説明

車載表示装置

【課題】ユーザの言葉を確実に音声認識することができる車載表示装置を提供する。
【解決手段】マイク19に設けられたPTT( Press to Talk )スイッチ19aを押下すると、目的地ボタンと経由地ボタンとが表示モニタ16に表示される。目的ボタンを押圧すると、音声認識部110で音声認識するときに使用する辞書の範囲が、目的地を設定するときや変更するときに発せられる言葉など、目的地に関する言葉の範囲に限定される。そして、押圧を止めると限定が解除される。経由地ボタンを押圧すると、音声認識部110で音声認識するときに使用する辞書の範囲が、経由地を設定するときや削除するときに発せられる言葉など、経由地に関する言葉の範囲に限定される。そして、押圧を止めると限定が解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声認識機能を有する車載表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の状態を検知し、検知された車両の状態に応じて、音声を出力するとともに、音声を認識するための認識語を限定し、入力された音声と限定された認識語とを比較し、両データの一致を見ることによって入力された音声を認識する車両用音声認識装置が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−73448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されている車両用音声認識装置では、検知された車両の状態に応じて認識語が限定されるため、検知されている車両の状態に関する操作以外の操作が音声によってできないという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の車載表示装置は、ユーザの発する音声を入力する音声入力手段と、音声入力手段によって入力された音声を辞書と照合して音声認識する音声認識手段と、アイコンやボタンを表示モニタに表示する表示制御手段と、表示制御手段によって表示されたアイコンまたはボタンが指定されると、指定されたボタンまたはアイコンに基づいて、音声を照合する辞書の範囲を限定する辞書範囲制御手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の車載表示装置において、音声入力手段は、発話スイッチが押圧されると音声を入力し、表示制御手段は、発話スイッチが押圧されるとアイコンやボタンを表示モニタに表示することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載の車載表示装置において、表示制御手段は、発話スイッチが押圧されるごとに、表示モニタに表示するアイコンまたはボタンを別のアイコンやボタンに切り替えることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車載表示装置において、目的地を入力する入力手段と、入力された目的地に対応するマークを表示するマーク表示手段と、表示モニタ上のマークを指定して入力された音声をそのマークに対応する目的地に関連付けて記憶する関連音声記憶手段と、関連音声記憶手段によって目的地と関連付けて記憶されている音声が入力されると、その音声に関連する目的地を表示モニタに表示する目的地表示手段とを備え、辞書範囲制御手段は、マークが指定されると、音声を照合する辞書の範囲を目的地に関する言葉に限定することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車載表示装置において、経由地を入力する入力手段と、入力された経由地に対応するマークを表示するマーク表示手段と、表示モニタ上のマークを指定して入力された音声をそのマークに対応する経由地に関連付けて記憶する関連音声記憶手段と、関連音声記憶手段によって経由地と関連付けて記憶されている音声が入力されると、その音声に関連する経由地を表示モニタに表示する経由地表示手段とを備え、辞書範囲制御手段は、マークが指定されると、音声を照合する辞書の範囲を経由地に関する言葉に限定することを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項1に記載の車載表示装置において、表示制御手段は、オーディオに関するアイコンやボタンを表示モニタに表示し、辞書範囲制御手段は、オーディオに関するアイコンまたはボタンが指定されると、オーディオに関する言葉に、辞書の範囲を限定することを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項1に記載の車載表示装置において、表示制御手段は、空調など車載の各種機器装置に関するアイコンやボタンを表示モニタに表示し、辞書範囲制御手段は、空調など車載の各種機器装置に関するアイコンまたはボタンが指定されると、空調など車載の各種機器装置に関する言葉に、辞書の範囲を限定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、表示モニタに表示されたアイコンやボタンを指定することによって、音声を照合する辞書の範囲を、指定されたアイコンやボタンに定義された範囲に限定することができる。したがって、所望の操作に係るアイコンやボタンを指定することによって、検知されている車両の状態に関係なく、所望の操作を音声によって確実に実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1は、ユーザが発する音声をマイク19で入力し、入力した音声に基づいて諸機能を実行する。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、マイク19、音声認識部110、タッチパネル112およびディスクドライブ114を有している。
