納されている。なお、制御部10は、ナビゲーション装置1が起動された場合にはROM11に格納してあるBIOS及びブートプログラムをDRAM12に読み出して実行する。
【0025】
本発明に係るナビゲーション装置として動作させるための制御プログラムとしては、例えば、ナビゲーション装置1の現在位置を検出するための検出処理プログラム、外部から入力された文字に基づいて目的地を検索するための検索処理プログラム、2つの地点間の距離を算出する算出処理プログラム、2つの距離を比較するための比較処理プログラム、複数のものの中からいくつかを抽出するための抽出処理プログラム等がある。また、ROM11には、ナビゲーション装置1が行なう目的地までの経路探索のためのプログラム、各種の探索処理の結果をユーザに報知するためのプログラムも記憶してある。
【0026】
DRAM12は、制御部10による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶し、制御部10によるワークエリアとして使用される。SRAM13は、不揮発性のメモリであり、例えば、ナビゲーション装置1が搭載された車両のアクセサリ電源のようなナビゲーション装置1のメイン電源が遮断された場合であっても、予備電池によってバックアップされることで記憶内容を保持することができる。VRAM14は、後述する表示部26にビデオ表示を行なうためのメモリである。
【0027】
ディスク制御部15は、具体的には、ハードディスクドライブ(HDD)、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ等により構成されており、ナビゲーション装置1に必要とされる地図データ、住所、電話番号、施設に関するデータが格納されたHD、CD−ROM又はDVD−ROMへのアクセスを行なう。地図データには、地図上に施設等を描画するための描画データ、道路データ等が含まれ、道路データには、リンク情報とリンクに接続されるノード情報が含まれる。リンク情報には、リンクの位置情報を初めとする道幅、距離、道路種別等の情報が含まれる。ノード情報には、交差点の位置、種別、交差点のレーン情報等が含まれる。ディスク制御部15をHDDで構成した場合には、HDにナビゲーション装置1の各種の機能を実行させるための制御プログラムを記憶させることができる。なお、以下では、説明の簡略化のため、ディスク制御部15にHDDを用いた構成を例に説明する。
【0028】
外部メモリ制御部16は、外部メモリとして例えば、メモリスティック、メモリカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)等へのアクセスを行ない、外部メモリに対してデータの記憶処理及び読み出し処理を行なう。
【0029】
GPS受信機17は、GPS衛星から送られてくる電波を受信するアンテナを備え、アンテナを介して電波を受信する。制御部10は、ROM11に記憶してある検出処理プログラムを実行することにより、GPS受信機17が受信した電波に基づいて、ナビゲーション装置1の現在位置(存在位置)を検出する検出手段として動作する。なお、制御部10は、検出した現在位置を、緯度、経度及び標高についてのデータを含む位置情報として取得する。自立航法用センサ18は、ジャイロセンサを備え、ナビゲーション装置1が搭載された車両の回転角度を検出する。車速センサ19は、車両の各部から得られる車速パルスに基づいて、ナビゲーション装置1が搭載された車両の速度を検出する。自立航法用センサ18が検出した回転角度、及び車速センサ19が検出した速度は、制御部10へ送出され、制御部10はこれらの情報に基づいて車両の現在位置及び方位を算出する。
【0030】
ビーコン受信機20は、VICSセンタから送信されてくる電波ビーコン及び光ビーコンを受信するためのアンテナを備え、アンテナを介して受信する電波ビーコン及び光ビーコンに基づいてVICS情報(道路交通情報)を受信する。FM多重受信機21は、VICSセンタから送信されてくるFM放送波を受信するためのアンテナを備え、アンテナを介して受信するFM放送波に基づいてVICS情報を受信する。なお、VICSセンタは、FM放送波(文字放送)、電波ビーコン、光ビーコンにより、VICS情報をリアルタイムで提供する。
【0031】
通信制御部22は、無線によりデータの送受信を行う。通信制御部22は、データの送受信を行う通信装置をナビゲーション装置1に内蔵するものであってもよいし、携帯電話機や通信機能を有する電子装置をナビゲーション装置1に外付けするものであってもよい。通信制御部22は、外部のサーバ等とネットワークを介して通信を行ない、例えばATIS等の交通情報センタとの間で道路交通情報に関するデータの送受を行うことで、リアルタイムの動的な情報を逐次得ることができる。また、ナビゲーション装置1は、通信制御部22によって所定のサーバから、最新の道路データ、地図データ、施設に関するデータ等をダウンロードし、ディスク制御部15によってHDの内容を更新することができる。
