説明

走行支援装置

【課題】ドライバーが装置自体の走行制御に過度に依存することを避け、自発的な操作を促すことが可能な走行支援装置を提供する。
【解決手段】自車両の周辺に存在する障害物を検出する前方監視レーザレーダ13と、前方監視レーザレーダ13が自車両の周辺に存在する障害物を検出したときに、自車両の車速Vを最高速度制限値Vmaxr以下にする速度制御を行うECU30とを備えた速度制御装置1aにおいて、ECU30は、前方監視レーザレーダ13が自車両の周辺に存在する障害物を検出した後に障害物を検出しなくなったときでも、自車両のドライバーが自車両を最高速度制限値Vmaxr以下する減速操作を自発的に行なうまでは速度制御を行ない、減速操作を自発的に行なったときに速度制御を解除する。これによりドライバーが装置自体の走行制御に過度に依存することを避け、自発的な操作を促す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行支援装置に関し、特には、移動体の周辺に存在する物体を検出して速度制御を行なう走行支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の移動体の周辺に存在する物体を検出して、移動体の走行を制御する装置が提案されている。例えば、特許文献1には、障害物を検知した場合に自車両を減速させる減速制御を行なうが、障害物が消失した場合には、減速制御を中止して、設定された車速による定速走行状態に復帰させる。これにより、特許文献1の装置では、先行車が自車と同一の車線上にいなくなった場合に、なかなか加速しないというもどかしさをドライバーに感じさせないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−39600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の技術では、ドライバーの操作を介入させることなく、減速制御が中止され、設定された車速による定速走行状態に復帰させるため、ドライバーが装置による走行制御に依存しがちになる問題がある。したがって、上記の技術では、ドライバーの装置に頼りきった過信が生まれ、安全運転への意識が薄れてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、このような実情に考慮してなされたものであり、その目的は、ドライバーが装置自体の走行制御に過度に依存することを避け、自発的な操作を促すことが可能な走行支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、移動体の周辺に存在する物体を検出する周辺物体検出手段と、周辺物体検出手段が移動体の周辺に存在する物体を検出したときに、移動体の移動速度を所定の上限速度以下にする速度制御及び移動体の移動速度を減速させる速度制御の少なくともいずれかの速度制御を行う速度制御手段とを備え、周辺物体検出手段が移動体の周辺に存在する物体を検出した後に物体を検出しなくなったときに、速度制御手段は、移動体のドライバーが移動体を予め設定された移動速度及び減速度の少なくともいずれかになるようにする減速操作を行なうまでは速度制御を行ない、移動体のドライバーが移動体を予め設定された移動速度及び減速度の少なくともいずれかになるようにする減速操作を行なったときは速度制御を解除する、走行支援装置である。
【0007】
この構成によれば、移動体の周辺に存在する物体を検出する周辺物体検出手段と、周辺物体検出手段が移動体の周辺に存在する物体を検出したときに、移動体の移動速度を所定の上限速度以下にする速度制御及び移動体の移動速度を減速させる速度制御の少なくともいずれかの速度制御を行う速度制御手段とを備えた走行支援装置において、速度制御手段は、周辺物体検出手段が移動体の周辺に存在する物体を検出した後に物体を検出しなくなったときであっても、移動体のドライバーが移動体を予め設定された移動速度及び減速度の少なくともいずれかになるようにする減速操作を自発的に行なうまでは速度制御を行ない、速度制御を行なわない状態に復帰させず、減速操作を自発的に行なったときに速度制御を解除し、速度制御を行なわない状態に復帰させるため、ドライバーが装置自体の走行制御に過度に依存することを避け、自発的な操作を促すことが可能となる。
【0008】
この場合、速度制御手段が速度制御を行なっていることを移動体のドライバーに通知する通知手段をさらに備え、通知手段は、周辺物体検出手段が物体を検出しているときに速度制御手段が速度制御を行なっているときと、周辺物体検出手段が物体を検出した後に物体を検出しなくなったときに速度制御手段が速度制御を行なっているときとで、移動体のドライバーに異なる通知を行なうことが好適である。
【0009】
