説明

電子写真式の印刷機または複写機のアプリケータエレメントを着色する方法および装置

本発明は、電子写真式の印刷機または複写機のアプリケータエレメント(14)を着色する方法および装置に関する。帯電されたトナー粒子と強磁性の粒子とから成る、ローラ(16)の外側表面に付着する2成分混合物が、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面の傍にガイドされる。2成分混合物をガイドする際に、2成分混合物に収容されたトナー粒子の少なくとも一部が、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に転写される。少なくとも2成分混合物の、ローラ(16)の表面とアプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面との間に存在する部分に作用する電界が形成される。電界強さは、制御ユニットによって制御可能であり、それも転写されたトナー粒子が、着色しようとする表面に、前調節された層厚を形成するように制御可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真式の印刷機または複写機のアプリケータエレメントを着色する方法および装置であって、帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る、ローラの外側表面に付着する2成分混合物が、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面の傍にガイドされる形式のものに関する。2成分混合物のガイドに際して、2成分混合物に収容されたトナー粒子の少なくとも一部は、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面に転写される。さらに本発明は、記録材料に多色の画像を形成する印刷機または複写機に関する。
【0002】
感光体に形成された潜像を現像するため、つまり静電画像を現像するための印刷システムおよび複写システムにおける現像ステーションは、潜像が空隙を超えてトナーで着色される画像現像法で用いられる。そのような方法は、たとえば米国特許第4383497号明細書から公知である。そのような現像ステーションでは、多くの場合アプリケータエレメント、特にアプリケータローラまたはエンドレスベルトが使用され、これによってトナー材料は、現像しようとする潜像の傍を通ってガイドされる。潜像は、感光体、たとえば感光ベルトまたは感光ローラ上に存在する。一般的にトナー材料は、帯電されて、アプリケータエレメントの表面に静電的に付着する。アプリケータエレメントを用いて潜像を着色するためのそのような装置は、たとえば米国特許第5734955号明細書、国際公開第03/036393号パンフレット、米国特許第6285837号明細書および米国特許第2004/0002015号明細書から公知である。
【0003】
また感光体に転写されるトナー材料層の層厚は、とりわけアプリケータエレメントにおけるトナー材料層の層厚の変動によって一定ではない。変動は、2成分混合物のパラメータの変化、特にトナー濃度、摩擦電気的な帯電および2成分混合物抵抗の変化に起因する。さらに変化による印刷品質の変動は、電子写真プロセスのパラメータ、特に感光体の帯電および放電に依存している。そのような短時間的かつ長時間的な変動は、形成しようとする印刷画像の着色度がそれぞれ異なることによって、形成される印刷画像の印刷品質に影響を及ぼす。印刷品質の追加的な変動は、個々の印刷装置または個々の印刷システムの機械的かつ電気的な装置調節によって生じる恐れがあり、これによって同様に形成される印刷結果の品質の変動が生じ、変動は、前述の変動に重畳し、さらに強くなり得る。
【0004】
潜像を現像する別の方法では、潜像は、前述の形式のように空隙を介してではなく、直接的に接触して感光体に現像される。直接的な接触を形成するために、アプリケータエレメントの表面は、感光体の、着色しようとする表面に接触する。そのような方法は、同様に前掲米国特許第4383497号明細書から公知である。
【0005】
前述の選択的な現像方法では、トナー粒子層をアプリケータエレメントの表面に形成するために、帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る2成分混合物が使用され、トナー粒子層は静電的にアプリケータエレメントの表面に付着する。この場合2成分混合物は、いわゆるマグネットローラによって搬送され、マグネットローラの内側にはマグネットエレメントが定置に配置されている。マグネットエレメントの磁極は、半径方向に方向付けされているので、各マグネットエレメントの磁極はローラ表面に向いている。磁極の領域で、磁界によって、2成分混合物の堆積物が形成される。なぜならば強磁性のキャリア粒子がマグネットエレメントの領域で保持されるからである。
【0006】
この場合マグネットローラの表面の一部は、現像ステーションのいわゆる混合物溜めを通ってガイドされ、これによって依然としてローラ表面に付着する2成分混合物が剥離されて、新たな2成分混合物が堆積される。ローラ表面に堆積される2成分混合物の量は、ドクタによって制限することができる。磁極の領域では、いわゆるマグネットブラシが形成され、この場合特にマグネットエレメントは、マグネットローラとアプリケータエレメントとの最小間隔箇所に対向して定置に配置されており、これによってそこでマグネットブラシが形成され、マグネットブラシは、アプリケータエレメントの、少なくとも着色しようとする表面に接触する。強磁性のキャリア粒子からのトナー粒子の剥離と、アプリケータローラにおけるトナー粒子の堆積は、アプリケータエレメントとマグネットローラシステムとの間のいわゆる転写補助電圧の印加によって助成することができる。
【0007】
1分辺り150枚DIN A4以上の、従来慣用の電子写真式の高性能印刷システム、たとえば同一出願人のページストリーム印刷機(Pagestream Drucker)では、印刷物の原色の着色度を、特にコントラスト調節を介して調節することができる。このような調節によって、原色の着色は、僅かなステップで変化され、これはほぼ印刷品質パラメータ全体、たとえば網点直径、塗布線幅、全面均質性、ネガチブおよびポジチブなキャラクタのバランスに対する効果を有している。面の確実な着色を達成するために、従来技術では、一般的に潜像は、トナー粒子層の少なくとも1.5〜数倍の層厚で重ねて現像する必要があり、これによって隙間のない一定に着色されたトナー像をペーパーウェブに形成することができる。一般的に、層厚は、トナー粒子直径の1.5〜3倍の範囲である。このような大きな層厚によって、トナー像の高い最大着色度が達成される。したがって従来技術では、比較的高い最大着色度でしか良好な印刷品質が得られない。
【0008】
公知の印刷機では、感光体上で着色される領域の層厚は、電子写真パラメータの変化によって達成され、特に帯電された領域と除電された領域との間の潜像の電位差が高められ、ならびにバイアス電圧が変化される。潜像は、2成分マグネットブラシによって現像され、これによって比較的高い電位差で、比較的厚いトナー層が感光体に形成される。層厚のこのような影響の結果として、必然的に別の印刷品質パラメータ、たとえば網点直径、塗布線幅、全面均質性ならびにネガチブおよびポジチブなキャラクタのバランスが影響される。
