説明

表面処理用ノズル装置

【課題】表面処理用ノズル装置から処理ガスが漏洩するのを防止する。
【解決手段】ノズル装置3の板状の供給溝形成部材11の主面11fに処理ガス供給溝40を形成し、主面11fを被覆部材12で覆い、処理ガス供給溝40に処理ガスの供給手段4を接続する。開口溝部42を供給溝形成部材11の主面11fと交差する先端面に開口させる。更に主面11f又は被覆部材12の被覆面12rの処理ガス供給溝40より外側の部分に外側溝80を形成し、外側溝80をガス吸引手段5に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物に処理ガスを吹き付けて表面処理するためのノズル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1では、プラズマ表面処理装置の電極を覆う誘電体の板(供給溝形成部材)にツリー状の溝が設けられている。ツリー状溝は、1つの溝部から2つ(複数)の溝部が枝分かれし、枝分かれした各溝部が更に2つ(複数)に枝分かれし、この枝分かれが複数次にわたって繰り返され、全体としてツリー状(トーナメント表状)になっている。上記誘電体板(供給溝形成部材)の上記ツリー状溝が形成された面に他の誘電体板(被覆部材)が重ねられている。これにより、上記ツリー状溝が処理ガスの通路になっている。処理ガスは、上記ツリー状溝の枝に沿って分散された後、ツリー状溝の先端側に連なる開口溝を通って吹き出される。これにより、処理ガスの吹き出し幅を大きくできる。この処理ガスが被処理物に接触し、表面処理がなされる。
【特許文献1】特開2004−127853号公報
【特許文献2】特開2002−75692号公報
【特許文献3】実開平5−89451号公報(図3(b))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上掲特許文献1等の装置では、供給溝形成部材と被覆部材の密着状態や処理ガスの圧力等によっては、ツリー状溝内を通過中の処理ガスの一部が供給溝形成部材と被覆部材との間を通って外部に漏洩することが考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、互いに重ねた2つの板状の部材の一方の重ね合わせ面に処理ガスの供給溝を形成した表面処理装置において、これら板状の部材間から処理ガスが漏洩するのを防止し、雰囲気ガスの汚染や周辺装置の腐食等を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は、被処理物に処理ガスを供給するノズル装置において、
処理ガス供給溝が形成された主面と、前記主面と交差する先端面を有し、前記処理ガス供給溝が前記先端面に達する板状の供給溝形成部材と、
前記主面を覆うように前記主面に重ねられる被覆面を有する被覆部材と、
を備え、前記処理ガス供給溝が、処理ガスの供給手段に接続され、前記主面と前記被覆面との何れか一方の前記処理ガス供給溝より外側部分には外側溝が形成され、前記外側溝が、(第1の)ガス吸引手段に接続されていることを特徴とする。
この特徴構成によれば、ガス吸引手段の吸引圧が外側溝に導入される。この吸引圧により、供給溝形成部材と被覆部材を強く密着させることができ、処理ガスが処理ガス供給溝から供給溝形成部材と被覆部材の当接面間に漏れるのを防止できる。たとえそのような漏れが生じたとしても、その漏れガスを外側溝で捕捉し、外側溝からガス吸引手段に吸引させることができる。したがって、ノズル装置から雰囲気中に処理ガスが漏れるのを防止でき、雰囲気ガスの汚染や周辺の装置の腐食を防止できる。
【0005】
前記外側溝が、前記主面又は前記被覆面の前記外側部分の基端部と先端部との間にわたるように設けられていることが好ましい。
これによって、上記処理ガス供給溝から漏れた処理ガスを外側溝で確実に捕捉でき、処理ガスが雰囲気中に漏れ出るのを確実に防止できる。
【0006】
前記外側溝が、前記処理ガス供給溝の前記先端面より基端側の部分を部分的に囲むように延びていることが好ましい。
これによって、上記処理ガス供給溝から漏れた処理ガスを外側溝で一層確実に捕捉でき、処理ガスが雰囲気中に漏れ出るのを一層確実に防止できる。
【0007】
前記外側溝の前記先端面側の端部が、前記先端面より基端側に離れて位置していてもよい。
前記外側溝が、前記先端面の前記処理ガス供給溝より外側の部分に達していてもよい。前記先端面の前記処理ガス供給溝より外側の部分には、前記外側溝に連なり、かつ前記先端面の短手方向(第2方向)に延びる端溝が形成されていてもよい。これにより、被処理箇所から前記長手方向の外側へ流れる処理済みガスを前記端溝に入り込ませ、前記外側溝を経て、前記ガス吸引手段に吸引して排気できる。
【0008】
前記供給溝形成部材の前記主面とは反対側の裏面を覆う第2の被覆部材を更に備え、
前記裏面には、前記先端面の長手方向(第1方向)に延び、かつ前記先端面に達する裏側吸引溝が形成されていることが好ましい。これにより、被処理箇所から裏側方向へ流れる処理済みガスを前記裏側吸引溝から吸引できる。
前記供給溝形成部材には、前記外側溝と前記裏側吸引溝とを連ねる連通孔が形成されていてもよい。これにより、被処理箇所から裏側方向へ流れる処理済みガスを前記裏側吸引溝に入り込ませ、前記外側溝を経て、前記ガス吸引手段に吸引して排気できる。
【0009】
前記処理ガス供給溝が、処理ガスの供給手段に接続され、かつ前記先端面に近づくにしたがって前記先端面の長手方向に広がるよう枝分かれするツリー状の溝部を含んで前記先端面に達していてもよい。
この構造によれば、処理ガスをツリー状の溝部により前記先端面の長手方向に分散させて噴き出すことができる。
ツリー状溝部の枝分かれの段数は1以上が好ましい。
【0010】
基端部及び外周部をカバーで覆い、前記カバーに第2のガス吸引手段を接続してもよい。
これにより、ノズル装置からガスが漏れたとしても、該漏れガスを、カバーとノズル装置との間の空間に閉じ込めてカバーから外部へ漏れるのを防止でき、更には前記第2吸引手段で吸引し排出できる。これにより、雰囲気ガスの汚染や周辺の装置の腐食を一層確実に防止できる。
前記第1ガス吸引手段と前記第2ガス吸引手段とが、共通の吸引手段で構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ノズル装置から雰囲気中に処理ガスが漏れるのを防止でき、雰囲気ガスの汚染や周辺の装置の腐食を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1〜図9は、本発明の第1実施形態を示したものである。図9に示すように、表面処理装置1は、被処理物配置部2と、ノズル装置3を備えている。配置部2は、ステージやコンベアで構成されている。配置部2上に被処理物9が配置されている。被処理物9は、例えばフラットパネルディスプレイ用のガラス基板や半導体ウェハで構成されているが、これに限定されるものではない。表面処理の内容として、エッチング、成膜、洗浄、撥水化、親水化等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
配置部2上の被処理物9は、図示しない移動機構又は配置部2に組み込まれた移動機構によって、ノズル装置3に対し図9の紙面と直交する方向(後記第2方向)に相対移動されるようになっている。被処理物9が移動するのに限られず、ノズル装置3が移動されるようになっていてもよい。相対移動は、1回のみの片道移動でもよく、往復移動でもよく、往復移動を複数回反復してもよい。
【0014】
図9に示すように、表面処理装置1には処理ガス源4が備えられている。処理ガス源4は、処理内容に応じた処理ガスをノズル装置3に供給する。例えば、シリコンのエッチングの場合、処理ガスは、フッ素系反応成分及び酸化性反応成分を含む。フッ素系反応成分として、HF、COF、F等が挙げられる。酸化性反応成分として、O、Oラジカル等が挙げられる。酸化性反応成分としてのOは、オゾナイザーにより生成できる。Oラジカル等の酸化性反応成分は、酸素を含む酸素系原料ガスをプラズマ化することによって生成できる。
