説明

窒化物半導体結晶膜成長装置及び窒化物半導体結晶膜の製造方法

【課題】 窒化物半導体結晶膜を均一成長させることが出来る窒化物半導体結晶膜成長装置を提供する。
【解決手段】 窒化物半導体結晶膜成長装置は、内部の温度及び圧力を制御可能なチャンバと、前記チャンバ内において回転軸で支持され、成長基板を設置するためのサセプターと、前記サセプター上の成長基板に対して、前記成長基板表面と水平方向に原材料ガスを噴射する原材料ガス供給手段と、前記サセプター上の成長基板の上方から、前記成長基板表面に対して三次元方向45°〜90°の傾斜角度で、前記原材料ガスの噴射方向と同一面内方向に向けて、前記原材料ガスを押圧する第1の押圧ガスを噴射する第1の押圧ガス供給手段と、前記サセプター上の成長基板の上方から、前記成長基板表面に対して三次元方向45°〜90°の傾斜角度で、前記成長基板端部における前記原材料ガスを除去する第2の押圧ガスを噴射する第2の押圧ガス供給手段と、前記チャンバ内から排気ガスを搬出する排気手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置及び半導体の製造方法に関し、より詳しくは、窒化物半導体結晶膜を有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)により成長させる窒化物半導体結晶膜成長装置及び窒化物半導体結晶膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)は、気相結晶成長方法の一つで、主に半導体結晶成長に用いられている。
【0003】
図6は、従来の半導体製造装置200の構成の一例を表す概略図である。
【0004】
半導体成長装置200は、例えば、リアクタチャンバ1、サセプター2、加熱用ヒータ3、原材料ガス供給部4、排気用ポンプ5、基板回転駆動部7、押圧ガス供給源8、押圧ガス制御装置50及びフローパーツ(押圧ガス整流器)51を含んで構成される。
【0005】
原材料ガス供給部4は、例えば、原材料ガス供給源及びマスフローコントローラ(MFC)、原材料ガス供給管4p等を含んで構成され、リアクタチャンバ1内のサセプター2近傍に設置される原材料ガス供給管4pを介して、トリメチルガリウム(TMG)やアンモニアガス(NH)等の原材料ガスを供給する。供給された原材料ガスは、リアクタチャンバ1内で熱分解し、リアクタチャンバ1内の回転軸2sで支持されるサセプター2に設置された成長基板6に所望の材料膜を形成する。なお、回転軸2sは、基板回転駆動部7に接続され、所定の方向に回転する。したがって、サセプター2に設置された成長基板6も所定方向に回転する。
【0006】
フローパーツ(押圧ガス整流器)51は、押圧ガス供給源8から押圧ガス制御装置50を介して供給される押圧ガス52を回転する成長基板6の上面に噴射する。押圧ガス供給源8は、原材料ガスを含まないHやN等の不活性なガスを供給し、押圧ガス制御装置50は、押圧ガスの流量等を制御する。フローパーツ51は、押圧ガス52のフロー方向を定めるためのものであり、押圧ガス噴射管となる穴が基板6の上面に対して所定の角度(例えば、90°)で設けられている。この穴から基板6の上面に対して所定角度で押圧ガス52を噴射する。押圧ガス52は、原材料ガスがリアクタチャンバ1内の熱対流等により拡散することなく基板6表面に均一に広がるように、原材料ガスを上方から基板6上面に押し付けるためのガスである。
【0007】
その後、原材料ガス及び押圧ガスは、排気ポートを通じて排気用ポンプ5によりリアクタチャンバ1内から排出される。なお、排気ガス中には大量に反応副生成物や未反応物が含まれるため、排気ポンプ5の上流にこれらを専用に捕獲するためのトラップ機構(図示せず)を配置する。また、排気ガス中には砒素などの有害な物質が含まれることが多いので、最下流に専用の除害設備(図示せず)を設置する。
【0008】
図7は、図6に示す従来の半導体製造装置200の構成において窒化物半導体結晶膜を成長させた場合の、基板端部からの距離と成長率の関係を表すグラフである。グラフの横軸は、成長基板6の端部からの距離を単位「mm」で表し、縦軸は1時間あたりの成長率を単位「μm/hour」で表す。なお、成長基板6の直径は50mmである。
【0009】
端部から20mm〜30mmの範囲、すなわち成長基板6の中心部付近では、良好な成長が得られており、端部から10mm〜40mmの範囲でも概ねLEDとして使用可能な半導体膜の成長が得られている。しかし、端部から約10mmより近い及び約40mmより遠い領域(周縁から約10mm以内の外周部)では、中心部と比べて膜厚が不均一となり(厚くなりすぎ)、LEDとして用いることが出来ない。
【0010】
