説明

表面歪の測定装置及び測定方法

【課題】被測定物が移動する等の測定条件に対する設計制約が小さく、被測定物の定量的な表面歪分布を高速かつ高精度に求めることができる表面歪の測定装置及び測定方法を提供する。
【解決手段】線状拡散光を被測定物1に対して発生する線状光発生手段2と、被測定物1の表面における前記線状拡散光の鏡像を撮影する撮像手段3と、線状光発生手段2及び撮像手段3に対する被測定物1の相対的な位置を変化可能な移動手段4と、撮像手段3によって得られる線状光発生手段2及び撮像手段3と被測定物1との経時的な相対位置の変化に基づく鏡像を画像処理して被測定物1の表面の歪分布を演算する表面歪分布演算手段10とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物の表面上の歪の分布を、光学的手段を用いて定量的に測定する測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレス成型及び塗装後の自動車外板や、塗装された建築用壁面パネルや、平面ガラス及び鏡等、表面が鏡面又は半鏡面をなす工業製品は、表面に所謂「面歪」と呼ばれる波打ち状の歪みがあると、品質上大きな問題となる。特に、これらの表面に形成された歪みの程度がたとえ微小であっても、写りこむ背景像が「光てこ」の原理で大きく歪んで見えることにより外観を著しく損なうこととなる。
【0003】
従って、これら工業製品の材料の評価、品質作りこみ、及び品質検査等の製品開発及び製造の現場では、かねてより表面歪分布の定量測定技術が望まれていた。
しかしながら、数100mmから数mのサイズの被測定物の表面上の10μmから100μm程度の凹凸を、被測定物の表面全面に亘って定量的に形状測定することは極めて難しい。
【0004】
なお、レーザ変位計に代表される非接触距離計を用いて、被測定物の表面上をxy走査して微小な形状歪み分布を求める方法が知られてはいるが、あまりに測定時間がかかりすぎ、実用的な方法とはなりえてはいない。
そこで、表面歪を定性的にパタン観察する方法として、被測定物の表面に写りこんだ背景のストライプパタンやチェッカボードパタンの鏡像が、表面歪によって歪んで見える現象を利用して、その歪みの程度から表面歪を評価する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に開示されている表面歪の評価方法は、表面が鏡面塗装された建築用の大型パネルを対象とした定性的な表面歪観察方法のひとつであり、パネルに写り込んだ線幅及び線間隔の異なる数種のストライプパタンの内、所定の歪の範囲にある線幅及び線間隔の限界値から、表面歪のグレードを判定しようとするものである。
その他、ガラスの表面や内部の歪の観察方法として提案され、ストライプパタン又は格子パタンの、被測定物のガラス表面の反射像又はガラス内部の透過像を観察し、その歪み量、曲率、線幅、及び線間隔から歪を評価しようとする技術も提案されている(特許文献2〜特許文献5参照)
しかし、特許文献2〜特許文献5に記載の技術は、原則的には歪の可視化方式であり、測定の定量性は保証されていなかった。
【0006】
そこで、表面の歪みを定量化する技術として、特許文献6〜8では、ストライプパタンやチェッカボードパタンのコントラストや位相ずれ、又は生成されたモアレ縞が歪量によって変化することに着目して、これを定量化する技術が開示されている。
しかし、特許文献6〜8において測定される歪量は、投影したストライプパタンやチェッカボードパタンの明暗の影響を受けやすく、また観察可能領域がパタンの明暗のエッジ近傍に限定されていたり、平均化によって空間分解能の限界があったりと、その性能には自ずと限界があった。
【0007】
一方、表面歪測定とは多少目的を異にはするが、自動車ボディの半鏡面性の塗装面上の凹凸性の微小欠陥を感度よく検出する技術が特許文献9に開示されている。この技術は、スリット状の拡散照明光を走査し、被測定物の表面に写り込んだスリットの鏡像が、被測定物の表面上の各点を通過するタイミングを画像合成によって求め、その凹凸微小欠陥に起因するタイミングパタンの部分的な歪から欠陥を検出するものである。また、この技術によれば、表面歪の観察にもトランスファ可能であり、被測定物の形状に対してロバストな観察方式が提供される。
【0008】
しかし、特許文献9の技術では、1本のスリットの鏡像の走査であるがために測定時間が長く、また、タイミングのずれと表面歪量との定量評価式が確立していないという問題があった。
これに対して、特許文献10に開示された技術は、鏡面又は半鏡面状の被測定物の表面に写り込んだ明暗パタンが表面歪によって歪む現象を利用し、スクリーンに表示する複数の明暗パタンの被測定物の表面での鏡像を、テレビカメラを用いて観察し画像処理して、被測定物の表面の各点に対応するスクリーン上の位置座標を求めることによって表面歪量を演算する。さらに、この演算を被測定物の表面の観察可能なあらゆる点において行うことにより表面歪分布を求めるものであり、定量性及び汎用性において従来の表面歪観察方法に対して一日の長のある方式である。
