説明

薄膜トランジスタ表示板の製造方法

【課題】本発明は、薄膜トランジスタの半導体に含まれている金属による漏洩電流を最少化して薄膜トランジスタの特性及び信頼度を向上させる。
【解決手段】本発明による薄膜トランジスタ表示板の製造方法は、絶縁基板上に非晶質シリコン膜を形成する段階と、非晶質シリコン膜上に凹凸を有する犠牲膜を形成する段階と、犠牲膜上に金属板を接触させた後、熱処理することによって非晶質シリコン膜を結晶化して多結晶シリコン膜を形成する段階と、金属板及び犠牲膜を除去する段階と、多結晶シリコン膜をパターニングして島状部材を形成する段階と、島状部材を覆うようにゲート絶縁膜を形成する段階と、ゲート絶縁膜上に島状部材と一部分が重なるゲート線を形成する段階と、島状部材の所定領域に導電型不純物を高濃度にドーピングしてソース/ドレイン領域を形成する段階と、ゲート線及び島状部材を覆うように層間絶縁膜を形成する段階と、層間絶縁膜上にソース/ドレイン領域と連結されるデータ線及び出力電極を形成する段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ表示板の製造方法に関する。より詳細に説明すると、多結晶シリコンで構成される半導体を有する薄膜トランジスタ表示板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ表示板は、薄膜トランジスタによって駆動される複数の画素を有する液晶表示装置または有機発光表示装置(OLED)など、平板表示装置の一つの基板として用いられる。液晶表示装置は、電場を生成する電場生成電極とその間の液晶層を含む。このような液晶表示装置は、二つの電場生成電極に電圧を印加して液晶層に電場を形成することによって、液晶分子の配向を決定して入射光の偏光を調節して映像を表示する。この場合、薄膜トランジスタは電極に印加される信号を制御するために用いられる。
【0003】
薄膜トランジスタは、非晶質シリコンまたは多結晶シリコンなどで形成される。
非晶質シリコンは、低い温度で蒸着して薄膜(thin film)を形成でき、主に低い融点を有するガラスを基板として使用する表示装置に多く使用される。
非晶質シリコンを結晶化して多結晶シリコン膜を形成する方法としては、ELA(eximer laser anneal、)、炉熱処理(chamber anneal)、SLS(sequential lateral solidification)、MIC(Metal-induced crystallization)、またはMILC(Metal-induced lateral crystallization)などがある。
【0004】
この中で、MICまたはMILC法は、非晶質シリコン膜の所定領域に金属を直接接触させて多結晶シリコン膜を形成する。この時、金属原子が非晶質シリコン膜内に移動しながら結晶化が行われる。このようなMIC及びMILC法は、レーザーを利用する他の方法と比べて費用が安く、均一な薄膜トランジスタの特性を得ることができる。
しかし、MIC及びMILC法は、非晶質シリコン膜上に金属膜を形成しなければならず、特に、MILC法の場合にはパターニング工程も要する。そして、非晶質シリコン膜内に移動して触媒として利用される金属原子によって結晶化が終わってから、薄膜トランジスタのチャンネル領域、またはソース若しくはドレインの接合(junction)領域に金属原子が存在するが、これは漏洩電流の原因となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、薄膜トランジスタの半導体に含まれている金属による漏洩電流を最少化して薄膜トランジスタの特性及び信頼度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明1は、以下の段階を含む薄膜トランジスタ表示板の製造方法を提供する。
・絶縁基板上に非晶質シリコン膜を形成する段階と、
・前記非晶質シリコン膜上に凹凸を有する犠牲膜を形成する段階と、
・前記犠牲膜上に金属板を接触させた後、熱処理することによって前記非晶質シリコン膜を結晶化して多結晶シリコン膜を形成する段階と、
・前記金属板及び前記犠牲膜を除去する段階と、
・前記多結晶シリコン膜をパターニングして島状部材を形成する段階と、
・前記島状部材を覆うようにゲート絶縁膜を形成する段階と、
・前記ゲート絶縁膜上に前記島状部材と一部分が重なるゲート線を形成する段階と、
・前記島状部材の所定領域に導電型不純物を高濃度にドーピングしてソース/ドレイン領域を形成する段階と、
