説明

移動通信装置

【課題】電池に蓄えられた電力の多寡に応じて、適切な方法で得られた災害に係る情報を出力する。
【解決手段】災害が発生し、又は、発生の恐れがあり、蓄電池に蓄えられた電力量が多い場合(ステップS103の「YES」)、ブラウザ部にウェブサーバ装置にアクセスさせて詳細な防災情報を出力させ(ステップS105)、上記電力量が中程度である場合(ステップS110の「中」)、放送受信部に放送された防災情報を出力させ(ステップS108)、上記電力量が少ない場合(ステップS110の「少」)、装置内に記憶された防災情報をブラウザ部に出力させる(ステップS109)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信装置に係り、特に、地震発生時等の、緊急の事態に情報を出力する動作に関する。
【背景技術】
【0002】
緊急事態、例えば、災害が発生した場合、又は、発生の恐れがある場合、その緊急な事態に係る情報、例えば、災害の詳細や、その緊急な事態からの避難方法等の防災情報を出力する移動通信装置が望まれる。移動通信装置は携帯型の装置であるので、徒歩での避難の際に、有用な情報の出力が望まれる。ここで、この移動通信装置は、放送受信機能を備えた装置であっても良く、また、その機能を備えない装置であっても良い。
【0003】
災害の発生に関し、緊急警報信号を前置して行なわれる緊急警報放送の受信によって、地震や、津波の発生の予報を得ることができる。緊急警報放送は、デジタル方式であるかアナログ方式であるかを問わず、テレビ放送及びラジオ放送によって行われるので、これらの放送の受信によって得ることができる。なお、放送を受信する装置の動作が停止され、待機状態にある際に緊急警報信号が受信されると、その装置の動作が自動的に開始される方式が知られている。
【0004】
ここで、デジタルテレビ放送は、13セグメントの全てを用いる方式(フルセグと称されることがある。)であるか、また、一部のセグメントを用いる方式(ワンセグと称されることがある。)であるかを問わない。また、デジタルラジオ放送は、3セグと称されることがある。
【0005】
同様に、気象庁によって緊急地震速報が配信された場合、その速報は、デジタル方式であるかアナログ方式であるかを問わず、テレビ放送及びラジオ放送によって広く周知される方式が知られている。また、緊急地震速報は、移動通信事業者から、その事業者と契約している携帯電話への一斉同報配信、また、電子メールの送信によって通知される方式が知られている。更に、地震と津波以外の災害に係る情報、例えば、豪雨の予報等は、放送を受信することによって得られる。
【0006】
デジタルテレビ放送には、映像信号と音声信号の他に、字幕信号、更に、BML(Broadcast Markup Language)言語で記述されたデータ信号が含まれている。そこで、デジタルテレビ放送受信機能を備えた移動通信装置は、テレビ放送された映像信号と音声信号と字幕信号による他、そのBML言語での記述の中の適切な部分を選択し、また、そのBML言語での記述を介してウェブサーバ装置のアドレスを得て、そのアドレスへ移動通信網を介してアクセスすることにより、放送された情報より詳細な情報、例えば、装置が存在する場所に依存した情報を得る処理が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−245652号公報(第2頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている方法では、電池に蓄えられた電力で動作する移動通信装置における、電池に蓄えられた電力の多寡が考えられていない問題点があった。即ち、有用な情報が得られるとは言え、電池に蓄えられた電力が乏しい際、電力の消費が多い処理を多用することは望ましくない。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、電池に蓄えられた電力の多寡に応じて、適切な方法で得られた災害に係る情報を出力する移動通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の移動通信装置は、電池に蓄えられた電力によって動作する移動通信装置であって、前記電池に蓄えられた電力量を測定する電力量測定手段と、防災に係る情報を記憶する防災情報記憶手段と、災害の発生に係る情報を受信する災害情報受信手段と、防災に係る情報を受信する防災情報受信手段と、前記災害情報受信手段によって災害の発生に係る情報が受信されると、前記電力量測定手段によって測定された電力量が所定の電力量閾値以上である場合、前記防災情報受信手段に前記発生に係る情報が受信された災害に対する防災に係る情報を受信させて、その受信された防災に係る情報を出力させ、前記測定された電力量が前記電力量閾値より小さい場合、前記防災情報記憶手段に記憶された前記発生に係る情報が受信された災害に対する防災に係る情報を出力させる防災情報出力制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電池に蓄えられた電力の多寡に応じて、適切な方法で得られた災害に係る情報を出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明による移動通信装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係わる移動通信装置が含まれる災害情報通知システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
この災害情報通知システムは、デジタルテレビ放送を行なう放送局BCと、GPS衛星GSと、基地局BSと、基地局BSと移動通信網(図示せず)を介して接続されたウェブサーバ装置SVと、放送局BCから送信された放送を受信し、GPS衛星GSから送信された電波を受信して測位を行ない、かつ、基地局BSを介してインターネット方式でウェブサーバ装置SVと通信を行う移動通信装置MSと、移動通信装置MSへ充電電力を供給する充電器CHとを備える。