【0009】
しかし、特許文献10に開示された技術においては、複数の明暗パタンを切替えている間は、被測定物が静止している必要があるため、移動する被測定物の表面歪の検査には使用できないという問題があった。
また、スクリーン上の明暗パタンの被測定物の表面に映り込んだ2次元的な鏡像を一度に観察するため、被測定物の表面上の場所によって鏡像のコントラストや解像度に違いが生じる。
【0010】
従って、被測定物の表面の鏡面性が低い(前記鏡像のコントラストが高い)と、スクリーン上の複数のストライプやスリットの鏡像間の弁別性が劣化して測定が難しくなるという問題があった。
さらには、スクリーンと、被測定物と、テレビカメラとの相対的な位置関係で被測定物の表面の幅方向及び長手方向の測定レンジ及び測定分解能が一義的に決まってしまうため、例えば、幅方向には高い分解能が必要であるが、長手方向にはラフな分解能で構わない被測定物に対しても、幅方向と長手方向の分解能及び測定レンジを自由に選ぶことができないという設計上の制約を負わざるを得なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−153420号公報
【特許文献2】特開昭60−119404号公報
【特許文献3】特開平01−165907号公報
【特許文献4】特開平03−135704号公報
【特許文献5】特開平03−199946号公報
【特許文献6】特開平07−20059号公報
【特許文献7】特開平08−220021号公報
【特許文献8】特開2004−251878号公報
【特許文献9】特開2002−22665号公報
【特許文献10】特開2007−147587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように、従来の表面歪の測定方法では、移動する被測定物や、表面の鏡面性が低い被測定物や、幅方向と長手方向との要求測定分解能が異なる被測定物に対して、定量的な表面歪分布測定が高速かつ高精度にできないという問題があった。
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被測定物が移動する等の測定条件に対する設計制約が小さく、被測定物の定量的な表面歪分布を高速かつ高精度に求めることができる表面歪の測定装置及び測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、被測定物の表面に写り込んだ線状光源の線状パタンが表面歪によって歪む現象を利用し、線状光源の被測定物の表面での鏡像を観察するテレビカメラ及び前記線状光源と、前記被測定物とを相対移動させて得られる経時的な画像を処理して、表面歪分布を求めることにより、表面歪分布の定量的な測定を可能にすることを知見した。
【0014】
また、拡散性の強い表面性状を有する被測定物においては、該被測定物の表面の粗さと線状光の波長と線状光の入射角度とから決まる鏡面性指数に基づいて前記線状光の入射角度を設定することにより、被測定物の表面を鏡面化して表面歪分布の定量的な測定を可能にすることを知見した。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、上記課題を解決するための本発明の請求項1に係る表面歪の測定装置は、被測定物に対して線状拡散光を発生する線状光発生手段と、前記被測定物の表面における前記線状拡散光の鏡像を撮影する撮像手段と、前記線状光発生手段及び撮像手段に対する被測定物の相対的な位置を変化可能な移動手段と、前記撮像手段によって得られる前記線状光発生手段及び撮像手段と被測定物との経時的な相対位置の変化に基づく鏡像を画像処理して被測定物の表面の歪分布を演算する表面歪分布演算手段とを備えることを特徴としている。
【0015】
また、本発明の請求項1に係る表面歪の測定装置は、請求項1に記載の表面歪の測定装置において、前記表面歪分布演算手段が、
前記被測定物を法線方向から観察した画像を生成するパースペクティブ補正手段と、
前記被測定物の移動速度に基づいて、前記被測定物が静止している画像を生成する移動速度補償手段と、
前記パースペクティブ補正手段及び移動速度補償手段によって得られた経時的な画像について各画素の経時的変化に基づいて、各画素が最大輝度を示すタイミングにおける走査位置をその画素の値とする合成画像を作成する画像合成手段と、
前記合成画像の各画素の値と前記線状光発生手段、撮像手段、及び被測定物の表面の位置関係とから表面歪分布を求める表面歪変換手段とを有することを特徴としている。
【0016】
