説明

粒状固形物の熱処理方法およびプラント

本発明は、マイクロ波放射をマイクロ波供給源(2)から流動層反応炉(1)へ供給する、反応炉(1)における粒状固形物の熱処理方法、および対応するプラントに関するものである。エネルギーの利用およびマイクロ波放射の導入を改善するため、第1のガスまたはガス混合物を好ましい中央ガス供給管(3)を通して下方から、反応炉の混合室(7)へ導入し、ガス供給管(3)の少なくとも一部を、流動用ガスを供給することにより流動化される固定環状流動層(8)によって包囲している。マイクロ波放射は、混合室(7)へ同ガス供給管(3)を通して供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動層反応炉における粒状固形物の熱処理方法に関するもので、マイクロ波供給源からのマイクロ波放射をこの反応炉内へ供給するものである。
【0002】
米国特許第5,972,302号から知得されるような方法では、硫化鉱がマイクロ波に助けられて酸化する。この方法は、流動層における黄鉄鉱の焼鉱に主に関連して、流動層に導入されたマイクロ波が、赤鉄鋼および素硫黄の生成を促し、SO2の生成を抑制している。固定流動層が採用されて、これは、その上方に直接、配置したマイクロ波供給源によって放射が照射される。マイクロ波供給源またはマイクロ波の入口点は、この流動層から立ち上るガスその流動層、蒸気および粉塵に必然的に接触する。
【0003】
マイクロ波供給源を混合チャンバへ連結できる例としては、開放式導波管、スロットアンテナ、連結用ループ、ダイアフラム、ガスまたは誘導体が充填された同軸アンテナ、マイクロ波透過物質で閉塞された導波管がある。
【0004】
欧州特許出願公開第0403820B1号では、流動層における物質の乾燥方法が示され、マイクロ波供給源を流動層の外側に配置し、マイクロ波を導波管によって流動層内へ導入している。開放導波管には、マイクロ波供給源が粉塵やガスに汚染され、時間の経過と共に損傷を受ける危険が伴う。これは、マイクロ波透過性窓によって回避することができ、その窓で、反応炉とマイクロ波供給源との間の導波管を閉塞する。しかしこのような場合、この窓への堆積物がマイクロ波の放射を弱めることになる。
【発明の説明】
【0005】
したがって、本発明は、特に良好な質量伝達および熱伝達の条件を備えた流動層反応炉を生成することを目的とし、発生するガス、蒸気および粉塵からマイクロ波供給源を保護する。
【0006】
本発明によれば、この目的は、上述の方法によって解消され、第1のガスもしくはガス混合物を、好ましくは中央ガス供給管(中央管/中央羽口)を介して下方から、反応炉の混合チャンバへ導入し、このガス供給管を、流動用気体を供給することにより流動化される固定式環状流動層によって、少なくとも部分的に包囲し、さらに、その流動層では、混合チャンバのマイクロ波放射を、同一のガス供給管を介して供給する。
【0007】
本発明の方法において、固形物保持時間が十分に長いことなどの固定式流動層の利点と、良好な質量伝達および熱伝達などの循環式流動層の利点とを熱処理の間に意外にも互いに組み合わせることができ、他方では両システムの欠点が回避される。第1のガスまたはガス混合物は、中央管の上部領域を通過する場合、環状流動層と称される環状固定式流動層から混合チャンバ内へと固形物を運び込み、固形物と第1のガスとの間の高速の滑り速度のため、よく混合された懸濁液が生成され、2つの相の間で最適な質量伝達および熱伝達がなされる。必要な処理熱を生成するために、本発明によるマイクロ波放射を用いている。また、マイクロ波が中央管から反応炉へも導入されるので、混合チャンバにおける最大のマイクロ波電力密度が、中央管のオリフィスの上方に存在し、懸濁液において得られる固形物がマイクロ波を特に良好に吸収する。したがって、本発明による方法においては、マイクロ波のエネルギーの利用が特に効果的である。また、中央管からのガスの流れによって、粉塵またはプロセスガスが中央管に入り込み、マイクロ波供給源にまで広がり、さらにこれを損傷することは、確実に回避される。したがって、本発明によれば、従来技術において一般的に用いられるような導波管遮蔽用のマイクロ波透過窓を省くことができる。これらの窓には、その窓への粉塵または他の固形物の堆積物がマイクロ波放射を弱め、一部しか吸収しないという問題を伴う。
【0008】
第1のガスまたはガス混合物、および環状流動層用の流動ガスの気体速度を調節して、粒子フルード数を、ガス供給管内においては1から100 の間に、環状流動層においては0.02から2の間に、そして混合チャンバにおいては0.3 から30の間にするとき、良好な処理特性が得られることが分かった。同様に、第1のガスまたはガス混合物、および流動ガスの気体速度ばかりでなく、環状流動層内の層の高さも調節することによって、中央管のオリフィス領域の上方の懸濁液の固形物の荷重を、広い範囲内で変化させることができ、たとえば気体キロ当り固形物30キロにまで増量することができ、中央管のオリフィス領域と混合チャンバの上部出口との間の第1のガスの圧力損失を、1mbarから100mbar の間の状態にすることができる。