この構成によれば、速度制御手段が速度制御を行なっていることを移動体のドライバーに通知する通知手段をさらに備え、通知手段は、周辺物体検出手段が物体を検出しているときに速度制御手段が速度制御を行なっているときと、周辺物体検出手段が物体を検出した後に物体を検出しなくなったときに速度制御手段が速度制御を行なっているときとで、移動体のドライバーに異なる通知を行なうため、ドライバーは、周辺物体検出手段が物体を検出しているために速度制御手段が速度制御を行なっているのか、あるいは、周辺物体検出手段が物体を検出した後に物体を検出しなくなったがドライバーの減速操作がなされていないために速度制御手段が速度制御を行なっているかを区別して認識することが可能となる。
【0010】
また、速度制御手段は、周辺物体検出手段が物体を検出した後は、ドライバーが減速操作を行なうまで、移動体の移動速度が増速せずに減速するように移動体の移動速度を制御することが好適である。
【0011】
この構成によれば、速度制御手段は、周辺物体検出手段が物体を検出した後は、ドライバーが減速操作を行なうまで、移動体の移動速度が増速せずに減速するように移動体の移動速度を制御するため、ドライバーの減速操作がなされない内は移動体の移動速度は減速され続けることになり、ドライバーにさらに自発的な操作を促すことが可能となる。
【0012】
この場合、速度制御手段は、周辺物体検出手段が物体を検出しているときは、移動体の上限速度をより低くなるように更新しつつ移動体の移動速度を上限速度以下にする速度制御を行い、周辺物体検出手段が物体を検出した後に物体を検出しなくなったときは、移動体の上限速度を維持しつつ移動体の移動速度を上限速度以下にする速度制御を行うことが好適である。
【0013】
この構成によれば、速度制御手段は、周辺物体検出手段が物体を検出しており、安全性がまだ低いときは、移動体の上限速度をより低くなるように更新しつつ移動体の移動速度を上限速度以下にする速度制御を行うため、安全性を確保でき、周辺物体検出手段が物体を検出した後に物体を検出しなくなり、安全性がより高くなったときは、移動体の上限速度を維持しつつ移動体の移動速度を上限速度以下にする速度制御を行うため、不要な減速を避けることができる。
【0014】
また、減速操作は、移動体のドライバーによる移動速度の指定、減速度の指定、及び移動体の車軸のトルク値の指定のいずれかであるものとできる。
【0015】
この構成によれば、速度制御手段が速度制御を中止する条件であるドライバーの減速操作を、ドライバーによる移動速度の指定、減速度の指定、及び移動体の車軸のトルク値の指定のいずれかとするため、走行制御装置がドライバーによる減速操作の有無を判別し易いものとなり、誤作動を防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の走行支援装置によれば、ドライバーが装置自体の走行制御に過度に依存することを避け、自発的な操作を促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係る速度制御装置の構成図である。
【図2】第1実施形態に係る障害物検知ゾーンの一例を示す平面図である。
【図3】図1のECUにおける速度制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態に係る速度制御装置の構成図である。
【図5】図4のECUにおける速度制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る走行支援装置の実施の形態を説明する。
【0019】
本発明の第1実施形態では、本発明に係る走行支援装置を、車両に搭載される速度制御装置に適用する。本実施の形態に係る車両は、シニアカーや電動車椅子などの人が行き交うエリアで走行することが可能な車両であり、モータの駆動によって駆動力を発生し、モータの回生とブレーキによって制動力を発生する。
【0020】
速度制御装置1aは、通常、運転者によるアクセル操作とブレーキ操作に応じた速度に制御する。特に、速度制御装置1aは、障害物(歩行者、自転車などの移動物体、電柱、郵便ポスト、落下物などの静止物体)との関係で安全に走行するために、自車両と障害物との相対位置関係に応じて最高速度を設定し、最高速度を超える場合には減速制御する。
【0021】
速度制御装置1aは、加減速操作装置11、速度センサ12、前方監視レーザレーダ13、インバータ21、ブレーキアクチュエータ23及びECU(Electronic Control Unit)30を備えている。ECU30は、障害物情報検知部31、最高速度設定部32及び速度制御部33を有している。インバータ21には駆動モータ22が接続されている。ブレーキアクチュエータ23は不図示のメカブレーキを駆動する。
【0022】