【0013】
ここで、移動通信装置MSと、基地局BSと、放送局BCと、ウェブサーバ装置SVとは、複数であるが、いずれも同じ構成であり同じ動作をするので、1つであるとして説明する。GPS衛星GSは、移動通信装置MSの測位に必要な、少なくとも4つの衛星である。また、充電器CHは、移動通信装置MS毎に1つ、又は、複数であるが、一時に移動通信装置MSへ電力を供給する充電器CHは1つであるので、1つであるとして説明する。
【0014】
図2は、移動通信装置MSの構成を示すブロック図である。移動通信装置MSは、装置全体の制御を行い、装置の各部へ情報の通知を行なう制御部11と、基地局BSとの間で電波の送受を行うアンテナ12aと、通信部12bと、送受信部13と、受話音声発生用のスピーカ14aと、送話音声入力用のマイクロフォン14bと、通話部14cと、表示部15と、入力装置16とを備える。
【0015】
この移動通信装置MSは、更に、測位部17と、GPS衛星GSから送信された電波を受信するアンテナ17aと、防災情報出力制御部21と、放送受信部22と、放送局BCから送信された電波を受信するアンテナ22aと、スピーカ23と、ブラウザ部24と、記憶部25と、充電器CHから電力の供給を受ける電源部31とを備える。
【0016】
これらの各部は、制御バス及びデータバス(図示せず)によって接続される。又は、制御バス及びデータバスに接続された主記憶部(図示せず)にロードされたプログラムが、制御バス及びデータバスに接続されたCPU(図示せず)によって利用されることにより、機能が実行される。記憶部25には、現在位置情報25aと、緊急情報25bと、第1の防災情報25cと、第2の防災情報25dと、第3の防災情報25eとが記憶される。
【0017】
図3は、放送受信部22の詳細な構成を示すブロック図である。放送受信部22は、アンテナ22aと接続されるチューナ部22bと、DEMUX(Demultiplex)部22cと、表示部15及びスピーカ23と接続されるデコーダ部22dと、表示部15と接続される字幕処理部22eと、DSMCC(Digital Storage Media Command and Control)部22fと、表示部15、スピーカ23、送受信部13及び記憶部25と接続されるブラウザ部22gとからなる。放送受信部22の各部は、制御部11によって制御される。
【0018】
図4は、電源部31の詳細な構成を示すブロック図である。電源部31は、制御部11と接続され、コネクタ(図示せず)を介して充電器CHと取り外し可能に接続される充電器接続検出部31aと、制御部11及び上記コネクタを介して充電器CHと接続されるスイッチ31bと、移動通信装置MSの各部と接続される蓄電池31cと、蓄電池31c及び制御部11と接続される電圧測定部31dとからなる。
【0019】
なお、電源部31は、蓄電池31cに代えて一次電池、即ち、充電されない電池を有する構成でも良い。この構成の場合、移動通信装置MSは、充電器CHと接続されることがなく、電源部31は、充電器接続検出部31aと、スイッチ31bとを必ずしも要しない相違があるものの、この移動通信装置MSの実施形態に支障はない。
【0020】
ここで、電力は、充電器CHからスイッチ31bへ、スイッチ31bから蓄電池31cへ、蓄電池31cから移動通信装置MSの動作中の各部へと供給される。電力の供給の流れを図4では太線で示す。電源部31の各部は、制御部11によって制御される。
【0021】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る移動通信装置MSの各部の動作を図2〜図4を参照して説明する。通信部12bは、アンテナ12aによって受信された高周波信号を送受信部13へ出力し、また、送受信部13から出力された高周波信号をアンテナ12aより送信する。
【0022】
送受信部13は、通信部12bからの高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、それによってデジタル信号を得て、得られた通話音声信号を通話部14cに、制御信号を制御部11に、受信されたブラウザに係る信号をブラウザ部24又はブラウザ部22gに送る。
【0023】
更には、送受信部13は、デジタル信号、即ち、通話部14cから出力された通話音声信号、制御部11から出力された制御信号、及びブラウザ部24又はブラウザ部22gから出力されたブラウザに係る信号を変調、周波数変換及び増幅し、高周波信号を得て、それを通信部12bに送って送信させる。
【0024】
通話部14cは、送受信部13から出力されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、それを増幅してスピーカ14aに送る。また、マイクロフォン14bから出力されたアナログ音声信号を増幅し、それをデジタル音声信号に変換して送受信部13に送信する。
【0025】
表示部15は、例えば、LCDであり、制御部11に制御されることで、文字・数字や映像データの表示動作を行い、表示されているデータは、入力装置16からの入力操作や着信信号に応答して制御部11からの指示を受けることで切換わる。
【0026】
入力装置16は、通信相手の電話番号等を指定するため、また、文字を入力するための数字キーと複数の機能キーを含むキーからなる。そして、入力装置16のキーが操作されると、そのキーの識別子が制御部11に通知され、制御部11によって、表示部15に文字として表示され、又は、制御が行われる。
【0027】
測位部17は、装置が存在する位置の緯度、経度及び高度(海面からの高さ。)を測位する。即ち、制御部11からの指示によって動作を開始し、複数のGPS衛星GSから送信され、アンテナ17aによって受信された電波を解析して、電波が受信された時刻と、複数のGPS衛星GSの軌道とから測位する。そして、得られた位置を示す情報を現在位置情報25aとして記憶部25に記憶させて動作を終了する。