また、本発明の請求項3に係る表面歪の測定装置は、請求項1又は2に記載の表面歪の測定装置において、前記被測定物の表面粗さσと、前記線状拡散光の波長λと、前記被測定物に対する前記線状拡散光の出射角度θとから決定される鏡面性指数gが下記(A)式を満たすように、前記出射角度θをなす位置に前記撮像手段を配置することを特徴としている。
g=(4πσcosθ/λc)2<1・・・・・・(A)
【0017】
また、本発明の請求項4に係る表面歪の測定装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の表面歪の測定装置において、前記撮像手段の撮像及び前記表面歪分布演算手段の演算における線状光発生手段及び撮像手段と被測定物との相対移動方向の分解能は、前記相対移動方向に直交する方向の分解能よりも高いことを特徴としている。
【0018】
また、本発明の請求項5に係る表面歪の測定装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の表面歪の測定装置において、前記線状光発生手段及び撮像手段が固定され、これら線状光発生手段及び撮像手段に対して前記走査手段が前記被測定物を相対移動させることを特徴としている。
また、本発明の請求項6に係る表面歪の測定装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の表面歪の測定装置において、前記被測定物が固定され、前記走査手段が前記線状光発生手段及び撮像手段を前記被測定物に対して相対移動させることを特徴としている。
【0019】
また、本発明の請求項7に係る表面歪の測定方法は、被測定物の表面に対して線状拡散光を発生する線状光発生手段、及び前記被測定物の表面における前記線状光の鏡像を撮影する撮像手段と、前記被測定物との相対的な位置を変化させたときに前記撮像手段から得られる経時的な鏡像を画像処理して前記被測定物の表面の歪分布を演算する表面歪分布演算工程を含む表面歪の測定方法である。
【0020】
また、本発明の請求項8に係る表面歪の測定方法は、請求項7に記載の表面歪の測定方法において、前記表面歪分布演算工程が、
前記被測定物を斜めから観察した画像を法線方向から観察した画像を生成するパースペクティブ補正工程と、
前記被測定物の移動速度に基づいて、前記被測定物が静止している画像を生成する移動速度補償工程と、
前記パースペクティブ補正工程及び移動速度補償工程によって得られた経時的な画像について各画素の経時的変化に基づいて、各画素が最大輝度を示すタイミングにおける走査位置をその画素の値とする合成画像を作成する画像合成工程と、
前記合成画像の各画素の値と前記線状光発生手段、撮像手段、及び被測定物の表面の位置関係とから表面歪分布を求める表面歪変換工程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、移動する被測定物に対して、パースペクティブ補正画像及び移動速度補償画像を得て、これらの画像に基づく表面歪分布データを作成するようにしたので、定量的な表面歪分布測定を高速かつ高精度にできる表面歪の測定装置及び測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る表面歪の測定装置の一実施形態における構成を示す概略図である。
【図2】表面歪に起因する光源の鏡像位置のシフトを示す概略図である。
【図3】本発明に係る表面歪の測定装置の一実施形態において表面歪みがない被測定物を移動させたときの鏡像パタンを示す図である。
【図4】本発明に係る表面歪の測定装置の一実施形態において表面歪みがある被測定物を移動させたときの鏡像パタンを示す図である。
【図5】本発明に係る表面歪の測定装置の一実施形態におけるパースペクティブ補正工程の結果を示す図である。
【図6】本発明に係る表面歪の測定装置の一実施形態における移動速度補償工程の結果を示す図である。
【図7】本発明に係る表面歪の測定装置の一実施形態における輝度の経時変化を示す図である。
【図8】本発明に係る表面歪の測定装置の一実施形態における合成画像例として、最大輝度タイミング画像を示す図である。
【図9】本発明に係る表面歪の測定装置の一実施形態における表面歪分布画像例として、傾き角分布画像を示す図である。
【図10】本発明に係る表面歪の測定装置の他の実施形態における低角観察時の面歪分解能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る表面歪の測定装置の一実施形態における構成を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態の表面歪の測定装置は、被測定物1の表面に対し、所定の仰角をなして配置された線状光発生手段(線状光源)2と、被測定物1の表面上における線状光発生手段2の鏡像が観察可能な領域(以下、観察領域という)に配置された撮像手段(テレビカメラ)3とを有する。このとき、観察領域が完全に平坦をなしていれば、線状光発生手段2の鏡像は直線状の像として観察され、表面歪があると歪量に応じた歪んだ像として撮像手段3によって観察される。