・前記ゲート線及び島状部材を覆うように層間絶縁膜を形成する段階と、
・前記層間絶縁膜上に前記ソース/ドレイン領域と連結されるデータ線及び出力電極を形成する段階。
【0007】
本発明2は、前記発明1において、前記非晶質シリコン膜上に凹凸を有する犠牲膜を形成する段階では、前記凹凸を規則的に形成する、薄膜トランジスタ表示板の製造方法を提供する。
本発明3は、前記発明1において、前記非晶質シリコン膜上に凹凸を有する犠牲膜を形成する段階では、前記犠牲膜の厚さを数十〜数千Åに形成する、薄膜トランジスタ表示板の製造方法を提供する。
【0008】
本発明4は、前記発明1において、前記非晶質シリコン膜上に凹凸を有する犠牲膜を形成する段階では、SiON、SiO、SiNxのうちのいずれか一つを用いて前記犠牲膜を形成する、薄膜トランジスタ表示板の製造方法を提供する。
本発明5は、前記発明1において、前記金属板としてニッケル板を用いる、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、犠牲膜を利用すると、結晶化に必要な最小限の量だけで非晶質シリコン膜を結晶化することができ、多結晶シリコン膜に含まれたニッケル含有量を最少化できる。また、犠牲膜が一定の大きさの凹凸を有するため、多結晶シリコン膜に形成される粒子間の境界が規則的に配置される。従って、このような粒子間の境界による電気的特性及び光学的特性が均一で、漏洩電流が減少した高品質の薄膜トランジスタ表示板を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は多様な形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
図面から多様な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体に渡って類似な部分については同一図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるとする時、これは他の部分の“直ぐ上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の“直上”にあるとする時には中間に他の部分がないことを意味する。
【0011】
本発明の実施形態1である液晶表示装置用薄膜トランジスタについて、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態1による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。図2は、図1の薄膜トランジスタ表示板をII-II’-II’’線に沿って切断して示した断面図である。
【0012】
図1及び図2に示したように、透明なガラスまたはプラスチックなどで形成された絶縁基板110上に、酸化ケイ素(SiOx)または窒化ケイ素(SiNx)などで構成される遮断膜111が形成されている。遮断膜111は複層構造でもよい。
遮断膜111上には多結晶シリコンなどで構成される複数の島状半導体151が形成されている。島状半導体151は横に長く、その両側端部は他の層との接続のために面積が広い。
【0013】
島状半導体151は、MIC方法によって非晶質シリコンを結晶化したものであり、島状半導体151内に金属原子を含むことができ、部分的に島状半導体151に含まれた金属原子の濃度が異なることもありうる。
各々の島状半導体151は、導電性不純物を含有する不純物領域(extrinsic region)と導電性不純物を殆ど含有しない真性領域(intrinsic region)とを含み、不純物領域には不純物濃度が高い高濃度領域(heavily doped region)と不純物濃度が低い低濃度領域(lightly doped region)とを含む。
【0014】
真性領域は、互いに離れている二つのチャンネル領域154a、154bを含む。そして、高濃度不純物領域はチャンネル領域154a、154bを中心に互いに分離されている複数のソースまたはドレイン領域153、155、157を含む。
そして、高濃度不純物領域153、155、157とチャンネル領域154a、154bとの間に位置した低濃度不純物領域152a、152bは、低濃度ドーピングドレイン領域(LDD region)といい、その幅が他の領域より狭い。この時、導電性不純物としては、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)などのP型不純物と、リン(P)、砒素(As)などのN型不純物とがある。低濃度ドーピング領域152a、152bは、薄膜トランジスタの漏洩電流やパンチスルー(punch through)現象が発生することを防止し、低濃度ドーピング領域152a、152bは、不純物が入っていないオフセット(offset)領域に代替できる。