【0009】
さらに2成分印刷システムが公知であり、ここでは感光体に形成されるトナー材料層に応じて、2成分混合物に供給されるトナー量が制御される。同一出願人のページストリーム印刷機種の印刷機では、現像ステーションの2成分混合物へのトナー材料の供給は、感光体に形成されたトナー層に応じて行われる。前調節された基準閾値を下回ると、いわゆる新鮮トナーが、貯蔵容器、特に中間溜めから現像ステーションに供給される。したがって現像ステーションにおける2成分混合物におけるトナー濃度が高まり、これによって2成分混合物におけるトナー粒子およびキャリア粒子の割合が高まり、比較的多くの、感光体を着色するために使用されるトナー粒子がマグネットブラシに収容されている。しかしながらこのような調整は、とりわけ潜像の着色によって2成分混合物から導出されたトナー材料量を混合物に再び供給し、形成された印刷画像の一定な着色を達成するために役立つ。これによって帯電部を現像するために使用されるトナー量のフレキシブルな調節は不可能である。なぜならばトナー材料の供給もしくは非供給による印刷画像の変化は、多数の印刷画像が形成されたあとではじめて有効であり、したがって比較的緩慢な調整機能しか与えられていないからである。
【0010】
従来技術では、潜像の着色濃度の変化は、印刷品質の同時的な変化でしか達成することができない。したがって着色が高められると、たとえば個々の網点の確実かつ正確な画像形成、正確な塗布線の画像形成、平滑な縁部の形成、正確な編目パターンの維持ならびに着色の全面均質性に不都合な影響が及ぼされる。したがって着色しようとする面の均質な着色は、比較的大きな層厚のトナー粒子でいわゆる濃厚な着色によって達成することができるが、網点は過度に大きく示され、編み目パターンは維持されず、これによって特に塗布線が正確に真っ直ぐに延びる縁を有していない。これに対して濃厚な着色度で網点サイズを調整すると、比較的小さな着色度で網点は過度に小さく示される。
【0011】
したがって本発明の課題は、感光体の、着色しようとする領域に、前調節された所望の層厚のトナー粒子を簡単な形式で形成して、高品質の印刷画像を保証する、電子写真式の印刷機または複写機のアプリケータエレメントを着色する方法および装置を提供することである。
【0012】
この課題は、請求項1の特徴部に記載した構成を有する、アプリケータエレメントの表面に前調節された層厚でトナー粒子層を形成する方法によって解決される。本発明の有利な構成は、従属請求項に記載した。
【0013】
本発明の方法によって、トナー粒子層の層厚が、前調節された値に正確に調節されるか、または調整される。これによって、形成しようとする印刷画像の光学濃度は、簡単な形式で、特に別の領域における別の電子写真パラメータを用いて調節することができる。さらに本発明の方法によって、2成分混合物の特性の変化に際しても、特にキャリア粒子の劣化に際しても、トナー粒子層が、アプリケータエレメントの表面に、一定の層厚で、つまり前調節された層厚で形成されるよう保証される。
【0014】
本発明の第2の思想によれば、本発明は、アプリケータエレメントの表面に、前調節された層厚でトナー粒子層を形成する装置に関する。この装置は、ローラを備えており、ローラの外側表面に、帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る2成分混合物が付着する。さらに当該装置は、アプリケータエレメントを備えており、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面の傍に、ローラの表面に付着する2成分混合物がガイド可能である。
【0015】
さらに当該装置は、電界を形成するための手段を備えており、電界は、2成分混合物における帯電されたトナー粒子の、ローラの表面とアプリケータエレメントの、着色しようとする表面との間に存在する部分に少なくとも力を及ぼす。当該装置は、電界強さを変化させるための手段を備えており、これによってアプリケータエレメントの、着色しようとする表面に転写されたトナー粒子によって形成されるトナー粒子層の層厚を調節することができる。さらに層厚に関する値として実際値を検出するための測定装置が設けられている。さらに当該装置は、前調節された層厚によって特定される目標値と検出された実際値とを比較するための手段を備えている。電界強さを変化させるための手段は、目標値に対する検出された実際値の差に応じて、電界強さを変化し、かつ/または調節する。
【0016】
そのような構成手段によって、アプリケータエレメントの表面に形成される層厚が正確に前調節された値を有する、ということが達成される。2成分混合物の混合特性がキャリア粒子の劣化またはトナー粒子の材料特性の変化に基づいて変化しても、本発明の構成手段によって、前調節された層厚が得られる。本発明の構成手段によって、比較的長期にわたって高い印刷品質を達成することができる。アプリケータエレメントの表面に形成される層厚は、前調節された値に正確に調節されるか、または調整され、この場合層厚は、目標値の変化によって、簡単な形式で変化させることもできる。
【0017】
本発明の第3の思想によれば、本発明は、記録材料の面に形成しようとするトナー像の着色度を調節する方法に関しており、ここでは帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る、ローラの外側表面に付着する2成分混合物が、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面の傍にガイドされる。2成分混合物をガイドする際に、2成分混合物に収容されたトナー粒子の少なくとも一部は、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面に転写される。2成分混合物における帯電されたトナー粒子の、少なくともローラの表面と、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面との間における部分に力を及ぼす、調節可能な電界強さによって、転写されたトナー粒子によってアプリケータエレメントの、着色しようとする表面に形成されたトナー粒子層は、前調節された層厚で形成される。記録材料の面に形成しようとするトナー像の着色度は、別の電子写真パラメータによって調節される。
【0018】
本発明の方法によって達成されるところによれば、アプリケータエレメントの表面に形成されるトナー粒子層の層厚は、前調節された一定の層厚を有しており、この場合とりわけ操作ユニットによる、形成しようとする印刷画像の明度の変化によって変化可能かつ前調節可能な印刷画像の着色度は、アプリケータエレメントの表面に形成されるトナー粒子層の層厚を介して調節されるのではなく、別の電子写真パラメータ、たとえば網点サイズ、アプリケータエレメントの表面から感光体の、着色しようとする領域へトナー材料を転写するための補助電圧、および/または感光体と記録材料との間の転写補助電圧を介して調節される。トナー像中間支持体が用いられると、感光体と中間支持体との間、ならびに中間支持体と記録材料との間の転写補助電圧も電子写真パラメータとなり、この電子写真パラメータによって、印刷画像の着色度、つまり印刷画像の明度は、調節し、かつ/または変化させることができる。本発明の方法によって、形成しようとする印刷画像の明度の簡単でより正確な制御が達成される。つまり記録材料に形成しようとする印刷画像の着色度は、簡単に調節可能である。一定の層厚によって達成されることによれば、記録材料に形成しようとするトナー像の着色度を変化させるために、常に、前調節された一定の層厚から出発することができ、これによって明度の調節は、層厚制御もしくは層厚調整とは無関係であり、したがって簡単に行うことができる。形成される印刷画像の明度の変化、いわゆるドリフト(Wegdriften;移動)は、これによって回避される。