【0024】
本発明における線状光発生手段とは、例えば、蛍光灯のような拡散光源の前にスリットを設けたような光源(拡散スリット光源)をいう。
移動手段4は、線状光発生手段2及び撮像手段3に対して被測定物1を相対移動させる手段である。被測定物1の相対移動は、線状光発生手段2と撮像手段3との間における線状拡散光の入出射面内における移動である。
【0025】
ここで、表面歪に起因する光源の鏡像位置のシフトについて説明する。
図2は、表面歪に起因する光源の鏡像位置のシフトを示す概略図である。図3は、本実施形態において表面歪みがない被測定物を移動させたときの鏡像パタンを示す図であり、図3(a)から図3(d)につれて移動させた時間が経過していることを示す。図4は、本実施形態において表面歪みがある被測定物を移動させたときの鏡像パタンを示す図であり、図4(a)から図4(d)につれて移動させた時間が経過していることを示す。
【0026】
図2に示すように、ほぼ平坦な被測定物1の表面に微小な歪みがある場合には、撮像手段3による観察領域内の位置Oにおいて、表面歪に起因する傾き角をδとし鏡像位置O’のシフト量(O−O’間距離)をΔとすると、ほぼ下記(1)式の関係が成り立つ。
Δ∝δ・・・・・・・・・(1)式
【0027】
また、線状光発生手段2及び撮像手段3を固定した状態で、移動手段4を用いて被測定物1を一定速度vで移動させる。このとき、被測定物1の表面が歪みのない完全に平坦であれば、被測定物が画面内で移動しても、線状光発生手段2の鏡像は図3(a)〜(d)に示すように、画面内で静止した直線状の像として観察される。
【0028】
一方、被測定物1の表面に歪みがあると、図4(a)〜(d)に示すように、被測定物1の移動につれて、その場所の歪量に応じて鏡像の歪み具合が変化する。
従って、撮像手段3により得られるこれら一連の画像を処理して、それぞれの画像から線状の鏡像の歪みのパタンを抽出し、光学系の幾何学的な関係からシフト量の分布Δ(x)を求めた後、(1)式の関係を用いて傾き角分布δ(x)に変換し、これをサンプルの長手方向の移動量に照らして再構築すれば、測定対象(被測定物1)の表面の傾き角分布δ(x,y)が原理的に求まる。
【0029】
制御手段6は、測定制御手段7と、画像入力手段8と、画像メモリ9と、表面歪演算手段10とを有する。
操作制御手段5は、移動手段4及び測定制御手段7に接続されている。操作制御手段5は、測定制御手段7から受信した指令信号に基づいて移動手段4の原点出し、移動、及び停止の制御を行う手段である。
【0030】
測定制御手段7は、操作制御手段5、画像入力手段8、画像メモリ9、及び表面歪演算手段10に接続されている。測定制御手段7は、予め入力された所定の制御情報(図示せず)に基づき、移動手段4の移動条件、撮像手段3、画像入力手段8、画像メモリ9、及び表面歪演算手段10における画像データの入出力条件や変換条件等を制御する手段である。
【0031】
画像入力手段8は、撮像手段3、測定制御手段7、及び画像メモリ9に接続されている。画像入力手段8は、被測定物1を走査させることによって撮像手段3で得られた経時的な鏡像データを、例えば横640画素×縦480画素×256グレイレベルのデジタル画像データに変換して画像メモリ9に入力する手段である。
画像メモリ9は、測定制御手段7、画像入力手段8、及び表面歪演算手段10に接続されている。画像メモリ9は、画像入力手段8によって入力されたデジタル画像データを蓄積し、測定制御手段7の指令に基づいて所定のデジタル画像データを表面歪演算手段10に送信する手段である。
【0032】
表面歪演算手段10は、測定制御手段7及び画像メモリ9に接続されている。表面歪演算手段10は、測定制御手段7の指令に基づいて画像メモリ9から送信されたデジタル画像データを表面歪分布データに変換し、出力手段20,21(例えば、パソコン画面、プリンタなど)に出力する手段である。
【0033】
表面歪演算手段10は、先に述べたように、得られる画像から鏡像の歪みパタンを抽出し、(1)式の関係をそのまま用いて歪分布δ(x,y)を求めてもよいが、一般的には、以下に示すような測定精度あるいは測定の信頼性に関わるエンジニアリング上の問題がある場合が多い。
(1)測定対象を斜めから観察することに起因して生じる幾何学的な画像の歪みが測定上の誤差要因となると共に、測定結果を合否判定に供する場合には、測定対象を斜めからではなく、正面から見た座標系で表面歪の量が表現されているほうが都合がよい。