【0028】
なお、位置を示す情報は、測位された緯度、経度及び高度の他、その位置を示すコード、例えば、上記緯度及び経度の位置が属する自治体や、地域を識別する情報である。緯度及び経度と、自治体との対応は、例えば、装置の出荷時に記憶部25内に記憶される。又は、測位された緯度及び経度と、入力装置16の所定のキー操作によって入力された自治体や、地域を識別する情報とを関連付けて、記憶部25に記憶させる。
【0029】
ここで、測位部17は、測位にあたり、測位サーバ装置(図示せず)から送受信部13を介して送られたGPS衛星GSに関する情報、例えば、利用すべき衛星の識別子や、その衛星の軌道等の情報を用いても良い。
【0030】
防災情報出力制御部21は、緊急事態に変化したと検出された際、電源部31の蓄電池31cに蓄えられた電力量の多寡に応じて、次の3つの種類の防災情報を表示部15に表示させ、また、スピーカ23から音声を出力させる。なお、蓄電池31cが充電中である場合、上記電力量は多いとみなす。
【0031】
第1に、上記電力量が中程度である場合、防災情報出力制御部21は、放送受信部22を動作させ、デジタルテレビ放送の映像信号と字幕信号とを表示部15に表示させ、また、その放送の音声信号をスピーカ23から音声出力させる。更に、ブラウザ部22gを、その放送に含まれるBML言語での記述に従って動作させる。この放送受信部22によって得られた情報は、第1の防災情報25cとして記憶部25に記憶させる。
【0032】
第2に、上記電力量が多い場合、防災情報出力制御部21は、ブラウザ部24を動作させ、現在位置情報25aとして記憶部25に記憶された位置に係る防災情報を所定のウェブサーバ装置SVから得させる。そして、得られた防災情報の映像信号を表示部15に表示させ、また、その情報の音声信号をスピーカ23から音声出力させる。このブラウザ部24によって緊急の事態が発生した際に得られた情報は、第2の防災情報25dとして記憶部25に記憶させる。
【0033】
第3に、上記電力量が少ない場合、防災情報出力制御部21は、緊急の事態が発生する以前に得られ、第3の防災情報25eとして記憶部25に記憶された情報を出力させる。即ち、その情報の映像信号を表示部15に表示させ、また、その情報の音声信号をスピーカ23から音声を出力させる。
【0034】
この緊急の事態が発生する以前に得られ、記憶部25に記憶された第3の防災情報25eは、防災情報出力制御部21が、事前にブラウザ部24を動作させて得たもの、又は、装置の出荷前に記憶されたものであり、如何なる位置の防災情報であるかを併せて関連付けて記憶部25に記憶される。そこで、防災情報出力制御部21は、現在位置情報25aと関連付けられた第3の防災情報25eを出力させる。
【0035】
放送受信部22の各部の動作を説明する。チューナ部22bは、制御部11によって起動され、放送局BCから送信され、アンテナ22aによって受信された高周波信号から制御部11によって指示されたチャンネル番号のチャンネルの信号を選択する。そして、選択された高周波信号を中間周波数の信号に変換し、変換された信号を復調することによってデジタル放送された信号を得る。
【0036】
なお、チューナ部22bは、接続部(図示せず)を有し、アンテナ22aからの高周波信号を、その接続部に接続されたケーブルを介して受信しても良い。なお、上記ケーブルは、第2の放送受信用アンテナ(図示せず)に接続されていても良い。
【0037】
DEMUX部22cは、チューナ部22bによって得られた放送された信号を受信して、その信号を映像信号と、音声信号と、字幕信号と、データ信号とに分離する。そして、分離された映像信号及び音声信号をデコーダ部22dに送信し、分離された字幕信号を字幕処理部22eに送信し、分離されたデータ信号をDSMCC部22fに送信する。また、DEMUX部22cは、緊急警報信号が受信されたか否かを検出し、受信されたと検出された場合、制御部11にその旨を通知する。
【0038】
デコーダ部22dは、映像信号及び音声信号を受信して、復号する。そして、復号された映像信号を表示部15に表示させる。更に、復号された音声信号をスピーカ23から音声として発生させる。なお、映像信号及び音声信号は、例えばMPEG−2方式の符号化方式で符号化されて、放送局BCから送信されたものである。
【0039】
また、デコーダ部22dは、復号された映像信号及び音声信号を解析することによって、緊急地震速報が放送されたか否かを検出し、放送されたと検出された場合、制御部11にその旨を通知する。更に、緊急地震速報が放送されたか否かに係らず、災害が発生した、又は、災害の発生が予想される旨が放送されたか否かを検出し、放送されたと検出された場合、制御部11にその旨を通知する。
【0040】
字幕処理部22eは、字幕信号を受信して、復号する。そして、復号された字幕情報を表示部15に表示させる。なお、デコーダ部22dによる表示と、字幕処理部22eによる表示とは、表示部15の表示画面の同じ位置に表示されないように、制御部11によって制御される。
【0041】
また、字幕処理部22eは、復号された字幕情報を解析することによって、緊急地震速報が放送されたか否かを検出し、放送されたと検出された場合、制御部11にその旨を通知する。更に、緊急地震速報が放送されたか否かに係らず、災害が発生した、又は、災害の発生が予想される旨が放送されたか否かを検出し、放送されたと検出された場合、制御部11にその旨を通知する。
【0042】
DSMCC部22fは、データ信号を受信して、復号する。そして、復号されたデータ信号をブラウザ部22gへ送信する。また、復号されたデータ信号に含まれるイベント信号を検出する。なお、復号されたデータ信号は、BML(Broadcast Markup Language)言語で記述された情報である。
【0043】