【0007】
ナビゲーション装置1にはCDプレーヤ2などのオーディオ機器が接続され、入力装置18、タッチパネル112の操作、またはマイク19に入力する音声によってCDプレーヤ2を操作することができる。CDプレーヤ2が再生した音声はスピーカ17から出力される。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM115に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が探索ルートとして表示モニタ16に表示される。
【0009】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS( Global Positioning System )衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14cなどから成る。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは地図描画用データや各種の図形データからなり、それらは、DVD−ROM115に記憶された地図データに基づいて適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、ユーザの各種入力操作をガイトしたり、ユーザに対し経路誘導するためなどの音声を出力したりする。入力装置18は、ユーザが各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、リモコンなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示に従って入力装置18を手動で操作することにより、目的地を選択して目的地を設定する。
【0012】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1はGPSセンサ14cにより検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。以下、この経路演算を経路探索と呼ぶ。このようにして求められたルート(以下、推奨経路という)は、表示形式、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路に従って車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0013】
マイク19は、ユーザが発する音声を入力する。マイク19にはPTT( Press to Talk )スイッチ19aが設けられており、PTTスイッチ19aが押下された状態で音声を発すると、マイク19に音声が入力される。音声認識部110は、マイク19で入力された音声の音声パターンを辞書111に格納されている音声パターンと照合して入力された音声を認識する。その認識結果は制御回路11へ出力される。
【0014】
辞書111は、図2に示すように複数の小辞書に分けられている。それぞれの小辞書には所定のカテゴリに含まれる言葉の音声パターンが格納されており、。音声認識に使用する辞書を小辞書単位で限定することができる。たとえば、目的地設定のときに使用する小辞書を点線21の範囲の小辞書群に限定したり、経由地設定のときに使用する小辞書を一点鎖線22の範囲の小辞書群に限定したりすることができる。
【0015】
タッチパネル112は表示モニタ16のモニタ画面上に設けられた透明パネルであり、表示モニタ16に表示した表示画面はタッチパネル112を通して表示される。また、表示モニタ16の表示画面を押圧するとタッチパネル112が押圧される。タッチパネル112は入力装置18と同様に入力機能を有する。表示モニタ16に表示された地図画面や各種ボタン、表示メニューなどを指で押圧して指定するとタッチパネル112が押圧され、タッチパネルコントロール部113によって押圧位置が算出される。そして、算出された押圧位置は制御回路11に入力され、目的地を設定したり、各種ボタンや表示メニューに対応する機能を実行させたりする。
【0016】
ディスクドライブ114には、表示モニタ16に表示する地図データが記録されたDVD−ROM115が装填される。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含み、表示用および経路探索用データには、道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。ディスクドライブ114は、装填されたDVD−ROM115から、表示モニタ16へ地図を表示するための地図データを読み出す。なお、DVD−ROM115以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0017】