(2)得られる画像から鏡像の歪みパタンを輝度の差に基づいて抽出する過程は、対象表面の反射率のムラや鏡面性のムラの影響を受け易く、測定方式として信頼性が低い。特に、対象表面に模様がある場合や建屋内の照明光が背景光としてあるような場合には、線状光源の鏡像が途切れたり、あるいはノイズ光を誤って線状光源の鏡像の一部として誤認識するなど、安定した抽出が難しい。
これらの問題に配慮して、得られる一連の画像から、精度よくかつ安定して表面歪分布δ(x,y)を求める実施手段を、以下に開示する。
【0034】
<表面歪演算手段>
表面歪演算手段10は、パースペクティブ補正画像処理手段11と、移動速度補償画像処理手段12と、画像合成手段13と、表面歪変換手段14とを有する。
パースペクティブ補正画像処理手段11は、被測定物1を斜め上方から観察した画像を処理してあたかも直上から観察したかの画像を生成するパースペクティブ補正工程を行う手段である。
移動速度補償手段12は、被測定物1が画面内で移動していく画像を移動速度に合わせてシフトし、あたかも被測定物1が静止し線状光発生手段2の鏡像が移動しているかの画像を生成する移動速度補償工程を行う手段である。
【0035】
画像合成手段13は、前記パースペクティブ補正工程、及び移動速度補償工程がなされた時々刻々の画像について画素ごとに各画素の時間変化をチェックし、各画素が最大輝度を示すタイミングにおける走査位置をその画素の値とする画像を合成する画像合成工程を行う手段である。
表面歪変換手段14は、前記画像合成工程によって得られた合成画像における各画素の値と、線状光発生手段、撮像手段、及び被測定物の表面の位置関係とから表面歪分布を求める表面歪変換工程を行う手段である。
【0036】
(表面歪の測定方法)
次に、本実施形態の表面歪の測定方法について説明する。
本実施形態の表面歪の測定方法は、概ね、以下の(1)〜(3)の手順で行われる。
(1)測定制御手段7の指令信号により操作制御手段5を介して移動手段4が被測定物1を原点位置に移動させた後、所定の速度vで所定の距離Lだけ被測定物1を走査させる。
(2)被測定物1を走査しながら撮像手段3により得られる経時的な鏡像は、画像入力手段8を経て、デジタル画像データに変換され、画像メモリ9に入力される。
(3)画像メモリ9に入力されたデジタル画像データは、測定制御手段7の指令に基づいて表面歪演算手段10によって処理され、表面歪分布データとして出力手段20,21に出力される。
【0037】
図5〜図8は、表面歪演算工程における画像処理のプロセスを示す図である。図5は、本実施形態におけるパースペクティブ補正工程の結果を示す図であり、図5(a)から図5(d)につれて被測定物を移動させた時間が経過していることを示す。図6は、本実施形態における移動速度補償工程の結果を示す図であり、図6(a)から図6(d)につれて被測定物を移動させた時間が経過していることを示す。図7は、本実施形態における輝度の経時変化を示す図である。図8は、本実施形態における合成画像例として、最大輝度タイミング画像を示す図であり、図8(a)は表面が完全に平坦である被測定物の図であり、図8(b)は表面に歪みを有する被測定物の図である。
本実施形態の表面歪演算工程は、パースペクティブ補正工程と、移動速度補償工程と、画像合成工程と、表面歪変換工程とを順次行うことによって表面歪分布データが得られる。
【0038】
<パースペクティブ補正工程>
撮像手段3を用いて被測定物1を斜め上方から観察した被測定物1の画像は、パースペクティブ効果(遠近効果)の影響により、手前側が大きく向こう側が小さく見える(図4参照)。パースペクティブ効果の影響下では、被測定物1の表面の同じ場所であっても、移動の過程で見かけの寸法が変化する。
【0039】
しかし、次の画像処理工程である移動速度補償画像処理及び画像合成を行う上では、画面内のどの場所でも、寸法のスケールが同一であることが必要である。
そこで、パースペクティブ補正画像処理手段11は、被測定物1と撮像手段3との相対的な位置情報を基にして、あたかも被測定物を正面から見たかの画像となるようパースペクティブ効果の補正処理を行う(図5(a)〜(d)参照)。パースペクティブ効果の補正処理にあたっては、表面歪測定の要求精度が低い場合や被測定物1の凹凸量が測定エリアに比べて小さい場合には被測定物1をほぼ平坦と見做して補正処理を行っても構わないが、厳密には補正量は被測定物1の形状に依存するので、補正精度を必要とする場合には、別途3D形状データを実測するか、あるいはCAD情報からピックアップするかして与えればよい。
【0040】
<移動速度補償工程>
図5(a)〜(d)に示した経時的なパースペクティブ補正画像から表面歪分布を求める場合、一般的には、それぞれの画像から線状光発生手段2の鏡像の歪み量Δを抽出することにより、図2に示したような、表面歪みに起因する傾き角δの分布を求めることができる。
