説明

車両駆動ユニットの制御装置

【課題】車両駆動ユニットの制御装置に関し、加速レスポンスを損なうことなく加速時のショックの発生を防止できるようにする。
【解決手段】トルクアップ要求があった場合、複数の制御要素のうち1又は複数の特定制御要素の制御量を変化させることで、車両駆動ユニットの出力トルクを目標出力トルクに向けて増大させていく。その際、予め作成された計算規則に従い、特定制御要素の制御量を変化させたときのトルク勾配を車両駆動ユニットの現在の出力トルクに基づいて推定計算する。そして、推定トルク勾配が所定の目標トルク勾配と一致するように特定制御要素を含む各制御要素の制御量を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の制御要素を有し、それら制御要素の制御量によって出力トルクが制御される車両駆動ユニットの制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の加速時、その駆動ユニットから出力されるトルクが過大である場合には、車両にショックが発生するおそれがある。逆にトルクの出力を過剰に制限した場合には、ショックは防止できるものの加速レスポンスが悪化してしまう。このように、加速時のトルクの出し方はドライバビリティに大きく影響するため、従来、車両のトルク制御に関しては様々な提案がなされてきた。以下に例示している特許文献にも車両のトルク制御に関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−293812号公報
【特許文献2】特開平9−323565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、本発明の創作の過程において、車両の加速時に生じるショックは、加速前の駆動ユニットの動作状態によって変化するという新たな事実が判明した。駆動ユニットが内燃機関である場合について説明すると、例えば、加速のためにスロットルを開いたとき、同じスロットル開度であってもその時点での吸気管内の圧力や筒内への空気の充填効率が異なるならば、加速開始後のトルクの上昇勾配が異なり、発生するショックの大きさにも差が生じることが分かった。
【0004】
本発明は、上述のような新たな事実に鑑みてなされたもので、加速レスポンスを損なうことなく加速時のショックの発生を防止できるようにした、車両駆動ユニットの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、複数の制御要素を有し、それら制御要素の制御量によって出力トルクが制御される車両駆動ユニットの制御装置において、
外部から前記車両駆動ユニットへ発せられたトルクアップ要求を受信するトルクアップ要求受信手段と、
前記トルクアップ要求を受信した場合に、前記車両駆動ユニットの目標出力トルクを設定する目標出力トルク設定手段と、
前記複数の制御要素のうち1又は複数の特定制御要素の制御量を変化させることで、前記車両駆動ユニットの出力トルクを目標出力トルクに向けて増大させるトルクアップ制御手段と、
予め作成された計算規則に従い、前記特定制御要素の制御量を変化させたときのトルク勾配を前記車両駆動ユニットの現在の出力トルクに基づいて推定計算するトルク勾配推定計算手段と、
推定トルク勾配が所定の目標トルク勾配に近付くように前記複数の制御要素のうち少なくとも1つの制御要素の制御量を調整する制御量調整手段と、
を備えることを特徴としている。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、
前記目標トルク勾配は、トルクアップ時に車両に生じるショックの大きさが所定の許容上限値になるように設定されていることを特徴としている。
【0007】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
路面の勾配を測定する路面勾配測定手段と、
路面勾配に応じて目標トルク勾配を補正する目標トルク勾配補正手段とをさらに備えたことを特徴としている。
【0008】
第4の発明は、第3の発明において、
車両の前後方向に作用する加速度を測定する加速度測定手段と、
トルクアップ時に作用する前後加速度に基づいて路面勾配に対する目標トルク勾配の補正量を学習する学習手段とをさらに備えたことを特徴としている。
【0009】
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、
前記車両駆動ユニットは内燃機関を含み、
前記特定制御要素は前記内燃機関の吸入空気量制御装置であることを特徴としている。
【0010】
第6の発明は、第5の発明において、
前記制御量調整手段は、推定トルク勾配が目標トルク勾配よりも小さい場合には、前記吸入空気量制御装置の動作速度を最大速度に設定することを特徴としている。
【0011】
第7の発明は、第5又は第6の発明において、
前記制御量調整手段は、推定トルク勾配が目標トルク勾配よりも大きい場合には、前記吸入空気量制御装置の動作速度を制限することを特徴としている。
【0012】