【0019】
本発明の第4の思想によれば、本発明は、記録材料の面に形成しようとするトナー像の着色度を調節するための装置に関しており、ローラが設けられており、ローラの外面に、帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る2成分混合物が付着する。さらに当該装置は、アプリケータエレメントを備えており、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面の傍に、ローラの表面に付着する2成分混合物がガイド可能である。調節可能な電界強さで電界を形成するための手段が設けられており、この場合電界は、2成分混合物の、ローラ表面とアプリケータエレメントの、着色しようとする表面との間における帯電されたトナー粒子の部分に少なくとも力を及ぼす。適当な電界強さの調節によって、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面に、この着色しようとする表面に転写されるトナー粒子によって形成されるトナー粒子層は、前調節された層厚を有する。さらに当該装置は、記録材料の面に形成しようとするトナー像の着色度を調節するための別の電子写真パラメータを調節するための手段を有している。
【0020】
そのような装置によって達成されることによれば、形成しようとするトナー像もしくは形成しようとする印刷画像の着色度は、アプリケータエレメントの表面に形成される層厚とは無関係に変化され、かつ調節される。これによってアプリケータエレメントの表面に形成されるトナー粒子層の層厚は、別の電子写真パラメータとは無関係に調節することができ、これによって着色度もしくは明度を調節するために、単に別の電子写真パラメータを適当な形式で変化させるだけでよい。したがって別の電子写真パラメータの変化に際して、前調節された一定の層厚から出発することができる。これによって明度もしくは着色度は、極めて高い精度で調節することができる。記録材料に形成されるトナー像/印刷画像の着色度もしくは明度に関する、特に2成分混合物のキャリア粒子の劣化現象は、本発明による調節装置では生じない。
【0021】
本発明の第5の思想によれば、本発明は、印刷機または複写機のアプリケータエレメントを着色する方法に関しており、帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る、ローラの外側表面に付着する2成分混合物は、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面の傍にガイドされる。2成分混合物をガイドする際に、2成分混合物に収容されたトナー粒子の少なくとも一部は、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面に転写される。電界が形成され、電界は、2成分混合物の、ローラの表面と、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面との間に存在する、帯電されたトナー粒子の少なくとも一部に力を及ぼす。
【0022】
本発明によって達成されることによれば、形成される印刷画像の光学濃度は、簡単な形式で広範囲で調節可能であり、しかも印刷品質の別の特性、特に個々の網点の網点直径、塗布線強さ、縁の平滑度、着色の全面均質性ならびに編目パターン形成が影響されることはない。さらにアプリケータエレメントを設けたことによって、既に感光体の表面に形成されたトナー粒子層が再びキャリア粒子によって破損されることのない構成が達成される。本発明の方法によって、特にアプリケータエレメントに形成されるトナー粒子層の層厚の無段階式の調節が可能であり、いわゆる劣化現象による印刷画像の損傷が回避されている。別の印刷パラメータとは無関係な層厚の変化は、とりわけ層厚が実質的に専ら調節された電界強さに依存していることによって達成される。これによって着色しようとする印刷画像の着色の非依存的な変化において一定の印刷品質が達成され、これによって極めて僅かなトナー使用量が達成され、ひいては比較的高い印刷物品質で比較的僅かな印刷コストが達成される。特に本発明による方法によって、大面積でも確実な着色を保証するために、静電画像のいわゆる過剰着色(Uebertonerung;過剰のトナー付け)を行う必要はない。
【0023】
さらに本発明による方法によって達成されることによれば、電子写真プロセスの別のパラメータ、特に感光体の帯電された領域と除電された領域との間の電位差およびアプリケータエレメントと感光体との間の電位差は、感光体に転写されるトナー材料の、アプリケータエレメントによって感光体に形成される層厚とは無関係に調節することができる。層厚は、極めて迅速に、ローラとアプリケータエレメントとの間の電位差の変化によって変化させることができる。さらに本発明による方法によって、電子写真プロセスが安定化され、形成された印刷画像の高い品質が得られる。さらに2成分混合物の使用期間が高められる。なぜならば着色度の増加が、必ずしも2成分混合物におけるトナー粒子成分の増加とはならないからである。本発明の方法によれば、長期的に変化する混合物パラメータ、たとえば混合物抵抗も、簡単な形式で、電界強さの増加によって補償され、これによってキャリア粒子の使用期間が高められ、消耗品コストが低下される。
【0024】
有利には、センサ装置によって、感光体または後続の記録材料における印刷画像の着色領域の着色度が検出され、検出された着色度に応じて電界強さが調節されることによって、層厚の調整を行うことができる。選択的または追加的に、センサ装置によって検出された着色度は、印刷機または複写機における基準着色度を自動的に調節するために利用することができる。
【0025】
本発明の第6の思想によれば、本発明は、電子写真式の印刷機または複写機のアプリケータエレメントを着色するための装置に関する。当該装置は、ローラを備えており、ローラの外側表面に、帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る2成分混合物が付着する。さらに当該装置は、アプリケータエレメントを備えており、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面の傍に、ローラの表面に付着する2成分混合物がガイド可能である。さらに当該装置は、電界を形成するための手段を備えており、この手段は、2成分混合物の、少なくともローラの表面とアプリケータエレメントの、着色しようとする表面との間に存在する部分に作用し、この場合電界は、2成分混合物のガイドに際して、2成分混合物に存在するトナー粒子の少なくとも一部を、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面に転写する。制御ユニットは、電界強さを制御し、それも着色しようとする表面に転写されたトナー粒子が前調節された層厚さを形成するように、制御する。
【0026】
