説明

積層材およびそれを使用した包装用袋

【課題】 遮光性、バリア性等に優れ、内容物保護適性を有し、更に、美粧性に優れ、包装体の外観を損ねることなく、消費者の購買意欲を喚起し、主に、レトルト食品、スナック菓子類、油脂類、冷凍食品、その他等を充填包装するに有用な積層材、包装用袋を提供することである。
【解決手段】 少なくとも、延伸基材フィルム、遮光性共押出積層フィルム、無機酸化物の蒸着膜を有する延伸樹脂フィルム、および、ヒ−トシ−ル性樹脂フィルムを順次に積層したことを特徴とする積層材およびそれを使用した包装用袋に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層材およびそれを使用した包装用袋に関し、更に詳しくは、紫外領域から可視領域までの太陽光あるいは蛍光等を遮光する遮光性、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性、更に、その他等の諸物性に優れ、内容物保護適性、充填包装適性等を有し、更に、美粧性に優れ、包装体の外観を損ねることなく、消費者の購買意欲を喚起し、主に、レトルト食品、油脂類、冷凍食品、スナック菓子類、光学系産業資材、その他等を充填包装するに有用な積層材およびそれを使用した包装用袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レトルト食品、油脂類、冷凍食品、スナック菓子類、光学系産業資材、その他等を充填包装する積層フィルムとしては、内容物保護、特に、油脂酸化の防止策として、紫外領域から可視領域までの太陽光あるいは蛍光等を遮光する遮光性、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性、その他等の諸物性が要求されるものである。
而して、これまでは、上記のうよな諸物性を満足させる最も一般的な材料としては、アルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等が使用されている。
ところで、上記のアルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等を使用すると、当該アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム等は、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性を有すると共に太陽光あるいは蛍光等の遮光性、更に、内容物に対する保香性等を有するので、極めて有用な材料ではあるが、アルミニウム箔等は、耐屈曲性等に欠けることから、ピンホ−ルが発生し易く、そのバリア性を損なうという問題点があるばかりではなく、包装用容器として使用後、これをゴミとして廃棄処理する場合、例えば、焼却処理等により廃棄処理すると、アルミニウム等の金属が残り、焼却炉を損傷し兼ねず、その廃棄処理適性に欠けると共に環境破壊等の問題を引き起し、環境適性等にも欠けるという問題点があることから好ましくないものである。
更に、アルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等を使用する場合、例えば、内容物に混入した金属片(異物)等を探知する金属探知機等を使用して金属片(異物)等の検査を行うと、そのアルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等が、金属探知機に反応し、その金属片(異物)を探知して検査を行うということが極めて困難であるという問題点もある。
【0003】
このため、近年、上記のようなアルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等に代えて、これらを使用しないで、遮光性、バリア性、その他等を充足する種々の材料が開発され、提案されている。
例えば、その一つとして、白色顔料の含有量が5〜20重量%であり、かつ、厚みが10μm以上である乳白色系フィルムと、黒色顔料の含有量が0.2〜1.0重量%であり、かつ該黒色顔料1に対し、重量比で2.0〜60の割合で白色顔料を含有し、かつ厚みが10μm以上である灰色系フィルムとを積層してなる食品包装用積層フィルム、更には、上記の食品包装用積層フィルムにおける灰色系フィルム側にエチレン−α−オレフィン共重合体からなるフィルム層を積層した食品包装用積層フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、別の例として、少なくとも外側からガスバリア−性を有する透明バリア−フィルム、印刷インキ層、熱融着樹脂層が順に積層していることを特徴とする遮光性包装材も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平11−91042号公報(請求項)
【特許文献2】特開2000−280394号公報(請求項)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に係る食品包装用積層フィルムを使用し、他の基材フィルム等を積層して包装用材料を製造し、次いで、該包装用材料を使用し、これを製袋して包装用袋を製造し、しかる後、該包装用袋を使用し、例えば、レトルト食品、スナック菓子類、油脂類、冷凍食品等を充填包装して包装製品を製造する場合、特に、レトルト食品、冷凍食品等を充填包装した包装製品においては、レトルト処理あるいは冷凍処理等の加工工程において、包装用袋を構成する包装用材料の内面から、内容物中の成分等が吸着、浸透、透過し、包装用材料を構成する食品包装用積層フィルム等を汚染ないし着色し、その美粧性、外観性等を損なうという問題点があり、更に、内容物中の成分が吸着、浸透、透過することにより、包装用材料のラミネ−ト強度、あるいは、そのヒ−トシ−ル性強度等に欠け、層間剥離あるいは破袋等を生じ、所望の包装製品を製造することが困難であるという問題点がある。
また、上記の特許文献1に係る食品包装用積層フィルムについて、これを産業部材としての感光性材料等を包装する包装用材料として使用し、これで感光性材料を包装して包装製品を製造したところ、遮光性機能に劣り、上記の食品包装用積層フィルムでは、感光性材料等を包装する包装用材料として使用することができないことが判明したものである。 一般に、感光性材料は、内容物の保護、光学機能性の保護等のため、紫外領域から可視領域までの高い遮光性(完全遮光)が要求されるものである。
因みに、産業部材としての感光性材料等の製品を保護するためには、全領域における光線を遮蔽しなければならないものであり、400nm〜700nmの可視光域と、400nm以下の紫外光の遮光は必須であり、できる限り700nm以上の赤外光においても遮蔽する必要があるものである。
これまで、感光性材料等を包装する包装用材料としては、その遮光性機能をアルミニウム箔のラミネ−ト材等から補完し、銀色ベ−スからなる包装用材料が主流となっているものである。
しかし、アルミニウム箔等の使用は、前述のような問題点を有するばかりではなく、更に、ラミネ−ト時の接着剤等の使用による作業環境、周辺環境の悪化等を招くという問題点もあるものである。
また、上記の特許文献2に係る遮光性包装材については、これを使用し、製袋して包装用袋を製造し、しかる後、該包装用袋を使用し、例えば、レトルト食品、スナック菓子類、油脂類、冷凍食品等を充填包装して包装製品を製造する場合、特に、レトルト食品、冷凍食品等を充填包装した包装製品においては、上記と同様に、レトルト処理あるいは冷凍処理等の加工工程において、包装用袋を構成する包装材の内面から、内容物中の成分等が吸着、浸透、透過し、包装材を構成する印刷インキ層、熱融着樹脂層等を汚染ないし着色し、その美粧性、外観性等を損なうという問題点があり、更に、内容物中の成分が吸着、浸透、透過することにより、包装材のラミネ−ト強度、あるいは、その熱融着樹脂層のヒ−トシ−ル性強度等に欠け、層間剥離あるいは破袋等を生じ、所望の包装製品を製造することが困難であるという問題点がある。
【0005】
そこで本発明は、遮光性に優れ、かつ、アルミニウムレスであり、また、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するバリア性、更に、ラミネ−ト強度、ヒ−トシ−ル性強度等にも優れ、また、その他、耐侯性、耐熱性、耐水性、その他等の諸堅牢性に優れ、特に、遮光性に優れ、飲食品、化成品等は勿論のこと、完全遮光を要する産業部材としての感光性材料の包装用材料として極めて優れた有用性を有し、内容物の充填包装適性、保存適性等に優れていると共に包装外観を損ねることなく美粧性に優れ、更に、金属探知機による異物検査が容易であると共に使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れた遮光性多層積層フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記のような問題点を改良すべく種々研究した結果、少なくとも、延伸基材フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルム、遮光性共押出積層フィルム、延伸樹脂フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸樹脂フィルム、および、ヒ−トシ−ル性樹脂フィルムを順次に積層して積層材を製造し、更に、該積層材を使用し、これを製袋して所望の軟包装用袋を製造し、しかる後、該軟包装用袋に、例えば、レトルト食品、スナック菓子類、油脂類、冷凍食品、その他等を充填包装して包装製品を製造したところ、アルミニウムレスでありながら遮光性ないし光遮断性に優れ、かつ、酸素ガスおよび水蒸気の透過を阻止するガスバリア性、また、内容物中の成分の浸透、透過を阻止するバリア性等に優れ、かつ、ヒ−トシ−ル性等にも優れ、更に、強度等を有し、また、耐侯性、耐熱性、耐水性、ラミネ−ト強度、その他等の諸堅牢性に優れ、例えば、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等の透過を阻止し、また、酸素ガスおよび水蒸気の透過を阻止し、内容物が、分解ないし変質し、あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすということを防止し、更に、内容物中の成分の浸透、透過を阻止し、積層材を構成する内面層、中間層等の汚染、着色等を防止し、内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、特に、完全遮光を要する産業部材としての感光性材料の包装用材料として極めて優れた有用性を有し、かつ、包装外観を損ねることなく美粧性に優れ、更に、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れ、また、金属探知機等による金属片(異物)探知も容易である自立性袋を製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、少なくとも、延伸基材フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルム、遮光性共押出積層フィルム、延伸樹脂フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸樹脂フィルム、および、ヒ−トシ−ル性樹脂フィルムを順次に積層したことを特徴とする積層材およびそれを使用した包装用容器に関するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る積層材は、アルミニウムレスでありながら遮光性に優れ、かつ、酸素ガスおよび水蒸気の透過を阻止するガスバリア性あるいは内容物中の成分の浸透、透過を阻止するバリア性等に優れ、また、ヒ−トシ−ル性等にも優れ、更に、強度等を有し、かつ、耐侯性、耐熱性、耐水性、ラミネ−ト強度、その他等の諸堅牢性に優れ、特に、遮光性ないし光遮断性、バリア性等に優れ、例えば、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等の透過を阻止すると共に酸素ガスおよび水蒸気の透過を阻止し、内容物が、分解ないし変質し、あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすということを防止し、内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、特に、完全遮光を要する産業部材としての感光性材料の包装用材料として極めて優れた有用性を有し、かつ、包装外観を損ねることなく美粧性に優れ、更に、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れ、また、金属探知機等による金属片(異物)探知も容易であるという利点を有するものである。
而して、本発明に係る積層材を使用し、これを製袋して所望の包装用袋を製造し、しかる後、該包装用袋に、例えば、レトルト食品、スナック菓子類、油脂類、冷凍食品、その他等を充填包装して、種々の形態からなる包装製品を製造することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
上記の本発明について以下に図面等を用いて更に詳しく説明する。
まず、図1、図2、図3および図4は、本発明に係る積層材についてその層構成の一例を示す概略的断面図であり、図5は、図1に示す本発明に係る積層材を使用し、製袋して製造した本発明に係る包装用袋についてその構成の概略を示す概略的斜視図であり、図6は、図5に示す本発明に係る包装用袋内に内容物を充填包装した包装製品についてその構成の概略を示す概略的斜視図でありる。
【0010】
まず、本発明において、本発明に係る積層材について説明すると、本発明に係る積層材Aは、図1に示すように、少なくとも、延伸基材フィルム1または無機酸化物の蒸着膜(2)を有する延伸基材フィルム1、遮光性共押出積層フィルム3、延伸樹脂フィルム4または無機酸化物の蒸着膜(2)を有する延伸樹脂フィルム4、および、ヒ−トシ−ル性樹脂フィルム5を順次に積層した構成からなることを基本構造とするものである。
【0011】
而して、本発明において、本発明に係る積層材について好ましい形態を例示すると、本発明に係る積層材としては、図2に示すように、少なくとも、延伸基材フィルム1、遮光性共押出積層フィルム3、無機酸化物の蒸着膜2を有する延伸樹脂フィルム4、および、ヒ−トシ−ル性樹脂フィルム5を順次に積層した形態からなる本発明に係る積層材A1 を例示することができる。
【0012】
更に、本発明において、本発明に係る積層材について具体例を例示して説明すると、図3に示すように、少なくとも、延伸基材フィルム1、透明ないし半透明の樹脂層11と白色樹脂層12と黒色または灰色の樹脂層13と透明ないし半透明の樹脂層11とを順次に共押出し、積層した遮光性共押出積層フィルム3a、無機酸化物の蒸着膜2を有する延伸樹脂フィルム4、および、ヒ−トシ−ル性樹脂フィルム5を順次に積層した構成からなる積層材A2 を例示することができる。
【0013】
また、本発明において、本発明に係る積層材について別の具体例を例示して説明すると、図4に示すように、少なくとも、延伸基材フィルム1、透明ないし半透明の樹脂層11と白色樹脂層12と黒色または灰色の樹脂層13と白色樹脂層12と透明ないし半透明の樹脂層11とを順次に共押出し、積層した遮光性共押出積層フィルム3b、無機酸化物の蒸着膜2を有する延伸樹脂フィルム4、および、ヒ−トシ−ル性樹脂フィルム5を順次に積層した構成からなる積層材A3 を例示することができる。
【0014】
上記の例示は、本発明に係る積層材についてその二三例を例示したものであり、本発明は、これに限定されるものではないものである。
例えば、図示しないが、本発明に係る積層材としては、例えば、無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルム/遮光性共押出積層フィルム/延伸樹脂フィルム/ヒ−トシ−ル性樹脂フィルムからなる積層構成、あるいは、無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルム/遮光性共押出積層フィルム/無機酸化物の蒸着膜を有する延伸樹脂フィルム/ヒ−トシ−ル性樹脂フィルムからなる積層構成、更には、延伸基材フィルム/遮光性共押出積層フィルム/延伸樹脂フィルム/ヒ−トシ−ル性樹脂フィルムからなる積層構成、その他等の種々の形態からなる積層構成を採り得るものである。
また、図示しないが、無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルムおよび、無機酸化物の蒸着膜を有する延伸樹脂フィルムおいて、その無機酸化物の蒸着膜の面は、外面側または内面側のいずれの面にも対向させて積層することができるものである。
更に、図示しないが、本発明に係る積層材は、例えば、充填包装する内容物、その包装目的、包装形態、その他等により、各層間に、例えば、他のバリア性基材、その他等の基材を任意に積層して、種々の形態からなる本発明に係る積層材を製造することができるものである。
更に、図示しないが、上記の延伸基材フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルム等においては、その表面および/または裏面に、所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等からなる印刷模様層等を形成し、あるいは、本発明に係る積層材を構成する延伸樹脂フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸樹脂フィルムの表面に、所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等からなる印刷模様層を形成して、本発明に係る積層材を製造することもができるものである。