第8の発明は、第7の発明において、
前記制御量調整手段は、前記吸入空気量制御装置の動作速度を下限速度まで制限したにもかかわらず推定トルク勾配が目標トルク勾配よりも大きい場合には、前記内燃機関の点火装置の点火時期を遅角することを特徴としている。
【0013】
第9の発明は、第5又は第6の発明において、
前記車両駆動ユニットは前記内燃機関によって駆動される発電装置を含み
前記制御量調整手段は、推定計算されたトルク勾配が目標トルク勾配よりも大きい場合には、前記発電装置の発電量を増大させることを特徴としている。
【0014】
第10の発明は、第1乃至第9の何れか1つの発明において、
車両を非駆動状態から駆動状態に切り替わるときの出力トルク(以下、基準トルクという)を車両の走行抵抗から計算する基準トルク計算手段と、
前記トルクアップ要求を受信した時点での基準トルクと前記車両駆動ユニットの出力トルクとを比較することで、車両が駆動状態なのか非駆動状態なのかを判定する判定手段とをさらに備え、
前記トルクアップ制御手段は、判定結果に応じた変化態様で前記車両駆動ユニットの出力トルクを変化させることを特徴としている。
【0015】
第11の発明は、第10の発明において、
前記トルクアップ制御手段は、車両が非駆動状態のときには前記車両駆動ユニットの出力トルクを基準トルク付近まで最大速度で増大させた後に基準トルクまで漸増させ、その後、前記目標トルク勾配に応じて増大させることを特徴としている。
【0016】
第12の発明は、第10又は第11の発明において、
前記基準トルク計算手段は、
路面の勾配を測定する路面勾配測定手段と、
路面勾配に応じて走行抵抗を補正する走行抵抗補正手段とを含むことを特徴としている。
【0017】
第13の発明は、第10又は第11の発明において、
前記基準トルク計算手段は、
車両の前後方向に作用する加速度を測定する加速度測定手段と、
前記トルクアップ要求を受信したときの前後加速度に応じて走行抵抗を補正する走行抵抗補正手段とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明によれば、特定制御要素の制御量を変化させたときのトルク勾配が前もって推定され、その推定トルク勾配が目標トルク勾配となるように各制御要素の制御量の設定が行われる。これによれば、車両駆動ユニットの動作状態によらず最適なトルク勾配で出力トルクを変化させることが可能であり、加速レスポンスを損なうことなく加速時のショックの発生を防止することができる。
【0019】
第2の発明によれば、加速時のショックが許容値を超えない範囲で最大限まで加速レスポンスを高めることができる。
【0020】
第3の発明によれば、路面勾配がショックの大小に与える影響を排除することが可能であり、車両が登坂中であっても降坂中であっても、加速レスポンスの向上と加速ショックの防止とを常に両立させることができる。
【0021】
第4の発明によれば、トルクアップ時に実際に車両に作用する前後加速度を測定し、その測定結果から路面勾配に対する目標トルク勾配の補正量が学習されるので、どのような路面勾配であっても目標トルク勾配を最適値に設定することができる。
【0022】
第5の発明によれば、吸入空気量の増量によって出力トルクを増大させることができる。なお、吸入空気量制御装置としては、吸気管に配置されるスロットルや、吸気弁を駆動する可変動弁装置を用いることができる。
【0023】
第6の発明によれば、吸入空気量制御装置の動作速度を最大速度に設定することで、吸入空気量を急増させて出力トルクを速やかに上昇させることができる。これによれば、トルク勾配を容易に大きくすることができる。
【0024】
第7の発明によれば、吸入空気量制御装置の動作速度を制限することで、吸入空気量を制限して出力トルクの上昇を抑えることができる。これによれば、エネルギの無駄を生じさせることなくトルク勾配を低下させることができる。
【0025】
第8の発明によれば、点火時期の遅角によって出力トルクの上昇を容易に抑えることができる。また、点火時期の遅角は吸入空気量制御装置の動作速度の制限のみではトルク勾配を十分に抑えることができない場合に限り実施されるので、点火時期の遅角による燃費の悪化を抑えることができる。
【0026】
第9の発明によれば、発電装置の発電量を増大させることで内燃機関の出力トルクを消費することができ、それにより車両駆動ユニット全体としての出力トルクの上昇を抑えることができる。しかも、発電した電気は動力として使用することが可能であり、また、バッテリやコンデンサ等の蓄電装置に蓄えておくこともできるので、エネルギの無駄を生じさせることもない。
【0027】
第10の発明によれば、車両駆動ユニットの出力トルクの変化態様を車両が駆動状態なのか非駆動状態なのかによって切り替えることで、より適切なトルク制御を実現することができる。しかも、車両の走行抵抗から計算された基準トルクと出力トルクとの比較によれば、駆動系の構造に関係無く駆動状態と非駆動状態とを判別することができる。
【0028】
