説明

複素環置換カルボン酸

本発明は、インスリン抵抗性、レプチン抵抗性又は高血糖に関連した代謝異常の治療に有用な式(I)の化合物及び薬学的に許容される塩に関する。本発明の化合物は、タンパク質チロシンホスファターゼ、特にタンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)の阻害剤を含み、これは、糖尿病及びその他のPTP媒介疾患、例えば癌、神経変性疾患などの治療に有用である。本発明の化合物を含む薬剤組成物及びそのような化合物を使用する上記の状態を治療する方法も開示する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式の化合物
【化1】


又は薬学的に許容されるその塩
[式中、
は、H、C〜Cアルキル、フェニル(C〜C)アルキル又はC〜Cアルケニルであり、
Lは、結合、−SO−、−C(O)−、−(C〜C)アルキル−又は−(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル又は−(C〜C)アルキル−O−であり、
は、結合、−(C〜C)アルキル−、−NRC(O)−又は−C(O)NR−であり、
は、結合、−(C〜C)アルキル−O−、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキル−、アルケニル又はC(O)であり、
は、H、アリールアルコキシ、アリール、アリールアルキル、アルコキシカルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−(C〜C)アルキル−C(O)NH、−(C〜C)アルキル−C(O)NH(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキル−C(O)N(C〜C)アルキル(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキル−S(O)−(C〜C)アルキル、−SO−アリール、(C〜C)ヒドロキシアルキル、−(C〜C)アルキル−ヘテロシクロアルキル又はOHであり、
ここで、各ヘテロシクロアルキルは、独立に、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ又は−SO−(C〜C)アルキルである合計1、2、3又は4個の基で置換されていてもよく、
ここで、Rの各アリール基は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はNOである1、2、3、4又は5個の基で置換されていてもよく、
ここで、bは、0、1又は2であり、
各R及びRは、独立に、H、C〜Cアルキル、アリール(C〜C)アルキル、アルカノイル、アリールアルカノイル、アルコキシカルボニル、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルカルボニル、−C(O)NH、−C(O)NH(C〜C)アルキル、−C(O)N(C〜C)アルキル(C〜C)アルキル又は−SO−アリールであり、ここで、前記環状基は、独立に、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、NO、OH、NH、NH(C〜C)アルキル、N(C〜C)アルキル(C〜C)アルキル、ハロアルキル又はハロアルコキシである1、2、3又は4個の基で置換されていてもよく、
は、H又はC〜Cアルキルであり、
20、R21、R22及びR23は、独立に、H、アリールアルコキシ、アリールアルキル、ハロゲン、アルキル、OH、アルコキシ、NO、NH、NH(C〜C)アルキル、N(C〜C)アルキル(C〜C)アルキル、NH−アリール、NHC(O)−(C〜C)アルキル−アリール、N(C〜Cアルキル)C(O)−(C〜C)アルキル−アリール、N(C〜C)アルキル−アリール、−NHSO−アリール、−N(C〜Cアルキル)SOアリールから選択され、ここで、前記アリール基は、独立に、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、OH、NO、ハロアルキル、ハロアルコキシである1、2、3又は4個の基で置換されていてもよく、
A環は、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルであり、このそれぞれは、独立に、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、NO、NH、NH(C〜C)アルキル又はN(C〜C)アルキル(C〜C)アルキルである1、2又は3個の基で置換されていてもよく、
B環は、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールであり、ここで、それぞれは、独立に、アルキル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルコキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル、アリール又はOHである1、2、3又は4個の基で置換されていてもよく、
Qは、H、アリール、−アリール−カルボニル−アリール、−アリール−アルキル−アリール、−アリール−アルキル−ヘテロアリール、−アリール−ヘテロアリール、−ヘテロアリール−アリール、−アリール−ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、−ヘテロアリール−アルキル−アリール又は−ヘテロシクロアルキルであり、ここで、上記の環状基は、独立に、アルコキシカルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、NR又はフェニルである1、2、3、4又は5個の基で置換されていてもよく、
Yは、結合、−NHC(O)−(C〜C)アルキル−、−N(C〜C)アルキル−C(O)−(C〜C)アルキル−、−C(O)−(C〜C)アルキル−、−(C〜C)アルキル−S−(CHCH(−NHR24)(CH−及び−(C〜C)アルキル−から選択され、ここで、前記アルキルはフェニル又は−NHC(O)−で置換されていてもよく、ここで、mは、出現するごとに独立に、0、1、2又は3であり、R24はC〜Cアルコキシカルボニルであり、
Zは、存在しないか、独立に、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン又はヒドロキシである1、2、3又は4個の基で置換されていてもよいフェニルである]。
【請求項2】
次式の請求項1記載の化合物
【化2】