本発明によるそのような装置によって、感光体に取り付けようとするトナー材料層の層厚は、別の電子写真パラメータとは無関係に、簡単な形式で調節することができる。したがって潜像の、着色しようとする領域に形成されたトナー層の層厚は、実質的に感光体の着色領域と非着色領域との間の電位差とは無関係である。転写電圧の制御によって、キャリア粒子は、比較的長期にわたって2成分混合物に使用することができる。なぜならば電界強さの変化によって、アプリケータエレメントに形成されるトナー層の所望の層厚が得られるからである。このような装置によって、アプリケータエレメントに形成されるトナー層の層厚の極めて迅速でフレキシブルな変化が可能である。
【0027】
本発明の第7の思想によれば、本発明は、少なくとも2つの現像ステーションを備えた、記録材料に多色の印刷画像を形成するための印刷機または複写機に関している。第1の現像ステーションは、第1色の、帯電されたトナー粒子を収容し、第2の現像ステーションは、第1色とは異なる第2色の、帯電されたトナー粒子を収容している。各現像ステーションにアプリケータエレメントが設けられており、本発明による方法に従って、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面に、各現像ステーションに収容されたトナー材料から成るトナー材料層が前調節された層厚で形成される。
【0028】
そのような印刷機または複写機は、簡単な形式で高品質の印刷画像を形成することができる。なぜならば特に混色を形成するための多色印刷では、各色分解のトナー量は、混色の色調に関して決定的であるという理由による。各現像ステーションに配置されたアプリケータエレメントの、着色しようとする表面は、各現像ステーションに収容されたキャリア粒子の劣化とは無関係に規定の層厚を有している。したがって特に複数の現像ステーションを備えた印刷機では、本発明による方法の方法ステップを実施することによって、様々な劣化状態を有するキャリア粒子を備えた現像ステーションを使用することができ、この場合このような現像ステーションでは、各アプリケータエレメントの表面に、前調節された一定の層厚さを形成することによって、高品質が得られる。
【0029】
本発明の第8の思想によれば、本発明は、少なくとも2つの現像ステーションを備えた、記録材料に多色の印刷画像を形成するための印刷機または複写機に関している。第1の現像ステーションは、第1色の、帯電されたトナー粒子を収容し、第2の現像ステーションは、第1色とは異なる第2色の、帯電されたトナー粒子を収容する。各現像ステーションは、前述した少なくとも1つの思想に基づく、本発明による装置を備えている。
【0030】
そのような印刷機または複写機によって、各アプリケータエレメントの表面に、前調節された一定の層厚が形成され、これによって高品質の印刷画像が、多色印刷において複数のトナー像を重ね刷りする場合でも達成される。
【0031】
本発明の理解を深めるために、以下に、専門的な表現を用いて、図面に示した有利な実施例につき本発明を説明する。ここで付記しておくと、この説明によって本発明の保護範囲は制限されるものではない。というのも図示して記載した装置および/または方法の変化形および改良形ならびに本発明の別の使用法は、専門家にとって、現時点での、または将来的における一般的な見解とみなされるからである。
【0032】
図1には、感光ベルト12に収容された潜像を現像するための現像ユニット10を示した。感光ベルト12は、矢印1の方向で、実質的に一定の速度で駆動される。現像ユニット10は、アプリケータローラ(Applikatorwalze;着肉ローラ、着色ローラ)14とマグネットローラ16と混合ローラ18とを備えている。混合ローラ18の下位部分は、現像ユニット10のいわゆる混合物溜めに設けられており、混合物溜めに、トナー粒子とキャリア粒子とから成る2成分混合物が収容されている。トナー粒子は、帯電されていて、かつ強磁性のキャリア粒子に付着している。キャリア粒子は、主にマグネットローラ16を用いてトナー粒子を搬送するのに役立つ。
【0033】
マグネットローラ16の内側に、3つのマグネットエレメント22,24,26が定置に配置されている。マグネットエレメントは、永久磁石、特に天然磁石であり、マグネットエレメントは、ローラ16の内側で全長にわたって延びている。マグネットエレメント22,24,26の磁極を通る縦軸線は、半径方向で方向調整されており、この場合マグネットエレメント22,26はS極でローラ表面に向かって方向付けられていて、マグネットエレメント24はN極でローラ表面に向かって調整されている。マグネットエレメント22,24,26の対極は図示していない。マグネットエレメント22,24,26の領域で、マグネットローラ16の表面にいわゆるマグネットブラシが形成されており、マグネットブラシによって、この領域で隆起する、トナー粒子とキャリア粒子とから成る堆積物が形成されている。強磁性のキャリア粒子は、これに付着するトナー粒子と共に、マグネットエレメント22,24,26の磁界によって、マグネットエレメントの領域で保持され、かつ磁界の磁力線に沿って方向付けられ、これによって突出するブラシ形状が形成される。
【0034】
混合ローラ18は、矢印P2の方向で駆動され、これによって混合物溜め20に存在するトナー粒子とキャリア粒子とが混合され、この場合トナー粒子は、混合時に形成される摩擦によって摩擦電気式に帯電される。トナー粒子とキャリア粒子とから成る2成分混合物は、マグネットローラ16の上方まで運ばれるか、もしくはマグネットローラ16上に巻き上げられ、これによって2成分混合物の一部は、マグネットローラ16の表面に到着して、特にマグネットエレメント22,24の磁界によってマグネットローラ16の表面に保持される。矢印P2の方向でマグネットローラ16が運動することによって、トナー粒子とキャリア粒子とから成る混合物は、マグネットローラ16の表面に沿って搬送される。マグネットローラ16の表面に存在する2成分混合物層の層厚は、ドクタ28によって制限される。
【0035】
マグネットローラ16は、金属スリーブ30を備えており、金属スリーブ30は、適当な粗度を有するセラミック層で被覆されていて、かつ2成分混合物を搬送するための良好な付着性を有している。金属スリーブ30は、直流電圧源DC1の第1の電位と接続されている。直流電圧源DC1は、無段階式に調節可能であり、この場合直流電圧源DC1の電圧は、制御ユニットによって調節される。
【0036】
アプリケータローラ14は、金属スリーブ32を備えており、金属スリーブ32は、直流電圧源DC1の第2の電位と接続されている。したがってアプリケータローラ14の金属スリーブ32とマグネットローラ16の金属スリーブ30との間に電界が形成され、この場合電界は、アプリケータローラ14とマグネットローラ16との間で最小間隔を有する箇所46において最強である。アプリケータローラ14とマグネットローラ16との間の電界によって、キャリア粒子に付着するトナー粒子は、キャリア粒子から引き離され、アプリケータローラ14の表面に堆積される。2成分混合物から引き剥がされてアプリケータローラ14に堆積されるトナー粒子の量は、第1の電位と第2の電位との間の電位差に依存し、つまり直流電圧源DC1によって形成される電圧に依存する。
【0037】