【0041】
しかし、図5(a)〜(d)に示した経時的なパースペクティブ補正画像から線状光発生手段2の鏡像の歪みパタンを輝度の差に基づいて抽出する過程は、被測定物の表面の反射率のムラや鏡面性のムラの影響を受け易く、測定法としての信頼性が低い。特に、被測定物の表面に模様がある場合や、建屋内の照明光が背景光としてあるような場合には、線状光発生手段2の鏡像が途切れたり、ノイズ光を誤って線状光発生手段2の鏡像の一部として誤認識する等、安定した抽出が難しい。
【0042】
これらの問題を解決する方法として、被測定物の表面性状や測定環境に影響されることなく安定して線状光発生手段2の歪みの情報をコード化する「イメージエンコード法」という技術が開示されている。この「イメージエンコード法」の詳細については、特公平6−25655号公報や特開2005−3409号公報に記載されている。
【0043】
但し、この「イメージエンコード法」は、被測定物と撮像手段との位置が固定された状態でスリット(本願発明では「線状光発生手段2の鏡像」に相当)が移動する条件で初めて成り立つ方法であるのに対して、本願発明の光学系の構成は、撮像手段3に対して被測定物1が走査により移動するので、「イメージエンコード法」をそのまま本実施形態に適用することはできない。
【0044】
そこで、「イメージエンコード法」の適用が可能となるよう、移動速度補償画像処理手段11は、被測定物が画面内で移動していく経時的な画像を、移動速度に合わせてシフトし、あたかも被測定物1が撮像手段3の画面内で静止し、線状光発生手段2の鏡像の方が移動しているかの画像を生成する(図6(a)〜(d)参照)。得られる一連のシフト画像は丁度、被測定物と撮像手段との位置関係を固定し、線状光発生手段2を走査しながらその鏡像を観察した画像に相当するので、「イメージエンコード法」の適用が可能となる。
【0045】
ここで、例えば、図6(a)〜(d)の移動速度補償画像内のA点とB点とに着目すると、被測定物1が完全に平坦であれば線状光発生手段2の鏡像がこれらの点を通過するタイミングは同じ時刻t0となるが、表面歪があるために図7に示すように、線状光発生手段2の鏡像は、A点ではより遅い時刻tAに通過し、一方B点はより早い時刻tBに通過する。
【0046】
<画像合成工程>
次に、画像合成工程として、画像合成手段13が、図6(a)〜(d)に示す経時的な移動速度補償画像を基に、画素ごとにその画素の輝度が最大を示す時刻tからなる画像を合成する。
【0047】
図8に、最大輝度タイミングtからなる合成画像の例を示す。この合成画像は、明るさが走査開始後の経過時間tに対応しており、暗いところほど線状光発生手段2の鏡像がより早く、また明るいところほどより遅く通過していることを示している。被測定物1が歪みのない完全な平坦であれば、合成画像は被測定物1の走査方向に沿った線形のグラデーションパタンをなす(図8(a)参照)が、表面歪があると表面歪の分布に応じてグラデーションに乱れを生じる(図8(b)参照)。
【0048】
被測定物が平坦である場合の最大輝度タイミング合成画像をt0(x,y)、表面歪のある被測定物の最大輝度タイミング画像をt(x,y)とすれば、図2に示したシフト量Δの分布Δ(x,y)は、移動手段4の移動速度をvとして(2)式で与えられる。
Δ(x,y)=v×(t(x,y)−t0(x,y))・・・(2)
また、図2で説明したように、表面歪みに起因する傾き角δの分布は、(3)式で求めることができる。但し、下記(3)式において、Aは光学系の配置に対応する比例係数である。
δ(x,y)=A×Δ(x,y)・・・(3)
【0049】
<表面歪変換工程>
表面歪変換工程は、画像合成工程において得られた合成画像を基に、表面歪変換手段14が(2)式及び(3)式を用いて傾き角分布を演算して傾き角分布画像を作成する工程である。
図9は、本実施形態における表面歪分布画像例として、傾き角分布画像δ(x,y)を示す図である。図9に示すように、表面歪変換手段14によって作成された傾き角分布画像は、明るさがその点の表面歪みに起因する傾き角に対応しており、数値データ、カラーマップ、及び鳥瞰図等利用し易い形式に変換して表面歪分布の出力データとして表示、記録、及び検査に供することができる。
【0050】
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態として、鏡面性の低い被測定物の表面歪を測定する測定方法について説明する。
例えば、自動車用鋼板として使用される合金化亜鉛めっき鋼板を被測定物とした場合、この合金化亜鉛めっき鋼板の表面は、くすんだ梨地状をしているため、通常は表面に油を塗布しないと線状光発生手段2の鏡像を観察することはできない。