加減速操作装置11は、ドライバーが自車両の加減速操作を行なうための装置である。加減速操作装置11には、ドライバーが操作レバーや数値入力により、自車両の加減速操作を行なえるようになっている。加減速操作装置11には、ドライバーが自車両の速度要求値Vdemを入力する。加減速操作装置11にドライバーが入力した速度要求値Vdemは、速度要求値信号としてECU30に送信される。なお、加減速操作装置11は、ドライバーが指定した自車両の減速度や、ブレーキ用の操作レバーの操作量やアクセル用の操作レバーの操作量をドライバーの操作量信号としてECU30に送信するものとしても良い。さらに、加減速操作装置11には、ドライバーが自車両の車軸のトルク指令値を入力し、加減速操作装置11は、ドライバーが入力したトルク指令値をトルク指令値信号としてECU30に送信するものとしても良い。
【0023】
速度センサ12は、自車両の速度を検知するセンサである。速度センサ12では、一定時間毎に、自車両の速度を検出し、その検知した速度を速度信号としてECU30に送信する。
【0024】
前方監視レーザレーダ13は、レーザ光を利用して物体を検出するためのレーダである。前方監視レーザレーダ13は、自車両の前側の中央に取り付けられ、自車両の進行方向の物体を検出する。前方監視レーザレーダ13では、一定時間毎に、レーザ光を所定角度毎に水平にスキャンしながら自車両から前方に向けて出射し、反射してきたレーダ光を受光する。そして、前方監視レーザレーダ13では、そのレーザ光のデータをレーダ信号としてECU30に送信する。このデータには、スキャンした角度毎の出射したレーザ光の情報(自車両進行方向を中心とした出射角度、出射時刻など)、出射したレーザ光を受光できたか否かの情報、受光できた場合にはその受光情報(受光角度、受光時刻、受光強度など)などが含まれる。なお、このレーダ信号として送信するデータについては、受光できた場合のデータだけでもよい。
【0025】
インバータ21は、駆動モータ22の回転駆動/回生発電を制御するインバータである。インバータ21では、ECU30からモータ駆動制御信号を受信すると、そのモータ駆動信号に応じてバッテリ(図示せず)に充電されている電力を直流から交流に変換し、その交流電流を駆動モータ22に供給する。また、インバータ21では、ECU30からモータ回生制御信号を受信すると、そのモータ回生制御信号に応じてモータの回生発電による電力を交流から直流に変換し、バッテリに充電する。
【0026】
駆動モータ22は、自車両の駆動源である電気モータである。また、駆動モータ22は、ジェネレータとしての機能を有しており、車輪の回転エネルギー(運動エネルギー)を電気エネルギーに変換し、回生発電を行う。駆動モータ22では、インバータ21から電流が供給されると、その電流に応じて回転駆動して駆動力を発生する。また、駆動モータ22は、インバータ21による制御によって回生発電し、その発電した電力をインバータ21を介してバッテリに充電する。
【0027】
ブレーキアクチュエータ23は、自車両の不図示のメカブレーキを作動させるアクチュエータである。ブレーキアクチュエータ23では、ECU30からブレーキ制御信号を受信すると、そのブレーキ制御信号に応じてメカブレーキを作動させる。
【0028】
ECU30は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などからなる電子制御ユニットであり、速度制御装置1aを統括制御する。ECU30は、ROMに格納されているアプリケーションプログラムをRAM上にロードし、CPUで実行することによって障害物情報検知部31、最高速度設定部32及び速度制御部33を構成する。ECU30では、所定時間毎に、加減速操作装置11、速度センサ12及び前方監視レーザレーダ13からの信号をそれぞれ受信する。そして、ECU30では、各信号に基づいて、障害物情報検知部31、最高速度設定部32及び速度制御部33の処理を行い、必要に応じてインバータ21、ブレーキアクチュエータ23に各制御信号をそれぞれ送信する。
【0029】
障害物情報検知部31では、前方監視レーザレーダ13からのレーダ信号に基づいて、レーダ光を受光できたときのデータがある場合(検出点(反射点)がある場合)には自車両の前方に障害物が存在すると判定し、検出点のデータがない場合には自車両の前方に障害物が存在しないと判定する。この際、障害物はある程度の大きさを有するので、隣り合う検出点の個数が所定個数以上の場合に、障害物が存在すると判定してもよい。障害物が存在すると判定した場合、障害物情報検知部31では、各検出点についてのデータに基づいて、自車両に対する障害物の相対位置を算出する。この算出方法としては、例えば、レーザ光の出射から受光までの時間に基づいて検出点との相対距離を算出するとともにレーザ光の出射角度から検出点との相対方向を算出する。
【0030】
最高速度設定部32では、旋回用の操作レバーの操作量信号に示される操作レバーの操作量に基づいて自車両の進路を予測し、その進路に応じて障害物検知ゾーンを設定する。例えば、自車両が直進走行している場合、障害物検知ゾーンZとして、図2に示すように、自車両の進行方向において直進進路に沿って長方形状の領域Aが設定される。