第11の発明によれば、車両が非駆動状態のときには車両駆動ユニットの出力トルクを基準トルク付近まで最大速度で増大させることにより加速レスポンスを向上させることができる。そして、出力トルクが基準トルクに達するまでは出力トルクを漸増させることで、車両が非駆動状態から駆動状態へ移行するときのショックを抑えることができる。
【0029】
第12の発明によれば、車速から一義的に決まる走行抵抗を路面勾配によって補正することで、車両が登坂中であっても降坂中であっても、車両の駆動状態と非駆動状態とを正確に判別することができる。
【0030】
第13の発明によれば、車速から一義的に決まる走行抵抗をトルクアップ要求を受信したときの車両の前後加速度によって補正することで、車両が登坂中であっても降坂中であっても、車両の駆動状態と非駆動状態とを正確に判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0032】
[車両の駆動システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態としての車両駆動ユニットの制御装置が適用される車両の駆動システムの概略構成を示す図である。先ず、図1を参照して本実施の形態にかかる駆動システムの構成について説明する。
【0033】
本実施の形態にかかる駆動システムは、動力装置として内燃機関(以下、エンジンという)2を備えている。エンジン2には自動変速機4が組み合わせられている。自動変速機4からは駆動軸6が伸び、駆動軸6の先端にはデフギヤ8が設けられている。デフギヤ8には左右の駆動輪12が車軸10を介して接続されている。
【0034】
エンジン2には、吸入空気量を調整するスロットル22と、筒内の混合気に点火する点火装置24とが設けられている。スロットル22と点火装置24は、それぞれエンジン2の出力トルクを制御するための制御要素として機能する。制御要素としてのスロットル22では、スロットル開度及び開速度がその制御量となる。制御要素としての点火装置24では、点火時期がその制御量となる。なお、エンジン2にはスロットル22や点火装置24以外にも燃料噴射装置等、その出力トルクに係るアクチュエータが装備されているが、ここではそれらについての説明は省略する。
【0035】
また、エンジン2には、その出力トルクによって駆動される複数の補機が組みつけられている。具体的には、オルタネータ26のほか、図示しないエアコンコンプレッサや機械式過給機等である。オルタネータ26を含むこれらの補機とエンジン2とで、車両の駆動ユニット20が構成されている。エンジン2の出力トルクから補機による消費トルクを差し引いたトルクが、車両駆動ユニット20の出力トルクとなる。なお、補機のうち少なくともオルタネータ26の発電量は任意に制御可能であり、その発電量に応じて消費トルクが変化し、ひいては、車両駆動ユニットの出力トルクが変化する。つまり、オルタネータ26は、車両駆動ユニットの出力トルクを制御するための制御要素として機能する。制御要素としてのオルタネータ26では、発電量がその制御量となる。
【0036】
また、本実施の形態にかかる駆動システムは、アクセル開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサ32と、車両に作用する前後方向の加速度(以下、前後Gという)に応じた信号を出力する前後Gセンサ34と、車両の速度に応じた信号を出力する車速センサ36とを備えている。これらのセンサ32,34,36の信号は、駆動システム全体を総合的に制御するECU(Electronic Control Unit)30に入力されている。本実施の形態では、このECU30が車両駆動ユニットの制御装置として機能する。ECU30は、上記センサ32,34,36を含む複数のセンサから発せられる信号やその他の情報に基づき、スロットル22や点火装置24やオルタネータ26等、車両駆動ユニットの出力トルクに関係する各制御要素の制御量を決定している。
【0037】
[車両駆動ユニットのトルク制御]
次に、図2乃至図7を参照して本実施の形態において実施する車両駆動ユニットのトルク制御について説明する。
【0038】
〔トルク制御の概要〕
図2は、本実施の形態のトルク制御が実施された場合の出力トルクの変化を示す図である。まず、この図を用いて本実施の形態で実施するトルク制御の概要について説明する。車両駆動ユニット20の制御装置としてのECU30は、外部からのトルクアップ要求(もしくは加速要求)を受けたとき、その要求の大きさに応じて車両駆動ユニット20の目標出力トルクを設定する。ここでのトルクアップ要求はドライバによるアクセル操作であり、ECU30はそれをアクセル開度センサ32によって受信する。そして、操作後のアクセル開度に応じて目標出力トルクを設定する。ECU30のこの機能は、本発明の「トルクアップ要求受信手段」及び「目標出力トルク設定手段」に相当する機能である。
【0039】
ECU30は、現在の出力トルク(トルクアップ要求を受けたときの出力トルク)から目標出力トルクまで、2つの制御段階A,Bを経て車両駆動ユニット20の出力トルクを増大させていく。ECU30のこの機能は、本発明の「トルクアップ制御手段」に相当する機能である。