【0032】
入出力インタフェース23には、音声入力部24及び操作パネル25が接続されている。音声入力部24は、図示しないマイクを介して入力された音声を所定のアナログ形式の音声信号に変換し、生成した音声信号を入出力インタフェース23へ伝達する。入出力インタフェース23は、音声入力部24から伝達されてきたアナログの音声信号をデジタル信号に変換する。また、入出力インタフェース23は、音声入力部24から入力された音声信号に対して音声認識処理を行ない、その処理結果を制御部10へ通知する。
【0033】
操作パネル25は、例えば液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイにより構成された表示部26と、表示部26の下部に設けられ、ユーザからの種々の指示を受け付けるための複数の操作キーを有する入力部27とを備えている。入出力インタフェース23は、制御部10からの指示に従って、DRAM12又はVRAM14等から読み出された地図、道路、案内表示に関するデータに基づき、表示部26に地図を表示させると共に、表示した地図上に、車両の現在位置を示す車両マーク、目的地までの経路、交差点等の分岐点での案内表示及び施設のランドマーク等を合成させて表示部26に表示させる。また、入出力インタフェース23は、ユーザによって入力部27から入力された指示や操作に関する情報を表示部26に表示させる。更に、入出力インタフェース23は、入力部27を介してユーザにより入力された入力情報を制御部10へ通知する。
【0034】
ユーザは、音声入力部24又は入力部27を介してナビゲーション装置1に対して目的地の検索、目的地までの経路の探索、表示部26に表示される画面の設定変更等の各種の指示や設定を入力する。なお、ナビゲーション装置1に音声出力部を備え、ユーザへ通知すべき各種情報、例えば、目的地に到達するまでの情報として交差点の手前で進路方向の注意を促す音声、ユーザがナビゲーション装置1に対して対話形式により入力を行うときに、ユーザに操作入力の音声指示等を出力するようにしてもよい。
【0035】
次に、上述した構成のナビゲーション装置1において、本発明に係る目的地検索方法に係る一連の処理について説明する。本実施形態1のナビゲーション装置1は、操作パネル25の入力部27を介して、ユーザから目的地までの経路の探索処理の実行が指示された場合、まず目的地の設定を行なう。具体的には、制御部10は、目的地の設定を行なうための目的地設定画面(図示せず)を表示部26に表示させる。目的地設定画面は、例えば、電話番号によって目的地を検索する電話番号検索を行なうための操作キー、住所によって目的地を検索する住所検索を行なうための操作キー、施設の名称によって目的地を検索する施設検索を行なうための操作キー等が表示してあり、制御部10は、ユーザによって操作キーが操作された検索方法によって目的地を検索する。
【0036】
また、本実施形態1のナビゲーション装置1では、ユーザは、目的地設定画面において住所検索を選択した場合、入力部27を介して、目的地として設定したい住所の一部又は全部を入力する。ナビゲーション装置1の制御部10は、入力部27を介して入力された文字に基づいて、ディスク制御部15を介してHDに記憶してある住所を検索する検索手段として動作し、入力された文字に基づく住所が検索できた場合、検索した住所を目的地として設定する。
【0037】
図2は目的地を検索する際に用いる文字入力画面の構成例を示す模式図である。ナビゲーション装置1において、ユーザが目的地の設定を行なうためにナビゲーション装置1に検索させる住所(目的地)を入力する場合、制御部10は、図2(a),(b)に示すような文字入力画面を表示部26に表示させる。図2(a),(b)に示す文字入力画面は、50音の文字キー(受付手段)27a、戻るキー、クリアキー、全国一覧キー、近距離一覧キー等を表示すると共に、文字キー27aから入力された文字を適宜表示する表示領域26aを有する。以下では、ユーザが「埼玉県所沢市青葉台」を目的地に設定するために、文字入力画面を介して「あおばだい」を入力する例について説明する。
【0038】
図2(a),(b)に示す文字入力画面において、ユーザが文字キー27aを操作した場合、制御部10は、操作された文字キー27aを介して入力された文字をDRAM12の所定領域に記憶させ、DRAM12に記憶させた文字に基づいて、ディスク制御部15を介してHDに記憶してある住所に対して検索処理を行なう。制御部10は、入力された文字に基づいて検索された住所(目的地候補)及びその検索数をDRAM12に記憶させる。図2(a)に示す文字入力画面は、ユーザによって「あおば」が入力された状態を示しており、制御部10は、「あおば」を含む住所を検索し、検索した目的地候補及び目的地候補の検索数をDRAM12に記憶させる。