【0031】
障害物検知ゾーンZは、幅方向に3分割と奥行き方向に3分割の9つのエリアC1,C2,C3,L1,L2,L3,R1,R2,R3に分割される。障害物検知ゾーンZには、中央に衝突監視エリアC1,C2,C3が設けられ、その左側に周辺監視エリアL1,L2,L3が設けられ、右側に周辺監視エリアR1,R2,R3が設けられる。衝突監視エリアは、自車両の進路上のエリアであるため、そのエリアに障害物が存在すると自車両と接触する可能性があるので十分な安全性を確保する必要がある。周辺監視エリアは、自車両の進路の側方のエリアであるため、そのエリアに障害物が存在すると自車両がその障害物の脇をすり抜けて走行するので注意する必要がある。
【0032】
この衝突監視エリアの幅は、車両の幅よりも広く、周辺監視エリアに障害物が存在する場合にその脇を安全にすり抜けるための余裕分の幅を有している。周辺監視エリアの幅は、衝突監視エリアの幅と同程度でもよいし、あるいは、道路幅などに応じた幅などでもよい。また、障害物検知ゾーンZで最も自車両寄りのエリアC1,L1,R1、次のエリアC2,L2,R3、最も自車両から離れたエリアC3,L3,R3の奥行き方向の各長さは、同じでもよいし、あるいは、図2に示すように自車両寄りほど短くするなど長さを変えてもよい。また、障害物検知ゾーンZで衝突監視エリアと周辺監視エリアの奥行き方向の各長さは、同じでもよいし、あるいは、図2に示すように衝突監視エリアの自車両寄りを短くするなど長さを変えてもよい。これらの幅や奥行き方向の長さについては、実験などによって設定される。
【0033】
障害物検知ゾーンZの各エリアC1,C2,C3,L1,L2,L3,R1,R2,R3には最高速度がそれぞれ設定され、最高速度マップが設けられる。障害物検知ゾーンZのうち最も自車両寄りのエリアC1,L1,R1、次のエリアC2,L2,R3、最も自車両から離れたエリアC3,L3,R3の各最高速度は、自車両に近いほど低い最高速度が設定される。さらに、衝突監視エリアと周辺監視エリアとでは、衝突監視エリアの方が低い最高速度が設定される。直進時の障害物検知ゾーンZの各エリアと旋回時の障害物検知ゾーンZの各エリアとでは、同じ最高速度がそれぞれ設定されてもよいし、あるいは、旋回時の障害物検知ゾーンZの各エリアの方に低い最高速度がそれぞれ設定されてもよい。また、旋回時の障害物検知ゾーンZの各エリアには、カーブRが小さいほど低い最高速度がそれぞれ設定されてもよい。これらの各エリアの最高速度については、実験などによって設定される。自車両に適用される法律上の最高速度に応じて、少なくともそれ以下の速度がそれぞれ設定される。
【0034】
旋回操作量に応じて障害物検知ゾーンZを設定すると、最高速度設定部32では、障害物情報検知部31で障害物が存在すると判定している場合、その障害物と自車両との相対位置に基づいて障害物が障害物検知ゾーンZのどのエリアに存在するかを判定する。そして、最高速度設定部32では、最高速度マップを参照し、その判定したエリアに応じた最高速度制限値Vmaxrを設定する。障害物が複数存在する場合、各障害物に対してそれぞれ最高速度制限値Vmaxrが設定される。この場合、最高速度設定部32では、各障害物に対して設定された最高速度制限値Vmaxrを比較し、最も低い最高速度制限値Vmaxrを最終的な最高速度値Vmaxrとして設定する。一方、最高速度設定部32では、障害物情報検知部31で障害物が存在しないと判定している場合、最高速度制限値Vmaxrを設定しない。この場合、常時、運転者によるアクセル操作に応じた速度となる。
【0035】
速度制御部33では、通常、運転者が加減速操作装置11のアクセル用の操作レバーを操作している場合、アクセル用の操作レバーの操作量信号に示される操作レバーの操作量に応じて駆動モータ22による目標駆動力を設定する。そして、速度制御部33では、その目標駆動力を駆動モータ22で発生させるために必要な目標電流を設定し、その目標電流を示すモータ駆動制御信号をインバータ20に送信する。
【0036】
また、速度制御部33では、通常、運転者が加減速操作装置11のブレーキ用の操作レバーを操作している場合、ブレーキ用の操作レバーの操作量信号に示される操作レバーの操作量に応じて目標制動力を設定する。そして、速度制御部33では、その目標制動力を駆動モータ22による回生制動力だけで発生できるか否かを判定する。目標制動力を駆動モータ22による回生制動力だけで発生できると判定した場合、速度制御部33では、その目標制動力を駆動モータ22による回生制動力で発生させるために必要な目標回生量を設定し、その目標回生量を示すモータ回生制御信号をインバータ21に送信する。一方、目標制動力を駆動モータ22による回生制動力だけで発生できないと判定した場合、速度制御部33では、そのときに駆動モータ22で発生できる最大の回生制動力に応じて目標回生量を設定し、その目標回生量を示すモータ回生制御信号をインバータ21に送信するとともに、目標制動力から最大の回生制動力を引いた制動力をメカブレーキで発生させるために必要な目標ブレーキ量を設定し、その目標ブレーキ量を示すブレーキ制御信号をブレーキアクチュエータ23に送信する。