【0015】
HF、COF等のフッ素系反応成分は、HOを添加したフッ素系原料を一対の電極間でプラズマ化(分解、励起、活性化、イオン化を含む)することにより生成できる。フッ素系原料としては、パーフルオロカーボン(PFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、SF、NF、XeF等が挙げられる。PFCとしては、CF、C、C、C等が挙げられる。HFCとしては、CHF、C、CHF等が挙げられる。HOに代えてOH含有化合物を用いてもよい。OH基含有化合物としては、過酸化水素水、アルコール等が挙げられる。上記フッ素系原料は、希釈ガスで希釈したうえでプラズマ化してもよい。希釈ガスとしては、Ar、He等の希ガスの他、N等が挙げられる。
【0016】
上記プラズマ化は大気圧近傍下で行なうことが好ましい。大気圧近傍とは、1.013×10〜50.663×10Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×10〜10.664×10Paが好ましく、9.331×10〜10.397×10Paがより好ましい。
【0017】
ノズル装置3は、被処理物配置部2の上方に配置されている。ノズル装置3は、水平な第1方向(図9において左右)に延びている。ノズル装置3の第1方向の長さは、被処理物9の第1方向の長さと略同じか少し大きい。
【0018】
図9に示すように、ノズル装置3の上側部(基端部)及び外周部は、フード状のカバー8によって覆われている。カバー8とノズル装置3との間の空間8aから吸引路7aが延びている。吸引路7aは、第2ガス吸引手段7に接続されている。
【0019】
図9に示すように、ノズル装置3の上端部にはヘッダ部30が設けられている。ヘッダ部30は、3つのヘッダ路31,32,33を有している。3つのヘッダ路31〜33は、ノズル装置3の長手方向(第1方向)に間隔を置いて並べられている。ヘッダ部30の中央部には供給ヘッダ路31が配置されている。ヘッダ部30の供給ヘッダ路31を挟んで一側(図9において左側)に裏側吸引ヘッダ路32が配置され、他側(図9において右側)に表側吸引ヘッダ路33が配置されている。
【0020】
ヘッダ部30の表側面(図9において紙面手前)には、供給ヘッダ路31に連なる供給ポート34と、裏側吸引ヘッダ路32に連なる裏側吸引ポート35と、表側吸引ヘッダ路33に連なる表側吸引ポート36とが設けられている。
【0021】
処理ガス源4から供給路4aが延び、この供給路4aが供給ポート34を介して供給ヘッダ路31に連なっている。
【0022】
裏側吸引ポート35から裏側吸引路5aが延びている。表側吸引ポート36から表側吸引路5dが延びている。これら吸引路5a,5dが互いに合流している。合流後の共通吸引路5gが吸引ポンプを含む第1ガス吸引手段5に連なっている。図示は省略するが、ガス吸引手段5には排ガスの除害設備が付設されている。
なお、第1ガス吸引手段5と上記第2ガス吸引手段7は、1つの共通の吸引手段で構成されていてもよい。
【0023】
ノズル装置3の構造を更に詳述する。
図4に示すように、ノズル装置3は、第1、第2の溝形成部材11,12と、外壁部材21,22を備えている。ノズル構成部材11,12,21,22は、それぞれ長手方向を第1方向に向け、幅方向を上下に向け、厚さ方向を第1方向と直交する水平な第2方向(図4において左右)に向けた板状になっている。
【0024】
板状部材11,12,21,22の材質には特に限定がなく、樹脂やセラミックス等の絶縁体でもよく金属でもよいが、処理ガスに対する耐性を有していることが好ましい。例えば、処理ガスが、フッ化水素等のフッ素系反応成分を含む場合、溝形成部材11,12の材質として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系樹脂を用いるのが好ましい。溝形成部材11,12の材質として、アルミナ等のセラミックスを用いてもよい。
外壁部材21,22は、例えばアルミニウム等の金属で構成されている。
【0025】
板状部材11,12,21,22を第2方向(図9の紙面直交方向)から見た輪郭形状及び大きさは、互いに等しい。これら板状部材11,12,21,22が、裏側(図4の左側、図9の紙面奥側)から裏側外壁部材21、第1溝形成部材11、第2溝形成部材12、表側外壁部材22の順に第2方向に重ねられ、軸線を第2方向に向けた複数本のボルト(図示省略)にて連結されている。板状部材11,12,21,22の下端面(先端面)は、互いに面一になっている。
【0026】
図4に示すように、上記供給ヘッダ路31は、第1溝形成部材11と第2溝形成部材12と表側外壁部材22を貫いている。表側外壁部材22の表側面に上記供給ポート34が設けられている。供給ヘッダ路31の奥端部(供給ポート34との接続部とは反対側)が裏側外壁部材21によって塞がれている。
【0027】
図示は省略するが、同様にして、上記吸引ヘッダ路32,33は、第1溝形成部材11と第2溝形成部材12と表側外壁部材22を貫いている。表側外壁部材22の表側面に上記吸引ポート35,36が設けられている。吸引ヘッダ路32,33の奥端部が裏側外壁部材21によって塞がれている。
【0028】
図1〜図4に示すように、ノズル装置3には、処理ガス供給溝40と、裏側吸引溝50と、表側吸引溝60とが形成されている。供給溝40は、ノズル装置3の第2方向の中央部に配置されている。この供給溝40の裏側(図4において左側)に上記裏側吸引溝50が配置され、表側(図4において右側)に上記表側吸引溝60が配置されている。これら溝40,50,60は平行に並んでいる。図1及び図4に示すように、供給溝40の上端部は、供給ヘッダ路31に連なっている。図2及び図5に示すように、裏側吸引溝50の上端部は、吸引ヘッダ路32に連なっている。図3及び図6に示すように、表側吸引溝60の上端部は、吸引ヘッダ路33に連なっている。
【0029】
上記溝構造について更に詳述する。
図1に示すように、第1溝形成部材11の表側の主面11fに上記処理ガス供給溝40が形成されている。供給溝40は、ツリー溝部41と、開口溝部42とを含む。第1溝形成部材11は、供給溝形成部材を構成する。
【0030】
ツリー溝部41は、下方(先端)に向かいながら第1方向に広がるよう枝分かれし、ツリー状(トーナメント表状)になっている。詳述すると、ツリー溝部41は、供給ヘッダ路31から1条の状態で下方へ延び、2つ(複数)の一次分岐溝41aに分岐している。これら分岐溝41aは、互いの分岐部から離間するよう第1方向に延び、先端が下方に折曲している。各一次分岐溝41aの先端から2つ(複数)の二次分岐溝41bが第1方向の両側に分岐している。各二次分岐溝41bの先端は下方に折曲し、この二次分岐溝41bの先端から2つの三次分岐溝41cが第1方向の両側に分岐している。各三次分岐溝41cの先端は、下方に折曲し、この三次分岐溝41cの先端から2つ(複数)の最終次分岐溝41eが第1方向の両側に分岐している。最終次分岐溝41eの先端は、下方に折曲している。
【0031】
最終次分岐溝41eの下側に開口溝部42が設けられている。開口溝部42は、第1溝形成部材11の長手方向(第1方向)に延びている。開口溝部42の第1方向の長さは、被処理物9の同方向の寸法と略等しいか若干大きい。開口溝部42に各最終次分岐溝41eの先端部(ツリー溝部41の末端)が連なっている。図4に示すように、開口溝部42は、第1溝形成部材11の下端面(先端面)に達している。
【0032】