【0015】
なお、上記において、少なくとも、延伸基材フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルム、遮光性共押出積層フィルム、延伸樹脂フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸樹脂フィルム、および、ヒ−トシ−ル性樹脂フィルムを順次に積層する積層法としては、例えば、ラミネ−ト用接着剤等によるラミネ−ト用接着剤層を設け、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層を介して積層するドライラミネ−ト積層方式、あるいは、アンカ−コ−ト剤等による接着助剤層、溶融押出樹脂層等を設け、次いで、該アンカ−コ−ト剤等による接着助剤層、溶融押出樹脂層等を介して積層する溶融押出積層方式等により行うことができる。
【0016】
次に、本発明において、上記のような本発明に係る積層材を使用し、これを製袋して製造する本発明に係る包装用袋についてその一例を例示して説明すると、かかる本発明に係る包装用袋としては、例えば、上記の図1に示す本発明に係る積層材Aを使用して製袋した包装用袋の場合を例示して説明すると、図5に示すように、上記の本発明に係る積層材A、Aの二枚を使用し、その二枚の積層材A、Aを構成する本発明に係る積層材を対向させて重ね合わせ、次いで、そのヒ−トシ−ル性樹脂フィルム5、5の対向面どうしであって、その外周周辺の端部をヒ−トシ−ルし、それぞれサイドシ−ル部21、21、底シ−ル部22等を形成すると共に上方に開口部23を形成して、本発明に係る積層材Aを使用して製袋した本発明に係る三方シ−ル型の包装用袋Bを製造することができる。
【0017】
而して、本発明においては、図6に示すように、上記で製造した本発明に係る三方シ−ル型の包装用袋Bを使用し、その開口部23から、例えば、レトルト食品、スナック菓子類、油脂類、冷凍食品、その他等の飲食品、更には、その他等の内容物24を充填し、次いで、その開口部23をヒ−トシ−ルし、上部ヒ−トシ−ル部25を形成して、本発明に係る包装用袋Bを使用して製造した本発明に係る包装製品Cを製造することができる。
上記の例示は、本発明に係る包装用袋、それを使用した包装製品についてその一例を例示したものであり、本発明は、これによって限定されるものではなく、例えば、包装用袋の形態としては、図示しないが、例えば、ピロ−包装形態、ガセット包装形態、スタンディング(自立性)パウチ包装形態、その他等の内容物に合った包装用袋形態を取り得るものである。
【0018】
次に、本発明において、上記のような本発明に係る積層材、包装用袋、包装製品等を構成する材料、その製造法等について説明すると、まず、本発明において、本発明に係る積層材、包装用袋、包装製品等を構成する延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムについて説明すると、かかる延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムとしては、これが、本発明に係る包装用袋を構成する基本ないし補助素材となることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、強度、強靱性等に優れ、更に、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、透明性、その他等に優れた延伸した樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
なお、本発明において、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムについて、これに無機酸化物の蒸着膜を設ける場合には、その形成、加工等の条件に耐え、かつ、その特性を損なうことなく無機酸化物の蒸着膜を良好に保持し得ることができること、更に、積層材の積層加工、包装用袋の製袋等に際し、加工作業性、耐熱性、滑り性、耐ピンホ−ル性、その他等の諸物性に優れていることが好ましいものである。
【0019】
而して、本発明において、上記の延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムとしては、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン樹脂等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の延伸した樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
【0020】
本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレ−ション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、更に、例えば、テンタ−方式、あるいは、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜200μm位、より好ましくは、9〜100μm位が望ましい。
【0021】
なお、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
【0022】
また、本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面には、無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けることができるものである。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシ−トと後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面に、予め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、アンカ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
【0023】
次に、本発明において、上記の本発明に係る延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムに設ける無機酸化物の蒸着膜について説明すると、これが、主に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性の作用効果を奏するものである。
而して、本発明において、上記の無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルムあるいは延伸樹脂フィルムとしては、例えば、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの一方の面に、化学気相成長法、または、物理気相成長法、あるいは、その両者を併用して、無機酸化物の蒸着膜の1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成してなる無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムを製造することができる。
【0024】
本発明において、上記の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜について更に詳しく説明すると、かかる化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
本発明においては、具体的には、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
【0025】
具体的に、上記の低温プラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその一例を例示して説明すると、図7は、上記のプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略的構成図である。
本発明においては、図7に示すように、プラズマ化学気相成長装置31の真空チャンバ−32内に配置された巻き出しロ−ル33から延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルム34を繰り出し、更に、該延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルム34を、補助ロ−ル35を介して所定の速度で冷却・電極ドラム36周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置37、38および、原料揮発供給装置39等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル40を通して真空チャンバ−32内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム36周面上に搬送された、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルム34の一方の面に、グロ−放電プラズマ41によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム36は、真空チャンバ−32の外に配置されている電源42から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム36の近傍には、マグネット43を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルム34の一方の面に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した後、その延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルム34は、無機酸化物の蒸着膜を保持した状態で、補助ロ−ル44を介して巻き取りロ−ル45に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、図中、46は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
【0026】
上記において、真空チャンバ−内を真空ポンプにより減圧し、真空度1×10-1〜1×10-8Torr位、好ましくは、真空度1×10-3〜1×10-7Torr位に調製することが望ましいものである。
また、原料揮発供給装置においては、原料である有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバ−内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムを一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの面に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望ましく、また、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
【0027】
また、上記のプラズマ化学気相成長装置において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜の形成は、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの一方の面に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガスで酸化しながらSiOX の形で薄膜状に形成されるので、当該形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となるものであり、従って、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜のバリア性は、従来の真空蒸着法等によって形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と比較してはるかに高いものとなり、薄い膜厚で十分なガスバリア性を得ることができるものである。
また、本発明においては、SiOX プラズマにより、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの表面が、清浄化され、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの表面との密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較して低真空度であることから、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
【0028】
本発明において、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスを使用して形成される酸化珪素の蒸着膜は、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物が、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの一方の面と密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式SiOX (ただし、Xは、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。
而して、上記の酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましいものである。
上記において、Xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
【0029】
また、上記の酸化珪素の蒸着膜は、酸化珪素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有する蒸着膜からなることを特徴とするものである。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、SiH2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
而して、上記の化合物が、酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの面との界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムと酸化珪素の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
【0030】
而して、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜について、例えば、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化珪素の蒸着膜の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
また、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。 また、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
【0031】
次に、上記において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
【0032】
次に、本発明において、上記の物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜について更に詳しく説明すると、かかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法、イオンクラスタ−ビ−ム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
本発明において、具体的には、金属または金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの一方の面に蒸着する真空蒸着法、あるいは、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの一方の面に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。
上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
【0033】
本発明において、物理気相成長法による無機酸化物の薄膜膜を形成する方法について、その具体例を挙げると、図8は、巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
図8に示すように、巻き取り式真空蒸着装置51の真空チャンバ−52の中で、巻き出しロ−ル53から繰り出す、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルム54は、ガイドロ−ル55、56等を介して、冷却したコ−ティングドラム57に案内される。