【0040】
最初の制御段階Aでは、現在出力トルクから基準トルクまで車両駆動ユニット20の出力トルクを増大させる。基準トルクとは、車両の走行抵抗と釣り合う出力トルクであり、出力トルクが基準トルクに達したときに車両は非駆動状態から駆動状態に切り替わる。制御段階Aでは、車両が非駆動状態から駆動状態に切り替わるときのショックを防止するためのトルク制御が実施される。
【0041】
前述のように、車両駆動ユニット20から駆動輪12までの間には、自動変速機4やデフギヤ8を含む複数の歯車機構が介在している。歯車間には多少のクリアランスが設けられているため、車両が非駆動状態にあるときの歯車機構では、歯車間の噛み合いが弛んだ状態になっている。このような状態で車両駆動ユニット20の出力トルクを急に増大させると、歯車間のクリアランスが詰まり非駆動状態から駆動状態に切り替わった瞬間、過大なトルクが駆動系に入力されることになる。その結果、反動によるショックが車両に発生してしまう。しかし、ショックが生じないように始めから出力トルクの増大速度を抑えた場合には、非駆動状態から駆動状態に切り替わるのに時間が掛かってしまい、要求どおりの加速を実現することができない。
【0042】
そこで、制御段階Aにおけるトルク制御では、基準トルクの付近までは出力トルクを速やかに増大させて歯車間のクリアランスを詰めていく。出力トルクを基準トルクよりも少し低い値まで増大させたら、その後は出力トルクの増大速度を低下させて基準トルクとの差を徐々に小さくしていきながら歯車間のクリアランスの詰めを完了させる。これによれば、加速レスポンスを低下させることなく、車両が非駆動状態から駆動状態へ移行するときのショックを抑えることができる。そして、車両駆動ユニット20の出力トルクが基準トルクに達したら、ECU30によるトルク制御は制御段階Aから次の制御段階Bに移行する。
【0043】
制御段階Bでは、基準トルクから目標出力トルクまで車両駆動ユニット20の出力トルクを増大させる。制御段階Bにおけるトルク制御の特徴は、車両駆動ユニット20の出力トルクを増大させるときのトルク勾配、すなわち、出力トルクの変化速度に着目したことにある。加速時に生じるショックの大きさは、このトルク勾配によって左右されるからである。トルク勾配が大きすぎると、乗員にとって許容できないような過大な加速ショックが発生してしまう。しかし、加速ショックを抑えるようにトルク勾配を低くした場合には、出力トルクが目標出力トルクに達するまでに時間を要してしまい、要求どおりの加速を実現することができない。
【0044】
そこで、制御段階Bにおけるトルク制御では、加速ショックの許容範囲の上限値に対応するトルク勾配を目標トルク勾配として設定し、実際のトルク勾配がこの目標トルク勾配になるように車両駆動ユニット20の出力トルクを制御する。これによれば、加速レスポンスを損なうことなく、許容範囲を超える加速ショックの発生を防止することができる。
【0045】
〔制御段階Aの詳細〕
制御段階Aにおけるトルク制御の詳細は、図3及び図4を用いて説明することができる。まず、図3を用いて基準トルクの計算について説明する。車両が非駆動状態か駆動状態かは、前述のように現在の出力トルクと基準トルクとの大小関係で判定することができる。現在出力トルクが基準トルクよりも小さければ車両は非駆動状態であり、現在出力トルクが基準トルクよりも大きければ車両は駆動状態である。基準トルクと出力トルクとの比較によれば、駆動系の構造に関係無く駆動状態と非駆動状態とを判別することができるという利点がある。
【0046】
基準トルクは、走行抵抗(ロード・ロード)と、定常走行時(加速前)に車両に作用する前後Gとによって計算することができる。走行抵抗は車速で一義的に決まる値である。定常走行時に車両に作用する前後Gは、車両が走行している路面の勾配を表している。路面が平坦路であれば前後Gはゼロとなる。これに対し、路面が降坂路であれば前後Gはプラス値となり、路面が登坂路であれば前後Gはマイナス値となる。勾配が大きいほど、前後Gの絶対値は大きくなる。
【0047】
図3は、走行抵抗と前後Gとから基準トルクを計算するためのマップを示している。例えば、走行抵抗から計算された走行トルクが30Nmの場合、加速前の前後Gがゼロであれば(つまり、現在の状態が図中のポイントp0で表される場合には)、30Nmの走行トルクがそのまま基準トルクとなる。これは、車両が平坦な路面を走行しているケースである。
【0048】
これに対し、走行トルクが同じ30Nmであっても、加速前の前後Gがプラス値であれば(つまり、現在の状態が図中のポイントp2で表される場合には)、ポイントp21におけるトルク(図では20Nm)が、この状態での基準トルクとなる。ポイントp21は、車両の重量から決まる一定の傾きを有し、且つ、ポイントp2を通る直線L2と前後Gがゼロのラインとの交点である。これは、車両が降坂路を走行しているケースであり、このケースでは上記のように基準トルクは走行トルクよりも小さい値となる。
【0049】