【0037】
特に、速度制御部33では、速度信号に示される自車両の現在速度が最高速度設定部32で設定されている最高速度制限値Vmaxr以下か否かを判定する。自車両の現在速度Vが最高速度制限値Vmaxrより高いと判定した場合、速度制御部33では、最高速度制限指令値Vmaxdを最高速度制限値Vmaxrとし、自車両の速度が最高速度制限指令値Vmaxd以下になるために必要な目標制動力を設定し、この目標制動力に基づいて上記と同様の処理によって減速制御を行う。自車両の現在速度が最高速度Vmaxr以下と判定した場合、速度制御部33では、減速制御を行わない。
【0038】
以下、速度制御装置1aにおける最高速度制御の動作について説明する。特に、ECU30における処理については、図3のフローチャートに沿って説明する。
【0039】
前方監視レーザレーダ13では、一定時間毎に、自車両の前方をスキャンしながらレーザ光を出射するとともに反射してきたレーザ光を受光し、レーザ信号をECU30に送信している。速度センサ12では、一定時間毎に、自車両の速度を検出し、速度信号をECU30に送信している。加減速操作装置11では、一定時間毎に、ドライバーが入力した速度要求値Vdemや各レバーの操作量を検知し、操作量信号をECU30にそれぞれ送信している。ECU30では、各信号を受信する。
【0040】
ECU30では、レーダ信号に基づいて、自車両の前方に障害物が存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合にはその各障害物の自車両に対する相対位置を算出する。そして、ECU30では、障害物検知ゾーンZに障害物が存在するか否かを判定する(S101)。S101にてECU30が障害物検知ゾーンZに障害物が存在しないと判定した場合、ECU30は今回の処理を終了する。
【0041】
S101にてECU30が障害物検知ゾーンZに障害物が存在すると判定した場合、ECU30は、障害物毎に、障害物の相対位置に基づいて障害物検知ゾーンZのいずれのエリアに存在するかを判定し、その判定したエリアに応じて最高速度マップにより最高速度制限値Vmaxrを設定する(S102)。この場合、ECU30では、1個の障害物が存在する場合にはその障害物に対応して設定された最高速度制限値Vmaxrをそのまま最終的な最高速度制限値Vmaxrとして設定し、複数の障害物が存在する場合には各障害物に対応して設定された最高速度制限値Vmaxrの中で最も低い速度を最終的な最高速度制限値Vmaxrとして設定する。
【0042】
ECU30は、速度信号に基づいて、自車両の現在の車速Vが最高速度制限値Vmaxr以下か否かを判定する(S103)。S103にてECU30が自車両の現在の車速Vが最高速度制限値Vmaxr以下と判定した場合、ECU30は、今回の処理を終了する。
【0043】
一方、S103にてECU30が自車両の現在の車速Vが最高速度制限値Vmaxrより高いと判定した場合、ECU30は、最高速度制限指令値Vmaxdを最高速度制限値Vmaxrとし(S104)、自車両の速度が最高速度制限指令値Vmaxd以下になるために必要な目標制動力を設定し、この目標制動力に基づいて目標回生量を示すモータ回生制御信号をインバータ21に送信し、更に必要な場合には目標ブレーキ量を示すブレーキ制御信号をブレーキアクチュエータ23に送信する。
【0044】
インバータ21では、ECU30からモータ回生制御信号を受信すると、そのモータ回生制御信号に応じて駆動モータ22の回生発電による電力を交流から直流に変換し、バッテリに充電する。この際、駆動モータ22は、回転エネルギーを電気エネルギーに変換して回生発電し、回生制動力を発生させる。また、ブレーキアクチュエータ21では、ECU30からブレーキ制御信号を受信すると、そのブレーキ制御信号に応じてメカブレーキを作動させ、メカブレーキが制動力を発生する。これによって、自車両では、速度が最高速度制限指令値Vmaxd以下になるように制御される(S105)。
【0045】
自車両の走行状態の変化や自車両周囲の障害物の状況の変化によって、ECU30が算出する必要な最高速度制限値Vmaxrが変化した場合において、変化後の最高速度制限値Vmaxrが現在の最高速度制限指令値Vmaxd以下である場合には(S106)、ECU30は、最高速度制限指令値Vmaxdを変化後の最高速度制限値Vmaxrに更新して、最高速度制限指令値Vmaxdを下げる(S107)。一方、変化後の最高速度制限値Vmaxrが現在の最高速度制限指令値Vmaxdよりも大きい場合には(S106)、ECU30は、最高速度制限指令値Vmaxdを更新せずにそのままにする。