【0039】
また、制御部10は、この検索結果に基づいて、文字キー27aにおける文字キーデータを生成すると共に、表示領域26aの表示内容を更新する。表示領域26aには、文字キー27aから入力された文字と、この文字によって検索された目的地候補の検索数とが表示される。また、文字キーデータは、既に入力された文字に対して次に入力可能なキーのみを選択可能となるように文字キー27aを表示するためのデータである。例えば、最後に入力された文字キー27aが「あ」である場合には、「゛」及び「゜」のキーを選択できないようにし、また、既に入力された文字に対して次に入力された文字によって検索結果がゼロとなってしまう文字のキーを選択できないようにする。これにより、目的地の住所を入力する際のユーザの労力を軽減することができる。
【0040】
図2(b)に示す文字入力画面は、ユーザによって「あおばだい」が入力された状態を示しており、「あおばだい」を含む目的地候補の該当数が12件であることを示している。図2(a),(b)に示す文字入力画面において、ユーザが戻るキーを操作した場合、制御部10は、文字入力画面の表示を終了し、ひとつ前に表示していた画面を表示部26に表示させる。なお、ひとつ前の画面とは、例えば、目的地の設定を行なう際の設定方法を選択する画面であり、VRAM14には、このようなひとつ前の画面のデータも記憶させておく。
【0041】
また、図2(a),(b)に示す文字入力画面において、ユーザがクリアキーを操作した場合、制御部10は、表示領域26aに表示された文字の内の最後に入力された文字をDRAM12の所定領域から削除する。そして、制御部10は、DRAM12に記憶させた文字に基づいて、ディスク制御部15を介してHDに記憶してある住所に対して検索処理を行ない、検索した目的地候補及びその検索数をDRAM12に記憶させる。更に、制御部10は、検索結果に基づいて、文字キー27aにおける文字キーデータを生成し、表示領域26aの表示内容を更新する。
【0042】
図2(a),(b)に示す文字入力画面において、ユーザが全国一覧キーを操作した場合、制御部10は、DRAM12に記憶してある検索結果を読み出し、読み出した検索結果に基づいて、図3(a)に示すような全国一覧を表示部26に表示させる。図3は住所検索の結果を表示した画面の構成例を示す模式図であり、図3(a)は全国一覧を、図3(b)は近距離一覧をそれぞれ示している。なお、近距離一覧については後述する。
【0043】
図3(a)に示す全国一覧は、図2で示した文字入力画面を介して入力された文字に基づいて検索された目的地候補を一覧表示した一覧表示領域27b、一覧表示領域27bに表示された目的地候補の内で現在選択されている目的地候補の詳細を示す表示領域26a、戻るキー、決定キー、全国一覧キー、近距離一覧キー等を表示する。なお、図3(a)に示す全国一覧は、図2に示す文字入力画面においてユーザが全国一覧キーを操作した場合に表示されるものであるので、全国一覧キーが現在選択されている状態であることを明示するように表示する。
【0044】
図3(a)に示す全国一覧中の一覧表示領域27bには、検索された目的地候補が、例えば50音順に、又は緯度の高い順に表示してあり、図3(a)においては、一覧表示領域27b中の第1領域27baに「大阪府和泉市」の「青葉台」が表示してあり、第2領域27bbに「島根県松江市」の「青葉台」が表示してあり、第3領域27bcに「兵庫県神戸市北区」の「青葉台」が表示してあり、第4領域27bdに「愛媛県松山市」の「青葉台」が表示してある。なお、ユーザによって入力された文字が「あおばだい」であるため、一覧表示領域27bには「青葉台」のみ表示される。図3(a)に示す全国一覧は、第1領域27baが選択されている状態を示しており、表示領域26aには「大阪府和泉市」が表示されている。
【0045】
一覧表示領域27bには、各領域27ba,27bb,27bc,27bdの左側に上下キー及びスクロールバーが表示してある。ユーザは、上下キーを操作することにより、一覧表示領域27bに表示されるべき全ての目的地候補を確認することができる。従って、ユーザは、「埼玉県所沢市青葉台」を目的地としたい場合、上下キーを操作しつつ、各領域27ba,27bb,27bc,27bdに順次表示される目的地候補を選択することによって各目的地候補の詳細を表示領域26aに表示させる。そして、ユーザは、いずれかの領域27ba,27bb,27bc,27bdに表示された「埼玉県所沢市」の「青葉台」を選択することによって、設定すべき目的地として「埼玉県所沢市青葉台」を選択することができる。