アプリケータローラ14の表面に堆積されたトナー粒子は、アプリケータローラ14の表面に静電的に付着する。したがって直流電圧源DC1における調節された電圧によって、アプリケータローラ14に形成されるトナー粒子層の層厚は、簡単な形式で調節することができる。領域34には、感光ベルト12に沿って潜像、つまり静電画像が存在する。感光ベルト12は矢印P1の方向で運動され、この際に同時にアプリケータローラ14は矢印P4の方向で駆動される。感光ベルト12の周速度とアプリケータローラ14の周速度とは実質的に同じであるので、感光ベルト12とアプリケータローラ14との間の転写箇所36の領域で速度差は生じない。
【0038】
潜像34の、着色しようとする領域は、転写領域36において、トナー材料で着色され、この場合着色しようとする領域に対向する、実質的にアプリケータローラ14の表面全体に存在するトナー材料層は、感光ベルトに転写される。したがって感光ベルト12の領域38において、実質的に形成しようとする印刷画像に相当するトナー像が感光ベルト12に存在する。アプリケータローラ14に沿って、領域40で、領域38の印刷画像のネガチブに相当するトナー像が残る。ドクタ42によって、依然としてアプリケータローラ14の表面に存在するトナー材料は、この表面から掻き取られる。除去されたトナー材料は、混合物溜めに落下して戻され、これによって再び電子写真プロセスに提供される。
【0039】
ドクタ42によって、場合によっては、感光ベルト12にトナー材料層の転写された領域で依然としてアプリケータローラ14の表面に存在するトナー材料は、アプリケータローラ14の表面から除去される。アプリケータローラ14に残存するトナー材料を除去し、かつマグネットローラ16の表面をクリーニングするために、ドクタ42に対して追加的または選択的に別のクリーニング装置を設けることができ、これについては特に国際公開第03/036393号パンフレットから公知である。前掲パンフレットに記載の開示内容は、本発明の明細書に適用されるものとする。さらに前掲パンフレットには、マグネットローラ16の構造について詳しく述べられている。この開示内容についても本発明に適用されるものとする。
【0040】
転写領域36において、アプリケータローラ14の表面と感光ベルト12の表面との間に空隙が設けられているので、領域34で得られる潜像の現像は、トナー材料を用いて、空隙を介して行われる。感光ベルト12は、導電層44を備えており、導電層44は、第2の直流電圧源DC2の第2の電位と接続されている。直流電圧源DC2の第1の電位は、直流電圧源DC1における第2の電位と、したがってアプリケータローラ14の金属スリーブ32と接続されている。直流電圧源DC2によって、導電層44と金属スリーブ32との間に電界が形成され、これによってアプリケータローラ14から感光ベルト12の、着色しようとする領域34へのトナー粒子の転写は少なくとも助成される。有利には、直流電圧源DC2も無段階式に調節可能であるので、金属スリーブ32と導電層44との間の電界強さは広範囲で調整することができる。
【0041】
図2には、本発明の第2実施例による現像ユニット10を示した。同じ構成部材には、同じ符号を用いた。図1の実施例とは異なって、第2実施例では、2つの電極板50,52を備えた定置の対向電極48が、アプリケータローラ14の内側に配置されている。アプリケータローラ14とマグネットローラ16との間で最小間隔を有する領域46において、電極板50は、ローラ16に対向して配置されている。電極板50,52を有する対向電極48は、図1の第1実施例による金属スリーブ32と同等の形式で、直流電圧源DC1の第2の電位と直流電圧源DC2の第1の電位とに接続されている。したがって図2の実施例では、アプリケータローラ14として、金属スリーブ32を備えていないプラスチックローラを用いることもできる。
【0042】
図2の実施例では、交流電圧源AC1によって形成される交流電圧が、直流電圧DC1によって形成される直流電圧に重畳される。交流電圧源AC1によって形成される交流電圧の値は、有利には、制御ユニットによって無段階式に調節可能である。交流電圧源AC1によって形成される交流電圧は、特にキャリア粒子に付着するトナー粒子を特に領域46においてキャリア粒子から剥がすのに役立ち、これによって剥がされたトナー粒子は、直流電圧源DC1によって形成される直流電圧によって、アプリケータローラ14の表面に向かって引き付けられ、アプリケータローラ14の表面に静電的に付着する。
【0043】
同様の形式で、直流電圧源DC2によって形成される直流電圧は、交流電圧源AC2によって形成される交流電圧に重畳される。交流電圧源AC1によって形成される電圧によって、トナー粒子は、アプリケータローララ14の表面から剥がされる。図2に示した実施例に対して選択的に、アプリケータローラは、電極として役立つ、図1の金属スリーブ32と同等の金属スリーブを備えることができる。第2の電極板52は、アプリケータローラ14の内側で、転写領域36に対向して定置に配置されている。
【0044】
別の実施例では、単個の交流電圧源AC1またはAC2を設けてもよい。
【0045】
キャリア粒子は、記載の実施例では、約50μmの直径を有していて、かつ図1および図2において円で示した。トナー粒子は、約7μmの直径を有していて、かつ図1および図2において点で示した。図1の実施例でも図2の実施例でも、直流電圧DC1の変化によって、アプリケータローラ14に形成される層厚を制御することができる。
【0046】
アプリケーションローラ14、感光ベルト12、または後続の記録材料、たとえばエンドレスな搬送ベルト、または印刷しようとする記録材料に形成されたトナー粒子層の層厚があとで求められると、求められた層厚は目標値と比較され、比較結果に応じて、直流電圧電源DC1によって形成される直流電圧の高さは制御することができるので、これによって層厚は調整される。選択的または追加的に、アプリケータローラ14、感光ベルト12または後続の記録材料に形成されたトナー粒子層の着色度を求めて、目標値と比較することができる。比較結果に応じて、電圧源DC1は制御され、これによってアプリケータローラ14に形成しようとするトナー粒子層の層厚が目標値に適合される。この場合センサとして光学センサ、容量センサおよび/またはレーザ三角測量センサを用いることができる。
【0047】
電子写真式の印刷機または複写機に組み込んだ状態で、現像ユニット10は、有利には適当なケーシングによって包囲されている。
【0048】
図1および図2に示した、アプリケータローラ14を備えた現像ステーション10は、2成分−マグネットブラシによって、静電的に付着するトナー粒子層をアプリケータローラ14に形成する。直流電圧源DC1によって形成される、トナー粒子に作用する電界の力ベクトルは、アプリケータローラ14に向けられている。アプリケータローラ14と感光ベルト12との間の空隙を介して、感光ベルトの、現像しようとする領域、つまり着色しようとする領域において、全トナー粒子層がアプリケータローラ14から感光ベルト12に転写される。アプリケータローラ14の表面には、この領域において、アプリケータローラ14に堆積されたトナー層とは無関係に一定である極めて僅かな残量しか残らない。
【0049】
着色しようとする領域38において感光ベルト12に形成されるトナー粒子層の層厚は、転写補助電圧DC1とは無関係である。直流電圧源DC1,DC2の電界強さは、有利には無段式に調節可能であり、これによって様々な層厚調節が広範囲で実現される。
【0050】