混合チャンバにおける懸濁液の固形物の荷重が大きい場合、その固形物の大部分が懸濁液から分離し、環状流動層内へ戻る。この循環は、内部固形物再循環と称され、この内部循環において循環する固形物の流れは、外部から反応炉へ供給される固形物の量よりも通常は非常に多く、たとえば1桁だけ大きい。沈殿しない固形物(少量)は、混合チャンバから第1のガスまたはガス混合物と共に排出される。反応炉内における固形物の保持時間は、環状流動層の高さおよび断面面積を選択することによって広い範囲で変化させることができ、調節して所望の熱処理になるようにすることができる。一方においては固形物の荷重が大きいため、他方においては気体流内の固形物の懸濁が良好であるため、この領域に作用するマイクロ波放射による良好な質量伝達および熱伝達に関して優れた条件が、中央管のオリフィス領域の上方において得られる。ガス流と共に反応炉から排出される固形物は、すべての量または少なくともその一部がその反応炉へ再循環されるが、便宜上、この再循環は、固定式流動層の中でなされる。このように環状流動層へ再循環される固形物の質量流量は、通常は、外部からその反応炉へ供給される固形物の質量流量と同じ桁数になっている。エネルギーの優れた利用とは別に、本発明による方法の他の利点は、第1のガスまたはガス混合物、および流動ガスの流速を変えることにより、本方法のエネルギーの伝達および質量伝達を必要条件に合わせることが、迅速に、容易に、かつ確実にできることにある。
【0009】
混合チャンバにおける特に効果的な熱伝達と、反応炉における十分な保持時間とを確保するために、第1のガスおよび流動層用の流動ガスの気体速度を、好ましく調節して、無次元粒子フルード数(Frp) を、中央管においては1.15ないし20に、環状流動層においては0.115 ないし1.15に、および/または混合チャンバにおいては0.37ないし3.7 にする。これらの粒子フルード数は、それぞれ次の方程式によって決められる。
【0010】
【数1】

【0011】
ただし、
u = 気体流の効果的速度 m/s
ρs = 固形粒子の密度 kg/m3
ρf = 流動気体の効果的密度 kg/m3
dp = 反応炉運転中の反応炉内の粒子(または生成された粒子)の平均直径 m
g = 重力定数 m/s2
【0012】
この方程式を用いる場合、dpは、用いる材料の平均直径(d50)ではなく、反応炉の運転中に生成される反応炉内物の平均直径を表わしており、用いる材料(一次粒子)の平均直径とは両方向において大きく異なるようにすることができることを考慮すべきである。平均直径がたとえば3ないし10μm の非常に微細粒状化材料からでも、たとえば平均直径20ないし30μm の粒子(二次粒子)を、熱処理中に生成することができる。他方、たとえば鉱石などの材料は、熱処理中にか焼される。
【0013】
本発明による展開法では、反応炉内の固形物層の高さを調節することが提案され、環状流動層を、たとえば少なくとも部分的に中央管の上部オリフィス端部よりも数センチ延ばし、それによって固形物を、第1のガスまたは1ガス混合物の中へ絶え間なく導入し、そしてそのガスの流れを中央管のオリフィス領域の上方に配置した混合チャンバへ運び込む。このようにして、特に懸濁液の固形物の荷重が大きいものは、中央管のオリフィス領域の上方でなされる。
【0014】
本発明によれば、中央管が導波管を構成して、マイクロ波放射を、対応するマイクロ波の導管を構成している中央管を通して、反応炉の混合チャンバの中へ直接供給することを提唱している。このような構造は、特に、やはり中央管を通過する第1のガスもしくはガス混合物(プロセスガス)が粉塵にさほど汚染されていない場合、または粉塵が中央管を通過する途上でマイクロ波電力にわずかしか結合しない場合に推奨される。しかし、プロセスガスに含まれる粉塵が、マイクロ波電力にかなり結合する場合、マイクロ波放射を、中央管とは異なる少なくとも1つの導波管を介して混合チャンバの中へ交互にまたは追加的に供給することができ、この導波管は、中央管内に配され、好ましくは、たとえばこの中央管のオリフィスの付近で終端している。したがって、同様にマイクロ波放射を、第1のガス混合物に含有される粉塵がマイクロ波放射の電力の一部を事前に吸収してしまうことなく、特に反応炉の混合チャンバの付近で結合することができる。いずれの場合においても、本発明によれば、高速の気体速度が選択されて、反応炉から中央管および導波管への粉塵の後退が、防止される。
【0015】
本方法は、マイクロ波放射を複数のマイクロ波導管を介して導入する場合に、それぞれの導波管に別個のマイクロ波供給源を設けて、改善がなされる。このため、大径の導波管を構成する1つの中央管ではなく、複数の中央管で導波管を構成してよく、導波管のそれぞれに対して別個のマイクロ波供給源を連結する。または、本発明によれば、断面面積の小さい1つ以上の導波管を、大きな中央管を介して反応炉の内部へ通すことができ、これらの導波管を中央管に対して気密方式で密封し、それぞれの導波管には別個のマイクロ波供給源を設けている。このとき、含塵プロセスガスは、たとえば今まで通りに中央管を介して混合チャンバへ導入される。このようなモジュール式構造によって、プラントの増設の可能性を実現することもできる。