又は薬学的に許容されるその塩
[式中、
は、H、C〜Cアルキル、ベンジル又はアリルであり、Rは、C〜Cアルコキシカルボニル、(C〜C)アルキル−C(O)−、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜C)ヒドロキシアルキル又はOHであり、
A環は、アリール又はヘテロアリールであり、このそれぞれは、独立に、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、NO、NH、NH(C〜C)アルキル又はN(C〜C)アルキル(C〜C)アルキルである1又は2個の基で置換されていてもよく、
B環は、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルであり、ここで、それぞれは、独立に、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン又はOHである1又は2個の基で置換されていてもよく、
20及びR21は、独立に、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、OH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ及びNOから選択され、Yは、結合、−(C〜C)アルキル−、−C(O)−(C〜C)アルキル−又は−(C〜C)アルキル−S−(CHCH(−NHR24)(CH−であり、ここで、mは、出現するごとに独立に、0、1、2又は3であり、R24は、C〜Cアルコキシカルボニルであり、
Lは、結合、−SO−、−(C〜C)アルキル−又は−(C〜C)アルキル−O−であり、
は、結合又は−(C〜C)アルキル−であり、
Qは、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルであり、このそれぞれは、独立に、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はNRである1、2又は3個の基で置換されていてもよい]。
【請求項3】
B環がヘテロシクロアルキルである、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
A環が置換されていてもよいアリールである、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
が結合であり、Qが置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
がHである、請求項2記載の化合物。
【請求項6】
が、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ又は(C〜C)アルキル−C(O)−である、請求項2記載の化合物。
【請求項7】
式IV−1の請求項2記載の化合物。
【化3】

【請求項8】
式VIの請求項2記載の化合物
【化4】


又は薬学的に許容されるその塩
[式中、
は、H、C〜Cアルキル又はハロゲンであり、
A環は、独立に、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、NO、NH、NH(C〜C)アルキル又はN(C〜C)アルキル(C〜C)アルキルである1又は2個の基で置換されていてもよいヘテロアリールであり、
20及びR21は、独立に、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、OH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ及びNOから選択され、
Yは、結合、−(C〜C)アルキル−、−C(O)−(C〜C)アルキル−又は−(C〜C)アルキル−S−(CHCH(−NHR24)(CH−であり、ここで、m及びpは、独立に、0、1、2又は3であり、R24はC〜Cアルコキシカルボニルであり、
Lは、結合又は−(C〜C)アルキル−である]。
【請求項9】
式VIIの請求項2記載の化合物
【化5】


又は薬学的に許容されるその塩
[式中、
は、H、C〜Cアルコキシカルボニル、(C〜C)アルキル−C(O)−又はC〜Cアルキルであり、
A環は、独立に、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、NO、NH、NH(C〜C)アルキル又はN(C〜C)アルキル(C〜C)アルキルである1又は2個の基で置換されていてもよいアリールであり、
20及びR21は、独立に、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、OH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ及びNOから選択され、
Yは、結合、−(C〜C)アルキル−、−C(O)−(C〜C)アルキル−又は−(C〜C)アルキル−S−(CHCH(−NHR24)(CH−であり、ここで、m及びpは、独立に、0、1、2又は3であり、R29はC〜Cアルコキシカルボニルであり、
Lは、結合又は−(C〜C)アルキル−であり、
は、結合又は−(C〜C)アルキル−であり、
Qは、独立に、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はNRである1、2又は3個の基で置換されていてもよいC〜C10シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、或いは、
Q、L及びA環は一緒になってヘテロアリール基を形成していてもよい]。
【請求項10】
4−(4’−ジベンゾフラン−4−イル−ビフェニル−4−イルメチル)−ピペラジン−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル;
4−(4’−ジベンゾフラン−4−イル−ビフェニル−4−スルホニル)−ピペラジン−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル;
2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[5−(4−ジベンゾフラン−4−イル−フェニル)−チオフェン−2−イルメチルスルファニル]−プロピオン酸;
4−{5−クロロ−1−[(3’−ピロリジン−1−イルビフェニル−4−イル)メチル]−1H−インドール−3−イル}−4−オキソブタン酸;及び
5−[3’−(7−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イルメチル)−ビフェニル−4−イルメトキシ]−ニコチン酸
からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
式(XVI)の化合物
【化6】