また、走行トルクが30Nmであって、加速前の前後Gがマイナス値であれば(つまり、現在の状態が図中のポイントp1で表される場合には)、ポイントp11におけるトルク(図では40Nm)が、この状態での基準トルクとなる。ポイントp11は、直線L2と同一の傾きを有し、且つ、ポイントp1を通る直線L1と前後Gがゼロのラインとの交点である。これは、車両が登坂路を走行しているケースであり、このケースでは上記のように基準トルクは走行トルクよりも大きい値となる。
【0050】
以上説明したようなマップを用い、車速から決まる走行抵抗と加速前の前後Gとに基づいて基準トルクを計算することで、車両が登坂中であっても降坂中であっても、車両の駆動状態と非駆動状態とを正確に判別することができる。
【0051】
次に、図4を用いて現在出力トルクから基準トルクまでの出力トルクの制御方法について説明する。制御段階Aでの出力トルクの制御は、スロットル22の操作によって行われる。すなわち、制御段階Aでは、スロットル22が本発明にかかる「特定制御要素」となっている。
【0052】
図4は、制御段階Aにおけるアクセル開度、スロットル開度、そして、出力トルクを同一の時間軸で示したタイムチャートである。この図に示すように、ECU30は、まず、アクセルが踏み込まれた時点t0において、スロットル22を最大速度で全開まで開いていく。つまり、スロットル開度をオーバーシュートさせる。このスロットル22の操作に追従して出力トルクは現在出力トルクから急速に上昇していく。
【0053】
次に、出力トルクが基準トルクよりも少し低い値(基準トルクα)まで上昇した時点t1で、ECU30は、スロットル22のオーバーシュートを停止し、基準トルクに応じたスロットル開度までスロットル22を閉じていく。そして、基準トルクと出力トルクとの差が徐々に縮まり、やがて出力トルクが基準トルクに収束するまでそのスロットル開度を維持する。
【0054】
このようなスロットル操作によれば、基準トルクの付近までは出力トルクを速やかに増大させることができ、その後は出力トルクを基準トルクに徐々に近付けていくことで歯車間のクリアランスの詰めをソフトに完了させることができる。その結果、加速レスポンスの向上と車両が非駆動状態から駆動状態へ移行するときのショックの防止との両立が可能になる。
【0055】
〔制御段階Bの詳細〕
制御段階Bにおけるトルク制御の詳細は、図5及び図6を用いて説明することができる。まず、加速ショックの大きさを左右するトルク勾配の計算について図5を用いて説明し、次に、トルク勾配に基づいた加速ショックの大きさの計算について図6を用いて説明する。なお、ここでは加速ショックの大きさを加速度の変化量(単位はG)で定義するものとする。
【0056】
出願人による研究の結果、トルク勾配は、出力トルクに係る各制御要素の制御量と、現時点での出力トルクの大きさとよって決まることが分かった。本実施の形態では、制御段階Bでの出力トルクの制御はスロットル22の操作によって行うので、スロットル開度と開速度とがトルク勾配を左右する制御量となる。すなわち、制御段階Aと同様に制御段階Bでも、スロットル22が本発明にかかる「特定制御要素」となっている。
【0057】
図5は、出力トルクとスロットル開度とからトルク勾配を計算するためのマップを示している。図中に示す曲線はスロットル開度が同一の場合の出力トルクとトルク勾配との関係を示している。この図に示すように、スロットル開度が同一であれば出力トルクが小さいほどトルク勾配は大きくなる。また、出力トルクが同一であればスロットル開度が大きいほどトルク勾配は大きくなる。
【0058】
図6は、トルク勾配から加速ショックの大きさ(ショック量)を計算するためのマップである。この図に示すように、トルク勾配とショック量との関係は線形であり、トルク勾配が大きいほどショック量は大きくなる。ただし、トルク勾配とショック量との関係を示す特性線(直線)の傾きは、車両が走行している路面の勾配によって変化する。図中には路面が平坦路の場合、登坂路の場合、そして降坂路の場合について各特性線を示している。登坂路及び降坂路の特性線は一例であるが、登坂角が大きいほど特性線の傾きは大きくなり、降坂角が大きいほど特性線の傾きは小さくなる。なお、登坂角及び降坂角は、加速前に車両に作用していた前後Gから計算することができる。
【0059】
図5に示すマップからは、スロットル開度を現在の開度から目標スロットル開度まで変化させたときのトルク勾配(推定トルク勾配)が計算される。なお、目標スロットル開度とは、目標出力トルクを実現するためのスロットル開度である。計算した推定トルク勾配を図6に示すマップに当てはめることで、スロットル22を操作したときに生じるショック量(推定ショック量)を求めることができる。そして、推定ショック量と予め設定されたショック量の許容上限値とを比較することで、現在設定されているスロットル22の制御量にて適正なトルク勾配が得られるか否か判断することができる。
【0060】