上記のように、成長基板6の外周部で中心部と比して成長率が増大し、外周部の膜厚が中心部と比べて厚くなることを防止するために、外周部における原材料ガスの一部を除去するためのガスを噴射することが提案されている(特許文献1参照)。
【0011】
特許文献1に記載の技術では、基板表面に対して45〜90°の角度の原材料ガスを基板表面に押し付けるための第1の押圧ガスと、基板外周部の原材料ガスを除去するための第2の押圧ガス(除去ガス)を用いている。第2の押圧ガスの噴射管は原材料ガスの噴射管と同一平面に設置され、第2の押圧ガスは、原材料ガスの噴射方向に対して面内方向で直角又は斜めに噴射され、基板の回転方向と逆方向に噴射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第4096678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述の特許文献1に記載の従来技術では、第2の押圧ガスの噴射管がリアクター正面に設置される、すなわち、第2の押圧ガスの噴射管と原材料ガスの噴射管とで基板6表面に対する噴射角度が同一(基板表面に対して平行)になるように設置されるので、基板周辺により大きなスペースが必要になってしまう。
【0014】
そのため、第2の押圧ガスが基板6表面に平行する方向に広がるので、原材料ガスの流れと逆方向となる成分が発生し、渦流が発生することがあり、再現性が確保できない。
【0015】
また、第1の押圧ガスと第2の押圧ガスが同じ場所に噴射されるので、第2の押圧ガスが第1の押圧ガスの流れを阻害し、原材料ガスを押さえるという第1の押圧ガスの作用を減少させてしまう。
【0016】
本発明の目的は、窒化物半導体結晶膜を均一成長させることが出来る窒化物半導体結晶膜成長装置を提供することである。
【0017】
また、本発明の他の目的は、窒化物半導体結晶膜を均一成長させることが出来る窒化物半導体結晶膜の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一観点によれば、窒化物半導体結晶膜成長装置は、内部の温度及び圧力を制御可能なチャンバと、前記チャンバ内において回転軸で支持され、成長基板を設置するためのサセプターと、前記サセプター上の成長基板に対して、前記成長基板表面と水平方向に原材料ガスを噴射する原材料ガス供給手段と、前記サセプター上の成長基板の上方から、前記成長基板表面に対して45°〜90°の傾斜角度で、前記原材料ガスの噴射方向と同一方向に向けて、前記原材料ガスを押圧する第1の押圧ガスを噴射する第1の押圧ガス供給手段と、前記サセプター上の成長基板の上方から、前記成長基板表面に対して45°〜90°の傾斜角度で、前記成長基板端部における前記原材料ガスを除去する第2の押圧ガスを噴射する第2の押圧ガス供給手段と、前記チャンバ内から排気ガスを搬出する排気手段とを有する。
【0019】
また、本発明の他の観点によれば、窒化物半導体結晶膜の製造方法は、内部の温度及び圧力を制御可能なチャンバ内において回転軸で支持されるサセプターに成長基板を設置する工程と、前記サセプター上の成長基板に対して、前記成長基板表面と水平方向に原材料ガスを噴射する原材料ガス供給工程と、前記サセプター上の成長基板の上方から、前記成長基板表面に対して三次元方向45°〜90°の傾斜角度で、前記原材料ガスの噴射方向と同一面内方向に向けて、前記原材料ガスを押圧する第1の押圧ガスを噴射する第1の押圧ガス供給工程と、前記サセプター上の成長基板の上方から、前記成長基板表面に対して三次元方向45°〜90°の傾斜角度で、前記成長基板端部における前記原材料ガスを除去する第2の押圧ガスを噴射する第2の押圧ガス供給工程と、前記チャンバ内から排気ガスを搬出する排気工程とを有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、窒化物半導体結晶膜を均一成長させることが出来る窒化物半導体結晶膜成長装置を提供することができる。
【0021】
また、本発明によれば、窒化物半導体結晶膜を均一成長させることが出来る窒化物半導体結晶膜の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例による半導体製造装置100の構成の一例を表す概略図である。
【図2】本実施例の半導体製造装置100を用いて作製されるLEDチップの一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例によるフローパーツ11aの概略平面図及び断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例によるフローパーツ11bの概略平面図及び断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例によるフローパーツ11cの概略平面図及び断面図である。