既に説明したように、電子写真プロセスの、存在するプロセス変動は、層厚の調整によって実質的に補償することができる。なぜならば層厚は、直流電圧源DC1によって、簡単かつ迅速に変化させることができるからである。先ず適当なセンサ装置によって、形成される印刷物着色度は、有利には、感光ベルト上で着色実際値として求められる。求められた着色実際値が着色目標値と異なる場合、調整回路によって、電圧源DC1によって形成される直流電圧が変化され、それも求められた着色実際値が着色目標値に相当するようになるまで変化される。
【0051】
たとえば求められた着色実際値が着色目標値よりも小さい場合、直流電圧源DC1の電圧が高められ、これによってアプリケータローラ14の表面に堆積されて、ひいては感光ベルト12に現像されるトナー量は増加し、着色目標値に近似する。求められた着色実際値が着色目標値よりも大きな場合、直流電圧源DC1の電圧は適当に低下される。これによって迅速かつフレキシブルに、冒頭で記載した現像ユニット10へのトナー材料の後搬送の調整によって実現されないプロセス変動に反応することができる。
【0052】
2成分混合物の、キャリア粒子の変質(劣化)により変化した混合物パラメータは、キャリア粒子のトナー堆積に影響を及ぼすが、これは、層厚もしくは着色度の記載の調整によって補償されるので、一定な品質で現像しようとする潜像の一定の着色度が得られる。これによってまたキャリア粒子は、電子写真プロセスにおいて印刷機の現像ユニット10に比較的長時間使用することができ、これによってコスト削減が達成される。
【0053】
図面および前述の記載において有利な実施例を示して詳説したが、このことは単に例示したものでしかなく、本発明を制限するものではない。さらに付加しておくと、ここでは単に有利な実施例を図示して説明したが、現時点および将来において本発明の権利保護の範疇に入るあらゆる変化形および改良形も権利保護されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による、アプリケータローラを用いて感光ベルトを着色するための装置の第1実施例を示す概略図である。
【図2】本発明による、アプリケータローラを用いて感光ベルトを着色するための装置の第2実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0055】
10 現像ユニット、 12 感光ベルト、 14 アプリケータローラ、 16 マグネットローラ、 18 混合ローラ、 20 混合物溜め、 22,24,26 マグネットエレメント、 28,42 ドクタ、 30,32 金属スリーブ、 34 領域、潜像、 36 領域、転写、 38 領域、トナー像、 40 印刷画像(ネガチブ)、 44 導電層、 46 転写領域、 48 対極、 50,52 電極板、 P1,P2,P3,P4 方向矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケータエレメントの表面に前調整された層厚でトナー粒子層を形成する方法において、
帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る、ローラ(16)の外側表面に付着する2成分混合物を、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面の傍にガイドし、
2成分混合物をガイドする際に、2成分混合物に収容されたトナー粒子の少なくとも一部が、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に転写されるようにし、
電界を形成し、電界が、2成分混合物における帯電されたトナー粒子の、ローラ(16)の表面とアプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面との間に存在する部分に少なくとも力を及ぼすようにし、
アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に転写されたトナー粒子によって形成されるトナー粒子層の層厚を調節するために、電界強さを変化させ、
実際値を層厚に関する値として検出し、
検出された実際値を、前調節された層厚によって特定された目標値と比較し、
電界強さを、目標値に対する検出された実際値の差に応じて調節し、かつ/または変化させることを特徴とする、アプリケータエレメントの表面に前調整された層厚でトナー粒子層を形成する方法。
【請求項2】
実際値を、測定装置によって検出し、測定装置が、アプリケータエレメント(14)の表面上に位置するトナー粒子層の層厚を検出するようにする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
実際値を、測定装置によって検出し、測定装置が、少なくともアプリケータエレメント(14)によって感光体の表面に着色されたトナー像の領域の層厚を実際値として検出するようにする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
実際値を、測定装置によって検出し、測定装置が、少なくとも記録材料に形成されたトナー像の領域の層厚を実際値として検出するようにする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
実際値を、容量式の層厚センサまたは光学式の層厚センサまたは着色されたトナー像の光学的な厚さを検出するためのセンサによって検出する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
層厚を無段階式に変化させるために、電界強さを無段階式に変化させる、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
アプリケータエレメントの表面に前調整された層厚でトナー粒子層を形成する装置において、
ローラ(16)が設けられており、該ローラ(16)の外側表面に、帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る2成分混合物が付着するようになっており、
アプリケータエレメント(14)が設けられており、該アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面の傍に、ローラ(16)の表面に付着する2成分混合物がガイドされるようになっており、
電界を形成するための手段が設けられており、電界が、2成分混合物における帯電されたトナー粒子の、ローラ(16)の表面とアプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面との間に存在する部分に少なくとも力を及ぼすようになっており、
電界強さを変化させるための手段が設けられており、電界強さを変化させるための手段によって、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に転写されたトナー粒子によって形成されるトナー粒子層の層厚が調節されるようになっており、
層厚に関する値としての実際値を検出するための測定装置が設けられており、
前調節された層厚によって特定された目標値と検出された実際値とを比較するための手段が設けられており、
電界強さを変化させるための手段が、電界強さを、目標値に対する検出された実際値の差に応じて調節し、かつ/または変化させるようになっていることを特徴とする、アプリケータエレメントの表面に前調整された層厚でトナー粒子層を形成する装置。