【0015】
島状半導体151及び遮断膜111上には、窒化ケイ素または酸化ケイ素で構成されるゲート絶縁膜140が形成されている。
ゲート絶縁膜140上には、主に横方向に延びた複数のゲート線121と複数の維持電極線131が形成されている。
ゲート線121はゲート信号を伝達し、ゲート線121の一部は上に突出するゲート電極124a、124bを含む。ゲート電極124a、124bは、島状半導体151のチャンネル領域154a、154bと重なる。
【0016】
ゲート電極124a、124bは、低濃度ドーピング領域152a、152bと重なってもよい。
各ゲート線121は、他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部を含んでもよい。ゲート信号を生成するゲート駆動回路(図示せず)が基板110上に集積される場合、ゲート線121が延びてゲート駆動回路と直接連結される。
【0017】
維持電極線131は、二つのゲート線121の間に位置して二つのゲート線121のうちの下方向に隣接している。維持電極線131は、上側のゲート線121付近まで縦方向に延びた維持電極133を含み、共通電極(図示せず)に印加される共通電圧など所定の電圧の印加を受ける。
ゲート線121及び維持電極線131は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金など銀系の金属、銅(Cu)や銅合金など銅系の金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などモリブデン系の金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)及びチタン(Ti)などで構成できる。しかし、ゲート線121及び維持電極線131は、物理的性質が異なる二つの導電膜(図示せず)を含む多重膜構造を有することができる。
【0018】
この内、一つの導電膜は、信号遅延や電圧降下を減らすことができるように低い比抵抗の金属、例えば、アルミニウム系の金属、銀系の金属、銅系の金属で構成される。他の一つの導電膜は、他の物質、特にITO(indium tin oxide)及びIZO(indium zinc oxide)との物理的、化学的、電気的接触特性に優れた物質、例えばモリブデン系金属、クロム、タンタル、またはチタンなどで構成される。このような組み合わせの良い例としては、クロム下部膜とアルミニウム上部膜及びアルミニウム下部膜とモリブデン上部膜がある。これらの導電膜のうちの一つは、ゲート線121及び維持電極線131の信号遅延や電圧降下を減らすことができるように、低い比抵抗の金属、例えば、アルミニウム系の金属、銀系の金属、銅系の金属で構成される。他の一つの導電膜は、他の物質、特にITO(indium tin oxide)及びIZO(indium zinc oxide)との接触特性に優れた物質、例えば、モリブデン系金属、クロム、タンタル、またはチタンなどで構成できる。このような組み合わせの良い例としては、クロム下部膜とアルミニウム上部膜及びアルミニウム下部膜とモリブデン上部膜がある。
【0019】
ゲート線121及び維持電極線131の側面は、上部の薄膜がなだらかに連結されるように基板110の表面に対して傾いている。
ゲート線121、維持電極線131及びゲート絶縁膜140上には、層間絶縁膜160が形成されている。層間絶縁膜160は、平坦化特性が優れていて感光性を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着で形成されるa-Si:C:O、a-Si:O:Fなどの低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化ケイ素などで形成できる。層間絶縁膜160及びゲート絶縁膜140には、最も外側方向に位置したソースまたはドレイン領域153、155を各々露出する複数の接触孔163、165が形成されている。
【0020】
層間絶縁膜160上には、ゲート線121と交差する複数のデータ線171及び複数の出力電極175が形成されている。