【0016】
本発明によれば、さらに、パージガスを反応炉に通過させ、たとえば反応炉または平行処理からの、濾過または清浄した排ガスにすることができる。導波管からのパージガス流が連続するため、導波管における固形堆積物を回避して、導波管の断面面積を所望でない手法で変化させ、マイクロ波エネルギーの一部を吸収し、このエネルギーは、反応炉内の固形物用に本来設計されているものである。導波管におけるエネルギー吸収のため、同導波管も非常に熱くなり、それによってその材料が強力な熱損耗を受ける。さらに、導波管内の固形堆積物が、マイクロ波供給源に対して所望しないフィードバック反応をもたらす。
【0017】
電磁波用の供給源(マイクロ波供給源)として、たとえばマグネトロンまたはクライストロンを用いることができる。さらに、対応するコイルまたはパワートランジスタを備えた高周波発生器を用いることができる。マイクロ波供給源から発生する電磁波の周波数は、通常300MHzないし30GHz の範囲にある。好ましくは、435MHz、915MHz、および2.45GHzのISM周波数が用いられる。便宜上、最適の周波数が、試運転においてそれぞれの用途ごとに決められる。マイクロ波供給源の周波数が固定されているので、最大加熱能力も固定されている。しかし、多数の小型のマイクロ波供給源を設置することによって、流動層の加熱能力を最適に調節することができる。さらに、本発明によれば、エネルギーの入力に対してむしろ損失がないように、導波管の断面および寸法をマイクロ波放射の使用周波数に合わせるように前もって定められている。
【0018】
流動層(固定式環状流動層)における温度は、通常150 から1500℃までの範囲にある。処理によっては、追加の熱を、たとえば間接熱交換を介して流動層の中へ導入することができる。流動層における温度測定に関しては、絶縁した検出素子、放射温度計、またはファイバ・光センサを用いることができる。
【0019】
反応炉における平均固形物保持時間の調節に関しては、反応炉から排出され、下流の分離器において分離された固形物は、少なくともその一部が、反応炉の環状流動層の中へ再循環されるように、本発明により前もって定められている。このとき、その残量は、本方法の次の段階へ供給される。好ましい実施例によれば、反応炉の下流に固形物分離用のサイクロンが設けられ、このサイクロンは反応炉の環状流動層へ通じる固形物用導管を有している。
【0020】
その他の改善点は、導波管を介して導入されるガスも流動層を流動させるのに利用される場合に得られる。このように、ガスの一部は、導波管の粉塵除去に用いられ、事前に他の供給用導管を介してその流動層へ導入されている。
【0021】
本発明によれば、微細粒状化固形物を種材料として用いるが、これらの固形物の少なくとも大部分の粒子サイズは1mm以下である。たとえば処理対象の粒状固形物は、鉱石および特に硫化鉱石にすることができ、硫化鉱石は、たとえば金、銅もしくは亜鉛の回収用に準備される。さらに、たとえば亜鉛含有の処理用酸化物などの再利用物質、または廃棄物質を、流動層において熱処理することができる。たとえば金含有の流ヒ鉄鉱などの硫化鉱石が本方法を受けた場合、硫化物が酸化物に転化され、適切な手順によって、好ましくは素硫黄と、ほんの少量のSO2 とが生成される。本発明の方法は、有利なように鉱石の構造をばらばらにして、次の浸出処理で歩留まりが改善されるようにしている。熱処理により生成される硫化ヒ鉄(FeAsS)は容易に処置することができる。
【0022】
本発明によるプラントは、特に上述の方法を行なうのに用いることができ、これは微細粒状化固形物の熱処理用流動層反応炉と、マイクロ波供給源とを含んでいる。反応炉に対しては、ガス供給システムが連結されており、それは、特にガス供給管を含むことができ、そしてガス供給システムを通って流れるガスが、ガス供給システムを少なくとも部分的に包囲する固定式環状流動層から、反応炉の混合チャンバの中へと固形物を運び込み、かつマイクロ波供給源により生成されるマイクロ波放射が、ガス供給システムを介して導入できるように形成される。好ましくは、このガス供給システムは、混合チャンバへと延びている。
【0023】
本発明によれば、好ましくは、このガス供給システムは、反応炉の下部領域から実質的に垂直に上方へ延びて、好ましくは反応炉の混合チャンバへ向かうガス供給管(中央管)を含み、このガス供給管は、少なくとも一部が中央管の周囲に延びているチャンバによって囲まれ、さらにその中には固定式環状流動層が形成されている。中央管は、その出口開口部でノズルを構成し、および/またはその外殻表面の周囲に配した1つ以上の窓を有することができ、反応炉の運転中に、固形物を、窓を介して中央管へ連続して入るようにし、そして中央管を介して混合チャンバへと第1のガスまたはガス混合物に乗って運ばれるようにする。もちろん、異なるまたは同一の寸法および形状の2つ以上の中央管を、反応炉内に設けることもできる。しかし、好ましくは、中央管の少なくとも1つを、反応炉の断面域に対してほぼ中央に配するようにする。
【0024】