【0046】
図3(a)に示す全国一覧において、ユーザが戻るキーを操作した場合、制御部10は、全国一覧の表示を終了し、ひとつ前に表示していた画面、例えば、図2に示した文字入力画面を表示部26に表示させる。また、図3(a)に示す全国一覧において、ユーザが決定キーを操作した場合、制御部10は、一覧表示領域27bにおいて選択されている領域27ba(又は27bb,27bc,27bd)に表示されている目的地候補を目的地としてDRAM12の所定領域に記憶させる。そして、制御部10は、その他にユーザによって入力された各種の探索条件に基づき、ナビゲーション装置1の現在位置から、DRAM12に記憶させた目的地までの経路の探索処理を行なう。
【0047】
図3(a)に示す全国一覧において、ユーザが近距離一覧キーを操作した場合、又は、図2(a),(b)に示す文字入力画面において、ユーザが近距離一覧キーを操作した場合、制御部10は、DRAM12に記憶してある検索結果を読み出すと共に、GPS受信機17が受信した電波に基づいて、ナビゲーション装置1の現在位置を検出する。また、制御部10は、DRAM12から読み出した検索結果である各目的地候補の内で、現在位置から所定範囲内、例えば100km圏内の目的地候補を抽出する抽出手段として動作する。
【0048】
具体的には、制御部10は、DRAM12から読み出した各目的地候補と、ナビゲーション装置1の現在位置との距離を算出する算出手段として動作する。なお、制御部10は、各目的地候補と現在位置との距離を、それぞれの緯度及び経度に基づいて地図上での直線距離で算出する。また、制御部10は、算出した距離と、所定範囲を規定する所定距離(例えば、100km)とを比較する比較手段として動作し、比較した結果に基づいて、ナビゲーション装置1の現在位置から所定範囲内の目的地候補を抽出する。そして、制御部10は、抽出した目的地候補に基づいて、図3(b)に示すような近距離一覧を表示部26に表示させ、例えば運転者に報知する。
【0049】
従って、操作パネル25は、図2に示す文字入力画面及び図3(a)に示す全国一覧において、目的地候補をナビゲーション装置1からの距離に基づいて絞り込む処理を行なう指示を受け付ける指示受付手段として動作する。なお、ナビゲーション装置1との距離に基づいて目的地候補を絞り込んだ結果、該当する目的地候補がなくなった場合、制御部10は、「該当する場所はありません」、「全国一覧を表示しますか?」のようなメッセージを表示部26に表示させる。
【0050】
図3(b)に示す近距離一覧は、図3(a)に示す全国一覧と同様に、一覧表示領域27b、表示領域26a、戻るキー、決定キー、全国一覧キー、近距離一覧キー等を表示する。なお、図3(b)に示す近距離一覧における一覧表示領域27bには、図2で示した文字入力画面を介して入力された文字に基づいて検索された目的地候補の内で、ナビゲーション装置1の現在位置から所定範囲内に絞り込まれた目的地候補が一覧表示される。また、図3(b)に示す近距離一覧は、図2に示す文字入力画面、又は図3(a)に示す全国一覧においてユーザが近距離一覧キーを操作した場合に表示されるものであるので、近距離一覧キーが現在選択されている状態であることを明示するように表示する。
【0051】
図3(b)に示す近距離一覧中の一覧表示領域27bには、ナビゲーション装置1からの距離に基づいて絞り込まれた目的地候補が、例えば50音順に、又は緯度の高い順に表示してあり、図3(b)においては、一覧表示領域27b中の第1領域27beに「埼玉県所沢市」の「青葉台」が表示してあり、第2領域27bfに「静岡県掛川市」の「青葉台」が表示してあり、第3領域27bgに「東京都目黒区」の「青葉台1丁目」が表示してあり、第4領域27bhに「埼玉県朝霞市」の「青葉台1丁目」が表示してある。なお、ユーザによって入力された文字が「あおばだい」であるため、一覧表示領域27bには「青葉台」以降の住所が表示される。図3(b)に示す近距離一覧は、第1領域27beが選択されている状態を示しており、表示領域26aには「埼玉県所沢市」が表示されている。
【0052】
図3(b)に示す近距離一覧において、ユーザが戻るキーを操作した場合、制御部10は、近距離一覧の表示を終了し、ひとつ前に表示していた画面、例えば、図2に示した文字入力画面、又は図3(a)に示した全国一覧を表示部26に表示させる。また、図3(b)に示す近距離一覧において、ユーザが決定キーを操作した場合、制御部10は、一覧表示領域27bにおいて選択されている領域に表示されている目的地候補を目的地としてDRAM12の所定領域に記憶させる。そして、制御部10は、その他にユーザによって入力された各種の探索条件に基づいて、DRAM12に記憶させた目的地までの経路の探索処理を行なう。