各々のデータ線171は、接触孔163を通してソース領域153と連結されている入力電極173を含む。データ線171の一端部は、他の層または外部の駆動回路と接続するために面積が広く、データ信号を生成するデータ駆動回路(図示せず)が基板110上に集積される場合に、データ線171がデータ駆動回路に直ちに連結される。隣接した二つのデータ線171の間には維持電極133が位置する。
【0021】
出力電極175は、入力電極173と離れていて接触孔165を通してドレイン領域155と連結されている。
データ線171及び出力電極175は、モリブデン、クロム、タンタル、チタンなどの耐火性金属、またはこれらの合金で構成されるのが望ましい。しかし、これらもゲート線121のように抵抗が低い導電膜と接触特性が良い導電膜を含む多層膜構造を有することができる。多層膜構造の例としては、前記に説明したクロム下部膜とアルミニウム上部膜、またはアルミニウム下部膜とモリブデン上部膜の二重膜、他にもモリブデン膜-アルミニウム膜-モリブデン膜の三重膜がある。
【0022】
データ線171及び出力電極175の側面も、基板110面に対して傾いているのが望ましい。
データ線171、出力電極175及び層間絶縁膜160上には、平坦化特性に優れた有機物などで形成された保護膜180が形成されている。保護膜180は、感光性を有する物質であり、写真工程だけで形成できる。保護膜180はまた、プラズマ化学気相蒸着(PECVD)で形成されるa-Si:C:O、a-Si:O:Fなど誘電常数4.0以下の低誘電率絶縁物質または窒化ケイ素などの無機物で構成でき、無機物で構成される下部膜と有機物で構成される上部膜とを含むこともできる。そして、保護膜180は、出力電極175を露出する複数の接触孔185及びデータ線171の一端部を露出する複数の接触孔182を有する。保護膜180と層間絶縁膜160とは、ゲート線121の端部を露出する複数の接触孔(図示せず)を有することができる。
【0023】
保護膜180上には、IZO(indium zinc oxide)またはITO(indium tin oxide)などのように透明な導電物質またはアルミニウムや銀など不透明な反射性導電物質で構成される画素電極191及び接触補助部材82が形成されている。
画素電極191は、接触孔185を通してドレイン領域155に連結された出力電極175と連結されて、ドレイン領域155及び出力電極175からデータ電圧の印加を受ける。
【0024】
接触補助部材82は、データ線171の端部と外部装置との接着性を補完してこれらを保護する役割を果たす。データ電圧が印加された画素電極191は、共通電圧を印加される共通電極と共に電場を生成することによって、二つの電極の間の液晶層(図示せず)の液晶分子の方向を決定する。
液晶表示装置の場合、画素電極191と共通電極とは、キャパシタ(以下、“液晶キャパシタ”という)を構成して薄膜トランジスタが遮断された後にも印加された電圧を維持するが、電圧維持能力を強化するために液晶キャパシタと並列連結された他のキャパシタを備え、これをストレージキャパシタという。ストレージキャパシタは、画素電極191と維持電極133をはじめとする維持電極線131が重なって形成される。必要な維持キャパシタ量に応じて、維持電極133は省略できる。
【0025】
画素電極191はデータ線171と重なるが、これは開口率を向上させる。
図1及び図2に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する方法について、図3乃至図13を参照して詳細に説明する。
図3は、図1及び図2の薄膜トランジスタ表示板を本発明の実施形態1によって製造する方法の中間段階での断面図である。図4は、図3の次の段階での断面図である。図5は、図4の次の段階での配置図である。図6は、図5のV-V’-V’’線に沿って切断して示した断面図である。図7は、図6の次の段階での配置図である。図8は、図7のVIII-VIII’-VIII’’線に沿って切断して示した断面図である。図9は、図8の次の段階での断面図である。図10は、図9の次の段階での配置図である。図11は、図10のXI-XI’-XI’’線に沿って切断して示した断面図である。図12は、図10の次の段階での配置図である。図13は、図12のXIII-XIII’-XIII’’線に沿って切断して示した断面図である。
【0026】
まず、図3に示したように、透明な絶縁基板110上に遮断膜111を形成した後に、化学気相蒸着(CVD)、スパッタリングなどの方法で非晶質シリコン膜10を形成する。