ブラウザ部22gは、BMLブラウザであって、受信されたBML言語で記述された情報を第1の防災情報25cとして記憶部25に記憶させる。その情報は、表示部15に表示され、又は、スピーカ23から音声として発生される信号と、例えば、上記表示及び音声の発生を制御するイベントを示す信号とが含まれている。そして、ブラウザ部22gは、受信されたBML言語での記述にイベントが含まれていると、そのイベントに従った動作を行う。
【0044】
イベントに従ったブラウザ部22gの動作とは、例えば、第1の防災情報25cとして記憶部25に記憶されたBML言語での記述の中の所定の部分(ページと称されることがある。)の映像を表示部15に表示させ、その部分に含まれる音声信号をスピーカ23に送信して音声を発生させることである。また、別の例は、BML言語で記述されたスクリプトを起動することである。
【0045】
ここで、BML言語で記述された情報の映像とは、BML言語で静止画、動画、及び文字として記述されていたものを全て含む。なお、デコーダ部22dによる表示と、ブラウザ部22gによる表示とは、表示部15の表示画面の同じ位置に表示されないように、制御部11によって制御される。
【0046】
なお、ブラウザ部22gによって参照される情報は、上記受信されたBML言語での記述の範囲に限るものではない。例えば、送受信部13、基地局BSを介し、ウェブサーバ装置SVに記憶されたHTML(HyperText Markup Language)言語で記述された情報の映像を表示部15に表示させ、その情報の音声信号をスピーカ23に送信して音声を発生させる。
【0047】
放送受信部22は、上記の動作を行わない場合、待機状態に置かれることがある。待機状態に置かれると、放送受信部22は、チューナ部22bと、DEMUX部22cとを動作させ、DEMUX部22cによって緊急警報信号が受信されたことが検出されると、DEMUX部22cは、その旨を制御部11に通知する。
【0048】
待機状態に置かれた際、チューナ部22bは、制御部11によって指定されたチャンネル番号のチャンネルを受信する。このチャンネルは、緊急警報信号を放送するチャンネルが好ましい。そこで、災害対策基本法に基づいて指定公共機関として指定される日本放送協会が放送するチャンネルが適切であるが、このチャンネルに限るものではない。入力装置16の所定のキー操作によって指定されたチャンネルでも良い。例えば、移動通信装置MSが存在する位置を放送対象地域に含み、その地域内の緊急事態に係る詳細な放送を行なう放送局BCのチャンネルである。
【0049】
ブラウザ部24は、入力装置16の所定のキー操作を契機として、又は、防災情報出力制御部21からの指示に基づき、制御部11によって起動され、ウェブページアドレスを指定して、ウェブサーバ装置SVに記憶されたHTML言語で記述された情報へアクセスする。ここで、ウェブページアドレスは、入力装置16の所定のキー操作によって、又は、防災情報出力制御部21からの指定によって得る。
【0050】
そして、ブラウザ部24は、ウェブサーバ装置SVから受信された情報を第2の防災情報25dとして記憶部25に記憶させ、その情報のうち、静止画であるか動画であるかを問わず映像信号を表示部15に表示させ、音声信号をスピーカ23から出力させる。及び/又は、ブラウザ部24は、ウェブサーバ装置SVから受信された信号を第3の防災情報25eとして記憶部25に記憶させる。この記憶にあたり、測位部17によって測位された、移動通信装置MSが存在する位置を示す情報と、第3の防災情報25eが得られた上記ウェブページアドレスとを併せて関連付けて記憶させる。
【0051】
次に、電源部31の動作を、図4を参照して説明する。充電器接続検出部31aは、充電器CHからコネクタを介して供給される電力の電圧を測定する。そして、充電器CHが蓄電池31cを充電可能な直流電力を供給して電源部31に接続されているか否かを検出する。
【0052】
即ち、充電器接続検出部31aは、制御部11からの指示により動作を開始し、上記測定した電圧が所定の充電可能電圧閾値以上の値であれば充電器CHが接続されていると検出し、その電圧が上記閾値未満であれば充電器CHが接続されていないと検出する。そして、充電器CHが接続されているか否かを制御部11に通知する。
【0053】
スイッチ31bは、制御部11からの起動信号により動作を開始し、充電器CHからコネクタを介して供給される電力の端子(図示せず)と蓄電池31cの間を電気的に切断、又は、投入する。蓄電池31cは、充電器CHが接続され、かつ、スイッチ31bが投入された場合には充電器CHから供給される所定電圧の直流電力を充電する。また、蓄電池31cは、移動通信装置MS中の動作している各部に電力を供給する。
【0054】
電圧測定部31dは、制御部11からの起動信号により動作を開始し、蓄電池31cが供給する電圧を測定する。そして、測定された電圧を制御部11に通知する。この電圧の測定は、蓄電池31cに蓄えられた電力量の測定として行なわれる。この測定された電圧は、蓄電池31cに蓄えられた電力量の指標となるからである。
【0055】
なお、蓄電池31cに蓄えられた電力量の測定は、蓄電池31cが供給する電圧の測定によって行なわれると限るものではない。電源部31は、蓄電池31cに充電された電力量と、蓄電池31cから放電された電力量とを測定することによって、蓄電池31cに蓄えられた電力量を測定しても良い。この測定のため、電源部31は、例えば、電力量を測定する専用の回路と2つの電力量の差を求める専用の回路とを有する。
【0056】
以下、本発明の実施形態に係わる移動通信装置MSにおいて、蓄電池31cに蓄えられた電力の多寡に応じて、適切な方法で得られた災害に係る情報を出力する処理を説明する。
【0057】
(第1の動作、即ち、緊急事態でないと判断された場合の処理)
防災情報出力制御部21は、緊急事態でない、即ち、緊急情報25bに緊急事態であると記憶されていない場合、装置が存在する位置において緊急事態となった際に有用な防災情報をブラウザ部24に得させて、その有用な防災情報を第3の防災情報25eとして記憶部25に記憶させる。この記憶の際、装置が存在する位置を示す情報と、その有用な防災情報へのアクセスに用いられたウェブページアドレスとを併せて関連付けて記憶させる。