【図6】従来の半導体製造装置200の構成の一例を表す概略図である。
【図7】従来例による基板端部からの距離と成長率の関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の第1〜第3実施例共通の半導体製造装置100の構成の一例を表す概略図である。本発明の各実施例では、窒化物半導体結晶膜をMOCVD法により成長させる窒化物半導体結晶膜成長装置を半導体製造装置100の一例として説明する。
【0024】
半導体製造装置100は、例えば、リアクタチャンバ1、サセプター2、加熱用ヒータ3、原材料ガス供給部4、排気用ポンプ5、基板回転駆動部7、押圧ガス供給源8、第1押圧ガス制御装置9、第2押圧ガス制御装置10、及びフローパーツ(押圧ガス整流器)11を含んで構成される。
【0025】
原材料ガス供給部4は、例えば、原材料ガス供給源及びマスフローコントローラ(MFC)、AVC、原材料ガス供給管4p等を含んで構成され、所望の流量に調整されたトリメチルガリウム(TMG)やアンモニアガス(NH)等の原材料ガス及びキャリアガスを、リアクタチャンバ1内に供給する。原材料ガス供給管4pは、サセプター2の成長基板6を設置する面に対して略平行方向へ原材料ガスを供給する。
【0026】
リアクタチャンバ1内部には、回転軸2sに支持されるサセプター2、第1及び第2の押圧ガス12a、12bを噴射するフローパーツ11、加熱用ヒータ3、排気ガスを排気用ポンプ5を介して排出するために設けられる排気ポートが設置されている。リアクタチャンバ1内部は、排気用ポンプ5を用いて排気を行うことにより所望の圧力に制御可能であり、また、加熱用ヒータ3を用いて加熱することにより所望の温度に制御可能である。サセプター2は、所望の材料膜を形成するための成長基板6を水平に設置するための面を有する。
【0027】
押圧ガス供給源8は、押圧ガスを第1押圧ガス制御装置9及び第2押圧ガス制御装置10を介して、フローパーツ11に供給する。押圧ガスには、HやN等の不活性なガス及びこれらの混合ガスが用いられ、原材料ガスは含まない。
【0028】
第1押圧ガス制御装置9は、例えば、マスフローコントローラ(MFC)、AVC等を含んで構成され、第1の押圧ガス12aの流量等を制御する。フローパーツ11の押圧ガス供給管21から基板6の上面に対して所定角度で第1の押圧ガス12aを噴射する。第1の押圧ガス12aは、原材料ガスがリアクタチャンバ1内の熱対流等により拡散することなく基板6表面に均一に広がるように、原材料ガスを上方から基板6上面に押し付けるためのガスである。
【0029】
第1の押圧ガス12aの流量は、5〜50SLMの範囲内で、好ましくは、20〜30SLMの範囲内である。流量が、5SLM以下であると、原材料ガスの押さえ効果が得られなくなり、50SLM以上では、基板6上に原材料ガスがとどまる時間が短すぎるために成長不良となる。
【0030】
第2押圧ガス制御装置10は、例えば、マスフローコントローラ(MFC)、AVC等を含んで構成され、第2の押圧ガス12bの流量等を制御する。フローパーツ11の押圧ガス供給管22(図3〜図5)から基板6の外周部上面に対して所定角度で第2の押圧ガス12bを噴射する。第2の押圧ガス12bは、基板6の外周部における半導体膜の成長率を下げるため(基板6の中心部と均一にするため)に原材料ガスの一部又は全部を除去するためのガス(除去ガス)である。
【0031】
第2の押圧ガス12bの役割は、第1の押圧ガス12aの原材料ガス押さえ効果を損なうことなく、且つ、原材料ガスの層流を乱すことなく、基板6端部の原材料ガスの一部又は全部を除去し、膜厚及び組成変化のばらつきを再現性よく、抑制することである。そのため、本発明の実施例では、第2の押圧ガス12bを第1の押圧ガス12aと同様に、基板6の上方から供給している。また、原材料ガスの層流を乱さないために、第2の押圧ガス12bの流れは、第1の押圧ガス12aの流れと基板表面に到達するまで交錯しないことが必要である。これにより、基板6上には、図3(C)に示すように、第2の押圧ガス噴射領域A、未噴射領域B及び第1の押圧ガス噴射領域Cが形成されることになる。
【0032】
なお、第2の押圧ガス12bの流量は、上記目的を考慮して、すなわち、第1の押圧ガス12aの原材料ガス押さえ効果を損なうことなく、且つ、原材料ガスの層流を乱すことなく、基板6端部の原材料ガスの一部又は全部を除去するのに必要な流量とする。
【0033】