そして、非晶質シリコン膜10上に犠牲膜20を形成して写真エッチング工程で犠牲膜20の表面に凹凸を形成する。凹凸は、位置によって厚さが異なる感光膜をエッチングマスクとして犠牲膜20をエッチングすることによって形成できる。
【0027】
位置によって感光膜の厚さを異ならせて形成する方法は様々であるが、露光マスクに透過領域と遮光領域だけでなく、半透過領域を備えるのが一つの例である。半透過領域には、スリットパターン、格子パターン、または透過率が中間であるか厚さが中間である薄膜を備える。スリットパターンを使用する時には、スリットの幅やスリットの間の間隔は、写真工程に用いられる露光器の分解能がより低いのが望ましい。他の例としては、リフロー(reflow)可能な感光膜が用いられる。つまり、透過領域と遮光領域のみを有する通常のマスクにリフローできる感光膜パターンを形成した後にリフローさせて、感光膜が残留しない領域に流れるようにすることによって薄い部分を形成する。
【0028】
犠牲膜20は、SiO、SiNxまたはSiONなどで形成でき、数十〜数千Åの厚さに形成できる。
図4に示したように、ニッケル板30を犠牲膜20上に接触させて、熱処理して非晶質シリコン膜10を結晶化して多結晶シリコン膜40を形成する。熱処理は400〜600゜Cの温度で行う。
【0029】
ここで、ニッケル板30は犠牲膜20の一部と接触し、接触箇所でニッケル板30のニッケル原子が犠牲膜20を通過して非晶質シリコン膜10に移動する。以降、移動したニッケル原子によって非晶質シリコン膜10の所定領域から結晶化が進められる。
このように非晶質シリコン膜10が直接ニッケル板30と接触せず、犠牲膜20によりニッケル原子が一部遮断されて、結晶化に必要な最小限の原子だけが非晶質シリコン膜10に伝達されるように、加熱を調節する。従って、多結晶シリコン膜40に含まれたニッケル原子の含有量を必要最小限まで減らし、犠牲膜20が一定寸法の規則的凹凸を有するならば、多結晶シリコン膜40に形成される粒子間の境界が規則的に配置される。
【0030】
図5及び図6に示したように、犠牲膜20を除去した後、多結晶シリコン膜40をパターニングして島状半導体151を形成する。
図7及び図8に示したように、基板110上に化学気相蒸着方法でゲート絶縁膜140を形成する。
以降、ゲート絶縁膜140上にスパッタリングなどの方法で、金属膜(図示せず)を積層して感光膜パターン(PR)を形成する。感光膜パターン(PR)をエッチングマスクに金属膜をエッチングして、ゲート電極124a、124bを含む複数のゲート線121及び維持電極133を含む複数の維持電極線131を形成する。
【0031】
この時、エッチング時間を十分に長くしてサイドエッチを大きくし、ゲート線121及び維持電極線131の境界線が感光膜パターン(PR)の内側に位置するようにする。
次に、感光膜パターン(PR)をイオン注入マスクとして島状半導体151にN型またはP型不純物イオンを高濃度に注入して、ソースまたはドレイン領域153、155、157を含む複数の高濃度不純物領域を形成する。
【0032】
次に、図9に示したように、感光膜パターン(PR)を除去した後、ゲート線121及び維持電極線131をイオン注入マスクとして島状半導体151にN型またはP型不純物イオンを低濃度にドーピングして複数の低濃度不純物領域152a、152bを形成する。
このようにすると、ゲート電極124a、124bの下領域はチャンネル領域154a、154bとなり、二つのゲート電極124a、124bの間に位置する領域はソース/ドレイン領域157となる。
【0033】
低濃度不純物領域152a、152bは、上記で説明した感光膜パターン以外に互いに異なるエッチング比を有する金属膜を利用したり、ゲート線121及び維持電極線131の側壁にスペーサなどを作ったりして形成できる。
以降、図10及び図11のように、基板110の前面に層間絶縁膜160を積層して写真エッチングして、ソース領域及びドレイン領域153、155を各々露出する複数の接触孔163、165を形成する。
【0034】
層間絶縁膜160上に、接触孔163、165を通して、各々ソース領域153及びドレイン領域155と連結される入力電極173を有する複数のデータ線171及び複数の出力電極175を形成する。
図12及び図13に示したように、保護膜180を積層して写真工程で保護膜180の一部を除去し、出力電極175及びデータ線171の端部を各々露出する接触孔185、182を形成する。
【0035】
最後に図1及び図2に示したように、保護膜180上にIZO、ITOなどのような透明な導電物質で接触孔185を通して出力電極175と連結される複数の画素電極191を形成する。