【0058】
即ち、測位部17によって測位され、現在位置情報25aに記憶された装置が存在する位置が含まれる地方自治体等の名称、「避難経路」、「避難場所」等のキーワードを指定して、ブラウザ部24に上記位置において、緊急事態となった際に有用な情報、例えば、避難場所周辺の地図や、避難場所への避難経路をウェブサーバ装置SVに記憶されたウェブ情報から検索させる。この検索は、ウェブサーバ装置SVに記憶された検索サイトに行なせることができる。
【0059】
上記検索処理は、蓄電池31cに蓄えられた電力を消費する。そこで、防災情報出力制御部21は、充電器接続検出部31aによって充電器CHが装置に接続されている場合、又は、電圧測定部31dによって蓄電池31cに蓄えられた電力量が多いと測定された場合に限って行なわせる。
【0060】
また、多くの位置で有用な、緊急事態となった際の防災情報を、それぞれ記憶させることが望ましいものの、消費電力の削減及び記憶部25によって用いられる記憶容量の削減のため、所定の距離が離れた位置で緊急事態となった際の防災情報を記憶させる。2つの位置の間の距離は、それぞれの位置の緯度及び経度によって算出される。更に、装置が存在する時間が多い位置で緊急事態となった際の防災情報を記憶させる。装置が存在する時間は、所定の時間間隔で測位部17を動作させることによって得られる。
【0061】
なお、ある位置で緊急事態となった際の防災情報は、更新される可能性がある。そこで、所定の時間を超えた過去に記憶部25に記憶された第3の防災情報25eは、改めてブラウザ部24に検索させ、更新記憶させる。なお、この所定の時間は、例えば、数ヶ月である。
【0062】
また、防災情報出力制御部21は、入力装置16の所定のキー操作に基づいて、そのキー操作の際に装置が存在する位置で緊急事態となった際に有用な防災情報をブラウザ部24に得させて、その有用な防災情報を第3の防災情報25eとして記憶部25に記憶させても良い。この記憶の際、装置が存在する位置を示す情報と、その有用な防災情報へのアクセスに用いられたウェブページアドレスとを併せて関連付けて記憶させる。なお、この記憶は、新規記憶の場合もあり、更新記憶の場合もある。
【0063】
(第2の動作、即ち、緊急事態に変化したと判断された場合の処理)
緊急事態に変化したと判断された際の、防災情報出力制御部21の適切な方法で得られた災害に係る情報を出力する動作を説明する。図5は、防災情報出力制御部21の適切な方法で得られた災害に係る情報を出力する動作のフローチャートを示す。防災情報出力制御部21は、移動通信装置MSの電源投入の際に起動されて適切な方法で得られた災害に係る情報を出力する動作を開始して、緊急情報25bに記憶された情報を消去する(ステップS101)。
【0064】
防災情報出力制御部21は、緊急事態に変化したか否かを判断する(ステップS102)。即ち、防災情報出力制御部21は、以下の場合、緊急事態に変化したと判断し、緊急事態である旨を緊急情報25bとして記憶部25に記憶させる。また、測位部17に装置が存在する位置の緯度及び経度を測位させ、測位によって得られたその位置を示す情報を現在位置情報25aとして記憶部25に記憶させる。
【0065】
第1に、DEMUX部22cによって、緊急警報信号が受信されたとの通知がされた場合であって、その緊急警報信号は、測位部17によって測位され、現在位置情報25aに記憶された装置が存在する位置を示す情報によって示される地域を対象とした信号である場合である。
【0066】
なお、装置が存在する位置が海岸や、河口から遠く離れている場合、また、その位置の高度が所定の値以上である場合、防災情報出力制御部21は、津波警報に係る緊急警報信号の受信によって緊急事態に変化したと判断しないとしても良い。津波による災害発生の恐れが非常に小さいからである。
【0067】
第2に、デコーダ部22d及び/又は字幕処理部22eによって、緊急地震速報が放送されたとの通知がされた場合である。第3に、デコーダ部22d及び/又は字幕処理部22eによって、災害が発生した、又は、災害の発生が予想される旨が放送されたとの通知がされた場合である。
【0068】
第4に、基地局BSから送信された、緊急事態を通知する一斉同報配信、例えば、緊急地震速報を通知する一斉同報配信が、送受信部13を介して受信された場合である。この配信は、電子メールの形式であっても良い。第5に、入力装置16の所定のキー操作がされた場合である。
【0069】
このように、防災情報出力制御部21は、緊急事態に変化したと判断する一手段として、緊急警報信号が受信されたことを用いる。そこで、防災情報出力制御部21は、放送受信部22が動作していない場合、放送受信部22を待機状態に置かせることが望ましい。
【0070】
ステップS102の緊急事態に変化したか否かを判断する動作によって、緊急事態に変化していないと判断された場合、防災情報出力制御部21は、ステップS102の緊急事態に変化したか否かを判断する動作を繰り返して行なう。
【0071】
一方、緊急事態に変化したと判断された場合、防災情報出力制御部21は、充電器接続検出部31aからの通知によって、充電器CHが移動通信装置MSに接続されているか否かと、電圧測定部31dからの通知によって、蓄電池31cに蓄えられた電力量が多い、即ち、第1の電力量閾値より大きいか否かとを判断する(ステップS103)。
【0072】
充電器CHが移動通信装置MSに接続されており、又は、蓄電池31cに蓄えられた電力量が多いと判断された場合、防災情報出力制御部21は、ブラウザ部24に指示して、ウェブサーバ装置SVの所定のウェブページへのアクセスを行なわせ、そのアクセスが可能であるか否かを判断する(ステップS104)。
【0073】
ここで、移動通信装置MSと、基地局BSとの間の距離が大きく、又は、それらの間に障害物があり、それらの間の電波伝搬に障害が発生した場合、また、ウェブサーバ装置SVの動作が順調でない、例えば、多数のアクセスが集中した場合、ウェブサーバ装置SVへのアクセスが不可能となる。