しかし、合金化亜鉛めっき鋼板の表面を極めて浅い角度で観察した場合には、上述の実施形態と同様に線状光発生手段2の鏡像を観察することができることが知られている。この現象は、以下の理論により裏付けられる。
【0051】
Beckmannの散乱理論(Petr BECKMANN「The Scattering of Electromagnetic Waves from Rough Surfaces」pp.80-97,Pergamon Press(1963))によれば、梨地状をなす表面の鏡面性は、表面粗さ、入射角、及び光の波長の関数として次式で表される鏡面性指数gによって決まる。そして、g≫1のときは拡散面とみなすことができ、g≪1のときは鏡面とみなすことができる。
g=(4πσcosθ/λc)2・・・(4)
σ:rms表面粗さ(2乗平均粗さ)
θ:入射角(垂直入射を0°とする)
λ:波長(可視光400〜700nm)
【0052】
ここで、表面粗さσ=200nmである合金化亜鉛めっき鋼板の表面に線状拡散光を発生させたときの鏡像を観察する場合、線状拡散光の波長λ=500nmとして、g<1を満足する条件を求めると、以下の入射角の条件が得られる。
θ>80°・・・(5)
すなわち、一見拡散性に見える表面を有する被測定物も、(4)式に基づいて求められた入射角を観察角度(被測定物の法線方向と撮像手段とのなす角度)を選択することにより、線状光発生手段2の鏡像を観察することができる。
【0053】
但し、80°を超す極めて浅い観察角度は、鏡像観察光学系の設計という視点で見れば過酷な環境であり、特許文献10に記載された表面歪測定方式のような複数のストライプやスリットのパタンの鏡像から個々のストライプやスリットの歪みを分別して識別できるような環境にはなく、1本の線状光発生手段2の鏡像の歪みを観察するのが精一杯である。
【0054】
従って、このような低角観察光学系を用いて表面歪を求めようとすると、本願発明に開示するような、1本の線状光発生手段2と撮像手段3とからなる光学系に対して、被測定物を走査する構成を以って初めて測定が可能となる。
さらに、このような浅い角度で線状光発生手段2の鏡像を撮像手段3で観察しようとすると、画面幅方向の分解能に対して、奥行き方向の分解能が極端に劣化する。
そこで、本実施形態では、画像合成手段13によって低角観察時の面歪分解能を以下のように処理する。
【0055】
図10は、本実施形態における低角観察時の面歪分解能を説明する図である。
図10(a)に示すように、例えば250mmの視野の画像を80°(対法線)の浅い角度で観察し、640画素×480画素で制御手段6に取り込んだとする。すると、幅方向の分解能は0.4mm/画素であっても、長手方向の分解能は2.3mm/画素と粗くなってしまう。微小な凹凸性欠陥検査のように、斜め観察による長手方向分解能の劣化が問題となる場合には、例えば図10(b)に示すように、500万画素クラスの高分解能の撮像手段3を用いて「密」な画像を入力する。
【0056】
ここで、解像度の高い撮像手段を使用するとデータ量が大きくなり、制御手段6への入力が遅くなることがある。一方、被測定物を浅い角度で観察した場合には画面縦方向の解像度が下がる代わりに、被測定物が画面縦方向に潰れて必要な観察領域が画面内縦方向の一部(図10(b)中「d」の領域)に限定されるので、画面全面のデータ転送及びデータ処理が必要なくなる。従って、図10(c)に示すように、画面縦方向の部分転送機能を持った撮像手段3を用いて必要な画面領域のみ限定して転送することにより、転送データの容量を削減して転送時間及び処理時間の圧縮を図ることができる。
【0057】
その後、画面幅方向は必要十分な分解能まで「粗く」間引いて処理することによって、図10(d)に示すように、幅方向及び奥行き方向の表面歪パタンの解像度の違いが緩和される。例えば、上記「d」が図10(b)の縦方向の画像の寸法の1/4としたとき、80°の低角観察であっても長手方向の分解能0.6mm/画素()の画像を得ることができる。
【0058】
このように、本発明によれば、移動する被測定物や、表面の鏡面性が低い被測定物や、幅方向と長手方向との要求測定分解能が異なる被測定物に対して適用できるため、設計制約が小さくフレキシブルで、かつ定量的な表面歪分布測定を高速かつ高精度にできる。これは、結果として、製造ラインや加工ラインにおける全数及び全長製品検査等の実現を通して、製品歩留り及び製品品質の向上に寄与するものである。
【0059】
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述の実施形態では、線状光源とテレビカメラとを固定して、被測定物を走査する態様について説明したが、線状光源及びテレビカメラと被測定物との相対的な位置が走査されてもよい。また、被測定物を固定して線状光源とテレビカメラとを一体で走査してもよい。さらには、移動する被測定物に対して、それとは異なる速度で線状光源とテレビカメラとを動かしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 被測定物