フローパーツ11は、押圧ガス供給源8から第1及び第2押圧ガス制御装置9、10を介して供給される押圧ガスを第1の押圧ガス12aと、第2の押圧ガス12bに分けて、成長基板6の上面に噴射する。すなわち、フローパーツ11は、成長基板6に対向する位置に配置されている。フローパーツ11は、押圧ガスを第1の押圧ガス12aと、第2の押圧ガス12bに分けるとともに、押圧ガス12a及び12bのフロー方向を定めるためのものであり、押圧ガス供給管21及び22が基板6の上面に対して所定の角度(例えば、45°〜90°)で設けられている。原材料ガス供給部4側に第1押圧ガス供給管21を配置し、第2押圧ガス供給管22は、第1押圧ガス供給管21より原材料ガス供給部4から離れた位置に配置する。なお、フローパーツ11の構成の詳細及び押圧ガス供給管21及び22については、第1〜第3の実施例として図3〜図5を参照して後述する。
【0034】
第1の押圧ガス12aと第2の押圧ガス12bを共通のフローパーツ11にて噴射すれば、第2の押圧ガス12b用の独立したフローパーツ等が不要となる。
【0035】
第1の押圧ガスと第2の押圧ガスのそれぞれに独立したフローパーツを設けてもよいが、その場合、いずれのフローパーツも成長基板6に対向する位置に配置する。そのため、成長基板6周辺のリアクター領域に余分なスペースを必要としない。
【0036】
また、第2の押圧ガス12bが第1の押圧ガス12a同様に、基板上部より噴射されるため、第1の押圧ガス12aの原材料ガス押さえ効果を阻害することがない。第1の押圧ガス12aと第2の押圧ガス12bの三次元方向における同一方向からの噴射は、異なる方向からの噴射によって生じる渦流の発生を防止し、再現性を確保することができる。
【0037】
原材料ガス供給部4から供給された原材料ガスがリアクタチャンバ1内で熱分解し、リアクタチャンバ1内の回転軸2sで支持されるサセプター2に設置された成長基板6に所望の材料膜を形成する。なお、回転軸2sは、基板回転駆動部7に接続され、所定の方向に回転する。したがって、サセプター2に設置された成長基板6も所定方向に回転する。
【0038】
その後、原材料ガス及び押圧ガスは、排気ポートを通じて排気用ポンプ5によりリアクタチャンバ1内から排出される。なお、排気ガス中には大量に反応副生成物や未反応物が含まれるため、排気ポンプ5の上流にこれらを専用に捕獲するためのトラップ機構(図示せず)を配置する。また、排気ガス中には砒素などの有害な物質が含まれることが多いので、最下流に専用の除害設備(図示せず)を設置する。
【0039】
なお、第1の押圧ガス12aと第2の押圧ガス12bは、同一の押圧ガス制御装置から供給されるようにしてもよい。その場合、フローパーツ11により第1の押圧ガス12aと第2の押圧ガス12bに分離される。また、この場合の押圧ガスの流量は、理想的なエピタキシャル成長を実現するという第1の押圧ガス12aの役割を果たすのに最適な条件を適用し、その条件を共用して第2の押圧ガス12bの供給を行うこととする。このような構成とすることにより、第2の押圧ガス12bの独立制御のための第2押圧ガス制御装置10が不要となり、装置の低コスト化が実現可能となる。
【0040】
次に、図1及び図2を参照して、本実施例の半導体製造装置100を用いたLEDチップの作製工程の一例を説明する。
【0041】
図2は、本実施例の半導体製造装置100を用いて作製されるLEDチップの一例を示す概略断面図である。
【0042】
MOCVDにてAlInGaN(0≦x≦1、0≦y≦1、0<z≦1、x+y+z=1)を成長可能な成長基板(C面サファイア基板)6を準備し、前記成長基板6上にAlInGaNからなるn層、活性層、p層が積層された半導体膜を結晶成長させる。
【0043】
具体的には、まずサファイア基板6をリアクタチャンバ1内のサセプター2に設置し、水素雰囲気中、1000℃で10分間の加熱し、サーマルクリーニングを行う。
【0044】
次に、約500℃で、原材料ガス供給部4からトリメチルガリウム(TMG)を流量10.4μmol/min、アンモニアガス(NH)を流量3.3LMで3分間供給して、サファイア基板6上に低温バッファ層(GaN層)61を形成する。この時、第1押圧ガス供給管21及び第2押圧ガス供給管22からは、それぞれ第1の押圧ガス12aと第2の押圧ガス12bが噴射される。以降、原材料ガス供給部4から原材料ガスが供給される時は、同時に第1押圧ガス供給管21及び第2押圧ガス供給管22からも、それぞれ第1の押圧ガス12aと第2の押圧ガス12bが噴射される。
【0045】
その後、1000℃まで昇温し、形成した低温バッファ層61を結晶化させ、そのままの温度で、原材料ガス供給部4からTMGを流量45μmol/min、NHを流量4.4LMで20分間供給して、結晶化した低温バッファ層61上に下地GaN層62を約1μmの厚さに形成する。
【0046】
次に、温度1000℃で、原材料ガス供給部4からTMGを流量45μmol/min、NHを流量4.4LM、モノシラン(SiH)を流量2.7×10−9μmol/minで40分間供給して、n型GaN層63を約2〜4μmの厚さに成長させる。
【0047】