本発明によれば、マイクロ波放射は、導波管における反応炉に対して供給される。マイクロ波放射は、すべての種類の幾何学的形状の導電性中空部において、その寸法が所定の最小数値より低下しない限り、行なうことができる。導波管は、その全体または大部分が、導電材料、たとえば銅から成っている。第1の実施例において、ガス供給管は、マイクロ波を導入する導波管を直接構成している。このように設計された反応炉の簡易な構造に比べて、この導波管内に追加的に存在するガス流は、粉塵もしくは他の不純物が導波管を介してマイクロ波供給源へ侵入してそれを損傷することを回避している。さらに、その中に含まれるガスもしくは粒子の吸収能力にもよるが、ガス供給管内のガスをマイクロ波によって事前に予熱することができる。
【0025】
これに代わって、またはこれに加えて、反応炉にマイクロ波放射を供給する分離導波管の少なくとも1つは、本発明によるガス供給管内に、たとえばやりの形状で配置することができる。導波管が中央管のオリフィス領域付近、またはその少し下方で終端するとき、混合チャンバに流れるガス流は、導波管に不純物が入り込むのを回避する。同時に、マイクロ波放射は、実質的に損失なく、反応炉に導入することができる。また、本発明によれば、複数のガス供給管(中央管)および/または複数の導波管を備えることができ、別個のマイクロ波供給源をそれぞれの導波管に連結する。このように、反応炉におけるマイクロ波の強度は、マイクロ波供給源の強度または周波数を変えることなく、それぞれのマイクロ波供給源を単に閉じることによって変えることができる。これがとくに有利であるのは、このように、マイクロ波供給源、およびそれぞれ連結された導波管の最適な調整を維持し、それでも反応炉で総強度を変えることができるためである。
【0026】
マックスウェル方程式(非定常、非線形微分方程式)は結局、対応する境界条件で解かれなければならないので、共振条件の正確な計算はかなり複雑な計算になる。しかし、導波管の断面が矩形もしくは円形の場合、方程式は、解析を用いて解くことができる程度にまで簡易化することができ、したがって、導波管の設計に関しての問題が明確になり、解決が容易になる。それゆえ、また製造が比較的容易なため、矩形導波管および円形導波管だけが工業に用いられ、また、それらは、本発明によっても好ましく用いられる。主として用いられている矩形導波管はアングロサクソン系の文献においては標準化されている。
【0027】
これらの標準寸法は、ドイツ国において採用されたのであるが、これは一つには端数の寸法が出るからである。一般に、周波数2.45GHz のすべての工業用マイクロ波供給源は、43x86mm の断面を有する型式R26 の矩形導波管を装備している。導波管においては、さまざまな振動状態が存在し、直交電界モード(TEモード)では、電界成分がその導波管の方向に対して直交しており、磁界成分は導波管の方向になっている。直交磁界モード(TMモード)では、磁界成分が導波管の方向に対して直交し、電界成分が導波管の方向になっている。両方の振動状態は、さまざまなモード数(たとえば、TE-1-1、TM-2-0)で、空間のすべての方向に現れることができる。
【0028】
本発明によれば、導波管の長さは0.1から10mまでの範囲内にある。この長さの導波管を実際には特に容易に扱うことができることが分かっている。導波管は、直状または曲げた構造のものにしてよい。
【0029】
反応炉の環状流動層および/または混合チャンバにおいて、固形物流および/または液体流を偏向する手法を、本発明により提供することができる。たとえば、直径が中央管のものと反応炉壁のものとの間にある環状越流堰を、環状流動床層に配置して、その越流堰の上部縁端を突出させて運転中に得られる固形物の高さを越えるようにし、他方この越流堰の下部縁端をガス分配器もしくは同様なものから間隔を置いて配設するようにすることができる。したがって、反応炉壁の付近の混合チャンバから分離された固形物は、中央管のガス流によって混合チャンバへ運び戻され得る前に、越流堰によってその下部縁端を、初めに通過させる必要がある。このようにして、固形物の交換を環状流動層において強制的に行なって、環状流動層における固形物のより均一な保持時間を得られるようにしている。
【0030】
本発明を適用したことによる発展、利点および将来性も次の実施例の説明および図から読み取ることができる。記載および/または図示したすべての特徴それ自体または任意の組合せは、特許請求の範囲または以下の記載に含まれるものによらず、本発明の主題に属するものである。
【好ましい実施例の詳細な説明】
【0031】
図1を参照して、まず、固形物の熱処理湯プラントおよびその方法を、概略的に記載して、本発明による動作を説明する。
【0032】
固形物の熱処理に関して、プラントは、たとえば、反応炉の長手方向の軸とほぼ同軸上に配設した中央管3を備えた円筒状反応炉1を含み、中央管は、反応炉1の底部から実質的に垂直に上方へと延びている。この反応炉1の底部の付近には、図示しないガス分配器を設けており、そこへ供給導管19が開口している。混合チャンバ7を形成している反応炉1の、垂直に上部の区域には、出口13が配置され、これがサイクロンから成る分離器14へ開口している。