【0046】
ECU30は、前方監視レーザレーダ13からのレーダ信号により障害物検知ゾーンZに障害物が存在すると判定するか否かに関わらず、加減速操作装置11からの速度要求値信号から、ドライバーの速度要求値Vdemが最高速度制限指令値Vmaxdを超えている場合は(S108)、速度制御を継続する。一方、ECU30は、ドライバーの速度要求値Vdemが最高速度制限指令値Vmaxd以下である場合は(S108)、今回の処理を終了する。
【0047】
本実施形態によれば、自車両の周辺に存在する障害物を検出する前方監視レーザレーダ13と、前方監視レーザレーダ13が自車両の周辺に存在する障害物を検出したときに、自車両の車速Vを最高速度制限値Vmaxr以下にする速度制御を行うECU30とを備えた速度制御装置1aにおいて、ECU30は、前方監視レーザレーダ13が自車両の周辺に存在する障害物を検出した後に障害物を検出しなくなったときであっても、自車両のドライバーが自車両を最高速度制限値Vmaxr以下になるようにする減速操作を自発的に行なうまでは速度制御を行ない、速度制御を行なわない状態に復帰させず、減速操作を自発的に行なったときに速度制御を解除し、速度制御を行なわない状態に復帰させるため、ドライバーが装置自体の走行制御に過度に依存することを避け、自発的な操作を促すことが可能となる。
【0048】
すなわち、本実施形態によれば、一旦、障害物との接触の可能性がある状態になって、最高速度の制限を行なう速度制御が開始されると、安全な状況になっても自動的には速度制御を解除しないため、ドライバーの安全意識を低下させずに、障害物を回避する走行制御を行うことができる。また、本実施形態によれば、ドライバーに特別な速度制御の解除のための解除動作を強いることもなく、安全確保に必要な加減速操作をすることによって、速度制御が解除できるため、ドライバーは煩わしさを感じずに速度制御装置1aのシステムを使用することができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、ECU30は、前方監視レーザレーダ13が障害物を検出した後は、ドライバーが減速操作を行なうまで、自車両の車速Vが増速せずに減速するように自車両の車速Vを制御するため、ドライバーの減速操作がなされない内は自車両の車速は減速され続けることになり、ドライバーにさらに自発的な操作を促すことが可能となる。
【0050】
また、本実施形態によれば、ECU30は、前方監視レーザレーダ13が障害物を検出しており、安全性がまだ低いときは、自車両の最高速度制限値Vmaxrをより低くなるように更新しつつ自車両の車速Vを最高速度制限値Vmaxr以下にする速度制御を行うため、安全性を確保でき、前方監視レーザレーダ13が障害物を検出した後に障害物を検出しなくなり、安全性がより高くなったときは、自車両の最高速度制限値Vmaxrを維持しつつ自車両の車速Vを最高速度制限値Vmaxr以下にする速度制御を行うため、不要な減速を避けることができる。
【0051】
さらに、本実施形態によれば、ECU30が速度制御を中止する条件であるドライバーの減速操作を、ドライバーによる速度要求値Vdemの指定とするため、走行制御装置がドライバーによる減速操作の有無を判別し易いものとなり、誤作動を防止できる。
【0052】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。図4に示すように、本実施形態の速度制御装置1bは、上記第1実施形態の速度制御装置1aの構成に加えて、ECU30にスピーカ26から音声を発するための音声信号を増幅するオーディオアンプ25がさらに接続されている。ECU30は、前方監視レーザレーダ13が障害物を検出しているときに速度制御を行い、最高速度制限値Vmaxrをより低い方に更新している状態1のときは、状態1用に設定された音声をスピーカ26から出力する。一方、ECU30は、前方監視レーザレーダ13が障害物を検出した後に障害物を検出しなくなったときに同じ最高速度制限値Vmaxrで速度制御を行なっている状態2のときは、状態2用に設定された状態1用の音声とは異なる音声をスピーカ26から出力する。
【0053】
図5に示すように、本実施形態では、上記第1実施形態のS101〜S105と同様に、S201〜S205が実行される。ECU30は、自車両の走行状態の変化や自車両周囲の障害物の状況の変化によって、ECU30が算出する必要な最高速度制限値Vmaxrが変化した場合において、変化後の最高速度制限値Vmaxrが現在の最高速度制限指令値Vmaxd以下である場合には(S206)、ECU30は、最高速度制限指令値Vmaxdを変化後の最高速度制限値Vmaxrに更新して、最高速度制限指令値Vmaxdを下げる(S207)。この場合、ECU30は、スピーカ26から状態1用の音声を出力する(S208)。
【0054】