【0074】
ここで、所定のウェブページは、放送受信部22によって受信されたウェブページアドレスによって識別されるページである。なお、ウェブページアドレスは、映像信号又は音声信号に含まれ、デコーダ部22dによって解析されたアドレス、字幕信号に含まれ、字幕処理部22eによって解析されたアドレス、BML言語での記述に含まれ、DSMCC部22fによって取り出されたアドレス、又は、BML言語での記述に含まれ、ブラウザ部22gの実行によってアクセスするに至ったアドレス、のいずれかである。
【0075】
なお、これらのアドレスが複数用意され、移動通信装置MSが存在する位置によって選択可能な場合、防災情報出力制御部21は、測位部17に指示して、移動通信装置MSが存在する位置の緯度及び経度を測位させ、測位によって得られたその位置を示す情報を参照して、移動通信装置MSが存在する位置に対応するアドレスを選択する。
【0076】
また、上記ウェブページアドレスは、緊急事態を通知する一斉同報配信に伴って配信されたアドレスであっても良い。また、上記ウェブページアドレスは、位置を示す情報と関連付けられて記憶部25に記憶されているとしても良い。例えば、自治体毎に、その自治体に係る防災情報を得るためのアドレスが記憶されている場合である。
【0077】
更に、上記ウェブページアドレスは、第3の防災情報25eと、測位部17によって測位された、移動通信装置MSが存在する位置を示す情報と関連付けて、記憶部25に記憶されたアドレスであっても良い。この移動通信装置MSが存在する位置を参照することにより、過去に得られたウェブページアドレスと、そのアドレスが得られた際の移動通信装置MSの位置との関連を活用することができる。
【0078】
ステップS104で、アクセスが可能である場合、防災情報出力制御部21は、ブラウザ部24に指示して、ウェブサーバ装置SVの上記のウェブページへのアクセスを行なわせ、その結果、ウェブサーバ装置SVから送信され、ブラウザ部24によって受信された信号を第2の防災情報25dとして記憶部25に記憶させ、その信号の中の映像信号を表示部15に表示させ、音声信号をスピーカ23から音声出力させ(ステップS105)、適切な方法で得られた災害に係る情報を出力する動作を終了する(ステップS106)。なお、防災情報出力制御部21の動作終了は、ブラウザ部24の動作終了を意味しない。
【0079】
ステップS105で記憶された第2の防災情報25dは、ウェブサーバ装置SVとの間の通信に係るバッファとして用いられる。また、ウェブサーバ装置SVとの間の通信に生じた際、映像信号の表示と、音声信号の出力を引き続き行なうために用いられる。
【0080】
なお、防災情報出力制御部21は、ブラウザ部24によって受信された信号を第3の防災情報25eとして記憶部25に記憶させても良い。この記憶の際、測位部17によって測位された、移動通信装置MSが存在する位置を示す情報と、上記ウェブページアドレスとを併せて関連付けて記憶させる。この第3の防災情報25eは、後述するように、ウェブサーバ装置SVとの通信を行うことが適切でない場合に用いられる。
【0081】
ステップS104で、アクセスが不可能である場合、防災情報出力制御部21は、ブラウザ部24の動作を停止させ、放送受信部22による放送受信が可能であるか否かを判断する(ステップS107)。この際に受信するチャンネルは、上述した理由により、日本放送協会による放送のチャンネルが適切であるが、このチャンネルに限るものではない。
【0082】
例えば、放送受信が可能であるチャンネルを優先しても良い。放送受信が可能であるか否かの判断は、例えば、チューナ部22bによって受信された電波の強度による。また、デコーダ部22dによる復号の際に、伝送エラーが検出された映像信号や、音声信号の割合による。
【0083】
放送受信が可能である場合、防災情報出力制御部21は、放送受信部22を動作させて(ステップS108)、適切な方法で得られた災害に係る情報を出力する動作を終了する(ステップS106)。なお、防災情報出力制御部21の動作終了は、放送受信部22の動作終了を意味しない。
【0084】
ここで、ステップS108で、放送受信部22が動作中であれば、改めて動作させる必要はない。また、チューナ部22bに選択させるチャンネルは、ステップS107の動作で説明したように、日本放送協会による放送のチャンネルが適切である。
【0085】
また、ステップS108で、放送受信部22によってBML言語での記述であるデータ信号が受信された場合、その信号は、ブラウザ部22gの実行によって出力される。BML言語での記述が複数の部分からなり、ブラウザ部22gは、移動通信装置MSが存在する位置に依存していずれかの部分を選択可能な場合、防災情報出力制御部21は、測位部17に指示して、移動通信装置MSが存在する位置の緯度及び経度を測位させ、その測位によって得られた位置を示す情報によって移動通信装置MSが存在する位置に対応する部分を選択させる。
【0086】
ステップS107で、放送受信が不可能である場合、防災情報出力制御部21は、放送受信部22の動作を停止させ、ブラウザ部24に指示して、測位部17によって測位された、移動通信装置MSが存在する位置を示す情報と関連付けられた第3の防災情報25eの映像信号を表示部15に表示させ、音声信号をスピーカ23から音声出力させ(ステップS109)、適切な方法で得られた災害に係る情報を出力する動作を終了する(ステップS106)。なお、防災情報出力制御部21の動作終了は、ブラウザ部24の動作終了を意味しない。
【0087】
ステップS103で、充電器CHが移動通信装置MSに接続されておらず、かつ、蓄電池31cに蓄えられた電力量が多くない場合(ステップS103の「NO」)、防災情報出力制御部21は、制御部11に指示して、蓄電池31cに蓄えられた電力量は、上述した第1の電力量閾値より小さい値である第2の電力量閾値より大きいか否かを判断する(ステップS110)。