第1溝形成部材11の表側の主面11fに第2溝形成部材12の裏側の主面12rが重ねられ、第1溝形成部材11に第2溝形成部材12が被さっている。これにより、供給溝40の面11f側の開口が塞がれ、供給溝40が供給ヘッダ路31に連なるガス路になっている。第1溝形成部材11は、特許請求の範囲の供給溝形成部材を構成する。
第2溝形成部材12は、供給溝形成部材11の表側の主面11fを覆う被覆部材を構成し、裏側の主面12rは、被覆面を構成する。
【0033】
図1及び図4に示すように、開口溝部42の上下方向(溝形成部材の先端面と直交する方向)の中間部の内面には、凸条47が形成されている。凸条47は、第1溝形成部材11の長手方向(第1方向)に延びている。凸条47の長手方向の両端部は、開口溝部42の長手方向の端縁に達している。凸条47の突出高さ(第2方向の寸法)は、開口溝部42の深さ(第2方向の寸法)より小さい。凸条47と溝形成部材12との間には、狭い隙間からなる絞り部48が形成されている。絞り部48は、第1溝形成部材11の長手方向(第1方向)に延びている。
【0034】
図2に示すように、第1溝形成部材11の裏側の主面11rに上記裏側吸引溝50が形成されている。裏側吸引溝50は、ツリー溝部51と、開口溝部52とを含む。
【0035】
ツリー溝部51は、下方(先端)に向かいながら第1方向に広がるよう枝分かれし、ツリー状になっている。詳述すると、ツリー溝部51は、裏側吸引ヘッダ路32から1条の状態で下方へ延び、複数(ここでは8つ)の分岐溝51eに分岐している。これら分岐溝51eは、互いに第1溝形成部材11の長手方向(第1方向)に間隔を置いて配置され、それぞれ下方へ延びている。
【0036】
分岐溝51eの下側に開口溝部52が設けられている。開口溝部52は、第1溝形成部材11の長手方向(第1方向)に延びている。開口溝部52の長さは、上記開口溝部42の長さと略等しい。開口溝部52に各分岐溝51eの先端部(ツリー溝部51の末端)が連なっている。図4に示すように、開口溝部52は、第1溝形成部材11の下端面(先端面)に達している。
【0037】
図4に示すように、第1溝形成部材11の裏側面11rに裏側外壁部材21が被さることにより、裏側吸引溝50の面11r側の開口が塞がれている。これにより、裏側吸引溝50が、裏側吸引ヘッダ路32に連なるガス路になっている。
裏側外壁部材21は、第1溝形成部材11の裏側の主面11rを覆う第2の被覆部材を構成する。
【0038】
図2及び図4に示すように、開口溝部52の上下方向の中間部の内面には、凸条57が形成されている。凸条57は、第1溝形成部材11の長手方向(第1方向)に延びている。凸条57の延び方向の両端部は、開口溝部52の端縁に達している。凸条57の突出高さ(第2方向の寸法)は、裏側吸引溝50の深さ(第2方向の寸法)より小さい。凸条57と外壁部材21との間には、狭い隙間からなる絞り部58が形成されている。絞り部58は、第1溝形成部材11の長手方向(第1方向)に延びている。
【0039】
図3に示すように、第2溝形成部材12の表側の主面12fに上記表側吸引溝60が形成されている。表側吸引溝60は、上記裏側吸引溝50と同様の構造を有し、ツリー溝部61と、開口溝部62とを含む。
【0040】
ツリー溝部61は、下方(先端)に向かいながら第1方向に広がるよう枝分かれし、ツリー状になっている。詳述すると、ツリー溝部61は、表側吸引ヘッダ路33から1条の状態で下方へ延び、複数(ここでは8つ)の分岐溝61eに分岐している。これら分岐溝61eは、互いに第2溝形成部材12の長手方向(第1方向)に間隔を置いて配置され、それぞれ下方へ延びている。
【0041】
分岐溝61eの下側に開口溝部62が設けられている。開口溝部62は、第2溝形成部材12の長手方向(第1方向)に延びている。開口溝部62の長さは、上記開口溝部42の長さと略等しい。開口溝部62に各分岐溝61eの先端部(ツリー溝部61の末端)が連なっている。図4に示すように、開口溝部62は、第2溝形成部材12の下端面(先端面)に達している。
【0042】
図4に示すように、第2溝形成部材12の表側面12fに表側外壁部材22が被さることにより、第2溝形成部材12の表側吸引溝60の面12f側の開口が塞がれている。これにより、表側吸引溝60が、表側吸引ヘッダ路33に連なるガス路になっている。
表側外壁部材21は、第2溝形成部材12の表側の主面12fを覆う被覆部材を構成する。
【0043】
図3及び図4に示すように、開口溝部62の上下方向の中間部の内面には、凸条67が形成されている。凸条67は、第2溝形成部材12の長手方向(第1方向)に延びている。凸条67の長手方向の両端部は、開口溝部62の長手方向の端縁に達している。凸条67の突出高さ(第2方向の寸法)は、表側吸引溝60の深さ(第2方向の寸法)より小さい。凸条67と表側外壁部材22との間には、狭い隙間からなる絞り部68が形成されている。絞り部68は、第2溝形成部材12の長手方向(第1方向)に延びている。
【0044】
溝形成部材11,12に溝40,50,60,82,83を形成する方法としては、切削加工による方法の他、溝40,50,60,82,83の型を用いた真空成形法又は射出成形法を適用してもよい。真空成形法や射出成形法によれば、部材重量を低減でき、製造コストを削減できる。
【0045】
図8に示すように、ノズル装置3は、先端板70を更に備えている。図4及び図6に示すように、先端板70は、長手方向を第1方向に向け、幅方向を第2方向に向けた平板状になっている。先端板70の材質には特に限定がなく、樹脂やセラミックス等の絶縁体でもよく金属でもよいが、処理ガスに対する耐性を有していることが好ましい。ここでは、先端板70は、アルミナのセラミックスで構成されている。先端板70は、全体が一体物になっている。
【0046】
図4に示すように、先端板70は、板状積層部材11,12,21,22の面一をなす下端面(先端面)に被せられている。図示は省略するが、先端板70は、複数本のボルトで各部材11,12,21,22に固定されている。上記図示省略のボルトは、頭部を上に向けて部材11,12,21,22に通され、脚部が先端板70にねじ込まれている。上記ボルト用の雌ネジ孔が先端板70の上面から厚さ方向の途中まで形成されている。雌ネジ孔は、先端板70の下面には達していない。
【0047】
図8に示すように、先端板70には、3つのスリット71〜73が形成されている。スリット71〜73は、それぞれ先端板70の長手方向(第1方向)に直線状に延び、互いに先端板70の幅方向(第2方向)に間隔を置いて平行に配置されている。先端板70の幅方向(第2方向)の中央部に供給スリット71が配置されている。この供給スリット71の裏側(図6において左側)に裏側吸引スリット72が配置され、表側(図6において右側)に表側吸引スリット73が配置されている。
【0048】
図4に示すように、中央の供給スリット71は、供給溝40の開口溝部42の下端の開口に連なっている。裏側吸引スリット72は、裏側吸引溝50の開口溝部52の下端の開口に連なっている。表側吸引スリット73は、表側吸引溝60の開口溝部62の下端の開口に連なっている。各スリット71〜73の長さは、上記開口溝部42,52,62の長さとほぼ等しい。各スリット71〜73の幅(第2方向の寸法)は、上記開口溝部42,52,62の深さ(第2方向の寸法)より小さい。
【0049】
本発明の最も特徴的な構造を説明する。
図1に示すように、第1溝形成部材すなわち供給溝形成部材11の表側面11fには、外側溝80が形成されている。外側溝80は、第1溝形成部材11の表側の主面11fの処理ガス供給溝40より外側部分に配置されている。外側溝80が、供給溝40の下端(先端)の開口より上側(基端側)の部分を部分的に囲んでいる。
【0050】