而して、上記の冷却したコ−ティングドラム57上に案内された、延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルム54の一方の面に、るつぼ58で熱せられた蒸着源59、例えば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素ガス吹出口60より酸素ガス等を噴出し、これを供給しながら、マスク61、61を介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を成膜化し、次いで、上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成した延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルム54を、ガイドロ−ル62、63を介して送り出し、巻き取りロ−ル64に巻き取ることによって、本発明にかかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
なお、本発明においては、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物の蒸着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成するか、あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の蒸着膜を形成することにより、2層以上の多層膜からなる無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
【0034】
上記において、無機酸化物の蒸着膜としては、基本的には、金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の蒸着膜を使用することができる。
而して、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることができる。
また、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のようにMOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。
上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。
また、上記において、X=0の場合、完全な金属であり、透明ではなく全く使用することができない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。
本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、または、金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、使用する金属または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
【0035】
ところで、本発明において、上記のように延伸基材フィルムまたは延伸樹脂フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の面には、例えば、プライマ−剤層、印刷模様層、ヒ−トシ−ル性樹脂層、中間基材、その他等との密接着性等を向上させ 終局的には、それらの両者を強固に密着させて、その層間剥離(デラミ)等の発生を防止するために、酸素ガスによるプラズマ処理面を形成することが好ましいものである。
而して、本発明において、酸素ガスによるプラズマ処理面としては、気体をア−ク放電により電離させることにより生じるプラズマガスを利用して表面改質を行うプラズマ表面処理法等を利用して、酸素ガスによるプラズマ処理面を形成することがてきる。
而して、本発明において、プラズマガスとしては、酸素ガス、または、酸素ガスと窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、その他等の不活性ガスとの混合ガス等を使用するプラズマ表面処理法でプラズマ処理を行うことにより、酸素ガスによるプラズマ処理面を形成することができる。
なお、本発明において、酸素ガスによるプラズマ処理面を形成する場合、無機酸化物の蒸着膜を形成した後、その直後に、該無機酸化物の蒸着膜に、インラインで酸素ガスによるプラズマ放電処理を行うことにより、酸素ガスによるプラズマ処理面を形成することができるものである。
更に、本発明において、上記のプラズマ処理としては、プラズマ出力、プラズマガスの種類、プラズマガスの供給量、処理時間、その他等の条件を考慮してプラズマ放電処理をおこなうことが好ましいものである。
また、本発明において、プラズマを発生させる方法としては、例えば、直流グロ−放電、高周波放電、マイクロ波放電、その他等の装置を利用して行うことができる。
勿論、本発明において、大気圧プラズマ処理法によってもプラズマ処理面を形成することができるものである。
【0036】
次に、本発明において、本発明に係る積層材、包装用袋、包装製品等を構成する遮光性共押出積層フィルムについて説明すると、これが、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等の透過を阻止し、内容物が、分解ないし変質し、あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすということを防止するものであり、具体的には、透明ないし半透明の樹脂層と白色樹脂層と黒色または灰色の樹脂層と透明ないし半透明の樹脂層とを順次に共押出し、積層した遮光性共押出積層フィルム、あるいは、透明ないし半透明の樹脂層と白色樹脂層と黒色または灰色の樹脂層と白色樹脂層と透明ないし半透明の樹脂層とを順次に共押出し、積層した遮光性共押出積層フィルム等を使用することができる。
【0037】
上記の本発明に係る遮光性共押出積層フィルムにおいて、透明ないし半透明の樹脂層は、熱の作用により溶融し、本発明に係る積層材を構成する際に、延伸基材フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルム、延伸樹脂フィルムまたは無機酸化物を有する延伸樹脂フィルム等と融着して相互にラミネ−ト積層する作用を奏するものである。 また、上記の本発明に係る遮光性共押出積層フィルムにおいて、白色樹脂層は、基本的には、主として、黒色または灰色の樹脂層等を保護ないし隠蔽する保護層ないし隠蔽層、および、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等を反射ないし拡散し、その透過を阻止する遮光性ないし光遮断性層等として作用するものである。 更に、上記の本発明に係る遮光性共押出積層フィルムにおいて、黒色または灰色の樹脂層は、基本的には、主として、白色樹脂層と相互に相乗的に作用し、その太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等を吸収し、その透過を阻止する遮光性ないし光遮断性層等として作用するものである。
【0038】
而して、本発明において、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する透明ないし半透明の樹脂層は、例えば、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む樹脂組成物を使用して、本発明に係る透明ないし半透明の樹脂層を構成することができる。
また、本発明において、上記のような本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する白色樹脂層は、例えば、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含み、更に、白色顔料を含み、かつ、白色顔料の含有量が、上記のポリオレフィン系樹脂に対し、0.5重量%〜30.0重量%からなる樹脂組成物を使用して、本発明に係る白色樹脂層を構成することができる。
次に、本発明において、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する黒色または灰色の樹脂層は、例えば、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含み、更に、黒色顔料を含み、かつ、黒色顔料の含有量が、上記の接着性ポリオレフィン系樹脂に対し、0.1重量%〜20.0重量%からなる樹脂組成物、あるいは、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含み、更に、黒色顔料と白色顔料とを含み、かつ、黒色顔料の含有量が、ポリオレフィン系樹脂に対し、0.1重量%〜20.0重量%からなり、また、白色顔料の含有量が、黒色顔料の含有量に対し1倍〜30倍からなる樹脂組成物等を使用して、本発明に係る黒色または灰色の樹脂層を構成することができる。
【0039】
上記において、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する透明ないし半透明の樹脂層、白色樹脂層、黒色または灰色の樹脂層等を形成するポリオレフィン系樹脂としては、熱によって溶融し、Tダイ等から押出可能なポリオレフィン系樹脂、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他等のヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
【0040】
而して、本発明において、上記のポリオレフィン系樹脂としては、更に、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、その他等のα・オレフィンとの共重合体等のポリエチレン系樹脂を使用することが好ましいものである。
なお、本発明において、上記のポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂の溶融張力性等の観点から、具体的には、エチレンと1−オクテンとの共重合体を使用ことが好ましいものである。
上記のエチレンと1−オクテンとの共重合体としては、メルトフロ−レイト(MFR)が、0.1〜4.0g/10minの範囲内のもの、また、密度が、0.900〜0.930g/cm3 の範囲内のものを使用することができる。
上記において、メルトフロ−レイト(MFR)が、0.1g/10min未満であると、樹脂圧力上昇の原因となり、機械(製膜機)停止を招く等の理由から好ましくなく、また、メルトフロ−レイト(MFR)が、4.0g/10minを越えると、上吹きインフレ−ション製膜が困難となってしまうということ等の理由から好ましくないものである。 また、上記において、密度が、0.900g/cm3 未満であると、本発明に係る遮光性共押出積層フィルム全体のこし(剛度)の低下が発生するという理由から好ましくなく、また、密度が、0.930g/cm3 を越えると、熱シ−ル層(ヒ−トシ−ル材)としての適性に欠けてしまうという理由から好ましくないものである。
【0041】
また、本発明において、上記のポリオレフィン系樹脂としては、プロピレンのホモポリマ−、あるいは、プロピレンとエチレン等のα−オレフィンとのコポリマ−(共重合体)等のポリプロピレン系樹脂を使用することが好ましいものである。
なお、上記のポリプロピレン系樹脂としては、特に、そのブロックコポリマ−(共重合体)またはランダムコポリマ−(共重合体)を使用すること、更には、そのランダムコポリマ−(共重合体)を使用することが好ましいものでる。
而して、本発明において、ポリプロピレン系樹脂としては、溶融張力および延伸性等に優れ、後述するインレフレ−ション成形適性を有するポリプロピレン系樹脂を使用することが好ましく、具体的には、ポリプロピレン系樹脂の主鎖に長鎖分岐を導入させて、溶融状態での張力を高めたものを使用することが好ましいものである。
本発明において、具体的には、溶融張力および延伸性に優れたポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンとエチレン、あるいは、プロピレンと1−オクテンとのブロックまたはランダムコポリマ−からなるポリプロピレン系樹脂を使用することが好ましいものである。
而して、上記のプロピレンとエチレン、あるいは、プロピレンと1−オクテンとのブロックまたはランダムコポリマ−からなるポリプロピレン系樹脂において、密度としては、0.9〔g/cm3 〕位のもの、メルトフロ−レ−ト(MFR)としては、0.1〜2.0〔g/10分〕位の範囲のもの、溶融張力としては、100〔mN〕以上(10〔cN〕以上)の範囲のものを使用することができる。
また、上記において、メルトフロ−レ−ト(MFR)が、0.1〔g/10分〕未満の場合は、樹脂押出時に、樹脂圧力が、上昇してしまい製膜機に大きな負荷を与える等の理由から好ましくなく、また、2.0〔g/10分〕を越えるものは、上吹きインフレ−ション製膜法に適さず、上方に吹き上がらないという理由から好ましくないものである。 更に、上記において、溶融張力が、100〔mN〕未満(10〔cN〕未満)の場合には、上吹きインフレ−ション製膜法に適さないと理由から好ましくないものである。
【0042】
次に、本発明において、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する黒色または灰色の樹脂層を形成する黒色顔料としては、例えば、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは蛍光等を吸収し(主に近紫外から可視領域を吸収)、その透過を阻止ないし遮断し、包装用袋内に充填包装した内容物の分解ないし変質、あるいは、褪色、その他等の光劣化を防止するものであり、具体的には、例えば、黒色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤の1種ないし2種以上の混合物を使用することが望ましいものである。
本発明においては、上記の黒色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤としては、例えば、鉄黒、黒鉛、または、カ−ボンブラック、電気伝導性材料(ポリアニリン、ポリピロ−ル)、その他等の黒色顔料の1種ないし2種以上を使用することができる。
而して、本発明においては、上記の黒色顔料としてのカ−ボンブラックとしては、近年、発ガン性が指摘されているベンツピレンの混入を回避したベンツピレンフリ−の特殊顔料としてのカ−ボンブラックを使用することが好ましいものである。
本発明において、黒色顔料の使用量としては、樹脂組成物を形成するポリプロピレン系樹脂に対し、0.1重量%〜20.0重量%位、好ましくは、0.3重量%〜10.0重量%位添加して使用することが望ましいものである。
【0043】
次にまた、本発明において、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する黒色また灰色の樹脂層あるいは白色樹脂層等を形成する白色顔料としては、例えば、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは蛍光等を反射あるいは拡散し、その透過を阻止ないし遮断し、包装用袋に充填包装した内容物の分解ないし変質、あるいは、褪色、その他等の光劣化を防止するものであり、具体的には、例えば、白色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤の1種ないし2種以上の混合物を使用することが望ましいものである。
本発明においては、上記の白色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤としては、例えば、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性けい酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、三酸化アンチモン、アナタス形酸化チタン、ルチル形酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、その他等の白色顔料の1種ないし2種以上を使用することができる。
而して、白色顔料の使用量としては、灰色の樹脂層を形成する場合には、黒色顔料の含有量に対し、1倍〜30倍位が好ましく、また、白色樹脂層を形成する場合には、その樹脂組成物を形成するポリオレフィン系樹脂に対し、0.5重量%〜30.0重量%位、好ましくは、3.0重量%〜20.0重量%位添加して使用することが望ましいものである。
【0044】
次に、本発明において、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する各樹脂組成物について更に詳しく説明すると、まず、本発明において、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する透明ないし半透明の樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記のポリオレフィン系樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とし、これに、更に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、本発明に係る透明ないし半透明の樹脂層を形成する樹脂組成物を調整することができる。
【0045】
次に、本発明において、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する白色樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記のポリオレフィン系樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とし、これに、上記の白色顔料の1種ないし2種以上を添加し、かつ、上記の白色顔料の含有量が、0.5重量%〜30.0重量料%位、好ましくは、5.0重量%〜20.0重量%位からなる配合割合で添加し、更に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、本発明に係る白色樹脂層を形成する樹脂組成物を調製することができる。