【0033】
ここで、固形物バンカー5からの、たとえば粒状鉱石の形状の固形物が、固形物用導管6を介して反応炉1へ導入された場合、中央管3を環状に取巻く、環状流動層8と称する層が、上記ガス分配器上に形成される。反応炉1および中央管3のいずれも、この環状流動層8が少なくともその一部が中央管3を包囲しているかぎりは、もちろん、好ましい円形断面とは異なる断面を有することができる。供給導管19から導入される流動ガスは、ガス分配器を通過し、環状流動層8を流動化して、固定流動層を形成する。好ましくは、ガス分配器は、多数の噴出口を供給導管19へ連結した噴出口群から成る。より簡易な一実施例では、ガス分配器を、その下方にガス分配チャンバを配置した配管網で構成することもできる。反応炉1に対して供給するガスの速度を調節して、環状流動層8における粒子フルード数を約0.115 ないし1.15の間にする。
【0034】
より多くの固形物を環状流動層8へ供給することによって、反応炉1における固形物の高さは、固形物が中央管3のオリフィスへ到達する程度まで上昇する。中央管3を介して、好ましくは200から1000℃の間の温度で熱ガスまたはガス混合物が反応炉1へ導入される。好ましくは、中央管3から反応炉1へ供給されるガスの速度を調整して、粒子フルード数が、中央管3においては約1.15ないし20の間に、混合チャンバ7においては約0.37ないし3.7にする。
【0035】
環状流動層8の固形物の高さが、中央管3の上部縁端部の上方に上昇するので、固形物はこの縁端部を越えて中央管3へ流入する。中央管3の上部縁端部を直状に、または異なる形状、たとえば鋸歯状にし、または側面の開口部を設けることができる。ガスが高速のため、中央管3を通って流れるガスは、上部オリフィス領域を通過する場合、固定式環状流動層8から混合チャンバ7へと固形物を運び込み、これによって強力に内部混合された懸濁液が生成される。
【0036】
反応炉1とは反対側の中央管3の端部には、マイクロ波供給源2が配設されている。発生するマイクロ波放射は、導波管4を構成している中央管3を介して混合チャンバ7へ導入され、そして少なくともその一部が反応炉1の加熱に寄与する。
【0037】
供給導管として機能する導波管4からマイクロ波をデカップリングする方式は、さまざまな手法で行なうことができる。理論的には、マイクロ波エネルギーを、損失のない導波管で搬送することができる。導波管の断面は、コイルおよびコンデンサから成る電気発振回路の非常に高い周波数に向かう論理展開として得られる。理論的には、このような発振回路を、同様に、損失のなく作動させることができる。共振周波数が実質的に増大する場合、電気発振回路のコイルが半分の巻線になるが、これは導波管の断面の一方の側に相当する。コンデンサは平板コンデンサになり、同様に、これは導波管の断面の2つの側に相当する。実際には、発振回路は、コイルおよびコンデンサにおけるオーム抵抗によってエネルギーを損失する。導波管は、導波管壁におけるオーム抵抗によってエネルギーを損失する。
【0038】
第2の発振回路を電気発振回路に接続することにより、電気発振回路からエネルギーを分岐することができ、それは第1の発振回路からエネルギーを引き出す。同様に、第2の導波管を第1の導波管にフランジ加工することによって、エネルギーをそれからデカップリング(導波管遷移)することができる。第1の導波管を結合点の後で短絡用プランジャによって閉めれば、全エネルギーでさえ、第2の導波管へ転送させることができる。
【0039】
導波管におけるマイクロ波エネルギーは、導電壁によって囲封されている。その壁には壁電流が流れ、その導波管の断面には電磁界があり、その電磁界強度をメートル当り数10KVにすることができる。ここで、導電アンテナロッドを導波管に差し入れた場合、それが電磁界の電位差を直接、散逸し、適した形状でその端部(アンテナまたはプローブのデカップリング)で再度それを放出する。開口部を介して導波管へ入り、他の点で導波管壁と接触するアンテナロッドは、なおも直接、壁電流を受けることができ、そのうえその端部で放出することができる。導波管を、短絡用プランジャによってアンテナ結合後に閉じれば、全エネルギーを、この場合でも同様に、導波管からアンテナへ転送することができる。
【0040】
導波管における壁電流の電界線が、スロットによって妨害されている場合、マイクロ波エネルギーは、壁内を流れることができないので、そのエネルギーは、これらのスロット(スロット・デカップリング)を介して導波管から現れる。矩形導波管における壁電流は、導波管の広い側面の中央をその中心線に平行に流れ、導波管の狭い側面の中央でその中心線を横断する。したがって、広い側面内の横断方向のスロットおよび狭い側面内の長手方向のスロットが、導波管からマイクロ波放射をデカップリングする。
【0041】