【0053】
更に、図3(b)に示す近距離一覧において、ユーザが全国一覧キーを操作した場合、制御部10は、DRAM12に記憶してある検索結果を読み出し、読み出した検索結果に基づいて、図3(a)に示すような全国一覧を表示部26に表示させる。なお、全国一覧及び近距離一覧においては、一覧表示領域27bの各領域に、各目的地候補だけでなく、ナビゲーション装置1の現在位置から各目的地候補までの距離を表示してもよい。この場合、ユーザは、一覧表示領域27bに表示された各目的地候補までの距離を参考にして所望の目的地候補を選択することができ、所望の目的地候補をより容易に選択することができる。
【0054】
上述したように、本実施形態1に係るナビゲーション装置1は、ユーザによって入力された文字に基づいて検索した目的地候補を、自身の現在位置に基づいて予め絞り込んでおくことにより、ナビゲーション装置1の現在位置から所定距離以上離れており、目的地として設定される可能性の低い目的地候補を予め候補から外しておくことにより、ユーザが、目的地候補から所望の目的地を容易に選択することができる。具体的には、図3(a)に示す全国一覧では、12件の検索結果が一覧表示領域27bに表示され、ユーザは、上下キーを操作することによって所望の目的地を探す必要があった。しかし、図3(b)に示す近距離一覧では、ユーザによって入力された「あおばだい」と一致する検索結果が2件であり、ユーザは、一覧表示領域27bに表示された2件の検索結果から所望の目的地を選択すればよく、操作性を向上させることができる。
【0055】
また、ナビゲーション装置1の現在位置から所定距離以上離れている場所を目的地として選択したい場合には、ユーザは、図2及び図3に示す画面において、全国一覧キーを選択することにより、上述したような目的地候補の絞り込みを行なわず、検索結果である全ての目的地候補を表示部26に表示させることができる。よって、ナビゲーション装置1の現在位置に基づく目的地候補の絞り込みを必要に応じて行なうことができ、ユーザが所望する目的地を確実に検索することができる。
【0056】
以下に、上述した構成のナビゲーション装置1において、目的地までの経路探索を行なう際に目的地を設定する処理についてフローチャートに基づいて具体的に説明する。図4乃至図6は実施形態1に係るナビゲーション装置1における目的地の設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、ROM11に予め格納されている制御プログラムに従って制御部10によって実行される。
【0057】
ナビゲーション装置1の制御部10は、操作パネル25の入力部27を介して、ユーザが目的地までの経路の探索処理の実行を指示し、更に住所検索によって目的地を設定するように指示した場合、図2に示すような文字入力画面を表示部26に表示する(S1)。制御部10は、図2に示す文字入力画面において、ユーザによって戻るキーが操作されたか否かを判断し(S2)、戻るキーが操作されたと判断した場合(S2:YES)、文字入力画面の表示を終了し、VRAM14に記憶してあるデータに基づいて、ひとつ前に表示していた画面を表示部26に表示し(S3)、住所検索処理を終了する。
【0058】
制御部10は、図2に示す文字入力画面において、ユーザによって戻るキーが操作されていないと判断した場合(S2:NO)、ユーザによって文字キー27aが操作されたか否かを判断する(S4)。制御部10は、文字キー27aが操作されたと判断した場合(S4:YES)、操作された文字キー27aによって入力された文字をDRAM12の所定領域に追加して記憶させ(S5)、DRAM12に記憶させた文字に基づいて、ディスク制御部15を介してHDに記憶してある住所に対して検索処理を実行する(S6)。
【0059】
制御部10は、検索処理の結果、検索された目的地候補及びその検索数をDRAM12に記憶させ(S7)、この検索結果に基づいて、文字キー27aにおける文字キーデータを生成する(S8)。制御部10は、入力された文字、検索結果、生成した文字キーデータに基づいて、文字入力画面の表示内容を更新して表示部26に表示し(S9)、ステップS2へ処理を戻す。
【0060】