活性層64には、例えば、InGaN/GaNからなる多重量子井戸(MQW)構造を適用することが出来る。ここでは、InGaN/GaNを1周期として、5周期成長を行う。温度約700℃で、TMGを流量3.6μmol/min、トリメチルインジウム(TMI)を流量10μmol/min、NHを流量4.4LMで33秒間、原材料ガス供給部4から供給して膜厚約2.2nmのInGaN井戸層を成長させ、TMGを流量3.6μmol/min、NHを流量4.4LMで320秒間、原材料ガス供給部4から供給して膜厚約15nmのGaN障壁層を成長させることを5周期分繰り返す。
【0048】
その後、温度を870℃まで上げ、TMGを流量8.1μmol/min、トリメチルアルミニウム(TMA)を流量7.5μmol/min、NHを流量4.4LM、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CPMg)を流量2.9×10−7μmol/minで5分間、原材料ガス供給部4から供給して、膜厚約40nmのp型AlGaNクラッド層65を成長させる。
【0049】
引き続き、温度870℃で、TMGを流量18μmol/min、NHを流量4.4LM、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CPMg)を流量2.9×10−7μmol/minで7分間、原材料ガス供給部4から供給して、膜厚約150nmのp型GaN層66を成長させる。
【0050】
その後、半導体膜が積層された成長基板6をリアクタチャンバ1から取り出し、RIE等を用いてClドライエッチングを行うことにより、n層63を露出させる。次いで、フォトリソグラフィ等により、電極形成部分に開口を形成したレジストマスクを形成し、EB蒸着法等を用いて、n電極金属(Ti/Al等)を成膜する。続いて、リフトオフにより、n電極67を所望のパターンに形成する。さらに、電極67のオーミック性を向上させるために、Rapid Thermal Annealing(RTA)等を用いて、温度500℃で20秒間、合金化処理を行う。そして、p電極68として、透明導電膜(ITO等)68a及びパッド電極(TiAu等)68bをスパッタ及びEB蒸着法等を用いて成膜する。最後に、レーザスクライブ、ダイシングなどを用いて、素子分離を行い、LEDチップが作製される。
【0051】
図3は、本発明の第1の実施例によるフローパーツ11aの概略平面図及び断面図である。図3(A)は、平面図である。図中、点線の矢印は、基板6の回転方向を表す。図3(B)は、図3(A)の線abに沿ってフローパーツ11aを切断した断面図である。図3(C)は、図3(A)の線cdに沿ってフローパーツ11aを切断した断面図である。
【0052】
第1の実施例によるフローパーツ11aには、第1押圧ガス供給管21及び第2押圧ガス供給管22が設けられている。第1押圧ガス供給管21が設けられる領域と、第2押圧ガス供給管22が設けられる領域の間には、両領域を仕切るための隔壁15が設けられている。なお、第1の押圧ガス12aと第2の押圧ガス12bの流量を1つの押圧ガス制御装置で制御する場合には、隔壁15を設ける必要はない。
【0053】
第1の押圧ガス12aを基板中心に対して原材料ガス供給側と反対側の成長基板6の端部から10mmの位置から原材料ガス供給管4p下部までの範囲(図3(C)の領域C)に供給できるように、第1押圧ガス供給管21は、成長基板6の表面に対して三次元方向約45°傾けてフローパーツ11に配置する。なお、第1押圧ガス供給管21の成長基板6の表面に対する三次元方向の傾きは、約45°に限らず、45°〜90°の範囲から選択することが出来る。また、第1押圧ガス供給管21の傾きの成長基板面内方向は、原材料ガス供給方向(図中、実線の矢印で示す方向)と同一にして、原材料ガスの層流を阻害しないようにする。
【0054】
第1押圧ガス供給管21の径は、大きすぎると流量分布が激しくなり、乱流を生じて材料ガスの層流を乱し、小さすぎても押圧ガスの供給圧が増加し流量を増加しても十分な原材料ガスの押さえ効果が得られないため、直径0.5mm〜3mmとすることが好ましく、さらに好ましくは、直径1mm〜2mmとする。また、各第1押圧ガス供給管21間の間隔は各第1押圧ガス供給管21の直径と同一から直径の2倍までの距離とすることが好ましい。
【0055】
図3(A)及び(C)に示す例では、第1押圧ガス供給管21は、フローパーツ11aの原材料ガス供給部4側の短辺(原材料ガス供給方向に直交する方向)に沿って10列、長辺(原材料ガス供給方向に平行な方向)に沿って5行に渡って行列上に形成されている。これは、本実施例では、フローパーツ11aのサイズを直径50mm程度の成長基板6に対応したものとしているためであり、フローパーツ11aのサイズ、第2押圧ガス供給管22の径、間隔が増減するに従い、第1押圧ガス供給管21の数も増減する。また、長辺(原材料ガス供給方向に平行な方向)に沿って並べられる数は、フローパーツ11aのサイズ等に加えて、第1押圧ガス供給管21の成長基板6の表面に対する三次元方向の角度にも影響されて増減する。