上述の方法のうちの1つにおいて、導波管4からデカップリングされたマイクロ波放射は、混合チャンバ7において生成される懸濁液、特に結合する固形物によって吸収され、その加熱に寄与する。このとき、中央管3を介して供給されるプロセスガスと粒状固形物との所望の反応が、混合チャンバ7において行なわれる。ここで、温度は200ないし1500℃の間になっている。混合チャンバ7内に広がっている第1のガス(プロセスガス)の流速が低減するため、または反応炉壁に対する衝撃のため、反応した粒状材料は、沈んで環状流動層8へ戻り、加熱部9によって所望の温度まで加熱して維持することができる。粗粒固形物は、排出導管10を介して回収される。沈殿せずに固形物となった残余物を含有するガスが、反応炉の上部へ流入し、含塵ガスは冷却部12によって冷却される。出口13を介して、ガスが分離器から成るサイクロン14へ導入され、その前面においてガスが導管15を介して回収されて冷却器において冷却される。ガスは次の分離器17、たとえばサイクロンもしくはフィルタにおいて除塵され、一部が無含塵ガスとして下方から導管18、19を通り、回転するノズルを介して、次の処理用の環状流動層8へ供給される。他の導管20が無含塵ガスを分岐して中央羽口3または導波管4へ送り込み、パージガスおよび/またはプロセスガスとして機能させて、導管3、4を無塵に保つようにしている。さらに、遊離プロセスガスを図示しない導管を介して中央管3へ混入させることができる。
【0042】
分離器において分離された固形物、特に粉塵は、サイクロン14の下部を介して環状流動層内へ再循環され、ここで微細固形物を製品として導管11を介して排出することができる。このようにして、反応炉1の環状流動層8内の固形物の水準を容易に調節することができる。固形物の再循環の調節には、本発明によれば、中央管3と分離器14へ通じる反応炉1の出口導管(出口13)との間の圧力損失を計測することおよびそれを再循環される固形物の量を変化させることによって調整することが非常に有益である。特に有利であると分かっているものは、下流定量供給部材、たとえば可変速星形供給器もしくはローラー式回転弁を有する流動層中間容器であり、再循環に必要な固形物を、たとえば、溢流によって排出して、次の利用に向けて供給することができる。簡易な方式で固形物を再循環させることが、反応炉1内の本方法の条件を一定に保つこと、および/または反応炉1内の固形物の平均保持時間を調節することに寄与する。
【0043】
図2は、第2の実施例による反応炉1の下部を示す。ここには、2つのマイクロ波供給源2a、2bが設けられており、別個の中央管3a、3bがそれぞれのマイクロ波供給源へ連結されて、マイクロ波を混合チャンバ7へ導入する。この場合においても、中央管3a、3bは、導波管4a、4bとして直接用いられる。いずれの中央管3a、3bも、導管20を介して無含塵ガスが供給され、そのガスは、再びパージガスとして機能する。2つの図示するマイクロ波供給源2a、2bではなく、複数のマイクロ波供給源であって、対応する数の導波管および中央管を備えたものを設けてもよく、それらを反応炉より下方に、または反応炉の周囲に配設する。
【0044】
同様に、図3は、反応炉1の下部を示す。この実施例の反応炉1においても、2つのマイクロ波供給源2a、2bが設けられ、それらがマイクロ波を別個の導波管4a、4bのそれぞれを介して混合チャンバへ導入する。導波管4a、4bは、中央管3へ導入されて、そこで混合チャンバ7へ案内される。導波管4a、4bの汚染を回避するために、それらは、無含塵ガスが導管20を介して供給され、ここではパージガスとして機能する。この場合、中央管3は、たとえば含塵プロセスガスの導入に用いられる。現在の反応炉1の次の改修に関しては、中央管3の導管の部分を変えて、中央管3に導波管4a、4bの気密通路を設ける必要があるだけである。図示した2つのマイクロ波供給源2a、2bではなく、複数のマイクロ波供給源を設けることができ、それらは、反応炉1よりも下方に、または反応炉1の周囲に配設される。複数のマイクロ波供給源は、単に個々のマイクロ波供給源のスイッチを入れたり切ったりすることにより、反応炉1へ導入されるマイクロ波放射の総体強度を変化させることができ、導波管を最適に調節するためにマイクロ波供給源の動作パラメータを変える必要はない。
【0045】
本方法を適用した場合、処理対象の固形物は、少なくとも一部が、使用電磁放射を吸収し、それによって流動層を加熱する。驚くべきことには、特に高い電磁界強度で処理した物質は、より簡易に浸出できることが分かった。また、他の技術上の利点には、たとえば、保持時間の短縮または必要なプロセス温度の低減などを達成できることがある。
【0046】
中央管3および環状流動層8を備えた反応炉1は、長い固形物保持時間と、非常に良好な質量伝達および熱伝達特性とを組み合わせることを特徴とするので、粒状材料の熱処理には特に有用である。本発明によれば、プロセスガスの大部分が中央管3を介して混合チャンバ7へ導入されて、固形物は、中央管3の周囲に配設された固定流動層8からこの固定流動層8の下方に配置された混合チャンバ7へと運び込まれる。これは、特に良好な混合懸濁液をもたらす。反応炉1の断面の選択によって、低い平均流速を混合チャンバ7で得ることが保証される。この結果、固形物のほとんどが懸濁液から分離され、環状流動層8へ戻る。環状流動層と混合チャンバ間に生じる固形物の循環は、通常、外部から反応炉へ供給される固形物質量流量よりも1桁だけ高い。したがって、混合チャンバに存在する粒状固形物が、中央管の上方で最高マイクロ波電力密度の帯域を繰り返し通過し、固形物が、導波管を介してそこに結合したマイクロ波放射を、特に容易に吸収できることが保証される。