外側溝80は、一対の外側溝部82,83を含んでいる。外側溝部82,83は、供給溝41の上端部を挟んで溝形成部材11の長手方向の両側に分かれて配置されている。図1において、供給溝形成部材11の長手方向の中央部より左側に配置された外側溝部82は、左側に分岐した分岐溝41a及び該左側分岐溝41aの先端に連なる分岐溝41b〜41eより表側面11fの外側部分(上側及び左側)に配置され、これら分岐溝41a〜41eの外縁に沿うように表側面11fの左外側部分の上端部(基端部)から下端部(先端部)にわたって階段状に延びている。図1及び図5に示すように、外側溝部82の上端部は、裏側吸引ヘッダ路32と上記左側分岐溝41aとの間に配置され、裏側吸引ヘッダ路32に連なっている。図1に示すように、外側溝部82の下端部は、供給溝形成部材11の左側の外端面と開口溝部42の左端縁の間に配置され、供給溝形成部材11の下端面(先端面)の少し上(基端側)に離れて位置している。図5及び図7に示すように、供給溝形成部材11に被覆部材としての第2溝形成部材12が被さることにより、外側溝部82の面11f側の開口が塞がれている。これにより、外側溝部82が裏側吸引ヘッダ路32に連なるガス路になっている。
【0051】
図1において、供給溝形成部材11の長手方向の中央部より右側に配置された外側溝部83は、右側に分岐した分岐溝41a及び該右側分岐溝41aの先端に連なる分岐溝41b〜41eより表側面11fの外側部分(上側及び右側)に配置され、これら分岐溝41a〜41eの外縁に沿うように表側面11fの右外側部分の上端部(基端部)から下端部(先端部)にわたって階段状に延びている。図1及び図6に示すように、外側溝部83の上端部は、表側吸引ヘッダ路33と上記右側分岐溝41aとの間に配置され、表側吸引ヘッダ路33に連なっている。図1に示すように、外側溝部83の下端部は、供給溝形成部材11の右側の外端面と開口溝部42の右端縁の間に配置され、供給溝形成部材11の下端面(先端面)の少し上(基端側)に位置している。図6に示すように、同様にして、外側溝部83の面11f側の開口が被覆部材12にて塞がれ、外側溝部83が表側吸引ヘッダ路33に連なるガス路になっている。
【0052】
上記構成の表面処理装置1によって被処理物9を表面処理する方法を説明する。
処理ガス源4から処理ガスが供給路4aによってノズル装置3の供給ポート34に導入される。処理ガスは、供給ヘッダ路31を通り、ツリー溝部41内に入り込む。この処理ガスが、一次分岐溝41a、二次分岐溝41b、三次分岐溝41c、最終次分岐溝41eの順に流れて行くことにより、第1方向に拡散される。更に、処理ガスは、各最終次分岐溝41eの下端(ツリー溝部41の末端)から開口溝部42に送出される。この開口溝部42の凸条47より上側部分において、各分岐溝41eからの処理ガスが互いに混合される。続いて、処理ガスは、絞り部48を通過しながら絞られ、その後、凸条47より下側の開口溝部42に流出して膨張する。更に、処理ガスは、供給スリット71を通過しながら絞られる。これにより、処理ガスを第1方向に十分に均質化できる。そして、処理ガスが供給スリット71から下方へ噴き出される。
【0053】
併行して、配置部2上に配置された被処理物9が、ノズル装置3の下方を横切るように第2方向に移動される。この被処理物9に処理ガスが吹き付けられ、被処理物9が表面処理される。処理ガスが第1方向に均質になっているため、被処理物9を均一に表面処理できる。
【0054】
処理ガスの供給と併行して、吸引手段5を駆動する。これにより、ノズル装置3と被処理物9との間の処理済みのガスや雰囲気ガスが、吸引スリット72,73に吸い込まれる。
裏側吸引スリット72及び開口溝部52が開口溝部42及び供給スリット71と同様の構造になっているため、上記噴出時と同様の作用により、裏側吸引スリット72から吸い込まれるガスの流通状態を第1方向に均一化できる。同じく、表側吸引スリット73及び開口溝部62が開口溝部42及び供給スリット71と同様の構造になっているため、表側吸引スリット73から吸い込まれるガスの流通状態を第1方向に均一化できる。これにより、表面処理の均一性を一層高めることができる。
【0055】
開口溝部52に入り込んだガスは、その後、複数の分岐溝51eを経てツリー溝部51で合流し、裏側吸引ヘッダ路32、裏側吸引ポート35を経て、裏側吸引路5aに送出される。同様に、開口溝部62に入り込んだガスは、分岐溝61e、表側吸引ヘッダ路33、表側吸引ポート36を経て、表側吸引路5dに送出される。これら吸引路5a,5dからのガスが共通吸引路5gで合流し吸引手段5に吸引される。吸引ガスは、吸引手段5に付設された除害設備で除害処理を施されたうえで排気される。
【0056】
ここで、供給溝40内を通過中の処理ガスの一部が溝形成部材11,12の間を伝って外部に漏れようとすることも想定される。このような漏れガス流は、途中で何れかの外側溝部82又は83に捕捉される。外側溝部82には、裏側吸引ヘッダ路32、裏側吸引ポート35、及び吸引路5a,5gを介して吸引手段5の吸引圧が導入されている。したがって、外側溝部82に入り込んだ漏れガスは、上記吸引圧導入路32,35,5a,5gを順次経て、吸引手段5に送られ、除害処理を施されたうえで排気される。同様に、外側溝部83には、表側吸引ヘッダ路33、表側吸引ポート36、及び吸引路5d,5gを介して吸引手段5の吸引圧が導入されている。したがって、外側溝部83に入り込んだ漏れガスは、上記吸引圧導入路33,36,5d,5gを順次経て、吸引手段5に送られ、除害処理を施されたうえで排気される。
【0057】
したがって、供給溝40から処理ガスの一部が漏れたとしても、この処理ガスがノズル装置3の上側部や外周部から雰囲気ガス中に漏れるのを防止できる。これにより、雰囲気ガスの汚染や周辺の装置の腐食を防止でき、安全性を高めることができる。しかも、外側溝部82に吸引圧を導入することにより、供給溝形成部材11と被覆部材12を強く密着させることができる。したがって、処理ガスが処理ガス供給溝40から漏れること自体を十分に抑制することができる。
【0058】
万が一、処理ガスがノズル装置3の外部に漏れたとしても、ノズル装置3がカバー8で囲まれているため、上記の漏れガスをカバー8とノズル装置3との間の空間8に閉じ込め、カバー8から外部へ漏れるのを防止できる。空間8内のガスは、吸引路7aを介して吸引手段7で吸引し排出できる。これにより、雰囲気ガスの汚染や周辺の装置の腐食を一層確実に防止でき、安全性を一層高めることができる。
【0059】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の実施形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
図10は、本発明の第2実施形態を示したものである。この実施形態では、2つの外側溝部82,83が、連通外側溝部81によって連ねられ、全体で1本の外側溝80になっている。
【0061】
詳述すると、供給溝形成部材11の主面11fの上側の中央部に連通外側溝部81が設けられている。連通外側溝部81は、供給ヘッダ路31の上側部分を囲むように逆U字状になっている。連通外側溝部81の一方(図10において左側)の下端部が、外側溝部82に連なり、他方(図10において右側)の下端部が外側溝部83に連なっている。これら溝部81〜83により、1本の外側溝80が構成されている。
【0062】
第2実施形態によれば、処理ガス供給溝40の先端(下端)より基端側(上側)の部分が1本の外側溝80で途切れなく囲まれるため、処理ガスの漏れを一層確実に防止できる。特に、供給ヘッダ路31や溝41の上端部付近から漏れた処理ガスを中央の外側溝部81で捕捉でき、ノズル装置3の外部に漏れるのを確実に防止できる。
【0063】