【請求項8】
記録材料の面に形成しようとするトナー像の着色度を調節する方法において、
帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る、ローラ(16)の外側表面に付着する2成分混合物を、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面の傍にガイドし、
2成分混合物をガイドする際に、2成分混合物に収容されたトナー粒子の少なくとも一部が、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に転写されるようにし、
調節可能な電界強さによって、2成分混合物における帯電されたトナー粒子の、少なくともローラ(16)の表面とアプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面との間における部分に力を及ぼし、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に、転写されたトナー粒子によって形成されるトナー層を前調節された層厚で形成し、
記録材料の面に形成しようとするトナー像の着色度を、少なくとも1つの別の電子写真パラメータを用いて調節することを特徴とする、記録材料の面に形成しようとするトナー像の着色度を調節する方法。
【請求項9】
別の電子写真パラメータが、照度および/またはキャラクタジェネレータによって形成される網点直径および/または帯電された感光体の電位によるアプリケータエレメント(14)の表面と感光体の表面との間の電界、感光体の表面と記録材料との間の電界を有している、請求項8記載の方法。
【請求項10】
2成分混合物の、少なくともローラ(16)の表面と、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面との間における部分に作用する電界強さを、2成分混合物の変化した特性を補償するために変化させ、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に形成されたトナー粒子層の実質的に不変の層厚を形成する、請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に形成されるトナー粒子層の、前調節された層厚を、形成しようとするトナー像の、前調節された着色度とは無関係に一定にする、請求項8から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
記録材料の面に形成しようとするトナー像の着色度を調節する装置において、
ローラ(16)が設けられており、該ローラ(16)の外側表面に、帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る2成分混合物が付着するようになっており、
アプリケータエレメント(14)が設けられており、ローラ(16)の表面に付着する2成分混合物が、該アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面の傍にガイドされるようになっており、
強さの調節可能な電界を形成するための手段が設けられており、電界が、2成分混合物における帯電されたトナー粒子の、ローラ(16)の表面とアプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面との間における部分に少なくとも力を及ぼすようになっており、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に転写されたトナー粒子によって該着色しようとする表面に形成されたトナー粒子層が、適当な電界強さの調節によって、前調節されたトナー粒子層を有しており、
記録材料の面に形成しようとするトナー像の着色度を調節するための別の電子写真パラメータを調節するための手段が設けられていることを特徴とする、記録材料の面に形成しようとするトナー像の着色度を調節する装置。
【請求項13】
アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に形成されたトナー粒子層の、前調節された層厚が、形成しようとするトナー像の、前調節された着色度とは無関係に一定である、請求項12記載の装置。
【請求項14】
印刷機または複写機のアプリケータエレメントを着色する方法において、
帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る、ローラ(16)の外側表面に付着する2成分混合物を、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面の傍にガイドし、
2成分混合物をガイドする際に、2成分混合物に収容されたトナー粒子の少なくとも一部を、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に転写し、
電界を形成し、電界が、2成分混合物における帯電されたトナー粒子の、少なくともローラ(16)の表面とアプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面との間に存在する部分に力を及ぼすようにし、
電界強さを制御し、転写されたトナー粒子が、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に、前調節された層厚を形成するようにすることを特徴とする、印刷機または複写機のアプリケータエレメントを着色する方法。
【請求項15】
アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面を、ローラ(16)の表面の傍にガイドし、ローラ(16)の回転方向を、有利にはアプリケータエレメント(14)の搬送方向と同じにし、ローラ(16)の周速度とアプリケータエレメント(14)の周速度とを、実質的に同じにする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
アプリケータエレメント(14)が、アプリケータローラまたはアプリケータベルトである、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
ローラ(18)の内側に、少なくとも1つのマグネットエレメント(22,24,26)を定置に配置し、マグネットエレメントの磁界がキャリア粒子に作用するようにし、ローラ(16)の表面に、2成分混合物の、隆起した堆積物、特にマグネットブラシを形成する、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
トナー粒子から成る、アプリケータエレメント(14)に形成された層を用いて、感光体(16)に存在する潜像を着色して、現像する、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
マグネットエレメント(22,24,26)を、アプリケータエレメント(14)とローラ(16)との最小間隔を有す得る箇所(46)に配置し、マグネットエレメント(22,24,26)の磁極(N,S)の軸を、ローラ(16)に対して半径方向に方向調整する、請求項17または18記載の方法。
【請求項20】