例えば、図5に示すマップで計算された推定トルク勾配が600Nm/secであった場合、図6に示すマップ上での位置は、路面が平坦路であればポイントp0となり、路面が登坂路であればポイントp1となる。ポイントp0でのショック量は許容上限値よりも小さいことから、トルク勾配はより大きくすることができる。この場合、平坦路での特性線と許容上限値ラインとの交点(ポイントp01)におけるトルク勾配が目標トルク勾配として設定される。一方、ポイントp1でのショック量は許容上限値よりも大きいことから、ショック量を許容上限値まで低下させるためにはトルク勾配を小さくする必要がある。この場合、登坂路での特性線と許容上限値ラインとの交点(ポイントp11)におけるトルク勾配が目標トルク勾配として設定される。
【0061】
ECU30は、推定トルク勾配が目標トルク勾配よりも小さい場合には、スロットル開速度を最大速度に設定する。スロットル22を最大速度で開くことで、吸入空気量を急増させて出力トルクを速やかに上昇させることができる。これによれば、トルク勾配を容易に大きくすることができ、目標トルク勾配に近づけることができる。
【0062】
一方、推定トルク勾配が目標トルク勾配を超える場合には、ECU30は、スロットル開速度を現在の設定よりも低い値に抑える。スロットル22の開速度を制限することで、吸入空気量を制限して出力トルクの上昇を抑えることができる。これによれば、トルク勾配を容易に小さくすることができ、目標トルク勾配に近づけることができる。
【0063】
以上のようなスロットル操作によれば、車両駆動ユニット20の動作状態によらず最適なトルク勾配で出力トルクを変化させることが可能であり、加速レスポンスを損なうことなく、許容範囲を超える加速ショックの発生を防止することができる。また、目標トルク勾配の計算に図6に示すマップを用いることで、路面勾配がショック量の大小に与える影響を排除することが可能であり、車両が登坂中であっても降坂中であっても、加速レスポンスの向上と加速ショックの防止とを常に両立させることができる。
【0064】
なお、以上説明した制御段階BにおけるECU30の機能は、本発明の「トルク勾配推定計算手段」及び「制御量調整手段」に相当する機能である。
【0065】
〔トルク制御の全体フロー〕
最後に、本実施の形態で実施するトルク制御の全体フローについて図7を用いて説明する。図7のフローチャートは、ECU30が実行する車両駆動ユニット20のトルク制御のためのルーチンを示している。
【0066】
図7に示すルーチンの最初のステップS2では、ECU30に予め記憶されているマップを用いて、車両駆動ユニット20の各制御要素の制御量から定常時トルク(加速前トルク)が算出される。次のステップS4では、ドライバからの加速要求の有無がアクセル開度センサ32の出力信号に基づいて判定される。加速要求が無い場合には本ルーチンは終了する。
【0067】
ステップS4の判定の結果、ドライバからの加速要求があった場合、続いてステップS6の判定が行われる。ステップS6では、車両が駆動状態か非駆動状態か判定される。既に車両が駆動状態であるならば、次にステップS10の処理が実行される。一方、車両が非駆動状態であるならば、ステップS8の駆動モード移行処理が実行された後、ステップS10の処理が実行される。駆動モード移行処理とは、図4を用いて説明した制御段階Aでのスロットル制御のことである。
【0068】
ステップS10では、現時点での出力トルクと目標スロットル開度とからトルク勾配(推定トルク勾配)が算出される。次のステップS12では、その推定トルク勾配にて生じるショック量が許容上限値に一致するか否か判定される。判定の結果、ショック量が許容上限値に一致していれば、現在のスロットル開速度の設定値がそのまま用いられ、それに基づいてスロットル22の操作が行われる。
【0069】
ステップS12の判定の結果、ショック量が許容上限値から外れている場合には、ステップS14にてトルク勾配の最適化処理が実行される。トルク勾配の最適化処理とは、図5及び図6を用いて説明した制御段階Bでのスロットル制御のことである。この最適化処理によりスロットル開速度が再設定され、それに基づいてスロットル22の操作が行われる。
【0070】
[その他]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
【0071】
上述の実施の形態では、前後Gセンサ34により前後Gを計測して基準トルクを計算しているが、前後Gセンサ34に替えて勾配センサを装備し、勾配センサで計測した路面の傾斜角度と走行抵抗とから基準トルクを計算してもよい。また、マップに替えて数式によって基準トルクを計算してもよい。勾配センサで計測した路面の傾斜角度は、図6に示すマップにおいて特性線の選択に用いることもできる。
【0072】
また、図6に示すマップ中の各特性線の傾きは、加速時に実際に車両に発生したショック量を測定し、測定結果から学習するようにしてもよい。ショック量は前後Gセンサ34によって計測される前後Gの変化量として計算することができる。その場合、好ましくは、車両の重量変化による要素と路面の勾配による要素とを分離して学習するようにする。車両の総重量は乗員数によって変化するが、車両重量が増減すればそれに応じて車両の慣性力も変化し、加速ショックの大きさも異なってくるからである。このような学習機能を持たせることで、加速ショック対策における車両の状態の変化に対するロバスト性を向上させることができる。