【0056】
第2押圧ガス供給管22は、第2の押圧ガス12bが成長基板の中心に噴射されず、かつ、成長基板6の外側へ噴射されるよう、傾斜して形成されている。第2の押圧ガス12bを基板中心に対して原材料ガス供給側と反対側の成長基板6の端部から10mmの位置までの範囲(図3(C)の領域A)に供給できるように、第2押圧ガス供給管22は、図3(B)に示すように成長基板6の表面に対して三次元方向約45°傾けてフローパーツ11に配置する。なお、第2押圧ガス供給管22の成長基板6の表面に対する三次元方向の傾きは、約45°に限らず、45°〜90°の範囲から選択することが出来る。また、第2押圧ガス供給管22の成長基板6の表面に対する三次元方の傾きの向き(第2押圧ガス供給管22の傾斜方向)は、成長基板6の回転方向に沿って第2の押圧ガス12bが噴射されるように設定される。
【0057】
また、第2押圧ガス供給管22の成長基板面内方向の傾きは、原材料ガス供給方向(図中、実線の矢印で示す方向)に対して、90°基板面内方向にずらして配置する。さらに、第2押圧ガス供給管22は、成長基板6の回転方向に沿って、第2の押圧ガス12bが噴射されるように配置される。基板回転方向と第2の押圧ガス12bのフロー方向が基板面内方向で同一となり、原材料ガスのフローを乱すことによる渦流の発生を防止することが出来る。
【0058】
第2の押圧ガス12bにより、成長基板6の端部(周縁)から10mm以内の領域Aへの原材料ガスの供給を排除し、膜厚及び組成均一性のよいエピタキシャル成長を実現することが出来る。図7を参照して上述したように、成長基板6の端部(周縁)から10mm以内の領域は、基板中心(端部からの距離が25mm程度)と比較して成長レートが速く、均一性を損なう原因となっているので、この部分における成長を排除し、均一性を実現している。
【0059】
第2押圧ガス供給管22の径は、直径0.5mm〜3mmとすることが好ましく、さらに好ましくは、直径1mm〜2mmとする。また、各第2押圧ガス供給管22間の間隔は第2押圧ガス供給管22の直径と同一から直径の2倍までの距離とすることが好ましい。
【0060】
図3(A)〜(C)に示す例では、第2押圧ガス供給管22は、フローパーツ11aの原材料ガス供給部4側と反対側の短辺(原材料ガス供給方向に直交する方向)に沿って7列、長辺(原材料ガス供給方向に平行な方向)に沿って2行に渡って行列上に形成されている。
【0061】
第2押圧ガス供給管22は、成長基板6の上面から観察した場合、第2押圧ガス供給管22の長手方向と原材料ガス供給方向(図3(A)の実線の矢印で示す方向)とが、略90°となるように、配置されている。
【0062】
図3(B)に示すように、第2押圧ガス供給管22は、押圧ガス供給部側開口221がフローパーツ11aの主面11mに、成長基板側開口222がフローパーツ11aの主面11mと対向する裏面11rに設けられている。押圧ガス供給部側開口221及び成長基板側開口222は、フローパーツ11aの側面11sへ露出しないように設けられている。そのため、第2押圧ガス供給管22の押圧ガス供給部側開口221は、成長基板6の回転方向に合わせてフローパーツ11aの一方の長辺に偏って配置される。図3(A)においては、右回りの基板回転のため、原材料ガス供給部4に対し、押圧ガス供給部側開口221がフローパーツ11aの右側に偏って、配置されている。
【0063】
第1押圧ガス供給管21と同様に、本実施例では、フローパーツ11aのサイズを直径50mm程度の成長基板6に対応したものとしているためであり、フローパーツ11aのサイズ、第2押圧ガス供給管22の径、間隔が増減するに従い、第2押圧ガス供給管22の行数及び列数も増減する。なお、短辺に沿って並べられる数は、フローパーツ11aのサイズ等に加えて、第2押圧ガス供給管2の成長基板6の表面に対する三次元方向の角度にも影響されて増減する。
【0064】
図4は、本発明の第2の実施例によるフローパーツ11bの概略平面図及び断面図である。図4(A)は、平面図である。図中、点線の矢印は、基板6の回転方向を表す。図4(B)は、図4(A)の線abに沿ってフローパーツ11bを切断した断面図である。図4(C)は、図4(A)の線cdに沿ってフローパーツ11bを切断した断面図である。
【0065】
第2の実施例によるフローパーツ11bには、図3に示す第1の実施例によるフローパーツ11aと同様に、第1押圧ガス供給管21及び第2押圧ガス供給管22が設けられている。第1押圧ガス供給管21が設けられる領域と、第2押圧ガス供給管22が設けられる領域の間には、両領域を仕切るための隔壁15が設けられている。なお、第1の押圧ガス12aと第2の押圧ガス12bの流量を1つの押圧ガス制御装置で制御する場合には、隔壁15を設ける必要はない。