2成分混合物を、混合物準備装置を用いて準備し、2成分混合物が、前調節された割合のトナー粒子を収容するようにする、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
マグネットエレメント(22,24,26)が、永久磁石および/または電磁石を有する、請求項17から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
アプリケータエレメント(14)における層厚および/または感光体(12)における層厚および/または記録材料における層厚を、センサ装置を用いて検出し、センサ装置によって、特にトナー粒子によって形成された層の着色度および/または層厚を検出する、請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
センサ装置として、着色度を検出するための光学センサおよび/またはレーザ三角測量センサおよび/または容量センサを用いる、請求項22記載の方法。
【請求項24】
求めた層厚を目標値と比較し、比較結果に応じて電界強さを調節する、請求項21または22記載の方法。
【請求項25】
アプリケータエレメント(14)に転写されたトナー粒子によって形成される層厚を調整する、請求項1から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
電界強さを調節値として用い、電界を、有利にはローラ(16)の表面とアプリケータエレメント(14)の表面との間における電位差の変化もしくは印加される電圧の変化によって調節する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
センサ装置によって検出された測定値と目標値との間の比較によって、調整差を求める、請求項1から26までのいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
ローラ(16)がノズル状の金属層(32)を有し、該層(32)が、実質的にローラ(16)の全長にわたって延びており、該層(32)が、電極として作用し、有利にはローラ(16)の基本体が、金属スリーブ(32)である、請求項1から27までのいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
アプリケータエレメント(14)が、導電層(30)を有しており、該層(30)が、アプリケータエレメント(14)の表面に対して平行面上を延びていて、かつ電極として作用する、請求項1から28までのいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
アプリケータエレメント(14)および/またはローラ(16)に定置の複数の電極を配置し、これらの電極を、互いに反対側に配置する、請求項1から29までのいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
混合ローラ(18)を設け、該混合ローラ(18)によって、2成分混合物に収容されたキャリア粒子とトナー粒子とを均等に混合し、該混合ローラ(18)によって、2成分混合物を準備する、請求項1から30までのいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
準備された2成分混合物をローラ(16)に供給し、ローラの表面に形成される2成分混合物の層の高さを、調量ドクタ(28)を用いて制限する、請求項31記載の方法。
【請求項33】
電子写真式の印刷機または複写機のアプリケータエレメントを着色する装置において、
ローラ(16)が設けられており、該ローラ(16)の外側表面に、帯電されたトナー粒子と強磁性のキャリア粒子とから成る2成分混合物が付着するようになっており、
アプリケータエレメント(14)が設けられており、ローラ(16)の表面に付着する2成分混合物が、該アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面の傍にガイドされるようになっており、
電界を形成するための手段が設けられており、電界が、2成分混合物の、少なくともローラ(16)の表面とアプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面との間に存在する部分に力を及ぼすようになっており、
2成分混合物をガイドする際に、電界が、2成分混合物に存在するトナー粒子の少なくとも一部に、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面に向かって力を及ぼすようになっており、
制御ユニットが設けられており、該制御ユニットが、電界強さを制御するようになっており、転写されたトナー粒子が、アプリケータエレメント(14)の、着色しようとする表面に、前調節された層厚を形成するようになっていることを特徴とする、電子写真式の印刷機または複写機のアプリケータエレメントを着色する装置。
【請求項34】
多色の印刷画像を記録材料に形成する印刷機または複写機において、
少なくとも2つの現像ステーションが設けられており、
第1の現像ステーションが、第1色の、帯電されたトナー粒子を収容しており、第2の現像ステーションが、第1色とは異なる第2色の、帯電されたトナー粒子を収容しており、
各現像ステーションにアプリケータエレメントが設けられており、アプリケータエレメントの、着色しようとする表面に、各現像ステーションに収容されたトナー粒子から成るトナー粒子層が、前調節された層厚で、請求項1から33までのいずれか1項記載の方法に従って形成されるようになっていることを特徴とする、多色の印刷画像を記録材料に形成する印刷機または複写機。
【請求項35】
多色の印刷画像を記録材料に形成する印刷機または複写機において、
少なくとも2つの現像ステーションが設けられており、
第1の現像ステーションが、第1色の、帯電されたトナー粒子を収容しており、第2の現像ステーションが、第1色とは異なる第2色の、帯電されたトナー粒子を収容しており、
各現像ステーションが、請求項1から34までのいずれか1項記載の装置を有していることを特徴とする、多色の印刷画像を記録材料に形成する印刷機または複写機。
【請求項36】
層の層厚さを相前後して求める、トナー粒子層の層厚を検出するための単個の測定装置が設けられている、請求項35記載の印刷機または複写機。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−537473(P2007−537473A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512057(P2007−512057)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005005
【国際公開番号】WO2005/111735
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(397018925)オーセ プリンティング システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (68)
【氏名又は名称原語表記】Oce Printing Systems GmbH
【住所又は居所原語表記】Siemensallee 2, D−85586 Poing, Germany
【Fターム(参考)】