以上、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されることなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態も、本発明の権利範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図2】図1のII-II’-II’’線に沿って切断して示した断面図である。
【図3】図1及び図2の薄膜トランジスタ表示板を本発明の実施形態1によって製造する方法の中間段階での断面図である。
【図4】図3の次の段階での断面図である。
【図5】図4の次の段階での配置図である。
【図6】図5のV-V’-V’’線に沿って切断して示した断面図である。
【図7】図6の次の段階での配置図である。
【図8】図7のVIII-VIII’-VIII’’線に沿って切断して示した断面図である。
【図9】図8の次の段階での断面図である。
【図10】図9の次の段階での配置図である。
【図11】図10のXI-XI’-XI’’線に沿って切断して示した断面図である。
【図12】図10の次の段階での配置図である。
【図13】図12のXIII-XIII’-XIII’’線に沿って切断して示した断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 非晶質シリコン膜
20 犠牲膜
30 ニッケル板
40 多結晶シリコン膜
82 接触補助部材
110 基板
121 ゲート線
124a、124b ゲート電極
131 維持電極線
133 維持電極
140 ゲート絶縁膜
151 島状半導体
152a、152b 低濃度不純物領域
153 ソース領域
155 ドレイン領域
154a、154b チャンネル領域
160 層間絶縁膜
163、165、182、185 接触孔
171 データ線
173 入力電極
175 出力電極
191 画素電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板上に非晶質シリコン膜を形成する段階と、
前記非晶質シリコン膜上に凹凸を有する犠牲膜を形成する段階と、
前記犠牲膜上に金属板を接触させた後、熱処理することによって前記非晶質シリコン膜を結晶化して多結晶シリコン膜を形成する段階と、
前記金属板及び前記犠牲膜を除去する段階と、
前記多結晶シリコン膜をパターニングして島状部材を形成する段階と、
前記島状部材を覆うようにゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上に前記島状部材と一部分が重なるゲート線を形成する段階と、
前記島状部材の所定領域に導電型不純物を高濃度にドーピングしてソース/ドレイン領域を形成する段階と、
前記ゲート線及び島状部材を覆うように層間絶縁膜を形成する段階と、
前記層間絶縁膜上に前記ソース/ドレイン領域と連結されるデータ線及び出力電極を形成する段階と、
を含む薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項2】
前記非晶質シリコン膜上に凹凸を有する犠牲膜を形成する段階では、前記凹凸を規則的に形成する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項3】
前記非晶質シリコン膜上に凹凸を有する犠牲膜を形成する段階では、前記犠牲膜の厚さを数十〜数千Åに形成する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項4】
前記非晶質シリコン膜上に凹凸を有する犠牲膜を形成する段階では、SiON、SiO、SiNxのうちのいずれか一つを用いて前記犠牲膜を形成する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項5】
前記金属板としてニッケル板を用いる、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−47919(P2008−47919A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−212088(P2007−212088)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【出願人】(592127149)韓国科学技術院 (129)
【Fターム(参考)】