【0073】
また、上述の実施の形態では、スロットル22によって吸入空気量を制御しているが、スロットル22は本発明の「吸入空気量制御装置」の一例である。吸気バルブの作用角や最大リフト量を可変制御できる可変動弁機構を備える場合には、この可変動弁機構付き吸気バルブによって吸入空気量を制御し、ひいては、エンジン2の出力トルクを制御してもよい。制御要素としての吸気バルブでは、作用角や最大リフト量、及びそれらの変更速度がその制御量となる。
【0074】
また、上述の実施の形態では、スロットル22によって出力トルクを制御しているが、場合によっては点火時期の遅角によるトルク制御を組み合わせてもよい。具体的には、制御段階Bにおいて、スロットル開速度を制限したのにもかかわらずトルク勾配を十分に抑えることができない場合に限って点火時期を遅角する。スロットル開速度を制限しすぎると加速レスポンスが低下してしまうが、点火時期の遅角を併用することで、加速レスポンスを損なうことなく出力トルクの上昇を容易に抑えることができる。また、スロットル開速度のみではトルク勾配を抑えられない場合に限って、つまり、あくまでもフェイルセーフとして点火時期を遅角することで、点火遅角の多用による燃費の悪化を防止することができる。
【0075】
また、制御段階Bでは、オルタネータ26の発電量を制御してトルク勾配を調整してもよい。具体的には、オルタネータ26の発電量を増大させることでエンジン2の出力トルクを消費することができ、それにより車両駆動ユニット20全体としての出力トルクの上昇を抑えることができる。しかも、オルタネータ26によって発電した電気は動力として使用することが可能であり、また、バッテリやコンデンサ等の蓄電装置に蓄えておくこともできるので、エネルギの無駄を生じさせることもない。オルタネータ26の発電制御によるトルクダウンはレスポンスに優れているので、これをスロットル22によるトルク制御と組み合わせることで、スロットル22の開速度は常に最大速度に設定しておくことが可能になる。
【0076】
さらに、オルタネータ26によるトルク消費を利用したトルク制御は、制御段階Aでも利用することができる。その場合は、スロットル22は始めから目標スロットル開度まで開くようにし、出力トルクが基準トルクの付近に達した時点でオルタネータ26の発電量を急増させ、それにより出力トルクを基準トルクに緩やかに収束させるようにする。これによれば、スロットル22を閉方向へ動作させることなく、車両が非駆動状態から駆動状態へ移行するときのショックを抑えることができる。
【0077】
また、図1に示す駆動システムでは、車両駆動ユニット20の動力装置はエンジン2のみとなっているが、本発明はエンジンに加えて電気モータを動力装置として有するハイブリッドシステムの車両駆動ユニットにも適用可能である。また、電気モータのみを動力装置として有する車両駆動ユニットにも適用可能である。また、本発明が適用される車両駆動ユニットに搭載可能なエンジンは、上述の実施の形態のような吸入空気量でトルクを制御する吸入空気量デマンド型のエンジンには限定されない。燃料噴射量でトルクを制御する燃料噴射量デマンド型のエンジン(例えばディーゼルエンジン)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態としての車両駆動ユニットの制御装置が適用される車両の駆動システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態のトルク制御が実施された場合の車両駆動ユニットの出力トルクの変化を示す図である。
【図3】制御段階Aにおいて走行抵抗と前後Gとから基準トルクを計算するためのマップを示す図である。
【図4】制御段階Aにおけるアクセル開度、スロットル開度、そして、出力トルクを同一の時間軸で示したタイムチャートである。
【図5】制御段階Bにおいて出力トルクとスロットル開度とからトルク勾配を計算するためのマップを示す図である。
【図6】制御段階Bにおいてトルク勾配からショック量を計算するためのマップを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態において実行される車両駆動ユニットのトルク制御のためのルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
2 エンジン
4 自動変速機
6 駆動軸
8 デフギヤ
10 車軸
12 駆動輪
20 車両駆動ユニット
22 スロットル
24 点火装置
26 オルタネータ
30 ECU
32 アクセル開度センサ
34 前後Gセンサ
36 車速センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の制御要素を有し、それら制御要素の制御量によって出力トルクが制御される車両駆動ユニットの制御装置において、
外部から前記車両駆動ユニットへ発せられたトルクアップ要求を受信するトルクアップ要求受信手段と、
前記トルクアップ要求を受信した場合に、前記車両駆動ユニットの目標出力トルクを設定する目標出力トルク設定手段と、