図11及び図12は、本発明の第3実施形態を示したものである。この実施形態では、外側溝80が、供給溝形成部材11の表側の主面11fに代えて、被覆部材12の裏側の被覆面12rに形成されている。外側溝80が、図11において仮想線で示す処理ガス供給溝40より外側に配置されている点は、第1、第2実施形態と同じである。なお、第3実施形態の外側溝80は、第2実施形態と同様に2つの外側溝部82,83を連ねる連通外側溝部81を有しているが、第1実施形態と同様に2つの外側溝部82,83が分離されていてもよい。
【0064】
図12に示すように、供給溝形成部材11と被覆部材12とが重ねられることにより、被覆部材12に形成された外側溝80の面12r側の開口が、供給溝形成部材11の主面11fによって塞がれている。これにより、外側溝80の内部が吸引通路になっている。
【0065】
図13は、本発明の第4実施形態を示したものである。第4実施形態は、ノズル装置3を被処理物9の大型化に対応させたものであり、第1溝形成部材11が、長手方向(第1方向)に2つ(複数)の分割板13,13に分割されている。言い換えると、第1溝形成部材11が、2つ(複数)の分割板13,13で構成されている。隣接する2つの分割板13,13の側端面(分割端面)13e,13eどうしが互いに突き合わされている。2つの分割板13,13の第1方向の合計長さが、被処理物9の同方向の寸法に対応している。
以下、2つの分割板13,13を互いに区別するときは、図1において左側の分割板13には符号にAを付し、右側の分割板13には符号にBを付す。
【0066】
図13において、左側の分割板13Aは、右側の分割板13Bの近傍の部分を除き、第1実施形態(図1)の溝形成部材11と同じ形状になっている。右側の分割板13Bは、左側の分割板13Aの近傍の部分を除き、第1実施形態(図1)の溝形成部材11を左右に反転させた形状になっている。したがって、分割板13Bの裏側吸引ヘッダ路32及び外側溝部82は、該分割板13Bの右側部分に配置されている。分割板13Bの表側吸引ヘッダ路33及び外側溝部83は、該分割板13Bの左側部分に配置されている。供給溝形成部材11の外側溝80は、全体として4つの外側溝部82,83を有している。
【0067】
分割板13の形状を更に詳述する。
左側の分割板13Aは、開口溝部42の凸条47より下側の部分が右側の分割板13Bへの突き合わせ端面13eに達している。右側の分割板13Bは、開口溝部42の凸条47より下側の部分が左側の分割板13Aへの突き合わせ端面13eに達している。これにより、隣接する2つの分割板13A,13Bの開口溝部42,42どうしが連なっている。これら開口溝部42,42の連通部49は、溝形成部材11の下端面(先端面)に達している。
【0068】
各分割板13の外側溝部83の下端部は、端面13eの近傍かつ開口溝部42より上側に位置している。
【0069】
図示は省略するが、2つの分割板13,13の裏側吸引溝50,50の開口溝部52,52どうしも同様にして互いに連通している。
【0070】
さらに、図示は省略するが、第4実施形態では、第2溝形成部材12についても、同様に2つ(複数)の分割板で構成され、これら分割板の開口溝部62どうしが連なっている。外壁部材21,22は、2つ(複数)の分割板を一体に連ねた形状になっている。先端板70のスリット71,72,73は、それぞれ2つの開口溝部42,42;52,52;62,62に対応する長さを有し、2つの開口溝部42,42;52,52;62,62に連なっている。供給路4aは、2つ(複数)に分岐し、各分割板の供給ヘッダ路31に接続されている。各分割板からの表側吸引路5aが、互いに合流し、ガス吸引手段5に接続されている。同様に、各分割板からの裏側吸引路5dが、互いに合流し、ガス吸引手段5に接続されている。
【0071】
第4実施形態によれば、処理ガスが、2つの供給ヘッダ路31,31にそれぞれ導入され、各分割板13のツリー溝部40に通されて第1方向に拡散され、各開口溝部42に流入する。分割板13Aの開口溝部42に入った処理ガスの分割板13B寄りの部分と、分割板13Bの開口溝部42に入った処理ガスの分割板13A寄りの部分とは、それぞれ連通部49に流入して互いに合流する。その後、処理ガスは、供給スリット71の長手方向の全域から吹き出される。これにより、被処理物9が大型であっても、該被処理物9の第1方向の全体に処理ガスを一度に吹き付け、表面処理することができる。しかも、処理ガスが第1方向に均質化されているため、均一に表面処理できる。特に、処理ガスを連通部49で合流させたうえで吹き出すため、被処理物9の表面の分割板13,13の継ぎ目に対応する箇所の処理抜けを防止でき、処理の均一性を十分に確保できる。
【0072】
第4実施形態のノズル装置3は、被処理物9の大型化に対応し、ツリー溝部41,51,61をそれぞれ2つ(複数)に分割して第1方向に並べたものである。これによって、ノズル装置全体で各ツリー溝部41,51,61を1つだけ設けて大型の被処理物に対応させるよりもツリー溝部41,51,61の分岐の段数を少なくできる。したがって、溝形成部材11,12の高さ(上下方向の寸法)を小さくできる。この結果、ノズル装置3の重量が過大になるのを回避できる。
【0073】
図14〜図16は、本発明の第5実施形態を示したものである。
図14に示すように、この実施形態では、外側溝部82の下端部が、第1実施形態より下方へ延び、溝形成部材11の下端面に達している。図15(a)に示すように、溝形成部材11の下端面(先端面)の左端部の開口溝部42,52より外側部分には、端溝84が形成されている。端溝84は、溝形成部材11の下端面(先端面)の短手方向(第2方向、同図において上下)に延びている。端溝84の表側(面11f側)の端部は、外側溝部82の下端部に連なっている。端溝84の裏側(面11r側)の端部は、面11rに達して開口し、この開口が裏側外壁部材21で塞がれている。
【0074】
溝形成部材12の下端面の左端部の開口溝部62より外側部分には、端溝86が形成されている。端溝86は、溝形成部材12の下端面(先端面)の短手方向(第2方向、同図において上下)に延びている。端溝86の表側(面12f側)の端部は、面12fに達して開口し、この開口が表側外壁部材22で塞がれている。端溝86の裏側の端部は、溝形成部材12の裏面(溝形成部材11との当接面)に達し、外側溝部82及び端溝84に連なっている。端溝86と端溝84は、第2方向に一直線に連なっている。
【0075】
同様にして、図14に示すように、外側溝部83の下端部が、第1実施形態より下方へ延び、溝形成部材11の下端面に達している。図15(b)に示すように、溝形成部材11の下端面の右端部の開口溝部42,52より外側部分には、端溝85が形成されている。端溝85は、溝形成部材11の下端面(先端面)の短手方向(第2方向、同図において上下)に延びている。端溝85の表側(面11f側)の端部は、外側溝部83の下端部に連なっている。端溝85の裏側(面11r側)の端部は、面11rに達して開口し、この開口が裏側外壁部材21で塞がれている。
【0076】
溝形成部材12の下端面の右端部の開口溝部62より外側部分には、端溝87が形成されている。端溝87は、溝形成部材12の下端面(先端面)の短手方向(第2方向、同図において上下)に延びている。端溝87の表側(面12f側)の端部は、面12fに達して開口し、この開口が表側外壁部材22で塞がれている。端溝87の裏側の端部は、溝形成部材12の裏面(溝形成部材11との当接面)に達し、外側溝部83及び端溝85に連なっている。端溝87と端溝85は、第2方向に一直線に連なっている。
【0077】
図16に示すように、第5実施形態の先端板70は、4つ(複数)のスリット画成板74と、一対の端板75とを備えている。これら板74,75は、例えばアルミナ等のセラミックスで構成されている。6つの板74,75は、各々別体になっており、互いに分離可能になっている。
【0078】
各スリット画成板74は、第1方向に延び、かつ幅方向を第2方向に向けた長尺の平板状になっている。4つのスリット画成板74が、第2方向に間隔を置いて平行に並べられている。