【0047】
実施例(金鉱石のか焼)
本発明による方法の具体的な実施例は、金鉱石のか焼であり、図3によるプラントにおいて実行する。
【0048】
この適用の場合に関して、粒子フルード数Frpは、固定環状流動層8においては約0.35、混合チャンバ7においては約1.3、中央管3においては約15である。使用マイクロ波周波数は約2.45GHzである。
【0049】
本方法に要するパラメータを次の表から得ることができる。
投入材料
種類 金鉱石、粉砕、乾燥および分別
金含有量約5ppm = 5g/t
粒子分級物
最大 μm 50

組成 wt/%
有機C 1.05
CaCO3 19.3
Al2O3 12.44
FeS2 2.75
不活性物質、たとえばSiO2 64.46
固形物処理量、約 t/h 100

装置
反応炉の種類: 環状流動層を有し、
空気を500℃まで予熱した反応炉
連結対象物: オンラインガス分析+廃棄ガススクラバ
反応炉上部、直径 mm 5000
運転 連続
設置マイクロ波電力 kW 6
導波管 R26(43×86 mm、ステンレススチール製)
流動空気流率 Nm3/h 9200

運転条件
固形物保持時間 min 5
温度 ℃ 550 ないし650
廃棄ガス中残存O2 vol-% 0.5 ないし3.00

製品中の有機炭素含有量は、0.1%よりも低い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例による方法およびプラントの工程概略図を示す。
【図2】図2は、本発明の第2の実施例による方法を実行する反応炉を示す。
【図3】図3は、本発明の第3の実施例による方法を実行する反応炉を示す。
【符号の説明】
【0051】
1 反応炉
2、2a、2b マイクロ波供給源
3 中央管
4、4a、4b 導波管
5 固形物用バンカー
6 固形物用導管
7 混合チャンバ
8 環状流動層
9 加熱部
10 排出導管
11 導管
12 冷却部
13 出口、出口導管
14 分離器、サイクロン
15 ガス導管
16 冷却器
17 分離器
18 ガス導管
19 供給用導管
20 ガス導管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動層反応炉(1)における粒状固形物の熱処理方法であって、マイクロ波供給源(2)からマイクロ波放射を前記反応炉(1)へ供給する方法において、第1のガスまたはガス混合物を、少なくとも1つの好ましい中央ガス供給管(3)を通して下方から、前記反応炉の混合チャンバ(7)へ導入し、前記ガス供給管(3)の少なくとも一部を、流動ガスを供給することにより流動化される固定環状流動層(8)によって包囲し、前記マイクロ波放射を、前記同ガス供給管(3)を通して前記混合チャンバ(7)へ供給することを特徴とする熱処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記第1のガスまたはガス混合物の、および前記環状流動層(8)用流動ガスの気体速度を調節して、粒子フルード数を、前記ガス供給管(3)においては1ないし100 の間に、前記環状流動層(8)においては0.02ないし2の間に、前記混合チャンバ(7)においては0.3 ないし30の間にすることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、前記粒子フルード数を、前記ガス供給管(3)においては1.15ないし20の間にすることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法において、前記粒子フルード数を、前記環状流動層(8)においては0.115 ないし1.15の間にすることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の方法において、前記粒子フルード数を、前記混合チャンバ(7)においては0.37ないし3.7 の間にすることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の方法において、前記反応炉(1)における固形物層の高さを調節して、前記環状流動層(8)を前記ガス供給管(3)の上部オリフィス端部を越えて延ばし、固形物を、前記第1のガスまたはガス混合物へ導入して、そのガス流によって前記ガス供給管(3)のオリフィス領域の上方に配置した前記混合チャンバ(7)へ運び込むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の方法において、前記マイクロ波放射を、導波管(4、4a、4b)を構成しているガス供給管(3、3a、3b)を通して、および/または前記ガス供給管(3)に配設されている導波管(4a、4b)を通して導入することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の方法において、前記マイクロ波放射を、複数の導波管(4a、4b)を通して導入し、それぞれの導波管(4a、4b)に別個のマイクロ波供給源(2a、2b)を設けていることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の方法において、パージガスを、前記導波管(4、4a、4b)に通過させることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の方法において、前記マイクロ波供給源(2)に用いる周波数を、300MHzないし30GHz