【0088】
蓄電池31cに蓄えられた電力量が第2の閾値より大きい場合(ステップS110の「中」)、防災情報出力制御部21は、ステップS107の放送受信部22による放送受信が可能であるか否かを判断する動作以降の動作に移る。蓄電池31cに蓄えられた電力量が第2の閾値より小さい場合(ステップS110の「少」)、防災情報出力制御部21は、ステップS109のブラウザ部24に指示して、第3の防災情報25eの映像信号を表示部15に表示させ、音声信号をスピーカ23から音声出力させる動作以降の動作に移る。
【0089】
なお、防災情報出力制御部21は、動作終了後、所定の時間間隔で起動され、その時間間隔の間に移動通信装置MSが移動していたとしても、ステップS104の動作若しくはステップS108の動作によって動作を開始したブラウザ部24に、又は、ステップS107の動作によって動作を開始した放送受信部22に、常に、移動通信装置MSが存在する位置に適した情報を出力させる(図示せず)。即ち、防災情報出力制御部21は、測位部17に指示して、移動通信装置MSが存在する位置の緯度及び経度を測位させる。そして、ブラウザ部24又は放送受信部22に、測位によって得られた位置に適した情報の出力をさせる。
【0090】
なお、防災情報出力制御部21は、動作終了後、所定の時間間隔で起動され、緊急事態であるか否かを判断する。即ち、デコーダ部22d及び/又は字幕処理部22eによって緊急事態であることを示す内容の放送が終了したと判断された後、所定の時間が経過した場合に緊急事態でないと判断する。そして、緊急事態でないと判断された後、緊急情報25bに記憶された情報を消去の上、ステップS102の動作以降の動作を再び行う(図示せず)。
【0091】
ステップS102の動作に移る前に、防災情報出力制御部21は、ステップS104の動作若しくはステップS108の動作によって動作を開始したブラウザ部24、又は、ステップS107の動作によって動作を開始した放送受信部22の動作を終了させる。しかし、この動作終了は、入力装置16の所定のキー操作に基づいて行われるとしても良い。
【0092】
以上の動作により、防災情報出力制御部21は、移動通信装置MSに充電器CHが接続され、又は、蓄電池31cに蓄えられた電力量が多い場合、ブラウザ部24に指示して、ウェブサーバ装置SVに記憶された、最新の、かつ、詳細な防災情報を、例えば、詳細な地図や、徒歩での避難経路の表示と共に出力をさせる。この動作には、ウェブサーバ装置SVとの通信のために、通信部12b及び送受信部13を動作させることが必須であり、消費電力は大きい。
【0093】
また、蓄電池31cに蓄えられた電力量が中程度である場合、放送受信部22に指示して、放送局BCから放送された、最新の防災情報の出力をさせる。この動作には、放送受信部22を動作させ、映像信号及び音声信号のデコードが必須であり、消費電力は、中程度である。
【0094】
更に、蓄電池31cに蓄えられた電力量が少ない場合、防災情報出力制御部21は、ブラウザ部24に指示して、記憶部25に記憶された第3の防災情報25eを出力させる。この動作の消費電力は、小さい。しかしながら、移動通信装置MSが存在する位置に合致した、適切な方法で得られた災害に係る情報の出力がされる。
【0095】
以上の説明で、災害とは地震や、津波であるとしたが、これに限るものではない。台風、豪雨、火山爆発等の自然災害の他、鉄道網の事故、道路の渋滞、火災等の人為災害でも良い。また、防災とは、災害からの避難に係る情報、例えば、避難経路の提示であるとしたが、非難に係る情報の提示に限るものではない。津波発生の際は、高い位置への移動をすべきである等の汎用な情報でも良く、また、事故や渋滞の発生した位置を迂回する経路の提示でも良い。また、災害の詳細を示す情報でも良い。
【0096】
以上の説明で、防災情報出力制御部21は、移動通信装置MSの電源投入の際に起動され、間欠的であるにせよ、常時動作するとしたが、これに限るものではない。例えば、入力装置16の所定のキー操作によって起動されても良い。
【0097】
以上の説明は、放送局BCは、デジタルテレビ放送を行ない、それに対応して、放送受信部22は、デジタルテレビ放送を受信するとしたが、このデジタルテレビ放送は、13セグメントの全てを用いる方式であるか、また、一部のセグメントを用いる方式であるかを問わない。また、デジタルテレビ放送に限らず、アナログテレビ放送であっても良い。更に、デジタル方式であるか、また、アナログ方式であるかを問わず、ラジオ放送であっても良い。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施形態に係る災害情報通知システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施形態に係る放送受信部の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態に係る電源部の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施形態に係る防災情報出力制御部の適切な方法で得られた災害に係る情報を出力する動作のフローチャート。
【符号の説明】
【0099】
BC 放送局
BS 基地局
CH 充電器
GS GPS衛星
MS 移動通信装置
SV ウェブサーバ装置
11 制御部
12b 通信部
13 送受信部
15 表示部
16 入力装置
17 測位部
21 防災情報出力制御部
22 放送受信部
22b チューナ部
22c DEMUX部
22d デコーダ部
22e 字幕処理部
22f DSMCC部
22g、24 ブラウザ部
23 スピーカ
25 記憶部
25a 現在位置情報
25b 緊急情報
25c 第1の防災情報
25d 第2の防災情報
25e 第3の防災情報
31 電源部
31a 充電器接続検出部
31c 蓄電池