【0046】
次に、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する黒色または灰色の樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記のポリオレフィン系樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とし、これに、上記の黒色顔料の1種ないし2種以上を添加し、かつ、上記の黒色顔料の含有量が、ポリオレフィン系樹脂に対し、0.1重量%〜20.0重量%位、好ましくは、0.3重量%〜10.0重量%からなる配合割合で添加し、更に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、本発明に係る黒色の樹脂層を形成する樹脂組成物を調製することができる。
【0047】
また、本発明において、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する灰色の樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記のポリオレフィン系樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とし、これに、上記の黒色顔料の1種ないし2種以上と上記の白色顔料の1種ないし2種以上とを添加し、かつ、上記の黒色顔料の含有量が、ポリオレフィン系樹脂に対し、0.1重量%〜20.0重量%位、好ましくは、0.3重量%〜10.0重量%からなり、また、上記の白色顔料の含有量が、上記の黒色顔料の含有量に対し、1倍〜30倍位、好ましくは、3倍〜15倍位からなる配合割合で添加し、更に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、本発明に係る灰色の樹脂層を形成する樹脂組成物を調製することができる。
【0048】
なお、本発明において、上記の本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する各樹脂組成物において、上記のプラスチック配合剤や添加剤等としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、染料、分散剤、界面活性剤、ブロッキング防止剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてき、更に、その添加量としては、極く微量から数十重量%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
【0049】
更に、上記において、配合剤や添加剤等としては、具体的には、それ自身が滑性を有し、かつ、樹脂中における移行が少ない滑剤を使用することができ、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、石油系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類、炭素数が8〜22の高級脂肪酸、または、高級脂肪酸アルミニウム、高級脂肪酸カルシウム、高級脂肪酸マグネシウム高級脂肪酸亜鉛、高級脂肪酸リチウム等の高級脂肪酸またはその金属塩、炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコ−ル、グリセリン、ソルビト−ル、プロピレングリコ−ル、ペンタエリスリト−ル、トリエチレングリコ−ル等の脂肪族アルコ−ル類、炭素数が4〜22の高級脂肪酸と炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコ−ルとのエステル類、アセチルクエン酸ドリブチル、アジピン酸ジ−2エチル−ヘキシル、アゼライン酸−n−ヘキシル、エタンジオ−ルモンタン酸エステル、ポリ(1.3−ブタンジオ−ルアジピン酸)エステル、アセチルリシノ−ル酸メチル、ポリ(1.3−ブチレングリコ−ル、1.4−ブチレングリコ−ル、アジピン酸オクチルアルコ−ル)エステル、糖ろう糖のアルコ−ルと脂肪酸とのエステル類、水添食用油脂、ひまし油、スパ−ムアセチワックス、アセチル化モノグリセライド糖のグリセライド類、炭素数が16〜18の例えばエチレンビスオレイルアミドに代表されるエチレンビス脂肪酸アミド、炭素数が8〜22の高級脂肪酸アミド、ステアリルエルカアミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミトアミド等の高級脂肪酸アミド類、その他、メチルヒドロジエンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・ジメチルポリシロキサン等のシリコ−ン油ヤロジンやマレイン酸変性ロジンのグリセリンエステル等の1種ないし2種以上を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のような滑剤の中でも、特に、エルカ酸アミドやエチレンビスオレイルアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等は、それ自身が滑性をもち、極めて有効な材料である。
上記の滑剤の添加量としては、ポリオレフィン系樹脂、バリア性樹脂、あるいは、接着性樹脂100重量部に対し0.08重量%〜10.0重量%位の割合で添加することが好ましいものである。
【0050】
また、本発明においては、その他、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸等のケイ酸塩、その他、カオリン、タルク、けいそう土等の無機化合物系のブロッキング防止剤、あるいは、高密度ポリエチレン、分子量300000以上の超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、ポリエステル、メラミン樹脂、ジアリルフタレ−ト樹脂、アクリル系樹脂、その他等の微粉末等からなる有機化合物系のブロッキング防止剤の1種ないし2種以上を添加することができる。
その添加量としては、ポリオレフィン系樹脂、バリア性樹脂、あるいは、接着性樹脂100重量部に対し0.01〜3重量%位が好ましい。
【0051】
次に、本発明において、上記のような各樹脂組成物を使用して、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造する方法について説明すると、本発明においては、まず、上記のように各樹脂組成物を調製し、次いで、その樹脂組成物を使用し、しかる後、それらの樹脂組成物を、例えば、Tダイ共押出機、インフレ−ション共押出機等を使用して共押出成形して、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造することができるものである。
【0052】
而して、本発明において、上記のような各樹脂組成物を使用し、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造する具体的方法について説明すると、本発明においては、まず、前述のように、本発明に係る透明ないし半透明の樹脂層を形成する樹脂組成物と、本発明に係る白色樹脂層を形成する樹脂組成物と、本発明に係る黒色または灰色の樹脂層を形成する樹脂組成物とを調製し、次いで、その3種類の樹脂組成物を使用し、これらを、例えば、Tダイ共押出機、インフレ−ション共押出機等を使用して共押出成形して、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムからなり、更に、第1層が、透明ないし半透明の樹脂層、第2層が、白色樹脂層、第3層が、黒色または灰色の樹脂層、第4層が、透明ないし半透明の樹脂層の順で順次に4層共押出積層した構成からなる本発明に係る3種4層からなる遮光性共押出積層フィルムを製造することができる。
【0053】
あるいは、本発明において、まず、前述のように、本発明に係る透明ないし半透明の樹脂層を形成する樹脂組成物と、本発明に係る白色樹脂層を形成する樹脂組成物と、本発明に係る黒色または灰色の樹脂層を形成する樹脂組成物とを調製し、次いで、その3種類の樹脂組成物を使用し、これらを、例えば、Tダイ共押出機、インフレ−ション共押出機等を使用して共押出成形して、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムからなり、更に、第1層が、透明ないし半透明の樹脂層、第2層が、白色樹脂層、第3層が、黒色または灰色の樹脂層、第4層が、白色樹脂層、第5層が、透明ないし半透明の樹脂層の順で順次に5層共押出積層した構成からなる本発明に係る3種5層からなる遮光性共押出積層フィルムを製造することができる。
【0054】
上記の例示は、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムの製造法についてその一二例を例示したものであり、本発明は、これに限定されるものではないものである。
なお、一般的に、上記のような各樹脂組成物を使用して、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを押出製膜化する場合、フィルム製膜化にとって、例えば、製品替え(パ−ジ)時に、押出機等の分解清掃等の作業が負荷されるので、樹脂組成物中に顔料等の着色剤を使用することは回避したいものであり、着色剤無添加フィルムの製膜化が望まれるものである。
そこで本発明においては、押出機の顔料等の着色剤による汚れを回避できないものの一番分解が困難であるダイスにおいて、顔料等の着色剤による汚れが生じない積層フィルムを製膜化すべく、外層として、顔料等の着色剤を添加しない透明ないし半透明の樹脂層を構成する樹脂組成物を使用し、これにより、顔料等の着色剤無添加の樹脂膜を5μm〜100μmとし、これにより、ダイスの汚れ等を保護するという利点を有するものである。 また、本発明においては、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造するに際して、透明ないし半透明の樹脂層、白色樹脂層、黒色または灰色の樹脂層等は、各樹脂組成物を2以上の樹脂組成物に分けて使用し、1層のみならず2層以上の多層に共押出積層することができるものである。
更に、本発明においては、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムとしては、その使用目的、用途等によって、他の材料を使用し、これを任意に共押出積層して、種々の形態からなる遮光性共押出積層フィルムを設計して製造することができるものである。
【0055】
而して、本発明において、上記のような白色樹脂層と黒色または灰色の樹脂層の2〜3層からなる遮光性ないし光遮断性層により、その一方の層で太陽光等を吸収すると共にその他方の層で太陽光等を反射ないし拡散し、その2層による相乗の作用効果により、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは蛍光等の透過を完全に阻止ないし遮断し、包装よう袋内に充填包装した内容物の分解ないし変質、あるいは、褪色、その他等の光劣化をより一層防止するという作用効果を大ならしめるものである。
また、本発明においては、上記の白色樹脂層は、上記の黒色または灰色の樹脂層等を保護する保護層、あるいは、隠蔽する隠蔽層として作用し、包装製品の外観美粧性等を達成するという効果を奏することができるものである。
更に、本発明においては、上記の透明ないし半透明の樹脂層は、本発明に係る積層材を構成する延伸基材フィルム、無機酸化物の蒸着膜を有する基材フィルム、延伸樹脂フィルム、無機酸化物の蒸着膜を有する延伸樹脂フィルム等とのラミネ−ト積層のシ−ル部等を形成するシ−ル性樹脂層としての機能を奏すると共に白色樹脂層と黒色または灰色の樹脂層を保護する保護層、あるいは、隠蔽する隠蔽層として作用するものである。
【0056】
次に、本発明において、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムの膜厚としては、約17μm〜290μm位、好ましくは、30μm〜220μm位が望ましいものである。
而して、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムにおいて、該遮光性共押出積層フィルムを構成する各層の膜厚としては、まず、透明ないし半透明の樹脂層としては、膜厚5μm〜100μm、好ましくは、10μm〜80μm位、白色樹脂層としては、膜厚4μm〜30μm、好ましくは、5μm〜20μm位、黒色または灰色の樹脂層としては、膜厚3μm〜30μm、好ましくは、5μm〜20μm位の範囲からなることが好ましいものである。
上記において、本発明にかかる遮光性共押出積層フィルムを構成する各層の膜厚として、まず、透明ないし半透明の樹脂層の膜厚として、5μm未満であるとシ−ル性に劣ることから好ましくなく、また、100μmを超えると、その膜厚が高くなり、無駄等になり好ましくないものである。
次に、白色樹脂層の膜厚として、膜厚4μm未満であると、黒色または灰色の樹脂層を隠蔽することが困難になり、外観上、美観性等が低下すること等の理由から好ましくなく、また、膜厚30μmを越えると、遮光性性能、隠蔽性等は高くなるものの、全体の厚みが大きくなり、包装ゴミ等として環境に与える影響等が大きくなる恐れがあること等の理由から好ましくないものである。
次に、黒色または灰色の樹脂層の膜厚として、膜厚3μm未満であると、遮光性ないし光遮断性層等としての機能が低下し、更に、厚みムラに大きく左右されるという問題点を生じるおそれがあること等の理由から好ましくなく、また、膜厚30μmを越えると、遮光性ないし光遮断性等は高くなるが、それを隠蔽する白色樹脂層等の設定、選択等が困難になること等の理由から好ましくないものである。
【0057】
なお、本発明において、本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを構成する各層の層間の積層強度、密接着強度等を向上させるために、接着性を有するポリオレフィン系樹脂、具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他等のヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
【0058】
次に、本発明において、本発明に係る積層材、包装用袋、包装製品等を構成するヒ−トシ−ル性樹脂フィルムについて説明すると、かかるヒ−トシ−ル性樹脂フィルムとしては、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、シングルサイト触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン・αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂のフィルムないしシ−トあるいはその塗布膜等を使用することができる。
上記の樹脂のフィルムないしシ−トは、単層ないし多層で使用することができ、また、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、5μm〜300μm位、好ましくは、10μm〜110μm位が望ましい。
更に、本発明において、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、本発明に係る積層材を使用し、包装用袋の製袋時において、積層材を構成する無機酸化物の蒸着膜に、擦り傷、あるいは、クラック等を発生するすることを防止するために、比較的に、その膜厚を厚くすることが好ましく、具体的には、40μm〜110μm位、望ましくは、50μm〜100μm位であることが好ましいものである。
而して、本発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、厚さ50μm〜100μm位の無延伸ポリプロピレンフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
【0059】
なお、本発明においては、通常、包装用容器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、包装用容器を構成する包装材料には、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本発明においては、上記のような諸条件を充足するその他の材料を任意に選択し、これらを上記の材料と共に任意に積層して、種々の層構成からなる積層材を製造することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ− ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0060】
次に、本発明において、上記の本発明に係る積層材の製造法としては、例えば、プライマ−剤層あるいはラミネ−ト用接着剤層等を介して積層するドライラミネ−ト積層法、または、プライマ−剤層あるいはアンカ−コ−ト剤層等を介して積層する押出ラミネ−ト積層法、その他等の積層法を用いて、種々の形態からなる積層材を製造することができる。
【0061】