前記複数の制御要素のうち1又は複数の特定制御要素の制御量を変化させることで、前記車両駆動ユニットの出力トルクを目標出力トルクに向けて増大させるトルクアップ制御手段と、
予め作成された計算規則に従い、前記特定制御要素の制御量を変化させたときのトルク勾配を前記車両駆動ユニットの現在の出力トルクに基づいて推定計算するトルク勾配推定計算手段と、
推定トルク勾配が所定の目標トルク勾配に近付くように前記複数の制御要素のうち少なくとも1つの制御要素の制御量を調整する制御量調整手段と、
を備えることを特徴とする車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項2】
前記目標トルク勾配は、トルクアップ時に車両に生じるショックの大きさが所定の許容上限値になるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項3】
路面の勾配を測定する路面勾配測定手段と、
路面勾配に応じて目標トルク勾配を補正する目標トルク勾配補正手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項4】
車両の前後方向に作用する加速度を測定する加速度測定手段と、
トルクアップ時に作用する前後加速度に基づいて路面勾配に対する目標トルク勾配の補正量を学習する学習手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項5】
前記車両駆動ユニットは内燃機関を含み、
前記特定制御要素は前記内燃機関の吸入空気量制御装置であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項6】
前記制御量調整手段は、推定トルク勾配が目標トルク勾配よりも小さい場合には、前記吸入空気量制御装置の動作速度を最大速度に設定することを特徴とする請求項5記載の車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項7】
前記制御量調整手段は、推定トルク勾配が目標トルク勾配よりも大きい場合には、前記吸入空気量制御装置の動作速度を制限することを特徴とする請求項5又は6記載の車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項8】
前記制御量調整手段は、前記吸入空気量制御装置の動作速度を下限速度まで制限したにもかかわらず推定トルク勾配が目標トルク勾配よりも大きい場合には、前記内燃機関の点火装置の点火時期を遅角することを特徴とする請求項7記載の車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項9】
前記車両駆動ユニットは前記内燃機関によって駆動される発電装置を含み
前記制御量調整手段は、推定計算されたトルク勾配が目標トルク勾配よりも大きい場合には、前記発電装置の発電量を増大させることを特徴とする請求項5又は6記載の車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項10】
車両が非駆動状態から駆動状態に切り替わるときの出力トルク(以下、基準トルクという)を車両の走行抵抗から計算する基準トルク計算手段と、
前記トルクアップ要求を受信した時点での基準トルクと前記車両駆動ユニットの出力トルクとを比較することで、車両が駆動状態なのか非駆動状態なのかを判定する判定手段とをさらに備え、
前記トルクアップ制御手段は、判定結果に応じた変化態様で前記車両駆動ユニットの出力トルクを変化させることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項11】
前記トルクアップ制御手段は、車両が非駆動状態のときには前記車両駆動ユニットの出力トルクを基準トルク付近まで最大速度で増大させた後に基準トルクまで漸増させ、その後、前記目標トルク勾配に応じて増大させることを特徴とする請求項10記載の車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項12】
前記基準トルク計算手段は、
路面の勾配を測定する路面勾配測定手段と、
路面勾配に応じて走行抵抗を補正する走行抵抗補正手段とを含むことを特徴とする請求項10又は11記載の車両駆動ユニットの制御装置。
【請求項13】
前記基準トルク計算手段は、
車両の前後方向に作用する加速度を測定する加速度測定手段と、
前記トルクアップ要求を受信したときの前後加速度に応じて走行抵抗を補正する走行抵抗補正手段とを含むことを特徴とする請求項10又は11記載の車両駆動ユニットの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−280926(P2008−280926A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126033(P2007−126033)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】