一方、変化後の最高速度制限値Vmaxrが現在の最高速度制限指令値Vmaxdよりも大きい場合には(S207)、ECU30は、最高速度制限指令値Vmaxdを更新せずにそのままにする。この場合、ECU30は、スピーカ26から状態2用の音声を出力する(S209)。
【0055】
ECU30は、前方監視レーザレーダ13からのレーダ信号により障害物検知ゾーンZに障害物が存在すると判定するか否かに関わらず、加減速操作装置11からの速度要求値信号から、ドライバーの速度要求値Vdemが最高速度制限指令値Vmaxdを超えている場合は(S210)、速度制御を継続し、スピーカ26から状態1用の音声あるいは状態2用の音声を出力し続ける。一方、ECU30は、ドライバーの速度要求値Vdemが最高速度制限指令値Vmaxd以下である場合は(S210)、今回の処理を終了する。
【0056】
本実施形態によれば、ECU30が速度制御を行なっていることを自車両のドライバーに通知するスピーカ26をさらに備え、スピーカ26は、前方監視レーザレーダ13が障害物を検出しているときにECU30が速度制御を行なっているときと、前方監視レーザレーダ13が障害物を検出した後に障害物を検出しなくなったときにECU30が速度制御を行なっているときとで、自車両のドライバーに異なる音声を出力するため、ドライバーは、前方監視レーザレーダ13が障害物を検出しているためにECU30が速度制御を行なっているのか、あるいは、前方監視レーザレーダ13が障害物を検出した後に障害物を検出しなくなったがドライバーの減速操作がなされていないためにECU30が速度制御を行なっているかを区別して認識することが可能となる。
【0057】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態においては、加減速操作装置11へのドライバーの減速操作の入力をドライバーが指定した速度要求値Vdemとする場合について説明したが、加減速操作装置11へのドライバーの減速操作の入力を、ドライバーが指定した自車両の減速度や、ブレーキ用の操作レバーの操作量やアクセル用の操作レバーの操作量や、ドライバーが入力した自車両の車軸のトルク指令値としても、上記実施形態と同様に実施することができる。
【0058】
また、上記実施形態では、加減速操作装置11をドライバーのみが動かす場合について説明したが、例えば、加減速操作装置11にハプティックデバイス等を用いて、ブレーキ用の操作レバーやアクセル用の操作レバーを、速度制御による速度値や減速度値に応じて、動かす機構を付加するようにしても良い。これにより、ドライバーが状況に応じてしなくてはならない操作が判りやすくなる。さらに、上記実施形態では現在の車速Vが設定した最高速度制限値Vmaxrを超えるような場合には減速制御を行う構成としたが、警報出力、音声出力、アクセルレバーへの反力を大きくするなどの他の支援を行ってもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、速度制御の実施時のドライバーへの通知手段として、スピーカ26を用いる態様を説明したが、状態1又は2に応じてディスプレイの表示やブザーの音声を変更し、あるいは状態1又は2に応じてバイブレータからドライバーに感じさせる振動を変更しても良い。
【0060】
また、上記実施形態ではシニアカーや電動車椅子などの車両に適用したが、一般的な四輪自動車、オートバイなどにも適用可能である。
【0061】
また、上記実施形態では障害物を検出する手段としてレーザレーダを適用したが、ミリ波レーダ、カメラなどの他の検出手段でもよい。
【0062】
また、上記実施形態では自車両が前方に走行する場合に適用したが、後方に走行する場合にも適用可能である。
【0063】
また、上記実施形態では障害物検知ゾーンZとして中央に3個、左右に3個ずつの計9個のエリアに分割する構成としたが、エリアの分割個数、配置、大きさ、形状などについては他の様々な構成が適用可能である。障害物検知ゾーンZ全体の大きさや形状などについても他の様々な構成が適用可能である。
【0064】
また、上記実施形態では障害物検知ゾーンZ内の全てのエリアに所定の最高速度をそれぞれ設定したが、不要なエリア(例えば、R3やL3)には最高速度制限値Vmaxrとして無限大を設定してもよい。
【0065】
また、車両と障害物との相対速度も考慮して、最高速度制限値Vmaxrを設定(補正)してもよい。例えば、相対速度が自車両の速度と同じ場合、周辺物体が停止(静止)しているので、通常通りに最高速度制限値Vmaxrを設定する(補正無し)。相対速度が自車両の速度より高い場合、周辺物体が自車両に近づいてきているので、通常よりも距離が近いエリアの最高速度制限値Vmaxrを設定する(通常より低い最高速度制限値Vmaxrに補正する)。相対速度が自車両の速度より低い場合、周辺物体が自車両から遠ざかっているので、通常よりも距離が遠いエリアの最高速度制限値Vmaxrを設定する(通常より高い最高速度制限値Vmaxrに補正する)。このように、相対速度も考慮して最高速度制限値Vmaxrを設定することにより、追従走行する場合に不要な減速がなくなったり、あるいは、近づいてくる障害物に対して早めに減速できるというように、更に安全性や利便性を向上させることができる。