制御部10は、図2に示す文字入力画面において、ユーザによって文字キー27aが操作されていないと判断した場合(S4:NO)、ユーザによってクリアキーが操作されたか否かを判断する(S10)。制御部10は、クリアキーが操作されたと判断した場合(S10:YES)、文字キー27aを用いて最後に入力された文字をDRAM12の所定領域から削除し(S11)、ステップS6へ処理を移行する。よって、制御部10は、1文字を削除した文字に基づいて、ディスク制御部15を介してHDに記憶してある住所に対して検索処理を実行し(S6)、検索された目的地候補及びその検索数をDRAM12に記憶させる(S7)。更に、制御部10は、検索結果に基づいて、文字キー27aにおける文字キーデータを生成し(S8)、入力された文字、検索結果、生成した文字キーデータに基づいて、文字入力画面の表示内容を更新して表示部26に表示し(S9)、ステップS2へ処理を戻す。
【0061】
制御部10は、図2に示す文字入力画面において、ユーザによってクリアキーが操作されていないと判断した場合(S10:NO)、ユーザによって全国一覧キーが操作されたか否かを判断する(S12)。制御部10は、全国一覧キーが操作されたと判断した場合(S12:YES)、DRAM12に記憶してある検索結果を読み出し(S13)、読み出した検索結果である目的地候補及びその検索数に基づいて、図3(a)に示すような全国一覧を表示部26に表示する(S14)。
【0062】
制御部10は、図3(a)に示す全国一覧において、ユーザによって戻るキーが操作されたか否かを判断し(S15)、戻るキーが操作されたと判断した場合(S15:YES)、全国一覧の表示を終了し、VRAM14に記憶してあるデータに基づいて、ひとつ前に表示していた画面を表示部26に表示する(S16)。制御部10は、図3(a)に示す全国一覧において、ユーザによって戻るキーが操作されていないと判断した場合(S15:NO)、ユーザによって決定キーが操作されたか否かを判断する(S17)。
【0063】
制御部10は、決定キーが操作されたと判断した場合(S17:YES)、一覧表示領域27bにおいて選択されている領域に表示されている目的地候補を目的地としてDRAM12の所定領域に記憶し(S18)、上述した目的地の設定処理を終了する。なお、制御部10は、図3(a)に示す全国一覧において、ユーザによって一覧表示領域27b中の上下キーが操作された場合、一覧表示領域27bの各領域27ba,27bb,27bc,27bdにおける表示内容を更新して表示させる。また、制御部10は、ユーザによって一覧表示領域27bのいずれかの領域27ba(又は27bb,27bc,27bd)が操作された場合、操作された領域27ba(又は27bb,27bc,27bd)を現在選択されていることを明確に表示すると共に、操作された領域に表示してある目的地候補の詳細を表示領域26aに表示する。
【0064】
制御部10は、図3(a)に示す全国一覧において、ユーザによって決定キーが操作されていないと判断した場合(S17:NO)、ユーザによって近距離一覧キーが操作されたか否かを判断する(S19)。制御部10は、近距離一覧キーが操作されたと判断した場合(S19:YES)、ステップS21へ処理を移行し、近距離一覧キーが操作されていないと判断した場合(S19:NO)、ステップS15へ処理を戻す。
【0065】
一方、ステップS12で、制御部10は、図2に示す文字入力画面において、ユーザによって全国一覧キーが操作されていないと判断した場合(S12:NO)、ユーザによって近距離一覧キーが操作されたか否かを判断し(S20)、近距離一覧キーが操作されていないと判断した場合(S20:NO)、ステップS2へ処理を戻す。制御部10は、図2に示す文字入力画面においてユーザによって近距離一覧キーが操作されたと判断した場合(S20:YES)、又は、図3(a)に示す全国一覧においてユーザによって近距離一覧キーが操作されたと判断した場合(S19:YES)、DRAM12に記憶してある検索結果を読み出す(S21)。
【0066】
次に制御部10は、GPS受信機17が受信した電波に基づいて、ナビゲーション装置1の現在位置を検出し(S22)、検出した現在位置と、ステップS21で読み出した検索結果の各目的地候補との距離を算出する(S23)。また、制御部10は、それぞれ算出した現在位置との距離と所定距離とを比較し、所定範囲内の目的地候補を抽出し(S24)、抽出した目的地候補に基づいて、図3(b)に示すような近距離一覧を表示部26に表示する(S25)。
【0067】
制御部10は、図3(b)に示す近距離一覧において、ユーザによって戻るキーが操作されたか否かを判断し(S26)、戻るキーが操作されたと判断した場合(S26:YES)、近距離一覧の表示を終了し、VRAM14に記憶してあるデータに基づいて、ひとつ前に表示していた画面を表示部26に表示する(S27)。制御部10は、図3(b)に示す近距離一覧において、ユーザによって戻るキーが操作されていないと判断した場合(S26:NO)、ユーザによって決定キーが操作されたか否かを判断する(S28)。
【0068】