【0079】
4つのスリット画成板74は、板状積層部材11,12,21,22にそれぞれ一対一に対応し、対応する部材11,12,21,22の下面(先端面)に被さり、ボルト(図示省略)にて連結されている。上記ボルトは、頭部を上(図16の紙面奥側)に向けて各部材11,12,21,22に通され、脚部がスリット画成板74にねじ込まれている。上記ボルト用の雌ネジ孔がスリット画成板74の上面から厚さ方向の途中まで形成されている。雌ネジ孔は、スリット画成板74の下面には達していない。
【0080】
4つのスリット画成板74のうち、表側外壁部材22に対応するものを除く3つのスリット画成板74の長手方向の両端部には、それぞれ隣りのスリット画成板74に突出する凸部76が設けられている。各凸部76は、隣りのスリット画成板74に突き当てられている。第1溝形成部材11と第2溝形成部材12に対応する2つ(一対)のスリット画成板74,74どうしの間に供給スリット71が形成されている。裏側外壁部材21と第1溝形成部材11に対応する2つ(一対)のスリット画成板74,74どうしの間に裏側吸引スリット72が形成されている。第2溝形成部材12と表側外壁部材22に対応する2つ(一対)のスリット画成板74,74どうしの間に表側吸引スリット73が形成されている。凸部76によってスリット71,72,73の延び方向の端部が画成されている。凸部76の突き当てによってスリット画成板74どうしを第2方向に正確かつ容易に位置決めできる。凸部76の突出量によって、スリット71〜73の開口幅を設定することができる。
【0081】
図15(a)及び図16に示すように、4つのスリット画成板74の左側の端縁は、互いに面一をなし、しかも端溝84,86の内側(開口溝部42,52,62の側)の縁とちょうど一致している。図15(b)及び図16に示すように、4つのスリット画成板74の右側の端縁は、互いに面一をなし、しかも端溝85,87の内側(開口溝部42,52,62の側)の縁とちょうど一致している。
【0082】
図16に示すように、先端板70の一対の端板75は、ノズル装置3の底面(先端面)の第1方向の両端部に配置され、それぞれ第2方向に延びる平板状になっている。各端板75は、板状積層部材11,12,21,22に跨るようにして、これら部材11,12,21,22の長手方向の端部に被さっている。図示は省略するが、端板75は、部材11,12,21,22にボルトで固定されている。端板75の固定用ボルトは、頭部を上(図9の紙面奥側)に向けて各部材11,12,21,22に通され、脚部が端板75にねじ込まれている。上記ボルト用の雌ネジ孔が端板75の上面から厚さ方向の途中まで形成されている。雌ネジ孔は、端板75の下面には達していない。
【0083】
各端板75の両端部は、裏側外壁部材21に対応するスリット画成板74の端面と、表側外壁部材22に対応するスリット画成板74の端面とにそれぞれ突き当てられている。端板75の内側(板74を向く側)の縁には、細長凹部75aが形成されている。細長凹部75aは、第2方向に延びている。細長凹部75aの延び方向の一端部は、底面視で裏側外壁部材21と溝形成部材11の境と一致している。細長凹部75aの延び方向の他端部は、底面視で溝形成部材12と表側外壁部材22の境と一致している。
【0084】
図16において左側の端板75の細長凹部75aの内縁とスリット画成板74の端面との間に、第2方向に延びる外端吸引スリット78が画成されている。外端吸引スリット78は、端溝84,86と底面視でちょうど重なり、これら端溝84,86に連なっている。外端吸引スリット78の長手方向(第2方向)の中央部は、外側溝部82に直接的に連なっている。
【0085】
図16において右側の端板75の細長凹部75aの内縁とスリット画成板74の端面との間に、第2方向に延びる外端吸引スリット79が画成されている。外端吸引スリット79は、端溝85,87と底面視でちょうど重なり、これら端溝85,87に連なっている。外端吸引スリット79の長手方向(第2方向)の中央部は、外側溝部83に直接的に連なっている。
【0086】
第5実施形態によれば、外側溝80の各溝部82,83に吸引圧が導入されることにより、供給溝40から漏れた処理ガスを外側溝部82,83で捕捉できるだけでなく、一方の外側溝部82への吸引圧が端溝84,86にも導入され、他方の外側溝部83への吸引圧が端溝85,87にも導入される。これにより、ノズル装置3と被処理物9との間の処理済みガスが、ノズル装置3の左外側へ流れようとすると、外端吸引スリット78に吸い込まれる。該処理済みのガスは、端溝84,86を経て外側溝部82に吸い込まれ、更にヘッダ路32、吸引路5a,5gを経て吸引手段5に吸引される。同様に、ノズル装置3と被処理物9との間から右外側へ流れようとした処理済みガスは、外端吸引スリット79に吸い込まれ、端溝85,87を経て外側溝部83に入り、更にヘッダ路33、吸引路5d,5gを経て吸引手段5に吸引される。これにより、処理済みガスがノズル装置3の長手方向(第1方向)の両端から外側へ漏れるのを防止できる。
【0087】
図17〜図19は、本発明の第6実施形態を示したものである。図17に示すように、この実施形態では、溝形成部材11の裏側の面11rに、第1実施形態(図2)の裏側吸引溝50に代えて裏側吸引溝53が形成されている。裏側吸引溝53は、溝形成部材11の長手方向(第1方向)に真っ直ぐ延び、かつ溝形成部材11の下端面(先端面)に達している。図19に示すように、裏側外壁部材21が溝形成部材11の裏面11rに被さることにより、裏側吸引溝53の面11r側の開口が塞がれている。
【0088】
図17〜図19に示すように、溝形成部材11には、外側溝部82と裏側吸引溝53を連ねる連通孔54が形成されている。連通孔54は、外側溝部82から溝形成部材11の厚さ方向(第2方向)に延び、裏側吸引溝53の内面に貫通している。図17及び図18に示すように、同様にして、溝形成部材11には、外側溝部83と裏側吸引溝53を連ねる連通孔55が形成されている。連通孔55は、外側溝部83から溝形成部材11の厚さ方向(第2方向)に延び、裏側吸引溝53の内面に貫通している。
【0089】
第6実施形態では、外側溝80の各溝部82,83に吸引圧が導入されることにより、供給溝40から漏れた処理ガスを外側溝部82,83で捕捉できるだけでなく、外側溝部82への吸引圧を連通孔54を介して裏側吸引溝53に導入でき、かつ外側溝部83への吸引圧を連通孔55を介して裏側吸引溝53に導入できる。これにより、供給スリット71の直下から第2方向の外側へ流出しようとする処理済みガスを、裏側吸引溝53から吸引することができ、連通孔54,55、外側溝部82,83を経て、吸引手段5にて吸引排気することができる。
【0090】
図20〜図23は、本発明の第7実施形態を示したものである。この実施形態では、ノズル装置3に一対の電極90,90が組み込まれ、処理ガスがノズル装置3内でプラズマ化されるようになっている。
詳述すると、図20及び図22に示すように、ノズル装置3は、フレーム94を有している。フレーム94は、例えばアルミニウム等の金属で構成されている。フレーム94は、第1方向に延び、底部が開放された容器状になっている。図21及び図22に示すように、フレーム94の内部に供給溝形成部材91と被覆部材92が収容されている。2つの部材91,92は、例えばアルミナ等のセラミックで構成されている。これら部材91,92は、それぞれ第1方向に延びる容器状をなし、互いに第2方向に突き合わされている。
【0091】
供給溝形成部材91及び被覆部材92は、電極90の収容部材としての役目を担っている。すなわち、供給溝形成部材91には、被覆部材92の対向方向とは反対側に開口された収容凹部91aが形成されている。被覆部材92には、供給溝形成部材91の対向方向とは反対側に開口された収容凹部92aが形成されている。これら収容凹部91a,92aに電極90がそれぞれ収容されている。収容凹部91a,92aの開口は、それぞれ蓋93で塞がれている。