図3を参照して、本発明の実施形態における音声認識によるナビゲーション装置1の操作について説明する。ここで、ユーザは所定の目的地まで経路探索を行い、経路誘導を受けていたが、音声によって目的地変更の操作をしようと思い、マイク19に設けられたPTTスイッチ19aを押下したものとする。
【0018】
図3は、自車位置周辺の地図上に探索された推奨経路を表示した表示モニタ16の表示画面を示す図である。地図30上の自車位置には自車位置マーク31が表示される。表示画面の右上には、目的地ボタン32と経由地ボタン33とが表示される。通常、目的地ボタン32と経由地ボタン33とは表示モニタ16には表示されず、PTTスイッチ19aを押下すると表示される。
【0019】
目的ボタン32を押圧している間、音声認識部110で音声認識するときに照合する辞書の範囲が、目的地を設定するときや変更するときに発せられる言葉など、目的地に関する言葉の音声パターンが格納された辞書の範囲21(図2参照)に限定される。
【0020】
一方、経由地ボタン33を押圧している間、音声認識部110で音声認識するときに照合する辞書の範囲が、経由地を設定するときや削除するときに発せられる言葉など、経由地に関する言葉の音声パターンが格納された辞書の範囲22(図2参照)に限定される。
【0021】
図3に示すように、CDプレーヤ2により楽曲を再生すると、CDプレーヤの再生に関する情報を表示したオーディオ情報表示画面34が表示モニタ16に表示される。オーディオ表示画面34を押圧している間、音声認識部110で音声認識するときに照合する辞書の範囲が、オーディオ操作に関する言葉の音声パターンが格納された辞書の範囲に限定される。
【0022】
目的地を変更する操作をする場合は、図3に示すように目的地ボタン33を押圧しながら、マイク19に対して「目的地変更」と音声を発する。このとき、音声認識するための辞書が目的地に関する言葉の音声パターンが格納された辞書の範囲に限定されるので、誤って他の言葉として認識される可能性が低くなり、入力された音声を確実に識別することができる。そして、目的地名をマイク19に対して発することによって変更する目的地が入力される。次に「探索」とマイク19に対して音声を発すると、新しい目的地までの推奨経路が演算され、新しい推奨経路35が表示される。
【0023】
次に、本実施形態のナビゲーション装置1の音声認識に使用される辞書の辞書範囲限定処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。図4の処理は、地図が表示モニタ16に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0024】
ステップS401では、マイク19に設けられているPTTスイッチ19aが押下されたかを判定する。押下された場合はステップS401が肯定判定され、ステップS402へ進む。押下されていない場合はステップS401を繰り返す。ステップS402では、表示モニタ16の表示画面に複数の辞書範囲限定ボタン(目的地ボタン32、経由地ボタン33など)を表示する。
【0025】
ステップS403では、タッチパネルコントロール部113によって算出されたタッチパネル112の押圧位置に基づいて、辞書範囲限定ボタン32および33のいずれかが押圧されているか判定する。押圧されている場合はステップS403が肯定判定され、ステップS404へ進む。押圧されていない場合はステップS403が否定判定され、ステップS401へ戻る。
【0026】
ステップS404では、音声認識をするときに照合する辞書の範囲を、押圧された辞書範囲限定ボタン32または33に定義された小辞書の範囲に限定する。たとえば、目的地ボタン32の場合は、図2に示すように目的地ボタン32に定義された小辞書の範囲21に限定する。ステップS405では、ステップS403で押下げ判定された辞書範囲限定ボタン32または33が押圧されているか判定する。押圧されている場合はステップS405が肯定判定され、ステップS404へ戻る。押圧されていない場合はステップS405が否定判定され、ステップS401へリターンする。
【0027】
以上の実施の形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)表示モニタ16に表示された辞書範囲限定ボタン32または33を押圧することによって、音声を照合する辞書111の範囲を、辞書範囲限定ボタン32または33に定義された辞書の範囲21または22に限定することができる。したがって、所望の操作に係る辞書範囲限定ボタン32または33を押圧することによって、検知されている車両の状態に関係なく、所望の操作を音声によって確実に実行することができる。
【0028】
(2)PTTスイッチ19aなどの発話スイッチが押下されたときに辞書範囲限定ボタン32および33を表示する。したがって、音声によってナビゲーション装置1を操作しない場合は、辞書範囲限定ボタン32および33を表示せず、地図表示の邪魔にならない。
【0029】
(3)オーディオ情報表示画面34を押圧すると、音声認識部110で音声認識するときに照合する辞書の範囲が、オーディオ操作に関する言葉の範囲に限定される。したがって、誤ってオーディオに関係のない動作が実行されるのを防止することができ、オーディオに関する操作を音声によって確実に実行することができる。
【0030】