の間に、好ましくは、400MHzないし3GHz の間に、特にISM周波数435MHzでは915MHzないし2.45GHzの間にすることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の方法において、前記導波管(4)の断面および寸法を、マイクロ波放射に用いる周波数に合わせることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の方法において、前記固定環状流動層(8)の温度を、150 ℃ないし1500℃の間にすることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の方法において、前記反応炉(1)から排出され、下流の分離器(14)において分離された固形物を、少なくともその一部を、前記反応炉の前記環状流動層(8)へ再循環させることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の方法において、前記導波管(4)を介して導入されるガスを、前記固定流動層(8)の追加的流動化に用いることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載の方法において、1mm 以下の粒子サイズの微細粒状化固形物を、種材料として供給することを特徴とする方法。
【請求項16】
粒状固形物の熱処理用プラントであって、特に請求項1ないし15のいずれかに記載の方法を実行する、流動層反応炉から成る反応炉(1)とマイクロ波供給源(2)とを有するプラントにおいて、前記反応炉(1)は、ガス供給システムを含み、該システムは、該ガス供給システムを通って流れるガスが、少なくとも部分的に前記ガス供給システムを包囲する固定環状流動層(8)から前記混合チャンバ(7)へ固形物を運び込み、マイクロ波放射を、前記ガス供給システムによって導入することができるように形成されることを特徴とするプラント。
【請求項17】
請求項16に記載のプラントにおいて、前記ガス供給システムは、前記反応炉(1)の下部区域から実質的に垂直に上方へ延びて前記反応炉(1)の前記混合チャンバ(7)へ向かう前記ガス供給管(3)を含み、前記ガス供給管(3)は、少なくともその一部が前記ガス供給管(3)の周囲へ延びているチャンバによって包囲され、前記固定環状流動層(8)が形成されることを特徴とするプラント。
【請求項18】
請求項17に記載のプラントにおいて、前記ガス供給管(3)は、前記反応炉(1)の断面領域に対してほぼ中央に配設されることを特徴とするプラント。
【請求項19】
請求項16ないし18のいずれかに記載のプラントにおいて、前記ガス供給管(3)は、前記マイクロ波放射を導入する導波管(4)を構成することを特徴とするプラント。
【請求項20】
請求項16ないし19のいずれかに記載のプラントにおいて、前記ガス供給管(3)には、マイクロ波放射を案内する、少なくとも1つの導波管(4a、4b)が配設されることを特徴とするプラント。
【請求項21】
請求項16ないし20のいずれかに記載のプラントにおいて、複数のガス供給管(3a、3b)および/または複数の導波管(4a、4b)が設けられ、それぞれの導波管(4a、4b)に対して別個のマイクロ波供給源(2a、2b)が連結されることを特徴とするプラント。
【請求項22】
請求項19ないし21のいずれかに記載のプラントにおいて、導波管(4)は、矩形または円形の断面であることを特徴とするプラント。
【請求項23】
請求項19ないし22のいずれかに記載のプラントにおいて、導波管(4)は、0.1mから10mまでの長さであることを特徴とするプラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−512189(P2006−512189A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561180(P2004−561180)
【出願日】平成15年11月24日(2003.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013163
【国際公開番号】WO2004/056467
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(505232933)オウトクンプ テクノロジー オサケ ユキチュア (19)
【氏名又は名称原語表記】OUTOKUMPU TECHNOLOGY OY
【Fターム(参考)】