【0066】
また、障害物の種類も考慮して、最高速度制限値Vmaxrを設定してもよい。障害物が人などの移動物体の場合、より安全性を確保するために、静止物体より低い最高速度制限値Vmaxrを設定する。障害物が電柱や郵便ポストなどの静止物体の場合、移動物体より高い最高速度制限値Vmaxrを設定する。このように、移動物体と静止物体とで異なる最高速度制限値Vmaxrを設定することにより、より適切な最高速度制限値Vmaxrを設定することができる。障害物の種類の判別は、従来の手法を適用し、例えば、カメラの撮像画像に基づく画像認識、より精密なレーザレーダを利用した物体認識で行う。
【0067】
また、障害物検知ゾーンZの大きさや形状については自車両の車速VやカーブRなどのパラメータに応じて変えてもよい。例えば、自車両の車速Vが高い場合には障害物検知ゾーンZの奥行き方向の長さを長くし、自車両の車速Vが低い場合には障害物検知ゾーンZの奥行き方向の長さを短くする。また、自車両の車速Vが高い場合には障害物検知ゾーンZの全体形状を奥行き方向に長めにし、自車両の車速Vが低い場合には障害物検知ゾーンZの全体形状を幅方向に長めにする。また、カーブRが小さいほど、障害物検知ゾーンZの奥行き方向の長さを短くする。
【符号の説明】
【0068】
1a,1b…速度制御装置、11…加減速操作装置、12…速度センサ、13…前方監視レーザレーダ、21…インバータ、22…駆動モータ、23…ブレーキアクチュエータ、25…オーディオアンプ、26…スピーカ、30…ECU、31…障害物情報検知部、32…最高速度設定部、33…速度制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の周辺に存在する物体を検出する周辺物体検出手段と、
前記周辺物体検出手段が前記移動体の周辺に存在する物体を検出したときに、前記移動体の移動速度を所定の上限速度以下にする速度制御及び前記移動体の移動速度を減速させる速度制御の少なくともいずれかの前記速度制御を行う速度制御手段と、
を備え、
前記周辺物体検出手段が前記移動体の周辺に存在する前記物体を検出した後に前記物体を検出しなくなったときに、前記速度制御手段は、前記移動体のドライバーが前記移動体を予め設定された移動速度及び減速度の少なくともいずれかになるようにする減速操作を行なうまでは前記速度制御を行ない、前記移動体のドライバーが前記移動体を予め設定された移動速度及び減速度の少なくともいずれかになるようにする減速操作を行なったときは前記速度制御を解除する、走行支援装置。
【請求項2】
前記速度制御手段が前記速度制御を行なっていることを前記移動体のドライバーに通知する通知手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記周辺物体検出手段が前記物体を検出しているときに前記速度制御手段が前記速度制御を行なっているときと、前記周辺物体検出手段が前記物体を検出した後に前記物体を検出しなくなったときに前記速度制御手段が前記速度制御を行なっているときとで、前記移動体のドライバーに異なる通知を行なう、請求項1に記載の走行支援装置。
【請求項3】
前記速度制御手段は、前記周辺物体検出手段が前記物体を検出した後は、前記ドライバーが前記減速操作を行なうまで、前記移動体の移動速度が増速せずに減速するように前記移動体の移動速度を制御する、請求項1又は2に記載の走行支援装置。
【請求項4】
前記速度制御手段は、前記周辺物体検出手段が前記物体を検出しているときは、前記移動体の前記上限速度をより低くなるように更新しつつ前記移動体の移動速度を前記上限速度以下にする前記速度制御を行い、前記周辺物体検出手段が前記物体を検出した後に前記物体を検出しなくなったときは、前記移動体の前記上限速度を維持しつつ前記移動体の移動速度を前記上限速度以下にする前記速度制御を行う、請求項3に記載の走行支援装置。
【請求項5】
前記減速操作は、前記移動体のドライバーによる移動速度の指定、減速度の指定、及び前記移動体の車軸のトルク値の指定のいずれかである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の走行支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−937(P2011−937A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144499(P2009−144499)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】