上記のラミネ−ト用接着剤層について説明すると、かかるラミネ−ト用接着剤層を構成するラミネ−ト用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマ−、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレ−ト系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマ−との共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロ−ス系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノ−ル樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコ−ン系接着剤、アルカリ金属シリケ−ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することがてきる。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0062】
また、上記のアンカ−コ−ト剤層について説明すると、かかるアンカ−コ−ト剤層を構成するアンカ−コ−ト剤としては、例えば、アルキルチタネ−ト等の有機チタン系、イソシアネ−ト系、ポリエチレンイミン系、ポリプタジエン系、その他等の水性ないし油性の各種のアンカ−コ−ト剤を使用することができる。
上記のアンカ−コ−ト剤は、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングすることができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0063】
更に、上記の押出ラミネ−ト積層法における溶融押出樹脂層としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、酸変性ポリエチレン系樹脂、酸変性ポリプロピレン系樹脂、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、サ−リン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン−アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
なお、上記の押出ラミネ−ト積層法において、より強固な接着強度を得るために、例えば、上記のアンカ−コ−ト剤等のアンカ−コ−ト剤層を介して、積層することができる。
【0064】
また、本発明において、プライマ−剤層としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用してプライマ−剤層を形成することができる。
なお、本発明においては、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングしてプライマ−コ−ト剤層を形成することができ、而して、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
また、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことがでる。
【0065】
なお、本発明において、上記の本発明に係る積層材においては、その積層材を構成するいずれかの素材の表面または裏面もしくはその両面に、任意の印刷模様層を設けることができるものである。
而して、本発明において、上記の印刷模様層としては、例えば、上記の所望の材料の上に、例えば、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、印刷模様層を形成することができるものである。
而して、上記の印刷模様層としては、具体的には、まず、樹脂等の1種ないし2種以上からなるインキ用ビヒクルを主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、上記の所望の材料の上に、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することができるものである。
【0066】
上記において、インキ用ビヒクルとしては、公知のもの、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノ−ル系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、フェノ−ル系樹脂、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、塩化ゴム、環化ゴム、その他等の1種ないし2種以上を使用することができる。
【0067】
以上の説明で明らかなように、本発明に係る積層材は、アルミニウムレスでありながら遮光性に優れ、かつ、酸素ガスおよび水蒸気の透過を阻止するガスバリア性あるいは内容物中の成分等の吸着、浸透、透過等を阻止するバリア性等に優れ、また、ヒ−トシ−ル性等にも優れ、更に、強度等を有し、かつ、耐侯性、耐熱性、耐水性、ラミネ−ト強度、その他等の諸堅牢性に優れ、特に、遮光性ないし光遮断性、バリア性等に優れ、例えば、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等の透過を阻止し、内容物が、分解ないし変質し、あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすということを防止し、内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、特に、完全遮光を要する産業部材としての感光性材料の包装用材料として極めて優れた有用性を有し、かつ、包装外観を損ねることなく美粧性に優れ、更に、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れ、また、金属探知機等による金属片(異物)探知も容易であるという利点を有するものである。
而して、本発明に係る積層材は、これを使用して製袋し、種々の形態からなる包装用袋等を構成する包装用材料、その他等の用途に適用し得るものである。
【0068】
而して、本発明において、上記のように本発明に係る積層材を使用して、本発明に係る包装用袋を製袋する方法について説明すると、上記のような本発明に係る積層材を使用し、その内層のヒ−トシ−ル性樹脂フィルムの面を対向させて、それを折り重ねるか、或いは、その二枚を重ね合わせ、更にその周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を設けて、種々の形態からなる包装用袋を製袋することができる。
而して、その製袋方法としては、上記の積層材を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明に係る種々の形態の包装用袋を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造することができる。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装用袋には、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができる。
【0069】
本発明において、上記のようにして製造した包装用袋は、例えば、飲食品、果汁、ジュ−ス、飲料水、酒、調理食品、水産練り製品、冷凍食品、肉製品、煮物、餅、液体ス−プ、調味料、その他等の各種の飲食料品、接着剤、粘着剤、液体洗剤等の化成品ないし化粧品、医薬品、ケミカルカイロ等の雑貨品、感光性材料、その他の物品からなる内容物を充填包装することができるものである。
而して、本発明においては、特に、例えば、醤油、ソ−ス、ス−プ等を充填包装する自立性袋、生菓子等を充填包装する自立性袋、冷凍食品を充填包装する包装用袋、あるいは、ボイルあるいはレトルト食品等を充填包装する自立性袋等の液体飲食物あるいは水分等を含む飲食物等を充填包装する自立性袋として有用なものである。
本発明においては、例えば、上記で製造した自立性袋の開口部から、例えば、飲食品、その他等の内容物を充填し、次いで、上方の開口部をヒ−トシ−ルして上方のシ−ル部等を形成し、更に、必要に応じて、例えば、ボイル処理、レトルト処理等を施して、種々の形態からなる包装製品を製造することができるものである。
また、本発明においては、特に、産業材料としての感光性材料、例えば、フィルム、感光剤、その他等の物品を充填包装する自立性袋として有用なものである。
【0070】
而して、本発明において、上記で製造される包装製品は、本発明に係る積層材が、特に、遮光性ないし光遮断性、バリア性等に優れ、例えば、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等の透過を阻止し、内容物が、分解ないし変質し、あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすということを防止することが可能であることから、例えば、内容物として、油脂等を含む飲食品等である場合、太陽光あるいは蛍光等の透過によるし油脂成分等の酸化を防止し得るという利点を有するものである。
特に、冷凍飲食品等においては、通常、ス−パ−等の量販店で取り扱われることが多く、この場合、蛍光灯等による蛍光等を多く受ける陳列棚に置かれて販売されているのが実状である。
而して、上記のような環境下において販売されている冷凍飲食品等は、油脂成分が、500nm以下の波長の光線による影響を大きく受け、550nm前後の黄色帯域に可視光の吸収極大を持っていることから、蛍光灯等による蛍光等の影響を受け、その酸化反応が促進し、内容物の分解ないし変質等を生じるおそれがあるものである。
【0071】
しかしながら、上記のように本発明に係る積層材は、特に、遮光性ないし光遮断性に優れ、例えば、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等の透過を阻止し、内容物が、分解ないし変質し、あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすということを防止することが可能であることから、本発明に係る積層材を使用し、その積層材から製袋した本発明に係る包装用袋を使用した冷凍飲食品においては、ス−パ−等の量販店で取り扱われ、蛍光灯等による蛍光等を多く受ける陳列棚に置かれて販売されて、蛍光灯等による蛍光等の影響を受けても、それによる酸化反応の促進を防止し、内容物の分解ないし変質等の発生を防止し得るものである。
また、本発明において、上記で製造される包装製品は、アルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等を使用しないことから、金属(異物)探知機を使用し、金属(異物)探知機等による金属(異物)探知も可能であるという利点を有するものである。
【0072】
また、本発明において、上記で製造される包装製品は、本発明に係る積層材が、特に、遮光性ないし光遮断性に優れ、例えば、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等の透過を阻止し、内容物が、分解ないし変質し、あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすということを防止することが可能であることから、例えば、内容物として、産業材料としての感光性材料を充填包装する包装用材料として有用性を有するものである。 次に、本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
【実施例1】
【0073】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、および、(ニ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてベンツピレンフリ−のカ−ボンブラック1.5重量部と、白色顔料として酸化チタン25.0重量部とを十分に混練して、接着性樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した各樹脂組成物を使用し、これらを、3種4層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を10μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μm、(ニ)の樹脂組成物による層を40μmにそれぞれ共押出して製膜化して、3種4層の総厚50μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造した。
上記で製造した遮光性共押出積層フィルムについて、第一層側から視認すると、乳白色で美観性に優れていた。
更に、上記で製造した遮光性共押出積層フィルムにおいては、遮光性は、十分で、油脂の酸化に起因する各波長を殆ど透過させず、極めて良好であった。
(2).他方、延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これを、プラズマ化学気相成長装置の巻き出しロールに装着し、次いで、ライン速度100mm/minで搬送し、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス600sccmを導入して、出力20kWでプラズマ処理を行って、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成し、次いで、そのプラズマ処理面に、下記に示す条件により、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比;へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:11:10(単位:Slm)
到達圧力;5.2×10-6mbar
製膜圧力;5.1×10-2mbar
ライン速度;100m/min
パワー;30kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度100m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを製造した。
(3).次に、上記の(1)で製造した本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを使用し、その両表面にコロナ放電処理し、次に、その両コロナ処理面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオ−ル、硬化剤:脂肪族シソシアネ−ト)を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (ドライ)塗布して、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、その一方のラミネ−ト用接着剤層面に、包装用袋外表面としての延伸基材フィルムである厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−ト積層し、その他方のラミネ−ト用接着剤層面に、上記の(2)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを、その酸化珪素の蒸着膜の面を対向させて重ね合わせて、ドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムの二軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、シ−ラントフィルムとして、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム[株式会社DNPテクノフィルム社製、商品名、「NEW EXPRT」]を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者をドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
(4).次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、インパルスシ−ラ−を用いて、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造して、カレ−レトルトパウチとした。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部からカレ−を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、120℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、本発明に係る保存用カレ−レトルト包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品においては、レトルト処理後にレトルト包装用袋の外観は、カレ−の黄色色素(タ−メリック)に染まることなく美麗であった。
また、37℃、1600ルクスの光照射環境下において一カ月間の保持試験を実施したところ、製品内容の変退色、および、臭味劣化は認められなかった。
【実施例2】
【0074】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、および、(ホ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてベンツピレンフリ−のカ−ボンブラック1.5重量部と、白色顔料として酸化チタン25.0重量部とを十分に混練して、接着性樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ホ).第五層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した各樹脂組成物を使用し、これらを、3種5層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μm、(ニ)の樹脂組成物による層を10μm、(ホ)の樹脂組成物による層を5μmにそれぞれ共押出して製膜化して、3種5層の総厚50μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造した。