2 線状光発生手段
3 撮像手段
4 移動手段
5 走査制御手段
6 制御手段
7 測定制御手段
8 画像入力手段
9 画像メモリ
10 表面歪演算手段
11 パースペクティブ補正手段
12 移動速度補償手段
13 画像合成手段
14 表面歪変換手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物に対して線状拡散光を発生する線状光発生手段と、前記被測定物の表面における前記線状拡散光の鏡像を撮影する撮像手段と、前記線状光発生手段及び撮像手段に対する被測定物の相対的な位置を変化可能な移動手段と、前記撮像手段によって得られる前記線状光発生手段及び撮像手段と被測定物との経時的な相対位置の変化に基づく鏡像を画像処理して被測定物の表面の歪分布を演算する表面歪分布演算手段とを備えることを特徴とする表面歪の測定装置。
【請求項2】
前記表面歪分布演算手段が、
前記被測定物を法線方向から観察した画像を生成するパースペクティブ補正手段と、
前記被測定物の移動速度に基づいて、前記被測定物が静止している画像を生成する移動速度補償手段と、
前記パースペクティブ補正手段及び移動速度補償手段によって得られた経時的な画像について各画素の経時的変化に基づいて、各画素が最大輝度を示すタイミングにおける走査位置をその画素の値とする合成画像を作成する画像合成手段と、
前記合成画像の各画素の値と前記線状光発生手段、撮像手段、及び被測定物の表面の位置関係とから表面歪分布を求める表面歪変換手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の表面歪の測定装置。
【請求項3】
前記被測定物の表面粗さσと、前記線状拡散光の波長λと、前記被測定物に対する前記線状拡散光の出射角度θとから決定される鏡面性指数gが下記(A)式を満たすように、前記出射角度θをなす位置に前記撮像手段を配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の表面歪の測定装置。
(数3)
g=(4πσcosθ/λc)2<1・・・・・・(A)
【請求項4】
前記撮像手段の撮像及び前記表面歪分布演算手段の演算における線状光発生手段及び撮像手段と被測定物との相対移動方向の分解能は、前記相対移動方向に直交する方向の分解能よりも高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面歪の測定装置。
【請求項5】
前記線状光発生手段及び撮像手段が固定され、これら線状光発生手段及び撮像手段に対して前記走査手段が前記被測定物を相対移動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面歪の測定装置。
【請求項6】
前記被測定物が固定され、前記走査手段が前記線状光発生手段及び撮像手段を前記被測定物に対して相対移動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面歪の測定装置。
【請求項7】
被測定物の表面に対して線状拡散光を発生する線状光発生手段、及び前記被測定物の表面における前記線状拡散光の鏡像を撮影する撮像手段と、前記被測定物との相対的な位置を変化させたときに前記撮像手段から得られる経時的な鏡像を画像処理して前記被測定物の表面の歪分布を演算する表面歪分布演算工程を含むことを特徴とする表面歪の測定方法。
【請求項8】
前記表面歪分布演算工程が、
前記被測定物を斜めから観察した画像を法線方向から観察した画像を生成するパースペクティブ補正工程と、
前記被測定物の移動速度に基づいて、前記被測定物が静止している画像を生成する移動速度補償工程と、
前記パースペクティブ補正工程及び移動速度補償工程によって得られた経時的な画像について各画素の経時的変化に基づいて、各画素が最大輝度を示すタイミングにおける走査位置をその画素の値とする合成画像を作成する画像合成工程と、
前記合成画像の各画素の値と前記線状光発生手段、撮像手段、及び被測定物の表面の位置関係とから表面歪分布を求める表面歪変換工程とを含むことを特徴とする請求項7に記載の表面歪の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−216870(P2010−216870A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61622(P2009−61622)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(591006298)JFEテクノリサーチ株式会社 (52)
【Fターム(参考)】