以上の実施の形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)PTTスイッチ19aなどの発話スイッチを押下したときに辞書範囲限定ボタン32および33を表示したが、常に辞書範囲限定ボタン32および33を表示画面に表示するようにしてもよい。この場合、発話スイッチを押さなくても辞書範囲限定ボタンを押圧すると、マイク19に対して音声入力が可能となる。ひとつの操作で、音声入力を可能とし、辞書の範囲を限定することができるので、利便性が向上する。
【0031】
(2)辞書範囲限定ボタンは、目的地ボタン32や経由地ボタン33に限定されず、適宜設けることができる。たとえば、音声認識によって地図30の縮尺率を変更するボタンや、地図30をスクロールするボタン、地図30の向きを、北側や車両の進行方向を上にする向きに変更するボタンなどを辞書範囲限定ボタンとして設けてもよい。このようにすることによって、地図30の縮尺率を変更したり、地図30をスクロールしたりする操作などについても音声認識に使用する辞書を限定することによって確実に実行することができる。
【0032】
(3)発話スイッチが押圧されるたびごとに、表示画面に表示される辞書範囲限定ボタンが別の辞書範囲限定ボタンに切り替わるようにしてもよい。一度に表示する辞書範囲限定ボタンの数を少なくすることができ、表示モニタ16に表示された地図30が見やすくなる。たとえば、図5に示すように、表示モニタ16に表示する辞書範囲限定ボタン51をひとつにすることができる。また、辞書範囲限定ボタン51がひとつしか表示されていない場合は、表示されている辞書範囲限定ボタン51に基づいて音声認識に使用される辞書の範囲が限定されるようにしてもよい。
【0033】
(4)次のようにして、音声認識により目的地や経由地を登録し、音声認識により目的地や経由地を表示モニタ16に表示できるようにしてもよい。地図30をスクロールして、図6に示すように目的地や経由地を表示画面に表示する。そして、表示された目的地のマーク61を押圧して指定すると、マイク19の音声入力を可能とし、音声認識に使用する辞書を目的地に関する言葉の範囲に限定する。同様に表示された経由地を押圧すると、マイク19の音声入力を可能とし、音声認識に使用する辞書を経由地に関する言葉の範囲に限定する。そして、目的地のマーク61を指定しながら、「目的地表示」とマイク19に対して発すると、「目的地表示」という言葉と関連付けられて、押圧位置に対応した地図上の押圧地点がRAM13に記憶される。同様にして、経由地を押圧しながら、「経由地表示」とマイク19に対して発すると、「経由地表示」という言葉と関連付けられて、押圧位置に対応した地図上の押圧地点がRAM13に記憶される。
【0034】
その後、経路誘導中などに目的地や経由地の地図を表示モニタ16に表示する場合、目的地ボタン32や経由地ボタン33を押圧して指定しながら、「目的地表示」や「経由地表示」という言葉をマイク19に対して発する。その結果、「目的地表示」や「経由地表示」という言葉に関連付けられた押圧地点が表示画面の中央に表示されるように地図30が表示され、目的地や経由地が表示モニタ16に表示される。
【0035】
通常、経路誘導中などに目的地や経由地の地図を表示モニタ16に表示するためには、地図30をスクロールする操作を行わなければならないが、そのような操作なしに音声認識で目的地や経由地の地図を表示することができ、利便性が向上する。
【0036】
また、音声認識によって表示する代わりに、目的地61を押圧しながら、「目的地表示」とマイク19に対して発したり、「経由地表示」とマイク19に対して発したりすると、押圧位置に対応した地図上の押圧地点に関連付けられたアイコンが表示モニタ16に表示され、そのアイコンを押圧すると目的地や経由地の地図が表示モニタ16に表示されるようにしてもよい。
【0037】
(5)辞書範囲限定ボタンは、目的地ボタン32や経由地ボタン33などのボタンに限定されず、アイコンなどでもよい。
【0038】
(6)マイク19に対して音声入力が可能となる発話操作スイッチであれば、PTTスイッチに限定されない。また、マイクに設けられる場合に限定されず、図7に示すように、発話スイッチ71を車両のステアリング72に設けてもよい。
【0039】
(7)オーディオ情報表示画面34に表示されるオーディオ情報はCDプレーヤ2の再生に関するものに限定されない。たとえば、ラジオ放送の情報でもよい。あるいは、空調など車載の各種機器装置を制御する場合にも本発明は適用することができる。
【0040】
(8)車載表示装置であればナビゲーション装置に限定されない。
【0041】
(9)表示モニタに表示されたアイコンまたはボタンを各種入力デバイスで指定すると、指定されたボタンまたはアイコンに基づいて、音声認識のときに音声を照合する辞書の範囲を限定するようにしてもよい。すなわち、本発明は以上説明した実施の形態になんら限定されない。
【0042】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の音声入力手段はマイク19に対応し、音声認識手段は音声認識部110に対応する。表示制御手段、辞書範囲制御手段および探索手段は制御回路11に対応し、入力手段は制御回路11、タッチパネル112およびタッチパネルコントロール部113に対応する。マーク表示手段は制御回路11および表示モニタ16に対応し、関連音声記憶手段は制御回路11およびRAM13に対応する。目的地表示手段および経由地表示手段は制御回路11に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】音声認識のときに照合する辞書を説明するための図である。