上記で製造した遮光性共押出積層フィルムについて、第一層側から視認すると、乳白色で美観性に優れていた。
更に、上記で製造した遮光性共押出積層フィルムにおいては、遮光性は、十分で、油脂の酸化に起因する各波長を殆ど透過させず、極めて良好であった。
(2).次に、延伸基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを、プラズマ化学気相成長装置の巻き出しロールに装着し、次いで、ライン速度150mm/minで搬送し、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス600sccmを導入して、出力20kWでプラズマ処理を行って、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成し、次いで、そのプラズマ処理面に、下記に示す条件により、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比;へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:Slm)
到達圧力;5.0×10-5mbar
製膜圧力;7.0×10-2mbar
ライン速度;150m/min
パワー;35kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度150m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを製造した。
(3).他方、延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これを、プラズマ化学気相成長装置の巻き出しロールに装着し、次いで、ライン速度100mm/minで搬送し、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス600sccmを導入して、出力20kWでプラズマ処理を行って、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成し、次いで、そのプラズマ処理面に、下記に示す条件により、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比;へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:11:10(単位:Slm)
到達圧力;5.2×10-6mbar
製膜圧力;5.1×10-2mbar
ライン速度;100m/min
パワー;30kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度100m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを製造した。
(4).次に、上記の(1)で製造した本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを使用し、その両表面にコロナ放電処理し、次に、その両コロナ処理面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオ−ル、硬化剤:脂肪族シソシアネ−ト)を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (ドライ)塗布して、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、その一方のラミネ−ト用接着剤層面に、包装用袋外表面としての延伸基材フィルムである上記の(2)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その酸化珪素の蒸着膜の面を対向させて重ね合わせてドライラミネ−ト積層し、その他方のラミネ−ト用接着剤層面に、上記の(3)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを、その酸化珪素の蒸着膜の面を対向させて重ね合わせて、ドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムの二軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、シ−ラントフィルムとして、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム[株式会社DNPテクノフィルム社製、商品名、「NEW EXPRT」]を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者をドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
(5).次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、インパルスシ−ラ−を用いて、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造して、カレ−レトルトパウチとした。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部からカレ−を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、120℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、本発明に係る保存用カレ−レトルト包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品においては、レトルト処理後にレトルト包装用袋の外観は、カレ−の黄色色素(タ−メリック)に染まることなく美麗であった。
また、37℃、1600ルクスの光照射環境下において一カ月間の保持試験を実施したところ、製品内容の変退色、および、臭味劣化は認められなかった。
【実施例3】
【0075】
(1).上記の実施例1において、上記の実施例1の(2)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムの代わりに、下記の(2)の方法で製造した酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、その他は、上記の実施例1と全く同様にして、上記の実施例1と同様な積層材、包装用袋、包装製品を製造することができた。
(2).延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これを、巻き取り式真空蒸着装置の巻き出しロールに装着し、次いで、上記の二軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、不活性ガスによるプラズマ処理を施すことなく、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kw
フィルムの搬送速度;240m/min
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを製造した。
【実施例4】
【0076】
(1).上記の実施例2において、上記の実施例2の(2)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの代わりに、下記の(2)の方法で製造した酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、また、上記の実施例2の(3)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムの代わりに、下記の(3)の方法で製造した酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、その他は、上記の実施例2と全く同様にして、上記の実施例2と同様な積層材、包装用袋、包装製品を製造することができた。
(2).延伸基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kW
フィルムの搬送速度;240m/分
蒸着面;コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧 6.0×10-2mbar、処理速度 240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを製造した。
(3).延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これを、巻き取り式真空蒸着装置の巻き出しロールに装着し、次いで、上記の二軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、不活性ガスによるプラズマ処理を施すことなく、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kw
フィルムの搬送速度;240m/min
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを製造した。
【実施例5】
【0077】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、および、(ニ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部を十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてベンツピレンフリ−のカ−ボンブラック1.5重量部と、白色顔料として酸化チタン25.0重量部とを十分に混練して、接着性樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した各樹脂組成物を使用し、これらを、3種4層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を10μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μm、(ニ)の樹脂組成物による層を40μmにそれぞれ共押出して製膜化して、3種4層の総厚50μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造した。
上記で製造した遮光性共押出積層フィルムについて、第一層側から視認すると、乳白色で美観性に優れていた。
更に、上記で製造した遮光性共押出積層フィルムにおいては、遮光性は、十分で、油脂の酸化に起因する各波長を殆ど透過させず、極めて良好であった。
(2).他方、延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これを、プラズマ化学気相成長装置の巻き出しロールに装着し、次いで、ライン速度100mm/minで搬送し、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス600sccmを導入して、出力20kWでプラズマ処理を行って、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成し、次いで、そのプラズマ処理面に、下記に示す条件により、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比;へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:11:10(単位:Slm)
到達圧力;5.2×10-6mbar
製膜圧力;5.1×10-2mbar
ライン速度;100m/min
パワー;30kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度100m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを製造した。
(3).次に、上記の(1)で製造した本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを使用し、その両表面にコロナ放電処理し、次に、その両コロナ処理面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオ−ル、硬化剤:脂肪族シソシアネ−ト)を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (ドライ)塗布して、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、その一方のラミネ−ト用接着剤層面に、包装用袋外表面としての延伸基材フィルムである厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−ト積層し、その他方のラミネ−ト用接着剤層面に、上記の(2)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを、その酸化珪素の蒸着膜の面を対向させて重ね合わせて、ドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムの二軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、シ−ラントフィルムとして、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム[株式会社DNPテクノフィルム社製、商品名、「NEW EXPRT」]を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者をドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
(4).次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、インパルスシ−ラ−を用いて、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造して、カレ−レトルトパウチとした。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部からカレ−を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、120℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、本発明に係る保存用カレ−レトルト包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品においては、レトルト処理後にレトルト包装用袋の外観は、カレ−の黄色色素(タ−メリック)に染まることなく美麗であった。
また、37℃、1600ルクスの光照射環境下において一カ月間の保持試験を実施したところ、製品内容の変退色、および、臭味劣化は認められなかった。
【実施例6】
【0078】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、および、(ホ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部を十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてベンツピレンフリ−のカ−ボンブラック1.5重量部と、白色顔料として酸化チタン25.0重量部とを十分に混練して、接着性樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部を十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ホ).第五層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した各樹脂組成物を使用し、これらを、3種5層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μm、(ニ)の樹脂組成物による層を10μm、(ホ)の樹脂組成物による層を5μmにそれぞれ共押出して製膜化して、3種5層の総厚50μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造した。
上記で製造した遮光性共押出積層フィルムについて、第一層側から視認すると、乳白色で美観性に優れていた。
更に、上記で製造した遮光性共押出積層フィルムにおいては、遮光性は、十分で、油脂の酸化に起因する各波長を殆ど透過させず、極めて良好であった。
(2).次に、延伸基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを、プラズマ化学気相成長装置の巻き出しロールに装着し、次いで、ライン速度150mm/minで搬送し、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス600sccmを導入して、出力20kWでプラズマ処理を行って、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成し、次いで、そのプラズマ処理面に、下記に示す条件により、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比;へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:Slm)