【0066】
図3に示す第1の実施例によるフローパーツ11aとの違いは、第2の押圧ガス12bを噴射する第2押圧ガス供給管22の成長基板面内方向における傾き方向を第1押圧ガス供給管21と同様に、原材料ガス供給方向(図中、実線の矢印で示す方向)と同一にして、その三次元方向における傾き角度を第1押圧ガス供給管21の傾き角度よりも小さく、且つ、90°より小さくしたことである。また、これに伴い、第2押圧ガス供給管22を短辺方向に10列設けると共に、成長基板6の端部(周縁)から10mm以内の領域A(図3(C))への原材料ガスの供給を排除するという第2の押圧ガス12bの役割を考慮して、長辺方向に1行分増設している。また、この例では、第1押圧ガス供給管21の行数も5行から4行に減らしている。また、第2の実施例においても、第2押圧ガス供給管22の傾斜方向は、成長基板6の回転方向に沿って第2の押圧ガス12bが噴射されるように設定される。
【0067】
以下、図3に示す第1の実施例によるフローパーツ11aとの相違点のみを説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0068】
第2の実施例では、第1の押圧ガス12aと第2の押圧ガス12bの基板面内方向におえるフロー方向を同一方向とし、且つ、第2の押圧ガス12bの三次元方向におけるフロー方向がより基板垂直方向である(第2押圧ガス供給管22の基板表面に対する三次元方向の傾きが、第1押圧ガス供給管21の基板表面に対する三次元方向の傾きよりも大きい)ため、確実に原材料ガスの除去が可能となる。また、第2押圧ガス供給管22の基板表面に対する三次元方向の傾きを90°よりも小さくするのは、原材料ガスに対する逆流が生じるのを防ぎ、原材料ガスの層流を乱さないようにするためである。
【0069】
図5は、本発明の第3の実施例によるフローパーツ11cの概略平面図及び断面図である。図5(A)は、平面図である。図中、点線の矢印は、基板6の回転方向を表す。図5(B)は、図5(A)の線abに沿ってフローパーツ11cを切断した断面図である。図5(C)は、図5(A)の線cdに沿ってフローパーツ11cを切断した断面図である。
【0070】
第3の実施例によるフローパーツ11cには、図3に示す第1の実施例によるフローパーツ11a及び図4に示す第2の実施例によるフローパーツ11bと同様に、第1押圧ガス供給管21及び第2押圧ガス供給管22が設けられている。第1押圧ガス供給管21が設けられる領域と、第2押圧ガス供給管22が設けられる領域の間には、両領域を仕切るための隔壁15が設けられている。なお、第1の押圧ガス12aと第2の押圧ガス12bの流量を1つの押圧ガス制御装置で制御する場合には、隔壁15を設ける必要はない。また、第3の実施例においても、第2押圧ガス供給管22の傾斜方向は、成長基板6の回転方向に沿って第2の押圧ガス12bが噴射されるように設定される。
【0071】
以下、図3に示す第1の実施例によるフローパーツ11a及び図4に示す第2の実施例によるフローパーツ11bとの相違点のみを説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0072】
図3に示す第1の実施例によるフローパーツ11aとの違いは、第2の押圧ガス12bを噴射する第2押圧ガス供給管22の成長基板面内方向における傾きを第1押圧ガス供給管21と同様に、原材料ガス供給方向(図中、実線の矢印で示す方向)と同一にして、その三次元方向における傾き角度を第1押圧ガス供給管21の傾き角度よりも大きく、且つ、90°より小さくしたことである。すなわち、第2の実施例とは逆に、第2押圧ガス供給管22の基板表面に対する三次元方向の傾きを、第1押圧ガス供給管21の基板表面に対する三次元方向の傾きよりも小さくしている。
【0073】
また、これに伴い、第2押圧ガス供給管22を短辺方向に10列設けると共に、成長基板6の端部から10mm以内の領域A(図3(C))への原材料ガスの供給を排除するという第2の押圧ガス12bの役割を考慮して、第2押圧ガス供給管22の設置位置を原材料ガス供給部4側と反対側の短辺に接する位置から、第1押圧ガス供給管21を形成する領域に接するように移動し、且つ、1行分増設している。
【0074】
第3の実施例では、第1の押圧ガス12aと第2の押圧ガス12bの成長基板面内方向におけるフロー方向を同一方向とし、且つ、第2の押圧ガス12bの三次元方向のフロー方向がより基板水平方向である(第2押圧ガス供給管22の基板表面に対する三次元方向の傾きが、第1押圧ガス供給管21の基板表面に対する三次元方向の傾きよりも小さい)ため、第1の押圧ガス12aのフローに影響を与えにくい。よって、第2の押圧ガス12bを用いない場合の成長条件を適用しやすくなる。