[nは、1、2、3又は4であり、
は、結合、−(C〜C)アルキル−O−、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキル−、アルケニル又はC(O)であり、
20、R21、R22及びR23は、独立に、H、アリールアルコキシ、アリールアルキル、ハロゲン、アルキル、OH、アルコキシ、NO、NH、NH(C〜C)アルキル、N(C〜C)アルキル(C〜C)アルキル、NH−アリール、NHC(O)−(C〜C)アルキル−アリール、N(C〜Cアルキル)C(O)−(C〜C)アルキル−アリール、N(C〜C)アルキル−アリール、−NHSO−アリール、−N(C〜Cアルキル)SOアリールから選択され、ここで、前記アリール基は、独立に、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、OH、NO、ハロアルキル、ハロアルコキシである1、2、3又は4個の基で置換されていてもよく、
Qは、アリール、−アリール−カルボニル−アリール、−アリール−アルキル−アリール、−アリール−アルキル−ヘテロアリール、−アリール−ヘテロアリール、−ヘテロアリール−アリール、−アリール−ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、−ヘテロアリール−アルキル−アリール又は−ヘテロシクロアルキルであり、ここで、上記の環状基は、独立に、アルコキシカルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、NR又はフェニルである1、2、3又は4個の基で置換されていてもよく、
及びRは、独立に、H、C〜Cアルキル、アリール(C〜C)アルキル、アルカノイル、アリールアルカノイル、アルコキシカルボニル、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルカルボニル、−C(O)NH、−C(O)NH(C〜C)アルキル、−C(O)N(C〜C)アルキル(C〜C)アルキル又は−SO−アリールであり、ここで、前記環状基は、独立に、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、NO、OH、NH、NH(C〜C)アルキル、N(C〜C)アルキル(C〜C)アルキル、ハロアルキル又はハロアルコキシである1、2、3又は4個の基で置換されていてもよく、
A環は、アリール又はヘテロアリールであり、このそれぞれは、独立に、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、NO、NH、NH(C〜C)アルキル又はN(C〜C)アルキル(C〜C)アルキルである1、2又は3個の基で置換されていてもよく
Zは、存在しないか、独立に、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン又はヒドロキシである1、2、3又は4個の基で置換されていてもよいフェニルである]。
【請求項12】
式Iの化合物
【化7】


又は薬学的に許容されるその塩を調製する方法であって
[式中、
Aはアリール又はヘテロアリールであり、Bはヘテロアリールであり、Lは、結合であり、Lは(C〜C)アルキル−O−であり、ここで、前記−(C〜C)アルキル−はフェニルに結合しており、前記−O−はB環に結合しており、A、L、L、Q、Y、Z、R、R、R20、R21、R22及びR23は、請求項1で定義の通りである]、
(1)次式の化合物
【化8】


[式中、Xは、Cl、Br、I又はOSOCFである]
を、金属触媒、塩基及び次式の化合物
【化9】


[式中、Rは、H又は(C〜C)アルキルであり、
は、アルキレンであり、
nは、1、2、3又は4である]
で処理して次式の化合物を得、
【化10】


(3)(1)の生成物をホスフィン、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン又はR−C(O)N=NC(O)−R(Rはアルコキシである)、及び次式の化合物
【化11】


で処理して次式の化合物
【化12】


を得ること、
を含む方法。
【請求項13】
薬学的に許容される量の請求項1の化合物をそれを必要とする患者に投与することを含む、1型又は2型糖尿病を治療する方法。
【請求項14】
請求項1記載の化合物、及び少なくとも1種の薬学的に許容される溶媒、担体、賦形剤又はアジュバントを含む薬剤組成物。
【請求項15】
そのような治療を必要とする患者の糖尿病を治療する医薬品を製造するための式Iの化合物又は塩の使用。
【請求項16】
そのような治療を必要とする患者の癌、神経変性疾患、症候群X、免疫疾患、出血性障害又は心臓血管疾患を治療する医薬品を製造するための式Iの化合物又は塩の使用。
【請求項17】
その必要のある患者のPTP−1Bを阻害する医薬品を製造するための式Iの化合物又は塩の使用。
【請求項18】
医薬品を製造するための薬剤組成物の使用であって、前記薬剤組成物が式Iの化合物、及び少なくとも1種の薬学的に許容される溶媒、担体、アジュバント又は賦形剤を含む使用。
【請求項19】
1−(3−ブロモ−ベンジル)−7−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、
[3’−(7−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イルメチル)−ビフェニル−4−イル]−メタノール、及び
5−[3’−(7−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イルメチル)−ビフェニル−4−イルメトキシ]−ニコチン酸メチルエステル、
からなる群から選択される化合物。

【公表番号】特表2008−520692(P2008−520692A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543233(P2007−543233)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/041677
【国際公開番号】WO2006/055708
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(504187102)ジ インスチチュート フォー ファーマシューティカル ディスカバリー、エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】