【0092】
図21に示すように、各電極90は、第1方向に延びている。図22に示すように、一方の電極90は、電源PWに接続されて電界印加電極になっている。他方の電極90は、電気的に接地され、接地電極になっている。ここでは、供給溝形成部材91に収容された電極90が電界印加電極になり、被覆部材92に収容された電極90が接地電極になっているが、その逆になっていてもよい。
【0093】
図21〜図23に示すように、供給溝形成部材91の被覆部材92側の主面91fに処理ガス供給溝40が形成されている。処理ガス供給溝40は、電極90より少し短い程度に第1方向に延びている。処理ガス供給溝40の上端部は、供給溝形成部材91の上面に達し、処理ガス供給溝40の下端部は、供給溝形成部材91の下面に達している。処理ガス供給溝40の平面断面は、上下方向に一定になっている。第7実施形態の処理ガス供給溝40にはツリー溝部41が設けられていない。供給溝形成部材91の主面91fに被覆部材92の被覆面92rが被さることにより、処理ガス供給溝40の主面91f側の開口が塞がれている。
【0094】
図20及び図22に示すように、フレーム94の上面には、導入スリット94aが第1方向に延びるように形成されている。導入スリット94aが処理ガス供給溝40の上端部に連なっている。フレーム94の上に整流部95が配置されている。整流部95は、第1方向に延びる容器状になっている。整流部95の内部に整流室95aが形成されている。図20に示すように、整流室95aは、整流板96によって上下2室に仕切られている。図22に示すように、整流板96の第2方向の両端部と整流部95の内壁との間には整流室95aの上下の室を連ねる隙間が形成されている。
【0095】
図20及び図22に示すように、整流部95の上部に供給ポート34を介して処理ガス供給路4aが接続されている。
【0096】
処理ガスが供給路4aから整流室95aに導入されて整流される。整流後の処理ガスが、導入スリット94aを経て処理ガス供給溝40に導入される。併行して、電源PWからの電圧供給によって電極90,90間に電界が印加され、大気圧グロー放電が生成される。これにより、処理ガスが、供給溝40内を下方へ流れる過程でプラズマ化され、反応成分が生成される。このプラズマ化された処理ガスが供給溝40の下端から噴き出され、被処理物9に吹き付けられる。この処理ガスの反応成分が被処理物9に接触することにより、被処理物9を表面処理できる。セラミック(誘電体)からなる部材91,92は、電極90の放電面に配置されて放電を安定させる固体誘電体層として機能する。
【0097】
更に、第7実施形態では、図20及び図21に示すように、供給溝形成部材91の主面91fの処理ガス供給溝40より第1方向の両外側部分にそれぞれ外側溝部82,83が形成されている。外側溝部82と外側溝部83により外側溝80が構成されている。外側溝部82,83は、上下方向に延びている。外側溝部82,83の上端部は、供給溝形成部材91の上面に達し、外側溝部82,83の下端部は、供給溝形成部材91の下面に達している。供給溝形成部材91の主面91fに被覆部材92の被覆面92rが被さることにより、外側溝部82,83の主面91f側の開口が塞がれている。
【0098】
図20に示すように、フレーム94の上面の第1方向の両側部には、それぞれ吸引連通孔94b,94cが形成されている。一方の連通孔94bが外側溝部82の上端部に連なっている。他方の連通孔94cが外側溝部83の上端部に連なっている。
【0099】
整流部95の内部の第1方向の両側部には、それぞれ隔壁97が設けられている。隔壁97によって整流部95の内部が整流室95aと、該整流室95aの第1方向の両側の吸引室95b,95cとに仕切られている。一方の吸引室95bに連通孔94bひいては外側溝部82が連なっている。他方の吸引室95cに連通孔94cひいては外側溝部83が連なっている。
【0100】
吸引室95bは、吸引ポート35を介し、吸引路5aに連なっている。吸引室95cは、吸引ポート36を介し、吸引路5dに連なっている。
【0101】
更に、図20、及び図21の破線に示すように、供給溝形成部材91の下面の処理ガス供給溝40より第1方向の両外側には、端溝84,85がそれぞれ第2方向に延びるように形成されている。被覆部材92の下面の処理ガス供給溝40より第1方向の両外側には、端溝86,87がそれぞれ第2方向に延びるように形成されている。図23に示すように、端溝84と端溝86が第2方向に一直線に連なり、かつ外側溝部82の下端と連なっている。同様に、端溝85と端溝87が第2方向に一直線に連なり、かつ外側溝部83の下端と連なっている。
【0102】
吸引手段5(図示せず)の吸引圧が、経路5a,95b,94bを順次経て、外側溝部82に導入される。これにより、処理ガスが供給溝40から溝部82側に漏れた場合、この処理ガスを外側溝部82で捕捉し、吸引手段5で吸引することができる。また、吸引手段5の吸引圧は、経路5d,95c,94cを順次経て、外側溝部83にも導入される。これにより、処理ガスが供給溝40から溝部83側に漏れた場合、この処理ガスを外側溝部83で捕捉し、吸引手段5で吸引することができる。
【0103】
更に、上記吸引圧は、外側溝部82の下端部を経て端溝84,86にも導入され、かつ外側溝部83の下端部を経て端溝85,87にも導入される。これにより、ノズル装置3と被処理物9との間の処理済みガスが、ノズル装置3の長手方向の外側へ流れようとすると、これらを端溝84〜87に吸込み、吸引手段5で吸引することができる。
【0104】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、外側溝80は、上記主面11fと被覆面12rの両方に形成してもよい。外側溝部82,83の何れか一方を主面11fに形成し、他方を被覆面12rに形成してもよい。
外側溝80は、上記主面11f又は被覆面12rの処理ガス供給溝40より外側部分に配置されていればよく、面11f,12rの必ずしも基端部(上端部)から先端部(下端部)にわたって延びている必要はなく、中間部が途切れていてもよく、面11f,12rの基端部(上端部)のみ若しくは先端部(下端部)のみに設けられていてもよい。外側溝80は、供給溝40から処理ガスが漏れて来やすい部分に配置されるのが好ましい。
外側溝80は、一条に限られず、複数条並べて設けてもよい。
被覆部材12,92にも処理ガス供給溝40を設けてもよい。
【0105】
ツリー溝部41は、溝形成部材11の下端面(先端面)に近づくにしたがって第1方向に広がるよう枝分かれしていればよく、1つの幹路から分かれる枝路の数は2つに限られず、3つ以上でもよい。また、枝分かれの段数は適宜、設定できる。ツリー溝部51,61についても同様である。
第1〜第5実施形態において、噴出路(40,71)と該噴出路を挟む一対の吸引路(50,72;60,73)との組が、第2方向に並んで複数設けられていてもよい。
第4実施形態(図13)において、溝形成部材11が3つ以上の分割板13で構成されていてもよい。
第4実施形態(図13)において、各分割板13の外側溝部83を端面13eに開口させ、隣接する分割板13,13の外側溝部83,83どうしを上記端面13eへの開口を介して互いに連通させてもよい。
第4実施形態(図13)において、溝形成部材11を構成する2つ(複数)の板13が一体に連なり、この一体物の溝形成部材11の表側面に2つ(複数)のツリー溝部41が第1方向に並んで形成されていてもよい。
【0106】