制御部10は、決定キーが操作されたと判断した場合(S28:YES)、一覧表示領域27bにおいて選択されている領域に表示されている目的地候補を目的地としてDRAM12の所定領域に記憶し(S29)、上述したような目的地の設定処理を終了する。なお、制御部10は、図3(b)に示す近距離一覧において、ユーザによって一覧表示領域27b中の上下キーが操作された場合、一覧表示領域27bの各領域27be,27bf,27bg,27bhにおける表示内容を更新して表示させる。また、制御部10は、ユーザによって一覧表示領域27bのいずれかの領域27be(又は27bf,27bg,27bh)が操作された場合、操作された領域27be(又は27bf,27bg,27bh)を現在選択されていることを明確に表示すると共に、操作された領域に表示してある目的地候補の詳細を表示領域26aに表示する。
【0069】
制御部10は、図3(b)に示す近距離一覧において、ユーザによって決定キーが操作されていないと判断した場合(S28:NO)、ユーザによって全国一覧キーが操作されたか否かを判断する(S30)。制御部10は、全国一覧キーが操作されたと判断した場合(S30:YES)、ステップS13へ処理を移行し、全国一覧キーが操作されていないと判断した場合(S30:NO)、ステップS26へ処理を戻す。制御部10は、図3(a)に示す全国一覧を用いてユーザによって選択された目的地候補を、ステップS18でDRAM12に記憶させた後、又は、図3(b)に示す近距離一覧を用いてユーザによって選択された目的地候補を、ステップS29でDRAM12に記憶させた後、ユーザによって入力された各種の探索条件に基づいて、ナビゲーション装置1の現在位置から、DRAM12に記憶させた目的地までの経路の探索処理を行なう。
【0070】
上述した実施形態1では、ユーザによって入力された文字に基づいて目的地の住所を検索する住所検索処理を行なうナビゲーション装置1を例に説明したが、ユーザによって入力された文字に基づいてナビゲーション装置1が施設の名称を検索する施設検索処理の際にも本発明を適用することができる。この場合、ナビゲーション装置1が、入力された文字に基づいて検索した目的地候補としての施設を、現在位置から所定範囲内の施設に絞り込む。これにより、ユーザは、絞り込まれた目的地候補から、目的地に設定したい施設を容易に選択することができる。
【0071】
また、上述した実施形態1のナビゲーション装置1は、ユーザによって入力された文字に基づいて検索した目的地候補を、ナビゲーション装置1の現在位置から直線距離で所定範囲内のものに絞り込む構成を有する。しかし、例えば、ナビゲーション装置1の現在位置から各目的地候補までの最短経路を探索し、最短経路の距離が所定範囲内のものに絞り込むようにナビゲーション装置1を構成してもよい。また、目的地の検索処理を行なった時点でのVICS情報を加味し、ナビゲーション装置1の現在位置から各目的地候補までの予想所要時間を算出し、予想所要時間が所定時間内のものに絞り込むようにナビゲーション装置1を構成してもよい。
【0072】
(実施形態2)
以下に、実施形態2におけるナビゲーション装置について説明する。図7は実施形態2に係るナビゲーション装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、本実施形態2のナビゲーション装置1は、上述した実施形態1のナビゲーション装置1と同様の構成を有しているが、図7においては、構成の一部を省略して示している。また、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
本実施形態2では、本発明に係るナビゲーション装置1の機能を実現するためのコンピュータプログラムを、CD−ROM又はDVD−ROM等の記憶媒体15aに記憶させており、制御部10は、本発明に係るコンピュータプログラムの実行時に、ディスク制御部15によって記憶媒体15aから、本発明に係るコンピュータプログラムを読み出してDRAM12に記憶させて順次実行する。本発明に係るコンピュータプログラムの内容は、例えば、ナビゲーション装置1の現在位置を検出するための検出処理プログラム、外部から入力された文字に基づいて目的地を検索するための検索処理プログラム、2つの地点間の距離を算出する算出処理プログラム、2つの距離を比較するための比較処理プログラム、複数のものの中からいくつかを抽出するための抽出処理プログラム等である。
【0074】
なお、本発明に係るコンピュータプログラムは、CD−ROM又はDVD−ROM等の記憶媒体15aだけでなく、メモリスティック、メモリカード又はコンパクトフラッシュ等の外部メモリに記憶させておくこともできる。この場合、制御部10は、本発明に係るコンピュータプログラムの実行時に、外部メモリ制御部16によって外部メモリから、本発明に係るコンピュータプログラムを読み出してDRAM12に記憶させて順次実行する。