到達圧力;5.0×10-5mbar
製膜圧力;7.0×10-2mbar
ライン速度;150m/min
パワー;35kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度150m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを製造した。
(3).他方、延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これを、プラズマ化学気相成長装置の巻き出しロールに装着し、次いで、ライン速度100mm/minで搬送し、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス600sccmを導入して、出力20kWでプラズマ処理を行って、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成し、次いで、そのプラズマ処理面に、下記に示す条件により、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比;へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:11:10(単位:Slm)
到達圧力;5.2×10-6mbar
製膜圧力;5.1×10-2mbar
ライン速度;100m/min
パワー;30kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度100m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを製造した。
(4).次に、上記の(1)で製造した本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを使用し、その両表面にコロナ放電処理し、次に、その両コロナ処理面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオ−ル、硬化剤:脂肪族シソシアネ−ト)を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (ドライ)塗布して、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、その一方のラミネ−ト用接着剤層面に、包装用袋外表面としての延伸基材フィルムである上記の(2)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その酸化珪素の蒸着膜の面を対向させて重ね合わせてドライラミネ−ト積層し、その他方のラミネ−ト用接着剤層面に、上記の(3)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを、その酸化珪素の蒸着膜の面を対向させて重ね合わせて、ドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムの二軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、シ−ラントフィルムとして、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム[株式会社DNPテクノフィルム社製、商品名、「NEW EXPRT」]を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者をドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
(5).次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、インパルスシ−ラ−を用いて、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造して、カレ−レトルトパウチとした。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部からカレ−を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、120℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、本発明に係る保存用カレ−レトルト包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品においては、レトルト処理後にレトルト包装用袋の外観は、カレ−の黄色色素(タ−メリック)に染まることなく美麗であった。
また、37℃、1600ルクスの光照射環境下において一カ月間の保持試験を実施したところ、製品内容の変退色、および、臭味劣化は認められなかった。
【実施例7】
【0079】
(1).上記の実施例5において、上記の実施例5の(2)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムの代わりに、下記の方法で製造した酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、その他は、上記の実施例5と全く同様にして、上記の実施例5と同様な積層材、包装用袋、包装製品を製造することができた。
(2).延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これを、巻き取り式真空蒸着装置の巻き出しロールに装着し、次いで、上記の二軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、不活性ガスによるプラズマ処理を施すことなく、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kw
フィルムの搬送速度;240m/min
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを製造した。
【実施例8】
【0080】
(1).上記の実施例6において、上記の実施例6の(2)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの代わりに、下記の(2)の方法で製造した酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、また、上記の実施例6の(3)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムの代わりに、下記の(3)の方法で製造した酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、その他は、上記の実施例6と全く同様にして、上記の実施例6と同様な積層材、包装用袋、包装製品を製造することができた。
(2).延伸基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kW
フィルムの搬送速度;240m/分
蒸着面;コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧 6.0×10-2mbar、処理速度 240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを製造した。
(3).延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これを、巻き取り式真空蒸着装置の巻き出しロールに装着し、次いで、上記の二軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、不活性ガスによるプラズマ処理を施すことなく、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kw
フィルムの搬送速度;240m/min
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ナイロン6フィルムを製造した。
【実施例9】
【0081】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、および、(ホ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてベンツピレンフリ−のカ−ボンブラック1.5重量部と、白色顔料として酸化チタン25.0重量部とを十分に混練して、接着性樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ホ).第五層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した各樹脂組成物を使用し、これらを、3種5層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μm、(ニ)の樹脂組成物による層を10μm、(ホ)の樹脂組成物による層を5μmにそれぞれ共押出して製膜化して、3種5層の総厚50μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造した。
上記で製造した遮光性共押出積層フィルムについて、第一層側から視認すると、乳白色で美観性に優れていた。
更に、上記で製造した遮光性共押出積層フィルムにおいては、遮光性は、十分で、油脂の酸化に起因する各波長を殆ど透過させず、極めて良好であった。
(2).次に、延伸基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを、プラズマ化学気相成長装置の巻き出しロールに装着し、次いで、ライン速度150mm/minで搬送し、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス600sccmを導入して、出力20kWでプラズマ処理を行って、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成し、次いで、そのプラズマ処理面に、下記に示す条件により、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比;へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:Slm)
到達圧力;5.0×10-5mbar
製膜圧力;7.0×10-2mbar
ライン速度;150m/min
パワー;35kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度150m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを製造した。
(3).次に、上記の(1)で製造した本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを使用し、その両表面にコロナ放電処理し、次に、その両コロナ処理面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオ−ル、硬化剤:脂肪族シソシアネ−ト)を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (ドライ)塗布して、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、その一方のラミネ−ト用接着剤層面に、包装用袋外表面としての延伸基材フィルムである上記の(2)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その酸化珪素の蒸着膜の面を対向させて重ね合わせてドライラミネ−ト積層し、その他方のラミネ−ト用接着剤層面に、延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせて、ドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層した二軸延伸ナイロン6フィルムの他方の面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、シ−ラントフィルムとして、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム[株式会社DNPテクノフィルム社製、商品名、「NEW EXPRT」]を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者をドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
(4).次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、インパルスシ−ラ−を用いて、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造して、カレ−レトルトパウチとした。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部からカレ−を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、120℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、本発明に係る保存用カレ−レトルト包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品においては、レトルト処理後にレトルト包装用袋の外観は、カレ−の黄色色素(タ−メリック)に染まることなく美麗であった。
また、37℃、1600ルクスの光照射環境下において一カ月間の保持試験を実施したところ、製品内容の変退色、および、臭味劣化は認められなかった。
【実施例10】
【0082】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、および、(ニ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてベンツピレンフリ−のカ−ボンブラック1.5重量部と、白色顔料として酸化チタン25.0重量部とを十分に混練して、接着性樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
機能性ポリプロピレンブロックコポリマ−(サンアロマ−株式会社製、商品名、PC380A、密度=0.9g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.0g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した各樹脂組成物を使用し、これらを、3種4層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を10μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μm、(ニ)の樹脂組成物による層を40μmにそれぞれ共押出して製膜化して、3種4層の総厚50μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造した。
上記で製造した遮光性共押出積層フィルムについて、第一層側から視認すると、乳白色で美観性に優れていた。
更に、上記で製造した遮光性共押出積層フィルムにおいては、遮光性は、十分で、油脂の酸化に起因する各波長を殆ど透過させず、極めて良好であった。
(2).延伸基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kW
フィルムの搬送速度;240m/分
蒸着面;コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧 6.0×10-2mbar、処理速度 240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを製造した。
(3).次に、上記の(1)で製造した本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを使用し、その両表面にコロナ放電処理し、次に、その両コロナ処理面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオ−ル、硬化剤:脂肪族シソシアネ−ト)を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (ドライ)塗布して、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、その一方のラミネ−ト用接着剤層面に、包装用袋外表面としての延伸基材フィルムである上記の(2)で製造した酸化アルミニウムの蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その酸化アルミニウムの蒸着膜の面を対向させて重ね合わせてドライラミネ−ト積層し、その他方のラミネ−ト用接着剤層面に、延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせて、ドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層した二軸延伸ナイロン6フィルムの他方の面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、シ−ラントフィルムとして、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム[株式会社DNPテクノフィルム社製、商品名、「NEW EXPRT」]を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者をドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