複数の実施形態を互いに組み合わせてもよい。例えば、第2〜第7実施形態においても第1実施形態(図9)と同様に、ノズル装置3を覆うカバー8を設けてもよい。第4実施形態(図13)においても第5実施形態(図14)と同様に第1方向の両端の外側溝部82,83を溝形成部材11の先端面まで延ばし、溝形成部材11の先端面の第1方向の外端部分に端溝84〜87を設けてもよい。
第4実施形態(図13)や第5実施形態(図14)においても、第2実施形態(図10)と同様に、外側溝部82,83どうしを連通溝81で連ねてもよい。
第7実施形態(図20)のツリー溝部を有しない処理ガス供給溝40を、第1〜第6実施形態の電極90を有しないノズル装置3に適用してもよい。
第7実施形態において、第2実施形態と同様に、外側溝80(82,83)を供給溝形成部材91に代えて被覆部材92に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、例えばフラットパネルディスプレイ(FPD)や半導体ウェハの製造に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表面処理装置のノズル装置の主に第1溝形成部材を、図4のI-I線に沿って矢視した正面図である。
【図2】上記ノズル装置の主に第1溝形成部材を、図4のII-II線に沿って矢視した背面図である。
【図3】上記ノズル装置の主に第2溝形成部材を、図4のIII-III線に沿って矢視した正面図である。
【図4】図1のIV-IV線に沿う、上記ノズル装置の側面断面図である。
【図5】図1のV-V線に沿う、上記ノズル装置の上側部分の側面断面図である。
【図6】図1のVI-VI線に沿う、上記ノズル装置の上側部分の側面断面図である。
【図7】図1のVII-VII線に沿って上記ノズル装置の一部を拡大して示す平面断面図である。
【図8】上記ノズル装置の底面図である。
【図9】上記表面処理装置の概略構成を示す解説正面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る表面処理装置のノズル装置の主に第1溝形成部材(供給溝形成部材)を示す正面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る表面処理装置のノズル装置の第2溝形成部材(被覆部材)の背面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る表面処理装置のノズル装置の、図7に対応する平面断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る表面処理装置のノズル装置の主に第1溝形成部材を示す正面図である。
【図14】本発明の第5実施形態に係る表面処理装置のノズル装置の主に第1溝形成部材を示す正面図である。
【図15】(a)は、図14のXVa- XVa線に沿う上記第5実施形態のノズル装置の先端板を省略した底面図である。(b)は、図14のXVb- XVb線に沿う上記第5実施形態のノズル装置の先端板を省略した底面図である。
【図16】図14のXVI- XVI線に沿う上記第5実施形態のノズル装置の底面図である。
【図17】本発明の第6実施形態を示し、図19のXVII- XVII線に沿う第1溝形成部材の背面図である。
【図18】図19のXVIII- XVIII線に沿う上記第6実施形態のノズル装置の先端板を省略した底面図である。
【図19】図17のXIX- XIX線に沿う上記第6実施形態のノズル装置の下側部分の側面断面図である。
【図20】本発明の第7実施形態のノズル装置を示し、図21のXX-XX線に沿う正面断面図である。
【図21】本発明の第7実施形態のノズル装置を示し、図20のXXI-XXI線に沿う平面断面図である。
【図22】本発明の第7実施形態のノズル装置を示し、図20のXXII-XXII線に沿う側面断面図である。
【図23】本発明の第7実施形態のノズル装置を示し、図20のXXIII-XXIII線に沿う側面断面図である。
【符号の説明】
【0109】
1 表面処理装置
2 被処理物配置部
3 ノズル装置
4 処理ガス源
5 ガス吸引手段
7 第2ガス吸引手段
8 カバー
9 被処理物
11 第1溝形成部材(供給溝形成部材)
11f 主面
12 第2溝形成部材(被覆部材)
12r 被覆面
21 裏側外壁部材(第2の被覆部材)
30 ヘッダ部
31 供給ヘッダ路
32 裏側吸引ヘッダ路
33 表側吸引ヘッダ路
40 処理ガス供給溝
41 ツリー溝部
42 開口溝部
53 裏側吸引溝
54 連通孔
55 連通孔
70 先端板
71 供給スリット
72 裏側吸引スリット
73 表側吸引スリット
75a 凹部
78 外端吸引スリット
79 外端吸引スリット
80 外側溝
81 連通外側溝部
82 外側溝部
83 外側溝部
84 端溝
85 端溝
90 電極
91 供給溝形成部材
92 被覆部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物に処理ガスを供給するノズル装置において、
処理ガス供給溝が形成された主面と、前記主面と交差する先端面を有し、前記処理ガス供給溝が前記先端面に達する板状の供給溝形成部材と、
前記主面を覆うように前記主面に重ねられる被覆面を有する被覆部材と、
を備え、前記処理ガス供給溝が、処理ガスの供給手段に接続され、前記主面と前記被覆面との何れか一方の前記処理ガス供給溝より外側部分には外側溝が形成され、前記外側溝が、ガス吸引手段に接続されていることを特徴とする表面処理用ノズル装置。
【請求項2】
前記外側溝が、前記主面又は前記被覆面の前記外側部分の基端部と先端部との間にわたるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の表面処理用ノズル装置。
【請求項3】
前記外側溝が、前記処理ガス供給溝の前記先端面より基端側の部分を部分的に囲むように延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理用ノズル装置。
【請求項4】
前記先端面の前記処理ガス供給溝より外側の部分には、前記外側溝に連なり、かつ前記先端面の短手方向に延びる端溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表面処理用ノズル装置。
【請求項5】
前記供給溝形成部材の前記主面とは反対側の裏面を覆う第2の被覆部材を更に備え、
前記裏面には、前記先端面の長手方向に延び、かつ前記先端面に達する裏側吸引溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表面処理用ノズル装置。
【請求項6】
前記供給溝形成部材には、前記外側溝と前記裏側吸引溝とを連ねる連通孔が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の表面処理用ノズル装置。
【請求項7】
前記処理ガス供給溝が、処理ガスの供給手段に接続され、かつ前記先端面に近づくにしたがって前記先端面の長手方向に広がるよう枝分かれするツリー状の溝部を含んで前記先端面に達していることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の表面処理用ノズル装置。
【請求項8】
基端部及び外周部をカバーで覆い、前記カバーに第2のガス吸引手段を接続したことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の表面処理用ノズル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−84161(P2010−84161A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251211(P2008−251211)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】