【0075】
本実施形態2に係るナビゲーション装置1は、上述した構成を有しており、その他の構成及び作用は実施形態1のナビゲーション装置1と同様であるので、その詳細な説明を省略する。また、本実施形態2におけるナビゲーション装置1においても、上述の実施形態1で説明した変形例と同様の変形例の適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施形態1に係るナビゲーション装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】文字入力画面の構成例を示す模式図である。
【図3】住所検索の結果を表示した画面の構成例を示す模式図である。
【図4】実施形態1に係るナビゲーション装置における目的地の設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施形態1に係るナビゲーション装置における目的地の設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】実施形態1に係るナビゲーション装置における目的地の設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施形態2に係るナビゲーション装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0077】
1 ナビゲーション装置
10 制御部(検索手段、検出手段、抽出手段、算出手段、比較手段)
25 操作パネル(指示受付手段)
27 入力部
27a 文字キー(受付手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
存在位置を検出し、入力された文字に基づいて目的地を検索し、前記存在位置から前記目的地までの経路を探索するナビゲーション装置での目的地検索方法において、
入力された文字に基づいて検索された目的地の内で、前記存在位置から所定範囲内の目的地を抽出する抽出ステップを含むことを特徴とする目的地検索方法。
【請求項2】
文字の入力を受け付ける受付手段と、該受付手段が入力を受け付けた文字に基づいて目的地を検索する検索手段と、存在位置を検出する検出手段とを備えるナビゲーション装置において、
前記検索手段が検索した目的地の内で、前記検出手段が検出した存在位置から所定範囲内の目的地を抽出する抽出手段を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
前記検索手段が検索した目的地及び前記検出手段が検出した存在位置の距離を算出する算出手段と、
該算出手段が算出した距離及び前記所定範囲を規定する所定距離を比較する比較手段とを備え、
前記抽出手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記算出手段が算出した距離が前記所定距離よりも短い目的地を抽出するように構成してあることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
目的地を抽出する指示を受け付ける指示受付手段を備え、
前記抽出手段は、前記指示受付手段が前記指示を受け付けた場合、前記存在位置から所定範囲内の目的地を抽出するように構成してあり、
前記抽出手段が抽出した目的地を報知する手段を更に備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
経路を探索するコンピュータで実行されるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
存在位置を検出させる検出ステップと、
複数の目的地に係る情報を記憶してある記憶媒体に対して、入力された文字に基づいて目的地を検索させる検索ステップと、
該検索ステップで検索された目的地及び前記検出ステップで検出された存在位置の距離を算出させる算出ステップと、
該算出ステップで算出された距離及び所定距離を比較させる比較ステップと、
該比較ステップでの比較結果に基づいて、前記算出ステップで算出された距離が前記所定距離よりも短い目的地を抽出させる抽出ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−70256(P2008−70256A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249801(P2006−249801)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】