【0075】
以上、本発明の第1〜第3の実施例によれば、第2の押圧ガス12bをリアクター正面から噴射せずに、第1の押圧ガス12aとともに成長基板6上方から噴射するため、リアクター周辺スペースを余分に取らない。
【0076】
また、第2の押圧ガス12bが、原材料ガスの流れに対して成長基板面内で逆方向に流れることが無いので、渦流の発生を防止することができる。また、第1の押圧ガス12aの流れに対して成長基板面内で逆方向に流れることが無いので、原材料ガスの押さえ効果を減少させることがない。
【0077】
したがって、均一組成、均一膜厚の窒化物半導体結晶膜を結晶成長させることが可能となる。
【0078】
以上、実施例、及び変形例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【符号の説明】
【0079】
1…リアクタチャンバ、2…サセプター、2s…回転軸、3…加熱用ヒータ、4…原材料ガス供給部、4p…原材料ガス供給管、5…排気用ポンプ、6…成長基板、7…基板回転駆動部、8…押圧ガス供給源、9…第1押圧ガス制御装置、10…第2押圧ガス制御装置、11…フローパーツ(押圧ガス整流器)、12a…第1の押圧ガス、12b…第2の押圧ガス、15…隔壁、21…第1押圧ガス供給管、22…第2押圧ガス供給管、61…低温バッファ層、62…下地GaN層、63…n型GaN層、64…活性層、65…p型AlGaNクラッド層、66…p型GaN層、67…n電極、68…p電極、100…半導体製造装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の温度及び圧力を制御可能なチャンバと、
前記チャンバ内において回転軸で支持され、成長基板を設置するためのサセプターと、
前記サセプター上の成長基板に対して、前記成長基板表面と水平方向に原材料ガスを噴射する原材料ガス供給手段と、
前記サセプター上の成長基板の上方から、前記成長基板表面に対して三次元方向45°〜90°の傾斜角度で、前記原材料ガスの噴射方向と同一面内方向に向けて、前記原材料ガスを押圧する第1の押圧ガスを噴射する第1の押圧ガス供給手段と、
前記サセプター上の成長基板の上方から、前記成長基板表面に対して三次元方向45°〜90°の傾斜角度で、前記成長基板端部における前記原材料ガスを除去する第2の押圧ガスを噴射する第2の押圧ガス供給手段と、
前記チャンバ内から排気ガスを搬出する排気手段と
を有する窒化物半導体結晶膜成長装置。
【請求項2】
前記第2の押圧ガス供給手段は、前記第2の押圧ガスを前記成長基板端部から10mm以内の範囲に噴射する請求項1記載の窒化物半導体結晶膜成長装置。
【請求項3】
前記第2の押圧ガス供給手段は、前記第2の押圧ガスを前記成長基板の回転方向と同一面内方向に向けて噴射する請求項1又は2記載の窒化物半導体結晶膜成長装置。
【請求項4】
前記第2の押圧ガス供給手段は、前記第2の押圧ガスを前記第1の押圧ガスと同一面内方向に向けて噴射する請求項1又は2記載の窒化物半導体結晶膜成長装置。
【請求項5】
前記第2の押圧ガス供給手段は、前記第1の押圧ガス供給手段が前記第1の押圧ガスを噴射する前記傾斜角度よりも大きく、且つ90°よりも小さい傾斜角度で、第2の押圧ガスを噴射する請求項4記載の窒化物半導体結晶膜成長装置。
【請求項6】
前記第2の押圧ガス供給手段は、前記第1の押圧ガス供給手段が前記第1の押圧ガスを噴射する前記傾斜角度よりも小さく、且つ90°よりも小さい傾斜角度で、第2の押圧ガスを噴射する請求項4記載の窒化物半導体結晶膜成長装置。
【請求項7】
内部の温度及び圧力を制御可能なチャンバ内において回転軸で支持されるサセプターに成長基板を設置する工程と、
前記サセプター上の成長基板に対して、前記成長基板表面と水平方向に原材料ガスを噴射する原材料ガス供給工程と、
前記サセプター上の成長基板の上方から、前記成長基板表面に対して三次元方向45°〜90°の傾斜角度で、前記原材料ガスの噴射方向と同一面内方向に向けて、前記原材料ガスを押圧する第1の押圧ガスを噴射する第1の押圧ガス供給工程と、
前記サセプター上の成長基板の上方から、前記成長基板表面に対して三次元方向45°〜90°の傾斜角度で、前記成長基板端部における前記原材料ガスを除去する第2の押圧ガスを噴射する第2の押圧ガス供給工程と、
前記チャンバ内から排気ガスを搬出する排気工程と
を有する窒化物半導体結晶膜の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−171325(P2011−171325A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30882(P2010−30882)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】