【図3】PTTスイッチを押下すると表示される表示画面を説明するための図である。
【図4】音声認識に使用される辞書の辞書範囲限定処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】発話スイッチが押圧されるたびごとに表示画面に表示される辞書範囲限定ボタンが別の辞書範囲限定ボタンに切り替わる辞書範囲限定ボタンを説明するための図である。
【図6】音声認識によって目的地を表示画面に表示するための操作を説明するための図である。
【図7】車両のステアリングに設けられた発話スイッチを説明するための図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ナビゲーション装置
2 CDプレーヤ
11 制御回路
13 RAM
16 表示モニタ
17 スピーカ
18 入力装置
19 マイク
19a PTTスイッチ
32,33,51 辞書範囲限定ボタン
71 発話スイッチ
72 ステアリング
110 音声認識部
111 辞書
112 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの発する音声を入力する音声入力手段と、
前記音声入力手段によって入力された音声を辞書と照合して音声認識する音声認識手段と、
アイコンやボタンを表示モニタに表示する表示制御手段と、
前記表示制御手段によって表示されたアイコンまたはボタンが指定されると、指定されたボタンまたはアイコンに基づいて、音声を照合する前記辞書の範囲を限定する辞書範囲制御手段とを備えることを特徴とする車載表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載表示装置において、
前記音声入力手段は、発話スイッチが押圧されると音声を入力し、
前記表示制御手段は、前記発話スイッチが押圧されると前記アイコンやボタンを前記表示モニタに表示することを特徴とする車載表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載表示装置において、
前記表示制御手段は、前記発話スイッチが押圧されるごとに、前記表示モニタに表示するアイコンまたはボタンを別のアイコンやボタンに切り替えることを特徴とする車載表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車載表示装置において、
目的地を入力する入力手段と、
前記入力された目的地に対応するマークを表示するマーク表示手段と、
前記表示モニタ上の前記マークを指定して入力された音声をそのマークに対応する目的地に関連付けて記憶する関連音声記憶手段と、
前記関連音声記憶手段によって目的地と関連付けて記憶されている音声が入力されると、その音声に関連する目的地を前記表示モニタに表示する目的地表示手段とを備え、
前記辞書範囲制御手段は、前記マークが指定されると、音声を照合する前記辞書の範囲を目的地に関する言葉に限定することを特徴とする車載表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車載表示装置において、
経由地を入力する入力手段と、
前記入力された経由地に対応するマークを表示するマーク表示手段と、
前記表示モニタ上の前記マークを指定して入力された音声をそのマークに対応する経由地に関連付けて記憶する関連音声記憶手段と、
前記関連音声記憶手段によって経由地と関連付けて記憶されている音声が入力されると、その音声に関連する経由地を前記表示モニタに表示する経由地表示手段とを備え、
前記辞書範囲制御手段は、前記マークが指定されると、音声を照合する前記辞書の範囲を経由地に関する言葉に限定することを特徴とする車載表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の車載表示装置において、
前記表示制御手段は、オーディオに関するアイコンやボタンを表示モニタに表示し、
前記辞書範囲制御手段は、前記オーディオに関するアイコンまたはボタンが指定されると、オーディオに関する言葉に、前記辞書の範囲を限定することを特徴とする車載表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載の車載表示装置において、
前記表示制御手段は、空調など車載の各種機器装置に関するアイコンやボタンを表示モニタに表示し、
前記辞書範囲制御手段は、前記空調など車載の各種機器装置に関するアイコンまたはボタンが指定されると、空調など車載の各種機器装置に関する言葉に、前記辞書の範囲を限定することを特徴とする車載表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−37121(P2008−37121A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209696(P2006−209696)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】