31d 電圧測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池に蓄えられた電力によって動作する移動通信装置であって、
前記電池に蓄えられた電力量を測定する電力量測定手段と、
防災に係る情報を記憶する防災情報記憶手段と、
災害の発生に係る情報を受信する災害情報受信手段と、
防災に係る情報を受信する防災情報受信手段と、
前記災害情報受信手段によって災害の発生に係る情報が受信されると、前記電力量測定手段によって測定された電力量が所定の電力量閾値以上である場合、前記防災情報受信手段に前記発生に係る情報が受信された災害に対する防災に係る情報を受信させて、その受信された防災に係る情報を出力させ、前記測定された電力量が前記電力量閾値より小さい場合、前記防災情報記憶手段に記憶された前記発生に係る情報が受信された災害に対する防災に係る情報を出力させる防災情報出力制御手段と
を有することを特徴とする移動通信装置。
【請求項2】
前記災害情報受信手段は、放送受信手段であり、
前記放送受信手段によって受信される災害の発生に係る情報は、緊急警戒信号及び/又は緊急地震速報である
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項3】
前記災害情報受信手段は、移動通信網から一斉配信された情報を受信する配信受信手段であり、
前記配信受信手段によって受信される災害の発生に係る情報は、一斉配信された情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項4】
前記防災に係る情報は、前記発生に係る情報が受信された災害からの避難に係る情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項5】
前記防災情報受信手段は、第1の防災情報受信手段と、前記第1の防災情報受信手段より詳細な防災に係る情報を受信し、かつ、前記第1の防災情報受信手段が消費する電力より大きい電力を消費する第2の防災情報受信手段とからなり、
前記防災情報出力制御手段は、前記電力量測定手段によって測定された電力量が上記電力量閾値より大きい第2の電力量閾値より大きい場合、前記第2の防災情報受信手段を動作させ、前記測定された電力量が前記第2の電力量閾値より小さい場合、前記第1の防災情報受信手段を動作させる
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項6】
前記第1の防災情報受信手段は、放送受信手段であり、
前記第2の防災情報受信手段は、移動通信網通信手段である
ことを特徴とする請求項5に記載の移動通信装置。
【請求項7】
前記放送受信手段によって受信された防災に係る情報は、BML言語によって記述された情報であり、
前記移動通信網通信手段よって受信された防災に係る情報は、HTML言語によって記述された情報である
ことを特徴とする請求項6に記載の移動通信装置。
【請求項8】
前記防災情報受信手段は、前記災害情報受信手段によって災害の発生に係る情報が受信された場合、及び/又は、前記災害情報受信手段によって災害の発生に係る情報が受信されていない場合、防災に係る情報を受信して、その受信された防災に係る情報を前記防災情報記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項9】
装置の位置を測位する測位手段を更に有し、
前記防災情報受信手段は、前記災害情報受信手段によって災害の発生に係る情報が受信された場合、及び/又は、前記災害情報受信手段によって災害の発生に係る情報が受信されていない場合、防災に係る情報を受信して、その受信された防災に係る情報と、前記測位手段によって測位された位置とを関連付けて前記防災情報記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項10】
前記防災情報出力制御手段は、前記防災情報受信手段によって受信された防災に係る情報のうち、前記測位手段によって測位された位置に係る情報を出力させ、及び/又は、前記防災情報記憶手段に記憶された防災に係る情報のうち、前記測位手段によって測位された位置と関連付けられた情報を出力させる
ことを特徴とする請求項9に記載の移動通信装置。
【請求項11】
前記防災情報出力制御手段は、前記防災情報受信手段によって受信された防災に係る情報のうち、前記測位手段によって測位された位置に係る情報を出力させ、及び/又は、前記防災情報記憶手段に記憶された防災に係る情報のうち、前記測位手段によって測位された位置に係る情報を出力させた後、所定の時間間隔で前記測位手段に装置の位置を測位させ、前記防災情報受信手段によって受信された防災に係る情報のうち、前記測位手段によって測位された位置に係る情報を出力させ、及び/又は、前記防災情報記憶手段に記憶された防災に係る情報のうち、前記測位手段によって測位された位置に係る情報を出力させる動作を繰り返す
ことを特徴とする請求項10に記載の移動通信装置。
【請求項12】
前記電池は、蓄電池であり、
前記防災情報出力制御手段は、前記電池が充電されていると判断された場合、前記電力量測定手段によって測定された電力量が前記電力量閾値より大きいとみなす
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項13】
前記電池は、蓄電池であり、
前記防災情報出力制御手段は、前記電池が充電されていると判断された場合、前記電力量測定手段によって測定された電力量が前記第2の電力量閾値より大きいとみなす
ことを特徴とする請求項5に記載の移動通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−123079(P2010−123079A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298626(P2008−298626)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】