(4).次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、インパルスシ−ラ−を用いて、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造して、カレ−レトルトパウチとした。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部からカレ−を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、120℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、本発明に係る保存用カレ−レトルト包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品においては、レトルト処理後にレトルト包装用袋の外観は、カレ−の黄色色素(タ−メリック)に染まることなく美麗であった。
また、37℃、1600ルクスの光照射環境下において一カ月間の保持試験を実施したところ、製品内容の変退色、および、臭味劣化は認められなかった。
【実施例11】
【0083】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、および、(ニ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部を十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてベンツピレンフリ−のカ−ボンブラック1.5重量部と、白色顔料として酸化チタン25.0重量部とを十分に混練して、接着性樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した各樹脂組成物を使用し、これらを、3種4層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を10μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μm、(ニ)の樹脂組成物による層を40μmにそれぞれ共押出して製膜化して、3種4層の総厚50μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造した。
上記で製造した遮光性共押出積層フィルムについて、第一層側から視認すると、乳白色で美観性に優れていた。
更に、上記で製造した遮光性共押出積層フィルムにおいては、遮光性は、十分で、油脂の酸化に起因する各波長を殆ど透過させず、極めて良好であった。
(2).延伸基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kW
フィルムの搬送速度;240m/分
蒸着面;コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧 6.0×10-2mbar、処理速度 240m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを製造した。
(3).次に、上記の(1)で製造した本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを使用し、その両表面にコロナ放電処理し、次に、その両コロナ処理面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオ−ル、硬化剤:脂肪族シソシアネ−ト)を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (ドライ)塗布して、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、その一方のラミネ−ト用接着剤層面に、包装用袋外表面としての延伸基材フィルムである上記の(2)で製造した酸化アルミニウムの蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その酸化アルミニウムの蒸着膜の面を対向させて重ね合わせてドライラミネ−ト積層し、その他方のラミネ−ト用接着剤層面に、延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせて、ドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層した二軸延伸ナイロン6フィルムの他方の面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、シ−ラントフィルムとして、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム[株式会社DNPテクノフィルム社製、商品名、「NEW EXPRT」]を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者をドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
(4).次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、インパルスシ−ラ−を用いて、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造して、カレ−レトルトパウチとした。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部からカレ−を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、120℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、本発明に係る保存用カレ−レトルト包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品においては、レトルト処理後にレトルト包装用袋の外観は、カレ−の黄色色素(タ−メリック)に染まることなく美麗であった。
また、37℃、1600ルクスの光照射環境下において一カ月間の保持試験を実施したところ、製品内容の変退色、および、臭味劣化は認められなかった。
【実施例12】
【0084】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、および、(ホ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部を十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてベンツピレンフリ−のカ−ボンブラック1.5重量部と、白色顔料として酸化チタン25.0重量部とを十分に混練して、接着性樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部を十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(ホ).第五層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した各樹脂組成物を使用し、これらを、3種5層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μm、(ニ)の樹脂組成物による層を10μm、(ホ)の樹脂組成物による層を5μmにそれぞれ共押出して製膜化して、3種5層の総厚50μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを製造した。
上記で製造した遮光性共押出積層フィルムについて、第一層側から視認すると、乳白色で美観性に優れていた。
更に、上記で製造した遮光性共押出積層フィルムにおいては、遮光性は、十分で、油脂の酸化に起因する各波長を殆ど透過させず、極めて良好であった。
(2).次に、延伸基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを、プラズマ化学気相成長装置の巻き出しロールに装着し、次いで、ライン速度150mm/minで搬送し、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス600sccmを導入して、出力20kWでプラズマ処理を行って、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成し、次いで、そのプラズマ処理面に、下記に示す条件により、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比;へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:Slm)
到達圧力;5.0×10-5mbar
製膜圧力;7.0×10-2mbar
ライン速度;150m/min
パワー;35kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度150m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを製造した。
(3).次に、上記の(1)で製造した本発明に係る遮光性共押出積層フィルムを使用し、その両表面にコロナ放電処理し、次に、その両コロナ処理面に、2液硬化型ウレタン系接着剤(主剤:ポリエステルポリオ−ル、硬化剤:脂肪族シソシアネ−ト)を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (ドライ)塗布して、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、その一方のラミネ−ト用接着剤層面に、包装用袋外表面としての延伸基材フィルムである上記の(2)で製造した酸化珪素の蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その酸化珪素の蒸着膜の面を対向させて重ね合わせてドライラミネ−ト積層し、その他方のラミネ−ト用接着剤層面に、延伸樹脂フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせて、ドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層した二軸延伸ナイロン6フィルムの他方の面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、シ−ラントフィルムとして、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム[株式会社DNPテクノフィルム社製、商品名、「NEW EXPRT」]を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者をドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
(4).次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、インパルスシ−ラ−を用いて、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造して、カレ−レトルトパウチとした。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部からカレ−を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、120℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、本発明に係る保存用カレ−レトルト包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品においては、レトルト処理後にレトルト包装用袋の外観は、カレ−の黄色色素(タ−メリック)に染まることなく美麗であった。
また、37℃、1600ルクスの光照射環境下において一カ月間の保持試験を実施したところ、製品内容の変退色、および、臭味劣化は認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明に係る積層材は、遮光性、バリア性、ヒ−トシ−ル性等に優れ、これを使用して製袋し、種々の形態からなる包装用袋、包装製品等を製造し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係る積層材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図2】本発明に係る積層材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図3】本発明に係る積層材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図4】本発明に係る積層材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図5】上記の図1に示す本発明に係る積層材を使用し、これを製袋して製造した本発明に係る包装用袋についてその一例の構成を示す概略的斜視図である。
【図6】上記の図5に示す本発明に係る積層材を使用し、これを製袋して製造した本発明に係る包装用袋に内容物を充填包装した本発明に係る包装製品についてその一例の構成を示す概略的斜視図である。
【図7】低温プラズマ化学蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
【図8】巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
【0087】
A、A1 、A2 、A3 積層材
B 包装用袋
C 包装製品
1 延伸基材フィルム
2 無機酸化物の蒸着膜
3、3a、3b 遮光性共押出積層フィルム
4 延伸樹脂フィルム
5 ヒ−トシ−ル性樹脂フィルム
21 サイドシ−ル部
22 底シ−ル部
23 開口部
24 内容物
25 上方シ−ル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、延伸基材フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルム、遮光性共押出積層フィルム、延伸樹脂フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸樹脂フィルム、および、ヒ−トシ−ル性樹脂フィルムを順次に積層したことを特徴とする積層材。
【請求項2】
延伸基材フィルムが、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム、または、2軸延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1に記載する積層材。
【請求項3】
延伸樹脂フィルムが、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム、または、2軸延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する積層材。
【請求項4】
遮光性共押出積層フィルムが、少なくとも、透明ないし半透明の樹脂層、白色樹脂層、黒色または灰色樹脂層、および、透明ないし半透明の樹脂層を順次に積層した共押出積層フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載する積層材。
【請求項5】
無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長法または物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれか1項に記載する積層材。
【請求項6】
化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載する積層材。
【請求項7】
物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長法による酸化アルミニウムの蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載する積層材。
【請求項8】
ヒ−トシ−ル性樹脂フィルムが、ポリオレフィン系樹脂フィルムからなりなることを特徴とする上記の請求項1〜7のいずれか1項に記載する積層材。
【請求項9】
少なくとも、延伸基材フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸基材フィルム、遮光性共押出積層フィルム、延伸樹脂フィルムまたは無機酸化物の蒸着膜を有する延伸樹脂フィルム、および、ヒ−トシ−ル性樹脂フィルムを順次に積層した構成からなる積層材を使用し、これを製袋してなる軟包装用袋からなることを特徴とする包装用袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−136736(P2007−136736A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330416(P2005−330416)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】